著作権情報をコンテンツと共に再生し、コンテンツの利用を制限する機能を有する従来の再生技術として、例えば特許文献1に記載された付加情報埋め込み装置が知られている。当該従来装置は、映像信号の中に付加情報を埋め込む技術である。より一般的な技術として、映像信号以外のデータ部分に付加情報を埋め込む装置や方法が知られている。図16に主要部の構成を示すハードディスク・ドライブ再生装置(以後、「HDD再生装置」と記載する)はその一例である。
HDD再生装置900が再生の対象とするコンテンツは、ストリームと管理情報とを有している。ストリームとは、映像や音声や属性情報が多重化されたパケット群を有するものを言う。また、管理情報とは、ストリーム全体の著作権情報や構成に関する情報を言う。又、パケットは、パケットヘッダと、映像、音声、データ、字幕、或いは属性情報等を運ぶペイロードとを有する。パケットヘッダは多重化に関する情報等を含み、著作権情報を持つ場合もある。映像には、例えばMPEG2−videoやMPEG4−video等が含まれ、音声には、MPEG2−AAC等が含まれる。属性情報には、例えば、後述するMEPG−2TSに規定されるPMT(Program Map Table;番組対応テーブル)に含まれる著作権情報等の情報、或いは、PAT(Program Association Table;番組統合テーブル)、SIT(Selection Information Table;選択情報テーブル)等が含まれる。
著作権情報とは、録画等の複製の許否を定めた情報、即ち複製の制限を規定した情報であり、例えばCopyFree(コピー・フリー)、CopyOnce(コピー・ワンス)等である。CopyFreeとは自由に録画可能であることを表し、CopyOnceとは一回だけ録画可能であることを表す。他に、これ以上の録画は不可であることを表すCopyNoMore(コピー・ノーモア)、録画が一切不可であることを表すCopyNever(コピー・ネバー)等が知られている。
図16に示すHDD再生装置900は、再生モード制御部912、読出制御部914、管理情報制御部916、転送制御部918、デコーダ制御部920、記録媒体922、一時蓄積用メモリ924、ストリーム解析部926、デコーダ928、及び出力制御部930を備えている。記録媒体922は、コンテンツを記録するためのものである。コンテンツが記録媒体922に記録され、或いは記録媒体922から読み出されて再生に供されるときには、ストリームと管理情報との双方が記録及び再生される。より詳細には、コンテンツが記録媒体922に記録されるときには、管理情報制御部916は、ストリームが有する各種情報に基づいて管理情報を生成し、記録媒体922へ記録する。コンテンツが記録媒体922から読み出されるときには、ストリームは読出制御部914によって一時蓄積用メモリ924へ読み出され、管理情報は読出制御部914によって管理情報制御部916へ読み出される。
HDD再生装置900は、記録媒体922に記録されているコンテンツの再生を各種モードで行うことができる。再生モードは再生モード制御部912によって制御される。再生モードとして、例えば通常再生、2倍速再生、4倍速再生、1/2倍速再生、逆再生、2倍速逆再生、4倍速逆再生、1/2倍速逆再生、その他の各種速度による通常再生、或いは逆再生、その他があり得る。
読出制御部914は、再生モード制御部912の制御に応じて、記録媒体922に記録されているストリームを読み出して、一時蓄積用メモリ924に格納する。例えば4倍速再生では、読出制御部914は、通常再生の1/4周期でストリームを記録媒体922から読み出して、一時蓄積用メモリ924に格納しなければならない。逆に例えば1/2倍速再生では、読出制御部914は、通常再生の2倍の間隔でストリームを記録媒体922から読み出して、一時蓄積用メモリ924に格納する。転送制御部918は、再生モード制御部912からの制御に従って、一時蓄積用メモリ924に格納されたストリームを読み出してストリーム解析部926に送る。
ストリーム解析部926は、転送制御部918の制御に従って一時蓄積用メモリ924から送られてきたストリームの内容を解析する。このストリーム解析部926が解析するストリームの一部の例を、図16下部に示す。この例ではストリームに含まれる映像ストリームだけを示しており、尚且つ、MPEG2方式で圧縮符号化されたGOP(グループ・オブ・ピクチャー)の第4番と第5番とだけを例示している。
単純化のため、各GOPにはIピクチャーとBピクチャーとPピクチャーが図示するように含まれていると仮定している。ストリームには、図示の映像ストリームと同時に著作権情報が符号化されており、その情報を映像ストリームの各GOPの下に図示する。図示の例では、第4番のGOPのIピクチャーから5番目のピクチャー(第3番目のBピクチャー)までの著作権情報が「A」で、第6番目以降のピクチャーと第5番のGOPの全ピクチャーの著作権情報が「B」である。ここで著作権情報「A」は、例えば「CopyOnce」を表し、「B」は「CopyNoMore」を表している。ストリーム解析部926は、図16に例示するような映像ストリームと著作権情報とを含むストリームを、一時蓄積用メモリ924から転送制御部918の制御に従って読み出し、その内容を解析する。
ストリーム解析部926が解析した著作権情報は転送制御部918に送られる。転送制御部918は、ストリーム解析部926がストリームを解析することによって抽出した著作権情報を参照すると共に、管理情報制御部916が記憶している管理情報、すなわち映像ストリームとは別に記録管理されている当該コンテンツ全体の著作権情報や、その他の制御情報等をも参照しながら、このストリームの出力制御情報を作成する。
例えば映像ストリームと同時に符号化されていた著作権情報が「A」で、この「A」は「CopyOnce」を表していたとし、再生モード制御部912が制御する現在の再生モードが通常再生であったならば、このストリームは、「CopyNoMore」の著作権情報が重畳されて、出力制御部930から出力されなければならない。一方、例えば、映像ストリームと同時に符号化されていた著作権情報が「B」で、この「B」は例えば上記の通り「CopyNoMore」を表していたとする。そして、例えば、再生モード制御部912が制御する現在の再生モードが通常再生であったならば、このストリームは「CopyNever」の著作権情報が重畳されて、出力制御部930から出力されなければならない。
或いは、映像ストリームと同時に符号化されていた著作権情報が「A」で、この「A」は「CopyOnce」を表しており、再生モード制御部912によって制御される現在の再生モードが通常再生であったとしても、管理情報制御部916に記録保存されている当該コンテンツ全体の著作権情報が例えば「CopyNoMore」を表していたとすると、このストリームはやはり「CopyNever」の著作権情報が重畳されて、出力制御部930から出力されなければならない。
そこで転送制御部918は、映像ストリームと同時に符号化されていた著作権情報と管理情報制御部916に記録保存されているコンテンツ全体の著作権情報との両方が存在する場合には、双方を比較し、厳しい方の著作権情報を抽出し、これを出力制御のための情報(「出力制御情報」と称する)として再生モード制御部912に送る。映像ストリームの中に符号化されていた著作権情報か、或いは管理情報制御部916に記録保存されている当該コンテンツ全体の著作権情報かの、どちらか一方しか存在しないケースでは両者を参照する必要はないので、転送制御部918は、何れか一方の著作権情報を、出力制御情報として再生モード制御部912へ送る。また、映像ストリームの中に符号化されていた著作権情報と、管理情報制御部916に記録保存されている当該コンテンツ全体の著作権情報との、両方が存在しないケースでは、転送制御部918は、出力はフリーとして、その旨の情報を再生モード制御部912へ送る。
著作権情報以外に、コンテンツの利用を制限しなければならないような何等かの属性情報が、映像ストリームの中に符号化して含まれていたり、管理情報制御部916に記録保存されているケースでは、転送制御部918は、これらの情報の全てを参照し、比較考量し、最も厳しい条件を出力制御情報として抽出し、再生モード制御部912へ送る。これに対して、転送制御部918の設定次第では、転送制御部918は、例えば最も緩い条件を出力制御情報として抽出し、再生モード制御部912へ送ることも可能であり、その他の何等かの基準が存在し、その基準に従って出力制御情報を抽出し、再生モード制御部912へ送ることも可能である。
再生モード制御部912は、出力制御情報を転送制御部918から受け取り、その内容と現在の再生状態(再生モードが何れのモードか、及びコピーかムーブか、等)とを、比較考量することによって、このストリームの出力制御を出力制御部930に対して実行する。再生モード制御部912の動作については、出力制御部930の動作説明に関連して後述する。
転送制御部918は、更に、上記各種の再生モード、例えば2倍速再生や4倍速再生、或いは1/2倍速再生等に対応した転送タイミングや、逆再生に対応したGOPの転送順序で、映像ストリームを一時蓄積用メモリ924からストリーム解析部926へ転送する。例えば逆再生時には、転送制御部918はGOPを逆の番号順に転送する。ストリーム解析部926はストリーム解析を行い、各再生モードに適応した順番に従って各GOPをデコーダ928へ送り出す。すなわち、一次蓄積用メモリ924に読み出されたストリームのうち、属性情報はストリーム解析部926で解析の対象とされ、映像、音声等の提示用データはデコーダ928へ送られ、デコード(復号化)の対象とされる。
デコーダ制御部920は、再生モード制御部912の制御によって、デコーダ928による復号化を制御する。デコーダ928はデコーダ制御部920の制御に従って、ストリーム解析部926から送られて来た映像ストリームの復号化を実行する。デコーダ928が実行する復号化は各種エンコーディング方式、例えばMPEG2、MPEG4、その他の方式によって異なる。図16に示す例は、仮にMPEG2を想定したものである。デコーダ928で復号化されたストリームは出力制御部930へ送られ、出力制御の対象とされる。
既に述べたように、例えば映像ストリームの中に符号化されていた著作権情報や、管理情報制御部916に記録保存されているコンテンツ全体の著作権情報や、著作権情報以外の何等かの各種ストリームの出力を制御するための情報から、最終的な出力制御情報が転送制御部918によって作成され、その情報が再生モード制御部912に送られる。再生モード制御部912は、転送制御部918から送られた情報と再生モード制御部912自身が管理している現在の再生状態とを比較考慮した結果、出力するストリームに各種著作権情報、例えば「CopyNever」、「CopyOnce」、「CopyNoMore」等の著作権情報を重畳付加し、出力制御部930に当該ストリームを出力させる。
以上説明したように、従来のHDD再生装置900は、記録媒体922に記録されたコンテンツの著作権情報に基づいて、コンテンツ中のストリームの再生と、ストリームの利用のための出力制御とを実行する。
特開2002−112210号公報
しかしながら従来のHDD再生装置900では、映像ストリームの中に符号化されている著作権情報を解析するのはストリーム解析部926である。このストリーム解析部926で解析抽出された著作権情報が、転送制御部918で他の著作権情報やその他の出力制御に関係する各種情報と照合されて最終的な出力制御情報が作成される。更にその情報が再生モード制御部912へ送られ、再生モード制御部912で現在の再生状態(コピーであるのか、或いはコピーでは無くムーブであるのか、等)と比較される。そして、比較の結果に応じて再生モード制御部912から出力制御部930に対して出力制御が行われる。従って、時間的な不整合が起こりやすく、ストリーム解析部926が解析した各ピクチャーやフレーム単位の著作権情報を、正確に、フレームやピクチャー単位で、出力制御部930における出力制御に反映させるのが困難である、という課題を有していた。この問題は、再生モードが逆再生(例えば「逆スロー再生」と称される再生等)である場合、或いは、正又は逆方向のIピクチャのみを用いた高速再生である場合に顕著となる。
例えば逆スロー再生では、出力制御部930から出力される映像ストリームに比べてはるかに多くのピクチャーを含む映像ストリームが、ストリーム解析部926によって解析され、著作権情報が抽出される。その結果、何れの著作権情報が、出力制御部930から出力される映像ストリームの各ピクチャに対応する著作権情報であるかを正確に判別することは困難であった。すなわち、出力制御部930から出力される映像ストリームの各ピクチャーに応じた出力制御を、正確に各ピクチャーの著作権情報から抽出し、同期させて行うことは一層困難であるという問題点があった。
この時の映像ストリームと著作権情報の流れの単純化された例を図17に示す。図17は、1/2倍速の逆スロー再生が行われていたケースを例示している。この例では最初に第4番目のGOPが転送制御部918によって要求され、一時蓄積用メモリ924から読み出されてストリーム解析部926へ送られる。ストリーム解析部926は、送られたストリームを解析して著作権情報を取り出すと共に、映像ストリームデータをデコーダ928へ送り出す。
次に通常再生時の2倍の処理周期が経過した後に、第3番目のGOPが一時蓄積用メモリ924からストリーム解析部926へ送られる。しかし場合によっては、通常再生の1処理周期分に相当する空き時間に、次の第5番目のGOPが一時蓄積用メモリ924からストリーム解析部926へ送られることがある。この第5番目のGOPは逆スロー再生には必要がないGOPであるから、デコーダ928から出力されることはない。しかし、ストリーム解析部926は著作権情報を取り出し、転送制御部918へ送り出す場合がある。
従って、検出される著作権情報の流れは図17の右端に示すように、A・B・C・D・A・B・E・D・Aとなるが、実際に再生される映像は第4番目から第2番目までの各GOPの各ピクチャーが逆の順序に並んだものであるから、再生される映像の著作権情報はB・A・D・Eでなければならない。しかしながら検出される著作権情報の流れから、必要な著作権情報を選択することは極めて困難であった。
逆に、例えばIピクチャーだけを使って高速再生を行うようなケースでは、一次蓄積用メモリ924からストリーム解析部926へ全てのストリームが転送されるのではなく、ストリームの一部しか転送されない場合がある。その結果、ストリーム中の属性情報に含まれる著作権情報が転送されないことがあり、それにより必要な著作権情報が検出できない場合がある、という問題も存在していた。
更に、デコーダ928の記憶容量に限りがあるために、GOPのデータサイズによっては、一つのGOPの全体をデコーダ928に格納できない場合がある。かかる場合には、逆スロー再生に限らず逆再生一般において、デコーダ928が一つのGOP全体のデコードを完了するためには、同一のGOPを幾度もデコーダ928へ送出することが必要となる。送出するGOPは、一時蓄積用メモリ124に存在するのであれば再利用し、存在しないのであれば、一次蓄積用メモリ124へ読み込み、送出してもよい。それに伴い、同一のGOPから同一の著作権情報が繰り返し抽出される。その結果、必要な著作権情報を適切に選択することが容易でないという問題点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、逆スロー再生、高速再生、逆再生等の特殊再生モードにおいても、ストリーム中の著作権情報等の属性情報をストリームの出力に正しく反映させることを可能にする再生技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、記録媒体が接続される再生装置であって、メモリと、符号化された提示用データと当該提示用データに関する属性情報とを多重化して含むデータ列であるストリームを前記記録媒体から前記メモリへ読み出す読出部と、前記メモリへ読み出された前記ストリームから前記提示用データを分離する分離部と、分離された前記提示用データを復号化するデコード部と、復号化された前記提示用データを出力する出力部と、前記メモリへ読み出された前記ストリームから前記属性情報を抽出する抽出部と、抽出された前記属性情報に対応する前記提示用データの提示時間を特定する時間特定部と、前記提示時間と前記属性情報とを対応付けて記録するテーブルを作成するテーブル作成部と、前記テーブルを参照することにより、対応する前記提示時間が示す時期に前記属性情報を、前記出力部による前記提示用データの出力に反映させる反映部と、を備えるものである。
この構成によれば、記録媒体からメモリに読み出されたストリームから、符号化(エンコード)された提示用データが分離され復号化(デコード)され出力される。属性情報を提示用データの出力に反映させるために、記録媒体からメモリに読み出されたストリームから属性情報が抽出されるとともに、抽出された属性情報に対応する提示用データの提示時間が特定され、それらを対応付けて記録するテーブルが作成される。そして、テーブルに記録された提示時間が示す時期に、提示時間に対応する属性情報が提示用データの出力に反映される。それにより、再生装置の再生モードが通常再生以外の高速再生、逆再生等の特殊再生モードであっても、復号化された提示用データの出力に属性情報が適切な時期に反映される。
属性情報には、例えば、複製の制限を規定した著作権情報、年齢等により再生を制限するためにキーワード入力を促すパレンタル情報、提示用データのジャンル(ニュース、ドラマ等)を示すジャンル情報、提示用データのタイトル等を示すテキスト情報等を含めることができる。また、符号化及び復号化の一形態として圧縮及び伸張を採ることができる。
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る再生装置であって、前記反映部は、前記属性情報をそのまま又は変更を加えて前記提示用データに多重化することにより、前記属性情報を前記出力に反映させるものである。
この構成によれば、復号化された出力への属性情報の反映の形態として、属性情報が提示用データに多重化される。それにより、復号化された提示用データに対して適切な位置に属性情報が多重化されたストリームの出力を得ることができる。多重化は、復号化された提示用データに、抽出された属性情報をそのまま多重化する形態の他、抽出された属性情報に変更を加えて多重化する形態をも包含する。変更を加える形態として、例えば複製可能な回数を規定する著作権情報を含むストリームを再生する場合に、当該回数を1回分減じる変更を行う形態を採ることができる。
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1又は第2の態様に係る再生装置であって、前記反映部は、前記属性情報の内容によって前記出力部による前記提示用データの出力を停止させることにより、前記属性情報を前記出力に反映させるものである。
この構成によれば、復号化された出力への属性情報の反映の形態として、提示用データの出力が停止される。それにより、復号化された提示用データに対して適切な時期に、属性情報に基づいて提示用データの出力を停止させることができる。提示用データの出力を停止すべき場合として、提示用データが複製の制限を規定する著作権情報を含む場合に、当該著作権情報がある提示時間を境に、複製を一切禁止する旨を規定している場合を例示することができる。
本発明のうち第4の態様に係るものは、第1ないし第3の何れかの態様に係る再生装置であって、前記属性情報が複製の制限を規定した著作権情報を含むものである。
この構成によれば、属性情報が複製の制限を規定した著作権情報を含むので、当該著作権情報を適切な時期に、復号化された提示用データの出力に反映させることができる。それにより、提示用データの上に発生している著作権を適切に保護することが可能となる。
本発明のうち第5の態様に係るものは、第1ないし第4の何れかの態様に係る再生装置であって、前記デコード部は、前記提示用データのうち復号化すべき部分の提示時間を前記反映部へ逐次通知し、前記反映部は通知された提示時間に対応する属性情報を前記テーブルから選択するものである。
この構成によれば、提示用データのうち復号化すべき部分の提示時間がデコード部から反映部へ逐次通知され、通知された提示時間に対応する属性情報が反映部によってテーブルから選択される。デコード部による復号化処理と同期して属性情報が選択されるので、復号化された提示用データの出力へ属性情報を適切な時期に反映する構成を、簡素かつ容易に実現することができる。
本発明のうち第6の態様に係るものは、第1ないし第5の何れかの態様に係る再生装置であって、前記メモリを第1メモリとして、第2メモリを更に備え、前記読出部は、前記ストリームに付随して前記記録媒体に記録され、前記属性情報を第1属性情報として前記ストリームに関する第2属性情報を含む管理情報を、前記ストリームの読出しに先立って、前記第2メモリへ更に読出すものであり、前記再生装置は、前記第2メモリへ読み出された前記管理情報から前記第2属性情報を抽出するとともに、前記第1属性情報と前記第2属性情報とを組み合わせることにより第3属性情報を生成する合成部を更に備え、前記反映部は、前記合成部が生成した前記第3属性情報を前記出力に反映させることにより、前記第1属性情報を前記出力に反映させるものである。
この構成によれば、ストリームの読出しに先立って、管理情報が記録媒体から第2メモリへ読み出され、ストリームから抽出された第1属性情報と管理情報から抽出された第2属性情報とを組み合わせた第3属性情報が、復号化後の提示用データの出力に反映される。これにより、ストリームに含まれる第1属性情報だけでなく、管理情報に含まれる第2属性情報をも出力に反映することが可能となる。第1及び第2属性情報を組み合わせる形態として、各々が複製の制限を規定する著作権情報を含む場合に、最も厳しい制限内容を第3属性情報に含める形態を例示することができる。なお、第2メモリは第1メモリと別体のものであってもよく、同一メモリの異なる記憶領域であっても良い。
本発明のうち第7の態様に係るものは、第6の態様に係る再生装置であって、前記ストリームは、提示用データを再構成可能な最小データ単位の群によって構成されており、前記管理情報は、前記ストリームを構成する各最小データ単位のアドレスを記述するとともに、最小データ単位毎にタイムスタンプを前記提示時間として記述しており、前記デコード部は、前記提示用データのうち復号化すべき部分の提示時間を前記時間特定部に逐次通知し、前記時間特定部は、前記第2メモリに読み出された前記管理情報から、通知された前記提示時間以下で且つ最近接するタイムスタンプを抽出し、前記読出部は、前記時間特定部が抽出したタイムスタンプに対応するアドレスを前記管理情報から抽出し、当該アドレスに対応する最小データ単位を前記記録媒体から前記第1メモリへ読出し、前記抽出部は、前記第1メモリへ読み出された最小データ単位から前記属性情報を抽出するものである。
この構成によれば、提示用データのうち復号化すべき部分の提示時間がデコード部から時間特定部に逐次通知され、通知された提示時間以下で且つ最近接するタイムスタンプが、第2メモリに読み出されている管理情報から抽出され、抽出されたタイムスタンプに対応するアドレスが管理情報から抽出され、当該アドレスに対応する最小データ単位が第1メモリへ読み出され、読み出された最小データ単位から属性情報が抽出される。その結果、最小データ単位毎に提示時間と属性情報との対応関係を記録したテーブルが作成されるので、最小データ単位の精度で属性情報が復号化後の提示用データの出力に反映される。
本発明のうち第8の態様に係るものは、第1ないし第5の何れかの態様に係る再生装置であって、前記メモリを第1メモリとして、第2メモリを更に備え、前記読出部は、前記ストリームに付随して前記記録媒体に記録される管理情報を、前記ストリームの読出しに先立って、前記第2メモリへ更に読出すものであり、前記ストリームは、提示用データを再構成可能な最小データ単位の群によって構成されており、前記管理情報は、前記ストリームを構成する各最小データ単位のアドレスを記述するとともに、最小データ単位毎にタイムスタンプを前記提示時間として記述しており、前記デコード部は、前記提示用データのうち復号化すべき部分の提示時間を前記時間特定部に逐次通知し、前記時間特定部は、前記第2メモリに読み出された前記管理情報から、通知された前記提示時間以下で且つ最近接するタイムスタンプを抽出し、前記読出部は、前記時間特定部が抽出したタイムスタンプに対応するアドレスを前記管理情報から抽出し、当該アドレスに対応する最小データ単位を前記記録媒体から前記第1メモリへ読出し、前記抽出部は、前記第1メモリへ読み出された最小データ単位から前記属性情報を抽出するものである。
この構成によれば、第7の態様に係る再生装置について述べた理由と同様の理由により、最小データ単位の精度で属性情報が復号化後の提示用データの出力に反映される。なお、第2メモリは第1メモリと別体のものであってもよく、同一メモリの異なる記憶領域であっても良い。
本発明のうち第9の態様に係るものは、第1ないし第8の何れかの態様に係る再生装置であって、前記ストリームがMPEG2−TSに規定されたトランスポート・ストリームであって、前記抽出部は、前記属性情報として、TSパケットのペイロードにセクションデータの形式で載せられたPMTに記述された第1情報と、TSパケットに付された拡張ヘッダに含まれる第2情報と、の双方を抽出し、前記再生装置は、前記第1情報と前記第2情報とを組み合わせることにより第3情報を生成する組合せ部を更に備え、前記反映部は、前記組合せ部が生成した前記第3情報を前記属性情報として、前記出力に反映させるものである。
この構成によれば、属性情報としてPMTに記述された第1情報と拡張ヘッダに含まれる第2情報とを組み合わせた第3情報が、復号化後の提示用データの出力に反映される。すなわち、ストリームに含まれる多様な属性情報を出力に反映することができる。第1及び第2情報を組み合わせる形態として、各々が複製の制限を規定する著作権情報を含む場合に、最も厳しい制限内容を第3情報に含める形態を例示することができる。テーブル作成部は、第3情報が合成された後に提示時間と第3情報とを対応付けて記録するテーブルを作成しても良く、合成前に第1及び第2情報の各々を提示時間に対応付けて記録するテーブルを作成しても良い。
本発明のうち第10の態様に係るものは、第1ないし第5の何れかの態様に係る再生装置であって、前記メモリを第1メモリとして、第2メモリを更に備え、前記読出部は、前記ストリームに付随して前記記録媒体に記録される管理情報を、前記ストリームの読出しに先立って、前記第2メモリへ更に読出すものであり、前記ストリームは、提示用データを再構成可能な最小データ単位の群によって構成されており、前記管理情報は、前記ストリームを構成する各最小データ単位のアドレスを記述するとともに、最小データ単位毎にタイムスタンプを記述しており、前記デコード部は、前記提示用データのうち復号化すべき部分の提示時間を前記読出部に逐次通知し、前記読出部は、前記第2メモリに読み出された前記管理情報から、通知された前記提示時間以下で且つ最近接するタイムスタンプに対応するアドレスを前記管理情報から抽出し、当該アドレスに対応する最小データ単位を前記記録媒体から前記第1メモリへ読出し、前記抽出部は、前記第1メモリへ読み出された最小データ単位から前記属性情報を抽出し、前記時間特定部は、前記第1メモリへ読み出された最小データ単位から前記提示時間を特定するものである。
この構成によれば、提示用データのうち復号化すべき部分の提示時間がデコード部から読出部に逐次通知され、通知された提示時間以下で且つ最近接するタイムスタンプが第2メモリに読み出されている管理情報から抽出され、抽出されたタイムスタンプに対応するアドレスが管理情報から抽出され、当該アドレスに対応する最小データ単位が第1メモリへ読み出される。そして、読み出された最小データ単位から属性情報が抽出されるとともに、読み出された最小データ単位から提示時間が特定される。それにより、提示時間と属性情報との対応関係を記録したテーブルが容易に作成される。また、複数の提示時間を単一の最小データ単位の中から特定することにより、最小データ単位よりも短い単位で提示時間と属性情報との対応関係を記録したテーブルを得ることが可能となる。
本発明のうち第11の態様に係るものは、第6の態様に係る再生装置であって、前記ストリームは、提示用データを再構成可能な最小データ単位の群によって構成されており、前記管理情報は、前記ストリームを構成する各最小データ単位のアドレスを記述するとともに、最小データ単位毎にタイムスタンプを記述しており、前記デコード部は、前記提示用データのうち復号化すべき部分の提示時間を前記読出部に逐次通知し、前記読出部は、前記第2メモリに読み出された前記管理情報から、通知された前記提示時間以下で且つ最近接するタイムスタンプに対応するアドレスを前記管理情報から抽出し、当該アドレスに対応する最小データ単位を前記記録媒体から前記第1メモリへ読出し、前記抽出部は、前記第1メモリへ読み出された最小データ単位から前記属性情報を抽出し、前記時間特定部は、前記第1メモリへ読み出された最小データ単位から前記提示時間を特定するものである。
この構成によれば、第10の態様について述べた理由と同様の理由により、提示時間と属性情報との対応関係を記録したテーブルが容易に作成され、また、最小データ単位よりも短い単位で提示時間と属性情報との対応関係を記録したテーブルを得ることが可能となる。
本発明のうち第12の態様に係るものは、第10又は第11の態様に係る再生装置であって、前記ストリームがMPEG2−TSに規定されたトランスポート・ストリームであって、前記最小データ単位がGOPであるものである。
この構成によれば、日、欧、米においてデジタル放送の共通規格となっているMPEG2−TSに規定されたトランスポート・ストリームついて、提示時間と属性情報との対応関係を記録したテーブルが容易に作成され、また、GOPよりも短い単位で提示時間と属性情報との対応関係を記録したテーブルを得ることが可能となる。なお、本態様において、MPEG2−TSに規定されたトランスポート・ストリームは、拡張ヘッダを含むものであっても、含まないものであっても良い。
本発明のうち第13の態様に係るものは、第12の態様に係る再生装置であって、前記時間特定部は、前記第1メモリへ読み出されたGOPのTSパケットに付された拡張ヘッダに含まれる出力時期を記述したタイムスタンプを抽出し、当該タイムスタンプを一部のTSパケットに付されたPTSに換算した値を、前記提示時間として特定するものである。
この構成によれば、TSパケットに付された拡張ヘッダに含まれるタイムスタンプを抽出することにより、テーブルに記録すべき提示時間をGOPよりも短い単位で容易に特定することが可能となる。
本発明のうち第14の態様に係るものは、第12の態様に係る再生装置であって、前記時間特定部は、前記第1メモリへ読み出されたGOPのTSパケットのTSヘッダに付されたPCRを抽出し、当該PCRをTSパケットに付された一部のPTSに換算した値を、前記提示時間として特定するものである。
この構成によれば、TSパケットに付されたPCRを抽出し、且つ換算することにより、ストリーム中にPCRが出現する単位で、テーブルに記録すべき提示時間を特定することが可能となる。
本発明のうち第15の態様に係るものは、第12の態様に係る再生装置であって、前記時間特定部は、前記第1メモリへ読み出されたGOPのTSパケットのアドレスを抽出し、当該アドレスを一部のTSパケットに付されたPTSに換算した値を、前記提示時間として特定するものである。
この構成によれば、TSパケットのアドレスを抽出し、且つ換算することにより、ストリーム中にTSパケットの単位で、テーブルに記録すべき提示時間を特定することが可能となる。
本発明のうち第16の態様に係るものは、再生方法であって、メモリを準備する工程と、符号化された提示用データと当該提示用データに関する属性情報とを多重化して含むデータ列であるストリームを記録媒体から前記メモリへ読み出す読出工程と、前記メモリへ読み出された前記ストリームから前記提示用データを分離する分離工程と、分離された前記提示用データを復号化するデコード工程と、復号化された前記提示用データを出力する出力工程と、前記メモリへ読み出された前記ストリームから前記属性情報を抽出する抽出工程と、抽出された前記属性情報に対応する前記提示用データの提示時間の特定を行う時間特定工程と、前記提示時間と前記属性情報とを対応付けて記録するテーブルを作成するテーブル作成工程と、前記テーブルを参照することにより、対応する前記提示時間が示す時期に前記属性情報を、前記出力工程による前記提示用データの出力に反映させる反映工程と、を備えるものである。
この構成によれば、記録媒体からメモリに読み出されたストリームから、符号化された提示用データが分離され復号化され出力される。属性情報を提示用データの出力に反映させるために、記録媒体からメモリに読み出されたストリームから属性情報が抽出されるとともに、抽出された属性情報に対応する提示用データの提示時間が特定され、それらを対応付けて記録するテーブルが作成される。そして、テーブルに記録された提示時間が示す時期に、提示時間に対応する属性情報が提示用データの出力に反映される。従って、第1の態様に係る再生装置について述べた理由と同様の理由により、再生方法の再生モードが通常再生以外の高速再生、逆再生等の特殊再生モードであっても、復号化された提示用データの出力に属性情報が適切な時期に反映される。
本発明のうち第17の態様に係るものは、再生処理用プログラムであって、メモリを有し記録媒体が接続される再生装置に組み込まれたコンピュータを、符号化された提示用データと当該提示用データに関する属性情報とを多重化して含むデータ列であるストリームを前記記録媒体から前記メモリへ読み出す読出部と、前記メモリへ読み出された前記ストリームから前記提示用データを分離する分離部と、分離された前記提示用データを復号化するデコード部と、復号化された前記提示用データを出力する出力部と、前記メモリへ読み出された前記ストリームから前記属性情報を抽出する抽出部と、抽出された前記属性情報に対応する前記提示用データの提示時間の特定を行う時間特定部と、前記提示時間と前記属性情報とを対応付けて記録するテーブルを作成するテーブル作成部と、前記テーブルを参照することにより、対応する前記提示時間が示す時期に前記属性情報を、前記出力部による前記提示用データの出力に反映させる反映部として機能させるものである。
この構成によれば、再生処理用プログラムがコンピュータにより実行されることにより、第1の態様に係る再生装置の動作が実現する。従って、第1の態様に係る再生装置について述べた理由と同様の理由により、再生装置の再生モードが通常再生以外の高速再生、逆再生等の特殊再生モードであっても、復号化された提示用データの出力に属性情報が適切な時期に反映される。
本発明のうち第18の態様に係るものは、コンピュータ読み取り可能なプログラム記録媒体であって、メモリを有し記録媒体が接続される再生装置に組み込まれたコンピュータを、符号化された提示用データと当該提示用データに関する属性情報とを多重化して含むデータ列であるストリームを前記記録媒体から前記メモリへ読み出す読出部と、前記メモリへ読み出された前記ストリームから前記提示用データを分離する分離部と、分離された前記提示用データを復号化するデコード部と、復号化された前記提示用データを出力する出力部と、前記メモリへ読み出された前記ストリームから前記属性情報を抽出する抽出部と、抽出された前記属性情報に対応する前記提示用データの提示時間の特定を行う時間特定部と、前記提示時間と前記属性情報とを対応付けて記録するテーブルを作成するテーブル作成部と、前記テーブルを参照することにより、対応する前記提示時間が示す時期に前記属性情報を、前記出力部による前記提示用データの出力に反映させる反映部として機能させる再生処理用プログラムを記録したものである。
この構成によれば、プログラム記録媒体がコンピュータに読み取られることにより、再生処理用プログラムが実行されることにより、第1の態様に係る再生装置の動作が実現する。従って、第1の態様に係る再生装置について述べた理由と同様の理由により、再生装置の再生モードが通常再生以外の高速再生、逆再生等の特殊再生モードであっても、復号化された提示用データの出力に属性情報が適切な時期に反映される。
以上のように本発明によれば、逆スロー再生、高速再生、逆再生等の特殊再生モードにおいても、ストリーム中の著作権情報等の属性情報をストリームの出力に正しく反映させることが可能となる。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(一実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態による再生装置の構成を示すブロック図である。この再生装置100は、Blu−rayディスク再生装置として構成されており、再生モード制御部112、読出制御部114、管理情報制御部116、転送制御部118、デコーダ制御部120、一時蓄積用メモリ124、ストリーム解析部126、デコーダ128、出力制御部130、管理情報メモリ140、著作権情報取得部151、及び著作権情報管理部152を備えている。再生装置100を構成する要素のうち、従来のHDD再生装置900を構成する要素と同一名称が付されたものは、基本的な動作に関してはHDD再生装置900を構成する要素と共通する。従って、これらの要素の基本的な動作についての詳細な説明は略する。また、各要素の特徴的な動作については、以下の動作説明の中で説明する。
記録媒体122は、本発明の記録媒体の実施形態に該当する。また、一次蓄積用メモリ124は、本発明のメモリ或いは第1メモリの実施形態に該当する。更に、読出制御部114と再生モード制御部112の一部と管理情報制御部116の一部とは、本発明の読出部の実施形態に該当する読出部161を構成する。ストリーム解析部126の一部は、本発明の分離部の実施形態に該当する分離部170を構成する。デコーダ128及びデコーダ制御部120は、本発明のデコード部の実施形態に該当するデコード部171を構成する。出力制御部130の一部は本発明の出力部の実施形態に該当する出力部162を構成する。著作権情報取得部151の一部は、本発明の抽出部の実施形態に該当する抽出部167を構成する。著作権情報取得部151の別の一部は、本発明の時間特定部の実施形態に該当する時間特定部163を構成する。
著作権情報管理部152の一部は、本発明のテーブル作成部の実施形態に該当するテーブル作成部168を構成する。又、著作権情報管理部152の別の一部は、本発明の組合せ部の実施形態に該当する組合せ部166を構成する。再生モード制御部112の一部と転送制御部118の一部と出力制御部130の一部とは、本発明の反映部の実施形態に該当する反映部164を構成する。また、管理情報制御部116の一部と転送部118の一部とは、本発明の合成部の実施形態に該当する合成部165を構成する。更に、管理情報メモリ140は、本発明の第2メモリの実施形態に該当する。
再生装置100の各装置要素は、コンピュータプログラムを要しないハードウェアで構成しても良いが、コンピュータプログラムを搭載したマイクロコンピュータ等のコンピュータによって構成するのが、より簡素かつ容易である。当該コンピュータは、不図示のCPU(Central Processing Unit;中央演算処理部)、このCPUの動作を規定するコンピュータプログラムを格納する不図示のRAM(Random Access Memory)或いはROM(Read Only Memory)、一時的にデータを保管する不図示のRAM等の記憶部を有する。
上記コンピュータプログラムは、ROM、フレキシブルディスク、CD−ROM等のプログラム記録媒体31を通じて供給することも、電話回線、ネットワーク等の伝送媒体33を通じて供給することも可能である。図1には、プログラム記録媒体31としてCD−ROMが描かれており、伝送媒体33として電話回線が描かれている。
プログラム記録媒体31としてCD−ROMに記録されたコンピュータプログラムは、外部装置としてのCD−ROM読取装置32を再生装置100へ接続することにより、読み出すことができ、更に再生装置100が有する不図示のRAM或いはハードディスク等の記憶装置に格納することができる。プログラム記録媒体31としてROMの形態でプログラムが供給される場合には、当該ROMを再生装置100に搭載することにより、再生装置100は上記コンピュータプログラムに従った処理を実行可能となる。
伝送媒体33を通じて供給される上記プログラムは、通信装置34を通じて受信され、再生装置100が有する不図示のRAM或いはハードディスク等の記憶装置に格納される。伝送媒体33は、有線の伝送媒体に限られず、無線の伝送媒体であっても良い。また、伝送媒体33は通信線路のみでなく、通信線路を中継する中継装置をも含む。
再生装置100は、着脱可能なBlu−rayディスクである記録媒体122を装着することにより使用に供される。但し、本発明の再生装置は、Blu−rayディスク再生装置に限らず、DVD再生装置、ハードディスク・ドライブ再生装置など、他の形態の再生装置にも適用可能である。
再生装置100は、記録媒体122からのコンテンツの再生を各種のモードで行うことができる。再生装置100は、再生モードとして、通常再生の他、逆スロー再生、逆高速再生、逆通常速度再生、通常方向の高速再生、通常速度のスロー再生等を始めとする特殊再生モードを採り得る。各種の再生モードに基づく再生装置100各部の制御は、再生モード制御部112によって行われる。以下の説明では一例として逆スロー再生における処理について中心的に説明するが、他の再生モードにおいても同様の処理が可能である。
図2は、再生モードが逆スロー再生である場合における再生装置100による主要な処理の流れを示すフローチャートである。再生モード制御部112によって実行される処理は、図2のステップS221以降のフローで示される。再生装置100の利用者の操作、或いは何等かのプログラムによる制御、或いは不図示のインタフェースを通じての外部からの制御、その他の何らかの指示により、再生装置100による逆スロー再生が、再生モード制御部112の制御によって開始される(S221)。
逆スロー再生が開始されると再生モード制御部112は、最初に逆スロー再生の開始を、再生装置100を構成する他の主要部に通知する(S222)。図2では転送制御部118への通知と、読出制御部114への通知だけを図示しているが、これらの部分に加えて、他の部分、例えばデコーダ制御部120、出力制御部130、及びその他の部分に通知が行われてもよい。以下では、これら他の部分への通知が行われる場合を想定している。
再生モード制御部112から逆スロー再生開始の通知を受けた読出制御部114による処理は、図2のステップS231以降のフローで示される。読出制御部114は、逆スロー再生を行うために必要なタイミングであり、且つ必要な順序で、記録媒体122から一時蓄積用メモリ124に、コンテンツを構成するストリームを読み出す(S232)。次に、読出制御部114は著作権情報取得部151に対して、一時蓄積用メモリ124に移動したストリームから、著作権情報を取り出すように指示する(S233)。
図3に示すように、記録媒体122には、コンテンツ毎に管理情報ファイル20とストリームファイル21とが記録され、且つ読み出される。管理ファイル20は管理情報を格納するファイルである。ストリームファイル21は、映像、音声等の圧縮符号化された提示用データと、当該提示用データに関する著作権情報を始めとする属性情報とを多重化して含むストリームを格納するものである。ストリームファイル20が格納するストリームは、例えばMPEG2やMPEG4の規格に従って符号化されており、トランスポート・ストリーム形式のデータ構造を有する。トランスポート・ストリームは、「TS」と略記される。なお、データ及び情報は、何れも物理的実体としては信号である点において変わりはないが、本明細書では、主として提示用データを「データ」と称し、それ以外のものを「情報」と称することとしている。
従来のHDD再生装置900と同様に、コンテンツが記録媒体122に記録され、或いは記録媒体122から読み出されて再生に供されるときには、ストリームファイル21と管理情報ファイル20との双方が記録及び再生される。より詳細には、コンテンツが記録媒体122に記録されるときには、管理情報制御部116は、ストリームが有する各種情報に基づいて管理情報を生成し、管理情報ファイル20に格納して記録媒体122へ記録する。コンテンツが記録媒体122から読み出されるときには、先ず、読出制御部114によって管理情報ファイル20が管理情報メモリ140へ一括して読み出され、その後に、ストリームファイル21中のストリームが読出制御部114によって一時蓄積用メモリ124へ逐次的に読み出される。従って、ステップS232においてストリームの読出しが行われるのに先立って、管理情報ファイル20の読出しが行われる。
図4及び図5は、ストリームファイル21に格納されるストリームのデータ構造を示す説明図である。図4はストリーム全体の構造を示し、図5はストリームの細部を示している。図5は特に、ストリームのうち一時蓄積用メモリ124へ一時的に記憶される部分を示している。トランスポート・ストリームはTSパケットの群からなる。MPEG2−TSで定義されるTSパケットのサイズは188byte(バイト)であるが、例えば4byteの拡張ヘッダ(extra_header又はEXヘッダ)をTSパケットの先頭に付加して、合計192byteとすることができる。
TSパケットは、4バイト長のTSヘッダと184バイト長のペイロードとを有する。TSヘッダは多重化に関する情報等を含んでいる。より詳細には、TSヘッダは、1バイトのsync(シンク)と、1ビットの「payload unit start indicator」(ペイロード・ユニット・インディケータ)と、13ビットのPIDとを含んでいる。PID(Packet IDentifier)は、TSパケットを識別するための識別子である。
ペイロードは、映像、音声、字幕等の提示用データをPES(Pack of Elementary Stream)の形式で運ぶと共に、PMT等の属性情報をセクションデータの形式で運ぶ。すなわち、提示用データと属性情報とが、TSパケット単位でストリーム中に織り込まれることにより多重化されている。ストリームのうち、映像、音声等の提示用データから成る部分は、エレメンタリ・ストリーム(ES;Elementary Stream)と称される。PESとは、ESをパケット化したものをいう。TSパケットは固定長であるため、各TSパケットがペイロードに載せて運ぶPESは、一般に単一のPESを分割したものとなる。TSパケットは、映像、音声等の複数の提示用データに対応する複数のESを運ぶ。それにより、多重化が実現される。また、マルチビューを実現するための複数の映像に対応する複数のESを多重化することも可能である。
ペイロードにPESを載せて運ぶTSパケットでは、TSヘッダにはPIDとしてES−PIDが付される。ES−PIDは、多重化されたESを識別するための識別子である。ES−PIDによって、ペイロードが運ぶESが、映像、音声、文字データの何れに対応するものであるか、或いは、マルチビューを構成する個々の映像のうちの何れに対応するものであるかを識別することができる。ES−PIDの値は、PMTの中で定義される。図4の例では、映像に対応するESを運ぶTSストリームのES−PIDに“200”が付与されており、音声に対応するESを運ぶTSストリームのES−PIDに“201”が付与されている。
なお、混同を避けるために、TSパケットの群として構成されるストリーム全体、即ちストリームファイル21に格納されるストリーム全体を、ストリーム或いはTSストリームと記載し、映像等の各提示用データに対応するエレメンタリ・ストリーム(ES)は、ESと記載する。
ペイロードがPMTを運ぶときには、TSヘッダに付されるPIDはPMT−PIDとなる。PMT−PIDは、PMTを運ぶTSパケットを識別するための識別子である。TSパケットには、ペイロードにPATを載せて運ぶものが含まれる。PMT−PIDは、このPATの中で定義される。図4の例では、PMT−PIDに“100”が付与されている。PATを運ぶTSパケットのPIDであるPAT−PIDは、ISO/IEC13818−1規格により、“0x0000”という値に予め定められている。従って、あるESを探し出すためには、予め約束されたPAT−PIDを手掛かりに、PATを運ぶTSパケットを探し出し、当該PATに記述されるPMT−PIDを手掛かりに、PMTを運ぶTSパケットを探し出し、当該PMTに記述されるES−PIDを手掛かりに目的とするESを運ぶTSパケットを探し出すという手順を踏むこととなる。ペイロードがPMTを運ぶときには、ペイロードは、1バイトのオフセットと、PMTと、残りのデータ長を埋めるためのstuffing(スタッフィング;埋め草)から構成される。
EXヘッダには、著作権情報や、TSパケットを受信したタイミング、その他の情報を含めることができる。以後、特に誤解のない限り、TSパケットとはEXヘッダの付加された形態を意味する。なお、本発明においてはTSパケットの形態は任意であるため、そのサイズ(byte数)は任意である。また、本実施の形態においては、EXヘッダの先頭2bitを著作権情報の一種であるCPI(Copy Permission Indicator)とし、残りの30bitをTSパケットの送出タイミングを記述する為のタイムスタンプ(TMS)とする。CPIは出力制御に用いられる著作権情報である。再生装置100は、コンテンツを記録媒体122に記録する際に、TSパケットを受信したタイミングをTMSとして書き込む。TMSは、それが付されるTSパケットの送出を正確なタイミングで行うために用いられる。
図6は、MPEG2−TSの規格に基づくPMTの構造を示す説明図である。図6はPMTをデータ記述言語で表現したものである。PMTのデータ構造自体は、MPEG2−TSの規格の一部として従来周知であるので、その説明は概略説明にとどめる。なお、PMTの構造としてMPEG2−TSに規定の形態とは別の形態を採ることも可能である。
PMTは、table_id(デーブルID)、PCR_PID、Elementary_PID(エレメンタリPID;上記のES−PID)等の他に、具体的な情報を記述する領域として第1ループ内のdescriptor(記述子)と、第2ループ内のdescriptor(記述子)とを含んでいる。テーブルIDは、ペイロードに載せられるデータの型を識別する識別子である。PCR−PIDは、MPEG2−TSの規格上デコーダに相当する再生装置100が有する不図示の時計であるSTC(System Time Clock)の時刻を補正する時刻情報であるPCR(Program Clock Reference)を保持するTSパケットを識別するPIDである。STCは、PCRに同期して時刻を刻むもので、MPEG2−TSの規格に定められている。PCRは、MPEG2−PSにおけるSCR(System Clock Reference)に対応するものであるが、多重化されたプログラム毎にPCRを別個独立に定義できる点でSCRとは異なる。
記述子には、様々な情報を盛り込むことができる。一つの形態として、第1ループ内の記述子と第2ループ内の記述子との何れにも、著作権情報を含めることができる。例えば、第1ループにはDTCP(Digital Transmission Content Protection)記述子を含めることができる。DTCP記述子は著作権情報の一種である。第2ループにもDTCP記述子を含めることができ、更に第2ループにはデジタルコピー制御記述子(CCI;Copy Control Information)を含めることができる。これらは何れも著作権情報に該当する。既述の通り、著作権情報として、TSパケットのEXヘッダにCPIを含めることもできる。
CCIは、例えば2ビットのデータ(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)によって、それぞれ“CopyFree”、“CopyNoMore”、“CopyOnce”、“CopyNever”を表現する。CPIは、2ビットのデータ(0,0)、(0,1)、(1,0)により“CopyFree”を表現し、(1,1)により“CopyNoMore”を表現する。
再生装置100は、ストリームの出力に反映すべき著作権情報として、これらの著作権情報の一つを用いることも可能であり、複数ないし全てを組み合わせて用いることも可能である。複数ないし全てを組み合わせる形態として、最も厳しい著作権情報を採用する形態の他、最も緩い著作権情報を採用する形態、平均的な著作権情報を採用する形態、他の何等かの条件に対応して何れかの著作権情報を選択する基準を定めておき、当該基準に従って決定する形態等、各種の形態を採り得る。かかる組合せは、組合せ部166としての著作権情報管理部152(図1)によって実行される。テーブル作成部168としての著作権情報管理部152は、組み合わせにより得られた著作権情報と提示時間(presentation time)とを対応付けて記録するテーブルを作成する。これに対して、著作権情報管理部152は、組合せの前に複数の著作権情報を各々を提示時間に対応付けて記録するテーブルを作成しても良い。後者の場合、後述する転送制御部118が、著作権テーブルを参照して提示時間に対応する各々の著作権情報を取得した後に、組合せ部166が、取得された著作権情報を組み合わせる。この場合、組合せ部166は、図1とは異なり、転送制御部118の一部を構成する。
図2に戻って、読出制御部114から著作権情報を取り出すように指示を受けた著作権情報取得部151は、一次蓄積用メモリ124に読み出されたストリームから、著作権情報を抽出する(S234)。著作権情報を抽出する方法は、PMTに含まれる著作権情報を使用する形態と、TSパケットのその他の部分に含まれる著作権情報を使用する形態との間で異なったものとなる。例えば、PMTに含まれる著作権情報を使用する形態では、著作権情報取得部151は、TSパケットのペイロードからPMTを取り出し、図6に示すその構成内容を解析して、PMTに含まれる、DTCP記述子やデジタルコピー制御記述子で記述された著作権情報を取得する。
一方例えば、TSパケットのEXヘッダに含まれるCPIを出力制御のための著作権情報として使用する形態では、著作権情報取得部151は、TSパケットのペイロードを解析する代わりに、EXヘッダを解析して、その中に含まれるCPIを著作権情報として取り出す。PMTに含まれる著作権情報と、TSパケットのEXヘッダに含まれるCPIとの両方を、出力制御のための著作権情報として使用する形態では、著作権情報取得部151は、これらの両方を解析して抽出し、取得する。このようにして著作権情報取得部151は、TSパケットに含まれる著作権情報を取得する。なお、著作権情報取得部151が、著作権情報を抽出する処理手順の詳細については後述する。
ステップS234において、著作権情報取得部151は抽出部167として、読出制御部114の指示に基づいて、一次蓄積用メモリ124に記憶されたストリームから必要な著作権情報を抽出すると同時に、時間特定部163としてタイムスタンプ等の時間情報をも抽出する。読出制御部114は、これらの情報を受け取ると、著作権情報管理部152に、これらを対応付けて記録させる。より特定的には、著作権情報管理部152は、受け取った時間情報と著作権情報とに基づき、これらを対応付けて記録するテーブルである著作権テーブルを作成し、保持する。著作権情報管理部152は、著作権テーブルを保持するための不図示のメモリを内蔵している。当該メモリは、管理情報メモリ140、その他の再生装置100が有するメモリの一部記憶領域であっても良い。著作権情報管理部152は、時間情報と著作権情報とを読出制御部114を経由して受け取る代わりに、読出制御部114の指示に基づいて、著作権情報取得部151からそれらの情報を直接に受け取ってもよい。読出制御部114、著作権情報取得部151、及び著作権情報管理部152は、ステップS232〜S234の処理を繰り返し実行する。
ステップS222において、再生モード制御部112は、上記の通り、転送制御部118や読出制御部114等に対して、逆スロー再生の開始を通知すると共に、デコーダ制御部120に対しても同様の通知を行う。図1に矢印を付して制御信号の流れを示すように、この通知を受けたデコーダ制御部120は、逆スロー再生を実現するために必要なTSパケットを、PTSにより表現されるその提示時間により特定して、そのTSパケットの復号化をデコーダ128に指示する。この指示を受けたデコーダ128は、特定されたTSパケットを転送制御部118に対して要求する。
転送制御部118は、デコーダ128からのデータ転送要求を待っており(S212)、デコーダ128からのデータ転送要求を受け取ると、指定されたTSパケットを一時蓄積用メモリ124から読み出してストリーム解析部126へ送る。転送制御部118は、更に、管理情報制御部116を通じて管理情報メモリ140から、このコンテンツ全体やその一部や、その部分毎に対応する著作権情報を取り出す(S213第1段落)。管理情報メモリ140には、従来のHDD再生装置900の管理情報制御部916に記録保存されていたのと同様に、当該コンテンツ全体やその一部や、その部分毎の著作権情報が、管理情報の一部として記録保存されている。コンテンツ全体の著作権情報とは、言い換えると、各TSパケット単位ではない、全てのTSパケットをカバーするような著作権情報である。
更に、転送制御部118は、要求されたTSパケットの時間情報に対応する著作権情報を著作権情報管理部152から取り出す(S213第2段落)。より特定的には、転送制御部118は、著作権情報管理部152が作成し保持する著作権テーブルを参照することにより、要求されたTSパケットの提示時間に対応する著作権情報を取得する。
転送制御部118は更に、合成部165として、管理情報制御部116を通じて取り出したコンテンツ全体の著作権情報と、著作権情報管理部152から取り出したTSパケットの時間情報に対応した著作権情報とを比較考量し、何等かの基準に従って出力制御のための情報(「出力制御情報」と称する)を生成する。すなわち、合成部165としての転送制御部118は、複数種類の著作権情報を組み合わせて、出力制御情報を生成する。出力制御情報を生成する基準として、例えば、各著作権情報のうちの最も厳しいものを抽出するという基準、或いは最も緩いものを抽出するという基準を設定することができる。或いは、各著作権情報が複製可能回数を規定している場合に、これらの複製可能回数の何らかの関数によって基準を定めることも可能である。すなわち、基準は任意に定めることが可能である。
転送制御部118は、生成した出力制御情報を再生モード制御部112へ送る。これに対して、転送制御部118は、それぞれの著作権情報をそのままの状態で再生モード制御部112へ送ってもよい(S214前段)。各著作権情報がそのままの状態で再生モード制御部112へ送られた時には、出力制御情報は再生モード制御部112か或いはその他の装置部分が生成する。この場合、合成部165は、再生モード制御部112又はその他の装置部分によって構成される。
これらの処理と並行して、ストリーム解析部126は、映像や音声やその他の情報が多重化されたTSパケットを解析し、映像や音声やその他の情報を分離する。ストリーム解析部126はこれらの分離を実行すると共に、転送制御部118の制御にもとづき、デコーダ128から要求された映像や音声等の提示用データを運ぶTSパケットをデコーダ128へ送る。(S214後段)。すなわち、ストリーム解析部126は、ストリーム中のTSパケットのうち、PMT等の属性情報をセクションデータの形式で運ぶTSパケットと、提示用データをPESの形式で運ぶTSパケットとを分離し、前者を自身による解析の対象とし、後者をデコーダ128へ送る。
デコーダ128は、TSパケットの形態で提示用データを受け取り、必要な復号化、即ちMPEG2やMPEG4やその他の方式で圧縮符号化されている映像・音声情報等の提示用データの伸張復号化を実行する。デコーダ128で復号化されたTSパケットは、出力制御部130に送られ、著作権情報に基づく利用制限情報が重畳付加されて出力される。出力制御部130による処理については後述する。
転送制御部118、デコーダ制御部120、ストリーム解析部126、及びデコーダ128は、ステップS212〜S214の処理を繰り返し実行する。
一方、再生モード制御部112は、転送制御部118で作成された出力制御情報を受け取り、その内容と現在の再生状態とを比較し、適切な出力制御を出力制御部130に対して実行する(S223)。出力制御情報が転送制御部118で作成されない形態では、出力制御情報は再生モード制御部112によって作成されてもよく、その他の何等かの装置部分によって作成されてもよい。出力制御情報は、PTSを一例とする各TSパケットの提示時間と対応付けられた状態で、再生モード制御部112によって管理される。
出力制御情報は、必ずしも提示時間と厳密に対応付けられていることを要しない。しかしながら、出力制御情報は、TSパケットの送出に合わせて制御することが必要であるから、今から出力しようとしているTSパケットに対応する出力制御情報を特定するために、その提示時間(あるいは、提示時間の近似値)と対応付けられていることが必要である。各TSパケットの提示時間と対応付けられた出力制御情報は、再生モード制御部112からそれぞれの再生モードを含む再生状態に従って適切なタイミング且つ適切な内容で、出力制御部130に送られ、適切な出力制御が出力制御部130に対して指示される(S223)。
例えば、再生モード制御部112は、転送制御部118から送られた出力制御情報と再生モード制御部112自身が管理している現在の再生状態とを比較考慮した結果、出力する提示用データに各種著作権情報、例えば「CopyNever」、「CopyOnce」、「CopyNoMore」等の利用制限情報を重畳付加し、出力するように出力制御部130を制御する。
更に例を挙げると、今から出力しようとしている提示時間に相当する、映像ストリームのTSパケットに対応する著作権情報が「A」であって、「A」は「CopyOnce」を表すものとし、再生モード制御部112によって制御される現在の状態が通常の再生であったならば、この映像ストリームは、「CopyNoMore」の著作権情報を重畳されて、出力制御部130から出力される。或いは、今から出力しようとしている映像ストリームのTSパケットに対応する著作権情報が「B」であって、「B」が例えば「CopyNoMore」を表すものとする。再生モード制御部112が制御する現在の状態が通常の再生であったならば、この映像ストリームには「CopyNever」の著作権情報が重畳されて、出力制御部130から出力される。
出力制御部130が提示用データに著作権情報等の属性情報を多重化する形態として、様々な形態を採り得る。例えば、出力制御部130が、デコードされた提示用データを、テレビジョン受像機へ入力すべきアナログ形式で出力する場合には、提示用データを搬送する搬送波とは周波数の異なる搬送波に属性情報を載せるという形態を採ることができる。出力制御部130が、デコードされた提示用データを、デジタル通信インタフェースを通じてデジタル形式で外部へ出力する場合には、MPEG2−TSと同様に、パケット単位で提示用データと属性情報とを多重化するという形態を採ることができる。
出力制御の形態は、上記の例に限られない。例えば、何等かの条件で映像ストリームのあるTSパケットについては、その利用を一切禁止しなければならない著作権情報が対応する時には、再生モード制御部112は、その映像ストリームの出力自体を出力制御部130に禁止させてもよい。また、著作権情報には、既述した4種類以外の種類があっても支障がない。
以上の処理により、高速再生、スロー再生、逆再生等の特殊再生時にも、各TSパケット単位で、著作権情報に基づくストリームの出力制御を正確に行うことが可能となる。より詳細に述べると、通常再生は勿論、高速再生、低速再生、逆再生、これらの組み合わせ、その他各種形態の特殊再生が行われるケースをも含めて、映像ストリームと並行して符号化されている著作権情報等の出力制御情報を正確に反映した出力制御を行うことが可能になる。また、この派生的効果として、映像ストリームとは別にコンテンツ全体の著作権情報が存在しないケースでも、必要な著作権管理を正確に実現することができるという効果が得られる。
更に、著作権情報が1つではなく、複数の著作権情報が存在するようなケースでも、それぞれの著作権情報を勘案した上で、的確な著作権管理が可能である。このことは、これら複数の著作権情報の一部が改竄されたようなケースでも、著作権情報に基づく出力制御を最大限維持することを可能にする。また、著作権情報に限らず、ストリームに対応した他の属性情報等によっても、或いは他の属性情報と著作権情報との両者に応じて、最も的確に出力管理を行うことが可能になる。
次に、著作権テーブルを作成する手順の例について詳述する。
(著作権テーブルの作成例1)
図7は、ストリームファイル21と共に記録媒体122に記録される管理情報ファイル20のデータ構造を示す説明図である。管理情報ファイル20は、著作権情報領域、番組構成情報領域、及びストリーム位置情報領域を含んでいる。著作権情報領域には、情報数I分のCCIが記録されている。著作権情報領域には更に、ストリームファイル21に格納されたストリームを構成するTSパケットのうち、各CCIが最初に有効となるTSパケットの記録媒体122上のアドレスが、パケットアドレスとしてCCI毎に記録されている。TSパケットのアドレスは、例えば、TSパケットの最初の記録単位(例えば1バイト)が記録されるアドレス、すなわちTSパケットの先頭アドレスで表現される。なお、著作権情報領域は、規格によって情報数の最大数が定まっている場合もある。
番組構成情報領域には、PMTに関する情報が記録されている。すなわち、番組構成情報領域には、内容が異なるPMTのストリーム全体における総数である番組構成情報数(J)が記録されるとともに、j=0〜J−1である各変数jについて、開始アドレス、PMT−PID、及びES数(K)が記録されている。ここで、開始アドレスは、j番目のPMTが最初に有効となるTSパケットのアドレスである。PMT−PIDは、j番目のPMTを運ぶTSパケットを識別するPIDである。PMT−PIDは、変数j毎に異なる値とすることも可能であるが、変数jに依存しない値に設定することも可能である。ES数は、j番目のPMTで記述される番組(program)に含まれるES(エレメンタリ・ストリーム)の数である。
図8にES数の一例を示す。図8の例では、番組がマルチビューを提供するものとなっている。この例では、変数j=0に対応するPMTが有効であるストリーム区間(「変数j=0に対応する区間」と表現する)において、番組が3つのビデオストリームV1〜V3を含んでおり、変数j=1に対応する区間では、番組が2つのビデオストリームV1、V2を含んでいる。図8の例では、変数j=0に対応する区間ではK=3であり、変数j=1に対応する区間ではK=2である。
図7に戻って、番組構成情報領域には更に、k=0〜K−1である各変数kについて、ESタイプ及びES−PIDが記録されている。変数k=0〜K−1のループは、変数j=0〜J−1のループの中に入れ子として形成されている。ESタイプは、変数kに対応するESの種別、例えばビデオ、オーディオ、等の種別を表すものである。図8の例では、変数j=0に対応する区間では、変数k=0〜2に対応するESタイプは何れもビデオストリームである。再び図7に戻って、ES−PIDは、変数kに対応するESを運ぶTSパケットを識別するPIDである。
ストリーム位置情報領域には、TSパケットの時間とストリーム上の位置との対応関係を規定する情報が記録されている。すなわち、ストリーム位置情報領域には、時間情報を有するストリームの数であるマップ数(L)が記録されるとともに、l(Lの小文字)=0〜L−1である各変数lについて、ES−PID及びマップサイズ(M)が記録されている。ここで、ES−PIDは、変数lに対応するESを運ぶTSパケットを識別するPIDである。時間情報を有するストリームは、通常においてビデオストリームである。図8の例では、変数j=0に対応する区間におけるビデオビューV1〜V3が変数l=0〜2に対応し、変数j=1に対応する区間におけるビデオビューV1、V2が変数l=4、5に対応する。図7に戻って、マップサイズ(M)は、各変数lに対応するESについて、各変数jに対応する区間に属するGOP(Group Of Picture)の個数である。
ストリーム位置情報領域には更に、m=0〜M−1である各変数mについて、PTS(Presentation Time Stamp)及びアドレスが記録されている。変数m=0〜M−1のループは、変数l=0〜L−1のループの中に入れ子として形成されている。PTSはTSパケットのペイロードに載せられるPESのヘッダ、すなわちPESヘッダに付されており、デコーダがESを提示(presentation)すべき時間、即ち提示時間を指定するものであり、変数mに対応するGOPの提示時間を代表している。アドレスは、PTSが示すGOPの記録媒体122上のアドレスであり、例えばGOPの先頭のアドレスである。このアドレスは、GOPのアドレスを代表している。
図9は、管理情報ファイル20と共に記録媒体122に記録されるストリームファイル21のデータ構造を示す説明図である。図9は、特に、変数j=0及び1の区間に属するGOPの構造を例示している。変数j=0、1の各々に対応する区間の先頭アドレスが、開始アドレスである。図9では、変数j=0に対応する区間に属するM個のGOPのうち、先頭からx番目のGOPの構造を代表して示している。変数xは、0〜M−1の範囲の何れかの変数mに一致するものである。先頭からx番目のGOPを、GOP[x]で表現する。図9では、GOP[x]は一次蓄積用メモリ124に読み出されているものとしている。
また、図9の例では、x番目のGOPのアドレスAdd[x]は、x番目のGOPの先頭に位置するTSパケットの先頭アドレスで与えられている。x番目のGOPには、PMTを運ぶTSパケットが1ないし複数個含まれる。1個のGOPの提示に要する時間は、代表例として0.5秒であり、PMTを運ぶTSパケットは、例えば0.1秒間隔でストリームに含まれる。この場合には、1個のGOPの中に、PMTを運ぶTSパケットが5個含まれることになる。
図10は、著作権テーブルを作成する手順を示すフローチャートである。この手順を実現するためには、図1とは異なり、時間特定部163は管理情報制御部116の一部によって構成される。読出制御部114は、再生モード制御部112の制御に基づいて、記録媒体122に記録されているストリームファイル21からストリームを読み出す。そのためには先ず、管理情報制御部116は、管理情報メモリ140に読み出されている管理情報ファイル20を参照することにより、一時蓄積メモリ124へ読み出すべきストリームが属する区間のPMT−PID、及び一時蓄積メモリ124へ読み出すべきESのES−PIDを取得する(S101)。変数kで特定されるESタイプ、例えばマルチビューV1〜V3の何れを選択するかは、ユーザの指示により定まる。
次に、管理情報制御部116は、取得したES−PIDに基づいて、管理情報ファイル20内のストリーム位置情報に記録されているES−PIDを探し当て、当該ES−PIDに対応するESのうち、読み出すべきGOPに対応するPTSとアドレスとを取得する(S102)。より具体的には、管理情報制御部116は、転送制御部118を通じてデコーダ128から通知されるデコードすべきTSパケットの提示時間を超えず、且つ当該提示時間に最も近いPTSが記述されている第m番目のループを探し当て、探し当てたループ内のPTSとこれに対応するアドレスとを取得する。
次に、読出制御部114は、管理情報制御部が取得したアドレスを、例えば再生モード制御部112を通じて取得する。そして、読出制御部114は、ストリームファイル21に格納されているストリームのうち、取得したアドレス以降に記録されているGOPを読み出し、一時蓄積メモリ124へ格納する(S103)。続いて、著作権情報取得部151は、一時蓄積メモリ124へ読み出されたGOPから、管理情報制御部116が先に取得したPIDが付されたPMTを検索する。PMTが複数個存在する場合には、著作権情報取得部151は、例えば先頭のPMTを検索する。著作権情報取得部151は、更に、探し当てたPMTの記述子(ディスクリプタ)を検索し、当該記述子に記録されている著作権情報、例えばCCIを取得する(S104)。
次に、著作権情報管理部152は、管理情報制御部116が取得したPTSと著作権情報取得部151が取得したCCIとを対応付けて記録する著作権テーブルを作成し、一時的に保持する(S105)。図11は、著作権情報管理部152が作成する著作権テーブルの構成を例示する説明図である。図11に例示する著作権テーブルでは、各GOPのPTSが表す時刻に対応付けてCCIが記述されている。著作権テーブルに記録されている情報は、出力制御部130が必要とする範囲内の内容であれば足りる。従って、著作権テーブルには、新たなGOPの読み出しがある毎に新たなPTSとこれに対応するCCIとが記録されるが、出力制御部130が必要としなくなったGOPに対応する情報は消去されても支障がない。
(著作権テーブルの作成例2)
上記の例では、著作権テーブルにはGOP単位での時刻と著作権情報とが、互いに対応付けられて記録された。これに対して、GOP単位よりも短い間隔で時刻と著作権情報との対応関係を記録した著作権テーブルを作成することも可能である。図12〜図14はそのような処理手順の一例を示すフローチャートであり、著作権テーブルを作成保持するステップS105(図9)について、作成例1の手順とは別の処理手順を示すものである。図12〜図14の手順を実現するためには、時間特定部163は、図1どおりに著作権情報取得部151の一部によって構成される。
図12の例では、ステップS105の処理が開始されると、著作権情報取得部151は、一時蓄積メモリ124に格納されているGOPから、EXヘッダに付されているタイムスタンプ(TMS)を取得する(S111)。図9に示すように、TMSは、GOPを構成する各TSパケットのEXヘッダに付されているため、単一のGOPから複数のTMSが取得される。
次に、著作権情報取得部151は、取得されたTMSをPTSと同じ単位の時刻に換算する(S112)。一つのGOPに含まれる複数のTMSのうち、先頭のものをTMS[0]とし、第n番目のものをTMS[n]とすると、換算によって得られるTMS[n]に対応する時刻t[n]は、次の式1で与えられる。
t[n]=PTS[x]+単位変換(TMS[n]−TMS[0])・・・・(式1)
よって、時刻t[n]を、提示時刻の近似値として使用することができる。
ここで、単位変換とは、PTSが代表的な90kHz単位で計数され、TMSが例えば27MHzで計数される場合に、27MHz単位の時間を90kHz単位の時間に変換する演算を意味する。TMSは、33ビットで表現されるので、27MHz単位で計数される場合には、数分でオーバフローする。TMSはオーバフローすると初期値に戻り、その後再びオーバフローに至るまでインクリメントされる。式1の演算では、TMS[0]がオーバフローする前の値であり、TMS[n]がオーバフロー後の値である場合には、オーバフローに対する補正が加えられる。オーバフローに対する補正演算の手順それ自体は、従来周知であるので詳述を略する。
次に、著作権情報管理部152は、著作権情報取得部151が算出した時刻t[n]とステップS104で著作権情報取得部151が取得したCCIとを対応付けて記録する著作権テーブルを作成し、一時的に保持する(S113)。ステップS111〜S113の各々の処理を、複数のTMS[n]について一括して行っても良く、ステップS111〜S113のループを一巡する毎に、一つのTMS[n]に対する処理を行っても良い。
図15は、ステップS113により著作権情報管理部152が作成する著作権テーブルの構成を例示する説明図である。図15に例示する著作権テーブルでは、各時刻[n]に対応付けてCCIが記述されている。
ステップS111において著作権情報取得部151は、EXヘッダを有する全てのTSパケットからTMSを取得しても良いが、一部を選択して取得しても良い。例えば、著作権情報取得部151は、PMTを運ぶTSパケットのみからTMSを取得しても良い。
図13の例では、ステップS105の処理が開始されると、著作権情報取得部151は、ステップS104で探し当てたPMTに記述されているPCR−PIDを取得する(S121)。次に、著作権情報取得部151は、一時蓄積メモリ124に格納されているGOPから、TSヘッダにPCR−PIDを有するTSパケットを探索し、探し当てたTSパケットからPCRを取得する(S122)。図9には、PCRを有するTSパケットは、単一のGOPの中に一つしか描かれていないが、一般には複数個を含めることができる。例えば、PCRを有するTSパケットが、0.1秒周期でストリームに含まれており、GOPの周期が代表的な0.5秒であるとすれば、単一のGOPから5個のPCRが取得されることとなる。
次に、著作権情報取得部151は、取得されたPCRをPTSと同じ単位の時刻に換算する(S123)。一つのGOPに含まれる複数のPCRのうち、先頭のものをPCR[0]とし、第n番目のものをPCR[n]とすると、換算によって得られるPCR[n]に対応する時刻t[n]は、次の式2で与えられる。
t[n]=PTS[x]+単位変換(PCR[n]−PCR[0])・・・・(式2)
よって、時刻t[n]を、提示時刻の近似値として使用することができる。
ここで、単位変換とは、式1における単位変換と同様の演算を意味する。PCRは、代表的には27MHzで計数される。
次に、著作権情報管理部152は、著作権情報取得部151が算出した時刻t[n]とステップS104で著作権情報取得部151が取得したCCIとを対応付けて記録する著作権テーブルを作成し、一時的に保持する(S124)。ステップS121〜S124の各々の処理を、複数のPCR[n]について一括して行っても良く、ステップS121〜S124のループを一巡する毎に、一つのPCR[n]に対する処理を行っても良い。ステップS124により著作権情報管理部152が作成する著作権テーブルの構成は、図15によって例示することができる。
図14の例では、ステップS105の処理が開始されると、著作権情報取得部151は、一時蓄積メモリ124に格納されているGOPの先頭アドレスを取得する(S131)。ここで先頭アドレスは、一時蓄積メモリ124のアドレスである。次に、著作権情報取得部151は、ステップS104で探し当てたPMTを運ぶTSパケットのアドレスを取得する(S132)。取得すべきTSパケットのアドレスは、例えば、当該TSパケットの先頭アドレスである。既に述べたように、PMTを運ぶTSパケットは、一般には単一のGOPの中に複数個含まれる。
次に、著作権情報取得部151は、取得されたアドレスをPTSと同じ単位の時刻に換算する(S133)。GOPの先頭アドレスをADD[0]とし、取得された第n番目のアドレスをADD[n]とすると、換算によって得られるADD[n]に対応する時刻t[n]は、次の式3で与えられる。
t[n]=PTS[x]+単位変換(ADD[n]−ADD[0])・・・・(式3)
よって、時刻t[n]を、提示時刻の近似値として使用することができる。
ここで、単位変換とは、アドレスの間隔を時間間隔に変換する演算であり、例えば、GOPを0.5秒とした場合には、単位変換の引数をGOPのサイズで割った値に0.5秒を掛け、PTSの単位に合わせることを意味する。
次に、著作権情報管理部152は、著作権情報取得部151が算出した時刻t[n]とステップS104で著作権情報取得部151が取得したCCIとを対応付けて記録する著作権テーブルを作成し、一時的に保持する(S134)。ステップS131〜S134の各々の処理を、複数のADD[n]について一括して行っても良く、ステップS131〜S134のループを一巡する毎に、一つのADD[n]に対する処理を行っても良い。ステップS134により著作権情報管理部152が作成する著作権テーブルの構成は、図15によって例示することができる。
図10〜図15には、記録媒体122から一時蓄積用メモリ124への読出しがMPEGに規定されるGOP単位で行われる例を示した。これに対して、ストリームの構造がMPEG規格に限らない一般の場合には、提示用データを再構成することが可能な最小データ単位で読出しが行われるとよい。MPEG規格に規定のGOPは、最小データ単位の一例に該当する。また、GOPのデコードの為に、他のGOPのピクチャデータを必要とするオープン型のGOPは、それらの幾つかが集まることにより最小データ単位を構成することになる。
(その他の実施の形態)
(1)上記実施の形態では、再生装置100の特殊再生モードにおける動作例として、逆再生モードにおける動作について説明した。そして、ストリーム解析部126は、一次蓄積用メモリ124へ読み出されたストリームから提示用データと属性情報とを分離し、提示用データをデコーダ128へ送る機能を果たした。一方、属性情報は、著作権情報取得部151によってストリームから抽出された。
これに対して、通常再生モードにおいては、著作権テーブルを作成する必要がないので、ストリーム解析部126が、従来の再生装置900のストリーム解析部926と同様に、ストリームから分離した属性情報を解析の対象としてもよい。この場合には、著作権情報取得部151は、属性情報を抽出する必要がない。或いは、通常再生モードにおいても、ストリーム解析部126に代えて、著作権情報取得部151が属性情報を抽出しても良い。この場合には、ストリーム解析部126は、ストリームから提示用データと属性情報とを分離する機能のみを果たすものとなる。
(2)上記実施の形態では、ストリームから抽出すべき著作権情報等の属性情報として、ISO/IEC13818−1規格に基づくPMTに記述された情報、及びEXヘッダに記述された情報を例示した。これに対して、PMTに限らず、ISO/IEC13818−1規格に基づくPSI(Program Specific Information;番組特定情報)一般に記述された属性情報を抽出の対象としても良い。ストリームから抽出すべき属性情報として、更に、ARIB(Association of Radio Industries and Businesses;日本国の社団法人電波産業会)が定めるパレンタル情報、ジャンル情報及びテキスト情報等を含めることができる。パレンタル情報は、年齢等により再生を制限するためにキーワード入力を促すための情報である。ジャンル情報は、提示用データのジャンル(ニュース、ドラマ等)を示すための情報である。テキスト情報は、提示用データのタイトル等を示す情報である。ストリームから抽出すべき属性情報として、ATSC(Advanced Television Systems Committee;ARIBに対応する米国の団体)或いはDVB(Digital Video Broadcasting;ARIBに対応する欧州の団体)が定める著作権情報等の属性情報を採用することも可能である。