JP4450300B2 - 交通コーン - Google Patents

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幸蔵 山口
伊佐男 井上
勝 矢口
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、円錐形道路標識として路側等に使用される交通コーンに係り、詳しくは、取り扱いが容易であり、安定した状態で設置できる交通コーンに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、交通コーンとしては、図7に示す構造のものが使用されている。即ち、交通コーン1は、台座2の上部に段部3を設け、前記段部3にコーン部4を一体に形成してなる。そして、前記交通コーン1に、転倒を防止し安定した状態で設置できるように、前記台座2上にコーンベッド(重石)5が載置される。コーンベッド5は、通常硬質のゴム製であり、重さ約2kgのリング状又は中央部にコーン部を挿通する透孔を有する平面方形状に形成されたものが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記交通コーン1は、内部は底面が開口した空洞であって、収納、保管あるいは運搬時に複数の交通コーンを上下に嵌合して積み重ねることができる反面、次のような問題があった。
【0004】
交通コーン1は、工事現場その他の屋外に設置されて使用されることが一般的であり、コーンベッド5は、コーン部4に上から被せて単に台座2に載せているにすぎない。このために、交通コーン1は、強風や車両の接触によって転倒すると、コーンベッド5が外れて事故の原因になるおそれがある。また、コーンベッド5は単に乗せているだけであるから、簡単に外すことができ、イタズラされて紛失することがある。
【0005】
また、コーンベッド5は、常に定位置に乗せられているわけではないので、見た目がよくないばかりでなく、安定性も悪い。また、コーン部4の頭部は、半球状であるから、持って運ぶときに持ち難いという問題があった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、コーンベッドが取り外し難く、持って運ぶときにも持ち易くて運搬作業が容易であるとともに、保管時には上下に嵌合して積み重ねることができる交通コーンを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記目的を達成するために次のような構成とした。即ちこの発明に係る交通コーンは、台座とコーン部を一体成形したコーン本体の前記台座の下面にコーンベッドを取り付けてなり、台座は、平面方形状の外周壁と平面円形状の内周壁との上部を上板で連結して下面に略円環状溝を形成してなり、コーンベッドを前記略円環状溝内にはめ込むことによって取り付けたことを特徴とする。前記台座の四隅部に台座の上面から上方に突出する突片を設けてもよい。また、台座を形成する外周壁と内周壁につめを突設し、前記つめによって取り付けたコーンベッドの脱落を防止することが好ましい。また、台座を形成する外周壁と内周壁につめを突設し、前記つめの両側に位置するようにそれぞれスリットを設けてもよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る交通コーンを図示する実施形態について説明する。交通コーンはコーン本体10とコーンベッド15とからなり、コーン本体10は、平面方形状の台座11の中央に円形の段部12を設け、前記段部12にコーン部13を一体に形成してなる。前記台座11の内周面には、上下に嵌合して積み重ねたとき、抜きやすくするためのストッパー16が設けられ、コーン部13の頂部には、ロープ通しや指掛け用の透孔17を設けてなる。コーン本体10の底面は開口しており、全体が空洞に形成されている。
【0009】
前記台座11は、平面方形状の外周壁11aと平面円形状の内周壁11bの上部を上板11cで連結し、前記内周壁11bを上方に延設して段部12を形成してなる。従って、前記台座11の底面は略円環状溝14に形成され、円環状溝14の内部に後述するコーンベッド15が外側からは見えないように取り付けられている。
【0010】
前記台座11の四隅部外周縁には、上板11cから上方に突出する突片18が設けられている。前記突片18は、台座11の内部に取り付けたコーンベッド15のみでは重石として十分な安定が得られない場合に、さらに追加的に取り付けたコーンベッド15をガイドするものである。このように、コーンベッド15を追加的に取り付けられるようにすることによって、強風が吹く工事現場や多少凸凹した地面であっても交通コーンを安定した状態で使用することができる。
【0011】
台座11の内部に取り付けられたコーンベッド15は、底面に設けたつめ20、21により保持されており、つめ20、21は、次のようにして形成されている。即ち、つめ20は、上板11cの外周壁11aに接して透孔23を設け、前記透孔23と重なり合うように、透孔23よりも小さなつめ20を外周壁11aから内向きに突設してなる。
【0012】
さらに、前記つめの両側に位置するように、外周壁11aにスリット25、25を設けてなる(図4参照)。このように、スリット25,25を設けた場合には、つめ20が一層バネ作用を有することになり、コーンベッド15のはめ込みが容易になる。
【0013】
また、つめ21は、次のようにして形成されている。即ち、つめ21は、上板11cの内周壁11bに接して透孔26を設け、前記透孔26と重なり合うように、透孔26よりも小さなつめ21を内周壁11bから外向きに突設してなる。前記つめ21は、図示する実施形態では、3つに分割成形されている。
【0014】
つめ21の分割位置と両側に位置するように、内周壁11bにスリット27,28を設けてなる(図5参照)。このように、スリット27、28を設けた場合には、つめ21が一層バネ作用を有することになり、コーンベッド15のはめ込みが容易になる。尚、つめ21は、分割することなく一体に形成してもよいが、分割することにより全体として大きく形成してもバネ作用によってコーンベッド15がはめ込みやすくなる。
【0015】
前記ストッパー16は、図2及び図3に示すように、内周壁11bと一体に連結し、その内周面の角度はコーン部13の外周面の傾斜角度とほぼ同じ角度に形成されており、内周面の上端は段部12よりも高く形成されている。ストッパー16を前記構成とすることによって、コーン本体10を積み重ねたときコーン部13同士は密着しないから、外表面を損傷させることがないばかりでなく、上段から容易に抜き出すことができる。
【0016】
さらに、コーン部13の頂部周面には、ロープ通しや指掛け用の透孔17を設けてなる。透孔17は、指を挿入して係止できる大きさであり、四方に設けることが好ましい。透孔17に指を掛けることによって、コーン本体10の持ち運びが容易になるとともに、ロープ等を通すことによって容易に掛け渡すことができる。
【0017】
上記構成において、コーンベッド15を台座11の下面から押し込むとつめ20、21はバネ作用によって変形するから、円環状溝14内にはめ込むことができる。その後、円環状溝14内にはめ込んだコーンベッド15は、つめ21の下面から挿入したビス30によって固定すればよい。また、上記構成において、台座11とコーン部13との間に段部12を設けた例を示したが、段部12は適宜省略することが可能である。
【0018】
図6は、この発明の他の実施形態を示すもので、コーン部の頂部を取り換え可能としたものである。即ち、コーン部31の上部を水平に切断し、内部に筒部32を一体に設ける。一方、頂部35は、略半円球形状頭部36の下面に前記筒部32に挿入されるソケット部37を一体に設け、全体を略円筒状体としたものである。
【0019】
前記のように、頂部35を着脱自在としたから、頂部35を任意の形状とすることができ、また、コーン部31とは異なる色とするができる。頂部35を取り換えることによってロープ用フック等任意の器具を取り付けることができ、また、コーン部31と色違いとすることによって目立たせることができる。また、前記ソケット部37を工事灯の取り付け穴として利用したり、また、頂部35を取り除くことによって、筒部32を工事灯の取付孔として利用することができる。
【0020】
頂部35を着脱自在としたから、先端形状を変更する場合には頂部のみを変更すればよい。従って、従来のように、先端形状が異なるごとにコーン本体を成形する金型全体を変更する必要がなく、全体として安価な交通コーンを提供することができる。
【0021】
尚、コーンベッドを台座の下面に取り付けるには、必ずしもつめを設けることが必要ではなく、つめ20、21のいずれか一方、又は双方を省略することは可能である。つめを省略した場合には、コーンベッドを外周壁、内周壁のいずれか一方又は双方にビス止め等によって固定すればよい。
【0022】
【発明の効果】
上記から明らかなように、本願発明に係る交通コーンは、コーンベッドを台座の内部にはめ込む構成とした交通コーン部が倒れても外れることがなく、また、外れることによる事故を防止することができる。また、コーンベッドは、内部に収納されるので見栄えがよいとともに、イタズラされて紛失することがない。また、台座の上面にも追加的にコーンベッドを取り付けられるので、強風の吹く場所等でも安定した状態で安全に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る交通コーンの一部を切り欠いた斜視図である。
【図2】 左半分が底面図、右半分が平面図である。
【図3】 要部断面図である。
【図4】 つめを示す断面斜視図である。
【図5】 同じくつめを示す断面斜視図である。
【図6】 頂部を分割成形した実施形態を示す要部断面図である。
【図7】 従来の交通コーンを示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
1:交通コーン
2:台座
3:段部
4:コーン部
5:コーンベッド(重石)
10:コーン本体
11:台座
11a:外周壁
11b:内周壁
11c:上板
12:段部
13:コーン部
14:略円環状溝
15:コーンベッド(重石)
16:ストッパー
17:透孔
18:突片
20,21:つめ
23:透孔
25:スリット
26:透孔
27、28:スリット
30:31:コーン部
32:筒部
35:頂部
36:半円球状頭部
37:ソケット部

Claims (5)

  1. 台座とコーン部を一体成形したコーン本体の前記台座の下面にコーンベッドを取り付けてなり、台座は、平面方形状の外周壁と平面円形状の内周壁との上部を上板で連結して下面に略円環状溝を形成してなり、コーンベッドを前記略円環状溝内にはめ込むことによって取り付けたことを特徴とする交通コーン
  2. 台座の四隅部に台座の上面から上方に突出する突片を設けたことを特徴とする請求項1に記載の交通コーン
  3. 台座を形成する外周壁と内周壁につめを突設し、前記つめによって取り付けたコーンベッドの脱落を防止することを特徴とする請求項1又は2に記載の交通コーン
  4. 台座を形成する外周壁と内周壁につめを突設し、前記つめの両側に位置するようにそれぞれスリットを設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の交通コーン
  5. つめの上方の上板に透孔を設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の交通コーン
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