JP4403298B2 - ポリエステル樹脂の洗浄方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、ポリエステル樹脂を洗浄する方法および再生ペレットに関する。詳しくは、本発明は、使用済みのペットボトルなどのポリエステル樹脂成形体の粉砕物から、食品容器用途にも好適に使用できる高品質の再生原料を得るための、高度なポリエステル樹脂の洗浄方法および該洗浄方法により得られる高品質の再生ペレットに関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
近年、いわゆるペットボトルなどのポリエステル樹脂成形体の再生使用が図られている。回収された使用済みのペットボトルは、塩ビボトルなどの異種樹脂ボトル、金属などの異物、着色ペットボトルなどと分別し、粉砕した後に界面活性剤などによる洗浄、すすぎ洗浄、脱水および乾燥を行い、フレーク状に粉砕し、必要に応じてペレット状に加工して再生原料とされている。
【0003】
このようなフレーク状またはペレット状の再生原料は、カーペット、衣料用、短繊維などの繊維製品、植木鉢などの容器、包装用フィルムなどの原料として主に用いられ、食品容器としての利用はほとんど達成されていない。
【0004】
ペットボトルなどの食品容器として用いられたポリエステル樹脂成形体は、本来、食品容器として再利用されるのが望ましいものである。しかしながら、フレーク状またはペレット状の再生原料には、異物が混入している場合が多く、また当初のボトル成形時の加熱により樹脂の重合度(固有粘度)が低下しているため、フレーク状またはペレット状の再生原料を用いてボトルを製造した場合には、成形性に劣り、また充分な強度や透明性を有するボトルが得られないという問題があった。
【0005】
また、薬品や溶剤などの化学物質を、消費者が使用済みペットボトルに充填した場合など、化学物質などの不純物が付着した使用済みボトルが回収された使用済みボトル中に混入することが考えられる。たとえば、シンナー、クリーニング剤などの溶剤、殺虫剤、除草剤、農薬、ワックス、モーターオイル、不凍液などの化学物質を、消費者が充填して用いた後のペットボトルが、他の使用済みボトルに混入されることが考えられる。そして、通常の洗浄では、ボトル表面に吸着した化学物質を充分に除去できないため、再生原料を用いてボトルなどの食品容器を製造した場合に、食品衛生上の安全性が確保されにくいという問題があった。
【0006】
このような状況において、ペットボトルをジメチルテレフタレートとエチレングリコールまで分解し、これらを原料としてポリエステルを製造することが提案されている(特開平11-302443号公報参照)。しかしながら、この方法によれば、ポリエステル樹脂成形体をモノマーにまで分解して精製し、再度重合してポリエステルを製造するため、分解および重合に多くの副原料やエネルギーを要し、工程が煩雑であるため、経済的に工業規模で実施できるものではなかった。
【0007】
このため、再生原料の樹脂の重合度を回復させ、再生原料に付着または含浸した不純物および微細な固形異物を高度に除去する洗浄方法の開発が強く望まれており、また、食品容器用途にも好適に使用できる高品質の再生ペレットの出現が強く望まれていた。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、ペットボトルなどのポリエステル樹脂成形体の粉砕物より得られる、成形性に優れた重合度を有し、揮発性物質、付着または含浸した物質、固形異物などの不純物含有量を充分に低減させるポリエステル樹脂の洗浄方法と、ペットボトルなどの食品容器用途にも好適に使用しうる高品質の再生ペレットを提供することを目的とする。
【0009】
【発明の概要】
本発明のポリエステル樹脂の洗浄方法は、
ポリエステル樹脂成形体の粉砕物を、アルカリ金属水酸化物の水溶液と接触させる第1洗浄工程と、
第1洗浄工程終了後の粉砕物を、180〜230℃の不活性気体と接触させる第2洗浄工程と、
第2洗浄工程終了後の粉砕物を、脱揮手段および濾過手段を有する押出機を用いて溶融および造粒する第3洗浄工程と
を有することを特徴としている。
【0010】
また本発明のポリエステル樹脂の洗浄方法は、
ポリエステル樹脂成形体の粉砕物を、アルカリ金属水酸化物の水溶液と接触させる第1洗浄工程と、
第1洗浄工程終了後の粉砕物を、180〜230℃の不活性気体と接触させる第2洗浄工程と、
を有することを特徴としている。
【0011】
前記ポリエステル樹脂成形体の粉砕物は、ペットボトルを粉砕してなるフレークであることも好ましい。
また、本発明のポリエステル樹脂の洗浄方法では、第1洗浄工程において、ポリエステル樹脂成形体の粉砕物の0.1〜5重量%が加水分解されることも好ましい。
【0012】
さらに本発明のポリエステル樹脂の洗浄方法では、第2洗浄工程が、第1洗浄工程終了後の粉砕物を、180〜230℃の窒素と、常圧または減圧下で接触させる工程であることも好ましい。また、押出機が、脱揮手段として樹脂の溶融帯域に少なくとも1個の真空ベントを有していることが好ましく、さらに第3洗浄工程において、真空ベントにより70kPa以下で溶融樹脂中の揮発性物質を脱揮することも好ましい。
【0013】
またさらに、ポリエステル樹脂の洗浄方法では、第3洗浄工程において、溶融樹脂中の粒径25μm以上の粒子を押出機の濾過手段で濾過除去することも好ましい。
また、本発明の再生ペレット、フレークは、上記本発明のポリエステル樹脂の洗浄方法で得られることを特徴としている。
【0014】
【発明の具体的説明】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明で用いるポリエステル樹脂成形体の粉砕物は、特に限定されるものではないが、ポリエチレンテレフタレートを含有するポリエステル樹脂組成物から形成された成形体の粉砕物であるのが好ましく、粉砕物の形状がフレーク状(薄片状)であるのがより好ましく、粉砕物がポリエチレンテレフタレートを主成分とするボトル(いわゆるペットボトル)を粉砕してなるフレークであるのが特に好ましい。ペットボトルのフレーク状粉砕物としては、回収された使用済みのペットボトルを分別、粉砕し、界面活性剤などによる洗浄、すすぎ洗浄、脱水および乾燥を行ったフレーク状物を好適に用いることができる。
【0015】
本発明では、原料としてペットボトルなどのポリエステル樹脂成形体の粉砕物を用いるが、このような原料では、樹脂中の重合触媒の活性は通常低下しており、特に高温で内容物を充填するペットボトルでは、製造時に意図的に樹脂中の触媒が失活されている。このため後述する第2洗浄工程に伴う固相重合反応が進行しにくいものではあるが、粉砕物の形状がフレーク状(薄片状)である場合には第2洗浄工程において、熱伝導性に優れるため良好な固相重合を行うことができ、また、揮発性の不純物を良好に除去できるため好ましい。
【0016】
本発明では、このようなポリエステル樹脂成形体の粉砕物を、3段階の洗浄工程あるいは2段階の洗浄工程により洗浄する。
まずは第1洗浄工程について説明する。第1洗浄工程では、ポリエステル樹脂成形体の粉砕物を、アルカリ金属水酸化物の水溶液を用いて洗浄する。この第1洗浄工程で用いるアルカリ金属水酸化物の水溶液としては、水酸化カリウム水溶液および水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。第1洗浄工程では、アルカリ金属水酸化物の水溶液による洗浄の前に予備洗浄を行ってもよい。
【0017】
第1洗浄工程で用いるアルカリ金属水酸化物の水溶液の濃度は、洗浄時間、温度、撹拌などの条件にもよるが、通常0.5〜10重量%、好ましくは1〜5重量%、より好ましくは2〜4重量%程度であるのが望ましい。また、ポリエステル樹脂成形体の粉砕物と、アルカリ金属水酸化物の水溶液とが接触する第1洗浄工程の洗浄時間は、通常5〜120分、好ましくは10〜60分、より好ましくは20〜40分程度であるのが望ましい。またこのような第1洗浄工程は、撹拌下で行うのが好ましい。
【0018】
このような第1洗浄工程では、アルカリ金属水酸化物の水溶液によって、ポリエステル樹脂成形体粉砕物の表面が少なくとも一部加水分解される。これによって、粉砕物の表面に付着または含浸している不純物、表面に含浸している塩類などの不揮発性物質、表面に食いこんでいる微細な固形異物など、水洗浄あるいは界面活性剤洗浄では除去できない不純物を高度に洗浄除去することができる。このような第1洗浄工程は、洗浄される粉砕物の0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%、より好ましくは0.5〜1.5重量%が加水分解される条件で行うのが望ましい。
【0019】
第1洗浄工程においては、アルカリ金属水酸化物の水溶液による洗浄につづいて、すすぎ洗浄および乾燥を行うのが望ましい。
このようにして得られた第1洗浄工程終了後の粉砕物は、続く第2洗浄工程に供することができる。
【0020】
次に第2洗浄工程について説明する。
一般に、ポリエステル樹脂が、成形性に優れ、所望の機械的強度を有する成形体を形成しうるものであるためには、適度な重合度(固有粘度)を有している必要がある。一方、本発明の処理原料であるポリエステル樹脂成形体の粉砕物は、当初の成形時に加熱されているため、通常、樹脂の重合度(固有粘度)が当初成形時よりも低下している。また、前述の第1洗浄工程における加水分解により、さらに重合度が低下している場合がある。
【0021】
本発明では、第1洗浄工程終了後の粉砕物を、第2洗浄工程に供することにより、粉砕物中の揮発性成分の一部を除去するとともに、樹脂の重合度を向上させ、成形体の製造に適切な重合度に調整することができる。
【0022】
第2洗浄工程は、第1洗浄工程終了後の粉砕物を、180〜230℃の不活性気体と接触させることにより行うことができる。第2洗浄工程は、第2洗浄工程終了後の粉砕物の固有粘度が、通常0.75〜0.95dl/g、好ましくは0.75〜0.9dl/g、特に好ましくは0.77〜0.9dl/gとなる条件で行うのが望ましい。
【0023】
このような第2洗浄工程は、通常180〜230℃、好ましくは190〜230℃、より好ましくは195〜210℃の不活性気体と接触させることにより行うのが望ましい。不活性気体としては、粉砕物との接触を行う条件において、反応性を有さない気体をいずれも用いることができるが、具体的には、窒素ガス、希ガスなどが挙げられ、このうち窒素ガスを用いるのが特に好ましい。
【0024】
このような第2洗浄工程は、回分的に行ってもよく、粉砕物と不活性気体とを交流接触させて連続的に行ってもよい。第2洗浄工程は、固相重合を伴う工程であって、樹脂を固相重合する際に用いる従来公知の重合機などを用いて行うことができる。
【0025】
このような第2洗浄工程で用いた後の不活性気体は、通常原料中の不純物などに由来する揮発性物質を含有するが、該揮発性物質を除去した後、第2洗浄工程に再利用することができる。第2洗浄工程で用いた不活性気体からの揮発性物質の除去は、重合機などの装置出口において、不活性気体中の揮発性物質を吸収または吸着することにより好ましく行うことができる。
【0026】
第2洗浄工程で用いた不活性気体を、揮発性物質を除去した後、第2洗浄工程に再利用する場合には、副原料である不活性気体の使用量を削減することができ、また、不活性気体の加熱に係るエネルギーを削減することができるため経済的であり好ましい。
【0027】
次いで、第2洗浄工程終了後の粉砕物を、必要に応じて、第3洗浄工程に供する。
第3洗浄工程は、固相重合した粉砕物を押出機を用いて溶融・造粒することにより行うことができる。
【0028】
第3洗浄工程における溶融は、固相重合した粉砕物を、押出機の溶融帯域において、通常260〜300℃、好ましくは265〜280℃で溶融混練することにより行われる。押出機は、脱揮手段として、樹脂の溶融帯域に少なくとも1個の真空ベントを有しているのが好ましい。溶融樹脂中の揮発性物質の脱揮は、該真空ベントにより、溶融状態で通常70kPa以下、好ましくは65kPa以下の減圧下で行うのが好ましい。樹脂中の揮発性不純物は、前述した第2洗浄工程においても除去されているが、このような脱揮により、さらに厳密に除去することができる。
【0029】
また、該押出機は、濾過手段として溶融樹脂中の粒径25μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは10μm以上の固形異物を濾過除去できるフィルターを有しているのが好ましく、第3洗浄工程において、溶融樹脂中の粒径25μm以上、好ましくは15μm以上、より好ましくは10μm以上の固形異物が樹脂中から濾過除去されるのが望ましい。樹脂中の固形異物は、前述した第1洗浄工程においても除去されているが、このような濾過除去により、さらに厳密に除去することができる。
【0030】
このようにして揮発性不純物および固形異物を充分に除去した溶融樹脂は、押出機にて、常法により所望の形状および大きさのペレット状に押出成形する造粒を行い、再生ペレットとすることができる。
【0031】
このような本発明のポリエステル樹脂の洗浄方法では、少なくとも一部表面の加水分解を伴う第1洗浄工程と、揮発性物質の除去および固相重合を伴う第2洗浄工程と、必要に応じて揮発性物質をさらに除去し造粒する第3洗浄工程の3工程または2工程により、ポリエステル樹脂を高度に洗浄することができ、成形に適した重合度(固有粘度)を有しており、揮発性不純物および固形異物を実質的に含まない優れた再生ペレットを得ることができる。
【0032】
また、本発明の再生ペレットは、上述した本発明のポリエステル樹脂の洗浄方法により得られるものであって、成形に適した重合度(固有粘度)を有しており、揮発性不純物および固形異物を実質的に含まない高品質なポリエステル樹脂ペレットである。このため、本発明の再生ペレットは、食品用ペットボトル、食品用トレイなどの食品容器用途にも好適に用いることができ、食品を充填することのできる安全性を有している。たとえば、本発明の再生ペレットをペットボトル用途に用いた場合には、充分な成形性および機械的強度を有し、透明性に優れ、食品充填に適した安全性を有するボトルを製造することができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明によれば、使用済みペットボトルなどのポリエステル樹脂成形体の粉砕物を高度に洗浄することのできるポリエステル樹脂の洗浄方法を提供することができる。
【0034】
また、本発明によれば、成形に適した重合度(固有粘度)を有し、揮発性不純物および固形異物を実質的に含まず、食品用途に好適に使用できる優れた再生ペレットを提供することができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0036】
【実施例1】
<模擬汚染ボトルフレークの調製>
トルエン42.5容量%、クロロホルム42.5容量%、ベンゾフェノン5.0容量%、ステアリン酸亜鉛5.0容量%からなる混合液を、ペットボトルに充填し、密栓して、40℃の温浴中で14日間保持し模擬汚染ボトルを調製した。次いで、得られた模擬汚染ボトルを、粉砕機によりフレークとし、模擬汚染ボトルフレークを得た。
【0037】
模擬汚染ボトルフレーク中の、各化学物質の含有量を測定したところ、トルエン30,000ppm、クロロホルム43,000ppm、リンダン2,300ppm、ベンゾフェノン1,800ppm、ステアリン酸亜鉛1,100ppmであった。
<汚染物混入試料の調製>
上記の模擬汚染ボトルフレーク1重量部と、市販のリサイクル用ペットボトルフレーク1000重量部とを混合し、汚染物混入試料とした。
【0038】
汚染物混入試料中における各化学物質の含有量の計算値、および汚染物混入試料の固有粘度測定値を表1に示す。
<第1洗浄工程>
上記の汚染物混入試料を、フレーク濃度10重量%、90℃、20分の条件で、3重量%の水酸化ナトリウム溶液で、撹拌下で洗浄した。次いで蒸留水を用いてすすぎ洗浄を行い、乾燥して第1洗浄フレークを得た。このとき、樹脂の加水分解率は0.7%であった。
【0039】
得られた第1洗浄フレーク中の各化学物質の含有量、および第1洗浄フレークの固有粘度を測定した。結果を表1に示す。
<第2洗浄工程>
第1洗浄フレークを、窒素気流中200℃で窒素と12時間接触させ、フレーク中に含まれる揮発性成分の除去および固相重合を行って、第2洗浄フレークを得た。
【0040】
得られた第2洗浄フレーク中の各化学物質の含有量、および第2洗浄フレークの固有粘度を測定した。結果を表1に示す。これにより、固有粘度(重合度)が上昇し、第1洗浄工程で残存した化学物質量がさらに低減されたことがわかる。第2洗浄工程で得られた第2洗浄フレークを通常の押出機によって造粒してペレットを得ることもできる。
【0041】
<第3洗浄工程>
第2洗浄フレークを、ベントおよびフィルターを有する一軸スクリュー押出機に導入し、シリンダー温度270℃、ベントの真空度60kPaで、溶融状態で揮発性物質を脱揮し、次いで押出機先端部に設置された目開き10μmのフィルターで濾過し、造粒してペレットを得た。
【0042】
得られたペレット中の各化学物質の含有量、およびペレットの固有粘度を測定した。結果を表1に示す。これにより、第1洗浄工程および第2洗浄工程で残存した化学物質量がさらに低減され、また、適度な固有粘度を有する優れたペレットが得られたことがわかる。
【0043】
たとえば、アメリカ連邦食品衛生局(FDA)から示されている、食品用途のポリエチレンテレフタレート樹脂中における汚染化学物質濃度の閾値は、430ppbであるが、実施例1に示されるように、本発明によれば、高濃度で汚染化学物質が含まれる原料を用いた場合であっても、食品用途に使用できる高品質の再生ペレットが得られることがわかる。
【0044】
また、一般に固有粘度が0.75〜0.85dl/gである重合度の樹脂が、ペットボトル用樹脂として用いられるが、実施例1に示されるように、本発明によれば、ペットボトルの成形などに適した固有粘度を有する再生ペレットが得られることがわかる。
【0045】
【表1】
Claims (9)
- ポリエステル樹脂成形体の粉砕物を、アルカリ金属水酸化物の水溶液と接触させる第1洗浄工程と、
第1洗浄工程終了後の粉砕物を、180〜230℃の不活性気体と接触させる第2洗浄工程と、
第2洗浄工程終了後の粉砕物を、脱揮手段および濾過手段を有する押出機を用いて溶融および造粒する第3洗浄工程と
を有することを特徴とするポリエステル樹脂の洗浄方法。 - ポリエステル樹脂成形体の粉砕物を、アルカリ金属水酸化物の水溶液と接触させる第1洗浄工程と、
第1洗浄工程終了後の粉砕物を、180〜230℃の不活性気体と接触させる第2洗浄工程と、
を有することを特徴とするポリエステル樹脂の洗浄方法。 - ポリエステル樹脂成形体の粉砕物が、ペットボトルを粉砕してなるフレークであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル樹脂の洗浄方法。
- 第1洗浄工程において、ポリエステル樹脂成形体の粉砕物の0.1〜5重量%が加水分解されることを特徴とする請求項1、2または3に記載のポリエステル樹脂の洗浄方法。
- 第2洗浄工程が、第1洗浄工程終了後の粉砕物を、180〜230℃の窒素と、常圧または減圧下で接触させる工程であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル樹脂の洗浄方法。
- 押出機が、脱揮手段として樹脂の溶融帯域に少なくとも1個の真空ベントを有しており、
第3洗浄工程において、真空ベントにより70kPa以下で溶融樹脂中の揮発性物質を脱揮することを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂の洗浄方法。 - 第3洗浄工程において、溶融樹脂中の粒径25μm以上の粒子を押出機の濾過手段で濾過除去することを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂の洗浄方法。
- 請求項1〜7のいずれかの洗浄方法で得られる再生ペレット。
- 請求項2に記載の洗浄方法で得られるフレーク。
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