JP4413539B2 - 経路制御方法、そのデータ集約装置および経路制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ルーティングの制御機能として冗長性を確保することができるコネクション型通信(Connection−Oriented)の経路交換プロトコル、たとえばIBGP(Internal Border GatewayProtocol:RFC1966)を利用した経路制御方法、そのデータ集約装置および経路制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年のインターネットにおけるBGP展開では、あるAS(Autonomous System)に所属する全てのIBGPルータは、IBGPルータから受信した経路情報を他のIBGPルータに送信してはいけないように設定されているので、フルメッシュで接続しなければならず、また外部経路情報もこのASに所属する他の全てのルータに配布しなければならないように設定されている。たとえば、ASの中にN個のIBGPルータが存在する場合には、ユニークなIBGPセッション数を、N(N−1)/2個メンテナンスしなければならないので、コネクションの数が増え、経路情報送信によるバックボーンネットワーク上での伝送トラフィックが増大し、またコネクションの管理が煩雑になっていた。なお、このASとは、単一の管理主体によって単一経路制御ポリシーのもとで管理・運用される範囲のことで、たとえばISP(Internet Service Provider:インターネットサービス事業者)がこれに相当する。
【0003】
このような問題を解決して、このフルメッシュでの接続を軽減させるために、従来では、AS内に経路情報を集約して中継するデータ集約装置であるルートリフレクタ装置(以下、「RR装置」という)11を用いるものがある。このRR装置は、たとえばセンタ局30から入力される設定情報に基づいて、各IBGPルータとIBGPピアを組んで経路情報の交換を行い、この経路情報のデータベースを保持することで、データ通信を可能にしている。たとえば図7のシステム構成図に示すように、ASのバックボーンネットワーク10上に、RR装置11を設けるものとする。そして、このシステムでは、このRR装置11と各IBGPルータ(以下、「RTR」という)21〜24との間でコネクションを張って伝送路で接続させ、この伝送路を介して経路情報の交換を行っている。このRR装置11は、図7に示すように、各IBGPルータに対応した受信経路データベース13cと送信経路データベース13dを有し、受信した経路情報(実施の形態では、経路1〜100万)を受信経路データベース13cに集約して登録するとともに、この経路情報を送信相手の各RTR21〜24の数だけコピーして各送信経路データベース13dに格納した後に、これら経路情報をRTR21〜24にそれぞれ送信している。
【0004】
このようなシステムにおいて、たとえばRTR21の障害、またはRTR21に接続された他のAS内のRTRの障害発生を検出すると、RR装置11とRTR21間で経路情報の交換が行えない状態が生じたり、RTR21から削除(WIthdraw)メッセージが送信されることとなる。このような事態に対して、RR装置11は、図8および図9に示す処理を行う。
【0005】
すなわち、RR装置11は、図9のフローチャートに示すように、各RTR21〜24と経路情報の交換を行って、受信した経路情報に基づき、各受信経路データベース13cおよび各送信経路データベース13dの作成処理を行う(ステップ101)。そして、RTR21からメッセージを受信すると(ステップ102)、このメッセージが経路追加のためのアップデートメッセージか、経路削除のための削除メッセージかを判断する(ステップ103)。
【0006】
ここで、受信したメッセージがアップデートメッセージの場合には、受信経路データベース13cおよび送信経路データベース13dに経路情報を登録する経路追加処理を行い(ステップ104)、また受信したメッセージが削除メッセージの場合には、図8に示すように、受信経路データベース13cおよび送信経路データベース13dから該当する経路情報(この例では、経路6の情報)を削除する経路追加処理を行い(ステップ105)、さらに更新された送信経路データベースの内容を他のRTR22〜24に伝えるアップデート/削除メッセージを他のRTR22〜24に送信するためのメッセージ送信処理を行っていた(ステップ106)。
【0007】
このシステムでは、IBGPピアで交換する経路情報が増大すると、あるIBGPルータの故障によって発生する他のIBGPルータでの経路変更処理および経路変更通知のための通信データ量が増加することとなる。このため、従来では、RR装置11が経路変更通知を示す削除メッセージを受信後、一定時間伝送状態を監視し、この削除メッセージが継続した場合にのみ、他のIBGPルータに対して削除メッセージを送信するルートフラップダンプニング手法を用いるものがあった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、直接通信を行う相手のIBGPルータが故障した場合には、適用ができないという問題点がある。すなわち、IBGPルータ21が故障した場合には、このルータ21から受信した経路情報を、RR装置11は、他のIBGPルータ22〜24に再広告するため、図6に示した従来例では、IBGPルータ21は100万経路広告しているので、(受信経路100万)×(他のIBGPルータ22〜24の数3)=300万の経路に関して再処理および再広告する必要がある。このためにRR装置では、この経路情報を広告するために、非常の多くの処理時間とメモリ容量を消費する処理が必要となるという問題点があった。
【0010】
この発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、経路情報を広告するための処理時間を短縮するとともに、メモリ容量の消費を抑えることができる経路制御方法、そのデータ集約装置および経路制御システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる経路制御方法では、コネクション型通信の経路交換プロトコルを用いてそれぞれ異なるデータ中継装置とコネクションを張ることによってセッションを確立し、経路情報の交換を行い、前記交換した経路情報をデータベースに登録する経路制御方法において、前記経路情報のうちの所定の経路情報を削除する場合に、削除メッセージの送信処理を実行する送信処理工程と、前記データベースのうち、受信側データベース内の前記所定の経路情報に、削除用フラグを立てて、該経路情報を不使用状態に設定するとともに、当該設定後の経路情報の交換の際に、前記所定の経路情報が再受信されると、前記削除用フラグを削除して、該所定の経路情報を使用可能状態に設定する経路制御工程と、前記削除用フラグが削除されると、前記削除メッセージの送信処理をキャンセルする送信キャンセル工程とを含むことを特徴とする経路制御方法が提供される。
【0012】
この発明によれば、たとえば伝送トポロジーの変更などで経路情報のうちの所定の経路情報を削除する場合に、削除用フラグを立てて、その経路情報を不使用状態にした後に、当該経路情報が再受信されると、立てた削除用フラグを削除するとともに、削除メッセージの送信処理をキャンセルすることで、経路情報を広告するための処理時間を短縮するとともに、削除メッセージの作成に伴うメモリ容量の消費を抑える。
【0013】
また、請求項2にかかる前記経路制御方法では、伝送トポロジーの異常を検出する検出工程をさらに含み、前記経路制御工程では、前記検出工程で検出された伝送トポロジーに対応した、前記受信側データベース内の前記所定の経路情報に、削除用フラグを立てることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、たとえば経路交換相手のデータ中継装置からの経路情報の送信がないことなどで、伝送トポロジーの異常を検出し、この伝送トポロジーに対応した経路情報に、削除用フラグを立てることで、データ中継装置の復旧を待ち、この復旧によって経路情報が受信できるようになると、立てた削除用フラグを削除するとともに、削除メッセージの送信処理をキャンセルすることで、経路情報を広告するための処理時間を短縮するとともに、削除メッセージの作成に伴うメモリ容量の消費を抑える。
【0015】
また、請求項3にかかる経路制御方法においては、前記経路制御工程では、一定時間内に前記削除用フラグを立てた経路情報の再受信が行われた時には、前記削除用フラグを削除して、該経路情報を使用可能状態に設定し、また前記一定時間内に前記削除用フラグを立てた経路情報の再受信が行われない時には、前記データベースに登録されている該経路情報を削除することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、たとえば削除用フラグを立ててから、一定時間内に該当する経路情報の再受信が行われた時には、伝送トポロジーの復旧と判断して、当該削除用フラグを削除し、また一定時間内に該当する経路情報の再受信が行われない時には、伝送トポロジーの変更と判断して、データベースに登録されている当該経路情報を削除することで、経路情報を広告するための処理時間を短縮することができる。
【0017】
また、請求項4にかかるデータ集約装置では、コネクション型通信の経路交換プロトコルを用いてそれぞれ異なるデータ中継装置とコネクションを張ることによってセッションを確立し、経路情報の交換を行う経路交換手段と、前記交換した経路情報を登録するデータベースとを有するデータ集約装置において、前記経路情報のうちの所定の経路情報を削除する場合に、削除メッセージの送信処理を実行する送信処理手段と、前記データベースのうち、受信側データベース内の前記所定の経路情報に、削除用フラグを立てて、該経路情報を不使用状態に設定するとともに、当該設定後の経路情報の交換の際に、前記所定の経路情報が再受信されると、前記削除用フラグを削除して、該所定の経路情報を使用可能状態に設定する経路制御手段と、前記削除用フラグが削除されると、前記削除メッセージの送信処理をキャンセルする送信キャンセル手段とを備えたことを特徴とするデータ集約装置が提供される。
【0018】
この発明によれば、たとえば伝送トポロジーの変更などで経路情報のうちの所定の経路情報を削除する場合に、経路制御手段で削除用フラグを立てて、データベースに登録された所定の経路情報を不使用状態にするとともに、送信処理手段によって削除メッセージの送信処理を行い、当該経路情報が再受信されると、立てた削除用フラグを削除するとともに、削除メッセージの送信処理を送信キャンセル手段でキャンセルすることで、経路情報を広告するための処理時間を短縮するとともに、削除メッセージの作成に伴うメモリ容量の消費を抑える。
【0019】
また、請求項5にかかるデータ集約装置では、伝送トポロジーの異常を検出する検出手段をさらに備え、前記経路制御手段は、前記検出手段で検出された伝送トポロジーに対応した、前記受信側データベース内の前記所定の経路情報に、削除用フラグを立てることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、たとえば経路交換相手のデータ中継装置からの経路情報の送信がないことなどに基づいて、検出手段で伝送トポロジーの異常を検出し、経路制御手段によってこの伝送トポロジーに対応した経路情報に、削除用フラグを立てることで、データ中継装置の復旧を待ち、この復旧によって経路情報が受信できるようになると、立てた削除用フラグを削除するとともに、送信キャンセル手段によって削除メッセージの送信処理をキャンセルすることで、経路情報を広告するための処理時間を短縮するとともに、削除メッセージの作成に伴うメモリ容量の消費を抑える。
【0021】
また、請求項6にかかるデータ集約装置では、前記経路制御手段は、一定時間内に前記削除用フラグを立てた経路情報の再受信が行われた時には、該削除用フラグを削除して当該経路情報を使用可能状態に設定し、また前記一定時間内に前記削除用フラグを立てた経路情報の再受信が行われない時には、前記データベースに登録されている該経路情報を削除することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、たとえば経路制御手段が削除用フラグを立ててから、経路交換手段によって一定時間内に該当する経路情報の再受信が行われた時には、伝送トポロジーの復旧と判断して、経路制御手段は、当該削除用フラグを削除し、また一定時間内に該当する経路情報の再受信が行われない時には、伝送トポロジーの変更と判断して、経路制御手段は、データベースに登録されている当該経路情報を削除することで、経路情報を広告するための処理時間を短縮する。
【0023】
また、請求項7にかかる経路制御システムでは、経路情報の交換を行う経路制御システムにおいて、前記交換された経路情報を登録するとともに、該経路情報に基づいてデータ中継を行うデータ中継装置と、前記請求項4〜6のいずれか一つに記載のデータ集約装置とを備え、伝送トポロジーの変化に伴い、前記経路情報が登録されているデータベースの登録変更を行うことを特徴とする経路制御システムが提供される。
【0024】
この発明によれば、たとえば伝送トポロジーの変更などに伴って所定の経路情報を削除する場合に、データベース内の経路情報は登録されているままで、この経路情報に削除用フラグを立てて、一定時間後に再受信されない場合に当該経路情報を削除することで、経路情報を広告するための処理時間を短縮するとともに、削除メッセージの作成に伴うメモリ容量の消費を抑える。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に図1〜図5の添付図面を参照して、この発明にかかる経路制御方法、そのデータ集約装置および経路制御システムの好適な実施の形態を説明する。なお、この発明にかかる経路制御システムの構成は、図6に示した構成と同様の構成になっており、以下の図において、図6と同様の構成部分に関しては、説明の都合上、同一符号を付記するものとする。
【0026】
(実施の形態)
図1は、この発明にかかるRR装置の概略構成を示す概略構成図である。図1において、たとえばセンタ局30からの伝送トポロジーの変更などのコマンドを含む設定情報を受信して、この設定情報を通知する設定処理部12と、この設定情報の通知を受け取るとともに、IBGPピアであるRTR21〜24との間でアップデート/削除メッセージや経路情報の交換を行って、受信した経路情報を経路情報データベース13c,13dに登録/削除するIBGP処理部13と、IBGP処理部13からの最適経路情報を取り込んで経路情報データベース14aに登録する中継処理部14とから構成されている。なお、設定情報の入力は、たとえばキーボードなどの入力手段を使用して、RR装置に直接行うことも可能である。
【0027】
IBGP処理部13は、図2に示すように、ネットワーク10や設定処理部12と接続されるインターフェース部13aと、ネットワーク10上のIBGPピアから取り込んだ経路情報の読み込み制御を行うデータベース読込制御部13bと、データベース読込制御部13bの読み込み制御によって、受信した経路情報を格納する受信側の経路情報データベース(以下、「受信経路データベース」という)13cおよび送信側の経路情報データベース(以下、「送信経路データベース」という)13dと、設定処理部12やRTR21〜24から取り込んだ情報の判別を行う情報判別部13eとから構成されている。
【0028】
情報判別部13eは、入力される設定情報やメッセージの判別および経路情報の受信状況などの判別を行っており、RTR21〜24から受信した追加/削除メッセージに応じて、経路情報を受信経路および送信経路データベース13c,13dに追加/削除する処理を行うように、指示を与えている。また、情報判別部13eは、RTR21〜24からの経路情報の受信がなくなると、障害の発生と判断し、受信経路および送信経路データベース13c,13dから該当する経路情報を削除する処理を行うように、データベース読込制御部13bに指示を与えている。
【0029】
受信経路データベース13cと送信経路データベース13dは、図3、図4に示すように構成されており、図7、図8と異なる点は、受信経路データベース13cにおいて、経路1〜100万の情報に対応させて、経路情報の状態を示す消フラグを立てる領域を設けた点と、この消フラグが立っている経路情報は削除せずに、予め定められたある一定時間内に同じ経路情報が受信されると、削除メッセージの送信処理をキャンセルするように設定する点である。
【0030】
すなわち、この実施の形態において、RTR21に障害が発生して経路情報が受信できない場合には、情報判別部13eが該当する経路情報を削除する指示をデータベース読込制御部13bに与えるとともに、インターフェース部13aに削除メッセージの作成および送信処理の指示を与える。この指示を受けて、データベース読込制御部13bは、該当する経路情報に対して、消フラグを立て、受信経路データベース13cを検索できない不使用状態に設定し、インターフェース部13aは、削除メッセージの作成、送信処理を実行する。
【0031】
そして、データベース読込制御部13bは、予め定めたある一定時間内に経路情報の受信があり、その経路情報が受信経路データベース13cに登録されている経路情報と一致した場合に、その経路情報に対して立てた消フラグを削除して、その経路情報を検索できる使用状態に設定する。また、この一定時間内に一致した経路情報が受信されない場合には、データベース読込制御部13bは、図4に示すように、受信経路データベース13cおよび送信経路データベース13dに登録されているその経路情報を削除するとともに、経路情報に対応する消フラグも削除する。
【0032】
次に、図5のフローチャートに基づいて、経路追加・削除時の処理動作を説明する。図5において、情報判別部13eは、まずインターフェース部13aによって経路情報が受信されたかどうか判断しており(ステップ201)、経路情報が受信されると、次にメッセージが経路情報の追加を示すアップデートメッセージか、経路情報の削除を示す削除メッセージかどうかを判断する(ステップ202)。
【0033】
ここで、この受信されたメッセージが経路情報の追加の場合には、情報判別部13eからの指示によって、データベース読込制御部13bは、該当する経路情報を受信経路データベース13cおよび送信経路データベース13dに登録するとともに(ステップ203)、情報判別部13eからの指示によって、インターフェース部13aが、アップデートメッセージを作成して、この経路情報の送信元のRTR以外のIBGPピアのRTRに送信して(ステップ204)、次の経路情報の受信を待つ。
【0034】
また、この受信されたメッセージが経路情報の削除の場合には、同じく情報判別部13eの指示によって、データベース読込制御部13bは、受信経路データベース13c内の該当する経路情報に消フラグを立てて(ステップ205)、インターフェース部13aは、削除メッセージを作成し、その送信処理を開始する(ステップ206)。
【0035】
次に、情報判別部13eが消フラグが立った経路情報と同一の経路情報がインターフェース部13aで受信されたかどうか判断する(ステップ207)。ここで、該当する経路情報の受信がなく、たとえば消フラグを立ててから一定時間経過したかどうか判断し(ステップ208)、一定時間経っていなければステップ207に戻って経路情報の受信を待ち、また一定時間経過した場合には、データベース13c,13dから該当する経路情報を削除する(ステップ209)。
【0036】
また、ステップ207において、消フラグが立った経路情報と同一の経路情報がインターフェース部13aで受信された場合には、インターフェース部13aによって作成された削除メッセージが送信されたかどうか判断する(ステップ210)。
【0037】
ここで、削除メッセージが送信されていない場合には、インターフェース部13aが作成している削除メッセージの送信をキャンセルし(ステップ211)、また削除メッセージが送信済みの場合には、インターフェース部13aが他のRTR22〜24に追加メッセージの送信を行って(ステップ212)、ステップ201に戻る。
【0038】
このように、この実施の形態では、経路情報がRTRの故障などで交換できなくなった場合やメンテナンスでRTRが経路交換を中断した場合などで、RR装置が経路情報を受信できなくなって、該当する所定の経路情報を削除する時に、受信経路データベース内の当該所定の経路情報に、消フラグを立てて、経路情報を不使用状態に設定し、その後一定時間内にこの所定経路情報が再受信されると、消フラグを削除してこの所定の経路情報を使用可能にして、削除メッセージの送信処理をキャンセルするので、経路情報を広告するための処理時間を短縮できるとともに、一定時間内に経路情報が再受信された時には削除メッセージの送信処理をキャンセルするので、削除メッセージを作成するために使用される多くのメモリ容量の消費を抑えるとともに経路情報の再利用を図ることができる。
【0039】
この発明は、これら実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明では、経路情報のうちの所定の経路情報を削除する場合に、削除用フラグを立て、当該経路情報が再受信されると、前記削除用フラグを削除するとともに、削除メッセージの送信処理をキャンセルするので、経路情報を広告するための処理時間を短縮できるとともに、削除メッセージの作成に伴うメモリ容量の消費を抑えることができる。
【0041】
また、この発明では、異常検出された伝送トポロジーに対応した経路情報に削除用フラグを立て、経路情報の削除を一定時間待つので、経路情報を広告するための処理時間を短縮することができる。
【0042】
また、この発明では、一定時間内に該当する経路情報の再受信が行われた時には、該経路情報に立てた削除用フラグを削除し、この再受信が行われない時には、データベースに登録されている経路情報を削除するので、経路情報を広告するための処理時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるルートリフレクタ装置の概略構成を示す概略構成図である。
【図2】図1に示したIBGP処理部の構成を示す構成図である。
【図3】図1に示した経路情報を登録するデータベースの構成を示す構成図である。
【図4】図3と同様、経路情報を削除する場合を説明するためのデータベースの構成を示す構成図である。
【図5】図1に示したRR装置の経路追加・削除時の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【図6】経路制御システムの構成を示す構成図である。
【図7】従来の経路情報を登録するデータベースの構成を示す構成図である。
【図8】図7と同様、経路情報を削除する場合を説明するためのデータベースの構成を示す構成図である。
【図9】従来のRR装置の経路追加・削除時の処理動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 バックボーンネットワーク
11 ルートリフレクタ(RR)装置
12 設定処理部
13 IGBP処理部
13a インターフェース部
13b データベース読込制御部
13c 受信経路データベース
13d 送信経路データベース
13e 情報判別部
14 中継処理部
14a 経路情報データベース
21〜24 ルータ(RTR)
30 センタ局
Claims (7)
- コネクション型通信の経路交換プロトコルを用いてそれぞれ異なるデータ中継装置とコネクションを張ることによってセッションを確立し、経路情報の交換を行い、前記交換した経路情報をデータベースに登録する経路制御方法において、
伝送トポロジーの異常を検出する検出工程と、
前記検出工程で検出された前記伝送トポロジーの異常に対応した所定の経路情報を削除する場合に、削除メッセージの送信処理を実行する送信処理工程と、
前記伝送トポロジーの異常に対応した受信側データベース内の所定の経路情報に、削除用フラグを立てて、該経路情報を不使用状態に設定するとともに、当該設定後の経路情報の交換の際に、前記所定の経路情報が再受信されると、前記削除用フラグを削除して、該所定の経路情報を使用可能状態に設定する経路制御工程と、
前記削除用フラグが削除されると、前記削除メッセージの送信処理をキャンセルする送信キャンセル工程と、
を含むことを特徴とする経路制御方法。 - 前記送信処理工程は、伝送トポロジーの変更指示に対応した所定の経路情報を削除する場合に、削除メッセージの送信処理を実行し、
前記経路制御工程は、前記伝送トポロジーの変更指示に対応した受信側データベース内の所定の経路情報に、削除用フラグを立てて、該経路情報を不使用状態に設定するとともに、当該設定後の経路情報の交換の際に、前記所定の経路情報が再受信されると、前記削除用フラグを削除して、該所定の経路情報を使用可能状態に設定することを特徴とする請求項1に記載の経路制御方法。 - 前記経路制御工程では、一定時間内に前記削除用フラグを立てた経路情報の再受信が行われた時には、前記削除用フラグを削除して、該経路情報を使用可能状態に設定し、また前記一定時間内に前記削除用フラグを立てた経路情報の再受信が行われない時には、前記データベースに登録されている該経路情報を削除することを特徴とする請求項1または2に記載の経路制御方法。
- コネクション型通信の経路交換プロトコルを用いてそれぞれ異なるデータ中継装置とコネクションを張ることによってセッションを確立し、経路情報の交換を行う経路交換手段と、前記交換した経路情報を登録するデータベースとを有するデータ集約装置において、
伝送トポロジーの異常を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記伝送トポロジーの異常に対応した所定の経路情報を削除する場合に、削除メッセージの送信処理を実行する送信処理手段と、
前記伝送トポロジーの異常に対応した受信側データベース内の所定の経路情報に、削除用フラグを立てて、該経路情報を不使用状態に設定するとともに、当該設定後の経路情報の交換の際に、前記所定の経路情報が再受信されると、前記削除用フラグを削除して、該所定の経路情報を使用可能状態に設定する経路制御手段と、
前記削除用フラグが削除されると、前記削除メッセージの送信処理をキャンセルする送信キャンセル手段と、
を備えたことを特徴とするデータ集約装置。 - 前記送信処理手段は、伝送トポロジーの変更指示に対応した所定の経路情報を削除する場合に、削除メッセージの送信処理を実行し、
前記経路制御手段は、前記伝送トポロジーの変更指示に対応した受信側データベース内の所定の経路情報に、削除用フラグを立てて、該経路情報を不使用状態に設定するとともに、当該設定後の経路情報の交換の際に、前記所定の経路情報が再受信されると、前記削除用フラグを削除して、該所定の経路情報を使用可能状態に設定することを特徴とする請求項4に記載のデータ集約装置。 - 前記経路制御手段は、一定時間内に前記削除用フラグを立てた経路情報の再受信が行われた時には、該削除用フラグを削除して当該経路情報を使用可能状態に設定し、また前記一定時間内に前記削除用フラグを立てた経路情報の再受信が行われない時には、前記データベースに登録されている該経路情報を削除することを特徴とする請求項4または5に記載のデータ集約装置。
- 経路情報の交換を行う経路制御システムにおいて、
前記交換された経路情報を登録するとともに、該経路情報に基づいてデータ中継を行うデータ中継装置と、
前記請求項4〜6のいずれか一つに記載のデータ集約装置と、
を備え、伝送トポロジーの変化に伴い、前記経路情報が登録されているデータベースの登録変更を行うことを特徴とする経路制御システム。
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JP2005020602A (ja) | 2005-01-20 |
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