JP4443066B2 - Load control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、回転体等の振動体に与える負荷を制御する技術に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
【0004】
振動体に与える負荷を制御する技術としては、自動車のエンジンや回転モータなどの原動機の実働負荷評価試験などにおける回転体の負荷制御の技術が知られている。
【0005】
たとえば、自動車のエンジンの実働負荷評価試験では、エンジンに対して負荷トルクを与えるダイナモメータを設け、自動車の実走行状態相当のを負荷トルクがエンジンに対して加わるようにダイナモメータのトルク制御を行うことにより、その負荷制御を行っている。
【0006】
図7に、このような負荷制御を行う従来の負荷制御装置の構成を示す。
【0007】
図中、1はガソリンエンジンやレシプロエンジンなどのエンジン、2はダイナモメータ、3は伝達軸、4はダイナモメータの回転軸と伝達軸3を連結するカップリング、5はエンジン1のクランクシャフトと伝達軸3を連結するカップリング、6はエンジン1に伝達されているトルクである伝達トルクFB_TQ_inを検出する伝達トルクセンサ、7は運転パターン制御部、8は目標トルク算出部、9はトルク制御部である。また、図に表れないが、エンジン1にはクランクシャフトの回転速度をエンジン回転速度Ne_REV_inとして計測するエンジン回転計が設けられてる。
【0008】
このような構成において、運転パターン制御部7は所定の試験走行パターンに従って制御信号ST_outによりエンジンの運転状態を制御する。目標トルク算出部8は、運転パターン制御部7から通知されるエンジン1の運転状態ST_INFやエンジン回転速度Ne_REV_inや車両の動特性モデルなどに基づいて目標とする負荷トルクであるところの目標トルクTRG_TQを算出する。トルク制御部9は、目標トルクTRG_TQと伝達トルクFB_TQ_inの差分DEF_TQを求める減算器9aと、差分DEF_TQを入力としてPID制御を行うPID制御部9bを備え、目標トルクTRG_TQと伝達トルクFB_TQ_inの差分DEF_TQが無くなるような、トルク制御出力DY_TQ-outをダイナモメータ2に出力する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
さて、自動車のエンジンの自動負荷評価試験においては、エンジンと変速器が分離できない構造となっているなどの理由により、変速器出力軸に対して負荷トルクを与えて試験を行いたい場合がある。
【0011】
また、自動車の加速から減速への変化時や、変速器のニュートラル状態時などの実働負荷評価試験を行うためには、実走行状態を模してエンジンに伝達する伝達トルクを正から負または負から正に変化させたり、伝達トルクをゼロに制御したりすることが必要となる。
【0012】
しかし、図7に示したような従来の負荷制御装置によれば、変速器のギヤの歯車間にバックラッシュが存在する場合には、このような実働負荷評価試験を行うことができなかった。
【0013】
すなわち、伝達トルクを正から負または負から正に変化させる場合には、伝達トルクの正負の切り替えに付随して歯車の歯当たり面が変化し、歯車間の歯当たりによる衝突が生じる。また、伝達トルクをゼロ及びその近傍に制御している状態では、エンジンとダイナモメータの回転速度のずれや、負荷制御の応答特性により、歯車間の歯当たりによる衝突が生じることが避けられない。特に、間欠的な爆発を原動力とするものであるエンジンでは、多気筒であっても回転速度に揺れが生じるため、このような歯当たりによる衝突の発生は回避しがたい。
【0014】
そして、従来の負荷制御の技術によれば、歯当たりによる衝突が生じると、この衝突によって伝達トルクに表れるインパクトトルクを打ち消す方向にトルク制御が行われることになるが、このトルク制御は、今度は逆の歯面による歯当たりによる衝突を生じさせてしまう。結果、歯当たりが繰り返し生じる発振的な状態となり、伝達トルクを適正に制御する事ができなくなる。また、制御ゲインや試験走行パターンによっては、歯当たりによる衝突に対するトルク制御によって生じる次の歯当たりによる衝突が、前の衝突よりも強くなる場合があり、この場合には、伝達トルクを適正に制御する事ができないのみならず、歯当たりの衝突の力により、ギヤその他のトルク伝達系要素の破損を引き起こしてしまう。
【0015】
ここで、図8に、目標トルクをゼロに固定したときの従来の負荷制御結果の一例を示す。図示するように、従来の負荷制御によれば、目標トルクをゼロとすると、トルク制御出力DY_TQ_outと伝達トルクFB_TQ_inが発振的な状態となり、歯当たりによる衝撃トルクが繰り返し伝達トルクFB_TQ_inに表れる。
【0016】
本発明は、このような問題を解決せんとするものであり、より具体的には、負荷を与える対象がバックラッシュを有するギヤを備えている場合でも、ゼロおよびゼロ近傍の負荷トルク領域においても、支障なく負荷トルクを制御することができる負荷制御装置を提供することを課題とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記課題達成のために、本発明は、たとえば、回転体に連結したダイナモメータが前記回転体に与える負荷トルクを目標トルクに制御する負荷制御装置であって、前記ダイナモメータが前記回転体に伝達しているトルクである伝達トルクを計測する手段と、目標トルクと前記伝達トルクの差分に応じた値と、前記回転体の回転速度と前記ダイナモメータの回転速度の差分に応じた値との加算値がゼロに近づくような制御量で、前記ダイナモメータを制御する制御手段とを有することを特徴とする負荷制御装置を提供する。
【0019】
このような負荷制御装置によれば、目標トルクと前記伝達トルクの差分と、前記回転体の回転速度と前記ダイナモメータの回転速度の差分の双方がゼロに近づけくようダイナモメータは制御される。結果、伝達トルクを目標トルクに追従させながら、前記回転体の回転速度と前記ダイナモメータの回転速度の差が抑えることができ、これによりバックラッシュの存在に起因する歯面の衝突を抑制することができる。
【0020】
また、本発明は、前記課題達成のために、 前記ダイナモメータが前記回転体に伝達しているトルクである伝達トルクを計測する手段と、目標トルクと前記伝達トルクの差分に所定値を乗じた値を、時間積分する時間積分手段と、前記時間積分手段の出力と前記回転体の回転速度を加算した値と、前記ダイナモメータの回転速度の差分を求める回転速度差分算出手段と、前記回転速度差分算出手段の出力に応じて、前記回転速度差分算出手段の出力をゼロに近づける制御量で、前記ダイナモメータを制御する制御手段とを有することを特徴とする負荷制御装置を提供する。
【0021】
このような負荷制御装置によれば、目標トルクと前記伝達トルクの差分に所定値を乗じた値を時間積分した値と、前記回転体の回転速度と前記ダイナモメータの回転速度の差分の双方がゼロに近づけくようダイナモメータは制御される。したがって、やはり、目標トルクと前記伝達トルクの差分と、前記回転体の回転速度と前記ダイナモメータの回転速度の差分の双方がゼロに近づけくようダイナモメータは制御される。
【0022】
また、さらに、このような負荷制御装置によれば、回転速度制御の観点では、各時点において、目標トルクと前記伝達トルクの差分に所定値を乗じた値を時間積分した値と前記回転体の回転速度を加算した値を目標として、ダイナモメータの回転速度が制御される。ここで、目標トルクと伝達トルクの差分に所定値を乗じた値を時間積分した値は、伝達トルクがその時点の目標トルクに一致した場合の回転体の回転速度に応じたものとなる。したがって、伝達トルクを目標トルクに一致させるためのトルク制御結果を先取りすることにより、より振動的にならずに速やかに伝達トルクを目標トルクに、ダイナモメータの回転速度を回転体の回転速度に収束させることができる。また、系の応答遅れによる不都合を解消することができる。
【0023】
ここで、これらような負荷制御装置において、前記目標トルクと前記伝達トルクの差分に所定値を乗じた値を時間積分した値と、前記回転体の回転速度を加算した値に応じて、前記目標トルクを算出するようにしてもよい。
【0024】
このようにすることにより、伝達トルクがその時点の目標トルクに一致させる制御を行った場合の前記回転体の回転速度に応じた目標トルクを先取りして設定できるようになり、より振動的にならずに速やかに伝達トルクを目標トルクに、ダイナモメータの回転速度を回転体の回転速度に収束させることができる。また、系の応答遅れによる不都合を解消することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について、自動車のエンジンの実働負荷評価試験装置への適用を例にとり説明する。
【0027】
図1に、本実施形態に係る実働負荷評価試験装置の構成を示す。
【0028】
図中、1はギヤの歯車間にバックラッシュを有する変速器1aを含むエンジン、2はダイナモメータ、3は伝達軸、4はダイナモメータの回転軸と伝達軸3を連結するカップリング、5は変速器1aの出力軸と伝達軸3を連結するカップリング、6はダイナモメータが実際に伝達しているトルクである伝達トルクFB_TQ_inを検出する伝達トルクセンサ、7は運転パターン制御部、10はトルク制御部である。また、図に表れないが、エンジン1には変速器1aの出力軸の回転速度をエンジン回転速度Ne_REV_inとして計測するエンジン回転計、ダイナモモータ2には回転軸の回転速度をダイナモ回転速度DY_REV_inとして検出する回転計がそれぞれ設けられてる。
【0029】
次に、図2にトルク制御部10の構成を示す。
【0030】
図中、101は目標トルクTRG_TQを算出する目標トルク算出部、102は伝達トルクFB_TQ_inと目標トルクTRG_TQの差分を求める減算器、103は加算器102出力に予め求めたエンジンの慣性モーメントJ5の逆数を乗じる乗算器、104は乗算器103出力を時間積分する積分器、105はエンジン回転速度Ne_REV_inと積分器104出力OFST_REVを加算する加算器、106は加算器105出力TRG_REVとダイナモ回転速度DY_REV_inとの差分を求める減算器、107は減算器106出力DEF_REVを入力としてPI制御を行うPI制御器、108はPI制御器107出力の正負を反転し、ダイナモメータ2のトルク制御出力DY_TQ_outとして出力する乗算器である。
【0031】
ここで、目標トルク算出部101は、加算器105出力TRG_REVと、運転パターン制御部7からのエンジン1制御状態ST_INFを入力し、これに所定の車両の動特性モデルを適用して、実走行状態において加わるであろう負荷トルクを推定し、これを目標とする負荷トルクであるところの目標トルクTRG_TQとして算出する。また、このような目標トルクTRG_TQの算出において、目標トルク算出部101は、加算器105出力TRG_REVをエンジン1の回転速度として車両の動特性モデルを適用する。
【0032】
次に、図3に、PI制御器107の構成を示す。
【0033】
図中、201は入力(減算器106出力DEF_REV)にPゲインCを乗じる乗算器、202は入力を時間積分する積分器、203は積分器202出力にIゲインkを乗じる乗算器、204は乗算器201出力と乗算器203出力を加算する加算器である。
【0034】
PI制御器107は、このように周知のPI制御の構成を備えているが、PゲインCは一次振動モデルの等価ダンピング定数、Iゲインkは一次振動モデルのバネ定数として把握することができ、Cは高周波に対する応答特性に、kは低周波に対する応答特性に主として寄与する。
【0035】
以下、このようなトルク制御部10の動作について説明する。
【0036】
まず、目標トルクTRG_TQ及び伝達トルクFB_TQ_inがゼロまたはゼロ近傍でない領域での動作について説明する。
【0037】
これらの領域では、変速器1aの歯車は同じ歯面でトルクをもって当接しながら回転するので、エンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inは一致していると考えて良い。
【0038】
この場合、本トルク制御器10は、以下のように動作する。
【0039】
すなわち、伝達トルクFB_TQ_inに目標トルクTRG_TQに対する正の差分が生じた場合、この差分は加算器102で算出され、乗算器103で乗算された後、積分器104の出力OFST_REVを正の方向に変化させる。そうすると、加算器105、減算器106を通ってPI制御器108に入力されたこの正の方向の変化分は、PI制御器の出力を正の方向に変化させ、乗算器108を介して、トルク制御出力DY_TQ_outを負の方向に変化させる。そうすると、ダイナモメータ2のトルクは減少し、結果、伝達トルクFB_TQ_inも減少し、目標トルクTRG_TQに近づいていくことになる。
【0040】
一方、伝達トルクFB_TQ_inに目標トルクTRG_TQに対する負の差分が生じた場合、この差分は加算器102で算出され、乗算器103で乗算された後、積分器104の出力OFST_REVを負の方向に変化させる。そうすると、加算器105、減算器106を通ってPI制御器108に入力されたこの負の方向の変化分は、PI制御器の出力を負の方向に変化させ、乗算器108を介して、トルク制御出力DY_TQ_outを正の方向に変化させる。そうすると、ダイナモメータ2のトルクは増加し、結果、伝達トルクFB_TQ_inも増加し、目標トルクTRG_TQに近づいていくことになる。
【0041】
次に、目標トルクTRG_TQ及び伝達トルクFB_TQ_inがゼロまたはゼロ近傍である領域での動作について説明する。
【0042】
これらの領域では、変速器1aにおけるバックラッシュの存在より、エンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inは一致しないことが生じ得る。そして、この不一致が、変速器1aの歯車の歯面の衝突をもたらすことになる。
【0043】
そこで、この領域において、本トルク制御部10は、伝達トルクFB_TQ_inを目標トルクTRG_TQに一致させる制御と、ダイナモ回転速度DY_REV_inをエンジン回転速度Ne_REV_inに一致させる制御の双方を行う。
【0044】
すなわち、目標トルクTRG_TQ、伝達トルクFB_TQ_inを入力とし、加算器102、乗算器103、積分器104、加算器105、減算器106、PI制御器107、乗算器108を経てトルク制御出力DY_TQ_outに至る系(仮に、「トルク制御ループ」と呼ぶ)は、前述したように伝達トルクFB_TQ_inを目標トルクTRG_TQに一致させる制御を行う。
【0045】
一方、エンジン回転速度Ne_REV_in、ダイナモ回転速度DY_REV_inを入力とし、加算器105、減算器106、PI制御器107、乗算器108を経てトルク制御出力DY_TQ_outに至る系(仮に、「回転速度制御ループ」と呼ぶ)は、ダイナモ回転速度DY_REV_inをエンジン回転速度Ne_REV_inに一致させる制御を行う。すなわち、エンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inの差分が減算器106で求められ、PI制御器107、乗算器108を介してトルク制御出力DY_TQ_outとして出力される。結果、エンジン回転速度Ne_REV_inの方がダイナモ回転速度DY_REV_inより大きい場合には、トルク制御出力DY_TQ_outは負の方向に減少し、これによってダイナモ回転速度DY_REV_inを増加させてエンジン回転速度Ne_REV_inに近づけ、エンジン回転速度Ne_REV_inの方がダイナモ回転速度DY_REV_inより小さい場合には、トルク制御出力DY_TQ_outは正の方向に減少し、これによってダイナモ回転速度DY_REV_inを減少させてエンジン回転速度Ne_REV_inに近づけることになる。
【0046】
なお、トルク制御出力値は、実際にはDCモータであるダイナモメータ2の電流値を指示するものであり、DCモータの特性により、この電流値が大きいほどダイナモメータ2のトルクは増加し、ダイナモメータ2の回転速度は減少する。
【0047】
そして、このようなトルク制御ループと回転速度制御ループの相互作用により、バックラッシュの存在による歯面の衝突が次のようにして緩和される。
【0048】
すなわち、いま歯面の衝突が生じて、トルク制御ループよりトルクを変化させるトルク制御出力DY_TQ_outが出力され、このトルク制御出力DY_TQ_outによって、ダイナモ回転速度DY_REV_inとエンジン回転速度Ne_REV_inの差が増加すると、回転速度制御ループは、ダイナモ回転速度DY_REV_inをエンジン回転速度Ne_REV_inに近づけるルク制御指示を出力しようとする。結果、トルク制御ループの出力は、それがエンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inの差を生じさせるものである場合には、回転速度制御ループによって抑圧されることになる。
【0049】
たとえば、単純な例を挙げれば、歯面の衝突が生じて、トルク制御ループよりトルクを増加させるトルク制御出力DY_TQ_outが出力されると、ダイナモメータ2の電流が増加してトルクは増加するが、これに伴い、その回転速度は減少する。すると、回転速度制御ループは、ダイナモ回転速度DY_REV_inを増加させる、したがって、ダイナモメータ2の電流を減少してトルクを減少させるトルク制御出力DY_TQ_outを出力しようとする。結果、トルク制御ループのトルクを増加させようとする出力は、回転速度制御ループによるダイナモ回転速度DY_REV_inを増加させようとする出力によって抑圧されることになる。
【0050】
したがって、バックラッシュとエンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inの差によって生じる衝突は緩和される。
【0051】
さて、ここで、本トルク制御器10では、加算器102で算出された伝達トルクFB_TQ_inの目標トルクTRG_TQに対する差分に対して乗算器103でエンジン1の慣性モーメントJ5の逆数を乗算した後、積分器104で時間積分し、この時間積分した値を現在のエンジン回転速度Ne_REV_inに加算器105で加算し、これとダイナモ回転速度DY_REV_inの差分を減算器106で求め、PI制御器107、乗算器108を介してトルク制御出力DY_TQ_outとして出力している。
【0052】
ここで、伝達トルクFB_TQ_inの目標トルクTRG_TQに対する差分に、慣性モーメントJ5の逆数を乗算し時間積分した値OFST_REVは、現在のエンジン回転速度Ne_REV_inと、伝達トルクFB_TQ_inが現在の目標トルクTRG_TQであったとした場合のエンジン回転速度Ne_REV_inの差分を表す。そして、これより加算器105で加算した値TRG_REVは、伝達トルクFB_TQ_inがその時点の目標トルクTRG_TQに一致した場合のエンジン回転速度Ne_REV_inの推定値を表すことになる。したがって、加算器105で加算した値TRG_REVとダイナモ回転速度DY_REV_inの差分を減算器106で求め、PI制御器107、乗算器108を介してトルク制御出力DY_TQ_outとして出力することは、回転速度制御の観点から見れば、伝達トルクFB_TQ_inがその時点の目標トルクTRG_TQに一致した場合のエンジン回転速度Ne_REV_inにダイナモ回転速度DY_REV_inを一致させようとする制御を行うことを意味する。
【0053】
そして、このことは、トルク制御器10全体として、伝達トルクFB_TQ_inをその時点の目標トルクTRG_TQに一致させようとするトルク制御を行いつつ、同時に、伝達トルクFB_TQ_inがその時点の目標トルクTRG_TQに一致した場合のエンジン回転速度Ne_REV_inにダイナモ回転速度DY_REV_inを一致させようとする回転速度制御が行われることを意味している。
【0054】
すなわち、本トルク制御器10は、トルク制御の観点よりも回転制御の観点よりも、同じ状態(伝達トルクFB_TQ_inがその時点の目標トルクTRG_TQに一致した場合の状態)を目標とする制御を行うので、速やかに、低振動的に、最終的に伝達トルクFB_TQ_inと目標トルクTRG_TQが一致し、エンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inが一致する状態にダイナモメータ2の状態を収束させることができる。
【0055】
また、このことは、表現を変えれば、回転速度制御という観点からみて、伝達トルクFB_TQ_inを目標トルクTRG_TQに一致させるためのトルク制御結果を先取りすることにより、より振動的にならずに速やかにダイナモ回転速度DY_REV_inをエンジン回転速度Ne_REV_inに収束させる効果があると言うことができる。そして、このような先取りによる回転速度制御によって、ダイナモ回転速度DY_REV_inとエンジン回転速度Ne_REV_inの差が大きくなってしまうことがより効果的に防げるので、より充分に、バックラッシュとエンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inの差によって生じる衝突を緩和することができる。
【0056】
次に、本トルク制御器10では、目標トルクTRG_TQとして、目標トルク算出部101において、加算器105出力TRG_REV、すなわち、伝達トルクFB_TQ_inがその時点の目標トルクTRG_TQに一致した場合のエンジン回転速度Ne_REV_inの推定値を、エンジン1の回転速度として車両の動特性モデルを適用して算出した目標トルクTRG_TQを用いている。
【0057】
すなわち、前述のように伝達トルクFB_TQ_inがその時点の目標トルクTRG_TQに一致した場合のエンジン回転速度Ne_REV_inにダイナモ回転速度DY_REV_inが一致するように制御した状態を先取りして目標トルクTRG_TQを算出している。
【0058】
そして、これにより、より振動的にならずに速やかに、伝達トルクFB_TQ_inが目標トルクTRG_TQに一致し、ダイナモ回転速度DY_REV_inがエンジン回転速度Ne_REV_inに一致する状態に収束させることができる。また、過剰、不要なトルク制御出力DY_TQ_outが抑えられるので、バックラッシュとエンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inの差によって生じる衝突が、より緩和されることになる。
【0059】
ここで、このようなトルク制御部10の制御の具体例をいくつか示す。
【0060】
図4は、運転パターン制御部7による試験走行パターンをエンジン回転速度一定のパターンとして、目標トルク算出部101が出力する目標トルクTRG_TQを強制的にゼロに固定した場合の、エンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inと伝達トルクFB_TQ_inの推移を表している。図示するように、本制御によれば、このような場合において伝達トルクFB_TQ_inをゼロ近傍の値に制御することができる。また、先に図8に示したように、変速器1aの歯当たりによる衝撃が発振的に繰り返し生じることもない。
【0061】
次に、図5は、アクセル開度ACCで表すスロットル開度のパターンを運転パターン制御部7による試験走行パターンとし、目標トルク算出部101が出力する目標トルクTRG_TQを強制的にゼロに固定した場合の、エンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inと伝達トルクFB_TQ_inとトルク制御出力FB_TQ-outの推移を表している。図示するように、本制御によれば、このようエンジン回転速度Ne_REV_inを任意に変化させた場合でも、伝達トルクFB_TQ_inをゼロ近傍の値に制御することができる。また、先に図8に示したように、変速器1aの歯当たりによる衝撃が発振的に繰り返し生じることもない。
【0062】
なお、図5では、エンジン回転速度Ne_REV_inに代えて、エンジン1のクランクシャフトの回転速度Ne_REV_in"を表している。エンジン回転速度Ne_REV_inは、これに一定の変速比を乗じたものとなり、これは図5中のダイナモ回転速度DY_REV_inとほぼ一致する。
【0063】
次に、図6は、アクセル開度ACCで表すスロットル開度のパターンを運転パターン制御部7による試験走行パターンとした場合の、エンジン回転速度Ne_REV_inとダイナモ回転速度DY_REV_inと伝達トルクFB_TQ_inとトルク制御出力FB_TQ-outと仮想車速VEの推移を表している。図示するように、本制御によれば、このようエンジン回転速度Ne_REV_inを任意に変化させ、これに目標トルクTRG_TQを追従させた場合でも、ゼロ近傍の値を含む全領域において伝達トルクFB_TQ_inを自動車の動特性モデルに従って制御することができる。また、ゼロ近傍の領域において、先に図8に示したように、変速器1aの歯当たりによる衝撃が発振的に繰り返し生じることもない。
【0064】
なお、図6においても、図5同様に、エンジン回転速度Ne_REV_inに代えて、エンジン1のクランクシャフトの回転速度Ne_REV_in"を表している。エンジン回転速度Ne_REV_inは、これに一定の変速比を乗じたものとなり、これは図6中のダイナモ回転速度DY_REV_inとほぼ一致する。
【0065】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0066】
なお、以上の実施形態では、エンジン回転計において、エンジン1の変速器1aの出力軸の回転速度として計測し、これをトルク制御部10の入力としたが、エンジン回転計において、エンジン1のクランクシャフトの回転速度を計測し、これに変速器1aの変速比を乗じて、エンジン回転速度Ne_REV_inとして、これをトルク制御部10の入力としてもよい。
【0067】
また、以上に示したトルク制御部10における演算処理は、ロジック回路等を用いた形態でハードウエア的に実施するようにしても、マイクロコンピュータ回路に上記制御を行うソフトウエアを実行させる形態でソフトウエア的に実施するようにしてもかまわない。
【0068】
また、以上では、自動車のエンジンの実働負荷評価試験装置への適用を例にとり説明したが、本実施形態に係るトルク制御部10の制御は、回転体を含む任意の振動体に負荷を与える場合に、同様に適用することができる。
【0069】
【発明の効果】
【0070】
以上のように、本発明によれば、負荷を与える対象がバックラッシュを有するギヤを備えている場合でも、ゼロおよびゼロ近傍の負荷トルク領域においても、支障なく負荷トルクを制御することができる負荷制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る実働負荷評価試験装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係るトルク制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係るPI制御器の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る負荷制御結果例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る負荷制御結果例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る負荷制御結果例を示す図である。
【図7】従来の実働負荷評価試験装置の構成を示すブロック図である。
【図8】従来のトルク制御結果例を示す図である。
【符号の説明】
1;エンジン、1a;変速器、2;はダイナモメータ、3;伝達軸、4;カップリング、5;カップリング、6;伝達トルクセンサ、7;運転パターン制御部、10;トルク制御部、101;目標トルク算出部、102;減算器、103;乗算器、104;積分器、105;加算器、106;減算器、107;PI制御器、108;乗算器、201;乗算器、202;積分器、203;乗算器、204;加算器[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
[0002]
The present invention relates to a technique for controlling a load applied to a vibrating body such as a rotating body.
[0003]
[Prior art]
[0004]
As a technique for controlling a load applied to a vibrating body, a technique for controlling the load of a rotating body in an actual working load evaluation test of a motor such as an automobile engine or a rotating motor is known.
[0005]
For example, in an actual load evaluation test for an automobile engine, a dynamometer is provided for applying a load torque to the engine, and torque control of the dynamometer is performed so that the load torque is applied to the engine corresponding to the actual running state of the automobile. Thus, the load control is performed.
[0006]
FIG. 7 shows a configuration of a conventional load control apparatus that performs such load control.
[0007]
In the figure, 1 is an engine such as a gasoline engine or a reciprocating engine, 2 is a dynamometer, 3 is a transmission shaft, 4 is a coupling connecting the rotation shaft of the dynamometer and the
[0008]
In such a configuration, the operation
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
[0010]
Now, in an automatic load evaluation test of an automobile engine, there is a case where it is desired to perform a test by applying a load torque to the output shaft of the transmission because the engine and the transmission cannot be separated.
[0011]
In addition, in order to perform an actual load evaluation test such as when the vehicle changes from acceleration to deceleration or when the transmission is in a neutral state, the transmission torque transmitted to the engine simulating the actual driving state is changed from positive to negative or negative. Therefore, it is necessary to change the transmission torque to zero or to control the transmission torque to zero.
[0012]
However, according to the conventional load control device as shown in FIG. 7, such an actual load evaluation test cannot be performed when backlash exists between the gears of the transmission.
[0013]
That is, when the transmission torque is changed from positive to negative or from negative to positive, the tooth contact surface of the gear changes in association with the switching of the transmission torque between positive and negative, and a collision due to tooth contact between the gears occurs. Further, in a state where the transmission torque is controlled to zero and in the vicinity thereof, it is inevitable that the collision between the gears is caused by the difference in rotational speed between the engine and the dynamometer and the response characteristic of the load control. In particular, in an engine that uses intermittent explosion as a driving force, even if there are many cylinders, the rotational speed fluctuates, so it is difficult to avoid such collision due to tooth contact.
[0014]
According to the conventional load control technology, when a collision due to tooth contact occurs, torque control is performed in a direction to cancel the impact torque appearing in the transmission torque due to this collision. Collisions caused by contact of teeth on the opposite tooth surface will occur. As a result, the tooth contact is repeatedly oscillated, and the transmission torque cannot be properly controlled. Also, depending on the control gain and test running pattern, the next tooth contact collision caused by the torque control for the tooth contact collision may be stronger than the previous collision. In this case, the transmission torque is controlled appropriately. In addition to being unable to do so, the force of the tooth contact collision causes damage to the gear and other torque transmission system elements.
[0015]
Here, FIG. 8 shows an example of a conventional load control result when the target torque is fixed to zero. As shown in the figure, according to the conventional load control, when the target torque is set to zero, the torque control output DY_TQ_out and the transmission torque FB_TQ_in are in an oscillation state, and the impact torque due to tooth contact appears repeatedly in the transmission torque FB_TQ_in.
[0016]
The present invention is intended to solve such a problem, and more specifically, even in the case where a subject to which a load is applied includes a gear having backlash, even in the zero and near load torque region. An object of the present invention is to provide a load control device capable of controlling the load torque without any trouble.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
[0018]
In order to achieve the above object, for example, the present invention provides a load control device that controls a load torque applied to a rotating body by a dynamometer connected to the rotating body to a target torque, and the dynamometer transmits the rotating torque to the rotating body. Adding a means for measuring the transmission torque, which is the torque being transmitted, a value corresponding to the difference between the target torque and the transmission torque, and a value corresponding to the difference between the rotational speed of the rotating body and the rotational speed of the dynamometer And a control unit that controls the dynamometer with a control amount such that the value approaches zero.
[0019]
According to such a load control device, the dynamometer is controlled such that both the difference between the target torque and the transmission torque and the difference between the rotational speed of the rotating body and the rotational speed of the dynamometer are close to zero. As a result, while causing the transmission torque to follow the target torque, the difference between the rotational speed of the rotating body and the rotational speed of the dynamometer can be suppressed, thereby suppressing tooth surface collision caused by the presence of backlash. Can do.
[0020]
In order to achieve the above object, the present invention provides a means for measuring a transmission torque, which is a torque transmitted from the dynamometer to the rotating body, and a difference between a target torque and the transmission torque multiplied by a predetermined value. Time integration means for integrating the time, a value obtained by adding the output of the time integration means and the rotational speed of the rotating body, a rotational speed difference calculating means for obtaining a difference between the rotational speeds of the dynamometer, and the rotational speed There is provided a load control apparatus comprising: a control unit that controls the dynamometer with a control amount that causes the output of the rotational speed difference calculation unit to approach zero according to the output of the difference calculation unit.
[0021]
According to such a load control device, both the value obtained by multiplying the difference between the target torque and the transmission torque by a predetermined value over time and the difference between the rotational speed of the rotating body and the rotational speed of the dynamometer are The dynamometer is controlled to approach zero. Therefore, the dynamometer is controlled so that both the difference between the target torque and the transmission torque and the difference between the rotational speed of the rotating body and the rotational speed of the dynamometer are close to zero.
[0022]
Furthermore, according to such a load control device, in terms of rotational speed control, at each time point, a value obtained by time-integrating a value obtained by multiplying a difference between the target torque and the transmission torque by a predetermined value and the rotational body The rotational speed of the dynamometer is controlled with the value obtained by adding the rotational speed as a target. Here, a value obtained by time-integrating a value obtained by multiplying the difference between the target torque and the transmission torque by a predetermined value corresponds to the rotational speed of the rotating body when the transmission torque matches the target torque at that time. Therefore, by prefetching the torque control result for matching the transmission torque with the target torque, the transmission torque is quickly converged to the target torque and the dynamometer rotation speed is converged to the rotation speed of the rotating body without becoming more vibrational. Can be made. In addition, inconvenience due to system response delay can be solved.
[0023]
Here, in such a load control device, according to a value obtained by time-integrating a value obtained by multiplying a difference between the target torque and the transmission torque by a predetermined value, and a value obtained by adding the rotation speed of the rotating body, the target The torque may be calculated.
[0024]
In this way, the target torque can be set in advance according to the rotational speed of the rotating body when the control is performed so that the transmission torque matches the target torque at that time. Accordingly, it is possible to quickly converge the transmission torque to the target torque and the rotational speed of the dynamometer to the rotational speed of the rotating body. In addition, inconvenience due to system response delay can be solved.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[0026]
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described taking application to an actual load evaluation test apparatus for an automobile engine as an example.
[0027]
FIG. 1 shows a configuration of an actual load evaluation test apparatus according to the present embodiment.
[0028]
In the figure, 1 is an engine including a transmission 1a having a backlash between gears of a gear, 2 is a dynamometer, 3 is a transmission shaft, 4 is a coupling for connecting the rotary shaft of the dynamometer and the
[0029]
Next, the configuration of the
[0030]
In the figure, 101 is a target torque calculation unit for calculating the target torque TRG_TQ, 102 is a subtractor for obtaining the difference between the transmission torque FB_TQ_in and the target torque TRG_TQ, and 103 is the reciprocal of the engine inertia moment J5 obtained in advance for the output of the
[0031]
Here, the target
[0032]
Next, FIG. 3 shows the configuration of the
[0033]
In the figure, 201 is a multiplier that multiplies an input (
[0034]
The
[0035]
Hereinafter, the operation of the
[0036]
First, an operation in a region where the target torque TRG_TQ and the transmission torque FB_TQ_in are not zero or near zero will be described.
[0037]
In these regions, the gears of the transmission 1a rotate while contacting with torque on the same tooth surface, so it can be considered that the engine rotational speed Ne_REV_in and the dynamo rotational speed DY_REV_in coincide.
[0038]
In this case, the
[0039]
That is, when a positive difference with respect to the target torque TRG_TQ occurs in the transmission torque FB_TQ_in, this difference is calculated by the
[0040]
On the other hand, when a negative difference with respect to the target torque TRG_TQ occurs in the transmission torque FB_TQ_in, this difference is calculated by the
[0041]
Next, an operation in a region where the target torque TRG_TQ and the transmission torque FB_TQ_in are zero or near zero will be described.
[0042]
In these regions, the engine rotational speed Ne_REV_in and the dynamo rotational speed DY_REV_in may not match due to the presence of backlash in the transmission 1a. This mismatch results in a collision of the tooth surfaces of the gear of the transmission 1a.
[0043]
Therefore, in this region, the
[0044]
That is, a system that receives the target torque TRG_TQ and the transmission torque FB_TQ_in as input, and reaches the torque control output DY_TQ_out through the
[0045]
On the other hand, a system that receives the engine speed Ne_REV_in and the dynamo speed DY_REV_in, and reaches the torque control output DY_TQ_out through the
[0046]
The torque control output value actually indicates the current value of the
[0047]
Then, due to the interaction between the torque control loop and the rotation speed control loop, the tooth surface collision due to the presence of backlash is mitigated as follows.
[0048]
That is, when a tooth surface collision occurs and a torque control output DY_TQ_out that changes the torque is output from the torque control loop, and if the difference between the dynamo rotational speed DY_REV_in and the engine rotational speed Ne_REV_in increases due to this torque control output DY_TQ_out, The speed control loop tries to output a torque control instruction for bringing the dynamo rotational speed DY_REV_in closer to the engine rotational speed Ne_REV_in. As a result, the output of the torque control loop is suppressed by the rotational speed control loop when it causes a difference between the engine rotational speed Ne_REV_in and the dynamo rotational speed DY_REV_in.
[0049]
For example, when a tooth surface collision occurs and a torque control output DY_TQ_out that increases torque is output from the torque control loop, the current of the
[0050]
Therefore, the collision caused by the backlash, the difference between the engine rotational speed Ne_REV_in and the dynamo rotational speed DY_REV_in is alleviated.
[0051]
Now, in the
[0052]
Here, the value OFST_REV obtained by multiplying the difference between the transmission torque FB_TQ_in and the target torque TRG_TQ by the reciprocal of the moment of inertia J5 and integrating the time is assumed that the current engine speed Ne_REV_in and the transmission torque FB_TQ_in were the current target torque TRG_TQ. Represents the difference in engine speed Ne_REV_in. Then, the value TRG_REV added by the
[0053]
This means that the
[0054]
That is, the
[0055]
In other words, from a viewpoint of rotational speed control, this can be achieved by preempting the torque control result for making the transmission torque FB_TQ_in coincident with the target torque TRG_TQ. It can be said that there is an effect of converging the rotational speed DY_REV_in to the engine rotational speed Ne_REV_in. Such a pre-rotation speed control can effectively prevent the difference between the dynamo rotation speed DY_REV_in and the engine rotation speed Ne_REV_in from being increased, so that the backlash, the engine rotation speed Ne_REV_in and the dynamo Collisions caused by the difference in rotational speed DY_REV_in can be mitigated.
[0056]
Next, in the
[0057]
That is, as described above, the target torque TRG_TQ is calculated in advance in a state where the control is performed so that the dynamo rotational speed DY_REV_in matches the engine rotational speed Ne_REV_in when the transmission torque FB_TQ_in matches the target torque TRG_TQ at that time. .
[0058]
Thus, it is possible to quickly converge the transmission torque FB_TQ_in to the target torque TRG_TQ and the dynamo rotation speed DY_REV_in to the engine rotation speed Ne_REV_in without becoming more vibrational. Further, since excessive and unnecessary torque control output DY_TQ_out can be suppressed, the collision caused by the backlash, the difference between the engine rotational speed Ne_REV_in and the dynamo rotational speed DY_REV_in is further alleviated.
[0059]
Here, some specific examples of the control of the
[0060]
FIG. 4 shows the engine rotational speed Ne_REV_in and the dynamometer when the test running pattern by the driving
[0061]
Next, FIG. 5 shows a case where the throttle opening pattern represented by the accelerator opening ACC is a test travel pattern by the operation
[0062]
In FIG. 5, instead of the engine rotational speed Ne_REV_in, the rotational speed Ne_REV_in "of the crankshaft of the
[0063]
Next, FIG. 6 shows the engine rotation speed Ne_REV_in, dynamo rotation speed DY_REV_in, transmission torque FB_TQ_in, and torque control output when the throttle opening pattern represented by the accelerator opening ACC is a test travel pattern by the operation
[0064]
6 also represents the rotational speed Ne_REV_in "of the crankshaft of the
[0065]
The embodiment of the present invention has been described above.
[0066]
In the above embodiment, the engine tachometer measures the rotation speed of the output shaft of the transmission 1a of the
[0067]
Further, the arithmetic processing in the
[0068]
In the above description, the application to the actual load evaluation test apparatus for an automobile engine has been described as an example. However, the control of the
[0069]
【The invention's effect】
[0070]
As described above, according to the present invention, the load torque can be controlled without hindrance even in the case where the object to which the load is applied includes a gear having backlash, even in the load torque region near zero. A control device can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a block diagram showing a configuration of an actual load evaluation test apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a block diagram showing a configuration of a torque control unit according to the embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a block diagram showing a configuration of a PI controller according to the embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing an example of a load control result according to the embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a diagram showing an example of a load control result according to the embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing an example of a load control result according to the embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a block diagram showing a configuration of a conventional actual load evaluation test apparatus.
FIG. 8 is a diagram showing an example of a conventional torque control result.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (7)
前記ダイナモメータが前記回転体に伝達しているトルクである伝達トルクを計測する手段と、
前記目標トルクと前記伝達トルクの差分に応じた値と、前記回転体の回転速度と前記ダイナモメータの回転速度の差分に応じた値との加算値がゼロに近づくような制御量で、前記ダイナモメータの発生トルクを制御する制御手段とを有することを特徴とする負荷制御装置。A load control device for controlling a load torque applied to the rotating body by a dynamometer connected to the rotating body to a target torque,
Means for measuring a transmission torque which is a torque transmitted by the dynamometer to the rotating body;
The dynamometer is controlled in such a manner that an added value of a value corresponding to the difference between the target torque and the transmission torque and a value corresponding to the difference between the rotational speed of the rotating body and the rotational speed of the dynamometer approaches zero. A load control device comprising control means for controlling torque generated by the meter.
前記ダイナモメータが前記回転体に伝達しているトルクである伝達トルクを計測する計測手段と、
前記目標トルクと前記伝達トルクの差分に所定値を乗じた値を、時間積分する時間積分手段と、
前記時間積分手段の出力と前記回転体の回転速度を加算した値と、前記ダイナモメータの回転速度の差分を求める差分算出手段と、
前記差分算出手段の出力に応じて、前記回転速度差分算出手段の出力をゼロに近づける制御量で、前記ダイナモメータの発生トルクを制御する制御手段とを有することを特徴とする負荷制御装置。A load control device for controlling a load torque applied to the rotating body by a dynamometer connected to the rotating body to a target torque,
Measuring means for measuring a transmission torque which is a torque transmitted by the dynamometer to the rotating body;
A time integration means for time-integrating a value obtained by multiplying a difference between the target torque and the transmission torque by a predetermined value;
A difference calculation means for obtaining a difference between the output of the time integration means and the rotational speed of the rotating body, and the rotational speed of the dynamometer;
A load control apparatus comprising: a control unit that controls a torque generated by the dynamometer with a control amount that causes the output of the rotational speed difference calculation unit to approach zero according to the output of the difference calculation unit.
前記目標トルクと前記伝達トルクの差分に前記所定値を乗じた値を時間積分した値と、前記回転体の回転速度を加算した値に応じて、前記目標トルクを算出する目標トルク算出手段を有することを特徴とする負荷制御装置。The load control device according to claim 2 ,
A target torque calculating means for calculating the target torque according to a value obtained by time-integrating a value obtained by multiplying a difference between the target torque and the transmission torque by the predetermined value and a rotation speed of the rotating body; A load control device.
前記所定値は、前記回転体の慣性モーメントの逆数であることを特徴とする負荷制御装置。The load control device according to claim 2 or 3 ,
The load control device, wherein the predetermined value is a reciprocal of an inertia moment of the rotating body.
前記ダイナモメータはDCモータであって、
前記制御手段は前記制御量によって前記DCモータの電流値を制御することを特徴とする負荷制御装置。The load control device according to claim 1, 2, 3 or 4,
The dynamometer is a DC motor,
The load control device, wherein the control means controls a current value of the DC motor according to the control amount.
請求項1、2、3、4または5記載の負荷制御装置と、
前記原動機出力軸を前記回転体として、当該出力軸に連結した前記ダイナモメータとを有することを特徴とする負荷試験装置。A load testing device for applying a load to a motor mounted on a vehicle,
The load control device according to claim 1, 2, 3, 4 or 5,
A load test apparatus comprising: the motor output shaft as the rotating body; and the dynamometer coupled to the output shaft.
前記ダイナモメータが前記回転体に伝達しているトルクである伝達トルクを計測するステップと、Measuring a transmission torque which is a torque transmitted by the dynamometer to the rotating body;
目標トルクと前記伝達トルクの差分に前記回転体の慣性モーメントの逆数を乗じた値を、時間積分するステップと、Integrating the value obtained by multiplying the difference between the target torque and the transmission torque by the reciprocal of the moment of inertia of the rotating body,
前記時間積分した値と前記回転体の回転速度を加算した値と、前記ダイナモメータの回転速度の差分を被制御対象差分として求めるステップと、Obtaining the difference between the value obtained by integrating the time and the rotational speed of the rotating body, and the rotational speed of the dynamometer as a controlled object difference;
前記被制御対象差分をゼロに近づける制御量で、前記ダイナモメータの発生トルクを制御するステップと、Controlling the generated torque of the dynamometer with a control amount that brings the controlled object difference close to zero; and
前記時間積分した値と前記回転体の回転速度を加算した値に応じて前記目標トルクを算出するステップとを有することを特徴とする負荷制御方法。And a step of calculating the target torque in accordance with a value obtained by adding the time integrated value and a rotation speed of the rotating body.
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