詳細な説明
図1を参考にすると、胃組織、例えば、胃の小彎またはGEJの約2cm以内の胃の任意の部分の組織704など、胃食道接合部(GEJ)702の近くの胃組織を再構成するための機器700が示されている。GEJは、食道および胃からの移行の領域である。胃の小彎は、GEJを越えて位置する胃の一部である。機器700は、胃への経口アクセスを可能にするように寸法が決められた細長いシャフト710と、胃組織を操作するための組織マニピュレータ712と、を含む。シャフト710によって画定された内腔714内に、再構成処置の視線誘導を提供する標準のGI内視鏡715が配置される。機器700は、GERDを治療するために特に適合されている。機器700を用いることによって、後述されるように、膨隆、ひだ、または組織ラップが胃食道接合部702の近くに形成され、食道内への胃液の逆流を軽減する。
組織マニピュレータ712は、シャフト710の内腔714内に収納された細長いケーブルアセンブリ716と、ケーブルアセンブリ716による組織再構成処置における種々の工程を実行するために作動される遠位エンドエフェクタ718と、を有する。エンドエフェクタ718は、組織704に係合する第1および第2のジョー部材720、722を有する。ケーブルアセブリ716は、それぞれ、第1の平面において相対的に互いの方へ、かつ互いから離れて移動させるための第1および第2のケーブルの対724a、724bおよび726a、726bと、第2の平面において、さらに後述されるように、一般に第1の平面に横断し、かつ好ましくは垂直にシャフト710に対してエンドエフェクタ718を移動させるための第3のケーブル728と、を有する。胃内への挿入中に、エンドエフェクタ718は(図3Aに示されているように)シャフト710と整列する。いったん胃内に配置されると、ケーブル728は、シャフト710との整列から外れて(図1に示されているように)、エンドエフェクタ718に連結するように作動される。
ケーブルアセブリ716は、バネビーム784を有し、バネビーム784は、例えば、ステンレス鋼またはニチノールで形成され、シャフト710内へ延在する。バネビーム784を有する。エンドエフェクタ718は、ビーム784の遠位端785におけるビーム784に取付けられている。ビーム784は、その静止状態において、まっすぐな配列へ偏向されている。ケーブル728を引くことによりビーム784が曲がる。ケーブル728が離されると、ビーム784はまっすぐな配列へ戻る。
図2も参考にすると、第1のジョー720には、組織固定部材、例えば固定デバイス730の第1の部分732が装着されており、第2のジョー722には、組織固定デバイス730の第2の部分734が装着されている。さらに後述されるように、ジョー720、722が組織704に係合し、ラッピング動作で組織を操作し、例えば、胃の小彎において膨隆736を生成してから、組織固定デバイス730は、展開(配備)されて、係合された組織を固定する。ケーブルアセブリ716は、さらに後述されるように、固定デバイス730を配備するための第4のケーブル737を含む。
エンドエフェクタ718は、管738および第3の組織係合部材または開創器、例えば、後述する目的のために、管738内に受け入れられるコイル740をさらに含む。コイル740はオーバーチューブ742内に収納されており、かつコイル740およびオーバーチューブ742は、ケーブルアセブリ716の軸Aに沿ってジョー720、722に対して軸方向に近位および遠位に移動され得る。コイル740は、組織内へ回転可能に前進され得る。
図3Aを参考にすると、機器700は、その近位端745にハンドル743を有する。ハンドル743は、ケーブル724a、724b、726a、726bを制御してジョー720、722を閉鎖および開放するための制御ノブ744と、ケーブル728を制御してエンドエフェクタ718を移動させるための制御ノブ746と、を有する。ハンドル743は、それを通じてコイル740およびオーバーチューブ742がシャフト内腔714内へ導入されうるポート748と、後述されるように、組織固定デバイス730を配備するための引きノブ750と、を有する。図3Bに示されているように、ハンドル743は、それを通じて内視鏡715がシャフト内腔714内へ導入されるチャネル752を画定する。
図1および3Cは、種々のケーブル、オーバーチューブ742、および内視鏡715を受け入れるためのシャフト710内の作業チャネルを示すが、シャフト710の内腔714内には、ジョー720、722を閉鎖するためのケーブル724a、724bが受け入れられるチャネル762a、762bを画定するケーブルハウジング760a、760bと、ジョー720、722を開放するためのケーブル726a、726bが受け入れられるチャネル766a、766bを画定するケーブルハウジング764a、764bと、がある。内腔714内には、エンドエフェクタ718を曲げるためのケーブル728が受け入れられるチャネル770を画定するケーブルハウジング768と、固定デバイス730を配備するためのケーブル737が受け入れられるチャネル774を画定するケーブルハウジング772と、がある。コイル740およびオーバーチューブ742は、内腔714内のコイルハウジング776において画定されたチャネル778に受け入れられる。ハウジング776は、ポート748から管738に延在する。図3Dに示されているように、コイル740は、組織刺通先端741と、コイル740の残りよりもゆるく巻かれたコイルを有する遠位区分740aと、を有する。内視鏡715は、内腔715内の内視鏡ハウジング780において画定されたチャネル782に受け入れられる。
バネビーム784は、一般にケーブルハウジング776と内視鏡ハウジング780との間に位置し、ビーム784は、例えば、シリコーン接着剤/シーラントによってシャフト710に装着されているシャフトの遠位端からシャフト710内へ約4インチ延在する。種々のケーブルハウジングおよびバネビーム784は、シャフト710およびハンドル743に対して移動することはない。エンドエフェクタ718を作動するのは、ケーブルハウジング内のケーブルの移動である。シャフト710は、好ましくは、例えば、熱収縮管で形成されている。
図3Aを再び参考にすると、エンドエフェクタ718は約2インチの長さL1を有し、ケーブルアセブリ716はシャフト710から約2.5インチの長さL2で軸方向に延在し、シャフト710は約23.5インチの長さL3を有し、ハンドル743は約5インチの長さL4を有する。ケーブルアセブリ716、バネビーム784およびシャフト710は、胃内への機器700の経口配置を可能にする必要な可撓性を有する。比較的剛性なエンドエフェクタ718の長さL1は、機器700の必要な可撓性が確実に維持されるように最小限に抑えられる。ケーブルアセブリ716がシャフト710から軸方向に延在する距離は、カンチレバービーム784が、GEJの近くの胃の内面に対してジョー720、722を配置するようにシャフト710に対してエンドエフェクタ718の所望の曲げを可能にするように選択される。
遠位エンドエフェクタ718は、直径12〜16mmのチャネル(食道の直径に対応)を通り抜けるように大きさが設定されており、シャフト710は、約12〜16mmの外径を有し、胃内への機器700の経口通過を可能にする。スコープチャネル782は、約8mmまたは10mmの直径を有する。直径8mmのスコープチャネルは7.9mmの小児用胃鏡の通過を可能にし、直径10mmのスコープチャネルは9.8mmの成人用胃鏡の通過を可能にする。チャネル778は、ケーブル742を受け入れるための約2〜3mmの直径を有する。
遠位エンドエフェクタ718は、図4Aおよび4Bにより詳しく示されている。エンドエフェクタ718は、溝穴801を画定する中央マウント800を有する。溝穴801に架かってマウント800によって支持されているのは、ピン803であり、これには720、722が枢動可能に支持されている。中央マウント800は、その上をケーブル724a、724bがそれぞれジョー720、722を閉鎖するために通過する2つの滑車802をも収納する。ケーブル724a、724bは、それぞれ、ジョー720、722上の地点804、806で終わる。ジョー720、722を開放するためのケーブル726a、726bは、それぞれ、地点804、806の近位のジョー720、722上の地点808、810で終わる。コイル740およびオーバーチューブ742を受け入れるためのエンドエフェクタ718の管738は、マウント800に取り付けられており、エンドエフェクタ718を曲げるためのケーブル728は、管738上の地点811で終わる。
ケーブル724a、724bを近位に引くことにより、ジョー720、722は一般に第1の平面(図4Aの紙の平面)における互いに向き合う方向に移動する。ケーブル726a、726bを近位に引くことにより、ジョー720、722は一般に第1の平面における互いから離れて移動する。ケーブル728を近位に引くことによって、ビーム784は曲がり、エンドエフェクタ718を一般に第1の平面に対して垂直となる第2の平面に(図4Aの紙の平面から外へ)に移動する。
図5も参考にすると、ジョー720は、2本の誘導管816a、816bと、それぞれ管816a、816b内に誘導される2本のプッシュロッド814a、814bを含むスライダ812と、を有する。スライダ812は、ジョー720に装着され、ジョー720に対して摺動する。管816a、816bは、ジョー720の周囲で曲がり、それぞれ組織刺通先端818a、818bにおいて終わる(図6B)。プッシュロッド814a、814bは、ポリエチレンもしくはポリプロピレンなどの成形プラスチックで、または編組ステンレス鋼ケーブルとして形成され、管816a、816bの曲線に従う可撓性を提供し得る。ケーブルハウジング772は、スライダ812に取り付けられ、ケーブル737は、ジョー720上の固定地点739で終わる。ケーブル737の作動により、後述されるように、スライダ812が遠位に押される。
組織固定デバイス730の第1の部品732が、図6Aおよび6Bにより詳しく示されている。組織固定デバイス730の第1の部品732は、通り穴820a、820b(図6C)を画定し、部品732は、それぞれ通り穴820a、820bに受け入れられる先端818a、818bとともにジョー720へ装着される。縫合糸822で部品732に接続されているのは、2つの固定要素、例えば、棒824a、824bである。各棒824a、824bは、2つの通り穴826a、826bを画定する。縫合糸822は、棒の穴826a、826b、および部品732の穴820a、820bを通り、結び合わされて結び目823を形成し、棒824a、824bを部品732に固定する。管818a、818bは、各々、棒824a、824bのうちの1つを受け入れるためのチャネル827と、それを通じて縫合糸822を受け入れるためのチャネル827と連絡する溝828と、を画定する。
図4Bおよび図7を特に参考にすると、ジョー722は、遠位部材830を有し、遠位部材830は、固定デバイス730の第2の部品734を受け入れるための溝穴832と、組織刺通先端818a、818bを受け入れるための溝穴834a、834bと、を画定する。固定デバイス730の第2の部品734は、先端818a、818bを受け入れるための通り穴836a、836bを画定する。ジョー720、722が閉鎖されると、先端818a、818bは、溝穴834a、834b、および穴836a、836bを通過する。ジョー720、722の閉鎖後の固定デバイス配備ケーブル737の作動により、スライダ812およびプッシュロッド814a、814bが遠位に押され、棒824a、824bは、組織刺通先端818a、818bの外部へ前進し、図8に示されているように、固定デバイス730の第2の部品734の反対側838上に棒824a、824bを配置する。
図9A〜9Fを参考にすると、内視鏡誘導下での使用中、医師は、機器700を経口的に前進させ、エンドエフェクタ718を胃内へ配置する。胃内へ前進させている間、エンドエフェクタ718は、一般に、図9Aに示されているように、シャフト710の軸に沿って整列する。次いで、医師は、制御ノブ746を回転し、ケーブル728を近位に引き、それによってビーム784を曲げ、エンドエフェクタ718をシャフト710との整列からずらして図9Bに示されている位置へ移動する。次いで、制御ノブ744を回転し、ケーブル726a、726bを引くことによって、ジョー720、722は、ピン803の周りを図9Cに示されている開位置へ枢動する。
次いで、医師は、チャネル778の遠位にコイルおよびオーバーチューブを押すことによってコイル740およびオーバーチューブ742を前進させ、コイル740およびオーバーチューブ742を管738から外へ前進させ、胃組織、好ましくは、図1に示されているように、胃食道接合部を越えた胃組織と接触させる。組織を押して組織を安定化させるオーバーチューブ742を用いて、医師は、コイル740を回転させると同時に、わずかに遠位の圧力をかけ、図9Dに示されているように、コイルを組織内へ前進させる。次いで、コイル740およびオーバーチューブ742は近位に引かれ、組織をジョー720、722間に引く。次いで、制御ノブ744を回転し、ケーブル724a、724bを近位に引くことによって、ジョー720、722は、図9Eに示されているように、閉鎖される。制御ノブの回転は、コイル740およびオーバーチューブ742を近位に引き、コイル740およびオーバーチューブ742が確実にジョーの閉鎖の邪魔にならないように配置される処置でもあり得る。コイル740およびオーバーチューブ742がその近位位置にない場合には、ロックアウトを組込んでジョーの閉鎖を阻止することができる。
ジョーの閉鎖は、固定デバイス730の部品732、734を2つの組織区分に、例えば、胃内の2つの離れた組織表面に対して接触させ、組織刺通先端818a、818bを組織を通じて刺通させ、固定デバイス730の第2の部品734の穴836a、836b内へ入れる。固定デバイス730を配備するには、医師は、ケーブル737を近位に引き、ケーブル737から緩みを除去する。ケーブルハウジング772は、長さが固定されており、ハンドルに非可動式に取り付けられているため、ケーブル737から緩みを除去することにより、図9Fに示されているように、ケーブルハウジング772を遠位に移動させられ、スライダ812を前進させ、t字状棒824a、824bが組織刺通先端818a、818bから押し出される。
次いで、医師は、ジョーを開放し、ジョー722を第2の部品734から分離し、遠位エンドエフェクタを一般にシャフト710と整列したその最初の位置に戻し、ジョーを閉鎖して機器700を取り出す。図10は、膨隆736を適所に固定する固定デバイス730とともに組織の断面を示す。
他の実施形態は、以下の請求項の範囲内にある。
例えば、コイル740ではなく、T状縫合糸または2個の小さな把握ジョーなど別の組織刺通または把握要素を使用することができる。機器700は、第3の組織係合部材を伴わずに使用することができる。
図11Aおよび11Bを参考にすると、エンドエフェクタ718’は、ジョー720、722を作動するためにルーティングする別のケーブルを含む。エンドエフェクタ718’は、ジョー720、722を開放するためのケーブル726a、726bと、ジョー720、722を閉鎖するための単一のケーブル724’と、スライダ812を前進させるためのケーブル737と、を有する。エンドエフェクタ718’はまた、その周りでケーブルがルーティングするピボット803と、一連の滑車850a、850b、850c、850d、850eと、を有する。
ケーブル724’は、滑車850aの下(図11Aおよび11Bに見られるように)および滑車850cの上でルーティングする第1の部分852aと、滑車850cと850bとの間に延在する第2の部分852bと、滑車850bの下および滑車850aの上でルーティングする第3の部分852cと、を有する。ケーブル726aは、滑車850dに延在する第1の部分854aと、滑車850dと中央マウント800に固定されたアンカー851aとの間に延在する第2の部分854bと、を有する。ケーブル726bは、滑車850eに延在する第1の部分856aと、滑車850dと中央マウント800に固定されたアンカー851bとの間に延在する第2の部分856bと、を有する。
ジョー720および722を開放するには、使用者は、(制御ノブ744を回転させることによって)ケーブル726aおよび726bに張力F1をかける。張力F1は、ケーブル726aおよび726bの第1の部分854aおよび856aを張力F1と同じ方向の近位に引き寄せ、ケーブル726aおよび726bの第2の部分854bおよび856bをそれぞれ滑車850eおよび850dの周りの遠位に引き寄せる。ノブ744を回転させることにより、ケーブル724’における緩みも生じる。結果として真の力F3が生じ、ジョー720、722を開放させる。
ジョー720、722を閉鎖するには、使用者は、(制御ノブ744を反対方向に回転させることにより、それによってケーブル726a、726bの張力も軽減するが)ケーブル724’の部分852aおよび852bに張力F2をかける。張力F2は、ケーブル724’の部分852bを短縮するように作用し、それによって滑車850cおよび850bを引き寄せ、ジョー720、722を閉鎖する。
図12Aを参考にすると、別の実施形態においては、第3の組織係合部材740’は、組織貫通端860aを備えた組織係合コイル860と、らせん駆動シャフト862と、駆動シャフト862によってかけられるトルクをコイル860に移すための連結部材864と、を有する。らせん駆動シャフト862は、後述される理由のために、組織係合コイル860とは反対方向に巻かれていることが好ましい。連結部材864の上に、かつこれに対して軸方向に可動に位置しているのは、バネ付き鞘866である。組織係合部材740’は単独に使用され、または図1の組織係合部材740の代用となりうる。コイル860は、例えば、ループからループまでのピッチが1.5mmで直径が2mmの6つのループを有する。他の構成、例えば、1つのループ以上でループ数が組織への所望の貫通深さに対応するピッチの倍数である構成を用いることができる。
図12Bを参考にすると、組織係合部材740’がバネ付き鞘866なしで示されており、連結部材864は、直径D1を有する最も遠位の第1の区分864aと、D1より大きい直径D2を有する第2の区分864bと、D1とD2の間の直径D3を有する第3の区分864cと、D2とほぼ等しい直径D4を有する第4の区分864dと、D4よりも大きい直径D5を有する第5の区分864eと、D1とほぼ等しい直径D6を有する最も近位の区分864fと、を有する。直径D1〜D6は、例えば、それぞれ約0.04インチ、0.09インチ、0.06インチ、0.09インチ、0.12インチ、および0.04インチである。区分864aと864bとの間に画定されているのはシェルフ867aであり、区分864bと864cとの間に画定されているのはシェルフ867bであり、区分864cと864dとの間に画定されているのはシェルフ867cであり、区分864dと864eとの間に画定されているのはシェルフ867dであり、区分864eと864fとの間に画定されているのはシェルフ867eである。駆動シャフト862は、連結部材区分864fで受け入れられ、コイル860は、連結部材区分864aで受け入れられる。駆動シャフト862およびコイル869は、例えば、はんだ付けによって連結部材864に取り付けられている。コイル860は、例えば、約0.25インチのコイル長Lを有し、区分864aの遠位端868を越えて延在する。シェルフ867bと867cとの間の連結部材区分864c上に配置されているのは、バネ付き鞘866を遠位に偏向させるバネ870である。
図12Cを参考にすると、バネ付き鞘866は、内腔872を画定すると共に、内径d1を有する第1の区分866aと、d1より小さい内径d2を有する第2のハブ区分866bと、d1とほぼ等しい内径d3を有する第3の区分866cと、を備える。コイル860は、鞘区分866aの内腔872内で受け入れられる。バネ870は、鞘866の連結部材区分864cと鞘866の区分866cとの間で、半径方向に内腔872内に位置している。シェルフハブ866bは、バネ870によってシェルフ867bに対して偏向されている。連結部材シェルフ867dと鞘866の近位端874bとの間の間隔は、バネ870の作用に対する鞘866の軸方向の近位の移動を可能にする。
組織係合部材740’のアセンブリを促進するために、連結部材864は2つの部品876a、876bで形成され、これらは例えば圧着によって接合された嵌合指878を有する。この構成によれば、鞘866は、876bを876aに接合する前に部品876a上を摺動することを可能にする。
図12Dも参考にすると、操作中、使用者は、鞘866の遠位端874aを、貫通される組織Tに対して配置し、組織を安定化する。次いで、使用者は、遠位および回転力を駆動シャフト862にかけ、これにより連結部材864およびコイル860は、遠位に移動し、回転して組織、例えば組織の粘膜層内へ入る。コイル860は組織内へ前進し、鞘866の遠位端874aは組織の表面上に残り、バネ870は圧縮され、シェルフ867bは鞘近位端874aの方へ前進する。コイル860は、組織、例えば粘膜層の基礎を成す組織の粘膜層にしっかり固定されていると(これにはコイルを組織内へ約3または4回転する必要がある)、使用者は、組織係合部材740’で組織を操作することができる。複数の組織層を係合することによって、部材740’は、組織上に確実な把握を提供する。
バネ付き鞘866は、コイル860が組織内へ前進されると、組織およびコイル860の両方を安定化するために作用する。鞘866は組織を圧縮し、コイルの組織内への初期貫通を促進し、コイルが回転すると組織がねじれないようにするのに役立つ。さらに、コイル860は、組織内へ回転すると、軸外へ進もうとする傾向がある。バネ付き鞘866は、組織に対して十分な力を提供し、かつ組織表面に対して十分な摩擦を有し、コイル860が組織内へ前進すると、鞘866の移動を制限する。これは、コイルが軸外へ進もうとする傾向を妨げる。
駆動シャフト862およびコイル860の対向回旋により、駆動シャフト862にかけられる回転力は、ねじれ抵抗に遭遇すると同時に駆動シャフト862の直径の減少をひき起こす。この駆動シャフト862の直径の減少は、駆動シャフト862が位置し、したがって作業チャネルにおいて妨害となりうる関連作業チャネルの壁との駆動シャフト862の接触を制限する。
図13Aおよび13Bを参考にすると、駆動シャフト862に対して遠位および回転方向性の力をかけるために、使用者によって保持されるトルク発生器882およびトルク発生器882に着脱可能に取り付けられ、ハンドル743を通じて延在する駆動ロッド880が駆動シャフト862に連結されている。駆動ロッド880は、機器700の長さの大部分を移動して高いトルクを提供し、駆動シャフト862は、反転領域の範囲に延在して高い可撓性を提供する。駆動ロッド880および駆動シャフト862は、例えば、はんだ付けによって結合される。トルク発生器882は、ハンドル883、コレット885、およびバネ荷重キャップ887を有する。コレット885は、周囲区分885’と、区分885’から延在して各々が拡大端885bを有する4本の脚885aと、備える。各脚885aは、ともに正方形の開口886を画定する平坦な内側対向表面885cを有する。駆動ロッド880は、4つの平坦な側面889aとともに連結部材889を有する。連結部材889は、閉鎖すると、トルク発生器882および駆動ロッド880が回転ロックされるように表面885cと整合した平坦な側面889aを有する開口886内に受け入れられる。
ハンドル883は、ピン882’が受け入れられる穴881’を画定すると共に、ピン882、コレット885およびバネ887’が受け入れられる大きな直径の穴883’を画定する。キャップ887は、バネ887’によって遠位に付勢(偏向)されている。ピン882’は、穴881’内、およびコレット885の周囲区分885’内へ圧入されている。駆動ロッド880をトルク発生器882に取り付けるために、キャップ887はバネ887’の力に対して近位に移動され、これにより脚885aは外側に曲げられ、連結部材889を開口886に配置することができる。使用者によってキャップ887が外されると、バネ887’は、キャップ887を遠位に移動させ、連結部材889の周りの脚885aが閉鎖する。キャップ887の遠位動作は、拡大脚端885bに対するキャップ887のシェルフ880’の接触によって制限される。
組織係合部材740’は、好ましくは、使用者に無菌で供給される1回使用の使い捨て製品である。部材740’は、機器の遠位端から機器内へ装着され、次いでトルク発生器882に取り付けられる。これにより、部材740’の遠位端の無菌性が維持される。
図14Aを参考にすると、別の実施形態においては、図12Aのバネ付き鞘866による組織の安定化ではなく、コイル860内に配置されているのは、中実の針881aである。針881aは、連結部材864から延在する。針881aは、組織とのコイル860の初期係合を促進し、特に、コイル860がある角度で組織表面に接近する状況に適用可能である。図14Bおよび図14Cを参考にすると、中実の針ではなく、コイル860内に配置され、組織係合部材の近位端に延在するのは物質注射針881bであり、これはコイル860を通じて前進されうる。物質注射針881bは、可撓性のプラスチック管881d上に金属の先端881cを有する。連結部材864、連結部材889、ピン882’およびハンドグリップ883は、針881bを摺動可能に受け入れる整列した通り穴を画定する。針881bは、駆動ロッド880の代用となり。駆動シャフト862は、機器の長さを延長する。
物質注射針881bは、「バルキング」処置で使用し、例えば、その全文の参考のため本明細書中に含まれる、エルセク(Ersek)らに対する米国特許第5,336,263号に記載されているような生体適合性材料を注射することによって選択領域の組織を増強することができる。使用中、コイル860は、針881bを組織にしっかり固定し、針881bを組織から押し出す傾向があるような、物質の注射によって生成される圧力に拮抗するように作用する。物質注射のために、組織係合機器を内視鏡の作業チャネルを通じて使用し、または機器700とともに使用することができる。あるいは、コイル860を形成するワイヤは、内腔およびワイヤの内腔を通じて注射される物質を画定しうる。
図15Aおよび15Bに示すように、別の第3の組織係合部材740’’’は、機器700の作業チャネルを通過する細長い部材892と、細長い部材892の遠位端892aにピボット895で枢着されている一対のはさみ893aおよび893bと、を有する。はさみ893aおよび893bは各々、組織を貫通するために適したそれぞれのはさみ先端891aおよび891bを含む。はさみ893aと893bとは、例えば、その全文の参考のため本明細書中に含まれる、パルマー(Palmer)らに対する米国特許第5,613,499号に記載されているような、1本もしくはそれ以上のガイドワイヤ(図示せず)によって作動される。
はさみ893aおよび893bは、形状が略弓形であり、枢動点895およびそれぞれのはさみ先端の端によって画定された線L1、L2に対して実質的に直角に向けられたはさみ先端891aおよび891bを有する。はさみ893aおよび893bは、組織を穿刺し、胃などの手術環境に対する少なくとも短期の曝露に耐えるために適したはさみ先端891aおよび891bを維持する能力がある剛性の滅菌可能な材料で製造されている。そのようなものとして、はさみ893aおよび893bは、ステンレス鋼およびCo−Cr合金で製造され得る。
図15Cおよび15Dを参考にすると、操作中、はさみ893aと893bとをその開位置で、使用者は、組織係合部材740’’’を前進させ、これを胃内の筋層895上の粘膜層894などの組織表面と接触させる。次いで、使用者は、はさみ先端891aおよび891bが粘膜層894を貫通して筋層895内へ入るように、はさみ893aおよび893bを閉鎖する。いったん、はさみ先端891aおよび891bがいっしょに引き出されると、使用者は、細長い部材892を用いて係合組織からはさみ893aおよび893bを引込む。引込み組織のひだ形成および/またはバルキングは、本明細書中で別記されているように次いで起こり得る。
はさみ893aおよび893bの弓形の形状により、はさみの初期閉鎖は、結果としてはさみ先端891a、891bの実質的に遠位の移動を生じさせ、はさみのその後の閉鎖は、はさみ先端891a、891bの実質的に横方向の動作を生じさせる。これにより、組織の比較的大きな範囲にわたるひだ形成のために、はさみ893aおよび893bによってかけられる引込み負荷が配分され、引込み中に組織を引き裂く可能性を抑制する。
図16Aおよび図16Bを参考にすると、本発明の別の実施形態によれば、胃組織を再構成するための機器900は、ハンドル902と、細長い機器シャフト904と、遠位作動アセンブリ905と、を有する。後述されるように、アセンブリ905の構成、およびアセンブリ905の機器シャフト904への取付けの手段の構成は、作動ケーブルを収納するシャフト904の内腔を体液との接触から実質的に封止する。その結果、アセンブリ905の使い捨て部分のみが、無菌状態で使用者に供給される必要がある。機器の残りは、手動洗浄および処置間の消毒液中の浸漬によって簡単に消毒され得る。
上述された実施形態におけるように、機器900は、胃鏡715と、組織係合部材908(上述されているコイル740または740’など)と、を受け入れる。アセンブリ905は、反転部910を有し、反転部910は、アセンブリ905に(図16Bに示されているように)方向づけるために、使用者によって操作される。ハンドル902は、アセンブリ905を作動する制御ノブ912、914を有するほか、後述されるように、ロック機構を分離するスイッチ915を有する。
図17Aおよび図17Bを参考にすると、シャフト904は、それを通じて胃鏡715の端が突出する内腔916を画定する。反転部910は、傾斜した湾曲壁区分918を有し、胃鏡715の端は、それに対して受け入れられる。反転部910は、曲げられると、区分918から離れた方向に曲げられる(矢印A)。アセンブリ905は、連結部材919およびエンドエフェクタ906をさらに有する。連結部材919は、反転部910に取り付けられた第1の部分923と、エンドエフェクタ906が枢着されているマウント924と、を有する。エンドエフェクタ906はジョー部材920、922を有し、その各々は組織操作カートリッジ960a、960bを有し、組織操作カートリッジ960a、960bはそれぞれの作動アーム962a、962bに着脱可能に装着されている。
反転部910および連結部材部分923を覆うのはカバー910’であり、マウント924およびエンドエフェクタ906を覆うのは、さらに後述されるように、フード1220である。フード1220は、機器の経口配置のための非外傷性遠位端を提供し、カバー910’は、反転部910および連結部材部分923を体液との接触から封止する。
使用中、機器内腔916内の胃鏡715および区分918内にある胃鏡715の端により、使用者は機器900を経口的に胃内へ前進させる。胃内に入ると、胃鏡715は単独で操作され、所望の視野を得る。使用者は(図16Bに示されているように)、機器900を曲げ、ジョー920、922を開放し、組織係合部材を前進させて組織に係合させ、組織を安定化し、ジョー920、922を閉鎖し、カートリッジ960a、960bが組織を膨隆内へと入れるように操作して、移植片をさらに後述されるように配備する。
図17C(連結部材919は、明確にするために図17Cから部分的に除去されている)を参考にすると、作動アーム962a、962bは、それぞれピボット963a、963bでマウント924に枢着されている。後述される、ジョー920、922を開閉するための一対のケーブルは、ヨーク964によってこれらジョーに連結されている。ヨーク964は、略H字形の区分965を有し、区分965は、アーム962aをまたぐ2本の脚966aと、アーム962bをまたぐ2本の脚966bと、を備える。各アーム962a、962bは、溝穴968a、968bを画定し、各脚966a、966bは、通り穴970a、970bを画定する。溝穴968aおよび穴970a内に受け入れられているのはピン972aであり、溝穴968bおよび穴970b内に受け入れられているのはピン972bである。溝穴968a、968bは、各々、第1および第2の区分974、975を有する。溝穴区分974は、後述される目的のために、機器の軸に対して、溝穴区分975のそれよりも大きな角度で方向づけられている。ヨーク964は、区分965から近位に延在するポスト978を有する。ポスト978は、連結部材919内へ延在する。ポスト978に装着されているのは第1の滑車982であり、連結部材919に装着されているのは2個の滑車984、985であり、後述されるように、ジョー閉鎖ケーブルがその上をルーティングする。
連結部材919の部分923およびマウント924は、図17Dに示されているように、平坦な側面923a、924aと、丸い側面923b、924bと、を有する。丸い側面923b、924bは、組織係合部材の通過のための通り穴927を画定する。マウント923も、それを通じてヨーク964が延在する通り穴931を画定する。
図17Eおよび図17Fを参考にすると、部分923に位置しているのは、1252で枢着されているロックアーム1250である。ロックアーム1250は、曲面壁1254を備えた隆起1253を有し、ヨーク964は、対応して成形された曲面壁1258を備えた切欠き1256を画定する。ヨーク964の所定量の遠位移動の後、隆起1253の曲面壁1254は、切欠き1256の曲面壁1258と係合し、ヨーク964のその後の遠位移動を制限する。ロックアーム1250は、圧縮バネ1262によって付勢され、ピボット1252の周りを時計回り(矢印Y)に回転し、切欠き1256がロックアーム1250の下を通ると、ロックアーム1250がバネ1262の力の下で回転し、曲面壁1254、1258を係合するようになっている。ロックアーム1250に取り付けられているのはケーブル1260であり、ケーブル1260は、ヨーク964の遠位移動をさらに可能にするために、ヨーク964との係合からアーム1250を移動させる。
図17Gは、カートリッジ960a、960bの交換可能な性質を示す。アーム962a、962bは、各々、平坦な長方形の部材1050と、クリップ1052と、を有する。部材1050は、部材1050のいずれかの側面から延在する構造物1051、1053を有する。構造物1051は、図46を参考にして後述される目的のために、より広い近位区分1051bに傾斜する薄い遠位区分1051aを有する。カートリッジ960a、960bは、各々、第1の一対の側壁1054と、溝穴1056aを画定する第2の一対の側壁1056と、開口1058と、ヘッド1059と、を有する。開口1058は、形状が長方形であり、ここでは正方形で示されているが、平坦な近位縁1058aとともに嵌合輪郭を有する他の形状が適切である。開口1058の代わりに、クリップ1052の形状に対応するカートリッジ内のくぼみを使用することができる。側壁1054、1056は、カートリッジの曲げを可能にする薄い区分1057によって分離される。
カートリッジ960a、960bをアーム962a、962bにそれぞれ取り付けるために、これらカートリッジは、カートリッジをアームに整列させる側壁1054でアーム上を摺動する。長方形の部材1050は、溝穴1056aに受け入れられるが、カートリッジは、クリップ1052上で曲がり、クリップ1052が開口1058内に受け入れられ、カートリッジをアームにロックするようになっている。カートリッジを取外すには、使用者は、側壁1054を押してカートリッジを曲げてクリップ1052から離し、次いでカートリッジがアームから外れて摺動する。
図17Hの分解図を参考にすると、反転部910は、例えば、シャフト904の端へ貼り付けられている近位マウント1060と、マウント923の溝穴933内に受け入れられる遠位マウント1062と、を有する。マウント1062、923は、例えば、ネジによって取り付けられる。マウント1062は好ましくは金属であり、連結部材919は好ましくはプラスチックである。
図17Iを参考にすると、カバー910’によって形成された封止された区分を通じて反転領域910から延在する機器900の唯一の部材は、ヨーク964である。反転部910への体液のアクセスを制限するために、連結部材部分923は、通り穴931を封止するためにOリング1072が配置される空間1070を画定する。
図18〜図20を参考にすると、反転部910およびエンドエフェクタ906を制御するために、ノブ912、914は、ハンドル902内に位置したギアブロックマウント926を介して、一連のケーブル925a、925a’、925b、925c(図20)と連動する。ブロックマウント926は、通り穴928a、928a’、928b、928cを画定し、その各々内には、ラック930a、930a’、930b、930cがそれぞれ配置されている。各ラック930a、930a’、930b、930cは、後述されるように、それぞれのケーブル925a、925a’925b、925cに接続されており、ギア934を画定する平坦側面932を有する。図21Aおよび図21Bを特に参考にすると、ラック930a、930a’と噛合しているのはピニオン936aであり、各ラック930b、930cと噛合しているのはそれぞれのピニオン936b、936cである。ラック930a、930a’はピニオン936aの反対側にあり、ラック930b、930cはピニオン936b、936cの反対側にある。ピニオン936bは、後述される理由のため、ピニオン936cの直径の2倍であることが好ましい。ピニオン936aは、減速ギアセット937、939によって駆動される。ギア939は、反転ノブ912と一体であるシャフト942に装着されている。ピニオン936b、936cは、ジョー作動ノブ914と一体であるシャフト944に装着されており、シャフト942を通過する。
反転部910を操作するために、使用者がノブ912を回すと、シャフト942およびピニオン936aが回転する。ラック930a、930a’がシャフト942の反対側にあるため、ピニオン936aの回転によりラック930a、930a’が反対に直線動作し、これによってケーブル925a、925a’を動かし、さらに後述されるように、反転部910を曲げたりまっすぐにしたりする。前記ジョーを操作するために、使用者がノブ914を回すと、これによりシャフト944およびピニオン936b、936cが回転する。ラック930b、930cがシャフト944の反対側にあるため、ピニオン936b、936cの回転によりラック930b、930cが反対に直線動作し、これによってケーブル925b、925cを動かし、さらに後述されるように、ジョーを開放したり閉鎖したりする。当技術分野で周知のように、ノブ912は、張力調整レバー912aを連結され、ノブ914は、張力調整ノブ914aを連結されている。
図20および図22を参考にすると、各ケーブル925a、925a’、925b、925c上には、各々、ケーブルハウジング947a、947a’、947b、947cと、ケーブルハウジング調節ネジ948a、948a’、948b、948cと、が備え付けられている。ケーブルハウジング調節ネジ948a、948a’、948b、948cは、(図19に示されているように)それぞれのブロック通り穴928a、928a’、928b、928c内にねじ込み式で受け入れられる。ネジ948a、948a’、948b、948cの回転は、ケーブルハウジング947a、947a’、947b、947cをそれぞれのケーブル925a、925a’、925b、925cに沿って遠位および近位に移動させ、作動力を伝達するための最適な作用長さを提供する。ケーブル925a、925a’、925b、925cは、そのそれぞれのハウジングおよびネジを通じて自由に移動する。
ネジ948a、948a’、948b、948cからのラック930a、930a’、930b、930cの反対側では、止め具949a、949a’、949b、949cが、それぞれのブロック通り穴928a、928a’、928b、928c内に受け入れられる。止め具949a、949a’、949b、949cは、ラック930a、930a’、930b、930cの移動をそれぞれ規制する。
図22を特に参考にすると、ケーブル925aは、ラック930において画定された穴950内に受け入れられる。ケーブル925aは、ラック930aの端壁954において画定された穴952を通じて穴950内へ延在する。穴950内には、バネ956が配置されている。ケーブル925aは、バネ956を通じて延在し、バネ956に対してケーブル925aの位置を維持する拡大末端957を有する。バネ956は、ケーブル925aに僅かな張力を継続的に及ぼすように作用し、ケーブルをぴんと張り続ける。ケーブル925b、925cは、同様にラック930b、930cにそれぞれ連結されている。
図19を再び参考にすると、ブロックマウント926には、ブラケット1402内に設けられたスライドレバー1400が取り付けられている。スイッチ915は、スイッチ915の動きがレバー1400を移動させるように、レバー1400における開口1404内に受け入れられる。レバー端1406は、ピン1410が受け入れられる斜めの溝穴1408を画定する。ピン1410は、止め部材1412に取り付けられ、止め部材1412は、ジョー閉鎖ラック930bが所定距離を移動した後で止め具1414に接触する。レバー1400の矢印Xの方向への動作により、ピン1410および止め部材1412が止め部材1412の軸の周りを回転し、止め部材1412を止め具1414から分離し、ラック930bのさらなる動作を可能にする。ロックアーム1250に取り付けられたケーブル1260は、その反対の端でスイッチ915に取り付けられている。スイッチ915が矢印Xの方向に移動すると、ケーブル1260はロックアーム1250を移動させ、ロックアーム1250(図17E)をヨーク964から分離する(図23を参考にしてさらに後述される)。ブラケット1402は、ピン1410およびロックアーム1250に対してスイッチ915の位置決めを微調整するように調整され得る。
図23A〜図23Dに示されているように、ジョー閉鎖ケーブル925bは、滑車984、985および982の周りに巻かれており、遠位マウント1062(図17E)に接続された固定点986で終わる。ジョー開放ケーブル925cは、ポスト978に固定した関係で接続されている。ジョー920、922を閉鎖するために、使用者がノブ914を矢印Aの方向へ回すと(図20)、これによってケーブル925bが矢印Bの方向へ移動し、ケーブル925cの弛みを可能にし、ヨーク964を遠位に矢印Cの方向へ移動させる。ピニオン936bと936cとの間の2:1の比により、ケーブル925bは、ケーブル925cの2倍の距離を移動する。(これは、滑車982、984および985の回りのケーブル925bのルーティングにより必要とされる。)ピン972a、972bは、溝穴968a、968bに沿って摺動し、ジョー920、922を閉鎖させる。ジョーを開放するには、使用者がノブ914を反対の矢印Aの方向へ回すと、これによってケーブル925cが緊張し、ケーブル925bの弛みが可能になる。ケーブル925cに対する張力は、ヨーク964を近位に(反対の矢印C)移動させ、ジョー920、922を開放する。
溝穴区分974、975の方向づけにより、前記ヨークが溝穴区分974に沿って摺動しているときのジョー閉鎖の初期段階の間に(図23B)は、前記ヨークが溝穴区分975に沿って摺動しているときのその後の後段の間(図23C)よりも、大きな比のジョー閉鎖が、ピストンが移動する距離について認められる。かかる構成は、閉鎖力があまり必要でないときには(ジョーはまだ組織に接触していないため)、機械的利点の低いより迅速なジョー閉鎖を提供するが、ジョーが組織を把握し組織を貫通するために、より閉鎖力が必要であるときには、機械的利点の高いゆっくりとしたジョー閉鎖を提供する。ジョーが図23Cの位置に到達した後、ピン1410は、ハンドル902における止め具1414にぶつかり、ロックアーム切欠き1254とヨーク切欠き1256とが係合し、ジョーのその後の閉鎖を規制する。次いで、使用者は、スイッチ915を近位に押し、止め部材1412を進路外に移動させ、ロックアーム1250をヨーク964から分離すると、これによりノブ914がさらに回転し、ジョーを完全に閉鎖し、移植片(implant)を配備する(図23D)。
図24A〜図24Dを参考にすると、反転部910は、ピン991とともにヒンジ結合されている一連のリンク990を含む。各リンク990は、略U字状本体992を有し、略U字状本体992は、U字状の開口を画定する第1の区分992aと、より大きなU字状開口を画定する第2の区分992bと、を有する。本体992から延在しているのは、2個の嵌合突起994である。本体992は、2個の横穴996を画定し(1個の穴996のみが図24Bに示されている)、各突起994は、横穴998を画定する。2つのリンク990が嵌合すると、突起994は、区分992bによって画定されたU字状開口内にある。穴996、998は、整列しており、ピン991は、穴996、998を通過して2つのリンクを接合する。本体992は、ある角度で固定された側壁の部分1001とともに側壁1000を有し、接合リンクの曲げを可能にする。リンク990は、ケーブル924a’、924aをそれぞれ受け入れるために軸方向の穴1002、1003も画定する。ケーブル924a、924a’は、マウント1062上で終わる。ケーブル924aを引くことにより部分910は曲がり、ケーブル924a’を引くことにより部分910はまっすぐになる。カバー910’(図17A)は、リンクを覆う。
図25も参考にすると、胃鏡715を受け入れるための内腔916に加えて、シャフト904およびマウント1060は、組織係合部材908を受け入れるための内腔1010、曲がるケーブル924aを受け入れるための内腔1012と、まっすぐなケーブル924a’を受け入れるための内腔1014と、閉鎖ケーブル925bを受け入れるための内腔1016と、開放ケーブル925cを受け入れるための内腔1018と、ロッキングケーブル1260を受け入れるための内腔1020と、必要に応じて余分の内腔1022と、を画定する。マウント1062は、ケーブル925b、925cの通行用のそれぞれの穴1024および1026と、閉鎖ケーブル925bがそこで終わる穴1028と、ロッキングケーブル1260の通行用の穴1030と、を有する。
組織係合部材908は、反転部910におけるU字状の本体992によって画定されたU字状の開口に配置されている。ピン991は、組織係合部材908の中心軸に沿って中央に配置され、組織係合部材908は、曲げられるときは中心軸に沿って曲げられる。組織係合部材908は、鞘927aによって包囲されている(図17Dおよび18)。鞘927aは、ハンドル入口1002から連結部材919における通り穴927の近位端までに達する。鞘927aは、一方の端がハンドル902に封止されると共に、他方の端が連結部材919に封止されている。これにより、機器の残部が、組織係合部材908に流入する流体との接触から有効に封止される。シャフト内腔916は、同様に、内腔916に入る体液との接触から機器の残部を封止する鞘916’で囲まれている。
図26および図27を参考にすると、エンドエフェクタ906は、さらなる作動を必要とすることなくジョー920、922の閉鎖と同時に組織固定部材を配備するように、構成されている。ジョー922のカートリッジ960bは、組織通過管1120a、1120bを有する。各管1120a、1120bには、組織刺通のための先端1122を有する組織固定棒824a、824bが着脱可能に取り付けられている。各管1120a、1120bは、通り穴1124を画定し、各棒824a、824bは、穴1124内に適合するハブ1126を有する。管1120a、1120bおよび棒824a、824bは、組織刺通を容易にするための同じ外径を有する。棒824a、824bは、各々、例えば、両方の穴を通過し、それ自体に縛られる縫合糸(図示せず)を受け入れるための通り穴1128を画定する。棒824a、824bは、圧入、圧着、または点レーザー溶接によってそれぞれ管1120a、1120bに結合され得る。圧着は、棒の全周囲に周り、棒の2つの(対向する)側面、または棒の周囲に沿った一箇所で行うことができる。
棒824a、824bは、ジョー920、922の閉鎖によってかけられる力の下に、管1120a、1120bから取外すように構成されている。図26および図28A〜28Cを参考にすると、カートリッジ960aは、ジョー920、922の閉鎖と同時に棒824a、824bが配置される2つの弓形壁1130を画定する。図28に示されているように、ジョー920、922の閉鎖と同時に、弓形壁1130は、横力(すなわち、管の長軸に対して実質的に垂直)を棒824a、824bに作用させ、これにより棒はそれぞれの管から取り外される。ジョー920、922が開放され、機器が近位に引かれると、棒824a、824bおよび組織固定部材の部品732、734(図8を参考にして上述)がジョー920、922から取り外される。
図29Aおよび図29Bを参考にすると、ジョー920、922は、領域1226で接続され、それらの間の縫い目1228を画定する半部1222および1224で形成されたフード1220で覆われている、各半部1222、1224は、それぞれのジョー920、922を覆う。図29Aに示されているように、ジョーが閉鎖されていると、フード1220は、食道を介して供給するための非外傷性遠位端を提供する。図29Bに示されているように、ジョーが開放されていると、半部1222、1224は、縫い目1228で分離する。フード1220は、機器の経口挿入中の組織への外傷を規制し、機器の長さを延在する外側鞘の必要を除去する。
図30を参考にすると、ハンドル902は、それを通じて胃鏡715が挿入される入口1002を画定する。入口1002には、ハンドル902と胃鏡715との間を気密に封止するためのシール1004が配置されている。シール1004は、狭い直径の封止領域1006と、領域1006から約10mm離隔した狭い直径の整列領域1008と、を有する。領域1006は、約9mmの直径を有するが、これは胃鏡715の直径(通常、約10mm)とほぼ同じ、またはこれよりわずかに小さい(約90%)。領域1008は、約11mmの直径を有するが、これは胃鏡715の直径とほぼ同じ、またはこれよりわずかに大きい(約110%)。整列領域1008は、胃鏡の動作中に封止領域で気密封止を維持するために、胃鏡715のための支持を提供する。シール1004は、例えば、ゴムまたは他の変形可能な材料で製造されている。
他の実施形態は、以下の請求項の範囲内である。
例えば、図31を参考にすると、図28の湾曲表面1130の代わりに、カートリッジ960a’は、バネ部材1130’を有する。棒824a、824bが部材1130’に接触すると、部材1130’が偏向し、湾曲表面を形成し、結果として棒824a、824bにかけられる横力が生じ、これは管1120a、1120bから棒を取外すように作用する。
図32を参考にすると、別の実施形態において、管1120’は、管の端1133に可撓性を与え、管から棒の取外しに役立つ半径方向において対向した一対の溝穴1132を有する。棒824’は、管1120’に対して棒824’を半径方向に方向づける溝穴1132に受け入れられる一対のガイド小突起1134を有し得る。図33を参考にすると、棒824’’は、管から棒を取外すのに必要な力を決定する隆起または逃げ溝1136を有する。管は、プラスチックで形成されて、カートリッジの一体構成部品として成形されうるとともに、棒は、管内へインサート成形されうる。図34を参考にすると、棒824’’’は、棒824’’’への横力の印加と同時に破断する減少した直径で弱い易破壊性の領域1137によって、管1120’’に接続されている。
図35Aおよび図35Bを参考にすると、縫合によって取り付けられた棒の代わりに、組織固定部材は、可撓性スパニング部材1152によって接続されている棒1150を有する。棒1150は、通り穴1154を画定すると共に、組織刺通先端1158を有する部材1156上で受け入れられている。部材1156は、管1120の代用となる。
図36Aを参考にすると、食道を介して機器900を挿入するのに役立つために、エンドエフェクタ906および反転部910は、非外傷性フード1100で部分的に覆われている。フード1100は、小径先頭部1104で終わる先細りの遠位端1102を有する。フード1100は、開口1106を有し、それを通じてエンドエフェクタ906および反転部910は、食道を介して機器900の挿入後に、矢印Dの方向に配置される。遠位端1102は、先頭部1104から溝穴1107まで延在するチャネル1105を画定する。機器900は、ガイドワイヤ(図示せず)を利用し、先頭部1104で入り溝穴1107で出るチャネル1105を介してガイドワイヤを挿通することによって経口的に導入されうる。フード1100は、例えば、金属、プラスチック、もしくはゴム、ポリウレタン、またはシリコーンなどエラストマー材料で製造されている。
図36Bに示されているように、機器が経口的に導入されるときに組織への外傷がさらに確実に回避されるために、アセンブリ905を覆う一対のフラップ1109が提供されている。これらのフラップは、反転部910が配備されると分かれる。
図37を参考にすると、エンドエフェクタ906を覆うフードではなく、ジョー920、922間には、機器の遠位端で比較的平滑な表面を作成し、患者内への機器の挿入を容易にする体積充填ビュレット1200が配置されている。ビュレット1200は、ガイドワイヤ上を供給するための通り穴1200aを画定する。体積充填ビュレット1200は、動作環境下に溶解性であり、動作環境から回収可能であり、または動作環境下に廃棄可能でありうる。例えば、ガイドワイヤは、ビュレット1200がガイドワイヤ上に保持されそれと同時に除去できるように、穴1200aよりも大きな口径の先端を有してもよい。
図38を参考にすると、別の実施形態において、フード1220’は、ピボット1230でマウント924に接続されている半部1222’、1224’を有する。ジョーが開放されていると、半部1222’、1224’は、ピボット1230の周りを枢動し、縫い目1228’で分離する。図39では、フード1220’’の半部1222’’、1224’’は、領域1226’で接合されたバネビーム1240を含む。ジョーが開放されていると、半分1222’’、1224’’は縫い目1228’’で分離し、バネビーム1240が変形する。
あるいは、図40に示されているように、非外傷性遠位端を提供するために、エンドキャップ1242がジョー上に配置されている。エンドキャップ1242は、組織係合部材を用いることによって、これを押して遠位に取外すことによって除去され、溶解性であり(例えば、でんぷんまたはゼラチンで製造)、または、ジョーが開放されるときに「取り壊され」うる。キャップ1242の長さに沿って穿孔を提供することは、取り壊しに役立ちうる。除去後、キャップ1242は、溶解または排出されると、動作環境下で廃棄され、またはガイドワイヤによって保持され、機器が撤収されると回収されうる。
図41Aおよび図41Bを参考にすると、別の実施形態において、エンドエフェクタ906は、ジョー部材920’、922’を有し、その各々は、それぞれの作動アーム962a’、962b’に着脱可能に装着された組織操作カートリッジ960a’、960b’を有する。ジョー922’は、図5を参考にして上述された棒824a、824bを配備するための押込みロッド814a、814bを収容する。しかし、押込みロッド814a、814bを作動するための別個の機構を使用せずに、押込みロッド814a、814bは、ヨーク964によって作動される。各アーム962a’、962b’は、第1の弓形区分974’と、第2の略線形の角度がついた区分975’と、第3の略線形の平行の区分976’と、を画定する。溝穴区分974’および975’に沿ったヨーク964の移動により、ジョー920’、922’が閉鎖する。組織固定デバイス730(図2)を配備するために、溝穴968a、968bの区分976’に沿ったヨーク964の移動により、押込みロッド814a、814bが遠位に移動し、棒824a、824bを組織刺通先端818a、818bから前進させ、図4Aおよび図4Bを参考にして上述されているように、固定デバイス730を配備する。
図42を参考にすると、図2および図41の実施形態とともに使用される別の組織固定部材は、可撓性スパニング部材1152´によって接続された棒1150’を有する。バー1150’は、棒824a、824bの代用となる。
図43〜図45に具体的に示されている機器は、1人が胃鏡と組織再構成機器の両方を制御することを可能にするように構成されている。図43を特に参考にすると、組織を再構成するための機器1300は、標準の胃鏡715と、胃鏡715に装着された組織マニピュレータ1304と、を有する。組織マニピュレータ1304は、使用者が、例えば、摩擦嵌合によって胃鏡管1307に装着する制御マウント1306を有する。制御マウント1306は、上述されているように、ノブ912、914を有する。アセンブリ905のエンドエフェクタ906および反転部910は、スリーブ1308に装着されており、スリーブ1308を通じて胃鏡管1307が延在する。スリーブ1308は、上述されているように、制御ケーブルのための導管を画定する。制御マウント1306とスリーブ1308を接続するのは、上述されているように、エンドエフェクタ906および反転部910を制御するための種々のケーブルを封入する可撓性導管1310である。スリーブ1308は、ハンドグリップ1312を有する。導管1310は、組織マニピュレータ1304に対する胃鏡1302の軸方向の動作を可能にする。使用中、操作者は胃鏡ハンドルを片手で保持し、あらゆる制御および操作グリップ1312を別の手で操作し、1人の操作者がすべての機能を制御することを可能にする。
図44を参考にすると、組織を再構成するための機器1320は標準の胃鏡715を有し、使用者は胃鏡715にエンドエフェクタ906を装着する。ジョーを作動するためのケーブルが、ジョー制御マウント1324に取り付けられている。そのケーブルは、胃鏡の標準の生検チャネル1332’に受け入れられている。反転動作は、胃鏡715によって提供されると共に、胃鏡制御によって制御される。ジョー制御マウント1324は、ジョー制御ケーブルを作動するためのノブ914を有する。図45の実施形態においては、組織再構成機器を標準の胃鏡に装着するのではなく、一体式の機器1330は、胃鏡1330に直接装着されるノブ914を有する。ジョーを作動するための制御ケーブルは、胃鏡制御ケーブルと一体化されている。組織係合部材、例えば図12の部材740’は、胃鏡チャネル1322’を通じて導入される。
図46Aおよび図46Bを参考にすると、カートリッジ960a、960bは、ホルダー1450で医療従事者に供給される。ホルダー1450は基礎区分1452を有し、基礎区分1452は、カートリッジ960aのヘッド1059を受け入れるための第1の側面1453aと、カートリッジ960bのヘッド1059を受け入れるための第2の側面1453bと、を有する。基礎区分1452は、管1120a、1120bが配置されている開口1455を画定する。基礎区分1452の両側から延在しているのは、カートリッジヘッド1059の両側に位置している2セットの戻り止め1454である。基礎区分1452から近位に延在しているのはフィン1456であり、フィン1456は、基礎区分1452の両側上のフィン1456の両側に、バネビーム1458を有する。バネビーム1458の両側には、ガイドレール1460が配置されている。バネビーム間には溝穴1461があり、各バネビーム1458とガイドレール1460との間には溝穴1463がある。ホルダー1450は、取扱いを容易にするためのつまみ1462を有する。フード1220は、ホルダー1450とともに使用者に提供される。使用者がつまみ1462を保持することが可能であるために、つまみ1462は、その上にフードの溝穴が配置されている細い区分1462aによってホルダーの残りに取り付けられている。
カートリッジ960a、960bをホルダー1450内に装着するために、各カートリッジは、溝穴1461と整合したカートリッジの細い区分1057で、順番に基礎区分1452上に配置される。カートリッジを押し下げることによって、バネビーム1458は強制的に離され、細い区分1057は溝穴1461の適所に嵌め込み、バネビーム1458でカートリッジが適所に保持される。カートリッジヘッド1059が戻り止め1454間に位置し、側壁1056は、部分的に溝穴1463内にあって、カートリッジを整列させてカートリッジの適所での保持を補助する。カートリッジ960a、960b間に配置された基礎区分1452とともに、カートリッジは、移植片が配備されないように離間する(図23Cに示されている位置に対応)。
図46Cも参考にすると、つまみ1462を保持しながら、カートリッジ960a、960bをアーム962a、962bにそれぞれ取り付けるために、使用者は、アーム上にカートリッジを摺動させる(アームは図23Cに示されているように配置される)。最初、アームの内面上の構造物1051がバネビーム1458間に摺動し、バネビームを強制的に離す。カートリッジのアーム上のさらなる摺動により、長方形部材1050がアーム1056の下に位置づけられ、クリップ1052が穴1058に配置される。次に、カートリッジは、アームに取り付けられる。バネビーム1458は、構造物1051によって強制的に離されているため、ホルダー1450は、今度はジョーを開放することによってカートリッジ960a、960bから解除されうるとともに、機器は使える状態となる。
ホルダー1450は、好ましくは、プラスチックで形成され、ホルダー1450はカートリッジ960a、960b、フード1220、および移植片とともに外科要員に無菌状態で供給される。
図47A〜図47Fは、ハンドル902の種々の図である。
図48〜図55を参考にすると、機器2010は、近位端(図示せず)と、シャフト2012と、反転部2014と、遠位エンドエフェクタ2015と、を有し、遠位エンドエフェクタ2015は、可動アーム2016と、開創器2020と、移植片2022と、を有する。機器の機能は、本明細書中で開示されているように、近位端での制御により使用者によって制御される。
図48は、食道2030および胃2032の適所における機器2010を示す。機器は、まっすぐな構成であり、これは食道および胃の中へ挿入される構成となっている。
図49は、食道2030および胃2032の適所における機器2010を示し、機器2010は、反転位置にある。反転部2014の反転は、引例特許および出願に開示されているように達成される。この位置においては、エンドエフェクタ2015の可動アーム2016の遠位端は、食道2030および胃2032の接合部2034の近くに配置されている。
図50は、食道2030および胃2032の適所における機器2010を示し、機器2010は反転位置にあり、可動アーム2016は、移植片2022の部分2018を示す開位置にある(図54)。可動アーム2016が反転部2014に対して方向づけられ、食道2030および胃2032の接合部2034で組織を把握することに注意することが重要である。可動アーム2016は、反転部2014が移動する同じ平面内で開閉する。可動アーム2016を開放するために使用される作動機構は、本明細書中で述べられる機構と実質的に同じであり、可動アームは、本明細書中で述べられる構成に対して90°で回転し、アーム2016は、反転部2014が移動する同じ平面内で開閉するようになっている。
図51は、食道2030および胃2032の適所における機器2010を示し、機器2010は反転位置にあり、可動アーム2016は開位置にあり、レトラクタ2020は食道2030および胃2032の接合部2034における、またはその近くの組織と係合する。接合部2034における、またはその近くの組織とのレトラクタ2020の係合は、本明細書中で述べられているように達成される。
図52は、食道2030および胃2032の適所における機器2010を示し、機器2010は反転位置にあり、可動アーム2016は開位置にあり、レトラクタ2020は、食道2030および胃2032の接合部2034における、またはその近くの組織を可動アーム2016間の空間へ引込める。
図53は、食道2030および胃2032の適所における機器2010を示し、機器2010は、反転位置にあり、可動アーム2016は、閉鎖しており、食道2030および胃2032の接合部2034における、またはその近くの組織のひだ2036を作成する。可動アームを閉鎖する機構は、本明細書中で述べられている通りである。
図54は、食道2030および胃2032の適所における機器2010を示し、機器2010は、反転位置にあり、可動アーム2016は、開放している。移植片2022は、組織を通じて配置され、組織のひだ2036の固定を維持する。移植片の配置は、本明細書中で述べられているように達成される。
図55は、食道2030および胃2032の適所における機器2010を示し、機器2010は、まっすぐな位置にあり、可動アーム2016は、閉鎖している。組織のひだ2036が示されており、移植片2022によって固定されている。機器2010は、患者から除去するための適所にある。
デバイスおよび方法は、食道および胃の接合部における、またはその近くの組織のひだを作成して固定し、それによって胃の壁を食道の壁に固定することによってGERDを治療するために使用され得る。ひだは、完全に腔内法によって作成され、固定され得る。2つ以上のひだを食道および胃の接合部において、またはその近くに作成することができる。可動アームは、操作者が可動アームの中心軸の周りの反転部に対して可動アームの位置を回転させることができ、したがって操作者が組織のひだの方向づけを変動することが可能である方法で反転部に取り付けられうる。
図56を参考にすると、ケーブル作動機構2100は、本明細書中で述べられているようなGERDを治療するための経口医療デバイスの反転部およびエンドエフェクタを制御するために使用される。機構2100は、医療デバイスの反転部およびエンドエフェクタの動作を制御するために、ノブアセンブリ2102、ノブアセンブリ2102によって制御されるギアアセンブリ2112、およびギアアセンブリ2112に取り付けられた一連のケーブル2104、2106、2108、2110を有する。機構2100は、医療デバイスのエンドエフェクタに結合された移植片の配備を可能にするように作動されるレバーロックボタンアセンブリ2113と、ケーブルを誘導して、適切な動作のためのアセンブリ中にケーブルを調節するために使用される調節ブロックアセンブリ2114と、を有する。カバー1200aは、組み込まれると、アセンブリ2114上に配置される。
図57を参考にすると、ノブアセンブリ2102は、回転可能なシャフト2118によって包囲されている固定中心シャフト2116を有し、シャフト2118は、さらには、回転可能なシャフト2120によって包囲されている。シャフト2118は、ギアアセンブリ2112のギア−滑車2150に係合するギア2136を有する。ケーブル2106、2110は、ギア−滑車2150およびエンドエフェクタに連結されており、ギア−滑車2150の回転は、エンドエフェクタのジョーの開閉を制御するようになっている。シャフト2120は、ギアアセンブリ2112のギア−滑車2148に係合するギア2144を有する。ケーブル2104、2108は、ギア−滑車2114および反転部に連結されており、ギア−滑車2148の回転は、反転部の曲げおよび矯正(straightening)を制御するようになっている。
図58を参考にすると、ギア−滑車2148、2150は、固定シャフト2146の周りを回転するように装着されている。固定シャフト2146は、クリップ2154を受け入れるための溝2152を有し、クリップ2154は、ギア−滑車2148および2150を固定シャフト2146に固定するために使用される。ギア−滑車2148は、ケーブル2108を受け入れるための第1の溝2160と、ケーブル2104を受け入れるための第2の溝2156と、を有する。図57に示されているように、ケーブル2108、2104の端2109、2105は、それぞれ、例えば、溝壁の開口に受け入れられるボール圧着とともにケーブルの端におけるボール圧着を含めることによって溝壁2161、2157に取り付けられており、その結果、ギア−滑車2148の矢印Bの方向への回転がケーブル2108を引き、反転部を曲げ、反対方向の回転がケーブル2104を引き、反転部を矯正するようになっている。溝壁2161の径は、壁2157の径の約2倍であり、ケーブル2108の移動は、ケーブル2104の移動の約2倍であるようになっている。また、機械的利点は、ギア2148とギア2144とのギア比を約2:1とすることによって得られる。
ギア−滑車2150は、ケーブル2106を受け入れるための第1の溝2168と、ケーブル2110を受け入れるための第2の溝2164と、を有する。図57に示されているように、ケーブル2106、2110の端2107、2111は、それぞれ、例えば、溝壁の開口に受け入れられるボール圧着とともにケーブルの端におけるボール圧着を含めることによって溝壁2169、2165に取り付けられており、その結果、ギア−滑車2150の矢印Bの方向への回転がケーブル2106を引き、エンドエフェクタのジョーを開放し、反対方向の回転がケーブル2106を引き、ジョーを閉鎖する。溝壁2169の径は、壁2165の径の約2倍であり、ケーブル2106の移動は、ケーブル2110の移動の約2倍であるようになっている。また、機械的利点は、ギア2150とギア2136とのギア比を約4:1とすることによって得られる。
中心シャフト2116は、シャフト2116をロック機構(図示せず)に連結するためのスナップリング(図示せず)を受け入れるための溝2124と、シャフト2116とシャフト2118との間の封止を作成するためのOリング2128を受け入れるための溝2126と、を有する。シャフト2118は、シャフト2118をノブ(図示せず)に結合するためのスナップリング(図示せず)を受け入れるための溝2130と、シャフト2118とシャフト2120との間の封止を作成するためのOリング2134を受け入れるための溝2132と、を有する。シャフト2120は、シャフト2120をノブ(図示せず)に結合するためのスナップリング(図示せず)を受け入れるための溝2138と、シャフト2120とハンドルハウジング(図示せず)との間の封止を作成するためのOリング2142を受け入れるための溝2140と、を有する。
図59を参考にすると、レバーロックボタンアセンブリ2113は、スライド2216およびロッキング機構2214に結合されているボタンアセンブリ2200を有する。スライド2216は、それに取り付けられ、エンドエフェクタの遠位ロック(図示せず)を作動するケーブル2222(図56)を有する。ロッキング機構2214は、ギア−滑車2150の回転を制限し、使用者が移植片を配備しようとするまで、ジョーの閉鎖の範囲を制限する。移植片を配備するには、使用者はボタンアセンブリ2200を押し、これは同時に、ケーブル2222を引いて遠位ロックを解除し、ロッキング機構2214を作動し、ギア−滑車2150のさらなる回転を可能にし、このようにしてジョーのさらなる閉鎖を可能にするように作用する。
ボタンアセンブリ2200は、ピン2202によって下部プレート2122および上部プレート(図示せず)に接続されている。図60および61も参考にすると、ボタンアセンブリ2200は、バネ2205が挿入される穴2204を画定するボタン要素2203と、ピン2202を受け入れ、かつそこから2つのアーム2210および2212が延在するクロスバー2208を含む分岐要素2206と、を有する。バネ2205は、調節ブロック2114(図56)のボタン要素2203とハウジング2215との間で作用し、ボタン2200をロッキング位置の方へ付勢する。
アーム2210は、スライド2216を受け入れるための溝穴2219と、スライド2216をアーム2210に摺動可能に連結するためのスライド2216に取り付けられたピン2218を受け入れるための溝穴2220と、を画定する。使用者がボタン要素2203を押すと、ボタンアセンブリ2200つまりアーム2210は、ピン2202の周りを矢印Eの方向に枢動する。アーム2210のこの動作は、スライド2216を矢印Fの方向に摺動させ、ピン2218が溝穴2220(図61)内で摺動するとともに、ケーブル2222を矢印Fの方向に引き、遠位ロックを解除する。
アーム2212は、ロッキング機構2214の湾曲アーム2224を受け入れるための溝穴2227と、アーム2212に湾曲アーム2224を摺動可能に結合するための湾曲アーム2224に取り付けられたピン2266を受け入れるための溝穴2228と、を画定する。湾曲アーム2224は、ピン2234によってL字状アーム2232の第1の部分2230に連結されている。また、L字状アーム2232は、その周りをアーム2232が回転しうるポスト2236によってベースプレート2122に連結されている。また、L字状アーム2232は、L字状アーム2232の第2の部分2244によって画定された溝穴2242に挿入されるネジ2240によって停止レバー2238の第1の端2237に連結されている。停止レバー2238は、その周りをレバー2238がアーム2232(図61)とともに回転するポスト2236を受け入れる溝穴2239を画定する。レバー2238は、ギア−滑車2150のピン2248を係合するよう成形された第2の端2246を有する。
レバー2238のピン2248との係合は、ジョーが閉鎖され得る範囲を制限し、移植片は、ボタン機構が作動してレバーとピンを分離するまで、配備されないようになっている。使用者がボタン要素2203を押すと、アーム2212は、ピン2202の周りを矢印Eの方向に回転し、湾曲アーム2224およびL字状アーム2232を移動し、L字状アーム2232がポスト2236の周りを矢印Dの方向に回転するようになっている(図61)。この動作は、停止レバー2238を同様にポスト2236の周りを回転させ、レバー2238をピン2248から分離させ、その結果、ギア−滑車2250がさらに回転して移植片を配備できるようになっている。停止レバー溝穴2242は、アセンブリ中に設定されるジョーの閉鎖に対する停止レバー2238の位置決めを可能にすることによって、ケーブル作動機構2100のアセンブリおよび較正を容易にする。
図62〜図65を参考にすると、調節ブロックアセンブリ2114は、ハウジング2215を有し、ハウジング2215は、前端2800、後端2802、第1の側面2804、第2の側面2806、上部2808、および下部2810を有する。ハウジング2215は、前端2800における5個の溝穴2110E、2108E、2104E、2106E、2222Eと、4個の穴2110A、2108A、2104A、2106Aと、後端2802における5個の穴2110F、2108F、2104F、2106F、2222Fと、を画定する。穴2110A、2110Fは、それを通じてケーブル2110を受け入れるための溝穴2110Eと連絡し、穴2108A、2108Fは、それを通じてケーブル2108を受け入れるための溝穴2108Eと連絡し、穴2104A、2104Fは、それを通じてケーブル2104を受け入れるための溝穴2104Eと連絡し、穴2106A、2106Fは、それを通じてケーブル2106を受け入れるための溝穴2106Eと連絡する。溝穴2222Eは、スライド2216を受け入れるための前端2800で開放しており、ケーブル2222を受け入れるための後端2802で穴2222Fと連絡する。
後端2802における各穴2110F、2108F、2104F、2106F、および2222F内には、ケーブルアジャスタ2110D、2108D、2104D、2106D、および2222Dがそれぞれ受け入れられている。ケーブル2110、2108、2104、2106、および2222は、各々ケーブルアジャスタのうちの1つを通過し、ケーブルアジャスタは、アセンブリ中のケーブルの長さを設定するために使用される。前端2800における各穴2110A、2108A、2104A、および2106A内には、ケーブルアジャスタがそれぞれ、任意に受け入れられ、ケーブルの長さの設定に役立つ。
アセンブリを容易にするために、ケーブル2110、2108、2104、および2106の各々は、連結器2110C、2108C、2104C、および2106Cによって接合された2本のケーブルで形成されていることが好ましい。ケーブル端は、各々、ボール圧着2110I、2108I、2104I、および2106I(各ケーブルの1つの端およびボール圧着のみが図63に示されている)を有し、これらは連結器によって画定された溝穴2110J、2108J、2104J、および2106J内に着脱可能に受け入れられる。連結器2110C、2108C、2104C、および2106Cは、それぞれ溝穴2110E、2108E、2104E、および2106E内に受け入れられる。溝穴2110E、2108E、2104E、および2106Eは、それぞれ前止め具2110G、2108G、2104G、および2106G、およびそれぞれ後止め具2110H、2108H、2104H、および2106Hを有する。これらの止め具は、それぞれ連結器2110C、2108C、2104C、および2106Cの動作を限定する。止め具は連結器の動作を制限し、したがってケーブル2110、2108、2104、および2106が引かれうる距離の最大量を制限する。
図58および図63を再び参考にすると、ノブアセンブリ2102およびギアアセンブリ2112は、プレートの積重ね2900に封入され、溝2164、2160、2156、および2168からのケーブル2110、2108、2104、および2106の可能な滑りは、制限されるようになっている。これらプレートは、必要に応じて溝穴を有し、ケーブルがプレートの積重ね2900から出て、調節ブロックアセンブリ2114に接続することを可能にする。プレートの積重ね2900は、整列していると共に、ポスト2902によって下部プレート2122および上部プレート(図示せず)に接続されている。
図66を参考にすると、ケーブルの動作を結合するハウジング2215における溝穴の端との連結器の接触を用いる別の実施形態は、プレート積重ねのプレート1300aにおける同心の溝穴1302aと、溝穴1302a内へ延在するギア−滑車2150に取り付けられたピン1304aおよび1306aと、を提供することを含む。溝穴1302aは、第1の端1308aおよび第2の端1310aを有する。ギア−滑車2150の回転は、端1308a、1310aに対して接するピン1304a、1306aによってなされている。同様に、別の同心の溝穴を別のプレートに提供し、ピンをギア−滑車2148上に提供し、ギア−滑車2148を回転させることができる。
図67を参考にすると、ハンドル機構3000は、ギア3002を有し、ギア3002は、それと同時に回転するシャフト2118(図57)を介して作動制御ノブ914に連結されている。ギア3002は、伝動アセンブリ3004を駆動させる。伝動アセンブリ3004は、駆動ギア3006と、クラッチ3008と、リング3009と、滑車3010と、制御アーム3012と、を有する。ギア3002が回転すると(図96を参考にして後述されるように)、駆動ギア3006、クラッチ3008、リング3009、および滑車3010が回転する。アセンブリ3004の種々の構成要素は、後述されるように、相互に作用し、滑車3010(図17G)に結合されている作動アーム962a、962bの完全な開放および閉鎖位置を決定し、作動アームのためのカートリッジ装着位置を決定し、食道を通じた挿入のための固定位置における作動アームの保持のための機構を提供し、ノブ914にトルクがかけられていないときに作動アームの開放を保持するための機構を提供する。また、滑車3010上に形成されたラチェットは制御アーム3012と相互作用し、操作者がノブ914から手を離す場合には、作動アーム962a、962bの閉鎖中に組織によってアームが強制的に離され続ける。ノブ914が回転され作動アーム962a、962bを閉鎖すると、さらに後述されるように、例えば、何かが作動アームを妨害して離す場合に起こりうる、ケーブルにかけられる張力がケーブルに損傷を与えうるレベルに達する前にクラッチ3008が滑る。
図68を参考にすると、リング3009はランプ3014を有し、滑車3010は第1のランプ3015および第2のランプ3016を有する。ランプ3015と3016との間には、第1の凹部3018が画定されており、ランプ3014の端には、第2の凹部3020がある。凹部3018に対する凹部3020の位置は、滑車3010に対してリング3009を回転させることによって調節可能であり、位置決めネジ3021を用いることによって固定される。滑車3010は、ラチェット歯3022の区分と、停止ピン3024と、をも有する。図67および図69に示されているように、アーム3012は、ピン3029でアームに回転可能に装着されたポスト3030を有する。ノブ914が回転して作動アームを閉鎖すると、ポスト3030は、ランプ上を移動して、凹部3018内へ入る。このポスト3030の位置により、作動アームへカートリッジを装着するための、および食道を通じて機器の遠位端を通すための所望の位置に対応する作動アームの位置が設定される。
図70も参考にすると、アーム3012は、ラチェット歯3022に沿って進むそれに装着されたつめ3032を有する。作動アームをカートリッジの装着位置から配備位置まで閉鎖すると、操作者はアーム3012のボタン3034(図67)を押し、アーム3012をピボット点3036の周りで回転させ、ポスト3030を凹部3018から離脱する。ノブ914の継続的回転は、ポスト3030をランプ3016および3014に沿って進ませ、これによりアーム3012もピボット点3036の周りで枢動し、つめ3032がラチェット歯3022に係合するようになっている。つめ3032は、これを歯3022に係合させるように付勢するねじりバネ3038を有する。作動アームが閉鎖するときのつめ3032とラチェット歯3022との係合は、使用者がノブの反復回転間にノブ914から手を離して作動アームを閉鎖する場合など、使用者がノブ914から手を離す場合にはそれらの間に位置した組織によって強制的に離される作動アームの傾向を制限する。作動アームが完全に配備されると、すなわち、アームがそこで移植片を配備した位置にあるとき、ポスト3030は凹部3020に落ち、つめ3032をラチェット歯3022から離間し、ボタン3034が持ち上がり、使用者に移植片が配備されている視覚的、触覚的および/または聴覚的フィードバックを提供する。作動アームを開放するには、操作者は、ノブ914を反対方向に回転させる。ポスト3030がランプ3014の縁に沿って進むと、ポスト3030はピン3029の周りを枢動し、上部ボールプランジャ3030aに係合し、アーム3012が適所に残り、つめ3032が作動アームの動作中にラチェット歯3022から離間したままになるようにさせる。
図71を参考にすると、アセンブリ3004は、配備止め具3040および開放止め具3042を有する。止め具3040および3042はネジ込まれており、それらの位置は調節可能である。ラチェット3010のピン3024は、作動アームが配備されていると(ポスト3030が凹部3020に入る位置に対応)、止め具3040に当り、ピン3024は、作動アームがその完全開位置にあると、止め具3042に当たる。完全開位置においては、ピン3024は、戻り止め3044と相互作用し、作動アームは、トルクがノブ914にかけられるまで開放し続ける。図71に同様に示されているのは一対のバネ装着ボールプランジャ3030aであり、これは、ポスト3030に対して作用し、ポスト3030の移動を制限すると共に、ポスト3030を中立の位置へ付勢する。
図92および図93を参考にすると、伝動アセンブリクラッチ3008は、ギア3006と滑車3010との間に位置したクラッチバネ4002を有し、クラッチバネ4002は、ギア3006における凹部4006内と、滑車3010における凹部4012内と、にある。クラッチバネ4002は、ギア3006の凹部4006内に適合するように成形されたポスト4004を有する。クラッチバネ4002は、滑車3010のポスト4008を受け入れる通り穴4007を画定する。滑車凹部4012は、滑車3010の表面4018から延在する壁4016の内側での波状表面4014によって、画定されている。クラッチバネ4002は、波状表面4014と相互作用し、ワンウェイクラッチを形成する脚4010を有する。滑車3010のこの実施形態においては、滑車3010は、一連のラチェット歯の一端で形成される突起部4020と、表面4018で形成される止め具4021と、を有する。リング3009が壁4016上を摺動すると、ランプ3014は、止め具4021とランプ3016との間にぴったり適合する(図94および図95)。
図94では、ジョー部材3102a、3102bは閉鎖しているが移植片は配備されていない場合に対応する位置の伝動アセンブリ3004が、示されている。この位置は、カートリッジの装着中および機器の患者内への挿入中に使用され、周囲組織への損傷を防ぐ。ノブ914が回転され作動アーム962a、962bが閉鎖すると、ギア3002は、ギア3006を矢印4022の方向へ回転させる。ギア3006は、凹部4006とポスト4004の接触面でクラッチバネ4002に入力されるため、バネ4002は、4022の方向に回転する。通常の動作条件下では、クラッチバネ4002の回転は、波状表面4014との脚4010の相互作用によって滑車3010を回転させ、すなわち、クラッチバネ4002は滑車3010に対して滑ることはない。作動アーム962a、962bが閉鎖に対して異常に高い抵抗を受ける場合には、クラッチバネ4002の脚4010は、クラッチバネ4002が回転すると内側に曲がり、クラッチバネ4002を滑車3010に対して滑らせ、ケーブルに損傷を与えうる追加の張力が、滑車3010に取り付けられた作動アーム閉鎖ケーブル上に配置されることがない。例えば、クラッチバネ4002は、ケーブルが72ポンド超の張力を受けるとき滑車3010に対して滑り始めればよく、その時点でケーブルは過剰に張力を受けることになる。
ノブ914が回転されて作動アーム962a、962bを開放させると、ギア3002はギア3006を矢印4024の方向に回転させ、これによりクラッチバネ4002および滑車3010は矢印4024の方向に回転する。波状表面4014に対する脚4010の方向づけのため、クラッチバネ4002が矢印4024の方向に回転するとき、クラッチバネ4002は滑車3010に対して滑ることはない。したがって、閉鎖方向(矢印4022の方向)よりも開放方向(矢印4024の方向)において、大きなトルクが滑車3010によって作用され得る。
閉位置においては、つめ3032は滑車3010の突起部4020に係合し、滑車3010がその閉位置に保持され、ポスト3030が図94に示された位置に付勢されるようになっている。ボタン3034が押されると(図95)、アーム3012はピボット3036の周りを回転し、ポスト3030は、ランプ3016を露出し、図94の偏向位置から回転して、バネ装着ボールプランジャ3030aの力により中立位置へ入る。ポスト3030は、今度はランプ3016に対して押しているため、ボタン3034は、その押された位置に残り、つめ3032は、ラチェット歯3022に係合する。ノブ914は、今度は回転され、さらに作動アームを閉鎖し得る。ノブ914を回転して作動アーム962a、962bを図94に示された位置を越えて開放する場合には、滑車3010は、開放方向(矢印4024の方向)に回転し、滑車3010の力が張力バネ3038によってつめ3032にかけられる偏向力に打ち勝つほど十分に大きいため、つめ3032は、突起部4020にわたって摺動し、その上を押し進められる。
図96も参考にすると、ケーブル作動機構はノブアセンブリ5102を有し、ノブアセンブリ5102は、回転可能なシャフト5120によって包囲された固定シャフト5118によって包囲された回転可能な中心シャフト5116を考慮して設計されている。シャフト5120は、ギアアセンブリ2112(図57および図58)のギア滑車2148に係合するギア5144を有する。シャフト5118は、伝動アセンブリ3004(図67および92〜95)のギア3006に係合するギア3002を有する。ギア3006は、滑車3010を作動させるが、滑車3010は、エンドエフェクタに結合されたケーブル2106を受け入れるための第1の溝5168と、エンドエフェクタに結合されたケーブル2110を受け入れるための第2の溝5164と、を有する。
中心シャフト5116は、シャフト5116とシャフト5118との間の封止を作成するためのOリングを受け入れるための溝5126を有する。シャフト5118は、シャフト5118とシャフト5120との間の封止を作成するためのOリングを受け入れるための溝5132を有する。シャフト5120は、シャフト5120とシャフト5145との間の封止を作成するためのOリングを受け入れるための溝5140を有する。反転ノブ912と連結したレバー912aは、シャフト5145を回転させるが、これは、当技術分野で既知のように、シャフト5145は、回転されると、摩擦ロックに係合しかつ分離するカラー5150にねじ込まれている。シャフト5145は、シャフト5120の外側に配置されていると共に、カラー5150内に配置されている。シャフト5145は、レバー912aによって回転され、レバー912aは、シャフト5145とカラー5150との間に位置したOリングを受け入れて、ねじ込まれた領域および摩擦ロックを封止する凹部5155を有する。
図72Aおよび図72Bを参考にすると、エンドエフェクタ3100は、ジョー部材3102a、3102bを有し、その各々は、ゴムシェル3106a、3106bによってそれぞれ覆われた組織操作カートリッジ3104a、3104bを有する。各ジョー部材3102a、3102bは、それぞれの作動アーム3108a、3108bに着脱可能に装着されている。カートリッジ3104a、3104bは、針3101aを受け入れるように構成され、針3101aは、組織刺通先端3101cを有する組織刺通要素3101bを有する。それぞれのジョー部材3102a、3102b内に受け入れられる作動アーム3108a、3108bの部分は、作動アームの連結器と呼ばれる。
図73〜図75を参考にすると、ゴムシェル3106bは、ガイドワイヤを受け入れる穴3110と、カートリッジ3104b上にかかる2つのウェブ材3112、3114と、を画定する。ウェブ3112、3114は、カートリッジ3104b上にシェル3106bを保持するが、ジョー部材間の組織を圧迫するときに組織がシェルを押し戻すことを許容する。ゴムシェル3106bは、カートリッジ3104bの嵌合領域3118の周りに均一に合う長方形状の端3116を有する。カートリッジ3104bは、横へ延在するポスト3120を有し、ポスト3120は、カートリッジ針3101a上に折り重なり、潜在的にその針によって貫通されるべきゴムシェルの傾向を制限する。カートリッジ3104bは、上述されているように、そのそれぞれの作動アーム3108b上に装着されるとき、金属の作動アームは、プラスチックのカートリッジ内へ延在し、針3101aの背後の領域で終わり、その針を支持する。カートリッジ3104bは、作動アーム3108bを受け入れる面取りした入口領域3121を有する。
図76〜図78を参考にすると、ゴムシェル3106aは、ガイドワイヤを受け入れる穴3122と、カートリッジ3104a上にかかる2つのウェブ材3124、3126と、を画定する。ゴムシェル3106aは、カートリッジ3104aの嵌合領域3130の周りに均一合う長方形状の端3128を有する。カートリッジ3104aは、遠位に延在するポスト3132を有し、ポスト3132は、カートリッジ針3101b上に折り重なり、作動アーム3108a、3108bが閉鎖しているとき、その針によって穿孔されるべきゴムシェルの傾向を制限する。ポスト3132は、カートリッジ3104aの中心U字状領域3129から突出する金属のクリップ3133から延在する。U字状領域3129は、クリップ3133の反対側に位置した脚3131間の溝を画定する。カートリッジ3104aは、作動アーム3108aを受け入れる面取りした入口領域3135を有する。
図79も参考にすると、作動アームがその配備位置に閉鎖されると、要素3101bは、脚3131(図79には示されていない)間の溝穴を通じて押される。要素3101bは、クリップ3133の角度がついた表面3134に向かって押され、要素3101bは、裂けて側面に出て行き、破断力が互いに対向するようになる。クリップ3133は、カートリッジ3104aから延在する金属の突起部として形成されている。特に、要素3101bの内側が角度のついた面3134に接触すると同時に、針3101aの基礎の外側は脚3131の表面に接触し、こうして要素3101bが角度のついた面3134に対して押され、針3101aが支持される。対向した破断力は、カートリッジ3104aがカートリッジ3104bと一直線になるのに役立ち、両方の針が移植片を確実に配備する力にかけられることを保証する。金属クリップ3133は、要素3101bがカートリッジ3104aのその他の点ではプラスチックの本体に食い込ませないようにし、摩擦を減少させることによって、また表面3134の角度を設定することによって負荷される破断を制御する。要素3101bを裂くのに必要な負荷は、2.5ポンド〜5.0ポンドであり、要素3101bがカートリッジ3104bから裂ける角度は、10°〜14°である。
図80も参考にすると、別の実施態様において、要素3101bが脚3131間の溝穴を通じて押されるとき、かつ金属クリップ3133の角度がついた面3134に接触している間に、カートリッジ3104aの金属クリップ3133に対してカートリッジ3104bの針3101aを中心にするのに役立つ円錐状区分3158を、カートリッジ3104aの脚3131は画定する。
ジョー部材3102a、3102bが食道を通じて機器の遠位端を通すための位置にあるとき、ガイドワイヤを受け入れる穴3110および3122は一直線になり、ガイドワイヤが穴3110および3122を通過することができ、機器の通過を助け、作動アーム3108a、3108bが確実に挿入中に閉鎖されたままであるようになる。
図80〜図82を参考にすると、作動アーム3108aは、好ましくは鋼で形成され、カートリッジ3104aの開口3142内に受け入れられる隆起したランプ3140を有する。開口3142は、近位に延在する溝穴3144を有し、溝穴3144は、カートリッジ3104aの端まで延在する。カートリッジ3104aは、カートリッジを作動アームに保持して、救済機構として作用する保持器を形成した器具の区分3146を有し、すなわち、所定の負荷(すなわち、過負荷)が作動アーム3108aにかけられたとき、区分3146が曲がりまたは裂けて、患者から機器が除去されることを可能にする。これは、組織内の移植片の供給後の移植片にカートリッジが詰まり、またはアームがアーム間の組織と閉位置で挟まる可能性に対するカートリッジおよびアカウントの両方に組み込まれている安全機能である。このような状況においては、機器のアームは、機器に負荷をかけることによってカートリッジから除去されうる。したがって、機器は、カートリッジが配備後に移植片から分離されていない場合、またはアームが開放していない場合の状況下に患者から除去されうる。所定の負荷は、筋組織を通じて移植片を引く負荷よりも低くなるように選択され、それは約27ポンドである。ゴムシェル3106a、3106b(特に図72を参照)の近位に曝されるカートリッジ3104a、3104bの部分により、操作者は、必要に応じて、区分3146をアクセスし、操作することによって、作動アームからカートリッジを取り外すことが可能となる。
作動アーム3108aは、カートリッジ3104aの対応する成形領域3152へ差し込む成形領域3150と、カートリッジ3104aの溝穴3156内に受け入れられるへり3154と、ポスト3132に支えられ、カートリッジ3104aの曲げを避ける金属端3159a(図72Bおよび82)と、を有している。作動アーム3108aの連結器を受け入れるカートリッジ3104a内の空洞の長さLaは、約0.7インチである。作動アーム3108bは、カートリッジ3104bの内腔内に適合し、針3101aの基部に延在する金属端3159b(図72B)を有する。作動アーム3108aの連結器を受け入れるカートリッジ3104a内の空洞の長さLbは、約0.6インチである。
図46Aおよび図46Bを参考にして上述されているように、カートリッジは、ホルダーで医療従事者に供給される。図83および図84を参考にすると、ジョー部材3102a、3102bは、一般に上述されている方法でホルダー3160に装着されている。カートリッジをホルダーに取り付けるホルダー3160の部分3162(その1つのみが図84において確認できる)は可撓性であり、カートリッジを作動アームへ装着するときに自動の整列を可能にする。ホルダー3160は、操作者に対し、使用前にカートリッジからホルダーを除去することを指摘する「使用前に除去すること」などの注意書きのあるタブ3164を有し得る。そのタブは、カートリッジを適所のホルダーとともに患者内へ挿入しないように使用者に明らかとなるようなサイズであり得る。
図24A〜図24Dは、一連のリンクを有する反転部910を示す。図85を参考にすると、反転部910aは、同様に一連のリンク3171で形成され、挿入を容易にするように反転部に追加の可撓性を提供する近位マウント区分3170を有する。図86も参考にすると、区分3170は、区分3170を反転部910aの残部に取り付けるための突起3176を備えた連結部3174を有する。
図87Aも参考にすると、部分3178および部分3180を有する可撓性ブーツ3179は、反転部910aを覆う。特に、図87Bおよび87Cに示されているように、部分3178は、突起3176を除き、近位区分3170のリンク3172および連結部3174を覆い、部分3180は、反転部910aの残りのリンクを覆う。部分3178は、内腔916に封止する内管端3181と、シャフト904に封止する外管端3182と、を有する。部分3180は、反転部910aの端領域905b(図85)で、遠位端905aに封止する管端3183を有する。
図23A〜図23Dは、滑車984、982および985の周りで巻かれ、固定点986で終わる閉鎖ケーブル925bを示す。図88aを参考にすると、移植片を配備するために必要なケーブル925上の付加を削減するために、第2のジョー閉鎖ケーブル3180は、滑車984、982および985の周りで巻かれ、固定点3182で終わる。この二重滑車システムにより、各ケーブル925bおよび3180にかけられる約15ポンド未満で、アームの先端で、約35ポンドの閉鎖力が達成される。図88bを参考にすると、ケーブル925b、3180の両方は、ハンドル機構の平衡滑車3194で終わる。平衡滑車3194は、上述されているように、短いケーブル3198によって閉鎖滑車に接続されているヨーク3196に接続されている。アームが開閉すると、滑車3194およびヨーク3196は、後方および前方に移動する。平衡滑車は、両方のケーブル925bおよび3180が同じ力で引かれることを保証する。
図89および図90を参考にすると、ブーツ3184は、カートリッジに係合する作動アーム3108a、3108bの部品を除き、反転部910aの遠位端905aを覆う。ブーツ3184は、可撓性であり、作動アーム3108a、3108bの開閉を可能にする。そのブーツは、作動アームを密封するためのシール3186と、開創器(上記の開創器740または2020など)用のポートを密封するためのシール3188と、を有する。シール3186および3188は、最初に作動アーム3108a、3108bに隣接したブーツ3184の部品の周りを包んで糸で結束し、次いで糸上に接着剤を付けることによって形成されている。シール3188は、挿入中にブーツ3184内の開創器の遠位端を保持するように作用する干渉隆起3190を有する。ブーツ3184は、ガイドワイヤを受け入れるための穴3192を画定する。そのブーツは、処置中に体液がケーブルおよび滑車に接触するのを防ぎ、かつ洗浄中に洗浄液がケーブルおよび滑車に接触するのを防ぎ、機器の再使用を提供する。
図91を参考にすると、エンドエフェクタ3100は、シャフト904に連結された反転部910aに連結されている。図示されているように、遠位端905aを覆うブーツ3184は、ジョー部材3102a、3102bの作動アーム3108a、3108b(図72A)を密封する。上述されているように、機器900は、ガイドワイヤ4000を、一直線上にあるシャフト904、内腔916、ブーツ3184の穴3192、およびガイドワイヤ4000を受け入れる穴3110および3122を介して通すことによって、ガイドワイヤ4000を利用して経口的に導入されうる。
他の実施態様は、以下の請求項の範囲内である。クラッチバネ4002は、3本の脚(図92および図93)および4本の脚(図94および95)で示されているが、クラッチバネ4002は、任意の数の脚4010で構成され得る。例えば、クラッチバネ4002は、1本の脚、2本の脚、または10本の脚を有してよい。シール3186および3188は、例えば、作動アームと作動アームに隣接したブーツの一部との間の締まりばめによるなど、他の方法を用いて形成され得る。
クリップ3133は、カートリッジ3104aと一体化され得るし、カートリッジ3104a(およびクリップ3133)は、金属で形成され得る。クリップ3133は、プラスチックで形成され得るカートリッジ3104aの端まで成形され得る。