JP4440060B2

JP4440060B2 - ネジ具の検査方法

Info

Publication number: JP4440060B2
Application number: JP2004285884A
Authority: JP
Inventors: 英治田村; 豊亮今井
Original assignee: Daiwa House Industry Co Ltd
Current assignee: Daiwa House Industry Co Ltd
Priority date: 2004-09-30
Filing date: 2004-09-30
Publication date: 2010-03-24
Anticipated expiration: 2024-09-30
Also published as: JP2006097813A

Description

本発明は、ネジ具及び締め忘れ等の検査方法に関する。

例えば、鉄骨造等の建物の建築において、構造部材同士の接合にボルトを用いる場合、ボルトの本数が多いと、締付け作業者のミスによって締め忘れを生じることがあり、それを防ぐため、検査が行われるが、検査対象であるボルトの本数が多いと、一つ一つのボルトについて検査を行っていくのは非常に厄介である。

また、検査において、構造部材同士の接合部が目視しにくい位置や目視できない位置に存在するような場合には、ボルトの締め忘れだけでなく、ボルトの付け忘れの検査も困難性を極める。

本発明は、上記のような問題点に鑑み、ボルト等のネジ具の締め忘れ等の検査を容易に行うことができるネジ具及び検査方法を提供することを課題とする。

上記の課題は、他と締め合わされる部分に、ＩＣタグが、締付けによって破壊されるように取り付けらていることを特徴とするネジ具によって解決される。また、このネジ具を多数用いて構造物の部材同士をネジ締め接合したのち、読取り装置で、前記ＩＣタグに記録されたＩＤが読み取れるか否かを調べていくことを特徴とするネジ具の締め忘れ検査方法によって解決される。

このネジ具及び検査方法によれば、ネジ具が適正に締め付けられていれば、ＩＣタグは破壊され、読取り装置で、ＩＣタグに記録されたＩＤを読み取ることができず、ネジ具が適正に締め付けられていることを確認することができる。その一方で、ネジ具が締め忘れられていれば、ＩＣタグは破壊されず、読取り装置で、ＩＣタグに記録されたＩＤを読み取ることができて、ネジ具が締め忘れられていることを確認することができる。

そして、ＩＣタグに記録されたＩＤの読取りは、読取り装置によって容易に行うことができ、すべてのネジ具について、締め忘れがないかどうかの検査を、短時間で能率良く、容易に行っていくことができる。

また、上記の課題は、他と締め合わされる部分に、第一ＩＣタグが、締付けによって破壊されるように取り付けらると共に、前記第一ＩＣタグとは別の第二ＩＣタグが、他との締め合わせによって破壊されない部分に取り付けられていることを特徴とするネジ具によって解決される。また、このネジ具を多数用いて構造物の部材同士をネジ締め接合したのち、読取り装置で、ＩＣタグに記録されたＩＤを読み取っていくことを特徴とする検査方法によって解決される。

このネジ具及び検査方法によれば、読取り装置によるＩＤの読取りにおいて、第一ＩＣタグのＩＤが読み取れず、第二ＩＣタグのＩＤが読み取れた場合は、ネジ具は、付け忘れなく適正に締め付けられていることを確認することができ、また、第一ＩＣタグと第二ＩＣタグの両方のＩＤが読み取れた場合は、ネジ具は、付け忘れはないけれども締め忘れがあることを確認することができ、更に、第一ＩＣタグと第二ＩＣタグの両方のＩＤが読み取れない場合は、ネジ具は、付け忘れられていることを確認することができる。

そして、ＩＣタグに記録されたＩＤの読取りは、読取り装置によって容易に行うことができ、すべてのネジ具について、締め忘れと付け忘れの有無の検査を、短時間で能率良く、容易に行っていくことができる。

また、第一、第二のＩＣタグを備えた上記の多数本のネジ具であって、各ネジ具の第一，第二のＩＣタグのＩＤを同じに設定すると共に、ネジ具ごとにＩＤを異ならせたものを用い、これらネジ具で構造物の部材同士をネジ締め接合したのち、読取り装置で、ＩＣタグに記録されたＩＤを読み取っていくことを特徴とする検査方法によれば、第一ＩＣタグと第二ＩＣタグの両方のＩＤが読み取れた場合に同じＩＤが並ぶので、付け忘れがなく締め忘れがある場合の確認を容易にすることができる。

本発明は、以上のとおりのものであるから、ボルト等のネジ具の締め忘れ等の検査を容易に行うことができる。

次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。

図１に示す第１実施形態は、ネジ具がボルトである場合のもので、ボルト１には、図１（イ−２）に示すように、他と締め合わされる部分であるボルト頭部１ａの底面部２に、第一ＩＣタグ４が、雄ネジ部１ｂの周囲に回すようにして取り付けられている。６はゴマ粒状のＩＣチップであり、７はアンテナである。また、上記のボルト１には更に、他との締め合わせによって破壊されない部分であるボルト頭部１ａの頂面部３に、第二ＩＣタグ５が取り付けられている。これにより、図１（ハ）に示すように、上記のボルト１と、ナット８、ワッシャー９を用い、部材１０，１１同士をネジ締め接合すると、第二ＩＣタグ５は破壊されないが、第一ＩＣタグ４のＩＣチップ部分は破壊され、また、図１（ロ）に示すように、締付けを行っていない状態では、第一，第二のＩＣタグ４，５はいずれも破壊されないまま残る。

上記のボルト１を多数本用い、例えば、鉄骨造建物の建築で構造部材同士をボルト接合するような場合、使用する各ボルト１は、第一，第二のＩＣタグ４，５のＩＤが同じになるように設定する。また、ボルトごとにＩＤを異ならせるように設定する。この設定は、ボルト１に対して予めなされたものであってもよいし、必要時において行ったものであってもよい。こうして、ＩＤの設定された多数本のボルト１を用い、作業者に接合を行ってもらった後、管理者が、図示しない読取り装置で、ＩＣタグに記録されたＩＤを読み取っていく。

この読取りにおいて、管理者は、読取り装置で、第一ＩＣタグ４のＩＤが読み取れず、第二ＩＣタグ５のＩＤが読み取れた場合は、ボルト１は、付け忘れなく適正に締め付けられていることを確認することができる。また、第一ＩＣタグ４と第二ＩＣタグ５の両方のＩＤが読み取れた場合は、ボルト１は、付け忘れはないけれども締め忘れがあることを確認することができる。更に、第一ＩＣタグ４と第二ＩＣタグ５の両方のＩＤが読み取れない場合は、ボルト１は、付け忘れられていることを確認することができる。

そして、本実施形態では、上記のように、使用する各ボルト１は、第一，第二のＩＣタグ４，５のＩＤが同じになるように設定され、また、ボルトごとにＩＤを異ならせるように設定されているので、第一ＩＣタグ４と第二ＩＣタグ５の両方のＩＤが読み取れた場合に同じＩＤが並ぶので、付け忘れがなくて締め忘れがある場合の確認を容易にすることができる。

具体的には、例えば、図３に示すように、ＩＤをＥ０３３３３〜Ｅ０３３４２に設定した合計１０本のボルト１において、第一，第二のＩＣタグ４，５に同じＩＤを設定し、これら１０本のボルトを用いて柱梁の特定の一カ所の接合部をボルト接合した場合の検査において、読取り装置が、図３（イ）に示すように、Ｅ０３３３３〜Ｅ０３３４２のＩＤを各一つづつ読み取れば、その接合部におけるすべてのボルト１が、付け忘れなく適正に締め付けられていることを確認することができる。また、読取り装置が、図３（ロ）に示すように、Ｅ０３３３７のＩＤのみを二つ読み取り、残りのＩＤを各一つづつ読み取った場合は、１０本のボルト１のうちの１本が、付け忘れられることなく、適正に締め付けられていないことを確認することができる。この場合は、同じＩＤが二つ存在するので、確認は特に容易である。更に、読取り装置が、図３（ハ）に示すように、異なるＩＤを９個読み取り、Ｅ０３３４０のＩＤを読み取らなかった場合は、１０本のボルト１のうちの１本を付け忘れていることを確認することができる。こうして、すべてのボルト１について、締め忘れと付け忘れの有無の検査を、短時間で能率良く、容易に行っていくことができる。

図２に示す第２実施形態は、ネジ具がナットである場合のもので、ナット１３には、図１（イ−１）（イ−２）に示すように、他と締め合わされる部分である一方の端面部に第一ＩＣタグ４が取り付けられていると共に、第二ＩＣタグ５が、他との締め合わせによって破壊されない部分であるもう一方の端面部に取り付けられ、図２（ハ）に示すように、上記のナット１３と、ボルト１４、ワッシャー１５を用い、部材１０，１１同士をネジ締め接合すると、第二ＩＣタグ５は破壊されないが、第一ＩＣタグ４のＩＣチップ部分は破壊され、また、図２（ロ）に示すように、締付けを行っていない状態では、第一，第二のＩＣタグ４，５はいずれも破壊されないまま残るようになされている。その他は、第１実施形態と同様であり、同様の作用効果が奏される。

以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、ネジ具がボルト１あるいはナット１３である場合を示したが、ワッシャーや、その他各種のネジ具であってよい。なお、ネジ具がワッシャーである場合は、第二タグをワッシャーの外周部に取り付けるなどすればよい。

また、上記の実施形態では、ネジ具に第一，第二のＩＣタグ４，５が取り付けられている場合を示しているが、締付けで破壊される第一ＩＣタグ４のみを取り付けて、第二ＩＣタグを省略するようにしてもよい。その場合であっても、締め忘れがないかどうかの検査を容易に行っていくことができる。

第１実施形態のボルトを示すもので、図（イ−１）（イ−２）は斜視図、図（ロ）はボルトが締め付けられていない状態の正面図、図（ハ）は締付け状態の正面図である。第２実施形態のナットを示すもので、図（イ−１）（イ−２）は斜視図、図（ロ）はボルトが締め付けられていない状態の正面図、図（ハ）は締付け状態の正面図である。図（イ）〜図（ハ）はそれぞれ、読取り装置による読取り情報の例を示す説明図である。

符号の説明

１…ボルト（ネジ具）
２…底面図（他と締め合わされる部分）
３…頂面部（他との締め合わせによって破壊されない部分）
４…第一ＩＣタグ
５…第二ＩＣタグ
１３…ナット（ネジ具）

Claims

他と締め合わされる部分に、第一ＩＣタグが、締付けによって破壊されるように取り付けらると共に、前記第一ＩＣタグとは別の第二ＩＣタグが、他との締め合わせによって破壊されない部分に取り付けられている多数本のネジ具であって、各ネジ具の第一，第二のＩＣタグのＩＤを同じに設定すると共に、ネジ具ごとにＩＤを異ならせたものを用い、これらネジ具で構造物の部材同士をネジ締め接合したのち、読取り装置で、ＩＣタグに記録されたＩＤを読み取っていくことを特徴とするネジ具の検査方法。