JP4402591B2 - 薬液容器及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薬液容器及びその製造方法に関し、特に、容器内部から吐出される薬液を所定サイズの液滴として形成するための、凸面状若しくは平面状に加工された液滴形成面が形成され、この液滴形成面の中央部には、液滴形成面を貫通する薬液吐出用の細孔が形成されている、口部と容器本体とが一体成形された薬液容器及びその製造方法に関する。
点眼液、点耳液、点鼻液等の薬液容器としては、原料樹脂を溶融させたパリソンをブロー成形して、容器本体とねじ口が一体的に成形された中空成形品を製造し、次いでねじ口91の開口から薬液を充填した後、ねじ口の上面に薬液投与用ノズル92を装着したものが一般的に知られている(図5参照)。しかし、このような薬液容器は、室温変化等によるねじ口と薬液投与用ノズルとの間の寸法誤差等に基づく薬液の液密化の低下や、ねじ口若しくは薬液投与用ノズルのひび割れの可能性がある点で問題があった。また、従来のノズルの液滴形成部は、ノズル天面とそこに設けられた薬液吐出用の孔により形成されているが、その部分が鋭角であるため薬液の滴下時に患部を傷つける危険性があり、特に点眼時に目を傷つける危険性がある。また、従来のノズルは、薬液吐出用の細孔の開口壁が外部方向に凹部形状の液滴形成部を有するため、該凹部形状の液滴形成部は外気等により汚染されやすく、かかる環境下で薬液を滴下すると、薬液は凹部形状の液滴形成部と接触して滴下された後、該凹部形状の液滴形成部に残った液滴が薬液容器内部に逆流する構造となっていることから衛生性に問題がある。
また、上記の薬液容器は、薬液を直接人の目、耳、鼻等に投与するため、特に安全性、衛生性が求められる。このため、製造工場では、薬液とそれを収容する容器も滅菌する必要があり、従来の薬液容器では、薬液投与用ノズルを自社で生産するか、あるいは他社から購入するかにかかわらず、滅菌処理に伴うコストは無視できないものであった。
また、他のタイプの薬液容器としては、原料樹脂を溶融させたパリソンをブロー成形して、容器本体とねじ口が一体的に成形された中空成形品を製造し、次いでねじ口の開口から薬液を充填した後、ねじ口の開口を融着した薬液容器が知られている。この薬液容器は、図6に示すように、消費者がねじ込みキャップ95の内部に設けられたスパイクピン96を用いて、使用時にキャップをねじ口97にねじ込んでねじ口の上面に薬液投与用の細孔を開けて使用するものである。
確かに、このタイプの薬液容器は、薬液投与用ノズルをねじ口の上面に装着する必要がないので、先の薬液容器の問題点を改善できるものではあるが、消費者がキャップをねじ込む際に、切削された樹脂クズが容器内部に入る可能性があるため、必ずしも安全性、衛生性が十分確保されているとはいえない点で問題があった。さらに、このタイプの薬液容器は、スパイクピン96を装脱着する回数が増えるにしたがい、薬液投与用の細孔が徐々に広がり、薬液投与時に形成される液滴が大きくなるため、薬液の投与量を一定に維持し難いという問題もあった。
本発明は、口部と容器本体とが一体成形された従来の薬液容器に見られる上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、薬液の滴下時、特に点眼時に目を傷つけることなく安全であり、繰り返し使用した場合においても、薬液の滴下、投与量を一定に維持することができ、また衛生性に優れ、さらに連続した生産安定性にも優れる口部構造を有する薬液容器及びその製造方法を提供することにある。
本発明の薬液容器は、容器本体と口部とが一体成形され、かつその内部に薬液が充填された熱可塑性樹脂からなる薬液容器であって、上記口部の先端には、容器内部から吐出される薬液を所定サイズの液滴として形成するための、凸面状若しくは平面状に加工された液滴形成面が形成され、この液滴形成面の中央部には、液滴形成面を貫通する薬液吐出用の細孔が形成されていることを特徴とする。
なお、液滴形成面の凸面状は、平面から30度の範囲にあるものが好ましく、平面から20度の範囲にあるものが更に好ましく、平面から12度の範囲にあるものが特に好ましい。
本発明の薬液容器によれば、容器本体を押圧することにより、容器内部の薬液が口部先端部に溜まることなく細孔から円滑に吐出され、この吐出された薬液は、自己の表面張力により液滴形成面上で所定サイズの液滴を形成することができるので、薬液投与量を常に一定量に維持することができ、また薬液の滴下時、特に点眼時に目を傷つけることなく安全であり、また衛生性に優れている。また、かかる薬液容器の口部構造によれば、口部の二次加工時において、口部の先端に複雑な形状をした成形部材を嵌め込む必要もなく、細孔を形成するだけでよいので、薬液容器を連続して安定的に製造することができる。
本発明では、口部の先端を構成する面全体を液滴形成面としてもよいし、その一部分を液滴形成面とすることもできる。特に、後者の場合、口部の先端中央部に凸部を設け、その天面を液滴形成面とすることが好ましい。かかる凸部を設ければ、口部の上部周側面の径の大きさに関係なく所定サイズの液滴を形成することができる。すなわち、口部の先端を構成する面全体を液滴形成面とする場合、口部の上部周側面の径が大きいときでも、液滴の大きさを制御するため、液滴形成面を所定の大きさに保つ必要があるが、かかる場合口部の上部周側面を液滴形成面に向かって先細りにする結果、液滴形成面の周縁における液滴を形成するために必要なエッジが必要量確保できない場合がある。しかし、口部の先端中央部に凸部を設けてその天面を液滴形成面にすれば、上記の問題が解決され、所定サイズの液滴を形成することができる。
このような新規な液滴形成手段を採用する場合には、液滴形成面の外径を1〜6mmの範囲に設定することが好ましく、とりわけ2〜4mmの範囲に設定することが特に好ましい。かかる範囲に設定することにより、液滴として好適な大きさ(滴下量として25〜100μlに相当する程度の大きさ)を形成することができる。また、上記に示した液滴形成面の外径は、薬液の表面張力を指標として最適値を設定すればよい。具体的には、薬液の表面張力が大きい場合には外径を小さくし、他方、薬液の表面張力が小さい場合には、外径を大きくすることにより、個々の薬液に応じた外径を設定することができる。また、薬液吐出用の細孔の口部先端側の口径は、滴下量に応じて0.05〜0.9mmの範囲に設定することが好ましい。すなわち、細孔の口径は薬液を吐出することを主目的として形成すればよく、かかる観点からすれば上記の如くできるだけ小さい口径とすることが好ましい。
本発明の薬液容器を構成する原料樹脂としては、曲げ弾性率が500〜5000MPaの範囲にあるものが好ましく、1500〜4000MPaの範囲にあるものが更に好ましい。このような曲げ弾性率を示す熱可塑性樹脂を用いることにより、凸面状若しくは平面状に加工された液滴形成面を容易に形成することができる。本発明者の検討によると、かかる要求を具備する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を挙げることができる。
本発明の薬液容器は、上記の構成に加え、口部の先端には周囲よりやや隆起した台座部が設けられ、該台座部の天面は、容器内部から吐出される薬液を所定サイズの液滴として形成するための、平面状に加工された液滴形成面とされるとともに、該液滴形成面の周縁には、前記台座部の側壁に対して略水平方向に突出した鍔部が形成されていることを特徴とする。かかる構成を採用することにより、薬液を滴下した後で、薬液容器を傾斜した状態から直立させようとするときに、液滴形成面上に残った薬液が、その周縁の下側を伝って液垂れするのを効果的に防止することができる。
かかる液垂れ防止効果に優れた薬液容器としては、上記の構成とは別に、口部の先端には周囲よりやや隆起した台座部が設けられ、該台座部の天面は、容器内部から吐出される薬液を所定サイズの液滴として形成するための、平面状に加工された液滴形成面とされるとともに、前記台座部の側壁には、略水平方向に突出した環状鍔部が形成されるようにしてもよい。かかる構成を採用することにより、上記液垂れ防止効果に加えて、薬液の滴下時に液滴の形成を行なう液滴形成面と、薬液の滴下後に液滴形成面に残存した薬液の液垂れを防止する環状鍔部とをそれぞれ独立した構成とすることができるので、薬液容器の注液部の先端形状や大きさに対応して薬液容器の設計の自由度を高めることができる。
本発明では、後述するように薬液吐出用の細孔を形成するための製造方法の一つとして、凸面状若しくは平面状に加工された口部先端の液滴形成面の上方からピン部材を下方向に垂直に打ち込んで口部の内部に貫装し、次いでピン部材を引き抜く工程を採用している。
より具体的には、本発明の薬液容器の製造方法は、容器本体と口部とが一体成形され、該口部の先端は凸面状若しくは平面状に加工された液滴形成面を備え、かつ内部に薬液が充填された熱可塑性樹脂からなる成形容器を被加工体として、上記口部の先端を含む口部の上部と略同形のキャビティーを備える成形部材を口部に嵌め込むことにより口部の上部を熱溶融する一方、口部の先端中央部にピン部材を打ち込んで口部の内部に貫装し、次いでピン部材と成形部材を口部から離脱させることを特徴とする。
かかる製造方法を採用することにより、口部の先端の二次加工は、実質的にピン部材を使用した細孔の形成だけとなり、非常に簡易なものとなるので、本発明の薬液容器を歩留まりよく安定的に製造することができる。
また、上記のピン部材に代えて、レーザー光を口部の先端中央部に照射することにより薬液吐出用の細孔を形成することによっても本発明の薬液容器を製造することができる。かかるレーザー加工を採用することにより、細孔の加工精度を向上させることができる。
本発明の薬液容器は、上記の構成に加えて、薬液吐出用の細孔の口径が、口部先端側より口部後端側の方が大きく形成されていることを特徴とする。かかる断面略ハの字形の細孔を採用することにより、上記の効果に加えて、従来のノズルは、薬液吐出用の細孔の開口壁が外部方向に凹部形状の液滴形成部を有するため、該凹部形状の液滴形成部は外気等により汚染されやすく、かかる環境下で薬液を滴下すると、薬液は凹部形状の液滴形成部と接触して滴下された後、該凹部形状の液滴形成部に残った液滴が薬液容器内部に逆流する構造となっていることから衛生性に問題があるのに対し、本発明の薬液容器は、液滴形成部の細孔の開口壁が全て薬液容器の内部方向を向いているため、薬液の滴下を終えて容器本体の押圧を解除した際に、細孔の開口壁に残存した微量の薬液は、薬液容器の外部と接触することなく衛生性の高い状態が保持されたままその後の使用に供されるとともに、薬液の滴下後において、細孔の開口壁に薬液が極微量しか残らないため、薬剤の結晶析出による危険性も効果的に回避することができる。
上記断面略ハの字形の細孔を有する薬液容器を確実に製造する方法としては、容器本体と口部とが一体成形され、該口部の先端は凸面状若しくは平面状に加工された液滴形成面を備え、かつ内部に薬液が充填された熱可塑性樹脂からなる成形容器を被加工体として、前記口部の液滴形成面に対するレーザー光の照射角度を一定に保持した状態で、該液滴形成面の中央部にレーザー光を照射する一方、前記液滴形成面に対する前記レーザー光の照射方向を変化させる方法が挙げられる。ここで、「照射角度」とは、前記液滴形成面に入射するレーザー光と、該液滴形成面の法線とのなす角度をいう。また、「レーザー光の照射方向を変化させる」とは、前記液滴形成面の周方向から中央部に至る数多くの照射方向の中から、少なくとも2以上の異なる照射方向からレーザー光を照射することをいう。
より詳細には、例えば、容器本体と口部とが一体成形され、該口部の先端は凸面状若しくは平面状に加工された液滴形成面を備え、かつ内部に薬液が充填された熱可塑性樹脂からなる成形容器を被加工体として、前記口部の液滴形成面に対するレーザー光の照射角度を一定に保持した状態で、該液滴形成面の中央部にレーザー光を照射する一方、前記液滴形成面に対して垂直方向で、かつ該液滴形成面の中心を通る直線を回転軸として前記被加工体を回転させる方法が挙げられる。この方法によれば、レーザー光の光源となるレーザー発振器を固定した状態で、液滴形成面の法線を回転軸として被加工体を回転させればよいので、製造設備の小型化を図ることができる。
他の例としては、例えば、容器本体と口部とが一体成形され、該口部の先端は凸面状若しくは平面状に加工された液滴形成面を備え、かつ内部に薬液が充填された熱可塑性樹脂からなる成形容器を被加工体として、前記口部の液滴形成面に対するレーザー光の照射角度を一定に保持した状態で、該液滴形成面の中心を頂角として、前記レーザー光を放出する光源を回転させて円錐を形成したときに、該円錐の底面をなす円軌道上の複数の点から、前記液滴形成面の中央部にレーザー光を照射する一方、前記液滴形成面に対して垂直方向で、かつ該液滴形成面の中心を通る直線を固定軸として前記被成形体を保持する方法が挙げられる。
この方法によれば、レーザー光の光源となるレーザー発振器を複数用いれば、レーザー発振器および被成形体のいずれも製造中に回転させる必要がなくなるため、本発明の薬液容器をより一層確実に安定して製造することができる。
図1は、本発明の薬液容器の一例を示す断面図である。図2は、薬液容器Aの口部構造の一例を示す拡大断面図である。図3は、本発明の薬液容器の出発容器となる、薬液が充填された成形容器の製造方法の一例を示す製造工程図である。図4は、本発明に係る薬液容器の製造方法の一例を示す製造工程図である。図5は、従来の薬液容器のねじ口部を示す拡大断面図である。図6は、従来の薬液容器のねじ口部を示す拡大断面図である。図7は、薬液容器Bの口部構造の一例を示す拡大断面図である。図8は、鍔部を有する薬液容器の口部構造の実施形態の一例を示す拡大断面図である。図9は、薬液容器Bの製造方法の一例を示す概略図である。
図1は、本発明の薬液容器の一例を示す断面図である。薬液容器Aは、熱可塑性樹脂を原料樹脂として、容器本体23とその上部に設けられた口部61とがブロー成形により一体的に構成されており、その内部には薬液31が充填されている。また、口部61は、図示しないキャップを装着するための胴部62と、その上部に設けられた注液部63とから構成されている。この胴部62の外側周側面には、キャップを装着するための凸条ネジ部62aが螺旋状に形成されており、また、注液部63は、その周側面が口部の先端に向かって先細りになり、かつ先端がカットされた円錐状の筒状体とされている。この注液部63の先端には、凸面状若しくは平面状で、上方から見て円形の液滴形成面64が形成されており、この液滴形成面64の中央部には、液滴形成面を上下方向に貫通する薬液吐出用の細孔65が形成されている。
本発明において細孔65は、容器本体23の胴部を押圧したときに生じる容器内部にかかる圧力により、容器内部の薬液31を容器外部に吐出するための導出口としての役割を有するものである。したがって、細孔65の上下方向の断面形状としては、図2(a)、(b)に示したように、上下方向に一定の開口径を有するようにして液滴形成面を貫通させることが一般的に好ましい。
また、本発明において、液滴形成面64は、主として細孔65から吐出された薬液31を所定サイズの液滴として形成する役割を有するものである。
細孔65の上下方向の断面形状としては、繰り返し使用した場合の薬液の衛生性を効果的に維持する観点、ならびに薬剤の結晶析出による危険性を回避する観点から、口部先端側より口部後端側の径を大きく形成することが好ましい(図7(a)、(b)参照)。すなわち、従来のノズルは、薬液吐出用の細孔の開口壁が外部方向に凹部形状の液滴形成部を有するため、該凹部形状の液滴形成部は外気等により汚染されやすく、かかる環境下で薬液を滴下すると、薬液は凹部形状の液滴形成部と接触して滴下された後、該凹部形状の液滴形成部に残った液滴が薬液容器内部に逆流する構造となっていることから衛生性に問題があるが、かかる断面略ハの字形の細孔を採用することにより、細孔を構成する開口壁が全て薬液容器の内部方向を向いているため、薬液の滴下、投与を終えて容器本体の押圧を解除した際に、細孔の開口壁に残存した微量の薬液は、薬液容器の外部と接触することなく衛生性の高い状態が保持されたままその後の使用に供されるため、長期間繰り返し使用した場合でも薬液の衛生性は当初に近い状態が効果的に維持される。また、薬液の滴下、投与後において細孔の開口壁に薬液が極微量しか残らないため、例えば、薬剤の結晶析出による固形物の眼球への滴下や成分量の誤った用法等の危険性を効果的に回避することができる。なお、以後の説明において、上記断面略ハの字形の細孔を有する薬液容器について説明するときは、「薬液容器B」という。
続いて、本発明の薬液容器の口部構造を創製した理由について説明する。まず、本発明の薬液容器は、その使用時において一定の液滴を滴下、投与する必要があるので、容器本体を押圧したときに、常に一定サイズの液滴が形成され、一定量の液滴を滴下投与することができる口部構造を採用する必要がある。また、本発明においては、容器本体と口部とが一体成形され、かつその内部に薬液が充填された成形容器をブロー成形により一旦製造し、次いで口部の先端に薬液吐出用の細孔を別途形成する製造工程を採用する。そのため容器本体を押圧したときに、常に一定サイズの液滴が形成され、一定量の液滴を滴下投与することができる口部構造であって、かつ連続生産性に優れたものを採用することがポイントとなる。
本発明者は、まず一旦製造した成形容器の口部先端に成形部材を嵌め込んで凹部を設け、この凹部の最下部に細孔を貫通形成した口部構造を検討したところ、繰り返し薬液容器を使用した場合において、凹部の周囲に形成される容器内のスペースに薬液が気泡を含んだ状態で必要以上に溜まりやすく、容器本体を押圧した際に、この気泡を噛み込んだ状態で薬液が容器外部に吐出されるので、押圧に伴なう薬液の円滑な吐出が妨げられやすく、ひいては一定サイズの液滴を形成することが難しくなることが判明した。
そこで、本発明者は、容器の口部先端を上記のような気泡形成スペースを有しない構造とすべく、図1または図2(a)、(b)に示したように、口部61の先端上面を凸面状(図2(a)参照)若しくは平面状(図2(b)参照)に加工したところ、口部の先端内部において薬液31がほとんど溜まることなく、容器内部の薬液が円滑に細孔65から吐出され、これに加えて口部先端の液滴形成面64上で一定サイズの液滴が形成され、一定量の液滴を滴下投与することができることを確認した。
また、本発明では、図2(a)、(b)に示したように口部61の先端を構成する面全体を液滴形成面とする構成以外に、図2(c)に示したように、その一部分を液滴形成面64とすることもできる。この場合、口部の先端中央部に凸部を設け、その天面を液滴形成面64とすることが好ましい。凸部の全体形状としては、図2(c)に示したような円柱状の形状としてもよいし、液滴形成面に向けて先細りとなる形状(例えば、台形状)を採用してもよい。かかる凸部を設ければ、口部61の注液部63の周側面の径の大きさに関係なく所定サイズの液滴を形成することができる。すなわち、口部の先端を構成する面全体を液滴形成面とする場合、口部61の注液部63を構成する周側面の径が大きいときでも、液滴の大きさを制御するため、液滴形成面を所定の大きさに保つ必要があるが、かかる場合注液部63を液滴形成面に向かって先細りにする結果、液滴形成面の周縁における液滴を形成するために必要なエッジが必要量確保できないおそれが生じる。しかし、口部の先端中央部に凸部を設けてその天面を液滴形成面64にすれば、液滴形成面の大きさを任意に制御することができるので、上記の問題が解決され、所定サイズの液滴を形成することができる。
なお、本発明では、注液部63の径は、液滴量の量に比して大きくするのが好ましい。これにより、薬液容器を使用した場合に、気泡が注液部63に溜まることなく薬液を滴下投与することができる。
本発明において液滴の大きさは、液滴形成面64の外径によって制御することができる。ここで、本明細書において、「液滴形成面の外径」とは、液滴形成面の一の端部から中央部を通って他の端部に至るまでの液滴形成面に沿った長さをいい、本発明では、1〜6mmの範囲に設定することが好ましい。また、薬液吐出用の細孔の口部先端側の口径はできるだけ小さいものとすることが好ましく、本発明では0.05〜0.9mmの範囲に設定することが好ましい。
さらに、本発明では、図2(a)(b)に示したように、液滴形成面64の周縁部は面取り処理が施されていることが好ましい。
本発明では、薬液容器の口部の先端構造として、上記図2や図7に示される液滴形成面に加えて、薬液の滴下終了後の液垂れを効果的に防止するための鍔部を併せて設けることが好ましい。図8(a)は、かかる鍔部を有する薬液容器の第一の実施形態を示したものである。図8(a)では、口部の先端には周囲よりやや隆起した台座部66が設けられ、該台座部66の天面は、平面状に加工された液滴形成面64とされている。この液滴形成面64の周縁には、前記台座部66の側壁68に対して略水平方向に突出した鍔部67が形成されている。かかる鍔部67を採用することにより、薬液を滴下した後で薬液容器を傾斜した状態から直立させようとするときに、液滴形成面上に残った薬液が、鍔部67の下側を伝って液垂れするのを効果的に防止することができる。
図8(b)は、かかる液垂れ防止効果に優れた薬液容器の第二の実施形態を示したものである。図8(b)では、口部の先端には周囲よりやや隆起した台座部66が設けられ、該台座部66の天面は、平面状に加工された液滴形成面64とされている。そして、この液滴形成面64の側壁68には、略水平方向に突出した環状鍔部69が形成されている。かかる構成を採用することにより、上記液垂れ防止効果に加えて、薬液の滴下時に液滴の形成を行なう液滴形成面64と、薬液の滴下後に液滴形成面に残存した薬液の液垂れを防止する環状鍔部69とをそれぞれ独立した構成とすることができるので、薬液容器の注液部の先端形状や大きさに対応して薬液容器の設計の自由度を高めることができる。
図8の(a)と(b)のそれぞれにおいて、鍔部67と環状鍔部69の厚みは、優れた液垂れ防止効果を発揮させる観点から、できるだけ肉薄にすることが好ましく、好ましくは0.05〜3.0mmであり、さらに好ましくは0.1〜0.3mmである。
なお、本発明では、必ずしも上記の凸条ネジ部62を設ける必要はなく、口部胴部62の外側周側面をフラットにしてキャップを嵌め込む形式を採用してもよい。また、注液部63の外側周側面の形状についても、上記のように先端に向かって先細りとされる形状以外に、他の形状、例えば円筒状の形状も採用することができる。
続いて本発明の薬液容器の製造方法について説明する。図3は、本発明の薬液容器の出発容器となる、薬液が充填された成形容器の製造方法の一例を示したものである。図4は、本発明に係る薬液容器の製造方法の一例を示したものである。以下では、図1に示した薬液容器Aの製造方法の実施態様を例として取り上げ、まず図3に示す薬液が充填された成形容器の製造方法について説明し、次に図4に示す薬液容器の製造方法について説明する。
[薬液が充填された成形容器の製造方法]
本発明において、薬液が充填された成形容器26(以下、単に「成形容器」という)の製造方法は特に限定されるものではないが、生産性、コスト等を考慮すると公知の成形充填装置を用いた成形充填システム(BFSシステム)を採用することが好ましい。また、成形充填装置は、安全性、衛生性の点から無菌室に設置されることが好ましい。
図3の製造工程は、金型を中心とする成形充填部のみを概略的に示したものであり、金型11は、容器本体23を成形する金型本体12,13と、これらの上部に設けられた容器の口部61を成形する圧着シール金型14,15とから構成されている。この圧着シール金型14,15には、容器の口部に相当するキャビティー(空間部)14a,15aが設けられており、また、金型本体12,13には、容器本体の形状に相当するキャビティー(空間部)12a,13aが設けられている。
一連の工程は概略、(1)溶融樹脂の押出し、(2)ブロー成形、(3)薬液充填、(4)密封工程、(5)取り出し工程に分けることができ、以下各工程について順次説明する。
(1)まず、図示しない押出機から溶融樹脂が押出され、ブロー成形用のクロスヘッド41に供給される。この溶融樹脂は、クロスヘッド41から筒状のパリソン21として金型本体12,13のキャビティー12a,13aの最下部まで下向きに押出される。
(2)左右の金型本体12,13が閉じ、クロスヘッド41が上方に移動した後、吹き込みノズル42が金型11の上方から挿入される。そして吹き込みノズル42からエアーが吹き込まれることにより、容器本体23と口部24を備える中空成形品22が成形される。この中空成形品22の口部24には、上方に向かって拡径する開口25が形成されている。
なお、上記吹き込みノズル42は、通常吹き込みエアーの供給と排気を兼用する給排気通路と後述する薬液を充填する薬液供給ノズルの2重管とされている。
(3)吹き込みノズル42の内側にある薬液を供給するための充填ノズル42aより、所定量の薬液31が中空成形品22の内部に充填される。なお、本発明において充填される薬液31は、点眼薬、点耳液又は点鼻液等として用いられるものであれば、薬液の成分、種類などの制限を受けるものではない。
(4)吹き込みノズル42が金型11の上方に移動した後、圧着シール金型14,15が閉じて、中空成形品22の口部上部の開口25が圧着力で融着シールされることにより、新たな口部61が成形される。また、この工程により容器内部の薬液31が密封される。
(5)金型11が開いて、成形容器26が取り出される。成形容器26は、後述する二次加工の生産安定性の観点から、この段階において図4(a)に示すように細孔を除く全ての構造が形成されていることが好ましい。
[薬液容器の製造方法]
図4は、薬液容器Aの製造方法の一例を示したものである。本実施例においてこの薬液容器Aは、液滴形成面64の中央部に薬液吐出用の細孔を新たに形成することにより製造される。
一連の工程は概略、(1)注液部63に成形部材51を嵌め込んで加温する工程、(2)液滴形成面64にピン部材57を打ち込んで薬液吐出用の細孔を形成する工程、(3)成形部材51とピン部材57を離脱させる取り出し工程とに分けることができる。この一連の成形工程を実施する製造設備は、上述した成形容器26の製造設備とは独立した製造ラインとしてもよいし、成形容器26の製造ラインに組み込んで一連の製造ラインとしてもよい。
上記いずれの製造ラインを採用するにしても、薬液容器Aの製造設備は無菌室に設置されることが好ましい。以下、図4を参照しつつ各工程に分けて説明する。
成形部材51が成形容器26の先端に設けられた注液部63の上方から下方に移動して注液部63に嵌め込まれる(図4(a)(b)参照)。なお、図4において、本実施例の成形の対象物となる成形容器26並びに成形後の薬液容器Aは、それぞれ口部61を中心とする正面図を示したものであり、注液部63については、説明の便宜上断面図を模式的に示した。成形部材51は、主として注液部63全体を仕上げ成形する役割を有するものであり、本体部51aと、この本体部51aの周囲に装着された加熱手段53と、本体部51aの中心に設けられた注液部63と略同形のキャビティー52と、から構成されており、このキャビテイー52の上端中央部から成形部材51の上端にかけては、後述するピン部材57を挿入するための挿入孔54が上下方向に貫通して設けられている。
成形部材51を注液部63に嵌め込むと、注液部63全体が加熱手段53により加温される。なお、本実施例において「加熱手段」とは、面接触による直接加熱または熱媒体による間接加熱を問わず、熱伝導により被加熱対象物を温度制御可能に加熱できるものをいい、具体的にはヒーター、水浴、油浴、熱風等が好ましく用いられる。また、温度、時間等の成形条件は、原料樹脂の種類により適宜設計することができるので一律に条件を定めることはできない。例えば、成形温度としては、一般的に80〜150℃の範囲が好適である。
次に、成形部材51が注液部63に嵌め込まれた状態で、成形部材51の挿入孔54からピン部材57が挿入される。そして、ピン部材57は液滴形成面64の中央部に打ち込まれて注液部63の内部に貫装される(図4(c)参照)。次いで所定時間経過後、ピン部材57と成形部材51が注液部63から離脱されることにより、液滴形成面64の中央部に細孔65が貫通して形成されて薬液容器Aが製造される(図4(d)参照)。
本実施例において、ピン部材57は、薬液吐出用の細孔65を形成する役割を有する部材である。ピン部材57の形状は、液滴形成面64を所定の大きさに穿孔可能であれば特に限定されないが、一般的には本体を円柱体として、その先端が円錐体に形成されたものが好ましい。この円柱体の直径は、0.05〜1.0mmの範囲が好適である。また、ピン部材の材質は、液滴形成面64を所定の大きさに穿孔可能であれば金属、セラミックス、プラスチックを問わずに用いることができる。また、連続的な成形安定性を維持するため、ピン部材57は20℃前後の室温で用いることが好ましい。
上記のように、ピン部材57は、液滴形成面64に対して回転することなく打ち込みにより穿孔、貫装され、これにより形成される細孔が小さいので、樹脂クズは発生しない。このため成形時に容器内に樹脂の切削クズが入る心配は全くないので、安全性、衛生性に優れた薬液容器を提供することができる。
本実施例では、上記のピン部材57は、成形部材51と連結して構成されている。具体的には、ピン部材57は、その他端において支持台56に固定されている。この支持台56は上述した成形部材51と略同形の大きさを有しており、その片側周縁において連結材55が設けられている。他方、成形部材51には、その周縁において、上記連結材55が嵌め込まれる嵌合溝55aが設けられている。そして、連結部材55はこの嵌合溝55aに嵌め込まれ、この嵌合溝55aを摺動して上下方向に移動する。このように連結材55を介してピン部材57と成形部材51を連結する方式を採用することにより、図示しない制御部により、注液部63に成形部材51を嵌め込む嵌合工程、ピン部材57による打ち込み工程及び取り出し工程が、効率的に制御される。
なお、実施形態としては、ピン部材57と成形部材51を連結させずに別々の独立した部材として本実施例の工程を順次行なうことも当然に可能である。
また、本実施例では、加熱手段53が成形部材51に装着されているが、本発明はこれに限定されるものではなく他の実施形態を採用することもできる。例えば、成形部材51を注液部63に嵌合する前段階で、独立した加熱手段(例えば熱風ヒーター等)を用いて注液部63を加温し、その後加熱手段が装着されていない成形部材51を用いて、本実施例と同様の熱溶融成形を行なうこともできる。
本発明の薬液容器に用いられる樹脂としては、ブロー成形可能な熱可塑性樹脂であって、ASTM D 790による曲げ特性試験で得られる曲げ弾性率が500〜5000MPaの範囲にある樹脂が好ましく、1500〜4000MPaの範囲にある樹脂が更に好ましい。具体的には、曲げ弾性率が500MPaを下回る低密度ポリエチレン(LDPE)や塩化ビニル樹脂(PVC)のような軟質プラスチックを除く半硬質プラスチック若しくは硬質プラスチックが好ましく用いられる。また、曲げ弾性率が5000MPaを上回る樹脂は、製造コスト、成形加工性等の点で一般に本発明には適さない。
また、具体的な原料樹脂としては、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ABS樹脂、メタクリル樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)から選ばれる一種又は二種以上の樹脂が好ましく用いられる。また、これらの原料樹脂は、上記の曲げ弾性率の範囲にある限り、ランダム共重合体、ブロック共重合体等の共重合体でもよく、またこれらのポリマーブレンドであってもよい。上記の中で本発明に特に好適な樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を挙げることができる。
また、本発明においては、上記のピン部材を用いる代わりに口部の先端中央部にレーザー光を照射することによっても細孔を形成することができる。レーザーの種類は樹脂加工に通常用いられるものであれば特に限定されるものではないが、本発明では、得られる薬液容器の優れた加工適正の観点から、赤外線レーザーの一種であるCOレーザー若しくはYAGレーザーが好ましく用いられる。このレーザー加工を用いて細孔を形成することにより、上記のピン部材を用いた場合よりもさらに細孔径を小さくすることが可能となり(例えば細孔径として0.01mm)、加工精度も向上させることができる。
続いて、前記した断面略ハの字形の細孔を有した薬液容器Bの製造方法について説明する。薬液容器Bの製造方法としては、例えば、図3の製造工程で得られた成形容器を被加工体として、前記口部の液滴形成面に対するレーザー光の照射角度を一定に保持した状態で、該液滴形成面の中央部にレーザー光を照射する一方、前記液滴形成面に対して垂直方向で、かつ該液滴形成面の中心を通る直線を回転軸として前記被加工体を回転させる方法が挙げられる。この方法によれば、レーザー光の光源となるレーザー発振器を固定した状態で、液滴形成面の法線を回転軸として被加工体を回転させればよいので、製造設備の小型化を図ることができる。
被加工体を回転させる方法としては、例えば、レーザー光を連続して照射しつつ被加工体を回転軸まわりに所定速度で連続して動かして1回転させる方法、或いは被加工体を固定した状態でレーザー光を照射し、次いで被加工体を回転軸まわりに所定角度(例えば、60度、90度、120度または180度)だけ回転させてから固定した状態にしてレーザー光を再度照射する工程を被加工体の回転軸が1回転するまで繰り返す方法が挙げられる。前者の方法では、得られる細孔の横断面をきれいな円形に加工できるので、薬液の滴下、投与後において細孔の中における薬液の残存量をより一層少なくすることができる。また、後者の方法では、必要なタイミングでレーザー光を照射すればよいので、製造コストの低減を図ることができる。
前記した後者の方法について、図面を参照しつつ具体的に説明する。図9において、例えば、図3の製造工程で得られた被加工体26は、その口部の胴部62が容器回転治具101で固定された状態で、上方からレーザー光110による照射を受ける。ここで、前記容器回転治具101は、ともに略矩形の固定治具102と可動治具103とからなり、該固定治具102と該可動治具103はその一端にて、固定部材104を介して回転可能に接合されている。前記可動治具103は、被加工体26の液滴形成面64に対するレーザー光110の照射角度(例えば10度)に応じてあらかじめ固定治具102に対する相対的な角度が定められる。
前記可動治具103内には、所定速度で回転可能な軸受105が嵌め込まれているとともに、該軸受105の内周面には、被加工体26の胴部62を所定位置で保持するための位置決め部材106が嵌め込まれている。被加工体26は、レーザー光の集束点が液滴形成面64上に来るように前記位置決め部材106の内周面に保持される。この状態で、例えば、パルス幅0.03〜0.1ミリ秒、照射時間0.3〜0.7秒の条件でレーザー光110を液滴形成面64の中央部に照射する。レーザー光110の照射後、前記軸受105を回転させることにより、被加工体26を例えば回転軸120まわりに120度回転させた状態で固定する。そして、上記と同一条件でレーザー光110を照射し、上記一連の工程を被加工体26の回転軸120が1回転するまで繰り返すことにより、得られる細孔の縦断面が略ハの字形で、横断面が三つ葉形状の薬液容器Bが製造される。
上記の製造工程を経て点眼薬、点耳薬、点鼻薬等の薬液の投与に特に好適な口部構造を備えた薬液容器が製造される。なお本発明では、本工程終了後に無菌室にて薬液容器の口部にキャップを装着すれば、薬液容器の製造工程を最初から最後までを無菌室で行なうことができ、安全性、衛生性に優れた薬液容器を提供することができる。
以上説明したとおり、本発明の薬液容器によれば、容器本体を押圧することにより、容器内部の薬液が口部先端内部に溜まることなく細孔から円滑に吐出され、この吐出された薬液は、自己の表面張力により液滴形成面上で所定サイズの液滴を形成することができるので、薬液投与量を常に一定量に維持することができ、また薬液の滴下時、特に点眼時に目を傷つけることがなく安全であり、また衛生性に優れている。

Claims (3)

  1. 容器本体と口部とが一体成形され、該口部の先端は凸面状若しくは平面状に加工された液滴形成面を備え、かつ内部に薬液が充填された熱可塑性樹脂からなる成形容器を被加工体として、前記口部の液滴形成面に対するレーザー光の照射角度を一定に保持した状態で、該液滴形成面の中央部にレーザー光を照射する一方、前記液滴形成面に対する前記レーザー光の照射方向を変化させることを特徴とする、薬液吐出用の細孔の口径が、口部先端側より口部後端側の方が大きく形成されている薬液容器の製造方法。
  2. 容器本体と口部とが一体成形され、該口部の先端は凸面状若しくは平面状に加工された液滴形成面を備え、かつ内部に薬液が充填された熱可塑性樹脂からなる成形容器を被加工体として、前記口部の液滴形成面に対するレーザー光の照射角度を一定に保持した状態で、該液滴形成面の中央部にレーザー光を照射する一方、前記液滴形成面に対して垂直方向で、かつ該液滴形成面の中心を通る直線を回転軸として前記被加工体を回転させることを特徴とする、薬液吐出用の細孔の口径が、口部先端側より口部後端側の方が大きく形成されている薬液容器の製造方法。
  3. 容器本体と口部とが一体成形され、該口部の先端は凸面状若しくは平面状に加工された液滴形成面を備え、かつ内部に薬液が充填された熱可塑性樹脂からなる成形容器を被加工体として、前記口部の液滴形成面に対するレーザー光の照射角度を一定に保持した状態で、該液滴形成面の中心を頂角として、前記レーザー光を放出する光源を回転させて円錐を形成したときに、該円錐の底面をなす円軌道上の複数の点から、前記液滴形成面の中央部にレーザー光を照射する一方、前記液滴形成面に対して垂直方向で、かつ該液滴形成面の中心を通る直線を固定軸として前記被加工体を保持することを特徴とする、薬液吐出用の細孔の口径が、口部先端側より口部後端側の方が大きく形成されている薬液容器の製造方法。
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