JP4430771B2 - トレーサ粒子供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスバーナ等の流体の速度を計測したり、また流体を可視化することにより、流体の流動分布を計測するために用いられるトレーサ粒子を均一かつ定常的に供給するためのトレーサ粒子供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガスバーナ等の特性を調べるため、またはガスバーナ等の故障を診断するために、レーザードップラー流速計や写真撮影により行なう流体の計測には、トレーサ粒子を使用するのが一般的である。即ち、計測しようとするガスや液化ガス等の流体の中に、多数のトレーサ粒子からなる粉体を供給することによって、前記トレーサ粒子の流動速度から流体の速度を計測したり、また流体と一緒に流動するトレーサ粒子を写真撮影して流体を可視化することにより、流体の流動分布を計測している。このトレーサ粒子を供給する装置として、一般に図6に示すように、攪拌機101、吸入管102及び放出管103をゴム栓105によって取り付けられた三角フラスコ104内にトレーサ粒子106を充填した装置100を用いていた。攪拌機101はプロペラ状の形状をしており、モータ109に接続されている。そして、トレーサ粒子106内に位置するように高さを調整されて、モーター109を回転させることでトレーサ粒子106を攪拌する構造となっている。一方、吸入管102の一方側は流量調節バルブ107を介してガスボンベ108に接続されており、他方側は三角フラスコ104内に充填されたトレーサ粒子106内に位置する攪拌機101の上部近傍にまで延設されている。また、放出管103の一方側はゴム栓105近傍に開口されている。そして、他方側は可視化する流れ場内に開口されている。攪拌機101によってトレーサ粒子106を攪拌することで、攪拌機101近傍のトレーサ粒子106の堆積状態を略均一にすることができ、更に、ガスボンベ108からガスを供給することによって、略均一に堆積しているトレーサ粒子106が三角フラスコ104内においてガスとともに吹き上げられる。そして、放出管103を通してガスとともにトレーサ粒子106が流れ場内に供給されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
流体の流動速度や流動分布の計測は、流体中に供給されるトレーサ粒子によって間接的に計測されることとなるため、流体中にトレーサ粒子が均一かつ定常的に供給される必要がある。つまり、流体の流れが均一である時に、トレーサ粒子の供給が均一かつ定常的であることによって、トレーサ粒子の流動速度や流動分布の計測結果が均一なものとなる。しかし、この装置を用いた場合には、三角フラスコ内のトレーサ粒子の堆積状態やトレーサ粒子の量によっては、トレーサ粒子の供給が均一かつ定常的に為されない場合が生じてしまうのである。そこで、本発明者らは先の出願で、軸線方向にガス流路を形成する中空外筒と、中空外筒の一方側に接続されてガスを流入させる、中空外筒よりも小径の吸入管と、吸入管と対向する形態で中空外筒の他方側に接続されて中空外筒内部に貯えられるトレーサ粒子とともにガスを放出させる、中空外筒よりも小径の放出管と、中空外筒の内部に保持される、吸入管及び放出管よりも大径の中空孔を有する内筒と、からなるトレーサ粒子供給装置を提案した。しかし、トレーサ粒子供給装置内にトレーサを補充するに際し、ボルトとナットで固定されたロート状の部分を外さなければならないため、作業性に難点があった。また、トレーサ粒子を供給するに際し、その脈動を抑える乱流生成格子部材となるメッシュを固定している内筒の取り外しが困難で位置決めが難しい等、依然としてメンテナンス性に弱点があることが分かった。
【0004】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、脈動を生じることなく長時間に渡って均一かつ定常的なトレーサ粒子供給装置内にトレーサ粒子を補充するに際し、メンテナンス性の向上を図ったトレーサ粒子供給装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、軸線方向にガス流路を形成する中空外筒内部に貯えられるトレーサ粒子とともにガスを放出させるトレーサ粒子供給装置であって、中空外筒は、少なくとも一端にフランジを有する中空状の本体部材と、ロート形状をした広口側端にこのフランジに対向させて配置されたフランジを有するロート状部材と、本体部材のフランジとロート状部材のフランジとを両側から挟持するクランプとからなることを特徴とする。
【0006】
中空外筒内部にはトレーサ粒子が貯えられており、中空外筒の一方側に設けられた吸入管を通じて鉛直下側からガスが送り込まれてくると、このガス流によって中空外筒内に保持された内筒内でトレーサ粒子が吹き上げられることになる。中空外筒の他方側に設けられた放出管は鉛直上側からトレーサノズルと対向する形態で設けられているため、ガス流の方向を転換されることなく吹き上げられたトレーサ粒子の一部は放出管を通じて外部に放出され、流れ場内に供給されることになる。また、放出管から外部に放出されなかったトレーサ粒子は、放出管近傍においてガス流の方向が転換されて内筒と放出管の間を通り、さらに、中空外筒と内筒との間に設けられた間隙を通って中空外筒の管壁近傍を落下する。このため、トレーサノズル近傍の中空外筒と内筒との間にトレーサ粒子が堆積することになる。
【0007】
このようなトレーサ粒子の動きに伴って、放出管からトレーサ粒子が流れ場内に放出されていくため、トレーサ粒子供給装置内に蓄えられたトレーサ粒子は徐々に減少していくことになる。従って、ある程度減少したところでトレーサ粒子をトレーサ粒子供給装置内に補充する必要がある。この時、トレーサ粒子を補充するためには中空外筒を分解する必要があるのであるが、本発明のような構成にすることによって分解しやすく、トレーサ粒子の補充が非常に容易になる。
【0008】
なお、これらのフランジのいずれか一方は外径側が内径側よりも肉薄に形成されているとよい。このようにフランジを形成することによって、本体部材とロート状部材の端部に設けられたフランジを両側から挟持するクランプの脱着が容易になる。また、両者の寸法を適切に設定することによって、クランプを装着した際にフランジを両側から挟持する力が強固になるため、中空外筒内部の気密性を高めることができる。従って、トレーサ粒子を流れ場内に供給するために中空外筒の内部に供給するガスの圧力を高くしていっても、中空外筒を構成する本体部材とロート状部材との隙間からガスを漏れ難くすることができる。
【0009】
一方、このクランプは、これらのフランジを全周にわたって挟持するものであることが好ましい。これによってトレーサ粒子供給装置内部の気密性をより高めることができる。更にこのクランプを円周方向に分割して、その各々を蝶番等によって接続する形式のものを用いるとよい。これによって、いずれか一箇所の蝶番の脱着を行えば、フランジの脱着を容易に行うことができるため、内部へのトレーサ粒子の供給等のメンテナンス性がより向上する。
【0010】
また、軸線方向にガス流路を形成し、内部に内筒が保持された中空外筒内部に貯えられるトレーサ粒子とともにガスを放出させるトレーサ粒子供給装置は、この内筒の外側面に設けられた内筒係止部材が、中空外筒の内壁面に設けられた外筒係止部材に当接されて位置決めされるようにすると良い。内部に内筒が存在する中空外筒内部にトレーサ粒子を補充する際には、この内筒を取り外す必要がある場合がある。そのような場合に内筒が中空外筒内に完全に固定されていると、取り外しが容易でない。そこで、内筒の外側面に内筒係止部材を設けそれに当接するように外筒側にも外筒係止部材を設けることで、内筒の取り外しが容易になる。この内筒係止部材若しくは外筒係止部材は、全周に設ける必要はなく、一部を切り欠く様に設けるようにしても良い。このようにすることによって、外筒と内筒との間にトレーサ粒子を通過しやすくすることができる。なお、いずれか一方は全周に設けるようにした方がよい。いずれも一部を切り欠く様に設けた場合には、位置合わせを行わないと両者の係止部材に係止されることなく内筒が落下してしまうことがある。しかし、このようにすれば、内筒の方向を気にすることなく装着することができる。一部を切り欠く様に設ける側は内筒側にした方がよい。内筒は手で取り外すことになるため、できうる限り軽量に作製するためである。また、一部を切り欠く様に設けた側の係止部材における径方向の幅を全周に設けた係止部材における径方向の幅よりも長くすると良い。このようにすることによって、中空外筒と内筒との間隙を更に大きくすることができるため、トレーサ粒子の通過をより容易にすることができる。なお、内筒係止部材はピン状にして均等に配置することが望ましい。
【0011】
また、この内筒には内筒係止部材から隔離した位置に傾き防止突出部材を設けると良い。上述した係止部材のみを設けた場合には、トレーサ粒子が内筒係止部材と外筒係止部材との間に入ってしまった場合に、内筒が傾いた状態で中空外筒内に装着されるおそれがある。傾いて装着されると、中空外筒内部でのトレーサ粒子の循環が円滑に行われない場合があるため、流れ場内に供給されるトレーサ粒子の濃度にむらができることがある。上述したような傾き防止突出部材を設けることによって、傾いて装着されることを防止することができる。このような傾き防止突出部材は、中空外筒側に設けても良いが、内筒側に設けることが望ましい。中空外筒側に設けると前述した内筒係止部材を中空外筒内に挿入するときに障害になる可能性があるからである。また、傾き防止突出部材は全周に設けても良いが一部を切り欠く様に設けることが望ましく、更に望ましくはピン状に均等に配設すると良い。
【0012】
また、内部に内筒が保持された中空外筒の内部に貯えられるトレーサ粒子とともにガスを放出させるトレーサ粒子供給装置は、内筒は、互いに離間した位置に少なくとも2箇所の内径側に膨出する膨出部材と、この2箇所の膨出部材間に配置された伸縮可能な押圧部材と、押圧部材によって膨出部材間に位置決めされた乱流生成格子部材とからなるようにすると良い。
【0013】
トレーサ粒子の濃度変化を抑える乱流生成格子部材を内筒内に設けるに際し、位置決めを行うためにコイルスプリング等のように伸縮可能な押圧部材とによって挟むことで、各種の厚みを持つ乱流生成格子部材に対応することができる。即ち、乱流生成格子部材は、中空外筒内部に入れるトレーサ粒子の性状によってその格子間隔を変える必要がある。この格子間隔を変えると、その格子を作るための線材の太さが変わるため乱流生成格子部材の厚みが変わることが多い。一方、中空外筒の長さが一定であれば、この乱流生成格子部材を保持するための内筒の長さを自由に変更することは困難である。このため、伸縮可能な押圧部材が存在しない場合には、この乱流生成格子部材の厚みに合わせて内筒内で乱流生成格子部材を位置決めするための、各種の長さの内々筒を用意しておく必要がある。しかし、このように各種の長さの内々筒を揃えることは無駄が多く、また、両者の設計誤差も考えると、実質的に完全に位置決めすることは困難である。そこで、内筒に設けた膨出部材に押さえるように伸縮可能な押圧部材を設けることで、このような問題を解決することができる。なお、押圧部材と内々筒とを両方用いるようにしても良い。押圧部材のみであると、押圧部材の自由長を内筒の長さよりも長くする必要がある。このため、内筒を組み立てるに際し、乱流生成格子部材が内筒から突出した形になるため、この乱流生成格子部材を内筒内部に位置決めすることが困難な場合がある。内々筒を用いることによって、押圧部材の自由長を内筒の長さよりも短くすることができる。従って、この乱流生成格子部材を内筒内部に位置させた状態で内筒を組み立てることができ、組立が容易になる。
【0014】
この内筒の少なくとも一方の膨出部材が着脱可能な蓋部材にしておくと、内部に設けた内々筒、乱流生成格子部材や押圧部材を取り外しやすいため、乱流生成格子部材の交換を容易に行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るトレーサ粒子供給装置について、具体化した実施の形態の一例を挙げ、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係るトレーサ粒子供給装置1の接続状態を示す全体図を示し、図2はその断面図を示す。
中空外筒2は本体部材21を挟んで放出管側ロート状部材22及び吸入管側ロート状部材23を両側から固定することによって構成されている。また、本体部材21は両端部が解放したチューブ状の形状をしており、その両端にはフランジ211、212が外周側に形成されているとともに、内周側にはOリングを装着するためのOリング溝213、214が形成されている。また、放出管側ロート状部材22は三角錐状に形成されており、その開口側の端部には本体部材21に形成されたフランジ211の外径と略同一になるようにフランジ221が形成されている。なお、本体部材21に形成されたフランジ211及び放出管側ロート状部材22に形成されたフランジ221を合わせた際に、頂角が40゜になるようにテーパが付けられている。そして、本体部材21側のOリング溝213にOリングを装着して、フランジ211及びフランジ221を合わせて20゜型クランプ251によって両側から挟むことで本体部材21及び放出管側ロート状部材22が締結されている。この20゜型クランプ251は、図3に示すように、半円状のクランプ本体2512、2512の片側を蝶番2513によって回転可能に留められており、もう一方は蝶ネジ2511によって閉じられている。クランプ本体2512は、内面が頂角約40゜に形成されているため、上述のフランジ211及びフランジ221を合せた頂角と略同一の角度となっている。図2に戻って、Oリング溝213にOリングを装着してフランジ211及びフランジ221を合せると、これらのフランジ211及びフランジ221はやや離れた状態になっている。この状態で20゜型クランプ251によって、両フランジ211、221を挟み、蝶ネジ2511を締付ける。そうすると、フランジ211及びフランジ221の距離が接近し、Oリングが押しつぶされて、この部分の気密性が保たれる。
【0016】
また、吸入管側ロート状部材23も同様に三角錐状に形成されており、その開口側の端部には本体部材21に形成されたフランジ212と外径が略同一になるようにフランジ232が形成されている。また、頂角が40゜になるようにフランジ212、232にはテーパが付けられている。そして、本体部材21側のOリング溝214にOリングを装着して、フランジ212及びフランジ232を合わせて、20゜型クランプ252によって本体部材21及び吸入管側ロート状部材23が締結されている。
【0017】
なお、本体部材21は全長約300mm、フランジ211、212を除く外径は約102mm、内径は約90mmに形成されており、フランジ211、212は外径約120mmである。また、全体が板厚約6mmの透明アクリル板により形成されているため、内部に吸入されるガス圧に対して十分な強度を持っているとともに内部の状態が観察できるようになっている。
【0018】
一方、吸入管側ロート状部材23の頂部233には、トレーサノズル5がその外形部に形成された呼びがM30のネジによって螺合されている。このトレーサノズル5は、二重管構造になっており、外径約16mm、内径約6mmに形成されている。そして、その外管部51と内管部52とは、他端に設けられた3/8Bのホースエンドによってガス管55に接続され、各々独立したガス経路を形成している。従って、外管部51と内管部52のガス流量を独立に調整することができる。また、トレーサノズル5は、吸入管側ロート状部材23の内部に先端側を約49mm挿入されており、内管部52の先端には主孔521が設けられているとともに、外管部51の外周面511には複数の補孔512、513が開けられている。これらの補孔512,513は、トレーサノズル5の先端側4列513と基部側4列512とから構成されており、先端側4列の補孔513の占める面積は基部側4列の補孔512の占める面積よりも大きくなっている。なお、先端側4列の補孔513は、孔径がφ1.5mmで、周方向に4個を千鳥状に配列している。また、基部側4列の補孔512は、孔径がφ1mmで、周方向に6個を千鳥状に配列している。また、各列の形成ピッチは4mmに構成してある。
【0019】
図1に示すように、外管部51及び内管部52は各々別系統のガス流路を形成しており、各ガス流路の中途に流量調整バルブ81、82を介して、ガスボンベ9に接続されている。また、ガスの流速は各流量調整バルブ81、82によって調整される。ここで、本実施の形態では、流量調整バルブを2つ用いているが、1つの流量調整バルブにより兼用させてもよい。
使用されるガスは一般にアルゴン等の不活性ガスを用いるが、空気を用いても良い。また、吸入管側ロート状部材23の頂部233から開口側の端部までの高さは約100mmであるため、頂角は約48.5゜である。吸入管側ロート状部材23は、本体部材21と同じく透明アクリル板によって形成されているため、内部の状態を観測できるようになっている。
【0020】
一方、放出管側ロート状部材22の頂部223から、外径約16mm、内径約8mmに形成された放出管6の一方の端部が後述する内筒3の放出管6側の端部から内部に達するまで差し込まれ、呼びM30のネジ栓11と頂部223との間に挟まれたOリング601によって頂部223に保持されている。このように保持されているため、内筒3内にまで差し込まれた放出管6の先端を移動させて内筒3外に出すことも、内筒3内にさらに深く差し込むことも可能である。そして、他方の端部は流速の計測や流動分布の計測が必要なガスバーナ等に可燃ガスを供給するガス管に接続されている。
【0021】
なお、放出管側ロート状部材22の頂部223から開口側の端部までの高さは約100mmであり、本体部材21と同じく透明アクリル板によって形成されているため、内部の状態を観測できるようになっている。なお、本実施形態では、放出管6を内筒3の放出管6側の端部から内部に達するまで差し込んでネジ栓11と頂部223との間に挟まれたOリング601によって頂部223に保持したが、あらかじめ内筒3の放出管6側の端部から内部に達するまでの長さのストレート管が接続されたネジ栓等を用いても良い。
【0022】
このように、本体部材21を挟んで放出管6を頂部223に接続した放出管側ロート状部材22及びトレーサノズル5を頂部233に接続した吸入管側ロート状部材23を両側から固定することによって放出管6とトレーサノズル5とは対向する形態で設けられている。
【0023】
次に、内筒3は、両端が解放した板厚約5mmで外径約70mm、内径約60mmのチューブ状の形状をしている。そして、この内筒3の外表面側に設けられた係止ピン31が、本体部材21内に設けられた外筒係止部材231に引っかかる様に載置されて位置決めされている。なお、係止ピン31はトレーサノズル側端面35から約30mmの位置に90゜間隔で4本設けられている。そして、係止ピン31は、壁面から約8mm突出させてある。また、本体部材21には、この係止ピン31を係止できるように外筒係止部材231がトレーサノズル側端面24より約40mmの位置に内径約80mmになるように内径側に膨出させて設けられている。
【0024】
一方、内筒3の放出管側端面36から約100mmの位置にも、90゜間隔で4本の傾斜抑制ピン32が設けられている。このピン32は内筒3の傾きを抑えるために設けられている。傾斜抑制ピン32は、壁面から約9mm突出させてあるため、本体部材21とのクリアランスは、径で約2mm程度になっている。
【0025】
次に、図4に基づいて、内筒3内部にコイルスプリング38、内々筒37及びメッシュ4の装着方法を説明する。この図4(a)に示すように、この内筒3には、トレーサノズル側端面35を内径約50mmに縮径された縮径部351が膨出している。内筒3の内部に、図面上側からコイルスプリング38、内々筒37、メッシュ4、内々筒37、メッシュ4、内々筒37の順に挿入する。この時一番上部の内々筒37は、内筒3の上端面よりもやや突出した状態になっている。また、内筒3の上部外側面には接続金具362が90゜間隔で4個所設けられており、後述する内筒フランジ361の外側面に設けられたピン363に引っかけて留めることができるようになっている。次に、内筒フランジ361を被せて、下に押し付けながら図4(b)に示すように、接続金具362をピン363に引っかける。なお、内々筒37の長さは約50mm、内径約50mmであり、内筒フランジ361の外径は内筒3の外径と略同一で、内径は内々筒37の内径と略同一に形成されている。また、メッシュ4は、空間率56.0%の目開き寸法2380μm(JIS Z 8801)のものを使用している。
【0026】
図2に戻って、トレーサノズル5の内管部52に設けられた主孔521から送り込まれてきたガスの流れは、メッシュ4により微小な渦に分解される。一方、トレーサ粒子は、流動性があまり良くないため、メッシュ4を通ったトレーサ粒子であっても小さな凝集塊を生ずることがある。ガス流にのって運ばれてきたトレーサ粒子の凝集塊が、このメッシュ4の分解作用によって、互いにぶつかり合ったり、内々筒37の内壁にぶつかったりすることにより、凝集塊が崩れてより小さな凝集塊になりやすく、また、トレーサ粒子の管壁への凝集を防止することができる。更に、内筒3内のガス流を層流から乱流に転移することから、内筒3内の半径方向の速度勾配が小さくなって、管中央部に存在するトレーサ粒子は断面内で一様に分布するようになる。その結果、管内のトレーサ粒子の流速に偏りが生じたり、濃淡を生じ難くなる。なお、メッシュ4は、目開き寸法の細かいものの方がトレーサ粒子の凝集塊を供給してしまうことを防止する点で望ましい。しかし、あまり細かいものを用いると目詰まりを起こしてしまう可能性が高くなり、また、管内の圧力損失も大きくなるため、内部に入れるトレーサ粉末の流度や含水率等によって適宜交換するとよい。なお、上述したように、メッシュ4はコイルスプリング38の押圧力によって保持されているため、メッシュ4の厚みにばらつきがあっても内筒3内に容易に保持できる。さらに、内筒3の放出管側には内径約50mmの内筒フランジ361が設けられており、前述したスプリング38よって押さえられている内々筒37を保持している。また、図4に示すように、内筒3には90゜間隔で4箇所設けられた略J字状の接続金具362が設けられており、この接続金具362が内筒フランジ361に設けられたピン363に引っかけられている。この接続金具362を外すことによって、内々筒37及びメッシュ4が簡単に脱着することができるようになっている。
【0027】
次に、本装置の使用方法について図5に基づいて説明する。
トレーサ粒子供給装置1は、トレーサノズル5側を下にして、また、放出管6側を上にして本体部材21の中間部近傍を図示しない保持具等で挟み、図示しない支柱に固定する。そして、トレーサノズル5の内管部52及び外管部51の他端に設けられたホースエンドからガス管55に接続され、更に、流量調整バルブ81、82を介してガスボンベ9に接続する。このガスボンベ9のガスは、窒素等の不活性ガスでも良いが、計測が必要なガスバーナ等の可燃ガスの燃焼補助用として空気を用いても良い。また、放出管6の他端を、計測するガスバーナ等に可燃ガス等を供給するガス管、あるいは燃焼用空気を供給する管に接続する。
【0028】
そして、放出管側ロート状部材22に設けてあるフランジ221及び本体部材21に設けてあるフランジ211を締結している20゜型クランプ251の蝶ネジ2511を回して20゜型クランプ251を開いて取り外し、放出管側ロート状部材22を本体部材21から外す。更に内筒3も内部から取り外した上で、トレーサ粒子を本体部材21の中に入れる。なお、このときトレーサ粒子を入れすぎると、トレーサ粒子同士が凝集した凝集塊が放出管6から放出されることがあるため、入れすぎないようにすると良い。具体的には、本体部材21の約半分の高さ以下になるように入れる。なお、使用するトレーサ粒子は、計測する雰囲気の比重に近いトレーサを用いればよい。ここでは、例えば、2−Al2O3で、比重3.94、平均粒径20μm程度のものを用いている。
【0029】
先ず、ガスボンベ9の元栓を開き、トレーサノズル5の内管部52に接続された流量調整バルブ81を流量約15リットル/minに調整する。これによって、トレーサノズル5を通じて吸入管側ロート状部材23の頂部233から差し込まれたトレーサノズル5の内管部52の先端に設けられた主孔521からガスがトレーサ粒子供給装置1内に吹き込まれ、トレーサ粒子を吹き上げることになる。吹き上げられた直後のトレーサ粒子は、部分的に凝集して凝集塊を作っているものもあるが、内筒3内に設けられたメッシュ4を通ることによって、凝集塊同士がぶつかり合ったり、内筒3の内壁にぶつかる等して、凝集塊は細かく砕かれ、凝集の程度が少なくなっていく。なお、内管部52から供給されてきたガスは、吸入管側ロート状部材23の頂部233近傍にあるトレーサ粒子を吹き上げることになる。この時、トレーサ粒子の種類によっては堆積したトレーサ粒子の内部をガスが通る道を作ってしまう。そして、この堆積したトレーサ粒子の上部が時々崩れて塊となって落下するとともに、再度吹き上げられて放出管6から外部に放出されていくことになりやすい。そこで、トレーサノズル5の外管部51に接続された流量調整バルブ82を流量約15リットル/minに調整することによって、トレーサノズル5を通じて吸入管側ロート状部材23の頂部233から差し込まれたトレーサノズル5の外周面511に設けられた補孔512、513からガスがトレーサ粒子供給装置1内に吹き込まれる。この外側面からのガスは、内管部52からのガスによって形成されるガスの通路を崩していくことになる。そして、トレーサ粒子の堆積を妨げることによって、堆積したトレーサ粒子の上部が塊状になって落下することに起因するガスの脈動を防ぐことができる。
【0030】
メッシュ4を通ったトレーサ粒子は、その一部がトレーサノズル5から吹き込まれたガスとともに放出管6を通って外部に放出され、流れ場内に供給されることになる。また、放出管6から外部に放出されなかったトレーサ粒子は内筒3と放出管6の間を通り、更に放出管側ロート状部材22の傾斜面に当たって下方に向かう流れとなって、本体部材21と内筒3との間に設けられた間隙を通って本体部材21の管壁近傍を落下する。このため、トレーサノズル5近傍の本体部材21と内筒3との間にトレーサ粒子が堆積することになる。
【0031】
一方、トレーサノズル5を通じて送り込まれてきたガス流によって本体部材21の管壁近傍には、このガス流と反対方向の流れが発生する。トレーサノズル5側には吸入管側ロート状部材23と内筒3との間に間隙が設けられていることから、ガス流と反対方向の流れによって押し流されるとともに、吸入管側ロート状部材23は、その内面をロート状に形成されていることから、堆積したトレーサ粒子は再度トレーサノズル5近傍に集まってくる。このように、堆積しているトレーサ粒子内を流れるガス流の方向は常に一定方向となり、トレーサノズル5から吸入されてきたガス流にのって、トレーサ粒子は中空外筒2内の中央付近を上昇し、管壁近傍を下降する、即ち、循環流動することによって、堆積しているトレーサ粒子は全体に攪拌されることになる。トレーサ粒子の堆積状態は全体に略均一であるため、放出管6から流出していくガスに時間的な濃淡を生じることがない。即ち、ガスとともに流出していくトレーサ粒子にも時間的な濃淡を生じることがない。また、中空外筒2内の残留トレーサ粒子の量が減少しても、ガスとともに吹き上げられるトレーサ粒子の量は一定であるため、トレーサ粒子の濃度が減少するということもなくなる。このため、トレーサ粒子の濃度変化を起こすことなく、均一かつ定常的にトレーサ粒子を流れ場内に供給する事が可能となる。
【0032】
なお、吸入管側ロート状部材23の頂角は、約48.5゜に設定されているため、トレーサノズル5から送り込まれたガスが側壁付着現象によりロート状部材23の傾斜面に沿って拡がっていくこともなく、トレーサノズル5から送り込まれてきたガス流の傾斜面における剥離点は内筒3よりも内径側にある。従って、内筒3の内部を上昇するガス流にのってトレーサ粒子が上昇し一部が放出管6から外部に放出され、残部は本体部材21の管壁近傍を下降してくるガス流となって中空外筒2内での循環流動がスムーズに行われるようになっている。即ち、トレーサ粒子の濃度変化を起こすことなく、均一かつ定常的にトレーサ粒子を流れ場内に供給する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトレーサ供給装置の接続状態を示す図である。
【図2】本発明のトレーサ供給装置の断面図である。
【図3】本発明の要部であるクランプを示す詳細図である。
【図4】本発明の要部である内筒を示す説明図である。
【図5】本発明のトレーサ供給装置の使用方法を示す図である。
【図6】従来のトレーサ供給装置を示す図である。
【符号の説明】
1 トレーサ供給装置
2 中空外筒
3 内筒
4 メッシュ(乱流生成格子部材)
5 トレーサノズル
6 放出管
21 本体部材
22 放出管側ロート状部材
23 吸入管側ロート状部材
31 係止ピン(内筒係止部材)
32 傾斜抑制ピン(傾き防止突出部材)
37 内々筒
38 コイルスプリング(押圧部材)
51 外管部
52 内管部
211、212、221、232 フランジ
231 外筒係止部材
251、252 クランプ
351 縮径部(膨出部材)
361 内筒フランジ(蓋部材)
362 接続金具
363 ピン
511 外周面
512 基部側補孔
513 先端側補孔
521 主孔

Claims (7)

  1. 軸線方向にガス流路を形成する中空外筒内部に貯えられるトレーサ粒子とともにガスを放出させるトレーサ粒子供給装置であって、
    前記中空外筒は、少なくとも一端にフランジを有する中空状の本体部材と、ロート形状をした広口側端に前記フランジに対向させて配置されたフランジを有するロート状部材と、前記本体部材のフランジとロート状部材のフランジとを両側から挟持するクランプとからなることを特徴とするトレーサ粒子供給装置。
  2. 前記本体部材のフランジ及びロート状部材のフランジの少なくともいずれか一方の外径側が内径側よりも肉薄に形成されていることを特徴とする請求項1記載のトレーサ粒子供給装置。
  3. 前記クランプは、2つの半円状のクランプ本体により構成され、2つの前記クランプ本体は、一方の端部が、蝶番によって回転可能に留められ、他方の端部が、蝶ネジによって閉じられ、
    前記クランプ本体の半円状部分が、前記本体部材のフランジ及び前記ロート状部材のフランジを挟持することを特徴とする請求項1又は2に記載のトレーサ粒子供給装置。
  4. 前記中空外筒の内部に内筒が保持され
    記内筒の外側面に、前記中空外筒の内壁面に設けられた外筒係止部材に当接され位置決めされる内筒係止部材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のトレーサ粒子供給装置。
  5. 前記内筒は前記内筒係止部材から隔離した位置に傾き防止突出部材を有することを特徴とする請求項4に記載のトレーサ粒子供給装置。
  6. 前記中空外筒の内部に内筒が保持され
    前記内筒は、互いに離間した位置に少なくとも2箇所の内径側に膨出する膨出部材と、該2箇所の膨出部材間に配置された伸縮可能な押圧部材と、該押圧部材によって前記膨出部材間に位置決めされた乱流生成格子部材とからなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のトレーサ粒子供給装置。
  7. 前記内筒の少なくとも一方の前記膨出部材が着脱可能な蓋部材であることを特徴とする請求項6に記載のトレーサ粒子供給装置。
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