JP4415227B2 - 情報処理装置、情報処理方法及び記録媒体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は情報処理装置、情報処理方法及び記録媒体に関し、例えばノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、これをノートパソコンと呼ぶ)に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ノートパソコンにおいては液晶ディスプレイ等の表示手段と、所定のコマンドや文字を入力するためのキーボードあるいはマウス等の入力手段とによって構成され、キー操作によって入力されたコマンドに応じて所定の処理を実行し、その実行結果を表示部に表示するようになされている。
【0003】
また最近のノートパソコンにおいては、キーボードやマウス以外の入力手段として例えば当該ノートパソコンの筐体側面から僅かに突出するように設けられた所定形状の回転操作子いわゆるジョグダイヤルが用いられ、当該ジョグダイヤルに対する回転操作及び押圧操作に応動して、メニュー項目の選択及びコマンドの決定等の命令が入力されるようになされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところでかかる構成のノートパソコンにおいては、ジョグダイヤルに対する回転操作によってメニュー項目の選択を行う場合、ユーザがジョグダイヤルを実際に操作してみるまでは回転操作が左右方向又は上下方向のいずれに有効であるのかを認識し得ないという問題があった。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ユーザの入力動作がどのように認識されをユーザに対して通知しながら所定の処理を実行し得る情報処理装置、情報処理方法及び記録媒体を提案しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、撮像手段によって認識対象を撮像することにより得られた画像の色成分に基づいてユーザの顔部分や手の平部分の肌色領域と、服装部分の非肌色領域とを判別し、肌色領域が画像の中に存在することを判別したとき、画像の現フレームと隣接フレームとにおける肌色領域の座標値の差分に基づいて当該肌色領域の移動距離及び移動方向を求め、当該移動距離に対応した動き速度に基づいて当該肌色領域が顔部分であるのか、或は手の平部分であるのかを判別し、肌色領域が手の平部分であることを判別したとき当該手の平部分の動きを認識し、手の平部分の動きを表した軌跡と、当該動きに対する認識過程とを、所定のフィードバック画面において手の平部分の動きに合わせて所定方向へ配列された所定形状でなる複数のターゲットを介して表示し、手の平部分の動きに応じた所定の処理を実行することにより、手の平部分を動かしたときの動きと正確に認識し、その動きに応じた所定の処理を確実に実行することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0008】
(1)第1の実施の形態
(1−1)ノートブック型パーソナルコンピュータの外観構成
図1において、1は全体として本発明を適用した情報処理装置としてのノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、これをノートパソコンと呼ぶ)を示し、本体2と当該本体2に対して開閉自在に取り付けられた表示部3とによって構成されている。
【0009】
本体2は、その上面に各種文字や記号及び数字等を入力するための複数の操作キー4、マウスカーソルの移動に用いられるスティック式ポインティングデバイス(以下、これを単にスティックと呼ぶ)5、通常のマウスにおける左ボタン及び右ボタンに相当する左クリックボタン5A及び5B、マウスカーソルをスクロールボタンに合わせることなくスクロールバーを操作するためのセンタボタン5C、内蔵スピーカ6A及び6B、押圧式の電源スイッチ7、表示部3に設けられたCCD(Charge Coupled Device )カメラ8用のシャッタボタン9、LED(Light Emitting Diode)で構成された電源ランプPL、電池ランプBL及びメッセージランプML等が設けられている。
【0010】
表示部3は、その正面に例えば8.9型(1024×480ピクセル)対応のTFT(Thin Film Transisitor )カラー液晶でなる液晶ディスプレイ10が設けられると共に、正面の中央上端部には撮像手段としてのCCDカメラ8を備えた撮像部11が当該表示部3に対して回動自在に設けられている。
【0011】
この撮像部11においては、CCDカメラ8が表示部3の正面方向から背面方向までの180度程度の角度範囲で回動して任意の角度で位置決めし得ると共に、当該CCDカメラ8によって所望の撮像対象を撮像する際のフォーカス調整を当該撮像部11の上端部に設けられた調整リング12の回転操作により容易に行い得るようになされている。
【0012】
また表示部3は、撮像部11の左端近傍における正面側及び背面側にマイクロフォン13が設けられており、当該マイクロフォン13を介して当該表示部3の正面側から背面側までの広範囲に渡って集音し得るようになされている。
【0013】
さらに表示部3は、液晶ディスプレイ10の左端近傍及び右端近傍にそれぞれつめ14及び15が設けられ、当該つめ14及び15と対応する本体2の所定位置には孔部16及び17が設けられており、表示部3を本体2に閉塞した状態でつめ14及び15がそれぞれ対応する孔部16及び17に嵌合される。
【0014】
これに対して表示部3は、本体2に閉塞された当該表示部3の前側が持ち上げられたときに、孔部16及び17とつめ14及び15の嵌合状態が解除され、その結果、当該表示部3が本体2から展開し得るようになされている。
【0015】
また本体2は、その右側面にIrDA(Infrared Data Association )準拠の赤外線ポート18、ヘッドフォン端子19、マイクロフォン用入力端子20、USB(Universal Serial Bus)端子21、外部電源コネクタ22、外部ディスプレイ出力用コネクタ23、回転操作子の回転操作及び押圧操作によって所定の処理を実行するための命令を入力し得るジョグダイヤル24及びモジュラージャック用のモデム端子25が設けられている。
【0016】
一方、図2に示すように本体2は、その左側面に排気孔26、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association )規格のPC(Personal Computer )カードに対応したPCカードスロット27及び4ピン対応のIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers )1394端子28が設けられている。
【0017】
さらに図3に示すように本体2は、その後側面にバッテリコネクタ29が設けられており、底面にはバッテリパック30(図1)を取り外すためのスライド式取り外しレバー31及び当該スライド式取り外しレバー31のスライド操作をロックするロックレバー32が設けられると共に、本体2の動作を中断して電源投入時の環境を再構築するためのリセットスイッチ33が設けられている。なおバッテリパック30は、バッテリコネクタ29に対して着脱自在に接続される。
【0018】
(1−2)ノートブック型パーソナルコンピュータの回路構成
次にノートパソコン1の回路構成について図4を用いて詳細に説明する。ノートパソコン1の本体2においては、当該本体2の各種機能を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit )50がホストバス52に接続されており、当該CPU50によってRAM(Random Access Memory)53にロードされた各種プログラムやアプリケーションソフトウェアに応じた処理を、クロックジェネレータ60から与えられるシステムクロックに基づいて所定の動作速度で実行することにより各種機能を実現し得るようになされている。
【0019】
またホストバス52には、キャッシュメモリ51が接続されており、CPU50が使用するデータをキャッシュし、高速アクセスを実現し得るようになされている。
【0020】
このホストバス52は、PCI(Peripheral Component Interconnect )バス55とホスト−PCIブリッジ54を介して接続されており、当該PCIバス55にはビデオコントローラ56、IEEE1349インターフェース57、ビデオキャプチャ処理チップ83及びPCカードインターフェース58が接続されている。
【0021】
ここでホスト−PCIブリッジ54は、CPU50と、ビデオコントローラ56、ビデオキャプチャ処理チップ83、IEEE1349インターフェース57及びPCカードインターフェース58との間で行われる各種データの授受を制御すると共に、メモリバス59を介して接続されたRAM53のメモリコントロールを行うようになされている。
【0022】
またホスト−PCIブリッジ54は、ビデオコントローラ56とAGP(Accelerated Graphics Port )に沿った信号線を介して接続されており、これにより当該ホスト−PCIブリッジ54及びビデオコントローラ56間で画像データを高速転送し得るようになされている。
【0023】
ビデオキャプチャ処理チップ83は、シリアルバスでなるI2 Cバス82(一般的にSM(System Management )バスとも呼ばれている)と接続されており、当該I2 Cバス82を介してCCDカメラ8で撮像された画像データが供給されると、これを内蔵のフレームメモリ(図示せず)に一旦格納し、JPEG(Joint Photographic Experts Group)規格に従って画像圧縮処理を施すことによりJPEG画像データを生成した後、当該JPEG画像データを再度フレームメモリに格納するようになされている。
【0024】
そしてビデオキャプチャ処理チップ83は、CPU50からの要求に応じて、フレームメモリに格納されているJPEG画像データをバスマスタ機能を用いてRAM53へ転送した後、JPEG画像(静止画)データ又はMotionJPEG画像(動画)データとしてハードディスクドライブ(HDD)67へ転送する。
【0025】
またビデオコントローラ56は、適時供給される各種アプリケーションソフトウェアに基づく画像データや、CCDカメラ8で撮像された画像データを表示部3の液晶ディスプレイ10に出力することにより、複数のウィンドウ画面を表示し得るようになされている。
【0026】
IEEE1349インターフェース57は、IEEE1394端子28と直結されており、当該IEEE1394端子28を介して他のコンピュータ装置やディジタルビデオカメラ等の外部デバイスと接続し得るようになされている。
【0027】
PCカードインターフェース58は、オプション機能を追加するときに適宜PCカードスロット27に装填されるPCカード(図示せず)と接続され、当該PCカードを介して例えばCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory )ドライブやDVD(Digital Versatile Disc)ドライブ等の外部デバイスと接続し得るようになされている。
【0028】
PCIバス55は、ISA(Industrial Standard Architecture)バス65とPCI−ISAブリッジ66を介して接続されており、当該PCI−ISAブリッジ66にはHDD67及びUSB端子21が接続されている。
【0029】
ここでPCI−ISAブリッジ66は、IDE(Integrated Drive Electronics)インターフェース、コンフィギュレーションレジスタ、RTC(Real-Time Clock )回路及びUSBインターフェース等によって構成されており、クロックジェネレータ60から与えられるシステムクロックを基にIDEインターフェースを介してHDD67の制御を行う。
【0030】
HDD67のハードディスクには、 Windows98(商標)等のOS(Operating System)、電子メールプログラム、オートパイロットプログラム、ジョグダイヤルサーバプログラム、ジョグダイヤルドライバ、キャプチャーソフトウェア、ディジタル地図ソフトウェア及びこれら以外の各種アプリケーションソフトウェアが格納されており、起動処理の過程で適時RAM53に転送されてロードされる。
【0031】
またPCI−ISAブリッジ66は、USB端子21を介して接続される図示しないフロッピーディスクドライブ、プリンタ及びUSBマウス等の外部デバイスをUSBインターフェースを介して制御すると共に、ISAバス65に接続されるモデム69及びサウンドコントローラ70の制御を行う。
【0032】
モデム69は、モデム端子25から図示しない公衆電話回線を介してインターネットサービスプロバイダ(以下、これをプロバイダと呼ぶ)に接続し、当該プロバイダを介してインターネットへダイヤルアップIP接続するようになされている。
【0033】
サウンドコントローラ70は、マイクロフォン13で集音された音声信号をディジタル変換することにより音声データを生成し、これをCPU50に出力すると共に、当該CPU50から供給される音声データをアナログ変換することにより音声信号を生成し、これを内蔵スピーカ6を介して外部に出力する。
【0034】
またISAバス65には、I/O(In/Out)コントローラ73が接続されており、外部電源コネクタ22から電源供給充電制御回路85を介して外部電源の電力供給を受け、電源スイッチ7がオンされたときに各回路へ電力の供給を行う。なお、ここでもI/Oコントローラ73は、クロックジェネレータ60から供給されるシステムクロックを基に動作する。
【0035】
また電源供給充電制御回路85は、I/Oコントローラ73によって制御され、バッテリコネクタ29(図3)に接続されたバッテリパック30の充電を制御する。
【0036】
I/Oコントローラ73は、マイクロコントローラ、I/Oインターフェース、CPU、ROM、RAM等によって構成されており、フラッシュメモリ79に格納されているBIOS(Basic Input/Output System )に基づいてOSやアプリケーションソフトウェアと液晶ディスプレイ10やHDD67等の各種周辺機器との間におけるデータの入出力を制御する。
【0037】
またI/Oコントローラ73は、赤外線ポート18と接続され、例えば他のコンピュータ装置との間で赤外線通信を実行し得るようになされている。
【0038】
さらにI/Oコントローラ73は、反転スイッチ77と接続されており、撮像部11が液晶ディスプレイ10の背面側方向に180度回転されたとき当該反転スイッチ77がオンされ、その旨をPCI−ISAブリッジ66及びホスト−PCIブリッジ54を介してCPU50に通知する。
【0039】
これに加えてI/Oコントローラ73は、全押し/半押しスイッチ78と接続されており、本体2の上面に設けられたシャッタボタン9が半押し状態にされたとき全押し/半押しスイッチ78が半押し状態にオンされ、その旨をCPU50に通知すると共に、シャッタボタン9が全押し状態にされたとき全押し/半押しスイッチ78が全押し状態にオンされ、その旨をCPU50に通知する。
【0040】
すなわちCPU50は、HDD67のハードディスクからキャプチャーソフトウェアをRAM53上に立ち上げた状態で、ユーザによってシャッタボタン9が半押し状態にされると静止画像モードに入り、CCDカメラ8を制御して静止画像のフリーズを実行し、全押し状態にされるとフリーズされた静止画像データを取り込みビデオコントローラ56に送出する。
【0041】
これに対してCPU50は、キャプチャーソフトウェアを立ち上げない状態で、ユーザによってシャッタボタン9が全押し状態にされると動画像モードに入り、最大60秒程度までの動画像を取り込んでビデオコントローラ56に送出するようになされている。
【0042】
ところで、I/Oコントローラ73のROMには、ウェイクアッププログラム、キー入力監視プログラム、LED制御プログラム及びジョグダイヤル状態監視プログラム、その他種々の制御プログラムが格納されている。
【0043】
ここでジョグダイヤル状態監視プログラムは、HDD67のハードディスクに格納されているジョグダイヤルサーバプログラムと連動して用いられるプログラムであり、ジョグダイヤル24が回転操作又は押圧操作されたか否かを監視するためのものである。
【0044】
ウェイクアッププログラムは、PCI−ISAブリッジ66内のRTC回路から供給される現在時刻が予め設定した開始時刻と一致すると、CPU50によって所定の処理を実行するように制御されたプログラムであり、キー入力監視プログラムは操作キー4及びその他の各種キースイッチからの入力を監視するプログラムである。LED制御プログラムは、電源ランプPL、電池ランプBL、メッセージランプML(図1)等の各種ランプの点灯を制御するプログラムである。
【0045】
またI/Oコントローラ73のRAMには、ジョグダイヤル状態監視プログラム用のI/Oレジスタ、ウェイクアッププログラム用の設定時刻レジスタ、キー入力監視プログラム用のキー入力監視レジスタ、LED制御プログラム用のLED制御レジスタ及びその他の各種プログラム用のレジスタが設けられている。
【0046】
設定時刻レジスタは、ウェイクアッププログラムで用いるためにユーザが予め任意に設定した開始時刻の時間情報を格納するようになされている。従ってI/Oコントローラ73は、ウェイクアッププログラムに基づいてRTC回路から供給される現在時刻が任意に設定した開始時刻と一致するか否かを判別し、当該開始時刻と一致したときにはその旨をCPU50に通知する。
【0047】
これによりCPU50は、開始時刻で予め設定された所定のアプリケーションソフトウェアを立ち上げ、当該アプリケーションソフトウェアに従って所定の処理を実行する。
【0048】
またキー入力監視レジスタは、操作キー4、スティック5、左クリックボタン5A、右クリックボタン5B及びセンタボタン5C等の入力操作に応じた操作キーフラグを格納するようになされている。
【0049】
従ってI/Oコントローラ73は、キー入力監視プログラムに基づいて例えばスティック5によるポインティング操作や、左クリックボタン5A、右クリックボタン5B及びセンタボタン5Cのクリック操作が行われたか否かを操作キーフラグの状態に基づいて判別し、ポインティング操作やクリック操作が行われたときにはその旨をCPU50に通知する。
【0050】
ここでポインティング操作とは、スティック5を指で上下左右に押圧操作することによりマウスカーソルを画面上の所望位置に移動する操作のことであり、クリック操作とは左クリックボタン5A又は右クリックボタン5Bを指で素早く押して離す操作のことである。
【0051】
これによりCPU50は、ポインティング操作によるマウスカーソルの移動やクリック操作に応じた所定の処理を実行する。
【0052】
またLED制御レジスタは、電源ランプPL、電池ランプBL、メッセージランプML等の各種ランプの点灯状態を示す点灯フラグを格納するようになされている。
【0053】
従ってI/Oコントローラ73は、例えばジョグダイヤル24の押圧操作によりCPU50がHDD67のハードディスクから電子メールプログラムを立ち上げ、当該電子メールプログラムに従って電子メールを受け取ったときに点灯フラグを格納すると共に、当該点灯フラグに基づいてLED81を制御することによりメッセージランプMLを点灯させる。
【0054】
またジョグダイヤル状態監視プログラム用のI/Oレジスタは、ジョグダイヤル24に対する回転操作及び押圧操作に応じた回転操作フラグ及び押圧操作フラグを格納するようになされている。
【0055】
従ってI/Oコントローラ73は、回転検出部88を介して接続されたジョグダイヤル24の回転操作及び押圧操作により複数のメニュー項目の中からユーザ所望のメニュー項目が選択されたとき、I/Oレジスタに格納されている回転操作フラグ及び押圧操作フラグを立てると共に、その旨をCPU50に通知する。
【0056】
これによりCPU50は、HDD67から読み出してRAM53上に立ち上げたジョグダイヤルサーバプログラムに従って、ジョグダイヤル24の回転操作及び押圧操作によって決定されたメニュー項目に該当するアプリケーションソフトウェアを立ち上げて所定の処理を実行する。
【0057】
ここでI/Oコントローラ73は、電源スイッチ7がオフでOSが起動していない状態であっても、電源供給充電制御回路85の制御によって常時動作しており、専用キーを設けることなく省電力状態又は電源オフ時のジョグダイヤル24の押圧操作によってユーザ所望のアプリケーションソフトウェアやスクリプトファイルを起動し得るようになされている。
【0058】
なおI/Oコントローラ73は、I2 Cバス82とも接続されており、操作キー4やジョグダイヤル24によって設定されたCCDカメラ8に対する各種設定パラメータをI2 Cバス82を介して供給することにより、CCDカメラ8における明るさやコントラストを調整するようになされている。
【0059】
(1−3)ジェスチャー認識処理
かかる構成に加えてノートパソコン1は、CCDカメラ8で撮像されたユーザの手の動き(ジェスチャー)を認識するためのサイバージェスチャープログラムと呼ばれるアプリケーションソフトウェアをHDD67のハードディスクから立ち上げ、当該サイバージェスチャープログラムに基づいてCCDカメラ8で撮像したユーザの手の動きを認識し、その認識結果に応じた所定の処理をアプリケーションソフトウェアに基づくアクティブウィンドウ画面上で実行するようになされている。
【0060】
すなわちノートパソコン1は、例えば撮像された静止画を加工することが可能な画像編集プログラムを立ち上げ、加工対象となる静止画を選択するためにHDD67のハードディスクに格納されている複数枚の静止画を液晶ディスプレイ10に順次表示する場合、ユーザによるジョグダイヤル24の回動操作に応じて液晶ディスプレイ10に表示した静止画を1枚づつ送り進めたり送り戻すような画像送り動作を行うが、本発明においてはCCDカメラ8で撮像されたユーザの手の動きをCPU50に認識させることにより、当該CPU50の制御により上述の画像送り動作をジョグダイヤル24に触れることなく非接触で実行し得るようになされている。
【0061】
因みにノートパソコン1では、ジョグダイヤル24がユーザから見て奥行側に所定角度以上回転されたときに液晶ディスプレイ10に表示した静止画を1枚だけ送り進め、ジョグダイヤル24がユーザから見て手前側に所定角度以上回転されたときに液晶ディスプレイ10に表示した静止画を1枚だけ送り戻すようになされている。
【0062】
実際上ノートパソコン1のCPU50は、図5のルーチンRT1の開始ステップから入って次のステップSP1に移り、ユーザの操作に応じてHDD67のハードディスクからサイバージェスチャープログラムを立ち上げ、当該サイバージェスチャープログラムに従って図6に示すようなジェスチャー認識画面100を生成し、これを画像編集プログラムに応じたアクティブウィンドウ画面の静止画に重ねて表示した後、次のステップSP2に移る。
【0063】
ここで、図7に示すようにジェスチャー認識画面100は、164×136ピクセルの画面サイズで構成され、当該ジェスチャー認識画面100の上端部にサイバージェスチャープログラムであることを示す「CYBERGESTURE」(ソニー(株)商標)のタイトル文字部101、機能のオプション選択を行うためのオプションボタン102、ヘルプボタン103、最小化ボタン104及び閉じるボタン105が設けられている。
【0064】
このジェスチャー認識画面100は、液晶ディスプレイ10の画面サイズ(1024×480ピクセル)に比べて極めて小さな画面サイズで形成されており、これにより当該ジェスチャー認識画面100の背景に表示されているアクティブウィンドウ画面の静止画に対する隠蔽面積を極力小さくするようになされている。
【0065】
なおノートパソコン1のCPU50は、ジェスチャー認識画面100においてオプションボタン102、ヘルプボタン103、最小化ボタン104及び閉じるボタン105のいずれかにマウスカーソルが合わせられたときには、そのボタン部分を盛り上がった状態に表示し、クリックされた選択後にはそのボタン部分を凹んだ状態に表示するようになされており、これによりボタン部分に対する選択及び決定操作を視覚的に容易に実行し得るようになされている。
【0066】
またノートパソコン1のCPU50は、ジェスチャー認識画面100におけるジェスチャー認識表示エリア106を256階調のグレースケールで表示すると共に、当該ジェスチャー認識表示エリア106のほぼ中央部分に、5個の正方形状に形成されたターゲット107A〜107Eからなるターゲット部107を横一列に配列して表示するようになされている。
【0067】
これによりCPU50は、ジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106に表示したターゲット部107によって、ユーザの手が動かされたときの左右方向の動作をノートパソコン1が認識するようになされていることを当該ユーザに対して容易に想像させて通知し得るようになされている。
【0068】
また各ターゲット107A〜107Eは、図8に示すように全体が8ピクセル×8ピクセルのサイズで、それぞれ1ピクセル幅の枠部分107AF〜107EFによって形成されると共に、枠部分107AF〜107EFが赤色で表示されるようになされていおり、これにより背景のグレースケール表示に対してターゲット107A〜107Eを視認し易くしている。
【0069】
なおジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106は、走査線の2水平ライン毎に黒色のライン表示(図示せず)がなれており、これにより通常の画像を表示するような画面とは異なり、ジェスチャー認識画面100であることをユーザに対して容易に認識させるようになされている。
【0070】
ステップSP2においてCPU50は、表示部3の正面に存在するユーザを撮像部11のCCDカメラ8で撮像し、その結果得られる入力画像をジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106に表示し、次のサブルーチンSRT2に移る。
【0071】
図9に示すように、サブルーチンSRT2のステップSP21においてCPU50は、ジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106に表示した入力画像を色成分に基づいて複数種類の色領域に分割し、次のステップSP22に移る。
【0072】
因みに色領域とは、図10に示すように所定のYUV色度空間上に表され、当該YUV色度空間上の例えば斜線で示された+Y、−U、−V象限の所定領域をユーザの手の平の色と等価な色領域R(以下、これを肌色領域Rと呼ぶ)であると見なしている。
【0073】
ステップSP22においてCPU50は、YUV(輝度・色差)色度空間上の肌色領域Rに対応する所定の肌色テーブルと入力画像の各色領域とをそれぞれ比較し、次のステップSP23に移る。
【0074】
この場合、入力画像の各色領域は例えばユーザの顔領域や手の平領域等の肌色領域Rと、服装部分の非肌色領域とに大きく分けられる。
【0075】
ステップSP23においてCPU50は、肌色テーブルと入力画像の各色領域とをそれぞれ比較した結果、入力画像の中に肌色であると認められる肌色領域Rが存在するか否かを判定する。
【0076】
ここで否定結果が得られると、このことは肌色テーブルに対応する肌色領域Rが入力画像の中には存在していないことを表しており、このときCPU50は次のステップSP29に移る。
【0077】
ステップSP29においてCPU50は、肌色領域Rが入力画像の中に存在しておらず、ユーザの手の動きを認識することはできないので次のフレームの入力画像へ進み、上述のステップSP21に戻る。
【0078】
これに対してステップSP23で肯定結果が得られると、このことは肌色テーブルに対応する肌色領域Rが入力画像の中に存在していることを表しており、このときCPU50は次のステップSP24に移る。
【0079】
ステップSP24においてCPU50は、現フレームの入力画像における肌色領域Rの動きを当該現フレームと前フレームとの座標値の変化に基づいて検出し、次のステップSP25に移る。
【0080】
ステップSP25においてCPU50は、動きのある肌色領域Rが入力画像の中に存在しているか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは動きのある肌色領域Rが入力画像の中に存在していないことを表しており、このときCPU50は次のステップSP29に移り、次のフレームの入力画像へ進んで上述のステップSP21に戻る。
【0081】
これに対してステップSP25で肯定結果が得られると、このことは動きのある肌色領域Rが入力画像の中に存在していることを表しており、このときCPU50は次のステップSP26に移る。
【0082】
ステップSP26においてCPU50は、動きのある肌色領域Rのうち最大面積の肌色領域Rを検出し、これを仮に手の平領域として判断した後、次のステップSP27に移る。
【0083】
ステップSP27においてCPU50は、ステップSP26で判断した手の平領域全体の座標値を取得し、次のステップSP28に移る。
【0084】
ステップSP28においてCPU50は、ステップSP27で取得した手の平領域全体の座標値に基づいて当該手の平領域の重心を算出した後、当該重心に対する垂直方向上方に相当する手の平領域の上端位置の座標を検出し、これを手の指先に該当する重心上部データとして取得することにより、サブルーチンSRT2における手の位置情報に関する取得処理手順を終了し、ルーチンRT1(図5)のステップSP3に移る。
【0085】
ステップSP3においてCPU50は、サブルーチンSRT2で取得した重心上部データに基づいてユーザの手がジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106に存在するか否かを判定する。
【0086】
ここで否定結果が得られると、このことはサブルーチンSRT2で重心上部データが取得されておらず、すなわちユーザの手がジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106に存在していないことを表しており、このときCPU50は、次のステップSP4に移る。
【0087】
ステップSP4においてCPU50は、ユーザの手がジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106に表示されていないので、現在ユーザの手を認識するためのサーチ状態であることを示すアニメーション表示を行い、上述のステップSP2に戻る。
【0088】
この場合、図11に示すようにCPU50は、ジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106にユーザの肌色部分が殆ど表示されておらず、現時点ではユーザの手を認識し得ていないので、肌色領域Rのサーチ状態であることをターゲット部107を用いたアニメーション表示によってユーザに容易に認識させ得るようになされている。
【0089】
すなわちCPU50は、各ターゲット107A〜107Eにおける枠部分107AF〜107EFの内部領域(破線で示す)を矢印A及びBで示す左右方向に沿って赤色で順番に交互表示することによりグラデュエーション効果をもたらし、サイバージェスチャープログラムが起動中でユーザの手をサーチ中であることをユーザに対して容易に想像させ得るようになされている。
【0090】
これに対してステップSP3で肯定結果が得られると、このことはサブルーチンSRT2で重心上部データが取得された、すなわちユーザの手がジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106に存在していることを表しており、このときCPU50は、次のステップSP5に移る。
【0091】
ステップSP5においてCPU50は、図12に示すように取得した重心上部データに対応する位置に所定形状のポインタ108を表示すると共に、当該ポインタ108を含みユーザの手の平領域全体に渡って囲われた手の平領域認識枠109をジェスチャー認識表示エリア106の入力画像上にオーバーラップ表示し、次のサブルーチンSRT3に移る。
【0092】
ここでCPU50は、手の平領域認識枠109を1ピクセル幅で白色表示し、ターゲット部107の各107A〜107Eと同様の形状及びサイズで形成されたポインタ108における1ピクセル幅のポインタ枠108Fを白色表示すると共に、その内部を赤色表示するようになされている。
【0093】
これによりCPU50は、各ターゲット107A〜107Eにおける枠部分107AF〜107EFの赤色表示と、ポインタ108におけるポインタ枠108Fの白色表示とによって、各ターゲット107A〜107Eとポインタ108とをユーザに対して明確に区別させるようになされている。
【0094】
なおCPU50は、ユーザの手の動きに応じて手の平領域認識枠109及びポインタ108を連動して動かせながら表示するようになされている。
【0095】
続いて図13に示すように、サブルーチンSRT3のステップSP31においてCPU50は、RAM53を用いてリングバッファ状に格納された現フレームと、当該現フレームに隣合う前フレームとの隣接フレーム間における重心上部データの座標値の差分に基づいて指先移動距離を求め、次のステップSP32に移る。
【0096】
ステップSP32においてCPU50は、ステップSP31で算出した隣接フレーム間の指先移動距離が所定の上限閾値以下であるか否かを判定する。ここで否定結果が得られると、このことは前フレームの指先を示す位置から現フレームの指先を示す位置までの距離が極端に離れ過ぎていることにより、手の動きを認識するためのデータとして指先移動距離が不適切であることを表しており、このときCPU50は次のステップSP33に移る。
【0097】
ステップSP33においてCPU50は、隣接フレーム間の指先移動距離をデータとして使用することが不適切であるので、ステップSP34以降で行う指先移動距離の算出を停止し、ルーチンRT1(図5)のステップSP2に戻って上述の処理を繰り返す。
【0098】
これに対してステップSP32で肯定結果が得られると、このことは前フレームの指先を示す位置から現フレームの指先を示す位置までの距離が極端に離れ過ぎてはおらず、手の動きを認識するためのデータとして指先移動距離が適切であることを表しており、このときCPU50は次のステップSP34に移る。
【0099】
ステップSP34においてCPU50は、図14に示すようにリングバッファ状に順次格納された現フレームの指先を示す重心上部データと、所定範囲の過去数フレームの中から選ばれた任意の過去フレームの指先を示す重心上部データとの座標値の差分が最大長さとなるものを最大指先移動距離として算出し、当該最大指先移動距離が所定の下限閾値よりも大きいか否かを判定する。
【0100】
ここで否定結果が得られると、このことは複数フレームに渡る入力画像の状態遷移に基づく最大指先移動距離が所定の下限閾値よりも小さいこと、すなわち手の動きとして認識するに値しない程度でしか動いていないことを表しており、このときCPU50は最大指先移動距離を認識処理から除外し、ステップSP31に戻って上述の処理を繰り返す。
【0101】
これに対してステップSP34で肯定結果が得られると、このことは最大指先移動距離が所定の下限閾値よりも大きく、確実に手の指先が左右に移動したと認められることを表しており、このときCPU50は次のステップSP35に移る。
【0102】
ステップSP35においてCPU50は、現フレームの指先を示す重心上部データと最大指先移動距離を算出したときに用いられた過去フレームの指先を示す重心上部データとの移動ベクトルに基づいて指先移動距離の移動方向(右方向又は左方向)を検出し、ルーチンRT1(図5)のステップSP6に戻る。
【0103】
ステップSP6においてCPU50は、最大指先移動距離及び当該最大指先移動距離の移動方向を検出したので、当該検出した手の平領域全体の現フレームの画素データと前フレームの画素データとの座標値の単位時間当たりの変化に基づいて当該検出した手の平領域全体の動き速度が所定の速度を超えているか否かを判定する。
【0104】
ここで否定結果が得られると、このことは検出した手の平領域全体の動き速度が所定の速度を超えていない、すなわち比較的遅く動いているので実際には手の平領域ではなく顔領域である可能性があると判断し、再度ステップSP2に戻って上述の処理を繰り返す。
【0105】
これに対してステップSP6で肯定結果が得られると、このことは検出した手の平領域全体の動き速度が所定の速度を超えている、すなわち比較的速く動いているので手の平領域である可能性が一段と高いと判断し、次のステップSP7に移る。
【0106】
この場合CPU50は、単一フレームの入力画像に手の平領域と思われる候補が2つ以上存在したときに、手の平領域と顔領域とを一段と正確に判別し得るようになされている。
【0107】
ステップSP7においてCPU50は、図15に示すようにサイバージェスチャープログラム180に基づいて認識した手の平領域のジェスチャー動作の認識結果をジョグダイヤル用のAPI(Application Programming Interface )181を介してジョグダイヤルサーバープログラム182に供給すると共に、ユーザが動かした手の動き(ジェスチャー)を表す軌跡と、当該ジェスチャーをノートパソコン1がどのように認識したのかを示す認識過程を、ジェスチャー認識画面100にビジュアルフィードバック表示し、次のステップSP8に移る。
【0108】
ここでAPIとは、OSがアプリケーションソフトウェアに対して公開しているプログラムインターフェースであり、アプリケーションソフトウェアは基本的に全ての処理を当該APIを経由して行うようになされている。因みに、現在一般的なOSのAPIは、関数の形式をとっており、アプリケーションソフトウェアからは適当な引数(パラメータ)を指定してAPIの関数を呼び出すようになされている。
【0109】
因みにCPU50は、ジョグダイヤル24の動作結果とサイバージェスチャープログラム180に基づく認識結果を同一の入力形式で取り込み、兼用のジョグダイヤル用のAPI181を介してジョグダイヤルサーバープログラム182に供給するようになされており、これによりソフトウェア的な処理を簡素化し得るようになされている。
【0110】
実際上CPU50は、図16(A)に示すようなビジュアルフィードバック画面191を生成し、当該ビジュアルフィードバック画面191を介して、ユーザが実際に動かした手の動き(ジェスチャー)を示す軌跡に対応して、軌跡表示枠120内に予め斜めに配置されたターゲット107A〜107E上にポインタ108を重ねて矢印C方向に移動させながら表示することにより、実際の手の動きの認識過程をユーザに対して視覚的に確認させ得るようになされている。
【0111】
続いてCPU50は、図16(B)に示すようなビジュアルフィードバック画面192を生成し、これをビジュアルフィードバック画面191に置き換えて表示する。
【0112】
このビジュアルフィードバック画面192は、ビジュアルフィードバック画面191における軌跡表示枠120を変形することによりターゲット107A〜107Eの高さを横一列に揃えた状態の方向表示枠121を形成して線素化すると共に、当該方向表示枠121内の右端にターゲット107Eを、左端にポインタ108を表示するようになされており、当該方向表示枠121を介してユーザの手が矢印D方向(右方向から左方向へ)に動かされたことを簡略的に示すようになされている。
【0113】
最後にCPU50は、図16(C)に示すようなビジュアルフィードバック画面193を生成し、これをビジュアルフィードバック画面192に置き換えて表示する。
【0114】
このビジュアルフィードバック画面193は、ビジュアルフィードバック画面192の方向表示枠121を消去すると共に、横一列に配列した各ターゲット107A〜107E上にポインタ108を重ねて矢印D方向に向かって移動させながら繰り返し表示するようになされており、ユーザの手が右側から左側(矢印D方向)へ動かされたとノートパソコン1が認識したことをユーザに対して容易に認識させ得るようになされている。
【0115】
なおCPU50は、各ターゲット107A〜107E上にポインタ108を重ねて矢印D方向に向かって移動させながら表示する際、ユーザの手の動きを認識したときと同じ手の移動速度でポインタ108を移動させるようになされており、これによりノートパソコン1が認識可能な手の移動速度をユーザに対して知らしめるようになされている。
【0116】
ステップSP8においてCPU50は、ユーザの手を動きを認識した後、当該手の動きに応じた所定のコマンドをジョグダイヤルサーバープログラム182(図15)からアプリケーションソフトウェア183に供給して所定の処理を実行するが、このとき認識結果に応じた所定の処理を実行中であるので、手の動きの認識直後については数フレーム分の入力画像に対してジェスチャー認識処理を実行せず、再度ステップSP2に戻って上述の処理を繰り返す。
【0117】
これによりCPU50は、誤動作を起こすことがなく確実にユーザの手の動きに応じた処理をアクティブウィンドウ画面上で実行した後に、次のユーザの手の動きの応じた処理を実行することができる。
【0118】
このようにノートパソコン1のCPU50は、サイバージェスチャープログラム180に従ってユーザの手の動きを認識した後、当該認識結果に応じた所定のコマンドをジョグダイヤルサーバープログラム182を介してアプリケーションソフトウェア183に供給し、当該アプリケーションソフトウェア183に基づくアクティブウィンドウ画面上でコマンドに応じた所定の画像送り動作を実行し得るようになされている。
【0119】
実際上ノートパソコン1のCPU50は、手のジェスチャーが左側から右側への動き(矢印D方向とは逆方向)であると認識した場合、ジェスチャー認識画面100の背景に表示されているアクティブウィンドウ画面の静止画を1枚分だけ送り進め、手のジェスチャーが右側から左側への動き(矢印D方向)であると認識した場合、ジェスチャー認識画面100の背景に表示されているアクティブウィンドウ画面の静止画を1枚分だけ送り戻すようになされている。
【0120】
これによりユーザは、ジョグダイヤル24を直接操作することなく、撮像部11のCCDカメラ8に手をかざして左右いずれかに動かすだけで、ジェスチャー認識画面100の背景に表示されているアクティブウィンドウ画面の静止画を所望方向に画像送りすることができる。
【0121】
(1−4)第1の実施の形態における動作及び効果
以上の構成において、ノートパソコン1のCPU50は、画像編集プログラムを立ち上げて液晶ディスプレイ10にアクティブウィンドウ画面を表示した状態でサイバージェスチャープログラム180を起動することにより、アクティブウィンドウ画面の静止画にジェスチャー認識画面100を重ねて表示する。
【0122】
このときノートパソコン1のCPU50は、ジェスチャー認識画面100におけるジェスチャー認識表示エリア106のほぼ中央部分に5個の正方形状に形成されたターゲット107A〜107Eからなるターゲット部107を横一列に順次配列して表示する。
【0123】
これによりノートパソコン1のCPU50は、ユーザの手が動かれたときの移動方向として左右方向の動作を当該ノートパソコン1が認識可能であることを当該ユーザに対して容易に想像させることができるので、認識可能な移動方向をユーザに対して予め確実に通知することができる。
【0124】
またノートパソコン1のCPU50は、各ターゲット107A〜107Eの枠部分107AF〜107EFを赤色表示することにより、背景のグレースケール表示に対してターゲット107A〜107Eをユーザに対して視認し易く表示することができる。
【0125】
以上の構成によれば、ノートパソコン1はサイバージェスチャープログラム180に従ってジェスチャー認識画面100におけるジェスチャー認識表示エリア106のほぼ中央部分に5個の正方形状に形成されたターゲット107A〜107Eからなるターゲット部107を横一列に順次配列して表示することにより、ユーザの手が動かれたときの移動方向として左右方向の動作を当該ノートパソコン1が認識可能であることを当該ユーザに対して予め確実に通知することができる。
【0126】
(2)第2の実施の形態
(2−1)ネットワークシステムの全体構成
図17において、200は全体として本発明を適用した携帯電話機MS3が接続されているネットワークシステムを示し、通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割したセル内にそれぞれ固定無線局である基地局CS1〜CS4が設置されている。
【0127】
これらの基地局CS1〜CS4には、移動無線局である携帯情報端末MS1及びMS2やカメラ付ディジタル携帯電話機MS3及びMS4が例えばW−CDMA(Wideband-Code Division Multiple Access)と呼ばれる符号分割多元接続方式によって無線接続されるようになされており、2[GHz] の周波数帯域を使用して最大2[Mbps]のデータ転送速度で大容量データを高速にデータ通信し得るようになされている。
【0128】
このように携帯情報端末MS1及びMS2やカメラ付ディジタル携帯電話機MS3及びMS4は、W−CDMA方式によって大容量データを高速にデータ通信し得るようになされていることにより、音声通話だけでなく電子メールの送受信、簡易ホームページの閲覧、画像の送受信等の多種に及ぶデータ通信を実行し得るようになされている。
【0129】
また基地局CS1〜CS4は、有線回線を介して公衆回線網INWに接続されており、当該公衆回線網INWにはインターネットITNや、図示しない多くの加入者有線端末、コンピュータネットワーク及び企業内ネットワーク等が接続されている。
【0130】
公衆回線網INWには、インターネットサービスプロバイダのアクセスサーバASも接続されており、当該アクセスサーバASには当該インターネットサービスプロバイダが保有するコンテンツサーバTSが接続されている。
【0131】
このコンテンツサーバTSは、加入者有線端末や携帯情報端末MS1、MS2及びカメラ付ディジタル携帯電話機MS3、MS4からの要求に応じて例えば簡易ホームページ等のコンテンツを例えばコンパクトHTML(Hyper Text Markup Language)形式のファイルとして提供するようになされている。
【0132】
ところでインターネットITNには、多数のWWWサーバWS1〜WSnが接続され、TCP/IPプロトコルに従って加入者有線端末や携帯情報端末MS1、MS2及びカメラ付ディジタル携帯電話機MS3、MS4からWWWサーバWS1〜WSnに対してアクセスし得るようになされている。
【0133】
因みに携帯情報端末MS1、MS2及びカメラ付ディジタル携帯電話機MS3、MS4は、図示しない基地局CS1〜CS4までを2 [Mbps] の簡易トランスポートプロトコルで通信し、当該基地局CS1〜CS4からインターネットITNを介してWWWサーバWS1〜WSnまでをTCP/IPプロトコルで通信するようになされている。
【0134】
なお管理制御装置MCUは、公衆回線網INWを介して加入者有線端末や携帯情報端末MS1、MS2及びカメラ付ディジタル携帯電話機MS3、MS4に接続されており、当該加入者有線端末や携帯情報端末MS1、MS2及びカメラ付ディジタル携帯電話機MS3、MS4に対する認証処理や課金処理等を行うようになされている。
【0135】
(2−2)カメラ付ディジタル携帯電話機の外観構成
次に本発明を適用したカメラ付ディジタル携帯電話機MS3の外観構成について説明する。図18に示すようにカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、中央のヒンジ部211を境に表示部212と本体213とに分けられており、当該ヒンジ部211を介して折り畳み可能に形成されている。
【0136】
表示部212には、上端左部に送受信用のアンテナ214が引出し及び収納可能な状態に取り付けられており、当該アンテナ214を介して基地局CS3との間で電波を送受信するようになされている。
【0137】
また表示部212には、上端中央部にほぼ180度の角度範囲で回動自在なカメラ部215が設けられており、当該カメラ部215のCCDカメラ216によって所望の撮像対象を撮像し得るようになされている。
【0138】
ここで表示部212は、カメラ部215がユーザによってほぼ180度回動されて位置決めされた場合、図19に示すように当該カメラ部215の背面側中央に設けられたスピーカ217が正面側に位置することになり、これにより通常の音声通話状態に切り換わるようになされている。
【0139】
さらに表示部212には、その正面に液晶ディスプレイ218が設けられており、電波の受信状態、電池残量、電話帳として登録されている相手先名や電話番号及び発信履歴等の他、電子メールの内容、簡易ホームページ、カメラ部215のCCDカメラ216で撮像した画像を表示し得るようになされている。
【0140】
一方、本体213には、その表面に「0」〜「9」の数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話及び電源キー、クリアキー及び電子メールキー等の操作キー219が設けられており、当該操作キー219を用いて各種指示を入力し得るようになされている。
【0141】
また本体213には、操作キー219の下部にメモボタン220やマイクロフォン221が設けられており、当該メモボタン220によって通話中の相手の音声を録音し得ると共に、マイクロフォン221によって通話時のユーザの音声を集音するようになされている。
【0142】
さらに本体213には、操作キー219の上部に回動自在なジョグダイヤル222が当該本体213の表面から僅かに突出した状態で設け等られており、当該ジョグダイヤル222に対する回動操作に応じて液晶ディスプレイ218に表示されている電話帳リストや電子メールのスクロール動作、簡易ホームページのページ捲り動作及び画像の送り動作等の種々の動作を実行するようになされている。
【0143】
例えば本体213は、ユーザによるジョグダイヤル222の回動操作に応じて液晶ディスプレイ218に表示された電話帳リストの複数の電話番号の中から所望の電話番号が選択され、当該ジョグダイヤル222が本体213の内部方向に押圧されると、選択された電話番号を確定して当該電話番号に対して自動的に発呼処理を行うようになされている。
【0144】
なお本体213は、背面側に図示しないバッテリパックが挿着されており、終話及び電源キーがオン状態になると、当該バッテリパックから各回路部に対して電力が供給されて動作可能な状態に起動する。
【0145】
ところで本体213には、当該本体213の左側面上部に抜差自在なメモリスティック(ソニー(株)商標)223を挿着するためのメモリスティックスロット224が設けられており、メモボタン220が押下されるとメモリスティック223に通話中の相手の音声を記録したり、ユーザの操作に応じて電子メール、簡易ホームページ、CCDカメラ216で撮像した画像を記録し得るようになされている。
【0146】
ここでメモリスティック223は、本願出願人であるソニー株式会社によって開発されたフラッシュメモリカードの一種である。このメモリスティック223は、縦21.5×横50×厚さ2.8[mm] の小型薄型形状のプラスチックケース内に電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )の一種であるフラッシュメモリ素子を格納したものであり、10ピン端子を介して画像や音声、音楽等の各種データの書き込み及び読み出しが可能となっている。
【0147】
またメモリスティック223は、大容量化等による内蔵フラッシュメモリの仕様変更に対しても、使用する機器で互換性を確保することができる独自のシリアルプロトコルを採用し、最大書込速度1.5[MB/S] 、最大読出速度2.45[MB/S]の高速性能を実現していると共に、誤消去防止スイッチを設けて高い信頼性を確保している。
【0148】
従ってカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、このようなメモリスティック223を挿着可能に構成されているために、当該メモリスティック223を介して他の電子機器との間でデータの共有化を図ることができるようになされている。
【0149】
(2−3)カメラ付ディジタル携帯電話機の回路構成
図20に示すように、カメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、表示部212及び本体213の各部を統括的に制御するようになされた主制御部250に対して、電源回路部251、操作入力制御部252、画像エンコーダ253、カメラインターフェース部254、LCD(Liquid Crystal Display)制御部255、画像デコーダ256、多重分離部257、記録再生部262、変復調回路部258及び音声コーデック259がメインバス260を介して互いに接続されると共に、画像エンコーダ253、画像デコーダ256、多重分離部257、変復調回路部258及び音声コーデック259が同期バス261を介して互いに接続されて構成されている。
【0150】
電源回路部251は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することによりカメラ付ディジタル携帯電話機MS3を動作可能な状態に起動する。
【0151】
カメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、CPU、ROM及びRAM等でなる主制御部250の制御に基づいて、音声通話モード時にマイクロフォン221で集音した音声信号を音声コーデック259によってディジタル音声データに変換し、これを変復調回路部258でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部262でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナ214を介して送信する。
【0152】
またカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、音声通話モード時にアンテナ214で受信した受信信号を増幅して周波数変換処理及びアナログディジタル変換処理を施し、変復調回路部258でスペクトラム逆拡散処理し、音声コーデック259によってアナログ音声信号に変換した後、これをスピーカ217を介して出力する。
【0153】
さらにカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、データ通信モード時に電子メールを送信する場合、操作キー219及びジョグダイヤル222の操作によって入力された電子メールのテキストデータを操作入力制御部252を介して主制御部250に送出する。
【0154】
主制御部250は、テキストデータを変復調回路部258でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部262でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナ214を介して基地局CS3(図17)へ送信する。
【0155】
これに対してカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、データ通信モード時に電子メールを受信する場合、アンテナ214を介して基地局CS3から受信した受信信号を変復調回路部258でスペクトラム逆拡散処理して元のテキストデータを復元した後、LCD制御部255を介して液晶ディスプレイ218に電子メールとして表示する。
【0156】
この後カメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、ユーザの操作に応じて受信した電子メールを記録再生部262を介してメモリスティック223に記録することも可能である。
【0157】
一方カメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、データ通信モード時に画像データを送信する場合、CCDカメラ216で撮像された画像データをカメラインターフェース部254を介して画像エンコーダ253に供給する。
【0158】
因みにカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、画像データを送信しない場合には、CCDカメラ216で撮像した画像データをカメラインターフェース部254及びLCD制御部255を介して液晶ディスプレイ218に直接表示することも可能である。
【0159】
画像エンコーダ253は、CCDカメラ216から供給された画像データを例えばMPEG(Movig Picture Experts Group )2やMPEG4等の所定の符号化方式によって圧縮符号化することにより符号化画像データに変換し、これを多重分離部257に送出する。
【0160】
このとき同時にカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、CCDカメラ216で撮像中にマイクロフォン221で集音した音声を音声コーデック259を介してディジタルの音声データとして多重分離部257に送出する。
【0161】
多重分離部257は、画像エンコーダ253から供給された符号化画像データと音声コーデック259から供給された音声データとを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変復調回路部258でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部262でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナ214を介して送信する。
【0162】
これに対してカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、データ通信モード時に例えば簡易ホームページ等の画像データを受信する場合、アンテナ214を介して基地局CS3から受信した受信信号を変復調回路部258でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化データを多重分離部257に送出する。
【0163】
多重分離部257は、多重化データを分離することにより符号化画像データと音声データとに分け、同期バス261を介して当該符号化画像データを画像デコーダ256に供給すると共に当該音声データを音声コーデック259に供給する。
【0164】
画像デコーダ256は、符号化画像データをMPEG2やMPEG4等の所定の符号化方式に対応した復号化方式でデコードすることにより再生画像データを生成し、これをLCD制御部255を介して液晶ディスプレイ218に、例えば簡易ホームページにリンクされた画像として表示する。
【0165】
このとき同時に音声コーデック259は、音声データをアナログ音声信号に変換した後、これをスピーカ217を介して、例えば簡易ホームページにリンクされた音声として出力する。
【0166】
この場合も電子メールの場合と同様にカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、受信した簡易ホームページの画像データをユーザの操作により記録再生部262を介してメモリスティック223に記録することが可能である。
【0167】
かかる構成に加えてカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、主制御部250のROMに第1の実施の形態と同様のサイバージェスチャープログラム180(図15)及びジョグダイヤルサーバプログラム182が格納されており、所定のアプリケーションソフトウェア183に基づくアクティブウィンドウ画面を液晶ディスプレイ218に表示した状態で、サイバージェスチャープログラム180に基づいてアクティブウィンドウ画面にジェスチャー認識画面100(図6)を重ねて表示し得ると共に、当該ジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106にCCDカメラ216で撮像したユーザの画像を表示し得るようになされている。
【0168】
次にカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、第1の実施の形態と同様に図5〜図16に示したように、主制御部250の制御によりジェスチャー認識画面100のジェスチャー認識表示エリア106に表示したユーザの画像の中から肌色領域Rを検出し、そのうち動きのある肌色領域Rを手の平領域として認識した後、当該手の平領域のジェスチャー動作に応じた所定のコマンドをジョグダイヤルサーバプログラム182を介してアプリケーションソフトウェア183に供給する。
【0169】
これによりカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、第1の実施の形態におけるノートパソコン1と同様に、主制御部250の制御によりアプリケーションソフトウェア183に従ってジェスチャー認識画面100の背景に表示されているアクティブウィンドウ画面の静止画をコマンドに応じて所望方向に画像送りし得るようになされている。
【0170】
(2−4)第2の実施の形態における動作及び効果
以上の構成においてカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、主制御部250がサイバージェスチャープログラム180を起動することにより、ジェスチャー認識画面100におけるジェスチャー認識表示エリア106のほぼ中央部分に、5個の正方形状に形成されたターゲット107A〜107Eからなるターゲット部107を横一列に順次配列して表示する。
【0171】
これによりカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、第1の実施の形態と同様に、ユーザの手が動かされたときの移動方向として左右方向の動作を当該カメラ付ディジタル携帯電話機MS3が認識可能であることを当該ユーザに対して想像させることができるので、認識可能な移動方向をユーザに対して予め確実に通知することができる。
【0172】
またカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、各ターゲット107A〜107Eの枠部分107AF〜107EFを赤色表示することにより、背景のグレースケール表示に対してターゲット107A〜107Eを視認し易く表示することができる。
【0173】
以上の構成によればカメラ付ディジタル携帯電話機MS3は、サイバージェスチャープログラム180に従ってジェスチャー認識画面100におけるジェスチャー認識表示エリア106のほぼ中央部分に、5個の正方形状に形成されたターゲット107A〜107Eからなるターゲット部107を横一列に順次配列して表示することにより、ユーザの手が動かされたときの移動方向として左右方向の動作を当該カメラ付ディジタル携帯電話機MS3が認識可能であることを当該ユーザに対して予め確実に通知することができる。
【0174】
(3)他の実施の形態
なお上述の第1及び第2の実施の形態においては、ノートパソコン1及びカメラ付ディジタル携帯電話機MS3がユーザの手に関する移動方向として左右方向の動きを認識可能であることを認識可能移動方向イメージ画像としてのジェスチャー認識画面100によってユーザに想像させて通知するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、縦一列に配列したターゲット部107を含むジェスチャー認識画面によって上下方向の動きを認識可能であることをユーザに対して想像させて通知するようにしても良い。
【0175】
また上述の第1及び第2の実施の形態においては、ジェスチャー認識画面100に表示した所定形状のマークとして正方形状に形成された各ターゲット107A〜107Eを用いるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば円形等の他の種々の形状に形成された各ターゲットを用いるようにしたり、任意のアニメーション画像を用いるようにしても良い。
【0176】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、認識対象としてユーザの動作を認識するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばユーザ以外にロボットや動物等の他の種々の認識対象の動作を認識するようにしても良い。
【0177】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、移動方向認識手段及び制御手段としてのCPU50及び250がHDD67のハードディスクやROMに予め格納されたサイバージェスチャープログラム180に基づいてジェスチャー認識画面100を表示することにより認識可能な移動方向をユーザに予め通知するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、サイバージェスチャープログラム180が格納されたプログラム格納媒体をノートパソコン1及びカメラ付ディジタル携帯電話機MS3にインストールすることにより、上述のジェスチャー認識画面100を表示するようにしても良い。
【0178】
このように上述した一連の処理を実行するサイバージェスチャープログラム180をノートパソコン1及びカメラ付ディジタル携帯電話機MS3にインストールし、当該ノートパソコン1及びカメラ付ディジタル携帯電話機MS3にインストールにおいて実行可能な状態にするために用いられるプログラム格納媒体としては、例えばフロッピーディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versataile Disc )等のパッケージメディアのみならず、サイバージェスチャープログラム180が一時的もしくは永続的に格納される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。また、これらプログラム格納媒体にサイバージェスチャープログラム180を格納する手段としては、ローカルエリアネットワークやインターネット、ディジタル衛生放送等の有線及び無線通信媒体を利用しても良く、ルータやモデム等の各種通信インターフェースを介して格納するようにしても良い。
【0179】
さらに上述の第1及び第2の実施の形態においては、本発明の情報処理装置としてノートパソコン1及びカメラ付ディジタル携帯電話機MS3に適用するようにした場合について述べたが、携帯情報端末MS1及びMS2等の他の種々の情報処理装置に適用するようにしても良い。
【0180】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、撮像手段によって認識対象を撮像することにより得られた画像の色成分に基づいてユーザの顔部分や手の平部分の肌色領域と、服装部分の非肌色領域とを判別し、肌色領域が画像の中に存在することを判別したとき、画像の現フレームと隣接フレームとにおける肌色領域の座標値の差分に基づいて当該肌色領域の移動距離及び移動方向を求め、当該移動距離に対応した動き速度に基づいて当該肌色領域が顔部分であるのか、或は手の平部分であるのかを判別し、肌色領域が手の平部分であることを判別したとき当該手の平部分の動きを認識し、手の平部分の動きを表した軌跡と、当該動きに対する認識過程とを、所定のフィードバック画面において手の平部分の動きに合わせて所定方向へ配列された所定形状でなる複数のターゲットを介して表示し、手の平部分の動きに応じた所定の処理を実行することにより、手の平部分を動かしたときの動きと正確に認識し、その動きに応じた所定の処理を確実に実行し得る情報処理装置、情報処理方法及び記録媒体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるノートブック型パーソナルコンピュータの全体構成を示す略線的斜視図である。
【図2】本体の左側面の構成を示す略線図である。
【図3】本体の後側面及び底面の構成を示す略線図である。
【図4】ノートブック型パーソナルコンピュータの回路構成を示すブロツク図である。
【図5】ジェスチャー認識処理手順を示すフローチャートである。
【図6】アクティブウィンドウ画面上に重ねて表示されたジェスチャー認識画面を示す略線図である。
【図7】ジェスチャー認識画面の構成を示す略線図である。
【図8】ターゲットの構成を示す略線図である。
【図9】手の位置情報に関する取得処理手順を示すフローチャートである。
【図10】YUV色度空間上に表される色領域を示す略線図である。
【図11】サーチ状態のジェスチャー認識画面を示す略線図である。
【図12】ポインタ及び手の平領域認識枠がオーバーラップ表示されたジェスチャー認識画面を示す略線図である。
【図13】ジェスチャー動作に関する判断処理手順を示すフローチャートである。
【図14】指先移動距離の算出の説明に供する略線図である。
【図15】ソフトウェア的な処理の流れの説明に供する略線図である。
【図16】ビジュアルフィードバック画面を示す略線図である。
【図17】第2の実施の形態におけるネットワークシステムの全体構成を示す略線図である。
【図18】カメラ付ディジタル携帯電話機の外観構成を示す略線的斜視図である。
【図19】カメラ部を回動したときの表示部を示す略線的斜視図である。
【図20】カメラ付ディジタル携帯電話機の回路構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1……ノートブック型パーソナルコンピュータ、2、213……本体、3、212……表示部、4、219……操作キー、8、216……CCDカメラ、10、218……液晶ディスプレイ、11……撮像部、24、222……ジョグダイヤル、50……CPU、53……RAM、100……ジェスチャー認識画面、107……ターゲット部、108……ポインタ、109……手の平領域認識枠、120……軌跡表示枠、121……方向表示枠、200……ネットワークシステム、MS1、MS2……携帯情報端末、MS3、MS4……カメラ付ディジタル携帯電話機、CS1〜CS4……基地局、INW……公衆回線網、214……アンテナ、223……メモリスティック、250……主制御部、251……電源回路部、252……操作入力制御部、253……画像エンコーダ、254……カメラインターフェース部、255……LCD制御部、256……画像デコーダ、257……多重分離部、258……変復調回路部、259……音声コーデック、260……メインバス、261……同期バス、262……記録再生部。

Claims (5)

  1. 撮像手段によって認識対象を撮像することにより得られた画像の色成分に基づいてユーザの顔部分や手の平部分の肌色領域と、服装部分の非肌色領域とを判別する色領域判別手段と、
    上記色領域判別手段によって上記肌色領域が上記画像の中に存在することを判別したとき、上記画像の現フレームと隣接フレームとにおける上記肌色領域の座標値の差分に基づいて当該肌色領域の移動距離及び移動方向を求め、当該移動距離に対応した動き速度に基づいて当該肌色領域が上記顔部分であるのか、或は上記手の平部分であるのかを判別する手の平部分判別手段と、
    上記手の平部分判別手段によって上記肌色領域が上記手の平部分であることを判別したとき、当該手の平部分の動きを認識する認識手段と、
    上記認識手段によって認識された上記手の平部分の動きを表した軌跡と、当該動きに対する認識過程とを、所定のフィードバック画面において上記手の平部分の動きに合わせて所定方向へ配列された所定形状でなる複数のターゲットを介して表示する認識結果フィードバック手段と、
    上記認識手段によって認識された上記手の平部分の動きに応じた所定の処理を実行する制御手段と
    を具える情報処理装置。
  2. 上記制御手段は、上記手の平部分の動きを認識した直後の所定数フレーム分の上記画像に対しては上記所定の処理を実行中であるため上記認識手段に対する認識処理を実行させないようにする
    求項1に記載の情報処理装置。
  3. 上記認識結果フィードバック手段は、上記複数のターゲットに対して所定色のポインタを重ね、上記手の平部分の動きに応じた移動速度で当該ポインタを移動させながら表示する
    求項2に記載の情報処理装置。
  4. 撮像手段によって認識対象を撮像することにより得られた画像の色成分に基づいて色領域判別手段によりユーザの顔部分や手の平部分の肌色領域と、服装部分の非肌色領域とを判別する色領域判別ステップと、
    上記色領域判別ステップによって上記肌色領域が上記画像の中に存在することを判別したとき、手の平部分判別手段により、上記画像の現フレームと隣接フレームとにおける上記肌色領域の座標値の差分に基づいて当該肌色領域の移動距離及び移動方向を求め、当該移動距離に対応した動き速度に基づいて当該肌色領域が上記顔部分であるのか、或は上記手の平部分であるのかを判別する手の平部分判別ステップと、
    上記手の平部分判別ステップによって上記肌色領域が上記手の平部分であることを判別したとき、認識手段により当該手の平部分の動きを認識する認識ステップと、
    上記認識ステップによって認識された上記手の平部分の動きを表した軌跡と、当該動きに対する認識過程とを、認識結果フィードバック手段により、所定のフィードバック画面において上記手の平部分の動きに合わせて所定方向へ配列された所定形状でなる複数のターゲットを介して表示する認識結果フィードバックステップと、
    上記認識ステップによって認識された上記手の平部分の動きに応じた所定の処理を制御手段により実行する処理実行ステップと
    を具える情報処理方法
  5. コンピュータに、
    撮像手段によって認識対象を撮像することにより得られた画像の色成分に基づいてユーザの顔部分や手の平部分の肌色領域と、服装部分の非肌色領域とを判別する色領域判別ステップと、
    上記色領域判別ステップによって上記肌色領域が上記画像の中に存在することを判別したとき、上記画像の現フレームと隣接フレームとにおける上記肌色領域の座標値の差分に基づいて当該肌色領域の移動距離及び移動方向を求め、当該移動距離に対応した動き速度に基づいて当該肌色領域が上記顔部分であるのか、或は上記手の平部分であるのかを判別する手の平部分判別ステップと、
    上記手の平部分判別ステップによって上記肌色領域が上記手の平部分であることを判別したとき、当該手の平部分の動きを認識する認識ステップと、
    上記認識ステップによって認識された上記手の平部分の動きを表した軌跡と、当該動きに対する認識過程とを、所定のフィードバック画面において上記手の平部分の動きに合わせて所定方向へ配列された所定形状でなる複数のターゲットを介して表示する認識結果フィードバックステップと、
    上記認識ステップによって認識された上記手の平部分の動きに応じた所定の処理を実行する処理実行ステップと
    実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
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