JP4407895B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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本発明は、エッジライト型面光源を具備した液晶表示装置に関する。より詳しくは、コンピュータ用モニター、携帯ゲーム機用モニター、PDA(Personal Digital Assistant)、ビデオカメラモニター、携帯電話等に利用される直視型の液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、モバイルPC等に用いられる各種モニター、PDA、携帯電話等における表示手段として欠かすことができないものとなっているが、これらの用途に用いられる液晶表示装置に対し、高輝度化することにより基本性能を向上することが求められている。従来、この種の液晶表示装置としては、基本的には液晶表示パネル部とバックライト部とから構成されたものが一般的である。バックライト部は、液晶表示装置の薄型・軽量化の観点より、エッジライト方式が多用されている。
従来のエッジライト方式の液晶表示装置においては、プリズムシートの2枚直交配置を用いて輝度効率を上げる手法がある(例えば、特許文献1参照。)。以下、このようなバックライトユニットのシステムを「プリズムシート2枚直交方式バックライト」ともいう。詳しくは図3を用いて説明すると、バックライトユニット2においては、導光体25端面に配置された光源16より出射された光は、直接又はリフレクター15に反射され、導光体25に入射し、導光体25中を反射屈折を繰り返し、また、導光体25の反出射面側に成形又は印刷により形成されたドットパターンと反射シート26により、導光体25の光出射面側より出射される。
このようなプリズムシート2枚直交方式バックライトにおいて、出射された光は、導光体25の光出射面側に配置されている複数の光制御部材である拡散板24、第1のプリズムシート23、及び、第2のプリズムシート22により液晶表示パネルユニット3へ入光することになる。このようなバックライトユニット2により、高輝度な面状照明装置が提供され、明るい液晶表示装置を供給することが可能になる。図3において、第1のプリズムシート23は、液晶表示パネル側に導光体25の端面に略直交する方向に微細プリズム形状を配し、その微細プリズム形状が導光体25の端面と略平行な方向に繰り返し形成されている。第2のプリズムシート22は、同じく液晶表示パネル側に第1のプリズムシート23のプリズム溝方向と略直交するように配置された微細プリズム形状を配し、その微細プリズム形状が導光体25の端面と略直交する方向に繰り返し形成されている。
しかしながら、近年更に高輝度化が要求されている中、従来のプリズムシート2枚直交方式バックライトでは、光利用効率に限界があり、更に輝度効率を向上させることが難しく、この点において液晶表示装置の基本性能を更に向上させるための工夫の余地があった。
これに関して、図4に示されるバックライトユニット1のような手法が公表されている(例えば、特許文献2参照。)。バックライトユニット1においては、導光板13の端面に配置された光源16より出射された光が直接又はリフレクター15に反射され、導光板13に入射する。導光板13は、光出射面とその反対側に光反射面を有し、光出射面又は光反射面のいずれか1面に導光板13の端面と略直交する方向に延長する微細プリズム形状を有し、その微細プリズム形状が導光板13の端面と略平行な方向に繰り返し形成されている。
このようなバックライトユニット1においては、導光板13の光出射面には光制御部材としてプリズムシート12を配置し、更にプリズムシート12の光出射面側に拡散シート11が配置されている。このようなバックライトユニット1により、更に高輝度な液晶表示装置の提供が可能となっている。図4において、プリズムシート12は、導光板13の光出射面と対向する面に、導光板13の端面に略平行な方向に延長する微細プリズム形状が、導光板13の端面と略直交する方向に繰り返し形成されている。以下、プリズムシート12のように、導光板13の光出射面と対向する面に微細プリズム形状をもつプリズムシートを有するバックライトユニットのシステムを「下向きレンズ方式バックライト」ともいう。
しかしながら、このような下向きレンズ方式バックライトにおいては、従来のプリズムシート2枚直交方式バックライトよりも更に輝度効率を向上することができるが、輝度効率のロスを少なくするための工夫の余地があった。
ここで、下向きレンズ方式バックライトに関し、光制御シートとしてのプリズムシートを導光板と偏光板との間に配置し、プリズムシートの旋光角度を偏光板の透過軸の傾斜角度により一層合致させれば、液晶表示装置の表面輝度を高めることができることが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、この先行技術では、導光板からの出射光の最大強度方向は180°周期であることが明示されている。また、旋光性を有する少なくとも1枚の光制御シートをプリズムシートと偏光板との間に配置し、導光板からの出射光の最大強度方向を偏光板の透過軸方向により一層合致させれば、液晶表示装置の表示輝度を高めることができると記載され、逆に略直交する場合は輝度効率が最も低下するものと記載されている。このような下向きレンズ方式バックライトでは、導光板からの出射光の最大強度方向を液晶表示パネルの偏光板の透過軸方向へ旋光させる光制御シートが限られることから、光制御シートの製造工程において最大の輝度効率を発生させるための切り出し部分が限定されることになり、この点において工夫の余地があった。
特開平8−68997号公報(第1、2頁) 特開平11−224516号公報(第1、2頁) 特開2001−166302号公報(第1−5頁)
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、下向きレンズ方式バックライトを用いたエッジライト型液晶表示装置において、光の異方性による偏光ロスを最小限に留めることにより、液晶表示面の品位が良く、且つ輝度を高めて低消費電力化が可能となると共に、製造工程において光制御部材の切り出し部分に制限が少なくなることで効率的な切り出しが可能となり、コストダウンが見込まれる液晶表示装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、エッジライト型液晶表示装置を検討したところ、従来のプリズムシート2枚直交方式バックライトと下向きレンズ方式バックライトとを比較すると、従来のプリズムシート2枚直交方式バックライトにおいては、例えば、図3において第2の拡散シート21を第2のプリズムシート22の光出射面側に配置し、この第2の拡散シート21を2軸延伸によりシーティング製造する場合、液晶表示パネル入射側偏光板33の偏光透過軸と拡散シート21の偏光透過軸との相対角に対する輝度の変化は少なく、図6に示されるように第2の拡散シート21の製造に起因する偏光透過軸の形成、詳しくは2軸延伸によりシーティング製造されたことによる光の異方性に対する輝度効率への影響度は問題にならない程度であった。一方、更に輝度効率の向上した下向きレンズ方式バックライトを提案することで高輝度な液晶表示装置を提供する場合、この下向きレンズ方式バックライトでは、例えば、図4に示されるように拡散シート11を配置して品位向上を実現することができるが、拡散シート11と液晶表示パネル31に貼り付けられる入射側偏光板33との位置関係により輝度効率にロスが生じることに着目した。詳しくは、図4に示す液晶表示パネル31に貼り付けられる入射側偏光板33の偏光透過軸方向33aと2軸延伸によりシーティング製造された拡散シート11の偏光透過軸方向11bとが略平行に配置できていない場合は、これらの相対角に対する輝度効率への影響度が大きいことに起因して、光の異方性により偏光ロスが生じ、最大限の出光効率を得ることができないことに着目した。
このような下向きレンズ方式バックライトにおいて、図1に示されるように、光制御部材として拡散シート11を必須の構成要素とする場合、例えば、拡散シート11の2軸延伸のお互い直交する延伸方向11aのいずれか一方の軸と、液晶表示パネル入射側偏光板33の偏光透過軸33aとを意図的に略平行となるように配置した下向きレンズ方式バックライト1を提案することで、光の異方性による偏光ロスを最小限に留めることが可能となり、最大限に下向きレンズ方式バックライト1の利用効率を上げることができるため、高輝度化・低消費電力化が達成できることを見いだした。また、このような作用効果と共に、拡散シート11の偏光透過軸11aと液晶表示パネル入射側偏光板33の偏光透過軸33aとの位置関係が、略90°周期で輝度効率を最大とすることができることから、製造工程において光制御部材の切り出し部分に制限が少なくなることで効率的な切り出しが可能となり、コストダウンが見込まれ、各種の用途に用いられるエッジライト型液晶表示装置として有用であることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、光源16及び導光板13からなるエッジライト型面光源、複数の光制御部材11,12、並びに、偏光板を有する液晶表示パネル31をこの順に備えてなる液晶表示装置であって、上記導光板13は、光出射面とその反対側に光反射面を有し、光出射面及び光反射面のうち少なくとも1面に導光板の端面と略直交するプリズムの繰り返し形状を有するものであり、上記複数の光制御部材11,12は、導光板光出射面と対向する面に導光板の端面と略平行するプリズムの繰り返し形状を有する光制御部材12、及び、偏光透過軸を有する光制御部材11を必須として構成されるものであり、上記光制御部材11の偏光透過軸は、光制御部材11の光出射面側に配置された液晶表示パネル入射側偏光板33の偏光透過軸と略平行するように配置されてなる液晶表示装置である。
なお、本発明の構成要素に付されている番号は、図面において付した符号を意味するが、本発明は図面に記載された形態に限定されるものではない。
以下に本発明を詳述する。
本発明の液晶表示装置は、光源16及び導光板13からなるエッジライト型面光源、複数の光制御部材11,12、並びに、偏光板を有する液晶表示パネル31をこの順に備えてなる。すなわち光源16及び導光板13を必須として構成されるエッジライト型面光源の光出射面側に複数の光制御部材11,12が配置され、該複数の光制御部材の光出射面側に偏光板を有する液晶表示パネル31が配置されて構成されるものである。偏光板を有する液晶表示パネル31は、通常では液晶表示パネル31の光入射面側に偏光板33、光出射面側に偏光板32が配置され、液晶表示パネルユニット3を構成することになる。
本発明の液晶表示装置は、このような構成要素を必須として形成されるものである限り、その他の構成要素を含んでいても含んでいなくてもよく、特に限定されるものではない。
上記エッジライト型面光源としては、導光板13の端面に光源16を配置し、光源16からの照明光の指向性を変化させて導光板13の出射面より出光させるものであればよい。通常では、光源16の周囲にランプリフレクター15を配置することにより、光を有効的に導光板13に入射させてエッジライト型面光源の基本性能を向上させることができる。本発明において、導光板13は、光出射面とその反対側に光反射面を有し、光出射面及び光反射面のうち少なくとも1面に導光板13の端面と略直交するプリズムの繰り返し形状を有するものである。このような導光板13の形態としては、エッジライト型面光源に用いることができる形態であればよく、例えば、楔形、矩形等の板状導光板が挙げられる。
上記導光板13におけるプリズムの繰り返し形状は、導光板13の端面と略直交する方向に形成されたプリズム形状が、導光板13の端面と略平行な方向に繰り返し形成されたものである。プリズムの形状は、液晶表示装置を構成する部材の形状において、「プリズム」と呼ぶことができる形状であればよく、その形成方法等も特に限定されるものではない。
なお、本発明において、「略直交」、「略平行」の用語の意味は、液晶表示装置の構造において実質的に直交する、平行すると評価される形態であることが好ましいが、本発明の作用効果を発揮することになる限り、それに類する形態として所定の角度を持つ形態等も含むものである。
上記複数の光制御部材11,12は、導光板光出射面と対向する面に導光板13の端面と略平行するプリズムの繰り返し形状を有する光制御部材12、及び、偏光透過軸を有する光制御部材11の少なくとも2種の光制御部材を必須として構成されるものである。この場合、必須構成要素の1つである光制御部材12において、プリズムの繰り返し形状は、導光板13の端面と略平行な方向に形成されたプリズム形状が、導光板13の端面と略直交する方向に繰り返し形成されたものである。これら必須の構成要素である2種の光制御部材11,12の位置関係としては、偏光透過軸を有する光制御部材11がプリズムの繰り返し形状を有する光制御部材12の光出射面側に配置されることが好ましい。
なお、このような複数の光制御部材11,12により構成され、本発明の作用効果を発揮することになる限り、本発明の液晶表示装置はその他の光制御部材を有していてもよい。
本発明においては、上記光制御部材11の偏光透過軸は、光制御部材11の光出射面側に配置された液晶表示パネル入射側偏光板33の偏光透過軸と略平行するように配置されてなる。このような光制御部材11は、その製造に起因する偏光性を有するものであることが好ましい。
上記光制御部材11の好ましい形態としては、透明な樹脂シートの少なくとも1面に光拡散用のコーティングを施された拡散シートである形態が挙げられる。更に、上記樹脂シートは、2軸延伸によりシーティング製造されたものであり、また、上記光制御部材11の主たる偏光透過軸は、樹脂シートの2軸延伸の各延伸方向と略平行であることが好ましい。
これにより、液晶表示の品位向上を充分に実現したうえで、拡散シートの偏光透過軸と液晶表示パネル入射側偏光板の偏光透過軸との位置関係が、略90°周期で輝度効率を最大限に作用させることが可能となり、また、製造工程において光制御部材である拡散シートの切り出し部分に制限が少なくなることで効率的な切り出しが可能となり、コストダウンが見込まれるという本発明の作用効果をより充分に発揮することになる。
また上記光制御部材11の好ましい形態としては、透明な樹脂材料に屈折率の異なる樹脂を混入したものを1軸延伸することにより、延伸方向に偏光異方性を生じさせた偏光性シートである形態が挙げられる。この場合も、偏光性シートの偏光透過軸を液晶表示パネル入射側偏光板33の偏光透過軸と略平行するように配置させることにより、本発明の作用効果を充分に発揮することができる。透明な樹脂材料に混入する樹脂は、該樹脂材料とは屈折率の異なる樹脂であればよく、該樹脂材料とは屈折率の異なる他の透明樹脂であることが好ましい。なお、透明な樹脂における透明の程度は、液晶表示装置を構成するバックライト部の部材に用いられる程度であれば特に限定されるものではない。
上記光制御部材11の主たる偏光透過軸は、輝度に対する有効性が3%以上、15%以下の割合で存在することが好ましい。すなわち光制御部材11の偏光透過軸と液晶表示パネル入射側偏光板33の偏光透過軸との位置と、液晶表示パネルユニット3上の法線方向の輝度との関係において、最小となる輝度を100%とする場合、光制御部材11の偏光透過軸を液晶表示パネル入射側偏光板33の偏光透過軸と略平行するように配置したときに、輝度が3%以上、15%以下の割合で向上するように、光制御部材11の主たる偏光透過軸が存在することが好ましい。上記輝度に対する有効性を「輝度向上率」ともいう。
上述した光制御部材11は、本発明の液晶表示装置における構成要素の一つであるが、このような光制御部材11もまた、本発明の一つである。
本発明の液晶表示装置は、上述のような構成であるので、例えば、液晶表示パネルの光入射側偏光板の偏光透過軸と、該液晶表示パネルの光入射側偏光板に対向して配置された光制御部材である拡散シートの2軸延伸方向とを略平行に配置した下向きレンズ方式バックライトを提供することで、光の異方性による偏光ロスを最小限に留めることが可能となり、液晶表示面の品位が良く、且つ輝度を高めることができるものである。これにより、低消費電力化が可能となると共に、拡散シートの偏光透過軸と液晶表示パネルの光入射側偏光板の偏光透過軸との位置関係が略90°周期で輝度効率が最大となることで、製造工程において光制御部材の切り出し部分に制限が少なくなることにより効率的な切り出しが可能となり、コストダウンが見込まれることから、モバイルPC等のモニター、PDA、携帯電話等の各種の用途に用いられる液晶表示装置として有用なものである。
以下に実施例に基づいて、更に詳しく本発明に係る液晶表示装置の詳細を説明するが、本発明の液晶表示装置は、このような実施形態に限定されるものではない。
図1に、本発明の実施例に係る下向きレンズ方式バックライト1を搭載した液晶表示装置の要部構成を示す分解斜視図を示す。また、図2に、本発明の実施例に係る液晶表示装置の外観斜視図を示す。
図2に示す本発明に係る液晶表示装置は、図1に示す本発明に係る下向きレンズ方式バックライト1が液晶表示装置内に設置され、その液晶表示装置にはランプ16点灯のための電圧入力端子43が搭載され、外部インバーターからの電源供給によりランプ16を点灯することができる構造となっている。
また図1において、液晶表示パネルユニット3は、内部に配置されたシャーシ構造物により下向きレンズ方式バックライト1上に適正に配置される。このときのシャーシ構造物は、プラスチック成型品、金属プレス品等により製造されている。
上記液晶表示装置は、シャーシ構造物上に配置された液晶表示パネルユニット3、及び、下向きレンズ方式バックライト1を保持固定するフレーム42により形成されている。
図1によると、光源として冷陰極管ランプ16を用いて板状導光板13の端面に配置し、光源の光を有効的に板状導光板13に入射させるため、冷陰極管ランプ16の周囲にはランプリフレクター15が配置されている。ランプリフレクター15は、例えば、表面に白色拡散反射層や金属蒸着反射層を有するプラスチックフィルムや、該プラスチックフィルムを金属板に接着したものを用いることが好ましい。
ランプリフレクター15で板状導光板13の端面へ有効的に出射された光は、板状導光板13内で反射、屈折を繰り返し、また、板状導光板13の光出射面と反対側で反射せず屈折出射した光は反射シート14で反射して再び屈折入射し、板状導光板13の光出射面より液晶表示パネルユニット3側に出射される。板状導光板13は、光出射面の反対側の面に板状導光板13の端面と略直交する方向にプリズム形状を有し、上記プリズム形状は板状導光板13の端面と略平行な方向に繰り返し形成されている。また、反射シート14は、表面に白色拡散反射層や金属蒸着反射層を有するプラスチックフィルムを用いることが好ましい。
更に板状導光板13より出射された光は、より法線方向への輝度効率を高めるために、板状導光板13の光出射面側に配置された光制御部材12に入射、屈折出射された後、光制御部材11に入射、拡散出射される。光制御部材12は、板状導光板13の光出射面と対向する面に、板状導光板13の端面に略平行な方向に延長するプリズム形状が、板状導光板13の端面と略直交する方向に繰り返し形成されているプリズムシートであり、このプリズムシートのプリズム頂角は45〜70度である。
光制御部材11は、透明な樹脂シートの少なくとも1面に光拡散用のコーティングを施された拡散シートであり、例えば実施例によると、光制御部材12と相対する面に密着防止層をコーティングした拡散シートである。光制御部材11である拡散シートは、液晶表示パネルユニット3の光入射面側に対向した位置に配置されることで、その拡散効果により、下向きレンズ方式バックライトでは光制御部材11である拡散シートの入射側にある光制御部材によって得られる品位が更に平滑化されるため、液晶表示画面の品位が良好になる。光制御部材11である拡散シートは、2軸延伸法によりシーティング製造されたプラスチックフィルムであり、拡散シートの主たる偏光透過軸は、2軸延伸の各延伸方向に対して略平行である。
このとき、本発明に係る下向きレンズ方式バックライト1では、液晶表示パネルユニット3の光入射側偏光板33の偏光透過軸33aと、光制御部材11である拡散シートの2軸延伸軸のいずれかの延伸軸方向とを略平行に配置することになる。これにより、拡散シートの各延伸方向と略平行である偏光透過軸11aのいずれかと、液晶表示パネル光入射側偏光板33の偏光透過軸33aとが略平行に配置することになることから、法線方向に対して輝度ロスの少ない、均一化された面光源が可能となる下向きレンズ方式バックライト1を搭載した液晶表示装置が提供できる。
更に本発明に係る液晶表示装置の実施例に基づき、光制御部材11である拡散シートの2軸延伸軸方向と液晶表示パネルユニット3の入射側偏光板33の偏光透過軸との相対角に対する輝度変化率を実験にて測定した結果を図5に示す。
図5は、光制御部材11である拡散シートのいずれか一方の2軸延伸方向と液晶表示パネルユニット3の入射側偏光板33の偏光透過軸とが略平行になる配置の場合を相対角0度として設定し、光制御部材11である拡散シートを液晶表示パネルユニット3の入射側偏光板33の偏光透過軸に対して0〜360度回転した場合の輝度比をプロットしたものである。図5において、縦軸は、液晶表示パネル上の法線方向の輝度が最小の位置の輝度を100として、その相対輝度比を示している。図5からも明らかなように、光制御部材11である拡散シートの2軸延伸方向と液晶表示パネルユニット3の入射側偏光板33の偏光透過軸とが略平行になる配置の場合は、輝度比が最大ピーク値になり、この最大ピーク値は光制御部材11である拡散シートの2軸延伸方向に対して、その延伸軸の直交方向である90度間隔に発生していることがわかる。
以上のことから、光制御部材11である拡散シートの2軸延伸方向と液晶表示パネルユニット3の入射側偏光板33の偏光透過軸とが略平行になるように配置することによって、光の異方性による偏光ロスを最小限に留めることが可能となり、最大限に下向きレンズ方式バックライト1の利用効率を上げることが可能となることがわかる。
本発明に係る液晶表示装置は、液晶表示パネルとしてアモルファスシリコンにより構成された画素スイッチング用トランジスタを有するアクティブマトリックス型である液晶表示装置、又は、液晶表示パネルとしてCG(Continuous Grain)シリコンにより構成された画素スイッチング用トランジスタを有するアクティブマトリックス型である液晶表示装置に好適に適用することができるものである。
図1は、本発明に係る下向きレンズ方式バックライトを搭載した液晶表示装置の要部構成を示す分解斜視図である。 図2は、本発明に係る下向きレンズ方式バックライトを搭載した液晶表示装置の外観斜視図である。 図3は、従来のプリズムシート2枚直交方式バックライトを搭載した液晶表示装置の要部構成を示す分解斜視図である。 図4は、従来の下向きレンズ方式バックライトを搭載した液晶表示装置の要部構成を示す分解斜視図である。 図5は、下向きレンズ方式バックライトでの拡散シートと液晶パネル入射側偏光板との配置角度による輝度変化率を測定したグラフである。 図6は、プリズムシート2枚直交方式バックライトでの拡散シートと液晶パネル入射側偏光板との配置角度による輝度変化率を測定したグラフである。
符号の説明
1 :下向きレンズ方式バックライト
11 :拡散シート(光制御部材)
11a:拡散シートの偏光透過軸
11b:拡散シートの偏光透過軸(従来の下向きレンズ方式バックライト)
12 :下向きプリズムシート(光制御部材)
13 :下向きレンズ方式用導光板(板状導光板)
14 :反射シート
15 :リフレクター
16 :光源(冷陰極管ランプ)
2 :プリズムシート2枚直交方式バックライト
21 :第2の拡散シート
22 :第2のプリズムシート
23 :第1のプリズムシート
24 :第1の拡散シート
25 :プリズムシート2枚直交方式バックライト用導光体
26 :反射シート
3 :液晶表示パネルユニット
31 :液晶表示パネル
32 :出射側偏光板
33 :入射側偏光板
33a :入射側偏光板の偏光透過軸
41 :液晶表示面
42 :フレーム
43 :ランプコネクター(電圧入力端子)

Claims (2)

  1. 光源及び導光板からなるエッジライト型面光源、複数の光制御部材、並びに、偏光板を有する液晶表示パネルをこの順に備えてなる液晶表示装置であって、
    該導光板は、光出射面とその反対側に光反射面を有し、光出射面及び光反射面のうち少なくとも1面に導光板の端面と略直交するプリズムの繰り返し形状を有するものであり、
    該複数の光制御部材は、導光板光出射面と対向する面に導光板の端面と略平行するプリズムの繰り返し形状を有するプリズムシート、及び、2軸延伸によりシーティング製造された透明な樹脂シートの少なくとも1面に光拡散用のコーティングを施された拡散シートを必須として構成されるものであり、
    樹脂シートは、2軸延伸の延伸方向の一方が、光制御部材の光出射面側かつ液晶表示パネル入射側に配置された偏光板の偏光透過軸と略平行するように配置されてなる
    ことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 光源及び導光板からなるエッジライト型面光源、複数の光制御部材、並びに、偏光板を有する液晶表示パネルをこの順に備えてなる液晶表示装置であって、
    該導光板は、光出射面とその反対側に光反射面を有し、光出射面及び光反射面のうち少なくとも1面に導光板の端面と略直交するプリズムの繰り返し形状を有するものであり、
    該複数の光制御部材は、導光板光出射面と対向する面に導光板の端面と略平行するプリズムの繰り返し形状を有するプリズムシート、及び、透明な樹脂材料に屈折率の異なる樹脂を混入したものを1軸延伸した偏光性シートを必須として構成されるものであり、
    該偏光性シートは、1軸延伸の延伸方向が、光制御部材の光出射面側かつ液晶表示パネル入射側に配置された偏光板の偏光透過軸と略平行するように配置されてなる
    ことを特徴とする液晶表示装置。
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