JP4441611B2 - 3次元図形の曲面再構成装置および3次元図形の曲面再構成プログラム - Google Patents

3次元図形の曲面再構成装置および3次元図形の曲面再構成プログラム Download PDF

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Description

この発明は、形状モデルの欠損部分の補完を行う3次元図形の曲面再構成装置および3次元図形の曲面再構成プログラムに関する。
近年、コンピュータ・デバイス・センサの性能・小型化・低価格化の向上により、様々な物体形状の計測手段が提案されている。光学的計測手法には、受光センサのみ使用する受動的手法と、光などを投射してその応答を利用する能動的手法がある。
グラフ曲面として記述できるようないわゆる2.5次元データの欠損を補完する一般的枠組みとしては、正則化によるエネルギー最小化がある。データへの当てはめと連続性をエネルギー関数の形で表し、両立の拘束がバランスをとって満たされるようにエネルギー関数を最小化することにより、連続したもっともらしい面を生成することができる。コンピュータビジョンでは、この枠組みの中で、ステレオなどによって得られた疎な形状を補完する手法が多く提案された(例えば、下記非特許文献1〜3参照。)。
物体表面からの符号付距離をスカラ場として離散的に標本化した符号付距離場(SDF:Signed Distance Field)によって形状を記述する手法が提案されている。符号付距離場からは、距離0の等値面として滑らかな表面を再構成することができるので、複数の形状計測データの平均として全体形状モデルに統合する手法が多く提案されている(例えば、下記非特許文献4〜6参照。)。
また、距離データの統合だけでなく、誤計測点の判定や、複数の距離データの同時位置合わせに、SDFが利用できることが示されている(例えば、下記非特許文献7参照。)。この手法では、何らかの方法でデータ形状が事前にある程度大まかに位置合わせされていることを仮定し、外れ値処理を伴うロバストな形状統合処理と、統合形状への位置合わせを、交互に繰り返すことにより、重ねてみないと分からないような微妙な誤計測点やデータ欠損部を判定しながら、SDFによって記述された統合形状モデルを自動的に生成することができる。SDFにより記述された統合形状からは、簡単な処理でポリゴンによる形状記述を再構成することができる。
複数の距離画像の統合手法として、ボクセルにobject(内部)、surface(表面)、space(外部)の3種のラベルを付ける手法が提案されている(例えば、下記非特許文献8参照。)。この手法では、表面を挟まずに内部と外部が接している部分として未計測部分を判定することができる。この手法を適用するには、対象物とセンサの位置関係だけでなく、光学的な特性が既知である必要がある。ボクセルによる形状記述は滑らかでないため、SDFを経由した曲面復元が提案され、同様の方法でボクセルをempty(外部)、near surface(表面)、unseen(内部)と分類することにより欠損部分を簡易に埋めることができることが示されている(例えば、下記非特許文献5参照。)。
粗やノイズの多い距離データから平滑な形状モデルの再構成を行うために、level−set methodを利用する手法が提案された(例えば、下記非特許文献9参照。)。level−set methodは、界面の空間中の伝搬を微分方程式で記述したもので、時間微分の項を利用して場の更新規則を作ることができ、曲率に依存した伝搬速度を設定することで、場の平滑化などを行うことができる。level−set methodを応用して、符号付距離場での面の滑らかな補完(例えば、下記非特許文献10参照。)や、複数距離データ統合時に生じる不整合の解決(例えば、下記非特許文献11参照。)が行われた。
level−set methodは、level−setの伝搬速度として曲率依存の値を設定することが一般的なため、生成される場の勾配の大きさがSDFのように一定になるとは限らない。また、SDFの法線情報を利用することにより、曲面の曲率を求めることができる(例えば、下記非特許文献12参照。)。
W.E.L.Grimson、"An implementation of a computational theory of visual surface interpolation"、"Computer Vision,Graphics,and Image Processing"、22号、1983年、p.39−69 D.Terzopoulos、"The computation of visible−surface representations"、IEEE Trans.PAMI、1988年、第10巻、第4号、p.417−438 R.Szeliski、"Fast surface interpolation using hierarchical basis functions"、IEEE Trans.PAMI、1990年、第12巻、第6号、p.513−528 A.Hilton,A.J.Stoddart,J.Illingworth and T.Windeatt、"Reliable surface reconstruction from multiple range images"、Proc.ECCV96、1996年、p.117−126 B.Curless and M.Levoy、"A volumetric method for building complex models from range images",Proc.SIGGRAPH96、1996年、p.303−312 M.D.Wheeler,Y.Sato and K.Ikeuchi、"Consensus surfaces for modeling 3D objects from multiple range images"、Proc.ICCV97、1997年、p.917−924 増田健著、「符号付距離場の一致による複数距離画像からの形状モデル生成」、情報処理学会論文誌:コンピュータビジョンとイメージメディア、2003年、p.30−40 Y.Sakaguchi,H.Kato,K.Sato and S.Inokuchi、"Acquisition of entire surface data based on fusion of range data"、Trans.IEICE、E−74、第10号、1991年、p.3417−3422 R.T.Whitaker、"A level−set approach to 3d reconstruction from range data","International Journal of Computer Vision"、第29巻、第3号、1998年、p.203−231 J.Davis,S.R.Marschner,M.Garr and M.Levoy、"Filling holes in complex surfaces using volumetric diffusion"、Proc.3DPVT2002、2002年、p.428−437 R.Sagawa and K.Ikeuchi、"Taking consensus of signed distance field for complementing unobservable surface"、Proc.3DIM2003、2003年、p.410−417 T.Masuda、"Surface curvature estimation from the signed distance field"、Proc.3DIM2003、2003年、p.361−368
センサには計測の原理や幾何的な配置から計測できる範囲が限定されており、一般に一度に対象物の全表面を計測することは難しい。例えば、表面が鏡面反射したり、黒い部分であったり、手前の部分に光路が遮られている場合には、投射した光の反射が戻って来ないので、能動的手法では計測できない。
テクスチャがない均一な面は受動的手法では計測できない。撮像センサの焦点距離やセンサ間の間隔によって、計測可能な空間的範囲は限定される。センサは自由な空間にしか設置することができず、物体の周囲に存在する地面・台・壁面・他の物体だけでなく、対象物自体にも視点を制限されてしまう。また、一度に撮影できるのは、物体の手前の面だけである。
このように視点の位置が制限されている場合には、単純な形状でも全面を計測するのに非常に多数の視点を要する場合がある。計測不可能であったり、計測するのに非常な労力を要したり、未計測のまま残されてしまったような欠損部分は、周囲のデータから補完することが実用上必要になる。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、図形の欠損部分を周囲のデータから補完することができる3次元図形の曲面再構成方法および3次元図形の曲面再構成プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる3次元図形の曲面再構成装置は、3次元空間において、ベクトルpで表される所定のサンプル点から方向つき曲面である形状表面への符号付距離および最も近い点への法線により構成される、法線情報付符号付距離場が離散的にサンプルされたデータを入力し、前記ベクトルpで表されるサンプル点からベクトルΔpだけずれたi番目の近傍のサンプル点の法線ベクトルnと符号付距離のサンプル値sに、所定の法線ベクトルn、符号付距離sおよび対称行列Mの成分で表される法線情報付符号付距離場の局所2次近似を行うことを特徴とする。
この発明によれば、複数方向から計測した距離データを統合して得られる形状データに未計測のまま残された領域を、後処理として補完することができる。形状表現として法線情報付の符号付距離場を用い、局所的な二次関数近似を繰り返し行うことにより欠損部分を推定することができ、二次関数を当てはめることにより、補完するだけでなく曲面の曲率を求めることができる。
また、この発明にかかる3次元図形の曲面再構成プログラムは、上述した3次元図形の曲面再構成方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
この発明によれば、コンピュータを用いて上述した3次元図形の曲面再構成方法を実行できる。
本発明にかかる3次元図形の曲面再構成方法および3次元図形の曲面再構成プログラムによれば、SDFの逐次的な局所二次関数の当てはめによる形状モデルの欠損部分の補完を行うことができるので、当てはめる二次関数モデルと、曲面曲率との関係を明らかにし、符号付距離だけでなく法線の場も含めて整合性のとれた、曲率が滑らかな場の補完を行うことを図ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる3次元図形の曲面再構成方法および3次元図形の曲面再構成プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。まず、(符号付距離場)の説明でSDFの概略を説明し、(符号付距離場と曲面曲率)の説明でSDFと曲率の関係を説明し未計測部分の補完方法を導出する。(実験について)の説明で実験結果を示す。
(実施の形態)
(符号付距離場)
まず定義について説明する。図1は符号付距離場(SDF)を記述するパラメータの概要を示す図である。物体表面10を向き付の曲面Sとみなすとき、一般の位置にある3次元空間中の任意のベクトルpで表されるサンプル点11から最も近い曲面上の点である最近点12は一意に決めることができる。例外は球の中心・円柱の軸・2平面からの等距離面のような、曲面上の複数の点から等距離にある点、一般的には表面のボロノイ境界上にある点である。サンプル点11から物体表面10に最も近い最近点12を次の式(1)で表す。
曲面が微分可能であれば、最近点12、CP[p,S]での法線SN[p,S]の向きはp(ベクトル値。以降pと表記される文字はスカラ値ではなくベクトル値である。)への方向と一致する。法線の長さは次の式(2)で表し、
物体の内から外へ向くようにとると、点pの符号付距離は次の(3)式で表されるスカラ場となり、
そして次の(4)式のようになるので、
その勾配は法線が成すベクトル場である。点pにおけるSDFサンプルを次の(5)式で表す。
サンプル点11の近傍の点x(ベクトル値。以降座標以外の意味でをうをなくjxと表記される文字はスカラ値でなくベクトル値である。)での符号付距離は次の(6)式のように線形近似される。
以後、一つの対象形状について述べていて混同の恐れのない限り、CP[p,S],SN[p,S],SD[p,S]をそれぞれc,n,s(いずれもベクトル値である。)と略記する。
次に、SDF間の距離について説明する。サンプル点11の近傍で二つのデータ形状AとBのSDFが与えられているときに、その間の距離を、点pの近傍内で線形近似したSDFの差の二乗の積分で定義する(例えば、上記参考文献7参照。)。サンプル点11の近傍内でSDFが式(6)により線形近似されることを利用すると、SDF間の距離は、次の(7)式のように表される。
ここでwは近傍の形状と大きさによって決まるが、近傍を一辺の長さがδの立方体とした場合、w=δ/12になる。
次に、離散化について説明する。SDFは概念的には連続量であるが、計算を行うためには離散化を行わなくてはならない。対象曲面を包含できるような一辺の長さWの立方体をサンプル領域としてとり、その端点を次の(8)式のようにする。
サンプル点11はサンプル領域内で等間隔の格子点上にとり、レベルlのサンプル間隔δはW=2δの関係を満たすようにとる。次の(9)式で整数座標を表すが、
この(9)式で指定されるサンプル点11の座標を式(10)でとる。
図2−1は、格子上にとられたサンプル点11において物体表面10のSDFをサンプリングする過程を示す2次元模式図である。図2−2は、サンプル点11から最近点12へのベクトルの概要を示す図である。最近点12がデータ形状の端にある場合は無効なサンプルとしている。
全空間のSDFサンプルは巨大な記憶容量を必要とするため、データ形状からの絶対値距離が閾値(実装ではT=2δ)以内のものだけ保存している。また、最近点12がデータの計測領域の端にある場合は法線nがサンプル点11への向きと一致しないため有効なサンプルとしては採用していない。
次に、曲面再構成について説明する。SDFとして生成された統合形状から、汎用的な3角パッチによる形状表現に変換する手法としては、Marching Cube法が多く用いられているが、本手法ではSDFに持たせている法線情報も有効に活用して曲面再構成を行う。図3−1〜3−4は、曲面再構成の過程を示す図である。サンプル点11は次の(11)式でとられている。
従って、サンプル点11を頂点とする立方体領域の中心点はci=o+iδにある。それぞれの立方体領域について、頂点にあるサンプル点11のSDFを中心点に線形補外すると中心点での符号付距離を求めることができる。その平均値の符号により、立方体領域を物体の内外いずれに近似すべきかを判定することができる。
内外の立方体領域の境界は正方形の集合の多面体となるが(図3−1参照)、その構造を維持したまま、各頂点の座標値を、サンプル点11に対応した最近点12(CP)に置換することにより、滑らかな面が得られる(図3−2、3−3参照)。さらにサンプル点11の法線情報SNも追加すると、さらに滑らかに描画することができる(図3−4参照)。この手法はSDFに含まれる法線情報も有効に利用しており、通常のMarching Cube法のように頂点座標の補間や接続の不定性の問題は起こらない(例えば、上記非特許文献4〜6参照。)。
(符号付距離場と曲面曲率)
まず曲面曲率について説明する。SDFの法線情報を利用すると、曲面の曲率を求めることができる(たとえば、非特許文献12参照。)。図4はサンプル点11の近傍のSDFからの曲率の計算に用いられるパラメータの概要を示す図である。サンプル点11における最近点12と法線を、cとn(いずれもベクトル値。)とする。サンプル点11がp+Δpに変化したときに最近点12と法線がc+Δcとn+Δnに変化するとする。法線nの方向への射影行列を次の式(12)とすると、
変位の接平面成分は次の式(13)のようになる。
この変位の接平面成分の関係は、対称な行列Kを用いて次の式(14)で表される。
行列Kは対称であるので、6つの独立成分k=(kxx,kyy,kzz,kyz,kzx,kxy)があり、実データの各近傍サンプルについて次の式(15)の方程式を立てることができる。
方程式の数が変数より多いので、特異値分解を利用して対称行列Kの成分の最小自乗解を求めることができる。式(15)を解いて推定された結果は実対称なので、次の式(16)のように対角化できる。
ここでΔは実数固有値κ,κ,κの対角行列である次の式(17)は直交行列とする。
変移ΔとΔは接平面成分なので、次の式(18)を満たす固有ベクトルが存在する。
対応する固有値κは不定値をとり得るのでκ=0とおくことができ、行列Kは階数2の対称行列で表される。行列Kは曲面上の面素とガウス面上の面素の対応関係を与えており、固有値κ,κが主曲率、w,wが主方向となる。以上の計算は射影行列Pを掛ける事と等価であるので、曲率を表す行列Kの正規化された推定値は式(19)により求められる。
そして次の式(20)の関係が成り立つ。
ここで、||・||はフロベニウスノルムである。主方向が不要な場合はこの関係式を用いてKの正規化された推定値の成分から直接主曲率を求めることができる。以上の計算方法は、ΔとΔの組さえあれば適用可能である。
次に平行曲面について説明する。図5は平行曲面上の面要素におけるパラメータの概要を示す図である。最近点12の近傍での曲面上の面要素を次の式(21)で表す。ここで、wとwは主方向である。
面要素上での点の変位に伴う法線の変化は、主曲率κとκを用いて次の式(22)で表される。
曲面上での変位に伴って、最近点12から法線方向nに距離t離れた点c=c+tnについて生じる変化は次の式(23)で表される。
従って、曲面から距離t離れた平行な曲面の面積要素は次の式(24)で与えられる。
法線の変化は共通なので、平行曲面上での曲率は式(22)と(23)での係数の比から、次の式(25)で求められる。
曲面上の単位面要素を挟む厚さ±Tの体積は、曲率半径がT以上である場合、次の式(26)で与えられる。
この計算結果は、曲面から一定幅内の空間内に均一な密度でサンプル点11が分布しているときに、曲面上の最近点12の面密度が、ガウス曲率に依存していることを示している。厚さをT=2δとし、この計算の仮定上で最も曲がっている状態であるK=±1/(2δ)の場合、単位面積当りのサンプル点11の個数が±1/3個変化する程度である。
次に二次近似による符号付距離場の補完について説明する。ここまで、サンプル点11の近傍の点xでSDFが線形補間できることを示し、サンプル点11の近傍での最近点CP[x,S]と法線SN[x,S]の関係を線形近似することによって曲面の曲率を求めることができることを示した。欠損データの補完を行う場合、サンプル点11ではSDFの値が与えられておらず、周囲のSDFから推定する必要がある。符号付距離場が局所的にサンプル点11の変位Δpについて次の式(27)で表される二次式で近似できるとする。
式(3)で表されるように、法線は符号付距離の勾配であるから、法線の変化は次の式(28)のように近似できる。
法線の場はスカラ場の勾配なので渦無しであり、Mは対称行列である必要がある。サンプル点11についての二次近似パラメータM,n,sをまとめてQSDF(p)と記述する。二次近似の係数QSDF(p)について、実データに対して次の式(29)を最小にするように当てはめを行う。
ここで、d(・)は式(7)で与えられるSDF間の距離であり、wは各サンプルについての重み係数、SDF[p,S]は曲面Sについてのpでのサンプル値、QSDF(p)はpに関して求められた局所二次近似モデルで推定したサンプル点11の近傍でのSDF値である。
式(15)と同様に、対称な行列Kの6つの独立成分・法線・符号付距離について、式(30)の方程式を立てることができる。ここで、wni=wである。mxx,myy,...,mxyは、3x3対称行列Mの成分である。M=[mxx mxy mxz; myx myy myz; mzx mzy mzz]としたとき、対称行列なのでmxy=myz; myz=mzy; mzx=mzxなので、6成分だけ解けば充分である。左辺の行列を特異値分解して最小自乗解を求める。連立方程式の形にしてあるので、近傍が全て埋まっていない場合でも、非特許文献2のようにパターンを分類する必要がない。10個の変数があるので、解くにはサンプル点11を最低10必要とする。
式(1)から得られる次の式(31)の関係について、
両辺をpで偏微分すると式(32)のようになる。
式(5)から次の式(33)が求められ、
式(17)から次の式(34)が求められ、
また次の式(35)の通りであるから、
次の式(36)のように表すことができる。
式(7)の固有展開と式(14)の平行曲面上の曲率を用いると、次の式(37)のように表される。
すなわちMは階数2の対称行列で、その固有値は式(14)で与えられる平行曲面上の曲率であり、符号付距離sを用いて曲面の曲率κ,κを求めることができる。このようにして求めた曲面曲率を用いて重み係数を次の式(38)で定めている。ただし、w(Δp)は近傍のとりかたで決まる重みとする。
式(30)を解いて求めた係数を式(39)のようにあらわす。
以降、便宜上それぞれM(^)、n(^)、s(^)という表記と併用する。これらの係数を上述の条件を満たすように正規化する。まず法線の大きさを次の式(40)のように正規化する。
次に二次形式の行列Mの固有ベクトルが法線と一致するように射影して式(41)のようにする。
最後に正規化した法線と二次形式を用いて符号付距離を調整して式(42)のようにする。
以上の計算により、中央のサンプル点11でのSDFのサンプルがなくても、近傍のSDFからQSDF(p)を推定することができるため、SDFの欠損値の補完を行うことができる。空間の各位置で局所的に二次近似しようとしていることから、三次微分、すなわち曲率の変化が小さくなるような場が推定されていることになる。
式(30)の左辺行列の一般逆行列を求めると、M,n,sの係数は、右辺のデータn,sに対して3次元線形フィルタを掛けることによって得られることがわかる。すなわち、M(^)の係数はnに対する一次微分とsに対する二次微分の和、n(^)はnの平均とsの一次微分の和、s(^)はnの線形補外とsの平滑化の和として求められる。正規化の影響をとりあえず考慮しなければ、データn,dの誤差がQSDFの推定値に及ぼす影響はその線形結合の程度である。
(実験について)
次に、SDFを用いて未計測部分の補完を行うアルゴリズムを提案する。光造形などの現場では、既に対話的な3次元形状編集ツールが使用されており、平面で埋めたり一定の厚みで表面を残すような操作は量が少なければあまり困難ではないため、今回対象とするのは、曲面として欠損している部分とする。
SDFを用いて行った誤計測点除去、統合、位置合わせによれば、スカラ場の符号付距離だけでなく、その勾配のベクトル場である法線も用いることで、局所線形近似していた。本実施の形態の手法では微分連続性も保つように補完を行うために、二次近似を利用する。二次近似を求めることにより、曲面曲率といった微分幾何学的特徴量も得られる。また、線形近似では解消できていなかったような不整合も整えることができる。アルゴリズムは次の通りである。
Step1:入力SDF:orgに初期SDFを読み込む。
Step2:出力SDF:ext←org
Step3:extを拡張する。
Step4:extの各サンプル点で近傍のorgまたはextからQSDFを計算し、extを更新する。
Step5:Step3に戻って必要な回数繰り返す。
Step6:extが結果となる。
orgは初期化した後には変化しない。Step3では、extを近傍のマスクで膨張させた領域を設定している。Step4では、同一サンプル点について、orgとextの両方にサンプルがある場合は、orgを優先することで、extが初期値から離れていかないように抑制している。QSDFを計算して距離|d|がT以上になるサンプルは除去して、計算対象が全空間に及んでしまわないように抑制している。
データへの適用結果について説明する。図6−1は初期状態における本実施の形態の楕円体への適用結果を示す図である。図6−2は10回繰り返し後における本実施の形態の楕円体への適用結果を示す図である。図6−3は20回繰り返し後における本実施の形態の楕円体への適用結果を示す図である。図6−4は50回の繰り返し後における本実施の形態の楕円体への適用結果を示す図である。図6−5はサンプル点数、当てはめ誤差および初期状態を1とした場合の平均曲率の変化を示す図である。
初期状態として楕円体の半分が与えられ、繰り返しの途中の状態を表示している。全体の形状が楕円体なのは明らかであるが、大局的な形状の知識を用いずに、局所演算の繰り返しだけで、欠損部分が埋められて滑らかな面が生成されていることがわかる。この実験ではw(Δp)は標準偏差δのガウス分布とし、次の式(43)のような近傍範囲(33近傍)を用いている。
繰り返し数とともに、サンプル点数と当てはめ誤差の変化をプロットすると、最初はどちらも増加するが、約40回の繰り返しで穴が塞がると減少傾向にあることが観察される。曲率の平均はおおよそ単調に減少する。
図7−1〜7−4は本実施の形態における手法を、埴輪の馬を計測した距離データから生成したモデルに適用した結果を示す図である。生成に当たっては上述の非特許文献7の手法を用い、手法中の補外処理はあえて掛けていない。脚部の間に計測が困難な部分が残っていたが、本手法の20回の繰り返しにより、連続な面で補完されていることがわかる。誤差や曲率は楕円体の場合程単純な挙動は示さなかった。サンプル点は補完処理により248kから282kに増加し、計算時間は1.7GHzの単一CPUで約1時間半であった。
SDFの逐次的な局所二次関数当てはめによる形状モデルの欠損部分の補完を行った。当てはめる二次関数モデルと、曲面曲率との関係を明らかにし、符号付距離だけでなく法線の場も含めて整合性のとれた、曲率が滑らかな場の補完を行うことができた。ロバスト統計と組み合わせて極端な外れ値を除去することも可能である。また、本手法は多重解像度処理へ拡張することが可能であり、局所性のレベルを複数設定することで、より安定で高速な処理が行えることが期待できる。
以上のように、本発明にかかる3次元図形の曲面再構成方法および3次元図形の曲面再構成プログラムは、形状モデルの欠損部分の補完に有用であり、特に、レーザー・符号化光源・カメラを組み合わせた三次元形状計測システムなどにおける、計測が困難な部分が生ずる場合の補完処理に適している。
符号付距離場(SDF)を記述するパラメータの概要を示す図である。 格子上にとられたサンプル点においてデータ形状SのSDFをサンプリングする過程を示す2次元模式図である。 サンプル点から最近点へのベクトルの概要を示す図である。 曲面再構成の過程を示す図である。 曲面再構成の過程を示す図である。 曲面再構成の過程を示す図である。 曲面再構成の過程を示す図である。 サンプル点の近傍のSDFからの曲率の計算に用いられるパラメータの概要を示す図である。 平行曲面上の面要素におけるパラメータの概要を示す図である。 初期状態における本実施の形態の楕円体への適用結果を示す図である。 10回繰り返し後における本実施の形態の楕円体への適用結果を示す図である。 20回繰り返し後における本実施の形態の楕円体への適用結果を示す図である。 50回の繰り返し後における本実施の形態の楕円体への適用結果を示す図である。 サンプル点数、当てはめ誤差および初期状態を1とした場合の平均曲率の変化を示す図である。 本実施の形態における手法を、埴輪の馬を計測した距離データから生成したモデルに適用した結果を示す図である。 本実施の形態における手法を、埴輪の馬を計測した距離データから生成したモデルに適用した結果を示す図である。 本実施の形態における手法を、埴輪の馬を計測した距離データから生成したモデルに適用した結果を示す図である。 本実施の形態における手法を、埴輪の馬を計測した距離データから生成したモデルに適用した結果を示す図である。
符号の説明
10 物体表面
11 サンプル点
12 最近点

Claims (4)

  1. CPUを用いることによって実現される3次元図形の曲面再構成装置において、
    3次元空間において、ベクトルpで表される所定のサンプル点から方向つき曲面である形状表面への符号付距離および最も近い点への法線により構成される、法線情報付符号付距離場が離散的にサンプルされたデータを入力する入力手段と、
    前記ベクトルpで表されるサンプル点からベクトルΔpだけずれたi番目の近傍のサンプル点の法線ベクトルnと符号付距離のサンプル値sに、所定の法線ベクトルn、符号付距離sおよび対称行列Mの成分で表される法線情報付符号付距離場の局所2次近似を行う近似手段と、を含み、
    前記近似手段は、i番目の近傍の符号付距離の重み係数をw 、法線成分の重み係数をw ni 、3x3対称行列Mの成分をmxx,myy,...,mxyとして、次の線形連立方程式の最小二乗解を求めることにより局所2次近似を行う、
    ことを特徴とする3次元図形の曲面再構成装置
  2. 前記サンプルされたデータは、3次元空間における図形のデータであり、前記近似手段は、前記局所2次近似を当てはめることにより、前記3次元空間における図形のデータの補完データを作成し、該補完データを用いて前記3次元空間における図形の描画を行うことを特徴とする請求項に記載の3次元図形の曲面再構成装置
  3. CPUを用いることによって実現される3次元図形の曲面再構成プログラムにおいて、
    3次元空間において、ベクトルpで表される所定のサンプル点から方向つき曲面である形状表面への符号付距離および最も近い点への法線により構成される、法線情報付符号付距離場が離散的にサンプルされたデータを入力させる入力工程と、
    前記ベクトルpで表されるサンプル点からベクトルΔpだけずれたi番目の近傍のサンプル点の法線ベクトルnと符号付距離のサンプル値sに、所定の法線ベクトルn、符号付距離sおよび対称行列Mの成分で表される法線情報付符号付距離場の局所2次近似を行う近似工程と、を含み、
    前記近似工程は、i番目の近傍の符号付距離の重み係数をw 、法線成分の重み係数をw ni 、3x3対称行列Mの成分をmxx,myy,...,mxyとして、次の線形連立方程式の最小二乗解を求めることにより局所2次近似を行うこと、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする3次元図形の曲面再構成プログラム。
  4. 前記サンプルされたデータは、3次元空間における図形のデータであり、前記近似工程は、前記局所2次近似を当てはめることにより、前記3次元空間における図形のデータの補完データを作成し、該補完データを用いて前記3次元空間における図形の描画を行うことを特徴とする請求項に記載の3次元図形の曲面再構成プログラム。
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