JP4441748B2 - 経済成長率予測プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,家計貯蓄の銀行コストを考慮し,純投資を,資本蓄積のみならず技術蓄積にも分配する,現実の技術開発型の経済機構に良く適合する,コブ・ダグラス拡張型生産関数に適用できる経済機構モデルに則り, コンピュータを利用し, 予測年度の経済政策に基づく経済政策変数を入力することにより,経済成長率を予測出力する,経済成長率予測プログラムに係り,より詳しくは,産出量(Y) を,技術水準量(A),資本量(K),そして就業者数(L) から成る変数と, 定数としての係数(χ) 及び資本分配率(a) とで表す, コブ・ダグラス拡張型生産関数:Y= χA ・K a ・L 1-a を各年度に適用できる, 所定の経済機構モデル〔以下,CDモデル。〕に則り, コンピュータを利用し, 少なくとも連続する最近二ヵ年の経過年度t,t-1の経済統計から採用した複数の実績値をデータ入力し,更に次年度t+1 以降の予測年度の複数の経済政策変数(β;θ 1 ,θ 2 ,γ)を導入することにより,全体としての貯蓄(S) を企業貯蓄( S P )と家計貯蓄( S H [= S-S P ] )に分離し, かつ, 純貯蓄に相当する純投資(I)を量的投資原資である資本蓄積 (ΔK)と質的投資原資である技術蓄積 (ΔA)に分離して, それぞれ数式により関係付け,CDモデルにおける技術水準量(A) を所与の技術係数とした外生的な扱いから生産関数変数とする内生的な扱いに転換し, 次年度t+1 以降の産出量(Y) 及び資本量(K) を演算により予測するとともに,年度毎の相対増加率である産出量成長率(gY),資本量成長率(gK)及び就業者増加率(n) から成る経済成長率を演算により予測し, これらの予測値をコンピュータ出力するようにした経済成長率予測プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術の経済成長率予測プログラムは,産出量(Y) を,資本量(K) 及び就業者数(L) から成る変数と, 定数としての比例係数である技術水準(A) 及び資本分配率(a) とで表す, コブ・ダグラス生産関数:Y= A ・K a ・L1-aを適用する,ソロー・モデル(Solow model) とも呼ばれる経済機構モデルに則り, コンピュータを利用し経済成長率を予測する,経済成長率予測プログラムがあった。
【0003】
従来技術の経済成長率予測プログラムにおける,上記,ソロー型経済機構モデルは,予測年度t+1 のY(t+1)を求める場合, 先ず経過年度のY(t)を付与し, 定数としての貯蓄率: s を用い, 企業貯蓄:S p及び家計貯蓄:S Hから成る貯蓄(S=sY=S p +S H) を求め, 該貯蓄全てを予測年度t+1 の純投資:I(t+1) とし,該純投資全てを, 資本量(K) の(t+1) 年度の増加量である資本蓄積: ΔK とし,予測年度t+1 の資本量:K(t+1)=K(t)+ ΔK とし,L(t+1)は,就業者増加率:nを用いて, L(t+1)=(1+n)L(t)から求め, 経過年度t の(Y,K,L) から算出した定数である技術水準(A) と,資本分配率(a) とを用いて, コブ・ダグラス生産関数:Y(t+1)= A ・[K(t+1)] a・[L(t+1)]1-a を適用して,該Y(t+1),K(t+1), そしてその年度毎の相対増加率である(gY,gK) から成る経済成長率を求めていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の経済成長率予測プログラムにおける,ソロー型経済機構モデルは,コブ・ダグラス生産関数において,技術水準(A) を,定数としての比例係数としてのみ取り扱うので,技術進歩がなく,一定として見なすので,現実の経済機構に適合せず,そして貯蓄全てを純投資とし,該純投資全てを, 資本蓄積: ΔK とするので,現実の蓄積の減少を説明することができず,現実の経済政策を反映する,経済政策変数を含まず,技術開発型の経済機構に適合せず,従って予測年度の経済成長率を予測するのが困難である問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題点を解決するために,本発明の経済成長率予測プログラムは,技術開発型の経済機構に適合する, 所定の拡張したコブ・ダグラス拡張型生産関数: Y=χA ・K a ・L1-aを定め, 生産関数の変数として,資本量(K) だけでなく,金額表示可能な技術水準量(A) を定め, そして経済政策に基づく経済政策変数( β, θ1)を用い, 純投資を,資本蓄積ΔK のみならず,技術蓄積ΔA にも分配し,(Y,A,K) を確保する経済機構モデルを構築し, そして該経済機構モデルに則り, コンピュータを利用し, 少なくとも連続する最近二ヵ年の経過年度の複数のデータを入力し,更に次年度以降の予測年度の複数の該経済政策変数を入力することにより,次年度以降の産出量(Y) 及び資本量(K) を予測し, そして年度毎の産出量成長率(gY)及び資本量成長率(gK)から成る経済成長率を予測し,これらの予測値を該コンピュータから出力する機能をさせるための経済成長率予測プログラムである事を特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に対応する経済成長率予測プログラムは,国民所得としての産出量(Y) を,技術水準量(A),資本量(K),そして就業者数(L) から成る変数と, 定数としての係数( χ) 及び資本分配率(a) とで表す, コブ・ダグラス拡張型生産関数:Y= χA ・K a ・L1-aを各年度に適用できる, 所定の経済機構モデルに則り, コンピュータを利用し, 少なくとも連続する最近二ヵ年の経過年度の複数のデータを入力し,更に次年度以降の予測年度の複数の経済政策変数を入力することにより,次年度以降の産出量(Y) 及び資本量(K) を予測し, そして年度毎の相対増加率である産出量成長率(gY)及び資本量成長率(gK)から成る経済成長率を予測し,これらの予測値を該コンピュータから出力する機能をさせるための経済成長率予測プログラムであって,該経済成長率予測プログラムは,該コンピュータを,
生産関数変数・定数(Y,K,L,a) に加えて,少なくとも企業貯蓄(S p) 及び家計貯蓄(S H) を算出するに要する複数のデータから成る経過年度の実績データセット(DS)を用い,予め少なくとも最近二ヵ年の経過年度t,t-1 に対する, 実績データセット DS(t)及びDS(t-1) を入力する手段,
予め該実績データセット DS(t)及びDS(t-1) を記録しておく記録手段,
該経済機構モデルに関わる, 経済政策変数の一つである純家計貯蓄変数( θ1)における, 予め少なくとも経過年度t のθ1 実績値を入力する手段,
予め該θ1(t)実績値を記録しておく記録手段,
該経済機構モデルに関わる, 経済政策変数の一つである資本投資分配変数( β),そして該技術水準量(A) 及び係数( χ) における,予め少なくとも経過年度t の算出実績値( β,A, χ) を算出する演算手段,
予め該算出実績値( β,A, χ) を記録しておく記録手段,
予め該算出実績値の, 少なくとも経過年度t のβ(t) を出力する手段,
少なくとも経過年度t の該β(t) 算出実績値とθ1(t)実績値とを考慮して, 予めt+1 年度以降の予測年度の経済政策に基づく経済政策変数である,少なくともβ(t+1) 及びθ1(t+1)を入力する手段,
予め該β(t+1) 及びθ1(t+1)を記録しておく記録手段,
該実績データセットDS(t) 及びDS(t-1) から,t 年度の就業者増加率(n(t)=[L(t)-L(t-1)]/L(t-1)) を求め, 更にt 年度における,貯蓄(S=S p +S H ) とY との比である貯蓄率(s=S/Y),企業利益(P) とS p との比である留保性向率(s p =S p /P),そして該企業利益(P) とY との比である資本分配率(a=P/Y) を含む, 初期定数( χ,a,s,s p,n) が,t+1 年度以降において定数とする条件下で,予測年度の該経済政策変数( β, θ1)を用い, 該経済機構モデルに則り, 少なくともt+1 年度以降の生産関数変数(Y,A,K) を算出し,年度毎の相対増加率であるgY及gKから成る経済成長率の予測値を算出する演算手段,
t+1 年度以降の該予測値(Y,A,K) と(gY,gK) を記録しておく記録手段, そして少なくともt+1 年度の該産出量及び資本量予測値(Y,K) と, 該産出量成長率及び資本量成長率(gY,gK) とから成る経済成長率予測値を出力する手段,
として機能させるための経済成長率予測プログラムである事を特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2に対応するコンピュータ読み取り可能な記録媒体は,請求項1記載の経済成長率予測プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である事を特徴とする。
【0008】
本発明の請求項1に対応する経済成長率予測プログラム及び請求項2に対応するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いるコンピュータは,演算手段及び比較判定手段を装備した中央処理ユニット(CPU)を有し,更にメモリを持ち,該コンピュータに所定の数値及びプログラムを,該メモリに記録する手段,そして入力及び出力する手段を有する事を特徴とする。
【0009】
本発明の経済成長率予測プログラムにおいて,産出量(Y) ,技術水準量(A),そして資本量(K) は,金額として付与・表示する事を特徴とする。
【0010】
本発明の経済成長率予測プログラムにおいて,i 年度の産出量成長率:gY(i)及び資本量成長率gK(i) は,それぞれi,i-1 年度のY,K を用い, gY(i)=[Y(i)-Y(i-1)]/Y(i-1)及びgK(i)=[K(i)-K(i-1)]/K(i-1)で与えられるものとする。
【0011】
本発明の経済成長率予測プログラムにおいて,コブ・ダグラス拡張型生産関数:Y= χA ・K a ・L1-aを各年度に適用できる経済機構モデルは,図2に示すように,初期定数( χ,a,s,s p,n) が,予測t+1 年度において定数とする条件下で,経過年度t の(Y,A,K,L) を付与し, 予測t+1 年度の経済政策に基づく経済政策変数( β, θ1)を用い, 予測t+1 年度の(Y,A,K,L) を算出する該経済機構モデルであって,先ずY(t)を付与し, 定数 aを用い, 企業利益(P) を求め, 更に定数(s p) を用い, 企業貯蓄(S p) を確保し,一方, 定数である貯蓄率:sを用い, 貯蓄(S=sY=S p +S H )を求め, 家計貯蓄(S H=S-Sp ) を算出し,それぞれ経過年度t の企業貯蓄:S p(t) 及び家計貯蓄:S H(t) を確保する事も出来る。次に, 予測t+1 年度の経済政策に基づく経済政策変数の一つである, 純家計貯蓄変数: θ1(t+1)を用い, 該家計貯蓄:S H(t) から, 予測t+1 年度の銀行コストに相当する(1- θ1)・S H を減じた, 純家計貯蓄: θ1 ・S H を確保する。ここで,該企業貯蓄(S p) と純家計貯蓄: θ1 ・S H との和が,予測t+1 年度の純投資: I(t+1) =S p + θ1 ・S H と成る。
I(t+1) =S p + θ1 ・S H ・・・・・・( 式1)
次に, 該企業貯蓄(S p) が,予測t+1 年度の資本(K) の増加分となる資本蓄積: ΔK と,技術水準量(A) の増加分となる技術蓄積: ΔA とに, 予測t+1 年度の経済政策に基づく経済政策変数の一つである企業貯蓄投資変数( θ2)を用い, それぞれ, 分配比, θ2:(1- θ2)で分配されるものとする。他方, 該純家計貯蓄: θ1 ・S H は,該資本蓄積: ΔK と技術蓄積: ΔA とに, 予測t+1 年度の経済政策に基づく経済政策変数の一つである家計貯蓄投資変数( γ) を用い, それぞれ, 分配比, γ:(1-γ) で分配されるものとする。従って, 該純投資:I(t+1) からの, 該資本蓄積: ΔK と技術蓄積: ΔA への分配比が結果として, β:(1-β) に成り,下記関係式を得る。
ΔK=β・I(t+1)= θ2 ・S p + γθ1 ・S H ・・・・・・・・・( 式2)
ΔA=(1- β) ・I(t+1)= (1- θ2)S p + (1- γ) θ1 ・S H ・・( 式3)
故に, 予測t+1 年度の(A,K,L) は,下記関係式により確保する事が出来る。
A(t+1)=A(t)+ΔA,K(t+1)=K(t)+ΔK,そしてL(t+1)=(1+n)L(t)・・( 式4)
従って, 定数χを用い, 予測t+1 年度のY(t+1)を確保できる。
ここで,予測t+1 年度の経済政策に基づく経済政策変数( β, θ1,θ2,γ) 間には, 式1及び式2を用い,
となり,経済政策変数( θ1,θ2,γ) の関数F(θ1,θ2,γ) で表すことができ,該変数( θ1,θ2,γ) を付与することにより,該変数βを定める事が出来る。
この様にして,予測t+1 年度のY(t+1)は,予測t+1 年度の少なくとも二つの経済政策変数( β, θ1)を用いて, 算出する事が出来る。また逆に, 経済政策変数( β, θ1)が与えられると, γ- θ2 の関係は,(式5) から,
γ= β[1+(S p /(θ1S H))]-θ2[S p /(θ1S H)]・・・・・・・( 式6)
で示す直線特性を得る。なお,該各経済政策変数( β, θ1,θ2,γ) の採りうる値の範囲は,0 ≦θ1 ≦1,そして各( β, θ2,γ) に関しては, 正負にわたる全ての領域の値を採り得る。従って, 負符号を有する各( β, θ2,γ) の意味は,該各( β, θ2,γ) に起因する, 分配資本が負になれば,分配先から該分配資本が減じて流出し,その減少分だけ,対応する逆の分配先に逆流する事を意味する事を特徴とする。
【0012】
本発明の経済成長率予測プログラムにおいて,純家計貯蓄変数( θ1)は,家計貯蓄:S H(t) から, 銀行コストに相当する(1- θ1)・S H を減じた値の,該家計貯蓄:S H(t) に対する比: θ1 として定義し, 従って, 該値: θ1 が1 に近づくと, 銀行コストが小さくなる経済政策変数の一つの特徴を示す。
【0013】
本発明の経済成長率予測プログラムにおいて,経過年度t の算出実績値(A, χ) の演算処理におけるA の算出は,コブ・ダグラス拡張型生産関数:Y= χA ・K a ・L1-aにおいて,両辺の対数(In)をとり,更に生産関数変数(Y,A, K,L)の各々に対する微分を作用すると,各年度に対する恒等式:(式7)を得る。
(ΔY/Y)=(ΔA/A)+a( ΔK/K)+(1-a)( ΔL/L)・・・・・・・( 式7)
となり,t 年度に対し, ΔY/Y=[Y(t)-Y(t-1)]/Y(t-1)=gY なので,同様にして, ΔK/K=gK及びΔL/L=n となり, そしてこれらは実績データセット DS(t)及びDS(t-1) から既知なので,
(ΔA/A)= ΔA/A(t-1)=gY-(a・gK)-(1-a)n
従って,
A(t-1)=ΔA/[gY-(a・gK)-(1-a)n] ・・・・・・・・・・・( 式8)
を得る。次に,(式3) のΔA=(1- β) ・I(t)を( 式8) に代入し, 金額表示のA(t-1)を確保し,従って,A(t)=ΔA+A(t-1)により,金額表示のA(t)をも確保する事が出来る。
一方, 該演算処理におけるχの算出は,上記, 既知のt 年度の生産関数変数(Y,A, K,L)を, 該拡張型生産関数:Y= χA ・K a ・L1-aに代入することにより, 確保する事が出来る。
【0014】
本発明の経済成長率予測プログラムにおいて,実績データセット DS(t)及びDS(t-1) として,DSの変数及び定数の組を,DS(Y,K,L,a,s,s p) とし,これらの実績データセットは,「国民経済計算年報」内閣府経済社会総合研究所( 平成13年版) 等から採用する事も出来る。
【0015】
本発明の経済成長率予測プログラム,並びにそのコンピュータ読み取り可能な記録媒体は,これらを活用し,実績データを有する複数の経過年度実績データを用い,予測年度に対する少なくとも所定の経済政策変数( β, θ1)を仮定し, リカーシブル処理とも呼ぶ,繰り返し演算処理を用いることもでき,所望するN 年間の産出量及び資本量(Y,K) , そしてこれらに伴う産出量成長率及び資本量成長率(gY,gK) を予測する, 短期のみならず,中・長期的な各種の予測演算シミュレーションを行い, 将来の所望する経済政策を反映した該経済政策変数を有する, 経済成長率を予測できる作用を有する。
【0016】
本発明の経済成長率予測プログラム,並びにそのコンピュータ読み取り可能な記録媒体は,産出量(Y) ,技術水準量(A),そして資本量(K) が,金額として付与・表示する拡張型生産関数を適用する経済機構モデルに対し,経済成長率を予測できるので,純投資を,資本蓄積のみならず,技術蓄積にも分配する,現実の技術開発型の経済機構に良く適合すると共に,所望する経済政策を反映した適正な経済成長率の予測を提供する作用を有する。
【0017】
本発明の経済成長率予測プログラムにおいて,コブ・ダグラス拡張型生産関数が適用できる経済機構モデルは,所定の資本投資分配変数( β) 及び純家計貯蓄変数( θ1)に対して,家計貯蓄投資変数( γ) と企業貯蓄投資変数( θ2)との関係( γ−θ2)は, 所定の直線特性を有するので,これら該経済政策変数( γ, θ2)のうち, 一方が特定できれば,他方を定める事が出来る。
【0018】
【実施例】
この発明の実施例の図面において,図1は,本発明の実施例1を示す,経済成長率予測プログラムにおける,主要部概略フローチャートであり,図2は,該経済成長率予測プログラムに用いる,コブ・ダグラス拡張型生産関数を適用する,概略経済機構モデル説明図である。図3は,本発明の実施例2を示す,該経済成長率予測プログラムの段階(S1) における,経過年度の実績データセット(DS)の入力・記録処理に用いる, 該DSの入力値である。図4は,本発明の実施例3を示す,該経済成長率予測プログラムの段階(S6) における,予測年度の生産関数変数の演算・記録処理の繰り返し演算処理の詳細フローチャートである。図5は,本発明の実施例4を示す,該経済成長率予測プログラムを用いて算出した,産出量(Y) 及び資本量(K) の予測演算シミュレーション結果,そして図6は,本発明の実施例5を示す,該経済成長率予測プログラムを用いて算出した,産出量成長率(gY)及び資本量成長率(gK)の予測演算シミュレーション結果である。図7は,本発明の実施例6を示す,該経済成長率予測プログラムの段階(S3) における,経過年度の算出実績値の演算・記録処理で確保した, 資本投資分配変数( β) の実績値算出結果,そして図8は,その資本投資分配変数( β) の上記実績値算出結果の,i=1993及び1997年度の実績値: β(i) それぞれに対する, γ−θ2 の関係を示す直線特性である。
【0019】
この発明の実施例1を以下説明すると,経済成長率予測プログラムは,国民所得としての産出量(Y) を,技術水準量(A),資本量(K),そして就業者数(L) から成る変数と, 定数としての係数( χ) 及び資本分配率(a) とで表す, コブ・ダグラス拡張型生産関数:Y= χA ・K a ・L1-aを各年度に適用できる, 所定の経済機構モデルに則り, コンピュータを利用し, 少なくとも連続する最近二ヵ年の経過年度の複数のデータを入力し,更に次年度以降の予測年度の複数の経済政策変数を入力することにより,次年度以降の産出量(Y) 及び資本量(K) を予測し, そして年度毎の相対増加率である産出量成長率(gY)及び資本量成長率(gK)から成る経済成長率を予測し,これらの予測値を該コンピュータから出力する機能をさせるための経済成長率予測プログラムであって,図1に示すように,該経済成長率予測プログラムは,該コンピュータを,
段階(S1)において,生産関数変数・定数(Y,K,L,a) に加えて,少なくとも企業貯蓄(S p) 及び家計貯蓄(S H) を算出するに要する複数のデータから成る経過年度の実績データセット(DS)を用い,予め少なくとも最近二ヵ年の経過年度t,t-1 に対する, 実績データセット DS(t)及びDS(t-1) を入力する手段,
予め該実績データセット DS(t)及びDS(t-1) を記録しておく記録手段,
段階(S2)において,該経済機構モデルに関わる, 経済政策変数の一つである純家計貯蓄変数( θ1)における, 予め少なくとも経過年度t のθ1 実績値を入力する手段,
予め該θ1(t)実績値を記録しておく記録手段,
段階(S3)において,該経済機構モデルに関わる, 経済政策変数の一つである資本投資分配変数( β),そして該コブ・ダグラス拡張型生産関数の技術水準量(A) 及び係数( χ) における,予め少なくとも経過年度t の算出実績値( β,A, χ) を算出する演算手段,
予め該算出実績値( β,A, χ) を記録しておく記録手段,
段階(S4)において,予め該算出実績値の, 少なくとも経過年度t のβ(t) を出力する手段,
段階(S5)において,少なくとも経過年度t の該β(t) 算出実績値とθ1(t)実績値とを考慮し, 予めt+1 年度以降の予測年度の経済政策に基づく経済政策変数である,少なくともβ(t+1) 及びθ1(t+1)を入力する手段,
予め該β(t+1) 及びθ1(t+1)を記録しておく記録手段,
段階(S6)において,該実績データセットDS(t) 及びDS(t-1) から,t 年度の就業者増加率(n(t)=[L(t)-L(t-1)]/L(t-1)) を求め, 更にt 年度における,貯蓄(S=S p +S H ) とY との比である貯蓄率(s=S/Y),企業利益(P) とS p との比である留保性向率(s p =S p /P),そして該企業利益(P) とY との比である資本分配率(a=P/Y) を含む, 初期定数( χ,a,s,s p,n) が,t+1 年度以降において定数とする条件下で,予測年度の該経済政策変数( β, θ1)を用い, 該経済機構モデルに則り, 少なくともt+1 年度以降の生産関数変数(Y,A,K) を算出し,年度毎の相対増加率であるgY及gKから成る経済成長率の予測値を算出する演算手段,
t+1 年度以降の該予測値(Y,A,K) 及び(gY,gK) を記録しておく記録手段,
そして段階(S7)において,少なくともt+1 年度の該産出量及び資本量予測値(Y,K) と, 該産出量成長率及び資本量成長率(gY,gK) とから成る経済成長率予測値を出力する手段,
として機能させるための経済成長率予測プログラムである事を特徴とする。
【0020】
本発明の実施例1の経済成長率予測プログラムにおいて,段階(S1)における実績データセット DS(t)及びDS(t-1) は,図3に示すように,t=1993年度とし, DS の変数及び定数の組として,DS(Y,K,L,a,s,s p) を採用した。これらのDS(1992)及びDS(1993)の実績データセットは,「国民経済計算年報」内閣府経済社会総合研究所( 平成13年版) 等から採用した。ここで, 資本量:Kは, 非金融部門と金融部門とに対する, それぞれの固定資産及び土地の資本量の総額とした。国民所得としての産出量(Y=W+P) は,就業者所得(W) と, 企業利益(P) との総計とし,そして該企業利益(P=D+S p) は, 配当(D) と, 企業貯蓄:S pとの総計として定める。なお, 該企業貯蓄:S pは非金融部門と金融部門とに対する総計とする。貯蓄(S) は,各種貯蓄の総計から, 経常対外収支を補正したものとする。データ(a,s,s p) は,それぞれ(P/Y,S/Y,S p/P) から算出した。
【0021】
本発明の実施例1の経済成長率予測プログラムにおいて,段階(S2)における純家計貯蓄変数( θ1)は,1 に近づくと, 銀行コストが小さくなる経済政策変数の一つの特徴を示し, 年度により, 多少は変動するものの,「国民経済計算年報」内閣府経済社会総合研究所( 平成13年版) の経済活動別付加価値構成比によれば,1992年度以降に対して, 銀行コストは,約15─20% なので,我が国の場合, θ1=0.8 の実績値として採用した。
【0022】
本発明の実施例1の経済成長率予測プログラムにおいて,段階(S3)における, 経過年度の経済政策変数の一つである資本投資分配変数( β) の算出実績値の演算処理は,先ず段階(S1)で入力・記録した実績データセット DS(t)及びDS(t-1) を用い, 経過年度t-1 のS p とS H を算出し,次に段階(S2)で入力・記録した経過年度t の純家計貯蓄変数実績値: θ1=0.8 を用い,(式1) に従い,I(t)=S p + θ1 ・S H を算出する,次に, ΔK=K(t)-K(t-1) を確保し,( 式2) より,ΔK=β・I(t)であるから,経過年度t のβ(t) は,β= ΔK/I より求める事が出来る。例えば実施例2の場合,図3に示す様に, DS(1992)及びDS(1993)の実績データセットを用い, ΔK(1993)=-15,835(x10 億円) 及びI(1993)=52,024(x10億円) と成り, 従ってβ(1993)=-0.304 を確保した。この様に, β(1993)<0となるので,資本量の減少分: |ΔK(1993) |=15,835(x10 億円) と純投資:I(1993)= 52,024(x10億円) が,技術蓄積: ΔA(1993) に成る事を意味する。
【0023】
本発明の実施例1の経済成長率予測プログラムにおいて,段階(S3)における, 経過年度t の算出実績値(A, χ) の算出実績値の演算処理におけるA 及びχの算出は,図5に示す,実施例4の場合,t=1993年度に対して, ΔA=68,859(x10億円) なので,A(1993)=231,670,145(x10 億円) を確保し, 更に記憶した既知t=1993年度のDS(Y,K,L,a,s,s p) を用い, χ(1993)=1.52x10-8確保した。但し(Y,A, K)の各単位は10億円とし,(L) の単位は1000人とした。
【0024】
本発明の実施例3の経済成長率予測プログラムにおいて,段階(S6)における, 所定の初期条件下で,予測年度の経済政策に基づく経済政策変数( β, θ1)を用い, 少なくともt+1 年度以降の生産関数変数(Y,A,K) を算出し,年度毎のgY及gKから成る経済成長率の予測値を算出する演算手段は,図4に示す様に,リカーシブル処理とも呼ぶ,繰り返し演算処理を用い,t+1 年度以降,N 年間の予測を行うことができ,該繰り返し演算処理は,先ず段階S600において,初期定数設定を行い, t 年度の初期定数( χ,a,s,s p,n) を設定し,該初期定数値をt+1 年度以降において定数として用い, 次に段階S605において,初期変数設定を行い,t年度の生産関数変数(Y,A,K,L) を設定し, 次に段階S610において,予測すべきN 年間の各年度における,予め入力・記録した経済政策変数[ β(i),θ1(i)](i=t+1,t+2,・・・t+N)を設定し,次に段階S615において, 繰り返し年度変数:i=t-1の初期設定を行い, 次に段階S620において, 該繰り返し演算処理の開始を定める, 該変数:i=i+1を更新する設定を行う。次に段階S625において, 該繰り返し演算処理の算出処理として,該初期定数(a,s,s p) を用い,i=t年度の企業貯蓄:S p(t) 及び家計貯蓄:S H(t) を確保する。次に段階S630において, 純家計貯蓄変数: θ1(t+1)を用い, 予測t+1 年度の純投資:I(t+1) =S p+ θ1 ・S H を算出し,更に予測t+1 年度の資本投資分配変数: β(t+1) 及びI(t+1)を用い, 式2及び式3から,予測t+1 年度のΔK 及びΔA を算出する。次に段階S635において, 既知のt 年度の生産関数変数(A,K,L) を用い,A(t+1)=A(t)+ ΔA,K(t+1)=K(t)+ΔK,そしてL(t+1)=(1+n)L(t)を確保し,これらの変数と初期定数( χ) を拡張型生産関数:Y= χA ・K a ・L1-aに適用し,Y(t+1) を確保し, 予測t+1 年度の生産関数変数(Y,A,K,L) を算出する。次に, 段階S640において, 予測t+1 年度の生産関数変数(Y,K) と,これらに伴うgY及びgKを出力し, 次に, 段階S645において, 比較判定手段を用いて,i=tが,t+N-1 より小さいならば, 段階S620に帰還し,初期状態をi=t+1 として, 再び段階S640までの繰り返し演算処理を行い, 再び, 段階S645において, 該比較判定手段を用いて, 判定基準:i≧t+N-1 を満足するまで,該繰り返し演算処理を行い, 該比較判定基準を満足すると,一連の該繰り返し演算処理から脱出して終了することにより,t+1 年度以降,N 年間の生産関数変数(Y,K) と,これらに伴うgY及びgKの予測値を出力する事が出来る。
【0025】
本発明の,図4に示す実施例3の経済成長率予測プログラムを用い,図3に示すDS(1992)及びDS(1993)の実績データセットにより,1992及び1993年度を該実績データを有する経過年度とし,予測年度に対する所定の経済政策変数[ β(i),θ1(i)](i=1994, ・・・1998) を仮定する条件下で,1994年度から1998年度までのN=5 年間の産出量(Y) 及び資本量(K) を予測する実施例4の, 予測演算シミュレーションの結果を図5に示す。これらに伴う実施例5の産出量成長率(gY)及び資本量成長率(gK)の予測演算シミュレーション結果を図6に示す。該予測演算シミュレーションにおいて,段階S2で1993年度のθ1(1993)=0.8 を入力し,そして段階(S3)において,予め少なくとも1993年度の算出実績値( β,A, χ) を算出する。該算出実績値( β,A, χ) は,β(1993)=-0.304,A(1993)=231,670,145(x10 億円),そしてχ(1993)=1.52x10-8を確保した。一方, 図3に示すDS(1992)及びDS(1993)から,(a,s,s p,n) として,a(1993)=0.0377,s(1993)=0.195,s p(1993)=0.482, そしてn(1993)=0.0041の実績値を確保しているので, 段階(S600)において,これら1993年度の( χ,a,s,s p,n) を初期定数として設定する。次に, 段階(S605)において,段階(S3)の1993年度の算出実績値(A) と,DS(1993)とから, 1993年度の初期変数(Y,A,K,L) を設定する。次に, 段階(S610)において,予測年度に対する所定の経済政策変数[ β(i),θ1(i)](i=1994, ・・・1998) として,1994年度から1998年度までのN=5 年間において,β(i)=β(1993)=-0.304 及びθ1(i)=0.8と一定の該経済政策変数を仮定設定する。この様な, 予測年度に対する一定の該経済政策変数を仮定する条件下で, 段階(S620)から段階(S645)までの, 予測年度N=5 年間の生産関数変数(Y,K) の演算処理を行い, 各年度の産出量(Y) 及び資本量(K) の予測値, 並びにgY及びgKの予測値を確保した。図5及び図6においても,1994年度から1998年度までのN=5 年間において,β(1993)及びθ1(1993) と一定の該経済政策変数を仮定したにも関わらず, 予測値は実績値と傾向が一致し,この経済成長率予測プログラムの適応性を実証した。もちろん,予測年度に対する所定の経済政策変数[ β(i),θ1(i)](i=1994, ・・・1998) として,少なくとも該β(i) が,後で図7に示すβ実績値に近い値を採用すれば,それだけ経済成長率の予測値は,実績値に近い値を予測できる事になる。
【0026】
本発明の実施例1の経済成長率予測プログラムにおける,段階(S3)の経過年度の経済政策変数の一つである資本投資分配変数( β) の算出実績値の演算処理を用い,1992 年度から1999年度までの資本投資分配変数( β) の実績値を算出した結果を, 図7に示す。この様なβ実績値の変化は,図6に示す,gKの実績値の変化と一致する。この事実は,コブ・ダグラス拡張型生産関数を適用する経済機構モデルにおいて,gKが資本蓄積:ΔKと比例するからである。1997年度のβ=0.335は,突出して正に転じ大きく成っている, これは,需要不足を財政公共投資に依存したためである。
【0027】
上記,資本投資分配変数( β) の実績値に対する,γ−θ2 の直線特性を,β(1997)=0.335及びβ(1993)=-0.304 に( 式6) を適用し, その結果を図8に示す。β(1993)=-0.304 の場合のγ- θ2 の直線特性は,図8に示す様な直線特性と成り,γ=-0.374-0.229θ2 を確保した。該直線特性より,γ- θ2 の許される領域は,γ<0の場合はθ2>-1.64,そしてγ≧0 の場合はθ2 ≦1.64と成り, 経済政策変数( γ, θ2)のどちらかの値或いは推定領域が, 特定できれば,他方を定める事が出来る。一方,β(1997)=0.335のγ- θ2 の直線特性は,図8に示す様な直線特性と成り,γ=0.621-0.854 θ2 を確保した。該直線特性より,γ- θ2 の許される領域は,γ≧0 の場合はθ2 ≦0.727,そしてγ<0の場合はθ2>0.727 と成り, 同様にして経済政策変数( γ, θ2)のどちらかの値或いは推定領域が, 特定できれば,他方を定める事が出来る。
【0028】
【発明の効果】
本発明は,以上説明した様な形態で実施され,以下に記載される様な効果を有する。
【0029】
本発明の経済成長率予測プログラム,並びにそのコンピュータ読み取り可能な記録媒体は,産出量(Y) ,技術水準量(A),そして資本量(K) が,金額として付与・表示する拡張型生産関数を適用する経済機構モデルに対し,経済成長率を予測できるので,純投資を,資本蓄積のみならず,技術蓄積にも分配する,現実の技術開発型の経済機構に良く適合すると共に,所望する経済政策を反映した適正な経済成長率の予測を提供する効果を有する。
【0030】
本発明の経済成長率予測プログラム,並びにそのコンピュータ読み取り可能な記録媒体は,これらを活用し,実績データを有する複数の経過年度実績データを用い,予測年度に対する少なくとも所定の経済政策変数( β, θ1)を仮定し, リカーシブル処理とも呼ぶ,繰り返し演算処理を用いることもでき,所望するN 年間の産出量及び資本量(Y,K) , そしてこれらに伴う産出量成長率及び資本量成長率(gY,gK) を予測する, 短期のみならず,中・長期的な各種の予測演算シミュレーションを行い, 将来の所望する経済政策を反映した該経済政策変数を有する, 経済成長率を予測できる効果を有する。
【0031】
本発明の経済成長率予測プログラムにおいて,コブ・ダグラス拡張型生産関数が適用できる経済機構モデルは,所定の資本投資分配変数( β) 及び純家計貯蓄変数( θ1)に対して,家計貯蓄投資変数( γ) と企業貯蓄投資変数( θ2)との関係( γ−θ2)は, 所定の直線特性を有するので,これら該経済政策変数( γ, θ2)のうち, 一方が特定できれば,他方を定める事が出来る効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す,経済成長率予測プログラムにおける,主要部概略フローチャート。
【図2】本発明の実施例1を示す,経済成長率予測プログラムに用いる,コブ・ダグラス拡張型生産関数を適用する,概略経済機構モデル説明図。
【図3】本発明の実施例2を示す,経済成長率予測プログラムの段階(S1) における,経過年度の実績データセット(DS)の入力・記録処理に用いる, 該DSの入力値。
【図4】本発明の実施例3を示す,経済成長率予測プログラムの段階(S6) における,予測年度の生産関数変数の演算・記録処理の繰り返し演算処理の詳細フローチャート。
【図5】本発明の実施例4を示す,経済成長率予測プログラムを用いて算出した,産出量(Y) 及び資本量(K) の予測演算シミュレーション結果。ここで,実線は実績値(Y),黒丸は予測値(Y) を,また点線は実績値(K),白丸は予測値(K) をそれぞれ示す。
【図6】本発明の実施例5を示す,経済成長率予測プログラムを用いて算出した,産出量成長率(gY)及び資本量成長率(gK)の予測演算シミュレーション結果。ここで,実線は実績値(gY), 黒丸は予測値(gY)を,また点線は実績値(gK), 白丸は予測値(gK)をそれぞれ示す。
【図7】本発明の実施例6を示す,経済成長率予測プログラムの段階(S3) における,経過年度の算出実績値の演算・記録処理で確保した, 資本投資分配変数( β) の実績値算出結果。
【図8】本発明の実施例6を示す,資本投資分配変数( β) の上記実績値算出結果の,i=1993及び1997年度の実績値: β(i) それぞれに対する, γ−θ2 の関係を示す直線特性。
【符号の説明】
a 資本分配率, a=P/Y
gY 産出量成長率, gY(t+1)=[Y(t+1)-Y(t)]/Y(t)
gK 資本量成長率, gK(t+1)=[K(t+1)-K(t)]/K(t)
n 就業者増加率, n(t+1)=[L(t+1)-L(t)]/L(t)
s 貯蓄率, s=S/Y
s p 留保性向率, s p =Sp /P
A 技術水準量
D 配当
I 純投資
K 資本量
L 就業者数
P 企業利益,P=D+S p
S 貯蓄, S=S p +S H
S p 企業貯蓄
S H 家計貯蓄
Y 産出量,Y=W+P
W 就業者所得
β 資本投資分配変数
γ 家計貯蓄投資変数
ΔK 資本蓄積
ΔA 技術蓄積
θ1 純家計貯蓄変数
θ2 企業貯蓄投資変数
χ 係数
Claims (1)
- 産出量(Y)を,技術水準量(A),資本量(K),そして就業者数(L)から成る変数と,定数としての係数(χ)及び資本分配率(a [=企業利益(P)/産出量(Y)])とで表す,コブ・ダグラス拡張型生産関数:Y = χA ・ ka ・L1-a を各年度に適用できる,所定の経済機構モデル〔以下,CDモデル。〕に則り,
コンピュータを利用し,少なくとも連続する最近二ヵ年の経過年度t,t-1の経済統計から採得した複数の実績値(算出実績値を含む)をデータ入力し,
単年度における全体としての貯蓄(S)の一成分である家計貯蓄(SH)を投資原資となる純家計貯蓄と銀行コストに分離し,かつ,当期の純貯蓄に相当する翌期の純投資(I)を量的投資原資である資本蓄積(ΔK)と質的投資原資である技術蓄積(ΔA)に分離して,それぞれ経済政策変数(純家計貯蓄変数θ1;資本投資分配変数β)を導入した数式により関係付け,
CDモデルにおける技術水準量(A) を所与の技術係数とした外生的な扱いから,技術進歩率(gA [=ΔA/A])を経由して金額表示可能な生産関数変数(χA により係数表示)とする内生的な扱いに転換し,
次年度t+1以降の産出量(Y)及び資本量(K)を演算により予測するとともに,年度毎の相対増加率である産出量成長率(gY [=ΔY/Y])及び資本量成長率(gK [=ΔK/K])から成る経済成長率を演算により予測し,これらの予測値をコンピュータ出力するようにした経済成長率予測プログラムであって,
コンピュータを,
経過年度t,t-1の経済統計から採得した実績値である産出量(Y),資本量(K),就業者数(L)と,算出実績値である少なくとも資本分配率(a [=P/Y]),貯蓄率(s [=S/Y]),留保性向率(sP [=SP/P])をデータ入力し,かつ,2期実績データセット[DS(t),DS(t-1)]として記録する手段〔S1〕と;
上記記録された2期実績データセット[DS(t),DS(t-1)]を利用して,下記式により,
gY(t),gK(t),n(t)を計算して記録する手段と;
gY(t) = [Y(t)−Y(t-1)]/Y(t-1)
gK(t) = [K(t)−K(t-1)]/K(t-1)
n(t) = [L(t)−L(t-1)]/L(t-1)
上記記録された2期実績データセット[DS(t),DS(t-1)]を利用して,下記式により,
S P (t-1),S P (t),S H (t-1),S H (t)を計算して記録する手段と;
S P (t-1) = s P (t-1)a(t-1)Y(t-1)
S P (t) = s P (t)a(t)Y(t)
S H (t-1) = s(t-1)Y(t-1)−S P (t-1)
S H (t) = s(t)Y(t)−S P (t)
前記データセットから導かれ,貯蓄(S)の成分である企業貯蓄(SP [=sP P =sP aY =P-D]) 及び家計貯蓄(SH [=S-SP])について,家計貯蓄(SH)を投資原資(θ1SH)と銀行コスト[(1-θ1)SH]に配分する経済政策変数の一つである純家計貯蓄変数(θ1[0≦θ1≦1])を導入した純投資(純貯蓄に相当)の関係式I=SP+θ1SHにおけるθ1値を所与の定数として経過年度tのθ1(t)値を記録する手段〔S2〕と;
上記記録された S P (t-1),S P (t),S H (t-1),S H (t)を利用して,経過年度t及び次年度t+1 の純投資の各関係式:
I(t) = SP(t-1)+θ1(t-1)SH(t-1),
I(t+1) = SP(t) +θ1(t)SH(t)
について,θ1(t-1)=θ1(t)とおき,前記θ1(t)値を利用して,それぞれの年度の純投資 [I(t) ,I(t+1)]を算出して記録するとともに,
コブ・ダグラス拡張型生産関数:Y = χA ・K a ・L1-a 及び就業者増加率(n[=ΔL/ L])から導かれる技術進歩率[gA]を求める関係式:
gA(t) = gY(t)−a(t)[gK(t)]−(1-a(t))n(t)
により,上記記録された経過年度tの算出実績値であるgY(t),gK(t)とデータセットのn(t),a(t)を利用して,技術進歩率gA(t)を算出し,
一方,経過年度tの純投資I(t)[=ΔK+ΔA]の成分である資本蓄積ΔK(t)[=K(t)-K(t-1)]と技術蓄積ΔA(t)[=A(t)-A(t-1)]との間に,それらの投資配分を決める経済政策変数の一つである資本投資分配変数[β(t)]を導入した次の各関係式:
β(t) = [K(t)-K(t-1)]/I(t),
ΔA (t) = I(t)−[K(t)-K(t-1)]
により,前記I(t)値と,上記記録されたK(t),K(t-1)を利用して,β(t)値とΔA(t)を算出するとともに,
次の各関係式:
A(t-1) = ΔA(t)/gA(t),
A(t) = A(t-1)+ΔA(t)
により,前記ΔA(t)と前記gA(t)を利用して,
経過年度tの技術水準量に係る金額表示のA(t)値と,
次の関係式:
χ = Y(t)/A(t)・[K(t)] a(t) ・[L(t)] 1-a(t)
により,前記A(t)と,上記記録された既知のY(t),K(t),L(t)及びa(t)とを利用して,
経過年度tの係数χをそれぞれ算出し,
これら経過年度tのβ(t),A(t)及びχを記録する手段〔S3,S4〕と;
上記記録されたθ1(t)値とβ(t)値を,次年度t+1の純家計貯蓄変数θ1(t+1)と資本投資分配変数β(t+1)のそれぞれについて同値適用することにより,次年度t+1の純家計貯蓄変数θ1(t+1)及び資本投資分配変数β(t+1)を記録する手段〔S5〕と;
次の各関係式:
ΔK(t+1) = β(t+1)I(t+1),
ΔA(t+1) = I(t+1)−ΔK(t+1)
により,上記記録されたI(t+1)値とβ(t+1)値を利用して,
次年度t+1の純投資I(t+1)の資本蓄積ΔK(t+1)と技術蓄積ΔA(t+1)を算出して記録するとともに,
次の各関係式:
A(t+1) = A(t)+ΔA(t+1),
K(t+1) = K(t)+ΔK(t+1),
L(t+1) = L(t)+n(t+1)L(t)
により,前記ΔK(t+1),ΔA(t+1)及び上記記録されたA(t)と,上記記録された実績値であるK(t)及びL(t)と,上記記録されたt年度の就業者増加率であるn(t)[=ΔL(t)/L(t-1)]を同値適用したn(t+1)値とを選択的に利用して,
次年度t+1の生産関数変数(A,K,L)を算出して記録する生産関数変数の演算手段〔S6〕と;
上記記録された経過年度tの生産関数の定数・変数(χ,a,Y,A,K,L)と,上記記録された次年度t+1の資本蓄積[ΔK(t+1)],技術蓄積[ΔA(t+1)]及び生産関数変数[A(t+1),K(t+1),L(t+1)]の各算出値と,上記記録されたn(t)を同値適用したn(t+1)値とを選択的に用いて,次の各関係式:
技術進歩率 :gA(t+1) = [ΔA(t+1)/A(t)],
資本量成長率:gK(t+1) = [ΔK(t+1)/K(t)],
産出量成長率:gY(t+1) = gA(t+1)+a(t)gK(t+1)+(1-a(t))n(t+1),
産出量 : Y(t+1) = [1+gY(t+1)]Y(t)
により,次年度t+1の予測値であるgA(t+1),gK(t+1),gY(t+1),Y(t+1)をそれぞれ算出するとともに,少なくともY(t+1)に関する予測値を算出・出力する予測値の演算手段及び出力手段〔S7〕
として機能させるための経済成長率予測プログラム。
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