JP4442804B2 - 蓄熱装置及び蓄熱槽に使用されるシート状伝熱促進材 - Google Patents

蓄熱装置及び蓄熱槽に使用されるシート状伝熱促進材 Download PDF

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Description

本発明は、伝熱促進材を伝熱管の周りに配置することにより、熱交換効率、伝熱効率の向上を実現した蓄熱装置及び蓄熱槽に使用されるシート状伝熱促進材に関するものである。
熱媒体が内部を通る伝熱管を有する蓄熱槽又は熱交換器等において、伝熱管の外側の蓄熱材への単位体積当たりの伝熱量は、伝熱管からの距離が離れると減少する。特に、蓄熱材が潜熱蓄熱材の場合は、液相では対流による熱伝達で伝熱が促進されるが、固相では熱伝導による伝熱となるため、伝熱管から離れた部分への熱通過係数が小さいと伝熱効率が低下してしまう。
そこで、潜熱蓄熱槽の伝熱促進効率を向上させるため、従来、図16に示すように、パラフィン等の蓄熱材33の充填された蓄熱槽30において、伝熱管31の周囲にブラシ状に成形された炭素繊維32を配設することにより伝熱方向に上記炭素繊維の繊維方向を指向させ、これによって熱通過係数を大となし、蓄熱槽の性能向上を実現した蓄熱システムが提案されている(特許文献1)。
特開2000−55578号公報(図1、図2参照)
ところで、上記従来の蓄熱システムでは、蓄熱槽としての性能向上は実現し得たが、炭素繊維が芯金から半径方向に放射状に広がっているため、伝熱管の半径方向と直交する方向等の必要でない方向にも伝熱され、またブラシの重なり部分がある等の点で、さらなる改善が望まれている。
また、炭素繊維の使用量が多く、また炭素繊維をブラシ形状に成形するための製造コストが比較的高く、またブラシ形炭素繊維の蓄熱槽内への設置が容易でないという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、熱交換効率、伝熱効率の向上を実現し、コスト低減、伝熱促進材の取り付けの容易性等を実現し得る蓄熱装置及び蓄熱槽に使用されるシート状伝熱促進材を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するため、
第1に、蓄熱槽内に複数本の伝熱管が互いに平行に配設されると共に、該蓄熱槽内に蓄熱材を充填して上記伝熱管を蓄熱材中に浸漬した蓄熱装置において、上記蓄熱材よりも熱伝導率の高い伝熱促進材を可撓性シート状に形成したシート状伝熱促進材を設け、該シート状伝熱促進材のシート面を上記複数の伝熱管の外周面に接触させた状態で、当該シート状伝熱促進材を上記伝熱管の管路方向と略直交するように上記蓄熱槽内に配設したものであることを特徴とする蓄熱装置により構成されるものである。
当該蓄熱槽において蓄熱材(例えばパラフィン)を使用して例えば温熱蓄熱を行う場合、伝熱管に蓄熱材の融点より高い温度の熱媒体を導入すると、上記伝熱管の周囲のパラフィンが融解し、さらに上記伝熱管の熱はシート状伝熱促進材に伝達されるため、隣接する伝熱管の間に位置するシート状伝熱促進材に沿って当該促進材の両面に位置する蓄熱材を融解する。従って、シート状伝熱促進材により蓄熱材への伝熱が促進され、熱通過係数を大きくして伝熱促進効率を向上することができる。上記シート状伝熱促進材は、熱を伝達する方向に繊維方向を配列した炭素繊維や、フィルム状のステンレスシート等により構成することができる。
第2に、蓄熱槽内に複数本の伝熱管が互いに平行に配設されると共に、該蓄熱槽内に蓄熱材を充填して上記伝熱管を蓄熱材中に浸漬した蓄熱装置において、上記蓄熱材よりも熱伝導率の高い伝熱促進材を可撓性シート状に形成したシート状伝熱促進材を設け、該シート状伝熱促進材のシート面の一面及び他面を上記一の伝熱管の外周面から他の伝熱管の外周面に交互に接触させていくことにより、上記シート状伝熱促進材をそのシート面が上記伝熱管の管路方向と略直交するように上記蓄熱槽内に配設したものであることを特徴とする蓄熱装置により構成されるものである。
このようにシート状伝熱促進材を配設することにより、蓄熱材への伝熱が促進され伝熱促進効率を向上させることができる。
第3に、上記シート状伝熱促進材を炭素繊維により構成し、該炭素繊維の繊維方向が上記伝熱管の管路方向と略直交するように当該シート状伝熱促進材を配設したものである事を特徴とする上記第1又は2記載の蓄熱装置により構成されるものである。
このように炭素繊維を使用すると、炭素繊維の繊維方向に熱を伝達し得て、蓄熱材への伝熱効率を向上することができる。
第4に、上記シート状伝熱促進材は上記炭素繊維を縦糸として使用し、炭素繊維以外の繊維を横糸として使用することにより形成されたものであることを特徴とする上記第3記載の蓄熱装置により構成されるものである。
炭素繊維以外の繊維としては例えば樹脂繊維を使用することができる。これにより、シート状伝熱促進材における炭素繊維等の使用量を低減して、コスト低減を行うことができる。尚、このようなシート状伝熱促進材は、例えば図5、図9に示す伝熱促進材(6)により構成することができる。
第5に、上記シート状伝熱促進材は四角形状又は帯状をなし、上記伝熱管に平行となる上記シート状伝熱促進材の端部側縁に組立用紐を接続したものであることを特徴とする上記第1〜4の何れかに記載の蓄熱装置により構成されるものである。
このように構成すると、シート状伝熱促進材の伝熱管への取り付けの際、組立用紐を利用して効率的かつ容易に取り付け作業を行うことができる。
第6に、上記シート状伝熱促進材は上記伝熱管の管路方向に所定の間隔を以って複数枚配設したものであることを特徴とする上記第1〜5の何れかに記載の蓄熱装置により構成されるものである。
例えば蓄熱材としてパラフィン等を使用した場合、例えば融解による蓄熱材の体積膨張が生じても、支障なく上記シート状伝熱促進材を使用することができる。
第7に、縦糸及び横糸により構成されたシート状伝熱促進材であって、少なくとも上記縦糸として蓄熱槽内の蓄熱材よりも熱伝導率の高い炭素繊維を使用して当該促進材を四角形状又は帯状に形成したものであることを特徴とする蓄熱槽に使用されるシート状伝熱促進材により構成されるものである。
第8に、上記シート状伝熱促進材は炭素繊維以外の繊維による横糸を使用して形成されたものであることを特徴とする上記第7記載の蓄熱槽に使用されるシート状伝熱促進材により構成されるものである。
上記炭素繊維以外の繊維による横糸は、例えば樹脂繊維等により構成することができる。
第9に、上記シート状伝熱促進材は炭素繊維の方向に直交する対向2辺を閉止する側縁部材を有しており、該側縁部材に組立用紐が接続されているものであることを特徴とする上記第7又は8に記載の蓄熱槽に使用されるシート状伝熱促進材により構成されるものである。
本発明によると、蓄熱槽内の伝熱管に配設されたシート状伝熱促進材の方向に熱が伝導し、これにより熱通過係数を大となし、蓄熱槽の伝熱促進効率を向上させることが可能な蓄熱装置を実現し得る。
このように炭素繊維を使用すると、炭素繊維の繊維方向に熱を伝達し得て、蓄熱材への伝熱効率を向上することができる。
炭素繊維以外の繊維としては例えば樹脂繊維を使用することができる。これにより、シート状伝熱促進材における炭素繊維の使用量を低減して、コスト低減を行うことができる。
また、炭素繊維を縦糸に使用したシート状伝熱促進材を使用しているため、従来のブラシ状の伝熱促進材に比較して、蓄熱装置全体として炭素繊維の使用量を低減し得る。
また、シート状伝熱促進材としたので、該伝熱促進材の伝熱管への取り付けを容易に行うことができる。
また、シート状伝熱促進材を所定の間隔を以って配置することにより、融解により体積膨張する蓄熱材に対しても支障なく使用することができる蓄熱装置を実現し得る。
また、蓄熱槽の伝熱促進効率を向上し得る低コストのシート状伝熱促進材を実現し得るものである。
また、蓄熱槽内における例えば伝熱管等への取り付けの容易なシート状伝熱促進材を実現し得るものである。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
まず、本発明に係る蓄熱装置を例えば温熱蓄熱に利用する場合における一形態について図1に従って説明する。同図において、1は本発明に係る蓄熱槽であり、内部には複数の屈曲伝熱管3が配設され、かつ潜熱蓄熱材としてパラフィン10が充填されているものとする。例えば夜間の余剰電力を用いてヒートポンプH等の熱源を駆動し、上記伝熱管3内のエチレングリコール又は水等の熱媒体をパラフィン10の融点(40〜80℃)以上に加熱(例えば55℃)し、伝熱管3内を循環させる。これにより上記伝熱管3の周りのパラフィン10を融解して固相から液相とする。このとき、シート状伝熱促進材6によりパラフィン10への伝熱促進効率を向上させる。このように夜間電力を利用して蓄熱槽1内の蓄熱材を融解し蓄熱する。昼間においては、上記ヒートポンプHを停止し、切換弁20,20を放熱管21に切り換えて、上記熱媒体を循環ポンプPにより建物の空調設備22に送出し、蓄熱槽1と空調設備22との間を循環させる。上記熱媒体の温度が上記蓄熱材の融点以下になると(例えば約35℃)、上記パラフィン10は液相から固相となる。
このように、例えば夜間、余剰電力を利用して蓄熱槽1に蓄熱を行う場合、上記伝熱管3から上記蓄熱材(固相のパラフィン10)にできるだけ効率的に熱を伝達することが必要となる。本発明においては、この伝熱促進効率を向上させるため、以下に説明する伝熱促進材として炭素繊維等を使用したシート状伝熱促進材6を用いるものである。
次に、本発明に係る蓄熱装置の具体的構成を説明する。図2、図3は本発明に係る蓄熱装置に使用する蓄熱槽1を示すものであり、当該蓄熱槽1内には図4に示すような入力口3i及び出力口3oを有する単一の屈曲伝熱管3が上記蓄熱槽1内に、その長手方向に沿って互いに平行に配設されている。尚、図2の例では蓄熱槽1内に8列の屈曲伝熱管3が設けられている。これらの屈曲伝熱管3の各々は上段の伝熱管3a、下段の伝熱管3d及びこれらの伝熱管3a,3dの間に位置する中段の伝熱管3b,3c(全4段)、さらにこれらの伝熱管を接続する弧状接続管3eから構成されており、上記伝熱管3a〜3dは互いに平行に形成されている。
これらの屈曲伝熱管3は、上記蓄熱槽1の正面側からみると、図2に示すように、隣接する屈曲伝熱管3がその取り付け高さを交互に異ならせた状態で配設されており、その結果、各屈曲伝熱管3の上記入力口3i及び出力口3oは蓄熱槽1の幅方向に千鳥状の配列となっている。
これらの屈曲伝熱管3の各入力口3iは、上記蓄熱槽1の一側面上部に固定された入力側集合管部4に接続されており、該入力側集合管部4に熱媒体の入力管4aが接続され、該入力管4aから入力する熱媒体が当該集合部4から各屈曲伝熱管3内に流入するように構成されている。また、上記屈曲伝熱管3の各出力口3oは上記蓄熱槽1の一側面下部に固定された出力側集合管部5に接続されており、該出力側集合管部5に出力管5aが接続され、上記各伝熱管3内を流れてきた熱媒体は上記出力管5aから流出するように構成されている。尚、上記熱媒体としては、例えばエチレングリコール又は水等が用いられる。
6は伝熱促進材としての炭素繊維(CF)によるシート(以下、「シート状伝熱促進材」という)であり、当該1枚のシートは全体として長方形等の四角形又は帯状のシート状をなしている(図5(a)参照)。上記シート状伝熱促進材6を構成する炭素繊維は、上記蓄熱材(例えばパラフィン10:熱伝導率0.2W/m・K)より熱伝導率が高く、熱伝導率が50W/m・K以上のものを使用することが好ましい。
このシート状伝熱促進材6は、その縦糸Xに直径約10ミクロン/本の炭素繊維、横糸Yに直径約1mm/本の樹脂繊維を用い、これらの繊維により編込み形成されている。より具体的には、図5(b)に示すように、炭素繊維による縦糸Xが長手方向(矢印ab方向)に並列した状態となっており、長手方向のt1=約10mm間隔で左右方向に樹脂繊維による横糸Yを設け、当該横糸Yで上記炭素繊維をその左右方向幅t2=約2mmずつの幅で縫い込むことにより、全体をシート形状に形成したものである。このように横糸に炭素繊維以外の繊維として樹脂繊維Yを用いることにより、炭素繊維の全体の使用量を軽減してコストの低減を図ることができる。
6a,6bはこのシート状伝熱促進材6の上下端の補強用の側縁部材であり、炭素繊維の繊維方向に直交する対向2辺に沿って例えばガムテープ等を2つ折りで貼着することにより構成されており、当該側縁部材6a,6bで上記対向2辺を閉止するものである。これにより上記炭素繊維の両端部の解れ等が防止される。この側縁部材6a,6bには複数の透孔7が穿設されており、当該透孔7には伝熱管への組み付け用の組立用紐8の一端が各々結合されている。
このように構成されるシート状伝熱促進材6は、以下のように上記伝熱管3に取り付けることができる。ここで、説明の便宜上、一の屈曲伝熱管3に隣接する他の屈曲伝熱管3の符号に「’」を付して表す。図6乃至図8に示すように、上記屈曲伝熱管3の上端の伝熱管3aにそのシート端部の側縁部材6a部分を巻き付け、3つのクリップ9で該シート側縁3箇所を上記伝熱管3aに係止し(図3参照)、該側縁に連続するシート面の一面6’及び他面6”を、一の伝熱管3b外周面から他の伝熱管3cの外周面に交互に接触させながら巻付けて行く。
即ち、上記屈曲伝熱管3の伝熱管3b,3c、3dの各外周面に上記一面6’及び他面6”が交互に接触するように巻き付けて行き、下段の伝熱管3dの下側を通して当該シート状伝熱促進材6をUターンさせ、さらに隣接する屈曲伝熱管3’の下段の伝熱管3d’から再び該屈曲伝熱管3’の一の伝熱管3c’の外周面から他の伝熱管3b’の外周面に交互に接触させるように上部方向に巻き付けていき、シート側縁部材6bを上記屈曲伝熱管3’の上段の伝熱管3a’に巻き付けて、3つのクリップ9で上記側縁部材6b部分を該伝熱管3a’に係止する。このようにして、隣接する一対の伝熱管3,3’に、1枚のシート状伝熱促進材6を同様に巻き付けていくことで、図8に示すように全ての屈曲伝熱管3に上記シート状伝熱促進材6を垂直方向に巻き付けていく。尚、上記クリップ9による両端係止部分は上からシリコン等の接着剤を塗布してシート両端部を上記伝熱管3a,3a’に接着することが好ましい。尚、シート状伝熱促進材6を一対の屈曲伝熱管毎ではなく、該促進材6をより長い帯状に形成してより多くの屈曲伝熱管3に巻き付ける構成としても良い。
上記シート状伝熱促進材6の上記屈曲伝熱管3,3’への取り付け方法は、具体的には上記蓄熱槽1の天板及び側板を取り外し、例えば図7に示すように、隣接する屈曲伝熱管3,3’上段の伝熱管3a、3a’の間から該シート状伝熱促進材6の下側の側縁部材6bを挿入し、所定の伝熱管の間から組立用紐8を持って該促進材6を下側に引っ張り込むことにより容易に行うことができる。このようにシート状伝熱促進材6の炭素繊維による縦糸Xは各伝熱管の管路方向(長手方向)に対して略直交する方向に配置される(図7参照)。
このシート状伝熱促進材6は、上記屈曲伝熱管3の管路方向長さにもよるが、例えば図3に示すように、当該蓄熱槽1において、屈曲伝熱管3の管路方向(長手方向)に3枚の上記シート状伝熱促進材6を同様に取り付け、隣接するシート状伝熱促進材6間には間隙t3を形成する。各伝熱促進材6間に間隙t3を設けるのは、例えばパラフィン10を潜熱蓄熱材として用いた場合、パラフィンが融解するとその体積が膨張するため、伝熱管3の長手方向全体に1枚のシート状伝熱促進材6を取り付けた場合、パラフィン10の体積膨張によりシート状伝熱促進材6が押圧されて該伝熱促進材6に無理な力が加わることになる。これを防止するために、シート状伝熱促進材6を3枚に分割して各促進材6間に間隙t3を形成したのである。
図9に示すものはシート状伝熱促進材6の他の実施形態であり、縦方向(矢印a,b方向)に繊維(縦糸X)の方向を揃えてシート状に形成した炭素繊維シート6Aの両面に樹脂繊維によるネット6B,6B’(約10mm角の縦糸、横糸から構成された方形枡によるネット)を貼着することにより全体として四角形又は帯状のシート状に形成したものである。かかるシート状伝熱促進材6も上記と同様に、上記炭素繊維の繊維方向(X)が伝熱管の管路方向に略直交するように上記屈曲伝熱管3に配設して使用することができる。
10は上記蓄熱槽1内に充填される潜熱蓄熱材としてのパラフィンであり、温熱蓄熱又は温熱放熱として蓄熱槽1を使用する場合は、該蓄熱材として例えば融点が40℃〜80℃の範囲にあるパラフィン10を使用する。従って、当該蓄熱槽1にはパラフィン10が当該蓄熱槽1の天面内側sより若干低い上端面dに至るまで充填されており(図3参照)、上記各屈曲伝熱管3及び上記炭素繊維シート6は当該パラフィン10内に完全に浸漬された状態となっている。
図10、図11に示すものは、本発明に係るシート状伝熱促進材6を用いた他の蓄熱槽1を示すものであり、隣接する一対の屈曲伝熱管3,3’に垂直方向にシート状伝熱促進材6を同様に配設したものである。この蓄熱槽1では、伝熱管の長手方向に4枚のシート状伝熱促進材6が間隔t3を以って配設されている。
本発明の蓄熱槽1は上述のように構成されるものであるから、上記蓄熱槽1で例えば温熱蓄熱を行う場合は、ヒートポンプHによりパラフィン10の融点以上に加熱された熱媒体を屈曲伝熱管3内に循環させると、パラフィン10が加熱され屈曲伝熱管3の各伝熱管の周りのパラフィン10は融解して液相となる。このとき融解するパラフィン10の様子(融解部10a,10b)を図12に示す。
同図に示すように、伝熱管3b等の熱は、伝熱管3b等の周囲のパラフィン10に伝達され、該伝熱管3b等の周囲のパラフィン10が融解し、伝熱管の半径方向に略円弧形状の融解部10aが形成される。また、伝熱管3b等の熱はシート状伝熱促進材6の炭素繊維の方向(長手方向)に当該シート6の炭素繊維に沿って迅速に伝達され、上下に隣接する伝熱管3b,3c等を結ぶシート状伝熱促進材6の経路に沿ってパラフィン10が融解していく。即ち、シート状伝熱促進材6の両面6’、6”に沿って上記略円弧形状の融解部10a、10aを結ぶ直線的な融解部10bが形成される。ここで図12に示す4つの伝熱管3b,3b,3c、3cの各中心軸を結ぶエリアE内をみると、上記パラフィン10の融解(融解部10a,10b)により当該エリアE内の略全てのパラフィン7が迅速に融解することがわかる。
図13は、上記シート状伝熱促進材6を水平方向に配設した蓄熱槽1を示すものであり、その配設方法は、図10等に示す上記促進材6の垂直方向の配置が水平方向になる点を除いては、同様である。このように上記シート状伝熱促進材6を水平方向に配設しても、上記と同様の作用効果を得ることができる。
図14に示すものは、上記蓄熱槽1のさらに他の実施形態を示すものであり、(a)は隣接する各段の伝熱管を千鳥状に配列すると共に各伝熱管を左右方向に同一水準位置となるように配設し、各段の同一水準位置の伝熱管の外周上面(片側)にシート状伝熱促進材6のシート面を接触させて配設したものである。(b)は各段の伝熱管を左右方向に弧状(上に凸弧状)に配列すると共に垂直方向には整列し、各段の伝熱管の外周上面(片側)にシート状伝熱促進材6のシート面を接触させて配設したものである。(c)は隣接する伝熱管を左右方向及び垂直方向に整列配置し、シート状伝熱促進材6を各列の各伝熱管の外周面左右両側にそのシート面が接触するように、上段の伝熱管を基準に2つ折り状態で屈曲配設したものである。尚、シート状伝熱促進材6の炭素繊維の方向は図中矢印で示すように、何れも伝熱管の管路方向に略直交する方向となる。このようにシート状伝熱促進材6を配設することにより、伝熱促進材のシート面の炭素繊維に沿って熱が伝達するため、シート状伝熱促進材6に沿う方向の伝熱促進効率を向上させ、蓄熱槽1の性能向上を実現することができる。
以上のように、本発明に係る蓄熱装置によると、蓄熱槽1内の伝熱管に配設されたシート状伝熱促進材6の方向に熱が伝導し、これにより伝熱管から離れた位置での熱通過係数を大となし、蓄熱槽1の伝熱促進効率を向上させることができる。
また、シート状伝熱促進材6を炭素繊維により構成し、該シート状伝熱促進材6の炭素繊維の方向を伝熱管の管路に略直交する方向に配設することにより、伝熱の方向に炭素繊維の方向を指向させることができ、蓄熱槽1の伝熱促進効率を向上させることができる。
また、炭素繊維を縦糸に使用したシート状伝熱促進材6を使用しているため、当該促進材6の形成が容易であり伝熱促進材の製造コストを低減することができる。
また、炭素繊維を縦糸に使用したシート状伝熱促進材6を使用しているため、従来のブラシ状の伝熱促進材に比較して、蓄熱装置全体として炭素繊維の使用量を低減し得る。尚、炭素繊維の量は従来のブラシ形伝熱促進材と比較して約1/3程度低減し得る。
また、伝熱促進材がシート形状であるため、蓄熱槽1内の屈曲伝熱管3(伝熱管3a等)への取り付けを組立用紐8等を使用して容易に行うことができる。
また、複数枚のシート状伝熱促進材6を間隔t3を以って配置することにより、蓄熱材の体積膨張収縮に対しても何ら支障なく使用することができる。
また、蓄熱槽1の伝熱促進効率を向上し得る低コストのシート状伝熱促進材6を実現し得る。
また、蓄熱槽1内における例えば伝熱管等への取り付けの容易なシート状伝熱促進材6を実現し得る。
尚、上記実施形態では炭素繊維によるシート状伝熱促進材を示したが、その他、可撓性のあるフィルム状のステンレスシート等の金属製シートによりシート状伝熱促進材を形成することもできる。
以下に示す条件で蓄熱実験を行った。
(1)上下に6段の伝熱管を有する屈曲伝熱管3を10本平行に配列した蓄熱槽を用いた。
(2)炭素繊維を使用した幅450mmのシート状伝熱促進材を用い、該シート状伝熱促進材を伝熱管に垂直方向(図10)又は水平方向(図13)に配列した蓄熱槽を用いた。尚、シート状伝熱促進材の配設は、図2に示すように該促進材の一面及び他面を伝熱管の外周に交互に接触させる方法を用いた。炭素繊維の熱伝導率は190W/m・Kのものを使用した。
(3)蓄熱材としてパラフィンを使用した。
(4)比較実験として、伝熱促進材を全く使用しない蓄熱槽と、伝熱管間隙に図16に示す従来の炭素繊維ブラシを設置した蓄熱槽を用いた。
(5)蓄熱槽を38℃に保った後、熱媒体として55℃の水をステップ的に蓄熱槽に流入させてパラフィンを融解させた。
(6)実験結果(図15参照)
図15に蓄熱率の経時変化を示す。蓄熱率は、蓄熱量Qch(蓄熱槽の出入口の熱媒体温度差から求められる蓄熱速度の時間積分)と理論蓄熱量Qth(55℃と38℃におけるエンタルピーの差)で定義した。同図より明らかにシート状伝熱促進材を使用した場合の方が伝熱促進材を使用しない場合より蓄熱速度は大きくなっている。また、シート状伝熱促進材の設置方向(垂直方向と水平方向)による差異は見られない。さらに、炭素繊維ブラシとシート状伝熱促進材の伝熱促進効果には大きな差異は見られず、シート状伝熱促進材においても炭素繊維ブラシと同等の伝熱促進効果があることがわかった。実験に用いたシート状伝熱促進材の炭素繊維は、縦糸と横糸共に使用しており横糸は伝熱にて寄与しておらず、横糸は炭素繊維以外にすることで炭素繊維の使用量を削減することが可能である。
本発明に係る蓄熱装置を温熱放熱に使用する場合の一例を示すブロック図である。 同上蓄熱装置の側板を外した状態の正面図である。 同上蓄熱装置の側板を外した状態の側面図である。 同上蓄熱装置に使用する屈曲伝熱管の斜視図である。 (a)は本発明に係るシート状伝熱促進材の平面図、(b)は同上伝熱促進材の一部拡大図である。 同上蓄熱装置に使用する伝熱管の正面図であり、シート状伝熱促進材を取り付けた状態を示す図である。 同上蓄熱装置の屈曲伝熱管の斜視図であり、伝熱管にシート状伝熱促進材を取り付ける状態を示す図である。 同上蓄熱装置の横断正面図である。 シート状伝熱促進部材の他の実施形態を示すものである。 同上蓄熱装置の横断正面図である。 同上蓄熱装置の側板を取り外した状態の側面図である。 同上蓄熱装置の横断正面図であり、蓄熱槽内の伝熱の状態を示す図である。 シート状伝熱促進材を水平方向に配置した同上蓄熱装置の横断正面図である。 (a)乃至(c)は何れも同上蓄熱装置の横断正面図であり、シート状伝熱促進材の設置のバリエーションを示すものである。 蓄熱槽1の蓄熱実験の結果を示すものであり、蓄熱率の時間変化を示す図である。 従来の蓄熱槽の側面断面図である。
符号の説明
1 蓄熱槽
3、3’ 屈曲伝熱管
3a〜3d 伝熱管
6 シート状伝熱促進材
6’ 一面
6” 他面
6a,6b 側縁部材
8 組立用紐
10 パラフィン(蓄熱材)
t3 間隙
X 縦糸(炭素繊維)
Y 横糸

Claims (6)

  1. 蓄熱槽内に複数本の伝熱管が互いに平行に配設されると共に、該蓄熱槽内に蓄熱材を充填して上記伝熱管を蓄熱材中に浸漬した蓄熱装置において、
    上記蓄熱材よりも熱伝導率の高い伝熱促進材を可撓性シート状に形成したシート状伝熱促進材を設け、
    該シート状伝熱促進材のシート面を上記複数の伝熱管の外周面に接触させた状態で、当該シート状伝熱促進材を上記伝熱管の管路方向と略直交するように上記蓄熱槽内に配設した蓄熱装置であって、
    上記シート状伝熱促進材を炭素繊維により構成し、
    該炭素繊維の繊維方向が上記伝熱管の管路方向と略直交するように当該シート状伝熱促進材を配設し、
    上記シート状伝熱促進材は上記炭素繊維を縦糸として使用し、炭素繊維以外の繊維を横糸として使用することにより形成されたものであることを特徴とする蓄熱装置。
  2. 蓄熱槽内に複数本の伝熱管が互いに平行に配設されると共に、該蓄熱槽内に蓄熱材を充填して上記伝熱管を蓄熱材中に浸漬した蓄熱装置において、
    上記蓄熱材よりも熱伝導率の高い伝熱促進材を可撓性シート状に形成したシート状伝熱促進材を設け、
    該シート状伝熱促進材のシート面の一面及び他面を上記一の伝熱管の外周面から他の伝熱管の外周面に交互に接触させていくことにより、上記シート状伝熱促進材をそのシート面が上記伝熱管の管路方向と略直交するように上記蓄熱槽内に配設した蓄熱装置であって、
    上記シート状伝熱促進材を炭素繊維により構成し、
    該炭素繊維の繊維方向が上記伝熱管の管路方向と略直交するように当該シート状伝熱促進材を配設し、
    上記シート状伝熱促進材は上記炭素繊維を縦糸として使用し、炭素繊維以外の繊維を横糸として使用することにより形成されたものであることを特徴とする蓄熱装置。
  3. 上記シート状伝熱促進材は四角形状又は帯状をなし、上記伝熱管に平行となる上記シート状伝熱促進材の端部側縁に組立用紐を接続したものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄熱装置。
  4. 上記シート状伝熱促進材は上記伝熱管の管路方向に所定の間隔を以って複数枚配設したものであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の蓄熱装置。
  5. 縦糸及び横糸により構成されたシート状伝熱促進材であって、
    少なくとも上記縦糸として蓄熱槽内の蓄熱材よりも熱伝導率の高い炭素繊維を使用して当該促進材を四角形状又は帯状に形成すると共に、
    上記シート状伝熱促進材は炭素繊維以外の繊維による横糸を使用して形成されたものであり、
    上記蓄熱槽内において、上記炭素繊維の縦糸の繊維方向が上記蓄熱槽内の伝熱管の管路方向と略直交するように配設されるものであることを特徴とする蓄熱槽に使用されるシート状伝熱促進材。
  6. 上記シート状伝熱促進材は炭素繊維の方向に直交する対向2辺を閉止する側縁部材を有しており、該側縁部材に組立用紐が接続されているものであることを特徴とする請求項5に記載の蓄熱槽に使用されるシート状伝熱促進材。
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