JP4402536B2 - 空気圧縮機 - Google Patents

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本発明は、圧縮空気を生成する空気圧縮機に係わり、特に圧縮空気を大気で冷却する空冷式熱交換器を有する空気圧縮機に関する。
一般に、空気圧縮機は、空気を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体を駆動する電動機と、圧縮機本体で生成された圧縮空気を冷却するアフタークーラーを含む空冷式の熱交換器と、この熱交換器を通過する冷却風を生成するための冷却ファンとを備えている。このような空気圧縮機として、冷却ファンの一次側に熱交換器を設置したものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−294335号公報
上記従来技術では以下のような課題が存在する。
すなわち、空気圧縮機は非常に塵埃が多い状況に設置される場合があり、上記従来技術のような構造では、冷却風により吸いこまれた塵埃が空冷式熱交換器に詰まり、時間の経過とともに熱交換器の熱交換性を悪化させる場合がある。一方、このような熱交換性の悪化を防止するためには、定期的な熱交換器の清掃作業が必要となるが、その場合には保守管理に手間がかかるという課題があった。
また、塵埃が熱交換器に詰まることを予防する手段として、上記従来構造において空冷式熱交換器の1次側にフィルター等を設置する構造が考えられる。この場合、熱交換器の詰まりを防止することはできるが、その代わりにフィルターが目詰まりを起こすため、定期的なフィルターの清掃が必要となり、結局は保守管理に手間がかかるという課題があった。
以上のことから、上記従来技術では、熱交換性と保守管理性とを両立することが困難であった。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱交換器の塵埃等による詰まりを防止して熱交換性を維持しつつ、保守管理性を向上することができる空気圧縮機を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、空気を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体を駆動する電動機と、冷却風と熱交換して少なくとも前記圧縮機本体で生成された圧縮空気を冷却する空冷式の熱交換器と、前記冷却風の流路における前記熱交換器の一次側に設けられ、前記冷却風を生成する冷却ファンとを備えた空気圧縮機において、前記冷却ファンの吸込側に一端が接続されて、内周側に前記冷却ファンの吸込経路を形成した円筒状の内筒と、前記内筒の外周側に同心状に配置された円筒状の外筒と、前記外筒の外周側に接続された吸込口と、
前記外筒の内周側と前記内筒の外周側との間に形成されて、前記吸込口の下流側かつ前記吸込流路の上流側に位置し、前記冷却ファンの駆動によって前記吸込口から吸込まれた空気を冷却風として旋回させ、この冷却風中の塵埃を遠心力により分離する旋回流路と、前記外筒及び前記内筒における前記冷却ファンとは反対側に位置し、前記旋回流路と前記吸込経路との間に介在するように設けられ、前記旋回流路で冷却風から分離されてその後の冷却風の進行速度の低下に伴い自重落下した塵埃を溜める捕集室とを有するものとする。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記捕集室は、空気圧縮機に対して着脱自在に設けられるものとする。
(3)上記(1)又は(2)において、好ましくは、前記旋回流路の流路断面中における径方向外周側に、前記冷却風中の塵埃を捕集する捕集手段を設けるものとする。
)上記(又は(2)において、好ましくは、前記外筒の外周側に設けられ、前記外筒の周方向に離間して形成された2つの切り欠き部を介して前記旋回流路に連通する第2の流路を備え、前記第2の流路に、前記冷却風中の塵埃を捕集する捕集手段を設けるものとする。
(5)上記(4)において、好ましくは、前記捕集手段の交換又は清掃が可能なように、前記第2の流路の外壁に開閉機構を設けるものとする。
本発明によれば、熱交換器の塵埃等による詰まりを防止して熱交換性を維持しつつ、保守管理性を向上することができる。
以下、本発明の空気圧縮機の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の第1実施形態を以下に説明する。図1は本発明の空気圧縮機の第1実施形態における冷却系統の全体構造を抽出して示す図である。
この図1に示すように、本実施形態の空気圧縮機の冷却系統は、ダクト1と、このダクト1の上部に横置きに搭載され、圧縮機本体(図示せず)により生成された圧縮空気を冷却するアフタークーラー(図示せず)を含む空冷式の熱交換器2と、この熱交換器2を通過する冷却風を生成するための冷却ファン3と、冷却ファン3の下方において縦向きに同心円状に配置された外筒5及び内筒6と、外筒5に接続された冷却風の吸込口7と、ダクト1の下部に設置された捕集室8とを備えている。
上記冷却ファン3は、ファン3aと、このファン3aを駆動するファンモータ3bと、ファン3aの外周側に設けられたベルマウス3cとから構成されている。また、外筒5はその下端が捕集室8内に若干入り込む程度に内筒6より長めに形成されており、内筒6の上端は冷却ファン3のベルマウス3cに接続されている。これら外筒5と内筒6との間には、冷却風を旋回させるための旋回流路9が形成されている。また、捕集室8は空気圧縮機に対して着脱自在に設けられており、必要に応じて取り外し可能な構造となっている。
以上のように構成される冷却系統における冷却風の流れについて説明する。冷却ファン3の駆動によって空気が吸込口7から吸込まれ、冷却風となって外筒5と内筒6との間に形成された旋回流路9内に導入される。これにより、冷却風は旋回流となり、旋回流路9内を周回しながら下方に進む。このとき、冷却風中の塵埃等は、遠心力により旋回流路9の径方向外周側に押し出され、外筒5の内周壁5aを伝って次第に下方に移動する。冷却風は、旋回しつつ下方に移動し内筒6の下端に到達すると、内筒6の内部に流入して上方に向かう。このとき、外筒5の内周壁5aを伝って下方に移動する塵埃等は、冷却風の流れに乗らずに下方に移動を続け、捕集室8に進入した次点で急激な進行速度の低下によって重力によって落下し、捕集室8内に取り残される。
内筒6の内部を上方に向かって移動した冷却風は、冷却ファン3により上方に押し出されて熱交換器2を通過し、圧縮空気等と熱交換されて、圧縮機外部に排出される。
以上説明した本発明の第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
すなわち、一般に空気圧縮機は非常に塵埃が多い状況に設置される場合があり、前述した従来技術のように冷却風から塵埃を除去せずに熱交換器を通風させる構造では、冷却風により吸込まれた塵埃が熱交換器に詰まり、時間の経過とともに熱交換器の熱交換性を悪化させる場合がある。一方、このような熱交換性の悪化を防止するためには、定期的な熱交換器の清掃作業が必要となるが、その場合には保守管理に手間がかかるという課題があった。
また、このような塵埃が熱交換器に詰まることを予防する手段として、上記従来構造において熱交換器の一次側にフィルター等を設置する構造が考えられる。この場合、熱交換器の詰まりを防止することはできるが、その代わりにフィルターが目詰まりを起こすため、定期的なフィルターの清掃が必要となり、結局は保守管理に手間がかかるという課題があった。
その他にも、上記のような構造における空冷式熱交換器及びフィルターの目詰まりは、冷却風量の減少を招き、スクリュー圧縮機内部部品の全体的な温度上昇へとつながる為、温度上昇による安全装置の作動による非常停止、及び、内部部品の早期損傷化などが生じる可能性があった。また、塵埃等がファンに付着した場合には、ファンのアンバランス量が大きくなり、冷却能力の低下、ファン騒音の増大等を招くおそれがあった。
これに対し、本実施形態によれば、冷却風中に含まれる塵埃等を遠心分離した後に熱交換器2を通過させるので、塵埃等による熱交換器2の詰まりを防止し、熱交換器2の熱交換性を維持することができる。さらに、冷却風中の塵埃等は自動的に捕集室8内に捕集され、塵埃等が溜まった場合には捕集室8を圧縮機から取り外すことにより捕集された塵埃等を容易に取り出すことができる。すなわち、熱交換器やフィルター等の清掃を行う必要がある上記した従来構造に比べ、保守管理性を向上することができる。したがって、熱交換器2の塵埃等による詰まりを防止して熱交換性を維持しつつ、保守管理性を向上することができる。
また本実施形態によれば、上述したようにフィルター等を用いずに熱交換器2の目詰まりを防止できる構造とするため、フィルターの目詰まりによる冷却風の風量の減少を懸念する必要がなく、冷却風量を確実に確保することができる。したがって、冷却風量の減少による温度上昇を原因とする安全装置の作動による非常停止、及び内部部品の早期損傷化などを防止することができる。また、冷却ファン3の塵埃等の付着についても防止できるため、冷却能力の低下、ファン騒音の増大等を防止することができる。
なお、上記では旋回流路9内に特に何も設けなかったが、例えば図2に示すように旋回流路9内にフィルター(捕集手段)10を設けるようにしてもよい。フィルター10としては、冷却風を通過させつつ塵埃等を捕集できる網目状のスクリーン等を用いる。ここでは、図2に示すようにフィルター10は旋回流路9の流路断面中における径方向外周側に部分的に設けられる。前述したように、旋回流路9内では、塵埃等が遠心力により径方向外周側に押し出され外筒5の内周壁5aを伝って移動するので、旋回流路9内の径方向外周側に設ければ足りるからである。
本変形例1によれば、フィルター10を設けることによって、上記の第1実施形態よりも塵埃等の捕集性能を向上することができる。また、熱交換器一次側で塵埃等を捕集するために例えば冷却風の流路の全体にフィルターを設けるような構造に比べ、フィルターが小さくて済む。その結果、コスト低減が図れると共に、フィルターが小さい分清掃作業等の保守管理の手間がかからなくなるので、保守管理性を向上することができる。また、仮にフィルター10が塵埃等で目詰まりした場合であっても、フィルター10は旋回流路9の流路断面の一部を覆うのみであるので、冷却風量はある程度確保される。したがって、冷却流路全体にフィルターを設ける構造と比べて目詰まりの影響を小さくすることができる。
また、上記変形例1では旋回流路9内(外筒5内)にフィルター10を設けるようにしたが、図3に示すように旋回流路9と連通した第2の流路11を外筒5の外部に設け、この第2の流路11内にフィルター10を設けるようにしてもよい。ここでは、図3に示すように外筒5に切り欠き部12,12を設け、この切り欠き部12,12を介して旋回流路9と第2の流路11とを連通させる。前述したように、旋回流路9内では、塵埃等が遠心力により径方向外周側に押し出され外筒5の内周壁5aを伝って移動するので、このように切り欠き部12を設けることにより冷却風の旋回流は塵埃等と共に第2の流路11内に流入する。そして、塵埃等はフィルター10により捕集され、冷却風は出口側の切り欠き部12を介して再度旋回流路9内に戻る。
本変形例2によれば、上記変形例1と同様に塵埃等の捕集性能を向上することができる上、さらに、仮にフィルター10が塵埃等で目詰まりすることで第2の流路が目詰まりしても、旋回流路9は全く影響を受けないので、フィルターの目詰まりの影響を皆無とすることが可能である。また、第2の流路11の外壁13に例えば開閉機構等を設けてフィルター10の交換又は清掃をできるようにすることで、フィルター10の保守管理性を向上することができる。
次に、本発明の空気圧縮機の第2実施形態を以下に説明する。本実施形態は、前述の第1実施形態では換気扇型の冷却ファンを用いたのに対し、シロッコファン型の冷却ファンを用いたものである。
図4は本発明の空気圧縮機の第2実施形態における冷却系統の全体構造を抽出して示す図である。なお、この図4において、前述の図1と同様の部分には同符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の空気圧縮機の冷却系統は、熱交換器2を通過する冷却風を生成するためのシロッコファン型の冷却ファン15と、この冷却ファン15の側方において横向きに同心円状に配置された外筒16及び内筒17と、外筒16に接続された冷却風の吸込口18と、外筒16の冷却ファン15と反対側の端部に設置された捕集室19とを備えている。
上記冷却ファン15は、ファン15aと、このファン15aを駆動するファンモータ15bと、吐出側に設けられたベルマウス15cとから構成されている。また、内筒17はその一方側端部(図4中右側端部)が捕集室19内に若干入り込む程度に外筒16より長めに形成されており、他方側端部(図4中左側端部)は冷却ファン15のベルマウス15cに接続されている。外筒16と内筒17との間には、冷却風を旋回させるための旋回流路20が形成されている。また、捕集室19は着脱自在に設けられており、必要に応じて取り外し可能な構造となっている。
その他の構成は、前述した第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
以上のような構成である本発明の第2実施形態によれば、前述した本発明の第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、本実施形態においても、図2及び図3に示したように、旋回流路20の内部又は外部にフィルタを設ける構造としてもよい。
本発明の空気圧縮機の第1実施形態における冷却系統の全体構造を抽出して示す図である。 本発明の空気圧縮機の第1実施形態において、旋回流路内にフィルターを設けた変形例1の構造を示す水平断面図である。 本発明の空気圧縮機の第1実施形態において、旋回流路に連通する第2の流路を設けた変形例2の構造を示す水平断面図である。 本発明の空気圧縮機の第2実施形態における冷却系統の全体構造を抽出して示す図である。
符号の説明
2 熱交換器
3 冷却ファン
8 捕集室
9 旋回流路
10 フィルター(捕集手段)
11 第2の流路
19 捕集室

Claims (5)

  1. 空気を圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体を駆動する電動機と、冷却風と熱交換して少なくとも前記圧縮機本体で生成された圧縮空気を冷却する空冷式の熱交換器と、前記冷却風の流路における前記熱交換器の一次側に設けられ、前記冷却風を生成する冷却ファンとを備えた空気圧縮機において、
    前記冷却ファンの吸込側に一端が接続されて、内周側に前記冷却ファンの吸込経路を形成した円筒状の内筒と、
    前記内筒の外周側に同心状に配置された円筒状の外筒と、
    前記外筒の外周側に接続された吸込口と、
    前記外筒の内周側と前記内筒の外周側との間に形成されて、前記吸込口の下流側かつ前記吸込流路の上流側に位置し、前記冷却ファンの駆動によって前記吸込口から吸込まれた空気を冷却風として旋回させ、この冷却風中の塵埃を遠心力により分離する旋回流路と、
    前記外筒及び前記内筒における前記冷却ファンとは反対側に位置し、前記旋回流路と前記吸込経路との間に介在するように設けられ、前記旋回流路で冷却風から分離されてその後の冷却風の進行速度の低下に伴い自重落下した塵埃を溜める捕集室とを有することを特徴とする空気圧縮機。
  2. 前記捕集室は、空気圧縮機に対して着脱自在に設けられたことを特徴とする請求項1記載の空気圧縮機。
  3. 前記旋回流路の流路断面中における径方向外周側に、前記冷却風中の塵埃を捕集する捕集手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気圧縮機。
  4. 前記外筒の外周側に設けられ、前記外筒の周方向に離間して形成された2つの切り欠き部を介して前記旋回流路に連通する第2の流路を備え、
    前記第2の流路に、前記冷却風中の塵埃を捕集する捕集手段を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の空気圧縮機。
  5. 前記捕集手段の交換又は清掃が可能なように、前記第2の流路の外壁に開閉機構を設けたことを特徴とする請求項4記載の空気圧縮機。
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