JP4425466B2 - 吸収性陰唇間装置、一体型突出部がその中に形成されているバックシートを形成するための装置、一体型突出部がその一部分の中に形成されているバックシートの製造方法 - Google Patents

吸収性陰唇間装置、一体型突出部がその中に形成されているバックシートを形成するための装置、一体型突出部がその一部分の中に形成されているバックシートの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
発明の分野
本発明は、吸収体又は吸収性装置に関する。好ましい実施形態において、本発明は、女性の装着者が、月経用、失禁保護、又はその両方を目的として、陰唇間に装着する改良された吸収性装置に関する。
【0002】
発明の背景
体内からの液体、例えば月経分泌物、尿、及び大便を吸収するための形状を有する吸収体のあらゆる方法及び種類はよく知られている。女性保護の装置に関して、この技術は、次のような2つの基本的な種類を提案している。すなわち、生理用ナプキンは、外陰部の周りでの外部装着用に開発されたが、一方でタンポンは、膣腔からの月経分泌物流を遮るようにこの中に内部装着するために開発された。このようなタンポン装置は、1983年11月1日にWeignerらに発行された「タンポン・アプリケーター(Tampon Applicator)」と題する米国特許第4,412,833号、及び1983年11月8日にJacobsに発行された「滅菌的挿入のための手段を備えたタンポン集成体(Tampon Assembly With Means For Sterile Insertion)」と題する米国特許第4,413,986号に開示されている。
【0003】
生理用ナプキン及びタンポンの構造的特徴を単一装置に融合させようと試みているハイブリッド装置も提案された。このようなハイブリッド装置は、1937年9月7日にAroneに発行された「月経用パッド(Catamenial Pad)」と題する米国特許第2,092,346号、及び1975年9月16日にDenkingerに発行された「女性用衛生保護シールド(Feminine Hygiene Protective Shield)」と題する米国特許第3,905,372号に開示されている。その他のあまり邪魔にならないハイブリッド装置は、陰唇又は陰唇間生理用ナプキンとして知られており、少なくとも一部が装着者の膣前庭部内にある部分と、少なくとも一部装着者の膣前庭部の外側にある部分とを有することを特徴とする。このような装置は、1953年12月15日にJacksに発行された「生理用パッド(Sanitary Pad)」と題する米国特許第2,662,527号、及び1986年12月23日にLassenらに発行された「陰唇生理用パッド(Labial Sanitary Pad)」と題する米国特許第4,631,062号に開示されている。
【0004】
陰唇間パッドは、小さいサイズ及び漏れのリスクが小さいことによって、不都合を避ける可能性がはるかに大きい。過去において、タンポン及び生理用ナプキンの最も優れた特徴を組合わせる一方、これらの種類の装置の各々に関連した欠点の少なくともいくつかを避ける多くの試みがなされた。このような装置の例は、1959年12月15日にDelaneyに発行された米国特許第2,917,049号、1969年1月7日にHarmonに発行された米国特許第3,420,235号、1986年6月17日にJohnsonらに発行された米国特許第4,595,392号、及び1996年1月16日にVukosらに発行された米国特許第5,484,429号に開示されている。商品として入手しうる陰唇間装置は、オレゴン州ポートランドのエー・フェム社(A-Fem)によって販売されているインシンク・ミニフォーム(INSYNC MINIFORM)陰唇間パッドであり、これは、それぞれ1976年10月5日及び1979年11月27日にHirschmanに発行された米国特許第3,983,873号及び第4,175,561号に記載されている。
【0005】
しかしながらこれらの装置の多くは、大きな商業的成功を得ることはできなかた。前記製品のすべてに関連した欠点がある。例えばDelaney特許に記載されている装置は、挿入中に吸収性材料層が開く可能性があるので、容易かつ快適な挿入ができないように見える。商品として入手しうるイン-シンク(IN-SYNC)陰唇間装置は、縁の周りで迂回流が生じる傾向があるという欠点がある。このような流は、多くの消費者が許容しえないと考える、体の汚れ又はパンティーの汚れを引起すことがある。さらには既に知られている既知の陰唇間装置、例えばインシンク・ミニフォーム陰唇間パッドは、体のあらゆる動作の間(例えば装着者がしゃがんでいる時)、尿道及び/又は膣口を確実にはカバーできない。このような製品はまた、装着者が排尿する時、確実には放出されない。さらにはこのような陰唇間パッドは、装着者の月経期間中に用いるのに十分な吸収能力を有することはできず、及び/又は完全に負荷された時、陰唇間空間から落ちて外れることがある。装着者の月経分泌物流を処理するために、使用者は、生理用ナプキンと組合わせて陰唇間パッドを装着しなければならないであろう。
【0006】
商業的成功に影響を与えるもう1つの要因は、この装置の挿入及び除去を含む使用の容易さである。一般的には、使用者は指でこの装置を掴み、これを定位置に挿入する。特にこの装置が排尿の間放出されないならば、使用者はまた、除去のためにこの装置を掴む必要があるであろう。挿入又は除去のために、使用者はこの装置の体側部分に触れないのが望ましい。従って挿入及び/又は除去を容易にするために、掴むためのタブ又は他の掴むための表面が非常に有益である。しかしながらこのようなタブ又は表面を備えることによって、この製品の別々の要素の数が増え、これによって製造の複雑さを増し、究極的にはこの装置のコストを増加させる。
【0007】
従ってこの装置の挿入及び/又は除去を容易にするような改良された陰唇間装置へのニーズが存在する。このような装置はまた、挿入及び/又は除去が容易で、装着中に快適であるべきであろう。一連の体の動きの間中ずっと装着者の陰唇の壁を覆い、かつこのような動作中に膣口及び好ましくは尿道をも確実にカバーする陰唇間装置へのニーズが存在する。装着者の月経期間の月経分泌物の量が非常に多い時に、独立型保護機能として役立つのに十分な能力を有する改良された陰唇間装置へのニーズも存在する。商業量で生産するために経済的な、改良された吸収性陰唇間装置へのニーズも存在する。女性の衛生的保護装置の一部として又は女性用衛生キットに用いることができる改良された吸収性陰唇間装置へのニーズも存在する。
【0008】
発明の概要
本発明は、吸収性装置、例えば生理用ナプキン、パンティライナー、陰唇間装置、及び失禁用装置に関する。好ましい実施形態において、本発明は、月経用(月経分泌物及び月経と次の月経との間の排出物を含む)、失禁の保護(尿を含む)、又はその両方のための、女性装着者の陰唇間空間に挿入しうる改善された吸収性装置に関する。吸収性陰唇間装置は、少なくとも1つの体側表面と、陰唇間空間への挿入を補助するのに十分な寸法の一体型突出部がその中に形成されているバックシートとを有する。前記吸収性装置は、長さ、幅、厚さ、及び長手方向中心線を有しており、前記一体型突出部が、前記バックシートの一部分の歪誘発された可塑変形によって形成されている。
【0009】
バックシートに一体型突出部を形成するための装置が開示されている。この装置は、その中に開口部を有する雌型成形部材と、この雌型成形部材の開口部と機能的に整合された関係においてその中を通っている開口部を有する圧縮部材とを備えている。雌型成形部材及び圧縮部材の開口部と整合された関係において機能的に配置され、かつここを通って可動である雄型成形突出部を有する雄型成形部材が、これらの開口部を強制的に通される。
【0010】
バックシートにおける一体型突出部の製造方法が開示されている。このバックシートは、雌型成形部材と圧縮部材との間で圧縮される。このバックシートは、雌型成形部材及び圧縮部材の整合された開口部に一致する非圧縮部位を有する。雄型成形突出部は、整合された開口部を強制的に通され、これによって前記第一開口部及び第二開口部に一致したバックシートと接触してこれに歪を与えて、バックシートの中に歪誘発された可塑的変形突出部を形成する。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、吸収体又は吸収性装置を目的とする。好ましい実施形態において、本発明は、吸収性陰唇間装置に関する。吸収性陰唇間装置は、少なくとも1つの体側表面を有し、これは、この陰唇間装置が陰唇間空間の所望の場所において定位置にとどまるのを補助するために、装着者の体と接触する物質を備えていてもよい。図1〜図3は、吸収性陰唇間装置、すなわち陰唇間装置20の1つの実施形態を示す。しかしながら本発明は、図面に示されている特定の形状を有する構造に限定されない。
【0012】
ここで用いられているような、用語「吸収性陰唇間装置」は、少なくともいくつかの吸収性要素を有し、かつ使用中に少なくとも一部女性の装着者の陰唇間空間内にあるような特別な形状の構造のことを言う。好ましくは吸収性陰唇間装置20が個々の装着者に合うような適切なサイズのものである時、本発明の吸収性陰唇間装置20全体の半分以上が、このような陰唇間空間内にある。より好ましくは実質的に吸収性陰唇間装置20全体が、このような陰唇間空間内にあり、最も好ましくは吸収性陰唇間装置20全体が、使用中、女性の装着者のこのような陰唇間空間内にある。
【0013】
ここで用いられている用語「陰唇間装置」は、膣前庭部内に延びている大陰唇の内側表面間に位置する女性の体の外陰部内の空間のことを言う。この陰唇間空間には、小陰唇、膣前庭部、及びクリトリス、尿道開口部、及び膣開口部を含む主要泌尿性器が位置している。標準的な医学者達(medical authorities)は、膣前庭部とは、小陰唇の内側表面によって側面方向に境界が付けられ、内部がクリトリスと膣開口部との間の床部(floor)まで延びている空間のことを言うと教示している。従って前記のような陰唇間空間は、膣前庭部としても知られている小陰唇の内部表面間の空間を含む、大陰唇の内部表面間の空間のことを言ってもよいことが分かるであろう。本発明の目的のための陰唇間空間は、膣開口部をかなり越えて膣内部の中までは延びていない。
【0014】
ここで用いられている用語「陰唇」は一般に、大陰唇と小陰唇との両方のことを言う。これらの陰唇はそれぞれ、前部交連と後部交連とにおいて、前部及び後部で終了している。大陰唇と小陰唇の相対的なサイズ及び形状に関しては、女性の場合非常に様々であると当業者は認めるであろう。しかしながら本発明の目的のためには、このような差には特別に取組む必要はない。前記のような吸収性陰唇間装置の装着者の陰唇間空間内への配置は、特定の装着者の場合は大陰唇と小陰唇との間の境界の正確な位置に関係なく、大陰唇の内部表面間の配置が必要であることが分かるであろう。女性の体のこの部分に関するより詳細な説明のためには、「グレイの解剖学(Gray's Anatomy)」、Running Press1901版(1974年)、1025〜1027頁を参照のこと。
【0015】
図1に示されている吸収性陰唇間装置20は、「x」軸に沿って通っている長手方向中心線Lを有する。ここで用いられている用語「長手方向」は、陰唇間装置20が装着された時に、立っている装着者を左半身と右半身とに二分する垂直平面と一般に整合する(例えばほぼ平行な)陰唇間装置20の平面における線、軸、又は方向のことを言う。ここで用いられている用語「横断方向」、「側面方向」、又は「y方向」は相互交換可能であり、長手方向に一般に垂直な線、軸、又は方向のことを言う。側面方向は、図1において「y」方向として示されている。図1に示されている吸収性陰唇間装置20はまた、横断方向中心線Tをも有する。図2に示されている「z」方向は、前記垂直平面に平行な方向である。用語「上部」は、z方向において装着者の頭の方へ向かう配向のことを言う。「下部」又は下方へは、装着者の足の方へ向かう方向である。
【0016】
図1〜図3に示されている陰唇間装置20は、1つの好ましい形状にある。陰唇間装置20は、体側(又は「体と接触する」側)20Aと、反対側の下側20Bとを有する。陰唇間装置は、パッド様本体部分(又は「中央吸収性部分」)22と、配置及び除去タブ52(これはバックシート38に一体的に形成された突出部である)とを備えて、「T」形状の横断面形状を有しうる全体的な陰唇間装置を供給する。ここで用いられている、タブ52手段に関する用語「一体的に形成された(integrally formed)」は、別々の要素又は材料を加えて、又は加えずに1個として形成されていることを意味する。同様にタブ52に関してここで用いられているように、用語「と一体的」は、ここに詳細に開示されているようなバックシート38とユニット型である、すなわち一個形成であることを意味する。従って本発明の方法によって形成された時、タブ52は、タブ及びバックシートの少なくとも一部分が同じ材料であるように突出部を形成するために、バックシート38の少なくとも一部分を成形(forming)、二次成形(reforming)、又は変形することによって製造される。別の言い方をすれば、タブ52に関して用語「一体的」は、別々に接合された要素、例えば溶融、接着、又はその他の接合手段によってバックシートに接合された離散タブを包含しない。
【0017】
本体部分22は、あらゆる適切な形状にあってもよい。図1においてのように上部から見られた場合、本体部分22についての形状の非限定的な例には、卵形、楕円形、台形、長方形、三角形、ダイアモンド形、又は前記のあらゆる組合わせを含む。図1に示されているように、本体部分22及び全体的な吸収性陰唇間装置20に好ましい平面図形状は、一般に卵形又は楕円形である。本体部分22の平面図形状は、横断方向中心線Tからその前部端及び後部端の方に向かって小さくなって行く。この実施形態における本体部分22は、その側面断面形状(side profile)において比較的平らであるが、図3に示されているように前部から後部の方にわずかに先細りになっていてもよい。
【0018】
図1〜図2に示されているように、陰唇間装置は好ましくは、液体透過性トップシート42、トップシート42に接合された液体不透過性バックシート38、及びトップシート42とバックシート38との間に位置する吸収性コア44を備えている。陰唇間装置20は好ましくは、装置20の少なくとも大部分が装着者の陰唇間空間に快適にフィットし、装着者の膣開口部をカバーし、好ましくは装着者の尿道をもカバーすることができるサイズ及び形状のものである。陰唇間装置20は、月経分泌物、尿、及びその他の体の排泄物を、装着者の膣開口部及び尿道から少なくとも一部ブロックし、より好ましくは完全にブロックしてこれを遮る。
【0019】
図2〜図3に示されているように、陰唇間装置は、バックシート38の一部分の突出部として一体的に形成されているタブ52を備えている。タブ52は、図2に横断面図として示されているようにバックシート全体と一体的に形成されていてもよい。しかしながらバックシートそれ自体が2つ又はそれ以上の材料から形成されているような場合、タブ52が、本発明の方法によって突出部として形成された部位におけるバックシート38の部分と一体的に形成されていることだけが、本発明には必要であるにすぎない。このようにして例えば、使用者に柔らかさという利点を与えるために、シーム60において、タブ52とは異なる材料であるバックシート38の部分を有することが有利であろう。このような材料の存在は、タブ52がバックシートの残りの部分と一体的であるという本質的特徴を変えないであろう。
【0020】
タブ52は、ポリマーフィルムを成形、例えば射出成形又は吹込み成形することによって;熱可塑性フィルムバックシートを雄型又は雌型表面の周りで二次成形(reforming)、例えば加熱及び成形することによって;又は変形、例えば歪誘発可塑変形によって形成することができる。好ましい方法及び装置において、バックシート38は、一般にZ軸に平行に可塑変形され、永久突出部又はタブ52が形成される。好ましい実施形態において、タブ52は、x軸とy軸の両方に対して一般に中心に配置されている。タブ52は、中心に配置されている場合、L及びT中心線の両方の周りで対称であってもよく、これが現在のところ好ましい形状である。
【0021】
タブ52は、使用者の陰唇間空間への挿入を補助するのに十分な寸法を有する。「十分な寸法」とは、タブ52が、陰唇間空間への挿入中にこの装置の制御を維持しつつ使用者の人差し指と親指との間で掴むことができることを意味する。例えばタブ52は、使用者の指が掴むための表面を形成するのに十分な長さL2を有する。1つの実施形態において長さL2は、図2に示され、かつ下記に開示されている距離T1と少なくとも等しい。長さL2は、少なくとも約10mmであってもよく、より好ましくは少なくとも約15mmである。最大の長さL2は、バックシート材料の応力―歪特性によってのみ制限されるが、約40mm以上の距離において、タブ52は、この装置の適切な使用並びに使用者の快適性を妨げると考えられる。長手方向軸Lに平行に測定されたタブ52の寸法もまた、少なくとも約5mmであり、より好ましくは少なくとも約15mmであり、約30mmより短い。1つの実施形態において、長手方向軸Lに平行な最大寸法は25mmであり、長さL2は15mmであり、キールの全体の形状は図3に示されているように一般に半円形である。キールの幅の全体的な寸法、すなわち横断方向軸Tに一般に平行な寸法は、バックシート材料の厚さのわずか2倍であってもよいが、好ましくは少なくとも約1mm、より好ましくは少なくとも約2mmである。タブ52はまた、近位部分から遠位部分まで厚さ又はキャリパー差を有するようにプロファイルされていてもよい。換言すれば厚さは、近位端における比較的厚い厚さから遠位端における比較的薄いものまで様々であってもよく、又はその反対であってもよい。
【0022】
タブ52は、2つの側壁部分52Aと52Bとを備えている。これは図2に示されているように、これらの長さの大きい部分について一般に平行であってもよい。2つの側壁は、タブ52の最も低い部分において接合しており、内部部分54を画定している。内部部分は、実質的に空であってもよい。すなわちこれは空気のみを含んでいてもよく、あるいは側壁部分は実質的に互いに接触していてもよい。好ましい実施形態において、内部部分54は、吸収性材料を備えており、タブ形成プロセスの間、吸収性コア44から置換された(displaced)いくつかの材料を含んでいてもよい。内部部分54に配置された吸収性材料は、吸収性装置の吸収力を増し、同様に、吸収された液体を使用者の体表面から離しておくのを補助する。1つの実施形態において、内部部分は、湿潤時に膨張する吸収性ゲル又はフォームを備えており、これによってさらにこの装置の吸収力を増す。
【0023】
図2及び図3に示されているように、タブ52は好ましくは丸い輪郭を有する形状に成形されている。例えば一般に半円形又は放物線形状である。鋭角を有する形状、例えば長方形が形成されてもよいと認められるが、図5に示されているように、商業生産を可能にする目的で、丸い輪郭が現在では好ましい。従って本発明の方法によって形成された時、一般に丸い輪郭を有するタブ52は、現存する生産装置で比較的高速で確実にインライン形成することができる。これは生産コストを減少させ、究極的には消費者へのコストを低下させる。従って別の部材として加えられかつバックシートに接合されたタブのようには、本発明のタブ52によって、この装置に材料費は付け加えられず、これに伴うコスト、品質、及び信頼性の点と共に、部品を接合するという加工処理の複雑性が加わることがなくなる。
【0024】
陰唇間装置20のサイズは、その快適性及び有効性にとって重要である。吸収性陰唇間装置20の長さは、長手方向(又は「x」方向)において長手方向中心線Lに沿って測定される。吸収性陰唇間装置20は、好ましくは長さL1を有しており、これは約60mmよりも大きく、約130mmよりも小さい。より好ましくは長さL1は、約75mmと約105mmとの間である。陰唇間装置20の幅は、横断方向(又は「y」方向)において横断方向中心線Tに沿って測定される。吸収性陰唇間装置20は、好ましくは幅W1を有しており、これは約25mm〜約50mmである。厚さ(又はキャリパー)は、装置20の「Z」方向の寸法である。ここに挙げられているキャリパー測定は、0.25psi(1.7kPa)(ゲージ)荷重、及び0.96インチ(2.44cm)直径のフットを備えたAMESゲージを用いて測定された。当業者なら、0.96インチ(2.44cm)直径のフットが特定のサンプルサイズに適切でないならば、フットサイズは様々であってもよいが、一方でゲージ上の荷重は従って閉鎖圧力(confining pressure)0.25psi(1.7kPa)(ゲージ)を維持するために様々であることが分かるであろう。吸収性陰唇間装置20のキャリパーT1は、好ましくは装置20の幅W1及び長さL1よりも小さい。好ましくは吸収性陰唇間装置20のキャリパーT1は、約8mm又はそれ以下、より好ましくはキャリパーT1は、約6mm又はそれ以下、さらにより好ましくはこのキャリパーは、約4mm又はそれ以下である。
【0025】
前記特定サイズパラメーターによる吸収性陰唇間装置20の構成は、以前の陰唇間装置と比較して増加した快適性及び有効性を有する製品を結果として生じる。例えば多くの女性は、本発明の吸収性陰唇間装置20よりも短い陰唇間パッドは、陰唇間空間内に適切に配置するのが難しいことが分かる。たとえこのようなパッドが適切に配置されたとしても、これらはパッドの縁の周りで体の排泄物の迂回流を生じさせる傾向が高まる。さらには多くの以前の陰唇間装置には、一体的に形成されたタブを有する液体不透過性バックシートが備えられていなかった。従ってこれらの装置は、この装置の底部表面との接触の結果として体及びパンティーを汚し、これらは挿入及び/又は除去が比較的難しかった。
【0026】
陰唇間装置20には好ましくは、装着者の体から排出された排泄物を吸収及び保持するのに十分な吸収性が備えられている。しかしながらこの製品の容量は、少なくとも一部、吸収性陰唇間装置20の物理的容量によるものであり、これにはタブ52の内部部分54によって得られたあらゆる能力が含まれる。吸収性陰唇間装置は好ましくは、少なくとも約1gの0.9重量%塩水溶液の容量を有しており、濡れた時に膨張する吸収性ゲル又はフォームを用いることによって約30gまでの容量を有しうる。好ましくは容量は、塩水の場合一般的には約2〜約12gである。より好ましくはこの装置20の容量は、塩水の場合約6g又はそれ以上である。当業者なら、体の排泄物、例えば月経分泌物の吸収力が、塩水の吸収について前記されている容量よりも一般的に小さいことが分かるであろう。吸収力を測定する方法は、下記のテスト方法のセクションに記載されている。陰唇間空間は膨張することがあるので、特に液体が体の圧力に対して調節されるゲルとして貯蔵されるならば、より大きい容量を陰唇間空間に貯蔵することができる。さらには吸収性陰唇間装置20が、装着者の陰唇間空間内に完全にはないならば、吸収された排泄物のいくらかは、装着者の陰唇間空間の外側に貯蔵されてもよい。
【0027】
本発明の陰唇間装置20の様々な実施形態に適切な個々の要素は、ここで図1〜図3を参照してより詳細に考察される。
【0028】
トップシート42は、第一液体透過性要素を備えている。トップシート42は、柔軟で、感触が柔らかく、装着者の皮膚に刺激を与えないものであるべきである。さらにはトップシート42は、液体透過性であり、液体(例えば月経分泌物及び/又は尿)がその厚さを容易に透過できる。適切なトップシート42は、非常に多様な材料から製造することができる。例えば、織布又は不織布材料;ポリマー材料、例えば開口成形熱可塑性フィルム、開口プラスチックフィルム、及び油圧成形熱可塑性フィルム;多孔質フォーム;網状化フォーム;網状化熱可塑性フィルム;及び熱可塑性スクリムである。適切な織布及び不織布材料は、天然繊維(例えば木材又は綿繊維)、合成繊維(例えばポリマー繊維、例えばポリエステル、レーヨン、ポリプロピレン、又はポリエチレン繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組合わせから構成されていてもよい。
【0029】
本発明に使用するのに適したトップシート42の1つは、スターチ接着レーヨン繊維からできており、マサチューセッツ州ウオルポール(Walpole, MA)のベラテック社(Veratec)から入手されるタンパックス(TAMPAX)タンポンに対するオーバーラップとして用いられる不織布材料である。適切なトップシートは、約18g/m2の坪量を有していてもよい。この材料は、トップシート42として使用するのに特に好ましいが、それはこれが微生物分解性材料であるからである。
【0030】
ここで用いられている用語「微生物分解性材料」は、フランス国75775パリ・スデックス16、リュ・アンドレ・パスカル2番地(2 rue Andre Pascal,75775 Paris Cedex 16,France)のOECD(Organization for Economic Cooperation and Development)によって301B方法と呼ばれているスターム・テスト(Sturm Test)によって測定された時、28日後に約70%又はそれ以上の生物分解(理論的ニ酸化炭素評価の割合パーセント)を有する材料のことを言う。好ましくは本発明の陰唇間装置を備えた材料は、約80%よりも大きい生物分解性を有し、より好ましくは生物分解は、約90%又はそれ以上である。
【0031】
もう1つの適切な種類のトップシート42は、開口成形フィルムを備えている。開口成形フィルムは、体の排泄物に対して透過性があり、適切に開口されているならば、液体が逆流して装着者の皮膚を再び濡らす傾向が減らされる。従って体と接触している成形フィルムの表面は乾いたままであり、これによって体が汚れることが減り、装着者にとってより快適な感触をつくる。適切な成形フィルムは、1975年12月30日にThompsonに発行された「先細り毛管を有する吸収構造(Absorptive Structures Having Tapered Capillaries)」と題する米国特許第3,929,135号;1982年4月13日にMullaneらに発行された「歪抵抗性トップシートを有する使い捨て吸収体(Disposable Absorbent Article Having A Strain Resistant Topsheet)」と題する米国特許第4,324,246号;1982年8月3日にRadelらに発行された「繊維様特性を示す弾性プラスチックウエブ(Resilient Plastic Web Exhibiting Fiber-Like Properties)」と題する米国特許第4,342,314号;1984年7月31日にAhrらに発行された「非光沢性可視表面と布様触感を示す巨視的膨張三次元プラスチックウエブ(Macroscopically Expanded Three-Dimensional Plastic Web Exhibiting Non-Glossy Visible Surface and Cloth-Like Tactile Impression)」と題する米国特許第4,463,045号;1987年1月20日にOuelletteらに発行された「動的に付着されると同時に静的に接触された液体を1つの表面からもう一方の表面に伝達するための、巨視的膨張三次元ポリマーウエブ(Macroscopically Expanded Three-Dimensional Polymeric Plastic Web for Transmitting Both Dynamically Deposited and Statically Contacted Fluids From One Surface to the Other)」と題する米国特許第4,637,819号;それぞれ1986年9月2日及び1986年12月16日にどちらもCurroらに発行された米国特許第4,609,518号及び第4,629,643号;1991年4月9日にBairdに発行された「多層ポリマーフィルム(Multilayer Polymeric Film)」と題する米国特許第5,006,394号;及び1995年5月31日にOuelletteらの名前で出願された「表面エネルギー勾配を示す液体輸送ウエブ(Fluid Transport Webs Exhibiting Surface Energy Gradients)」と題する米国特許出願第08/442,935号(1996年1月11日に公開されたPCT公開第WO96/00548号)に開示されている。本発明に好ましい成形フィルムトップシートは、前記特許の1つ又はそれ以上に記載され、オハイオ州シンシナティーのザ・プロクター・アンド・ギャンブル社によって「ドリーウイーブ(DRI-WEAVE)」として生理用ナプキンに付けて販売されている成形フィルムである。
【0032】
トップシートが開口フィルムである実施形態において、開口フィルムトップシートの体側表面は、好ましくは体側表面が親水性でない場合よりも素早く液体をトップシート42に通すのを補助するために親水性である。これによって、体内からの液体が吸収性コア44の中に流れ込んでこれに吸収されるのではなく、トップシート42から流れ落ちる可能性が小さくなる。トップシート42の体側表面は、Osborn, IIIに発行された米国特許第4,950,254号に記載されているように界面活性剤で処理することによって親水性にすることができる。好ましい実施形態において、界面活性剤は、成形フィルムトップシートのポリマー材料に組み込まれている。
【0033】
トップシート42の内側表面は、下部吸収性層と接触関係に固定されてもよい。この接触関係の結果、液体がより素早くトップシート42を透過する。トップシート42は、トップシート42を下部層に接着させることによって、下部層と接触関係に保持されうる。しかしながらトップシート42の表面を下部層の表面に接着させることは、絶対に必要なわけではない。トップシート42は、下部層の繊維とトップシートとをエンタングルさせることによって、あるいはトップシート42を複数の離散個別融着によって下部吸収性層に融着させることによって、あるいはこの技術で知られているその他のあらゆる手段によって、下部層の繊維との接触関係に維持することができる。トップシートはまた、陰唇間装置の体側表面に対して体の圧力を加えることによって、下部吸収性材料との接触関係に維持することができる。
【0034】
トップシート42が、吸収性コア42とは分かれているか、あるいは別である層又は材料を備える必要があるわけではない。トップシート42及び吸収性コア44は、吸収性コア44の体側表面が、液体透過性トップシート42として役立つような1つのユニット型(unitary)構造から成っていてもよい。このような実施形態において、液体透過性体側表面は、液体がこの表面を通って浸透し、吸収性コア44の内部に容易に浸透する限りは、親水性であるか、あるいは疎水性でさえあってもよい。さらにはこのようなユニット型トップシート42及び吸収性コア44は、細孔サイズ勾配、毛管勾配、又は親水性勾配、あるいはこれらのあらゆる組合わせを備えて、吸収性コア44の内部への液体の吸収及び保持を補助してもよい。
【0035】
図2に最もよく見られる吸収性コア44は、トップシート42とバックシート38との間に配置されている。吸収性コア44は、排泄物、例えば月経分泌物及びその他の体内からの液体を吸収するための手段を供給する。吸収性コア44は好ましくは一般に、圧縮性で体に合いやすく、使用者の皮膚に刺激を与えない。好ましくは吸収性コア44は、全体的な吸収性陰唇間装置20と同じ一般的形状を有する。
【0036】
吸収性コア44は、液体(例えば月経分泌物及び/又は尿)を吸収し、及び/又は保持しうるあらゆる適切な材料を備えていてもよい。吸収性コア44は、吸収体に通常用いられている非常に多様な液体吸収性材料、例えば一般にエアフェルトと呼ばれている微粉砕木材パルプから製造することができる。その他の適切な吸収性材料の例には、綿繊維又は綿リンテル、クレープセルロースワッディング;コフォームを含むメルトブローンポリマー;化学的剛化、変性、又は架橋セルロース繊維;合成繊維、例えばクリンプポリエステル繊維;ピートモス;ティシューラップ及びティシューラミネートを含むティシュー;吸収性フォーム;吸収性スポンジ;超吸収性ポリマー(繊維質及び微粒子形態);吸収性ゲル化材料;又はあらゆる同等の材料又は材料の組合わせ、又はこれらの混合物が含まれる。好ましい吸収性材料は、折り畳まれたティシュー、綿バット、織布材料、不織布ウエブ、ニードルパンチレーヨンを含むレーヨン、及びフォーム層を備えている。吸収性コア44は、単一材料又は材料の組合わせを備えていてもよい。
【0037】
吸収性コア44に好ましい材料は、レーヨンバット又はレーヨン/綿ブレンドである。1つの特に好ましい実施形態において、吸収性コア44は、ベールされた漂白綿繊維とベールされたレーヨン繊維との50%/50%ブレンドを備えたバットである。アラバマ州アクシス(Axis, Alabama)のコートールド・ファイバーズ社(Courtaulds Fibers, Inc.)から入手しうるギャラクシー(GALAXY)レーヨンとして知られている三つ葉型(tri-lobal)レーヨンが、吸収性コア44を備えた材料には良好な働きをすることが分かった。
【0038】
別の実施形態において、吸収性コア44は、様々な層が処分のために分離しうるように容易に分離可能である同じ材料又は異なる材料(例えば異なる吸収性を有する吸収性材料層)の多数の独立層から成っていてもよい。
【0039】
タブ52が、本発明の方法によって形成された時、吸収性コア44は、比較的低密度の部位58(図1に示されている)を有していてもよく、これはいくつかの実施形態において、タブ52の上にある区域と一般に一致した開口部として特徴付けることができる。その理由は、次に詳細に記載されているように、本発明の方法の1つの様相において、吸収性コア44は、機械的成形突出部が吸収性コア44を通ってバックシート38の中に圧縮されてタブ52が形成される前に、バックシート38上に配置されていてもよいからである。吸収性コアそれ自体が成形可能であるか又は変形可能であるような程度まで、ある量の吸収性コアが、タブ52に一致する部位において置換、切断、あるいはまた粉砕され、それによって吸収性コア44内に比較的低い密度の局部的部位58が形成されてもよい。この比較的低い密度の部位58はまた、吸収性コア44の繊維が優先的にタブ52の内部部分54の方に向けられ、従って内部部分54の中に有利な液体流路が与えられることによって特徴付けられてもよい。
【0040】
図2及び図3に最もよく示されているバックシート38は、吸収性コア44に吸収されて封じ込められた排泄物が、吸収性陰唇間装置20と接触することがある物及び/又は体の部分、例えばズボン、パジャマ、下着、恥毛、装着者の大腿部等を濡らすのを防ぐ。バックシート38は、柔軟性があり、液体(例えば月経分泌物及び/又は尿)不透過性であるべきであろう。ここで用いられている用語「柔軟性」は、柔軟で、人体の一般的形状及び輪郭に合いやすい材料のことを言う。バックシート38はまた、吸収性陰唇間装置20が挿入された時、あるいはこの装置が場合によっては指で除去される時に、装着者の指に保護を与える。さらには本発明の商品として実現可能な装置であるためには、バックシート38は可塑的に変形しうるものであるべきであり、従ってタブ52は、突出部を形成して永久固定を誘発するのに十分な量だけバックシート材料に歪を与えることによって形成することができる。バックシート38に好ましい材料は、本発明の装置20が比較的高速で製造されうるように、高い歪率に耐えることができる材料を含んでいる。
【0041】
バックシート38は、可塑的変形可能織布又は不織布材料、ポリマーフィルム、例えばポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性フィルム、複合材料、例えばフィルムコート不織布材料、又は有機材料、例えばコラーゲンフィルムを備えていてもよい。その他の適切な材料には、フィルム等に製造することができる生物分解性ポリマーを含んでいる。適切な生物分解性ポリマーには、日本国東京の昭和ヒューポリマー社(Showa Hugh Polymer Co.)から得られたバイオオネル(BIONELLE)3001、及びイタリア国ローマのノヴァモント社(Novamont S.P.A.)の配給業者のビコープ社(Bicorp Co.)から得られたマター・ビ(Matter Bi)ZF03U-A、及びモンサント社(Monsanto)から得られたバイオオポール(Biopol)生物分解性ポリマー、及びドイツ国M&Wフェアパックンゲン社(Verpackungen GmbH)から得られたノーデニア(Nordenia)生物分解性ポリエステルベースフィルムが含まれる。1つの実施形態において、バックシートは、約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有するポリエチレンフィルムから製造することができる。ポリエチレンフィルムの一例は、オハイオ州シンシナティーのクロペイ社(Clopay Corporation)によって、P18-0401という名称で製造されている。しかしながら好ましくは、バックシートは同様な厚さを有するフィルムを備えている。但しこれは生物分解性材料、例えば前記生物分解性ポリマーの1つから製造されている。
【0042】
バックシートはまた、蒸気を陰唇間装置20から逃がすことができる(すなわち通気性にする)一方で、排泄物がバックシートを通過するのを防ぐ。適切な通気性バックシート材料は、Thompsonに発行された米国特許第3,929,135号に記載されているもののような開口フィルムのラミネートであり、これは、先細り毛管の比較的小さい開口部が、エクソン社(Exxon)の米国特許第4,777,073号に記載されているもののような微孔質フィルムに接着剤によってラミネートされている吸収性コア44の方に向くように逆さまにされている。
【0043】
好ましい実施形態において、バックシート38は、水に分散性及び/又は溶解性のものである。ポリビニルアルコール(ポリビニルアルコールのコポリマーを含む)は、溶解性バックシート38用の材料として適切であることが分かった。ポリビニルアルコールを、ティシュー、又は不織布材料、例えば生物分解性不織布材料(例えばレーヨン)上にコートするか、あるいはワックス例えばパラフィン又はその他の疎水性コーティングでコートして、これが水に溶解する速度を低下させてもよい。これによってバックシート38は、使用中にその一体性を維持することができ、一方で陰唇間装置20を処分する時に水に溶解する能力を保持することができる。
【0044】
ここで吸収性陰唇間装置又はその要素に適用されている用語「分散性」は、静かに攪拌された水中に少なくとも2つの断片として分散される物又は材料のことを言う。このような装置は、通常のトイレ及び/又は家庭用配管系においてこなごなに壊れ、究極的には下水処理系を通って効果的に加工処理される。ここで吸収性陰唇間装置又はその要素に適用されている用語「溶解性」は、少なくとも一部溶解し、本質的には液体形態になるか、あるいはまたこれが溶解されている液体媒質と肉眼では区別できない物又は材料のことを言う。
【0045】
前記吸収性陰唇間装置20の要素(トップシート42、一体成形タブ52を有するバックシート38、及び吸収性コア44)は、あらゆる適切な方法で組立てることができる。図1〜図3に示されている好ましい実施形態において、本体部分22の要素は、「サンドイッチ」形状に組立てられ、これらの要素は、トップシート42及びバックシート38の縁が吸収性コア44の縁を越えて外側に延びるようなサイズにされている。タブ52は、バックシート38をその他の要素に組み立てる前に、次に開示されている方法によって形成することができるが、これはまた、要素の全部又は一部分が組立てられた後で形成されてもよい。
【0046】
陰唇間装置20の要素は、あらゆる適切な方法で互いに接合されてもよい。ここで用いられている用語「接合されている」は、要素をもう一方の要素に直接付着させることによって1つの要素が別の要素に直接固定されている形状;これ自体がもう一方の要素に付着されている1つ又は複数の中間部材に付着させることによって、要素が間接的にもう一方の要素に固定されている形状;及び1つの要素が別の要素と一体的である、すなわち1つの要素が本質的にもう一方の要素の一部である形状をも包含する。
【0047】
トップシート42とバックシート38とは、好ましくは少なくとも一部周辺部が既知の技術を用いて接合されている。図1及び図2に示されているように、トップシート42は、好ましくはシーム60に沿ってバックシート38に固定されている。シーム60は、好ましくは液体不透過性である。シーム60は、この目的のためにこの技術で通常用いられているあらゆる手段によって、例えばグルーイング、クリンピング、又はヒートシーリングによって形成することができる。シーム60及びシーム60の近くにある陰唇間装置20の区域は、柔らかく、圧縮可能で、形に沿いやすいものであるべきである。シーム60及び周りの区域が剛性すぎるか、あるいは非圧縮性であるならば、装着者は、陰唇間装置20を装着している時に不快感を感じることがある。
【0048】
周辺のシームに加えて、吸収性陰唇間装置20の要素は、その表面において互いに接合されていてもよい。陰唇間装置20の要素の表面は、接着剤、縫合、熱及び/又は圧力接着、動的機械的接着、超音波接着、吸収性陰唇間装置20の要素を構成する繊維又はその他の構造的要素の混ぜ合わせ又はエンタングルメントによって、例えば1つの要素を構成する繊維を別の要素にメルトブローすることによって、1つの要素を別の要素の上に押出すことによって、あるいはこの技術で知られているその他のあらゆる手段によって互いに接合されてもよい。吸収性陰唇間装置20の要素は、装置20が静かに攪拌された水に(例えばトイレに)複数の断片として分散する傾向を増すために、水溶性接着剤で接合されていてもよい。従って要素を接合する材料は、過剰の水に暴露された時、例えばトイレに入れられた時、強さを失うことが望ましい。水溶性又は水分散性接着剤、例えばカルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、スターチ等をベースとした接着剤は、この技術でよく知られている。
【0049】
好ましくは本発明の吸収性陰唇間装置20は、トイレに捨てることができる。ここで用いられている用語「トイレに捨てることができる(toilet-disposable)」は、この陰唇間装置が、トイレにおいて処分することができるという意味である。この陰唇間装置は、好ましくは少なくとも水洗可能である。特に好ましい実施形態において、陰唇間装置にはまた、次の特徴のうちの1つ又はそれ以上が備えられていてもよい。すなわち分散性、沈殿性(settleability)、分解性、及び生物分解性である。
【0050】
ここで用いられている用語「水洗可能(flushable)」及び「水洗性」は、この製品の物理的構造と直接関連していることがある詰まり又は同様な問題を引起すことなく、製品が一般的に商品として入手しうる家庭用トイレ及び配管排水系を通過しうることを言う。しかしながら利用しうる様々な種類のトイレ間には多くの差があることも認められている。従って添付クレームの目的のためには、月経用品、例えば吸収性陰唇間装置の水洗性を測定するためのテストが、この明細書のテスト方法のセクションに記載されている。
【0051】
好ましくは本発明の吸収性陰唇間装置20は、分散性であり、下記テスト方法のセクションにおける水分散テストに記載されているように、静かに攪拌された室温水への暴露の2時間以内に少なくとも2つの断片として分散される。より好ましくは吸収性陰唇間装置20は、水分散テストによって測定された時、約60分以内、あるいはさらにより好ましくは約30分以内、最も好ましくは約15分以内に複数の断片として分散される。好ましくはこの製品は、個々の断片が、約6in2よりも小さく、より好ましくは約4in2よりも小さく、最も好ましくは約2in2よりも小さい断片に壊れる。本発明の特に好ましい実施形態において、吸収性陰唇間装置20の要素の各々は、静かに攪拌された水に浸漬された時、複数の断片として分散される。あるいはまた吸収性陰唇間装置20の要素は、それ自体が複数の断片として壊れずに、互いから分離されてもよい(例えばトップシート42、バックシート38、及びコア44が、互いから離れるように壊れる一方、それ以外は各々そのまま残っている)。
【0052】
「沈殿性」とは、吸収性陰唇間装置、例えば吸収性陰唇間装置20が、浄化槽又は処理される浄化槽又は下水の表面上に浮かぶのではなく、場合によっては浄化槽又はその他の下水処理系の底部に沈む傾向のことを言う。
【0053】
分解性及び生物分解性は、この明細書のテスト方法のセクションに含まれている28日スラッジテストに従って測定することができる。好ましくは吸収性陰唇間装置20は、生物分解性材料を備えている。生物分解性材料が吸収性陰唇間装置20には好ましいが、用いられる各材料及びすべての材料が生物分解性である必要はない。例えば装置20は、生物分解しない超吸収性粒子を備えていてもよく、これは全体の装置20がトイレに捨てられ、下水処理系において効果的に加工処理される能力に影響を与えない。全体的には、陰唇間装置20は、好ましくは少なくとも約70%生物分解性であり、より好ましくは少なくとも約80%生物分解性であり、さらにより好ましくは少なくとも90%生物分解性であり、最も好ましくは少なくとも約95%生物分解性である。
【0054】
完全に組立てられた形状にある本発明の吸収性陰唇間装置20は、好ましくは少なくとも1つの好ましい曲げ軸Aを備えている。好ましい曲げ軸Aは好ましくは一般に、吸収性陰唇間装置20の長手方向中心線Lに沿って配置されている。好ましい曲げ軸Aは、吸収性陰唇間装置20が、この装置20のサイド部32において横断方向に内側に向けられた圧縮力Fに付された時、曲がるか又は折り畳まれる傾向がある線又は軸である。この好ましい曲げ軸Aは、製品形状から自然に生じてもよく、あるいは好ましい曲げ軸Aを生じるために、この装置20には、トップシート42、バックシート38、及びコア44のどれか又はすべてにおいて弱化軸又は弱化部位が与えられていてもよい。このような弱化軸は、あらゆる多様な既知の技術、例えば刻みをつけること(scoring)、予備成形、スリット入れ等によってつくることができる。吸収性陰唇間装置20は、複数の好ましい曲げ軸からできている好ましい曲げ部位を備えていてもよい。このような軸はいくつでも、無限数まで、好ましい曲げ部位を備えていてもよい。
【0055】
吸収性陰唇間装置20は、装着者の陰唇間空間内に挿入する前に、図4に示されているように、好ましい曲げ軸Aに沿って折り畳まれる。装置20は、ひとたび挿入されたら、好ましくはこの装置20のトップシート42を装着者の陰唇の内壁と接触させたままにしつつわずかに広げられる傾向がある。装置20は、好ましい曲げ軸Aに沿ってわずかに弾性的にバイアスされて、装置20が広げられる傾向を増すこともできる。これによって折り畳まれた装置20は、湿潤条件及び乾燥条件のどちらにおいても「スプリング」として作用することができ、従ってこの装置のトップシート42は、吸収性陰唇間装置20が配置された時に、陰唇の内部表面と接触したままになる傾向を増加させることができる。しかしながら前記の好ましい実施形態に従って構成された装置20は、このような接触を維持する能力を与えるために、必ずしも追加の構造部材を必要としない。
【0056】
ここに記載されている吸収性陰唇間装置20は、好ましくは柔軟性でもあり圧縮性でもある。柔軟性及び圧縮性は、快適性を生じるのに重要である。吸収性陰唇間装置20が柔軟でありすぎるならば、この装置は陰唇のひだ間に都合よく容易には配置されず、剛性すぎるならば、この装置は、使用者が座った位置にある時に不快であり、この製品はクリトリスの対して前方に押し付けられて、不快感を生じることがある。
【0057】
本発明の吸収性陰唇間装置20は、以前の陰唇間パッドよりも優れたいくつかの利点を与えると考えられる。前記のようなサイズ範囲と好ましい形状で構成された装置は、多様な装着者による信頼しうる挿入に特に適していることが発見された。一体型タブ52は、独立して分解性がある、あるいは生物分解性がある等でなければならない装置の要素に追加材料を加えずに、使用者にとって適切な掴み表面を与える。バックシート38と一体型であるタブ52の材料は、従ってバックシートと同様に固有の柔軟性を有しており、これによってこの装置には顕著な剛性を加えない。
【0058】
図1〜図3に示されている吸収性陰唇間装置20(すなわち装置が端において先細りになっているもの)によって、この装置は装着者の陰唇間空間に容易かつ快適にフィットしうる。このような先細り形状を有する装置20は、好ましい曲げ軸Aに沿って折り畳まれた時(図4のように)、曲げ軸Aに沿う最も高い点(「Z」方向に測定された時)が、端ではなく装置20の中心の近くにあるような断面形状(profile)を有する。装置20の折り畳まれた形状は、前記のように適切なサイズの時、陰唇及び膣口の壁の一貫したカバーを与える。このようなカバーは、以前の陰唇間パッドによって示された、月経又はその他の体の排出物による装置20の周りでの「迂回」の発生を実質的に減少させる。
【0059】
さらには、前記の吸収性陰唇間装置20は、月経排出物から形成される血塊を捕捉することにおいて特に効果的であることが分かった。この血塊捕捉の属性は、この装置と膣前庭部の床面との一般に増加した接触によって向上すると考えられている。1つの特に好ましい実施形態において、トップシート42は、低い坪量の不織布材料、例えば前記の不織布レーヨン材料を備えている。吸収性コア44は前記のように、好ましくは50%レーヨン/50%綿ブレンドを備えている。月経排出物及び特に血塊を受入れる上での優れた性能は、トップシート42及び吸収性コア44がレーヨンを備えている時に、前記のように本発明の吸収性陰唇間装置20によって証明される。ある特定の理論に結び付けたいわけではないが、このような陰唇間装置は次のように操作されると考えられる。低い坪量のトップシートは、液体が直接吸収性コアの中に入るための開口部を生じる一方、血塊は、その他の多くの種類のトップシート材料よりも、レーヨントップシート材料へよりよく付着すると考えられる。
【0060】
吸収性陰唇間装置20の液体不透過性バックシート38はまた、改良された製品性能の原因でもある。前記のようにバックシート38は、体又は衣服が装置20によって吸収された排出物で汚れる可能性を減らす。さらには装置20が好ましい曲げ軸Aに沿って折り畳まれた時、バックシート38は後退部62を形成し、これは装置20が挿入された時、装着者の指が汚れるのを防ぐ。
【0061】
吸収性陰唇間装置20はまた、吸収体、例えば生理用ナプキン又はパンティライナーと組合わせて装着されてもよい。このような場合(特に陰唇間装置にバックシートが備えられている時)、吸収性陰唇間装置20は、生理用ナプキン又はパンティライナーをより清潔に保ち、これによって装着者は、生理用ナプキン又はパンティーイナーを通常よりも長く装着することができる。
【0062】
以前の陰唇間パッドは、本発明の装置20の属性を備えておらず、従ってここに記載されている性能及び快適性という結果を得ることはできない。いくつかの以前のパッドは、陰唇間空間に挿入されている一般に円筒形の小さい吸収性材料から成っている。これらの装置には、一体成形タブを有する液体不透過性バックシートが備えられていなかった。その結果、これらはあまり清潔でない挿入及び除去を特徴としており、本発明の装置20と比較して大きいパンティー及び体の汚れと関連していることがある。
【0063】
別の以前のパッドは、不透過性バックシートを含んではいたが、これらのパッドは、本発明の装置20よりもはるかに大きく、陰唇間空間の外部にあるかなり大きい部分を含んでいた。このような設計はまた、排出された体内からの液体が、このようなパッドの外部表面まで移動するにつれて体の汚れを増加させることがある。さらには本発明の陰唇間装置20は、前記の比較的大きい先行技術のパッドに比べて快適性という利点(例えば装着しているという自覚の減少)を与えると考えられている。これらの装置及びその他の陰唇間装置は、装着者がなんらかの仕方で動いた時(例えば装着者がしゃがんだ時)に両方の陰唇を同時にカバーせず、従ってこのような装置は、陰唇に合わず、これらと共に広がった。これは結果として、体の排泄物の収集があまり効率的でないということになった。さらに別の陰唇間装置は、折り畳まれて、折り畳まれた形状に保持された。このことは、装着者が動いた時、このような装置が陰唇に合うように開いたり閉じたりするのを妨げるであろう。
【0064】
本発明の開発中に、吸収性陰唇間装置20は、以前に入手できた陰唇間パッドよりもよりよく陰唇アーチに合うことが発見された。さらには本発明の吸収性陰唇間装置20の一般に平らで折り畳まれた形状は、この装置をどのように挿入して用いるかについて、使用者により良い視覚的指示を与えることが分かる。従って本発明の吸収性陰唇間装置20は、以前の陰唇間パッドと比べてより容易かつより正確な挿入と組合わされている。
【0065】
前記のように、本発明の吸収性陰唇間装置20は、装着者の陰唇間空間内に配置されるように設計されている。図4に示されているように、本発明の吸収性陰唇間装置20を用いるために、装着者はこの装置20のタブ52を掴む。図4に示されているように、ついで装置20は、折り畳まれたバックシート38によって形成された後退部62に1本又は複数の指で押込むことによってさらに深く挿入される。後退部62は、挿入中に装着者の指先をカバーする。この部材(feature)によって、本発明の吸収性陰唇間装置20の衛生的挿入が与えられる。装着者は、陰唇表面を広げるのを補助するために、挿入中にしゃがんだ位置を取ることができる。
【0066】
図5は、装着者Wの陰唇間空間に挿入された本発明の吸収性陰唇間装置20の好ましい実施形態を示している。図5に示されている泌尿性器は、膀胱B、膣V、尿道U、クリトリスC、大腸I、肛門AN、膣口VI、処女膜環H、小陰唇N、及び大陰唇Jを含んでいる。図5は、装置が使用のために適切に挿入された時の、装着者Wのこれらの解剖学的部分と吸収性陰唇間装置20との関係を示す。吸収性陰唇間装置20が挿入されたら、トップシート42は、陰唇の内側表面に付着する傾向がある。装着者が立っている時、陰唇壁は、折り畳まれた吸収性陰唇間装置20の周りでよりきつく閉じる。
【0067】
陰唇間装置20は、好ましくは少なくとも一部、装着者の小陰唇、大陰唇、又はその両方の内側表面に、わずかに側面方向に外側に向けられた圧力を加えることによって、定位置に保持される。さらにはこの製品はまた、自然に湿っている陰唇表面を、トップシート42を構成する材料の方へ引っ張ることによって、定位置に保持されうる。場合によっては陰唇間装置20、又はこれのあらゆる適切な部分、例えば陰唇間装置の少なくとも1つの体側表面は、陰唇間装置が陰唇間空間における所望の位置において定位置にとどまるのを補助するために、その上にある物質を有していてもよい。好ましくはこの物質は、陰唇が広がるように装着者が動いた時(例えば装着者が脚を肩の周りで開いてしゃがんでいる時)、装着者のパンティー等によって補助されていないこれらの表面(陰唇間空間の両側)に付着されたままになるように、陰唇間装置20を、小陰唇の内部表面に、あるいはまた大陰唇の内部表面に、あるいは小陰唇と大陰唇との両方に付着させるべきである。これによって、陰唇間装置20は、装着状態の間定位置にとどまり、同様に装着者が排尿する時に尿蒸気によって確実に接触させられ、従ってこれは排尿時に除去されるか、あるいは例えばトイレットペーパーで拭い取る動作によって容易に取り払われる。
【0068】
一般的に、負荷されていない陰唇間装置20は、約5グラム又はそれ以下の重さである。陰唇間装置が定位置にとどまるのを補助するための物質の必要性は、陰唇間装置20が保持することを期待されている負荷(すなわち吸収された体内からの液体の重量)が増加するにつれてより重要になる。この必要性は、タブ52の内部部分54に追加の吸収力を有する本発明の装置の場合、特に重要である。吸収性陰唇間装置20は、あらゆる適切な量の体内からの液体を上で特定された吸収力まで保持しうる。吸収された体内からの液体の重量が増加するにつれて、負荷された陰唇間装置への重力が増加する。この結果、特に排泄物負荷が約8グラム又はそれ以上(例えば8、10、12、又は15グラム)である時、陰唇間装置20を定位置に保持するための高められた能力が結果として必要になる。従って例えば非負荷陰唇間装置20が2グラムの重さであり、体の排泄物10gを保持することが期待されているならば、陰唇間装置20は、12グラムの力を受けて定位置にとどまらなければならない。同様に、陰唇間装置20が負荷されるいくつかの場合、これが柔軟性延長部を有する形状のものであるならば、柔軟性延長部の1つは、これに隣接する陰唇から離れることがある一方で、もう一方の柔軟性延長部は、隣接陰唇に付着したままである。これはによって、より重い負荷において装着者の下着及び/又は外部衣服が汚れるリスクが増加するが、それは、体の排泄物がもはや装着者の陰唇と接触していない陰唇間装置のサイド部を通りすぎる可能性があるからである。
【0069】
陰唇間装置20を定位置に保持するために用いられる物質は、特に装着者の体の陰唇間部分の自然に湿っている表面に対して、この装置をしっかりと定位置に保持するのに十分な強度を有すべきである。同様にこれは、使用者に苦痛もトラウマも与えずに陰唇間装置20を除去しうるものにする材料であるべきである。好ましくは陰唇間装置20を定位置に保持するための物質は、前記のような所望の負荷下に定位置に保持するが、装着者が排尿する時に、陰唇間装置を、陰唇間空間からトイレの中に放出することができるようにする。従ってこの物質は、水約100cm又はそれ以上の尿道からの液体圧に耐えることができるように接着される必要はない。すなわちこれは、水約100cm未満の圧力まで負荷された時に、装置の重さ間の圧力に耐えることができさえすればよい。(水170cmの圧力は、排尿した時、典型的な大人のヒトの女性の場合ほぼ最大の力み(bear-down)圧力である)。
【0070】
陰唇間装置20を定位置に保持するための物質は、好ましくはいくつかの追加の特徴を有している。これによって、陰唇間装置20が不快感を伴わずに容易に適切な位置に配置され、刺激を伴わずに装着されるべきである。これは同様に、トイレに捨てるのに適するように、好ましくは生物分解性であるべきである。この物質の存在はまた、もしも陰唇間装置が水洗可能な設計のものであるならば、陰唇間装置の水洗性を妨げないものであるべきである。陰唇間装置を定位置に保持するのに好ましい物質は、剪断力に抵抗性を与えるもの(例えば装着者が歩く時に作用するもの)であるが、剥離力を用いて快適に除去されうる。
【0071】
陰唇間装置20を定位置に保持するための物質は、一般的には接着剤として同定される材料、並びに一般に接着剤と考えられていない材料(すなわち非接着性物質)を含んでいてもよい。適切な接着剤は、感圧接着剤、及び粘着性非感圧接着剤物質を含んでいる。適切な感圧接着剤には、シリコーンベースの感圧接着剤、例えばポリシロキサン、変性ポリシロキサン、及びヒドロコロイドベースの接着剤が含まれる。
【0072】
好ましくは陰唇間装置には、この陰唇間装置を定位置に保持するために、体側表面上に非接着性物質が備えられている。この非接着性物質は、「粘着性(tack)」(すなわち、他着性(stickiness))を有する種類のものであってもよく、あるいはこれは「粘着性」を有していない種類のものであってもよい。適切な非接着性物質には、ワックス(例えば微晶質ワックス、パラフィンワックス、シリコーンワックス、ポリエチレンワックス)、脂肪アルコール、高分子量アルコール、脂肪酸、石油ゼリー、シーリング軟膏、非イオン性界面活性剤、例えばエトキシル化アルコール、エトキシル化長鎖アルコール、及びエトキシル化脂肪酸、アルコキシル化アミド、アルコキシル化アミン、アルキルアミドアルキルアミン、アルキル置換アミノ酸、湿分活性化物質、及びこれらの組合わせが含まれる。もう1つの適切な非接着剤物質は脂肪置換オリーン(OLEAN)であり、これは、オハイオ州シンシナティーのザ・プロクター・アンド・ギャンブル社によって、いずれもYoungらに、1992年2月4日に発行された米国特許第5,085,884号及び1995年6月6日に発行された米国特許第5,422,131号、及びElsenらに発行された米国特許第5,422,131号に基づいて製造されている。なんらかの特別な理論に結び付けたいわけではないが、このような材料は、高い粘度又は表面張力によって1つの物質を定位置に保持することができると考えられる。
【0073】
湿分活性化物質は、ほとんど又はまったく当初粘着性を有していない物質である(すなわちこれらは触感では乾燥している)が、湿分(好ましくは比較的少量の湿分)と接触した時、これらは粘性になり、粘着性を発生させる。本発明に用いるのに好ましい湿分活性化材料は、過剰の湿分で水浸しになった時、例えば装着者が排尿した時、その粘着性の大部分を失う。湿分活性化物質は、陰唇間装置20と共に用いるのに特に好ましいが、その理由は、これらによって、陰唇間装置は、感圧接着剤又は粘着性接着剤コートされた装置よりも使用し易くなるからであり、それは、この製品が挿入された時に体に付着せず、かつ陰唇間装置を配置する時に、接着剤が用いられている時に必要であるように、装着者が陰唇を広げて、手を汚すリスクを負う必要がないからである。さらには湿分活性化物質は、製品が陰唇間に配置され、配向を誤った時に、接着剤のように装着者の体の間違った部分に粘着する傾向はない。これれはまた、装着者の体のこの部分に対して陰唇間装置をしっかりと保持するために特に有用であるが、それは湿分が自然に存在するからである。換言すれば、これらは生体内で水和しうる。
【0074】
いくつかの特に好ましい湿分活性化物質は、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(好ましくはUSP(米国薬局方(U.S. Pharmacopia)グレード)、アルコール、グリコール(ニ価アルコール)、例えばプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、3つ又はそれ以上のヒドロキシル基を含むポリオール、例えばグリセリン、及び糖アルコール、及び陰唇間部位において水と接触することによって水素結合しうるその他の分子、スターチ、界面活性剤、例えばポリオキシルアルキレート(ポリオキシエチレンステアレート)、エトキシル化アルコール、糖界面活性剤、及び糖(例えばグルコース、フルクトース、及びスクロース)、又はこれらの組合わせ又は混合物である。前記の物質は、単独で、あるいは互いに組合わせて、例えばポリエチレングリコールと組合わせて、又はペクチン、グアールガム、イナゴマメガム、ヒドロキシプロピルグアールガム、ポリグルコマヌム(polyglucomanum)ガム、カチオン性グアールガム、アニオン性グアールガム、アルギネート、キサンタンガム、又はこれらの組合わせ又は混合物、及びこれらと多価アルコールとの組合わせ又は混合物と組合わせて用いることができる。
【0075】
ポリエチレングリコール(HO-(CH2CH2-O)nーH)はPEGとも省略されるが、これらは、ヒトの喉をコートするための咳止めシロップに見られるもののような物質である。ポリエチレングリコールは、ユニオン・カーバイド社(Union Carbide)から商標カルボワックス(CARBOWAX)として入手しうる。PEG200〜PEG600(分子量200と600の間のPEG)は、80°F(27℃)又はそれ以下では液体である。PEG900〜PEG20,000及びそれ以上は、80°F(27℃)又はそれ以下では固体である。すべては、20℃で少なくとも60%水に可溶である。好ましくは固体形態にあるより高分子量のPEGが用いられる。しかしながらこれよりも低い分子量のPEGも用いうる。ポリエチレングリコールは、あらゆる通常の加工処理工程を用いて、陰唇間装置の体側表面に塗布することができる。これは、次により詳細に記載される。これらはひとたび塗布されたら、一般的には非粘着性粉末形態になるまで乾燥する。ポリエチレングリコールは、水溶性であるので、これはまた、装着者が排尿した時、陰唇に粘着する傾向を失うことが可能であり、従って陰唇間装置は、意図されたとおり排尿によって放出される。これらが水溶性であることによってもまた、確実に水洗可能な陰唇間装置がトイレに流されるのを妨げないようにし、他のいくつかの製品のようにトイレに浮かばないようにする。(他の製品が浮かぶ傾向は、水洗トイレに流す時に製品がトイレを通って落ちて行く能力を低下させ、その結果使用者にとって極端に不都合な状況を生じる。使用者は、トイレの便器からこのような製品を取り除き、ついでこれらの製品を処分しなければならない)。ポリエチレングリコールもまた、シリコーンベースの大部分の感圧接着剤とは異なって生物分解性である。
【0076】
1つの特に好ましい湿分活性化物質は、USPのナトリウムカルボキシメチルセルロース1.75g;NFのポリ酸化エチレン0.25g;及び蒸留水125mlの混合物を備えている。この混合物は好ましくは、この混合物が製品のサイド部のみに塗布されるならば、各陰唇間装置あたり0.15gの総量(湿潤重量)で塗布され、あるいは混合物がこの製品の体側表面全体に塗布されることになるならば、1つの陰唇間装置あたり0.30gの総量で塗布される。
【0077】
陰唇間装置20を定位置に保持するための物質は、陰唇間装置に塗布される前に、他の物質と組合わされてもよい。このような他の物質は、陰唇間装置を定位置に保持するための物質の一要素として、あるいは陰唇間装置を定位置に保持するための物質用のキャリヤーとして用いることができる。これらの方法のどれかにおいて用いうる物質の非限定的な例は、ローション、皮膚軟化薬、及び鉱油である。例えば陰唇間装置を定位置に保持するための物質は、ローション配合物と混合されたポリエチレングリコールであってもよく、このローション配合物は、挿入プロセスの間潤滑性を与え、湿分と接触した時に粘着性を発生させる。別の実施例において、皮膚軟化薬は、特定の形態にあるPEG用のキャリヤーとして用いることができる。さらに別の実施例において、PEGは、液体形態にあってもよく、これは他の材料用のキャリヤーとして用いうる。このような他の材料には、殺精子薬が含まれていてもよいが、これらに限定されるわけではない。
【0078】
前記物質は、断続的パターン、連続パターン、又は連続的部分と断続的部分との両方を有するパターンにおいて、陰唇間製品の体と接触する表面に塗布されてもよい。これらの物質を断続的パターンで塗布することは、これらの物質が液体の陰唇間装置20の中への受入れを妨げるのを最小限にすることが望ましいならば、有用であろう。その理由は、液体がこの物質の断続ゾーン間において吸収性コアの中に運ばれうるからである。これらの物質を連続パターンにおいて塗布することは、陰唇間装置の体側表面上で排泄物流へのバリヤーをつくり出すために、この物質が装着者の体と行なう接触を利用するのが望ましいならば有用であろう。しかしながら、これらの物質の連続パターンにおける塗布は、月経分泌物又は尿が陰唇間装置20によって吸収されるのを防ぐ不透過性バリヤーを形成する必要はない。
【0079】
この物質は、あらゆる適切な方法で、例えば噴霧、パジング、移送ロールの使用によって、あるいは印刷、例えばグラビア印刷又はスクリーン印刷によって塗布されてもよい。この物質は、陰唇間装置に直接塗布されてもよく、あるいはこれは、ついで陰唇間装置の所望の部分に接着される別の材料又は要素に塗布されてもよい。
【0080】
この物質は、陰唇間装置20のあらゆる適切な部分に配置されてもよい。この物質は、陰唇間装置20の体側表面全体、又はこれの一部分に配置されてもよい。例えばこの物質は、本体部分22の体側表面のすべて又は一部分の上に配置されてもよい。陰唇間装置が、中央吸収性部分と、そこから延びている柔軟性延長部とを備えている種類のものであるならば、この物質は、中央吸収性部分、あるいは柔軟性延長部、あるいは中央吸収性部分と柔軟性延長部との両方の上に配置されていてもよい。従ってこの物質は、陰唇間装置20の中央部に配置されてもよいが、陰唇間装置の周辺部分には配置されない。しかしながらより好ましくは、この物質は、陰唇間装置の体側表面の周辺部分に配置されてもよいが、中央部には配置されない。後者の方法でこの物質を配置することは、この物質が体内からの液体の陰唇間装置20内への受入れを妨げる傾向を最小限にすることが望ましいならば有利であろう。この物質はまた、この装置の端(及び/又はサイド部)の方への排泄物の流れを防ぐためのシールをつくるために用いることもできる。この物質は、本体部分22、中央吸収性部分、柔軟性延長部の体側表面、又は陰唇間装置の体側表面全体の表面積の次の割合パーセントのいずれかをカバーしてもよい。すなわち、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は100%(およそこれに等しいかこれより大きい)。
【0081】
この物質は、あらゆる適切かつ十分な量で陰唇間装置20に塗布されてもよい。これらの目的のために、陰唇間装置20に塗布される物質の量は、この装置及び物質の重量を含む総製品重量として表示される。好ましくはこの物質は、陰唇間装置全体の重量の過度の割合を占めないように、総製品重量の約20%又はそれ以下、より好ましくは約10%又はそれ以下、最も好ましくは約5%又はそれ以下を構成している。これによって、総製品重量のより多くの部分を、吸収力を与えるのに役立たせることができる。
【0082】
陰唇間装置が、陰唇間空間の所望の位置において定位置にとどまるのを助けるために、様々な物質をその上に載せた、陰唇間装置の多くの可能な特定の実施形態がある。陰唇間装置は、ここに記載された塗布パターンのいずれかにおいてこれに塗布された、ここに記載されている物質の1つ又はそれ以上を有していてもよい。
【0083】
例えば図1〜図3に示されている形状を有する陰唇間装置の本体部分22には、装着者の陰唇の内部表面へ陰唇間装置のその部分を接着させるのを補助するための生体適合性接着剤が備えられていてもよい。このような接着剤の強度は、吸収性陰唇間装置20が定位置にとどまるのを補助する一方で、装着者の陰唇間空間からこの装置を確実かつ快適に除去することができるようにするために選ばれるべきである。適切な接着剤の例には、現在市場で入手しうるヒドロコロイド又はヒドロゲル接着剤、及びアクリルベースの接着剤が含まれる。
【0084】
別の実施形態において、ここに記載されている物質のあらゆる望ましい組合わせ、又は塗布パターンの組合わせ、又はこれらの両方を用いることができる。1つの非限定的な例は、接着剤と非接着性物質との組合わせを陰唇間装置に塗布することであろう。例えばOsbornに発行された米国特許第5,762,644号に記載された形状を有する陰唇間装置の場合、ポリエチレングリコールが、中央吸収性部分の体側表面に備えられていてもよく、感圧接着剤が、柔軟性延長部に備えられていてもよい。好ましくは接着剤が用いられるならば、これらは、尿道から吸収性陰唇間装置20内への尿の流れをブロックもせず遅らせもしないような陰唇間装置の部分に塗布される。
【0085】
もう1つの実施例において、陰唇間装置20には、この装置を装着者の陰唇に隣接して定位置にとどめるのを補助するために、陰唇間装置の体側表面の周辺部の周りに、ここに記載されている物質(例えば接着剤)の1つが備えられていてもよい。この物質は、連続的又は断続的パターン、又は一部連続的で一部断続的であるパターンにおいて塗布されていてもよい。膨張性吸収性材料は、この物質によって画定された区域の内部に配置されてもよい。装着者の体との完全なシールを望むならば、装着者の陰唇に対する陰唇間装置の配置を誤ることによって生じることがある、装着者の体の近くで生じうるあらゆる隙間又は空隙を無くすため、及びセルフシール装置をつくり出すために、この膨張性吸収剤を用いることができる。膨張性吸収性材料のいくつかの非限定的な例には、超吸収剤、ヒドロゲル形成材料、吸収性フォーム材料、変性架橋セルロース繊維、及び圧縮吸収性材料、例えばタンポンに使用されるものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。
【0086】
陰唇間装置を定位置に保持するための物質に対しては、多くのその他の実施形態及び特性も可能である。例えばここに記載されている物質は、好ましくは陰唇組織の水和の自然状態を維持するのに十分な透湿度を有する。適切な透湿度は、相対湿度差10〜100%で約300gm m/時より低くはない。さらにはここに記載されている物質のどれも、1997年3月11日にRoeに発行された「液体ポリオールポリエステル皮膚軟化薬と不動態化剤とを備えたローショントップシートを有するおむつ(Diaper Having a Lotioned Topsheet Comprising a Liquid Polyol Polyester Emollient and an Immobilizing Agent)」と題する米国特許第5,609,587号、及び1997年7月1日にRoeらに発行された「ローショントップシートを有するおむつ(Diaper having a Lotioned Topsheet)」と題する米国特許第5,643,588号に記載されているもののような皮膚軟化薬と共に、あるいはこれと組合わせて用いることができる。
【0087】
陰唇間装置20を定位置に保持するためのここに記載されている物質の様々な実施形態に加えて、陰唇間装置は、その他の任意部材を備えていてもよい。例えば、本発明の陰唇間装置は、体の排泄物に関連した臭気を制御する上で、使用者にかなり顕著な利点を与えることが分かっている。さらに臭気を減らそうとするために、追加の臭気制御剤を添加してもよい。このような臭気制御剤には、活性炭、ゼオライト、シリカ、ポリアクリル酸(超吸収剤)、いくつかの第四化合物、トリエチルシトレート、シクロデキストリン、あるいはこれらの組合わせが含まれるが、これらに限定されるわけではない。特に好ましいシクロデキストリン化合物は、Trihnらに発行された米国特許第5,429,628号、及びPetersonらに発行された米国特許第5,780,020号に記載されている。これに加えて、さらにこれらの臭気を遮蔽するために、脱臭薬を加えてもよい。
【0088】
さらには店頭販売膣薬活性剤を、次の目的の1つ又はそれ以上のために添加してもよい。すなわち、洗浄、鎮静及びリフレッシュ効果を与えること、脱臭、軽い炎症の緩和、病原性微生物数の減少、正常な膣内細菌叢の成長を促進するためにpHを変えること、アストリンゼント効果を生じること、表面張力の低下、ムコ多糖類加水分解作用を生じること、又はタンパク質分解作用を生じることである。このような店頭販売膣薬活性剤は、カルシウムプロピオネート、ジオクチルナトリウムスルホスクシネート、ノノキシノール9、オクトキシノール9、カリウムソルベート、ポビドン-ロジン(PVP-ロジン)、ナトリウムラウリルスルフェート、及びナトリウムプロピオネートを含んでいる。
【0089】
これらの実施形態又はその他の実施形態において、陰唇間装置20又はこれらの要素のどれも、装着中に陰唇間装置に力が加えられた時に、陰唇間装置が定位置にとどまる能力を補助するために、延伸性及び/又はストレッチ性材料からできていてもよい。このような材料は、陰唇間装置のあらゆるラッピング又はトップシート、及びあらゆる柔軟性延長部、又はこれらの種類の要素の両方に特に有用であると考えられる。これらの吸収体が装着者の体に対して定位置にとどまるのを補助するための、ここに記載された物質のどれかを伴って、又は伴わずに、このような延伸性及び/又はストレッチ性材料がここに記載された吸収体の要素として用いられることもこの明細書の範囲内に含まれる。すなわちこの明細書はまた、延伸性及び/又はストレッチ性である少なくともいくつかの要素からつくられた新規陰唇間装置についても記載している。
【0090】
しかしながら、陰唇間装置が陰唇間空間において定位置にとどまるのを補助するために、陰唇間装置に物質が塗布される時、延伸性及び/又はストレッチ性材料から陰唇間装置又はそのなんらかの部分を形成することは特に望ましい。例えば陰唇間装置が、陰唇に接着している部分を有するならば、快適性の改良のため、及び炎症の可能性を減少させるために、好ましくはいくらかの延伸性が存在する。特定すれば、装着者の体が動く時に、装着者の陰唇の動きを制限しないことが望ましい。陰唇間装置のこれらの要素に用いることができる適切な延伸性材料は、1997年3月18日にOsbornらに発行された「ストレッチ性吸収体(Stretchable Absorbent Articles)」と題する米国特許第5,611,790号に記載されている。
【0091】
吸収性陰唇間装置20は、「独立型」製品として装着することもできる。さらには、長時間にわたる装着時間(例えば一晩)の間、体と衣服の汚れを減らす上での優れた性能は、吸収性陰唇間装置20を女性の衛生用品の「システム」の一部分として用いることによって得ることができる。汚れを減らす上で効果的なこのような1つのシステムは、吸収性陰唇間装置、例えば吸収性陰唇間装置20であり、これは生理用ナプキン、例えば生理用ナプキン70(図6に示されている)と同時に装着される。
【0092】
生理用ナプキンと組合わせた陰唇間装置のこのようなシステムは、単独で装着された生理用ナプキンあるいは陰唇間パッドのどちらかよりもより効果的である。本発明のシステムに用いられる吸収性陰唇間装置は、前記吸収性陰唇間装置20の好ましい属性のすべてを有していてもよく、好ましくは有しており、これは成形タブ52を含んでいてもよい。このシステムの生理用ナプキン70は、あらゆる適切な通常の生理用ナプキンであってもよい。生理用ナプキン70は好ましくは、少なくとも1つの液体透過性トップシート72、前記トップシートに接合された液体不透過性バックシート74、及びトップシート72とバックシート74との間に配置された吸収性コア76を備えている。さらには生理用ナプキン70は、好ましくはバックシート74の衣服側に配置されている感圧接着剤80を含んでいる。接着剤80によって、生理用ナプキン70は、装着者の下着の股部に接着されうる。下着が通常の装着位置に装着された時、生理用ナプキン70は、装着者の体の外陰部に隣接して存在する。生理用ナプキン70にはまた、生理用ナプキンに通常見られる追加部材が備えられていてもよい。これには、「ウイング」又は「フラップ」、例えばウイング78が含まれる。前記システムに用いるのに適した生理用ナプキンは、ウイング付き「オールウエイズ(ALWAYS)」超薄型マキシ(Ultra thin Maxi)生理用ナプキンである。これは、オハイオ州シンシナティーのザ・プロクター・アンド・ギャンブル社によって、第B1 4,589,876号;第4,687,478号;第4,950,264号;第5,009,653号;第5,267,992号;第5,354,400号;第5,389,094号;第5,489,283号;第5,620,430号;第5,704,930号、及び第Re.32,649号の1つ又はそれ以上に基づいて製造及び包装されている。その他の生理用ナプキンも許容しうる。例えばウイング78を伴わないもの、及び「超薄型」ではないものである。
【0093】
吸収性陰唇間装置及び生理用ナプキンを女性用衛生製品の1つのシステムとして用いるために、装着者は、吸収性陰唇間装置を陰唇間空間に挿入し、生理用ナプキンをパンティー型下着の股部に配置する。これら2つの工程は、どんな順序で実施されてもよい。吸収性陰唇間装置が挿入される時点の前に放出されることがある月経分泌物流の滴を捕らえて吸収するために、生理用ナプキンをパンティー股部に配置することを好む女性もいる。最初に吸収性陰唇間装置を挿入することを選ぶ女性もいる。吸収性陰唇間装置が挿入され、生理用ナプキンが下着の股部に配置された後、下着が引き上げられてその通常の装着位置に入れられる。その結果生理用ナプキンは、装着者の体の外陰部に隣接して存在し、これは吸収性陰唇間装置と同時に装着される。
【0094】
好ましくは前記システムと共に用いられる吸収性陰唇間装置は、装着者が排尿するたびに交換される。組合わされた生理用ナプキンは、より長時間(すなわち吸収性陰唇間装置の交換よりも長い時間)装着されてもよい。その理由は、多量の体内からの液体が、生理用ナプキンではなく陰唇間装置の上に付着され、これによって吸収されるからである。特に吸収性陰唇間装置20に、除去用のタブ52が備えられているならば、排尿前に吸収性陰唇間装置20を除去し、ついでもしこれがその完全な容量近くまで吸収していないならば、その後にこの同じ装置20を再挿入することを好む女性もいる。さらには女性が陰唇間装置をトイレに流すことによってこれを処分しないことを選ぶならば、タブ52は、この女性がこの製品を除去してこれを処分するのに衛生的な方法を与える。
【0095】
前記システムの生理用ナプキン及び吸収性陰唇間装置は、女性用衛生「キット」として共通のパッケージに包装されてもよい。このようなキットは、本発明のシステムの使用を容易にさせる。好ましくはこのようなキットに関連した包装は、女性用衛生製品の1つのシステムとして、前記方法に従って吸収性陰唇間装置及び生理用ナプキンを用いる方法に関する説明書も含んでいる。
【0096】
女性用衛生製品のもう1つの適切なシステムは、吸収性タンポン、例えば図7に示されているタンポン86と同時に用いられる本発明の吸収性陰唇間装置20を備えている。女性用衛生製品のこのシステムの吸収性タンポンは、あらゆる適切な通常の月経用タンポンであってもよい。これには、オハイオ州シンシナティーのザ・プロクター・アンド・ギャンブル社によって供給されている、「タンパックス(TAMPAX)」という商標で販売されているタンポンのどれかが含まれる。用いられるタンポンは、アプリケーター挿入またはデジタル挿入型のどちらであってもよく、この技術で知られているあらゆる適切なアプリケーターを用いてもよい。タンポンはまず、装着者の膣腔に挿入される。タンポンの挿入に続き、吸収性陰唇間装置を装着者の陰唇間空間に挿入する。ついで陰唇間装置及びタンポンは、ある一定時間の間同時に装着されている。吸収性陰唇間装置は、装着者が排尿するたびに除去及び交換されてもよく、あるいは除去され、ついで排尿後に再挿入されてもよい。
【0097】
同様にこのシステムの吸収性タンポン及び吸収性陰唇間装置20はまた、女性用衛生キットとして共通のパッケージに包装されてもよい。このキットによって、本発明の交互システムの使用が容易にされる。
【0098】
本発明のシステム及び関連するキットはまた、吸収性陰唇間装置、タンポン、及び生理用ナプキンの同時使用を含んでいてもよい。女性用衛生製品のこれら3つの種類すべてを備えたキットも、共通のパッケージに包装され、このようなシステムの使用に対する適切な説明書を含んでいてもよい。
【0099】
前記システムに加えて、吸収性陰唇間装置20は、月経用パンティライナー、又は失禁用の失禁パッドと同時に装着されてもよい。前記吸収性陰唇間装置20は、パンティライナー、失禁パッド、又は生理用ナプキンと組合わされ、これらと共に包装されて、女性の尿失禁キットを形成することもできる。このような失禁キットは好ましくは、軽度の失禁保護のために女性用衛生製品の使用法について装着者に説明する適切な包装材料を含んでいる。陰唇間装置20は、通常のパンティーに装着することができ、あるいはこれは月経用ショーツと共に用いることができる。
【0100】
本発明の吸収性陰唇間装置の多くのこれに代わる実施形態も可能である。例えばこれらの製品は、排尿によって除去されるように設計されている。但しこれに代わる引っ張りストリング又はループを用いてもよい。これらの製品はまた、皮膚軟化薬及び/又は医療用トリートメントと共に用いてもよい。例えば本発明の吸収性陰唇間装置20に用いるのに適した皮膚軟化薬組成物は、約50%のペトロラタム(例えばウイトコ社(Witco Corp.)によって製造されているホワイトプロトペット(White Protopet 1S))、約35%のセテアリルアルコール(ザ・プロクター・アンド・ギャンブル社によってTA-1618として製造されている混合線状C16〜C18第一アルコール)、及びバスフ社(BASF)によって製造されている約15%のセレアレト(Ceteareth)-10から構成されている。約0.03g/パッドの皮膚軟化コーティングが適切であることが分かった。
【0101】
本発明の吸収性陰唇間装置20には、この装置20の最大吸収力区域を示す視覚的マークがトップシート42の中心に備えられていてもよい。このようなマークは、異なる色の部位、例えばピンクの卵型から成っていてもよい。このマークは、幅約12mm、長さ約20mmであってもよい。吸収性陰唇間装置20にはまた、変化の視覚的マークが備えられていてもよい。換言すれば、この装置20は、トップシート42の表面上においてシーム60から内側に予め決められた距離のところに備えられたリング、接着パターン、圧縮線、又はその他の視覚的インディケーターを有していてもよい。吸収された体の排出物が、変化の視覚的マークに又は変化マークの外側に到達した時、使用者は、吸収性陰唇間装置20を交換すべきであることが分かる。このような変化マークは、排尿前にこの装置20を除去し、ついでこれがその吸収力にまだ達していないならば同じ装置20を再挿入する使用者にとっては特に有用である。
【0102】
所望であれば、吸収性陰唇間装置20は、個装に包装されてもよい。例えば図8及び図9に示されている包装50である。個装50は、フィルム及びトイレに捨てられる材料を含む、いくつかの適切な材料から構成されていてもよい。図8及び図9において、包装50は、縁においてフランジブルシールされているフィルムからできている。包装50には、あらゆる適切な形状のものであってもよい開口タブ56が備えられている。パッケージをフランジブルシールするのに適切な方法は、次の特許に記載されている。すなわち、Swansonに発行された米国特許第4,556,146号及びMintonらに発行された米国特許第5,462,166号である。このような包装に適したタブは、Roachらに発行された米国特許第5,413,568号に記載されている。
【0103】
装置及び製造方法
上に開示されているように、装置20の要素は適切な方法で組立てることができる。装置20は、手で、例えば開示されているような要素をカット、成形、及び配列することによって、及びあらゆる必要な接合及びタブ(突出部)形成操作を実施することによって組立てることができる。しかしながらこの装置は好ましくは、この技術で知られている自動又は半自動装置を用いて商業量で組立てられる。例えば、バックシート、トップシート、及び吸収性コアは、この技術で知られている方法及び装置を用いて、巻取り材から供給され、層化され、接着剤で接合され、サイズに合わせてダイカットされてもよい。しかしながら一体型タブ52を有する本発明の吸収性装置20をつくるには、バックシートに一体型突出部を形成するための追加装置、及び追加工程が必要である。この装置及び方法は、以下に詳細に開示される。
【0104】
タブ52は、適切なポリマーを適切に造形された型に吹込み成形することによってバックシートの突出部として成形することができる。タブ52は、型表面に合わせてバックシートを成形するための熱及び圧力を用いてバックシート材料を二次成形することによって形成されてもよい。例えば熱い「ナイフ」がバックシートに押付けられる。しかしながらタブ52は好ましくは、装置20のその他の要素のどれかを組立てる前に、バックシート38材料の歪誘発された可塑変形によって形成されるか、あるいはこれは、これらの要素のいくつか又は全部をその層化形状に組立てた後に変形されてもよい。
【0105】
図12は、本発明の装置20上にタブ52を形成するための1つの装置100を示している。装置100は、本発明の装置の小バッチ生産に適しており、これは次のものを備えている。すなわち、空隙区域、例えば細長いスロット開口部108を有する平らなプレートとして図12に示されている雌型成形部材102;細長いスロット116を有する平らなプレートとして図12に示されている圧縮部材104;及び一体的又は別々にこれに接合されている成形突出部112を有する平らなプレートとして図12に示されている、雄型成形部材、例えば雄型成形部材106である。装置100の各要素プレートは、x軸、y軸、及びz軸を有しており、これらの軸は、上に開示されているように、陰唇間装置20の軸に対して方向的に対応する軸を有する。
【0106】
雌型成形部材102は、好ましくはスロットが入れられ、丸みが与えられた縁110を有する開口部108を備えている。すなわち、開口部108の縁は、好ましくはここに開示されているようなタブ形成中に、バックシート材料の破断又は裂けを引起すのに十分なほど鋭くない。従って好ましい実施形態において、この縁は、少なくとも約3mm(約1/8インチ)、より好ましくは約6mm(約1/4インチ)の曲率半径を有する。この曲率半径は、12mm(約1/2インチ)の大きさであってもよい。曲率半径が大きくなればなるほど、歪誘発のためにより多い材料が供給される。すなわち、歪誘発部位において、より少ない材料が圧縮部材104によって圧迫される。
【0107】
雄型成形部材106及び圧縮部材104は、それぞれ成形突出部112と開口部116とを有する。成形突出部112は、開口部116と機能的整合にあり、一般に丸い輪郭を備えており、これらの丸い輪郭及び全体的な形状は、図3に示されているようにタブ52の好ましい最終形状に対応する。成形突出部112は、一般に平らになっていてもよく、厚さT2を有しており、材料をカットせず、あるいはまた材料を引き裂くことなく、タブ52を形成するのに十分なほど丸みのある縁を備えている。例えば図13に示されているように、約2mm(約1/10インチ)の幅T2、及び約T2/2の縁の曲率半径R1を有する成形突出部は、約0.012mm(約0.0005インチ)の厚さを有するポリエチレン製のタブ52をうまく形成することができる。
【0108】
成形突出部は、圧縮部材104の厚さを通って延び、かつ図2に示されているように、十分な長さL2を有するタブを形成するのに十分な長さL3のものであるべきである。実際には、歪が与えられた材料の回復をいくらかでも発生させながらも、歪力が除去された後、所望の長さL2を維持するためには、L3は、圧縮部材104の厚さと所望の最終長さL2との合計よりも大きい予め決められた距離を有すべきである。より大きい予め決められたL3の距離は、特定のバックシート材料及びタブ52の所望の長さによる。1つの実施形態において、15mmの最終長さを有するタブ52を有するためには、バックシート材料は、18mmの対応長さまで歪が与えられることが分かった。
【0109】
雌型成形部材102、圧縮部材104、及び雄型成形部材106は、各々x軸及びy軸において整合的に協同作用を行ない、従ってここに考察されているz軸において協力的な係合、好ましくは線状整合が可能にされる。操作中に、バックシート材料38、又は吸収性コアがその上の定位置に配置されているバックシート材料は、図12において破線で示されている部位118に平らに配置されている。バックシート及び/又は吸収性コア材料は、この時点であらゆる所望の形状であってもよく、次の工程において好ましい一般的に卵型の形状にダイカットされてもよい。しかしながらこの時点でのバックシートの形状とは無関係に、中央に最終装置と整合されているタブ52を製造するために、バックシート材料は、装置20の結果として生じたx軸が、装置100のx軸と整合するように整合されるべきである。同様にy軸もそのように整合されるべきである。
【0110】
バックシート及び所望であれば吸収性コアが雌型成形部材102の上に配置されたら、圧縮部材104は、バックシートを予め決められている圧力下に2つのプレート間に「サンドイッチ状に挟む」ために、雌型成形部材102と向かい合って圧縮接触するようにさせられる。圧縮量は、下記成形操作中に圧縮部位においてバックシートの望まれない動きを防ぐのに必要とされるように調節することができる。必要であれば、雌型成形部材102と圧縮部材104との向かい合っている表面は、バックシート/吸収性コアが、タブ形成プロセス中に動かないようにするのを補助するために、比較的高い摩擦係数の物質又は材料で処理されてもよい。例えば薄い軟質ゴムシートを、向かい合っている1つの面または両面に付けて、圧縮部位においてバックシート/吸収性コアのより高い摩擦安定化を実施する。従って理想的には、タブ形成は、非圧縮部位におけるバックシート材料の可塑変形のみによるものであって、単にバックシート材料が開口部108を通って引き下げられることによるものではない。
【0111】
可塑変形は、使用されている実際の材料における増加を伴わずに、全体の材料表面積における増加によって、より望ましいタブを製造すると考えられる。従って追加の重量は、最終装置に加えられない。これは前記のように、装置を負荷条件下に定位置にとどめる確実性に寄与する。
【0112】
実際には,タブ形成のいくつかは、材料のなんらかのシフト、又は開口部108の中への引き下げによるであろうと考えられる。これは許容しうるものであり、いくつかのタブ形状又は材料選定には望ましくさえある。しかしながら現在好ましいタブ形成方法及び装置は、圧縮部位内でのこのような材料シフトを最小限にする。
【0113】
理論に結び付けられるわけではないが、この材料の特徴である、歪誘発された圧伸(drawing)、すなわち可塑変形は、部分的には装置の形状によると考えられる。例えば結果としてタブ52を生じる材料は、開口部108のすぐ上にある材料、並びに丸みのある縁110の上にある材料から圧伸される。換言すれば、開口部108及び110の上にある材料は、圧縮されておらず、従ってタブ52を形成するために歪を与えることができる。従って丸みのある縁110の比較的大きい半径の場合、タブ52を形成するのに、歪が与えられるか又は圧伸されるためには、より多くの材料が利用可能である。従って比較的低い歪限界を有する材料の場合、比較的大きい半径によって、所望のタブ長さが可能になる。
【0114】
圧縮部材104が、ひとたび雌型成形部材102と機能的関係(すなわち加圧されて向かい合った接触関係)にされたら、雄型成形部材106は、z方向に機能的整合において線状に動かされ、従って成形突出部112は、開口部116を通って圧縮部材104の中まで延び、雌型成形部材102における開口部108に隣接したバックシート材料/吸収性コアと接触する。雄型成形部材106は、可塑変形によってタブ52を形成するのに十分な量だけz方向に連続している。歪の最大量、及び歪の最大率は、主としてバックシート材料の材料特性によって決定され、これはそれに応じて決定されうる。
【0115】
一般的に、ある一定材料に対して十分な長さL2を有するタブ52を製造するために、この材料は、破断前に少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約100%、最も好ましくは少なくとも約200%の歪に耐えうるべきである。歪率は、本発明の成形には決定的なものではないが、歪率特徴は、タブの商業的高速生産を考慮する時には重要である。従って下記装置によって可能にされる比較的高速の生産の場合、バックシート材料が、少なくとも約10mm/秒、より好ましくは少なくとも約20mm/秒、最も好ましくは少なくとも約30mm/秒の歪率に耐えうることが望ましい。
【0116】
図12に示されている装置を用いてタブを形成する基本的装置及び方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な形態を取ることができる。例えば前記のように、タブを形成する前に、バックシート材料上の定位置に吸収性コア材料を供給することが望ましいであろう。従ってバックシート材料は、雌型成形部材102上の定位置に配置され、吸収性材料は、バックシート材料上の定位置に配置されてもよい。雄型成形部材106が、機能的に動かされる時、成形突出部112は最初に吸収性コア材料を貫通するか、あるいはこれを変形し、ついでバックシート材料を変形させる。吸収性コア材料及び成形部材112の形状によって、吸収性コアのいくつかは、タブ形成プロセスの間、タブ52の内部部分54の中に圧伸されてもよい。このことは、装着者の体からより大きい距離のところに配置されたもう1つの液体貯蔵能力部を与えるので、望ましいものと考えられる。
【0117】
さらには、図12を参照して開示されている基本的装置及び方法は、例えば成形部材の線状係合に頼らないヒンジ配列を形成することによって、その操作において修正することができる。その縁の1つの周りでヒンジによって回転可能な、少なくとも成形部材16を有することによって、歪誘発された変形は、バックシート及び/又は吸収性コアが上に開示されているように圧縮に保持されている間、ヒンジ付き部材を閉鎖されて向かい合った関係において回転させることによって実施されうる。
【0118】
図12に関して記載されている基本的プロセスに対するもう1つの変形例において、雌型成形部材102における開口部108に合致する部位において、他の材料がバックシート材料及び/又は吸収性コアの上に積み重ねられてもよいが、タブ形成前、圧縮部位においては積み重ねられない。例えば吸収性ゲル化材料のガーゼラップにおけるパケット、例えば微粒子材料は、成形突出部112が機能的に動かされた時、最初に吸収性ゲル化材料のパケットに接触し、究極的にはこれを押し下げて、タブ52の内部部分54の中に押し入れるように配置されてもよい。従って吸収性ゲル化材料は、装着者の体から離れて、タブの中にさらに大きいことさえある液体貯蔵能力を与える。吸収性ゲル化材料は、キャリヤー、例えばタブ形成中に破壊又は引き裂けに抵抗するガーゼラップ上に備えられていてもよい。吸収性ゲル化粉末も、ここに記載されているように配置されている接着剤テープの上に備えられ、タブの内部部分の中に圧伸されてもよい。同様に吸収性ゲル化材料は、液体形態、例えば液体分散液、又は吸収性材料それ自体中の離散粒子としての粉末又はグラニュールとして供給されてもよい。
【0119】
図12に示されている装置100に関して記載されているプロセスは、連続ウエブ材料、すなわち巻取り材から陰唇間装置を形成するための、比較的高速の連続プロセスに適合させることができる。例えば図14に示されているタブ形成装置120は、吸収性装置、例えば生理用ナプキンを巻取り材から形成するように設計された現存装置と直列(in line)に配置されていてもよい。一般に各要素、すなわちバックシート、トップシート、及び吸収性コアは、ウエブとして供給されてもよく、巻取り材として供給されてもよい。ウエブは、ウエブを使い捨て吸収体として層化、接着、ダイカット、及びあるいはまた形成するために、適切な装置の中に供給されるか又は導かれる。本発明の方法において、図14に示されている装置は、好ましくはトップシートを下記のようにバックシート及びコアとの層化関係にする前に、直列に配置されていてもよい。
【0120】
図14に示されているように、タブ突出部は、本発明の方法によって、連続プロセス装置120によって形成されてもよい。ウエブバックシート材料130は、巻取り材、例えばポリエチレンの巻き取られたロールから、連続ストリップ又はウエブ形態で供給されてもよい。バックシート材料130は、その他の要素、例えば吸収性コア材料又はトップシート材料(もし用いられているとすれば)と接合されるか、ラミネートされるか、あるいはまた組立てられる前に形成されたタブ突出部を有していてもよい。しかしながら好ましい実施形態において、吸収性コア材料は、サイズ及び形状に合わせてダイカットされ、タブ形成前にバックシート材料上で間隔があけられた関係に配置される。従って図14に示されているように、吸収性コア材料44は、その最終寸法までダイカットされ、装置120に入れる前にウエブ材料130の上に配置され、必要であればこれと位置合わせされ、間隔があけられた関係に接着されてもよい。
【0121】
吸収性コア材料44は、既知の方法によってダイカットされる前に、パッド、バット、又はその他の一般に平面のウエブとして供給されてもよい。例えば不織布吸収性材料ウエブは、適切に造形されたダイカット手段を有する回転ダイカッター(図示されていない)のニップにガイドされてもよい。ダイカット吸収性材料が、ダイカット手段のニップから出る時、これは既知の方法によって間隔があけられた関係にあるバックシートウエブ材料130の上に強制的に載せられてもよい。例えば吸収性コア材料44は、重力によって載せられてもよく、あるいは正圧、例えば空気圧を用いて強制的に定位置に入れることもできる。別の実施形態において、吸収性コア材料44は、図14に示されているように、間隔があけられた関係においてバックシートウエブ材料に接着剤によって接合されてもよい。接着剤によって接合された時、接着剤が、タブ形成部位には塗布されないことが重要である。換言すれば、特にタブ52の内部部分54における吸収性材料の量が最小限にされるべきであるならば、吸収性コア材料は、タブ形成部位においてバックシートにに接着されないことが望ましい。
【0122】
装置120は、図14に示されているように、位置合わせされて間隔があけられた関係にある複数の空隙区域又はポケット、例えば細長いポケット開口部208を有する回転雌型成形部材としての雌型成形部材122;図14に示されているように、位置合わせされて間隔があけられた関係にある複数の細長いスロット216を有する柔軟性ベルト圧縮部材としての圧縮部材204;及び図14に示されているように、位置合わせされて間隔があけられた関係にある複数の成形突出部212を有する回転雄型成形部材のような雄型成形部材124を備えている。様々な要素の「位置合わせされて間隔があけられた関係」とは、間隔があけられた要素が、タブ52を形成するために位置合わせされ、成形ニップ140のところで機能的関係において一致しているような、機能的要素の相対的関係のことを言う。細長いポケット開口部208、スロット216、及び成形突出部212の数は決定的なものではなく、少なくとも1つあるだけでよい。しかしながら複数、例えば示されているように6個は、商品として実施可能なプロセスにおいて生産率を有意に増加させることができる。
【0123】
図14において雌型成形部材122は、上部ロール要素として示され、雄型成形部材124は、下部ロールとして示されている。しかしながらここで、及びこの明細書において示されてているような「上部」及び「下部」位置とは、図14に示されているような配向を記載しているが、あるはまた相対的なものでもあり、ここに記載されている要素は、相対位置において逆であってもよく、あるいはまた異なった配向であってもよく、その場合も実際的影響はない。
【0124】
バックシート材料130が図14に示されている縦方向(MD)に動かされるにつれて、これは雌型成形部材122に一部巻き付けられて張力が掛けられた配列に配置されている柔軟性圧縮ベルト204の圧力によって形成されている圧縮部位142に入る。圧縮部位142の範囲は、ラップ角度A1によって決定され、従って必要に応じて調節することができる。一般的には、ラップ角度A1は吸収性コア材料44の縦方向の寸法の少なくとも1/2の弧長、より好ましくは少なくとも吸収性コア材料44の縦方向寸法全体を画定するのに少なくとも十分であることが望ましい。
【0125】
圧縮ベルト204は、1つのプーリーとして、回転軸の周りで駆動される雄型成形部材124と、調節可能なアイドラーローラーであってもよいプーリー126とを備えた2つのプーリーシステムとして特徴付けることができる。圧縮部位142に加えられる圧力の量、並びにラップ角度A1は、ベルトローラー又はプーリー126の位置を調節することによって、必要に応じて調節することができる。一般に、より多く張力が掛けられた柔軟性ベルト204は、圧縮部位142においてより高い圧縮を与える。
【0126】
バックシート材料130及び間隔があけられている吸収性コア材料44が圧縮力下にニップ140に入る時、これらは、対応する空隙区域208及び成形突出部212と機能的に位置合わせされる。さらには柔軟性ベルト204にはスロットが入れられ、従ってニップ140の前及びニップにおいて、突出部212は、対応するスロット216を通って延び、従って示されている回転成形機(former)によるタブ52の形成中、空隙区域208、柔軟性スロット216、及び成形突出部212は、機能的に整合されて位置合わせされた関係にあり、従って回転雄型成形部材124及び回転雌型成形部材122の連続回転の時、突出部212は、空隙区域208内に受入れられた時にバックシート材料と接触しこれに歪を与える。バックシート材料の歪誘発延伸によって、材料の可塑変形が生じ、これによってタブ52が製造される。
【0127】
回転成形部材122及び124は、あらゆる適切な材料から形成することができるが、一般的な機械加工金属(machine metal)、例えば鋼が好ましい。各回転成形部材は、多数要素を備えていてもよい。例えば1つの実施形態において、突出部212は別々の部材として形成され、この技術で知られている方法で回転部材に接合される。例えば薄いプレートが、一般に円形形状に機械加工され、その周辺部においてその中に回転成形部材を形成しており、突出部又は空隙がこのプレートと一体的に機械加工されている。このように形成されたプレートはついで、2つの追加プレート間に「サンドイッチ状に挟まれて」雄型回転成形部材(突出部が形成されたら)又は雌型回転成形部材(空隙が形成されたら)を形成することができる。回転成形部材と圧縮ベルトの幅は、一般に同じであるべきであり、少なくともバックシート材料の流入ウエブ130と同じ幅であるべきである。図14において空のポケット208は、突出部212と同じ一般的形状として示されているが、これらはそのような形状である必要はない。実際には一般的に長方形形状のポケットで十分であり、空隙区域の深さは決定的なものではない。実際、回転成形部材212の周辺部の周りに配置されている連続空隙、すなわち十分な深さの溝が、成形部材122における空隙区域としては十分であろうとも考えられる。
【0128】
柔軟性ベルト圧縮部材204は、張力が掛けられた柔軟性ベルト、例えばタイミングベルトに適したあらゆる材料からできていてもよい。柔軟性ベルト204は、好ましくはバックシート及び吸収性コア材料に向けられた比較的滑らかなサイド部を有する。スロット216は、この技術で知られている方法によって、例えばダイカット、剪断、又はスリットによって柔軟性ベルト204に形成されてもよい。スロット216の長手方向の寸法D1並びにスロットの幅は、回転成形部材の回転中、突出部212がベルト204を通ってニップ140の区域内に延びうるのに十分なものでなければならない。
【0129】
記載されている要素及び部品の配向及び寸法は、最終製品の設計の必要条件に合うように、調節され、修正され、あるいはまた変えられてもよい。例えば突出部212の延長された長さ、及びその対応する雌型空隙区域208の深さは、ベルト204の厚さ、及び歪が与えられ可塑的に変形されたあるいくつかの材料によって示される歪回復の量を考慮に入れて、所望のタブ長さをつくるのに十分なものでありさえすればよい。
【0130】
有用性を有する他の修正例も考えられる。例えば成形部材122及び124のどちらか又は両方が、タブ形成を補助するために加熱されてもよく、加熱部位を有していてもよい。同様に、図14に示され、ここに一般に平らで丸くされた要素として描かれている突出部212(例えば図12参照)は、非対称形状を含む様々な形状のものであってもよい。さらにはより商業的に実施可能な生産プロセスのためには、多数の回転成形部材122及び124は、同時形成されている多数のタブ列を形成するために平行に「組編成される(ganged)」か又は組立てられていてもよい。
【0131】
手で、又は本発明の方法及び装置によって形成されたら、これは、図9に示されているように、陰唇間装置を折り畳まれた形状にプレスするのが有利であることが分かった。陰唇間装置を折り畳まれた形状にプレスすることによって、比較的厚い装置の折り畳まれた厚さを減少させることができ、これによってより多くの吸収性材料が空間に供給され、これは、使用者の陰唇間空間に都合よくフィットする。例えば図2に示されているように、厚さT1を有する装置の場合、十分な量を折り畳まれた形状にプレスすることによって、折り畳まれた厚さは、2×T1未満にされる。好ましい実施形態において、この製品の折り畳まれた厚さは、約4〜6mmであり、より好ましくは約5mmである。より容易でより快適なフィットを可能にすることに加えて、比較的小さい折り畳み厚さ寸法によって、図8及び9に示されているように、より経済的で実用的な包装が可能になる。ここに記載されている部材及び要素はまた、その他の種類の吸収体にも用いうると理解すべきである。これには、メイク落としパッド、硬質表面洗浄パッド、おむつ、生理用ナプキン、タンポン、失禁用装置、及びパンティライナーが含まれるがこれらに限定されるわけではない。例えばここに記載されている一体成形タブ52は、生理用ナプキン、パンティライナー、メイク落としパッド、硬質表面洗浄パッド、及びその他の使い捨て製品のバックシート上に掴み表面を形成する場合に非常に有利になりうる。従って添付クレームは、ここに記載された部材及び要素、並びにここに記載された部材及び要素のすべての組合わせをカバーするものとする。
【0132】
テスト方法
吸収力
吸収力は、次のように測定することができる。このテストは、テスト前に2時間の間50%の相対湿度及び73°Fの室内に放置することによって状態調節されたサンプルに対して実施される。このテストは、同様な条件下に実施されるべきである。
【0133】
製品の重さを0.1グラムの最も近くまで測る。ついでこの製品を、0.9%滅菌塩水溶液(イリノイ州ディアフィールドのバクスター・トラヴェノール社(Baxter Travenol Company, Deerfield, IL)から入手しうる)のビーカーの中に沈める。従ってこの製品は完全に沈められ、曲げられず、あるいはまた捻られたり折られたりもしない。製品を10分間沈めておく。製品を塩水から取り出し、塩水をこの製品から排水するために、5分間、0.25×0.25インチ(0.64cm×0.64cm)の正方形開口部を有するワイヤメッシュスクリーン上に水平に置く。ついで製品の両側を、吸収性吸取り紙で覆う。これは例えば、ペンシルベニア州マウントホリースプリングス(Mount Holly Springs, PA)のフィルトレーション・サイエンス社、イートン-ダイクマン部(Filtration Science Corp., Eaton-Dikeman Division)から入手しうる濾紙#631である。1平方インチ(6.9Pa)あたり均一な1ポンド荷重を、過剰な液体を絞り出すために製品の上に置く。吸収性吸取り紙に移される液体の量が、30秒間で0.5グラム未満になるまで、吸収性吸取り紙を30分ごとに取り替える。次に製品の重さを0.1グラムの最も近くまで測り、この製品の乾燥重量を差し引く。この差(グラム)が、この製品の吸収力である。
【0134】
水分散テスト
装置
振とう機:イリノイ州メルローズパーク(Melrose Park, Illinois)のラブ・ライン・インストルメンツ社(Lab Line Instruments)から入手しうるジュニア・オービット振とう機
温度計:1度ずつの目盛りがついている30〜120°Fのもの
タイマー:テジタルストップウオッチ
蓋付きジャー:蓋付き16オンスガラスジャー
状態調節された部屋:温度及び湿度は、次の限界内にとどまるように制御されるべきである
温度:73±3°F(23℃±2℃)
湿度:50±2%相対湿度
テストの組立て
1.ガラスジャーを73±3°F水道水300mlで満たす。
2.ジュニア・オービット振とう機の速度を、製造業者の指示に従って250rpmにセットする。
手順
1.ジャーの中の水の表面の3〜4インチ(7.6〜10.2cm)上にサンプル(例えば吸収性陰唇間装置20)を保持する。サンプルを静かに水表面の上に落とす。
2.ジャーに蓋をする。
3.ジャーがその側に向けられるようにジャーをジュニア・オービット振とう機の中に入れる。
4.オン/オフスイッチでジュニア・オービット振とう機をスタートさせ、振とう機が始動されたときにタイマーをスタートさせる。
5.サンプルが少なくとも2片に分離するまでに必要な時間を記録する。分離には、その他の部分が無傷のサンプルからの、いくつかの個々の繊維の解離は含まない。時間は、サンプルが振とうされている総時間である。
6.3つの追加のサンプルについて1〜5までの工程を繰返す。
【0135】
計算及び報告
テストされた4つのサンプルについての水分散時間の平均及び標準偏差を計算して報告する。
【0136】
水洗性テスト
概観
前記のように、用語「水洗可能な又は水洗性」は、この製品の物理的特徴と直接関連しうる詰まり又は同様な問題を引起さずに、商品として入手しうる典型的な家庭用トイレ及び配管排水系を製品が通過する能力のことを言う。添付クレームの目的のためには、これらの製品は、便器及びトラップ排出の相対的容易さ、及びシミュレートされた配管系を通るその後の輸送による水洗性について評価される。このような装置の水洗性は、次のテスト手順によって測定されるのがよい。
【0137】
テスト手順は、4人家族(男性2名、女性2名)の場合の2日間の通常のトイレ使用をシミュレートするように設計されている。このテストは、次の状態をシミュレートするために次のフラッシュシーケンスを用いる。すなわち、男性が排尿のためにトイレに入る、女性が排尿のためにトイレに入る(排尿後のティシューでの乾燥を含む)、ティシューを用いた洗浄を伴っての製品(すなわち陰唇間装置又はテストされるその他の装置)の処分、及び大便のためにトイレに入る、である。各々のティシューフラッシュのために用いられるティシューの量は、7枚ずつの2つのストリップという通常の負荷である。この通常の負荷は、典型的な日常的習慣(habit and practices)に関する消費者調査に基づく。このテストは、製品が通常のトイレを通ってフラッシュされ、市町村の下水又は浄化槽に入る場合に製品が遭遇する状態をシミュレートするように設計されている。サンプルは次のことについて評価される:1)便器及びトラップからの一掃、2)排水管路の閉塞、及び3)フラッシュ中の分解。
【0138】
装置
水洗性テストに適した装置を、図10の平面図に示す。この装置は、次のものを含んでいる:
・参照番号210で示された、3.5ガロン(13.2リットル)の水節約型サイホン渦巻きトイレ(様々なフラッシュメカニズム、例えば商用圧力トイレを用いてテストサンプルの挙動を評価するために、図10に示されている配管レイアウトに、追加のトイレを取り付けてもよい);
・4インチ(10cm)内径のアクリルパイプ約59フィート(18メートル)(図10から分かるように、配管は、約10フィート(3メートル)の長さの直線系統211、213、215、217、219、221を有する大体正方形形状に組立てられている);
・換気のために大気に対して開かれているトイレ210のわずかに下流にある鋳鉄継手223;
・鋳鉄の5つの90°エルボー212、214、216、218、及び220:
・パイプ終端部から約15フィート垂直に配置され、ほぼ1インチ(2.5cm)長さのスナッグ222(図11);及び
・分解の評価のための固体流出物を捕らえるためのスクリーン(No.4タイラー(Tyler)篩)。
【0139】
この方法に用いられる装置は、ガラス状陶磁器据付品(Vitrenous Chinafixtures)についてのANSI標準A112.19.2M-1990と同等のものになるように組立てられている。パイプは、パイプ長さ1フィートあたり0.25インチ(2cm/m)の滴を生じるように配管されている。
【0140】
材料
テストに用いられるティシュー製品:オハイオ州シンシナティーのザ・プロクター・アンド・ギャンブル社によって製造されている標準的「チャーミン(CHARMIN)」トイレットティシュー。
合成大便材料:下記方法に従って調製されたもの。
テストフラッシュシーケンス
テストフラッシュシーケンスは、4人家族についての2日間の通常のトイレ使用をシミュレートする(男性2名、女性2名:消費者の日常的習慣調査に基づくもの)。全部で34回のフラッシュシーケンスは、空の便器で14回、ティシューのみで8回、ティシュー及びテストされる製品で6回、及びティシュー及びシミュレートされた大便物質(SFM)で6回のフラッシュから構成されている。SFMが用いられる場合、これは、ティシューを加える直前に便器に入れられる。160g±5gのSFM負荷は、1インチ(2.5cm)×4インチ(10cm)片2個と1インチ(2.5cm)×2インチ(5cm)片1個とから成る。折り畳まれたティシューストリップ(又は月経用品)を、10秒間隔で便器に入れる。最後のストリップ又は製品が便器に入れられた10秒後、トイレをフラッシュする。フラッシュシーケンスは、次の順序で組合わされた一連の2つのルーチンとして次に記載されている。
【0141】
ルーチン#1(全部で30回のフラッシュについてまず6回実施される)
1)ティシューのみでフラッシュする。水がシミュレートされた障害物に達した2分後に、排水管路閉塞読み取りを行ない、さらに1分待って、工程2に進む。
2)空の便器でフラッシュする。水がスナッグ点に達した2分後に、排水管路閉塞読み取りを行ない、工程3に進む。
3)ティシュー及び製品でフラッシュする。水がスナッグ点に達した2分後に、排水管路閉塞読み取りを行ない、さらに1分待って、工程4に進む。
4)空の便器でフラッシュする。水がスナッグ点に達した2分後に、排水管路閉塞読み取りを行ない、工程5に進む。
5)ティシュー及びシミュレート大便物質(SFM)でフラッシュする。水がスナッグ点に達した2分後に、排水管路閉塞読み取りを行ない、さらに1分待つ。
【0142】
ルーチン#2(1回実施される)
1)ティシューのみでフラッシュする。水がスナッグ点に達した2分後に、排水管路閉塞読み取りを行ない、さらに1分待って、工程2に進む。
2)空の便器でフラッシュする。水がスナッグ点に達した2分後に、排水管路閉塞読み取りを行ない、工程3に進む。
3)ティシューのみでフラッシュする。水がスナッグ点に達した2分後に、排水管路閉塞読み取りを行ない、さらに1分待って、工程4に進む。
4)空の便器でフラッシュする。水がスナッグ点に達した2分後に、排水管路閉塞読み取りを行なう。
【0143】
1シーケンスあたりのフラッシュ総数は34回である。
【0144】
このフラッシュシーケンスにおける2回目のフラッシュ後、この製品はフラッシュ後に便器又はトラップにとどまるならば、ティシュー及び/又は製品を手で排水管路の中に沈め、フラッシュシーケンスが続けられる。各試験負荷が終了した後、その後のテストを開始する前に、排水管を一掃する。
【0145】
前記フラッシュシーケンスは、各テスト製品について3回繰返す。
【0146】
データ報告
排水管路閉塞の程度は、障害物の後ろでせき止められた水の長さを測定することによって決定される。障害物の上流の排水管上に、12インチ(30cm)ごとに目盛りをつける。水が逆流する1フィートの長さは、それぞれ、障害物の地点での閉塞0.25インチ(0.6cm)又は6.25%に相当する。排水管を出るテスト製品の残渣もまた回収される。
【0147】
各評価ごとに次のデータを記録する:
1)1回のフラッシュで製品が便器及びトラップから一掃されなかった率(incidence of failure)(%)
2)2回のフラッシュで製品が便器及びトラップから一掃されなかった率(%)
3)シミュレートされたスナッグ上の製品の発生率
4)排水管路閉塞の最大レベル(%)
5)2日間のシミュレートされたテスト期間における排水管路閉塞の累積レベル(%)。
【0148】
好ましくはここに記載されている製品は、2回又はそれ以下のフラッシュにおいてこの時間の少なくとも約70%、より好ましくは1回のフラッシュにおいてこの時間の少なくとも約80%、さらにより好ましくは1回のフラッシュにおいてこの時間の少なくとも約90%、最も好ましくは1回のフラッシュにおいてこの時間の少なくとも約95%で、便器から完全に一掃される。ここに記載されている製品は、好ましくは約80%又はそれ以下の排水管路閉塞の最大レベルを有する。ここに記載されている製品は、2日間のシミュレートされたテスト期間において、好ましくは約50%又はそれ以下の排水管路閉塞の累積レベルを有する。
【0149】
合成大便材料の調製
I.必要な材料:
・フェクローン(Feclone)合成大便物質(900グラム);(ペンシルベニア州ヴァリーフォージのシリクローン・ステューディオ社(Siliclone Studio, Valley Forge, PA)から製品BFPS-7乾燥濃縮物として入手しうる)
・100℃の水道水(6066グラム)
II.必要な装置:
・混合機(オハイオ州トロイのホバート社(Hobart Corp., Troy, OH)からモデルA200として入手しうる)
・押出し機(オハイオ州トロイのホバート社からモデル4812として入手しうる)
・スクリューキャップの付いた使い捨て遠心分離管(50ml)(イリノイ州シカゴのVWRサイエンティフィック社(VWR Scientific, Chicago, IL)からカタログ番号21-008-176として入手しうる)
・温度を37℃まで制御するための水浴
III.調製:
1.混合機の混合ボウルに100℃の水を注ぎ入れ、乾燥フェクローン濃縮物を加える。
2.低速で1分間混合する。
3.中速で2分間混合する。
4.この物質が十分に混合された後、押出し機に移す。
5.アイスピックを用いて、各遠心分離管の先端に小さい孔をパンチする。
6.フェクローンを遠心分離管に押出す。
7.遠心分離管に蓋をし、冷蔵庫に保存する。
8.使用前に、これらの管を38℃の水浴に入れる。
【0150】
28日スラッジテスト
目的
生物学的に活性な嫌気性スラッジに暴露した時に吸収体が分解する程度を測定するため。嫌気条件は一般的には、家庭の浄化槽、並びに嫌気スラッジ消化槽の形態の市町村の下水処理設備において見られる。テスト製品例えば吸収体を、嫌気消化槽スラッジと組合わせて、28日間のテスト製品の分解の程度及び分解率を測定する。分解(重量変化によって測定される)は、一般的には特定調査の3日目、7日目、14日目、21日目、及び28日目に測定される。このプロトコルは、ミシガン州アンアーバーの国立公衆衛生基金(National Sanitation Foundation, Ann Arbor, Michigan)、国際プロトコル:1992年11月のテスト製品の嫌気分解の評価(Evaluation of the Anaerobic Disintegration of a Test Product)をモデルにする。
【0151】
材料
対照製品
嫌気性分解テストにおける正の対照製品として、タンパックス・レギュラーブランドのタンポンを用いる。
【0152】
材料の調製
テスト製品及び対照製品を反応器に入れる前、材料を、103℃±2℃で2時間、熱風乾燥機で乾燥し、ついで重さを測って当初重量を決定する。ほぼ等しい重量の対照製品とテスト製品とを、それぞれの反応器に入れる。
【0153】
嫌気性スラッジ:
この評価で用いられているスラッジは、市町村の排水処理プラントから得られた嫌気性スラッジ、又は上層(overlaying)水を沈殿及びデカントして濃縮された排水処理からの流入水として得られた未処理の下水汚物である。この評価において用いる前に、スラッジの次のパラメーターを、標準的実験室操作手順に従って測定する。
総固体
総揮発性固体
pH
スラッジは、評価に用いるためには次の基準に合うものであるべきである。
pH6.5〜8
総固体≧15,000mg/L
総揮発固体≧10,000mg/L
スラッジの活性についての基準には、対照タンポン材料が、28日間の暴露後、その当初乾燥重量の少なくとも95%を失わなければならないということが必要とされる。
【0154】
手順:
嫌気性消化槽スラッジ又は濃縮未処理下水汚物1500mlが入っている、2Lの広口ガラスフラスコ(反応器)に、テスト製品及び対照製品を加える。サンプリング日1日につき1テスト材料あたり3つの反応器フラスコを準備する。このようにして、分解が3日目、7日目、14日目、21日目、及び28日目に測定されるならば、全部で、テスト製品には15個の反応器フラスコ、対照製品には15個のフラスコがあることになる。反応器を密閉し、35±2℃に維持されたインキュベーターに入れる。特定のサンプル日に、テスト材料及び対照材料の各々について3つの反応器をインキュベーターから取り出す。指定されたサンプル日に、各反応器の内容物を、1mmメッシュスクリーンに通して、あらゆる未分解物質を回収する。収集されたあらゆる物質を水道水で濯ぎ洗いし、スクリーンから除去し、103℃±2℃で少なくとも2時間、熱風乾燥機に入れておく。乾燥された物質の重さを測り、最終重量を決定する。反応器から回収された時、物質の物理的外見の目視観察も行なわれ、記録される。
【0155】
結果:
各テスト材料及び対照材料の嫌気分解率及び程度は、この材料の当初乾燥重量及びサンプル日に回収された材料の乾燥重量から決定される。嫌気分解率パーセントは、次の等式を用いて決定される(重量損失率パーセント):
分解率パーセント={(当初乾燥重量-最終乾燥重量)/(当初乾燥重量)}×100
各サンプル日に対してテスト製品及び対照物質についての平均分解率パーセントが示される。添付クレームの目的のためには、分解率パーセントの値は、この調査の28日目についてのものである。
【0156】
すべての特許、特許出願(及びこれに基づいて発行されたあらゆる特許、並びに対応するあらゆる公開外国特許出願)、及びこの明細書全体において挙げられている出版物の開示は、参照してここに組み込まれる。しかしながら、参照してここに組み込まれている書類のどれも、本発明を教示又は開示していると明らかに認められているわけではない。
【0157】
本発明の特別な実施形態が例証され、記載されてはいるが、様々なその他の変更及び修正が、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくなされうることは、当業者には明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明による吸収性陰唇間装置の好ましい実施形態の上部平面図である。
【図2】 図2は、図1の線2-2に沿う、図1に示されている吸収性陰唇間装置の横断面図である。
【図3】 図3は、図1に示されている吸収性陰唇間装置の側面図である。
【図4】 図4は、図1に示されている吸収性陰唇間装置を示しており、これは、好ましい曲げ軸に沿って折り畳まれ、挿入のために装着者の指によって掴まれる。
【図5】 図5は、ヒトの女性装着者の矢状方向横断面図であり、装着者の陰唇間空間における吸収性陰唇間装置の配置を示している。
【図6】 図6は、本発明の吸収性陰唇間装置と共に、女性の衛生用品又は女性用保護キットの一部としてのシステムの使用法において用いることができる、先行技術の生理用ナプキンである。
【図7】 図7は、本発明の吸収性陰唇間装置と共に、女性の衛生用品又は追加の女性用保護キットの一部としてのシステムの使用法において用いることができる、典型的な先行技術のタンポンである。
【図8】 図8は、開けられていない状態にある陰唇間装置の個装の前面図である。
【図9】 図9は、折り畳まれた陰唇間装置を内部に備えた、開けられた状態にある個装の前面図である。
【図10】 図10は、下記テスト方法のセクションに記載されている方法による、水洗性を測定するのに適した装置の平面図である。
【図11】 図11は、図10の線11-11に沿う、図10の水洗性装置の横断面図である。
【図12】 図12は、本発明の陰唇間装置に一体型タブを形成するための装置の一部横断面図としての概略斜視図である。
【図13】 図13は、図12の線13-13に沿う、図12の成形部材の横断面図である。
【図14】 図14は、本発明の陰唇間装置への一体型タブの連続形成のための装置の概略図である。

Claims (9)

  1. 女性の装着者の陰唇間空間に挿入しうる吸収性装置であって、前記吸収性装置は、長さ、幅、厚さ、及び長手方向中心線を有しており、前記吸収性装置は、陰唇間空間への挿入を補助するのに十分な寸法の一体型突出部がその中に形成されているバックシートを特徴としており、前記一体型突出部が、前記バックシートの一部分の歪誘発された可塑変形によって形成されている、吸収性陰唇間装置。
  2. 前記突出部が、長手方向中心線の近くに形成されている、請求項1に記載の吸収性陰唇間装置。
  3. 前記突出部が、内部部分を備えている、請求項1又は2に記載の吸収性陰唇間装置。
  4. 前記突出部の前記内部部分に吸収性材料を備えている、請求項に記載の吸収性陰唇間装置。
  5. 一体型突出部がその中に形成されているバックシートを形成するための装置であって、前記装置は、
    a)第一開口部をその中に有する雌型成形部材(female forming member);
    b)第二開口部をその中に有する圧縮部材であって、前記第二開口部が、前記雌型成形部材の前記第一開口部に対して整合関係にあり、前記圧縮部材が、前記第一開口部及び前記第二開口部の周りにおいて、前記圧縮部材と前記雌型成形部材との間でバックシートを圧縮するために、前記雌型成形部材に対して機能的(operative)関係にある部材;及び
    c)前記第一開口部及び第二開口部と整合関係に機能的に配置され、かつ前記第一開口部及び第二開口部を通って可動的な成形突出部を有する雄型成形部材(male forming member)、
    を特徴としている、一体型突出部がその中に形成されているバックシートを形成するための装置。
  6. 前記雌型成形部材と前記雄型形成部材とが、各々回転的成形部材であり、前記圧縮部材が、複数の規則的に間隔があけられているスロットが入れられた開口部を有する柔軟性ベルトを備えている、請求項5に記載の一体型突出部がその中に形成されているバックシートを形成するための装置。
  7. 前記雌型回転成形部材の複数の第一開口部と、前記雄型回転成形部材の対応する複数の成形突出部とを備え、前記第一開口部の各々は、対応する成形突出部と位置合わせされており、かつ前記柔軟性ベルトにおける対応するスロットが入れられた開口部と位置合わせされている、請求項に記載の一体型突出部がその中に形成されているバックシートを形成するための装置。
  8. 前記柔軟性ベルトは、前記雌型成形部材に対して一部巻き付けられて張力がかけられた配列にある、請求項6又は7に記載の一体型突出部がその中に形成されているバックシートを形成するための装置。
  9. 一体型突出部がその一部分の中に形成されているバックシートの製造方法であって、前記方法は、次の工程:
    a)第一開口部を有する雌型成形部材と、前記第一開口部に対して整合関係にある第二開口部を有する圧縮部材との間で、バックシートの一部分を圧縮する工程と、
    b)雄型成形部材の成形突出部を、前記第一開口部及び第二開口部に強制的に通し、これによって前記第一開口部及び第二開口部と一致するバックシート材料と接触させ、かつ歪を与えて、バックシートにおいて歪誘発された可塑変形突出部を形成する工程と、
    を特徴とする、一体型突出部がその一部分の中に形成されているバックシートの製造方法。
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