JP4425418B2 - 測量用等の機器の取付支持具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、測量用等の機器を取り付ける取付支持具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、測量用等の機器の一つに、光波式測量で用いられるプリズムがある。このプリズムは、持ち運びが簡単なため、ポールを取付支持具とすることが多い。このようなプリズムでは、通常、プリズム本体にポールを通すことのできる孔部が設けられており、この孔部にねじ止めなどの固定手段が設けられ、孔部にポールを挿通して所望の高さでねじ止めすることにより、プリズムが保持されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の、単にポールに対してプリズムを挿通してねじ止めする手段にあっては、繰り返し地面に突き立てて使用しているうちに、ねじ止めが緩み、ポールを地面に突き立てたとき等にプリズムがそのまま落下し、地面に激突して破損し、使用できなくなる等の不測の事態を惹起することが、多々生じていた。
そこで、本発明では、測量用等の機器が落下しても支持具自体から抜脱することを未然に防止することができる取付支持具を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の測量用等の機器の取付支持具は、特許請求の範囲に記載した通りである。従って、請求項1に記載した発明にあっては、測量用等の機器が抱持状態で取り付けられる棒状取付部を備えた取付支持具であって、
当該棒状取付部の下端以上の高さに対し、弾性を有する材質からなり前記測量用等の機器における前記棒状取付部に対する取り付け用の孔より大きな外径でかつ所望の厚みを有するリング状に形成された緩衝部材を該棒状取付部の外側に張り出した状態で設けるものである。これによれば、棒状取付部に取り付けられた測量用等の機器が落下した場合でも、当該機器を緩衝部材によって、その衝撃を緩和しながら受け止めることができ、機器が取付支持具自体から抜脱することを未然に防止し得る。
なお、本発明において緩衝部材とは、落下する物品が受ける衝撃を吸収してショックを緩和できる部分をいう。
【0005】
また、請求項2に記載した発明にあっては、測量用等の機器が抱状態で取り付けられる棒状取付部を備えた取付支持具であって、
当該棒状取付部の下端に先端を尖らせた石突部材を取外し可能に装着し、
前記石突部材に対し、弾性を有する材質からなり前記測量用等の機器における前記棒状取付部に対する取り付け用の孔より大きな外径でかつ所望の厚みを有するリング状に形成された緩衝部材を該石突部材の外側に張り出した状態で設けたものである。これによれば、緩衝部材を設けた石突部材を棒状取付部に装着することによって、請求項1記載の発明と同様に、棒状取付部に取り付けられた測量用等の機器が落下した場合でも、当該機器を石突部材の緩衝部材によって、その衝撃を緩和しながら受け止めることができ、機器が取付支持部自体から抜脱することを未然に防止し得る。
【0006】
そして、請求項3に記載の発明にあっては、前記緩衝部材を前記棒状部または前記石突部材から取り外し可能に構成したものである。したがって、仮に緩衝部材を取り外した場合には、棒状取付部に対する機器を最下部に設置することが可能であり、当該機器の取付位置を阻害すること無く、その利用範囲の拡大を図ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の一実施の形態に係る測量用の機器として、図1に示す光波式測量用のプリズム装置1を取り付ける場合の取付支持具10について説明する。この取付支持具10は、ポール5及び石突部材7を有しており、石突部材7の上部にゴム製の緩衝部材9が設けられている。
【0008】
プリズム装置1には、光波式測量で用いられる既存の反射プリズム2、水準器11及び視準器12が備えられている。また、鉛直方向にポール5の断面より大径の孔3が貫通して設けられており、プリズム装置1の下部には、止めねじ4が設けられている。しかして、プリズム装置1の孔3にポール5を挿通させて、プリズム装置1をポール5の任意の高さに配置し、止めねじ4でポール5を締め付けることにより、抱状態で固定することができる。したがって、プリズム装置1は、ポール5に着脱可能に取り付けることができ、ポール5に沿って移動させて所望の高さに固定することができる。
【0009】
ポール5は、長尺状の棒状体からなり、断面円形で、均等な長さ部分が赤と白とで交互に塗り分けられている直線状のポール部材6を複数個連結することにより形成されている。ポール部材6には、一端部に雄ネジ部13が突出して設けられ、他端部に雌ネジ部14がポール内部に陥没して設けられており、この雄ネジ部13と雌ネジ部14とを螺合することにより、連続した外周面を有する1本のポール5とされる。
【0010】
石突部材7は、金属製の円柱状部材で、図2に示すように、下部がテーパ状に形成されて、尖った先端を成しており、上端に雄ネジ部8が設けられ、ポール5の雌ネジ部14に螺合することでポール5に着脱可能とされている。また、石突部材7は、雄ネジ部8から下方の所定の部分までの断面が小径に形成されており、ここに緩衝部材9が設けられている。
【0011】
緩衝部材9は、例えば、弾性を有するゴムからなり、プリズム装置1の孔3より大きな外径を有する厚みのあるリング状に形成され、石突部材7に着脱可能に設けられている。しかして、緩衝部材9は、図1及び図2に示すように、前記ポール5の外側に張り出した状態で設けられ、プリズム装置1が落下した場合に、プリズム装置1と衝突してその衝撃を緩和しながら受け止めることができる。
【0012】
本実施形態の取付支持具10を用いてプリズム装置1を使用する場合、石突部材7が取り付けられたポール5を上端からプリズム装置1の孔3に通し、所望の高さでプリズム装置1の止めねじ4を締めて固定する。この状態で、様々な測量点に石突部材7を突き当ててポール5を鉛直に立て、水準器11、視準器12で、プリズム装置1の位置を補正して、測量する。何度も使用していると、次第にプリズム装置1の止めねじ4が緩み、測量点に激しく突きたてたときなどにプリズム装置1がポール5に沿って落下することがある。このとき、本形態の取付支持具10には緩衝部材9が設けられているため、図2に示すように、落下するプリズム装置1は、緩衝部材9に衝突する。緩衝部材9は、衝突時の衝撃を吸収しながらプリズム装置1を受け止めるため、プリズム装置1にかかるショックを低減することができ、ポール5からの抜脱を防止して、プリズム装置1の破損を防止することができる。
【0013】
なお、緩衝部材9を石突部材7に対して着脱可能としたことにより、例えば緩衝部材9を取り外すことにより、プリズム装置1を取付支持具10の下端、すなわち、地面に近づけて取り付けることができ、その測定方法の用途を拡大することができる。
また、緩衝部材9が消耗、破損した場合も、緩衝部材9のみを交換することができる。
【0014】
なお、上記実施形態における取付支持具10は、測量用等の機器として光波式測量用のプリズム装置1を例に挙げて説明したが、これに代えて、他の測量用機器、例えば、カメラなどを取り付ける支持具としても良い。
また、緩衝部材9は、衝突によるショックを吸収できる部材であれば良く、例えば、可撓性を有する合成樹脂やスポンジ状の発泡成形体、比較的軟らかいばね部材等を用いても良い。また、その形状も図示のものに限定されない。
さらに、緩衝部材9を石突部材7に設けたが、これに限定されるものではなく、棒状取付部(ポール5)に取り付けても良い。
【0015】
【発明の効果】
本発明では、測量用等の機器が落下しても支持具自体から抜脱することを未然に防止することができる取付支持具を提供することができた。この支持具によれば、測量用等の機器が不測の事態で落下した場合も、緩衝部材で衝突の衝撃を緩和しながら受け止めることができ、測量用等の機器が破損するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施の形態に係るプリズム装置を示す斜視図である。
【図2】 図2は、本発明の一実施の形態に係る石突部材を示す断面図である。
【符号の説明】
1 プリズム装置
2 反射プリズム
3 孔
4 止めねじ
5 ポール
6 ポール部材
7 石突部材
8,13 雄ネジ部
9 緩衝部材
10 支持具
11 水準器
12 視準器
14 雌ネジ部

Claims (3)

  1. 測量用等の機器が抱持状態で取り付けられる棒状取付部を備えた取付支持具であって、
    当該棒状取付部の下端以上の高さに対し、弾性を有する材質からなり前記測量用等の機器における前記棒状取付部に対する取り付け用の孔より大きな外径でかつ所望の厚みを有するリング状に形成された緩衝部材を該棒状取付部の外側に張り出した状態で設けたことを特徴とする測量用等の機器の取付支持具。
  2. 測量用等の機器が抱状態で取り付けられる棒状取付部を備えた取付支持具であって、
    当該棒状取付部の下端に先端を尖らせた石突部材を取外し可能に装着し、
    前記石突部材に対し、弾性を有する材質からなり前記測量用等の機器における前記棒状取付部に対する取り付け用の孔より大きな外径でかつ所望の厚みを有するリング状に形成された緩衝部材を該石突部材の外側に張り出した状態で設けたことを特徴とする測量用等の機器の取付支持具。
  3. 請求項1または2記載の測量用等の機器の取付支持具であって、
    前記緩衝部材を前記棒状部または前記石突部材から取り外し可能に構成してなるを特徴とする測量用等の機器の取付支持具。
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