JP4437906B2 - 構造体の製造方法、多孔質構造体の製造方法、及び多孔質構造体 - Google Patents

構造体の製造方法、多孔質構造体の製造方法、及び多孔質構造体 Download PDF

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Description

本発明は、微細な粒子が三次元周期を持って配列した三次元周期構造体、微小な細孔が三次元周期を持って配列した三次元周期多孔質構造体、およびこれらの製造方法に関する。
近年、光学材料、ディスプレイ、触媒、分離精製、塗料などの幅広い分野で三次元周期構造を有する材料が有望視されている。特に、光学材料分野では、フォトニック結晶(PC)と呼ばれる新たな光制御機能を有する材料が注目を集めている。周期構造を有する材料の内部では、材料の屈折率と周期に依存して決定される特定波長の光の伝搬が禁じられ、このようにして現れる禁制帯はフォトニック・バンド・ギャップ(PBG)と呼ばれる。例えば、光の波長オーダーの屈折率周期を有する誘電体多層膜は、高効率のミラーとして優れた特性を示すことが知られており、この構造は一次元フォトニック結晶体と呼ばれる。これに対し、二次元、三次元で光波長オーダーの屈折率周期を有する構造体(以下、該構造体を三次元周期構造体と略記する。)は、それぞれ二次元、三次元フォトニック結晶体となり、これらは各方向の光伝搬を制御することができるため、光導波路やフィルター、光集積回路、低しきい値レーザー等への応用が期待されている。また特定の波長を強く反射する特性を生かして構造色材料としての利用も期待されている。
三次元の屈折率周期を有する構造体を実現する方法としては、電子ビーム描画やエッチング技術、あるいはフォトリソグラフィー技術等を用いて、半導体や誘電体薄膜に二次元の周期構造を形成し、これを積層していく方法、ポリスチレンやシリカ等の微粒子を配列させる方法、配列させた微粒子の隙間に有機もしくは無機材料を充填する方法などが提案されている。
二次元の周期構造体を形成して、これを積層していく方法としては、例えば、二次元周期構造を有する基板上への物質の積層と部分的スパッタエッチングを用いて1μm程度、またはそれ以下の大きさの周期を有する三次元周期構造体を製造する方法(例えば、特許文献1参照。)、あるいは基板上にストライプパターンを形成し、このストライプパターンが交差するように、重ね合わせて接合し、基板のみを選択的にエッチングすることによって、すだれ状の三次元周期構造を形成する方法(例えば、非特許文献1参照。)等が知られている。しかし、このような方法は、作業工程数が多く、非常に複雑であり、多層化に大きな困難を伴う。さらに、後者の方法では、可視光や近赤外光領域の光を制御可能な微少な三次元周期構造を有する構造体を実現するには、ストライプパターンを微細にする必要があるが、この場合、パターン形成の精度と接合の位置合わせの正確さに大きな困難を生じる。このため、微小な三次元周期構造、なかでも数十〜数百nmオーダーの周期構造を有する構造体は実現が困難であった。
数十〜数百nmオーダーの周期構造をより簡便に実現するために、数十〜数百nmオーダーの均一な粒径分布を有する微粒子を配列させる方法が提案されている。このような三次元周期構造体としては、例えば、微粒子の沈降を利用する方法(例えば、非特許文献2参照。)、溶媒の蒸発を利用する方法(例えば、非特許文献3参照。)、あるいは、微粒子分散液中に浸した基板を垂直に引き上げて、微粒子の単層膜を移流集積する方法(例えば、特許文献2参照。)等の方法により得られる構造体が提案されている。しかしながら、これらの方法においても、三次元周期構造体の作製に長時間を要すること、温度、雰囲気などの作製条件を精密にコントロールして溶媒蒸発の速度を制御する必要がある等、製造が煩雑である問題があった。また、こうした方法により得られた構造体は、粒子同士が近接して、粒子が細密充填された構造をとることから、粒子間の結合や構造体全体の形状を保持するための結合成分が入り込む余地が少ないため強固な構造体が得られなかった。また、こうした問題は構造体のサイズを大きくすると顕著に表れ、構造体全体にわたって三次元周期構造を実現することが困難であった。
また、周期構造体をフォトニック結晶のような光学材料として使用する場合には、構造体中における屈折率の異なる物質の屈折率差が大きいほど光学的な効果も大きくなる。屈折率に差を設けるため、上記の様な種々の方法でコロイド結晶体を作成し、これをテンプレート(鋳型)として、その粒子の隙間に有機もしくは無機材料を充填した後、鋳型として用いたコロイド結晶体を除去することにより、構造体中に空孔が周期的に配列した、いわゆる逆オパール構造を作成する方法が提案されている。これら方法の例としては、ポリスチレン微粒子の分散液を吸引濾過してコロイド結晶体を作成し、この上から金属アルコキシドの溶液を滴下して微粒子間に浸透させ、これを焼成することによって微粒子間に金属酸化物の連続体構造を形成し、その後ポリスチレンを除去することによって逆オパール構造を作成する方法(例えば、非特許文献4参照。)、沈降法によって得られたコロイド結晶体の微粒子間にCVDでゲルマニウムを充填する方法(例えば、非特許文献5参照。)、コロイド結晶体を電極基板上に作成し、この粒子間に電気化学的に金属を充填して、加熱、もしくは酸処理することによって逆オパール構造を作成する方法(例えば、特許文献3参照)などが開示されている。
しかしながら、以上の方法では、逆オパール構造を作成するにあたり、まず良好なコロイド結晶体を作成する必要があるが、良好なコロイド結晶体を形成するのは容易でなく、また、コロイド結晶体の作成に多大な時間を要した後、さらにその空隙内への有機、無機材料の充填および焼成を行う必要があり、非常に複雑な工程となる。また、これらの方法では、密に充填された非常に狭い粒子間の空隙に、有機もしくは無機材料を充填していくので、表面の空隙部がこれらの材料で満たされると、それより奥には入り込めなくなり、粒子間の空隙が充分に満たず、不均一な構造となる。このため、このようにして作成された逆オパール構造を有する三次元周期構造体は、脆弱な構造となり、亀裂が入りやすいという問題点があった。
特願平10−335758号公報 特開平8−234007号公報 特開2000−233998号公報 S. Noda、他2名,「ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス、パート2(Jpn.J.Appl.Phys.Part2)」,第35巻,第7B号,1996年,L909−912 R. Mayoral、他9名,「アドヴァンスド・マテリアルズ(Advanced Materials)」,第9巻,第3号,1997年,p.257−260 P.Jiang、他3名「ケミストリー・オブ・マテリアルズ(Chemistry of Materials)」,第11巻,第8号,1999年,p.2132−2140 Brian T.Holland、他2名,「サイエンス(Science)」,第281巻,1998年,p.538−540 Hernan Miguez、他10名,「アドヴァンスド・マテリアルズ(Advanced Materials)」,第13巻,第21号,2001年,p.1634−1637
本発明が解決しようとする課題は、微粒子が均一な三次元周期構造を持って配列しており、かつ該微粒子の三次元周期構造が安定に保持された三次元周期構造体、均一な三次元周期を持って配列した細孔を有し、強固な構造を有する三次元周期多孔質構造体、およびこれら構造体の簡便な製造方法を提供することにある。
本発明においては、架橋した親水性有機高分子化合物と、無機酸化物とからなる結合成分が微粒子間に存在する構造体により、微粒子が均一な三次元周期構造を持って配列し、かつ微粒子の三次元周期構造が安定に保持された三次元周期構造体を実現できる。
また、該構造体中の微粒子を除去することにより、細孔が三次元周期を持って均一に配列し、かつ細孔間が親水性有機高分子化合物と無機酸化物とから構成された強固な構造を有する多孔質構造体を実現できる。
さらに、微粒子をコア部とし、架橋された親水性有機高分子化合物をシェル部として有するコア−シェル粒子を、水または親水性溶媒に分散させたゾルに、金属系アルコキシドを加えて該アルコキシドのゾル−ゲル反応により上記構造体を容易に得ることができ、得られた構造体のコア部を溶出することにより、逆オパール構造を有する三次元周期多孔質構造体が容易に実現できる。
すなわち本発明においては、架橋した親水性有機高分子化合物と、金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応によって生成する酸化物とが一体化されてなる層中に、微粒子が三次元周期を持って配列した三次元周期構造体、および該構造体のコア部を除去してなる三次元周期多孔質構造体を提供する。
さらに本発明においては、微粒子をコア部とし、架橋した親水性有機高分子化合物をシェル部として有するコア−シェル粒子を、水または親水性溶媒に分散させたゾルに、金属系アルコキシドを加えて該アルコキシドのゾル−ゲル反応により、前記ゾル中のコア−シェル粒子を一体化させる三次元周期構造体の製造方法、および該製造方法において得られた三次元周期構造体のコア部を除去する工程を有する三次元周期多孔質構造体の製造方法を提供する。
本発明の三次元周期構造体は、架橋した親水性有機高分子化合物と、金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応によって生成する酸化物とが一体化された層中に、微粒子が三次元周期を持って配列した構造により、強固で構造安定性に優れる。特に構造体の大きい場合にも割れや周期構造の乱れが生じにくい。また、コア部の粒径とシェル層の厚さを調整することにより、三次元周期構造の制御が容易であり、使用する材料を適宜選択できるため、各種用途に応じた構造設計が容易である。こうした特徴を有する三次元周期構造体は、光学材料として好適に使用できる。
上記三次元周期構造体の微粒子を溶媒により溶出できる材料で形成し、該コア部を溶出した三次元周期多孔質構造体は、強固な構造を有し、かつ細孔径や細孔間距離を容易に制御することができるため、フォトニック結晶等、光学材料として有用である。
また、本発明の製造方法においては、水または親水性溶媒を含んでゲル状態となったシェル部を有するコア−シェル粒子のゾルを使用するので、粒子濃度が高い場合にも、十分な流動性を示し、種々の容器内への導入、基板上への塗布が可能である。また、このシェル部の厚さに応じ、距離を保った周期構造を容易に形成できる。シェル部の厚さを調整することにより、コア粒子間の距離も制御可能である。また、水または親水性溶媒を含んだゲル状態のシェル部を利用することで、比較的容易かつ均一に、粒子間に有機・無機材料を充填することが可能となる。さらに、ゲル状態のシェル部中で、金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応を起こさせる、すなわち、シェル部を反応場として利用することにより、生成したケイ素酸化物、ホウ素酸化物もしくは金属酸化物とシェル部を構成する高分子との複合体からなる新たなシェル部を形成させることができ、周期構造を安定に保持した三次元周期構造体を容易に形成することができる。
本発明の三次元周期構造体は、架橋した親水性有機高分子化合物と、無機酸化物とが一体化された層中に、微粒子が三次元周期を持って配列した構造体である。
本発明の三次元周期構造体を構成する親水性有機高分子化合物としては、架橋体を形成して、水または親水性溶媒によりゲルを形成できるものであればよく、例えば、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N,N―ジエチルアクリルアミド、N−エチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリドン、N−アクリロイルピペリドン、N−アクリロイルメチルホモピペラジン、N−アクリロイルメチルピペラジン等のアクリルアミド型単量体のうちから1種類、もしくは、これらの2種以上を重合させた高分子の架橋体を好適に用いることができる。また、これらとアクリル酸、メタクリルアミド−プロピル−トリメチル−アンモニウムクロライド、1−ビニルイミダゾール、メタクリロイルオキシフェニルジメチルスルホニウムメチルスルフェイトなどを共重合させたものも好適に用いることができる。これらを架橋させる架橋剤としては、N,N’−メチレンビスアクリルアミドやエチレングリコールジメタクリレートなどの公知慣用の架橋剤を使用できる。
無機酸化物としては、金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応により得られる無機酸化物を使用でき、例えば、アルミニウム、ケイ素、ホウ素、チタン、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、カドミウム、タンタル等の金属または半金属のアルコキシドのゾル−ゲル反応により得られる無機酸化物を使用できる。またアルコキシドの種類は特に限定されることなく、例えば、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシド等が挙げられ、さらには、アルコキシ基の一部をβ−ジケトン、β−ケトエステル、アルカノールアミン、アルキルアルカノールアミン等で置換したアルコキシド誘導体であってもよい。これら金属系アルコキシドは単独で用いても良いし、これらの2種以上を組み合わせて用いても良い。ケイ素のアルコキシドは取り扱いが容易で本発明において、好適に用いることができる。また、チタンやジルコニウムのように、該アルコキシドから形成される金属酸化物の屈折率が2を超えるものは、光学材料としての効果が大きく好ましい。
本発明の三次元周期構造体中に配列した微粒子としては、水または親水性溶媒に溶解せず、かつ上記親水性有機高分子化合物と無機酸化物とが一体化された層(以下、該層を単に複合層という。)中に三次元周期をもって配列し得るものであれば特に限定されず、有機高分子化合物や、金属または無機酸化物などの無機化合物を使用できる。なかでも、該微粒子としては複合層と微粒子とからなる構造体から、該微粒子を溶媒で容易に溶出できるものであることが好ましい。微粒子の形状は球状であることが好ましいが、その断面形状が楕円形やアレイ型のものも使用できる。ここでは簡便にこれらの形状を含めて粒子と称する。
微粒子に使用できる有機高分子化合物としては、例えば、エチレン系不飽和単量体の重合体などを使用でき、具体的には、スチレン、4−メトキシスチレン、α―メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−、m−、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、ビニルナフタレン等のモノビニル芳香族炭化水素、あるいは、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、等のアクリル系単量体の1種類を重合、もしくは、2種以上を共重合させた有機高分子が挙げられる。
また、上記エチレン系不飽和単量体とアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−シクロプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−シクロプロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−エチルアクリルアミド、N−メチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−メチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N,N―ジエチルアクリルアミド、N−エチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジイソプロピルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリドン、N−アクリロイルピペリドン、N−アクリロイルメチルホモピペラジン、N−アクリロイルメチルピペラジン等のアクリルアミド型単量体との共重合体を使用することもできる。このようなアクリルアミド型単量体の共重合を使用する場合には、アクリルアミド型単量体の量は30重量%以下であることが望ましい。
なかでも、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン/アクリルアミド系単量体を使用した場合には、容易に粒径分布の狭い均一な粒径を有する粒子の調製が可能であるため好ましい。
また、使用できる無機化合物としては、例えば、Ni、Cu、Ag、Pt、Au等の金属、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア等の無機酸化物等が挙げられる。これらは、市販のものを用いても、ゾル−ゲル法等、種々の公知の方法によって製造されたものを用いても良い。なかでも二酸化ケイ素の粒子は粒子形状を容易に形成できるので好適に用いることができる。
本発明の三次元周期構造体における一体化とは、親水性有機高分子化合物の架橋体と、無機酸化物との間には実質的に直接反応は生じていないが、親水性有機高分子化合物の架橋体の架橋構造中で無機酸化物が形成されることにより、両者が複合化された状態をいう。無機酸化物が金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応により得られる場合には、親水性有機高分子化合物の架橋体の架橋構造中で金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応が進行して、親水性有機高分子化合物の架橋体部分で、親水性有機高分子化合物の架橋体と無機酸化物とが複合化された状態をいう。
本発明の三次元周期構造体は、微粒子がその周囲に一定厚さの親水性有機高分子化合物の架橋体部分を有することにより、各微粒子が該架橋体部分を介して配列することにより形成されている。この架橋体部分が、上記したように金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応により得られる無機酸化物で複合化されることにより、親水性有機高分子化合物の架橋体と無機酸化物とが一体化された複合層を形成し、該層中に微粒子が三次元周期を持って配列した構造体となる。該構造体としては、微粒子をコア部とし、前記複合層をシェル部とするコア−シェル粒子が、無機酸化物により一体化され、かつ粒子間が強固に結合されているものが好ましい。
本発明の三次元周期構造体中で配列した微粒子の大きさは、形状が球状である場合にはその粒径が、5nm〜10μmの範囲にあることが好ましく、特にフォトニック結晶体を作製する場合には、100nm〜5μmの範囲であることが好ましい。また、可視光領域及び近赤外光領域で機能を発現するフォトニック結晶体や構造色材料を作製する場合には、200nm〜900nmの範囲にあることが特に好ましい。
三次元周期を持って配列した微粒子の微粒子間距離は、該微粒子の粒子径により適宜選択すればよく、三次元周期構造の周期が100〜900nmの範囲となる距離が好ましい。
本発明の三次元周期構造体は、複合層中に、微粒子が三次元周期を持って配列した構造により、架橋した親水性有機高分子化合物と、無機酸化物とからなる結合成分が微粒子間に存在するため、従来の粒子が細密充填された空隙中に無機酸化物を形成させた構造体に比べ、構造体全体が強固な構造を有し、優れた構造安定性を有する。これによりサイズの大きな三次元周期構造体を実現できる。
本発明の三次元周期構造体は、代表的には上記した微粒子をコア部とし、上記した親水性有機高分子化合物の架橋体をシェル部として有するコア−シェル粒子(以下、該コア−シェル粒子を単にコア−シェル粒子(A)と略記する。)を、水または親水性溶媒に分散させてゾルとし、該ゾルに金属系アルコキシドを添加して、コア−シェル粒子(A)のシェル部が保持している水または親水性溶媒、あるいはコア−シェル粒子(A)間の水または親水性溶媒により該アルコキシドの分解を起こさせ、ゾル−ゲル反応を進行させることによって架橋した親水性有機高分子化合物と、金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応により生成する無機酸化物とを一体化させることにより得ることができる。
本発明において使用するコア−シェル粒子(A)は、コア部、シェル部とも高分子化合物からなる場合には、ミクロゲル法、乳化重合法、ソープフリー乳化重合法、シード乳化重合法、二段階膨潤法、分散重合法、懸濁重合法等、種々の公知の方法によって調製することが可能である。コア部とシェル部は連続的に調製しても良いし、コア部となる粒子を調製しておき、これをシードとして、シェル部を別途調製しても良い。また、市販の粒子をコア粒子として用いることも可能である。
酸化ケイ素や酸化チタンなどの無機化合物をコア粒子として用いる場合には、従来公知の方法によって、これらを粒子状に調製し、これをシードとしてシェル部を調製することが可能である。また、市販のものをシードとして用いても良い。この場合、市販のシランカップリング剤等を用いて、無機化合物粒子の表面を化学修飾し、これをシードとして、種々の公知の方法によって、コア−シェル粒子(A)を調製することも可能である。
コア−シェル粒子(A)を作成する際に、コア部の大きさやシェル部の厚さを任意に調整することができるため、得られる三次元周期構造体中の微粒子の大きさや粒子間距離などを容易に制御できる。
コア−シェル粒子(A)は、コア部、シェル部がそれぞれ独立に中性であっても、正、または負の電荷を有していても良い。コア−シェル粒子(A)のコア部に電荷を持たせるためには、コア部が有機高分子の場合には、該コア部を調製するための重合開始剤を選択することによって容易に行える。例えば、V−50(和光純薬社製)を、粒子を構成する有機高分子の重合開始剤として用いた場合には、粒子は正の電荷を有し、過硫酸カリウム(KPS(K))を用いた場合には、粒子の表面は負の電荷を有する。またシェル部の電荷の場合も同様に、重合開始剤を選択することによって行える。
三次元周期構造を形成するためには、コア−シェル粒子(A)の粒径のばらつきを小さくする必要がある。コア−シェル粒子の粒径としては、(粒径の標準偏差)/(平均粒径)で示されるばらつきの度合いが、親水性溶媒を除去した状態で、0.25以下のものを好適に用いることができ、0.2以下であればより好ましく、0.1以下であるとさらに好ましい。フォトニック結晶体を作製する場合には、このばらつきが小さいほどよい。
本発明においては、ばらつきの小さい複数のコア−シェル粒子(A)が近接した際、シェル部の存在によって、コア粒子間がシェル部の厚さに応じた一定距離を保持できる。本発明の製造方法においては、コア−シェル粒子(A)を水または親水性溶媒に分散させたゾルに金属系アルコキシドを加えると、該金属系アルコキシドが親水性溶媒と接触して、加水分解やアルコール分解を生じてゲル状となったシェル部中に取り込まれる。さらにシェル部内でゾル−ゲル反応が進行することによって、架橋した親水性有機高分子化合物と金属系アルコキシドから転換された無機酸化物とが一体化して複合化した層が形成され、この層中にコア部の微粒子が配列した三次元周期構造体が形成できる。
さらに、添加された金属アルコキシドは、コア−シェル粒子(A)間の水または親水性溶媒ともゾル−ゲル反応して無機酸化物を形成し、該無機酸化物がコア−シェル粒子(A)間を強固に結合するため、得られる三次元周期構造体は強固な構造を有する。このため、粒子間の距離が大きい場合にも、充分な強度を有する三次元周期構造体を実現することができる。
また、シェル部の厚さがコア粒径の1〜2倍程度と厚い場合には、複数のコア−シェル粒子(A)が近接した際、シェル部がクッションの働きをして変形し、コア−シェル粒子(A)間の空隙もゲル状のシェル部で埋めることができる。この場合には、コア粒子間が親水性有機高分子と金属系アルコキシドから転換された無機酸化物との複合体で構成された、三次元周期構造体が形成できる。
本発明の方法によって、複数のコア−シェル粒子(A)が三次元的に配列する過程は、明らかではないが、おそらく、水または親水性溶媒と、金属系アルコキシドとが接触して反応を起こし、水または親水性溶媒を含んでゲル状となったシェル部中に取り込まれていく過程で、該コア−シェル粒子(A)は徐々に沈降していく。この際、個々のコア−シェル粒子(A)は個別に沈降し、通常は、制御された条件下で徐々に分散溶媒を蒸発させなければ得られない穏和な条件での沈降が達成されると考えられる。従って、沈降したコア−シェル粒子(A)は、細密充填され、またそのコア−シェル粒子(A)が細密充填して近接した状態では、その空隙内でさらにゾル−ゲル反応が進行し、コア−シェル粒子(A)間の配列が安定化され、三次元周期構造体が形成されると考えられる。
このように本発明の製造方法では、従来の方法のような、粒子が細密充填された状態のわずかな空隙に結合成分を充填させていく方法とは異なり、シェル部を通じて、無機酸化物が構造体全体に行き渡るため、強固で構造安定性に優れた三次元周期構造体を容易に形成できる。
本発明の方法により使用するゾルは、上記コア−シェル粒子(A)を分散媒に分散させることで得られる。使用できる分散媒としては、水、あるいはメタノール、エタノールなどアルコール系の親水性溶媒を使用できる。該ゾルは、予め用意されたコア−シェル粒子(A)を、親水性溶媒中に分散された分散液を濃縮、あるいは希釈して使用してもよいが、上記コア−シェル粒子(A)の調製法によりコア−シェル粒子(A)を調製した際の分散液を濃縮したものを用いてもよい。また、該ゾルにおけるコア−シェル粒子(A)の濃度は、シェル部の厚さがコア粒径の1/5以下の場合には、30〜50重量%、シェル部の厚さが1/5より厚い場合には、15〜50重量%のものを用いるのが好ましい。
上記方法において、添加する金属系アルコキシドの量は、コア−シェル粒子(A)のゾルに対して等量以上の体積量を添加するのが好ましく、より好ましくは2倍以上の体積量の金属系アルコキシドを添加するのが好ましい。
上記方法においては、コア−シェル粒子(A)のゾルに金属系アルコキシドを添加した後、1時間〜1週間程度静置し、その後、上澄みを除去して、乾燥すればよい。また、乾燥を行う前に、飽和水蒸気条件下に置いて、さらにゾル−ゲル反応を進行させても良い。
金属系アルコキシドを添加する方法としては、例えば、任意の容器にコア−シェル粒子(A)のゾルを入れ、これに該金属系アルコキシドを直接加えても良いし、該ゾルを任意の基板上に塗布し、該基板を該金属系アルコキシドを入れた容器中に浸漬しても良い。このように、本発明の三次元周期構造体は、コア−シェル粒子(A)のゾルから形成されるため、任意の形状に形成できる。
また、コア−シェル粒子(A)は、濃縮によって容易に配列する。従って、ゾルを濃縮する種々の方法を用いて、ゾル中のコア−シェル粒子(A)を配列させることが可能である。例えば、コア−シェル粒子(A)のゾルを、遠心分離器を用いて濃縮することによって行うことができる。また、該ゾルを任意の容器中で自然乾燥または真空乾燥を行い、該ゾルを濃縮することによって行うことができる。さらに、メンブレンフィルターを用いて該ゾルを濾過し、フィルター上の濾物が完全に乾燥しない状態で用いれば、親水性有機高分子ゲルからなるシェル部を有するコア−シェル粒子(A)が近接して配列した状態となるので、これを用いても良い。
本発明において得られる三次元周期構造体は、配列した、架橋した親水性有機高分子化合物をシェル部として有するコア−シェル粒子を、架橋した親水性有機高分子化合物と、金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応から形成される無機酸化物により一体化させた構造をとることにより、該微粒子の三次元周期構造が安定に保持できる。これにより、構造体を大きくした場合にも十分な構造安定性を有し、サイズの大きな三次元周期構造体を実現できる。
本発明の三次元周期構造体は、そのコア部の微粒子を適切な溶媒を用いて溶出することにより、細孔が三次元周期を持って配列した三次元周期多孔質構造体とすることができる。溶出する溶媒としては、例えば、コア部がポリスチレン、ポリ(4−メトキシスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、ポリ(ビニルトルエン)、ポリ(ビニルナフタレン)等、モノビニル芳香族炭化水素の重合体である場合には、ベンゼン、トルエン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、2−ブタノン、テトラヒドラフラン、塩化メチレン、クロロホルム等の溶媒、コア部がポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸エチル)、ポリ(アクリル酸ブチル)等のアクリル酸エステルを重合した微粒子の場合にはアセトン、ベンゼン、ジクロロエタン、ジオキサン等の溶媒を用いることができ、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸プロピル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)等、メタクリル酸エステルの重合体粒子の場合には、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ベンゼン、2−ブタノン、テトラヒドロフランなどを用いることができる。
該三次元周期多孔質構造体は、上記した三次元周期構造体と同様に構造安定性に優れ、かつ細孔部分と、前記複合層とからなる構造部分との屈折率の差を大きくすることができるため、フォトニック結晶として好適に使用できる。
(実施例1)
水100mL中に、N−イソプロピルアクリルアミド0.5g、スチレン3.5gを加え、70℃で窒素気流下、過硫酸カリウム(KPS(K2S2O8))を開始剤としてコア粒子を調製し、さらに0.35gのN−イソプロピルアクリルアミド、0.03gのN,N’−メチレンビスアクリルアミド、0.1gのアクリル酸を加え、KPSを開始剤としてシェル部を形成し、ポリスチレンのコア部を有し、架橋されたポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)−アクリル酸のシェル部を有するコア−シェル粒子を調製した。実施例3と同様にして平均粒径を求めたところ、水に分散させた状態でのシェル部の厚みは約10nm、コア粒径が平均径310nmの粒子であった。この40重量%ゾル20mgをサンプル瓶底部に塗布し、オルトけい酸テトラエチル(テトラエトキシシラン;TEOS)0.1mLを加え、10分間静置した。上澄みを取り除き、一日乾燥させ瓶底部に三次元周期構造体の薄膜を作製した。得られた薄膜は虹彩色を示した。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で調製したポリスチレンのコア径が310nm、水に分散させた状態での架橋されたポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)−アクリル酸のシェル部の厚みが約10nmのコア−シェル粒子の40重量%ゾル20mgをサンプル瓶底部に塗布し、オルトけい酸テトラメチル(テトラメトキシシラン;TMOS)0.1mLを加え、10分間静置した。上澄みを取り除き、一日乾燥させ、瓶底部に三次元周期構造体の薄膜を作製した。得られた薄膜は虹彩色を示した。得られた薄膜を剥離し、断面を電子顕微鏡で観察したところ、図1に示すように、微粒子が周期的に配列された内部構造を有する三次元周期構造が確認された。得られた薄膜を剥離して、トルエン中に浸漬させて30分間洗浄し、乾燥させて電子顕微鏡で観察したところ、図2に示すようにコア部が除去された逆オパール構造の三次元周期多孔質構造体が確認された。
(実施例3)
水100mL中に、N−イソプロピルアクリルアミド0.5g、スチレン3.5gを加え、70℃で窒素気流下、過硫酸カリウム(KPS(K2S2O8))を開始剤としてコア粒子を調製し、さらに0.7gのN−イソプロピルアクリルアミド、0.07gのN,N’−メチレンビスアクリルアミドを加え、KPSを開始剤としてシェル部を形成し、ポリスチレンのコア部を有し、架橋されたポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)のシェル部を有するコア−シェル粒子を調製した。実施例3と同様にして平均粒径を求めたところ、水に分散させた状態でのシェル部の厚みは約20nm、コア粒径が平均径310nmの粒子であった。この40重量%ゾル20mgをサンプル瓶底部に塗布し、オルトけい酸テトラエチル(テトラエトキシシラン;TEOS)0.1mLを加え、10分間静置する。上澄みを取り除き、一日乾燥させ瓶底部に三次元周期構造体の薄膜を作製した。得られた薄膜は虹彩色を示した。この薄片を剥離し、断面を電子顕微鏡で観察したところ、図3に示すように、微粒子が周期的に配列された構造を有する周期構造体が確認された。この剥離した薄片をトルエン中に浸漬させて30分間洗浄し、乾燥させて電子顕微鏡で観察したところ、図4に示すようにコア部が除去された逆オパール構造の三次元周期多孔質構造体が確認された。
(実施例4)
水100mL中に、N−イソプロピルアクリルアミド0.95g、スチレン4.2gを加え、70℃で窒素気流下、過硫酸カリウム(KPS(K))を開始剤としてコア粒子を調製さらに1.48gのN−イソプロピルアクリルアミド、0.2gのN,N’−メチレンビスアクリルアミド、0.3gのアクリル酸を加え、KPSを開始剤としてシェル部を形成し、ポリスチレンのコア部を有し、架橋されたポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)−アクリル酸のシェル部を有するコア−シェル粒子を調製した。得られたコア−シェル粒子の平均粒径を大塚電子株式会社製の濃厚系粒径アナライザー「FPAR−1000」により測定したところ、490nmであった。また、粒径のばらつきは10%であった。この粒子を乾燥させた状態で日立製作所製のS−800型超高分解能走査型電子顕微鏡により観察したところ、その粒径は、平均径410nmで、シェル部の平均厚さは、40nmと見積もられた。
得られたコア−シェル粒子のゾル(50重量%水分散液)20mgを内径25mmのサンプル瓶の底部に塗布し、オルトケイ酸テトラエチル(テトラエトキシシラン;TEOS)0.1mLを加え、30分間静置した。上澄みを取り除き、フタをして一週間静置した後、フタを開けて一日乾燥させて、瓶底部に三次元周期構造体の薄膜を作製した。得られた薄膜は虹彩色を示した。
(実施例5)実施例4と同様にして調製したコア−シェル粒子のゾル(50重量%水分散液)20mgを内径25mmのサンプル瓶の底部に塗布し、オルトけい酸テトラメチル(テトラメトキシシラン;TMOS)0.1mLを加え、30分間静置する。フタをして一週間静置した後、フタを開けて一日乾燥させ、瓶底部に三次元周期構造体の薄膜を作製した。得られた薄膜は虹彩色を示した。
(実施例6)
水100mL中に、N−イソプロピルアクリルアミド0.5g、スチレン1.2gを加え、70℃で窒素気流下、過硫酸カリウム(KPS(K))を開始剤としてコア粒子を調製し、この粒子の平均粒径を大塚電子株式会社製の濃厚系粒径アナライザー「FPAR−1000」により測定したところ平均径230nmの粒子であった。さらに1.48gのN−イソプロピルアクリルアミド、0.2gのN,N’−メチレンビスアクリルアミド、0.45gのアクリル酸を加え、KPSを開始剤としてシェル部を形成し、ポリスチレンのコア部を有し、架橋されたポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)−アクリル酸のシェル部を有するコア−シェル粒子を調製した。
得られたコア−シェル粒子(1)の平均粒径を、同様に、大塚電子株式会社製の濃厚系粒径アナライザー「FPAR−1000」により測定したところ、水に分散させた状態での平均粒径は690nmであり、シェル部の厚みは約230nmと見積もられた。このコア−シェル粒子の16重量%ゾル20mgをサンプル瓶底部に塗布し、オルトけい酸テトラエチル(テトラエトキシシラン;TEOS)0.1mLを加え、10分間静置した。上澄みを取り除き、一日乾燥させ、瓶底部に三次元周期構造体の薄膜を作製した。得られた薄膜は虹彩色を示した。得られた薄片を剥離し、断面を電子顕微鏡で観察したところ、図5に示すように微粒子のコア部分が周期的に配列された内部構造を有する構造体が確認された。
(実施例7)
水100mL中に、N−イソプロピルアクリルアミド0.5g、スチレン1.1gを加え、70℃で窒素気流下、過硫酸カリウム(KPS(K))を開始剤としてコア粒子を調製し、さらに1.0gのN−イソプロピルアクリルアミド、0.1gのN,N’−メチレンビスアクリルアミドを加え、KPSを開始剤としてシェル部を形成し、ポリスチレンのコア部を有し、架橋されたポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)のシェル部を有するコア−シェル粒子を調製した。実施例3と同様にして平均粒径を求めたところ、水に分散させた状態でのシェル部の厚みは約100nm、コア粒径が平均径200nmの球状粒子であった。この20重量%ゾルをスピンコート法によって2.5cm×2.5cmの大きさのガラス基板上に塗布し、9mLのオルトけい酸テトラエチル(テトラエトキシシラン;TEOS)中に浸漬して、12時間静置した。このガラス板を取り出して乾燥させ、ガラス板表面に三次元周期構造体の薄膜を作製した。得られた薄膜は薄青色の干渉色を示した。この表面を電子顕微鏡で観察したところ、微粒子が周期的に配列した内部構造を有する構造体が確認された。
(実施例8)
実施例7と同様に、ポリスチレンのコア径が約200nm、水に分散させた状態での架橋されたポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)のシェル部の厚みが約100nmのコア−シェル型微粒子の20重量%ゾルをスピンコート法によって2.5cm×2.5cmの大きさのガラス基板上に塗布し、9mLのオルトけい酸テトラエチル(テトラエトキシシラン;TEOS)中に浸漬して、12時間静置した。このガラス板を取り出してさらにオルトけい酸テトラメチル(テトラメトキシシラン;TMOS)中に浸漬して、1時間静置した、乾燥させ、ガラス板表面に三次元周期構造体の薄膜を作製した。得られた薄膜は薄青色の干渉色を示した。この表面を電子顕微鏡で観察したところ、微粒子が周期的に配列した内部構造を有する構造体が確認された。
上記より、実施例1〜8で得られた三次元周期構造体、および三次元周期多孔質構造体は、微粒子あるいは細孔が三次元周期を持って配列しており、かつこれら微粒子あるいは細孔間の距離はシェル部の厚さに応じて制御できる。さらにこれら構造体は、粒子径、細孔径、および粒子あるいは細孔間距離に応じた構造色を示した。
実施例2で得られた三次元周期構造体表面の電子顕微鏡写真である。 実施例2で得られた三次元周期多孔質構造体表面の電子顕微鏡写真である。 実施例3で得られた三次元周期構造体表面の電子顕微鏡写真である。 実施例3で得られた三次元周期多孔質構造体表面の電子顕微鏡写真である。 実施例6で得られた三次元周期構造体表面の電子顕微鏡写真である。

Claims (9)

  1. 微粒子をコア部とし、架橋した親水性有機高分子化合物をシェル部として有し、(粒径の標準偏差)/(平均粒径)で示されるばらつきの度合いが、親水性溶媒を除去した状態で、0,25以下のものであるコア−シェル粒子を、水または親水性溶媒に分散させたゾルに、金属系アルコキシドを加えることにより、シェル部中に該金属系アルコキシドが取り込まれていく過程で該コア−シェル粒子が沈降すると共に、シェル部内で該金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応が進行することによって、架橋した親水性有機高分子化合物と金属系アルコキシドから転換された無機酸化物とが一体化して複合化した層を形成し、この層中に前記コア部の微粒子を配列させることを特徴とする構造体の製造方法。
  2. 前記コア−シェル粒子を水または親水性溶媒に分散させたゾルに、金属系アルコキシドを加えた後、1時間〜1週間静置し、その後、上澄みを除去して乾燥する方法によるものである請求項1記載の構造体の製造方法。
  3. 前記微粒子の平均粒子径が5nm〜10μmの範囲にある請求項1又は2記載の構造体の製造方法。
  4. 前記微粒子が、一種以上のエチレン系不飽和単量体の重合体、または二酸化ケイ素からなる粒子である請求項1〜のいずれかに記載の構造体の製造方法
  5. 前記架橋した親水性有機高分子化合物が、ポリアクリルアミドを主成分とする架橋高分子化合物である請求項1〜のいずれかに記載の構造体の製造方法
  6. 一種以上のエチレン系不飽和単量体の重合体をコア部とし、架橋した親水性有機高分子化合物をシェル部として有し、(粒径の標準偏差)/(平均粒径)で示されるばらつきの度合いが、親水性溶媒を除去した状態で、0,25以下のものであるコア−シェル粒子を、水または親水性溶媒に分散させたゾルに、金属系アルコキシドを加えることにより、シェル部中に該金属系アルコキシドが取り込まれていく過程で該コア−シェル粒子が沈降すると共に、シェル部内で該金属系アルコキシドのゾル−ゲル反応が進行することによって、架橋した親水性有機高分子化合物と金属系アルコキシドから転換された無機酸化物とが一体化して複合化した層を形成し、この層中に前記コア部の微粒子を配列させた構造体を得た後、そのコア部を、溶媒により溶出する工程を有することを特徴とする多孔質構造体の製造方法。
  7. 前記コア部がモノビニル芳香族炭化水素の重合体粒子、アクリル酸エステルの重合体粒子及びメタクリル酸エステルの重合体粒子からなる群から選ばれる1種以上の重合体粒子である請求項6記載の多孔質構造体の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の方法で得られる多孔質構造体であって、
    細孔間が親水性有機高分子化合物と無機酸化物とから構成されたものであることを特徴とする多孔質構造体。
  9. フォトニック材料である請求項8記載の多孔質構造体。
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