JP4412316B2 - 液体容器および該液体容器を用いた液体排出方法 - Google Patents

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本発明は、上下2層以上に分離した液体、または上側に固形物が浮遊する液体が収容され、容器内壁の底面もしくは側面に開設された排出口から下側の液体のみ選択的に排出するための液体容器および液体排出方法に関する。
製鉄所の製鋼工場において、酸素吹錬が終了した溶鋼を脱炭炉から取鍋に移し換えるとき、或いは取鍋から連続鋳造設備のダンディッシュへ移し換えるときには、溶鋼上に存在するスラグと称する不純物の融体層が溶鋼中に混じらないように注意する必要がある。
たとえば取鍋には、その底部にスライディングゲートと呼ばれる溶鋼の排出口が設けられ、連続鋳造設備のタンディッシュへ溶鋼を注入する際、鋳込んだ鋳片の引き抜き速度に合わせて排出口(スライディングゲート)の開閉度合いを調整しながら注入してゆくが、取鍋内に残存する溶鋼の量が少なくなると渦流が発生し、溶鋼の上面に浮遊しているスラグが底面の排出口からダンディッシュの溶鋼中に混入する。
タンディッシュには、混入したスラグ等の微小介在物を浮上させる機能があるが、多量に混入すると、完全に浮上する前に溶鋼とともにスラブ、ブルーム又はビレットと称する断面形状の異なる鋳片に鋳込まれ、スラグが鋳片中に混入してしまう。スラグが混入した鋳片を圧延加工すると、当該スラグが傷となって製品不良が生じる。
よって、従来の製鋼現場では、精錬した溶鋼の歩留まりを低下させてでも製品の高品質を維持するために、取鍋内におけて渦流の発生が予想される限界レベルまで湯面が低下する前に、取鍋の中に溶鋼がまだ多量に残留しているにもかかわらずスライディングゲートを閉にし、排出をストップさせてスラグ混入を防止することが行われている。
その他、溶鋼歩留まり向上のために、溶鋼温度が下がり過ぎない範囲内で、渦流の発生を抑えるべく溶鋼排出スピードを遅くすることも行われているが、渦流の発生をほとんど抑えることはできず効果がない。また、スラグの混入をいち早く正確に検出するために電磁気を利用したスラグ検知器を設けることも行われているが、溶鋼湯面がかなり上側で取鍋内に溶鋼が大量に残留している状態でも、一度渦流が発生してしまえばスラグが渦に巻き込まれ、検知器が作動してしまうため、製鋼現場ではスラグ検知器を用いながらもタンディッシュ表面にスラグが浮かんでくるのが確認されると取鍋の排出口(スライディングゲート)を閉めるといった対策を取らざるを得ず、根本的な解決には至っていない。
スラグ混入の原因となる渦流の発生を防止する観点から、幾つか考案もされているが(例えば、特許文献1〜6参照。)、いずれも非常に複雑な構造のものが提案されており、約1600℃の溶融金属に十分耐える構造とすることは、材料の点からも実際上は到底採用できるものではない。
特開平5−7992号公報 特開平5−7993号公報 特開2000−237840号公報 特開平9−286434号公報 特表平9−506299号公報 特開2000−218362号公報
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、簡単な構造で渦流の発生を防止でき、内部に収容された上下2層以上に分離した液体、または上部に固形物が浮遊している液体のうち、上層の液体や固形物が混入することなく下側の液体のみを選択的に排出できる液体容器および液体排出方法を提供する点にある。
本発明は、前述の課題解決のために、上下2層以上に分離した液体、または上側に固形物が浮遊する液体が収容され、容器内壁の底面もしくは側面に開設された排出口から下側の液体のみ選択的に排出するための液体容器であって、前記底面もしくは側面における前記排出口の縁部に接する位置、または該縁部より所定距離だけ離れた位置に、排出時の渦流を防止するための突起部を設け、排出口中心から開口面に対し垂直に延びる軸を含む面で前記突起部を切断した縦断面積の最大値(S max )を、排出口の開口面積(s)の1倍以上に設定したことを特徴とする液体容器を構成した。
ここで、突起部の形状を、角柱、円柱、多角柱、円錐、若しくは角錐、または、これらの先端をドーム状とした形状とすることが好ましい。
また、突起部の排出口縁部からの離間距離(R)を、排出口半径(r)の6倍以下に設定することが好ましい。
さらに、突起部の高さを、排出口半径の1/2〜3倍に設定することが好ましい。
より具体的には、突起部が耐火セラミックスの成形物を容器内壁に固定してなり、溶融金属を収容する脱炭炉等の精錬炉、電気炉、取鍋、またはタンディッシュとして構成することが好ましい。
また本発明は、上記液体装置を用い、内部に収容された上下2層以上に分離した液体、または上部に固形物が浮遊している液体のうち下側の液体のみを、前記突起部により渦流発生を抑えつつ容器内壁の底面もしくは側面に開設された排出口から選択的に短時間に排出してなる液体排出方法をも提供する。
以上にしてなる本願発明の液体容器および液体排出方法によれば、突起部により排出時の渦流が防止され、上層の液体または固形物を巻き込むことがなくなることから、下側の液体のみを選択的に短時間に排出させることが可能となる。これにより、下側の液体に上層の液体や固形物が混入することもなく純度の高い液体が多く得られることとなり、液体の製造における歩留まりの向上、品質の向上が得られる。また、渦流が生じない場合は排出口から排出される液体の流れが充満流となり、多量に排出する事ができる。それによって、短時間での排出が可能となり、操業時間が短縮される効果も生じる。
また、突起部の形状を角柱、円柱、多角柱、円錐、若しくは角錐、または、これらの先端をドーム状とした形状としたので、強度を維持しつつ渦流の発生を防止できる。
また、突起部の排出口縁部からの離間距離(R)は、排出口半径(r)の6倍以下に設定したので、渦流の発生をより確実に防止できる。突起部の位置を排出口から離しすぎると、渦流が発生しやすくなる。
また、排出口中心から開口面に対し垂直に延びる軸を含む面で前記突起部を切断した縦断面積の最大値(Smax)を、排出口の開口面積(s)の1倍以上に設定したので、渦流の発生をより確実に防止できる。前記縦断面積が小さすぎると、渦流が発生しやすくなる。
また、突起部の高さを、排出口半径の1/2〜3倍に設定したので、渦流の発生を防止しつつ、できるだけ多くの液体を排出することが可能となる。
渦流は、突起部の高さよりも液面が低くなると発生しやすくなるが、突起部の高さが前記1/2よりも低いと、液面が突起部より高くても渦流が発生しやすくなる。3倍より高くすると液面が突起部よりも低くなる際の残量、すなわち渦流の発生が防止できなくなった際の残量が多くなり、歩留まりが低下する。
また、突起部が耐火セラミックスの成形物を容器内壁に固定してなり、溶融金属を収容する脱炭炉等の精錬炉、電気炉、取鍋、またはタンディッシュとして構成すれば、排出口の近傍に成形物を固定するといった簡単な構造であるにもかかわらず、上記精錬炉等から精錬した溶鋼を排出する際に、渦流によってスラグやフラックス等の微小介在物が混入することを未然に防止できる。
そして、これにより鉄鋼製品の表面キズや内部欠陥の発生が防止でき、高品質を維持できるとともに高級鋼への適用が可能となる。また、溶鋼の残湯量を低減でき、歩留まりを著しく向上することが可能となる。例えば、月50万トン生産する中規模製鉄所だと、250トンの取鍋で2000回受鋼・排出するが、歩留まりを排出一回あたり1トン改善すれば、良鋳片歩留まりが0.4%改善され(年間、2万4千トン)、大変な経済効果が期待できる。さらに、転炉型精錬炉から精錬後の溶鋼を排出する時に、排出口に突起物を設けて渦流の発生を防止できれば、充満流となるため短時間で排出でき、操業時間が短縮され生産効率が向上する。
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明に係る液体容器を溶融金属の取鍋として構成した例を示し、図中符号1は液体容器、2は突起部、8は液体、9は固形物をそれぞれ示している。
本発明に係る液体容器1は、図1に示すように、上下2層以上に分離した液体、または上側に固形物9が浮遊する液体8が収容され、容器内壁の底面10もしくは側面に開設された排出口11から下側の液体8のみ選択的に排出するために、前記底面10もしくは側面における前記排出口11の縁部に接する位置、または該縁部より所定距離だけ離れた位置に、排出時の渦流を防止するための突起部2を設けたものであり、これにより排出時の渦流が防止され、上層の液体または固形物を巻き込むことがなくなり、下側の液体のみ選択的に排出させることができる。なお、本例では、製鉄所製鋼工場の溶鋼を底部から排出して連続鋳造設備のタンディッシュ4に供給するための取鍋3を例示するが、本発明はこれに何ら限定されない。
突起部2は、本例では溶融金属の温度に耐えうる耐火セラミックス製の成形物が使用され、該成形物を底面もしくは排出口が側面にあるときには側面に対して接着材等で固定することにより構成されている。突起部2を設ける位置は、排出口11の縁部11aに接する位置か、或いは、排出口縁部11aからの離間距離(R)が排出口半径(r)の6倍以下となる位置に設けられる。排出口11から遠すぎると、渦流防止の効果が低下してしまう。
突起部2の形状は、強度を維持しつつ渦流の発生を防止する観点から、好ましくは角柱、円柱、多角柱、円錐、若しくは角錐、または、これらの先端をドーム状とした形状が採用されるが、その他の形状であっても勿論よい。
また、底面に設置された突起部2は、図2に示すように、排出口11中心から開口面に対し垂直に延びる軸11bを含む面11cで切断された縦断面積の最大値(Smax)が、排出口11の開口面積(s)の1倍以上、望ましくは3倍以上、より好ましくは5倍以上、さらに好ましくは7倍以上になるように設定されている。この最大の縦断面積は、液体が排出口11の中心軸まわりに回転した場合に突起部が邪魔をする当該回転方向に沿った投影面積とほぼ同じであり、この面積が大きいと、それだけ渦流の発生が防止できることになる。
溶損などの耐久性の面からは、薄板状とするよりも厚さ(高さ)のある柱状もしくは箱形が妥当である。
突起部2の高さ(H)は、排出口半径(r)の1/2〜3倍、より好ましくは1〜2.5倍に設定される。
この突起部2は、一個でも渦流を防止する効果があるが、実操業においては、溶損消滅の可能性もあるため、2個以上設置することが好ましい。
(突起部の位置、寸法による効果実験)
まず、底面に排出口(半径r=0.55cm、開口面積0.94cm2)を備えた、直径30cmの水槽を用い、溶鋼と同程度の動粘性係数である室温約20℃の水を用いて、突起部の位置、寸法による渦流防止効果を観測した実験結果について説明する。
突起部は、直径D、高さH、排出口中心から開口面に対し垂直に延びる軸を含む面で前記突起部を切断した縦断面積の最大値(Smax)が、それぞれ下記表1A〜Iの9種類の円柱状の金属材からなる突起物を用い、渦流防止効果については、排水開始時の水面高さを10cmとして排出口から排出してゆき、渦流が発生したときの水槽底からの水面高さ(以下、「渦発生高さ」と称す。)hを観測した。ここで言う、渦流の発生とは、水面から排出口まで届く貫通した渦が発生した場合をいい、実験上、槽内の水に回転を与えているが、その回転による水面上の渦、若しくは排出口まで渦の下端が届いていない渦は除いている。
Figure 0004412316
(実験1)
突起物Hを用いて、その排水口からの離間距離を0cm(縁部に接して位置させた場合)、1cm、2cmとした場合の渦流防止効果を観測した。観測結果を図4のグラフに示す。
横軸の角速度ω0は、渦流を発生させやすいように槽内の水に反時計まわりの回転を起こさせたその回転速度を表している。角速度「0」は、静止浴での実験である。
図4によれば、突起物Hを排出口縁部に接して位置させた場合、渦発生高さhが1〜1.5cmを維持し、その水面高さまで渦流がまったく生じていないことが分かる。また、排出口縁部より1cm離間した位置に配置させた場合も、渦発生高さhが2cm前後であり、その水位まで渦流がまったく生じていないことが分かる。
これに対し、2cm離間した位置に配置させた場合には、渦発生高さが7〜8cmとなり、排出口縁部に接して位置した場合と縁部から1cm離間した位置に配置した場合よりも高い水位から渦流が発生し、浮遊物等があった場合には排水に混入してしまうことになる。
これにより、水モデルの場合、突起物を離間させて設置する場合には、排出口半径(r)の2倍以下に設定することが好ましいことが分かる。なお、これはあくまで水モデルの場合であり、液体の粘性係数が大きくなれば、それに比例して離間距離2倍以上に大きくできる。この点については、後述の溶鋼を用いた実験で考察する。
(実験2)
突起物の排水口からの離間距離を0cmとし、突起物A〜Dを用いて、突起物の高さを変化させたときの渦流防止効果を観測した。観測結果を図5のグラフに示す。
図5によれば、突起物A、Bは渦発生高さhが1cmを維持し、渦流がまったく生じていないことが分かる。また、突起物Cについても、渦発生高さhが1.5cm前後を維持し、渦流がまったく生じていないことが分かる。
これに対し、突起物Dについては、渦発生高さが5.5cmから8cmまで次第に高くなり、渦流が発生し、浮遊物等があった場合には排水に混入してしまうことになる。
これにより、突起物の高さは0.5cmほどあれば、低くても渦流防止効果があるが、あまりに薄いと効果が無くなることが分かる。またこれにより、突起物の高さは排出口の半径(r)の1/2以上が好ましいことも分かる。
そして、排水口の開口面積は0.94cm2であり、突起物の最大断面積Smaxが開口面積の1倍程度(突起物D)であれば、渦流防止効果が得られず、5倍程度あれば十分であることが分かる。なお、これはあくまで水モデルの場合であり、液体の粘性係数が大きくなれば、それに反比例して必要最大断面積Smaxも1倍程度に小さくできる。この点については、後述の溶鋼を用いた実験で考察する。
(実験3)
突起物の排水口からの離間距離を0cmとし、突起物E〜Iを用いて、突起物の直径を変化させたときの渦流防止効果を観測した。観測結果を図6のグラフに示す。
図6によれば、突起物E、Fでは渦流が発生し、浮遊物等があった場合には排水に混入してしまうことになる。
これに対し、突起物Gも水槽内の回転速度が速くなると渦発生高さhが次第に高くなるが、その高さは2cmほどであった。したがって、排水により液面がかなり下がってきた場合には、浮遊物等が混入する恐れがあるが、それまでの間は渦流発生を防止しているものと考えられる。
これに対し、突起物H、Iは渦発生高さhが1〜1.5cmを維持し、突起物の高さの水位まで渦流がまったく生じていないことが分かる。
これにより、突起物の高さは0.5cmほどあれば、低くても渦流防止効果があるが、あまりに薄いと効果が無くなることが分かる。
そして、排水口の開口面積は0.94cm2であり、水モデルの場合、突起物の最大断面積Smaxが開口面積の1.5倍程度(突起物F)であれば、渦流防止効果が得られず、好ましくは3倍以上(突起物G)、より好ましくは7倍以上(突起物H)あれば十分であることが分かる。なお、液体の粘性係数が大きくなれば、それに反比例して必要最大断面積Smaxも1倍程度に小さくできる点は上記のとおりである。
(突起部の形状による効果実験)
次に、上記実験1〜3と同様、底面に排出口(半径r=0.55cm、開口面積0.94cm2)を備えた直径30cmの水槽、および室温約20℃の水を用いて、突起部の形状による渦流防止効果を観測した実験結果について説明する。
突起物として、図7(a)に示すように円柱形状の上端にドーム形状を設けた突起物(円柱部:直径3cm、高さ2cm、ドーム形状部:直径3cmの半球)と、図7(b)に示すように円錐形状の突起物(底面の直径3cm、高さ4cmの円錐形状)を用意し、それぞれ排水口からの離間距離Rを0cm(縁部に接して位置させた場合)として渦流防止効果を観測した。
観測の結果、円柱部とドーム形状部を有する突起物では、水面高さ3.5cm(突起物の高さの水位)になるまで渦流がまったく生じなく、2.5cmになった段階で渦流が発生した。
また、円錐形状の突起物では、突起物の2/3の高さ(水面高さ2.6cm)になるまで渦流がまったく生じなかった。
これにより、円柱形状の上端部がたとえば溶融金属によりドーム状に欠損(溶損)した場合を想定した円柱部とドーム形状部を有する突起物においても、また、上端部が尖った円錐形状の突起物でも渦流防止効果があることが確認された。
(溶融金属(溶鋼)を用いた効果実験)
次に、図1に示した製鉄所製鋼工場の取鍋を用いて、溶鋼を底部から排出する際の渦流発生の有無を確認する実験を行った。
取鍋の容量は200トン、突起物は、炉底からの突出高さ4cm、直径20cmのアルミナ系耐火物製を用いた。排水口は、図1に示すように羽口と呼ばれる耐火物製で連続鋳造操業時に取鍋の下方に位置するタンディッシュへ溶鋼を注入する為の溶鋼量を調整するスライディングノズルと一体化された構造であり、羽口(排出口)の直径は9.5cmである。突起物の羽口(排出口)からの離間距離は、排出口がスライディングノズルと一体成形した物なので26cm離れた位置に埋め込んで固定した。
突起物による渦流防止効果の確認方法としては、空鍋重量と溶鋼が入った充満鍋の重量の差から排出したスラグの重量を差し引いた物を取鍋の残湯量とし、突起物の無い場合の残湯量と突起物を施工した場合の残湯量を比較する事により、渦流防止による残湯量減少効果を確認した。なお、取鍋からタンディッシュへの注入の終了は、通常の操業と同様、スライディングノズル付近に取り付けてある電磁気を利用したセンサーにより、注入溶鋼中にスラグが混じりだした事を磁場の変化で検知し、スライディングゲートを閉める。よって、渦流が発生しなければスラグが混じりだすタイミング、すなわちスライディングゲートを閉めるタイミングが遅くなり、残湯量も減少するのである。
実験の結果、突起物を施工した取鍋の残湯量は4回測定の平均値として、突起物の無い場合に比べて0.6トン(0.3%)改善され、渦流発生防止による十分な効果が確認できた。
上記水モデルを用いた実験と今回の溶鋼を用いた試験結果を比べると、溶鋼試験では、突起物の羽口からの離間距離は、26cmあり、羽口の直径が9.5cmで半径4.7cmの約6倍の値でも効果が確認できた。これは、水では粘性が1だが、溶鋼だと粘性が6である事から、静止浴から渦流の発生を防止するために必要な離間距離は、融物質の粘性に比例する事、とくに溶鋼の場合は羽口開口部半径×溶鋼粘性値(6)の離間距離でも効果があることが判った。
また、羽口中心から開口面に対し垂直に延びる軸を含む面で前記突起部を切断した縦断面積の最大値(Smax)は、20cm×4cm=80cm2であり、羽口の開口面積(s)は、4.7×4.7×π(3.14)=69cm2と約1.1倍である。水モデル試験時の突起物該断面積は、3倍以上の値が良いと確認できたが、溶鋼の場合では、1.1倍とより小さな値であるがやはり、粘性が大きい為に突起物該断面積が小さくても効果があった。このことから溶鋼の渦流の発生を防止できる突起物の前記縦断面積は、羽口部開口面積の1.1倍でも効果が有る事が判った。
本発明の液体容器を溶融金属の取鍋として構成した例を示す説明図。 突起部の最大縦断面積を説明するための模式図。 実験1〜3に用いた水槽および突起物を示す説明図。 実験1の結果を示すグラフ。 実験2の結果を示すグラフ。 実験3の結果を示すグラフ。 形状を変えた実験の水槽と突起物を示す説明図であり、(a)は円柱形状の上端にドーム形状を設けた突起物、(b)は円錐形状の突起物を示す。
符号の説明
1 液体容器
2 突起部
3 取鍋
4 タンディッシュ
8 液体
9 固形物
10 底面
11 排出口
11a 縁部
11b 軸
11c 面

Claims (6)

  1. 上下2層以上に分離した液体、または上側に固形物が浮遊する液体が収容され、容器内壁の底面もしくは側面に開設された排出口から下側の液体のみ選択的に排出するための液体容器であって、前記底面もしくは側面における前記排出口の縁部に接する位置、または該縁部より所定距離だけ離れた位置に、排出時の渦流を防止するための突起部を設け、排出口中心から開口面に対し垂直に延びる軸を含む面で前記突起部を切断した縦断面積の最大値(S max )を、排出口の開口面積(s)の1倍以上に設定したことを特徴とする液体容器。
  2. 前記突起部の形状を、角柱、円柱、多角柱、円錐、若しくは角錐、または、これらの先端をドーム状とした形状としてなる請求項1記載の液体容器。
  3. 前記突起部の排出口縁部からの離間距離(R)を、排出口半径(r)の6倍以下に設定してなる請求項1又は2記載の液体容器。
  4. 前記突起部の高さを、排出口半径の1/2〜3倍に設定してなる請求項1〜の何れか1項に記載の液体容器。
  5. 前記突起部が耐火セラミックスの成形物を容器内壁に固定してなり、溶融金属を収容する脱炭炉等の精錬炉、電気炉、取鍋、またはタンディッシュとして構成される請求項1〜の何れか1項に記載の液体容器。
  6. 請求項1〜の何れか1項に記載の液体装置を用い、内部に収容された上下2層以上に分離した液体、または上部に固形物が浮遊している液体のうち下側の液体のみを、前記突起部により渦流発生を抑えつつ容器内壁の底面もしくは側面に開設された排出口から選択的に排出してなる液体排出方法。
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