JP4415568B2 - Semiconductor power device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、交流電力を直流電力に変換したり、ある周波数の交流電力を所望の周波数の交流電力に変換する場合などに用いる半導体電力素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の半導体電力素子として、図23に示す構成のVDMOSFETが知られている(例えば、非特許文献1)。
【0003】
図23に示す構成のVDMOSFETは、単結晶のn+形シリコン基板51上にn−形シリコンエピタキシャル層52が形成され、n−形シリコンエピタキシャル層52内の主表面側にp+形ウェル領域53が形成され、p+形ウェル領域53内の主表面側にn+形ソース領域54が形成されている。このVDMOSFETでは、n+形シリコン基板51がn+形ドレイン領域を構成するとともに、n−形シリコンエピタキシャル層52がn−形ドリフト領域を構成しており、n−形ドリフト領域52の主表面側に、n−形ドリフト領域52とp+形ウェル領域53とn+形ソース領域54とに跨ってゲート酸化膜55が形成され、ゲート酸化膜55上にゲート電極56が積層されている。また、n+形ソース領域54にはソース電極57が接続され、n+形ドレイン領域51にはドレイン電極58が接続されている。なお、p+形ウェル領域53とn+形ソース領域54とは、いわゆる二重拡散技術を利用して形成されている。
【0004】
上述のVDMOSFETは、ゲート電極56とソース電極57との間にゲート電極56が高電位側となるような電圧を印加することにより、p+形ウェル領域53におけるゲート酸化膜55直下の部分にチャネルが形成されるから、電流がドレイン電極58−n+形ドレイン領域51−n−形ドリフト領域52−チャネル−n+形ソース領域54−ソース電極57の経路で流れる。ここにおいて、上述のVDMOSFETのオン抵抗は、ドレイン電極58・ソース電極57間に存在する抵抗成分を合計したものであるが、n−形ドリフト領域52の抵抗成分であるドリフト抵抗Rdriftとチャネルの抵抗成分であるチャネル抵抗RCHとが大部分を占める。したがって、電流がn−形ドリフト領域52を通って縦方向(n−形ドリフト領域52の厚み方向)に流れるので、ドリフト抵抗Rdriftを低減でき、高耐圧かつ低オン抵抗の半導体電力素子として用いることができる。
【0005】
【非特許文献1】
山崎浩著「パワーMOSFETの応用技術」日刊工業新聞社出版、1996年10月15日、p.52−53
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図23に示した構成の半導体電力素子(VDMOSFET)は、Siを用いたデバイスであり、Siの物性限界に直面し、低オン抵抗化の限界に直面している。なお、理論的には耐圧が500Vでオン抵抗が40mΩ・cm2となる。
【0007】
ところで、VDMOSFETのようなMOSFET構造でのオン抵抗は上述のようにドリフト抵抗Rdriftとチャネル抵抗RCHとが支配的であり、近年では、Siに代わる半導体材料として物性限界においてSiに比べてオン抵抗を理論的に2〜3桁低減することが期待されるSiC(シリコンカーバイド)が注目されている。
【0008】
しかしながら、Siの代わりにSiCを用いたとしても、耐圧が数百Vの高耐圧領域においてはMOSFET構造でのオン抵抗の大幅な低減が困難となっている。これは、Siの代わりにSiCを用いることによりドリフト抵抗Rdriftは大幅に低減することができるが、チャネル抵抗RCHの低減にはチャネルを移動するキャリアの移動度(チャネル移動度)の向上が必要でチャネル移動度の向上が困難となっているからである。
【0009】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、高耐圧を確保しつつオン抵抗の大幅な低減を図れる半導体電力素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、厚み方向の一表面側にp形のソース領域が形成されるとともに他表面側にn形のドレイン領域が形成され前記ソース領域と前記ドレイン領域との間にn形のドリフト領域が形成されたSiよりバンドギャップエネルギの大きい半導体材料からなる半導体基板と、前記ソース領域に接続されたソース電極と、前記ドレイン領域に接続されたドレイン電極と、前記ソース電極に対して高電位側となるような電圧が印加されるゲート電極および前記半導体基板の前記一表面側において前記ソース領域に対応する部位に設けられ前記電圧が印加されたときに前記ソース領域から供給された電子を放出させる電子放出部を有する電子源と、前記電子放出部の周囲が真空領域となるように前記半導体基板の前記一表面側へ固着されるキャップと、前記ドリフト領域に電気的に接続され前記電子放出部から前記真空領域へ放出された電子を収集するコレクタ電極とを備えてなることを特徴とする。この請求項1の発明の構成によれば、前記ゲート電極と前記ソース電極との間に前記ゲート電極を高電位側として電圧を印加するとともに、前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に前記ドレイン電極を高電位側として電圧を印加することにより、前記ソース電極−前記ソース領域−前記電子放出部−前記真空領域−前記コレクタ電極−前記ドリフト領域−前記ドレイン領域−前記ドレイン電極の経路で電子が流れる。したがって、この請求項1の発明の構成によれば、前記ドリフト領域がSiよりバンドギャップエネルギの大きい半導体材料により形成されているので、数百Vの高耐圧領域において従来のようにドリフト領域がSiにより形成されているVDMOSFETからなる半導体電力素子に比べて耐圧を確保しつつドリフト抵抗を大幅に低減することができ、しかも、前記ソース領域から前記ドリフト領域へ流れる電子が前記真空領域を通ることにより、前記VDMOSFETにおけるチャネル抵抗に相当する抵抗成分を大幅に低減することができるので、高耐圧を確保しつつオン抵抗の大幅な低減を図ることができる。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記電子源は、前記半導体基板の前記一表面側に形成され前記ソース領域に対応する部位に開口窓が開孔された絶縁膜を備え、前記電子放出部が前記開口窓内に配置され、前記ゲート電極が前記絶縁膜の表面における前記開口窓の周部に形成されてなることを特徴とする。この請求項2の発明の構成によれば、前記電子放出部の先端と前記ゲート電極とを近づけることができるから、電子を放出させるために前記ゲート電極と前記ソース電極との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記コレクタ電極は、前記キャップにおける前記電子放出部との対向面に被着された導電性膜からなることを特徴とする。この請求項3の発明の構成によれば、前記コレクタ電極の表面積を大きくすることができ、前記電子放出部から放出された電子を効率良く収集することができるとともに前記コレクタ電極の低抵抗化を図ることができる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記コレクタ電極が前記ゲート電極の側方に設けられ、前記半導体基板の前記一表面側において前記ゲート電極と前記コレクタ電極との間に前記電子放出部から放出された電子を収束させる収束電極が設けられてなることを特徴とする。この請求項4の発明の構成によれば、前記コレクタ電極を前記半導体基板の前記一表面側に形成することができ、製造プロセスの簡略化を図ることが可能となる。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記電子源は、前記電子放出部の先端位置を前記厚み方向において前記ゲート電極の位置と揃えてなることを特徴とする。この請求項5の発明の構成によれば、前記電子放出部の先端に効率良く高電界を印加することができ、低消費電力化を図ることが可能となる。
【0015】
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記電子放出部が、カーボンナノチューブからなることを特徴とする。この請求項6の発明の構成によれば、前記電子放出部の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるために前記ゲート電極と前記ソース電極との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができる。
【0016】
請求項7の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記電子放出部が、先端が尖った錘状に形成されてなることを特徴とする。この請求項7の発明の構成によれば、前記電子放出部の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるために前記ゲート電極と前記ソース電極との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができる。また、前記電子源をいわゆるスピント(Spindt)型電界放出素子と同様の製造プロセスで製造することができる。
【0017】
請求項8の発明は、請求項1ないし請求項5の発明において、前記電子放出部が、ナノワイヤからなることを特徴とする。この請求項8の発明の構成によれば、前記電子放出部の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるために前記ゲート電極と前記ソース電極との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができる。
【0018】
請求項9の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記電子源は、前記ソース領域に対して前記電子放出部を複数備えてなることを特徴とする。この請求項9の発明の構成によれば、大電流化を図ることができて、前記VDMOSFETのチャネル抵抗に相当する抵抗成分のより一層の低減を図ることができるから、オン抵抗のより一層の低減を図ることができる。
【0019】
請求項10の発明は、請求項1ないし請求項3、請求項5ないし請求項9の発明において、前記半導体基板は、前記一表面側における前記ソース領域の近傍に前記ドリフト領域と前記コレクタ電極とを電気的に接続する前記ドリフト領域よりも高濃度のn形のドリフトコンタクト領域が形成され、前記ドリフトコンタクト領域における前記ソース領域側とは反対側で前記ドリフトコンタクト領域を囲むp形の表面電界緩和領域が形成されてなることを特徴とする。この請求項10の発明の構成によれば、前記ドリフトコンタクト領域における前記ソース領域側とは反対側で前記ドリフトコンタクト領域を囲むp形の前記表面電界緩和領域が形成されていることにより、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ電子が流れていないオフ状態において前記半導体基板における前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間の領域の表面電界を緩和することができ、耐圧を向上させることができる。
【0020】
請求項11の発明は、請求項2の発明において、前記半導体基板は、前記一表面側に前記ドリフト領域と前記コレクタ電極とを電気的に接続する前記ドリフト領域よりも高濃度のn形のドリフトコンタクト領域が形成され、前記ゲート電極は、前記半導体基板における前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間の領域の上方まで延設されてなることを特徴とする。この請求項11の発明の構成によれば、前記ゲート電極が前記半導体基板における前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間の領域の上方まで延設されていることにより、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ電子が流れていないオフ状態において前記半導体基板における前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間の領域の表面電界を緩和することができ、耐圧を向上させることができる。
【0021】
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項3、請求項5ないし請求項9の発明において、前記半導体基板は、前記一表面側に前記ドリフト領域と前記コレクタ電極とを電気的に接続する前記ドリフト領域よりも高濃度のn形のドリフトコンタクト領域が形成され、前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間に前記ソース領域よりも低濃度の表面電界緩和領域が形成されてなることを特徴とする。この請求項12の発明の構成によれば、前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間に前記ソース領域よりも低濃度の前記表面電界緩和領域が形成されていることにより、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ電子が流れていないオフ状態において前記半導体基板における前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間の領域の表面電界を緩和することができ、耐圧を向上させることができる。
【0022】
請求項13の発明は、請求項12の発明において、前記表面電界緩和領域は、前記ソース領域側から前記ドリフトコンタクト領域側に向かって濃度が低くなるような濃度勾配を有することを特徴とする。この請求項13の発明の構成によれば、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ電子が流れていないオフ状態において前記半導体基板における前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間の領域の表面電界をより緩和することができ、耐圧をより向上させることができる。
【0023】
請求項14の発明は、請求項1ないし請求項3、請求項5ないし請求項8の発明において、前記半導体基板は、前記一表面側に前記ドリフト領域と前記コレクタ電極とを電気的に接続する前記ドリフト領域よりも高濃度のn形のドリフトコンタクト領域が形成され、且つ、前記ソース領域および前記ドリフトコンタクト領域の平面形状がそれぞれ櫛形状であって前記ソース領域の隣り合う櫛歯部間それぞれに前記ドリフトコンタクト領域の前記各櫛歯部を位置させてあり、前記電子源は、前記ソース領域の前記各櫛歯部ごとに前記電子放出部を複数備え、前記ソース領域の各櫛歯部ごとに前記櫛歯部の延長方向に沿って前記電子放出部が配列されてなることを特徴とする。この請求項14の発明の構成によれば、前記電子源が前記電子放出部を複数備えていることにより、大電流化を図ることができて、前記VDMOSFETのチャネル抵抗に相当する抵抗成分のより一層の低減を図ることができるから、オン抵抗のより一層の低減を図ることができ、しかも、前記ソース領域および前記ドリフトコンタクト領域の平面形状をそれぞれ櫛形状とし前記ソース領域の隣り合う前記櫛歯部間それぞれに前記ドリフトコンタクト領域の前記各櫛歯部を位置させてあることにより、前記ドリフト領域を流れる電子のドリフト距離が前記厚み方向における前記ドリフトコンタクト領域と前記ドレイン領域との最短距離よりも長くなるのを抑制することができ、前記ドリフト領域での損失を低減することができる。
【0024】
請求項15の発明は、請求項2の発明において、前記電子源は、前記半導体基板の前記一表面からの前記電子放出部の突出寸法が前記ゲート電極と前記半導体基板の前記一表面との間の距離よりも大きく設定されてなることを特徴とする。この請求項15の発明の構成によれば、前記電子放出部の先端と前記ゲート電極との間の空間における電界集中を緩和することができ、前記電子放出部の先端から前記ゲート電極へ向かって電子が流れるのを抑制することができるから、オン抵抗を低減することができる。
【0025】
請求項16の発明は、請求項2の発明において、前記電子源は、前記半導体基板の前記一表面側において前記厚み方向に絶縁層を挟んで配置され且つ互いに電気的に接続された複数のゲート層により前記ゲート電極が構成され、各ゲート層は、前記電子放出部に対応する部位にそれぞれゲート窓が開孔され且つ前記半導体基板の前記一表面から離れたゲート層ほどゲート窓が大きいことを特徴とする。この請求項16の発明の構成によれば、前記電子放出部の先端と前記ゲート電極との間の空間における電界集中を緩和することができ、前記電子放出部の先端から前記ゲート電極へ向かって電子が流れるのを抑制することができるから、オン抵抗を低減することができる。
【0026】
請求項17の発明は、厚み方向の一表面側にp形のウェル領域が形成されるとともに前記ウェル領域内の前記一表面側にn形のソース領域が形成され且つ前記厚み方向の他表面側にn形のドレイン領域が形成され前記ウェル領域と前記ドレイン領域との間にn形のドリフト領域が形成されたSiよりバンドギャップエネルギの大きい半導体材料からなる半導体基板と、前記ソース領域に接続されたソース電極と、前記ドレイン領域に接続されたドレイン電極と、前記半導体基板の前記一表面において少なくとも前記ウェル領域と前記ドリフト領域とに跨って形成された絶縁膜と、前記絶縁膜直下で前記ソース領域と前記ドリフト領域との間に形成された真空領域と、前記絶縁膜に積層され前記ソース電極に対して高電位側となるような電圧が印加されるゲート電極および前記真空領域に臨み前記ソース領域から供給された電子を前記真空領域へ放出させる電子放出部を有する電子源とを備えてなることを特徴とする。この請求項17の発明の構成によれば、前記ゲート電極と前記ソース電極との間に前記ゲート電極を高電位側として電圧を印加するとともに、前記ドレイン電極と前記ソース電極との間に前記ドレイン電極を高電位側として電圧を印加することにより、前記ソース電極−前記ソース領域−前記電子放出部−前記真空領域−前記ドリフト領域−前記ドレイン領域−前記ドレイン電極の経路で電子が流れる。したがって、この請求項17の発明の構成によれば、前記ドリフト領域がSiよりバンドギャップエネルギの大きい半導体材料により形成されているので、数百Vの高耐圧領域において従来のようにドリフト領域がSiにより形成されているVDMOSFETからなる半導体電力素子に比べて耐圧を確保しつつドリフト抵抗を大幅に低減することができ、しかも、前記ソース領域から前記ドリフト領域へ流れる電子が前記真空領域を通ることにより、前記VDMOSFETにおけるチャネル抵抗に相当する抵抗成分を大幅に低減することができるので、高耐圧を確保しつつオン抵抗の大幅な低減を図ることができる。
【0027】
請求項18の発明は、請求項17の発明において、前記電子源は、前記電子放出部が前記ソース領域から前記真空領域側へ突出していることを特徴とする。この請求項18の発明の構成によれば、前記電子放出部の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるために前記ゲート電極と前記ソース電極との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができる。
【0028】
請求項19の発明は、請求項18の発明において、前記絶縁膜直下において前記ソース領域と前記電子放出部との間に前記ウェル領域の一部を介在させてあることを特徴とする。この請求項19の発明の構成によれば、前記ゲート電圧への印加電圧に応じて前記絶縁膜直下において前記ソース領域と前記電子放出部との間に介在する前記ウェル領域の表面側にチャネルが形成されるから、前記ソース領域と前記電子放出部との間に流れる電流を制御することができる。
【0029】
請求項20の発明は、請求項17の発明において、前記電子放出部は、前記ソース領域における前記真空領域側に形成されトンネル現象が起こる膜厚のトンネル絶縁膜と、前記ゲート電極に電気的に接続され前記トンネル絶縁膜における前記真空領域側に形成された表面電極とからなり、前記トンネル絶縁膜をトンネルした電子が前記表面電極を通して前記真空領域へ放出されることを特徴とする。この請求項20の発明の構成によれば、前記電子放出部を先端の尖った形状に形成する必要がなく、前記電子放出部を先端の尖った形状に形成したものに比べて信頼性を向上させることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下、本実施形態の半導体電力素子について図1〜図3を参照しながら説明する。
【0031】
本実施形態の半導体電力素子は、単結晶のn+形SiC基板1上にn−形SiCエピタキシャル層2が形成され(エピタキシャル成長され)、n−形SiCエピタキシャル層2内の主表面側にp+形ソース領域4が形成されている。ここに、本実施形態の半導体電力素子では、n+形SiC基板1がn+形ドレイン領域を構成するとともに、n−形SiCエピタキシャル層2がn−形ドリフト領域を構成し、n+形SiC基板1とn−形SiCエピタキシャル層2とでSiC基板(いわゆるSiCエピ基板)1Aを構成している。要するに、本実施形態の半導体電力素子では、厚み方向の一表面側(図1における上面側)にp+形ソース領域4が形成されるとともに他表面側(図1における下面側)にn+形ドレイン領域1が形成されp+形ソース領域4とn+形ドレイン領域1との間にn−形ドリフト領域2が形成されたSiC基板1Aを備えている。また、p+形ソース領域4には金属材料からなるソース電極(図示せず)が接続され、n+形ドレイン領域1には金属材料からなるドレイン電極8が接続されている。なお、本実施形態では、SiC基板1Aが、Siよりバンドギャップエネルギの大きい半導体材料からなる半導体基板を構成している。
【0032】
ところで、本実施形態の半導体電力素子は、ソース電極に対して高電位側となるような電圧が印加されるゲート電極12およびSiC基板1Aの上記一表面側においてp+形ソース領域4に対応する部位に設けられ上記電圧(以下、ゲート−ソース間電圧と称す)が印加されたときにp+形ソース領域4から供給された電子を放出させる多数のカーボンナノチューブ13aからなる電子放出部13を有する電子源10と、電子放出部13の周囲が真空領域15となるようにSiC基板1Aの上記一表面側へ固着されるガラス製のキャップ20と、n−形ドリフト領域2にn+形ドリフトコンタクト領域9を介して電気的に接続され電子放出部13から真空領域15へ放出された電子を収集するコレクタ電極22とを備えている。電子放出部13を構成する各カーボンナノチューブ13aは長手方向(軸方向)がSiC基板1Aの厚み方向と一致するように形成されている。すなわち、電子放出部13を構成する各カーボンナノチューブ13aは、SiC基板1Aの上記一表面の法線方向へ突出するように配向されている。ここにおいて、電子源10は、高電界の印加によるトンネル効果により電子放出部13の先端(本実施形態では、各カーボンナノチューブ13aそれぞれの先端)から電子が真空領域15へ放出される(このように高電界の印加によるトンネル効果により電子を放出する現象は電界放出と呼ばれている)。なお、図1中の一点鎖線は電子放出部13から放出された電子の流れを示している。
【0033】
また、電子源10は、SiC基板1Aの上記一表面側に形成されp+形ソース領域4に対応する部位に開口窓11aが開孔されたSiO2膜からなる絶縁膜11を備えており、電子放出部13が開口窓11a内に配置され、上述のゲート電極12が絶縁膜11の表面における開口窓11aの周部に全周に亘って形成されている。
【0034】
また、キャップ20は、電子放出部13との対向面側に凹部21が形成され、上述のコレクタ電極22は、凹部21の内底面および内周面と凹部21の周部とに跨って被着された導電性材料(例えば、アルミニウム、銅などの金属材料)からなる導電性膜により構成されており、コレクタ電極22は、金属材料からなる接続電極19および上述のn+形ドリフトコンタクト領域9を介してn−形ドリフト領域2と電気的に接続されている。なお、n+形ドリフトコンタクト領域9は、SiC基板1Aの厚み方向の上記一表面側において上記厚み方向に直交する面内でp+形ソース領域4と離間して形成されている。また、接続電極19はソース電極と同じ金属材料を採用しており、ソース電極と同時に形成している。また、接続電極19は絶縁膜11に開孔したコンタクトホール11bを埋め込むように形成してある。
【0035】
以上説明した本実施形態の半導体電力素子では、ゲート電極12とソース電極との間にゲート電極12を高電位側としてゲート−ソース間電圧を印加するとともに、ドレイン電極8とソース電極との間にドレイン電極8を高電位側として電圧(以下、ドレイン−ソース間電圧と称す)を印加することにより、ソース電極−p+形ソース領域4−電子放出部13−真空領域15−コレクタ電極22−接続電極19−n+形ドリフトコンタクト領域9−n−形ドリフト領域2−n+形ドレイン領域1−ドレイン電極8の経路で電子が流れる。
【0036】
しかして、本実施形態の半導体電力素子では、n−形ドリフト領域2がSiCにより形成されているので、数百Vの高耐圧領域において図23に示した従来例のようにn−形ドリフト領域52がSiにより形成されているVDMOSFETからなる半導体電力素子に比べて耐圧を確保しつつドリフト抵抗Rdrift(図23参照)を大幅に低減することができ、しかも、p+形ソース領域4からn−形ドリフト領域2へ流れる電子が従来のようなチャネルを通ることなく真空領域15を通ることにより、VDMOSFETにおけるチャネル抵抗RCHに相当する抵抗成分を大幅に低減することができるので、高耐圧を確保しつつオン抵抗の大幅な低減を図ることができる。なお、本実施形態の半導体電力素子においてゲート−ソース間電圧を零ボルトにした場合には、電子放出部13から電子は放出されず、ドレイン電極8・ソース電極間に高電圧が印加されるが、p+形ソース領域4とn−形ドリフト領域2とのpn接合の逆バイアス時の耐電圧特性により高耐圧を確保することができる。
【0037】
また、上述のように電子源10は、SiC基板1Aの上記一表面側に形成されp+形ソース領域4に対応する部位に開口窓11aが開孔された絶縁膜11を備え、電子放出部13が開口窓11a内に配置され、ゲート電極12が絶縁膜11の表面における開口窓11aの周部に形成されているので、電子放出部13の先端とゲート電極12とを近づけることができるから、電子を放出させるためにゲート電極12とソース電極との間に印加するゲート−ソース間電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができる。ここにおいて、本実施形態では、図3に示すように、電子源10における電子放出部13の先端位置をSiC基板1Aの厚み方向においてゲート電極12の位置と揃えてある(ゲート電極12と絶縁膜11との界面を含む仮想平面をP1、ゲート電極12の表面を含む仮想平面をP2とすれば、電子放出部13の先端位置は両仮想平面P1,P2の間に位置している)ので、電子放出部13の先端に効率良く高電界を印加することができ、低消費電力化を図ることが可能となる。
【0038】
また、本実施形態では、電子放出部13が、カーボンナノチューブ13aにより構成されており、各カーボンナノチューブ13aは先端が尖った形状に形成されているので、電子を放出させるためにゲート電極12とソース電極との間にゲート−ソース間電圧を印加したときに電子放出部13に高電界が印加されやすく(電子放出部13の先端に電界集中が生じやすく)、ゲート−ソース間電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができる。
【0039】
また、本実施形態では、上述のコレクタ電極22が、キャップ20における電子放出部13との対向面に被着された導電性膜からなるので、コレクタ電極22の表面積を大きくすることができ、電子放出部13から放出された電子を効率良く収集することができるとともにコレクタ電極22の低抵抗化を図ることができる。
【0040】
次に、本実施形態の半導体電力素子の製造方法について図4および図5を参照しながら簡単に説明する。
【0041】
まず、SiC基板1Aの上記一表面側にp+形ソース領域4およびn+形ドリフトコンタクト領域9それぞれの形成予定領域に対応した部位が開孔されたイオン注入用のマスク層(以下、第1のマスク層と称す)を形成し、第1のマスク層をマスクとして比較的高温(例えば、500℃)でp形不純物、n形不純物をSiC基板1Aの上記一表面側へ高温でイオン注入した後、高温(例えば、1500℃)でアニールすることにより、p+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9とを形成し、続いて、第1のマスク層を除去してから、SiC基板1Aの上記一表面側の全面に熱酸化法によってSiO2膜からなる絶縁膜11Aを形成し、その後、絶縁膜11A上に絶縁膜11Aのうち開口窓11aに対応する部分を開孔するためにパターニングしたマスク層(以下、第2のマスク層と称す)を形成し、第2のマスク層をマスクとして絶縁膜11Aをドライエッチング或いはウェットエッチングし、第2のマスク層を除去することによって、図4(a)に示す構造を得る。
【0042】
次に、SiC基板1Aの上記一表面(本実施形態では、SiC基板1Aの上記一表面が(0001)面となっている)側においてp+形ソース領域4に対応する部位からSiC基板1Aの上記一表面の法線方向へ突出するカーボンナノチューブ13aをSiC表面分解法により形成することによって、図4(b)に示す構造を得る。なお、SiC表面分解法は、真空高温処理であって、真空中で高温加熱されたSiC基板1A表面からSi原子が分解除去され残ったC原子が表面に対して垂直方向に配向したカーボンナノチューブ13aが形成される。ここに、SiC表面分解法の処理条件としては、例えば、真空中にて所定の加熱温度(例えば、1700℃)で所定時間(例えば、30分)の加熱処理を行うが、加熱温度および所定時間を適宜設定することによりカーボンナノチューブ13aの長さを制御することができる。また、カーボンナノチューブ13aの形成方法は、SiC表面分解法に限定するものではなく、例えば、CVD法を採用するようにしてもよい。
【0043】
その後、SiC基板1Aの上記一表面側にSiO2膜からなる絶縁膜11Bを堆積させ、ゲート電極12および接続電極19および陽極接合用のダミー電極25を形成し、絶縁膜11Bにおいて開口窓11aに対応する部位を除去することによって、図4(c)に示す構造を得る。なお、絶縁膜11Aと絶縁膜11Bとで図1における絶縁膜11を構成している。
【0044】
次に、SiC基板1Aの上記一表面側に、あらかじめ凹部21およびコレクタ電極22が形成されたガラス基板からなるキャップ20を真空中にて陽極接合することによって、図4(d)に示す構造を得る。ここにおいて、ガラス基板からなるキャップ20は、陽極接合以前に、サンドブラスト法により凹部21を形成することで図5(a)に示す構造を得て、さらに導電性膜(例えば、Al膜、Cu膜など)からなるコンタクト電極22を例えば蒸着法などによって形成することで図5(b)に示す構造を得ておく。
【0045】
その後、SiC基板1Aの上記他表面側にドレイン電極8を形成してから、図示しないキャン・パッケージ内に気密封止することで外部から保護することができる。
【0046】
なお、本実施形態では、電子源10における電子放出部13を多数のカーボンナノチューブ13aにより構成しているが、図6に示すように先端が尖った錘状(例えば、円錐状)のエミッタ13bにより構成してもよいし、図7に示すように多数本のナノワイヤ13cにより構成するようにしてもよい。ここに、電子放出部13を、先端が尖った錘状のエミッタ13bにより構成した場合にも、電子放出部13の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるためにゲート電極12とソース電極との間に印加するゲート−ソース間電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができ、しかも、電子源10をいわゆるスピント(Spindt)型電界放出素子と同様の製造プロセスで製造することができるという利点がある。また、電子放出部13をナノワイヤ13cにより構成した場合にも、電子放出部13の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるためにゲート電極12とソース電極との間に印加するゲート−ソース間電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができる。
【0047】
(実施形態2)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態1と略同じであって、電子源10の電子放出部13から放出された電子を収集するコレクタ電極22を実施形態1のようにキャップ20に設ける代わりに、図8に示すように、コレクタ電極22をゲート電極12の側方に設け、SiC基板1Aの上記一表面側においてゲート電極12とコレクタ電極22との間に電子放出部13から放出された電子を収束させる収束電極23を設けている点が相違する。ここにおいて、コレクタ電極22は、n+形ドリフトコンタクト領域9上に形成され、n+形ドリフトコンタクト領域9と電気的に接続されている。また、ゲート電極12とコレクタ電極22と収束電極23とは、材料として同一の金属材料を採用しており、同時に形成されている。なお、SiC基板1Aの上記一表面側には、実施形態1と同様にガラス製のキャップ20を陽極接合により固着してもよい(キャップ20を固着しない場合にはパッケージ内の空間を真空領域15とする)。また、コレクタ電極22は、絶縁膜11に開孔したコンタクトホール11bを埋め込むように形成してある。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0048】
本実施形態の半導体電力素子においても、実施形態1と同様、ゲート電極12とソース電極との間にゲート電極12を高電位側としてゲート−ソース間電圧を印加するとともに、ドレイン電極8とソース電極との間にドレイン電極8を高電位側として電圧(以下、ドレイン−ソース間電圧と称す)を印加することにより、ソース電極−p+形ソース領域4−電子放出部13−真空領域15−コレクタ電極22−n+形ドリフトコンタクト領域9−n−形ドリフト領域2−n+形ドレイン領域1−ドレイン電極8の経路で電子が流れる。つまり、収束電極23へ適宜電圧を印加しておくことにより、電子放出部13からSiC基板1Aの上記一表面の法線方向へ放出された電子が収束電極23により曲げられてコレクタ電極22へ到達し(なお、図8中の一点鎖線は電子放出部13から放出された電子の流れを示す)、上述のコレクタ電極22−n+形ドリフトコンタクト領域9−n−形ドリフト領域2−n+形ドレイン領域1−ドレイン電極8の経路で流れる。
【0049】
しかして、本実施形態の半導体電力素子では、実施形態1と同様に、n−形ドリフト領域2がSiCにより形成されているので、数百Vの高耐圧領域において図23に示した従来例のようにn−形ドリフト領域52がSiにより形成されているVDMOSFETからなる半導体電力素子に比べて耐圧を確保しつつドリフト抵抗Rdrift(図23参照)を大幅に低減することができ、しかも、p+形ソース領域4からn−形ドリフト領域2へ流れる電子が従来のようなチャネルを通ることなく真空領域15を通ることにより、VDMOSFETにおけるチャネル抵抗RCH(図23参照)に相当する抵抗成分を大幅に低減することができるので、高耐圧を確保しつつオン抵抗の大幅な低減を図ることができるという効果に加えて、コレクタ電極22をSiC基板1Aの上記一表面側に形成することができ、製造プロセスの簡略化を図ることが可能となるという利点がある。
【0050】
(実施形態3)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態1と略同じであって、図9(a)に示すように、SiC基板1A内の上記一表面側に、n+形ドリフトコンタクト領域9におけるp+形ソース領域4側とは反対側でn+形ドリフトコンタクト領域9を全周に亘って囲むp+形の表面電界緩和領域5が形成されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0051】
ここにおいて、n+形ドリフトコンタクト領域9の平面形状はp+形ソース領域4を全周に亘って囲む円環状に形成され、表面電界緩和領域5の平面形状はn+形ドリフトコンタクト領域9を全周に亘って囲む円環状に形成されている。なお、p+形の表面電界緩和領域5の濃度はp+形ソース領域4の濃度と略同等の濃度に設定してある。
【0052】
また、本実施形態では、実施形態1に比べてn+形ドリフトコンタクト領域9の形成位置を変更することなしにp+形ソース領域4の平面形状を大きくしてあり、p+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との距離が実施形態1に比べて短くなっているので、結果的に、n+形ドリフトコンタクト領域9がp+形ソース領域4の近傍に形成されている。
【0053】
本実施形態の半導体電力素子では、実施形態1と同様に、ゲート電極12とソース電極との間にゲート電極12を高電位側としてゲート−ソース間電圧を印加するとともに、ドレイン電極8とソース電極との間にドレイン電極8を高電位側として電圧(以下、ドレイン−ソース間電圧と称す)を印加することにより、ソース電極−p+形ソース領域4−電子放出部13−真空領域15−コレクタ電極22−接続電極19−n+形ドリフトコンタクト領域9−n−形ドリフト領域2−n+形ドレイン領域1−ドレイン電極8の経路で電子が流れる。
【0054】
しかして、本実施形態の半導体電力素子においても、n−形ドリフト領域2がSiCにより形成されているので、数百Vの高耐圧領域において図23に示した従来例のようにn−形ドリフト領域52がSiにより形成されているVDMOSFETからなる半導体電力素子に比べて耐圧を確保しつつドリフト抵抗Rdrift(図23参照)を大幅に低減することができ、しかも、p+形ソース領域4からn−形ドリフト領域2へ流れる電子が従来のようなチャネルを通ることなく真空領域15を通ることにより、VDMOSFETにおけるチャネル抵抗RCH(図23参照)に相当する抵抗成分を大幅に低減することができるので、高耐圧を確保しつつオン抵抗の大幅な低減を図ることができる。
【0055】
ところで、図1に示した実施形態1の半導体電力素子においてゲート−ソース間電圧を零ボルトにした場合には、電子放出部13から電子は放出されず(つまり、ソース電極からドレイン電極8へ電子が流れていないオフ状態にあり)、ドレイン電極8・ソース電極間に逆バイアス電圧が印加されるとSiC基板1Aにおける等電位線が図10中に一点鎖線で示すような分布となって、SiC基板1Aにおけるp+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との間の領域の表面近傍で電界集中が起こりやすく、耐圧低下の原因となる恐れがある。
【0056】
これに対して、本実施形態の半導体電力素子では、上述のように、n+形ドリフトコンタクト領域9とp+形ソース領域4との間の距離が短く、n+形ドリフトコンタクト領域9におけるp+形ソース領域4側とは反対側にn+形ドリフトコンタクト領域9を囲むp+形の表面電界緩和領域5が形成されていることにより、ソース電極からドレイン電極8へ電子が流れていないオフ状態で逆バイアス電圧が印加されたときの等電位線が図9(b)に一点鎖線で示すようになってSiC基板1Aにおけるp+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との間の領域の表面電界が実施形態1に比べて緩和されるから、耐圧を向上させることができる。
【0057】
(実施形態4)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態1と略同じであって、図11(a)に示すように、ゲート電極12がSiC基板1Aにおけるp+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との間の領域の上方まで延設されており、SiC基板1Aにおけるn+形ドリフトコンタクト領域9近傍の領域の上方までゲート電極12の一部が存在している点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
要するに、本実施形態では、ゲート電極12のうちSiC基板1Aにおけるp+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との間の領域の上方まで延設された部分がフィールドプレートを構成している。
【0059】
しかして、本実施形態の半導体電力素子では、ソース電極からドレイン電極8へ電子が流れていないオフ状態で逆バイアス電圧が印加されたときの等電位線が図11(b)に一点鎖線で示すようになってSiC基板1Aにおけるp+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との間の領域の表面電界が実施形態1に比べて緩和されるから、耐圧を向上させることができる。
【0060】
(実施形態5)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態1と略同じであって、図12(a)に示すように、p+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との間にp−形の表面電界緩和領域6が形成されている点が相違する。ここにおいて、表面電界緩和領域6の濃度は、p+形ソース領域4の濃度よりも低く設定されている。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0061】
しかして、本実施形態の半導体電力素子では、p+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との間にp−形の表面電界緩和領域6が形成されていることにより、ソース電極からドレイン電極8へ電子が流れていないオフ状態で逆バイアス電圧が印加されたときの等電位線が図12(b)に一点鎖線で示すようになってSiC基板1Aにおけるp+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との間の領域の表面電界が実施形態1に比べて緩和されるから、耐圧を向上させることができる。
【0062】
(実施形態6)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態5と略同じであって、図13(a)に示すように、p+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との間に形成された表面電界緩和領域6が、p+形ソース領域4から離れn+形ドリフト領域9に近づくほど濃度が低くなる濃度勾配を有している点が相違する。要するに、本実施形態の半導体電力素子における表面電界緩和領域6は、p+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との並設方向においてn+形ドリフトコンタクト領域9側の濃度が低くなるような濃度勾配を有している。他の構成は実施形態5と同じである。
【0063】
しかして、本実施形態の半導体電力素子では、表面電界緩和領域6がp+形ソース領域4側からn+形ドリフトコンタクト領域9側に向かって濃度が低くなるような濃度勾配を有しているので、ソース電極からドレイン電極8へ電子が流れていないオフ状態で逆バイアス電圧が印加されたときの等電位線が図13(b)に一点鎖線で示すようになってSiC基板1Aにおけるp+形ソース領域4とn+形ドリフトコンタクト領域9との間の領域の表面電界が実施形態5に比べてより緩和されるから、耐圧をより向上させることができる。
【0064】
(実施形態7)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態3と略同じであって、図14(a),(b)に示すように、電子源10が1つのp+形ソース領域4上に複数の電子放出部13を備えている点が相違する。ここに、複数の電子放出部13はp+形ソース領域4上でマトリクス状(2次元アレイ状)に配列されている(図14(a)では電子放出部13が左右方向に配列されているが、電子放出部13は図14(a)の紙面に直交する方向にも配列されている)。なお、実施形態3と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
ところで、本実施形態の半導体電力素子では、実施形態3と同様に、ゲート電極12とソース電極との間にゲート電極12を高電位側としてゲート−ソース間電圧を印加するとともに、ドレイン電極8とソース電極との間にドレイン電極8を高電位側として電圧(以下、ドレイン−ソース間電圧と称す)を印加することにより、ソース電極−p+形ソース領域4−電子放出部13−真空領域15−コレクタ電極22−接続電極19−n+形ドリフトコンタクト領域9−n−形ドリフト領域2−n+形ドレイン領域1−ドレイン電極8の経路で電子が流れる。
【0066】
ここにおいて、真空領域15中の電子放出抵抗がVDMOSFETのチャネル抵抗RCHに相当するが、真空領域15中の電子放出抵抗は電子源10の総電子放出量で決まるので、電子源10が1つのp+形ソース領域4に対して複数の電子放出部13を備えていることにより、総電子放出量を実施形態3に比べて増大させることができ(つまり、大電流化を図ることができ)、VDMOSFETのチャネル抵抗に相当する抵抗成分のより一層の低減を図ることができるから、オン抵抗のより一層の低減を図ることができる。
【0067】
(実施形態8)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態1と略同じであって、図15に示すように、p+形ソース領域4およびn+形ドリフトコンタクト領域9の平面形状がそれぞれ櫛形状であってp+形ソース領域4の隣り合う櫛歯部4a間それぞれにn+形ドリフトコンタクト領域9の各櫛歯部9aを位置させてあり、電子源10がp+形ソース領域4の各櫛歯部4aごとに複数(図示例では、9個)の電子放出部13を備えている点などが相違する。ここにおいて、電子源10は、p+形ソース領域4の各櫛歯部4aごとに櫛歯部4aの延長方向に沿って複数の電子放出部13が配列されており、電子放出部13がマトリクス状(2次元アレイ状)に配置されている。他の構成は実施形態1と同様であるが、図15では、実施形態1にて説明したキャップ20、コレクタ電極22、接続電極19、真空領域15などの図示を省略してある。
【0068】
本実施形態の半導体電力素子では、実施形態1と同様に、ゲート電極12とソース電極との間にゲート電極12を高電位側としてゲート−ソース間電圧を印加するとともに、ドレイン電極8とソース電極との間にドレイン電極8を高電位側として電圧(以下、ドレイン−ソース間電圧と称す)を印加することにより、ソース電極−p+形ソース領域4−電子放出部13−真空領域15−コレクタ電極22−接続電極19−n+形ドリフトコンタクト領域9−n−形ドリフト領域2−n+形ドレイン領域1−ドレイン電極8の経路で電子が流れる。
【0069】
ここにおいて、本実施形態の半導体電力素子では、真空領域15中の電子放出抵抗が図23に示した従来例のVDMOSFETのチャネル抵抗RCH(図23参照)に相当するが、真空領域15中の電子放出抵抗は電子源10の総電子放出量で決まるので、電子源10が1つのp+形ソース領域4に対して複数の電子放出部13を備えていることにより、総電子放出量を実施形態1に比べて増大させることができ(つまり、大電流化を図ることができ)、VDMOSFETのチャネル抵抗RCHに相当する抵抗成分のより一層の低減を図ることができるから、オン抵抗のより一層の低減を図ることができる。
【0070】
ところで、図14に示した実施形態7の半導体電力素子ではp+形ソース領域4の平面形状を実施形態1よりも大きくしてp+形ソース領域4とp+形ソース領域4を囲むn+形ドリフトコンタクト領域9との距離を小さくしてあるが、実施形態7の半導体電力素子では、上述の経路で電子が流れる際に、n+形ドリフトコンタクト領域9からn−形ドリフト領域2をドリフトしてn+形ドレイン領域1へ流れる電子が図14(b)中に矢印で示すようにn+形ドリフトコンタクト領域9の鉛直下方だけでなく斜め下方へ向かってドリフトしてしまうので、一部の電子のドリフト距離がSiC基板1Aの厚み方向におけるn+形ドリフトコンタクト領域9とn+形ドレイン領域1との間の最短距離よりも長くなってしまい、n−形ドリフト領域2での損失が大きくなり、結果的にドリフト抵抗が大きくなってしまう。
【0071】
これに対して、本実施形態の半導体電力素子では、p+形ソース領域4およびn+形ドリフトコンタクト領域9の平面形状をそれぞれ櫛形状としp+形ソース領域4の隣り合う櫛歯部4a間それぞれにn+形ドリフトコンタクト領域9の各櫛歯部9aを位置させてあることにより、上述の経路で電子が流れる際に、n+形ドリフトコンタクト領域9からn−形ドリフト領域2をドリフトしてn+形ドレイン領域1へ流れる電子のほとんどが図15(b)中に矢印で示すようにn+形ドリフトコンタクト領域9の鉛直下方へ向かってドリフトすることになって、n−形ドリフト領域2を流れる電子のドリフト距離がSiC基板1Aの厚み方向におけるn+形ドリフトコンタクト領域9とn+形ドレイン領域1との間の最短距離よりも長くなるのを抑制することができ、n−形ドリフト領域2での損失を低減することができるから、結果的に実施形態7に比べてドリフト抵抗を小さくすることができる。
【0072】
(実施形態9)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態1と略同じであって、図16に示すように、電子源10におけるSiC基板1Aの上記一表面からの電子放出部13の突出寸法がSiC基板1Aの上記一表面とゲート電極12の表面との間の距離よりも大きく設定されている点が相違するだけである。要するに、本実施形態では、電子放出部13を構成する各カーボンナノチューブ13aの長さ寸法が、絶縁膜11とゲート電極12との合計膜厚よりも大きく設定されている。他の構成は実施形態1と同じである。
【0073】
ところで、実施形態1の半導体電力素子では、図17に示すように、SiC基板1Aの上記一表面からの電子放出部13の突出寸法がSiC基板1Aの上記一表面とゲート電極12との間の距離(つまり、絶縁膜11の膜厚)よりも若干大きい程度であって、電子放出部13の先端の側方にゲート電極12が位置している。ここにおいて、ゲート電極12とソース電極との間にゲート電極12を高電位側としてゲート−ソース間電圧を印加するとともに、ドレイン電極8とソース電極との間にドレイン電極8を高電位側として電圧(以下、ドレイン−ソース間電圧と称す)を印加した際に、電子放出部13の先端にはゲート電極12よりも高電界が印加されるが、電子放出部13の先端近傍における等電位線が図17中に一点鎖線で示したような分布となって、電子放出部13の先端とゲート電極12との間の空間に電界が集中して電子放出部13の先端とゲート電極12との間に高電界がかかり、電子放出部13から放出される電子e−の一部がゲート電極12へ向かって流れてしまう可能性があり、結果的に電流容量が低下してオン抵抗が増大してしまう可能性がある。
【0074】
これに対して本実施形態の半導体電力素子では、SiC基板1Aの上記一表面からの電子放出部13の突出寸法がSiC基板1Aの上記一表面とゲート電極12の表面との間の距離よりも大きく設定されているので、ゲート電極12とソース電極との間にゲート電極12を高電位側としてゲート−ソース間電圧を印加するとともに、ドレイン電極8とソース電極との間にドレイン電極8を高電位側としてドレイン−ソース間電圧を印加した際の電子放出部13の先端近傍における等電位線が図16中に一点鎖線で示したような分布となって、電子放出部13の先端とゲート電極12との間の空間における電界集中を実施形態1に比べて緩和することができ、電子放出部13の先端からゲート電極12へ向かって電子e−が流れるのを抑制することができるから、オン抵抗を低減することができる。なお、本実施形態のようにSiC基板1Aの上記一表面からの電子放出部13の突出寸法をSiC基板1Aの上記一表面とゲート電極12の表面との間の距離よりも大きく設定する技術思想を上述の他の実施形態1〜8の半導体電力素子に採用してもよい。
【0075】
(実施形態10)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態1と略同じであって、図18に示すように、ゲート電極12がSiC基板1Aの厚み方向において離間して配設された2つのゲート層121,122を有する2段ゲート構造となっている点が相違する。他の構成は実施形態1と同じである。
【0076】
本実施形態の半導体電力素子におけるゲート電極12は、SiC基板1Aの上記一表面上の絶縁膜11上に下層側のゲート層121が形成され、ゲート層121上に絶縁材料(例えば、SiO2など)からなる絶縁層14が形成され、絶縁層14上に上層側のゲート層122が形成されており、両ゲート層121,122が導電性材料(例えば、ポリシリコンなど)からなる配線12bを介して電気的に接続されている。なお、ゲート層121とゲート層122とは同一の導電性材料(例えば、ポリシリコンなど)により形成されている。ここにおいて、各ゲート層121,122には、電子放出部13に対応する部位にそれぞれゲート窓12a1,12a2が開孔されており、SiC基板1Aの上記一表面から離れたゲート層122のゲート窓12a2がSiC基板1Aの上記一表面に近いゲート層121のゲート窓12a1よりも大きくなるように各ゲート窓12a1,12a2の開口幅が設定されている。
【0077】
しかして、本実施形態の半導体電力素子では、SiC基板1Aの上記一表面側において厚み方向に絶縁層14を挟んで配置され互いに電気的に接続された複数のゲート層121,122によりゲート電極12が構成されており、各ゲート層121,122には、電子放出部13に対応する部位にそれぞれゲート窓12a1,12a2が開孔され且つSiC基板1Aの上記一表面から離れたゲート層122のゲート窓12a2の方が上記一表面に近いゲート層121のゲート窓12a1よりも大きいので、2段目のゲート層122と電子放出部13の先端との間の距離を実施形態1におけるゲート電極12と電子放出部13の先端との間の距離よりも大きくすることができ、ゲート電極12とソース電極との間にゲート電極12を高電位側としてゲート−ソース間電圧を印加するとともに、ドレイン電極8とソース電極との間にドレイン電極8を高電位側として電圧(以下、ドレイン−ソース間電圧と称す)を印加した際の電子放出部13の先端近傍における等電位線が図18中に一点鎖線で示したような分布となって、電子放出部13の先端とゲート電極12との間の空間における電界集中を実施形態1に比べて緩和することができ、電子放出部13の先端からゲート電極12へ向かって電子e−が流れるのを抑制することができるから、オン抵抗を低減することができる。
【0078】
なお、本実施形態では、ゲート電極12が2段ゲート構造となっているが、3段以上の多段ゲート構造としてもよい。すなわち、ゲート電極12を3つ以上のゲート層により構成してもよく、このような場合にはSiC基板1Aの上記一表面から離れたゲート層ほど開口窓を大きくすればよい。また、本実施形態のようにゲート電極12を多段ゲート構造とする技術思想を上述の他の実施形態1〜8の半導体電力素子に採用してもよい。
【0079】
ところで、上記実施形態3〜10では、電子源10の電子放出部13から放出された電子を収集するコレクタ電極22をキャップ20に設けているが、図8に示した実施形態2の半導体電力素子と同様に、コレクタ電極22をゲート電極12の側方に設け、SiC基板1Aの上記一表面側においてゲート電極12とコレクタ電極22との間に電子放出部13から放出された電子を収束させる収束電極23を設けるようにしてもよい。
【0080】
(実施形態11)
本実施形態の半導体電力素子は、図19に示すように、単結晶のn+形SiC基板31上にn−形SiCエピタキシャル層32が形成され、n−形SiCエピタキシャル層32内の主表面側にp+形ウェル領域33が形成され、p+形ウェル領域33内の主表面側にn+形ソース領域34が形成されている。ここに、本実施形態の半導体電力素子では、n+形SiC基板31がn+形ドレイン領域を構成するとともに、n−形SiCエピタキシャル層32がn−形ドリフト領域を構成し、n+形SiC基板31とn−形SiCエピタキシャル層32とでSiC基板(いわゆるSiCエピ基板)31Aを構成している。要するに、本実施形態の半導体電力素子では、厚み方向の一表面側(図19における上面側)にp+形ウェル領域33が形成されるとともにp+形ウェル領域33内の上記一表面側にn+形ソース領域34が形成され且つ上記厚み方向の他表面側(図19における下面側)にn+形ドレイン領域31が形成されp+形ウェル領域33とn+形ドレイン領域31との間にn−形ドリフト領域32が形成されたSiC基板31Aを備えている。また、n+形ソース領域34には金属材料からなるソース電極37が接続され、n+形ドレイン領域1には金属材料からなるドレイン電極38が接続されている。なお、本実施形態では、SiC基板31Aが、Siよりバンドギャップエネルギの大きい半導体材料からなる半導体基板を構成している。
【0081】
ところで、本実施形態の半導体電力素子は、図20に示すように、n−形ドリフト領域2内の主表面側に、n−形ドリフト領域32とp+形ウェル領域33とn+形ソース領域34とに跨ってSiO2膜からなる絶縁膜(ゲート絶縁膜)35が形成され、絶縁膜35直下でn+形ソース領域34とn−形ドリフト領域32との間に真空領域45が形成されており、絶縁膜35に積層されソース電極37に対して高電位側となるような電圧が印加されるゲート電極36および真空領域45に臨みn+形ソース領域34から供給された電子を真空領域45へ放出させる電子放出部43を有する電子源40を備えている。ここにおいて、電子源40の電子放出部43は、図20に示すように、n+形ソース領域34から真空領域45側へ突出し先端が尖った形状となっている。したがって、ゲート電極36とソース電極37との間に上記電圧(以下、ゲート−ソース間電圧と称す)を印加することにより、電子放出部43の先端に高電界が印加されるから、電子源40は、高電界の印加によるトンネル効果により電子放出部43の先端から電子が真空領域45へ放出される(このように高電界の印加によるトンネル効果により電子を放出する現象は電界放出と呼ばれている)。なお、図20中の一点鎖線は電子放出部43から放出された電子の流れを示している。
【0082】
以上説明した本実施形態の半導体電力素子では、ゲート電極36とソース電極37との間にゲート電極36を高電位側としてゲート−ソース間電圧を印加するとともに、ドレイン電極38とソース電極37との間にドレイン電極38を高電位側としてドレイン−ソース間電圧を印加することにより、ソース電極37−n+形ソース領域34−電子放出部43−真空領域45−n−形ドリフト領域32−n+形ドレイン領域31−ドレイン電極38の経路で電子が流れる。
【0083】
しかして、本実施形態の半導体電力素子では、n−形ドリフト領域32がSiCにより形成されているので、数百Vの高耐圧領域において図23に示した従来例のようにn−形ドリフト領域52がSiにより形成されているVDMOSFETからなる半導体電力素子に比べて耐圧を確保しつつドリフト抵抗Rdrift(図23参照)を大幅に低減することができ、しかも、n+形ソース領域34からn−形ドリフト領域32へ流れる電子が従来例のようなチャネルを通ることなく真空領域45を通ることにより、VDMOSFETにおけるチャネル抵抗RCH(図23参照)に相当する抵抗成分を大幅に低減することができるので、高耐圧を確保しつつオン抵抗の大幅な低減を図ることができる。なお、本実施形態の半導体電力素子においてゲート−ソース間電圧を零ボルトにした場合には、電子放出部43から電子は放出されず、ドレイン電極38・ソース電極37間に高電圧が印加されるが、p+形ウェル領域33とn−形ドリフト領域32とのpn接合の逆バイアス時の耐電圧特性により高耐圧を確保することができる。
【0084】
また、本実施形態の半導体電力素子では、電子源40の電子放出部43がn+形ソース領域34から真空領域45側へ突出しているので、電子放出部43の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるためにゲート電極36とソース電極37との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができる。
【0085】
(実施形態12)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態11と略同じであって、図21に示すように、絶縁膜35直下においてn+形ソース領域34と電子放出部43との間にp+形ウェル領域33の一部を介在させている点に特徴がある。なお、実施形態11と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する(図21中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子の流れを示す)。
【0086】
しかして、本実施形態の半導体電力素子では、絶縁膜35直下においてn+形ソース領域34と電子放出部43との間にp+形ウェル領域33の一部を介在させてあるこにより、ゲート電圧36への印加電圧(ゲート−ソース間電圧)に応じて絶縁膜35直下においてn+形ソース領域34と電子放出部43との間に介在するp+形ウェル領域33の表面側にチャネル(反転層)が形成されるから、n+形ソース領域34と電子放出部43との間に流れる電流を制御することができる。要するに、p+形ウェル領域33の上記一部が電流を制御する電流制御領域39を構成している。
【0087】
(実施形態13)
本実施形態の半導体電力素子の基本構成は実施形態11と略同じであって、図22に示すように、電子放出部43が、n+形ソース領域34における真空領域45側に形成されトンネル現象が起こる膜厚のSiO2膜からなるトンネル絶縁膜43aと、ゲート電極36に電気的に接続されトンネル絶縁膜43aにおける真空領域45側に形成された表面電極43bとで構成されている点などが相違する。本実施形態における電子源40では、ゲート電極36とソース電極37との間にゲート電極36を高電位側としてゲート−ソース間電圧を印加することにより、トンネル絶縁膜43aに高電界が印加され、トンネル効果によりトンネル絶縁膜43aをトンネルした電子が表面電極43bを通して真空領域45へ放出されn−形ドリフト領域32へ到達する。また、本実施形態の半導体電力素子においてゲート−ソース間電圧を零ボルトにした場合には、トンネル絶縁膜43aには高電界が印加されないので、電子は放出されない。なお、トンネル絶縁膜43aは、SiO2膜に限らず、例えばシリコン窒化膜でもよい。実施形態11と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する(図22中の一点鎖線は表面電極7を通して放出された電子の流れを示す)。
【0088】
しかして、本実施形態の半導体電力素子では、電子放出部43がn+形ソース領域34における真空領域45側に形成されトンネル現象が起こる膜厚のトンネル絶縁膜43aと、ゲート電極36に電気的に接続されトンネル絶縁膜43aにおける真空領域45側に形成された表面電極43bとからなり、トンネル絶縁膜43aをトンネルした電子が表面電極43bを通して真空領域45へ放出されるので、電子放出部43を先端の尖った形状に形成する必要がなく、電子放出部343が折損する恐れがないから、電子放出部43を先端の尖った形状に形成したものに比べて信頼性を向上させることができる。
【0089】
なお、上記各実施形態では、SiC基板(SiCエピ基板)を用いて半導体電力素子を形成しているが、Siよりバンドギャップエネルギの大きい半導体材料からなる半導体基板として、SiCからなるSiC基板(SiCエピ基板)の代わりに、例えば、GaN系の半導体材料からなる半導体基板を採用してもよい。また、SiC基板の代わりに、Si基板(Siエピ基板)を用いることによっても従来のVDMOSFETに比べてオン抵抗を大幅に低減することができる。
【0090】
【発明の効果】
請求項1の発明では、ゲート電極とソース電極との間に前記ゲート電極を高電位側として電圧を印加するとともに、ドレイン電極と前記ソース電極との間に前記ドレイン電極を高電位側として電圧を印加することにより、前記ソース電極−ソース領域−電子放出部−真空領域−コレクタ電極−ドリフト領域−ドレイン領域−前記ドレイン電極の経路で電子が流れるから、前記ドリフト領域がSiよりバンドギャップエネルギの大きい半導体材料により形成されていることにより、数百Vの高耐圧領域において従来のようにドリフト領域がSiにより形成されているVDMOSFETからなる半導体電力素子に比べて耐圧を確保しつつドリフト抵抗を大幅に低減することができ、しかも、前記ソース領域から前記ドリフト領域へ流れる電子が前記真空領域を通ることにより、前記VDMOSFETにおけるチャネル抵抗に相当する抵抗成分を大幅に低減することができるので、高耐圧を確保しつつオン抵抗の大幅な低減を図ることができるという効果がある。
【0091】
請求項2の発明では、請求項1の発明の効果に加えて、前記電子放出部の先端と前記ゲート電極とを近づけることができるから、電子を放出させるために前記ゲート電極と前記ソース電極との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができるという効果がある。
【0092】
請求項3の発明では、請求項1または請求項2の発明の効果に加えて、前記コレクタ電極の表面積を大きくすることができ、前記電子放出部から放出された電子を効率良く収集することができるとともに前記コレクタ電極の低抵抗化を図ることができるという効果がある。
【0093】
請求項4の発明では、請求項1または請求項2の発明の効果に加えて、前記コレクタ電極を前記半導体基板の前記一表面側に形成することができ、製造プロセスの簡略化を図ることが可能となるという効果がある。
【0094】
請求項5の発明では、請求項1ないし請求項4の発明の効果に加えて、前記電子放出部の先端に効率良く高電界を印加することができ、低消費電力化を図ることが可能となるという効果がある。
【0095】
請求項6の発明では、請求項1ないし請求項5の発明の効果に加えて、前記電子放出部の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるために前記ゲート電極と前記ソース電極との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができるという効果がある。
【0096】
請求項7の発明では、請求項1ないし請求項5の発明の効果に加えて、前記電子放出部の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるために前記ゲート電極と前記ソース電極との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができるという効果がある。また、前記電子源をいわゆるスピント(Spindt)型電界放出素子と同様の製造プロセスで製造することができるという利点がある。
【0097】
請求項8の発明では、請求項1ないし請求項5の発明の効果に加えて、前記電子放出部の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるために前記ゲート電極と前記ソース電極との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができるという効果がある。
【0098】
請求項9の発明では、請求項1ないし請求項3の発明の効果に加えて、大電流化を図ることができて、前記VDMOSFETのチャネル抵抗に相当する抵抗成分のより一層の低減を図ることができるから、オン抵抗のより一層の低減を図ることができるという効果がある。
【0099】
請求項10の発明では、請求項1ないし請求項3、請求項5ないし請求項9の発明の効果に加えて、ドリフトコンタクト領域における前記ソース領域側とは反対側で前記ドリフトコンタクト領域を囲むp形の表面電界緩和領域が形成されていることにより、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ電子が流れていないオフ状態において前記半導体基板における前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間の領域の表面電界を緩和することができ、耐圧を向上させることができるという効果がある。
【0100】
請求項11の発明では、請求項2の発明の効果に加えて、前記ゲート電極が前記半導体基板における前記ソース領域とドリフトコンタクト領域との間の領域の上方まで延設されていることにより、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ電子が流れていないオフ状態において前記半導体基板における前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間の領域の表面電界を緩和することができ、耐圧を向上させることができるという効果がある。
【0101】
請求項12の発明では、請求項1ないし請求項3、請求項5ないし請求項9の発明の効果に加えて、前記ソース領域とドリフトコンタクト領域との間に前記ソース領域よりも低濃度の表面電界緩和領域が形成されていることにより、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ電子が流れていないオフ状態において前記半導体基板における前記ソース領域と前記ドリフトコンタクト領域との間の領域の表面電界を緩和することができ、耐圧を向上させることができるという効果がある。
【0102】
請求項13の発明では、請求項12の発明の効果に加えて、前記ソース電極から前記ドレイン電極へ電子が流れていないオフ状態において前記半導体基板における前記ソース領域とドリフトコンタクト領域との間の領域の表面電界をより緩和することができ、耐圧をより向上させることができるという効果がある。
【0103】
請求項14の発明では、請求項1ないし請求項3、請求項5ないし請求項8の発明の効果に加えて、前記電子源が前記電子放出部を複数備えていることにより、大電流化を図ることができて、前記VDMOSFETのチャネル抵抗に相当する抵抗成分のより一層の低減を図ることができるから、オン抵抗のより一層の低減を図ることができるという効果があり、しかも、前記ソース領域およびドリフトコンタクト領域の平面形状をそれぞれ櫛形状とし前記ソース領域の隣り合う櫛歯部間それぞれに前記ドリフトコンタクト領域の前記各櫛歯部を位置させてあることにより、前記ドリフト領域を流れる電子のドリフト距離が前記厚み方向における前記ドリフトコンタクト領域と前記ドレイン領域との最短距離よりも長くなるのを抑制することができ、前記ドリフト領域での損失を低減することができるという効果がある。
【0104】
請求項15の発明では、請求項2の発明の効果に加えて、前記電子放出部の先端と前記ゲート電極との間の空間における電界集中を緩和することができ、前記電子放出部の先端から前記ゲート電極へ向かって電子が流れるのを抑制することができるから、オン抵抗を低減することができるという効果がある。
【0105】
請求項16の発明では、請求項2の発明の効果に加えて、前記電子放出部の先端と前記ゲート電極との間の空間における電界集中を緩和することができ、前記電子放出部の先端から前記ゲート電極へ向かって電子が流れるのを抑制することができるから、オン抵抗を低減することができるという効果がある。
【0106】
請求項17の発明では、ゲート電極とソース電極との間に前記ゲート電極を高電位側として電圧を印加するとともに、ドレイン電極と前記ソース電極との間に前記ドレイン電極を高電位側として電圧を印加することにより、前記ソース電極−ソース領域−電子放出部−真空領域−ドリフト領域−ドレイン領域−前記ドレイン電極の経路で電子が流れるから、前記ドリフト領域がSiよりバンドギャップエネルギの大きい半導体材料により形成されていることにより、数百Vの高耐圧領域において従来のようにドリフト領域がSiにより形成されているVDMOSFETからなる半導体電力素子に比べて耐圧を確保しつつドリフト抵抗を大幅に低減することができ、しかも、前記ソース領域から前記ドリフト領域へ流れる電子が前記真空領域を通ることにより、前記VDMOSFETにおけるチャネル抵抗に相当する抵抗成分を大幅に低減することができるので、高耐圧を確保しつつオン抵抗の大幅な低減を図ることができるという効果がある。
【0107】
請求項18の発明では、請求項17の発明の効果に加えて、前記電子放出部の先端に電界集中が生じやすく、電子を放出させるために前記ゲート電極と前記ソース電極との間に印加する電圧の低電圧化を図ることができ、低消費電力化を図ることができるという効果がある。
【0108】
請求項19の発明では、請求項18の発明の効果に加えて、前記ゲート電圧への印加電圧に応じて前記絶縁膜直下において前記ソース領域と前記電子放出部との間に介在する前記ウェル領域の表面側にチャネルが形成されるから、前記ソース領域と前記電子放出部との間に流れる電流を制御することができるという効果がある。
【0109】
請求項20の発明では、請求項17の発明の効果に加えて、前記電子放出部を先端の尖った形状に形成する必要がなく、前記電子放出部を先端の尖った形状に形成したものに比べて信頼性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1を示す概略断面図である。
【図2】同上の要部概略断面図である。
【図3】同上の要部説明図である。
【図4】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図5】同上の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
【図6】同上における電子放出部の他の構成例の概略断面図である。
【図7】同上における電子放出部の別の構成例の概略断面図である。
【図8】実施形態2を示す要部概略断面図である。
【図9】実施形態3を示し、(a)は概略断面図、(b)は動作説明図である。
【図10】同上の比較例の動作説明図である。
【図11】実施形態4を示し、(a)は概略断面図、(b)は動作説明図である。
【図12】実施形態5を示し、(a)は概略断面図、(b)は動作説明図である。
【図13】実施形態6を示し、(a)は概略断面図、(b)は動作説明図である。
【図14】実施形態7を示し、(a)は概略断面図、(b)は要部概略断面図である。
【図15】実施形態8を示し、(a)は要部概略平面図、(b)は(a)のB−B’断面図である。
【図16】実施形態9を示す要部概略断面図である。
【図17】同上の比較例の動作説明図である。
【図18】実施形態10を示す要部概略断面図である。
【図19】実施形態11を示す概略断面図である。
【図20】同上の要部拡大図である。
【図21】実施形態12の要部拡大図である。
【図22】実施形態13の要部拡大図である。
【図23】従来例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 n+形SiC基板(n+形ドレイン領域)
1A SiC基板(SiCエピ基板)
2 n−形SiCエピタキシャル層(n−形ドリフト領域)
4 p+形ソース領域
8 ドレイン電極
9 n+形ドリフトコンタクト領域
10 電子源
11 絶縁膜
11a 開口窓
12 ゲート電極
121 ゲート層
122 ゲート層
12a1 ゲート窓
12a2 ゲート窓
12b 配線
13 電子放出部
14 絶縁層
15 真空領域
19 接続電極
20 キャップ
21 凹部
22 コレクタ電極
31 n+形SiC基板(n+形ドレイン領域)
31A SiC基板(SiCエピ基板)
32 n−形SiCエピタキシャル層(n−形ドリフト領域)
33 p+形ウェル領域
34 n+形ソース領域
35 絶縁膜
36 ゲート電極
37 ソース電極
38 ドレイン電極
39 電流制御領域
40 電子源
43 電子放出部
43a トンネル絶縁膜
43b 表面電極
45 真空領域
51 n+形シリコン基板(n+形ドレイン領域)
52 n−形シリコンエピタキシャル層(n−形ドリフト領域)
53 p+形ウェル領域
54 n+形ソース領域
55 ゲート酸化膜
56 ゲート電極
57 ソース電極
58 ドレイン電極[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a semiconductor power element used when, for example, AC power is converted to DC power, or AC power having a certain frequency is converted to AC power having a desired frequency.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a VDMOSFET having a configuration shown in FIG. 23 is known as a semiconductor power element of this type (for example, Non-Patent Document 1).
[0003]
The VDMOSFET having the configuration shown in FIG. + N on the silicon substrate 51 − A silicon
[0004]
The above-mentioned VDMOSFET applies p-type voltage between the
[0005]
[Non-Patent Document 1]
Hiroshi Yamazaki, “Applied Technology of Power MOSFET”, published by Nikkan Kogyo Shimbun, October 15, 1996, p. 52-53
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the semiconductor power device (VDMOSFET) having the configuration shown in FIG. 23 is a device using Si, facing the physical property limit of Si and facing the limit of low on-resistance. Theoretically, the withstand voltage is 500 V and the on-resistance is 40 mΩ · cm. 2 It becomes.
[0007]
By the way, the on-resistance in the MOSFET structure such as VDMOSFET is the drift resistance R as described above. drift And channel resistance R CH In recent years, SiC (silicon carbide), which is expected to theoretically reduce the on-resistance by 2 to 3 orders of magnitude compared to Si as a semiconductor material in place of Si, has attracted attention as a semiconductor material that can replace Si. .
[0008]
However, even if SiC is used instead of Si, it is difficult to significantly reduce the on-resistance in the MOSFET structure in a high breakdown voltage region where the breakdown voltage is several hundred volts. This is because drift resistance R is obtained by using SiC instead of Si. drift Can be greatly reduced, but the channel resistance R CH This is because it is necessary to improve the mobility of the carrier moving through the channel (channel mobility), and it is difficult to improve the channel mobility.
[0009]
The present invention has been made in view of the above-described reasons, and an object thereof is to provide a semiconductor power device capable of significantly reducing the on-resistance while ensuring a high breakdown voltage.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the invention of
[0011]
According to a second aspect of the present invention, in the first aspect of the invention, the electron source includes an insulating film formed on the one surface side of the semiconductor substrate and having an opening window formed at a portion corresponding to the source region. The electron emission portion is disposed in the opening window, and the gate electrode is formed on a peripheral portion of the opening window on the surface of the insulating film. According to the configuration of the second aspect of the invention, since the tip of the electron emission portion and the gate electrode can be brought close to each other, the voltage applied between the gate electrode and the source electrode in order to emit electrons. The voltage can be reduced, and the power consumption can be reduced.
[0012]
A third aspect of the invention is characterized in that, in the first or second aspect of the invention, the collector electrode is formed of a conductive film deposited on a surface of the cap facing the electron emission portion. According to the configuration of the invention of claim 3, the surface area of the collector electrode can be increased, the electrons emitted from the electron emission portion can be collected efficiently and the resistance of the collector electrode can be reduced. Can be planned.
[0013]
According to a fourth aspect of the present invention, in the first or second aspect of the present invention, the collector electrode is provided on a side of the gate electrode, and the gate electrode and the collector electrode are formed on the one surface side of the semiconductor substrate. A converging electrode for converging the electrons emitted from the electron emission portion is provided between them. According to the configuration of the invention of
[0014]
According to a fifth aspect of the present invention, in the first to fourth aspects of the invention, the electron source is characterized in that the tip position of the electron emission portion is aligned with the position of the gate electrode in the thickness direction. According to the configuration of the fifth aspect of the invention, it is possible to efficiently apply a high electric field to the tip of the electron emission portion, and to reduce power consumption.
[0015]
According to a sixth aspect of the present invention, in the first to fifth aspects of the invention, the electron emission portion is made of a carbon nanotube. According to the configuration of the sixth aspect of the invention, electric field concentration is likely to occur at the tip of the electron emission portion, and the voltage applied between the gate electrode and the source electrode is reduced in order to emit electrons. Therefore, low power consumption can be achieved.
[0016]
According to a seventh aspect of the present invention, in the first to fifth aspects of the present invention, the electron emission portion is formed in a weight shape with a sharp tip. According to the configuration of the invention of claim 7, electric field concentration is likely to occur at the tip of the electron emission portion, and the voltage applied between the gate electrode and the source electrode in order to emit electrons can be reduced. Therefore, low power consumption can be achieved. The electron source can be manufactured by a manufacturing process similar to that of a so-called Spindt type field emission device.
[0017]
According to an eighth aspect of the present invention, in the first to fifth aspects of the invention, the electron emission portion is made of a nanowire. According to the configuration of the eighth aspect of the invention, electric field concentration is likely to occur at the tip of the electron emission portion, and the voltage applied between the gate electrode and the source electrode in order to emit electrons can be reduced. Therefore, low power consumption can be achieved.
[0018]
The invention of
[0019]
The invention of
[0020]
According to an eleventh aspect of the present invention, in the invention of the second aspect, the semiconductor substrate is an n-type drift having a higher concentration than the drift region that electrically connects the drift region and the collector electrode to the one surface side. A contact region is formed, and the gate electrode and the source region in the semiconductor substrate Said It extends to the upper part of the region between the drift contact region. According to the configuration of the invention of
[0021]
The invention of
[0022]
According to a thirteenth aspect of the invention, in the twelfth aspect of the invention, the surface electric field relaxation region has a concentration gradient such that the concentration decreases from the source region side toward the drift contact region side. According to the structure of the invention of
[0023]
The invention of
[0024]
The invention according to a fifteenth aspect is the invention according to the second aspect, wherein the electron source has a projection dimension of the electron emission portion from the one surface of the semiconductor substrate between the gate electrode and the one surface of the semiconductor substrate. It is characterized by being set to be larger than the distance. According to the structure of the fifteenth aspect of the present invention, electric field concentration in the space between the tip of the electron emission portion and the gate electrode can be reduced, and the tip of the electron emission portion is directed to the gate electrode. Since the flow of electrons can be suppressed, the on-resistance can be reduced.
[0025]
According to a sixteenth aspect of the present invention, in the second aspect of the invention, the electron source includes a plurality of gates arranged on the one surface side of the semiconductor substrate with the insulating layer interposed therebetween in the thickness direction and electrically connected to each other. The gate electrode is constituted by a layer, and each gate layer has a gate window opened at a portion corresponding to the electron emission portion, and the gate window is larger as the gate layer is farther from the one surface of the semiconductor substrate. Features. According to the structure of the sixteenth aspect of the present invention, electric field concentration in the space between the tip of the electron emission portion and the gate electrode can be reduced, and from the tip of the electron emission portion toward the gate electrode. Since the flow of electrons can be suppressed, the on-resistance can be reduced.
[0026]
In the invention of
[0027]
According to an eighteenth aspect of the present invention, the electron source according to the seventeenth aspect is characterized in that the electron emission portion protrudes from the source region to the vacuum region side. According to the configuration of the invention of claim 18, electric field concentration is likely to occur at the tip of the electron emission portion, and the voltage applied between the gate electrode and the source electrode is reduced in order to emit electrons. Therefore, low power consumption can be achieved.
[0028]
According to a nineteenth aspect of the invention, in the eighteenth aspect of the invention, a part of the well region is interposed between the source region and the electron emission portion immediately below the insulating film. According to the structure of the nineteenth aspect of the present invention, a channel is formed on the surface side of the well region interposed between the source region and the electron emission portion immediately below the insulating film in accordance with the voltage applied to the gate voltage. Since it is formed, the current flowing between the source region and the electron emission portion can be controlled.
[0029]
According to a twentieth aspect of the invention, in the invention of the seventeenth aspect, the electron emission portion is formed on the vacuum region side of the source region, and has a thickness that causes a tunnel phenomenon. Connected Said It consists of a surface electrode formed on the vacuum region side in the tunnel insulating film, Said The electrons tunneled through the tunnel insulating film Said It is discharged to the vacuum region through the surface electrode. According to the structure of the invention of
[0030]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(Embodiment 1)
Hereinafter, the semiconductor power device of this embodiment will be described with reference to FIGS.
[0031]
The semiconductor power element of this embodiment is a single crystal n + N on the
[0032]
By the way, the semiconductor power device according to the present embodiment is configured such that the
[0033]
Further, the
[0034]
The
[0035]
In the semiconductor power device of the present embodiment described above, a gate-source voltage is applied between the
[0036]
Therefore, in the semiconductor power device of this embodiment, n − Since the
[0037]
Further, as described above, the
[0038]
In the present embodiment, the
[0039]
In the present embodiment, since the
[0040]
Next, a method for manufacturing the semiconductor power device of this embodiment will be briefly described with reference to FIGS.
[0041]
First, p on the one surface side of the
[0042]
Next, on the one surface of the
[0043]
After that, the one surface side of the
[0044]
Next, a
[0045]
Then, after forming the
[0046]
In the present embodiment, the
[0047]
(Embodiment 2)
The basic configuration of the semiconductor power device of the present embodiment is substantially the same as that of the first embodiment, and the
[0048]
Also in the semiconductor power device of the present embodiment, as in the first embodiment, the gate-source voltage is applied between the
[0049]
Thus, in the semiconductor power device of the present embodiment, as in the first embodiment, n − Since the
[0050]
(Embodiment 3)
The basic configuration of the semiconductor power device of the present embodiment is substantially the same as that of the first embodiment. As shown in FIG. 9A, n is formed on the one surface side in the
[0051]
Where n + The planar shape of the
[0052]
In the present embodiment, n is greater than that in the first embodiment. + P without changing the formation position of the
[0053]
In the semiconductor power device according to the present embodiment, the gate-source voltage is applied between the
[0054]
Therefore, also in the semiconductor power device of this embodiment, n − Since the
[0055]
When the gate-source voltage is set to zero volts in the semiconductor power device according to the first embodiment shown in FIG. 1, no electrons are emitted from the electron emission portion 13 (that is, electrons from the source electrode to the drain electrode 8). When the reverse bias voltage is applied between the
[0056]
On the other hand, in the semiconductor power device of this embodiment, as described above, n +
[0057]
(Embodiment 4)
The basic configuration of the semiconductor power device of the present embodiment is substantially the same as that of the first embodiment, and as shown in FIG. 11A, the
[0058]
In short, in this embodiment, p in the
[0059]
Thus, in the semiconductor power device of this embodiment, an equipotential line when a reverse bias voltage is applied in an off state in which no electrons flow from the source electrode to the
[0060]
(Embodiment 5)
The basic configuration of the semiconductor power device of this embodiment is substantially the same as that of
[0061]
Thus, in the semiconductor power device of this embodiment, p + Source region 4 and n + P between the
[0062]
(Embodiment 6)
The basic configuration of the semiconductor power element of this embodiment is substantially the same as that of the fifth embodiment, and as shown in FIG. +
[0063]
Therefore, in the semiconductor power device of this embodiment, the surface electric
[0064]
(Embodiment 7)
The basic configuration of the semiconductor power device of the present embodiment is substantially the same as that of the third embodiment, and as shown in FIGS. + The difference is that a plurality of
[0065]
By the way, in the semiconductor power device of this embodiment, as in the third embodiment, the gate-source voltage is applied between the
[0066]
Here, the electron emission resistance in the
[0067]
(Embodiment 8)
The basic configuration of the semiconductor power device of this embodiment is substantially the same as that of
[0068]
In the semiconductor power device according to the present embodiment, the gate-source voltage is applied between the
[0069]
Here, in the semiconductor power device of the present embodiment, the electron emission resistance in the
[0070]
Incidentally, in the semiconductor power device of the seventh embodiment shown in FIG. + The planar shape of the
[0071]
On the other hand, in the semiconductor power device of this embodiment, p + Source regions 4 and n + The planar shape of each
[0072]
(Embodiment 9)
The basic configuration of the semiconductor power device of the present embodiment is substantially the same as that of the first embodiment. As shown in FIG. 16, the projecting dimension of the
[0073]
By the way, in the semiconductor power device of the first embodiment, as shown in FIG. 17, the projecting dimension of the
[0074]
On the other hand, in the semiconductor power device of this embodiment, the projecting dimension of the
[0075]
(Embodiment 10)
The basic configuration of the semiconductor power device of the present embodiment is substantially the same as that of the first embodiment, and as shown in FIG. 18, two gate layers in which
[0076]
The
[0077]
Thus, in the semiconductor power device of the present embodiment, the plurality of gate layers 12 arranged on the one surface side of the
[0078]
In the present embodiment, the
[0079]
By the way, in the said Embodiment 3-10, although the
[0080]
(Embodiment 11)
As shown in FIG. 19, the semiconductor power device of this embodiment has a single crystal n + N on the SiC substrate 31 − N-type
[0081]
By the way, as shown in FIG. − N on the main surface side in the
[0082]
In the semiconductor power device of the present embodiment described above, a gate-source voltage is applied between the
[0083]
Therefore, in the semiconductor power device of this embodiment, n − Since the
[0084]
In the semiconductor power device of this embodiment, the
[0085]
The basic configuration of the semiconductor power device of this embodiment is substantially the same as that of
[0086]
Therefore, in the semiconductor power device of the present embodiment, n n immediately below the insulating
[0087]
(Embodiment 13)
The basic configuration of the semiconductor power device of the present embodiment is substantially the same as that of the eleventh embodiment, and as shown in FIG. + SiO film having a thickness that is formed on the
[0088]
Thus, in the semiconductor power device of the present embodiment, the
[0089]
In each of the above embodiments, the semiconductor power element is formed using a SiC substrate (SiC epi substrate). However, as a semiconductor substrate made of a semiconductor material having a band gap energy larger than Si, a SiC substrate made of SiC (SiC For example, a semiconductor substrate made of a GaN-based semiconductor material may be used instead of the (epi substrate). Further, by using a Si substrate (Si epi substrate) instead of the SiC substrate, the on-resistance can be greatly reduced as compared with the conventional VDMOSFET.
[0090]
【The invention's effect】
In the invention of
[0091]
In the invention of
[0092]
In the invention of claim 3, in addition to the effect of the invention of
[0093]
In the invention of
[0094]
In the invention of
[0095]
According to the invention of
[0096]
In the seventh aspect of the invention, in addition to the effects of the first to fifth aspects of the invention, electric field concentration is likely to occur at the tip of the electron emission portion, and the gate electrode and the source electrode are The voltage applied between them can be reduced, and there is an effect that power consumption can be reduced. Further, there is an advantage that the electron source can be manufactured by a manufacturing process similar to that of a so-called Spindt type field emission device.
[0097]
In the eighth aspect of the invention, in addition to the effects of the first to fifth aspects of the invention, electric field concentration is likely to occur at the tip of the electron emission portion, and the gate electrode and the source electrode are The voltage applied between them can be reduced, and there is an effect that power consumption can be reduced.
[0098]
In the invention of
[0099]
In the invention of
[0100]
In the invention of
[0101]
In the invention of
[0102]
According to the thirteenth aspect of the invention, in addition to the effect of the twelfth aspect of the invention, a region between the source region and the drift contact region in the semiconductor substrate in an off state in which electrons do not flow from the source electrode to the drain electrode. The surface electric field can be further relaxed and the withstand voltage can be further improved.
[0103]
In the invention of
[0104]
In the invention of
[0105]
In the invention of claim 16, in addition to the effect of the invention of
[0106]
In the invention of
[0107]
In the invention of claim 18, in addition to the effect of the invention of
[0108]
According to the nineteenth aspect of the invention, in addition to the effect of the eighteenth aspect of the invention, the well region interposed between the source region and the electron emission portion immediately below the insulating film in accordance with a voltage applied to the gate voltage. Since the channel is formed on the surface side, the current flowing between the source region and the electron emission portion can be controlled.
[0109]
In the invention of
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing a first embodiment.
FIG. 2 is a schematic sectional view of the main part of the above.
FIG. 3 is an explanatory view of the main part of the above.
FIG. 4 is a cross-sectional view of main processes for explaining the manufacturing method according to the embodiment.
FIG. 5 is a sectional view of a main process for explaining the manufacturing method according to the embodiment.
FIG. 6 is a schematic cross-sectional view of another configuration example of the electron emission portion of the above.
FIG. 7 is a schematic cross-sectional view of another configuration example of the electron emission portion of the above.
FIG. 8 is a schematic cross-sectional view of a main part showing a second embodiment.
9A and 9B show a third embodiment, in which FIG. 9A is a schematic cross-sectional view, and FIG.
FIG. 10 is an operation explanatory diagram of the comparative example.
11A and 11B show a fourth embodiment, in which FIG. 11A is a schematic cross-sectional view, and FIG.
12A and 12B show a fifth embodiment, in which FIG. 12A is a schematic cross-sectional view, and FIG.
FIGS. 13A and 13B show a sixth embodiment, in which FIG. 13A is a schematic cross-sectional view, and FIG.
14A and 14B show a seventh embodiment, in which FIG. 14A is a schematic cross-sectional view, and FIG. 14B is a schematic cross-sectional view of a main part.
15A and 15B show an eighth embodiment, wherein FIG. 15A is a schematic plan view of a main part, and FIG. 15B is a cross-sectional view taken along line BB ′ of FIG.
FIG. 16 is a schematic cross-sectional view showing a main part of a ninth embodiment.
FIG. 17 is an operation explanatory diagram of the comparative example.
18 is a schematic cross-sectional view showing a main part of a tenth embodiment. FIG.
19 is a schematic sectional
FIG. 20 is an enlarged view of the main part of the above.
FIG. 21 is an enlarged view of a main part of the twelfth embodiment.
FIG. 22 is an enlarged view of a main part of the thirteenth embodiment.
FIG. 23 is a schematic sectional view showing a conventional example.
[Explanation of symbols]
1 n + SiC substrate (n + Drain region)
1A SiC substrate (SiC epi substrate)
2 n − SiC epitaxial layer (n − Drift region)
4 p + Shape source area
8 Drain electrode
9 n + Drift contact area
10 electron source
11 Insulating film
11a Open window
12 Gate electrode
12 1 Gate layer
12 2 Gate layer
12a 1 Gate window
12a 2 Gate window
12b wiring
13 Electron emission part
14 Insulating layer
15 Vacuum region
19 Connection electrode
20 cap
21 recess
22 Collector electrode
31 n + SiC substrate (n + Drain region)
31A SiC substrate (SiC epi substrate)
32 n − SiC epitaxial layer (n − Drift region)
33 p + Well region
34 n + Shape source area
35 Insulating film
36 Gate electrode
37 Source electrode
38 Drain electrode
39 Current control area
40 electron source
43 Electron emitter
43a Tunnel insulating film
43b Surface electrode
45 Vacuum region
51 n + Silicon substrate (n + Drain region)
52 n − Silicon epitaxial layer (n − Drift region)
53 p + Well region
54 n + Shape source area
55 Gate oxide film
56 Gate electrode
57 Source electrode
58 Drain electrode
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