JP4408341B2 - Side clutch switching mechanism of riding rice transplanter - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用田植機におけるサイドクラッチ機構の切換を操作するサイドクラッチ切換機構の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、乗用田植機において、ミッションケース内の後部にサイドクラッチ機構を設け、機体旋回時に、旋回方向内側の後輪のサイドクラッチを切って、内側の後輪に動力を伝達しないようにして、田植機の旋回半径が小さくなるように構成していた。従来のサイドクラッチは、爪式のクラッチを使用しており、サイドクラッチが「入」の時は、後輪伝達軸に一体的に設けられているセンターギヤの爪部と噛合して、後輪伝達軸の動力を後輪駆動軸に伝達して、後輪を駆動する構成としている。また、サイドクラッチは、機体操作部の床部に配設されている左右のブレーキペダルと連動するように連結されており、機体旋回時に内輪側のブレーキペダルを踏むと、内輪側のサイドクラッチが「切」に操作され、内輪側の後輪に動力が伝達されず、さらに内輪側が制動されて、後輪を略中心とする小回り旋回が可能な構成としていた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−295521号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のサイドクラッチ機構は、クラッチを「入」、「切」させる過程の途中で、クラッチ操作速度が遅い場合があり、このようなクラッチが確実に接続されていない状態で動力を後輪に伝達すると、クラッチのギヤ鳴りが生じるという問題があり、クラッチ破損の原因ともなっていた。そこで、本発明では、サイドクラッチを「入」、「切」させる過程においてクラッチ操作が大きな操作力を必要とせず素早く切り換えられ、つまり、サイドクラッチ「切」の際は確実にクラッチを切ることができ、クラッチ「入」の際は確実にクラッチを接続できる、サイドクラッチ切換機構を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
ハンドル(8)と左右のサイドクラッチ機構(79・79)とを、リンク機構(100)とカム機構(180)とを介して連動連結する乗用田植機のサイドクラッチ切換機構であって、該カム機構(180)を、該ハンドル(8)の回転に連動して回動するカム部材(181)と、該カム部材(181)の外周面を転動する左右の転動部材(185L・185R)と、該転動部材(185L・185R)を支持する左右のクラッチ操作部材(182・182)と、該左右のクラッチ操作部材(182・182)間に介装され左右の転動部材(185L・185R)を、それぞれカム部材(181)中央側へ付勢する弾性部材(184)とで構成し、該左右のクラッチ操作部材(182・182)の後端には、回動中心である軸部(192・192)を設け、中途部に転動部材(185L・185R)を回転自在に枢支し、左右のクラッチ操作部材(182・182)の前端部の間に弾性部材(184)を介装し、該カム部材(181)は左右対称に構成され、中心(O1)を中心に平面視において左または右側に回動可能とし、該カム部材(181)の外周形状は、側部において段階的に中心(O1)からの半径が、後部から前方に向かって小さくなるように構成し、該カム部材(181)の前部は後部へ行くに従って、外側に延びる直線(181e)を形成し、該直線(181e)の後端は、該中心(O1)を中心にした外側円弧(181a)の外側の端部に続いており、該カム部材(181)の後部の外周形状は、前記中心(O1)を中心にした小径の外側円弧(181a)と、該外側円弧(181a)よりも大径の内側円弧(181b)に形成され、該外側円弧(181a)はカム部材(181)の左右外側に配置し、該内側円弧(181b)は、左右の外側円弧(181a・181a)の左右内側に構成し、該外側円弧(181a)と内側円弧(181b)との間は、なだらかな斜面(181d)で連結し、該外側円弧(181a・181a)の略中央部に、前記転動部材(185L・185R)が接当する直進位置(SO・SO)を設定し、前記カム部材(181)の外周形状を、直進位置(SO・SO)で転動部材(185L・185R)が移動せず、旋回位置で転動部材(185L・185R)がクラッチ「切」側に移動する構成としたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0008】
図1は本実施例に係る乗用田植機の全体平面図、図2は同じく左側側面図、図3は車体フレームの概略斜視図、図4はミッションケース全体の左側面図、図5はミッションケース全体の平面展開断面図、図6はエンジンとミッションケース間の概略斜視図、図7はミッションケース前部における入力軸からPTO出力軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図、図8はミッションケース前部における副変速軸から主変速軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図、図9はミッションケース前部の平面展開断面図、図10はサイドクラッチ機構を示す図である。図11は第一実施例のサイドクラッチ切換機構のリンク機構前部を示す図、図12は同じくリンク機構を示す図、図13は同じくカム機構の斜視図、図14は同じくカム機構の後面図、図15は同じくカム機構の平面図、図16は同じくカム部材の平面図、図17は同じくカム部材の一部拡大図、図18は同じくカム機構の直進から旋回への動きを示す図、図19は同じく許容手段の斜視図、図20は同じく許容手段を示す図、図21は同じく別構成例のカム機構の平面図、図22は同じく別構成例のカム機構を示す図である。図23は別構成例のサイドクラッチ切換機構の側面断面図、図24は同じくサイドクラッチ切換機構の平面図、図25は同じくサイドクラッチ切換機構の直進から旋回への動きを示す図、図26は同じくサイドクラッチ切換機構の旋回から直進への動きを示す図、図27は別構成例のサイドクラッチ切換機構の側面断面図、図28は同じくサイドクラッチ切換機構の平面図、図29は同じくサイドクラッチ切換機構の直進から旋回への動きを示す図、図30は同じくサイドクラッチ切換機構の旋回から直進への動きを示す図である。
【0009】
以下に本発明の実施例について図面を参照しながら具体的に説明する。なお、本実施例では走行車両1として乗用田植機を例に採り説明しているが、走行車両1はこれに限定されることなく、トラクタ、コンバイン、野菜移植機等の各種作業機の走行車両にも適用できるものである。
【0010】
図1及び図2に示す如く、乗用田植機は、走行車両1と、該走行車両1の後部に昇降リンク機構10を介して昇降可能に連結した植付部9とで構成されている。そして、走行車両1の前部及び後部にはそれぞれ前輪2・2と後輪3・3とが懸架され、車体フレーム4の前部には動力部であるエンジン5が搭載されてボンネット22で覆われている。前記ボンネット22の両側には予備苗載台90が配設され、同じくボンネット22の後上方には操向ハンドル8が配設されている。そして、操向ハンドル8の周囲であってボンネット22の後部左側には主変速レバー75、全動力を入切操作可能な苗継ぎレバー76等が配設され、該操向ハンドル8の右側下方には、車体内側からブレーキペダル73、変速ペダル74が配設されている。
【0011】
エンジン5後方であって車体フレーム4の左右略中央には前後方向に長く形成したミッションケース6が配置されており、該ミッションケース6の前部で前輪2・2が支持され、後部で後輪3・3が支持されている。ミッションケース6は、ボンネット22後方から車体カバー20によって覆われており、該車体カバー20の後上部には運転席7が設けられている。さらに、車体カバー20の運転席7側方には植付部9の昇降を行なう植付部昇降レバー77、油圧感度調節レバー25等が設けられている。また、前記植付部昇降レバー77は、植付部9の昇降・植付部への動力の入切・植付時の変速・線引きマーカ等の操作を行なうことができる。
【0012】
このようにして、上述の乗用田植機は、エンジン5の動力を利用して前輪2・2及び後輪3・3を走行駆動して走行移動させると共に、植付部9を駆動して連続的に苗を植え付けるように構成されている。
【0013】
次に、上述のような全体構成を有する乗用田植機において、ミッションケース6に係わる各部の構成について説明する。
【0014】
[ミッションケースの支持構造]
ミッションケース6の支持構造について説明する。まず、ミッションケース6を取り付ける車体フレーム4の構造について説明する。図1乃至図3に示す如く、前後方向に伸延しその略中央部から後側を上方に向けて屈曲するように形成された左右一対のメインフレーム41L・41Rに対して、前端部間に平面視略コ字状のトップフレーム40が架設され、前側中途部間にフロントフレーム45が架設され、また、前後中途部間にステップ支持フレーム46と、正面視略門型の座席支持フレーム51の基端部とが架設され、さらには、後端部間に背面視略門型のリヤフレーム43の上部が架設されて、車体フレーム4が構成されている。
【0015】
前記トップフレーム40の中央部とフロントフレーム45の中央部との間にエンジン5を載置するための矩形平板状のエンジン支持板50が架設され、該エンジン支持板50の後端には、ステアリング機構を支持するための矩形平板状のステアリング支持板50aが延設され、該ステアリング支持板50aの上面にミッションケース6の前上部が取り付けられるブラケット49が設けられている。
【0016】
前記フロントフレーム45の左右端部には、トップフレーム40の左右端部が連結されるとともに、予備苗載台90・90の構成部材である予備苗載台支柱90a・90aの基端部がブラケット29・29を介して固定されており、また、フロントフレーム45とメインフレーム41L・41Rとの交差部にはステップ支柱57・57が立設されている。
【0017】
前記トップフレーム40の中央上部に左右一対のボンネットフレーム36・36の前端下部が固定され、該ボンネットフレーム36・36の後端上部は、ステアリング軸59を回動自在に支持する円筒状のステアリングポスト58に略U字状のプレート36a及びブラケット58bを介して固定されている。前記ステアリングポスト58の下部には、油圧制御装置84が接続され、該油圧制御装置84は前記ステアリング支持板50aに螺設されている。
【0018】
また、ステップ支持フレーム46の左右略中央部にはブラケット48・48が設けられており、該ブラケット48・48の上部48a・48aには、前記植付部9を昇降させるための油圧式昇降シリンダ(図示せず)の基部が支承され、同じく下部48b・48bにはミッションケース6の前後中途部が取り付けられている。
【0019】
さらに、図2及び図3に示す如く、リヤフレーム43の左右側部に左右一対のステップ支持フレーム47・47の基端部が固定されるとともに、リヤフレーム43とステップ支持フレーム47・47の基端部との間にリヤデッキ支持ブラケット44・44が固定されている。各ステップ支持フレーム47・47は、その基端部を左右幅方向に向けて伸延するとともに、中途部で屈曲して、その先端部を前後方向に向けて伸延する状態に形成されている。また、前記リヤフレーム43の下端部左右両側にはリヤアクスルケース38・38を固定するためのステー39・39が固設されており、さらに、前記リヤフレーム43の左右中央部には昇降リンク機構10の前端を支承するためのブラケット42が固設されている。
【0020】
上述の如く構成した車体フレーム4において、ミッションケース6の前端部は、前記エンジン支持板50の後端部上面に設けられたブラケット49に連結されるとともに、ミッションケース6の前後途中部は、前記ステップ支持フレーム46の車体幅方向略中央に設けられたブラケット48の下部に連結され、さらに、ミッションケース6の後部に一体的に形成されたリヤアクスルケース38・38はステー39・39を介してリヤフレーム43下端に連結されている。
【0021】
[ミッションケースの構成]
次に、ミッションケース6の概略構造について説明する。図4及び図5に示す如く、ミッションケース6には、前輪2・2を支承するフロントアクスルケース37・37と、後輪3・3を支承するリヤアクスルケース38・38とが一体的に設けられている。ミッションケース6の前部には、主変速機構が内設される変速室60が形成され、該変速室60の左右両側面にはフロントアクスルケース37・37が固設されている。該フロントアクスルケース37・37の左右端部より下方に向かっては、車軸ケース66a・66a(図1)が固設され、該車軸ケース66a・66aの下端部に前輪2・2を固設する前車輪軸66・66が軸支されている。
【0022】
また、前記変速室60の右側部には、植付伝達室34が形成され、該植付伝達室34の後部には前後方向に軸芯を有する植付PTO軸65が軸支されており、該植付PTO軸65後端は、図示せぬPTO伝動軸等を介して前記植付部9に連結され、苗植え装置駆動のための動力を伝達するようにしている。同様にして、変速室60の左側部にも、作業機伝達室201が形成され、該作業機伝達室201の後部に前後方向に軸芯を有する作業機PTO軸202が軸支され、該作業機PTO軸202後端は、変速機等を介して、施肥機等の田植機に搭載される作業機を駆動するための動力を伝達するようにしている。
【0023】
一方、ミッションケース6の後端部には、図5に示すように、軸芯を左右方向に持つリヤアクスルケース38が一体的に形成され、該リヤアクスルケース38内には、前から順に、サイドクラッチ機構79・79が設けられたクラッチ軸35、中間軸31が設けられている。該中間軸31の左右両端部には減速ギア32が固設され、該減速ギア32は減速ギア33に噛合され、該減速ギア33は、前記後輪3を外側端部に固設した後車輪駆動軸69の内側端部に固設されている。そして、これら減速ギヤ32・33の外側には、後車輪駆動軸69を軸支するファイナルケース16が覆設されている。
【0024】
また、サイドクラッチ機構79は、図10に示すように、サイドクラッチ歯車141・141、センターギヤ142、弾性部材143・143等で構成され、これらは、前記クラッチ軸35に挿通されている。該サイドクラッチ歯車141は、内側端部にクラッチ爪141aを有し、外側端部にリング状の押圧部141bを有しており、クラッチ爪141aと押圧部141bは一体的に構成されている。また、サイドクラッチ歯車141は、常時は弾性部材143の付勢力を受けて内側移動端に位置している。前記センターギヤ142は、両側面にクラッチ爪142a・142aを一体的に形成しており、常時は、該クラッチ爪142a・142aは、前記サイドクラッチ歯車141・141のクラッチ爪141a・141aと噛合としている。該弾性部材143は、前記サイドクラッチ歯車141・141の押圧部141b・141bの外側側方に配置しており、常時は、弾性部材143によりサイドクラッチ歯車141・141をセンターギヤ142と噛合する方向(本実施例では内側方向)に付勢している。そして、前記ハンドル8と連動している後述するカム部195aは、回動により押圧部141bに当接して押圧部141bを押し、サイドクラッチ歯車141を外側方に摺動させ、前記サイドクラッチ歯車141のクラッチ爪141aと、センターギヤ142のクラッチ爪142aとの噛合を解除して、クラッチ「切」とする構成としている。
【0025】
[ミッションケースへの伝動機構]
次に、ミッションケース6内への動力入力構成について説明する。図6に示す如く、前記エンジン支持板50上にはエンジン5が載置固定されるとともに、該エンジン5から左側方には出力軸である駆動軸52が突出され、該駆動軸52上に、左右一対の皿状の円錐プーリからなる駆動側プーリ53が固設されている。一方、前記ミッションケース6前部から入力軸56が側方に突出され、該入力軸56にも、同様にして左右一対の皿状の円錐プーリからなる従動側プーリ55が取り付けられるとともに、該従動側プーリ55と前記駆動側プーリ53との間にはベルト54が巻回されて、ベルト式無段変速機構13が形成されている。そして、該ベルト式無段変速機構13において、前記円錐プーリ間に形成される溝幅を変更することにより、各プーリ53・55の有効径を自在に変化させ、ミッションケース6内へ、エンジン5からの動力を変速して入力できるようにしている。本実施例の円錐プーリ53間の溝幅変更機構はアクチュエータとして変速モータ(図示せず)の駆動により作動され、該変速モータは変速ペダル74の操作位置に応じて制御され、他方のプーリ55はバネ等で狭める方向に付勢している。
【0026】
[ミッションケース内の伝動機構]
次に、ミッションケース6内における動力伝達構成について説明する。図4、図5、図7及び図8に示す如く、前記変速室60においては、入力軸56の斜め下後方に、副変速軸63、主変速軸61が順に平行に軸支され、さらに、このうちの副変速軸63の後方には、後進軸67、株間変速軸68、PTO出力軸64も順に平行に軸支されている。
【0027】
前述の如く、入力軸56の左端は、ベルト式無段変速機構13を介してエンジン5の駆動軸52に連結連動され、同じく右端は、ミッションケース6より右側方に突出し、ここに主クラッチ機構14が設けられている。そして、該入力軸56上に配置された大径ギア121a・小径ギア121bからなる二連の遊嵌ギア121と入力軸56間の動力伝達を、該主クラッチ機構14により断接できるようにしている。
【0028】
図7及び図8に示す如く、副変速軸63上には副変速機構70が設けられ、右側から順に、前記遊嵌ギア121に噛合可能でスプライン嵌合した二連の摺動ギア120と、固定ギア118と、大径ギア119a・小径ギア119bからなる固定ギア119とが配置されている。前記摺動ギア120は、低速ギア120aと高速ギア120bとから構成されており、フォーク軸102に固設されたシフトフォーク101が嵌合されている。
【0029】
前記副変速機構70では、副変速軸63上の摺動ギア120を進行方向右方に摺動し、摺動ギア120の低速ギア120aを入力軸56上の遊嵌ギア121の小径ギア121bと噛合させ、動力を伝達して低速走行可能とし、また、摺動ギア120を左方に摺動し、摺動ギア120の高速ギア120bを遊嵌ギア121の大径ギア121aと噛合させ、動力を伝達して高速走行可能としている。
【0030】
なお、主クラッチ機構14により入力軸56から遊嵌ギア121までの動力伝達を断った状態で走行車両1を停止させると、走行系の動力伝達も断絶された状態となり、入力軸56及び主変速軸61の回転が停止される。また、苗継ぎレバー76を操作して、主クラッチ機構14とブレーキ機構78を同時に作用させると入力軸56及び主変速軸61の回転が停止される。
【0031】
図8及び図9に示す如く、主変速軸61上の左右略中央には、ギア122aと駆動スプロケット122bからなる動力分岐ギア122が固設されており、主変速軸61上の駆動スプロケット122bと、ミッションケース6後部の従動スプロケット126との間には、チェーン80が巻回され、主変速軸61の駆動力を後車輪駆動軸69に伝達可能とする一方、主変速軸61上のギア122aに、左右の前車輪駆動軸62を駆動する差動装置81のリングギア123が噛合され、これらの動力分岐ギア122を用いて動力を前後方向に分岐するようにしている。
【0032】
また、主変速軸61上には前記固定ギア119に噛合可能な低速ギア124aと高速ギア124bから成る二連の摺動ギア124が配置されている。該摺動ギア124には、前記主変速レバー75に連結連動されたフォーク軸104に固設のシフトフォーク103が嵌合して、主変速機構71を構成している。主変速機構71では、摺動ギア124を右方に摺動し、摺動ギア124の高速ギア124bを、前記固定ギア119の大径ギア119aと噛合させることにより、動力を伝達して高速走行可能としている。また、摺動ギア124を左方に摺動し、摺動ギア124の低速ギア124aを前記固定ギア119の小径ギア119bと噛合させることにより、動力を伝達して低速走行可能としている。
【0033】
さらに、主変速軸61の右側端部にはブレーキ機構78が設けられており、該ブレーキ機構78により、主変速軸61を制動可能としている。
【0034】
また、後進軸67上の左半分に固設された中間ギア127は、前記副変速軸63上の固定ギア118と常時噛合する入力ギア127aと、大径ギア127b・小径ギア127dと、逆転ギア127cとからなり、該逆転ギア127cは、前記主変速軸61上の低速ギア124aと噛合可能としている。
【0035】
ここで、主変速レバー75を操作して、主変速軸61の低速ギア124aを副変速軸63の固定ギア119から離脱させ、更に左方に摺動させると、この主変速軸61の低速ギア124aは、後進軸67の逆転ギア127cと噛合するようになり、入力軸56から副変速軸63まで伝達されてきた駆動力は、副変速軸63→固定ギヤ118→入力ギア127a→後進軸67→逆転ギア127c→低速ギア124a→主変速軸61のように伝達される。つまり、駆動力はそのまま主変速軸61には伝達されず、後進軸67で一旦回転方向が逆転された後、逆転の駆動力として主変速軸61に伝達されるのである。
【0036】
そして、図7に示すように、株間変速軸68上の右半分には、第一ギア131a・第二ギア131b・第三ギア131cからなる固定ギア131が配置され、左半分には、株間変速用の爪式クラッチ82が設けられている。該爪式クラッチ82においては、株間変速軸68上に、内側面に噛合歯を固設した高速クラッチギア129と低速クラッチギア130とが遊嵌され、そのうち高速クラッチギア129は前記大径ギア127bに、低速クラッチギア130は前記小径ギア127dに常時噛合されている。
【0037】
さらに、この高速クラッチギア129と低速クラッチギア130との間には、左右両側面に噛合歯を固設した摺動クラッチ爪128がスプライン嵌合されるとともに、該摺動クラッチ爪128には、フォーク軸107上を移動可能に外嵌されたシフトフォーク106が嵌合されている。
【0038】
ここで、摺動クラッチ爪128を右方に摺動し、摺動クラッチ爪128と高速クラッチギア129を噛合させることにより、前記後進軸67に入力された駆動力は、大径ギア127b→高速クラッチギア129→摺動クラッチ爪128→株間変速軸68→固定ギア131のようにして高速動力を伝達可能としている。逆に、摺動クラッチ爪128を左方に摺動し、摺動クラッチ爪128の噛合歯を低速クラッチギア130の噛合歯に係合させることにより、前記後進軸67に入力された駆動力は、小径ギア127d→低速クラッチギア130→摺動クラッチ爪128→株間変速軸68→固定ギア131のように低速動力を伝達可能としている。
【0039】
また、図5及び図9に示す如く、PTO出力軸64の右半分には筒体108が遊嵌され、該筒体108の外周には、スプライン嵌合した摺動ギア132と、前記第三ギア131cに常時噛合する遊嵌ギア133とが外嵌されている。該摺動ギア132には前記フォーク軸107上を左右動可能に外嵌されたシフトフォーク105が嵌合されている。
【0040】
さらに、筒体108の左方には、PTO出力軸64への駆動力の断接を行なうPTOクラッチ83が設けられている。該PTOクラッチ83においては、右側面に噛合歯を固設した摺動クラッチ爪134が、PTO出力軸64にスプライン嵌合された上、押圧バネ111により、筒体108の左側端に固設したクラッチギア135の噛合歯に係合する方向に付勢されており、さらに、クラッチ爪134には、ミッションケース6に軸支される操作軸110に連結されたフォーク109が嵌合されている。そして、該操作軸110には、PTOクラッチレバーを兼用する前記植付部昇降レバー77が連結連動されている。
【0041】
ここで、摺動ギア132を左方に摺動して、摺動ギア132の左側面からの突出部132aを、遊嵌ギア133に開口した受け孔部133aに係合すると、それまで小径の前記第一ギア131aまたは第二ギア131b→摺動ギヤ132→筒体108と伝達されてきた駆動力は、大径の第三ギア131c→遊嵌ギヤ133→摺動ギヤ132→筒体108の順で伝達されるようになり、筒体108の回転速度を変速することができる。
【0042】
そして、植付部昇降レバー77を操作して摺動クラッチ爪134を左方に摺動させることにより、該摺動クラッチ爪134の噛合歯と前記筒体108のクラッチギア135の噛合歯との係合を解除して、筒体108→クラッチギア135→摺動クラッチ爪134→PTO出力軸64という動力伝達経路を切断可能として、PTOクラッチ83を形成している。
【0043】
次に、ハンドル8の操作に連動して、左右のサイドクラッチ機構の入切動作を行なうサイドクラッチ切換機構の第一実施例について説明する。図11乃至図20に示すように、サイドクラッチ切換機構は、ハンドル8とサイドクラッチ機構79・79との間に介設されており、リンク機構100とカム機構180とで構成されている。そして、ハンドル8の操作を、ステアリング装置からリンク機構100を介してカム機構180に伝えて、該カム機構180によりサイドクラッチ機構79・79のカム体195を回動してクラッチを「入」「切」操作できるようにしている。本発明のサイドクラッチ切換機構は、サイドクラッチを「入」、「切」させる過程においてクラッチ操作が停止しない、つまり、サイドクラッチ「切」の際は確実に、また瞬時にクラッチを切ることができ、クラッチ「入」の際は確実にクラッチを接続できるものである。
【0044】
まず、リンク機構100について説明する。図11、図12に示すように、リンク機構100は、ハンドル8とカム機構180との間に介設されており、ステアリングアーム91、第一・第二プレート92・94、第一・第二の軸93・96、第一・第二ロッド95・98、第一・第二アーム99・97等で構成されて、ハンドル8の回転に連動してカム機構180を操作するようにしている。
【0045】
前記ハンドル8の下方に設けられている前記ステアリングポスト58(図3)の下端に、ステアリング装置の油圧制御装置84(図3)が配置され、ハンドル8操作によりバルブを切り換えてパワーステアリング装置のシリンダを駆動して前輪を回動するようにし、該ステアリング装置の油圧制御装置84下部にはギアボックス85を付設して、ハンドル軸の回転をギアボックス85内の歯車等により減速して、その出力軸にステアリングアーム91の一端を固設している。こうして、ハンドル8の回転をステアリングアーム91に伝える構成としている。該ステアリングアーム91の他端部は右方に突出して、第一プレート92の一側(前側)に連結されている。該第一プレート92の他側(後側)は、第一の軸93の下部に固定されており、該第一の軸93の上端には、第二プレート94の一側(内側)が固定されており、第一プレート92、第二プレート94及び第一の軸93は、平面視く字状に形成されて、第一の軸93を中心に一体的に回動可能に構成されている。該第一の軸93は、正面視コ字状のプレート89に回動自在に枢支されており、該プレート89は、フロントアクスルケース37を介してミッションケース6に固定されている。
【0046】
前記第二プレート94の他側(外側)には、第一ロッド95の前端が枢結されており、該第一ロッド95の後端は、第一アーム99を介して第二の軸96に枢支している。第二の軸96は、ステアリング装置とカム機構180の間に配置しており、本実施例ではミッションケース6の前後中央部に配置しており、ミッションケース6の前後中央部上面に一体的に形成されている支持部材88に左右水平方向に枢支されている。該支持部材88には、円柱形の孔が左右方向に形成されており、該孔に第二の軸96の左側を挿通し、ミッションケース6に第二の軸96を回動自在に枢支している。該第二の軸96の右側部には、前記第一アーム99が固設されており、前記支持部材の側方であって、第二の軸96の略中央部に第二アーム97が固設されている。第一アーム99は、第二の軸96の下方に向けて突出しており、第二アーム97は、第二の軸96の上方に向けて突出しており、第一アーム99、第二の軸96、第二アーム97は、一体的に回動可能に構成している。但し、第一ロッド95を左側に配置する構成することもできる。
【0047】
前記第二の軸96の端部に設けられている第一アーム99には、前述の如く前記第一ロッド95の後端が接続されており、第二の軸96の略中央部に設けられている第二アーム97には、第二ロッド98の前端が接続されている。そして、前記第二ロッド98の後端には、カム機構180が接続されている。
【0048】
また、前記第一ロッド95と第一アーム99との間、第二アーム97と第二ロッド98との間、及び、第二ロッド98とカム機構180との間には、許容手段を設けている。該許容手段は、ロッドの前後方向の移動または、アームの前後方向の移動を、誤差を持って(ずらして)前記第一アーム99、第二ロッド98、カム機構180に伝えるものである。図11に示すように、前記第一ロッド95の後端に取付部材95aを設けている。該取付部材95aは、平面視コ字状に形成されており、側面に長孔95bが形成されている。そして、取付部材95aの該コ字状の間に、前記第一アーム99を配置している。該第一アーム99には、ピン86が挿通する孔が設けられており、該孔と取付部材95aの長孔95bにピン86を挿通して、取付部材95aと第一アーム99とを枢支している。このような構成で、第一ロッド95が前方に摺動する時は、図19(a)に示すように、該ピン86が長孔95bの後部に当接して、第一アーム99を前方に移動させる。一方、第一ロッド95が後方に摺動する時は、図19(b)に示すように、該ピン86が長孔95bの前部に当接して、第一アーム99を後方に移動させる。
【0049】
また、図10、図12に示すように、第二ロッド98の前端及び後端に取付部材98a・98cを設けている。第二ロッド98前端に設けられている取付部材98aは、第一ロッド95の取付部材95aと同様に、平面視コ字状に形成され、側面に長孔98bが形成されている。そして、取付部材98aのコ字状の間に、前記第二アーム97を配置している。該第二アーム97には、ピン112が挿通する孔が設けられており、該孔と取付部材98aの長孔98bにピン112を挿通して、取付部材98aと第二アーム97とを枢支している。一方、第二ロッド98後端に設けられている取付部材98cは、側面視コ字状に形成され、平面に長孔98dが形成されている。そして、取付部材98cのコ字状の間に、後述するカム機構180のアーム188を配置している。該アーム188には、ピン113が挿通する孔が設けられており、該孔と取付部材98cの長孔98dにピン113を挿通して、取付部材98cとアーム188とを枢支している。
【0050】
このような構成で、図19(a)に示すように、第一ロッド95が前方に移動して、第一アーム99を前方に移動する時は、第二アーム97は後方に移動する。第二アーム97の移動とともにピン112が後方に移動して、前記取付部材98aの長孔98bの後部に当接して、第二ロッド98を後方に移動させる。そして、第二ロッド98が後方に移動すると、第二ロッド98の後部に配置しているピン113が取付部材98cの長孔98dの前部に当接して、前記アーム188の端部が後方に押される。一方、第一ロッド95が後方に移動して第一アーム99が後方に移動する時は、図19(b)に示すように、第二アーム97は前方に移動する。第二アーム97の移動とともにピン112が前方に移動して、前記取付部材98aの長孔98bの前部に当接して、第二ロッド98を前方に移動させる。そして、第二ロッド98が前方に移動すると、第二ロッド98の前部に配置しているピン113が取付部材98cの長孔98dの後部に当接して、前記アーム188の端部が前方に引かれる。
【0051】
このように、前記リンク機構には、許容手段を設けており、該許容手段は所定距離移動自在または所定角度回動自在な構成としており、本実施例ではリンクとリンクまたはリンクとアームの間の枢結部に配置し、長孔により構成しているが、限定するものではなく、回動部に所定角度位置にピンや凸部等を設けて所定角度回転すると伝達できるようにしたり、弾性部材等を用いて所定量伸びるまたは縮むと伝達したりすることができるようにしている。本実施例では、ハンドルの回転により直進位置から許容手段となる長孔を移動した所定角度回転した後に、クラッチが作動して「断」となり、逆に、旋回位置から直進位置に戻すときも、許容手段となる長孔を移動した後に、クラッチが作動して「接」となる。つまり、直進時に条に合わせて微調整するときは、ハンドルと前輪を略比例させて回動し、旋回時には、クラッチを切って急旋回するほうが効率良く作業ができるので、急旋回操作するまでは許容手段で直進時と同様にクラッチを「接」としておき、急旋回する設定角度までハンドルを回動すると、許容手段の範囲を超えるので、クラッチを「切」として駆動を停止して急旋回できるようにするのである。また、本実施例では、許容手段として、取付部材95a・99a・99c側に長孔95b・98b・98dを設けているが、アーム99・97・188側に長孔を設ける構成とすることもできる。なお、本実施例では、取付部材に長孔を設けることにより許容手段を設けているが、引っ張りバネ等の弾性部材をリンク機構に介設したり、リンク機構のロッドを弾性体で構成したりすることもできる。
【0052】
次に、カム機構180について説明する。図12乃至図15に示すように、カム機構180は、ミッションケース6の後部上方に配置しており、サイドクラッチ機構79・79の上方近傍位置に略水平方向に配置して、サイドクラッチとの連結距離を短くし、誤差を小さくし、また、メンテナンスも容易にできるようにして、ミッションケース6上方の空いた空間を利用して配置するようにしている。そして、該カム機構180は、固定部材87を介してミッションケース6に固定されている。該カム機構180は、図13に示すように、カム部材181、左右のクラッチ操作部材である左右操作アーム182・182、弾性部材であるバネ184、左右の転動部材であるローラ185L・185R等で構成されている。
【0053】
カム部材181は、略扇形のプレート状部材で、左右対称に形成されている。図13乃至図17に示すように、カム部材181の前中央部(円弧の中心部)には、円形の孔181cが開口されており、該孔181cに軸198を挿通して、軸198を中心に回動可能に取り付けている。該軸198は、前記固定部材87に立設されている。なお、カム部材181には適宜軽量化するための孔が開口されている。また、前記孔181cの上部にパイプ形状のボス187が同心状に固定され、該ボス187の下面がカム部材181に固定され、ボス187の上部にアーム188の一側が固設され、該カム部材181とボス187とアーム188が一体的に固定されるとともに、前記ボス187に前記軸198が挿通されて回転自在に支持されている。該アーム188はカム部材181と上下平行に配置しており、該アーム188の他側には、前述したリンク機構100の取付部材98cが、ピン113を介して枢支されている。
【0054】
前記カム部材181の左右の外周面には、ローラ185L・185Rが当接して転動するように配設しており、該ローラ185L・185Rは、左右の操作アーム182・182の中途部上面に回転自在に取り付けられている。
【0055】
図13に示すように、前記操作アーム182・182は、カム部材181の左右側部の下方に配置している。まず、左側の操作アーム182について説明する。図13、図18に示すように、操作アーム182・182は、プレート状部材191・191と、該プレート状部材191・191の一端に取付部材193・193を介して固定されている軸部192・192とで構成されている。プレート状部材191・191は、ハンドル8の直進位置において、平面視で逆ハ字状に配設されている。また、該プレート状部材191には、後端側部に取付部材193が固定され、該取付部材193の内部に前記軸部192の上部が挿通されており、プレート状部材191、軸部192、取付部材193は一体的に回動可能に構成されている。該プレート状部材191の前後略中央部で外側寄りに、前記ローラ185Lを固定するためのピン状部材191aを固設している。該ローラ185Lは、上下方向に孔部を有する筒状の輪体で構成され、前記孔部を前記ピン状部材191aに挿入して抜け止めされ、輪体の外周面を前記カム部材181の外周面に当接させて、転動するようにしている。なお、このローラ185Lが直進時において、カム部材181を押圧する方向(軸部192の軸心を中心としたローラ185Lの位置における接線方向)は軸198の軸心方向としている。
【0056】
また、該プレート状部材191の前端部の上面には、筒状部材197が固定されている。該筒状部材197は、ハンドル8が直進位置にあるとき、その軸心が進行方向に対して略垂直方向に向くように配置している。該筒状部材197には、バネ184の一端に設けた調節部材194を挿通している。該調節部材194はIボルト状に構成して、一側には、孔194aが形成されており、該孔194aにバネ184の一端が係止され、該調節部材194の他側には、ダブルナットを螺装してバネの調節部194bとしている。該調節部194bは筒状部材197側のナットを回動してバネ184のバネ力を調節し、他方のナットを締め付けてロックするようにしている。なお、弾性部材とし本実施例ではコイルバネを採用しているが、板バネやゴム等で構成することも可能である。
【0057】
また、前記軸部192は、プレート状部材191の後端に配置しており、該軸部192の上端がプレート状部材191に取付部材193を介して固定されている。前記軸部192は、上部が円柱形状に、中央部が略四角柱形状(または多角形状)に、下部が上部より径の小さい円柱形状に、形成されている。そして、軸部192の中央部には、筒状のカム体195が挿通固定されている。該カム体195の筒部の内部形状が前記軸部192の中央部の外形形状に合わせて構成することにより、回動力を確実に伝えることができるようにし、固定部材等を省略でき、組立容易な構成としている。そして、軸部192の下部がミッションケース6側に枢支するようにしている。該カム体195は、上下方向に配置しており、上部と下部にカム部195a・195aが平行に設けられ、後方に向けて突出して後述する摺動体196のボス部を上下で挟むように配置している。該カム部195a・195aは、平面視で略三角形状のプレート状に形成されている。
【0058】
次に、右側の操作アーム182について説明する。図13に示すように、右側の操作アーム182は、左側の操作アームを左右対称に構成したものである。そして、操作アーム182のプレート状部材191の前端には、孔191bを上下方向に形成しており、前記バネ184の他側を該孔191bに引っ掛けて係止している。その他の構成は、左側の操作アーム182と略同様の構成としている。
【0059】
次に、本発明の要部であるカム部材181について、図15乃至図16より説明する。該カム部材181は左右対称に構成されているため、左右一側について説明する。カム部材181の前部の外周形状は、前部から後部へ行くに従って、外側に延びる直線181eが形成されており、該直線181eの後端は、後述する円弧181aの外側の端部に続いている。カム部材181後部の外周形状は、側部において段階的に中心O1からの半径が小さくなるように、前方に向かって半径が小さくなるように構成している。本実施例では、カム部材の外周形状は、前記孔181cの中心O1を中心にした円弧181a・181bが形成されている。また、円弧181a・181b間は、なだらかな斜面181dで連結されている。該円弧181aは、カム部材181の外側に配置しており、該円弧181aの略中央部に直進位置SOが設定されている。また、直進位置SOから所定角度右方向及び左方向に回動した位置に、サイドクラッチが切れ始める位置であるサイドクラッチ「切」開始位置SSL・SSRが設定されており、該サイドクラッチ「切」開始位置SSL・SSRは、前記円弧181aの両端部近傍に位置している。
【0060】
また、直進状態の時、つまり、図18(a)に示すように、前記ローラ185R・185Lが直進位置SOに位置している時は、ローラ185R・185Lは、円弧181a・181aの垂線(中心)方向に向けて抵抗力が働いており、カム部材181の中立位置を保持している。また、ハンドル8を左または右回動して旋回すると、前記カム部材181は、中心O1を中心に平面視において左または右側に回動する。このとき、ローラ185L・185Rは、前記円弧181a・181aに当接した状態で円弧に沿って転動する。そして、更にハンドル8を旋回方向に回動すると、旋回側のローラ185L・185Rはサイドクラッチ「切」開始位置SSL・SSRを超えて、カム部材181の直線181eに当接した状態でカム部材181の直線181eに沿って転動し、他側のローラ185L(または185R)は、はサイドクラッチ「切」開始位置SSL・SSRを超えて、カム部材181の円弧181bに沿って転動する。よって、旋回側のローラは、内側に向けて移動し、ローラを取り付けている操作アーム182が軸部192を中心に回動して、軸部192と一体的に回動するカム体195により旋回側のクラッチ歯車141を切る。
【0061】
このような構成で、乗用田植機を左側に旋回させたい時、ハンドル8を直進位置から左に回動操作すると、図19(b)に示すように、前記第一ロッド95の後端に設けられているピン86が、取付部材95aの長孔95bの前面に当接して、第一ロッド95が後方に移動する。よって、第一アーム99、第二の軸96を介して、第二アーム97が、第二の軸96を中心に前方に回動する。そして、第二アーム97が前方に移動することで、第二ロッド98が前方に移動し、前記第二ロッド98の後端に設けられているピン113が、取付部材98cの長孔98dの後面に当接して、カム機構180のアーム188が前方に引かれる。該アーム188が前方に引かれると、図16、図18(a)に示すように、アーム188と一体的に回動するカム部材181が、中心O1を中心に平面視において左側に回動する。このとき、左右のローラ185L・185Rは、円弧181aに当接した状態で円弧181aに沿って転動する。左右のローラ185L・185Rは、ともに円弧181a・181a上を移動するので、前記操作アーム182・182は移動せず、アーム182・182の前端に取り付けられたバネ184は、静止した状態である。
【0062】
そして、ハンドル8を所定角度以上回動して旋回状態となると、図16、図18(b)に示すように、左のローラ185Lは、円弧181aを通ってカム部材181の角部に位置し、右のローラ185Rは、前記斜面181dを通って円弧181bに位置する。このとき、右のローラ185Rはカム部材181の斜面181dにより外側に押され、操作部材182は、軸部192を中心に、前方を外側に向けた方向に回動する。よって、前記バネ184は引っ張られ、左のローラ185Lの前方が内側に向く方向に、左の操作アーム182を付勢する。
【0063】
更に、ハンドル8を旋回方向に回動すると、ローラ185L・185Rはサイドクラッチ「切」開始位置SSLに達する。サイドクラッチ「切」開始位置SSLは、左のローラ185Lがカム部材181の角部に位置したときであり、このとき、左のローラ185Lに、前記バネ184の縮小する方向への力がかかり、左のローラ185Lは、その付勢力により瞬時に直線181eに沿って移動するとともに、前記カム部材181が左側に自転する。このとき、前記カム部材181と一体的に回動するアーム188は、許容手段を介して第二ロッド98に接続されているので、該許容手段により、アーム188端部の前方への移動は、第二ロッド98に規制されない。よって、左のローラ185Lは、瞬時に直線181eに沿って、移動することができる。そして、左のローラ185Lに連動して、左の操作アーム182が、軸部192を中心に、前方が右側に向けた方向に回動する。よって、軸部192に嵌入しているカム体195も平面視で右回りに回動し、カム体195のカム部195a・195aが左側のサイドクラッチ歯車141のフランジ141bを押して摺動させ、左側のクラッチを「切」とする。よって、左後輪の駆動力が伝達されず、車体が左に旋回しやすくなる。
【0064】
このような構成とすることで、クラッチが切れる瞬間に前記カム部材181を自転させて、前記左側のローラ185Lを瞬時に移動させることができ、カム体195のカム部195a・195aを瞬時に回動させて、左側のサイドクラッチを瞬時に切ることができる。従って、サイドクラッチ機構79「切」状態でカム体195が止まることなく、瞬時にサイドクラッチを切ることができ、サイドクラッチの切れ不良によるギヤ鳴りや、ギヤ破損を防止することができる。また、リンク機構100に許容手段を設けているので、カム部材181が自転しても、リンク機構100やハンドル8に影響を与えることなく、カム部材181の瞬時の移動が可能となる。そして、サイドクラッチを切るための操作力も殆ど不要となる。つまり、操作力を軽減することができる。
【0065】
一方、サイドクラッチ機構79「切」から「入」にする時は、ハンドル8を直進位置へ回動する。このとき、リンク機構100は許容手段を有しているので、ハンドル8を直進方向に回動しても、カム部材181が回動しない状態となった後、更にハンドル8を直進位置に回動すると、カム部材181が回動して、クラッチ「入」となる。具体的には、サイドクラッチ機構79「切」の状態からハンドル8を直進方向に回動すると、図20(a)に示すように、前記第一ロッド95の後端に設けられているピン86が、取付部材95aの長孔95b内を後方に移動する。よって、ピン86が長孔95bの後面に当接するまでは、リンク機構100における第二の軸96の後方(下流)は、移動せず、カム機構も回動しない。更に、ハンドル8を直進方向に回動すると、ピン86が長孔95bの後面に当接して、第一アーム99及び第二の軸96、第二アーム97を、第二の軸96を中心に後方に回動する。よって、図20(b)に示すように、ピン112が取付部材98aの長孔98b内を後方に移動する。同様に、該ピン112が取付部材98aの長孔98b後面に当接すると、図20(c)にしめすように、第二ロッド98を後方に移動させ、前記取付部材98cの長孔98d内をピン113が前方に移動する。該ピン113が長孔98d後面に当接し、更にハンドル8を直進方向に回動すると、図19(a)に示すように、カム機構180のアーム188の端部が後方に移動して、カム部材181を回動させ、設定位置までハンドル位置が戻ると、サイドクラッチ機構79が「入」になる。このように、リンク機構100に許容手段を設けることで、ハンドル8を回動させても、カム機構が作動しない期間を作ることができる。従って、クラッチ「入」のタイミングをクラッチ「切」のタイミングよりも遅らせて、ハンドル8がより直進位置に戻った状態のときにクラッチが「入」となるようにしている。このようにリンク機構に許容手段を設けることで、クラッチ「切」のときのハンドルの位置よりクラッチ「入」のときのハンドル位置を、より直進位置に近づけることができ、左右の車輪の回転差が小さい位置でクラッチを「入」にすることができ、クラッチが入り易く、クラッチのギヤ鳴りや、破損を防止することができる。また、乗用田植機を右側に旋回させたときは、前記と逆の方向に作用する。
【0066】
次に、カム機構150の別構成例について説明する。図21、図22に示すように、カム部材151は、前部が略半円形状で後部が略扇形状に左右対称に形成されている。カム部材151の前端には、突出部151a・151aが形成されている。左右の突出部151a・151aは、左右対称に形成されており、それぞれの突出部151aの外形は、内側の円弧151b、直線151c、外側の円弧151dで構成されている。また、左右の内側の円弧151b・151bには、球状部材153が当接しており、該球状部材153は、弾性部材154によりカム部材151側に付勢された状態で取り付けられている。
【0067】
そして、カム部材151の後部には、円弧形状の孔156が形成されており、該孔156は、カム部材151の後部外周と略平行に配置している。該孔156は、円弧156a、該円弧156aよりも中心O1からの半径が小さく形成されている円弧156b、該円弧156a・156b間を連結する緩やかな斜面156cで構成されており、該孔156は、左右対称に形成されている。該孔156の左右両側には、ローラ185L・185Rが嵌入しており、該ローラ185L・185Rは、孔156内を転動できるようにしている。そして、前記ローラ185L・185Rが左右対称の位置にあるときに、直進位置S0が設定され、直進位置SOから角度θ2右方向及び左方向に回動した位置にサイドクラッチ「切」位置SL・SRが設定されている。そして、前記ローラ185L・185Rが、円弧156b・156bに位置した時にサイドクラッチが切れるようにしている。
【0068】
また、該ローラ185L・185Rは、操作アーム182・182の前端に固定されており、該操作アーム182・182の後端には、軸部192が配置しており、該操作アーム182・182は、軸部192を中心に回動する構成としている。そして、カム部材151には、前実施例と同様にアーム188が一体的に固定されている。該アーム188は弾性部材155を介してリンク機構100と接続しており、ハンドル8の回動と、リンク機構100、弾性部材155、アーム188を介してカム部材151とを連動している。その他の構成は、前実施例と同様の構成としている。
【0069】
このような構成で、乗用田植機を左側に旋回させたい時、ハンドル8を直進位置から左に回動操作すると、前記リンク機構100により弾性部材155が前方に移動して、アーム188の端部が前方に移動する。該アーム188の端部が前方に引かれると、図22(b)に示すように、アーム188と一体的に回動するカム部材151が、中心O1を中心に平面視において左側に回動する。このとき、前記球状部材153は、右側の突出部151aの内側円弧151bに沿って移動して、直線151cに移動する。また、左側のローラ185Lは、円弧156aを通って斜面156cに位置している。そして、更に、ハンドル8を旋回方向に回動すると、図22(c)に示すように、前記球状部材153は、突出部151aの直線151cから外側の円弧151dに移動する。なお、該球状部材153は、弾性部材154によりカム部材151側に付勢されているので、直線151cから外側の円弧151dへの移動は、カム部材151が自転して瞬時に行われる。このとき、左側のローラ185Lは、孔156の斜面156cから円弧156bに移動する。該円弧156bは、円弧156aに比べて中心O1からの半径が小さいので、左のローラ185Lは、軸部192を中心に右に回動する。よって、軸部192と連動しているサイドクラッチ機構79が「切」状態となる。また、乗用田植機を右側に旋回させたときは、前記と逆の方向に作用する。このような構成とすることで、前述の実施例と同様にギヤ鳴りやギヤ破損を防止することができるとともに、カム機構をコンパクトに構成することができ、省スペース化を図ることができる。
【0070】
次に、サイドクラッチ切換機構の別構成例について説明する。図23、図24に示すように、サイドクラッチ切換機構は、前記ハンドル8と連動連結している、ロッド179・179と、ロッド179・179の後端に設けられたカム機構170とで構成されている。また、ハンドル8を左に旋回すると、左側のロッド179が前方に移動するように、ハンドル8を右に旋回すると、右側のロッド179が前方に移動するように構成されている。該カム機構170は、前述の実施例と同様に、ミッションケース6の後部上方に配置しており、前記サイドクラッチ機構79・79の上方近傍位置に略水平方向に配置している。本構成例のカム機構170は、左右対称に配設されているので、カム機構170の左側について説明し、カム機構170の右側については省略する。
【0071】
カム機構170は、アーム171、軸部172、プレート状部材173、バネ等の弾性部材174、カム体175、ストッパーピン176・176等で構成されている。前記軸部172・172は、ミッションケース6の内部から上方に突出して配置しており、ミッションケース6内の軸部172には、前記カム体175が挿通されており、該カム体175は、軸部172に溶接等で固定されている。一方、ミッションケース6の外側の軸部172には、プレート状部材173及びアーム171が挿通されている。該プレート状部材173は、ミッションケース6側に配置しており、側面視L字状に形成されている。該プレート状部材173は、前端部に上方に突出した突出部173aを有しており、該突出部173aに、前記弾性部材174の一側端部(前端)を固定している。該プレート状部材173は、前記弾性部材174の付勢力により回動可能に構成されている。つまり、後述するアーム171の回動により弾性部材174が所定位置(支点)を超えると、弾性部材174の付勢力により、プレート状部材173が回動する構成としている。
【0072】
前記弾性部材174の他側端部(後端)は、前記アーム171に固定されている。該アーム171は、側面L字状で平面視く字状に形成されており、中央部に前記軸部172が貫通されて回転自在に枢支されており、軸方向への移動を規制して取り付けられている。該アーム171の一側端部には、上方に向けた突出部171aが形成されており、該突出部171aに前記弾性部材174の一側が固定されている。他側の端部には、ハンドル8と連動連結しているロッド179の後端が固定されており、ハンドル8の回動とアーム171を連動している。また、ミッションケース6から上方に向けてストッパーピン176・176が突出して配置されている。そして、該ストッパーピン176・176により、前記プレート状部材173の回動位置を規制している。本構成例では、ハンドル8が直進位置にあるとき、つまり、サイドクラッチ機構79が「入」状態の時は、左側のストッパーピン176にプレート状部材173を当接させ、機体を旋回させて、サイドクラッチ機構79が「切」状態になった時は、右側のストッパーピン176にプレート状部材173を当接させている。なお、サイドクラッチ機構79・79は、前実施例と同様の構成としている。
【0073】
このような構成とすることで、図25に示すように、乗用田植機を左側に旋回させたい時、ハンドル8を直進位置から左に回動操作すると、ハンドルに連動して左のロッド179が前方に移動する。ロッド179が前方に移動すると、ロッド179の後端に取り付けられているアーム171の一側端部が前方に移動する。つまり、アーム171が軸部172を中心に左に回動する。よって、アーム171の他側の端部に固定されている弾性体の後端も、同時に内側に移動する。図25(b)に示すように、該弾性部材174が所定の位置(支点)を超えるまでは、プレート状部材173は左側のストッパーピン176に当接しているが、所定の位置(支点)を超えると、図24(c)に示すように、弾性部材174の付勢力によりプレート状部材173が軸部172を中心に右に回動する。該プレート状部材173は、軸部172及びカム体175と一体的に回動するので、プレート状部材173の回動により、カム体175は、左に回動して、前記サイドクラッチを切る。
【0074】
一方、サイドクラッチ機構79を「切」から「入」にする時は、ハンドル8を直進位置へ回動する。サイドクラッチ機構79「切」の状態からハンドル8を直進方向に回動すると、図26(a)に示すように、前記ロッド179が後方に移動して、ロッド179の後端に取り付けられているアーム171の一側端部が軸部172を中心に右に回動する。また、該アーム171の端部に固定されている弾性部材174の後端も、同時に外側に移動する。図26(b)に示すように、該弾性部材174が所定の位置(支点)を超えるまでは、プレート状部材173は右側のストッパーピン176に当接しているが、所定の位置(支点)を超えると、図26(c)に示すように、弾性部材174の付勢力によりプレート状部材173が軸部172を中心に左に回動する。該プレート状部材173は、軸部172及びカム体175と一体的に回動するので、プレート状部材173の回動により、カム体175は、右に回動して、前記サイドクラッチ機構79を「入」にする。
【0075】
このような構成とすることで、サイドクラッチ機構79「切」状態でカム体175が止まることなく、瞬時にサイドクラッチを切ることができ、サイドクラッチの切れ不良によるギヤ鳴りや、ギヤ破損を防止することができる。また、弾性部材174を使用しているので、クラッチ「入」と、クラッチ「切」のタイミングをずらすことができ、クラッチ「切」のときのハンドルの位置よりクラッチ「入」のときのハンドル位置を、より直進位置に近づけることで、つまり左右の車輪の回転差が小さい位置でクラッチを「入」にすることができ、クラッチが入り易く、クラッチのギヤ鳴りや、破損を防止することができる。
【0076】
次に、サイドクラッチ切換機構の別構成例について説明する。サイドクラッチ切換機構は、図27、図28に示すように、ハンドル8と連動連結しているリンク機構210と、該リンク機構210と連動しているカム機構220とで構成されている。まず、リンク機構210について説明する。図28に示すように、該リンク機構210は、ハンドル8の回動に連動して回動するステアリングアーム211と、該ステアリングアーム211に枢支しているロッド212・212とで構成されている。そして、乗用田植機を左に旋回させたい時に、ハンドル8を左に回動すると、前記ステアリングアーム211が平面視において右に回動し、逆にハンドル8を右に回動すると、ステアリングアーム211が左に回動するようにしている。前記ステアリングアーム211の後端部には、二本のロッド212・212が枢支されている。該ロッド212・212は、ラック213・213を介して左右のカム機構220に連結している。
【0077】
前記ラック213・213は、ミッションケース6に摺動可能に取り付けられており、前記ロッド212・212の前後方向への移動とともに摺動して、後述するカム機構の歯車229・229と噛合して、歯車229・229を回動させている。また、左側のラック213は、該歯車229と噛合する歯213aを後部に形成しており、乗用田植機が左側に旋回した時に歯車229と噛合して、左側の歯車229を回動する構成としている。一方、右側のラック213は、該歯車229と噛合する歯213aを前部に形成しており、乗用田植機が右側に旋回した時に歯車229と噛合して、右側の歯車229を回動する構成としている。
【0078】
次に、カム機構220について説明する。図27、図28に示すように、該カム機構220は、前述の実施例と同様に、ミッションケース6の後部上方に配置しており、前記サイドクラッチ機構79・79の上方近傍位置に略水平方向に配置している。カム機構220は、左右対称に配設されているので、カム機構220の左側について説明し、カム機構220の右側については省略する。
【0079】
左側のカム機構220は、カム体195と軸部222を介して連動しているプレート状部材223、前記ラック213と連動するアーム221、該アーム221に固定されている挿通部材226、前記アーム221に固定しているピン227、前記プレート状部材223に挿通しているピン228、前記ピン227・228間に取り付けられているバネ等の弾性部材224、前記ラック213と噛合している歯車229等で構成されている。前記軸部222は、ミッションケース6の内側から外側に突出して配置しており、ミッションケース6内の軸部222に、前記カム体195が挿通されており、該カム体195は、軸部222に溶接等で固定されている。また、該カム体195は、前述のサイドクラッチ機構79と同様の構成としている。一方、ミッションケース6の外側の軸部222には、プレート状部材223が挿通されている。該プレート状部材223の一側(後部)に、前記軸部222を挿通しており、他側(前部)に前記ピン228が挿通固定されている。該プレート状部材223は軸部222に溶接等で固定されており、プレート状部材223、軸部222、前記カム体195は、一体的に回動するようにしている。
【0080】
前記ピン228には弾性部材224の一側が固定されており、該弾性部材224の他端は前記アーム221に固定されているピン227に固定されている。該ピン227は、前記ピン228と平行にアーム221の端部に固定されている。該アーム221は、回動軸心上に前記歯車229を平行に配置して、一体的に回動可能に固定している。つまり、前記ラック213の摺動により歯車229とともにアーム221が回動するようにしている。該アーム221の回動軸心の下面には、固定部材221aが設けられており、該固定部材221aをミッションケース6に挿通して、該固定部材221aをピン等で固定することで、アーム221をミッションケース6に枢支している。また、該アーム221の回動軸心の上面には、挿通部材226が固定されている。該挿通部材226は、円筒形部材に溝部226aを形成したもので、該溝部226aは、前記ピン228が通り抜けることができる大きさに形成されている。なお、サイドクラッチ機構79・79は、前実施例と同様の構成としている。
【0081】
このような構成で、乗用田植機を左側に旋回させたい時、ハンドル8を直進位置から左に回動操作すると、ハンドル8に連動してステアリングアーム211が前方に移動し、左側のロッド212が前方に移動するとともに、ラック213も前方に移動する。該ラック213が前方に移動すると、図29(b)に示すように、ラック213と噛合しているカム機構220の歯車229とともに、アーム221も右に回動する。このとき、前記弾性部材224は常時よりも引っ張られた状態であるので、ピン228は、ピン227側に付勢されているが、前記挿通部材226の外周に当接しているので、該ピン228は移動しない。更にハンドル8を旋回方向に回動すると、図29(c)に示すように、アーム221に固定されている挿通部材226の溝部226aがピン228の位置まで回動する。該ピン228は、ピン227側に付勢されているので、挿通部材226の溝部226aを挿通して移動する。該ピン228の移動により、プレート状部材223が軸部222を中心に回動するとともに、軸部222及びカム体195も回動し、前記サイドクラッチ機構79を切る。
【0082】
一方、サイドクラッチ機構79「切」から「入」にする時は、ハンドル8を直進位置へ回動する。サイドクラッチ機構79「切」の状態からハンドル8を直進方向に回動すると、図30(b)に示すように、ラック213と噛合している歯車229とともに、アーム221も左に回動する。このとき、前記弾性部材224は常時よりも引っ張られた状態であるので、ピン228は、ピン227側に付勢されているが、前記挿通部材226の外周に当接しているので、該ピン228は移動しない。更にハンドル8を旋回方向に回動すると、図30(c)に示すように、アーム221に固定されている挿通部材226の溝部226aがピン228の位置まで回動する。該ピン228は、ピン227側に付勢されているので、挿通部材226の溝部226aを挿通して移動する。該ピン228の移動により、プレート状部材223が軸部222を中心に回動するとともに、軸部222及びカム体195も回動し、前記サイドクラッチ機構79を「入」にする。
【0083】
このような構成とすることで、サイドクラッチ機構79「切」状態でカム体195が止まることなく、瞬時にサイドクラッチを切ることができ、サイドクラッチの切れ不良によるギヤ鳴りや、ギヤ破損を防止することができる。また、挿通部材226、弾性部材224を使用することで、クラッチ「入」と、クラッチ「切」のタイミングをずらすことができ、クラッチ「切」のときのハンドルの位置よりクラッチ「入」のときのハンドル位置を、より直進位置に近づけた状態で、つまり、左右の車輪の回転差が小さい位置で、クラッチを「入」にすることができ、クラッチが入り易く、クラッチのギヤ鳴りや、破損を防止することができる。
【0084】
また、許容手段により、クラッチ「切」のタイミングより、クラッチ「入」のタイミングが遅くなり、直進位置からすぐに旋回位置となってクラッチが切れることがなく、クラッチ「切」のときのハンドルの位置よりクラッチ「入」のときのハンドル位置を、より直進位置に近づけることができ、左右の車輪の回転差が小さい位置でクラッチを「入」にすることができ、クラッチが入り易く、クラッチのギヤ鳴りや、破損を防止することができる。また、切れる時に反力によりハンドルを戻す方向に力が働くこともない。
【0085】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0086】
ハンドル(8)と左右のサイドクラッチ機構(79・79)とを、リンク機構(100)とカム機構(180)とを介して連動連結する乗用田植機のサイドクラッチ切換機構であって、該カム機構(180)を、該ハンドル(8)の回転に連動して回動するカム部材(181)と、該カム部材(181)の外周面を転動する左右の転動部材(185L・185R)と、該転動部材(185L・185R)を支持する左右のクラッチ操作部材(182・182)と、該左右のクラッチ操作部材(182・182)間に介装され左右の転動部材(185L・185R)を、それぞれカム部材(181)中央側へ付勢する弾性部材(184)とで構成し、該左右のクラッチ操作部材(182・182)の後端には、回動中心である軸部(192・192)を設け、中途部に転動部材(185L・185R)を回転自在に枢支し、左右のクラッチ操作部材(182・182)の前端部の間に弾性部材(184)を介装し、該カム部材(181)は左右対称に構成され、中心(O1)を中心に平面視において左または右側に回動可能とし、該カム部材(181)の外周形状は、側部において段階的に中心(O1)からの半径が、後部から前方に向かって小さくなるように構成し、該カム部材(181)の前部は後部へ行くに従って、外側に延びる直線(181e)を形成し、該直線(181e)の後端は、該中心(O1)を中心にした外側円弧(181a)の外側の端部に続いており、該カム部材(181)の後部の外周形状は、前記中心(O1)を中心にした小径の外側円弧(181a)と、該外側円弧(181a)よりも大径の内側円弧(181b)に形成され、該外側円弧(181a)はカム部材(181)の左右外側に配置し、該内側円弧(181b)は、左右の外側円弧(181a・181a)の左右内側に構成し、該外側円弧(181a)と内側円弧(181b)との間は、なだらかな斜面(181d)で連結し、該外側円弧(181a・181a)の略中央部に、前記転動部材(185L・185R)が接当する直進位置(SO・SO)を設定し、前記カム部材(181)の外周形状を、直進位置(SO・SO)で転動部材(185L・185R)が移動せず、旋回位置で転動部材(185L・185R)がクラッチ「切」側に移動する構成としたので、ハンドルを旋回位置まで回動すると、瞬時にサイドクラッチを切ることができ、サイドクラッチの切れ不良によるギヤ鳴りや、ギヤ破損を防止することができる。
【0087】
また、該転動部材(185L・185R)を支持する左右のクラッチ操作部材(182・182)と、該左右の転動部材(185L・185R)を、それぞれカム部材(181)中央側へ、左右のクラッチ操作部材(182・182)の前端部に介装した弾性部材(184)で付勢するので、左右の転動部材(185L・185R)は、該カム部材(181)の外周面に密着して常時転動することとなり、円滑な動きとすることが出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例に係る乗用田植機の全体平面図。
【図2】 同じく左側側面図。
【図3】 車体フレームの概略斜視図。
【図4】 ミッションケース全体の左側面図。
【図5】 ミッションケース全体の平面展開断面図。
【図6】 エンジンとミッションケース間の概略斜視図。
【図7】 ミッションケース前部における入力軸からPTO出力軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図。
【図8】 ミッションケース前部における副変速軸から主変速軸までの動力伝達構成を示す平面展開断面図。
【図9】 ミッションケース前部の平面展開断面図。
【図10】 サイドクラッチ機構を示す図。
【図11】 第一実施例のサイドクラッチ切換機構のリンク機構前部を示す図。
【図12】 同じくリンク機構を示す図。
【図13】 同じくカム機構の斜視図。
【図14】 同じくカム機構の後面図。
【図15】 同じくカム機構の平面図。
【図16】 同じくカム部材の平面図。
【図17】 同じくカム部材の一部拡大図。
【図18】 同じくカム機構の直進から旋回への動きを示す図。
【図19】 同じく許容手段の斜視図。
【図20】 同じく許容手段を示す図。
【図21】 同じく別構成例のカム機構の平面図。
【図22】 同じく別構成例のカム機構を示す図。
【図23】 別構成例のサイドクラッチ切換機構の側面断面図。
【図24】 同じくサイドクラッチ切換機構の平面図。
【図25】 同じくサイドクラッチ切換機構の直進から旋回への動きを示す図。
【図26】 同じくサイドクラッチ切換機構の旋回から直進への動きを示す図。
【図27】 別構成例のサイドクラッチ切換機構の側面断面図。
【図28】 同じくサイドクラッチ切換機構の平面図。
【図29】 同じくサイドクラッチ切換機構の直進から旋回への動きを示す図。
【図30】 同じくサイドクラッチ切換機構の旋回から直進への動きを示す図。
【符号の説明】
6 ミッションケース
8 ハンドル
79 サイドクラッチ機構
100 リンク機構
180 カム機構
181 カム部材
182 操作アーム(操作部材)
184 バネ(弾性部材)
185L・185R ローラ(転動部材)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a technology of a side clutch switching mechanism that operates switching of a side clutch mechanism in a riding rice transplanter.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in passenger rice transplanters, a side clutch mechanism is provided at the rear part in the mission case, and when turning the aircraft, the side clutch of the rear wheel inside the turning direction is cut off so that power is not transmitted to the inner rear wheel, The turning radius of the rice transplanter was designed to be small. The conventional side clutch uses a claw-type clutch, and when the side clutch is "on", it meshes with the claw portion of the center gear provided integrally with the rear wheel transmission shaft, and the rear wheel The power of the transmission shaft is transmitted to the rear wheel drive shaft to drive the rear wheel. The side clutch is connected to the left and right brake pedals located on the floor of the machine control unit, and when the inner wheel side brake pedal is stepped on, the inner wheel side clutch is The engine is operated to “turn off”, power is not transmitted to the rear wheel on the inner ring side, and the inner ring side is braked, so that a small turn around the rear wheel is possible (see, for example, Patent Document 1).
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 9-295521
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional side clutch mechanism, the clutch operating speed may be slow during the process of “ON” and “OFF” of the clutch, and the power is supplied to the rear wheel without such a clutch being securely connected. When transmitted to the clutch, there is a problem that the clutch squeals and the clutch is damaged. Therefore, in the present invention, the clutch operation can be quickly switched without requiring a large operating force in the process of “on” and “off” the side clutch, that is, the clutch can be surely disconnected when the side clutch is “off”. A side clutch switching mechanism that can reliably connect the clutch when the clutch is "on" is provided.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The problem to be solved by the present invention is as described above. Next, means for solving the problem will be described.
[0006]
A side clutch switching mechanism of a riding rice transplanter that interlocks and links a handle (8) and left and right side clutch mechanisms (79, 79) via a link mechanism (100) and a cam mechanism (180). A cam member (181) that rotates the mechanism (180) in conjunction with the rotation of the handle (8), and left and right rolling members (185L and 185R) that roll on the outer peripheral surface of the cam member (181) Left and right clutch operating members (182, 182) that support the rolling members (185L, 185R), and left and right rolling members (185L, 182) interposed between the left and right clutch operating members (182, 182). 185R) and the elastic member (184) for urging each cam member (181) toward the center side, At the rear ends of the left and right clutch operating members (182 and 182), shaft portions (192 and 192) that are the rotation centers are provided, and the rolling members (185L and 185R) are rotatably supported in the middle portions. The elastic member (184) is interposed between the front end portions of the left and right clutch operating members (182, 182), The cam member (181) is configured to be bilaterally symmetric and can be rotated left or right in plan view about the center (O1), and the outer peripheral shape of the cam member (181) is stepwise centered on the side. The radius from (O1) decreases from the rear to the front, and the front part of the cam member (181) forms a straight line (181e) extending outward as it goes to the rear part. The rear end of 181e) continues to the outer end of the outer arc (181a) centered on the center (O1), and the outer peripheral shape of the rear portion of the cam member (181) is the same as the center (O1). The outer arc (181a) having a small diameter at the center and the inner arc (181b) having a larger diameter than the outer arc (181a) are formed, and the outer arc (181a) is disposed on the left and right outer sides of the cam member (181). The inner arc (181b) is The left and right outer arcs (181a and 181a) are configured on the left and right inner sides, and the outer arc (181a) and the inner arc (181b) are connected by a gentle slope (181d), and the outer arcs (181a and 181a) are connected. ) Is set to a straight position (SO · SO) where the rolling member (185L / 185R) contacts, and the outer peripheral shape of the cam member (181) is set to the straight position (SO · SO). The rolling members (185L and 185R) do not move, and the rolling members (185L and 185R) move to the clutch “disengaged” side at the turning position.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the invention will be described.
[0008]
1 is an overall plan view of a passenger rice transplanter according to the present embodiment, FIG. 2 is a left side view, FIG. 3 is a schematic perspective view of a vehicle body frame, FIG. 4 is a left side view of the entire transmission case, and FIG. FIG. 6 is a schematic perspective view between the engine and the transmission case, FIG. 7 is a flat development sectional view showing the power transmission configuration from the input shaft to the PTO output shaft at the front of the transmission case, and FIG. FIG. 9 is a developed plan sectional view showing a power transmission configuration from the auxiliary transmission shaft to the main transmission shaft in the front part of the case, FIG. 9 is a developed sectional plan view of the front part of the transmission case, and FIG. 10 is a diagram showing the side clutch mechanism. FIG. 11 is a view showing the front part of the link mechanism of the side clutch switching mechanism of the first embodiment, FIG. 12 is a view showing the link mechanism, FIG. 13 is a perspective view of the cam mechanism, and FIG. 14 is a rear view of the cam mechanism. 15 is a plan view of the cam mechanism, FIG. 16 is a plan view of the cam member, FIG. 17 is a partially enlarged view of the cam member, and FIG. 18 is a view showing the movement of the cam mechanism from rectilinear movement to turning. 19 is a perspective view of the permitting means, FIG. 20 is a view of the permitting means, FIG. 21 is a plan view of a cam mechanism of another configuration example, and FIG. 22 is a diagram of a cam mechanism of another configuration example. FIG. 23 is a side sectional view of a side clutch switching mechanism of another configuration example, FIG. 24 is a plan view of the side clutch switching mechanism, FIG. 25 is a diagram showing the movement of the side clutch switching mechanism from straight travel to turning, and FIG. Similarly, FIG. 27 is a side sectional view of a side clutch switching mechanism of another configuration example, FIG. 28 is a plan view of the side clutch switching mechanism, and FIG. 29 is also a side clutch. FIG. 30 is a view showing the movement of the switching mechanism from straight to turning, and FIG. 30 is a view showing the movement of the side clutch switching mechanism from turning to straight.
[0009]
Embodiments of the present invention will be specifically described below with reference to the drawings. In this embodiment, a riding rice transplanter is described as an example of the traveling vehicle 1. However, the traveling vehicle 1 is not limited to this and is a traveling vehicle for various working machines such as a tractor, a combiner, and a vegetable transplanter. It can also be applied to.
[0010]
As shown in FIGS. 1 and 2, the riding rice transplanter includes a traveling vehicle 1 and a
[0011]
A
[0012]
In this way, the above-described riding rice transplanter uses the power of the
[0013]
Next, the configuration of each part related to the
[0014]
[Mission case support structure]
The support structure of the
[0015]
A rectangular plate-shaped
[0016]
The left and right end portions of the
[0017]
A front lower portion of a pair of left and right bonnet frames 36, 36 is fixed to an upper center portion of the
[0018]
Further, brackets 48 and 48 are provided at the substantially right and left central portions of the
[0019]
Further, as shown in FIGS. 2 and 3, the base end portions of the pair of left and right step support frames 47 and 47 are fixed to the left and right side portions of the
[0020]
In the vehicle body frame 4 configured as described above, the front end portion of the
[0021]
[Composition of mission case]
Next, the schematic structure of the
[0022]
A planting
[0023]
On the other hand, as shown in FIG. 5, a
[0024]
Further, as shown in FIG. 10, the side
[0025]
[Transmission mechanism to the mission case]
Next, the power input configuration into the
[0026]
[Transmission mechanism in the mission case]
Next, the power transmission configuration in the
[0027]
As described above, the left end of the
[0028]
As shown in FIGS. 7 and 8, a
[0029]
In the
[0030]
Note that if the traveling vehicle 1 is stopped in a state where the power transmission from the
[0031]
As shown in FIGS. 8 and 9, a
[0032]
Further, on the
[0033]
Further, a
[0034]
An
[0035]
Here, when the main
[0036]
As shown in FIG. 7, a fixed
[0037]
Further, between the high speed
[0038]
Here, the sliding
[0039]
Further, as shown in FIGS. 5 and 9, the
[0040]
Further, a PTO clutch 83 for connecting and disconnecting the driving force to the
[0041]
Here, when the sliding
[0042]
Then, by operating the planting
[0043]
Next, a description will be given of a first embodiment of a side clutch switching mechanism that performs an on / off operation of the left and right side clutch mechanisms in conjunction with the operation of the
[0044]
First, the
[0045]
A hydraulic control device 84 (FIG. 3) of the steering device is disposed at the lower end of the steering post 58 (FIG. 3) provided below the
[0046]
The other end (outer side) of the
[0047]
The
[0048]
Further, an allowance means is provided between the
[0049]
Further, as shown in FIGS. 10 and 12,
[0050]
With this configuration, as shown in FIG. 19A, when the
[0051]
As described above, the link mechanism is provided with an allowance means, and the allowance means is configured to be movable by a predetermined distance or rotatable by a predetermined angle. It is arranged at the pivoting part and is composed of a long hole, but it is not limited, but it can be transmitted by rotating a predetermined angle by providing a pin, a convex part, etc. at a predetermined angular position in the rotating part, Or the like can be transmitted when it is extended or contracted by a predetermined amount. In this embodiment, after rotating a predetermined angle that has moved the long hole that is a permissive means from the straight position by the rotation of the handle, the clutch is operated to become “disconnected”, and conversely, when returning from the turning position to the straight position, After moving the long hole serving as the permissive means, the clutch is actuated to “contact”. In other words, when making a fine adjustment to the line when going straight, it is more efficient to turn the handle and the front wheel approximately proportionally, and when turning, turn off the clutch and make a quick turn. If the clutch is set to “contact” in the same way as when going straight with the allowance means, and the handle is turned to the set angle for a sharp turn, it will exceed the range of the allowance means. To do so. In the present embodiment, the
[0052]
Next, the
[0053]
The
[0054]
[0055]
As shown in FIG. 13, the
[0056]
A
[0057]
The
[0058]
Next, the
[0059]
Next, the
[0060]
Further, when the
[0061]
In such a configuration, when the riding rice transplanter is to be turned to the left, if the
[0062]
When the
[0063]
Further, when the
[0064]
With such a configuration, the
[0065]
On the other hand, when the side
[0066]
Next, another configuration example of the
[0067]
An arc-shaped
[0068]
The
[0069]
In such a configuration, when the rider wants to turn the riding rice transplanter to the left side, if the
[0070]
Next, another configuration example of the side clutch switching mechanism will be described. As shown in FIGS. 23 and 24, the side clutch switching mechanism is composed of
[0071]
The
[0072]
The other end (rear end) of the
[0073]
With this configuration, as shown in FIG. 25, when the riding rice transplanter is to be turned to the left, when the
[0074]
On the other hand, when the side
[0075]
With such a configuration, the side
[0076]
Next, another configuration example of the side clutch switching mechanism will be described. As shown in FIGS. 27 and 28, the side clutch switching mechanism includes a
[0077]
The
[0078]
Next, the
[0079]
The
[0080]
One side of the
[0081]
With such a configuration, when the passenger rice transplanter is to be turned to the left, if the
[0082]
On the other hand, when the side
[0083]
With this configuration, the side clutch can be instantaneously disengaged without stopping the
[0084]
In addition, due to the allowance means, the timing of the clutch “on” is delayed from the timing of the clutch “disengagement”, so that the clutch is not disengaged from the straight-ahead position immediately after turning to the straight position, and the handle of the handle when the clutch is “disengaged” The position of the handle when the clutch is “ON” can be made closer to the straight position, and the clutch can be “ON” at a position where the rotation difference between the left and right wheels is small. Gear noise and damage can be prevented. In addition, no force acts in the direction of returning the handle due to the reaction force when it is cut.
[0085]
【The invention's effect】
Since the present invention is configured as described above, the following effects can be obtained.
[0086]
A side clutch switching mechanism of a riding rice transplanter that interlocks and links a handle (8) and left and right side clutch mechanisms (79, 79) via a link mechanism (100) and a cam mechanism (180). A cam member (181) that rotates the mechanism (180) in conjunction with the rotation of the handle (8), and left and right rolling members (185L and 185R) that roll on the outer peripheral surface of the cam member (181) Left and right clutch operating members (182, 182) that support the rolling members (185L, 185R), and left and right rolling members (185L, 182) interposed between the left and right clutch operating members (182, 182). 185R) and the elastic member (184) for urging each cam member (181) toward the center side, At the rear ends of the left and right clutch operating members (182 and 182), shaft portions (192 and 192) that are the rotation centers are provided, and the rolling members (185L and 185R) are rotatably supported in the middle portions. The elastic member (184) is interposed between the front end portions of the left and right clutch operating members (182, 182), The cam member (181) is configured to be bilaterally symmetric and can be rotated left or right in plan view about the center (O1), and the outer peripheral shape of the cam member (181) is stepwise centered on the side. The radius from (O1) decreases from the rear to the front, and the front part of the cam member (181) forms a straight line (181e) extending outward as it goes to the rear part. The rear end of 181e) continues to the outer end of the outer arc (181a) centered on the center (O1), and the outer peripheral shape of the rear portion of the cam member (181) is the same as the center (O1). The outer arc (181a) having a small diameter at the center and the inner arc (181b) having a larger diameter than the outer arc (181a) are formed, and the outer arc (181a) is disposed on the left and right outer sides of the cam member (181). The inner arc (181b) is The left and right outer arcs (181a and 181a) are configured on the left and right inner sides, and the outer arc (181a) and the inner arc (181b) are connected by a gentle slope (181d), and the outer arcs (181a and 181a) are connected. ) Is set to a straight position (SO · SO) where the rolling member (185L / 185R) contacts, and the outer peripheral shape of the cam member (181) is set to the straight position (SO · SO). Since the rolling member (185L / 185R) does not move and the rolling member (185L / 185R) moves to the clutch “disengaged” side at the turning position, when the handle is turned to the turning position, the side instantly The clutch can be disengaged, and it is possible to prevent gear ringing and gear breakage due to poor disengagement of the side clutch.
[0087]
Also, the left and right clutch operating members (182, 182) that support the rolling members (185L, 185R) and the left and right rolling members (185L, 185R) are respectively moved toward the cam member (181) center side. Installed at the front end of the left and right clutch operating members (182, 182) Since it is urged by the elastic member (184), the left and right rolling members (185L, 185R) are always in close contact with the outer peripheral surface of the cam member (181) and are always rolled, so that smooth movement can be achieved. It can be done.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall plan view of a passenger rice transplanter according to the present embodiment.
FIG. 2 is a left side view of the same.
FIG. 3 is a schematic perspective view of a vehicle body frame.
FIG. 4 is a left side view of the entire mission case.
FIG. 5 is a plan developed sectional view of the entire mission case.
FIG. 6 is a schematic perspective view between an engine and a transmission case.
FIG. 7 is a developed plan sectional view showing a power transmission configuration from the input shaft to the PTO output shaft in the front of the mission case.
FIG. 8 is a developed plan sectional view showing a power transmission configuration from the sub-transmission shaft to the main transmission shaft in the front part of the transmission case.
FIG. 9 is a developed sectional plan view of the front part of the mission case.
FIG. 10 is a view showing a side clutch mechanism.
FIG. 11 is a view showing a link mechanism front portion of the side clutch switching mechanism of the first embodiment.
FIG. 12 is a view similarly showing a link mechanism.
FIG. 13 is a perspective view of the cam mechanism.
FIG. 14 is a rear view of the cam mechanism.
FIG. 15 is a plan view of the cam mechanism.
FIG. 16 is a plan view of the cam member.
FIG. 17 is a partially enlarged view of the cam member.
FIG. 18 is a view similarly showing the movement of the cam mechanism from rectilinear movement to turning.
FIG. 19 is a perspective view of the allowing means.
FIG. 20 is a view similarly showing the permission means.
FIG. 21 is a plan view of a cam mechanism of another configuration example.
FIG. 22 is a view showing a cam mechanism of another configuration example.
FIG. 23 is a side cross-sectional view of a side clutch switching mechanism of another configuration example.
FIG. 24 is a plan view of the side clutch switching mechanism.
FIG. 25 is a view similarly showing the movement of the side clutch switching mechanism from going straight to turning.
FIG. 26 is a view similarly showing the movement of the side clutch switching mechanism from turning to straight running.
FIG. 27 is a side cross-sectional view of a side clutch switching mechanism of another configuration example.
FIG. 28 is a plan view of the side clutch switching mechanism.
FIG. 29 is a view similarly showing the movement of the side clutch switching mechanism from going straight to turning.
FIG. 30 is a view similarly showing the movement of the side clutch switching mechanism from turning to going straight.
[Explanation of symbols]
6 Mission case
8 Handle
79 Side clutch mechanism
100 Link mechanism
180 cam mechanism
181 Cam member
182 Operation arm (operation member)
184 Spring (elastic member)
185L / 185R roller (rolling member)
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