JP4404106B2 - 通信制御装置、通信制御方法、通信制御プログラム、ノード、及び通信システム - Google Patents

通信制御装置、通信制御方法、通信制御プログラム、ノード、及び通信システム Download PDF

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Description

本発明は、通信制御装置、通信制御方法、通信制御プログラム、ノード、及び通信システムに関し、例えば、センサネットワークやアドホックネットワークやLAN(Local Area Network)に接続された複数の機器から構成されるネットワークシステムにおいて、空間に分散配置された多数のノードが相互にデータ通信を行なう通信制御システムに適用し得る。
例えば、集中管理サーバを必要とせず、個々のノードが自律分散的にタイムスロットの割り当てを相互調整することによって、通信データの衝突を回避する方法として、特許文献1〜特許文献4に記載の技術がある。
特許文献1〜特許文献3のそれぞれでは、通信タイミングパタンを形成する制御メカニズムが示されており、特許文献4では、各ノードが近傍ノードとの間で周期的に制御信号を送受信することによって相互作用する形態が示されている。
すなわち、特許文献1〜特許文献4の方法を用いることで、各ノードが周期的に通信タイミング制御信号を送信し、近傍との通信タイミング関係を認識し、局所的な通信タイミング関係に基づいて、自己の制御信号送信時刻を制御することで分散的に通信タイミングパタンの形成ができる。
ここで、自他のインパルス信号の発信タイミングが極力離れるような調整を相互に行なう方法、事前に確保したい通信時間を設計しておく方法、完全に均等な通信時間を実現しようとする方法、など様々な通信タイミングパタンの形成が可能である。
特開2005−94663号公報 特開2006−74617号公報 特開2006−74619号公報 特開2006−157441号公報
上述した特許文献1〜4に記載の技術は、複数ノード間の衝突を回避する通信タイミングを自律分散的に調整し通信帯域を確保する点で有効である。
ところで、上述の特許文献4等に記載の通信タイミング獲得方法としては、無線ノードは、送信したいトラフィックが発生しても直ぐに送信せず、獲得した通信タイミングが訪れるまで、送信したいパケットをキューイングした後、送信パケットを送信する必要がある。
このようなキューイング操作は、特許文献4の記載技術だけでなく、例えばTDMA(Time Division Multiple Access)のように送信タイムスロットを割り当てる通信制御方式の場合も同様に必要である。
しかしながら、上記のようなキューイング操作は、トラフィック発生後直ぐに送信する通信制御方式に比べ、目的地までデータパケットを送り届けるまでの時間遅延が大きくなるという問題がある。
特に、マルチホップ通信を行なう場合、キューイングによる時間遅延がホップ毎に必要となるため、目的地到達までの時間遅延は更に大きくなってしまう。
また、一般に各ノードの経路選択手段は中継ノード数の少ない経路の方が低遅延であると判断するが、他ノードとの間で通信タイミングを相互調整してパケットを送信する通信制御方式にそのまま適用すると、送信順序の関係によっては、必ずしも中継ノード数の少ない経路の方が低遅延となるわけでない。
そのため、各ノードの通信タイミングの送信順序を考慮して、宛先到達までに係る時間遅延が最小となる経路を選択できる、通信制御装置、通信制御方法、通信制御プログラム、ノード、及び通信システムが求められている。
かかる課題を解決するために、第1の本発明の通信制御装置は、通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに搭載されるものであって、自ノード及び他ノードの位相相互作用により、自ノードの位相状態を定めて、自ノードからのデータ送信のタイミングを決定する通信制御装置において、(1)ノードのデータ発信のタイミングを表す位相を反映させた他ノードからのタイミング信号の受信に基づき、自ノードのデータ送信のタイミングを求める通信タイミング制御手段と、(2)自ノードの位相状態と、自ノードを中心として1ホップ近傍に存在する1又は複数の1ホップ近傍ノードのそれぞれの位相状態とに基づく、自ノードと各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る通信タイミング時間差情報を有する制御信号をマルチホップ送信る制御信号送信手段と、(3)1又は複数の他ノードから受信した各制御信号に含まれる通信タイミング時間差情報と、自ノードと各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る通信タイミング時間差情報とに基づいて、少なくとも2ホップ先以上に存在するノド間の通信タイミング時間差情報を管理する通信タイミング時間差情報管理手段と、(4)通信タイミング時間差情報管理手段が管理する通信タイミング時間差情報に基づいて通信データを通信するデータ通信手段とを備えることを特徴とする。
第2の本発明のノードは、第1の本発明の通信制御装置を有することを特徴とする。
第3の本発明の通信システムは、第2の本発明のノードを複数有して構成されることを特徴とする。
第4の本発明の通信制御方法は、通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに搭載されるものであって、自ノード及び他ノードの位相相互作用により、自ノードの位相状態を定めて、自ノードからのデータ送信のタイミングを決定する通信制御装置の通信制御方法において、(1)通信タイミング制御手段が、ノードのデータ発信のタイミングを表す位相を反映させた他ノードからのタイミング信号の受信に基づき、自ノードのデータ送信のタイミングを求める通信タイミング制御工程と、(2)送信信号送信手段が、自ノードの位相状態と、自ノードを中心として1ホップ近傍に存在する1又は複数の1ホップ近傍ノードのそれぞれの位相状態とに基づく、自ノードと各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る通信タイミング時間差情報を有する制御信号をマルチホップ送信る制御信号送信工程と、(3)通信タイミング時間差情報管理手段が、1又は複数の他ノードから受信した各制御信号に含まれる通信タイミング時間差情報と、自ノードと各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る通信タイミング時間差情報とに基づいて、少なくとも2ホップ先以上に存在するノド間の通信タイミング時間差情報を管理する通信タイミング時間差情報管理工程と、(4)データ通信手段が、通信タイミング時間差情報管理手段が管理する通信タイミング時間差情報に基づいて通信データを通信するデータ通信工程とを有することを特徴とする。
第5の本発明の通信制御プログラムは、通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに搭載されるものであって、自ノード及び他ノードの位相相互作用により、自ノードの位相状態を定めて、自ノードからのデータ送信のタイミングを決定する通信制御装置の通信制御プログラムにおいて、コンピュータ、(1)ノードのデータ発信のタイミングを表す位相を反映させた他ノードからのタイミング信号の受信に基づき、自ノードのデータ送信のタイミングを求める通信タイミング制御手段、(2)自ノードの位相状態と、自ノードを中心として1ホップ近傍に存在する1又は複数の1ホップ近傍ノードのそれぞれの位相状態とに基づく、自ノードと各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る通信タイミング時間差情報を有する制御信号をマルチホップ送信る制御信号送信手段、(3)1又は複数の他ノードから受信した各制御信号に含まれる通信タイミング時間差情報と、自ノードと各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る通信タイミング時間差情報とに基づいて、少なくとも2ホップ先以上に存在するノド間の通信タイミング時間差情報を管理する通信タイミング時間差情報管理手段、(4)通信タイミング時間差情報管理手段が管理する通信タイミング時間差情報に基づいて通信データを通信するデータ通信手段として機能させるものである。
本発明の通信制御装置、通信制御方法、通信制御プログラム、ノード、及び通信システムによれば、各ノードの通信タイミングの送信順序を考慮して、宛先到達までに係る時間遅延が最小となる経路を選択できる。
(A)第1の実施形態
以下、本発明の通信制御装置、通信制御方法、通信制御プログラム、ノード、及び通信システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態は、複数のノードを有して構成されるマルチホップ無線ネットワーク(通信システムともいう。)において、本発明を利用して、宛先到達までのデータパケットの遅延を最小とする経路を決定する実施形態を説明する。
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、マルチホップ無線ネットワークを構成する各ノードの内部構成を示す機能ブロック図である。
図1において、第1の実施形態のノード10は、近傍ノード情報管理手段11、制御信号送信管理手段12、トポロジー情報管理手段13、経路決定手段14、センサ手段15、アプリケーション手段16、データパケット送信管理手段17、を少なくとも有して構成される。
近傍ノード情報管理手段11は、自ノードの近傍に位置する他ノード(以下、近傍ノードともいう。)が送出した制御信号1を受信し、この制御信号1の受信に基づいて、当該近傍ノードと自ノードとの関係を示す近傍ノード情報を求め、この近傍ノード情報を管理するものである。なお、制御信号1は、自ノードの送信タイミングを近傍の他ノードに伝えるために寄与する信号である。
また、近傍ノード情報管理手段11は、新しく近づいてきたノードの近傍ノード情報を新規に設定すること、近傍ノード情報を更新すること、一定時間経過して古くなった近傍ノード情報を削除すること等を行なう。
ここで、制御信号1は、送信元ノードのノード識別情報(例えば、ノードID番号等)を有しており、近傍ノード情報管理手段11は、この制御信号1のノード識別情報を基にして、近傍ノード毎の近傍ノード情報を管理する。
また、近傍ノード情報管理手段11が管理する近傍ノード情報としては、例えば、近傍ノードのノード識別情報、ノードの通信タイミングの時間差(以下、位相差ともいう。)、自ノードを中心として1ホップ近傍に位置する近傍ノードから受信した信号の信号受信強度等がある。
ノードの通信タイミングの時間差(位相差)を算出する方法は、特許文献1〜特許文献4等のいずれかに記載の通信タイミング算出方法を広く適用することができる。
また、近傍ノード情報管理手段11は、管理している近傍ノードの近傍ノード情報を制御信号送信管理手段12に与える。
制御信号送信管理手段12は、近傍ノード情報管理手段11から近傍ノード情報を受け取り、所定の時間間隔毎に、近傍ノード情報に基づいて生成した制御信号を送出するものである。
ここで、制御信号送信管理手段12が送出する制御信号は2種類ある。第1の制御信号は、近傍に位置する他ノードに自ノードの存在を認識させるために、少なくとも自ノードのノード識別情報を有するものであり、制御信号1と示す。
また、第2の制御信号は、各自ノードとそれぞれの近傍に位置する他ノードとの間の位相差を無線ネットワークの広範囲に亘って認識させるため、少なくとも、自ノードのノード識別情報、各自ノードを中心として1ホップ近傍に位置する他ノードのノード識別情報、自ノードと各1ホップ近傍ノードとの間の位相差を有するものであり、制御信号2と示す。
なお、制御信号2に含ませる情報は、上記情報に限られることはなく、例えば、自ノードが1ホップ近傍ノードから受信した信号の信号受信強度を含ませてもよい。
また、第2の制御信号である制御信号2を無線ネットワークの広範囲に亘って転送する方法としては、例えばフラッディングさせることで実現できる。このフラッディングの範囲は、制御信号2のパケットヘッダ情報に記載するTTL(Time To Live)に、当該制御信号2の生存期間を設定することによって管理可能である。
トポロジー情報管理手段13は、近傍ノードが送出した制御信号2を受信し、受信した制御信号2のパケットヘッダ情報及び近傍ノード情報管理手段11が管理する近傍ノード情報に基づいて、無線ネットワークにおける広い範囲の各ノード間時間差情報13aを作成し、このトポリジー情報13aを管理するものである。
ここで、図2は、トポロジー情報管理手段13が管理する各ノード間時間差情報13aの例を示す説明図である。なお、図2は、図3に例示するネットワークトポロジー配置におけるノードAのトポロジー情報管理手段13が作成した各ノード間時間差情報13aを示す。
例えば、ノードAのトポロジー情報管理手段13が近傍ノードBから制御信号2を受信したとする。
この近傍ノードBの制御信号2には、「近傍ノードBのノード識別情報」、1ホップ近傍ノードのノード識別情報として「ノードAのノード識別情報」、「ノードFのノード識別情報」及び「ノードDのノード識別情報」、1ホップ近傍ノードとの位相差として「ノードAとの位相差dab」、「ノードFとの位相差dfb」及び「ノードDとの位相差ddb」が含まれている。
さらに、ノードAを中心として1ホップより先に位置する他ノード(例えば、ノードD、ノードF)から受信した制御信号2に含まれている情報「位相差dba」、「位相差dbd」及び「位相差dbf」を用いて、トポロジー情報管理手段13は、図2に示すように、ノードBに関連するトポロジー情報を生成する。同様にして、トポロジー情報管理手段13は、近傍ノードCに関連するトポロジー情報も生成する。
以上のようにして、トポロジー情報管理手段13が、制御信号2に含まれている情報に基づいて各ノード間時間差情報13aを生成すると、図3に示すようなネットワークトポロジーで構成されていることを認識できる。
経路決定手段14は、トポロジー情報管理手段13が管理する各ノード間時間差情報13aに基づいて、データパケットの宛先ノードまでの遅延が最小となる経路決定し、その遅延が最小となる経路に基づく転送先ノードを(以下、次ノードともいう。)データパケット送信管理手段17に与えるものである。
ここで、経路決定手段14は、データパケットの宛先ノードに基づいて、各ノード間時間差情報13aに基づいて遅延情報管理テーブル14aを作成し、この遅延情報管理テーブル14aを参照して、自ノードから宛先ノードまでの経路において各ノード間の位相差の合計値が最小となる経路を、遅延が最小となる経路として決定する。
図6は、遅延情報管理テーブル14aの構成例を示す説明図である。遅延情報管理テーブル14aは、自ノードから宛先ノードまでの経路毎に、データパケットの宛先と、次ノードと、遅延情報(その経路における各ノード間の位相差の合計値)とを対応付けて構成される。
データパケット送信管理手段17は、例えばセンサ手段15やアプリケーション手段16から受け取ったデータパケットや、他ノードから受信した中継データパケットを、次の転送先ノードに向けてマルチホップ無線送信するものである。データパケット送信管理手段17は、データパケットのパケットヘッダから宛先ノードを抽出して経路決定手段14に次ノードを問い合わせ、その後経路決定手段14により決定された次ノードに向けて送信する。
また、データパケット送信管理手段17は、自ノードの制御信号1の送信したタイミングから、その直後に他ノードからの制御信号1の受信までの期間を、データパケットの送信タイミングとする。
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態のマルチホップ無線ネットワークを構成する各ノードにおける通信経路の計算処理の動作を図面を参照しながら説明する。
以下では、図3に示すように、ノードA〜ノードFが配置されたネットワークを例に挙げて説明する。
初期状態において、各ノードは、近傍ノード情報は保持していない。各ノードA〜Fでは、制御信号送信管理手段12により、少なくとも自ノードのノード識別情報を含む制御信号1が生成され、その制御信号1が送出される。なお、各ノードは、自ノードのノード識別情報が予め割り当てられている。
各ノードA〜Fから送出された制御信号1は、各ノードA〜Fの1ホップ近傍に存在する他ノードにより受信される。この制御信号1がノードにより受信されると、近傍ノード情報管理手段11において、制御信号1に含まれるノード識別情報に基づいて、制御信号1の送信元ノードが近傍ノードとして認識される。
また、近傍ノード情報管理手段11において、自ノードの制御信号1の送信タイミングと、近傍ノード(この場合、制御信号1の送信元ノード)の制御信号1の受信タイミングとの時間差が算出され、この時間差が位相差として算出される。勿論、複数の近傍ノードが存在する場合には、複数の近傍ノードのそれぞれについて同様に位相差が算出される。
このようにして、近傍ノード情報管理手段11により求められた近傍ノード情報は、近傍ノード情報管理手段11に管理される。
そうすると、各ノードA〜Fでは、近傍ノード情報が保持されるので、制御信号送信管理手段12は、近傍ノード情報に基づいて、少なくとも、自ノードのノード識別情報、1ホップ近傍ノードのノード識別情報、1ヒップ近傍ノードとの位相差を含む制御信号2を生成し、制御信号2を所定の時間間隔で送出する。
制御信号2は、無線ネットワークの広範囲に亘って送信される。このとき、例えば、制御信号のパケットヘッダ情報に含まれるTTLを用いて、この制御信号2の生存期間が設定される。これにより、TTLで設定された生存期間だけ、各ノード間でマルチホップされることで、無線ネットワークの広範囲に亘って送信できる。
制御信号2が各ノードA〜Fに受信されると、各ノードA〜Fのトポロジー情報管理手段13により、制御信号2に含まれている、送信元ノードのノード識別情報、1ホップ近傍ノードのノード識別情報、1ホップ近傍ノードとの位相差を抽出する。
そして、トポロジー情報管理手段13は、これら、送信元ノードのノード識別情報、1ホップ近傍ノードのノード識別情報、及び、1ホップ近傍ノードとの位相差に基づいて、各ノード間時間差情報13aを作成する。
ここで、トポロジー情報管理手段13による各ノード間時間差情報13aの作成処理について図2〜図3を参照して説明する。
図4は、例えば、図3に示すネットワークトポロジーを構成する場合の、ノードAを中心とした2ホップ先の近傍に存在するノードとの間送信タイミングの関係を示す説明図である。
図4において、円41は、ノードA〜ノード間で、相互に送信タイミングを割り当てる1周期期間を示す。図4の円41上に示す「A」〜「F」の表記は、ノードA〜ノードFにおける制御信号1の送信タイミングを示す。そして、例えば、ノードAのデータパケットの通信タイミングは、ノードAの制御信号1の送信タイミングから、その後に到来した他ノード(この場合ノードB)からの制御信号1の受信タイミングまでの期間に対応する。
また、図4では、1周期内で、ノードA、ノードB、ノードD、ノードF、ノードE、ノードCの順に、データパケットの送信タイミングが訪れ、この送信順序が周期的になされる。また、位相差dca、dab、dbd、dcf、dfb、は図4の矢印と対応する。
上記のように、制御信号2を無線ネットワーク全体にフラッディングすることにより、各自ノードを中心として、2ホップ先までに存在する他ノードとの間の通信タイミングを認識することができ、これら他ノードと自ノードとの間の位相差の関係を得ることができる。
つまり、例えば、ノードAは、1ホップ近傍に、ノードB及びノードCが存在すること、ノードB→ノードAとノードC→ノードAの接続があること、ノードBとの位相差dba、ノードCとの位相差dcaを含む制御信号2を、無線ネットワークに対しフラッディングする。
また、ノードBは、1ホップ近傍に、ノードA、ノードD及びノードFが存在すること、ノードA→ノードBとノードD→ノードBとノードF→ノードBの接続があること、ノードAとの位相差dab、ノードDとの位相差ddb、ノードFとの位相差dfbを含む制御信号2を、フラッディングする。
さらに、ノードF、ノードD等も、同様の内容の制御信号2をフラッディングする。
無線ネットワークにおいて、一定期間経過して、各ノード間で制御信号2の交換が十分に行なわれると、各ノードのトポロジー情報管理手段13は、ネットワークトポロジー情報としてネットワーク全体の各ノードの接続と各ノード間の位相差を参照できる状態になる。
その結果、ノードAは、1ホップ近傍のノードB及びノードCからの制御信号2と、2ホップ近傍のノードF及びノードDからの制御信号2とに基づいて、図に示すような、トポロジー情報を作成することができる。
その後、センサデータやアプリケーションデータ等を送信する際、データパケット送信管理手段17は、データパケットの転送先を経路決定手段14に問い合わせをする。
データパケット送信管理手段17から転送先の問い合わせがなされると、各ノードA〜Fの経路決定手段14は、図5に示す経路決定処理を行ない、決定した経路による次ノードをデータパケット送信管理手段17に通知する。
すなわち、図5において、データパケット送信管理手段17からデータパケットの宛先が経路決定手段14に与えられると(ステップS101)、経路決定手段14は、トポロジー情報を参照して(ステップS102)、データパケットの宛先までの1又は複数の経路を判定する(ステップS103)。
そして、経路決定手段14は、各ノード間時間差情報13aを参照しながら、1又は複数の経路のそれぞれについて、宛先までの各ノード間の位相差の合計値を算出する(ステップS104)。
経路決定手段は、各経路の各ノード間の位相差の合計値を各経路の経路遅延とし、各経路のうち、経路遅延が最小となる経路を選出し(ステップS105)、その選出した経路に基づいて次ノードを決定し(ステップS106)、その次ノードをデータパケット送信管理手段17に通知する(ステップS107)。
例えば、図3において、ノードCが、センサデーやアプリケーションデータ等のデータパケットを生成し、このデータパケットをノードDに向けて送信する場合を例に挙げて説明する。
この場合、ノードCの経路決定手段14は、ノードCからノードDまでの経路として、経路「ノードC→ノードF→ノードB→ノードD」(以下、第1の経路という。)と、経路「ノードC→ノードA→ノードB→ノードD」(以下、第2の経路という。)とを導く。
そして、経路決定手段14は、各ノード間時間差情報13aを参照して、第1の経路を構成するノード間の位相差の合計値「dcf+dfb+dbd」(以下、第1の経路遅延)を求める。同様に、第2の経路を構成するノード間の位相差の合計値「dca+dab+dbd」(以下、第2の経路遅延)を求める。なお、図6は、ノードCが備える遅延情報例を示す遅延情報管理テーブル14aであり、ノードCを中心として、宛先までの遅延情報と宛先までの経路毎の次ノードとの関係を示すものである。
経路決定手段14は、第1の経路遅延と第2の経路遅延を比較して、経路遅延が小さい経路を選択する(例えば、この場合、第2の経路遅延が第1の経路遅延より小さいとき、第2の経路を選択する)。
そして、経路決定手段14は、第2の経路より、次の転送先ノードであるノードAを次ノードとしてデータパケット送信管理手段17に通知する。なお、図6は、ノードCが備える遅延情報例を示す管理テーブルであり、ノードCを中心として、宛先までの遅延情報と宛先までの経路毎の次ノードとの関係を示すものである。
これにより、データパケット送信管理手段17は、送信しようとするデータパケットの転送先をノードAとしてマルチホップで無線送信する。
以上で説明した経路決定処理は、各ノードにおいて、中継転送するデータパケットに対しても行なわれる。そして、当該データパケットは、最終的の宛先であるノードDに転送される。
(A−3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、従来の方式ではマルチホップ通信の経路を決定する場合に遅延が少なくなるように中継数が少ない経路を選んでも、実際にはキューイング時間の影響で他の経路よりも宛先へ到達するまでの遅延時間が長くなってしまうことがあったが、第1の実施形態のように、各ノード間の制御信号2の交換によって、相互の送信タイミングスケジュールを交換しておき、各ノード間の送信タイミング時間差を求め、トポロジー情報としてリンクの接続状態をフラッディングするときに、そのリンクのノード間の送信タイミング時間差情報も同時に送信することで、各ノード間の送信タイミング時間差情報に基づいて、遅延が少ない経路を選択することが可能となる。
その結果、送信タイミングを管理する方式でも、キューイング時間を短くする経路を適切に選択でき、遅延を小さくすることができる。
(B)他の実施形態
(B−1)第1の実施形態では、制御信号2が、少なくとも、自ノードのノード識別情報、各自ノードを中心として1ホップ近傍に位置する他ノードのノード識別情報、自ノードと各1ホップ近傍ノードとの間の位相差、を有する場合を説明した。しかし、この他に、1ホップ近傍ノードから受信した信号の信号強度情報(受信電力値)を乗せるようにしてもよい。
これにより、例えば、各ノードが、ノード間の位相関係(送信タイミング関係)を最適に形成するために、受信電力値に基づいて他ノードとの間の距離を算出し、その距離に基づいて位相関係を形成すべきノードであるか否かを判定する判定機能を備える場合でも、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
(B−2)第1の実施形態で説明した制御信号送信管理手段12の構成は図1に示す構成に限定されない。
例えば、図1では、制御信号1及び制御信号2はともに制御信号送信管理手段12が送信するものとしたが、それぞれの制御信号1又は制御信号を別の構成で送信するようにしてもよい。
また例えば、トポロジー情報管理手段13の機能と近傍ノード情報管理手段11の機能の両者を共に備える機能手段とするようにしてもよい。
(B−3)第1の実施形態では、ネットワークトポロジーの例として2ホップ先までのトポロジー情報を得る場合を例に挙げたが、3ホップ以上としてもよい。
(B−4)制御信号1を用いた通信タイミングの制御処理について
第1の実施形態の各ノードは、上述したように、各ノード間で制御信号1を授受し合うことで通信タイミングを算出する。
そこで、以下では、各ノードにおける制御信号1を用いた通信タイミングの制御処理について図面を参照して説明する。
図7は、各ノードの、制御信号1を用いた通信タイミング制御を行なう機能構成を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、ノード10は、インパルス信号受信手段21、通信タイミング計算手段22、インパルス信号送信手段23、同調判定手段24、データパケット送信管理手段17、センサ手段15、を有する。
なお、以下では、制御信号1をインパルス信号と表記して説明する。
図1の近傍ノード情報管理手段11は、制御信号1を用いた通信タイミング制御処理については、図7のインパルス信号受信手段21としての機能を備える。
図1の制御信号送信管理手段12は、制御信号1を用いた通信タイミング制御処理については、図7の通信タイミング計算手段22、インパルス信号送信手段23、同調判定手段24としての機能を備える。
インパルス信号受信手段21は、近傍ノード(例えば、そのノードの発信電波が届く範囲に存在する他のノード)が発信した出力インパルス信号を入力インパルス信号Sin11として受信するものである。ここで、インパルス信号はタイミング信号として授受されるものであり、例えば、ガウス分布形状等のインパルス形状を有するものである。受信インパルス信号Spr11は、入力インパルス信号Sin11を波形整形したものでも良く、信号を再生成したものであっても良い。
通信タイミング計算手段22は、受信インパルス信号に基づいて、当該ノードでの通信タイミングを規定する位相信号Spr12を形成して出力するものである。なお、通信タイミング計算手段22は、受信インパルス信号Spr11がない場合であっても位相信号Spr12を形成して出力するものとする。
ここで、当該ノードiの位相信号Spr12の時刻tでの位相値をθi(t)とすると、通信タイミング計算手段22は、受信インパルス信号Spr11に基づいて、例えば下記式(1)及び(2)のように、位相信号Spr12(=θi(t))を非線形振動リズムで変化させる。
Figure 0004404106
この位相信号の変化は、近傍のノード同士が逆相(振動の位相が反転位相)又は他の位相になろうとする非線形特性を実現し、その特性を用いて衝突回避を実行させようとしたものである。すなわち、近傍のノード間における出力インパルス信号Sout11の発信タイミングなどが衝突しないように、適当な時間関係(時間差)を形成させようとしている。
なお、以下では、上記式(1)及び(2)を構成する構成要素を簡単に説明する。上記式(1)は、自ノード(ノードiとする)の非線形振動リズムを時間的に変化させる規則(時間発展規則)を示す方程式である。また上記式(1)において、変数tは時間を表わし、関数θiは時刻tにおける自ノードの非線形振動に対する位相を表わす。
また、上記式(2)において、Δθij(t)は近傍ノードjの位相θj(t)から自ノードiの位相θi(t)を引くことにより得られる位相差である。
さらに、ωiは固有角振動数パラメータである。また、関数Pj(t)は近傍ノードjから受信した受信インパルス信号Spr11を表わしており、関数R(Δθij(t))は受信インパルス信号Spr11の入力に応じて、自ノードiの基本的なリズムを変化させる応答特性を表現する位相応答関数であり、Nは自ノードが受信インパルス信号Spr11を受信可能な空間的距離範囲に存在する近傍ノードの総数を表わす。
また、関数ξ(Si(t))は、自ノードiと近傍ノードjとの相対位相差が小さい場合にストレスを蓄積し、蓄積されたストレス値Si(t)に応じてランダムな大きさで位相シフトする働きをする項である。
図8及び図9は、通信タイミング計算手段22の機能の意味合いを説明するための説明図である。なお、図8及び図9に示す状態変化は、インパルス信号送信手段23の機能も関係している。
図8及び図9は、ある1つのノードに着目したときに、着目ノード(自ノード)と近傍ノード(他ノード)との間に形成される関係、すなわち、それぞれの非線形振動リズム間の位相関係が時間的に変化していく様子を示している。
図8は、着目ノードiに対して近傍ノードjが1個存在する場合である。図8において、円上を回転する2つの質点の運動は、着目ノードと近傍ノードに対応する非線形振動リズムを表しており、質点の円上の角度がその時刻での位相信号の値を表している。質点の回転運動を縦軸あるいは横軸に射影した点の運動が非線形振動リズムに対応する。後述する(1)式に基づく動作により、2つの質点は相互に逆相になろうとし、仮に、図8(a)に示すように初期状態で2つの質点の位相が近くても、時間経過と共に、図8(b)に示す状態(過渡状態)を経て、図8(c)に示すような2つの質点の位相差がほぼπである定常状態に変化していく。
2つの質点は、それぞれ固有角振動数パラメータωを基本的な角速度(自己の動作状態を遷移させる基本速度に相当)とする回転をしている。ここで、ノード間でインパルス信号の送受信に基づく相互作用が生じると、これらの質点は、それぞれ角速度を変化(緩急)させ、結果的に、適当な位相関係を維持する定常状態に到達する。この動作は、2つの質点が回転しながら相互に反発し合うことによって、安定な位相関係を形成するものと見ることができる。定常状態では、後述するように、それぞれのノードが所定の位相(例えば0)のときに出力インパルス信号Sout11を発信するとした場合、互いのノードにおける発信タイミングは、適当な時間関係を形成していることになる。
また、図9は、着目ノードiに対して2個の近傍ノードj1、j2が存在する場合を表している。近傍ノードが2個存在する場合においても、上述と同様に、それぞれの質点が回転しながら相互に反発し合うことによって、安定な位相関係(時間的な関係に関する安定性)を形成する。近傍ノード数が3個以上の場合についても同様である。
上述の安定な位相関係(定常状態)の形成は、近傍ノード数の変化に対して非常に適応的(柔軟)な性質を持つ。例えば、今、着目ノードに対して近傍ノードが1個存在し、安定な位相関係(定常状態)が形成されているときに、近傍ノードが1個追加されたとする。定常状態は一旦崩壊するが、過渡状態を経た後、近傍ノードが2個の場合における新たな定常状態を再形成する。また、近傍ノードが削除された場合や故障等により機能しなくなった場合においても、同様に適応的な動作をする。
通信タイミング計算手段22は、得られた位相信号Spr12(=θi(t))を、インパルス信号送信手段23、同調判定手段24及びデータパケット送信管理手段17に出力する。
インパルス信号送信手段23は、位相信号Spr12に基づいて、出力インパルス信号Sout11を送信する。すなわち、位相信号Spr12が所定の位相α(0≦α<2π)になると、出力インパルス信号Sout11を送信する。ここで、所定の位相αは、予めシステム全体で統一しておくことが好ましい。以下では、α=0にシステム全体で統一されているとして説明する。なお、図8の例でいえば、ノードiとノードjとでは、定常状態で相互の位相信号Spr12がπだけずれているので、α=0にシステム全体で統一しても、ノードiからの出力インパルス信号Sout11の送信タイミングと、ノードjからの出力インパルス信号Sout11の送信タイミングとはπだけずれている。
同調判定手段24は、自ノードや1又は複数の近傍ノードの間で行われる出力インパルス信号Sout11の送信タイミングの相互調整が、「過渡状態」(図8(b)、図9(b)参照)あるいは「定常状態」(図8(c)、図9(c)参照)のいずれの状態にあるかを判定するものである。同調判定手段24は、受信インパルス信号Spr11(他ノードの出力インパルス信号Sout11に対応する)及び出力インパルス信号Sout11の発生タイミングを観測し、インパルス信号を授受し合う複数のノードの発生タイミング間の時間差が時間的に安定している場合に「定常状態」であると判定する。なお、この実施形態の場合には、同調判定手段24には、自ノードからの出力インパルス信号Sout11の発生タイミングを捉えるための信号として、出力インパルス信号Sout11に代えて、位相信号Spr12が入力されている。
同調判定手段24は、例えば、以下の(a)〜(d)のような処理を実行して同調判定を行なう。
(a)受信インパルス信号Spr11の発生タイミングにおける位相信号Spr12の値βを、位相信号Spr12の1周期に亘って観測する。ここでは、上記の観測を行った結果、得られる位相信号Spr12の値βをそれぞれ、β1,β2,…,βN(0<β1<β2<…<βN<2π)とする。
(b)観測された位相信号Spr12の値βに基づいて、隣接値間の差(位相差)△1=β1,△2=β2−β1,…,△N=βN−β(N−1)を算出する。
(c)上記(a)及び(b)の処理を位相信号Spr12の周期単位に行い、相前後する周期における位相差△の変化量(差分)γ1=△1(τ+1)−△1(τ),γ2=△2(τ+1)−△2(τ),…,γN=△N(τ+1)−△N(τ)を算出する。ここで、τは、位相信号Spr12のある周期を示しており、τ+1は、位相信号Spr12のその次の周期を示している。
(d)上述の変化量γが、いずれも微小パラメータ(閾値)εよりも小さい場合、すなわち、γ1<ε,γ2<ε,…,γN<εの場合に、「定常状態」であると判定する。
なお、γ1<ε,γ2<ε,…,γN<εという条件がM周期にわたって満足される場合を定常状態と判定するようにしても良い。Mの値を大きくするほど、より安定性の高い状態で「定常状態」と判定できる。また、一部の受信インパルス信号Spr11に基づいて、「定常状態」の判定を行っても構わない。
同調判定手段24は、位相信号Spr12の周期毎に、判定結果を示す同調判定信号Spr13と、受信インパルス信号Spr11の発生タイミングにおける位相信号Spr12の値βの最小値β1をスロット信号Spr14としてデータパケット送信管理手段17に出力する。
なお、最小値β1をスロット信号Spr14として出力するようにしたのは、上述したように、α=0としていることと関係しており、αの値の選定によっては、スロット信号Spr14に適用するβの値は変化する。
当該ノード10は、他のノードから受信したデータを中継して送信する機能と、自己を送信元とするデータ送信機能とを有している。
センサ手段15は、後者の場合の一例として書き出したものであり、例えば、音や振動の強度、化学物質の濃度、温度など、物理的又は化学的な環境情報Sin13を検知して観測データSpr15をデータパケット送信管理手段17に出力するものである。
また、前者の場合には、データパケット送信管理手段17に、近傍ノードが送信したデータ信号(出力データ信号Sout12)が入力データ信号Sin12として受信される。
データパケット送信管理手段17は、観測データSpr15及び又は入力データ信号Sin12(両方の場合を含む)を出力データ信号Sout12として他ノードに送信する。データパケット送信管理手段17は、この送信を、同調判定信号Spr13が「定常状態」を示す場合に、後述するタイムスロット(システムなどが割り当てた固定的な時間区間ではないが、「タイムスロット」という用語を用いる)で行ない、同調判定信号Spr13が「過渡状態」を示す場合には送信動作を停止している。なお、出力データ信号Sout12は、出力インパルス信号Sout11と同一周波数帯で送信周波数とするものであっても良い。
タイムスロットは、位相信号Spr12の位相θi(t)がδ1≦θi(t)≦β1−δ2である期間である。タイムスロットの開始点(そのときの位相信号の値をδ1とする)は、出力インパルス信号Sout11の送信が終了したタイミングであり、タイムスロットの終了点(そのときの位相信号の値をβ1−δ2とする)は、位相信号Spr12の周期毎の最初の受信インパルス信号Spr11のタイミングより多少のオフセット分δ2だけ前のタイミングとしている。δ1やδ2は、当該ノード10の近傍の無線空間で、インパルス信号(送信元は自ノードの場合、他ノードの場合の双方を含む)と、データ信号(送信元は自ノードの場合、他ノードの場合の双方を含む)とが同時に存在しないことを補償するためのごく短い時間に対応する位相幅である。δ1及びδ2は、例えば、ノード10の設置状況下で実験的に決定する。
例えば、図8(c)に示すような「定常状態」の場合、ノードiは、位相θiが0から出力インパルス信号Sout11を送信し始め、位相θiがδ1になる前に、出力インパルス信号Sout11の送信を終了させておき、位相θiがδ1から出力データ信号Sout12を送信し始め、位相θiがβ1−δ2になると(但しβ1≒π)、出力データ信号Sout12の送信が終了させ、それ以降、位相θiが再び0になるまで、出力インパルス信号Sout11の送信も出力データ信号Sout12の送信も停止させる。他方のノードjも、位相θjに基づいて同様な動作を実行するが、位相θiと位相θjとがほぼπだけずれているので、送信動作が競合することはない。ノード数が3以上の場合も同様に動作し、送信動作が競合することはない。
(B−5)上述した制御信号1を用いた通信タイミングの計算方法は、上記方法に限定されず、特許文献1〜4に記載した方法を広く適用できる。
(B−6)第1の実施形態では、空間に分散配置された多数のノードが、相互に無線でデータをやり取りするシステムを想定して説明した。しかし、本発明の利用形態は、無線通信を行なうシステムに限定されない。空間に分散配置された多数のノードが、相互に有線でデータをやり取りするシステムに適用することも可能である。例えば、イーサネット(登録商標)などのように有線接続されたLANシステムに適用することも可能である。また、同様に有線接続されたセンサやアクチュエータ、あるいはサーバなど、異なる種類のノードが混在するネットワークに適用することも可能である。無論、有線接続されたノードと、無線接続されたノードが混在するネットワークに適用することも可能である。
また、本発明は無線系、有線系を問わず、あらゆるネットワークに存在する発信データの衝突や同期の問題に適用可能であり、適応性と安定性を兼ね備えた効率的なデータ通信を実現する通信プロトコルとして利用することが可能である。
(B−7)本発明のノードは、は、ハードウェア資源(例えばCPU等)がプログラムを実行して実現するソフトウェア処理で実現できる。つまり、ノードが備える各種機能構成はプログラムとして格納されるものである。なお、ノードの各種処理をハードウェアで実現するようにしてもよい。
第1の実施形態のノードの内部構成を示す機能ブロック図である。 第1の実施形態のトポロジー情報の例を示す説明図である。 第1の実施形態のノード配置例とネットワークトポロジー情報を示す図である。 第1の実施形態のノードAを中心とした場合の各ノードの送信タイミングの関係を示す説明図である。 第1の実施形態の経路決定処理の動作フローチャートである。 第1の実施形態のノードCにおける各経路の遅延情報を示す説明図である。 制御信号1を用いたノードの通信タイミング制御の機能構成を示す機能ブロック図である。 通信システムでのノード間の同調を説明する説明図(1)である。 通信システムでのノード間の同調を説明する説明図(2)である。
符号の説明
10…ノード、11…近傍ノード情報管理手段、12…制御信号送信管理手段、13…トポロジー情報管理手段、13a…各ノード間時間差情報、14…経路決定手段、15…センサ手段、16…アプリケーション手段、17…データパケット送信管理手段。

Claims (9)

  1. 通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに搭載されるものであって、自ノード及び他ノードの位相相互作用により、自ノードの位相状態を定めて、自ノードからのデータ送信のタイミングを決定する通信制御装置において、
    ノードのデータ発信のタイミングを表す位相を反映させた上記他ノードからのタイミング信号の受信に基づき、自ノードのデータ送信のタイミングを求める通信タイミング制御手段と、
    自ノードの位相状態と、自ノードを中心として1ホップ近傍に存在する1又は複数の1ホップ近傍ノードのそれぞれの位相状態とに基づく、自ノードと上記各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る通信タイミング時間差情報を有する制御信号をマルチホップ送信る制御信号送信手段と、
    1又は複数の他ノードから受信した上記各制御信号に含まれる上記通信タイミング時間差情報と、自ノードと上記各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る上記通信タイミング時間差情報とに基づいて、少なくとも2ホップ先以上に存在するノド間上記通信タイミング時間差情報を管理する通信タイミング時間差情報管理手段と、
    上記通信タイミング時間差情報管理手段が管理する上記通信タイミング時間差情報に基づいて通信データを通信するデータ通信手段と
    を備えることを特徴とする通信制御装置。
  2. 上記制御信号は、少なくとも、自ノードのノード識別情報と、上記各1ホップ近傍ノードのノード識別情報と、上記各1ホップ近傍ノードと自ノードとの間の通信タイミング時間差情報と、を有することを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
  3. 上記通信タイミング時間差情報管理手段が、上記各制御信号に含まれている情報及び自ノードと上記各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る上記通信タイミング時間差情報に基づいて、各ノード間の上記各通信タイミング時間差情報を対応付けたネットワークトポロジー情報を作成するネットワークトポロジー情報作成部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の通信制御装置。
  4. 上記通信タイミング時間差情報管理手段が、上記ネットワークトポロジー情報に基づいて、上記通信データの宛先まで転送させるための1又は複数の経路毎に、各ノード間の上記各通信タイミング時間差情報の合計値を求め、上記各経路毎の上記通信タイミング時間差情報の合計値に基づいて、上記通信データの転送経路を決定する経路決定部を有することを特徴とする請求項3に記載の通信制御装置。
  5. 上記経路決定部が、上記通信タイミング時間差情報の合計値が最小の経路を、上記通信データの転送経路として決定することを特徴とする請求項4に記載の通信制御装置。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の通信制御装置を有することを特徴とするノード。
  7. 請求項に記載のノードを複数有して構成されることを特徴とする通信システム。
  8. 通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに搭載されるものであって、自ノード及び他ノードの位相相互作用により、自ノードの位相状態を定めて、自ノードからのデータ送信のタイミングを決定する通信制御装置の通信制御方法において、
    通信タイミング制御手段が、ノードのデータ発信のタイミングを表す位相を反映させた上記他ノードからのタイミング信号の受信に基づき、自ノードのデータ送信のタイミングを求める通信タイミング制御工程と、
    送信信号送信手段が、自ノードの位相状態と、自ノードを中心として1ホップ近傍に存在する1又は複数の1ホップ近傍ノードのそれぞれの位相状態とに基づく、自ノードと上記各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る通信タイミング時間差情報を有する制御信号をマルチホップ送信る制御信号送信工程と、
    通信タイミング時間差情報管理手段が、1又は複数の他ノードから受信した上記各制御信号に含まれる上記通信タイミング時間差情報と、自ノードと上記各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る上記通信タイミング時間差情報とに基づいて、少なくとも2ホップ先以上に存在するノド間上記通信タイミング時間差情報を管理する通信タイミング時間差情報管理工程と、
    データ通信手段が、上記通信タイミング時間差情報管理手段が管理する上記通信タイミング時間差情報に基づいて通信データを通信するデータ通信工程と
    を有することを特徴とする通信制御方法。
  9. 通信システムを構成する複数のノードのそれぞれに搭載されるものであって、自ノード及び他ノードの位相相互作用により、自ノードの位相状態を定めて、自ノードからのデータ送信のタイミングを決定する通信制御装置の通信制御プログラムにおいて、
    コンピュータ
    ノードのデータ発信のタイミングを表す位相を反映させた上記他ノードからのタイミング信号の受信に基づき、自ノードのデータ送信のタイミングを求める通信タイミング制御手段、
    自ノードの位相状態と、自ノードを中心として1ホップ近傍に存在する1又は複数の1ホップ近傍ノードのそれぞれの位相状態とに基づく、自ノードと上記各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る通信タイミング時間差情報を有する制御信号をマルチホップ送信る制御信号送信手段、
    1又は複数の他ノードから受信した上記各制御信号に含まれる上記通信タイミング時間差情報と、自ノードと上記各1ホップ近傍ノードとの間のデータ発信に係る上記通信タイミング時間差情報とに基づいて、少なくとも2ホップ先以上に存在するノド間上記通信タイミング時間差情報を管理する通信タイミング時間差情報管理手段、
    上記通信タイミング時間差情報管理手段が管理する上記通信タイミング時間差情報に基づいて通信データを通信するデータ通信手段
    として機能させる通信制御プログラム。
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