JP4400841B2 - 土壌ガスの放出量測定装置及び測定方法 - Google Patents

土壌ガスの放出量測定装置及び測定方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土壌ガスの放出量測定装置及び測定方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、土壌面の所定範囲から放出されるガスの測定時間中の放出総量を測定する土壌ガスの放出量測定装置及び測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の地球温暖化問題についての関心の高まりから、温暖化に密接に関係する土壌ガスの放出量の監視が行なわれている。
【0003】
従来の土壌ガスの放出量測定方法としては、密閉吸収法、密閉チャンバー法、通気チャンバー法がある。密閉吸収法は、土壌面に設置した測定容器内にガス吸収剤を配置して一日〜数日間放置した後、ガス吸収剤を取り出してガス吸収量を定量し、このガス吸収量に基づいてガス放出量を求めるものである。また、密閉チャンバー法は、土壌から放出されたガスによって容器(チャンバー)内のガス濃度が数秒〜数分間でどの位増加するかを計測し、この結果に基づいてガス放出量を求めるものである。さらに、通気チャンバー法は、容器内に空気を流通させながらその入口付近と出口付近のガス濃度を計測し、これらのガス濃度の差に基づいてガス放出量を求めるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の密閉吸収法は、一日〜数日の比較的長い時間にわたる計測には向いているが、測定容器内のガス濃度が吸収剤の単位時間あたりの吸収能力の大小によって変化するため、測定容器の内外にガス濃度の大きな差が生じることがある。ガス濃度が異なると土壌境界面におけるガスの拡散速度が変化するので、測定容器の内外に大きなガス濃度差が発生している状態で測定を行うと、得られた測定値に大きな誤差を含むことになる。
【0005】
具体的に説明すると、まず、土壌面からのガスフラックスは、以下の数式1によって近似的に表される拡散現象として考えることができる。
【数1】
Fg1=k×(N0−N1)
ここで、Fg1は自然状態のガスフラックス、kは土壌表層部のガス拡散係数、N0は土壌間隙中のガス濃度、N1は自然状態の大気中のガス濃度である。
【0006】
一方、チャンバーなどの測定容器を土壌面に設置して、測定容器内に留まる土壌面からのガスフラックスを計測する場合には、その計測値は実際には数式2による値である。
【数2】
Fg2=k×(N0−N2)
ここで、Fg2は計測されるガスフラックス、N2は測定容器内のガス濃度である。
【0007】
したがって、密閉吸収法では数式1の大気中のガス濃度N1と、数式2の測定容器中のガス濃度N2が大きく異なると、測定値に大きな誤差が含まれることになる。
【0008】
一方、密閉チャンバー法は、ガス放出量の瞬間値を高精度に測定できるという利点を有しているものの、上述の土壌間隙中のガス濃度N0は日変化があるため、例えば1日の放出総量を求めるためには、1日のうち何度も繰り返し計測を行って推定する必要がある。これに加え、密閉チャンバー法では、チャンバー内の微小な濃度増加を計測する必要があり、高精度・高価格のガス濃度計測装置が必要となる。そして、このような計測装置は一般に調整が煩雑で、可搬性に劣り、操作に際して装置に関する高度な知識が必要となる。このため、取り扱いが不便である。
【0009】
また、通気チャンバー法は、ある程度の期間にわたり連続して測定を継続できるので、土壌間隙中のガス濃度N0の日変化には対応可能ではあるが、チャンバー内のガス濃度がチャンバー外のガス濃度よりも大きくなる傾向があり、密閉吸収法と同様に測定値に誤差が含まれることになる。この場合、チャンバー内の空気流量を増加させることで、チャンバー内のガス濃度の増加を抑えることは可能ではあるが、空気流量の増加に伴ってその流速も増加するので、土壌表層部のガス拡散係数に影響を与えるとともに、容器内外の圧力差が大きくなって、測定値に大きな誤差が含まれることになる。また、チャンバーの入口付近と出口付近のガス濃度差は微小であり、この微少なガス濃度差を安定して検出するためには、密閉チャンバー法と同様に、高精度・高価格のガス濃度計測装置が必要となる。
【0010】
そして、土壌から放出されるガスの放出量は場所によって異なるため、同時に測定を行う測定地点を多数設ける必要があり、そのためにも取り扱いが簡便で、かつ安価な測定装置の開発が要請されている。
【0011】
本発明は、所定時間にわたる土壌ガスの放出総量をより正確に測定することができる土壌ガスの放出量測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。また、本発明は、簡便かつ安価に土壌ガスの放出総量を測定できる土壌ガスの放出量測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の土壌ガスの放出量測定装置は、土壌面の所定範囲から放出されるガスを留める測定容器と、通過させた空気中のガス成分を除去する吸収剤を有するガス成分除去手段と、測定容器内のガス濃度が高濃度側の閾値よりも大きくなると、測定容器内の空気をガス成分除去手段に供給すると共に、ガス成分除去手段を通過した空気を測定容器内に戻すように循環させて測定容器内のガス濃度を減少させ、且つ測定容器内のガス濃度が低濃度側の閾値よりも小さくなると循環を停止させることで測定容器内外のガス濃度の差を解消する循環手段を備え、吸収剤はガス成分の吸収によって変化するものであり、この変化に基づいて土壌からのガス放出量を求めるものである。
【0013】
例えば、測定容器を土壌面に被せて設置した場合、土壌から放出されているガスのうち、測定容器が被せられている範囲の土壌から放出されるガスは測定容器内に留まる。そして、測定容器内のガス濃度が測定容器外のガス濃度よりも大きくなると、循環手段が測定容器内の空気をガス成分除去手段に供給し、ここでガス成分が除去された空気を測定容器内に戻す。これにより、測定容器内のガス濃度が減少し、測定容器の外すなわち自然状態のガス濃度との差が解消され、自然状態と同じ状態でガスの放出量を測定できる。ガス成分除去手段の吸収剤は、ガス成分を吸着することで、例えば重量や化学組成等が変化するので、この変化に基づいてガス成分を吸収除去した量を定量することができる。つまり、測定容器内のガス濃度が増加した分だけガス成分を除去し、除去した量に基づいて土壌からのガスの放出総量を求める。
【0014】
また、請求項2記載の土壌ガスの放出量測定方法は、土壌面の所定範囲から放出されるガスを測定容器内に留め、測定容器内のガス濃度が高濃度側の閾値よりも大きくなると、測定容器内の空気をガス成分除去手段に導いてガス成分を除去した後に測定容器内に戻すように循環させて測定容器内のガス濃度を減少させると共に、測定容器内のガス濃度が低濃度側の閾値よりも小さくなると循環を停止させることで測定容器内外のガス濃度の差を解消し、所定時間経過後にガス成分除去手段によるガス成分の除去量に基づいて土壌からのガス放出量を求めるものである。
【0015】
例えば、測定容器を土壌面に被せて設置した場合、土壌から放出されているガスのうち、測定容器が被せられている範囲の土壌から放出されるガスは測定容器内に留まる。そして、測定容器内のガス濃度が測定容器外のガス濃度よりも大きくなると、測定容器内の空気中からガス成分を除去してガス濃度を減少させ、測定容器内外のガス濃度差を解消する。空気中のガス濃度は土壌から放出されるガスの放出量に影響するが、測定容器内外のガス濃度差を解消することで測定容器内のガス濃度が自然状態と同じ状態に保たれ、この状態におけるガスの放出量を測定できる。ガスの放出量は、ガス成分除去手段によって除去されたガス成分の量に基づいて求める。すなわち、ガス成分除去手段を使用して測定容器内のガス濃度を自然状態に維持しながら計測を行い、所定時間経過後にガス成分除去手段による除去量を定量することでガスの放出総量を求めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1に本発明を適用した土壌ガスの放出量測定装置の実施形態の一例を、図2に本発明を適用した土壌ガスの放出量測定方法の実施形態の一例を示す。
【0018】
この土壌ガスの放出量測定装置は、土壌面1aの所定範囲から放出されるガスを留める測定容器2と、通過させた空気中のガス成分を除去する吸収剤3を有するガス成分除去手段4と、測定容器2内のガス濃度が測定容器2外のガス濃度に比べて大きくなると、測定容器2内の空気をガス成分除去手段4に供給すると共に、ガス成分除去手段4を通過した空気を測定容器2内に戻して測定容器2内のガス濃度を減少させて測定容器2の内外のガス濃度の差を解消する循環手段5を備え、吸収剤3はガス成分の吸収によって変化するものであり、この変化に基づいて土壌1からのガス放出量を求めるものである。
【0019】
測定容器2は、例えば底面が開口する円筒形状をなし、測定対象物である土壌1から放出されるガスを逃がさないように土壌面1aにしっかりと被せられている。
【0020】
ガス成分除去手段4は、ケーシング12内に吸収剤3を収容するガス除去器である。ケーシング12には流入ポートと流出ポートが形成され、これらのポートには当該ポートを開閉する電磁弁11がそれぞれ設けられている。
【0021】
吸収剤3は特定のガス成分を選択的に吸収除去するもので、例えば炭酸ガスを選択的に吸収除去する場合には、例えばソーダライム、アスカライトII、水酸化カリウム(KOH)溶液等の使用が可能である。この吸収剤3は、ガス成分を吸収することで何らかの変化、例えば重量変化、化学組成変化、吸収能力の変化等を生じる。したがって、測定の前後における吸収剤3の変化に基づいてガス成分の吸収除去量を求めることができる。たとえば吸収剤3として水酸化カリウム溶液を使用した場合には、炭酸ガスを吸収した水酸化カリウム溶液について塩酸(HCl)溶液を用いて滴定作業を行い、その結果から、水酸化カリウム溶液内の全炭酸量を求めることができる。
【0022】
なお、滴定時の反応は以下のとおりである。
第1段階
KOH+HCl→KCl+H
CO+HCl→KCl+KHCO
フェノールフタレイン指示薬
第2段階
KHCO+HCl→KCl+HO+CO
メチルオレンジ指示薬
ここでCO吸収量は第2段階の滴定量に相当する。
【0023】
一方、吸収剤3としてソーダライムを使用する場合は、重量変化によって吸収した炭酸ガスの総量を求めることができる。すなわち、計測前にソーダライムを100度で乾燥させてその重さを計量しておく。また、計測後にも炭酸ガスを吸収させたソーダライムを再び100度で乾燥させてその重さを計量する。そして、計測の前後における重さの差を計算することで、炭酸ガスの総量を求めることができる。また、さらに厳密性が要求される場合には、吸収剤3自身の化学分析、例えばX線回折法による分析や、水溶液に溶解させて溶存炭素量を計測する方法等を行うことにより、吸収された炭酸ガスの総量を求めても良い。
【0024】
循環手段5は、測定容器2内の空気をガス成分除去手段4の流入ポートに導く第1の送気管6と、ガス成分除去手段4を通り抜けた空気を流出ポートから測定容器2内に戻す第2の送気管7と、第1の送気管6の途中に設けられたポンプ8と、このポンプ8をオン・オフ操作する制御装置9を備えて構成されている。なお、第2の送気管7の噴孔は測定容器2内で例えば円形に配置されており、測定容器2内においてガス濃度が均一になるように図られている。
【0025】
制御装置9は、例えばマイクロコンピュータで、その入力部には測定容器2内のガス濃度を検出するセンサ10が電気的に接続されている。また、制御装置9の出力部には、上述したポンプ8の他、ガス成分除去手段4の流入ポートと流出ポートを開閉する電磁弁11が電気的に接続されている。制御装置9は、その記憶装置に予め記憶しているプログラムに従ってセンサ10の検出信号等に基づいてポンプ8や各電磁弁11を操作し、測定容器2内のガス濃度を調整する。
【0026】
次に、本発明の土壌ガスの放出量測定方法を説明する。この方法は、土壌面1aの所定範囲から放出されるガスを測定容器2内に留め、測定容器2内のガス濃度が測定容器2外のガス濃度に比べて大きくなると、測定容器2内の空気をガス成分除去手段4に導いてガス成分を除去した後に測定容器2内に戻して測定容器2内のガス濃度を減少させることで測定容器2内外のガス濃度の差を解消し、所定時間経過後にガス成分除去手段4によるガス成分の除去量に基づいて土壌1からのガス放出量を求めるものである。
【0027】
図2に基づいてより具体的に説明すると、まず最初に測定容器2を土壌1の計測位置に設置すると共に、測定容器2の外のガス濃度Noを測定して制御装置9に入力しておく(ステップS21)。
【0028】
この後、計測を開始する。いま、計測開始の直後であるので、ステップS22からステップS23に進み、センサ10によって検出した測定容器2内のガス濃度Niと、ステップS21において入力したる測定容器2の外のガス濃度Noを比較する。そして、測定容器2の内外で大きなガス濃度差が生じていなければ、ステップS22,S23を繰り返し実行して所定の計測時間が経過するまで測定容器2の内外のガス濃度差を監視する。なお、この状態では、制御装置9は各電磁弁11を閉操作しており、測定容器2内のガスが拡散によりガス成分除去手段4に到達するのを防止している。
【0029】
一方、時間の経過に伴って測定容器2内のガス濃度Niが大きくなると、測定容器2の内外で大きなガス濃度差が生じるので、制御装置9はステップS23からステップS24に進んで各電磁弁11を開操作すると共にポンプ8をオンさせる。これにより、測定容器2内の空気が第1の送気管6→ポンプ8→電磁弁11→ガス成分除去手段4の吸収剤3→電磁弁11→第2の送気管7→測定容器2へと循環し、測定容器2内の圧力をほとんど変化させることなく測定容器2内の空気中のガス成分がガス成分除去手段4によって吸収除去される。これにより、測定容器2内のガス濃度Niが減少する。そして、測定容器2の内外のガス濃度差が解消されるまで、ステップS23,S24を繰り返し実行し、測定容器2内のガス濃度Niを減少させる。すなわち、自然状態を示す測定容器2外のガス濃度Noに対する測定容器2内のガス濃度Niの増加分に相当するガス成分がガス成分除去手段4の吸収剤3によって吸収除去される。
【0030】
例えば、測定の対象が土壌1から放出される炭酸ガスである場合には、制御装置9は、測定容器2外の自然状態におけるガス濃度No(約400ppm)よりも測定容器2内のガス濃度Niが例えば20ppm上昇した場合に、ポンプ8を作動させ且つ電磁弁11を開操作し、測定容器2内のガス濃度Niを低下させる。一方、制御装置9は、ガス成分除去手段4によって測定容器2内のガス成分を吸収除去しているうちに測定容器2内のガス濃度Niが測定容器2外のガス濃度Noよりも例えば20ppm低下すると、ポンプ8を停止させ且つ電磁弁11を閉操作する。そして、これらの制御を繰り返し行うことで、測定容器2内のガス濃度Niを自然状態を示すガス濃度Noに対して±20ppmの範囲でほぼ一定に保つことができる。したがって、測定容器2内のガス濃度Niを自然状態とほぼ同じ状態にして計測を行うことができる。
【0031】
計測が終了すると、ステップS22からステップS25に進み、ガス成分除去手段4の吸収剤3によるガス成分の吸収除去量を定量し、測定容器2内に放出されたガス放出量を求める。すなわち、ガス成分除去手段4のケーシング12内から吸収剤3を取り出し、計測開始前の状態との比較から吸収剤3に吸収されたガス成分量を定量する。この吸収剤3に吸収されたガス成分量が測定容器2内に放出されたガスの放出量(放出総量)である。
【0032】
このように、測定容器2内のガス濃度Niの増加分をガス成分除去手段4によって除去することで測定容器2内のガス濃度Niを自然状態と同じ状態に保ちながらガスの放出量を測定することができるので、ガス濃度の変化に起因した測定誤差の発生を防止することができ、ガスの放出量を正確に測定することができる。すなわち、ガス濃度が変化すると土壌境界面におけるガスの拡散速度が変化するので測定値に誤差が含まれることになるが、本発明では、測定容器2内のガス濃度Niを自然状態と同じ状態に保っているので、かかる誤差の発生を防止することができる。
【0033】
また、ガス成分を吸収することで重量、化学組成、吸収能力等が変化する吸収剤3を使用し、計測前後の吸収剤3の変化に基づいてガス成分の吸収量(除去量)を定量してガス放出量を求めているので、複雑な計算を行わずに簡単にガス放出量を求めることができる。
【0034】
さらに、ガス成分除去手段4によってガス成分を除去することで、測定容器2の内外のガス濃度差を解消すると共に、計量のためにガス成分を集めることができるので、測定容器2内のガス濃度Niを低下させるための機器類と、計量のためにガス成分を集める機器類を別々に備える必要がなくなり、部品点数が少なくて済み、安価に測定装置を提供することができる共に、測定における可搬性を向上させることができる。
【0035】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の説明では、測定容器2外のガス濃度Noとして計測開始前に予め測定しておいたものを用いていたが、測定容器2内のガス濃度Niを検出するセンサ10と同様のセンサを測定容器2の外に設置し、自然状態のガス濃度Noを検出しながらこの検出値と測定容器2内のガス濃度Niを比較するようにしても良い。このように測定容器2の内外にセンサをそれぞれ設置することで、土壌間隙中のガス濃度が変動している場合にも、より高精度にガス放出量を測定することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の土壌ガスの放出量測定装置では、土壌面の所定範囲から放出されるガスを留める測定容器と、通過させた空気中のガス成分を除去する吸収剤を有するガス成分除去手段と、測定容器内のガス濃度が高濃度側の閾値よりも大きくなると、測定容器内の空気をガス成分除去手段に供給すると共に、ガス成分除去手段を通過した空気を測定容器内に戻すように循環させて測定容器内のガス濃度を減少させ、且つ測定容器内のガス濃度が低濃度側の閾値よりも小さくなると循環を停止させることで測定容器内外のガス濃度の差を解消する循環手段を備え、吸収剤はガス成分の吸収によって変化するものであり、この変化に基づいて土壌からのガス放出量を求めているので、測定容器内のガス濃度を測定容器外の自然状態のガス濃度に維持しながら計測を行うことができる。このため、ガス濃度の相違に起因した測定誤差を排除することができ、土壌ガスの放出量をより正確に測定することができる。また、ガス成分除去手段の吸収剤によって吸収除去されたガス成分の総量に基づいてガス放出量を求めることができるので、複雑な計算等が不要となり、より簡単にガス放出量を求めることができると共に、取り扱いが煩雑で高価な計測装置類を不要にすることができる。さらに、測定容器内のガス濃度の調整と、ガス成分の収集を同一のガス成分除去手段によって行うことができるので、これらを行う機器類を別々に設ける必要がなくなり、部品点数が少なくて済み、低コストで可搬性に優れた計測装置を提供することができる。
【0037】
また、請求項2記載の土壌ガスの放出量測定方法では、土壌面の所定範囲から放出されるガスを測定容器内に留め、測定容器内のガス濃度が高濃度側の閾値よりも大きくなると、測定容器内の空気をガス成分除去手段に導いてガス成分を除去した後に測定容器内に戻すように循環させて測定容器内のガス濃度を減少させると共に、測定容器内のガス濃度が低濃度側の閾値よりも小さくなると循環を停止させることで測定容器内外のガス濃度の差を解消し、所定時間経過後にガス成分除去手段によるガス成分の除去量に基づいて土壌からのガス放出量を求めているので、上述の場合と同様に、土壌ガスの放出量をより正確に、より簡便に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した土壌ガスの放出量測定装置の実施形態の一例を示す概念図である。
【図2】本発明を適用した土壌ガスの放出量測定方法の実施形態の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 土壌
1a 土壌面
2 測定容器
3 吸収剤
4 ガス成分除去手段
5 循環手段

Claims (2)

  1. 土壌面の所定範囲から放出されるガスを留める測定容器と、通過させた空気中のガス成分を除去する吸収剤を有するガス成分除去手段と、前記測定容器内のガス濃度が高濃度側の閾値よりも大きくなると、前記測定容器内の空気を前記ガス成分除去手段に供給すると共に、前記ガス成分除去手段を通過した空気を前記測定容器内に戻すように循環させて前記測定容器内のガス濃度を減少させ、且つ前記測定容器内のガス濃度が低濃度側の閾値よりも小さくなると前記循環を停止させることで前記測定容器内外のガス濃度の差を解消する循環手段を備え、前記吸収剤はガス成分の吸収によって変化するものであり、この変化に基づいて土壌からのガス放出量を求めることを特徴とする土壌ガスの放出量測定装置。
  2. 土壌面の所定範囲から放出されるガスを測定容器内に留め、前記測定容器内のガス濃度が高濃度側の閾値よりも大きくなると、前記測定容器内の空気をガス成分除去手段に導いてガス成分を除去した後に前記測定容器内に戻すように循環させて前記測定容器内のガス濃度を減少させると共に、前記測定容器内のガス濃度が低濃度側の閾値よりも小さくなると前記循環を停止させることで前記測定容器内外のガス濃度の差を解消し、所定時間経過後に前記ガス成分除去手段によるガス成分の除去量に基づいて土壌からのガス放出量を求めることを特徴とする土壌ガスの放出量測定方法。
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