JP4415341B2 - Polypyrrole conductive paint - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性能の経時安定性に優れた塗膜を形成し得るポリピロール系導電性塗料、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリピロールは、高い導電性能を有し、かつ空気中で安定であるので、導電性塗料、防錆塗料、半導体材料、コンデンサ用電解質、有機EL素子の正孔輸送材、二次電池用電極材等への活用が期待されている。例えば、ピロールモノマーを水中に分散させて塩化第二鉄を触媒として重合させると、塩素アニオンをドーパントとして取りこんだポリピロールが得られることが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。しかしながら、この方法で得られるポリピロールは、黒色粉末状の凝集体であり、殆どの溶媒にも不溶である。また、該ポリピロールは加熱によって融解させることも不可能であるため、成形加工が非常に困難であり、その利用分野は限られていた。
【0003】
ところで、ポリピロール重合体を導電性塗料の導電性成分として採用する際に問題となるのは、塗膜とした場合の性能なり経時変化の少なさである。塗料として用いるには、水、有機溶媒等に溶解しているかまたは分散している状態にあることが好ましいが、上記したようなポリピロールの分散液は、多くのモノマー、触媒等の不純物を含むため、これらの改善が必要であった。また、洗浄を行い不純物を除去した場合には良好な分散性が保持できなくなる等、技術的には未だ不十分なものであった。
【0004】
ポリピロール重合体の溶媒に対する溶解性を向上させる試みとしては、例えば、ピロールの水素原子を、アルキル基、カルボン酸基、スルホン酸含有基、ハロゲン原子含有基、エステル基またはエーテル基で置換したピロール誘導体をモノマーとして使用する方法が報告されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、該ピロール誘導体は高価であり、またその導電性能は未置換ピロールより劣る。
【0005】
ポリピロールが溶媒に溶解しない理由の一つは、重合の際に分岐構造が成長し、ポリマーが互いに密に架橋することにあると推察されている。これを解消する手段の一つとして、ピロールを重合する際にドデシルベンゼンスルホン酸を添加することが知られている。ドデシルベンゼンスルホン酸の添加は、生成したポリピロール同士の直接接触を防ぐため、架橋構造の発達を防止して溶媒に可溶なポリピロールを得ることができる(例えば、特許文献2参照。)。しかしこの方法で得られるポリピロールが溶解可能な溶媒は、ジクロロメタンおよびm−クレゾールのような弱極性溶媒、並びにテトラヒドロフランおよびジメチルホルムアミドのような極性溶媒のみであり、その用途が限定されてしまう。
【0006】
非イオン性のビニル重合体、両性高分子、カチオン性高分子、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤および両性界面活性剤等の存在下でピロールの酸化重合を行うことにより、ポリピロールの水分散液を得ることもまた報告されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしこれらの界面活性剤を添加した系で得られるポリピロールは、ドーパントが十分に取りこまれておらず、低い導電性能しか発揮し得ない。このようなポリピロールの導電性能を向上させるために、アルカリ金属カチオン、スルホン酸アニオン等のドーパントを重合の前後に添加することが試みられている。しかしながら、重合途中で添加されたドーパントはポリピロールから脱離し易く、加熱、溶剤との接触、または時間経過と共に失われ、導電性能の低下を招く。また得られたポリピロール水分散液の中には、未反応モノマー、酸化剤、ポリピロールに取り込まれなかったドーパント等が残留しており、該ポリピロールを配合して導電性塗料とした場合、これらの残留物は該導電性塗料で形成した塗膜を劣化させ、経時に伴う導電性能の低下を導く。さらに、緻密な塗膜が得にくくなったり、塗布対象の表面を侵すなどの問題も発生する。
【0007】
ピロールを重合した後の反応液から未反応物を除去する方法として、ポリピロールを溶液から分離回収し、洗浄後に溶媒に再分散させる方法が挙げられる。この場合、重合により得られたポリピロールを直接濾過して固形分として回収することはできない。そこで、エタノールを添加することにより、ポリピロールが安定に分散できない状態とし、そしてポリピロール同士を凝集および析出させて回収する(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、分子同士で凝集を起こしたポリピロールは、凝集以前よりも粒径が増大しており、溶媒中に再度分散させても、粒径の大きいポリピロールを含む分散液しか得ることができない。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−304934号公報
【特許文献2】
特許第3105543号公報
【特許文献3】
特開平3−730号公報
【特許文献4】
特開平4−23825号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題を解決し、導電性能の経時安定性に優れた塗膜を形成し得るポリピロール系導電性塗料、およびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題に鑑み鋭意研究を行った結果、導電性塗料中に残留する未反応モノマー、ダイマーおよびトリマーの合計量は、全ポリピロール系重合体に基いて1%以下とすることにより、得られた重合体が水系溶剤に微分散可能となり、導電性能の経時安定性に優れた塗膜を形成し得る導電性塗料として使用し得ることを見出して本発明を完成させた。
【0011】
即ち、本発明は、ピロールおよび/またはピロール誘導体を、酸化剤および水溶性高分子プロトン酸の存在下で化学酸化重合反応させ、次いで該反応液より未反応モノマー、酸化剤および遊離した水溶性高分子プロトン酸を分離して得られたポリピロール系重合体を含有するポリピロール系導電性塗料であって、残留する未反応モノマー、ダイマーおよびトリマーの合計量は、全ポリピロール系重合体に基いて1%以下であることを特徴とするポリピロール系導電性塗料に関する。
【0012】
また、本発明の好ましい態様は、前記ポリピロール系重合体を水に再分散させた場合、該重合体粒子の平均粒子径は0.05ないし10μmの範囲内であることを特徴とする、前記ポリピロール系導電性塗料に関する。
【0013】
本発明のさらなる好ましい態様は、膜形成直後の塗膜の表面抵抗値を1とした場合、100℃で100時間保持した後の表面抵抗値が、1ないし100の範囲内に保たれることを特徴とする、前記ポリピロール系導電性塗料に関する。
【0014】
本発明はまた、ピロールおよび/またはピロール誘導体を、酸化剤および水溶性高分子プロトン酸の存在下で化学酸化重合反応させ、次いで該反応液より未反応モノマー、酸化剤および遊離した水溶性高分子プロトン酸を分離してポリピロール系重合体を取り出し、該ポリピロール系重合体を溶媒中に再分散させることからなるポリピロール系導電性塗料の製造方法であって、残留する未反応モノマー、ダイマーおよびトリマーの合計量は、全ポリピロール系重合体に基いて1%以下であることを特徴とするポリピロール系導電性塗料の製造方法に関する。
【0015】
本発明の他の態様は、前記ポリピロール系重合体を水に再分散させた場合、該重合体粒子の平均粒子径は0.05ないし10μmの範囲内であることを特徴とする、前記ポリピロール系導電性塗料の製造方法に関する。
【0016】
本発明のさらなる態様は、膜形成直後の塗膜の表面抵抗値を1とした場合、100℃で100時間保持した後の表面抵抗値が、1ないし100の範囲内に保たれることを特徴とする、前記ポリピロール系導電性塗料の製造方法に関する。
【0017】
導電性塗料中での未反応モノマー並びにダイマー、トリマー等は多量に残留していると、塗膜形成の際の乾燥に非常に長い時間を要し、十分に乾燥した塗膜を得ることは室温乾燥では困難である。一方、乾燥時間の短縮のために加熱すると、塗膜は容易にひび割れ、実用に耐え得るものではなくなってしまう。また、たとえ最適な乾燥条件を選定したとしても、得られる塗膜の強度は著しく低く、摩擦により簡単に剥離する程度の強度しか有し得ない。しかしながら本発明のポリピロール系導電性塗料では、未反応モノマー、ダイマー、およびトリマーの合計量が、全ポリピロール系重合体に基いて1%以下と低く、室温で容易に乾燥させることができ、得られる塗膜の導電性能の経時安定性が良好となる。
【0018】
ポリピロール分散液を導電性塗料として用いる場合に注意すべき点は、ポリピロールの粒径の制御である。即ち、粒径が大き過ぎると、時間と共に粒子の沈降が生じて塗料が使用不可能となるため、貯蔵寿命が短い。また、粒径が不均一であると、形成された塗膜に局所的な導電性能の差が生じ、塗膜全体としての高い導電性能を達成することはできず、また十分な強度を有する塗膜を得ることもできない。ところが本発明のポリピロール系導電性塗料は、平均粒子径が0.05ないし10μmと十分に小さくかつ均一であるため、上記のような問題は生じない。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明で使用可能なピロールおよびその誘導体としては、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール、3−フェニルナフチルアミノピロール等が挙げられる。特に好ましいのはピロールである。
【0020】
本発明で使用する酸化剤としては、ピロールおよびその誘導体を酸化重合し得るものであれば特に制限は無い。例えば、硫酸、塩酸、硝酸およびクロロスルホン酸のような無機酸、アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸のような有機酸、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素のような過酸化物が使用できる。これらは単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。疎水性の酸化剤はポリピロールを凝集させ易いため、親水性の酸化剤が好ましい。特に好ましいのは過硫酸アンモニウムである。酸化剤の量は、重合するピロール1モルに対して、0.01ないし5酸化当量、好ましくは0.1ないし0.5酸化当量である。酸化剤を過剰に添加すると、過剰に重合が進行して、得られるポリピロール系重合体の粒径が大きくなるために好ましくない。
【0021】
本発明で使用する水溶性高分子プロトン酸としては、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等、溶媒中でポリピロール系重合体を安定に分散し得るものが使用される。特に好ましくは、ポリスチレンスルホン酸である。これらの水溶性高分子プロトン酸は、分散剤として作用するだけでなく、一部の酸基はドーパントとしてポリピロール系重合体に取りこまれて複合体を形成し、ポリピロール系重合体に優れた導電性能と経時安定性を与える。
【0022】
本発明のポリピロール系重合体は、水溶性の高分子プロトン酸を含有する反応溶媒中に、モノマーであるピロールおよび/またはその誘導体を均一に分散させ、酸化剤を添加することにより化学重合させて得られる。特に好ましい反応溶媒は水である。
【0023】
水溶性の高分子プロトン酸を含有する反応溶媒中で重合させられたポリピロール系重合体は、反応溶媒中に微粒子として分散する。この反応液に、水と混和可能な有機溶媒を添加することによりポリピロール系重合体を析出させることができる。しかし、急激な析出は重合体の凝集を生じさせ、強固に凝集した重合体を溶媒中で再分散させることは非常に困難であるので、急激な析出は避けるべきである。
【0024】
強固な凝集体を形成しないようにポリピロール系重合体を析出させるための貧溶媒としては低級アルコール類が適しているが、例えば炭素原子数3ないし6のやや高級のアルコール、特にブチルアルコールが好ましい。エタノールのように極めて低級のアルコールを貧溶媒として用いた析出では、ポリピロール系重合体同士の凝集が発生し、得られるポリピロール系重合体の粉末は水と混合しただけで再分散することはない。ところがやや高級のアルコール、例えばブチルアルコールの添加は、分離後に容易に再分散し得るポリピロール系重合体の粉末を生成することができる。析出用の溶媒の量は、重合反応液に対して0.1ないし6、好ましくは0.5ないし2である。0.1未満ではポリピロールが析出せず、6を超えると再分散不可能なほど強固に凝集する場合がある。
【0025】
析出したポリピロール系重合体は、濾過等の方法により回収することができる。回収後の重合体には、未反応モノマー、酸化剤、ドーパントとして取り込まれなかった水溶性の高分子プロトン酸等が付着しているので、アルコール類で2回以上洗浄して、これらの不要な成分を除去することが好ましい。洗浄に用いる溶媒としては例えばアルコール類を使用することができ、水とブタノールからなる混合溶媒が好ましく、混合比は2:8ないし5:5の範囲内であることが好ましい。この洗浄により、未反応モノマー、ダイマーおよびトリマーの合計量を、ポリピロール系重合体の量に基づいて1%以下に低減することができる。残留する酸化剤の濃度は5%以下が好ましい。
【0026】
こうして洗浄した後のポリピロールを乾燥すると灰色の粉末が得られるが、該粉末中には洗浄用溶媒がポリピロール系重合体に基いて0.1%以上の量で残留していることが好ましい。加熱乾燥または減圧乾燥により、ポリピロール系重合体を完全に乾燥してしまうと、再分散性が著しく悪化する場合がある。
【0027】
こうして得られたポリピロール系重合体の粉末は、水と混合しただけで即座に再分散する。分散状態をより良好なものとしたい場合には、界面活性剤を添加することができる。さらに再分散後の分散液に、ビーズミル、ホモミキサー、スーパーミキサー、ディスパーミキサー等を使用した分散処理、または超音波処理を行うことによって、分散状態をさらに微粒子化することができる。
【0028】
また、こうして得られたポリピロール系重合体の粉末は、既に未反応モノマー、酸化剤および遊離した高分子プロトン酸が除去されているため、再分散後の分散液中の不純物は非常に少量である。従って、分散液を導電性塗料として使用すれば、塗装対象物を劣化させる惧れも無い。
【0029】
最終的に得られる分散液中のポリピロール系重合体は、0.05ないし10μmの範囲内の粒径を有する。ドーパントとして取り込まれた高分子プロトン酸は簡単には重合体から脱離しないため、本発明のポリピロールは水中でも長期間安定して分散状態を保持することが可能であり、経時により重合体の粒径が変化することはない。但し、アルカリ性条件下では、脱ドープが促進されるため、経時により重合体の凝集が生じる場合がある。
【0030】
こうして得られた分散液は、導電性塗料として好ましく使用することができる。そして該導電性塗料を塗布して乾燥すると、対象物表面にポリピロールの導電膜を形成することができる。形成された導電膜は、安定した導電性能と、優れた熱安定性能を兼備する。また、導電膜形成直後の表面抵抗値を1とした場合に、100℃で100時間保持した後も、表面抵抗値は1ないし100の範囲内であり、導電性能の優れた経時安定性を有する。
【0031】
本発明の導電性塗料により形成される導電膜は、高分子プロトン酸をマトリックスとして得られるが、より良好な接着性および膜強度を達成するために、ポリビニルアルコール等の水に可溶な高分子バインダーを添加することもできる。また、エポキシ系エマルジョン、ウレタン系エマルジョン等と混合して塗布することによっても、機械特性に優れた導電膜を得ることができる。
【0032】
【実施例】
以下の例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、以下の記載において、「部」は重量部、そして「%」は重量%を表す。
【0033】
実施例における評価は以下のようにして行った。
導電特性の経時安定性:溶液をガラス板に塗布し、初期および100℃で100時間加熱した後での表面抵抗値を、4端子法により測定した。
残留モノマー濃度:ポリピロール系重合体の重量に基く、未反応モノマー、ダイマーおよびトリマーの合計重量を残留モノマー濃度とした。
残留酸化剤濃度:ポリピロール系重合体の重量に基く、酸化剤の重量を残留酸化剤濃度とした。
【0034】
実験1
ポリスチレンスルホン酸30%水溶液(分子量約7万)50部、およびピロールモノマー10部をイオン交換水350部に添加して攪拌した。十分に混合した後、この溶液に、常温かつ空気中で、過硫酸アンモニウム15%水溶液60部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間攪拌を継続してポリピロール重合体溶液を得た。重合体溶液の評価結果、および該重合体溶液をガラス板上に塗布および乾燥して得られる塗膜の状態を表1に示す。
【0035】
実験2
ポリスチレンスルホン酸20%水溶液(分子量約50万)170部、およびピロールモノマー2.3部をイオン交換水500部に添加して攪拌した。十分に混合した後、この溶液に、常温かつ空気中で、過硫酸アンモニウム3%水溶液170部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間攪拌を継続してポリピロール重合体溶液を得た。重合体溶液の評価結果、および該重合体溶液をガラス板上に塗布および乾燥して得られる塗膜の状態を表1に示す。
【0036】
【表1】
添加したモノマーのうち実験1では約45%が、また実験2では約58%が重合せずに残留していることが確認された。多量の残留モノマーの影響により、実験1および実験2で得られた重合体溶液から形成した塗膜は、非常に乾燥しにくく、良好な塗膜を得ることはできなかった。従って、塗膜の物性について評価できなかった。
【0037】
実験3
実験1で得られたポリピロール重合体溶液に、析出溶媒としてのブタノールを徐々に添加し、そして攪拌した。5分以上攪拌するとポリピロール重合体粒子が析出し、該粒子を濾紙(ADVANTEC社製濾紙No.5C(保留粒子径1μm))を使用して濾別した。水とブタノールの混合液からなる洗浄溶媒約100mlを、濾紙上に得られた粒子に注ぐことにより洗浄した。洗浄後、常温で乾燥させると灰色のポリピロール重合体粉末が得られた。
該粉末1gをイオン交換水100mlに再分散させて導電性塗料を得た。析出溶媒の添加量(重合体溶液の量を1とした時の添加量)、洗浄溶媒の組成(水とブタノールの混合比)、および分散剤として添加したポリスチレンスルホン酸の量(g)を表2に示す。なお、実験3−2は、分散剤を用いることなく超音波処理(1000kHz、10分間)を行ったものである。
【0038】
【表2】
【0039】
実験3−1から3−7で得られた導電性塗料について評価を行った。結果を表3に示す。
【表3】
濾過を行ったことにより、残留モノマー濃度が0.05%以下まで減少した。そのため、塗膜形成時の乾燥が容易になり、良好な状態の塗膜を得ることが可能となった。しかしながら、多量の酸化剤が残留している実験3−4、3−5および3−7では、初期の表面抵抗値が大きく、また実験3−7では、初期と100℃で100時間の加熱後とでは表面抵抗値が大きく変化した。一方、実験3−6および3−7では、平均粒子径が大きいため初期の表面抵抗値が大きかった。
【0040】
実験4
実験3−1で得られた導電性塗料中に、含有モノマー濃度が約2%となるようにピロールモノマーを添加した。該導電性塗料を実験1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0041】
実験5
実験3−1で得られた導電性塗料中に、含有モノマー濃度が約10%となるようにピロールモノマーを添加した。該導電性塗料を実験1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0042】
実験6
実験1で得られた重合体溶液をそのまま加熱乾燥して溶媒を除去し、固形分としてポリピロール重合体を得た。この固形分をイオン交換水に再分散して分散液を調製した。該分散液を実験1と同様に評価した。結果を表4に示す。
【0043】
【表4】
比較例4ないし5の配合物には多量のモノマーが残留しており、そのため塗膜は非常に乾燥しにくく、良好な塗膜を得ることはできない。実験6のように、残留酸化剤濃度が高く良好な塗膜は得られなかった。それ故、塗膜の物性を評価することはできなかった。このようにモノマー濃度が1%を超える溶液では、満足な導電性塗料として使用することは困難である。
【0044】
【発明の効果】
本発明のポリピロール系導電性塗料は、含有するポリピロール系重合体の平均粒子径が小さく、また不純物の含有量も少ないため、優れた導電性能と導電性能の経時安定性とを兼ね備えた塗膜が形成可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a polypyrrole-based conductive paint capable of forming a coating film having excellent temporal stability of conductive performance, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Polypyrrole has high conductivity performance and is stable in the air, so conductive paint, rust preventive paint, semiconductor material, capacitor electrolyte, organic EL element hole transport material, secondary battery electrode material, etc. Expected to be used in For example, it is known that when a pyrrole monomer is dispersed in water and polymerized using ferric chloride as a catalyst, a polypyrrole incorporating a chlorine anion as a dopant is obtained (for example, see Non-Patent Document 1). However, the polypyrrole obtained by this method is an aggregate in the form of a black powder and is insoluble in most solvents. Moreover, since the polypyrrole cannot be melted by heating, it is very difficult to mold and its application field is limited.
[0003]
By the way, what becomes a problem when a polypyrrole polymer is employed as a conductive component of a conductive paint is the performance when it is used as a coating film or a small change with time. For use as a paint, it is preferably dissolved or dispersed in water, an organic solvent, etc., but the polypyrrole dispersion described above contains impurities such as many monomers and catalysts. These improvements were necessary. In addition, when the impurities are removed by washing, it is still insufficient from the technical point of view that good dispersibility cannot be maintained.
[0004]
As an attempt to improve the solubility of the polypyrrole polymer in a solvent, for example, a pyrrole derivative in which the hydrogen atom of pyrrole is substituted with an alkyl group, a carboxylic acid group, a sulfonic acid-containing group, a halogen atom-containing group, an ester group or an ether group. Has been reported as a monomer (see, for example, Patent Document 1). However, the pyrrole derivative is expensive and its conductive performance is inferior to unsubstituted pyrrole.
[0005]
One of the reasons why polypyrrole does not dissolve in a solvent is presumed to be that a branched structure grows during polymerization and the polymers crosslink closely to each other. As one means for solving this, it is known to add dodecylbenzenesulfonic acid when polymerizing pyrrole. Since the addition of dodecylbenzenesulfonic acid prevents direct contact between the produced polypyrroles, it is possible to obtain a polypyrrole that is soluble in a solvent by preventing the development of a crosslinked structure (for example, see Patent Document 2). However, the only solvents that can dissolve polypyrrole obtained by this method are weak polar solvents such as dichloromethane and m-cresol, and polar solvents such as tetrahydrofuran and dimethylformamide, and their applications are limited.
[0006]
Oxidative polymerization of pyrrole in the presence of nonionic vinyl polymers, amphoteric polymers, cationic polymers, cationic surfactants, anionic surfactants, nonionic surfactants and amphoteric surfactants It has also been reported that an aqueous dispersion of polypyrrole is obtained by carrying out (see, for example, Patent Document 3). However, the polypyrrole obtained in a system to which these surfactants are added does not sufficiently incorporate the dopant, and can only exhibit low conductive performance. In order to improve the conductive performance of such polypyrrole, attempts have been made to add dopants such as alkali metal cations and sulfonate anions before and after the polymerization. However, the dopant added during the polymerization is easily detached from the polypyrrole, and is lost with heating, contact with the solvent, or the passage of time, leading to a decrease in the conductive performance. Further, in the obtained polypyrrole aqueous dispersion, unreacted monomers, oxidizing agents, dopants not taken into polypyrrole, etc. remain, and when the polypyrrole is blended to form a conductive paint, these residues remain. A thing deteriorates the coating film formed with this electroconductive coating material, and leads the fall of the electroconductive performance with time. Furthermore, problems such as difficulty in obtaining a dense coating film and erosion of the surface to be coated also occur.
[0007]
Examples of a method for removing unreacted substances from the reaction solution after polymerizing pyrrole include a method in which polypyrrole is separated and recovered from the solution and re-dispersed in a solvent after washing. In this case, the polypyrrole obtained by polymerization cannot be directly filtered and recovered as a solid content. Therefore, by adding ethanol, the polypyrrole is in a state where it cannot be stably dispersed, and the polypyrrole is collected and aggregated and precipitated (see, for example, Patent Document 4). However, the polypyrrole that causes aggregation between molecules has a larger particle size than before aggregation, and only a dispersion containing polypyrrole having a large particle size can be obtained even if dispersed again in a solvent.
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-7-304934 [Patent Document 2]
Japanese Patent No. 3105543 [Patent Document 3]
JP-A-3-730 [Patent Document 4]
Japanese Laid-Open Patent Publication No. 4-23825
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a polypyrrole-based conductive paint capable of solving the above-described problems and forming a coating film excellent in stability over time of conductive performance, and a method for producing the same.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies in view of the above problems, the present inventors have determined that the total amount of unreacted monomer, dimer and trimer remaining in the conductive coating is 1% or less based on the total polypyrrole polymer. Thus, the present invention has been completed by finding that the obtained polymer can be finely dispersed in an aqueous solvent and can be used as a conductive paint capable of forming a coating film having excellent stability over time of conductive performance.
[0011]
That is, the present invention allows pyrrole and / or a pyrrole derivative to undergo a chemical oxidative polymerization reaction in the presence of an oxidant and a water-soluble high molecular proton acid, and then unreacted monomer, oxidant, and free water-soluble high polymer from the reaction solution. A polypyrrole conductive paint containing a polypyrrole polymer obtained by separating molecular protonic acid, the total amount of unreacted monomer, dimer and trimer remaining is 1% based on the total polypyrrole polymer The present invention relates to a polypyrrole conductive paint characterized by the following.
[0012]
In another preferred embodiment of the present invention, when the polypyrrole polymer is redispersed in water, the average particle size of the polymer particles is in the range of 0.05 to 10 μm. The present invention relates to a conductive paint.
[0013]
In a further preferred embodiment of the present invention, when the surface resistance value of the coating film immediately after film formation is 1, the surface resistance value after being maintained at 100 ° C. for 100 hours is maintained in the range of 1 to 100. The present invention relates to the polypyrrole conductive paint.
[0014]
The present invention also provides a chemical oxidative polymerization reaction of pyrrole and / or a pyrrole derivative in the presence of an oxidizing agent and a water-soluble polymer protonic acid, and then unreacted monomer, oxidizing agent and free water-soluble polymer from the reaction solution. A method for producing a polypyrrole conductive paint comprising separating a protonic acid, taking out a polypyrrole polymer, and redispersing the polypyrrole polymer in a solvent, comprising a residual unreacted monomer, dimer and trimer. The total amount relates to a method for producing a polypyrrole conductive paint, characterized in that the total amount is 1% or less based on the total polypyrrole polymer.
[0015]
In another aspect of the present invention, when the polypyrrole polymer is redispersed in water, the average particle diameter of the polymer particles is in the range of 0.05 to 10 μm. The present invention relates to a method for producing a conductive paint.
[0016]
In a further aspect of the present invention, when the surface resistance value of the coating film immediately after film formation is 1, the surface resistance value after being maintained at 100 ° C. for 100 hours is maintained in the range of 1 to 100. And a method for producing the polypyrrole conductive paint.
[0017]
If a large amount of unreacted monomer, dimer, trimer, etc. remain in the conductive paint, it takes a very long time to dry the film during the formation of the film, and a sufficiently dry film can be obtained at room temperature. It is difficult to dry. On the other hand, when heated for shortening the drying time, the coating film is easily cracked and cannot be practically used. Even if optimum drying conditions are selected, the strength of the resulting coating film is extremely low, and it can only have a strength that can be easily peeled off by friction. However, in the polypyrrole conductive paint of the present invention, the total amount of unreacted monomer, dimer and trimer is as low as 1% or less based on the total polypyrrole polymer, and can be easily dried at room temperature. The stability over time of the conductive performance of the coating film is improved.
[0018]
A point to be noted when using the polypyrrole dispersion as a conductive coating material is the control of the particle size of the polypyrrole. That is, if the particle size is too large, the particles will settle with time, making the paint unusable, resulting in a short shelf life. Further, if the particle size is not uniform, a difference in local conductive performance occurs in the formed coating film, and high conductive performance as a whole coating film cannot be achieved. A film cannot be obtained. However, the polypyrrole conductive paint of the present invention has a sufficiently small and uniform average particle diameter of 0.05 to 10 μm, and thus does not cause the above-described problems.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Examples of pyrrole and derivatives thereof that can be used in the present invention include pyrrole, N-methylpyrrole, N-ethylpyrrole, N-phenylpyrrole, N-naphthylpyrrole, N-methyl-3-methylpyrrole, N-methyl-3-pyrrole. Ethyl pyrrole, N-phenyl-3-methyl pyrrole, N-phenyl-3-ethyl pyrrole, 3-methyl pyrrole, 3-ethyl pyrrole, 3-n-butyl pyrrole, 3-methoxy pyrrole, 3-ethoxy pyrrole, 3- n-propoxypyrrole, 3-n-butoxypyrrole, 3-phenylpyrrole, 3-toluylpyrrole, 3-naphthylpyrrole, 3-phenoxypyrrole, 3-methylphenoxypyrrole, 3-aminopyrrole, 3-dimethylaminopyrrole, 3 -Diethylaminopyrrole, 3-diphenylaminopyrrole, - methylphenylamino pyrrole, 3-phenyl naphthyl amino pyrrole, and the like. Particularly preferred is pyrrole.
[0020]
The oxidizing agent used in the present invention is not particularly limited as long as it can oxidatively polymerize pyrrole and its derivatives. For example, inorganic acids such as sulfuric acid, hydrochloric acid, nitric acid and chlorosulfonic acid, organic acids such as alkylbenzenesulfonic acid and alkylnaphthalenesulfonic acid, peroxides such as potassium persulfate, ammonium persulfate and hydrogen peroxide can be used. . These may be used alone or in combination of two or more. Hydrophobic oxidizing agents are preferred because they are easy to aggregate polypyrrole. Particularly preferred is ammonium persulfate. The amount of the oxidizing agent is 0.01 to 5 oxidation equivalent, preferably 0.1 to 0.5 oxidation equivalent, relative to 1 mol of pyrrole to be polymerized. If an oxidizing agent is added excessively, polymerization proceeds excessively and the particle size of the resulting polypyrrole polymer becomes large, such being undesirable.
[0021]
As the water-soluble polymeric protonic acid used in the present invention, polyacrylic acid, polystyrene sulfonic acid, polyvinyl sulfonic acid and the like that can stably disperse the polypyrrole polymer in a solvent are used. Particularly preferred is polystyrene sulfonic acid. These water-soluble polymer protonic acids not only act as a dispersant, but also part of the acid groups are incorporated into the polypyrrole polymer as a dopant to form a complex, which is an excellent conductive material for the polypyrrole polymer. Gives performance and stability over time.
[0022]
The polypyrrole polymer of the present invention is obtained by chemically dispersing pyrrole and / or its derivative as a monomer uniformly in a reaction solvent containing a water-soluble high molecular proton acid and adding an oxidizing agent. can get. A particularly preferred reaction solvent is water.
[0023]
The polypyrrole polymer polymerized in a reaction solvent containing a water-soluble high molecular proton acid is dispersed as fine particles in the reaction solvent. A polypyrrole polymer can be precipitated by adding an organic solvent miscible with water to the reaction solution. However, rapid precipitation causes polymer aggregation and it is very difficult to redisperse the strongly agglomerated polymer in a solvent, so rapid precipitation should be avoided.
[0024]
As a poor solvent for precipitating the polypyrrole polymer so as not to form a strong aggregate, lower alcohols are suitable. For example, a slightly higher alcohol having 3 to 6 carbon atoms, particularly butyl alcohol is preferred. In the precipitation using an extremely low alcohol as a poor solvent such as ethanol, aggregation of polypyrrole polymers occurs, and the resulting polypyrrole polymer powder is not redispersed just by mixing with water. However, the addition of a slightly higher alcohol such as butyl alcohol can produce a polypyrrole polymer powder that can be easily redispersed after separation. The amount of the solvent for precipitation is 0.1 to 6, preferably 0.5 to 2, with respect to the polymerization reaction solution. If it is less than 0.1, polypyrrole does not precipitate, and if it exceeds 6, it may aggregate so strongly that it cannot be redispersed.
[0025]
The precipitated polypyrrole polymer can be recovered by a method such as filtration. Since the polymer after the recovery contains unreacted monomer, oxidant, water-soluble polymer protonic acid which has not been taken in as a dopant, the polymer is washed twice or more with alcohols. It is preferred to remove the components. As the solvent used for washing, for example, alcohols can be used, and a mixed solvent composed of water and butanol is preferable, and the mixing ratio is preferably in the range of 2: 8 to 5: 5. By this washing, the total amount of unreacted monomer, dimer and trimer can be reduced to 1% or less based on the amount of the polypyrrole polymer. The concentration of the remaining oxidizing agent is preferably 5% or less.
[0026]
When the polypyrrole thus washed is dried, a gray powder is obtained, but it is preferred that the washing solvent remains in the powder in an amount of 0.1% or more based on the polypyrrole polymer. If the polypyrrole polymer is completely dried by heat drying or reduced pressure drying, redispersibility may be remarkably deteriorated.
[0027]
The polypyrrole polymer powder thus obtained is immediately redispersed just by mixing with water. In order to make the dispersion state better, a surfactant can be added. Furthermore, the dispersion state can be further atomized by subjecting the re-dispersed dispersion to a dispersion treatment using a bead mill, a homomixer, a super mixer, a disper mixer, or the like, or an ultrasonic treatment.
[0028]
In addition, since the polypyrrole polymer powder thus obtained has already removed the unreacted monomer, the oxidizing agent, and the free polymer protonic acid, the amount of impurities in the dispersion after redispersion is very small. . Therefore, if the dispersion liquid is used as a conductive paint, there is no possibility of deteriorating the object to be coated.
[0029]
The polypyrrole polymer in the finally obtained dispersion has a particle size in the range of 0.05 to 10 μm. Since the polymeric protonic acid incorporated as a dopant does not easily desorb from the polymer, the polypyrrole of the present invention can stably maintain a dispersed state in water for a long period of time. The diameter does not change. However, since de-doping is promoted under alkaline conditions, the polymer may sometimes aggregate over time.
[0030]
The dispersion thus obtained can be preferably used as a conductive paint. When the conductive paint is applied and dried, a polypyrrole conductive film can be formed on the surface of the object. The formed conductive film has a stable conductive performance and an excellent thermal stability performance. Further, when the surface resistance value immediately after the formation of the conductive film is 1, the surface resistance value is in the range of 1 to 100 even after being held at 100 ° C. for 100 hours, and has excellent temporal stability of the conductive performance. .
[0031]
The conductive film formed by the conductive paint of the present invention can be obtained using a polymer proton acid as a matrix, but in order to achieve better adhesion and film strength, a water-soluble polymer such as polyvinyl alcohol is used. A binder can also be added. Moreover, the electrically conductive film excellent in the mechanical characteristic can be obtained also by mixing and apply | coating with an epoxy-type emulsion, a urethane-type emulsion, etc.
[0032]
【Example】
The present invention will be described in detail by the following examples, but the present invention is not limited thereto. In the following description, “parts” represents parts by weight, and “%” represents% by weight.
[0033]
Evaluation in the examples was performed as follows.
Stability over time of conductive properties: The solution was applied to a glass plate, and the surface resistance value at the initial stage and after heating at 100 ° C. for 100 hours was measured by a four-terminal method.
Residual monomer concentration: Based on the weight of the polypyrrole polymer, the total weight of unreacted monomer, dimer and trimer was defined as the residual monomer concentration.
Residual oxidizing agent concentration: Based on the weight of the polypyrrole polymer, the weight of the oxidizing agent was defined as the residual oxidizing agent concentration.
[0034]
Experiment 1
50 parts of a 30% aqueous solution of polystyrene sulfonic acid (molecular weight of about 70,000) and 10 parts of pyrrole monomer were added to 350 parts of ion-exchanged water and stirred. After thorough mixing, 60 parts of a 15% aqueous solution of ammonium persulfate was dropped into this solution over 2 hours at room temperature and in air. After completion of the dropping, stirring was further continued for 6 hours to obtain a polypyrrole polymer solution. Table 1 shows the evaluation results of the polymer solution and the state of the coating film obtained by applying and drying the polymer solution on a glass plate.
[0035]
Experiment 2
170 parts of a 20% aqueous solution of polystyrene sulfonic acid (molecular weight of about 500,000) and 2.3 parts of pyrrole monomer were added to 500 parts of ion-exchanged water and stirred. After thorough mixing, 170 parts of a 3% aqueous solution of ammonium persulfate was dropped into this solution over 2 hours at room temperature and in air. After completion of the dropping, stirring was further continued for 6 hours to obtain a polypyrrole polymer solution. Table 1 shows the evaluation results of the polymer solution and the state of the coating film obtained by applying and drying the polymer solution on a glass plate.
[0036]
[Table 1]
Of the added monomers, it was confirmed that about 45% remained in the experiment 1 and about 58% remained unpolymerized in the experiment 2. Due to the influence of a large amount of residual monomer, the coating film formed from the polymer solutions obtained in Experiments 1 and 2 was very difficult to dry and a good coating film could not be obtained. Therefore, the physical properties of the coating film could not be evaluated.
[0037]
Experiment 3
Butanol as a precipitation solvent was gradually added to the polypyrrole polymer solution obtained in Experiment 1 and stirred. When the mixture was stirred for 5 minutes or more, polypyrrole polymer particles were precipitated, and the particles were filtered using a filter paper (ADVANTEC filter paper No. 5C (retained particle diameter: 1 μm)). About 100 ml of a washing solvent composed of a mixed solution of water and butanol was washed by pouring the particles obtained on the filter paper. After washing and drying at room temperature, a gray polypyrrole polymer powder was obtained.
1 g of the powder was redispersed in 100 ml of ion exchange water to obtain a conductive paint. The amount of precipitation solvent added (the amount added when the amount of the polymer solution is 1), the composition of the washing solvent (mixing ratio of water and butanol), and the amount of polystyrene sulfonic acid added as a dispersant (g) are shown. It is shown in 2. In Experiment 3-2, ultrasonic treatment (1000 kHz, 10 minutes) was performed without using a dispersant.
[0038]
[Table 2]
[0039]
The conductive paints obtained in Experiments 3-1 to 3-7 were evaluated. The results are shown in Table 3.
[Table 3]
By carrying out the filtration, the residual monomer concentration was reduced to 0.05% or less. Therefore, drying at the time of coating film formation becomes easy, and it has become possible to obtain a coating film in a good state. However, in Experiments 3-4, 3-5, and 3-7 in which a large amount of oxidant remains, the initial surface resistance value is large, and in Experiment 3-7, the initial value and after heating for 100 hours at 100 ° C. The surface resistance value changed greatly. On the other hand, in Experiments 3-6 and 3-7, since the average particle diameter was large, the initial surface resistance value was large.
[0040]
Experiment 4
The pyrrole monomer was added to the conductive paint obtained in Experiment 3-1 so that the concentration of the monomer contained was about 2%. The conductive paint was evaluated in the same manner as in Experiment 1. The results are shown in Table 4.
[0041]
Experiment 5
A pyrrole monomer was added to the conductive paint obtained in Experiment 3-1 so that the concentration of the contained monomer was about 10%. The conductive paint was evaluated in the same manner as in Experiment 1. The results are shown in Table 4.
[0042]
Experiment 6
The polymer solution obtained in Experiment 1 was heated and dried as it was to remove the solvent, and a polypyrrole polymer was obtained as a solid content. This solid content was redispersed in ion-exchanged water to prepare a dispersion. The dispersion was evaluated as in Experiment 1. The results are shown in Table 4.
[0043]
[Table 4]
A large amount of monomer remains in the blends of Comparative Examples 4 to 5, so that the coating film is very difficult to dry and a good coating film cannot be obtained. As in Experiment 6, a good coating film with a high residual oxidant concentration was not obtained. Therefore, the physical properties of the coating film could not be evaluated. Thus, in a solution having a monomer concentration exceeding 1%, it is difficult to use as a satisfactory conductive paint.
[0044]
【The invention's effect】
Since the polypyrrole-based conductive paint of the present invention has a small average particle diameter of the polypyrrole-based polymer contained and a small content of impurities, a coating film having both excellent conductivity performance and stability over time of conductivity performance is obtained. It can be formed.
Claims (3)
残留する未反応モノマー、ダイマーおよびトリマーの合計量は、全ポリピロール系重合体に基いて1%以下であることを特徴とするポリピロール系導電性塗料の製造方法。The pyrrole and / or pyrrole derivative is subjected to a chemical oxidative polymerization reaction in the presence of an oxidizing agent and a water-soluble high molecular proton acid, and then 0.5 to 2 times the amount of carbon atoms of 3 to 6 with respect to the polymerization reaction solution. Alcohol is added to precipitate a polypyrrole polymer, and the precipitated polypyrrole polymer is recovered by filtration, and the recovered polymer is washed with a water: butanol mixed solvent having a mixing ratio of 1: 1, to thereby react unreacted. A method for producing a polypyrrole-based conductive paint comprising separating a monomer, an oxidant and free water-soluble polymer protonic acid, taking out a polypyrrole-based polymer, and redispersing the polypyrrole-based polymer in a solvent. ,
The total amount of unreacted monomer, dimer and trimer remaining is 1% or less based on the total polypyrrole polymer, and a method for producing a polypyrrole conductive coating.
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