JP4438078B2 - 照明器具付き鏡 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は透光面にて均一な光を供給する照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な照明器具としては、図8のように光源と反射板を設け、光源の直接光と、反射板によって一旦光源の光を受け被照射側に向けて反射させた光を利用するものが普及している。あるいは、光源の周囲をカバーで覆い、カバーで光源の光を拡散させ、光源が被照射側の視野に直接入らないようにしたものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の照明器具においては、直接光と反射板を介した反射光には光源から使用者に到る光路長に差が生じる。また反射光には反射板の反射率に応じて反射ロスが生じる。その結果、反射板からの反射光の輝度が直接光より低くなり両者の輝度差が発生し、照明器具を使用者が見た場合に照明器具の明るさが均一に見えず、見苦しいという問題があった。
【0004】
また照明器具の前面をカバーで覆った場合においては、光源とカバーの距離が近ければカバー中央部とカバー外縁部とでは光源までの距離に差があり、その距離の差が輝度差となってカバーにおける輝度ムラを発生して、外観の見映えが悪かった。その輝度ムラを解消するため光源とカバーの距離を離すと照明器具の前出が大きくなるので、圧迫感を与え、また意匠の自由度が狭くなるという不具合があった。
【0005】
また、光源には電極やソケットなどの非発光部があり、その暗がりが透光面での輝度ムラを生じさせていた。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、光を被照射側に向けて照射する透光面において輝度ムラがなくて効率のよい照明器具およびそれを用いた照明器具付鏡を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段・作用および作用・効果】
上記目的を達成するために本発明は、ガラスの裏面に反射面を備えた鏡の両側方に非反射面である透光面を備え、前記鏡の使用者の視線方向からみて前記透光面の投影範囲外でかつ前記鏡の裏側に位置し、長手部分から屈曲した短手部分を有するL字状であってその短手部分の端部に非発光部を有する線状光源と、前記線状光源の長手部分を覆うように、前記透光面の一端から他端にわたって湾曲状の板で形成された反射板と、からなる照明器具付き鏡において、前記線状光源はその長手部分で一直線上になるように複数列接されており、その屈曲部分を互いに近接する位置に配置し、屈曲した短手部分を前記透光面とは逆方向に向けて平行に配置すると共に、その端部の非発光部を前記反射板の外に配置したことを特徴とする。
【0008】
従って、線状光源が、鏡の使用者の視線方向からみて透光面の投影範囲外でかつ鏡の裏側に位置して、透光面の一端から他端にわたって湾曲状の板で形成された反射板によって覆われているために、透光面から照射される光は反射板で反射された間接光となり、しかも、その線状光源は、長手部分から屈曲した短手部分を有するL字状であってその短手部分の端部に非発光部を有するものであり、その長手部分で一直線上になるように複数列接されていて、その屈曲部分を互いに近接する位置に配置し、屈曲した短手部分を透光面とは逆方向に向けて平行に配置しているため、使用者へは見かけ上1本の線状光源で構成しているように見せることができ、更には、線状光源の短手部分の端部の非発光部は透光面とは逆方向であって反射板の外に配置することで、非発光部による明るさのムラを生ずることがなく、その結果、透光面からの明るさが均一化でき、その透光面からの均一な明るさの光によって鏡を快適に使用することができる。
【0009】
また、本発明においては、前記線状光源は、その短手部分を1つの支持部材によって支持されていることを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を、図面により詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明の照明器具付き鏡における実施例一の横断面図である。
【0033】
線状光源であるランプ1は、L字状に屈曲した冷陰極型蛍光ランプを用いており、両端に非発光部である電極部分とリード線を保護するランプソケット13を備えている。被照射側にいる使用者の視線方向Yからみて透光面3の投影範囲Bの外である範囲Aで、かつ鏡4の裏面側にランプ1は位置しており、図にはランプ1の屈曲部から短手部分が示されている。ランプ1は、枠体5に取り付けられた支持部材8により所定の位置に保持されている。ランプソケット13もランプ1同様に、使用者の視線方向Yからみて透光面3の投影範囲B外である範囲Aでかつ鏡4の裏面側に位置されている。
【0034】
また反射板2は、透光面3の一端から他端にわたってランプ1の長手部分を覆うように湾曲状の板で形成されている。ランプ1及び反射板2は前面を開口した略コの字状の形成された枠体5内に配置され、枠体5の前面開口した部分には透光面3と鏡4が取り付けられている。さらに、枠体5の背面には照明器具付き鏡を壁面に取りつけるためのプレート14が備えられている。
【0035】
図2は、本発明の照明器具付き鏡における実施例一の正面図である。
【0036】
鏡4はガラスの裏面に反射面を備えたものであり、鏡4の両側方に非反射面である透光面3を備えている。透光面3、鏡4の押え部材として、上枠15及び下枠16がプレート14に固定されている。下枠16には、ランプ1の点灯/消灯を操作するための電源スイッチ10を備えている。
【0037】
透光面3は、鏡4と一体で同一平面上に構成され、鏡4の裏面に形成された反射面と同一面に微細な凹凸を持つ拡散面、例えばサンドブラスト加工を施したすりガラス状の面を持っている。従って、透光面3表面には凹凸が生じず、掃除がしやすい。
【0038】
また鏡4には耐食性を上げるための防錆処理が鏡4裏面の反射面外縁部に施されている。この防錆処理部を鏡4の表から見えなくするため、鏡4の表面に透光面3と反射面の境界線付近に微細な凹凸を設けたVカット部6を設けており、外観デザインの向上にもなっている。
【0039】
なお、透光面3と鏡4は別体としてもよい。
【0040】
また、電源スイッチ10は、赤外線などで人の存在を感知し、自動的にランプ1が点灯するような非接触スイッチとしてもよい。
【0041】
図3は実施例一の各構成部品の正面配置図であり鏡を取り外した状態である。
【0042】
ランプ1はL字状に直角に屈曲し、2本のランプ1がその長手部分で一直線状になるように中心を合わせて列接している。2本のランプ1が隣接する箇所17で、ランプ1の屈曲部をお互いに近接する位置に配置し、屈曲した短手部分を照明器具本体の中心方向に向けて平行に配置している。このようにランプ1がL字状なので、ランプ1の非発光部である電極やランプ短手側ランプソケット13aを反射板2の外に、他方のランプ長手側ランプソケット13bは透光面の投影範囲Bより外に配置することができる。
【0043】
ランプ1は支持部材7、8で固定されており、支持部材7は反射板2に対する横断面位置を固定する。一方支持部材8は反射板2に対する横断面の位置決め部材であり正面から見た時の上下位置を固定する。従って、支持部材7、8を同時に使用することでL字状のランプ1の上下左右前後位置を固定し回転移動を規制することができる。
【0044】
また、支持部材8はランプ1の支持部を2箇所有しているため、ランプ1を2本同時に固定することができる。支持部材7、8に弾性のある材料、例えばゴムやシリコンを用いれば、ランプの破損防止用緩衝材としての役目も同時に果たすことになる。
【0045】
この支持部材7,8は透明材もしくは半透明の光透過性の材料からなり、光源から出た光の遮蔽物とならないので、支持部材による影ができにくい。またポリカーボネートのような耐熱性に優れた材料を用いれば、点灯時に光源の温度が上がるような光源を用いても樹脂の劣化に伴い影を生じるような問題はない。
【0046】
プレート14には開口部12が設けられており、外部から電源を引き込むための開口となる。この位置に相当する取付壁面に速結端子を配置しても良いし、コンセント(図示しない)を設けても良い。コンセントを設けると照明器具の施工時はプラグを差し込むだけで良いので、電線の接続が簡便になる。
【0047】
同時にこの開口部12がコンセントの出代を吸収するので、壁面に取り付けた際の照明器具全体の前出を押さえることができる。また外部電源と接続する電線やプラグ、プラグを介したリード線9が本体内に収納されるので、電線が本体から外に伸びる煩雑さが外観に生じない。
【0048】
リード線9は、スイッチ10を介してランプ点灯用電源6の入力端子に接続され、点灯用電源6の出力端子はランプ1の両端のランプソケット13a、13bに配線されている。
【0049】
ここで、点灯用電源6の出力端子からランプ1の両端のランプソケット13a、13bに到る電線長さをできるだけ短くすることや、またランプ点灯用電源6からの距離が近く、2本のランプ1同士が隣接する位置にあるランプソケット13aにはいずれもプラス端子を、上枠15、下枠16に近くランプ点灯用電源6からの距離が遠いランプソケット13bにはいずれもマイナス端子を接続することが点灯性能上、望ましい。このときランプ1がL字形状であるため、プラス端子とマイナス端子を判別しやすく組立上有利である。
【0050】
ここで、図2で示した電源スイッチ10を入れるとリード線9を通してランプ点灯用電源6へ電力が供給され、ランプ点灯用電源6から出力される高周波電源によりランプ1が点灯する。
【0051】
なお、本実施形態においては、1つの透光面に対して2本ずつ合計4本のランプ1を使用した場合について説明したが、ランプ点灯用電源6の性能上可能であれば、それよりも多くのランプ1を使用してもよい。
【0052】
図4は、図3におけるC部詳細図である。
【0053】
反射板2の長手方向略中央部分には、前述したように1つの支持部材8により2本のランプ1の短手部分を同時に支持している。また2本のランプ1の長手部分が、見かけ上1本のランプで構成しているように見えるため、ランプの隣接部分における輝度ムラがない。
【0054】
また、ランプ1の屈曲方向は、反射板2の透光面の投影範囲外A部分で反射される光の方向(図中矢印方向)と逆方向に向き、ランプソケット13aを反射板2の外側に配置しているため、ランプソケット13aなどの非発光部により光路が遮られることがない。
【0055】
ランプ1をL字状とすると、ランプ1の長手方向に2本配接することができ、さらにランプ1をコの字に曲げるとランプ1の数を無限に連続して配置できるため、ランプ1の長さの制限にとらわれずに自由な長さの透光面3が実現できる。
【0056】
また冷陰極型蛍光ランプの曲げ加工は比較的簡便であるため、L字やコの字状だけでなく、自由な曲面で構成された透光面に合わせてランプをつくる事や、暗くなりがちだった透光面の隅部に合わせたランプをつくることも可能である。
【0057】
図5は、実施例一の反射板端部分を示した斜視図である。
【0058】
ランプ1は、透明の支持部材7で所定の位置に固定されている。また、反射板2の長手方向の両端部に設けられたキャップ11は、照明器具付鏡の外形を構成すると同時に、反射板2の端部に接して設けられている。このキャップ11は反射板2の外に向かっていた図中矢印の光を有効に透光面3へ向ける補助反射面の役割を果たす。
【0059】
これによってランプソケット13b付近透光面3がキャップによる反射光で照らされて、暗くなりがちだった透光面3の両端部の輝度があがる。
【0060】
キャップ11の高さが同じになるよう上枠15下枠16の寸法を設定すれば、右上と左下、左上と右下を共通部品とすることができ、コスト低減に役立つ。
【0061】
反射板2を枠体5に固定するには、ネジ止め、接着止めが簡便である。
反射板2の断面形状に合わせた切り溝もしくは凸部をこのキャップ11に設けて反射板2と嵌合させると、反射板2の固定と併せて回転を防ぐ位置決めを兼ねることができる。さらに反射表面でネジ止めしないので、光の反射を乱すネジ頭ような凸凹がなく反射板形状を損ね輝度ムラを生じる事がない。
【0062】
図6は、本発明の照明器具付き鏡における実施例一の横断面図である。
【0063】
図6において、反射板2は楕円形状部分21と円弧形状部分22の組み合わせで構成されている。楕円形状部分21は楕円の中心で長軸を二分割した楕円でその楕円端部を円弧形状部分22と接続させたものである。また円弧形状部分22は楕円形状部分21が形成する第二の焦点より外側に位置している。
【0064】
この楕円形状部分21はランプ1から見て透光面3側にある楕円形状部分211とランプ1から見て透光面3の反対側にある楕円形状部分212に楕円中心の水平線で分割される。
【0065】
ランプ1の中心は楕円の長軸上で、楕円焦点より内側つまり楕円中心寄りの位置に設置されている。楕円形状部分21はランプ1の光を透光面3に向ける役目をしている。
【0066】
ランプ1から発した光は楕円形状部分212で反射すると、少なくとも一回の反射で透光面3へ向かう。一方楕円形状部分211で反射すると、さらに円弧形状部分22で反射した上で透光面3を透過する。よって反射光の反射回数を少なくできるので光の照射効率が良い。
【0067】
加えて楕円形状部分212で一回反射された光、楕円形状部分211で反射された後に円弧形状部分22で反射された光、円弧形状部分22でのみ反射された光の三者が透光面を透過するので、輝度ムラの少なく、かつ輝度の高い均一な光となる。
【0068】
なお楕円形状部分21は、光を円弧状部分22に向け円弧状部分22を均一に照射する、放物線形状やn次曲線を組みあわせた反射板形状とすることもできる。
【0069】
透光面3の投影範囲には、曲率一定の曲面すなわち円弧形状部分22のみが置かれているため、円弧形状部分22で反射された光は偏ることなく透光面3に向けられるので、輝度ムラがない。またランプ1の直接光と、楕円形状部分211で反射された光が円弧形状部分22を照らすため、円弧状部分22自身はほぼ均一に発光して見える。
【0070】
なおこの円弧状部分は微小直線で近似すると、反射板2を意図した形状を、簡便に製造上できる。
また、円弧形状部分22の曲率や向きを変えると、反射光を鏡の中心方向に集める事ができる。
【0071】
透光面3の外形は、投影部分が円弧形状部分22内に収まれば、被照射側の正面から見てどのような形状にしてもよい。例えばドーナツ状の透光面や額縁状の外周に透光面を設けても、輝度ムラのない透光面3をつくることができる。
【0072】
光の拡散面を設ける場合は、反射板2の円弧形状部分22、透光面3の表・裏いずれに設けてもよく、また前記面の中で複数に拡散面を組み合わせ設けてもよい。またこれらに追加して反射板2の楕円形状部分21を拡散面としたり、さらに反射板2と透光面3で構成される閉空間内に拡散素子を封入してもよい。
【0073】
また反射板2のランプに近い側の端部25は、鏡4と透光面3の境界近くにまで伸びている。そのため、反射板2から外れて漏出する光がないので、効率よく楕円形状部分22へ向けられる。また端部25はランプ側に曲げてあるため、光の反射効率を落とさず、かつ反射板のエッジで鏡4を傷つけない。
【0074】
反射板2のランプ1から遠い端部26と枠体5の接点には、枠体5と一体で構成された突起51を設けて反射板2の位置決めとすることができる。また突起51によって反射板2の端部が保護されるので、反射板2の変形防止になり、かつ反射板のエッジで透光面3を傷つけない。
【0075】
図7は、反射板2の斜視図である。
【0076】
L字状に折り曲げたランプ1の一端を通過させるため、反射板2の長手方向のほぼ中央位置に開口部23を設けている。開口部23は、ランプ1の着脱が容易であるように反射板2の外縁部である端部25まで達している。端部25での開口幅は、反射面をできるだけ大きくするようランプ1の直径よりやや大きい幅になってある。
【0077】
またランプ1の長手部分から出た光で開口部23を通過した分は、ランプ短手部の発光によって補われるので、透光面3で輝度ムラが生じない。
【0078】
また反射板2の長手方向の両端24は、ランプ1の位置を支持する支持部材7、8が組立しやすいように切り欠いてある。またこの切り欠きによってランプ1の組み立て・交換もスムーズに行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の照明器具付き鏡における実施例一の横断面図。
【図2】 本発明の照明器具付き鏡における実施例一の正面図。
【図3】 実施例一の各構成部品の正面配置図。
【図4】 図3におけるC部詳細図。
【図5】 実施例一の反射板端部分を示した斜視図。
【図6】 本発明の照明器具付き鏡における実施例一の横断面図。
【図7】 実施例一の反射板の斜視図。
【図8】 従来の照明器具を説明する断面図。
Claims (2)
- ガラスの裏面に反射面を備えた鏡の両側方に非反射面である透光面を備え、
前記鏡の使用者の視線方向からみて前記透光面の投影範囲外でかつ前記鏡の裏側に位置し、長手部分から屈曲した短手部分を有するL字状であってその短手部分の端部に非発光部を有する線状光源と、前記線状光源の長手部分を覆うように、前記透光面の一端から他端にわたって湾曲状の板で形成された反射板と、
からなる照明器具付き鏡において、
前記線状光源はその長手部分で一直線上になるように複数列接されており、その屈曲部分を互いに近接する位置に配置し、屈曲した短手部分を前記透光面とは逆方向に向けて平行に配置すると共に、その端部の非発光部を前記反射板の外に配置したことを特徴とする照明器具付き鏡。 - 前記線状光源は、その短手部分を1つの支持部材によって支持されていることを特徴とする請求項1記載の照明器具付き鏡。
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