JP4416845B2 - 符号化装置及びその方法、および、記録装置及びその方法 - Google Patents

符号化装置及びその方法、および、記録装置及びその方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像符号化方法とその装置に関する。より特定的には、本発明は、画質を低下させずかつ圧縮画像データ全体として規定された範囲以内で収まるように「可変ビットレート方式」で画像圧縮を行う際、「カット」編集方式を用いてカットごとにオペレーターが任意にビットレートを指定できるようにして自動管理されたビットレートを部分的に修正し、かつその部分だけを再符号処理を行う画像符号化方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像信号帯域圧縮技術のうち動画像信号帯域圧縮方式として、H.261、MPEG(Motion Picture Eepert Group)などの国際標準化実用技術が知られている。高能率画像圧縮技術(または高能率画像符号化技術)の1つであるMPEGはマルチメディアにおける動画像信号帯域圧縮方式としてとして、DVD、VOD(ビデオ・オン・デマンド)、コンピュータ、通信、放送、情報家電、エンターテイメントなど多くの分野での適用が試みられている。
MPEGについては、下記の分類による提案がされている。
MPEG1:1.5 Mb/s前後で許容限度を上回る品質の動画像符号化
MPEG2:16Mb/s前後で高品質動画像符号化
MPEG3:50〜80Mb/sでハイビジョンテレビ(HDTV)信号符 号化
本発明において主としてMPEG2について言及する。本明細書においてMPEGによる符号化・復号化方式をMPEG処理と略称する。
【0003】
MPEG処理においては、ピクチャ(画像)を複数まとめた「GOP(GROUPOF PICTURE)」と呼ぶ複数のピクチャごとに符号化処理または復号化処理を行う。GOPは画像伝送の単位であり、符号化処理・復号化処理の単位でもある。
フレームごと(またはフィールドごと)の画像データ(ビデオデータまたはピクチャ)が連続するTV画像を例示すると、GOPにおけるピクチャは単純なフレームごとのピクチャ、つまり、I(Intra) ピクチャ(画面内符号化ピクチャ)の連続ではなく、符号化効率を高めてデータの伝送量を減少させるために動き補償などの技法を用いて予測したピクチャを用いる。予測ピクチャとしては、P(Prediction)ピクチャ(前方予測符号化ピクチャ)、B(Bidirection)-ピクチャ(双方向予測(外挿・内挿)符号化ピクチャ)が知られている。したがって、GOPには、複数のIピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャが混在したピクチャの集合が収容されている。GOP、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャの詳細およびこれらの関連については後述する。
【0004】
高能率画像圧縮方式としては、図1に図解したように、「固定ビットレート符号化方式」と「可変ビットレート符号化方式」とが知られている。
「固定ビットレート符号化方式」は画像(ピクチャ)ごとのビット発生量は変化するがGOP単位で見ればほぼ一定のビット量にする方式である。
「可変ビットレート符号化方式」は、画像(ピクチャ)ごとのビット発生量も変化するが、GOP単位でもビット発生量が変化する方式である。図1における変数iはシーン数を示す。
本発明は「可変ビットレート符号化方式」に関係する。
【0005】
可変ビットレート符号化処理
映画やドラマなどの画像のMPEG2による帯域圧縮・符号化処理を行う場合、複雑な絵柄のシーンのため量子化レベルを上げて圧縮して情報量を増やさなければ画質が保てない部分と、単純な絵柄のシーンのために量子化レベルを下げて情報量を減らしても圧縮しても画質を保つことが可能な部分がある。
可変ビットレート符号化方式は、トータルとしてはビット発生量をある値に収めることを前提としつつ、全体として高い画像符号化を実現させるため、画像の内容に応じて符号化情報量を変化させる符号化方法である。すなわち、可変ビットレート符号化方法においては、複雑な絵柄にはその画質を保つのに十分な情報量を割り当て、単純な絵柄にはその情報量を抑制して、全体のビット発生量(またはビットレート)を制約された範囲に収める。
【0006】
より具体的に述べると、DVDに記憶する画像データはMPEG2のMP@ML標準に従って圧縮される。しかしながら、DVDのメモリ容量には限度があるから、その容量内に圧縮画像データが収容できるように、画像ごとに圧縮比を変化させて高画質を保ちながら限られたメモリ容量を効率的に使用する可変ビットレート・フォーマットで圧縮画像データを符号化処理する。
【0007】
2パス符号化処理について
可変ビットレート符号化方式において、図2に図解したように、第1回目の工程として仮符号化処理(仮エンコーディングまたは前処理符号化処理)を行って画像データ全体の複雑の度合い(「DIFFICULTY」、複雑度)を調査し、その後、第2回目の工程として「DIFFICULTY(複雑度)」を参照して正式な画像圧縮符号化処理を行う2パス符号化処理を行う。
仮符号化処理は、一枚の画像を複数のブロックに切り分け、その一つのブロックを、直交変換処理、たとえば、離散コサイン変換(Discrete Cosine Transform、DCT)処理またはウエーブレット変換処理などのサブバンドコーディング方式(与えられた信号源をいくつかの周波数帯域に分解し、それぞれの周波数帯域の電力値を求める変換方式)による信号処理を行う。サブバンドコーディングのような、画像信号を二次元の時間領域の画素情報から周波数領域の情報に直交変換する方式において、画像を分割した各ブロックごとの、周波数領域の電力値または、情報量、あるいはビットのマグニチュード、もしくはビット発生量の分布に着目してみると、符号化処理後の各周波数帯域の電力値が直流成分や低域成分のみならず高域成分に至るまで広く分布していれば、複雑な絵柄を示しており、逆に、直流成分や低域成分に発生ビット量が集中しており全体の電力値が少ない時には単純な絵柄を示していることが判る。従って、仮符号化処理の結果の各画像ごとの周波数成分の電力値を合計したビット発生量の時間変化は、そのまま絵柄の複雑なシーンや単純なシーンの時間的な経過の様子を示している。この仮符号化処理後の発生ビット量は絵柄(または画像(ピクチャ) )の「複雑の度合い」を意味しており、この絵柄の複雑の度合いを「DIFFICULTY(複雑度)」と呼ぶ。「DIFFICULTY」は符号化の際のおおよそのビット発生量を示すパラメータである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した方法には下記に述べる不具合がある。
第1の不具合:2パス符号化処理における第2工程である正式の符号化処理において、仮符号化処理において求めた「DIFFICULTY」に基づき定められた総情報量に合わせ込む形で画像の帯域別の情報量の重み付けを行うが、この重み付けは、あくまでも「最も確からしい予測」であり、符号化後の最終的な総ビット発生量はある程度約束されてはいても、符号化処理した画像全てにわたって画質が約束されているわけではない。したがって、全ての画質を良好なものとするにはさらに精密な符号化処理を行う必要がある。しかしながら、従来の方法では、部分的なピクチャの画質改善が効率よく行うことができない
【0009】
第2の不具合:可変ビットレート符号化方式によって画像ごとにビット発生量を変化できるが、単純にピクチャーごとのデータビットを送りだせばよいわけではない。MPEG2においては標準再生機の仕様が厳密に定義されており、再生バッファの容量は1.75Mbit と定められている。画像圧縮符号処理を行う符号化装置側では再生バッファがオーバーフローしたりアンダーフローしたりしないように制御(管理)しなければならない。画像の絵柄によりある部分はビット量を多くし、ある部分は少なくするという「可変ビットレート符号化処理」の条件下では、毎フレームごとに発生したビットを単純に等間隔で送り出すと、MPEG2で定められたバッファサイズでは符号化データがバッファからオーバーフローすることがある。
そこで、符号化装置において、再生機のバッファに実際どのくらいのデータ量が入っているのか計算しつつ、例えば、ビット量が多いピクチャについては少し手前から送り出すなどして、絶えずバッファ容量を監視制御する必要がある。この制御は、映画やドラマなどのプログラムの始まりから終了まで継続的に行われなければならない。例えば、仮にある部分の符号化処理後の画質に問題あるからと言って、その部分の量子化レベルを変更することは、そこから後ろの部分のバッファ容量に影響を与えてしまい、問題となる箇所のみを変更するわけには行かない。このため、通常では途中だけビットレートを変更することは極めて困難となる。
【0010】
第3の不具合:GOPは完全に独立はしていない。そのため、ある部分だけを再符号化するわけにはいかない。この詳細については具体的に詳述するが、ここでは簡単に述べる。MPEGにおいては基本的に、GOP単位で符号化処理・復号化処理を行うから、それぞれのGOPが完全に独立していることが望ましい。しかしながら、あるGOP内のBピクチャの処理には前のGOPに含まれるIピクチャまたはピクチャを参照しないと処理できないから、それぞれのGOPは完全には独立していない。その結果、画質の低下が検出された任意のピクチャから自由に画質を改善することはできない。
【0011】
以上の記述から明らかなように、もし符号化処理される画像(たとえば、映画などのプログラム)の途中に画質的に問題点があったとしてもそこだけを再符号化処理して差し替え編集をすることは困難であり、かりに画質が問題となる箇所が1秒間であったとしても、映画なら約2時間分を問題となる箇所のビット発生量を訂正しつつもう一度最初から繰り返して符号化する必要があるが、これまでの方法では、画質的に問題が生じた場合そこだけを修正しようと考えることは事実上できないという問題に遭遇している。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、GOP単位での編集は可能であるMPEGの持っているオリジナルの特質は保ちながら、編集などにおける「カット」単位では原理的に画質に影響を与えない編集方法を提案した(たとえば、平成8年2月29日に出願した「画像データ処理方法と装置」、特願平8−42980号)。この方法は、「カットのあるピクチャシーケンス」を応用し、画質的に問題となる部分だけを再符号化して差し替え編集する方法である。カットとしては、編集段階において作成された編集決定リスト(EDL)に基づいて行う、定期的に行う、映像シーンの状況に応じて行うなど任意に設定できる。このカット編集方式の詳細は後述する。
【0013】
本発明の目的は、上記「カット」編集方式を応用し、カットごとに編集のディレクタなど、画像処理を行うオペレーターが任意にビットレートを指定できるようにして自動管理されたビットレートを部分的に修正し、かつその部分だけを再符号化処理し、改善された画質に編集する方法および装置を提供することにある。
【0014】
本発明によれば、映像信号を符号化して符号化データを生成する符号化装置において、上記映像信号におけるカット位置の直後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように、当該新たなGOPの区切りを決定する区切り決定手段と、上記区切り決定手段により決定された上記区切り前後の上記新たなGOPの間で符号化に伴う参照予測を必要としないように、上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定して上記新たなGOPを構成することにより、上記カット位置を含むカットシーケンスを構成するカットシーケンス構成手段と、上記カットシーケンス構成手段により構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化することにより、符号化に伴う発生ビット量を算出する発生ビット量算出手段と、上記発生ビット量算出手段により算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振る割り振りビット量を算出する割り振りビット量算出手段と、上記割り振りビット量算出手段により算出された割り振りビット量及び上記カットシーケンス構成手段により構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス構成手段により構成された上記カットシーケンス内のピクチャを量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化手段とを有する符号化装置が提供される。
また本発明によれば、映像信号を符号化して符号化データを生成する符号化方法において、上記映像信号におけるカット位置の直後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように、当該新たなGOPの区切りを決定する区切り決定工程と、上記区切り決定工程において決定された上記区切り前後の上記新たなGOPの間で符号化に伴う参照予測を必要としないように、上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定して上記新たなGOPを構成することにより、上記カット位置を含むカットシーケンスを構成するカットシーケンス構成工程と、上記カットシーケンス構成工程において構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化することにより、符号化に伴う発生ビット量を算出する発生ビット量算出工程と、上記発生ビット量算出工程において算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振る割り振りビット量を算出する割り振りビット量算出工程と、上記割り振りビット量算出工程において算出された割り振りビット量及び上記カットシーケンス構成工程において構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス構成工程において構成された上記カットシーケンス内のピクチャを量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化工程とを有する符号化方法が提供される。
【0015】
本発明によれば、映像信号を符号化して符号化データを生成する符号化装置において、上記映像信号におけるカット位置の前後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように区切りが決定された上記新たなGOPの間において、符号化に伴う参照予測を必要としないように上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定することによって構成された上記カット位置を含むカットシーケンスに従って、上記映像信号を符号化することによりピクチャ毎に算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振るビット量を算出する割り振りビット量算出手段と、上記割り振りビット量算出手段により算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャを量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化手段とを有する符号化装置が提供される。
また本発明によれば、映像信号を符号化して符号化データを生成する符号化方法において、上記映像信号におけるカット位置の前後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように区切りが決定された上記新たなGOPの間において、符号化に伴う参照予測を必要としないように上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定することによって構成された上記カット位置を含むカットシーケンスに従って、上記映像信号を符号化することによりピクチャ毎に算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振るビット量を算出する割り振りビット量算出工程と、上記割り振りビット量算出工程において算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャを量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化工程とを有する符号化方法が提供される。
【0016】
本発明によれば、映像信号を符号化した符号化データを記録媒体に記録する記録装置において、上記映像信号におけるカット位置の直後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように、当該新たなGOPの区切りを決定する区切り決定手段と、上記区切り決定手段により決定された上記区切り前後の上記新たなGOPの間で符号化に伴う参照予測を必要としないように、上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定して上記新たなGOPを構成することにより、上記カット位置を含むカットシーケンスを構成するカットシーケンス構成手段と、上記カットシーケンス構成手段により構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化することにより、符号化に伴う発生ビット量を算出する発生ビット量算出手段と、上記発生ビット量算出手段により算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振る割り振りビット量を算出する割り振りビット量算出手段と、上記割り振りビット量算出手段により算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンス構成手段により構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャに対応する部分を量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化手段と、上記符号化手段により生成された上記符号化データを上記記録媒体に記録する記録手段とを有する記録装置が提供される。
また本発明によれば、映像信号を符号化した符号化データを記録媒体に記録する記録方法において、上記映像信号におけるカット位置の直後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように、当該新たなGOPの区切りを決定する区切り決定工程と、上記区切り決定工程において決定された上記区切り前後の上記新たなGOPの間で符号化に伴う参照予測を必要としないように、上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定して上記新たなGOPを構成することにより、上記カット位置を含むカットシーケンスを構成するカットシーケンス構成工程と、上記カットシーケンス構成工程において構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化することにより、符号化に伴う発生ビット量を算出する発生ビット量算出工程と、上記発生ビット量算出工程において算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振る割り振りビット量を算出する割り振りビット量算出工程と、上記割り振りビット量算出工程において算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンス構成工程において構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャに対応する部分を量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化工程と、上記符号化工程において生成された上記符号化データを上記記録媒体に記録する記録工程とを有する記録方法が提供される。
本発明によれば、映像信号を符号化した符号化データを記録媒体に記録する記録装置において、上記映像信号におけるカット位置の前後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように区切りが決定された上記新たなGOPの間において、符号化に伴う参照予測を必要としないように上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定することによって構成された上記カット位置を含むカットシーケンスに従って、上記映像信号を符号化することによりピクチャ毎に算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振るビット量を算出する割り振りビット量算出手段と、上記割り振りビット量算出手段により算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャに対応する部分を再度符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化手段と、上記符号化手段により生成された上記符号化データを上記記録媒体に記録する記録手段とを有する記録装置が提供される。
また本発明によれば、映像信号を符号化した符号化データを記録媒体に記録する記録方法において、上記映像信号におけるカット位置の前後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように区切りが決定された上記新たなGOPの間において、符号化に伴う参照予測を必要としないように上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定することによって構成された上記カット位置を含むカットシーケンスに従って、上記映像信号を符号化することによりピクチャ毎に算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振るビット量を算出する割り振りビット量算出工程と、上記割り振りビット量算出工程において算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャに対応する部分を再度符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化工程と、上記符号化工程において生成された上記符号化データを上記記録媒体に記録する記録工程を有する記録方法が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の好適実施例を述べる前に、MPEGが適用されるシステムの例、および、MPEGの処理の対象とするピクチャ(画像)の構造について述べる。
【0018】
画像伝送系統における符号化・復号化システム
図3はMPEGが適用されるシステム構成の1例として画像伝送系統における画像符号化装置と画像復号化装置とのシステム構成を示した図である。このシステムは、たとえば、VOD(Video On Demand: ビデオ・オン・デマンド)に代表されるような通信サービス、または、DVDに記録された映像信号を、DVDを蓄積メディア300として復号するシステムにも適用できる。
この画像符号化・復号化システムにおいては、ビデオテープ記録再生装置(VTR)100において再生されたフレームごとのオリジナルのディジタルビデオ信号(フレーム画像データまたはフレーム・ピクチャ)を画像符号化装置200においてフレームのピクチャごとに帯域圧縮・符号化して蓄積メディア300(または伝送経路)に送出する。蓄積メディア300としては、たとえば、DVD、HDD(ハードディスク装置)などが例示され、これらの記録媒体を用いた場合は、帯域圧縮・符号化処理された画像データが記録され、読み出される。伝送経路300の場合は伝送経路の上をビットストリームとして帯域圧縮・符号化された画像データが伝送されていく。画像復号化装置400は蓄積メディア300(または伝送経路)を経由して入力された帯域圧縮・符号化処理された画像データを、画像符号化装置200における符号化処理と逆の復号処理を行ってVTR100から出力されたと同等の画像データを再生し、TVモニタ500にその再生画像を表示する。画像符号化装置200においてMPEGに基づく画像データの圧縮・符号化処理が行われ、画像復号化装置400において帯域伸長・復号処理が行われる。
【0019】
本発明の好適な実施例を述べる前に、上記本願発明者で提案した、特願平8−42980号のカット編集方式の概要を述べる。
まず、ピクチャとの関連においてその処理を述べる。
ピクチャの構成
図4はMPEGにおける符号化順序を示したグラフである。図5は図4に示したピクチャの意味とのその関連を示したグラフである。
符号「I」はI(Intra) ピクチャ(画面内符号化ピクチャ)を示し、符号「P」はP(Prediction)ピクチャ(前方予測符号化ピクチャ)を示し、符号「B」はB(Bidirection)-ピクチャ(双方向予測(外挿・内挿)符号化ピクチャ)を示す。
Iピクチャとはある画面、たとえば、フレームでそれ自身独立して再生が可能な画像のことである。Pピクチャとはそれよりも前方(過去)にあるIピクチャまたはPピクチャからの予測を使った符号化画像である。Bピクチャとは、それ自身よりも前方(過去)にあるIピクチャまたはPピクチャからの予測と後方(未来)にあるIピクチャまたはPピクチャからの予測の両方を使用した画像のことである。
【0020】
図6(A)はGOPの構成を示したMPEGのビットストリームの構成を示すグラフであり、図6(B)はGOPヘッダの内容を示す図であり、図6(C)はピクチャヘッダの内容を示す図である。
MPEGのビットストリームは、最上層にシーケンス層があり、複数のGOPが連続している。それぞれのGOPは、図6(A)に示した内容を格納するGOPヘッダ、複数のピクチャ層が連続して構成されている。それぞれのピクチャ層は、図6(C)に示した内容を格納するピクチャヘッダと、複数のスライス層が連続している。それぞれのスライス層は、スライス情報を記憶する部分と、複数のマクロブロックが連続している。それぞれのマクロブロック層は、マクロブロック情報を格納する部分と、複数のブロックが連続している。それぞれのブロック層は、上述した。各ブロックにはDCT(離散コサイン変換)符号化された画像データが格納されている。
【0021】
図7を参照してビデオ信号の編集に関連してGOPおよびピクチャの詳細について述べる。図7は一般的なMPEGの画像列の様子を示すグラフである。この図面に図解したものは、連続した長い画像(ピクチャ列)のうちの途中を切り出して示したもので、原画像(符号化前のオリジナル・ピクチャ)がどのような種類の画像に圧縮符号化(エンコード)されて、どのような順番に並べられるのかを代表的な例を用いて表したものである。
Iピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャに添えられた数字、たとえば、B3は原画像(符号化前のオリジナル・ピクチャ)の3番目のピクチャに関連するBピクチャを示している。なお、値の小さい数字が過去を示し、大きい数字が未来を表している。実線の矢印はどのピクチャからどのピクチャが予測されているかの関係を示す。
【0022】
GOPが完全に独立していないことの説明
図7に示した原画像Aは、下記の順番で順次圧縮符号化されている。
『B3−B2−P1−B0−B1−I2−B3−B4−P5−B6−B7−P8−B9−B10
−I11 −B12 −B13 −P14 』
【0023】
このピクチャ列について述べる。実線の矢印で示されるように、例えば、位置5(かっこ内に示した数字は、ピクチャ(画像)などの位置を示す)のI2−ピクチャは、位置6のB3−ピクチャ、位置7のB4−ピクチャ、位置8のP5- ピクチャの3画像の前方予測に使用される。位置6のB3- ピクチャおよび位置7のB4- ピクチャは、位置8のP5- ピクチャからの後方予測に使用される。
【0024】
図3に示す画像符号化装置(エンコーダ)200で圧縮・符号化処理(エンコード)されたピクチャは、図3に示す画像復号化装置(デコーダ)400における復号処理(デコード)時に便利なように、エンコーダ出力Bとして示したように、並べ変えが行なわれる。例えば、原画像Aの位置5のI2- ピクチャは、エンコード出力時には位置9に置かれるが、位置6のB3- ピクチャおよび位置7のB4- ピクチャは、後ろにずれた位置10のP5- ピクチャの後ろの位置11と位置12に置かれる。こうすることによりデコーダ入力Cとして示したように、たとえば、位置16のB3- ピクチャと位置17のB4- ピクチャを再生するのに必要な位置14のI2- ピクチャと位置15のP5- ピクチャを先にデコードすることができる。
エンコーダ出力Bにおいて、Iピクチャ(たとえば、I2- ピクチャ)から次のIピクチャ(たとえば、I11 ピクチャ)の手前まで、つまり、B7- ピクチャまで、1つのGOPと呼ぶ。GOPは図6(A)に図解した構成になっているが、以下の記述においては、ピクチャのみを簡略化して示す。
【0025】
GOPが完全に独立していないため、編集作業などでピクチャの差し替えを行うと正確な画像の再生が行えない。
図7においてデコーダによって再生された再生画像Dとして示した位置18のB0- ピクチャと位置19のB1- ピクチャの再生に留意されたい。GOPの構成の観点から見れば、B0- ピクチャとB1- ピクチャは、I2- ピクチャと同一のGOP、すなわち、「GOP N(位置13)」に含まれるが、その再生のためには、一つ手前のGOP、すなわち、「GOP N-1 」に含まれるPピクチャ(P1- ピクチャ)とIピクチャ(I2- ピクチャ)からの予測(位置20)が必要となる。つまり、「GOP N(位置13)」は、1 つ前の「GOP N-1 」内のP1- ピクチャを用いるから、「GOP N-1 」と関連を持っており、『GOPは完全には独立していない』。
【0026】
GOPが完全に独立していないことに起因する編集処理または符号化処理時の問題
画像データ列のあるシーンでカットして編集するとか、GOPの伝送が中断したあとのピクチャの復号などの場合にはこのGOPの非独立性が問題になる。
図8は、たとえば、GOP単位での画像編集を行なったときに起こる問題を説明するための図である。原画像Aは図7に図解したものと同じ構成である。
エンコーダで連続的に圧縮エンコードされたGOPの列を「編集前のGOP列B」とする。この編集前のGOP例Bは図7に示したエンコーダ出力BのGOP例と同じ構成である。この例では、
「GOP N(位置23)」のピクチャ列:
I2,B0,B1,P5,B3,B4,P8,B6,B7を
「GOP N'(位置24)」に示した、ピクチャ列:
I2',B0',B1',P5',B3',B4',P8',B6',B7'
に差し替える( 並べ換える) 編集を行なって、「編集後のGOP列E」にしたとする。この編集後のGOP列Eは、Iピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャの順序は同じであるが、「’」をつけない編集前のピクチャが「’」をつけたピクチャに差し替えられたことを示している。
【0027】
「GOP N'」のピクチャは、Iピクチャ、Bピクチャ、Pピクチャの順序は同じであるから、フォーマット的には問題がない。しかし、これをデコーダ入力Fとして見てみると、差し替えたB0'-ピクチャ(位置27)とB1'-ピクチャ(位置28)を再生するためには、差し替えていないP1- ピクチャ(位置26)からの前方予測が必要になる。ところが、すでに編集をしてピクチャを差し替えてしまったので、「GOP N-1 」の差し替えていないP1- ピクチャ(位置26)と、「GOP N」の差し替えたB0'-ピクチャ(位置27)とB1'-ピクチャ( 位置28)とのあいだの相関関係はない。その結果、B0'-ピクチャ(位置27)とB1'-ピクチャ( 位置28)の復号には、P1- ピクチャ( 位置26)からの予測(位置29)は使えなくなる。
同様の問題が、「GOP N'」の最後のピクチャと、「GOP N+1」のピクチャとの関係においても発生し、「GOP N+1」の最初の2枚のBピクチャ(B9,B10) への予測(位置30)も意味のないものとなる。
以上のごとく、画像編集すると、一つ前のGOPの最後のPピクチャから次のGOPの始めのBピクチャの予測ができなくなるため、編集処理後の再生画像Gは、GOP内の最初にあるいくつかのBピクチャ(位置32、33)は正しくないピクチャを含むことになる。
【0028】
MPEG2においては、このように圧縮エンコード後にGOP単位で編集した場合発生する問題点については、編集点前後のGOPには使用不可能なBピクチャが含まれていることを表すために、図6(B)に示したように、GOPヘッダの中に「Broken link 」フラグを設けて、Bピクチャの正当性を示してはいるが、ピクチャそのもののその修復は講じていない。しかし、MPEGにおいては、図6(B)に示すように、GOPの独立性を示す「CLOSED GOP」が設けられている。
【0029】
図9を参照して編集を可能にする「CLOSED GOP」について述べる。原画像A、編集前のGOP列B、編集後のGOP列E、デコーダ入力Fは、図8に示したものと同じである。
「CLOSED GOP」は、GOP内の最初にあるいくつかのBピクチャ(位置45,46,47,48)などをエンコードする際に、「その一つ前のGOPの最後のIピクチャ、Pピクチャからの予測(位置34)」を使用せずに、原画面の順で直後のIピクチャのみから予測するようにコーディングする(Only Backward Prediction)ことによりGOPの独立性を確保するためのものである。「CLOSED GOP」においては、エンコーダ出力Bの「GOP N(位置36)」をピクチャのフォーマットは換えずにピクチャの内容を差し替えた別の「GOP N'(位置38)」と置き換えて、編集後のGOP列Eとしても、デコーダにおいては、元々前のGOPからの前方予測(位置39,位置40)を必要としていないので、再生画像HにおいてもIピクチャの直後にある何枚かのBピクチャ(位置43のB0',B1' 、位置44のB9,B10)は、Iピクチャからの後方予測のみを使用して再生が可能となる。しかしながら、この方法には不都合がある。それを以下に述べる。
Bピクチャは、前方と後方の両側からの予測を使うため、前方予測のみのPピクチャに比べて予測精度が良く、Pピクチャより量子化ビット数を落としても画質が低下しないという利点がある。すなわち、両方向からの予測というのはビット効率を上げつつ画質も向上させるという特質を持つ。しかしながら、上述したように、Bピクチャのエンコードを片側のみしか使用しないということは、通常の場合、BピクチャはPピクチャよりも量子化レベルが粗いため、Pピクチャのみでエンコードしたときよりも品質が低下した画像しか得られない。したがって、編集性を持たせようとして「CLOSED GOP」を多用することは、Bピクチャの利点を殺すことにつながり、Bピクチャを用いる目的に反し、Bピクチャを用いるという効果が得られない。
【0030】
MPEG2においては、上述した編集によるピクチャの差し替えを行うと、画質が低下するという問題が遭遇する。この種の問題は、特に、正確な符号化処理・復号化処理を行う画像処理において問題となる。
【0031】
上述した問題を解決する、特願平8−42980号で提案した「カット編集方式」について述べる。
まず、基本となるとなる圧縮符号化の方法について述べる。
MPEGの圧縮符号化のシーケンスには、上述した方法のほかにプログラムの先頭において使用される特別なシーケンスを作ることも可能である。このシーケンスを画像列の途中に使った場合の効果を図10を参照して述べる。図10は「カット編集方式」による圧縮・符号化処理を示すグラフである。
通常のシーケンスAAにおいては、例えば、P1- ピクチャ(位置50)の後ろにはB0- ピクチャ(位置51)、B1- ピクチャ(位置52)、I2- ピクチャ(位置53)と続けるが、それとは別に特別なシーケンスを考える。これをカットシーケンスBBという。
カットシーケンスBBでは、編集によって差し替えが行われるピクチャの直前のP1- ピクチャ(位置55)の後ろを一旦、カットし(位置59)、その後をI0- ピクチャ(位置56)とし、そこからB1- ピクチャ(位置57)、B2- ピクチャ(位置58)というふうに、通常のシーケンスと同じように続けていく。
【0032】
通常シーケンスAAのピクチャ列は下記になる。
具体的には、「B3,B2,P1,B0,B1,I2,B3,B4,P5」
一般的には、「B,B,P,B,B,I,B,B,P」
カットシーケンスBBでは、下記になる。
具体的には、「B3,B2,P1,IO,B1,B2,P3,B4,B5,P6 」
一般的には、「B,B,P,I,B,B,P,B,B,P」
つまり、カット位置59の所のBピクチャ(B0- ピクチャ) が抜け、Iピクチャ(I0-ピクチャ) が挿入されたようになる。これにより、次のGOPはIピクチャから始まり、次にPピクチャが続き、その後にBピクチャが続く。このカットを置くことにより、カットの前後の「GOP N-1(位置60)」と「GOP N(位置61)」の間は、ピクチャの予測が不要であり、「GOP N-1(位置60)」と「GOP N(位置61)」は完全に独立している。
したがって、デコーダ入力DDを見ると、位置63のカット以降を同様のルールのシーケンスでエンコードされた別のGOP列(位置64)と入れ替えたとしても、何の問題もなく再生できる(位置65)。しかも、上述した「CLOSED GOP」の手法も使っていないので後方予測のみのBピクチャは存在しておらず、画質の劣化に対しても影響がない。
【0033】
この「カットのあるシーケンス」をエンコーダ出力で見た場合の下記シーケンスは、
IPBBPBBPBB,IPBBPBBPBB,IPBBPBBPBB,IPBBPBBPBB,IPBBPBBPBB
(カンマはGOPの区切りを示す)
下記に示す通常のシーケンス
IBBPBBPBB,IBBPBBPBB,IBBPBBPBB,IBBPBBPBB,IBBPBBPBB,
と比べて、構成するピクチャの種別を見ると、平均的に見てIピクチャの枚数は0.9 倍に減るが、Pピクチャの枚数は、1.35倍に増え、逆にBピクチャの枚数は0.9 倍に減り、相対的にPピクチャの割合が増えるので、符号化によって発生するビット量も増える。また、画質的に見て有利であるといわれるBピクチャの使用率が減ることもあり、「カットシーケンス」のみを用いてGOP列を構成することは、MPEGの標準的方法である「CLOSED GOP」を用いる方法より好ましいが、最良の方法とは言い難い。よって、さらなる改善策を述べる。
【0034】
EDL:EDIT DICISION LISTの活用
MPEGにより圧縮される画像の応用用途を考えてみると、DVDに代表される様なパッケージメディアに記録するか、VOD(Video On Demand: ビデオ・オン・デマンド)に代表されるような通信サービスに用いられる場合のように、完成された映画やドラマなどのプログラムを一般利用者に提供する目的がほとんどである。このような場合は、必ずと言ってよいほど、完成されたプログラムが記録された通称「マスター」と呼ばれるビデオーテープかそれに準ずるものを再生しこれを圧縮エンコードする。この「マスター」は、スタジオなどにおいて、最終の利用目的にあわせて編集ディレクタ(オペレータ)の指示の元に入念に編集処理がされている。
【0035】
編集過程おいて、編集点は無目的にランダムに選択されているわけではなく、プログラムの内容と最終利用目的にあわせて、編集ディレクタの意志決定の元に例えばシーンごとに決められる。決定された編集点は、編集決定リスト(通称、EDL:Edit Dicision List )と呼ばれるリストとしてまとめられ、実際に編集動作を行なう編集機などに供給され、編集機はEDLを元に素材を編集していき「マスター」が作り上げられる。
EDLは、もし「マスター」を再編集する事があったならば、最も編集の可能性の高い場所を記したリストといえる。GOP単位で任意に編集できるのが望ましいが、現実的に見て最も編集の可能性の高いところのみを編集の対象と考えたほうが効率的である。このことに着目して、「GOP単位でしか編集できないのであれば、GOPという中途半端な単位ではなく、もっと人間的な映像シーンの単位まで編集単位を粗くする」という発想で、EDLに基づき、あるいはEDLを修正した、あらかじめ登録された映像のシーンの区切りのみを編集点の対象とする。つまり、あらかじめビデオ信号を圧縮符号化する前に、「マスター」に付随するEDLに示された編集点および編集の可能性が考慮される場所を「カットのあるシーケンス」の区切り点(カット)として登録しておき、カット(EDLの編集点)においては画質に影響を与えないようにして圧縮された画像の編集を可能にしつつ、GOP毎の編集を否定する代わりにBピクチャの利用率を通常のエンコードシーケンスと同等に確保することにより、圧縮率を低下させないという効果がある。
【0036】
図11は「カット編集方式」におけるビデオ信号処理装置の構成図である。ビデオ信号処理装置700において、圧縮エンコードされる対象のビデオ信号が記録されているビデオマスター751はディジタルVTR772で再生される。ビデオマスター651に付随しているEDLが書き込まれたフロッピーディスク654は、EDL読み取り部767に入力される。読み取られた編集点の情報はさらに手動編集点修正装置768によって、編集点の追加または削除を行なう。以上の手段で決定されたビデオマスター651に対する編集点の情報は、カット判定回路769に送られる。ディジタルVTR772で再生されるビデオマスター651にはあらかじめタイムコード(TC)を記録しておき、そのディジタルVTR772からのタイムコード出力770は、カット判定回路769とビデオエンコーダ776に送られている。カット判定回路769では、入力された編集点情報を考慮しつつ、どのような圧縮シーケンス(Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャの並び方)を組めばよいか判定を行ない、入力されるタイムコード770の一つ一つのフレームナンバーとピクチャのシーケンスの対応を準備しておく。例えば、編集点のない付近でのシーケンスでは、図10を参照して述べた、通常のシーケンス:
「B,B,P,B,B,I,B,B,P」
とし、編集点の付近では図10を参照して述べた「カットのあるシーケンス」:「B,B,P,I,B,B,P,B,B,P」
のごとく、ピクチャの種類のエンコードされる順番を決定する。
【0037】
以下、動作を述べる。ディジタルVTR772においてビデオマスター651の再生を開始する。カット判定回路769は、入力されてくるタイムコード770と、あらかじめ求めておいたシーケンスとの対応をとりながら、そのタイムコードに相当する画像をどのピクチャのタイプで圧縮すればよいかを符号化処理シーケンス指示情報771としてビデオエンコーダ776に送る。ディジタルVTR772で再生されたビデオ信号773は、画像遅延装置774に送られる。遅延量778は外部より設定され、それと同じ遅延量778がビデオエンコーダ776にも送られている(遅延量778については後述する)。遅延したビデオ信号775はビデオエンコーダ776に入力される。ビデオエンコーダ776には、遅延していないタイムコード770と、それに伴った符号化処理シーケンス指示情報771が入力されているので、ビデオエンコーダ776は、ビデオ信号の遅延分だけ、前もってどのタイミングでどのような圧縮エンコードをすればよいかが分かる。
【0038】
図12を参照して符号化シーケンスについて述べる。図12は、「カット編集方式」における符号化処理シーケンスを図解したグラフである。MPEGにおいては、GOP内のピクチャの枚数をNで表し、IピクチャまたはPピクチャの周期(Iピクチャから次のPピクチャまでのピクチャの枚数)をMで表す。MPEGにおいては、このNとMに制約はないが、説明のため、通常シーケンスAAをピクチャ枚数N=9,ピクチャ周期M=3とする。
図12の四角囲みされたIピクチャは、そこがカットのあるシーケンスの先頭であることを示し、丸囲みされたIピクチャでその他の一般のGOPの先頭を示している。図12は、原画像におけるピクチャのエンコード・シーケンスの順番を示しており、図中、I,P,Bの添え数字が原画上で「何番」目のピクチャであるか表している。これらの数字はGOPの概念をもつエンコーダ出力でのピクチャの順番ではないことに注意されたい(ピクチャの順序については、例えば、図6を参照)。エンコーダ出力においては、Bピクチャの順番が入れ替わり、GOP単位で見た場合はあくまでもIピクチャが先頭である。
ピクチャ枚数N=9の場合、カットシーケンスは、そのカットの位置により、カットシーケンス0(C0)からカットシーケンス8(C8)までの9種類の場合が発生する。しかし、いずれ場合であっても、ここでは、図14を参照して上述したように、カットのあるシーケンスの先頭の(四角囲みで示した)Iピクチャの直前のピクチャタイプは必ずPピクチャであることが特徴である。
【0039】
各シーケンスについて述べる。
カットシーケンス0(C0)
Iピクチャの位置が通常シーケンスに比べて前に2枚ずれてそのGOPの「0番」のピクチャがIピクチャとなる(I0)。しかし、直前のGOPのピクチャはPピクチャ(P1)であるので、GOPはI0- ピクチャから始まり、シーケンスの都合上そのGOPのP9- ピクチャまでのピクチャ枚数N=10となる。その後のGOPは通常のシーケンスが続く。
【0040】
カットシーケンス1(C1)
Iピクチャの位置が通常シーケンスに比べて前に1枚ずれてカットのあるそのGOPの「1番」のピクチャがIピクチャ(I1)となり、かつ、直前の「0番」のピクチャは、通常ではBピクチャであるがPピクチャ(P0)とする。このGOPはI1- ピクチャから始まり、シーケンスの都合上、P10-ピクチャまでのピクチャ枚数N=10となる。その後のGOPは通常のシーケンスが続く。直前のGOPは、P0- ピクチャまでを含むので、それに限りピクチャ枚数N=10となる。
【0041】
カットシーケンス2(C2)
Iピクチャの位置は通常シーケンスと同じ位置で「2番」のピクチャがIピクチャ(I2)となるが、直前の「0番」と「1番」の2枚ピクチャは、通常ではBピクチャであるが、2枚ともPピクチャ(PO,P1)とする。カットのあるこのGOPはI2- ピクチャから始まり、シーケンスの都合上、P11-ピクチャまでのピクチャ枚数N=10となる。その後のGOPは通常のシーケンスが続く。直前のGOPは、P0- ピクチャとP1- ピクチャまでを含むので、それに限りピクチャ枚数N=11となる。
【0042】
カットシーケンス3(C3)
Iピクチャの位置が通常シーケンスに比べて後ろに1枚ずれて「3番」のピクチャがIピクチャ(I3)となる。ただし、「2番」のピクチャまでは通常のシーケンスを延ばす。カットのあるこのGOPはI3- ピクチャから始まり、シーケンスの都合上、P12-ピクチャまでのピクチャ枚数N=10となる。その後のGOPは通常のシーケンスが続く。直前のGOPは、B0- ピクチャとB1- ピクチャとP2-
ピクチャまでを含むので、それに限りピクチャ枚数N=12となる。
【0043】
カットシーケンス4(C4)
Iピクチャの位置が通常シーケンスに比べて後ろに2枚ずれて「4番」のピクチャがIピクチャ(I4)となる。ただし、「2番」のピクチャまでは通常のシーケンスを延ばし、かつ、I4- ピクチャの直前の「3番」のピクチャはPピクチャ,3)。カットのあるこのGOPはI4- ピクチャから始まり、シーケンスの都合上、P13-ピクチャまでのピクチャ枚数N=10となる。その後のGOPは通常のシーケンスが続く。直前のGOPは、B0- ピクチャ,B1-ピクチャ,P2-ピクチャ,P3-ピクチャまでを含むので、それに限りピクチャ枚数N=13となる。
【0044】
カットシーケンス5(C5)
Iピクチャの位置が通常シーケンスに比べて後ろに3枚ずれて「5番」のピクチャがIピクチャ(I5)となる。ただし、「2番」のピクチャまでは通常のシーケンスを延ばし、かつ、I5- ピクチャの直前の2枚のうち「3番」はBピクチャ(B3)、「4番」のピクチャはPピクチャ(P4)とする。カットのあるこのGOPはI5- ピクチャから始まり、シーケンスの都合上、P14-ピクチャまでのピクチャ枚数N=10となる。その後のGOPは通常のシーケンスが続く。直前のGOPは、B0- ピクチャ,B1-ピクチャ,P2-ピクチャ,B3-ピクチャ,P4-ピクチャまでを含むので、それに限りピクチャ枚数N=14となる。
【0045】
カットシーケンス6(C6)
カットシーケンス0〜5のようにIピクチャの位置を後ろにずらすと直前のGOPの長さ(ピクチャ枚数N)が長くなり過ぎるので、このカットシーケンスでは、上記とは別のルールとし、短めの通常シーケンスを置きその後に改めてカットのあるシーケンスを置く。
B0- ピクチャから始まる通常のシーケンスはP5- ピクチャまでのピクチャ枚数N=6で打ち切り、その後の「6番」のピクチャをカットのあるシーケンスのIピクチャ(I6) とする。カットのあるこのGOPはI6- ピクチャから始まり、シーケンスの都合上、P15-ピクチャまでのピクチャ枚数N=10となる。その後のGOPは通常のシーケンスが続く。
【0046】
カットシーケンス7(C7)
カットシーケンス6(C6)と同様に、単純にIピクチャの位置を後ろにずらすと直前のGOPの長さ(ピクチャ枚数N)が長くなり過ぎるので、別のルールとし、短めの通常シーケンスを置きその後に改めてカットのあるシーケンスを置く。
B0- ピクチャから始まる通常のシーケンスをP5- ピクチャまで続け、かつ、その後の「6番」にPピクチャ(P6)を続け、ここでピクチャ枚数N=7でGOPのシーケンスを打ち切る。その直後のGOPの「7番」のピクチャをカットのあるシーケンスのIピクチャ(I7)とする。
カットのあるこのGOPはI7- ピクチャから始まり、シーケンスの都合上P16-ピクチャまでのピクチャ枚数N=10となる。その後のGOPは通常のシーケンスが続く。
【0047】
カットシーケンス8(C8)
カットシーケンス7(C7)と同様に、単純にIピクチャの位置を後ろにずらすと直前のGOPの長さ(ピクチャ枚数N)が長くなり過ぎるので、別のルールとし、短めの通常シーケンスを置きその後に改めてカットのあるシーケンスを置く。
B0- ピクチャから始まる通常のシーケンスをP5- ピクチャまで続け、かつ、その後の「6番」をBピクチャ(B6)とし「7番」にPピクチャ(P7)を続け、ピクチャ枚数N=8でこのGOPのシーケンスを打ち切る。その直後のGOPの「8番」のピクチャをカットのあるシーケンスのIピクチャ(I8)とする。このGOPはI8- ピクチャから始まり、シーケンスの都合上、P17-ピクチャまでのピクチャ枚数N=10となる。その後のGOPは通常のシーケンスが続く。
【0048】
再び図11を参照して述べる。カット判定回路769においては、EDL読み取り部767に入力される情報と手動編集点修正装置768によって追加変更された情報をもとに、どのタイムコードフレームでカットを置けばよいかは判明しているので、カットの近傍では、上で説明したカットシーケンスのどれを選べばよいかは簡単に求めることが出来る。
カット判定回路769は、通常のカットのない部分では、通常シーケンスAAの順番にビデオエンコーダ776に符号化処理シーケンス指示情報771を単純に繰り返し与えておき、カットの近傍では、カットシーケンス0(C0)からカットシーケンス8(C8)のどれかのうち適合するパターンをビデオエンコーダ776に与える。
【0049】
遅延量
ビデオエンコーダ776を単純に構成するため、ビデオエンコーダ776では、特別な指示をしない限り、IピクチャまたはPピクチャが指示されたら必ずBピクチャが2枚続き、また、Bピクチャが2枚続いたらその次は必ずIピクチャまたはPピクチャを置くと言うルール(すなわち、IピクチャまたはPピクチャの周期Mが3ということ)でしか符号化処理しないものとする。すなわち、ビデオエンコーダ776はこの単純なルールを適用している。ただし、ビデオエンコーダ776はあらかじめシーケンスを指定すればそのとおりにエンコードできるものとする。
この基本的な通常シーケンス以外の符号化処理を行いたいときには、あらかじめ、通常とは違うことは分かっていればよいわけであるので、ビデオエンコーダ776は遅延のないタイムコード770と符号化処理指示情報771を必要としている。
遅延量778は、ここで、図12の波線部分に注目してみる。波線は通常シーケンスの単純ルール、すなわち、「IピクチャまたはPピクチャが指示されたら必ずBピクチャが2枚続き、また、Bピクチャが2枚続いたらその次は必ずIピクチャまたはPピクチャを置く」というルールが適用されない部分を示している。
図12から明らかなように、カットを置くことによるこの不規則ルールの影響は、IピクチャまたはPピクチャの周期Mが3の場合は、最大でもピクチャは3フレーム分であるので、画像遅延装置774の遅延量778の設定値は3フレームとすればよい。遅延量778は同時にビデオエンコーダ776にも入力されているので、結果的に、ビデオエンコーダ776は、遅延量778が既知の遅延ビデオ信号775と、遅延のないタイムコード770と符号化処理指示情報771から、通常とは異なるシーケンス(周期M=3ではないケース)でエンコードしなくてはならないときには、具体的にどの画面から特別なエンコードをすればよいのかをそのひとつ前のフレームで知ることが出来る。
【0050】
図12を参照して述べた例は説明を容易するするため、通常シーケンスのピクチャ枚数N=9,ピクチャ周期M=3の場合について述べたが、ピクチャ枚数Nと周期Mが変化されば、たとえば、ピクチャ枚数Nと周期Mが大きくなれば、図11を参照して述べたカットシーケンスの数も増大する。これに伴い図12に波線で示した遅延量の数も大きくなる。
【0051】
以上述べたように、「カット編集方式」によれば、ピクチャの編集に伴うピクチャの差し替えがあっても、GOPヘッダに設けられる、「CLOSED GOP」、(brocken link 」を用いず、EDLに基づくカットの考えを適用して、カットがある部分のGOPの最初にIピクチャをおいて、その前のGOPとカットのあるGOPとを独立させることにより、ピクチャの編集によってもMPEGの特質を維持して画質を低下させない符号化結果が得られる。
「カット編集方式」においては、通常シーケンスにおけるピクチャ枚数Nと周期Mに基づいた種類のカットシーケンスを準備しておき、ピクチャ枚数Nが非常に長くなる場合はカットのあるGOPのピクチャ枚数を制限し、信号処理の遅延量をカットシーケンスに応じて設定しておき、カットのあるGOPの最初にはIピクチャが位置するようにピクチャを並べることにより、カットがあってもGOPの独立性を維持して、MPEGの特質を生かした符号化処理を可能にする。
【0052】
以下、特願平8−42980号において提案した「カット編集方式」の特徴を要約する。
「カット編集方式」によれば、MPEGで符号化処理してしまったビデオを符号化処理の後で編集しても画質に影響がでない。換言すれば、「カット編集方式」によれば、MPEGで符号化した帯域圧縮・符号化したピクチャについても、画質を低下させずに自由に編集作業ができる。この場合、通常のMPEGによる符号化と比べて、同様の画質を得るためのビット発生量に違いがでない。
「カット編集方式」においては、MPEGビデオの編集に必要な「Broken Linkフラグ」や「Closed GOPフラグ」を用いないので、MPEGでオプション扱いとなっているGOPを用いる必要がない。
「カット編集方式」においては、EDLによって決まっているあらかじめ決められた場所で編集するという制限はあるものの、上で述べた利点が存在することにより、例えば、プログラムの全部の符号化処理が終了した時点で、ある「カットシーケンス」の画質に問題があったことに気がついた場合でも、その「カットシーケンス」のみをビットレートなどを再調整し再符号化処理し、ピクチャを差し替え編集をすることが許される。もし上記カット編集方式を用いなかった場合は、たったその部分を差し替えたいだけなのに、もう一度プログラムの頭から全部やり直すか、あるいは、画質の劣化を承知で「Broken Link フラグ」や「Closed GOP」を用いなければならない。しかし、そうしてしまうと、画質を良くしたいと思って行なった編集により、その前後の画質が劣化するという矛盾した結果になる。
【0053】
「カット編集方式」におけるカットとしては、上述した編集段階において作成された編集決定リスト(EDL)に基づいて行う他、定期的に行う、映像シーンの状況に応じて任意に設定できる。
すなわち、「カット編集方式」によれば、GOP内のピクチャの差し替えなどがあっても、先行するGOPのピクチャを参照せずに、そして、画質を低下させずに符号化が行える。特に、符号化された画像データの編集、差し替えが画質を低下させずに行える。
また、「カット編集方式」によれば、これまでのGOPにおけるGOPの不完全独立性が克服され、Closed GOP、brocken linkなどを使用せずに信号処理を行うことができる。したがって、「カット編集方式」によれば、GOPヘッダを使用しないでよく、GOPヘッダ部分にピクチャを置くことが可能になる。
【0054】
本発明の実施例
上述したカット編集方式を適用した本発明の画像符号化方法とその方法について述べる。
図13に本発明の画像符号化方法の処理を示すフローチャートを示す。本発明の画像符号化方法は、基本的に上述した2パス符号化処理をとる。しかしながら、その詳細は図13に図解したように、画像処理する。
ステップS01:後に編集点の候補となりうる「カット」の場所を指定する。
ステップS02:「カット」位置に基づいた符号化処理シーケンスにより、仮符号化処理(第1回符号化処理)をし「DIFFICULTY(複雑度)」データを求める。
ステップS03:得られた「DIFFICULTY」データにより、最終的に発生すべき総情報量をシーンごとの「DIFFICULTY」に比例するように、例えば、GOP単位でビット量を割り振る。
ステップS04:第2回目に正式に符号化処理(第2回符号化処理)をするときの符号化処理シーケンスは、仮符号化処理(第1回符号化処理)の時と同じものを使用して正式な符号化処理(第2回符号化処理)を行う。このとき、正式の符号化処理(第2回符号化処理)中は、割り振られたビット容量により、あらかじめ定められた量子化レベルの重み付け制御を行ない、画像の各帯域の情報用の制御を行う。
ステップS05:正式に符号化処理された結果を、編集ディレクタ(またはオペレータ)が、モニター用デコード装置で監視して画質のチェックを行う。
ステップS06:編集ディレクタの監視によってもし画質に問題がある部分があるは判断されたら、編集ディレクタの指示により、その部分の量子化レベルの重み付けの制御を変更し問題となる部分を含む「カット」位置を再符号化処理する。
【0055】
再符号化処理について
再符号化処理を行う場合には、ほとんどの場合が発生ビット量が増加する方向に行われることが予想される。従って、もし定められた総容量以内に収めるならば、増加した分に見合ったビット量を他の部分で減少させる必要がある。そのために再符号化処理を行う際には次に示すようにいくつかの方法をとることができる。
第1の方法:画質が問題となる部分で、一旦、符号化処理を止めて、再符号化処理によるビット増加量に相当する情報量をそれ以前のシーンのどこかで情報量を減少させても問題になりにくい場所を選び、問題となるシーンのビットの増加量に見合うようにその部分の量子化レベルも下げて、両者とも再符号化処理する。
【0056】
第2の方法(その1):問題となるシーンの量子化レベルを上げて再符号化処理し、増加したビット量は前借りの形で保留しておき、後に符号化処理されるシーン全体から均等にビット量を差し引き、結果、その後のビット量を減少させることにより、総ビット量を定められた範囲に収める。
【0057】
第2の方法(その2):問題となるシーンの量子化レベルを上げて再符号化処理し、増加したビット量は前借りの形で保留しておくが、後に符号化処理されるシーン全体からではなく、問題になりにくそうなシーンを特定し、その部分の量子化レベルを下げておき符号化処理を続け、結果、その後のビット量を減少させることにより、総ビット量を定められた範囲に収める。
【0058】
第3の方法:問題となるシーンまたは「カット」は、その場では再符号化処理せずに、その場所を特定するマーキング(例えば、タイムコードや「カット」の番号を控えておくなど)だけして符号化処理を続ける。最後まで符号化処理が終わった時点で、問題となるシーンのすべての量子化レベルの重み付けを変更して再符号化処理し、その時に増加したビット量に見合う分を減少させるべく量子化レベルを下げても問題のないようなシーンを選び出し、その部分のビット量を減少させて再符号化処理し、結果、総ビット量を定められた範囲に収める。
【0059】
「カット編集方式」を適用する本発明においては、上記のいずれの場合にも対応できるので、本発明においてはどの方法で再符号化処理を行うかは問わない。ここでは、第3の方法を適用した場合を例示する。
【0060】
以下、上述した画像符号化方法の詳細について述べる。
ステップS01:カット位置の事前設定
ステップS02における仮符号化処理、および、ステップS06における再符号化処理を行う、カット位置については、上述した「カット編集方式」として記述したように、事前にEDLなどに規定しておく。
【0061】
ステップS02:仮符号化処理(第1回符号化処理:「DIFFICULTY(複雑度)」データの算出)
図14は、仮符号化処理(第1回符号化処理)を行い、「DIFFICULTY(複雑度)」のデータを求める本発明の実施例としての画像処理装置の構成図である。図14における装置の一部は図11に図解した装置の一部と同様の処理を行う。
マスターテープ1に記録されている圧縮符号化処理される対象の画像データはデジタルVTR2で再生される。
マスターテープ1に対して、図11を参照して上述した「カット編集方式」に基づき、編集データリスト(EDL)情報、あるいはそれに修正を加えたもの、または自動的に等間隔にカット設定装置6により、編集の候補となるカット点を定める。
マスターテープ1に対する編集点の情報は、カット判定/指定回路7に送られる。
デジタルVTR2で再生されるマスターテープ1にはあらかじめタイムコードTCを記録しておき、そのデジタルVTR2からのタイムコード出力3は、カット判定/指定回路7と画像タイプ制御部8に送られている。
カット判定/指定回路7では、図11と同様の方法でカット設定装置6から入力された編集点情報を考慮しつつ、どのような圧縮シーケンス、すなわち、Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャの並び方を組めばよいか判定を行い、入力されるタイムコード出力3の一つ一つのフレームナンバーとピクチャのシーケンスの対応を準備しておく。例えば、編集点のない付近でのシーケンスでは、通常の・・・BBPBBIBBP・・・とし、編集点の付近では「カットのあるシーケンス」・・・BBPIBBPBB・・・と言う具合にあらかじめピクチャのタイプの符号化処理される順番を決定する。
【0062】
デジタルVTR2においてマスターテープ1の再生を開始する。カット判定/指定回路7は、入力されてくるタイムコード出力3と、あらかじめ求めておいたシーケンスとの対応をとりながら、そのタイムコードに相当する画像をどのピクチャのタイプで圧縮すればよいかを符号化処理シーケンス指示9として画像タイプ制御部8に送る。一方、デジタルVTR2で再生されたビデオ信号4は、画像遅延装置5に送られる。
上述した「カット編集方式」で述べたルールに従って遅延量11は外部より設定され、それと同じ情報が画像タイプ制御部8にも送られている。遅延したビデオ信号10は画像タイプ制御部8に入力される。画像タイプ制御部8には、遅延していないタイムコード出力3と、それに伴った符号化処理シーケンス指示9が入力されているので、画像タイプ制御部8は、ビデオ信号の遅延分だけ、前もってどのタイミングでどのような画像タイプ(I,B,Pピクチャ)を生成すればよいかが判る。
【0063】
画像タイプ制御部8は、それぞれのピクチャータイプに応じて生成された画像の二次元画素情報13とその処理時間に対応して遅延させたタイムコード(TC)12を直交変換装置の1例としてのDCT演算装置14に送り出す。DCT演算装置14では、画像情報を二次元の画素データから、たとえば、8×8画素ごとのブロックごとに、周波数成分の情報に変換し、各帯域に分かれた周波数成分画像情報16を出力する。また、どの時間の画像がどの程度の情報量を持っていたのかを保存する目的のため、DCT演算装置14からは同時に、その処理遅延時間に対応して遅延させたタイムコード(TC)15も出力され、次の量子化器17に送られる。量子化器17の出力は、逆量子化器20と逆DCT演算装置21を通じて量子化の誤差を含んだ二次元画素情報に逆変換され、画像タイプ制御部8にフィードバックされる。これにより、画像タイプ制御部8は、BピクチャまたはPピクチャのための差分信号を生成することができる。
画像タイプ制御部8では、動き予測やその補償も行っているが、量子化誤差を含めたフィードバック情報は、これらの処理を適応化するのに重要な情報となる。
【0064】
量子化器17では、特に重み付けなどは行われず各帯域ごとに均等に量子化するような仮量子化レベル22で画像の周波数帯域情報を量子化する。
量子化されたビット19は、量子化に要した時間に対応するだけ遅延されたタイムコード(TC)18と共に出力される。この結果、時間ごとの画像情報量の変化が得られこれが「DIFFICULTY」データ23となる。
【0065】
ステップS03〜S04:「DIFFICULTY」によるビット量の割りあて、および、正式の符号化処理(第2回符号処理)
図15は正式に符号化処理を行う装置の構成図である。
量子化器17までの接続と構成は、「DIFFICULTY」データを求めたときの図14の装置構成と同じであり、図15の装置は、図14の装置構成に、「DIFFICULTY」データ24、量子化レベル制御回路26、手動量子化レベル修正装置27、エントロピー符号化器29、出力レート決定装置32、ストリーム出力装置34、モニター用デコーダ35、ストレージ装置37、符号化制御部38が加わった構成である。したがって、図14と図15に示した装置構成で共通するものは、第1回の符号化処理工程と、第2回の符号化処理工程の処理において、共用することができる。
【0066】
圧縮エンコーダされる対象の画像データが記録されているマスターテープ1はデジタルVTR2で再生される。ここで重要なことは、画像シーケンスを「DIFFICULTY」データを求めたときと全く同一のものとするために、同一のカットの設定を保つことである。従って、カット設定装置6は接続はされているが、動作はしない。つまり、マスターテープ1に対する編集点の情報は、「DIFFICULTY」データを求めたときと同じものがカット判定/指定回路7に保存されている。また、デジタルVTR2で再生されるマスターテープ1の内容にはあらかじめタイムコードを記録しておき、デジタルVTR2からのタイムコード出力3は、カット判定/指定回路7と画像タイプ制御部8に送られている。
カット判定/指定回路7では、入力された編集点情報を考慮しつつ、どのような圧縮シーケンス(Iピクチャ、Pピクチャ、Bピクチャの並び方)を組めばよいか判定を行い、入力されるタイムコード出力3の一つ一つのフレームナンバーとピクチャのシーケンスの対応を準備しておく。例えば、編集点のない付近でのシーケンスでは、通常の・・・BBPBBIBBP・・・とし、編集点の付近では「カットのあるシーケンス」・・・BBPIBBPBB・・・と言う具合にあらかじめピクチャのタイプのエンコードされる順番を決定する。
【0067】
ピクチャ列、たとえば、映画番組のピクチャ列の最初から再生を開始するために、符号化制御部38からテープ走行指示40がデジタルVTR2に出力され、マスターテープ1に記録された画像データの再生が開始される。出力レート決定装置32とストレージ装置37には通常の符号化方式39を指示しておく。カット判定/指定回路7は、入力されてくるタイムコード出力3と、あらかじめ求めておいたシーケンスとの対応をとりながら、そのタイムコードに相当する画像をどのピクチャのタイプで圧縮すればよいかを符号化シーケンス指示9として画像タイプ制御部8に送る。一方、デジタルVTR2で再生されたビデオ信号4は、画像遅延装置5に送られる。
【0068】
上述したカット編集方式で述べたルールに従って、外部から設定された遅延量11と同じ情報が画像タイプ制御部8にも送られている。遅延したビデオ信号10は画像タイプ制御部8に入力される。画像タイプ制御部8には、遅延されていないタイムコード出力3と、それに伴った符号化シーケンス指示9が入力されているので、画像タイプ制御部8は、ビデオ信号の遅延分だけ、前もってどのタイミングでどのような画像タイプ(I,B,Pピクチャ)を生成すればよいかが判る。
【0069】
画像タイプ制御部8は、それぞれのピクチャータイプに応じて生成された画像の二次元画素情報13とその処理時間に対応して遅延させたタイムコード(TC)12をDCT演算装置14に送り出す。DCT演算装置14では、画像情報を二次元の画素から、たとえば、8×8画素単位のブロックで、周波数成分の情報に変換し、各帯域に分かれた周波数成分画像情報16を出力する。また同時に、その処理遅延時間に対応して遅延させたタイムコード(TC)15も出力され、量子化器17に送られるとともに、量子化レベル制御回路26にも送られる。
【0070】
量子化器17の出力は、逆量子化器20と逆DCT演算装置21を通じて量子化の誤差を含んだ二次元画素情報に逆変換され、画像タイプ制御部8にフィードバックされる。これにより、画像タイプ制御部8は、BピクチャまたはPピクチャの差分信号を生成することができる。
画像タイプ制御部8では、動き予測やその補償も行っているが、量子化誤差を含めたフィードバック情報は、これらの処理を適応化するのに重要な情報となる。
量子化レベル制御回路26には、「DIFFICULTY」データ24が入力されており画像情報量の時間変化データ25が与えられている。量子化レベル制御回路26は、入力されている遅延させたタイムコード(TC)15と画像情報量の時間変化データ25から、どのような重み付け制御が必要かを決定し、量子化レベル重み付け制御信号28を量子化器17に出力する。通常、とくに画質に問題ない場合は、手動量子化レベル修正装置27は動作しない。
量子化器17では、量子化レベル重み付け制御信号28に従って、各帯域ごとに量子化し情報量の削減を行う。量子化されたビット19は、量子化に要した時間に対応するだけ遅延されたタイムコード(TC)18と共にエントロピー符号化器29に出力される。エントロピー符号化器29では、さらにビット量の圧縮を行うために可逆圧縮手法であるエントロピー符号化を行い、この前段まで固定長ビット列であったものを可変長ビット列に変換する。この変換方式をVariable Length Coding:VLCと呼ぶ。
エントロピー符号化器29からは、可変長符号に変換された最終的な画像符号31とその画像を表示すべき時刻を示した時間情報30が出力レート決定装置32に送られている。
【0071】
符号化された後はその結果が出力される。ここで、可変レートのビット出力について一般的な事柄を考察する。
MPEGにおいては、通常、符号化された画像情報は音声情報やその他の符号とともに、一本のビッット列に多重化されて出力されるが、画像符号が可変レートである場合は、多重化された出力ビット列も可変レートとなる。画像、音声、その他の情報が多重化された状態で出力レートとなる。音声は固定レートである。その他の情報は画像符号に比べて極めて微量であるので、説明を簡単にするために本質的にビットレートを決定している画像符号のみが出力される場合で説明する。
【0072】
可変レート符号の受信/読み出しについて
可変レートの画像符号を何らかのストレージデバイス、たとえば、DVDに記録し、それを読み出しデコードする場合などを考える。この場合デコーダ側としてはどのようにして可変レートで符号を読みだせばよいかを考察する。例えば、仮にストレージデバイスからは最大10Mbps で符号を読みだせるのもとし、実際にはそこに記録されている符号は5Mbps で符号化されていたものとする。この場合、最大速度の10Mbps でやみくもに読み込んでしまうと、実際に復号され画像信号として消費される情報量は5Mbps であるから、結局、入力が10Mbps 出力が5Mbps となり、即座に読み出しバッファはオーバーフローする。
このことを防ぐためには、記録された情報を「いつ」「どのくらいのスピード」で読みだせばよいかが既知であればよい。
【0073】
MPEG2においては、エンコードされた画像情報をそのまま出力することはなく、適切な長さにパケット化し(このパケットはPES:PACKETIZED ELEMENTARY STREAMと呼ばれる)、あるいは、PESをいくつかまとめたPACKと呼ばれる単位に再パケット化している。PESまたはPACKには、そのパケットが読み出されるときのビットレートと読み出すべき時間がヘッダ情報として付け加えられている。復号装置においては、この情報を元に読み出していればそのバッファはオーバーフローすることもアンダーフローすることもない。
例えば上述した例の場合、実際の読み出し速度が10Mbps に固定されていたとしても、それぞれのパケットを読みだす時間がそのパケットのヘッダとして指定されているわけだから、ヘッダまで10Mbps で読み出し指定の時間までは読み出しを休むことができ、結果、バースト的に読みだすことになり、平均して5Mbps の読み出し速度を得ることができる。
【0074】
符号化装置においては、符号化された画像が最終的に復号され表示されるべき時間は、オリジナルの、例えば、マスターテープ1のタイムコードからあらかじめ分かっている。また各画像1枚1枚が何ビットあるかも当然知っている。従って、ある符号化された画像情報を表示時間までに揃えるためには、「いつ」「どのくらいの速度」で送ればよいかを決定することは困難ではない。MPEG2における符号化装置では、その「いつ(クロックリファレンス)」と「どのくらいの速度(パケットレート)」を求め、その情報をPESないしPACKのヘッダとして付加しなければならないことになっている。
【0075】
出力レート決定装置32には、可変長符号に変換された最終的な画像符号31とその画像を表示すべき時刻を示した時間情報30が入力されている。出力レート決定装置32は、この時間情報を元にPESないしPACKのヘッダ情報を求め、入力された画像符号をパケット化し最終符号出力33としてストリーム出力装置34に送る。
【0076】
出力レート決定装置32は、符号化処理を始める際に符号化制御部38より、通常の符号化方式の指令39の指示を受けている。出力レート決定装置32は、後に画質改善のために編集が可能となるようにうすために、最終符号出力33の元になった情報である、「画像符号+時間情報」36をストレージ装置37に通常、符号化処理の結果によるというマーキングとともに保存しておく。
【0077】
ステップS05:符号化処理結果の監視
最終符号出力33はモニター用デコーダ35にも送られている。編集ディレクタ(オペレータ)は、デコーダ35に接続されたモニター(図示せず)に表示された符号化処理結果を観察して、その画質を監視することができる。もし、画質に問題があったならば、編集ディレクタは画質が問題となる位置を指示する。具体的には、上述した再符号化処理に従い、その部分に相当する画像を表示すべき時刻を示した時間情報41を手動量子化レベル修正装置27に記録しておく。
正式の符号化処理が一通り終了した時点で、画質に問題のある場所がどの「カット」に相当するかは、手動量子化レベル修正装置27に記録されていた時間情報とカット判定/指定回路7に保存されているタイムコードとカットの関係とからで容易に求めることができる。
【0078】
ステップS06:重み付け制御の変更
画質が問題となる部分に相当する「カット」を符号化制御部38から再度再生しモニター用デコーダ35を監視しながら、手動量子化レベル修正装置27において量子化レベルの重み付けを調整し、画質に問題がない量子化レベルを求める。求めた量子化レベルの重み付け制御値はその「カット」に相当するタイムコードとともに量子化レベル制御回路26に与えておく。画質に問題が有る部分が複数あるときには、この作業を繰り返す。
【0079】
量子化レベル制御回路26においては、もともと「DIFFICULTY」データ24によって総発生ビット量が既知であるので、手動量子化レベル修正装置27によって量子化レベルが修正された結果、新しい総発生ビット量を知ることも可能である。もし、総発生ビット量があらかじめ定められて総容量を越えてしまうようなことがあれば、今度は逆に、ビット量を減らしても問題になりにくそうな「カット」を指定して、その部分を上記と同様に再生しながら手動量子化レベル修正装置27によって情報量が抑制されるように量子化レベルを調整する。
【0080】
ステップS07:再符号化処理
このようにして、必要な部分の量子化レベルを調整し直したら、符号化制御部38から、対象となる「カット」のみをエンコードさせるようにデジタルVTR2で順次再生させる。この符号化処理は、上述した正式の符号化処理と同様に進行する。このとき、出力レート決定装置32とストレージ装置37には、エンコードの結果が再エンコードによるものであることを示すため、符号化方式の指令39を符号化制御部38から与えておく。これにより、ストレージ装置37には、改善された画質を持つ「画像符号+時間情報」36が再エンコードのマーキングとともに記録されることになる。
【0081】
最終出力
全ての再エンコードが終了したならば、ストレージ装置37には通常/再エンコードの画像符号及び時間情報の全てが記録されている。出力レート決定装置32はこの記録されているデータを元に、プログラムの先頭から順次パケット化していき、最終符号出力33としてストリーム出力装置34に出力する。
【0082】
クロックリファレンスとパケットレート
エンコーダでは符号化された画像情報を表示時間までに揃えるためには、「いつ」「どのくらいの速度」で送ればよいかを決定し、クロックリファレンスとパケットレートを求めるが、再符号化処理により情報量が増加しビットレートを上げた場合にどのようになるかを説明する。
図16は、平均した画像符号のビットレートが5Mbps の時の例を示すグラフである。ここでは、説明を簡単にするため1フレームの画像符号が1パケットを形成するものとする。図中において、横軸は時間、縦軸はビット量の累積、斜めの線は平均ビットレートを表す。一つ一つの小さな四角形は、1ビデオフレームの画像を符号化の後にパケット化したのを表しており幅が1フレームの時間に相当し、その高さでビット容量を示している。また、2本の斜め線で挟まれた領域は、復号装置のバッファサイズ41を示しており上辺を越えればオーバーフロー、下辺を越えればアンダーフローである。全ての画像がその領域内に収まっているときには、デコーダーのバッファはオーバーフローもアンダーフローも越していないことを表している。
【0083】
例えば、画像符号A(42)を5Mbps で送る場合を考える。画像符号Aの高さを見れば、5Mbps の速度ではこの容量を1ビデオフレーム時間で送ることはできない。従って、それより以前から送り始めなければならない。また、画像符号Aを全て送り終わったときに、バッファがオーバーフローのギリギリで終わることなく、余裕をもってバッファ容量の中ほどで終了するようにすると仮定する。この場合の、パケット化された画像符号Aの出力開始点43と終了点44は、画像符号Aのそれぞれ上端と下端から水平に過去(左側)の向きに直線を延ばし、それが斜め線との交点でもとまる。画像符号Aのパケット容量をSとおき、出力開始点43をT1、同じく終了した点44をT2とおくと、S=(T2−T1)×5Mbps の関係になる。画像符号パケットの下端から水平に過去の向きに延ばした直線と斜め線との交点が、ここでの例ではT1がその画像符号クロックリファレンスである。
【0084】
図17に示すように、画質の一部に問題が有り、量子化レベルを上げて対処する場合が生じたとする。白い四角形で元々の画像符号の累積、濃い灰色の四角形で画質改善後の画像符号の累積を表す。図より明らかなように、画質改善後はもはや平均して5Mbps では送ることができない。ところが変更部分の総容量と時間から計算して(ビットレート=総容量/変更部分の時間)みると、この新しい画像符号は7Mbps のレート(これが、変更部分のパケットレートになる)であれば、バッファの流域内に収められることができることが判明したとする。
【0085】
図18に、この場合、エンコーダ出力のビットレートはどの部分は変更されるかを示す。画像データそのものの変更部分はT4より始まり、T6で終わるものとし、変更前の元の画像符号のビット発生量をS1(51)、画質を改善した結果の画像符号のビット発生量をS2(52)とする。
画質改善のための変更によりバッファ残量へ与える影響を、変更部分だけにとどめるために、変更箇所の最後のフレームの次に来る元々存在したフレームがバッファに書き込まれたときのバッファ残量を同一とする(50)ことを目標におくとする。
変更部分の先頭の画像符号パケットの下端から左に直線を引き元のビットレートを表す5Mbps の斜め線との交点T3が、変更部分の出力開始点(クロックリファレンス)となる。変更部分はS2/(T6−T4)=7Mbps であれば、うまく送ることができるのであるから、変更部分の最初のフレームのクロックリファレンスT3から7Mbps の斜め線を引けば、これが新しいビットレートを表すことになる。
変更部分のそれぞれの画像符号パケットの下端から左側に直線を引き、7Mbps の直線との交点を求めれば、そこがそれぞれの画像符号パケットの新しい出力の開始点(クロックリファレンス)となる。この結果、変更部分の全てのクロックリファレンスは変更され、例えば、同一フレームの画像符号パケットで比較すれば、位置(45)のように元より前にずれることもあれば、位置(46)のように後ろにずれることもある。7Mbps の斜め線は、変更部分の最後のフレームを出力し終わったところT5で終了する。つまり、変更後の画像符号にビット累積の軌跡はうすい灰色で表したように、T3からT5までは7Mbps に上がり(48)、T5からビットレートは元の5bps に戻る(49)。
7Mbps という値は、変更部分の総容量と時間から単純計算して求めた(S2/(T6−T4)=7Mbps )である。また、T5はS2/7Mbps =(T5−T3)の関係になることも明らかである。従って、T6−T4=T5−T3である。一方、変更部分の時間は変更の前後では同一(T6−T4)である。変更する前も後もT3からビットを出力し始めているから、変更部分の次に来るフレームの出力開始点(クロックリファレンス)T5は元々の開始点と一致する(47)。その時点での画像符号のビット量の累積値は、ちょうど、画質を向上させた結果のビット量S2(52)から元の発生ビット量S1(51)を引いた分(S2−S1)だけ上に並行移動しているだけであるので、5Mbps に戻ったところでのバッファの残量は変更の前のときと同一の値となる。
【0086】
図13に図解した本発明の画像符号化方法の動作は、図14および図15に図解した両者の装置によって行われる。したがって、本発明の実施に際しては、図14に図解した装置と図15に図解した装置を一体構成にしてもよい。その場合、共用する装置を重複させずに用いて簡略した構成にすることができる。
【0087】
以上の実施例では、再符号化処理として、第3の例を述べたが、その他の再符号化処理についても上記同様に行うことができる。
【0088】
なお、以上の説明では可変レートの場合を用いたが、可変レート画像符号に一定のパッディングビットを加えて固定レートとしているようなシステムでも同様に実施できる。得られたビット列は、完全にMPEG2フォーマットである。
【0089】
【発明の効果】
本発明によれば、画質を正式に符号化処理した(第2回符号化処理)後に、事前に編集事情を考慮して規定した「カット」をもとに部分的に修正できる。
また本発明は、「DIFFICULTY(複雑度)」データを求める際に厳密さが不要になる。換言すれば、本発明においては、「DIFFICULTY」データを求める作業を簡略化できるため、2パス符号化処理の1パス目の時間を短縮できる。
なお、本発明における「カット」の概念、及び、本発明の一部をなす出力レート決定装置は、MPEG符号化処理されたお互いに無関係な複数のビット列同士を編集しつなぐことを可能とし、符号化処理後のビット列の再利用をも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は固定ビットレート符号化処理と可変ビットレート符号化処理の概要を示す図である。
【図2】 図2は可変ビットレート符号化処理の処理の概要を示す図である。
【図3】 図3はMPEGが適用されるシステム構成の1例として画像伝送系統における画像符号化装置と画像復号化装置とのシステム構成を示した図である。
【図4】 図4はMPEGにおける符号化順序を示したグラフである。
【図5】 図5は図4に示したピクチャの意味とのその関連を示したグラフである。
【図6】 図6(A)はGOPの構成を示したMPEGのビットストリームの構成を示すグラフであり、図6(B)はGOPヘッダの内容を示す図であり、図6(C)はピクチャヘッダの内容を示す図である。
【図7】 図7は一般的なMPEGの画像列の様子を示すグラフである。
【図8】 図8は、GOP単位での画像編集を行なったときに起こる問題を説明するための図である。
【図9】 図9はMPEGにおける「CLOSED GOP」を説明するグラフである。
【図10】 図10は「カット編集方式」における圧縮・符号化処理を示すグラフである。
【図11】 図11は「カット編集方式」におけるビデオ信号処理装置の構成図である。
【図12】 図12は符号化処理シーケンスを図解したグラフである。
【図13】 図13は本発明の画像符号化方法の処理を図解したフローチャートである。
【図14】 図14は本発明の実施例として、「DIFFICULTY」を算出する仮符号化処理を行う画像符号装置の構成図である。
【図15】 図15は本発明の実施例として、正式に符号化処理を行う装置の構成図である。
【図16】 図16は本発明における平均した画像符号のビットレートが5Mbps の時の例を示すグラフである。
【図17】 図17は本発明において、画質の一部に問題が有り、量子化レベルを上げて対処する場合の処理を示すグラフである。
【図18】 図18は本発明において、エンコーダ出力のビットレートはどの部分が変更されるかを示すグラフである。
【符号の説明】
1・・マスターテープ、2・・デジタルVTR
3・・タイムコード出力、4・・ビデオ信号
5・・画像遅延装置、6・・カット設定装置
7・・カット判定/指定回路、8・・画像タイプ制御部
9・・符号化シーケンス指示、10・・遅延したビデオ信号
11・・遅延量、12・・遅延させたタイムコード(TC)
13・・画像の二次元画素情報
14・・DCT演算装置、15・・遅延させたタイムコード(TC)
16・・周波数成分画像情報
17・・量子化器、19・・量子化されたビット
20・・逆量子化器、21・・逆DCT演算装置
22・・仮量子化レベル、23,24・・「DIFFICULTY」データ
25・・画像情報量の時間変化データ
26・・量子化レベル制御回路、27・・手動量子化レベル修正装置
28・・量子化レベル重み付け制御信号
29・・エントロピー符号化器、30・・時間情報
31・・最終的な画像符号
32・・出力レート決定装置、33・・最終符号出力
34・・ストリーム出力装置、35・・モニター用デコーダ
36・・「画像符号+時間情報」
37・・ストレージ装置、38・・符号化制御部
39・・符号化方式の指令、40・・テープ走行指示
41・・復号装置のバッファサイズ
100・・ビデオテープ記録再生装置(VTR)
200・・画像符号化装置(エンコーダ)
300・・蓄積メディア3(または伝送経路)
400・・画像復号化装置(デコーダ)
500・・TVモニタ

Claims (16)

  1. 映像信号を符号化して符号化データを生成する符号化装置において、
    上記映像信号におけるカット位置の直後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように、当該新たなGOPの区切りを決定する区切り決定手段と、
    上記区切り決定手段により決定された上記区切り前後の上記新たなGOPの間で符号化に伴う参照予測を必要としないように、上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定して上記新たなGOPを構成することにより、上記カット位置を含むカットシーケンスを構成するカットシーケンス構成手段と、
    上記カットシーケンス構成手段により構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化することにより、符号化に伴う発生ビット量を算出する発生ビット量算出手段と、
    上記発生ビット量算出手段により算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振る割り振りビット量を算出する割り振りビット量算出手段と、
    上記割り振りビット量算出手段により算出された割り振りビット量及び上記カットシーケンス構成手段により構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス構成手段により構成された上記カットシーケンス内のピクチャを量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化手段と、
    を有する符号化装置。
  2. 上記カットシーケンス構成手段は、上記区切り決定手段により決定された上記区切りの直後の新たなGOP内において表示順にみた最初のピクチャをIピクチャとして符号化処理するようにピクチャタイプを決定し、上記区切り決定手段により決定された上記区切りの直前の新たなGOPにおいて表示順にみた最後のピクチャをPピクチャとして符号化処理するようにピクチャタイプを決定する、
    請求項1に記載の符号化装置。
  3. 上記符号化手段は、上記カットシーケンス内のピクチャを符号化することにより生成した部分符号化データを、上記カットシーケンス内のピクチャを再符号化することにより生成した部分再符号化データに置き換えることにより、上記符号化データを生成する、
    請求項1に記載の符号化装置。
  4. 上記符号化手段は上記量子化レベルを下げて上記カットシーケンス内のピクチャを再符号化する、
    請求項1に記載の符号化装置。
  5. 上記符号化手段は、上記カットシーケンス以外の所定部分において、上記カットシーケンス内のピクチャの再符号化に伴う発生ビット量に相当するビット量を減少させるように、量子化レベルを変更して上記カットシーケンス内のピクチャを再符号化する、
    請求項4に記載の符号化装置。
  6. 映像信号を符号化して符号化データを生成する符号化方法において、
    上記映像信号におけるカット位置の直後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように、当該新たなGOPの区切りを決定する区切り決定工程と、
    上記区切り決定工程において決定された上記区切り前後の上記新たなGOPの間で符号化に伴う参照予測を必要としないように、上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定して上記新たなGOPを構成することにより、上記カット位置を含むカットシーケンスを構成するカットシーケンス構成工程と、
    上記カットシーケンス構成工程において構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化することにより、符号化に伴う発生ビット量を算出する発生ビット量算出工程と、
    上記発生ビット量算出工程において算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振る割り振りビット量を算出する割り振りビット量算出工程と、
    上記割り振りビット量算出工程において算出された割り振りビット量及び上記カットシーケンス構成工程において構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス構成工程において構成された上記カットシーケンス内のピクチャを量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化工程と
    を有する符号化方法。
  7. 上記カットシーケンス構成工程において、上記区切り決定工程において決定された上記区切りの直後の新たなGOP内において表示順にみた最初のピクチャをIピクチャとして符号化処理するようにピクチャタイプを決定し、上記区切り決定工程において決定された上記区切りの直前の新たなGOPにおいて表示順にみた最後のピクチャをPピクチャとして符号化処理するようにピクチャタイプを決定する、
    請求項6に記載の符号化方法。
  8. 上記符号化工程において、上記カットシーケンス内のピクチャを符号化することにより生成した部分符号化データを、上記カットシーケンス内のピクチャを再符号化することにより生成した部分再符号化データに置き換えることにより、上記符号化データを生成する、
    請求項6に記載の符号化方法。
  9. 上記符号化工程において上記量子化レベルを下げて上記カットシーケンス内のピクチャを再符号化する、
    請求項6に記載の符号化方法。
  10. 上記符号化工程において、上記カットシーケンス以外の所定部分において、上記カットシーケンス内のピクチャの再符号化に伴う発生ビット量に相当するビット量を減少させるように、量子化レベルを変更して上記カットシーケンス内のピクチャを再符号化する、
    請求項6に記載の符号化方法。
  11. 映像信号を符号化して符号化データを生成する符号化装置において、
    上記映像信号におけるカット位置の前後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように区切りが決定された上記新たなGOPの間において、符号化に伴う参照予測を必要としないように上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定することによって構成された上記カット位置を含むカットシーケンスに従って、上記映像信号を符号化することによりピクチャ毎に算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振るビット量を算出する割り振りビット量算出手段と、
    上記割り振りビット量算出手段により算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャを量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化手段と、
    を有する符号化装置。
  12. 映像信号を符号化して符号化データを生成する符号化方法において、
    上記映像信号におけるカット位置の前後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように区切りが決定された上記新たなGOPの間において、符号化に伴う参照予測を必要としないように上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定することによって構成された上記カット位置を含むカットシーケンスに従って、上記映像信号を符号化することによりピクチャ毎に算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振るビット量を算出する割り振りビット量算出工程と、
    上記割り振りビット量算出工程において算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャを量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化工程と
    を有する符号化方法。
  13. 映像信号を符号化した符号化データを記録媒体に記録する記録装置において、
    上記映像信号におけるカット位置の直後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように、当該新たなGOPの区切りを決定する区切り決定手段と、
    上記区切り決定手段により決定された上記区切り前後の上記新たなGOPの間で符号化に伴う参照予測を必要としないように、上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定して上記新たなGOPを構成することにより、上記カット位置を含むカットシーケンスを構成するカットシーケンス構成手段と、
    上記カットシーケンス構成手段により構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化することにより、符号化に伴う発生ビット量を算出する発生ビット量算出手段と、
    上記発生ビット量算出手段により算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振る割り振りビット量を算出する割り振りビット量算出手段と、
    上記割り振りビット量算出手段により算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンス構成手段により構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャに対応する部分を量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化手段と、
    上記符号化手段により生成された上記符号化データを上記記録媒体に記録する記録手段と
    を有する記録装置。
  14. 映像信号を符号化した符号化データを記録媒体に記録する記録方法において、
    上記映像信号におけるカット位置の直後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように、当該新たなGOPの区切りを決定する区切り決定工程と、
    上記区切り決定工程において決定された上記区切り前後の上記新たなGOPの間で符号化に伴う参照予測を必要としないように、上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定して上記新たなGOPを構成することにより、上記カット位置を含むカットシーケンスを構成するカットシーケンス構成工程と、
    上記カットシーケンス構成工程において構成された上記カットシーケンス内のピクチャに従って上記映像信号を符号化することにより、符号化に伴う発生ビット量を算出する発生ビット量算出工程と、
    上記発生ビット量算出工程において算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振る割り振りビット量を算出する割り振りビット量算出工程と、
    上記割り振りビット量算出工程において算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンス構成工程において構成された上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャに対応する部分を量子化レベルを変更して再符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化工程と、
    上記符号化工程において生成された上記符号化データを上記記録媒体に記録する記録工程と
    を有する記録方法。
  15. 映像信号を符号化した符号化データを記録媒体に記録する記録装置において、
    上記映像信号におけるカット位置の前後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように区切りが決定された上記新たなGOPの間において、符号化に伴う参照予測を必要としないように上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定することによって構成された上記カット位置を含むカットシーケンスに従って、上記映像信号を符号化することによりピクチャ毎に算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振るビット量を算出する割り振りビット量算出手段と、
    上記割り振りビット量算出手段により算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャに対応する部分を再度符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化手段と、
    上記符号化手段により生成された上記符号化データを上記記録媒体に記録する記録手段と、
    を有する記録装置。
  16. 映像信号を符号化した符号化データを記録媒体に記録する記録方法において、
    上記映像信号におけるカット位置の前後のピクチャが表示順にみて符号化シーケンスに対する新たなGOPの先頭になるように区切りが決定された上記新たなGOPの間において、符号化に伴う参照予測を必要としないように上記新たなGOP内におけるピクチャのピクチャタイプを決定することによって構成された上記カット位置を含むカットシーケンスに従って、上記映像信号を符号化することによりピクチャ毎に算出された上記発生ビット量に基づいて、上記映像信号を符号化する際に割り振るビット量を算出する割り振りビット量算出工程と、
    上記割り振りビット量算出工程において算出された上記割り振りビット量及び上記カットシーケンスに従って上記映像信号を符号化するとともに、上記カットシーケンス内のピクチャに対応する部分を再度符号化することにより、上記符号化データを生成する符号化工程と、
    上記符号化工程において生成された上記符号化データを上記記録媒体に記録する記録工程
    を有する記録方法。
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