JP4410609B2 - 軸受およびスクリュー圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受およびスクリュー圧縮機の改善に関し、より詳しくは、温度を検出することのできる軸受、およびこの軸受を備えたスクリュー圧縮機に関するものである。
スクリュー圧縮機は、互いに噛合する雌雄一対のスクリューロータを収容するケーシングを備えている。これら雌雄一対のスクリューロータそれぞれの両軸端はラジアル軸受によって支持される一方、これら雌雄一対のスクリューータそれぞれの一方の軸端部に、スクリューロータに生じるスラスト力を受け持つ一対のティルティングパッドスラスト軸受が設けられている。前記ティルティングパッドスラスト軸受は、前記雌雄一対のスクリューロータそれぞれの一方の軸端部に外嵌された円板状のスラスト部材を挟む位置に配設されており、このスラスト部材の摺動面に摺接して、前記スクリューロータからスラスト部材に伝達されるスラスト力を受け持つ複数のパッド(以下、スラスト軸受という。)を備えている。上記構成になるスクリュー圧縮機は、スクリューロータが高速で回転されるため、前記ラジアル軸受、スラスト軸受には滑り軸受が用いられている。これら軸受の摺動部には低摩擦であることが要求されるため、特に高周速のスラスト部材からスラスト力を受けるスラスト軸受の摺動部には低摩擦の材質が用いられている。
摺動部に低摩擦の材質を用いたスラスト軸受としては、例えば後述する複層摺動部材から構成されてなるものがある。この従来例1に係る複層摺動部材は、接着し難い金属製の裏金と、摺動部材である樹脂層との間に多孔質中間層を形成させてアンカー効果を発揮させることによって、金属と樹脂層とを剥離し難くすると共に、この樹脂層の耐磨耗性、および摺動特性を向上させるようにしたものである。より詳しくは、摺動層にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に、10〜95重量%のトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFE)またはポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン重合体(FAP)の溶融フッ素樹脂を添加したものが使用されている。そして、この摺動層には、耐磨耗性を向上させるための素材、摺動特性を向上させるための素材が添加されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−194380号公報
ところで、軸受の温度は、スラスト部材または軸と軸受の摺動部で発生した熱に起因するものである。通常、スラスト部材または軸と軸受の摺動部の間に油膜が介在しており、この油膜によって熱が取り去られるため、軸受は一定の温度以上に上昇するようなことがない。しかしながら、油膜切れを起こしたり、またスラスト部材または軸と軸受とが直接接触したりすると、軸受自体の温度も急上昇して異常高温になり、これら軸受を備えた機器が損傷し、運転停止に至るというような大事故に発展することとなる。そこで、軸受自身に温度検出器を埋め込み、この温度検出器によって検出される温度が、ある一定の温度を超えたときを以って軸受が異常であると判断するようにしたものがある。以下、この従来例2に係る「スラスト軸受異常検出装置および方法」を、スラスト軸受異常検出装置の構成図の図8を参照しながら説明する。
即ち、回転軸51のスラストカラーの下面に回転板52が設けられており、回転軸51の回りに放射状に配設された扇型形状をした複数の軸受セグメント54がセグメント支持台55により支持されている。これら回転板52および軸受セグメント54は潤滑油が満たされた油槽61内に収納されている。そして、回転板52と軸受セグメント54間に油膜53が形成され、回転板52は油膜53を介して軸受セグメント54により摺動可能に支持されている。複数の軸受セグメント54の回転板52と摺接する面は、合成樹脂系のライニング材が使用されている。複数の軸受セグメント54の全てに、各軸受セグメント54の温度を検出する温度測定素子62が取付けられている。これら温度測定素子62で測定された軸受セグメント54の温度Ta〜Tzが温度変換器63を介して軸受温度監視装置64に入力され、温度Ta〜Tzの何れかが所定値を超えると軸受が異常であると判定するものである(例えば、特許文献2参照。)。
特開2002−168242号公報
上記特許文献2に記載の従来例2に係る「スラスト軸受異常検出装置および方法」によれば、温度測定によりスラスト軸受の異常を検知することができるので、極めて有用であると考えられる。しかしながら、このような構成を摺動部が樹脂層である従来例1に係る軸受に適用しても、樹脂は金属に比較して熱伝導率が遥かに低いため、油膜切れを起こしたり、スラスト部材または軸と軸受とが直接接触したりして温度が上昇しても、温度検出器まで温度が伝わらず、軸受の異常を検知することができない場合がある。
従って、本発明の目的は、スラスト部材または軸との摺動部に樹脂層を備えた複層摺動部材からなる軸受を用いるにも係らず、軸受の温度を正確に検出することを可能ならしめる軸受、およびこの軸受を備えたスクリュー圧縮機を提供することである。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、従って上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る軸受が採用した手段は、摺動部材が樹脂層からなり、この樹脂層が裏金に接合されてなる複層摺動部材から構成され、前記樹脂層を介して力を受ける軸受において、前記樹脂層側からこの樹脂層の層厚を超える深さの嵌合孔を設け、この嵌合孔に前記樹脂層に比較して熱伝導率が優れる測温用金属部材を嵌着すると共に、この測温用金属部材内に、この測温用金属部材の温度を検出する温度検出器の温度検出部を位置させ、前記測温用金属部材の端面を、前記樹脂層の摺動面と面一にしたことを特徴とするものである。
本発明の請求項2に係る軸受が採用した手段は、摺動部材が樹脂層からなり、この樹脂層が裏金に接合されてなる複層摺動部材から構成され、前記樹脂層を介して力を受ける軸受において、前記樹脂層側からこの樹脂層の層厚を超える深さの嵌合孔を設け、この嵌合孔に前記樹脂層に比較して熱伝導率が優れる測温用金属部材を嵌着すると共に、この測温用金属部材の近傍に、この測温用金属部材から前記裏金に伝達される温度を検出する温度検出器の温度検出部を位置させ、前記測温用金属部材の端面を、前記樹脂層の摺動面と面一にしたことを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係る軸受が採用した手段は、請求項1または2に記載の軸受において、前記測温用金属部材は、前記樹脂層の融点よりも低融点の金属から構成されてなることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係るスクリュー圧縮機が採用した手段は、ケーシング内に、互いに噛合する雌雄一対のスクリューロータが収容され、これら一対のスクリューロータそれぞれのロータ軸の一方に円板状のスラスト部材が嵌着されると共に、前記スラスト部材を挟む位置に、前記スクリューロータからスラスト部材に伝達されるスラスト力を受け持つスラスト軸受が配設されてなるスクリュー圧縮機において、前記スラスト軸受は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の軸受であることを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係るスクリュー圧縮機が採用した手段は、ケーシング内に、互いに噛合する雌雄一対のスクリューロータが収容され、これら一対のスクリューロータそれぞれのロータ軸に摺接して、そのロータ軸から伝達されるラジアル力を受け持つラジアル軸受が配設されてなるスクリュー圧縮機において、前記ラジアル軸受は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の軸受であることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る軸受は、複層摺動部材から構成されてなる軸受の樹脂層側からこの樹脂層の層厚を超える深さの嵌合孔に嵌着され、前記樹脂層に比較して熱伝導率が優れ、かつ端面が前記樹脂層の摺動面と面一にされた測温用金属部材の温度を、温度検出器の温度検出部により直接検出する構成である。従って、本発明の請求項1に係る軸受によれば、測温用金属部材は樹脂層に比較して遥かに熱伝導率が優れており、かつ軸受の温度が直接測温用金属部材に伝わるので、軸受の温度をより正確に検出することができる。
本発明の請求項2に係る軸受は、複層摺動部材から構成されてなる軸受の樹脂層側からこの樹脂層の層厚を超える深さの嵌合孔に嵌着され、前記樹脂層に比較して熱伝導率が優れ、かつ端面が前記樹脂層の摺動面と面一にされた測温用金属部材から裏金に伝達された裏金の温度を検出、つまり温度検出器の温度検出部により測温用金属部材の温度を間接的に検出する構成である。従って、本発明の請求項2に係る軸受によれば、上記請求項1に係る軸受の場合よりも劣るものの、測温用金属部材や裏金は樹脂層に比較して遥かに熱伝導率が優れているので、裏金を介して軸受の温度を正確に検出することができる。
本発明の請求項3に係る軸受では、測温用金属部材は樹脂層の融点よりも低融点の金属から構成されている。従って、本発明の請求項3に係る軸受によれば、温度の異常上昇時に樹脂層よりも早い時期に測温用金属部材が溶融するため、樹脂層に相対する面、つまりスラスト部材や軸に傷が発生するような虞がない。
本発明の請求項4,5に係るスクリュー圧縮機では、スラスト軸受またはラジアル軸受の温度を正確に測定することができる。従って、本発明の請求項4,5に係るスクリュー圧縮機によれば、運転中の温度異常を確実に検知することができるから、軸受の異常温度に起因するスクリュー圧縮機の重大事故の発生を未然に防止することができる。
以下、本発明の形態1に係るスクリュー圧縮機、および軸受を、添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明のスクリュー圧縮機の軸受配設構成を示す主要部断面図であり、図2はラジアル軸受の斜視図であり、図3は図2のA−A線断面図である。図4はティルティングパッドスラスト軸受をスラスト軸受側から見た図であり、図5はスラスト軸受の斜視図であり、図6は図5のB−B線断面図である。
図に示す符号1は、本発明の軸受を備えたスクリュー圧縮機であって、この圧縮機1はケーシング2を備えている。このケーシング2内には、互いに噛合する雌雄一対のスクリューロータ3,4が収容されている。これら雌雄一対のスクリューロータ3,4のうち、一方のスクリューロータ3は図示しないモータにより回転され、他方のスクリューロータ4は前記一方のスクリューロータ3の回転に付随して回転されるように構成されている。
これら雌雄一対のスクリューロータ3,4それぞれのスクリューを中心とする両側のロータ軸3a,4aは、前記ケーシング2の開口端にボルト締結されてなる軸受ケース5,6に形成されてなる軸受箱に嵌着された、後述する構成になるラジアル軸受7によって支持されている。また、これら雌雄一対のスクリューロータ3,4のスクリューを中心とする、図1における左側のロータ軸3a,4aの前記ラジアル軸受7の外側に円板状のスラスト部材8がキーを介して嵌着されている。
前記ラジアル軸受7は、図2および図3に示すように構成されている。即ち、このラジアル軸受7は、鋼鉄からなる外周側の裏金7aと、この裏金7aに接合されたPEEKからなる内周側の樹脂層7bとから構成されており、複層摺動部材を円筒状に成形したものである。このラジアル軸受7の裏金7aと樹脂層7bとの間には、裏金7aと樹脂層7bとを接合するための図示しない中間層(層厚は薄い)が形成されている。また、このラジアル軸受7には、樹脂層7b側からこの樹脂層7bの層厚を超える深さの孔、つまり樹脂層7bと中間層とを貫通する嵌合孔7cが穿設されている。この嵌合孔7cには、先端面が樹脂層7bの内周面の一部を構成し、前記樹脂層7bの融点より低融点のホワイトメタルからなる測温用金属部材7dが嵌着されている。さらに、前記裏金7aの外側から前記測温用金属部材7dの一部を穿つ測温用孔7eが穿設されており、この測温用孔7eにシースタイプの温度検出器13が挿通されている。この温度検出器13の先端の温度検出部13aは測温用金属部材7dに接触しており、測温用金属部材7dの温度を直接検出し得るように構成されている。ここで樹脂層7bの厚さは2〜5mmとするのが好適である。
また、測温用金属部材7dの径は樹脂層7bの厚さの1〜2.5倍とするのが好適である。温度検出器13としては、例えば、シースタイプの熱電対素子、即ち、熱電対素子の素線をシース(カバー)で覆い、そのシース内を無機絶縁物等で圧力封入して、絶縁性、耐腐食性を高めたものが好適に用いられる。
さらに、前記スラスト部材8を挟む両側位置には、このスラスト部材8の面が摺接する、後述する構成になるスラスト軸受9,9′が配設されている。このスラスト部材8のラジアル軸受7側の面に摺接するスラスト軸受9,9′は、前記軸受ケース5の端面にボルト締結されてなる第1軸受抑え10に固着されたティルティングパッドスラスト軸受12に取付けられている。また、このスラスト部材8の反ラジアル軸受7側の面に摺接するスラスト軸受9は、前記軸受ケース5の端面に前記第1軸受抑え10のフランジ部に重ねられてフランジ部がボルト締結されてなる第2軸受抑え11に固着されたティルティングパッドスラスト軸受12に取付けられている。前記ティルティングパッドスラスト軸受12は、図4に示すように、円板状の軸受保持部材12aを備えている。この軸受保持部材12aの中心を円心とする円上の等配位置に、8個の扇型状の軸受嵌着凹所12bが設けられており、これら軸受嵌着凹所12bのそれぞれにスラスト軸受9,9′が一つ置きにティルト可能に嵌着されて取付けられている。そして、4個のスラスト軸受9に挿入孔が設けられており、この挿入孔にスラスト軸受9の温度を検出する温度検出器13が挿通されている。
前記スラスト軸受9は、図5および図6に示すように、鋼鉄からなる裏金9aと、この裏金9aに接合されたPTFEからなる樹脂層9bとから構成されており、複層摺動部材を扇型形状に成形した構成になるものである。このスラスト軸受9の裏金9aと樹脂層9bとの間には、これら裏金9aと樹脂層9bとを接合するための図示しない中間層が形成されている。また、このスラスト軸受9には、樹脂層9b側からこの樹脂層9bの層厚を超える深さの嵌合孔9cが穿設されている。そして、この嵌合孔9cには、先端面が樹脂層9bの平面の一部を構成し、前記樹脂層9bの融点よりも低融点のホワイトメタルからなる測温用金属部材9dが嵌着されている。さらに、前記裏金9aの端面側から前記測温用金属部材9dの一部を穿つ測温用孔9eが穿設されており、この測温用孔9eにシースタイプの温度検出器13が挿通されている。この温度検出器13の先端の温度検出部13aは測温用金属部材9dに接触しており、測温用金属部材9dの温度を直接検出し得るように構成されている。ここで樹脂層9bの厚さは2〜5mmとするのが好適である。また、測温用金属部材9dの径は樹脂層9bの厚さの1〜2.5倍とするのが好適である。温度検出器13としては、前述のラジアル軸受の場合と同様に、例えばシースタイプの熱電対素子が好適に用いられる。
また、前記スラスト軸受9′は、鋼鉄からなる裏金と、PTFEからなる樹脂層とから構成されてなる複層摺動部材を扇型形状に成形したものである。つまり、このスラスト軸受9′は、これに嵌合孔、測温用金属部材、測温用孔および温度検出器を設けると、前記スラスト軸受9と同構成になるものである。
なお、この形態1においては、上記のとおり、ラジアル軸受7の樹脂層7bとスラスト軸受9の樹脂層9bは、何れもPTFEから構成されているが、例えば従来例1のようにポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFE)から構成されていても良く、またポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン重合体(FAP)等から構成されていても良いので、PTFEからなる構成に限定されるものではない。
そして、温度検出器13で検出されたロータ軸3a,4aのラジアル軸受7と、スラスト軸受9との温度検出値(但し、図1においてはロータ軸3aのラジアル軸受7と、スラスト軸受9の温度だけが検出されるように記載されているが、実際にはロータ軸4aのラジアル軸受7と、スラスト軸受9の温度も検出されるように構成されている。)は、軸受温度監視装置14に送信され、ここにおいて予め設定された閾値温度と比較される。次いで、ラジアル軸受7と、スラスト軸受9の検出温度のうち、何れかが閾値温度を越えたときに、警報器15から警報が発せられるように構成されている。前記閾値温度は樹脂層7b,9bを構成するPTFEの融点より所定の温度だけ低い温度、例えば100℃に設定される。なお、前記測温用金属部材7d,9dにホワイトメタルを用いたのは、上記のとおり、ホワイトメタルの融点がPTFEからなる樹脂層7b,9bの融点よりも低く、温度の異常上昇時に樹脂層7b,9bよりも早い時期に溶融し、ロータ軸3a,4aの外周面やスラスト部材8の摺動面に傷が発生するような虞がないからである。
次に、本発明の形態1に係るスクリュー圧縮機1の動作について説明する。スクリュー圧縮機1の運転が開始されると、運転時間の経過につれてラジアル軸受7と、スラスト軸受9との温度が次第に上昇する。そして、油膜が切れない限り以降の運転においてラジアル軸受7と、スラスト軸受9との温度は、ある一定の温度に保持され続ける。これらラジアル軸受7と、スラスト軸受9との温度は、ホワイトメタルからなる測温用金属部材7d,9dに伝達される。そして、これら測温用金属部材7d,9dの温度が、ラジアル軸受7またはスラスト軸受9の温度として温度検出器13の温度検出部13aにより検出されると共に、それぞれの温度検出値が軸受温度監視装置14に送信され続ける。軸受の温度を測定しながらのスクリュー圧縮機1の運転中に、何らかの原因により油膜が切れ、ラジアル軸受7の樹脂層7aとロータ軸3a,3bが直接接触し、またはスラスト軸受9の樹脂層9aとスラスト部材8とが直接接触すると、ラジアル軸受7またはスラスト軸受9の温度が急上昇する。
前記ラジアル軸受7またはスラスト軸受9の温度が軸受温度監視装置14により、予め設定された閾値温度と比較され、ラジアル軸受7と、スラスト軸受9との検出温度のうち、何れかが閾値温度を越えたときに、軸受温度監視装置14はラジアル軸受7またはスラト軸受9が異常高温になったと判定し、警報器15に対して警報を発するように指令信号を送信する。従って、運転中のスクリュー圧縮機1のラジアル軸受7またはスラスト軸受9の温度異常を確実に検知することができるから、ラジアル軸受7またはスラスト軸受9の異常温度に起因するスクリュー圧縮機1の重大事故の発生を未然に防止することができる。なお、ラジアル軸受7またはスラスト軸受9の温度急上昇中において、樹脂層7bまたは9bよりも早い時期に測温用金属部材7dまたは9dが溶融するため、ロータ軸3a,4aまたはスラスト部材8に傷が発生するような虞がない。
ところで、以上の形態1においては、上記のとおり、スクリューロータ3,4のロータ軸3a,4aのラジアル軸受7と、スラスト軸受9との温度を共に検出する場合を例として説明した。しかしながら、図1に示すように、スクリューロータ3のロータ軸3aのラジアル軸受7と、スラスト軸受9との温度だけを測定するようにしても良い。勿論、スクリューロータ4のロータ軸4aのラジアル軸受7と、スラスト軸受9との温度だけを測定するようにしても良い。
本発明の形態2に係るスクリュー圧縮機の軸受を説明する。なお、本発明の形態2においては、スクリュー圧縮機および軸受の構成は上記形態1と同等で、温度検出器の温度検出部の位置が相違するだけであるから、その相違する点についての説明に止める。
即ち、本発明の形態2に係るスクリュー圧縮機のラジアル軸受7には、樹脂層7b側からこの樹脂層7bの層厚を超える深さの嵌合孔7cが穿設されている。この嵌合孔7cには、先端面が樹脂層7bの内周面の一部を構成し、前記樹脂層7bの融点よりも低融点のホワイトメタルからなる測温用金属部材7dが嵌着されている。さらに、前記裏金7aの外側から前記測温用金属部材7dの近傍に至る深さの測温用孔7eが穿設されており、この測温用孔7eにシースタイプの温度検出器13が挿通されている。この温度検出器13の先端の温度検出部13aは測温用孔7eの底部に接触しており、裏金7aを介して測温用金属部材7dの温度を間接的に検出するように構成されている。
また、本発明の形態2に係るスラスト軸受9には樹脂層9b側からこの樹脂層9bの層厚を超える深さの嵌合孔9cが穿設されている。そして、この嵌合孔9cには、先端面が樹脂層9bの平面の一部を構成し、前記樹脂層9bの融点よりも低融点のホワイトメタルからなる測温用金属部材9dが嵌着されている。さらに、前記裏金9aの端面側から前記測温用金属部材9dの端部の近傍に届く深さの測温用孔9eが穿設されており、この測温用孔9eにシースタイプの温度検出器13が挿通されている。この温度検出器13の先端の温度検出部13aは測温用孔9eの底部に接触しており、裏金9aを介して測温用金属部材9dの温度を間接的に検出するように構成されている。
本発明の形態2によれば、上記のとおり、裏金7aまたは9aを介して測温用金属部材7dまたは9dの温度を間接的に測定するものであるから、本発明の上記形態1の場合よりも、測定感度や測定精度に関して劣っている。しかしながら、裏金7aまたは9aは鋼鉄製であって、熱伝導率は樹脂層に比較して遥かに優れているから、十分実用に供することができる。
本発明の形態3に係るスクリュー圧縮機のティルティングパッドスラスト軸受を、添付図面を参照しながら説明する、図7は、ティルティングパッドスラスト軸受をスラスト軸受側から見た図である。但し、ティルティングパッドスラスト軸受自体の構成は上記形態1と同等で、スラスト軸受の構成が相違するだけであるから、その相違する点についての説明に止める。
ティルティングパッドスラスト軸受12の軸受保持部材12aの中心を中心とする円上の等配位置に8個の扇型状の軸受嵌着凹所12bが設けられている。そして、これら軸受嵌着凹所12bに、上記形態1に係るティルティングパッドスラスト軸受に用いたスラスト軸受(樹脂軸受)9′と、後述する構成になるスラスト軸受19とが一つ置きに、ティルト可能に嵌着されて取付けられている。前記スラスト軸受19は、摺動部材(摺動用金属部材)がホワイトメタルからなり、このホワイトメタル層が鋼鉄からなる裏金に接合されてなる金属軸受である。また、前記スラスト軸受19の裏金には測温用孔19eが穿設されており、この測温用孔19eの温度検出器13が挿通されている。勿論、温度検出器13の温度検出部13aは測温用孔19eの底面に接触してなる構成になっている。
以下、本発明の形態3に係るティルティングパッドスラスト軸受12の作用態様を説明する。即ち、このティルティングパッドスラスト軸受12によれば、温度検出器13により温度伝導率が高い金属軸受の温度を検出することによりスラスト軸受9′の温度を簡単に想定することができるから、ティルティングパッドスラスト軸受の破損を防止することができる。そして、スラスト軸受19のホワイトメタル層はスラスト軸受9′のPEEKからなる樹脂層より低融点であるため、温度上昇によりスラスト軸受19の強度、ひいてはスラスト軸受19にてスラスト力を受け持つ効果が低下するが、スラスト軸受9′によりスラスト力が受け持たれるため、ティルティングパッドスラスト軸受12が破損するような虞がない。
本発明の形態2,3における好適な樹脂層の厚さおよび測温用金属部材の径は、前述の形態1と同様である。また、本発明の形態2,3においても、温度検出器13としては、前述の形態1と同様に、シースタイプの熱電対素子が好適に用いられる。
以上では、本発明の軸受をスクリュー圧縮機に適用した例を場合として説明した。しかしながら、この軸受を、例えば水車発電機用軸受等の機器類に対しても適用することができる。また、本発明の軸受を、後述するような、吐出ガスから分離回収された油が潤滑油として供給される型式の油冷式スクリュー圧縮機に適用することもできる。
本発明のスクリュー圧縮機の軸受配設構成を示す主要部断面図である。 本発明の形態1に係るラジアル軸受の斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 本発明の形態1に係るティルティングパッドスラスト軸受をスラスト軸受側から見た図である。 本発明の形態1に係るスラスト軸受の斜視図である。 図5のB−B線断面図である。 本発明の形態3に係るティルティングパッドスラスト軸受をスラスト軸受側から見た図である。 従来例に係るスラスト軸受異常検出装置の構成図である。
1…スクリュー圧縮機,2…ケーシング,3…スクリューロータ,3a…ロータ軸,4…スクリューロータ,4a…ロータ軸,5,6…軸受ケース,7…ラジアル軸受,7a…裏金,7b…樹脂層,7c…嵌合孔,7d…測温用金属部材,7e…測温用孔,8…スラスト部材,9…スラスト軸受,9a…裏金,9b…樹脂層,9c…嵌合孔,9d…測温用金属部材,9e…測温用孔,9′…スラスト軸受
10…第1軸受抑え,11…第2軸受抑え,12…ティルティングパッドスラスト軸受,12a…軸受保持部材、12b…軸受嵌着凹所,13…温度検出器,13a…温度検出部,14…軸受温度監視装置,15…警報器,19…スラスト軸受,19e…測温用孔

Claims (5)

  1. 摺動部材が樹脂層からなり、この樹脂層が裏金に接合されてなる複層摺動部材から構成され、前記樹脂層を介して力を受ける軸受において、前記樹脂層側からこの樹脂層の層厚を超える深さの嵌合孔を設け、この嵌合孔に前記樹脂層に比較して熱伝導率が優れる測温用金属部材を嵌着すると共に、この測温用金属部材内に、この測温用金属部材の温度を検出する温度検出器の温度検出部を位置させ、前記測温用金属部材の端面を、前記樹脂層の摺動面と面一にしたことを特徴とする軸受。
  2. 摺動部材が樹脂層からなり、この樹脂層が裏金に接合されてなる複層摺動部材から構成され、前記樹脂層を介して力を受ける軸受において、前記樹脂層側からこの樹脂層の層厚を超える深さの嵌合孔を設け、この嵌合孔に前記樹脂層に比較して熱伝導率が優れる測温用金属部材を嵌着すると共に、この測温用金属部材の近傍に、この測温用金属部材から前記裏金に伝達される温度を検出する温度検出器の温度検出部を位置させ、前記測温用金属部材の端面を、前記樹脂層の摺動面と面一にしたことを特徴とする軸受。
  3. 前記測温用金属部材は、前記樹脂層の融点よりも低融点の金属から構成されてなることを特徴とする請求項1または2のうちの何れか一つの項に記載の軸受。
  4. ケーシング内に、互いに噛合する雌雄一対のスクリューロータが収容され、これら一対のスクリューロータそれぞれのロータ軸の一方に円板状のスラスト部材が嵌着されると共に、前記スラスト部材を挟む位置に、このスラスト部材の摺動面に摺接して、前記スクリューロータからスラスト部材に伝達されるスラスト力を受け持つスラスト軸受が配設されてなるスクリュー圧縮機において、前記スラスト軸受は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の軸受であることを特徴とするスクリュー圧縮機
  5. ケーシング内に、互いに噛合する雌雄一対のスクリューロータが収容され、これら一対のスクリューロータそれぞれのロータ軸に摺接して、そのロータ軸から伝達されるラジアル力を受け持つラジアル軸受が配設されてなるスクリュー圧縮機において、前記ラジアル軸受は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の軸受であることを特徴とするスクリュー圧縮機。
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