JP4414146B2

JP4414146B2 - Reversible recording medium writing ink composition, reversible recording medium rewriting method

Info

Publication number: JP4414146B2
Application number: JP2003061763A
Authority: JP
Inventors: 恭治筒井; 浩美古屋; 毅渋谷; 仁服部; 孝大隈; 弘行出縄; 康司吉岡
Original assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd; Ricoh Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd; Ricoh Co Ltd
Priority date: 2003-03-07
Filing date: 2003-03-07
Publication date: 2010-02-10
Anticipated expiration: 2023-03-07
Also published as: JP2004269669A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エネルギーを加えることによって可逆的に発色状態と消色状態を形成できる記録層を有し、印字と消去を繰り返し書き替えが可能な可逆性記録媒体表面に加筆できるインク組成物に関し、および加筆し一旦形成されたインク画像を除去可能なインク組成物に関する。
また、前記インク組成物による加筆画像を含む印字画像の書き替え方法および書き替え記録装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来のハードコピーは、紙などの記録媒体に外部からインクあるいはトナーなどの着色剤を付着固定して画像形成を行なうか、あるいは感熱記録紙のように紙などの基材上に記録層を設け、これにエネルギーを加えて可視画像を形成するなど、永久画像を形成するものであった。しかし、複写機やファクシミリの普及、コンピューターからの情報出力によって紙を主体とする記録媒体の消費量が急激に増大し、自然破壊やエネルギー消費、廃棄物処理などの社会問題を引き起こしている。
【０００３】
これらの問題を解決するため、いったん記録した可視画像を消去でき、繰り返して画像形成が可能な記録媒体が注目されている。例えば、脂肪酸などの有機低分子結晶粒子を分散した高分子膜の光散乱性変化を利用し、透明と白濁の二つの状態を可逆的に形成できる記録媒体がある（例えば、特許文献１参照。）。
そして、この記録媒体は、すでに磁気カードの内容表示部として実用化されている。しかし、表示される画像は黒や青の着色地肌、またはアルミ蒸着膜などの光反射性の地肌に白色の印字となるので、通常のハードコピーとしては違和感が大きいという問題がある。
【０００４】
この問題に対し、発色と消色の二状態をとり得るロイコ染料を用い、白色地肌に可逆的に発色印字画像を形成できる可逆性記録媒体が提案されている（例えば、特許文献２〜７参照。）。
この記録媒体の発色消色は加熱温度および／または冷却速度の違いによって制御されるものである。ロイコ染料と特定の顕色剤が用いられたこの種の記録媒体は、繰り返し印字／消去が可能であり、紙を使い捨てる代わりにこの可逆性記録媒体を使用すれば省資源、省エネルギーに有効である。
【０００５】
図１は、該可逆性感熱記録媒体の概念を示す断面図であり、後で詳述する。
該可逆性感熱記録媒体の代表的な例は、図１（ａ）のように支持体（１１）上面に可逆性感熱記録層（１２）、保護層（１３）が順次積層されたものである。また、もう一つの代表的な例は、図１（ｂ）のように支持体（１１）の上面に可逆性感熱記録層（１２）、保護層（１３）が積層され、さらに支持体下面にバックコート層（１５）を設けたものである。
【０００６】
また、図２は、該可逆性感熱記録媒体の基本的な発色／消色プロセスを示す図である。
図２の（ａ）と（ｂ）は材料の違いによる発色消色プロセスの代表的な二つの例である。いずれも消色した状態から加熱し、可逆発色成分が溶融する温度Ｔ_１以上にいったん加熱したのち急冷するとロイコ染料が発色状態で固定され、発色状態からＴ_１より低温側にある消色温度範囲（Ｔ_２〜Ｔ_１）に加熱するとロイコ染料が消色し、元の状態に戻り、該記録媒体の可逆性を示している。
【０００７】
オフィスではコンピューターのディスプレイ上の情報を一時的にレーザープリンタなどの出力装置によって、ハードコピーとして出力し、その内容を確認するとともに、修正の必要箇所に筆記用具により加筆したり、重要な部分を蛍光ペン等でマーキングすることが頻繁に行われている。
しかし、上記のような可逆性記録媒体へ印字したものに、加筆またはマーキングした場合、印字画像を書き替えようとする際に、記録媒体表面に付着している加筆インク成分が消去用加熱ヒータや印字部のサーマルヘッドに付着し、焼きついてつまうことになる。
消去ヒータやサーマルヘッドに固着した加筆インクの残滓は、可逆性記録媒体の印字画像の消去品質および印字品質を著しく低下させ、消去残り、印字のかすれを生じ、書き替えを不可能にしてしまう。
【０００８】
このような不具合を解消するため、発熱素子をもたせた熱ペンによって可逆記録層を発色させて加筆しようとする方法があるが、この方法では可逆記録層の発色の色と同じ加筆しかできず、例えば通常行なわれるような赤字の書き込みは不可能であり、充分な効果は得られない。また、熱ペンは皮膚へ接触させると火傷を負う可能性があり、安全性の上からも好ましくない。
【０００９】
可逆性感熱記録媒体表面に筆記具によって形成されたインク画像を除去することについて、既に提案された技術がある。
先ず、電子黒板に可逆性感熱記録媒体を用い、クリーニング手段によって印字の書き替え前に筆記インクをクリーニングし、クリーニング手段として具体的には弾性体のブレードを使用する提案がある（例えば、特許文献８参照。）。
【００１０】
また、可逆性感熱記録シートに筆記できるインキおよびその筆記されたインキ画像を加熱によって軟化させてロールに転写し掻きとる提案がある（例えば、特許文献９参照。）。
【００１１】
さらに、ロイコ型可逆性感熱記録媒体の表面に付着した物質を除去するシート状の除去部材を供給する機構を設け、該除去部材を圧接ローラで前記表面に押し付けながら、記録媒体と除去部材を反対方向に移動させて、付着物質を除去する装置に関する技術がある（例えば、特許文献１０参照。）。
【００１２】
このような状況下で可逆性記録媒体表面に実用的な加筆のためには、可逆性記録媒体への筆記具によるインク画像の書き込みを可能にし、しかも、記録媒体を書き替えるときには、消去用ヒータおよびサーマルヘッドへ記録媒体が入る前に、表面から加筆物を完全に除去しておくことが必要である。
しかしながら、一方、加筆したインクは通常の扱いの中で手の接触や紙同士の接触によって簡単に取れてしまうようでは、使用に耐えられない。通常の扱いでは取れない程度の付着力で記録媒体上に加筆されている必要がある。
また、加筆物は書き替え記録装置の中で記録層の書き替え前に完全に除去できなくてはならない。少しでも加筆物が残っていると、消去ヒータやサーマルヘッドの上に付着蓄積して画像品質を低下させる。
したがって、可逆性記録媒体への筆記具による加筆と、加筆物を完全に除去して消去するのに適切なインク組成物については、従来には全くなかった新たな課題である。
【００１３】
【特許文献１】
特開昭５５−１５４１９８号公報
【特許文献２】
特開平５−１２４３６０号公報
【特許文献３】
特開平１０−５８７２４号公報
【特許文献４】
特開平１１−２６８４１９号公報
【特許文献５】
特開平１１−１９２７３７号公報
【特許文献６】
特開２００２−１６０４５５号公報
【特許文献７】
特開平１１−１９２７７９号公報
【特許文献８】
特開平６−３２０９５号公報
【特許文献９】
特開平７−７０５０２号公報
【特許文献１０】
特開２００２−５２７４８号公報
【００１４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記のような可逆性記録媒体の加筆消去という新たな課題に対し、可逆性記録媒体へ加筆したインク像が文書として使用する時には容易に剥離せず、しかも記録媒体の印字画像書き替え時には確実に除去されて印字画像を消去できさらに再作成できるインク組成物を提供することである。
また、本発明の課題は、可逆記録媒体への実用的な加筆と確実な画像書き替えを可能にする書き替え記録方法を提供し、さらにその方法に基づく可逆性記録媒体書き換え装置を提供し、可逆性記録媒体を一時使用の目的に使われている紙の代替として有効に使用できるようにすることである。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために、筆記による加筆インク像が形成された可逆性記録媒体を文書として扱う時には、そのインクは容易に剥離しないが、一旦そのインク像が不要になった場合には可逆性記録媒体から容易に除去でき、その結果加熱印字ヘッドにインク付着が発生せず、確実に印字画像を消去できるレベルに、そのインク組成物または可逆性記録媒体の物性を制御することを検討し、本発明を完成するに至ったものである。
【００１６】
すなわち、上記課題は、本発明の（１）「エネルギーを加えることによって可逆的に画像形成と消去が可能な可逆性記録媒体の表面に加筆するのに用いられ、少なくとも着色剤、アルコール可溶性樹脂、ノニオン系界面活性剤、および低級アルコールを主成分として含有するインク組成物であって、蒸留水に対する動的前進接触角が８６．０±２．０度であり、かつ動的後退接触角が７８．０±２．０度の評価用標準表面シートの表面上に前記インク組成物によって形成後乾燥された描線に関し、（１）該描線の幅の収縮率が乾燥前の２０％未満であり、かつ（２）粘着セロハンテープを用いて行なわれる１６５度方向の剥離試験によって（ａ）３０ｍｍ／ｓｅｃの速度で剥離したとき該描線の付着率が１０％以下で（ｂ）０．３ｍｍ／ｓｅｃの速度で剥離したときの該描線の付着率が８０％以上であることを特徴とする可逆性記録媒体加筆用インク組成物」、（２）「エネルギーを加えることによって可逆的に画像形成と消去が可能な可逆性記録媒体の表面に加筆するのに用いられ、少なくとも着色剤、アルコール可溶性樹脂、ノニオン系界面活性剤、および低級アルコールを主成分として含有するインク組成物であって、動的後退接触角が７５度以上１００度以下の表面層を有する可逆性記録媒体の表面に加筆したインク画像を繊維質からなるシート状部材を押付け摺接してインクを除去する加筆消去方法に用いられることを特徴とする可逆性記録媒体加筆用インク組成物」、（３）「前記ノニオン系界面活性剤が、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルから選ばれた少なくとも１種であることを特徴とする前記第（１）項又は第（２）項に記載の可逆性記録媒体用加筆用インク組成物」、（４）「前記ノニオン系界面活性剤が２５℃において固体であることを特徴とする前記第（１）項乃至第（３）項の何れかに記載の可逆性記録媒体用加筆インク組成物」、（５）「全インク組成物中に占める前記ノニオン系界面活性剤が２〜１０重量％の範囲であることを特徴とする前記第（１）項乃至第（４）項の何れかに記載の可逆性記録媒体用加筆インク組成物」、（６）「全インク組成物中に占める前記アルコール可溶性樹脂が１．５〜１０重量％の範囲にあることを特徴とする前記第（１）項乃至第（５）項の何れかに記載の可逆性記録媒体加筆用インク組成物」、（７）「前記アルコール可溶性樹脂がロジン変性マレイン酸樹脂であることを特徴とする前記第（１）項乃至第（６）項の何れかに記載の可逆性記録媒体加筆用インク組成物」、（８）「前記着色剤が顔料とポリビニルブチラール樹脂からなり、両者の比率が重量で１：０．５〜１：２の範囲であることを特徴とする前記第（１）項乃至第（７）項の何れかに記載の可逆性記録媒体用加筆インク組成物」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の（９）「蒸留水に対する動的後退接触角が７５度以上１００度以下の範囲にある表面層を有する可逆性記録媒体に対し、エネルギーを印加して画像を形成した後、前記第（１）項乃至第（８）項のいずれかに記載の可逆性記録媒体用加筆インク組成物を保持した筆記具を用いて加筆画像を形成して使用し、使用終了後あらかじめ該加筆インク画像を除去した後、前記エネルギー印加画像を消去し、新たな画像をエネルギーを用いて記録することを特徴とする可逆性記録媒体の書き替え方法」、（１０）「加筆インク画像を、可逆性記録媒体表面へ繊維質からなるシート状のインク除去部材を押付け摺接させて除去することを特徴とする前記第（９）項に記載の可逆性記録媒体の書き替え方法」、（１１）「前記可逆性記録媒体の表面層がシリコーン変性ポリマーおよびフィラーを含有することを特徴とする前記第（９）項又は第（１０）項に記載の可逆性記録媒体の書き替え方法」、（１２）「加筆インク画像を、該記録媒体の移動方向に対して傾斜する方向に延びる弾性体のエッジ部を用い、繊維質シート状のインク除去部材を記録媒体表面に押付け摺接させて除去することを特徴とする前記第（９）項乃至第（１１）項のいずれかに記載の可逆性記録媒体の書き換え方法」によって解決される。
また、上記課題は、本発明の（１３）「エネルギー印加によって画像の書き替えが可能で、蒸留水に対する動的後退接触角が７５度以上１００度以下の範囲にある表面層を有する可逆性記録媒体に対し、エネルギー印加による画像形成後、前記第（１）項乃至第（８）項のいずれかに記載の可逆性記録媒体用加筆インク組成物を保持した筆記具を用いて加筆インク画像を形成した上で、該インク画像を除去した後、エネルギー印加により形成された前記画像をエネルギーを加えて消去するのに用いられる可逆性記録媒体の書き替え記録装置であって、該加筆インク画像の除去手段、画像状に印字エネルギーを加える記録手段および消去エネルギーを加える消去手段を有することを特徴とする可逆性記録媒体の書き替え記録装置」、（１４）「該除去手段が、繊維質シート状除去部材と該除去部材を記録媒体表面に押し付ける押付け部材および該押付け部材と対向する位置に設置された搬送部材から構成され、該押付け部材が記録媒体の移動方向に対して傾斜する方向に延びるエッジ部を有する弾性体であって、移動する記録媒体と除去部材を押付け部材と搬送部材が挟みこむように設置されたものであることを特徴とする前記第（１３）項に記載の可逆性記録媒体の書き替え記録装置」、（１５）「画像状にエネルギーを印加して記録する手段とエネルギーを印加して消去する手段を兼用することを特徴とする前記第（１３）項又は第（１４）項に記載の可逆性記録媒体の書き替え記録装置」によって解決される。
【００１７】
文書用に用いる可逆性記録媒体は、筆記用具によって加筆できる表面状態であることが、その使用上の利便性を高めるために必要である。この場合、加筆されたインク画像のインク成分が可逆性記録媒体自体を劣化させたり、可逆性記録層の構成分に何らかの悪影響をもたらさないものであることは言うまでもない。
また、加筆した状態の可逆性記録媒体を文書の閲覧用とする場合には、例えば重ねた該記録媒体同士のこすれや、筆記具を持つ手によるこすれ等によって、加筆インク画像が簡単にとれてしまうと、加筆情報が不完全なものとなってその価値が消滅するので、このような事態を発生しないような定着性を有する加筆インクであることが必要である。
一方、加筆されたインク画像が、消去ヘッドおよび印字ヘッドに汚れとして付着すると、画像の消去と形成を十分に行えなくなったり、画像品質の劣化を引き起こすことになるために、インク成分の消去ヘッドおよび印字ヘッドへの付着は、可逆性記録媒体を用いたプロセスにとってはあってはならないことであり、従がって記録媒体の印字画像の書き替え前には加筆インクの画像を、可能な限り完全に取り除いておくことが重要であり、インク組成物としてはそのような除去性を有するものであることが必要である。
【００１８】
本発明のインク組成物は、次の（Ａ）と（Ｂ）の条件を共に満たすものであり、上記のような要求を全て満足させることができるものである。
（Ａ）少なくとも着色剤、アルコール可溶性樹脂、ノニオン系界面活性剤、および低級アルコールを主成分として含有すること。
（Ｂ）蒸留水に対する動的後退接触角が７８±２度の評価用標準表面シートの表面上に前記インク組成物によって形成後乾燥された描線に関し、（１）該描線の幅の収縮率が乾燥前の２０％未満であり、かつ（２）粘着セロハンテープを用いて行なわれる１６５度方向の剥離試験によって（ａ）３０ｍｍ／ｓｅｃの速度で剥離したとき該描線の付着率が１０％以下で（ｂ）０．３ｍｍ／ｓｅｃの速度で剥離したときの該描線の付着率が８０％以上であること。
【００１９】
インク組成物を構成する材料の組み合わせを特定する条件（Ａ）は、実験による検証に基づいて多種類の材料の中から、可逆性記録媒体表面上に適度な固着性を持たせるためにアルコール可溶性樹脂を、可逆性記録媒体表面上における付着性を制御するためにノニオン系界面活性剤を、可逆性記録媒体表面上における加筆性とインク像の乾燥性を優れたものにするために低級アルコールをそれぞれ選択し規定されたものである。詳細については後述する。
【００２０】
しかしながら、本発明のインク組成物は、条件（Ａ）を充足しさえすれば本発明の課題を解決することができるものではなく、条件（Ａ）で規定される組成物のうち条件（Ｂ）を充足するものであることが必要である。
次に条件（Ｂ）について説明する。
【００２１】
＜評価用標準表面シートについて＞
該評価用標準表面シートは、条件（Ａ）で規定される組成物のうち条件（Ｂ）を充足するものを選定するために用いられる測定用具であり、シート状のものであって、「動的前進接触角が８６．０±２．０度、かつ動的後退接触角が７８±２度」でありさえすれば、特に限定されるものではなく、市販のシートあるいは別途作製するシートであって、動的前進接触角が８６．０±２．０度、かつ動的後退接触角が７８±２度であるものを用いることができる。
該動的前進接触角および動的後退接触角の数値は、Ｗｉｌｈｅｌｍｙ平板法による動的接触角計（オリエンテック社製ＤＣＡ−２０）を用い、試料の幅を２４ｍｍおよび試料の下降および上昇速度を２０ｍｍ／ｓｅｃにして測定し、この測定作業を５回繰り返して得られる測定値から平均値を算出し、求めるものである。
【００２２】
＜インク組成物の付着性について＞
本発明のインク組成物としては、前述のように、可逆性記録媒体表面上への定着性と必要時の除去性の言わば二律背反する性能を両立させることができるような物性を有するものであることが必要である。
本発明においてはその物性を付着性として捉え、前記評価用標準表面シートの表面上に形成後乾燥された描線に関し、粘着セロハンテープを用いて行なわれる１６５度方向の剥離試験によって（ａ）３０ｍｍ／ｓｅｃの速度で剥離したとき該描線の付着率が１０％以下で（ｂ）０．３ｍｍ／ｓｅｃの速度で剥離したときの該描線の付着率が８０％以上であるような付着性を有するインク組成物が、上記の二つの性能を合わせ持たせることができる。
この場合、本発明のインク組成物は、３０ｍｍ／ｓｅｃの速度で剥離したとき該描線の付着率が５％以下で、かつ０．３ｍｍ／ｓｅｃの速度で剥離したときの該描線の付着率が９０％以上であれば、上記の二つの性能を両立させるのにより好ましい。
【００２３】
この測定は、室温２０〜２５℃、相対湿度５０〜６０％の室内で行ない、描線の形成後１〜３時間放置した後セロハンテープを貼り付け、貼り付け後０．５分〜１分の間に剥離を開始する。剥離後の評価用標準表面シート上に残った加筆インク描線面積の初期の描線面積に対する割合を付着率（％）として求める。
表面に残った描線の面積は、各描線の中央部５〜７ｍｍの部分を実態顕微鏡で拡大して写真撮影し、その画像をイメージアナライザーで処理し、インク描線と試験表面とを区別して面積を算出して、求められる。
【００２４】
さらにこの付着性の測定法について、図３を用いて説明する。
図３（ａ）の（３１）は試料台、（３２）は前述の評価用標準表面シートを示している。
評価用標準表面シート（３２）の表面を上にして試料台（３１）に両面テープで全面を固定し、評価標準表面シート（３２）に加筆インクを用いて、長さ約１５ｍｍ、幅約１ｍｍの５本の描線（３４）を、図３（ｂ）に示されるように、約１０ｍｍの間に間隔をおいて書いておく。
粘着セロハンテープ（３３）（ＪＩＳ．Ｋ−５６００−５−６の塗膜の付着性試験に準ずる）を描線に平行な方向に貼りつけ、浮いた部分がないように指で擦って密着させる。図３に示すように同じ描線５本を２ヶ所に形成し、それぞれに粘着セロハンテープを貼りつける。
次に、一方のテープの端を指でつまみ、図３（ｃ）に示すように、１５０度の方向へ引っ張り、一方のテープを速度３０ｍｍ／ｓｅｃで剥離させ、もう一方のテープは速度０．３ｍｍ／ｓｅｃで剥離させた後、それぞれの付着率を上述の方法で算出する。
本発明のインク組成物は、速度３０ｍｍ／ｓｅｃの剥離によって測定された付着率の値が１０％以下で、かつ速度０．３ｍｍ／ｓｅｃの剥離によって測定された付着率の値が８０％以上となるような付着性を有するものである。
【００２５】
このような付着性を有する本発明のインク組成物を用いて、可逆性記録媒体上に形成された加筆インク画像は、文書として使用する際、こすれによる脱離が発生しにくく、記録媒体同士、記録媒体と紙あるいは加筆時の手等によるこすれによって、文字の一部が欠けて加筆インク画像自体が判読しにくくなるようなことはなく、また、必要時には容易に除去できるものであり、特に例えば繊維質シートを用いて摺接すると、可逆性記録媒体をいためることもなく、インク画像あるいはインク成分は可逆性記録媒体表面から完全に除去することが可能なものである。
完全に除去可能なものであるため、加熱手段の印字ヘッドおよび消去ヘッドに付着することもないので、可逆性記録媒体の可逆性記録層に記録された印字画像を消去し、さらに新たな印字画像を記録する、いわゆる書換えプロセスを支障なく行なうことができる。
【００２６】
＜インク組成物の収縮性について＞
本発明のインク組成物として、前述のように、可逆性記録媒体表面上に十分な筆記が可能とするような物性を有することが必要である。
本発明においてはその物性を収縮性として捉え、すなわち、前記試験用標準表面シートの表面上に形成後乾燥された描線に関し、該描線の幅の収縮率が乾燥前の２０％未満であるような収縮性を有するインク組成物を用いると、上記の筆記性を持たせることが可能となる。
この場合、本発明のインク組成物は、収縮率が乾燥前の１０％未満であれば、所望の筆記性を持たせるのにより好ましい。
【００２７】
この収縮性の測定について、図４を用いて説明する。
この測定は、室温２０〜２５℃、相対湿度５０〜６０％の室内で行ない、本発明のインク組成物を用いた筆記用ペンを用い、そのペン先と前述の試験用標準表面シート（３２）との接触幅ｄ_０を一定にして、３本の描線（直線）（３４）を書いた後、１０分間放置して乾燥し該描線の太さを測定し、３本の平均値ｄを求め、ペン先の接触幅ｄ_０に対する描線の縮み量（ｄ₀−ｄ）の割合（％）を収縮率として算出する。
なお、描線の状態は両側が直線となりほぼ一定の太さになる場合と、両側に凹凸ができて太さが一定にならない場合とがあり、後者の場合における太さの測定については、図４（ｂ）のように最も細くなるところを測定しｄとする。
本発明のインク組成物は、この収縮率の値が２０％未満であるような収縮性を有するものであり、このようなインク組成物を用いて可逆性記録媒体上に加筆しても、インクがはじいて液状に溜まることもなく、短時間に乾燥し、さらに未乾燥の状態で手や他の紙に触れても汚れてしまうようなこともなく、いわゆる筆記性の優れたものである。
【００２８】
また、本発明のインク組成物として、エネルギーを加えることによって可逆的に画像形成と消去が可能な可逆性記録媒体の表面に加筆するのに用いられ、少なくとも着色剤、アルコール可溶性樹脂、ノニオン系界面活性剤、および低級アルコールを主成分として含有するインク組成物であって、動的後退接触角が７５度以上１００度以下の表面層を有する可逆性記録媒体の表面に加筆したインク画像を繊維質からなるシート状部材を押付け摺接してインクを除去する加筆消去方法に用いられるような性質を有するものが、本発明の課題を解決し、先述するような筆記性、定着性および必要時の除去性についての要求を全て満足させるものとして有効である。
これらの、インク組成物を構成する各成分、７５度以上１００度以下の動的後退接触角を有する可逆性記録媒体および繊維質からなるシート状のインク除去部材については、後述する。
【００２９】
【発明の実施の形態】
本発明が適用可能な可逆性記録媒体について説明する。
この可逆性記録媒体としては、例えば熱、光、電気、磁気などのエネルギーを利用し、目視できる画像を可逆的に形成できる層を有するものであれば良く、その書き替えすなわち画像の消去と印字は一種のエネルギーだけを用いるものであっても、二種以上のエネルギーを組み合わせて用いるものであっても良く、特に限定的ではない。
以下に、代表的な可逆記録層よび材料を例示するが、これらに限定されるものではない。
【００３０】
まず、熱を用いて書き換えを行なう可逆性感熱記録媒体には、ロイコ染料の可逆発色を用いるものが代表例として挙げられる。これは高いコントラストの発色画像が形成できるので、本発明における文書用としては最も好適なものである。このロイコ型の記録媒体については後述する。
熱を利用して書き替えを行なう記録媒体としては、この他に以下のような記録媒体を挙げることができる。
例えば、特許文献１に記載されるような、高分子中に低分子化合物の結晶粒子を分散させた複合膜の光散乱性の可逆変化を利用した記録層、高分子液晶層の光散乱性の可逆変化を利用した記録層を用いるものがある。
前者は、通常低分子化合物の融点以上に加熱することによって、記録層を白濁化して印字し、これより低い温度に加熱することによって透明に戻し消去する。
後者は、等方点以上への加熱急冷で記録層を透明化して印字し、加熱徐冷によって白濁状態にすることによって白濁に戻し消去するものである。
この他にも、例えば液晶材料や高分子材料を単独または組み合わせて用い、加熱温度または加熱後の冷却速度の違いによって記録と消去を行なう記録媒体がある。
【００３１】
また、電気的に画像形成でき、画像の保持に電力を必要としないメモリー性を有する可逆性記録媒体がある。中でも電界によって印字・消去できる記録層は消費電力が小さくできるため特に好ましい。
このような記録層には液晶材料を用いたものがある。例えば、強誘電性高分子液晶の層は安定なメモリー性を有しており書き替え型記録層として好ましい。また、メモリー性を持つスメクチック液晶やコレステリック液晶材料も利用できる。
これらの液晶材料は、記録層の偏光特性の変化を利用した画像形成が可能であるが、これ以外にも二色性色素を含有させることにより、着色画像を可逆的に形成することもできる。
これらの記録層は、電界で可逆的に画像形成するのが一般的であるが、電界だけではなく、例えば熱などの他のエネルギーとの組み合わせで画像の書き替えを可能にしたり、画像保持特性を向上させる方式がある。
【００３２】
また、電気的に書き替え記録ができる可逆性記録媒体には、電気泳動材料を使うものも利用できる。これは、例えば着色した溶媒中に酸化チタンなどの白色の微粒子を分散し、この粒子を電界により移動させて可逆的に画像形成を行なう。
特に、この電気泳動材料をマイクロカプセル中に閉じこめ、これを高分子フィルムなど支持体上に樹脂によって固定した記録層は、文書用書き替え型可逆性記録媒体として好適である。
さらに、球状の粒子であり、その球の半分が着色し、あとの半分が白色の粒子をマイクロカプセル中に媒質とともに閉じこめ、このマイクロカプセルを支持体上に保持させ、球体を電界により回転させて画像を可逆的に形成する記録媒体も本発明に適用可能である。
このような記録層の電界による画像形成では、静電スタイラスや、これをライン状に並べたヘッドによる書き込み、イオンフローによる書き込み、あるいは電子写真感光体などを利用し静電潜像を記録媒体上に転写する方法など公知の書き込み方法が利用できる。
【００３３】
これらのうち、特にロイコ染料を用い、熱によって可逆的に発色／消色する材料を用いた記録媒体が白色の地肌にコントラストの高い画像を形成でき、実用的な書き替え特性をもっており、本発明を適用する最も好ましい可逆性記録媒体である。
このロイコ型可逆性感熱記録媒体には、加熱温度および／または加熱後の冷却速度の違いによって、発色および消色するものが包含され、また、例えば、特許文献２、３、４、５等に詳述されている。
【００３４】
図１は、本発明が適用される可逆性感熱記録媒体（以下、記録媒体とも言う）例を示す断面図である。
記録媒体の代表的な例としては、図１（ａ）のように支持体（１１）上面に可逆性感熱記録層（１２）、保護層（１３）が順次積層されたものである。
また、もう一つの代表的な例としては、図１（ｂ）のように支持体（１１）の上面に可逆性感熱記録層（１２）、保護層（１３）が積層され、さらに支持体下面にバックコート層（１５）を設けたものである。
【００３５】
支持体（１１）には、紙、合成紙、プラスチックフィルムなどが用いられる。
支持体として用いる紙は、あらかじめ平滑性や白色度などを高めるためフィラーを結着材とともに塗布したコート紙が好ましく用いられる。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）フィルムなどが用いられる。フィルムは透明であっても、フィラーを分散させて白色にしたものであっても良い。
支持体の表面には必要に応じて、あらかじめ定型文書のフォームなど画像情報が印刷されてあっても良い。
支持体（１１）の厚さは、０．０５ｍｍ〜０．５ｍｍ程度が好ましいが、特に文書用として用いる場合は、扱いやすさの点で一般に用いられている紙と同程度の０．０５ｍｍから０．２５ｍｍが好ましい。
【００３６】
可逆性感熱記録層（１２）は、熱の印加条件によって可視光に対する吸収、透過、反射、散乱などの光学特性が変化する材料であり、可逆的に二つの状態に室温で固定できる材料を含む層である。特に、高いコントラストが得られ視認性に優れた記録層として、ロイコ染料の可逆発色を用いた記録層が好ましい。
ロイコ染料としては、例えばフタリド系化合物、アザフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン系化合物などが用いられる。
また、ロイコ染料を可逆的に発色させる顕色剤として、フェノール性水酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基などの酸性基と分子間凝集力を制御する長鎖の炭化水素基を連結した化合物が用いられる。これらの顕色剤の連結基や長鎖炭化水素基の間にはヘテロ原子を含む二価の基を有していてもよい。
具体的には、前述の特許文献２に記載されている記録媒体が使用できる。
記録層はこれらの可逆発色材料と樹脂によって形成され、樹脂は書き替えの繰り返しにともなう熱的、機械的ストレスに強い硬化型の樹脂が好ましい。
記録層の厚さは３μｍから１５μｍ程度である。
【００３７】
保護層（１３）は、印字に用いるサーマルヘッドからの熱的、機械的なストレスから記録層を保護し、表面のダメージを防ぐ層であり、そのの厚さは１μｍから１０μｍ程度である。
該保護層（１３）として、紫外線によるロイコ染料の分解を防止するため紫外線を吸収する機能をもつことが好ましい。
また、紫外線吸収性と熱的、機械的強度を別々の層で機能分離してもたせ、保護層を二層以上の構成にしても良い。いずれにしても強度の点から硬化型樹脂を用いることが好ましい。
さらに、印字するときのサーマルヘッドとの滑りも重要であり、表面にある程度の凹凸をつけるために保護層にフィラーを加えることもできる。
また、文書用として用いるには、記録媒体の表面の光沢がある程度低いことも求められるが、これについても保護層にフィラーを添加することによって達成することができる。
保護層には、この他に着色剤を含有させることもできる。特に文書用では普通の紙と混在したとき、可逆性記録媒体を容易に区別できるようにするため着色することがある。
【００３８】
可逆性記録媒体への加筆とその消去を実現する上で、可逆性記録媒体の最上層の表面状態が重要である。
通常、保護層が最上層になることが多く、保護層は加筆とその消去のために適した材料設計が求められる。
具体的には、インクがはじかずに加筆でき、形成されたインク画像は固着せずある程度の機械的な力ではがれるような付着力にする必要がある。
特に好ましい保護層の表面状態は、蒸留水に対する動的後退接触角が７５度以上１００度以下の表面を持つものである。
これは、例えば硬化性樹脂にシリコーン系樹脂とフィラーを添加することによって得られ、具体的には特許文献６に記載される保護層が好ましく用いられる。
【００３９】
動的後退接触角がこの範囲になるようにするためには、表面の樹脂層にシリコーン系樹脂あるいはフッ素系の樹脂を用いることが好ましい。特に、シリコーン変性ポリマーを用いることがこのような表面物性の制御に好ましい。
シリコーン変性ポリマーとしては、シリコーングラフトポリマー、シリコーンブロックポリマー、シリコーン変性アクリルポリマー、シリコーン変性ポリビニルアルコール等が好ましいが、シリコーングラフトポリマーが特に好ましい。シリコーングラフトポリマーとしてはシリコーングラフトアクリルポリマー、シリコーングラフト変性ポリビニルアルコール等が好ましく、中でも熱、紫外線、電子線などによって架橋可能なポリマーが安定した加筆インク組成物の評価のため特に好ましく用いられる。
【００４０】
表面層には、これらのシリコーン変性ポリマーは単独または他の樹脂と混合して用いることができる。混合するポリマーとしては、ポリエステル、アクリル、ポリスチレン、ポリウレタンなど公知の熱可塑性樹脂、またはこれらが架橋剤で硬化可能な熱硬化性樹脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂などの硬化性樹脂が好ましい。
【００４１】
また、上記動的後退接触角の範囲の表面層を得るには、前記の樹脂成分に対し同時にフィラーを含有させることが好ましい。フィラーとしては従来公知の無機あるいは有機のフィラーが単独または混合して用いられる。好ましい有機フィラーの例としては、例えばシリコーン系樹脂、フッ素系樹脂アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂等の粒子、熱硬化性樹脂の中空粒子、ポリエチレンワックス、セラック、木粉、コルク粉末などが挙げられる。無機フィラーとしては、例えばシリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、鉄フェライト、ニッケルフェライト、チタン酸バリウム、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、含水珪酸、含水珪酸アルミニウム、含水珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、硫化亜鉛、硫酸バリウム、チタンカーバイド、シリコンカーバイド、モリブデンカーバイド、タングステンカーバイド、窒化アルミニウム、窒化珪素、窒化ホウ素、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化チタニウム、タルク、カオリン、クレーなどが挙げられる。特に好ましいものとしてカルシウムでコートされたシリカ粒子が用いられる。
【００４２】
フィラーは前記の樹脂に分散して用いられ、粒子径によって表面の凹凸形状が変化し動的後退接触角を制御する。粒子径が小さすぎると表面凹凸に現れず効果がない。大き過ぎると加筆インクが除去しにくくなる。この観点から、フィラー粒子径は０．２〜２μｍであるものが好ましく、特に好ましくは０．４〜１μｍのものが用いられる。
【００４３】
バックコート層（１５）は、特に紙を支持体とした場合に、紙が吸湿して伸縮したとき、記録媒体カールの発生を抑えることができるので、重要である。
バックコート層を構成する材料として、特に硬化型樹脂を用いることが好ましい。
支持体、記録層、保護層とのバランスによって材料の硬さと膜厚を選択する。
【００４４】
本発明に適用可能な可逆性記録媒体には、この他に必要に応じて、支持体上にアンダーコート層、断熱層などを設けることもできる。
また支持体の両面に記録層、保護層を設け、両面に印字できるようにすることもできる。
支持体（１１）には、磁気、光メモリ、ＩＣメモリなどの情報記録部を有していても良い。
また、画像情報、文書識別情報、座標情報など各種の情報をバーコード、二次元コードなどによりコード化して保持させても良い。特に座標情報はペンなどによって検出し、記録媒体上に可視画像を手書きするのと同時にデジタル情報として取り込んで利用することが可能になる。
【００４５】
図２は、本発明で用いる記録媒体の基本的な発色／消色プロセスを説明するためのものである。
図２の（ａ）と（ｂ）は材料の違いによる発色消色プロセスの代表的な二つの例である。いずれも消色した状態から加熱し、可逆発色成分が溶融する温度Ｔ_１以上にいったん加熱したのち急冷するとロイコ染料が発色状態で固定され、発色状態からＴ_１より低温側にある消色温度範囲（Ｔ_２〜Ｔ_１）に加熱するとロイコ染料が消色し、元の状態に戻せる。
【００４６】
印字は、通常サーマルヘッドを用いて行なわれ発色画像が記録できるが、レーザー光による記録も可能である。
一方、消去には、基板上に帯状の発熱体を設け、ガラス等によって保護層が形成されたセラミックヒーター基板、あるいはヒートローラなどが実用的に用いられる。
【００４７】
本発明に適用可能な書き替え記録装置は、上記の可逆記録媒体への印字部と、印字画像を消す消去部を基本的に有するものであり、このような書き替え記録装置はすでに公知であり、例えば、特許文献２、３、７などに詳述されているものである。
本発明に適用可能な書き替え記録装置としては、前記の印字部と消去部に加えて、さらに加筆されたインク画像を除去する加筆物除去手段を設けたものを用いることができるが、この加筆物除去手段については、後述する。
【００４８】
本発明のインク組成物について説明する。
なお、該インク組成物は、通常筆記用具の形態にして用いられるが、その形態は特に限定的でなく、公知のものが適用可能である。
【００４９】
本発明のインク組成物は、主成分として着色材、樹脂、界面活性剤および溶媒から構成され、一般的にサインペンやマーカーに通常用いられるインクを単に適用するのではなく、本発明の課題を解決するために、構成する材料種の点から、着色材、アルコール可溶性樹脂、ノニオン系界面活性剤および低級アルコールを少なくとも含有するものである。
本発明のインク組成物は、このような材料成分を含有し、しかも先述のような特定の付着率と収縮率を物性として有するものである。
また、本発明のインク組成物は、このような材料成分を含有し、かつ先述のような特定の収縮率を物性として有し、さらに７５度以上１００度以下の動的後退接触角を有する可逆性記録媒体上に加筆形成されたインク画像が、繊維質からなるシート状のインク除去部材を押付け摺接させると除去されるような性質を有するものである。
【００５０】
着色剤に用いられる色素には染料と顔料があるが、可逆性記録媒体上に加筆したインクの除去性のためには顔料系を用いることが好ましい。染料では表面層の樹脂やフィラーに吸着しやすく、完全な除去が難しくなるためである。
着色剤は、従来公知の無機顔料または有機顔料と分散樹脂および分散溶剤からなるものを用いることが好ましく、顔料として分散性などの改良のため、あらかじめ表面処理を施した加工顔料を使用するのが好ましい。
顔料の例としては、例えばカーボンブラック、ポリスアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料などがある。
表面処理顔料としては、マイクロリースカラー（チバガイギー社製）、フジＡＳカラー（富士色素社製）などがある。
顔料の分散樹脂としては、ニトロセルロース、エチルセルロース、セラック、ポリビニルブチラールなどの使用が可能であるが、この中でポリビニルブチラールが分散の安定性から特に好ましく用いられる。
【００５１】
加筆インク組成物中の固着用樹脂成分は、本発明の課題である加筆インクの使用時の定着性と、印字書き替え時に求められる加筆インクの除去性とを両立させるために、アルコール可溶性樹脂が用いられる。
アルコール可溶性樹脂としては、例えばポリビニルブチラール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ケトン樹脂、アクリル樹脂、アミノ樹脂、無水マレイン酸共重合樹脂などが用いられるが、適度な定着性の点からロジン変性マレイン酸樹脂が特に好ましい。
ロジン変性マレイン酸の添加量は、全インク組成物中に占める割合が１．５〜１０重量％の範囲であることが特に好ましい。
添加量が少ないとインク画像の皮膜が脆くなることがあって、画像が通常の文書としての使用に耐えられない傾向がでてくる。また、添加量が多すぎると、インクの記録媒体表面への固着力が強くなることがあって、消去しにくくなり、またインクの粘度が高くなり通常の筆記具として使用しにくくなる場合がある。
【００５２】
ノニオン系界面活性剤は、インク画像の付着力を制御する上で重要であり、特にポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルから選ばれた少なくとも１種を用いることが好ましい。
可逆性記録媒体に加筆した画像は、一般の文書として使用されるため、次に印字画像を書き替えるまでの時間は一定しておらず、すぐに書き替える場合もあれば、数ヶ月以上インクで加筆されたままになる場合があるものである。
インク画像中に存在するノニオン系界面活性剤は付着力と関係するので、経時的に減少しないものが好ましく用いられ、減少するようなものであるとインク画像の除去性が低下する傾向がでてきて、低下すると記録媒体上から完全に除去できなくなり、印字画像の書き替えに支障をきたすことになる。
そのため、ノニオン系界面活性剤は常温で固体であることが特に好ましく、２５℃で固体であるものから選択すると、インク消去性の経時変化が少なく実用的なものとなり好ましい。
【００５３】
全インク中に占めるノニオン系界面活性剤の量は、２〜１０重量％の範囲が好ましい。インク組成物中のノニオン系界面活性剤の量によって記録媒体表面との付着力は制御できるが、添加量が少なくなり過ぎると付着力が高くなりすぎて、インク画像の消去性が低下する場合がでてくる。
また、添加量が多くなり過ぎると、付着力が低くなりすぎて、インク画像が文書として使用するときにはがれやすくなって実用的でなくなる傾向がある。
【００５４】
インク組成物に使用する溶剤である低級アルコールとしては、エチルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが好ましく、樹脂成分を主体とする可逆性記録媒体への濡れ性が高くてはじきにくく筆記性に優れ、また乾燥も速く筆記具として扱いやすい利点がある。
なお、水では可逆性記録媒体への濡れ性が低くはじきやすく、乾燥速度が遅いため手や記録媒体を汚しやすく実用上問題となるため、本発明においては用いることはない。
【００５５】
本発明の可逆性記録媒体用加筆インク組成物は、この他に添加剤として蒸発防止剤、はじき防止剤などを添加して実用性を改良することができる。
例えば、ペンのキャップを取っておくとペン先が乾燥して、加筆しようとしたときにインクが出なくなることがある。これを改良するためペンタグリセリルモノステアレートなどの蒸発防止剤を添加することが好ましい。
また、加筆したときの描線のはじきを防止するため、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などを添加することが好ましい。
【００５６】
本発明の可逆性記録媒体用加筆インク組成物の粘度は、特に限定的ではなく、一般的に１〜６０ｍＰａ・ｓであることが必要であり、筆記具の種類により上記粘度範囲で適宜調節される。
例えば、インク吸蔵体として中綿などを使用するペン型の筆記具としては、３〜１０ｍＰａ・ｓの範囲が好ましい。この範囲以下ではインキの流量を調節できず筆線のインクが多すぎ汚れになりやすい。この範囲以上ではインキ流量が不足し、はっきりした筆線が書けない。
【００５７】
上記の本発明の可逆性記録媒体用加筆インク組成物を製造するには従来公知の種々の方法が採用できる。
例えば、上記各成分を配合した混合物をディゾルバーなどの撹拌機により混合撹拌し、また、ボールミル、三本ロール、ビーズミル、サンドミルなどによって混合粉砕した後、遠心分離や濾過によって顔料の粗大粒子を取り除くことによってインク組成物が製造できる。
【００５８】
以上のような本発明の可逆記録媒体用加筆インク組成物を有する筆記用具は、可逆記録媒体への筆記性が優れ、はじきや滲みの問題がなく確実な書き込みが可能なものである。
近年のオフィスにおける作業はコンピューターを用いて行われている。たとえば、コンピューターによる文書作成では、作成途中のチェックや校正のためにプリンターを用いて紙にプリントして行うことが多い。また、データベースに保存されている情報の閲覧のために紙にプリントすることも多い。このようにプリントされたハードコピーは、文書の修正個所や資料の重要な部分にマーク、アンダーライン、修正内容などの書き込みをしながら利用することが一般的である。このような文書として可逆性記録媒体を用いるとすれば、可逆性記録媒体にも紙と同様の加筆性が求められる。本発明の加筆インク組成物はこの目的を充分に果たせるレベルの筆記性を有するものである。
また、可逆性記録媒体は不用になった情報を消去し、別の情報を新たに印字して、数百回以上書き替えて使用していく。この場合、情報の書き替え時には、筆記具で書き込まれた文字やマークは当然除去しておかねばならない。上記のような本発明の可逆性記録媒体用加筆インク組成物によって書き込まれた文字は、物理的に記録媒体からインクを除去して消去できるものである。
本発明の加筆インク組成物は消去可能な書き込みを可能にするが、同時に加筆された記録媒体を文書として扱う作業の中では、書き込みがほとんど消えることなく充分に使用に耐えられるものである。
例えば、加筆した記録媒体の上に５０枚程度の普通紙の文書を載せた状態で可逆性記録媒体をそのまま引き抜いたとしても、書き込んだ文字はほとんど消えることがない。
プリンタにより印字した文書を書き替える際に、あらかじめ上記インク組成物で手書きした文字を、例えばティッシュペーパーのような繊維質の除去部材でこすると、インクは除去部材に付着し記録媒体上から除去できる。この後プリンタで印字画像を書き替えることによって、書き込んだインクがプリンタの消去部や印字部に汚れを付着させるような悪影響を及ぼすことがなくなる。
このようにインクを除去できるので、文書として扱うのに必須となる書き込みが可能で、しかも安定に数１００回も再利用可能な書き替え型記録媒体「リライタブルペーパー」が実現できる。
【００５９】
書き込んだインク画像は、特に除去部材として繊維質のものを用いれば、手でふき取り除去することができるため、好ましい。
さらに好ましい態様は、印字画像を書き替えるプリンタの中で印字画像の消去および印字部の前で、自動的に表面のインクを除去して加筆画像を除去できるような装置がプリンタ内に組みまれていることである。
本発明のインク組成物は、繊維質に付着しやすいため、プリンタの加筆除去機構に除去部材として繊維質の薄いシートを用い、これを加筆インク画像が形成された記録媒体表面に押し付けることによって、インクを除去部材側に付着させ繊維の目に確保させて、記録媒体上から除去することが可能である。
除去部材として繊維質のものを適用する場合には、７５度以上１００度以下の動的後退接触角を有する可逆性記録媒体上に加筆形成されたインク画像が、この除去部材によって除去されるような性質と、特定の収縮率を有するインク組成物が、本発明の課題解決に有効であることは、前述のとおりである。
【００６０】
図５は、加筆インク除去手段を有する代表的な書き替え記録装置の概略構成を示すものである。
図５において、（５１）は書き替え記録装置、（５２）は給紙部、（５３）は加筆物除去手段、（５４）は可逆記録層に記録された画像の消去部、（５５）は可逆記録層へ発色画像を形成する印字部である。
該装置には、このほか記録媒体を誘導するガイド部（５６）や記録媒体を搬送するローラ（５７）などが設置される。また、図には示していないが電源、駆動部、制御部などが別途設けられている。
記録媒体は、搬送ローラーによって加筆インク除去手段へ搬送され、加筆形成されたインク画像が除去された後、消去部に送られ記録層に形成された画像が消去され、さらに印字部で新たな画像が印字される。
新しい記録媒体を使用し印字だけを行なえば良い場合には、加筆インク除去手段を機能させずに通過させたり、別の経路で直接記録部へ送っても良い。
また、加筆していない場合にも、同様にして印字画像の消去部へ直接送っても良い。このような場合はセンサーなどで検知して自動的に選択するようにしても良いし、使用者が判断して選択しても良い。
このような操作モードの切り替えは本装置自体に設けても良いし、接続するコンピューター側から行なっても良い。
【００６１】
加筆インク画像除去手段についてさらに詳しく説明する。
図６（ａ）は加筆インク除去手段の最も基本的な構造を示している。
図６において、（６１）は弾性体からなるローラ状の押付け部材である。押付け部材（６１）は、バネをもつ加圧機構（６３）によって圧力を加えられるようになっている。記録媒体の搬送面に対して押付け部材と対向する位置に受けローラ（６４）が設置されている。受けローラ（６４）は駆動ユニットからの伝達により搬送力をもつローラであっても良いし、記録媒体の移動に伴って回転するだけのローラであっても良い。
（６５）は記録媒体面に摺接させる繊維質のシート状除去部材である。
【００６２】
また、図６（ｂ）は本発明の除去手段の他の例である。押付け部材（６１）は記録媒体の移動方向に対して傾斜する方向に延びるエッジ部を有する弾性体であり、加圧機構（６３）により除去部材を記録媒体面に押し付けている。
受けローラ（６４）は押付け部材からの圧力を受けて記録媒体を挟み込む強度をもち、押付け部材（６１）とともに除去部材（６５）と記録媒体を密着させる作用をもつ。押付け部材（６１）が均一に記録媒体へ圧力をかけられるように受けローラ（６４）もゴムなどの弾性体のローラであることが好ましい。
【００６３】
図６では加圧機構（６３）は押圧部材（６１）側にあるが、受けローラ（６４）側にあり記録媒体を除去部材（６５）をはさんで押付け部材側へ圧力をかける構造であってもよい。
本装置の加筆インク画像除去手段で重要な点は、除去部材（６５）が記録媒体面に線状に密着し、その状態を保持したまま記録媒体が搬送されることである。
線状に密着していることによって、加筆されたインク画像が剥ぎ取られながら除去部材（６５）に強く付着する状態が得られ、インクが線状の部分だけ溜まることになる。
【００６４】
次に、図７よって本発明における加筆インク除去手段の基本的な動作を説明する。
筆記用具のインクによって加筆された記録媒体は、図７（ａ）に示すように加筆インク除去手段へ搬送される。押付け部材と受けローラの間で記録媒体と除去部材が線状に密着した状態を保ちながら摺接し、図７（ｂ）のようにインク画像が剥ぎ取られ除去部材の繊維に確保され密着する。
記録媒体上のインク画像は押圧部材のエッジ部で押し付けられた除去部材の線状の部分にたまり、除去部材が記録媒体面に充分密着していれば、記録媒体の通過した部分にはインクは残らない。
このようにして記録媒体が除去部材に摺接されながら搬送され、図７（ｃ）のように記録媒体上の加筆画像は完全に除去される。剥ぎ取られたインクは除去部材が細かい繊維質からなっているため、その目に食い込み密着し脱落することがない。
【００６５】
本発明に適用される加筆インク画像除去方法は、基本的に記録媒体上のインク画像を物理的に除去するものであるが、特に記録媒体上に実質的に問題のないレベルまで、除去部材を１回通過するだけで確実に除去でき、さらに、除去したインクが再び別の記録媒体に付着したり装置の搬送ローラなど記録媒体に接する部分を汚すことがないように、除去部材に確実に保持できる。
その方法は、細かな凹凸を有し、柔軟性があり記録媒体に密着して記録媒体表面に摺接できる繊維質シート状の除去部材を用い、さらにこれを確実に摺接するため弾性体からなる押付け部材を用いて除去部材を記録媒体面に押し付けるものである。
記録媒体は押付け部材に対して相対的に移動し、記録媒体上の加筆インク画像を押付け部材で押し付けた除去部材繊維の凹凸の目に付着保持させる。繊維の目によってインクが強く付着するためインクは脱落せず、エッジ部で押さえつけられた除去部材に加筆インクを確実に確保することができる。
【００６６】
以上のように、本発明の加筆インク組成物を用いることによって、可逆性記録媒体を文書として利用するために必要なインクによる加筆を、プリンタによる画像の書き替えに問題なく実現できる。また、インクよる加筆画像は上記の加筆除去手段を持つプリンタ内で自動的に除去できる。
【００６７】
【実施例】
以下に、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中の「部」は重量基準で表わす。
【００６８】
＜評価用標準表面シート＞
評価用標準表面シートとしては、次のように作製されたものを用いる。
下記組成物の混合分散液に日本ポリウレタン社製コロネートＨＸ４．２部を加え、良く攪拌し塗布液を調製し、該塗布液を厚さ２５０μｍの白色ＰＥＴフィルム上にワイヤーバーを用いて塗工し、１００℃２分で乾燥した後、６０℃２４時間加熱してキュアし、膜厚約３．０μｍの表面層を設け、評価用標準表面シートとした。

【００６９】
この評価用標準表面シートは、蒸留水に対して８６．０±２．０度の動的前進接触角と７８．０±２．０度の動的後退接触角を有するものである。
該動的前進接触角および動的後退接触角の数値は、Ｗｉｌｈｅｌｍｙ平板法による動的接触角計（オリエンテック社製ＤＣＡ−２０）を用い、試料の幅を２４ｍｍおよび試料の下降・上昇速度を２０ｍｍ／ｓｅｃにして測定し、この測定作業を５回繰り返して得られた以下の測定値から平均値を算出し、求めたものである。
１回目；前進８６．３度、後退７９．１度
２回目；前進８５．５度、後退７７．４度
３回目；前進８５．９度、後退７８．１度
４回目；前進８４．２度、後退７６．４度
５回目；前進８７．８度、後退７９．６度
平均値；前進８５．９度、後退７８．１度
【００７０】
＜可逆性記録媒体の作製＞
［記録層］
２−アニリノ−３−メチル−６ジブチルアミノフルオラン２部
下記構造の顕色剤８部
【００７１】
【化１】

下記構造の発色消色制御剤３部
【００７２】
【化２】

アクリルポリオール樹脂（三菱レイヨン社製、ＬＲ５０３）１５部
テトラヒドロフラン（ＴＨＦ）溶液１３０部
上記組成物をボールミルを用いて平均粒径約１μｍまで粉砕分散した。得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネートＨＬ（アダクト型ヘキサメチレンジイソシアネート７５％酢酸エチル溶液）２０部を加え、良く攪拌し記録層塗布液を調製した。
上記組成の記録層塗布液を、大昭和製紙社製しらおいコート紙上にワイヤーバーを用い塗布し、１００℃で２分間乾燥した後、６０℃に２４時間加熱して、膜厚約９．０μｍの記録層を設けた。
【００７３】

上記組成物を、ボールミルを用いて平均粒径約０．６μｍまで粉砕分散した。得られた分散液に日本ポリウレタン社製コロネートＨＸ５．６部を加え、良く攪拌し保護層塗布液を調製した。
該保護層塗布液を、上記記録層上にワイヤーバーを用いて塗工し１００℃２分で乾燥した後、６０℃２４時間加熱して、膜厚約３．０μｍの保護層を設け、Ａ４サイズの本発明の可逆性記録媒体を作製した。
【００７４】
この記録媒体表面の蒸留水に対する動的後退接触角を測定したところ８５．５度であった。なお、測定装置および条件は評価用標準シートと同様にした。
【００７５】
＜実施例１〜１７、比較例１〜７のインク組成物の作製とその物性の測定＞
表１−１〜表１−３に示す組成の本発明および比較用の加筆インク組成物を作製した。これらの加筆インク組成物を中綿式サインペンの形態の筆記具にし、先述の本発明の方法にしたがって、収縮率と付着率を測定した。
【００７６】
＜描線収縮率の測定＞
室温２４℃、相対湿度５５％の室内において、本発明のインク組成物を用いた筆記用ペンを用い、そのペン先と前述の評価用標準シート（３２）上に図４のように描線を筆記した。評価用標準シートとの接触幅ｄ_０を一定にして、３本の描線（直線）（３４）を書いた後、１０分間放置して乾燥し該描線の太さを測定し、３本の平均値ｄを求め、ペン先の接触幅ｄ_０に対する描線の縮み量（ｄ₀−ｄ）の割合（％）を収縮率として算出した。
なお、描線の状態は両側が直線となりほぼ一定の太さになる場合と、両側に凹凸ができて太さが一定にならない場合とがあるが、後者の場合における太さの測定については、図４（ｂ）のように最も細くなる幅を測定しｄとした。また、インク描線の内部に、はじきによるインクの抜けが発生する場合は、その内側の最も細くなる幅を測定しｄとした。さらに、インクが線状につながらず切れてしまう場合はｄは０となり、収縮率が１００％とした。
【００７７】
＜インク付着率の測定＞
図３に示す試料台に蒸留水に対する動的後退接触角が８５度から９０度の範囲にある評価用標準シートを、表面を上にして試料台に両面テープで固定する。評価用シート上に試験すべき加筆インク組成物を有する筆記具を用い図３（ｂ）のように描線を５本筆記する。粘着セロハンテープ（ＪＩＳ．Ｋ−５６００−５−６の塗膜の付着性試験に準ずる）を描線に平行方向に貼りつけ、浮いた部分がないようにティッシュペーパー等を介し指で５回擦って密着させる。
付着性の試験は以下のようにして行なう。
まず、一方のテープの端を指でつまみ１５０度の方向へ一定速度で引張りテープを剥離させる。次に、第一の剥離速度を３０ｍｍ／ｓｅｃ、第二の剥離速度を０．３ｍｍ／ｓｅｃとする。剥離後、最初に筆記した描線の面積に対して、テープ剥離後に記録媒体上に残った加筆インクの描線面積の割合（％）を求め残留率とする。
第一の剥離速度に対する残留率と第二の剥離速度に対する残留率から本発明の可逆性記録媒体用加筆インク組成物が特定される。第一の剥離速度に対しインク残留率が１０％以下であり、かつ第二の剥離速度に対してインク残留率が９０％以上であるとき○とし、これ以外を×とする。
【００７８】
＜実施例１〜１７、比較例１〜１１のインク組成物の評価＞
上記の可逆性記録媒体に対する実施例および比較例の加筆インク組成物の描線の耐擦過性、加筆インク除去性を評価した。
加筆インク除去性は、加筆後１時間後と２ヶ月後に行ない、インク描線の経時変化を評価した。さらに、加筆インクの除去と印字画像の書き替えを１セットとし、繰り返し１００回行なったときの印字画像への影響を評価した。
評価の結果をまとめて表２−１〜表２−３に示す。
【００７９】
＜耐擦過性＞
幅５ｃｍ長さ３０ｃｍの可逆性記録媒体上に図４（ｄ）、（ｅ）のように描線を筆記し、これを平らな台の上に置く。記録媒体の描線の部分が中央になるようにＡ４のコピー用紙５０枚をかぶせる。コピー用紙の外側に出ている記録媒体の一端を指でつまみ、水平方向に一気に引き抜く。描線が９０％以上残留しているときを○、それ未満を×とする。
【００８０】
＜加筆インク消去性テスト＞
図６に記載の加筆インク消去手段を有する装置を用い、本発明の加筆インク組成物を有するペンで加筆した可逆性記録媒体を通過させ、加筆インクの描線を除去した。ただし、除去部材にはポリエステル繊維の不織布（平米坪量７．５ｇ）を用い、押付け部材には硬度３０度のゴム材を用い、線圧を２Ｋｇとした。また、受けローラには硬度６０度のゴムローラを用いた。描線がほぼ完全に除去され消去されたものを○、わずかだがインクが残留したものを△、明らかにインクが残留したものを×とする。
【００８１】
＜加筆消去と印字画像の書き替え＞
印字画像が形成された可逆性記録媒体に本発明の加筆インク組成物を有するマーカーで文字と線を加筆した。図５の書き替え記録装置であり、図６（ａ）の加筆インク消去手段を有する装置を用い、可逆記録媒体を通過させて加筆インクの描線を除去して消去した。
さらに印字画像を１４０℃のヒートローラで消去し、サーマルヘッドで別の画像を印字して書き替える操作を行なった。ただし、消去部材にはポリエステル繊維の不織布（平米坪量７．５ｇ）を用い、押付け部材には硬度３５度のゴム材を用い、線圧を２Ｋｇとした。また、受けローラには硬度２３度のゴムローラを用いた。
この一連の操作を１００回繰り返して行なった。ただし、記録媒体は同一のものを使用し、１回ごとにマーカーで文字と線を加筆した。印字画像はランダムな文書画像を用いた。繰り返し１００回後も印字画像にかすれや抜けがなく初期と同様に良好なものを○とし、かすれや抜けがあり印字品質が初期より低下したものを×とする。
【００８２】
ただし、比較例８から１１で用いた市販の筆記具は以下の通りである。
市販油性マーカーＡ：ゼブラ社製「マッキーケア」
市販油性マーカーＢ：シャチハタ社製「アートライン潤芯」
市販ホワイトボードマーカーＣ：サクラ社製「白板マーカー」
市販ホワイトボードマーカーＤ：ゼブラ社製「ボードマーカー」
【００８３】
【表１−１】

【００８４】
【表１−２】

【００８５】
【表１−３】

【００８６】
【表２−１】

【００８７】
【表２−２】

【００８８】
【表２−３】

【００８９】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明より明らかなように、本発明により、可逆性記録媒体上に手で加筆され付着したインク画像は文書として扱うときに容易に剥がれ落ちることがなく、表示されている情報が不用になったときは、加筆インク画像は容易に消去部材によって除去されるので確実に消去でき、記録媒体に印字された画像をプリンタで書き替えるとき、印字の除去機構や印字機構にインクの汚れを付着させることがない。これによって可逆性記録媒体はプリンタによる印字だけでなく、手書きによる加筆が可能になり、加筆した文字も印字された画像も、安定して何度も書き替え使用ができる。したがって、文書用可逆性記録媒体に求められている手書きによる加筆という課題を解決し、通常の紙の文書と同様の使用状態を実現でき、紙の使い捨てを減らすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明で用いる可逆性記録媒体の一構成例を示す図である。
【図２】本発明で用いる可逆性記録媒体の一例について発色／消色のプロセスを示す図である。
【図３】本発明において実施するインク組成物の粘着セロハンテープ剥離試験を説明する図である。
【図４】本発明において実施するインク組成物の描線形成状態の測定を説明する図である。
【図５】本発明における書き替え記録装置の基本的な構成を示す図である。
【図６】本発明における書き替え記録装置の加筆インク消去手段の基本的な例を示す図である。
【図７】本発明における書き替え記録装置の加筆インク消去手段の基本的な動作を説明する図である。
【符号の説明】
１１支持体
１２記録層
１３保護層
１５バックコート層
３１試料台
３２試験用標準表面シート
３３粘着セロハンテープ
３４描線
５１書き替え記録装置
５２給紙部
５３加筆物除去手段
５４消去部
５５印字部
５６ガイド部
５７ローラ
６１押付け部材
６２押付け部材支持部
６３加圧機構
６４受けローラ
６５除去部材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink composition having a recording layer that can reversibly form a colored state and a decolored state by applying energy, and can be rewritten on the surface of a reversible recording medium that can be rewritten and erased repeatedly. In addition, the present invention relates to an ink composition that can be removed by removing an ink image once formed.
The present invention also relates to a rewriting method and a rewriting recording apparatus for a printed image including a retouched image by the ink composition.
[0002]
[Prior art]
Conventional hard copy forms images by externally attaching and fixing a colorant such as ink or toner to a recording medium such as paper, or a recording layer is provided on a base material such as paper like thermal recording paper. In order to form a permanent image, such as forming a visible image by applying energy thereto. However, with the spread of copying machines and facsimiles and the output of information from computers, the consumption of paper-based recording media has increased rapidly, causing social problems such as natural destruction, energy consumption, and waste disposal.
[0003]
In order to solve these problems, a recording medium that can erase a visible image once recorded and can repeatedly form an image has attracted attention. For example, there is a recording medium that can reversibly form two states of transparency and white turbidity using a light scattering property of a polymer film in which organic low-molecular crystal particles such as fatty acids are dispersed (see, for example, Patent Document 1). ).
This recording medium has already been put into practical use as a content display section of a magnetic card. However, since the displayed image is printed in white on a black or blue colored background or a light-reflecting background such as an aluminum vapor deposition film, there is a problem that a feeling of discomfort is large as a normal hard copy.
[0004]
In order to solve this problem, there has been proposed a reversible recording medium that can form a color printed image reversibly on a white background using a leuco dye that can take two states of coloring and decoloring (see, for example, Patent Documents 2 to 7). .)
The color erasing of the recording medium is controlled by the difference in heating temperature and / or cooling rate. This type of recording medium using a leuco dye and a specific developer can be repeatedly printed / erased, and if this reversible recording medium is used instead of disposable paper, it is effective for saving resources and energy. is there.
[0005]
FIG. 1 is a sectional view showing the concept of the reversible thermosensitive recording medium, which will be described in detail later.
As a typical example of the reversible thermosensitive recording medium, a reversible thermosensitive recording layer (12) and a protective layer (13) are sequentially laminated on the upper surface of a support (11) as shown in FIG. . As another representative example, as shown in FIG. 1B, a reversible thermosensitive recording layer (12) and a protective layer (13) are laminated on the upper surface of the support (11), and further on the lower surface of the support. A back coat layer (15) is provided.
[0006]
FIG. 2 is a diagram showing a basic color developing / decoloring process of the reversible thermosensitive recording medium.
(A) and (b) of FIG. 2 are two typical examples of the coloring and decoloring process depending on the material. All are heated from the decolored state, and the temperature T at which the reversible coloring component melts ₁ When heated once and then rapidly cooled, the leuco dye is fixed in the colored state, and from the colored state, T ₁ Decolorization temperature range (T ₂ ~ T ₁ ), The leuco dye disappears and returns to its original state, indicating the reversibility of the recording medium.
[0007]
In the office, the information on the computer display is temporarily output as a hard copy by an output device such as a laser printer, and the content is checked. Marking with a pen or the like is frequently performed.
However, when reprinting or marking is performed on the reversible recording medium printed as described above, the retouched ink component adhering to the surface of the recording medium is removed when the printed image is rewritten. It sticks to the thermal head of the printing section and gets stuck.
The residue of the writing ink fixed to the erasing heater or the thermal head significantly deteriorates the erasing quality and printing quality of the printed image on the reversible recording medium, resulting in erasing residue and blurring of the printing, making rewriting impossible.
[0008]
In order to eliminate such problems, there is a method of coloring the reversible recording layer with a thermal pen with a heating element, and this method can only be used for the same color as the color of the reversible recording layer, For example, it is impossible to write a deficit as is normally done, and a sufficient effect cannot be obtained. In addition, if the thermal pen is brought into contact with the skin, there is a possibility of being burned, which is not preferable from the viewpoint of safety.
[0009]
There has already been proposed a technique for removing an ink image formed by a writing instrument on the surface of a reversible thermosensitive recording medium.
First, there is a proposal that uses a reversible thermosensitive recording medium for an electronic blackboard, cleans writing ink before rewriting printing by a cleaning means, and specifically uses an elastic blade as the cleaning means (for example, Patent Documents). 8).
[0010]
In addition, there is a proposal that the ink that can be written on the reversible thermosensitive recording sheet and the ink image written on the reversible thermosensitive recording sheet are softened by heating, transferred to a roll, and scraped off (see, for example, Patent Document 9).
[0011]
Further, a mechanism is provided for supplying a sheet-like removal member for removing substances adhering to the surface of the leuco-type reversible thermosensitive recording medium, and the recording medium and the removal member are opposed to each other while pressing the removal member against the surface with a pressure roller. There is a technique related to an apparatus that removes adhered substances by moving in a direction (see, for example, Patent Document 10).
[0012]
Under such circumstances, for practical writing on the surface of the reversible recording medium, it is possible to write an ink image with a writing tool on the reversible recording medium, and when rewriting the recording medium, an erasing heater and Before the recording medium enters the thermal head, it is necessary to completely remove the writing from the surface.
On the other hand, however, the ink that has been added cannot be used if it is easily removed by hand contact or paper contact during normal handling. It is necessary to write on the recording medium with an adhesive force that cannot be removed by normal handling.
Further, it is necessary to completely remove the retouched material in the rewriting recording apparatus before rewriting the recording layer. If there is even a small amount of retouched material, it adheres and accumulates on the erasing heater or thermal head and degrades the image quality.
Therefore, writing with a writing tool on a reversible recording medium and an ink composition suitable for completely removing and erasing the written material are new problems that have never existed in the past.
[0013]
[Patent Document 1]
JP 55-154198 A
[Patent Document 2]
JP-A-5-124360
[Patent Document 3]
JP-A-10-58724
[Patent Document 4]
JP-A-11-268419
[Patent Document 5]
JP 11-192737 A
[Patent Document 6]
JP 2002-160455 A
[Patent Document 7]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-19279
[Patent Document 8]
JP-A-6-32095
[Patent Document 9]
JP-A-7-70502
[Patent Document 10]
JP 2002-52748 A
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
The problem of the present invention is that the ink image added to the reversible recording medium is not easily peeled off when used as a document, and the printing on the recording medium is performed in response to the new problem of rewriting and erasing the reversible recording medium. It is an object of the present invention to provide an ink composition that can be surely removed at the time of image rewriting, erase a printed image, and can be recreated.
Further, the problem of the present invention is to provide a rewriting recording method that enables practical rewriting to a reversible recording medium and reliable image rewriting, and further provides a reversible recording medium rewriting device based on the method, It is to make it possible to effectively use a reversible recording medium as an alternative to paper used for temporary use.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventors do not easily peel off the ink when handling a reversible recording medium on which a handwritten ink image is formed as a document, but the ink image becomes unnecessary once. The ink composition or the reversible recording medium can be easily removed from the reversible recording medium. This has been studied and the present invention has been completed.
[0016]
That is, the above-mentioned problem is used in (1) “Adding energy to the surface of a reversible recording medium that can be reversibly imaged and erased by applying energy, and includes at least a colorant, an alcohol-soluble resin, An ink composition containing a nonionic surfactant and a lower alcohol as main components, a dynamic advancing contact angle with distilled water of 86.0 ± 2.0 degrees, and a dynamic receding contact angle of 78 (1) the shrinkage ratio of the width of the drawn line is less than 20% before drying, with respect to the drawn line formed by the ink composition on the surface of the standard surface sheet for evaluation of 0 ± 2.0 degrees; And (2) when peeled at a speed of 30 mm / sec by a 165 degree peel test conducted using an adhesive cellophane tape, the adhesion rate of the drawn line is 10% or less and (b) 0.3 mm / sec. (2) “Reversible image forming and erasing by applying energy”, wherein the adhesion rate of the drawn line when peeled at a speed of 80% or more An ink composition comprising at least a colorant, an alcohol-soluble resin, a nonionic surfactant, and a lower alcohol as main components, which is used for writing on the surface of a reversible recording medium capable of It is used in a writing and erasing method in which an ink image is retouched on a surface of a reversible recording medium having a surface layer with a contact angle of 75 degrees or more and 100 degrees or less, and the sheet-like member made of fibrous material is pressed and slid to contact to remove ink. Characteristic ink composition for reversible recording medium writing ”, (3)“ The nonionic surfactant is a polyglycerin fatty acid ester, polyoxyethylene glycerin ” Item (1) or Item (2), which is at least one selected from fatty acid esters, polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters, polyoxyethylene alkyl ethers, and polyoxyethylene polyoxypropylene alkyl ethers (4) “The nonionic surfactant is a solid at 25 ° C., and is characterized in that the nonionic surfactant is a solid at 25 ° C.” The retouchable ink composition for reversible recording medium according to any one of the above, (5) “the nonionic surfactant in the total ink composition is in the range of 2 to 10% by weight. (1) The retouchable ink composition for reversible recording medium according to any one of items (4) to (6), (6) “The alcohol-soluble resin in the total ink composition is The ink composition for reversible recording medium writing according to any one of (1) to (5), wherein the alcohol is in the range of 5 to 10% by weight. The reversible recording medium writing ink composition according to any one of Items (1) to (6), wherein the soluble resin is a rosin-modified maleic resin ", (8)" The coloring Any of (1) to (7) above, wherein the agent comprises a pigment and a polyvinyl butyral resin, and the ratio of the two is in the range of 1: 0.5 to 1: 2. This is solved by the “rewriting ink composition for reversible recording medium”.
In addition, the above-mentioned problem is (9) “Reversible recording medium having a surface layer having a dynamic receding contact angle with respect to distilled water in the range of 75 ° to 100 ° by applying energy to the image. After the formation, a retouched image is formed and used with the writing instrument that holds the reversible recording medium retouching ink composition according to any one of the above items (1) to (8). A method for rewriting a reversible recording medium, wherein the retouched ink image is removed in advance, the energy application image is erased, and a new image is recorded using energy. ”(10)“ Retouched ink image The reversible recording medium rewriting method according to item (9), wherein a sheet-like ink removing member made of a fibrous material is pressed and slid in contact with the surface of the reversible recording medium. (11) “Possible above The reversible recording medium rewriting method as described in (9) or (10) above, wherein the surface layer of the reversible recording medium contains a silicone-modified polymer and a filler. The ink image is removed by pressing and sliding the fibrous sheet-like ink removing member against the surface of the recording medium using an edge portion of an elastic body extending in a direction inclined with respect to the moving direction of the recording medium. The reversible recording medium rewriting method according to any one of items (9) to (11).
Further, the above problem is (13) “Reversible recording having a surface layer in which an image can be rewritten by applying energy and a dynamic receding contact angle with respect to distilled water is in the range of 75 ° to 100 °. After the image is formed by applying energy to the medium, a retouched ink image is formed using a writing instrument that holds the reversible recording medium retouchable ink composition according to any one of (1) to (8). Then, after removing the ink image, a reversible recording medium rewritable recording apparatus used for erasing the image formed by applying energy by applying energy, the ink image being removed A reversible recording medium rewritable recording apparatus comprising: a recording means for applying printing energy to an image and an erasing means for applying erasing energy ", (14) The removing means includes a fibrous sheet-like removing member, a pressing member that presses the removing member against the surface of the recording medium, and a conveying member that is installed at a position facing the pressing member, and the pressing member moves in the moving direction of the recording medium. The elastic body having an edge portion extending in a direction inclined with respect to the recording medium, wherein the moving recording medium and the removing member are installed so that the pressing member and the conveying member are sandwiched therebetween (13) Reversible recording medium rewritable recording apparatus described in the item "," (15) "The means for recording by applying energy to the image and the means for erasing by applying energy are combined. This is solved by the reversible recording medium rewriting recording apparatus according to item 13) or (14).
[0017]
The reversible recording medium used for a document needs to be in a surface state that can be added with a writing tool in order to enhance the convenience in use. In this case, it goes without saying that the ink component of the ink image that has been added does not degrade the reversible recording medium itself or cause any adverse effects on the components of the reversible recording layer.
In addition, when the reversible recording medium in the written state is used for browsing a document, for example, a retouched ink image can be easily taken due to rubbing between the overlapping recording media or rubbing with a hand having a writing tool. Since the writing information becomes incomplete and its value disappears, it is necessary that the writing ink has fixing properties so that such a situation does not occur.
On the other hand, if the retouched ink image adheres to the erasing head and the print head as dirt, the image cannot be erased and formed sufficiently, or image quality deteriorates. Adhesion to the print head should not be in the process using a reversible recording medium. Therefore, before rewriting the print image on the recording medium, the image of the ink to be added should be as complete as possible. It is important to remove the ink composition, and the ink composition must have such removability.
[0018]
The ink composition of the present invention satisfies both the following conditions (A) and (B), and can satisfy all of the above requirements.
(A) Containing at least a colorant, an alcohol-soluble resin, a nonionic surfactant, and a lower alcohol as main components.
(B) Concerning a drawn line formed by the ink composition on the surface of a standard surface sheet for evaluation having a dynamic receding contact angle with respect to distilled water of 78 ± 2 degrees, and (1) the shrinkage ratio of the width of the drawn line is (2) When the film is peeled at a speed of 30 mm / sec by a peel test in the direction of 165 degrees performed using an adhesive cellophane tape, the adhesion rate of the drawn line is 10% or less. (B) The rate of adhesion of the drawn line when peeled at a speed of 0.3 mm / sec is 80% or more.
[0019]
The condition (A) for specifying the combination of materials constituting the ink composition is alcohol-soluble in order to provide appropriate fixing properties on the surface of the reversible recording medium from among a variety of materials based on experimental verification. Resin, nonionic surfactant for controlling adhesion on the surface of the reversible recording medium, and lower alcohol for improving the writing property and the drying property of the ink image on the surface of the reversible recording medium. Each is selected and defined. Details will be described later.
[0020]
However, the ink composition of the present invention cannot solve the problem of the present invention as long as the condition (A) is satisfied. Among the compositions defined by the condition (A), the condition (B) It is necessary to satisfy.
Next, the condition (B) will be described.
[0021]
<About the standard surface sheet for evaluation>
The standard surface sheet for evaluation is a measurement tool used for selecting a composition satisfying the condition (B) among the compositions specified in the condition (A), and is a sheet-like one. As long as the advancing contact angle is 86.0 ± 2.0 degrees and the dynamic receding contact angle is 78 ± 2 degrees ”, it is not particularly limited. Thus, the one having a dynamic advancing contact angle of 86.0 ± 2.0 degrees and a dynamic receding contact angle of 78 ± 2 degrees can be used.
The dynamic advancing contact angle and the dynamic receding contact angle are measured using a Wilhelmy plate method dynamic contact angle meter (DCA-20 manufactured by Orientec Co., Ltd.), the width of the sample is 24 mm, and the descending and ascending speed of the sample is determined. The measurement is performed at 20 mm / sec, and an average value is calculated from a measurement value obtained by repeating this measurement operation five times, and obtained.
[0022]
<Adhesiveness of ink composition>
As described above, the ink composition of the present invention has physical properties that make it possible to achieve both the fixability on the surface of the reversible recording medium and the contradictory performance in terms of removability when necessary. is required.
In the present invention, the physical property is regarded as adhesiveness, and the drawn line dried after being formed on the surface of the standard surface sheet for evaluation is subjected to a peel test in a 165 degree direction using an adhesive cellophane tape (a) 30 mm / (b) Ink having adhesion such that the adhesion rate of the drawn line when peeled at a speed of 0.3 mm / sec is 80% or more when peeled at a speed of sec. The composition can have the above two performances together.
In this case, the ink composition of the present invention has an adhesion rate of the drawn line of 5% or less when peeled at a speed of 30 mm / sec, and an adhesion rate of the drawn line when peeled at a speed of 0.3 mm / sec. If it is 90% or more, it is more preferable to make said two performances compatible.
[0023]
This measurement is performed in a room at room temperature of 20 to 25 ° C. and relative humidity of 50 to 60%, and after standing for 1 to 3 hours after forming a drawn line, a cellophane tape is applied, and 0.5 to 1 minute after application. Start peeling. The ratio of the drawn ink drawn area remaining on the evaluation standard surface sheet after peeling to the initial drawn area is determined as an adhesion rate (%).
The area of the drawn lines remaining on the surface is enlarged by taking a picture of the central 5 to 7 mm portion of each drawn line with an actual microscope, processing the image with an image analyzer, and distinguishing the ink drawn line from the test surface. Calculated and determined.
[0024]
Further, this adhesion measuring method will be described with reference to FIG.
In FIG. 3A, (31) shows a sample stage, and (32) shows the above-described standard surface sheet for evaluation.
The whole surface of the evaluation standard surface sheet (32) is fixed to the sample stage (31) with a double-sided tape, and the evaluation standard surface sheet (32) is made of ink by using a writing ink. The length is about 15 mm and the width is about 1 mm. These five drawn lines (34) are written with an interval of about 10 mm as shown in FIG. 3 (b).
Adhesive cellophane tape (33) (according to the coating test of JIS K-5600-5-6) is applied in a direction parallel to the drawn line, and is adhered by rubbing with a finger so that there is no floating part. As shown in FIG. 3, the same five drawn lines are formed in two places, and an adhesive cellophane tape is attached to each.
Next, the end of one tape is pinched with a finger and pulled in the direction of 150 degrees as shown in FIG. 3C, and one tape is peeled off at a speed of 30 mm / sec. After peeling at 3 mm / sec, each adhesion rate is calculated by the method described above.
The ink composition of the present invention has an adhesion rate value measured by peeling at a speed of 30 mm / sec of 10% or less and an adhesion rate value measured by peeling at a speed of 0.3 mm / sec of 80% or more. It has such adhesiveness.
[0025]
Using the ink composition of the present invention having such adhesion, a retouched ink image formed on a reversible recording medium is less likely to detach due to rubbing when used as a document. By rubbing with a recording medium and paper or by hand during writing, a part of the character is not lost and the added ink image itself is not easily read, and can be easily removed when necessary. When the fibrous sheet is used for sliding contact, the ink image or ink component can be completely removed from the surface of the reversible recording medium without damaging the reversible recording medium.
Since it is completely removable, it does not adhere to the print head and erasure head of the heating means, so the print image recorded on the reversible recording layer of the reversible recording medium is erased, and a new print image is created. So-called rewriting process can be performed without any trouble.
[0026]
<Shrinkability of ink composition>
As described above, the ink composition of the present invention needs to have physical properties that allow sufficient writing on the surface of the reversible recording medium.
In the present invention, the physical property is regarded as shrinkage, that is, with respect to the drawn line formed on the surface of the test standard surface sheet and dried, the shrinkage rate of the width of the drawn line is less than 20% before drying. When an ink composition having shrinkage is used, the above-mentioned writing property can be provided.
In this case, it is more preferable that the ink composition of the present invention has a desired writing property if the shrinkage ratio is less than 10% before drying.
[0027]
This shrinkage measurement will be described with reference to FIG.
This measurement is carried out indoors at a room temperature of 20 to 25 ° C. and a relative humidity of 50 to 60%. Using the writing pen using the ink composition of the present invention, the pen tip and the above-mentioned standard surface sheet for testing (32) Contact width d ₀ After writing three drawn lines (straight lines) (34) with a constant value, let stand for 10 minutes to dry, measure the thickness of the drawn lines, find the average value d of the three, and determine the contact width of the pen tip d ₀ Stroke amount of stroke (d ₀ The ratio (d) of -d) is calculated as the shrinkage rate.
Note that the drawn line may have a straight line on both sides and an almost constant thickness, and there may be irregularities on both sides and the thickness may not be constant. The thickness measurement in the latter case is shown in FIG. Measure the thinnest part as in (b) and set it as d.
The ink composition of the present invention has such a shrinkage that the shrinkage ratio is less than 20%, and even if the ink composition is used on a reversible recording medium, the ink composition It does not accumulate in a liquid state, dries in a short time, and does not get dirty even when touched with hands or other papers in an undried state.
[0028]
In addition, the ink composition of the present invention is used for writing on the surface of a reversible recording medium that can be reversibly imaged and erased by applying energy, and includes at least a colorant, an alcohol-soluble resin, and a nonionic interface. An ink composition containing an activator and a lower alcohol as main components, wherein an ink image added to the surface of a reversible recording medium having a surface layer having a dynamic receding contact angle of 75 ° to 100 ° What has the property used for the writing and erasing method of removing ink by pressing and sliding the sheet-like member consisting of the above, solves the problems of the present invention, as described above, writing property, fixing property and removal when necessary It is effective for satisfying all the requirements for sex.
The components constituting the ink composition, the reversible recording medium having a dynamic receding contact angle of 75 degrees or more and 100 degrees or less, and a sheet-like ink removing member made of a fibrous material will be described later.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A reversible recording medium to which the present invention is applicable will be described.
Any reversible recording medium may be used as long as it has a layer capable of reversibly forming a visible image using, for example, energy such as heat, light, electricity, and magnetism. May use only one kind of energy, or may use two or more kinds of energy in combination, and is not particularly limited.
Hereinafter, typical reversible recording layers and materials will be exemplified, but the present invention is not limited to these.
[0030]
First, a typical example of a reversible thermosensitive recording medium that is rewritten using heat is one that uses reversible coloring of a leuco dye. This is most suitable for a document in the present invention because a color image with high contrast can be formed. This leuco type recording medium will be described later.
In addition to the above, examples of the recording medium to be rewritten using heat include the following recording media.
For example, as described in Patent Document 1, a recording layer using a reversible change in light scattering property of a composite film in which crystal particles of a low molecular compound are dispersed in a polymer, and a light scattering property of a polymer liquid crystal layer. Some use a recording layer utilizing reversible changes.
The former is usually printed with the recording layer whitened by heating to a temperature higher than the melting point of the low molecular weight compound, and is erased back to transparency by heating to a temperature lower than this.
The latter is a method in which the recording layer is made transparent by heating and cooling to an isotropic point or higher, and is made cloudy by heating and cooling to return to cloudiness and erase.
In addition, there is a recording medium that uses a liquid crystal material or a polymer material alone or in combination, and performs recording and erasing according to a difference in heating temperature or cooling rate after heating.
[0031]
In addition, there is a reversible recording medium having a memory property that can electrically form an image and does not require power for image retention. Among them, a recording layer that can be printed / erased by an electric field is particularly preferable because power consumption can be reduced.
Some such recording layers use liquid crystal materials. For example, the ferroelectric polymer liquid crystal layer has a stable memory property and is preferable as a rewritable recording layer. In addition, smectic liquid crystal and cholesteric liquid crystal materials having memory properties can be used.
These liquid crystal materials can form an image using changes in the polarization characteristics of the recording layer, but a colored image can also be formed reversibly by containing a dichroic dye.
These recording layers generally form images reversibly with an electric field. However, not only the electric field but also other energy, such as heat, can be used to rewrite the image, and image retention characteristics. There is a method to improve.
[0032]
In addition, a reversible recording medium that can be electrically rewritten and recorded can be one that uses an electrophoretic material. For example, white fine particles such as titanium oxide are dispersed in a colored solvent, and the particles are moved by an electric field to form an image reversibly.
In particular, a recording layer in which the electrophoretic material is enclosed in a microcapsule and fixed on a support such as a polymer film with a resin is suitable as a rewritable reversible recording medium for documents.
Furthermore, spherical particles, half of the spheres are colored, and the other half are white particles confined together with the medium in the microcapsules, the microcapsules are held on the support, and the spheres are rotated by an electric field. A recording medium that reversibly forms an image is also applicable to the present invention.
In the image formation by the electric field of such a recording layer, an electrostatic latent image is recorded on a recording medium using an electrostatic stylus, writing by a head in which the stylus is arranged in a line, writing by an ion flow, or an electrophotographic photosensitive member. A well-known writing method such as a method of transferring to the surface can be used.
[0033]
Among these, a recording medium using a leuco dye and a material that reversibly develops / decolors with heat can form a high-contrast image on a white background, and has practical rewriting characteristics. Is the most preferred reversible recording medium.
This leuco-type reversible thermosensitive recording medium includes one that develops and decolors depending on the difference in heating temperature and / or cooling rate after heating. For example,

Patent Documents

2, 3, 4, 5, etc. It has been detailed.
[0034]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an example of a reversible thermosensitive recording medium (hereinafter also referred to as a recording medium) to which the present invention is applied.
As a typical example of the recording medium, as shown in FIG. 1A, a reversible thermosensitive recording layer (12) and a protective layer (13) are sequentially laminated on the upper surface of a support (11).
As another representative example, a reversible thermosensitive recording layer (12) and a protective layer (13) are laminated on the upper surface of the support (11) as shown in FIG. Is provided with a backcoat layer (15).
[0035]
For the support (11), paper, synthetic paper, plastic film or the like is used.
The paper used as the support is preferably a coated paper in which a filler is applied together with a binder in order to increase smoothness, whiteness and the like.
A polyethylene terephthalate (PET) film or the like is used as the plastic film. The film may be transparent or may be white by dispersing a filler.
If necessary, image information such as a form of a standard document may be printed on the surface of the support in advance.
The thickness of the support (11) is preferably about 0.05 mm to 0.5 mm. However, particularly when used for documents, the thickness of the support (11) is from 0.05 mm, which is about the same as that of paper generally used in terms of ease of handling. 0.25 mm is preferable.
[0036]
The reversible thermosensitive recording layer (12) is a material whose optical properties such as absorption, transmission, reflection, and scattering with respect to visible light change depending on heat application conditions, and includes a material that can be reversibly fixed at two temperatures at room temperature. Is a layer. In particular, a recording layer using reversible color development of a leuco dye is preferable as a recording layer having high contrast and excellent visibility.
Examples of leuco dyes include phthalide compounds, azaphthalide compounds, fluoran compounds, phenothiazine compounds, and leucooramine compounds.
In addition, as a developer for reversibly developing leuco dyes, a compound in which an acidic group such as a phenolic hydroxyl group, a carboxylic acid group, or a phosphonic acid group is linked to a long-chain hydrocarbon group that controls intermolecular cohesion is used. It is done. A divalent group containing a hetero atom may be present between the linking group and the long-chain hydrocarbon group of these developers.
Specifically, the recording medium described in Patent Document 2 described above can be used.
The recording layer is formed of these reversible coloring materials and resins, and the resin is preferably a curable resin that is resistant to thermal and mechanical stresses due to repeated rewriting.
The thickness of the recording layer is about 3 μm to 15 μm.
[0037]
The protective layer (13) is a layer that protects the recording layer from thermal and mechanical stress from the thermal head used for printing and prevents surface damage, and has a thickness of about 1 μm to 10 μm.
The protective layer (13) preferably has a function of absorbing ultraviolet rays in order to prevent decomposition of the leuco dye by ultraviolet rays.
Further, the ultraviolet absorptivity and the thermal and mechanical strength may be separated by function in separate layers, and the protective layer may be composed of two or more layers. In any case, it is preferable to use a curable resin from the viewpoint of strength.
Furthermore, sliding with the thermal head during printing is also important, and a filler can be added to the protective layer in order to make a certain degree of unevenness on the surface.
Further, for use as a document, it is also required that the gloss of the surface of the recording medium is low to some extent. This can also be achieved by adding a filler to the protective layer.
In addition to this, the protective layer may contain a colorant. Particularly for documents, when mixed with ordinary paper, the reversible recording medium may be colored so that it can be easily distinguished.
[0038]
The surface state of the uppermost layer of the reversible recording medium is important for realizing writing to the reversible recording medium and erasing thereof.
Usually, the protective layer is often the uppermost layer, and the protective layer is required to have a material design suitable for writing and erasing.
Specifically, it is necessary that the ink image can be applied without repelling, and the formed ink image does not stick and can be peeled off with a certain mechanical force.
A particularly preferable surface state of the protective layer is a surface having a dynamic receding contact angle with respect to distilled water of 75 ° to 100 °.
This is obtained, for example, by adding a silicone resin and a filler to the curable resin, and specifically, a protective layer described in Patent Document 6 is preferably used.
[0039]
In order to make the dynamic receding contact angle within this range, it is preferable to use a silicone resin or a fluorine resin for the resin layer on the surface. In particular, it is preferable to use a silicone-modified polymer for controlling such surface physical properties.
As the silicone-modified polymer, a silicone graft polymer, a silicone block polymer, a silicone-modified acrylic polymer, a silicone-modified polyvinyl alcohol and the like are preferable, and a silicone graft polymer is particularly preferable. As the silicone graft polymer, a silicone graft acrylic polymer, a silicone graft-modified polyvinyl alcohol, and the like are preferable. Among them, a polymer that can be cross-linked by heat, ultraviolet light, electron beam, or the like is particularly preferably used for evaluation of a stable writing ink composition.
[0040]
In the surface layer, these silicone-modified polymers can be used alone or mixed with other resins. The polymer to be mixed is preferably a known thermoplastic resin such as polyester, acrylic, polystyrene or polyurethane, or a curable resin such as a thermosetting resin, an ultraviolet curable resin or an electron beam curable resin which can be cured with a crosslinking agent.
[0041]
Moreover, in order to obtain the surface layer in the range of the dynamic receding contact angle, it is preferable to contain a filler simultaneously with the resin component. As the filler, conventionally known inorganic or organic fillers are used alone or in combination. Examples of preferable organic fillers include, for example, particles of silicone resin, fluorine resin acrylic resin, epoxy resin, etc., hollow particles of thermosetting resin, polyethylene wax, shellac, wood powder, cork powder, and the like. Examples of the inorganic filler include silica, alumina, zinc oxide, antimony oxide, barium oxide, calcium oxide, magnesium oxide, iron ferrite, nickel ferrite, barium titanate, potassium titanate, calcium carbonate, magnesium carbonate, hydrous silicic acid, hydrous silicic acid. Aluminum, hydrous calcium silicate, aluminum hydroxide, iron hydroxide, zinc sulfide, barium sulfate, titanium carbide, silicon carbide, molybdenum carbide, tungsten carbide, aluminum nitride, silicon nitride, boron nitride, zirconium nitride, vanadium nitride, titanium nitride, Examples include talc, kaolin, and clay. Particularly preferred are silica particles coated with calcium.
[0042]
The filler is used dispersed in the resin, and the surface unevenness shape changes depending on the particle diameter to control the dynamic receding contact angle. If the particle size is too small, it will not appear on the surface irregularities and will have no effect. If it is too large, it becomes difficult to remove the ink. From this viewpoint, the filler particle diameter is preferably 0.2 to 2 μm, particularly preferably 0.4 to 1 μm.
[0043]
The backcoat layer (15) is important because it can suppress the occurrence of curling of the recording medium when the paper absorbs moisture and expands and contracts, particularly when paper is used as a support.
In particular, it is preferable to use a curable resin as a material constituting the back coat layer.
The hardness and film thickness of the material are selected according to the balance with the support, recording layer, and protective layer.
[0044]
In addition to the reversible recording medium applicable to the present invention, an undercoat layer, a heat insulating layer, and the like can be provided on the support, if necessary.
Further, a recording layer and a protective layer can be provided on both sides of the support so that printing can be performed on both sides.
The support (11) may have an information recording unit such as a magnetic, optical memory, or IC memory.
Various information such as image information, document identification information, coordinate information, and the like may be coded and held using a barcode, a two-dimensional code, or the like. In particular, coordinate information can be detected with a pen or the like, and a visible image can be handwritten on a recording medium and simultaneously used as digital information.
[0045]
FIG. 2 is a diagram for explaining the basic color development / decolorization process of the recording medium used in the present invention.
(A) and (b) of FIG. 2 are two typical examples of the coloring and decoloring process depending on the material. All are heated from the decolored state, and the temperature T at which the reversible coloring component melts ₁ When heated once and then rapidly cooled, the leuco dye is fixed in the colored state, and from the colored state, T ₁ Decolorization temperature range (T ₂ ~ T ₁ ), The leuco dye is decolorized and can be restored to its original state.
[0046]
Printing is usually performed using a thermal head to record a color image, but recording with a laser beam is also possible.
On the other hand, for erasing, a ceramic heater substrate provided with a belt-like heating element on a substrate and a protective layer formed of glass or the like, or a heat roller is practically used.
[0047]
A rewritable recording apparatus applicable to the present invention basically has a printing unit for the above-described reversible recording medium and an erasing unit for erasing the printed image. Such a rewritable recording apparatus is already known. For example, those described in Patent Documents 2, 3, and 7 are described in detail.
As the rewrite recording device applicable to the present invention, a device provided with a writing material removing means for removing the ink image that has been added can be used in addition to the printing unit and the erasing unit. The object removing means will be described later.
[0048]
The ink composition of the present invention will be described.
The ink composition is usually used in the form of a writing instrument, but the form is not particularly limited, and known ones can be applied.
[0049]
The ink composition of the present invention is composed of a colorant, a resin, a surfactant and a solvent as main components, and generally solves the problems of the present invention rather than simply applying ink that is generally used for sign pens and markers. Therefore, in view of the kind of the constituent material, it contains at least a colorant, an alcohol-soluble resin, a nonionic surfactant and a lower alcohol.
The ink composition of the present invention contains such material components and has the specific adhesion rate and shrinkage rate as described above as physical properties.
The ink composition of the present invention contains such a material component, has the specific shrinkage ratio as described above as a physical property, and further has a dynamic receding contact angle of 75 ° to 100 °. The ink image formed by writing on the recording medium has such a property that it is removed when the sheet-like ink removing member made of fibrous material is pressed and slidably brought into contact therewith.
[0050]
Dyes and pigments are used as coloring agents for the colorant, but it is preferable to use a pigment system for the removability of the ink added on the reversible recording medium. This is because dyes are easily adsorbed to the resin and filler on the surface layer and are difficult to remove completely.
As the colorant, it is preferable to use a conventionally known inorganic pigment or organic pigment, a dispersion resin, and a dispersion solvent, and it is preferable to use a processed pigment that has been surface-treated in advance for improving dispersibility. preferable.
Examples of the pigment include, for example, carbon black, a polyazo pigment, a phthalocyanine pigment, an anthraquinone pigment, and a quinacridone pigment.
Examples of the surface treatment pigment include micro lease color (manufactured by Ciba Geigy) and Fuji AS color (manufactured by Fuji Dye).
As the pigment dispersion resin, nitrocellulose, ethyl cellulose, shellac, polyvinyl butyral, and the like can be used. Among them, polyvinyl butyral is particularly preferably used from the viewpoint of dispersion stability.
[0051]
The resin component for fixing in the writing ink composition is an alcohol-soluble resin in order to achieve both the fixability at the time of use of the writing ink, which is the subject of the present invention, and the removability of the writing ink required at the time of rewriting. Used.
Examples of the alcohol-soluble resin include polyvinyl butyral resin, rosin-modified maleic acid resin, rosin-modified phenol resin, ketone resin, acrylic resin, amino resin, and maleic anhydride copolymer resin. Rosin-modified maleic resin is particularly preferred.
The amount of the rosin-modified maleic acid added is particularly preferably in the range of 1.5 to 10% by weight in the total ink composition.
If the addition amount is small, the film of the ink image may become brittle, and the image tends to be unusable for use as a normal document. On the other hand, if the addition amount is too large, the adhesion of the ink to the surface of the recording medium may become strong, making it difficult to erase, and the viscosity of the ink may increase, making it difficult to use as a normal writing instrument.
[0052]
Nonionic surfactants are important in controlling the adhesion of ink images, especially polyglycerol fatty acid esters, polyoxyethylene glycerin fatty acid esters, polyoxyethylene sorbitan fatty acid esters, polyoxyethylene alkyl ethers, polyoxyethylenes. It is preferable to use at least one selected from polyoxypropylene alkyl ethers.
Since the image added to the reversible recording medium is used as a general document, the time until the next print image is rewritten is not constant. In some cases, it may remain written.
Since the nonionic surfactant present in the ink image is related to the adhesive force, those that do not decrease with time are preferably used, and if it decreases, the removability of the ink image tends to decrease. If it is lowered, it cannot be completely removed from the recording medium, and the rewriting of the printed image is hindered.
Therefore, the nonionic surfactant is particularly preferably a solid at room temperature, and is preferably selected from those that are solid at 25 ° C., because the ink erasability is practical with little change over time.
[0053]
The amount of nonionic surfactant in the total ink is preferably in the range of 2 to 10% by weight. The adhesion force to the surface of the recording medium can be controlled by the amount of the nonionic surfactant in the ink composition, but if the amount added is too small, the adhesion force becomes too high and the erasability of the ink image may be reduced. Come on.
Further, if the amount added is too large, the adhesive force tends to be too low and the ink image tends to come off when used as a document and tends to be impractical.
[0054]
The lower alcohol, which is a solvent used in the ink composition, is preferably ethyl alcohol, propylene glycol monomethyl ether, and the like. There is an advantage that drying is quick and easy to handle as a writing instrument.
In addition, water has low wettability to a reversible recording medium and easily repels, and since the drying speed is slow, the hand and the recording medium are easily contaminated, so that they are not used in the present invention.
[0055]
The rewriting ink composition for a reversible recording medium of the present invention can be improved in practicality by adding an anti-evaporation agent, a repellent agent or the like as an additive.
For example, if the pen cap is removed, the pen tip may dry out and ink may not be produced when an attempt is made to write. In order to improve this, it is preferable to add an evaporation inhibitor such as pentaglyceryl monostearate.
Further, it is preferable to add a fluorine-based surfactant, a silicone-based surfactant, or the like in order to prevent the redrawing of drawn lines when writing.
[0056]
The viscosity of the rewriting ink composition for reversible recording media of the present invention is not particularly limited and generally needs to be 1 to 60 mPa · s, and is appropriately adjusted within the above viscosity range depending on the type of writing instrument. .
For example, a pen-type writing instrument that uses batting or the like as the ink occlusion body is preferably in the range of 3 to 10 mPa · s. Below this range, the ink flow rate cannot be adjusted, and there is too much ink on the brush line, which tends to become dirty. Above this range, the ink flow rate is insufficient and clear brush strokes cannot be drawn.
[0057]
Various conventionally known methods can be employed to produce the above rewritten ink composition for a reversible recording medium of the present invention.
For example, a mixture containing the above components is mixed and stirred with a stirrer such as a dissolver, and mixed and ground with a ball mill, three-roll, bead mill, sand mill, etc., and then coarse pigment particles are removed by centrifugation or filtration. Thus, an ink composition can be produced.
[0058]
The writing instrument having the rewriting ink composition for a reversible recording medium of the present invention as described above has excellent writing properties on the reversible recording medium, and can be reliably written without any problem of repelling or bleeding.
The work in the office in recent years is performed using a computer. For example, document creation by a computer is often performed by printing on paper using a printer for checking and proofreading during creation. Also, it is often printed on paper for browsing information stored in a database. The hard copy printed in this way is generally used while writing a mark, underline, correction contents, etc. in a correction part of a document or an important part of a document. If a reversible recording medium is used as such a document, the reversible recording medium is required to have the same writing property as paper. The retouched ink composition of the present invention has a writing property at a level sufficient to achieve this purpose.
The reversible recording medium erases unnecessary information, newly prints other information, and rewrites it several hundred times or more. In this case, when rewriting information, the characters and marks written with the writing instrument must be removed. Characters written by the rewriting ink composition for reversible recording medium of the present invention as described above can be erased by physically removing the ink from the recording medium.
The retouched ink composition of the present invention enables erasable writing, but it can be used sufficiently with almost no erasure in the operation of handling a retouched recording medium as a document.
For example, even if the reversible recording medium is pulled out in a state where about 50 plain paper documents are placed on the added recording medium, the written characters hardly disappear.
When rewriting a document printed by a printer, if the characters handwritten with the ink composition in advance are rubbed with a fibrous removal member such as tissue paper, the ink adheres to the removal member and can be removed from the recording medium. . Thereafter, the printed image is rewritten by the printer, so that the written ink does not adversely affect the erasing part or the printing part of the printer.
Since ink can be removed in this manner, it is possible to realize a rewritable recording medium “rewritable paper” that can be written indispensable for handling as a document and can be reused stably several hundred times.
[0059]
It is preferable that the written ink image is made of a fibrous material as the removing member because it can be wiped off by hand.
In a more preferred embodiment, an apparatus that automatically removes the ink on the surface and removes the retouched image before the erasing and printing portion of the printed image in the printer that rewrites the printed image is incorporated in the printer. It is that you are.
Since the ink composition of the present invention easily adheres to the fiber, a thin sheet of fiber is used as a removal member for the brush removal mechanism of the printer, and this is pressed against the surface of the recording medium on which the brush ink image is formed. It is possible to remove the ink from the recording medium by adhering the ink to the removing member side and securing the eye of the fiber.
When a fibrous member is used as the removing member, the ink image formed on the reversible recording medium having a dynamic receding contact angle of 75 degrees to 100 degrees is removed by the removing member. As described above, an ink composition having such properties and a specific shrinkage ratio is effective for solving the problems of the present invention.
[0060]
FIG. 5 shows a schematic configuration of a typical rewritable recording apparatus having a rewritten ink removing unit.
In FIG. 5, (51) is a rewritable recording device, (52) is a paper feed unit, (53) is an article removal means, (54) is an erasing unit for an image recorded on the reversible recording layer, and (55) is This is a printing unit that forms a color image on the reversible recording layer.
In addition to this, a guide unit (56) for guiding the recording medium and a roller (57) for conveying the recording medium are installed in the apparatus. Although not shown in the figure, a power source, a drive unit, a control unit, and the like are separately provided.
The recording medium is conveyed by a conveying roller to a retouching ink removing unit, and after the ink image formed by rewriting is removed, the image formed on the recording layer is erased by being sent to the erasing unit. Is printed.
When it is only necessary to use a new recording medium and perform printing, the additional ink removing means may be allowed to pass without functioning or may be sent directly to the recording unit via another route.
Further, even when no writing is performed, it may be sent directly to the erased portion of the printed image in the same manner. In such a case, it may be selected automatically by detection with a sensor or the like, or may be selected by the user.
Such switching of the operation mode may be provided in the apparatus itself or may be performed from the connected computer side.
[0061]
The added ink image removing means will be described in more detail.
FIG. 6A shows the most basic structure of the added ink removing means.
In FIG. 6, (61) is a roller-shaped pressing member made of an elastic body. The pressing member (61) can be pressurized by a pressurizing mechanism (63) having a spring. A receiving roller (64) is installed at a position facing the pressing member with respect to the conveyance surface of the recording medium. The receiving roller (64) may be a roller having a conveying force by transmission from the drive unit, or may be a roller that only rotates as the recording medium moves.
Reference numeral (65) denotes a fibrous sheet-like removal member that is brought into sliding contact with the recording medium surface.
[0062]
FIG. 6B shows another example of the removing means of the present invention. The pressing member (61) is an elastic body having an edge portion extending in a direction inclined with respect to the moving direction of the recording medium, and the removing member is pressed against the recording medium surface by the pressurizing mechanism (63).
The receiving roller (64) has a strength to receive the pressure from the pressing member and pinch the recording medium, and has an action of bringing the removal member (65) and the recording medium into close contact with the pressing member (61). The receiving roller (64) is also preferably an elastic roller such as rubber so that the pressing member (61) can uniformly apply pressure to the recording medium.
[0063]
In FIG. 6, although the pressure mechanism (63) is on the pressing member (61) side, it is on the receiving roller (64) side and has a structure in which the recording medium is pressed against the pressing member side with the removal member (65) interposed therebetween. May be.
The important point in the retouched ink image removing means of the present apparatus is that the removing member (65) adheres linearly to the surface of the recording medium and the recording medium is conveyed while maintaining the state.
By adhering in a linear shape, a state where the added ink image is strongly adhered to the removing member (65) while being peeled off is obtained, and only the linear portion is accumulated.
[0064]
Next, the basic operation of the writing ink removing means in the present invention will be described with reference to FIG.
The recording medium rewritten with the ink of the writing instrument is conveyed to the rewritten ink removing means as shown in FIG. The recording medium and the removal member are slidably contacted between the pressing member and the receiving roller while maintaining a linear contact state, and the ink image is peeled off as shown in FIG.
The ink image on the recording medium accumulates in the linear portion of the removal member pressed against the edge of the pressing member, and if the removal member is in close contact with the recording medium surface, the ink passes through the recording medium. Does not remain.
In this way, the recording medium is conveyed while being in sliding contact with the removing member, and the retouched image on the recording medium is completely removed as shown in FIG. Since the stripped ink is made of fine fiber, the removed member bites into the eye and does not drop off.
[0065]
The retouched ink image removal method applied to the present invention is basically a method for physically removing the ink image on the recording medium. In particular, the removing member is removed to a level at which there is substantially no problem on the recording medium. It can be removed with a single pass, and it is securely held by the removal member so that the removed ink does not adhere to another recording medium again or contaminate the recording medium, such as the transport roller, of the device. it can.
The method uses a fibrous sheet-shaped removal member that has fine irregularities, is flexible, and is in close contact with the recording medium and can be slidably contacted with the surface of the recording medium. The removing member is pressed against the recording medium surface using the pressing member.
The recording medium moves relative to the pressing member, and adheres and holds the handwritten ink image on the recording medium in the uneven surface of the removing member fiber pressed by the pressing member. Since the ink strongly adheres due to the fiber eyes, the ink does not fall off, and the writing ink can be surely secured to the removing member pressed by the edge portion.
[0066]
As described above, by using the retouching ink composition of the present invention, rewriting with ink necessary for using the reversible recording medium as a document can be realized without any problem in rewriting the image by the printer. Further, the retouched image by ink can be automatically removed in the printer having the above retouching removal means.
[0067]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples. In the examples, “parts” are expressed on a weight basis.
[0068]
<Standard surface sheet for evaluation>
As the standard surface sheet for evaluation, one prepared as follows is used.
4.2 parts of Coronate HX manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd. is added to the mixed dispersion of the following composition, and stirred well to prepare a coating solution. The coating solution is applied onto a white PET film having a thickness of 250 μm using a wire bar. Then, after drying at 100 ° C. for 2 minutes, it was cured by heating at 60 ° C. for 24 hours to provide a surface layer having a thickness of about 3.0 μm to obtain a standard surface sheet for evaluation.

[0069]
This standard surface sheet for evaluation has a dynamic advancing contact angle of 86.0 ± 2.0 degrees and a dynamic receding contact angle of 78.0 ± 2.0 degrees with respect to distilled water.
The numerical values of the dynamic advancing contact angle and the dynamic receding contact angle were determined using a Wilhelmy plate method dynamic contact angle meter (DCA-20 manufactured by Orientec Co., Ltd.) with a sample width of 24 mm and a sample descending / raising rate. The measurement was performed at 20 mm / sec, and the average value was calculated from the following measurement values obtained by repeating this measurement operation five times.
1st time: 86.3 degrees forward, 79.1 degrees backward
Second time: 85.5 degrees forward, 77.4 degrees backward
3rd time: 85.9 degrees forward, 78.1 degrees backward
4th time: 84.2 degrees forward, 76.4 degrees backward
5th time: 87.8 degrees forward, 79.6 degrees backward
Average: 85.9 degrees forward, 78.1 degrees backward
[0070]
<Preparation of reversible recording medium>
[Recording layer]
2-anilino-3-methyl-6dibutylaminofluorane 2 parts
8 parts developer with the following structure
[0071]
[Chemical 1]

3 parts coloring and decoloring control agent with the following structure
[0072]
[Chemical formula 2]

Acrylic polyol resin (Mitsubishi Rayon Co., Ltd., LR503) 15 parts
Tetrahydrofuran (THF) solution 130 parts
The composition was pulverized and dispersed to a mean particle size of about 1 μm using a ball mill. 20 parts of Coronate HL (Adduct type hexamethylene diisocyanate 75% ethyl acetate solution) manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd. was added to the resulting dispersion and stirred well to prepare a recording layer coating solution.
The recording layer coating solution having the above composition was applied onto Shiraoi coated paper manufactured by Daishowa Paper Co., Ltd. using a wire bar, dried at 100 ° C. for 2 minutes, and then heated to 60 ° C. for 24 hours to obtain a film thickness of about 9.0 μm. The recording layer was provided.
[0073]

The composition was pulverized and dispersed to an average particle size of about 0.6 μm using a ball mill. To the resulting dispersion, 5.6 parts of Coronate HX manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd. was added and stirred well to prepare a protective layer coating solution.
The protective layer coating solution is applied onto the recording layer using a wire bar, dried at 100 ° C. for 2 minutes, and then heated at 60 ° C. for 24 hours to provide a protective layer having a thickness of about 3.0 μm. A reversible recording medium of the present invention having a size was prepared.
[0074]
The dynamic receding contact angle of the recording medium surface with distilled water was measured to be 85.5 degrees. The measuring apparatus and conditions were the same as those for the evaluation standard sheet.
[0075]
<Preparation of ink compositions of Examples 1 to 17 and Comparative Examples 1 to 7 and measurement of physical properties thereof>
The invention and comparative writing ink compositions having the compositions shown in Table 1-1 to Table 1-3 were prepared. These writing ink compositions were used as writing instruments in the form of batting sign pens, and the shrinkage rate and adhesion rate were measured according to the method of the present invention described above.
[0076]
<Measurement of drawn line shrinkage>
Using a writing pen using the ink composition of the present invention in a room at a room temperature of 24 ° C. and a relative humidity of 55%, write a drawn line as shown in FIG. 4 on the pen tip and the standard sheet for evaluation (32). did. Contact width d with standard sheet for evaluation ₀ After writing three drawn lines (straight lines) (34) with a constant value, let stand for 10 minutes to dry, measure the thickness of the drawn lines, find the average value d of the three, and determine the contact width of the pen tip d ₀ Stroke amount of stroke (d ₀ The ratio (%) of -d) was calculated as the shrinkage rate.
In addition, there are cases where both sides are straight and the thickness is almost constant, and there are cases where unevenness is formed on both sides and the thickness is not constant. The narrowest width as in 4 (b) was measured and defined as d. In addition, when ink omission due to repelling occurs inside the ink drawing line, the narrowest width inside the ink drawing line was measured and defined as d. Furthermore, d was 0 when the ink was disconnected linearly, and the shrinkage rate was 100%.
[0077]
<Measurement of ink adhesion rate>
A standard sheet for evaluation having a dynamic receding contact angle with respect to distilled water in the range of 85 to 90 degrees is fixed to the sample table with double-sided tape on the sample table shown in FIG. Using a writing instrument having a writing ink composition to be tested on the evaluation sheet, five drawn lines are written as shown in FIG. Adhesive cellophane tape (according to the coating test of JIS K-5600-5-6) is applied in parallel to the drawn line, and rubbed with a finger through tissue paper 5 times so that there is no floating part. Adhere closely.
The adhesion test is performed as follows.
First, the end of one tape is pinched with a finger in a direction of 150 degrees, and the tape is peeled at a constant speed. Next, the first peeling rate is 30 mm / sec and the second peeling rate is 0.3 mm / sec. After peeling, the ratio (%) of the drawn line area of the writing ink remaining on the recording medium after peeling the tape is obtained as the residual ratio with respect to the drawn line area first written.
The rewritten ink composition for a reversible recording medium of the present invention is specified from the residual ratio with respect to the first peeling speed and the residual ratio with respect to the second peeling speed. When the ink residual ratio is 10% or less with respect to the first peeling speed and the ink residual ratio is 90% or more with respect to the second peeling speed, it is marked with ◯.
[0078]
<Evaluation of ink compositions of Examples 1 to 17 and Comparative Examples 1 to 11>
The writing ink compositions of Examples and Comparative Examples for the above reversible recording media were evaluated for the scratch resistance of the drawn lines and the ink removability.
The ink removability was measured 1 hour and 2 months after the writing, and the change in ink drawing with time was evaluated. Furthermore, the removal of the writing ink and the rewriting of the print image were set as one set, and the influence on the print image when repeated 100 times was evaluated.
The results of evaluation are summarized and shown in Tables 2-1 to 2-3.
[0079]
<Abrasion resistance>
A drawn line is written on a reversible recording medium having a width of 5 cm and a length of 30 cm as shown in FIGS. 4D and 4E, and this is placed on a flat table. Cover 50 sheets of A4 copy paper so that the drawn portion of the recording medium is in the center. Hold one end of the recording medium on the outside of the copy paper with your finger and pull it out horizontally. ◯ when the drawn line remains 90% or more, and x when it is less.
[0080]
<Additional ink erasability test>
A reversible recording medium written with a pen having the writing ink composition of the present invention was passed using the apparatus having the writing ink erasing means shown in FIG. 6, and the drawn lines of the writing ink were removed. However, a polyester fiber non-woven fabric (square meter basis weight 7.5 g) was used for the removing member, a rubber member having a hardness of 30 degrees was used for the pressing member, and the linear pressure was 2 kg. A rubber roller having a hardness of 60 degrees was used as the receiving roller. A case where the drawn lines are almost completely removed and erased is indicated by ◯, a slight amount of ink remaining is indicated by Δ, and a case where ink remains clearly is indicated by ×.
[0081]
<Rewriting and rewriting the print image>
Characters and lines were written on the reversible recording medium on which the printed image was formed with a marker having the writing ink composition of the present invention. The rewritable recording apparatus of FIG. 5 and the apparatus having the retouched ink erasing means of FIG. 6A was used to pass through a reversible recording medium to remove the strokes of the retouched ink and erased.
Further, the print image was erased with a 140 ° C. heat roller, and another image was printed with a thermal head and rewritten. However, a non-woven fabric of polyester fibers (square meter basis weight 7.5 g) was used for the erasing member, a rubber material having a hardness of 35 degrees was used for the pressing member, and the linear pressure was 2 kg. A rubber roller having a hardness of 23 degrees was used as the receiving roller.
This series of operations was repeated 100 times. However, the same recording medium was used, and letters and lines were added with a marker each time. The printed image was a random document image. Even after 100 repetitions, the print image with no fading or omission is good as in the initial state, and the image with fading or omission and the print quality is lower than the initial is x.
[0082]
However, the commercially available writing instruments used in Comparative Examples 8 to 11 are as follows.
Commercially available oil marker A: “Mckey Care” manufactured by Zebra
Commercially available oil marker B: “Artline Junko” manufactured by Shachihata
Commercial Whiteboard Marker C: “White Board Marker” made by Sakura
Commercial Whiteboard Marker D: “Board Marker” made by Zebra
[0083]
[Table 1-1]

[0084]
[Table 1-2]

[0085]
[Table 1-3]

[0086]
[Table 2-1]

[0087]
[Table 2-2]

[0088]
[Table 2-3]

[0089]
【The invention's effect】
As described above, as is clear from the detailed and specific description, according to the present invention, the ink image that is manually added and adhered to the reversible recording medium is displayed without being easily peeled off when handled as a document. When the information becomes unnecessary, the retouched ink image is easily removed by the erasing member so that it can be surely erased. When the image printed on the recording medium is rewritten by the printer, the ink is removed from the print removal mechanism or the print mechanism. No dirt will be attached. As a result, the reversible recording medium can be rewritten not only by a printer but also by handwriting. The rewritten recording medium can be rewritten and used stably many times. Accordingly, it is possible to solve the problem of handwritten writing required for a reversible recording medium for documents, to realize a use state similar to that of a normal paper document, and to reduce disposable paper.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a configuration example of a reversible recording medium used in the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a coloring / decoloring process for an example of a reversible recording medium used in the present invention.
FIG. 3 is a diagram illustrating an adhesive cellophane tape peeling test of an ink composition carried out in the present invention.
FIG. 4 is a diagram illustrating measurement of a drawn line formation state of an ink composition performed in the present invention.
FIG. 5 is a diagram showing a basic configuration of a rewrite recording apparatus according to the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing a basic example of a rewritten ink erasing unit of the rewriting recording apparatus according to the present invention.
FIG. 7 is a diagram for explaining a basic operation of a rewritten ink erasing unit of the rewriting recording apparatus according to the present invention.
[Explanation of symbols]
11 Support
12 Recording layer
13 Protective layer
15 Backcoat layer
31 Sample stage
32 Standard surface sheet for testing
33 Adhesive cellophane tape
34 Stroke
51 Rewrite recording device
52 Paper Feeder
53 Means for removing written objects
54 Eraser
55 Printing section
56 Guide section
57 Laura
61 Pressing member
62 Pressing member support
63 Pressurization mechanism
64 Receiving roller
65 Removal member

Claims

Used to write on the surface of a reversible recording medium that can be reversibly imaged and erased by applying energy, and contains at least a colorant, an alcohol-soluble resin, a nonionic surfactant, and a lower alcohol as main components. An ink composition to be contained, wherein the colorant comprises a pigment and a polyvinyl butyral resin, and the ratio of the two is in the range of 1: 0.5 to 1: 2, and occupies the total ink composition. The content of the alcohol-soluble resin is 1.5 to 10% by weight, the content of the nonionic surfactant in the total ink composition is 2 to 10% by weight, and the dynamic advancing contact angle with respect to distilled water is 86. In relation to the drawn lines formed by the ink composition and dried on the surface of the standard surface sheet for evaluation having a dynamic receding contact angle of 78.0 ± 2.0 degrees and 0.0 ± 2.0 degrees. (1) The shrinkage ratio of the width of the drawn line is less than 20% before drying, and (2) by a peel test in a 165 degree direction performed using an adhesive cellophane tape (a) at a speed of 30 mm / sec. For reversible recording medium writing, characterized in that the adhesion rate of the drawn line when peeled is 10% or less and (b) the attached rate of the drawn line when peeled at a speed of 0.3 mm / sec is 80% or more Ink composition.

Used to Categories erasing method dynamic receding contact angle is remove the ink of the ink images retouched on the surface of the reversible recording medium in sliding contact with pressing the sheet-like member made of a fibrous with a surface layer of less than 100 degrees 75 degrees The ink composition for reversible recording medium writing according to claim 1 , wherein the ink composition is rewritten.

The nonionic surfactant is at least one selected from polyglycerin fatty acid ester, polyoxyethylene glycerin fatty acid ester, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene alkyl ether, and polyoxyethylene polyoxypropylene alkyl ether. The ink composition for rewriting for reversible recording media according to claim 1 or 2, wherein the ink composition is for reversible recording media.

The nonionic surfactant is reversible recording medium retouched ink composition according to either the claims 1 to 3, characterized in that it is solid at 25 ° C..

Reversible recording medium retouched ink composition according to either the claims 1 to 4, wherein the alcohol-soluble resin is a rosin-modified maleic acid resins.

6. After forming an image by applying energy to a reversible recording medium having a surface layer having a dynamic receding contact angle with distilled water in a range of 75 degrees or more and 100 degrees or less, then according to any one of claims 1 to 5. A writing image is formed and used using a writing instrument holding the writing ink composition for reversible recording medium described above, and after the use is completed, the writing ink image is removed in advance, and then the energy application image is erased, A method for rewriting a reversible recording medium, wherein an image is recorded using energy.

The rewriting method for a reversible recording medium according to claim 6 , wherein the rewritten ink image is removed by pressing and sliding a fibrous sheet-like ink removing member on the surface of the reversible recording medium.

The method for rewriting a reversible recording medium according to claim 6 or 7 , wherein the surface layer of the reversible recording medium contains a silicone-modified polymer and a filler.

Using the edge portion of the elastic body extending in a direction inclined with respect to the moving direction of the recording medium, the ink-removed ink image is removed by pressing and sliding the fibrous sheet-like ink removing member on the surface of the recording medium. 9. A reversible recording medium rewriting method according to any one of claims 6 to 8 .