JP4434396B2 - Center bearing support - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のプロペラシャフトを回転自在に支持するセンターベアリングを車体側に弾性的に支持するセンターベアリングサポートに関する。
【0002】
【従来の技術】
センターベアリングサポートは、例えば自動車のプロペラシャフトの軸方向中間部の外周に装着されるセンターベアリング(玉軸受)を、車体側に弾性的に支持することによって、走行中におけるプロペラシャフト側と車体側との間での振動伝達を低減するものである。
【0003】
図2及び図3は、従来構造のセンターベアリングサポート100を示すものである。すなわちこの種のセンターベアリングサポート100は、アウタースリーブ101と、その内周に配置されたインナースリーブ102とを、軸方向に屈曲した断面形状のエラストマからなる弾性体103を介して弾性的に連結した構造を備え、前記アウタースリーブ101が、車体200にボルト201を介して取り付けられるブラケット202のブラケットリング部202aに嵌着されると共に、前記インナースリーブ102が、プロペラシャフト203の軸方向中間部の外周面に装着されるセンターベアリング204のアウターレース204aに嵌着されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構造のセンターベアリングサポート100は、ブラケット202におけるブラケットアーム部202bの剛性に由来するばね定数と、前記ブラケット202におけるブラケットリング部202a、センターベアリングサポート100のアウタースリーブ101及び弾性体103の重量によって決まる固有振動数を有する。このためプロペラシャフト203の回転に伴う振動が所定の周波数になった時に、図3における矢印V方向の共振が発生し、騒音及び振動低減特性が悪化する問題が指摘される。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、その主な技術的課題とするところは、ブラケットアーム部をばねとする系の共振による特性の悪化を有効に防止することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の技術的課題は、本発明によって有効に解決することができる。
すなわち本発明に係るセンターベアリングサポートは、ブラケットを介して車体側に固定されるアウタースリーブと、このアウタースリーブの内周側に配置されベアリングの外周に嵌着されるインナースリーブと、前記アウタースリーブとインナースリーブとを弾性的に連結する弾性体と、マス部材及びこのマス部材を前記アウタースリーブ側に弾性的に連結するばね部からなるダンパ部とを備え、このダンパ部が、前記アウタースリーブに対して前記弾性体と並列に配置され、前記アウタースリーブ側に嵌合によって取り付けられたものである。前記ダンパ部は、その固有振動数を、例えば前記ブラケット、アウタースリーブ及び弾性体からなる系の固有振動数とほぼ同一となるように設定される。
【0007】
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係るセンターベアリングサポート1の実施の形態を示すものである。すなわち、このセンターベアリングサポート1は、アウタースリーブ11と、このアウタースリーブ11の内周に配置されたインナースリーブ12と、前記アウタースリーブ11とインナースリーブ12を弾性的に連結している弾性体13と、前記アウタースリーブ11に取り付けられたダンパ部14からなる。前記アウタースリーブ11は、ブラケット2を介して車体側に固定され、インナースリーブ12は、プロペラシャフトを回転自在に支承するセンターベアリング3に嵌着される。
【0009】
詳しくは、アウタースリーブ11及びインナースリーブ12は、金属からなるものであって、このうちアウタースリーブ11は、両端が車体(図示省略)に固定されるブラケット2のブラケットリング部22の内周に嵌着され、インナースリーブ12は、センターベアリング3のアウターレース31に嵌着される。
【0010】
弾性体13は、ゴム等のエラストマ材料で成形されたものであって、その外周側の端部13aが、アウタースリーブ11の内周面に一体的に加硫接着され、内周側の端部13bが、インナースリーブ12の外周面に一体的に加硫接着され、前記両端部13a,13b間で軸方向へ折り返すように略U字形に屈曲した断面形状を呈する。
【0011】
ダンパ部14は、金属製のスリーブ143と、このスリーブ143の軸方向一端に形成された鍔部143aに軸方向に近接対向して配置された金属製の環状のマス部材141と、前記鍔部143aとマス部材との間に加硫接着されたエラストマからなるばね部142とで構成される。そしてこのダンパ部14は、マス部材141の質量及びばね部142のばね定数によって決まるその固有振動数を、ブラケット2における不図示のブラケットアーム部をばねとし、ブラケットリング部22、アウタースリーブ11及び弾性体13をマスとする系の固有振動数とほぼ同一に設定される。
【0012】
上記ダンパ部14は、マス部材141の質量及びばね部142のばね定数によって決まるその固有振動数を、ブラケット2における不図示のブラケットアーム部のばね定数と、前記ブラケット2におけるブラケットリング部22、当該センターベアリングサポート1のアウタースリーブ11及び弾性体13の重量によって決まる固有振動数とほぼ同一に設定される。また、アウタースリーブ11は、その外径が、ブラケット2におけるブラケットリング部22の内径よりも小径に形成されており、ダンパ部14は、当該センターベアリングサポート1をブラケット2に取り付ける際に、スリーブ143を、前記ブラケットリング部22とアウタースリーブ11との間に嵌合することによって装着される。
【0013】
センターベアリング3は、基本的には互いに同心配置されたアウターレース31及びインナーレース32と、その間に円周方向等間隔で回転自在に保持された多数の鋼球33とからなる既知の構造を有する玉軸受からなり、前記鋼球33はグリースにより潤滑されている。このセンターベアリング3は、上述のように、アウターレース31が、インナースリーブ12に適当な締め代をもって圧入嵌着され、インナーレース32の内周に、プロペラシャフト(図示省略)を回転自在に支持するものである。
【0014】
以上の構成を有するセンターベアリングサポート1は、例えば自動車の走行においてプロペラシャフトに振動を発生した場合、前記プロペラシャフト側のインナースリーブ12と車体側のアウタースリーブ11との相対偏心運動に伴って、弾性体13が反復的に屈伸し、前記車体側への振動伝達を有効に絶縁することができる。
【0015】
上述のように、ブラケット2における不図示のブラケットアーム部、ブラケットリング部22、当該センターベアリングサポート1のアウタースリーブ11及び弾性体13は、前記ブラケットアーム部のばね定数と、前記ブラケットリング部22、アウタースリーブ11及び弾性体13をマスとする系を構成している。このため、プロペラシャフトの回転に伴う振動が、比較的高周波領域の所定周波数になった時に、前記系には、共振によって図1における矢印Vで示す振動が発生するが、この振動は、センターベアリングサポート1におけるダンパ部14によって有効に低減される。
【0016】
すなわち、ダンパ部14は、上記ブラケットアーム部、ブラケットリング部22、アウタースリーブ11及び弾性体13からなる系と同一の固有振動数が設定されているため、前記系に共振による振動を生じると、ダンパ部14がこれに共振し、そのマス部材141の振動方向が、入力される振動Vの方向と逆向きになることによる動的吸振効果、及びエラストマからなるばね部142の内部摩擦による振動減衰効果を発揮する。このため、共振によるブラケット2の破損や、騒音の発生及び当該センターベアリングサポート1の振動低減特性の悪化を防止することができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
また、この実施形態においては、弾性体13におけるインナースリーブ12側の接着端部には径方向に厚肉の段丘部が形成されており、アウタースリーブ11の内周面との接着端部13aも厚肉に形成されており、これによって、車体側とプロペラシャフト間での大振幅の振動入力の際に、アウタースリーブ11とインナースリーブ12の過大な相対変位を規制するようになっている。
【0024】
【0025】
また、ブラケットアーム部、ブラケットリング部22、アウタースリーブ11及び弾性体13等からなる系の共振による振動Vの周波数は、例えばブラケット2の形状や、剛性、重量等によって異なる。しかしながらダンパ部14は、アウタースリーブ11、インナースリーブ12及び弾性体13からなるセンターペアリングサポート1の本体とは別体の加硫成形品として製作されるので、センターベアリングサポート1の本体の仕様等を変えることなく、ダンパ部14におけるマス部材141の質量や、ばね部142のばね定数及び減衰性を変えることによって、前記振動Vの周波数の相違に容易に対応できる。このため、汎用性に優れたものとすることができる。
【0026】
また、先に説明したように、当該センターベアリングサポート1の装着においては、ダンパ部14は、アウタースリーブ11をブラケットリング部22に固定する工程において、互いに遊嵌状態とした前記アウタースリーブ11とブラケットリング部22の対向周面間にスリーブ143を嵌合すれば良いため、容易に装着することができる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のセンターベアリングサポートによれば、アウタースリーブに、所定の周波数で共振による動的吸振効果を奏するダンパ部を設けたため、ブラケットアーム部をばねとする系の共振のピークを分散・低減し、前記系の共振による当該センターベアリングサポートの特性の悪化を有効に防止することができる。また、前記ダンパ部をセンターベアリングサポートの本体と別体として製作することによって、汎用性を損なうことなく、前記系の固有振動数(共振周波数)の相違に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るセンターベアリングサポートの実施の形態を、その軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
【図2】 従来技術に係るセンターベアリングサポートの装着状態を、その軸心と平行な方向から見た図である。
【図3】 上記従来技術に係るセンターベアリングサポートの装着状態を、その軸心と直交する方向から見た、一部断面を表す側面図である。
【符号の説明】
1 センターベアリングサポート
11 アウタースリーブ
12 インナースリーブ
13 弾性体
13a,13b 端部
14 ダンパ部
141 マス部材
142 ばね部
143 スリーブ
143a 鍔部
2 ブラケット
22 ブラケットリング部
3 センターベアリング
31 アウターレース
32 インナーレース
33 鋼球[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a center bearing support that elastically supports a center bearing that rotatably supports a propeller shaft of an automobile on the vehicle body side.
[0002]
[Prior art]
The center bearing support, for example, elastically supports a center bearing (ball bearing) mounted on the outer periphery of the axial middle portion of the propeller shaft of an automobile on the vehicle body side, thereby allowing the propeller shaft side and the vehicle body side during traveling to The vibration transmission between the two is reduced.
[0003]
2 and 3 show a
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The
[0005]
The present invention has been made in view of the above problems, and a main technical problem thereof is to effectively prevent deterioration of characteristics due to resonance of a system having a bracket arm portion as a spring. .
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The above technical problem can be effectively solved by the present invention.
That is, the center bearing support according to the present invention includes an outer sleeve fixed to the vehicle body via a bracket, an inner sleeve disposed on the inner peripheral side of the outer sleeve and fitted on the outer periphery of the bearing, and the outer sleeve An elastic body that elastically connects the inner sleeve, and a damper portion that includes a mass member and a spring portion that elastically connects the mass member to the outer sleeve side, and the damper portion is connected to the outer sleeve. And arranged in parallel with the elastic body and attached to the outer sleeve side by fitting. The damper portion is set so that its natural frequency is substantially the same as the natural frequency of a system including the bracket, the outer sleeve, and the elastic body, for example.
[0007]
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Figure 1 shows an embodiment of a center bearing support 1 according to the present invention. That is, the center bearing support 1 includes an
[0009]
Specifically, the
[0010]
The
[0011]
The
[0012]
The
[0013]
The center bearing 3 basically has a known structure comprising an
[0014]
When the center bearing support 1 having the above configuration generates vibrations in the propeller shaft, for example, during running of an automobile, the center bearing support 1 is elastic with the relative eccentric motion between the
[0015]
As described above, the bracket arm portion, the
[0016]
That is, since the
[0017]
[0018]
[0019]
[0020]
[0021]
[0022]
[0023]
Further, in this embodiment, a thick stepped portion is formed in the radial direction at the bonded end portion of the
[0024]
[0025]
Further, the frequency of the vibration V due to resonance of the system including the bracket arm portion, the
[0026]
Further, as described above, when the center bearing support 1 is mounted, the
[0027]
【The invention's effect】
As described above, according to the center bearing support of the present invention, since the outer sleeve is provided with the damper portion that exhibits the dynamic vibration absorption effect by resonance at a predetermined frequency, the resonance peak of the system using the bracket arm portion as a spring is provided. And the deterioration of the characteristics of the center bearing support due to resonance of the system can be effectively prevented. Further, by manufacturing the damper part as a separate body from the main body of the center bearing support, it is possible to cope with the difference in natural frequency (resonance frequency) of the system without impairing versatility.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an embodiment of a center bearing support according to the present invention by cutting along a plane passing through its axis .
FIG. 2 is a view of a state in which the center bearing support according to the related art is mounted as viewed from a direction parallel to the axis.
FIG. 3 is a side view showing a partial cross-section of the mounting state of the center bearing support according to the prior art as seen from a direction perpendicular to the axis.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1
2 Bracket
22
Claims (1)
このアウタースリーブ(11)の内周側に配置されベアリング(3)の外周に嵌着されるインナースリーブ(12)と、
前記アウタースリーブ(11)とインナースリーブ(12)とを弾性的に連結する弾性体(13)と、
マス部材(141)及びこのマス部材(141)を前記アウタースリーブ(11)側に弾性的に連結するばね部(142)からなるダンパ部(14)と、
を備え、このダンパ部(14)が、前記アウタースリーブ(11)に対して前記弾性体(13)と並列に配置され、前記アウタースリーブ(11)側に嵌合によって取り付けられることを特徴とするセンターベアリングサポート。An outer sleeve (11) fixed to the vehicle body via a bracket (2);
An inner sleeve (12) disposed on the inner peripheral side of the outer sleeve (11) and fitted on the outer periphery of the bearing (3);
An elastic body (13) for elastically connecting the outer sleeve (11) and the inner sleeve (12);
A damper part (14) comprising a mass member (141) and a spring part (142) elastically connecting the mass member (141) to the outer sleeve (11) side;
The damper portion (14) is arranged in parallel to the elastic body (13) with respect to the outer sleeve (11), and is attached to the outer sleeve (11) side by fitting. Center bearing support.
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