JP4400026B2 - Optical fiber manufacturing method - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低伝送損失で光を伝送する光ファイバの製造方法、及び光ファイバに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバを用いた光の伝送において、光ファイバ内でのレイリー散乱によって生じるレイリー散乱損失や、光ファイバ内の構造の乱れによって生じる構造不整損失などの伝送損失が問題となる。これに対して、伝送損失を低減することが可能な光ファイバ、あるいはその製造方法が提案されている。
【0003】
例えば、文献「坂口、電子情報通信学会論文誌 2000/1 Vol.J83-C No.1, pp.30-36」に、線引後の光ファイバの徐冷によって、光ファイバでのレイリー散乱損失を低減することが記載されている。すなわち、ガラス内でのレイリー散乱強度は材料によって一定に定まるものではなく、ガラス内での原子の配列状態の乱雑さを示す仮想的な温度である仮想温度Tf(Fictive Temperature)に依存する。具体的には、ガラス内の仮想温度Tfが高く(乱雑さが大きく)なると、レイリー散乱強度は増大する。
【0004】
これに対して、光ファイバ母材を加熱線引するときに、線引炉の後段に熱処理炉を設置しておき、線引後の光ファイバが熱処理炉を通過するときに所定の温度範囲内となるように加熱して、光ファイバをアニールする。このような光ファイバのアニールによって、線引後における光ファイバの急激な冷却が防止され、光ファイバが徐冷される。このとき、原子の再配列によるガラスの構造緩和によって、光ファイバ内の仮想温度Tfが低下して、光ファイバ内でのレイリー散乱強度が抑制される。
【0005】
また、文献「K.Tajima, NTT REVIEW Vol.10 No.6, pp.109-113(1998)」には、低温での線引によって同様にレイリー散乱強度が抑制されることが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱処理炉を用いて線引後の光ファイバをアニールする上記した製造方法など、従来の製造方法では、光ファイバの伝送損失の低減と、光ファイバの生産性の向上とを両立させることが難しい。
【0007】
例えば、線引炉の後段に設けられた熱処理炉によるアニールで光ファイバの伝送損失を低減する場合、線引ラインのかなりの部分を熱処理用のラインとして使用する必要がある。このため、熱処理用のラインを増設するとその分だけ光ファイバの冷却に使用するラインの長さが短くなり、線引時での光ファイバの線速を高くすることができない。
【0008】
また、低温での線引によって光ファイバの伝送損失を低減する場合、張力を一定にして分散などの光ファイバの伝送特性を保持するために、低い線速で線引しなくてはならず、熱処理炉によるアニールの場合と同様に、光ファイバの生産性が上がらないという問題があった。
【0009】
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものであり、光ファイバでの伝送損失が低減されるとともに、その生産性が向上される光ファイバの製造方法、及び光ファイバを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明による光ファイバの製造方法は、(1)脱水焼結して作成され、コア領域、及びコア領域の外周に設けられたクラッド領域を有する光ファイバ母材を、950℃以上1150℃以下の温度で30時間以上の所定時間にわたって熱処理する熱処理ステップと、(2)熱処理された光ファイバ母材を線引炉によって、熱処理ステップで得られた構造緩和状態が保持される線引条件で加熱線引して光ファイバを作成する線引ステップとを備え、線引ステップにおいて、光ファイバ母材を線引炉によって2100℃以下の温度で加熱線引する線引条件として、構造緩和状態を保持しつつ光ファイバを作成することを特徴とする。
【0011】
上記した光ファイバの製造方法においては、光ファイバ母材を加熱線引する際の線引条件のみでなく、光ファイバ母材の製造工程に着目している。そして、脱水焼結して作成された光ファイバ母材を加熱線引する前に、950℃以上1150℃以下の範囲内での所定温度の炉温で光ファイバ母材をアニールして、母材の段階で構造緩和状態とするとともに、得られた構造緩和状態が保持されるように光ファイバ母材を線引して光ファイバを作成している。
【0012】
これにより、伝送損失が低減された光ファイバを、確実に製造することができる。また、線引前にガラスの構造緩和を行っているので、線引時での光ファイバの線速を高くすることができるなど、光ファイバの生産性を向上することが可能となる。
【0013】
構造緩和状態を保持するための具体的な線引条件については、線引ステップにおいて、光ファイバ母材を線引炉によって2100℃以下の温度で加熱線引する線引条件として、構造緩和状態を保持しつつ光ファイバを作成する方法がある。
【0014】
あるいは、線引ステップにおいて、線引炉で線引された光ファイバを、線引炉の後段に設けられた熱処理炉によって1100℃以上1600℃以下の温度で熱処理する線引条件として、構造緩和状態を保持しつつ光ファイバを作成する方法がある。
【0015】
このように、2100℃以下の温度での光ファイバの低温線引、熱処理炉でのアニールによる光ファイバの徐冷、またはその両方を行う線引条件を適用することにより、母材の段階で得られた構造緩和状態を好適に保持しつつ、光ファイバを線引することができる。また、これら以外の線引条件を用いても良い。
【0016】
また、本発明による光ファイバは、コア領域と、コア領域の外周に設けられたクラッド領域とを備え、上記した光ファイバの製造方法により製造されたことを特徴とする。これにより、高い生産性で製造することが可能であり、かつ、伝送損失が低減されて良好な特性を有する光ファイバが得られる。
【0017】
また、コア領域は、純SiO2に対する%で表した比屈折率差が[Ge]である添加量でGeが添加されているとともに、レイリー散乱係数A(dB/km・μm4)、及び波長1.00μmでの伝送損失α1.00(dB/km)が、それぞれ次式で表される基準値A0、及びα0
0=0.85+0.29[Ge]
α0=0.86+0.29[Ge]
に対して97%以下であることを特徴とする。
【0018】
上記した光ファイバにおいては、光ファイバのレイリー散乱係数A、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失α1.00が、通常の光ファイバでの値を示す基準値A0、α0よりも3%以上低減されて、97%以下の値となっている。これにより、伝送損失が充分に低減された光ファイバが得られる。
【0019】
また、コア領域は、純SiO2であるとともに、レイリー散乱係数A(dB/km・μm4)、及び波長1.00μmでの伝送損失α1.00(dB/km)が、それぞれ基準値A0=0.85、及びα0=0.86に対して96%以下であることを特徴とする。
【0020】
上記した純シリカコアの光ファイバにおいては、光ファイバのレイリー散乱係数A、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失α1.00が、通常の純シリカコアの光ファイバでの値を示す基準値A0、α0よりも4%以上低減されて、96%以下の値となっている。これにより、伝送損失が充分に低減された光ファイバが得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面とともに本発明による光ファイバの製造方法、及び光ファイバの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0022】
まず、光ファイバの製造方法の概要について説明する。
【0023】
本発明による光ファイバの製造方法においては、まず、コア領域、及びコア領域の外周に設けられたクラッド領域を有して構成された光ファイバ母材を、脱水焼結工程を経て作成する。そして、脱水焼結して得られた光ファイバ母材に対して、ガラスの構造緩和によって光ファイバ母材内の仮想温度Tfを低下させるため、母材の段階で所定のアニール条件によって光ファイバ母材の熱処理を行う。
【0024】
具体的には、N2ガス雰囲気などの所定のガス雰囲気とされた熱処理炉内に、作成された光ファイバ母材を配置する。そして、熱処理炉の炉温(熱処理炉に設けられたヒータの温度)を950℃以上1150℃以下の範囲内にある所定温度に設定し、30時間以上の所定時間にわたって光ファイバ母材をアニールする(熱処理ステップ)。なお、この光ファイバ母材に対するアニールの工程は、例えば線引装置とは別に設けられた熱処理炉を用いて行われるため、図1には図示していない。
【0025】
続いて、熱処理によって構造緩和状態となった光ファイバ母材を用い、得られた構造緩和状態が保持される線引条件で、線引炉によって光ファイバ母材の加熱線引を行って、光ファイバを作成する(線引ステップ)。これにより、ガラスの構造緩和によって伝送損失が低減された光ファイバが得られる。
【0026】
構造緩和状態を保持するための具体的な線引条件については、例えば、光ファイバの低温線引を行う線引条件を適用することができる。この場合、線引炉の炉温となるヒータの温度を、2100℃以下の範囲内にある比較的低い所定温度に設定する線引条件として、構造緩和状態を保持しつつ光ファイバ母材を加熱線引する。
【0027】
あるいは、熱処理炉でのアニールによる光ファイバの徐冷を行う線引条件を適用することができる。この場合、線引炉の後段に、線引された光ファイバに対してアニールを行うための熱処理炉を設けておく。そして、この熱処理炉によって、線引炉で線引された光ファイバを1100℃以上1600℃以下の温度でアニールしつつ徐冷する線引条件として、構造緩和状態を保持しつつ光ファイバ母材を加熱線引する。
【0028】
図1に示す線引装置1は、上述した光ファイバの製造方法での線引ステップにおいて用いられる線引装置の構成の一例を示すものである。
【0029】
図1に示す線引装置1は、石英ガラス系の光ファイバを線引するために用いられる線引装置であり、線引炉11、徐冷用の熱処理炉21、及び冷却手段31を有して構成されている。これらの線引炉11、熱処理炉21、及び冷却手段31は、光ファイバ母材2を線引する方向(図1における上下方向)にこの順で設置されている。また、熱処理炉21及び冷却手段31の後段には、線引されたガラスファイバ3を樹脂によって被覆する樹脂被覆部40が設けられている。
【0030】
本線引装置1を用いた光ファイバの製造においては、まず、上記のように母材の段階での熱処理によって構造緩和状態とされた光ファイバ母材2を準備し、母材供給装置(図示していない)に保持された光ファイバ母材2を線引炉11へと供給する。そして、線引炉11内のヒータ12によって光ファイバ母材2の下端を加熱して軟化させ、所定の線速で線引してガラスファイバ3とする。
【0031】
ここで、光ファイバの低温線引を行う線引条件を適用する場合には、線引炉11の炉温となるヒータ12の温度を2100℃以下の範囲内にある所定温度として、光ファイバ母材2の線引を行う。このとき、光ファイバ母材2の温度は、約2000℃以下の温度となる。また、線引炉11の炉心管13には、不活性ガス供給部14からのガス供給通路15が接続されており、炉心管13内が不活性ガス雰囲気となるように構成されている。
【0032】
加熱線引されたガラスファイバ3は炉心管13内にて、例えば1700℃程度にまで不活性ガスにより急激に冷却される。その後、ガラスファイバ3は、炉心管13の下部から線引炉11外に出され、線引炉11と熱処理炉21との間にて空冷される。不活性ガスとしては、例えばN2ガスを用いることができる。N2ガスの熱伝導係数λ(T=300K)は26mW/(m・K)である。また、空気の熱伝導係数λ(T=300K)は26mW/(m・K)である。
【0033】
次に、線引され空冷されたガラスファイバ3を、線引炉11と樹脂被覆部40との間であって、線引炉11の後段の所定位置に設けられたアニール用の熱処理炉21に送る。そして、熱処理炉21内のヒータ22によってガラスファイバ3を所定温度でアニールすることによって、線引後のガラスファイバ3を徐冷する。ここでは、熱処理炉21の炉温となるヒータ22の温度を1100℃以上1600℃以下の範囲内にある所定温度として、ガラスファイバ3のアニールを行う。
【0034】
熱処理炉21は、その中をガラスファイバ3が通過する炉心管23を有する。熱処理炉21の炉心管23には、N2ガス供給部24からのガス供給通路25が接続されており、炉心管23内がN2ガス雰囲気となるように構成されている。N2ガスを用いる代わりに、空気あるいはArなどの分子量が比較的大きいガス等を用いることも可能である。ただし、炉心管がカーボン製である場合には、酸素を含まないガスを用いる必要がある。なお、線引後のアニールによって光ファイバの徐冷を行う線引条件を適用しない場合には、この熱処理炉21を設けない構成としても良い。
【0035】
続いて、アニールされたガラスファイバ3を、線引炉11と樹脂被覆部40との間であって、熱処理炉21の後段の所定位置に設けられたガラスファイバ3の強制冷却用の冷却手段31に送る。そして、冷却手段31によってガラスファイバ3を所定温度まで冷却する。
【0036】
冷却手段31は、その中をガラスファイバ3が通過する円筒状の管32を有する。また、円筒管32の側壁には、冷却ガス供給部34に接続された複数のノズル33が設けられている。これにより、円筒管32中を通過するガラスファイバ3に対して冷却ガス供給部34からの冷却ガスが供給され、ガラスファイバ3が強制的に冷却される。冷却ガスとしては、好ましくはHeガスが用いられる。なお、通常の空冷で充分にガラスファイバ3を冷却可能な場合には、このような冷却手段31を用いない構成としても良い。
【0037】
冷却手段31を出たガラスファイバ3は、外径測定器51により外径がオンライン測定される。そして、その測定値がドラム52を回転駆動する駆動モータ53にフィードバックされて、外径が一定となるようにドラム52の回転が駆動制御される。外径測定器51からの出力信号は、制御手段としての制御ユニット54に送られる。制御ユニット54は、ガラスファイバ3の外径があらかじめ設定された所定値となるように、ドラム52及び駆動モータ53の回転速度を演算によって求める。
【0038】
制御ユニット54からは、演算によって求めたドラム52及び駆動モータ53の回転速度を示す出力信号が、駆動モータ用ドライバ(図示していない)に出力される。この駆動モータ用ドライバは、制御ユニット54からの出力信号に基づいて、駆動モータ53の回転速度を制御する。
【0039】
外径測定器51によって外径が測定されたガラスファイバ3は、2段(タンデム)に構成された樹脂被覆部40へと入線される。まず、1段目の樹脂被覆部において、外径測定器51を通過したガラスファイバ3に対し、コーティングダイス41によりUV樹脂42が塗布される。塗布されたUV樹脂42は、樹脂硬化部43のUVランプ44からの紫外光によって硬化される。
【0040】
さらに、2段目の樹脂被覆部において、樹脂硬化部43からのガラスファイバ3に対し、コーティングダイス46によりUV樹脂47が塗布される。塗布されたUV樹脂47は、樹脂硬化部48のUVランプ49からの紫外光によって硬化される。これにより、ガラスファイバ3が樹脂によって被覆された光ファイバ素線4が形成される。そして、光ファイバ素線4は、ガイドローラ56を経て、ドラム52によって巻き取られる。ドラム52は、回転駆動軸55に支持されており、この回転駆動軸55の端部は駆動モータ53に接続されている。
【0041】
なお、線引炉11の炉心管13には、上述したように不活性ガス供給部14からのガス供給通路15が接続されており、炉心管13内が不活性ガス雰囲気となるように構成されている。これに対して、不活性ガス供給部14としてN2ガス供給部を設け、炉心管13内にN2ガスを供給してN2ガス雰囲気となるように構成しても良い。また、Heガス供給部とN2ガス供給部とを併設し、線速に応じて炉心管13内にHeガスまたはN2ガスを供給する構成としても良い。
【0042】
上述した実施形態の光ファイバの製造方法による効果について説明する。
【0043】
本実施形態による光ファイバの製造方法では、光ファイバ母材2を加熱線引してガラスファイバ3を製造する際に、その加熱線引の線引条件のみでなく、光ファイバ母材2の製造工程に着目している。そして、脱水焼結して作成された光ファイバ母材2を線引装置1にて加熱線引する前に、950℃以上1150℃以下の範囲内での所定温度の炉温で光ファイバ母材をアニールして、母材の段階で構造緩和状態とするとともに、得られた構造緩和状態が保持される線引条件によって光ファイバ母材2を線引してガラスファイバ3を作成している。
【0044】
このような製造方法によれば、光ファイバ母材に対してアニールを行うことにより、ガラスの構造緩和によって光ファイバ母材内の仮想温度Tfが低下する。また、この構造緩和状態にある光ファイバ母材を加熱線引して光ファイバとする工程では、光ファイバ母材のガラスは完全には溶融されず、ガラスが軟化した状態で光ファイバが線引される。
【0045】
このため、光ファイバ母材を加熱線引する際に、その線引条件を適切に設定すれば、母材の段階で得られたガラスの構造緩和状態をある程度保持しつつ光ファイバ母材を線引して、光ファイバを作成することが可能である。これにより、得られる光ファイバ内の仮想温度Tfを低下させて、レイリー散乱損失、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失が低減された光ファイバを製造することができる。
【0046】
また、この製造方法によれば、線引前に母材の段階でガラスの構造緩和を行っているので、線引ラインにおける熱処理用のラインの長さを短縮し、あるいは、線引時での光ファイバの線速を高くすることができる。これにより、光ファイバの線引を効率良く行うことができ、光ファイバの生産性を向上することが可能となる。以上より、光ファイバの伝送損失の低減と、光ファイバの生産性の向上とを好適に両立することが可能な光ファイバの製造方法が実現される。
【0047】
また、構造緩和状態を保持するための具体的な線引条件については、上述したように、光ファイバの低温線引を行う線引条件、あるいは、熱処理炉でのアニールによって線引後の光ファイバの徐冷を行う線引条件を適用することができる。このように、光ファイバの低温線引、徐冷、またはその両方を行う線引条件とすることによって、母材の段階で得られた構造緩和状態を好適に保持しつつ、光ファイバを線引することができる。また、これら以外の線引条件を用いても良い。
【0048】
次に、上述した製造方法によって製造される本発明による光ファイバについて説明する。本発明による光ファイバは、その製造方法に関して上述したように、高い生産性で製造することが可能であり、かつ、伝送損失が低減されて良好な特性を有する。
【0049】
図2は、本発明による光ファイバの第1実施形態について、その屈折率プロファイルを示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は光ファイバ内の各部位の中心軸からみた位置を示している。また、縦軸は光ファイバ内の各部位での純SiO2に対する比屈折率差(%)を示している。
【0050】
本実施形態の光ファイバは、コア領域100と、コア領域100の外周に設けられたクラッド領域110とを備える。コア領域100は、光ファイバの中心軸を含んだ半径r0の層として形成されている。また、このコア領域100は、所定の添加量でGeが添加されたSiO2からなる。
【0051】
具体的には、コア領域100には、純SiO2に対する%で表した比屈折率差[Ge]によってGeの添加量を表したときに、この比屈折率差[Ge]が所定条件を満たす添加量(例えば0.3%以上となる添加量)でGeが添加されている。これにより、コア領域100の比屈折率差Δn0は、Δn0=[Ge]>0となっている。
【0052】
また、クラッド領域110は、本実施形態では、1層のクラッド層111から構成されている。クラッド層111は、コア領域100の外周に設けられた半径r1の層として形成されている。また、このクラッド層111は、純SiO2からなる。これにより、クラッド層111の比屈折率差Δn1は、Δn1=0となっている。このような構成の光ファイバは、例えば、Ge添加シングルモードファイバ(Ge−SM)として好適に適用することが可能である。
【0053】
本光ファイバにおける好適な特性条件について説明する。すなわち、図2に示した光ファイバにおいては、光ファイバでのレイリー散乱損失の大きさを示すレイリー散乱係数A(dB/km・μm4)、及び波長1.00μmでの伝送損失α1.00(dB/km)が、それぞれ次式で表される基準値A0、及びα0
0=0.85+0.29[Ge]
α0=0.86+0.29[Ge]
に対して97%以下となっていることが好ましい。ここで、[Ge]は、上述したように、コア領域へのGeの添加量を示す純SiO2に対する%で表した比屈折率差である。また、A0は、例えば[Ge]=0.35%であれば、A0=0.85+0.29×0.35=0.95である。
【0054】
この好適な特性条件においては、光ファイバのレイリー散乱係数A、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失α1.00が、通常の光ファイバでの値を示す基準値A0、α0よりも3%以上低減されて、97%以下の値となっている。これにより、伝送損失が充分に低減された光ファイバが得られる。
【0055】
なお、本発明による光ファイバの具体的な構成については、後述する第2〜第4実施形態にその例を示すように、図2に示した第1実施形態の構成に限らず、様々な構成を用いて良い。例えば、コア領域については、Geが添加されていない純SiO2からなる構成としても良い。なお、上記した基準値A0、α0に関する特性条件は、[Ge]=0となる純シリカコアの構成に対しても、同様に適用することができる。
【0056】
コアが純SiO2からなる光ファイバにおいては、さらに、レイリー散乱係数A(dB/km・μm4)、及び波長1.00μmでの伝送損失α1.00(dB/km)が、それぞれ基準値A0=0.85、及びα0=0.86に対して96%以下となっていることが好ましい。
【0057】
この好適な特性条件においては、光ファイバのレイリー散乱係数A、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失α1.00が、通常の純シリカコアの光ファイバでの値を示す基準値A0、α0よりも4%以上低減されて、96%以下の値となっている。これにより、伝送損失が充分に低減された光ファイバが得られる。
【0058】
また、クラッド領域については、図2に示した構成では純SiO2からなる1層のクラッド層を有する構成としたが、一般には、それぞれ純SiO2、Geが添加されたSiO2、またはFが添加されたSiO2のいずれかからなる1層または複数層のクラッド層を有する構成とすることが好ましい。
【0059】
このような構成によれば、シングルモードファイバ(SMF:Single Mode Fiber)、分散シフトファイバ(DSF:Dispersion Shift Fiber)、及び分散補償ファイバ(DCF:Dispersion Compensation Fiber)など、様々な種類の光ファイバを、良好な特性によって生産性良く製造することができる。
【0060】
上述した光ファイバの各特性条件について、さらに説明する。本発明による光ファイバでの上述した好適な特性条件では、レイリー散乱損失等の低減効果を評価するための指標として、レイリー散乱係数A、及び波長1.00μmでの伝送損失α1.00を用い、これらのレイリー散乱係数A、及び伝送損失α1.00を、通常の値を示す基準値A0、α0よりも3%以上低減された、97%以下の値としている。
【0061】
光ファイバでの波長λにおける伝送損失αλ(dB/km)は、レイリー散乱損失と、それ以外の構造不整損失などの伝送損失成分により、一般に次式
αλ=A/λ4+B+C(λ)
で表される。このうち、第1項A/λ4(dB/km)がレイリー散乱損失を示しており、その係数Aがレイリー散乱係数(dB/km・μm4)である。上式より、レイリー散乱損失はレイリー散乱係数Aに比例しており、したがって、レイリー散乱係数Aが基準値から3%低減されれば、レイリー散乱損失が3%低減されることとなる。
【0062】
ここで、線引前での光ファイバ母材のアニール、光ファイバの低温線引、または線引後の光ファイバの徐冷等を行わない通常の製造方法によって得られる光ファイバでは、コア領域へのGeの添加量を上述した[Ge]で表したとき、レイリー散乱係数A(dB/km・μm4)の値は、次式
0=0.85+0.29[Ge]
となる。したがって、この通常での値A0をレイリー散乱係数Aの基準値とすることができる。このとき、得られた光ファイバでのレイリー散乱係数Aが、基準値A0から3%以上低減されていれば良い。
【0063】
また、レイリー散乱損失を含む全体の伝送損失を評価するため、波長1.00μmでの伝送損失α1.00を指標としても良い。波長1.00μmでは、上記した伝送損失αλの表式中、B+C(λ)はほぼ0.01であり、したがって、通常の製造方法で得られる光ファイバでは、伝送損失α1.00(dB/km)の値は、次式
α0=A0+0.01
=0.86+0.29[Ge]
となる。したがって、この通常での値α0を伝送損失α1.00の基準値とすることができる。このとき、得られた光ファイバでの伝送損失α1.00が、基準値α0から3%以上低減されることが好ましい。
【0064】
このように、レイリー散乱係数A、または伝送損失α1.00を指標として用いることによって、レイリー散乱損失、あるいはレイリー散乱損失を含む全体の伝送損失の低減効果を確実に得ることが可能となる。また、上記した基準値A0、α0のそれぞれの表式によれば、表式中に、コアへのGeの添加量に関する変数[Ge]が含まれている。したがって、Geの添加量に応じた伝送損失の評価が可能である。
【0065】
なお、レイリー散乱係数Aについては、上式より、伝送損失の波長依存性のデータ(例えば1/λ4プロットでの傾き)から求めることができる。また、全体の伝送損失を評価する指標として、波長1.00μmでの伝送損失α1.00を用いているが、これは、1.00μmでの伝送損失の値が、光伝送に用いられる1.55μmの波長帯域などに比べて大きく、1〜10km程度の比較的短い光ファイバサンプルで、充分な精度で評価できるためである。
【0066】
また、光ファイバの波長1.00μmでの伝送損失α1.00と、波長1.55μmでの伝送損失α1.55とは一定の関係を有して対応しており、伝送損失α1.00で低減効果を評価することによって、伝送損失α1.55についても、同様にその低減を確認することができる。具体的な対応関係としては、波長1.00μmでの伝送損失α1.00は、上記したように
α1.00=A+0.01
で表されるが、この表式に相当する波長1.55μmでの伝送損失α1.55の表式は、次式
α1.55=A×0.17325+0.025
である。
【0067】
本発明による光ファイバの具体的な構成の他の例について説明する。
【0068】
図3は、光ファイバの第2実施形態について、その屈折率プロファイルを示すグラフである。このグラフにおいて、横軸は光ファイバ内の各部位の中心軸からみた位置を示している。また、縦軸は光ファイバ内の各部位での純SiO2に対する比屈折率差(%)を示している。
【0069】
本実施形態の光ファイバは、コア領域200と、コア領域200の外周に設けられたクラッド領域210とを備える。コア領域200は、光ファイバの中心軸を含んだ半径r0の層として形成されている。また、このコア領域200は、比屈折率差で[Ge]となる所定の添加量でGeが添加されたSiO2からなる。これにより、コア領域200の比屈折率差Δn0は、Δn0=[Ge]>0となっている。
【0070】
また、クラッド領域210は、本実施形態では、2層のクラッド層211、212から構成されている。内側の第1クラッド層211は、コア領域200の外周に設けられた半径r1の層として形成されている。また、このクラッド層211は、Geが所定の添加量で添加されたSiO2からなる。これにより、クラッド層211の比屈折率差Δn1は、Δn1>0となっている。
【0071】
また、外側の第2クラッド層212は、第1クラッド層211の外周に設けられた半径r2の層として形成されている。また、このクラッド層212は、純SiO2からなる。これにより、クラッド層212の比屈折率差Δn2は、Δn2=0となっている。このような構成の光ファイバは、例えば、分散シフトファイバ(DSF)として好適に適用することが可能である。なお、レイリー散乱係数A、及び波長1.00μmでの伝送損失α1.00に対する好適な特性条件については、図2に示した第1実施形態の光ファイバについて上述したものと同様である。
【0072】
図4は、光ファイバの第3実施形態について、その屈折率プロファイルを示すグラフである。
【0073】
本実施形態の光ファイバは、コア領域300と、コア領域300の外周に設けられたクラッド領域310とを備える。コア領域300は、光ファイバの中心軸を含んだ半径r0の層として形成されている。また、このコア領域300は、Geが添加されていない純SiO2からなる。これにより、コア領域300の比屈折率差Δn0は、Δn0=0となっている。
【0074】
また、クラッド領域310は、本実施形態では、1層のクラッド層311から構成されている。クラッド層311は、コア領域300の外周に設けられた半径r1の層として形成されている。また、このクラッド層311は、Fが所定の添加量で添加されたSiO2からなる。これにより、クラッド層311の比屈折率差Δn1は、Δn1<0となっている。このような構成の光ファイバは、例えば、純シリカコア光ファイバとして好適に適用することが可能である。なお、レイリー散乱係数A、及び波長1.00μmでの伝送損失α1.00に対する好適な特性条件については、純シリカコアの光ファイバに関して上述した通りである。
【0075】
図5は、光ファイバの第4実施形態について、その屈折率プロファイルを示すグラフである。
【0076】
本実施形態の光ファイバは、コア領域400と、コア領域400の外周に設けられたクラッド領域410とを備える。コア領域400は、光ファイバの中心軸を含んだ半径r0の層として形成されている。また、このコア領域400は、比屈折率差で[Ge]となる所定の添加量でGeが添加されたSiO2からなる。これにより、コア領域400の比屈折率差Δn0は、Δn0=[Ge]>0となっている。
【0077】
また、クラッド領域410は、本実施形態では、2層のクラッド層411、412から構成されている。内側の第1クラッド層411は、コア領域400の外周に設けられた半径r1の層として形成されている。また、このクラッド層411は、Fが所定の添加量で添加されたSiO2からなる。これにより、クラッド層411の比屈折率差Δn1は、Δn1<0となっている。
【0078】
また、外側の第2クラッド層412は、第1クラッド層411の外周に設けられた半径r2の層として形成されている。また、このクラッド層412は、純SiO2からなる。これにより、クラッド層412の比屈折率差Δn2は、Δn2=0となっている。このような構成の光ファイバは、例えば、分散補償ファイバ(DCF)として好適に適用することが可能である。なお、レイリー散乱係数A、及び波長1.00μmでの伝送損失α1.00に対する好適な特性条件については、図2に示した第1実施形態の光ファイバについて上述したものと同様である。
【0079】
本発明による光ファイバの製造方法、及びそれによって製造される光ファイバによる伝送損失の低減効果等について、具体的な実施例及び比較例とともに説明する。
【0080】
図6は、光ファイバの実施例A1A3、参考例A2、及び比較例B1〜B3における製造条件、及びその損失特性について示す表である。ここでは、光ファイバとして、図2に示した構成を有するGe添加シングルモードファイバ(Ge−SM)を想定している。具体的には、Geが添加されたSiOからなるコア領域100の外径を2r=8μm、比屈折率差をΔn=[Ge]=0.35%、純SiOからなるクラッド層111の外径を2r=125μm、比屈折率差をΔn=0%に設定している。
【0081】
また、その製造条件については、光ファイバ3を線引する線速を500m/分とし、線引張力を約0.88N(90gw)としている。また、線引前での光ファイバ母材2のアニールの条件、線引炉11における線引温度、及び線引炉11の後段の熱処理炉21における光ファイバ3のアニールによる徐冷の条件は、各実施例、参考例、及び比較例について図6の表中に示す通りである。
【0082】
また、図6の表には、各実施例、参考例、及び比較例での光ファイバの損失特性として、レイリー散乱係数A(dB/km・μm)、及び波長1.55μmでの伝送損失α1.55(dB/km)を示している。
【0083】
図6の表に示した本発明による光ファイバの実施例A1A3、及び参考例A2のうち、実施例A1では、光ファイバ母材のアニール条件を1050℃で60時間、線引炉での線引温度を2100℃、熱処理炉での光ファイバのアニールは行わない、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.90dB/km・μm、伝送損失がα1.55=0.182dB/kmとなっている。
【0084】
また、参考例A2では、光ファイバ母材のアニール条件を1050℃で60時間、線引炉での線引温度を2200℃、熱処理炉での光ファイバのアニール条件を1300℃で1秒、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.89dB/km・μm、伝送損失がα1.55=0.182dB/kmとなっている。
【0085】
また、実施例A3では、光ファイバ母材のアニール条件を1050℃で60時間、線引炉での線引温度を2100℃、熱処理炉での光ファイバのアニール条件を1300℃で1秒、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.89dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.180dB/kmとなっている。
【0086】
上記した実施例A1A3、及び参考例A2では、いずれも、950℃以上1150℃以下の温度で30時間以上にわたって母材をアニールする、との条件を満たす1050℃×60時間のアニール条件で、光ファイバ母材に対してアニールを行っている。また、実施例A1では、光ファイバ母材のアニールに加えて、線引時に2100℃での低温線引を行った例を示している。また、参考例A2では、光ファイバ母材のアニールに加えて、線引後の光ファイバに対する徐冷を行った例を示している。また、実施例A3では、光ファイバ母材のアニールに加えて、線引時の低温線引、及び線引後の徐冷を合わせて行った例を示している。
【0087】
すなわち、これらの実施例A1A3、及び参考例A2では、光ファイバ母材を線引前にアニールして母材の段階で構造緩和状態とするとともに、低温線引、徐冷、またはその両方を行う線引条件で、構造緩和状態が保持されるように光ファイバの線引を行っている。これにより、いずれの実施例及び参考例においても、レイリー散乱係数A、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失α1.55が充分に低減されている。
【0088】
一方、図6の表に示した光ファイバの比較例B1〜B3のうち、比較例B1では、光ファイバ母材のアニールは行わず、線引炉での線引温度を2100℃、熱処理炉での光ファイバのアニールは行わない、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.94dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.188dB/kmとなっている。
【0089】
また、比較例B2では、光ファイバ母材のアニールは行わず、線引炉での線引温度を2200℃、熱処理炉での光ファイバのアニール条件を1300℃で0.5秒、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.94dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.188dB/kmとなっている。
【0090】
また、比較例B3では、光ファイバ母材のアニールは行わず、線引炉での線引温度を2200℃、熱処理炉での光ファイバのアニールは行わない、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.95dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.190dB/kmとなっている。
【0091】
これらの比較例B1〜B3では、いずれも、光ファイバ母材を線引前に構造緩和状態とするための母材のアニールを行っていない。このため、光ファイバの線引において低温線引または徐冷を行うかどうかにかかわらず、実施例A1A3、及び参考例A2に比べてレイリー散乱係数A、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失α1.55が大きくなっており、その損失特性が劣化している。
【0092】
以上より、所定のアニール条件で光ファイバ母材を線引前にアニールするとともに、構造緩和状態が保持される線引条件で線引を行うことによって、伝送損失が充分に低減された光ファイバが得られることがわかる。また、このような製造方法では、上述したように、線引時での光ファイバの線速を高くするなど、光ファイバの生産性を向上することができる。
【0093】
図7は、光ファイバの実施例C1〜C3、及び比較例D1〜D4における製造条件、及びその損失特性について示す表である。ここでは、光ファイバとして、図3に示した構成を有する分散シフトファイバ(DSF)を想定している。具体的には、Geが添加されたSiO2からなるコア領域200の外径を2r0=6μm、比屈折率差をΔn0=[Ge]=0.6%、Geが添加されたSiO2からなる第1クラッド層211の外径を2r1=40μm、比屈折率差をΔn1=0.1%、純SiO2からなる第2クラッド層212の外径を2r2=125μm、比屈折率差をΔn2=0%に設定している。
【0094】
また、この実施例C1〜C3、及び比較例D1〜D4では、主に、線引前の光ファイバ母材に対するアニールでのアニール温度を変えて、その効果について検討している。また、熱処理炉での光ファイバのアニールによる徐冷については、いずれにおいても行っていない。
【0095】
図7の表に示した本発明による光ファイバの実施例C1〜C3のうち、実施例C1では、光ファイバ母材のアニール条件を950℃で60時間、線引炉での線引温度を2100℃、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.96dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.190dB/kmとなっている。
【0096】
また、実施例C2では、光ファイバ母材のアニール条件を1050℃で60時間、線引炉での線引温度を2100℃、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.94dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.186dB/kmとなっている。
【0097】
また、実施例C3では、光ファイバ母材のアニール条件を1150℃で60時間、線引炉での線引温度を2100℃、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.96dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.190dB/kmとなっている。
【0098】
これらの実施例C1〜C3では、線引時に2100℃での低温線引を行っている。また、それぞれ、950℃以上1150℃以下の温度で30時間以上にわたって母材をアニールする、との条件を満たす950℃、1050℃、1150℃×60時間のアニール条件で、線引前に光ファイバ母材に対してアニールを行っている。これにより、いずれの実施例においても、レイリー散乱係数A、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失α1.55が充分に低減されている。
【0099】
一方、図7の表に示した光ファイバの比較例D1〜D4のうち、比較例D1では、光ファイバ母材のアニールは行わず、線引炉での線引温度を2200℃、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=1.02dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.200dB/kmとなっている。
【0100】
また、比較例D2では、光ファイバ母材のアニールは行わず、線引炉での線引温度を2100℃、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.99dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.195dB/kmとなっている。
【0101】
これらの比較例D1、D2では、いずれも、光ファイバ母材を線引前に構造緩和状態とするための母材のアニールを行っていない。このため、光ファイバの線引において2100℃での低温線引を行うかどうかにかかわらず、実施例C1〜C3に比べてレイリー散乱係数A、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失α1.55が大きくなっており、その損失特性が劣化している。
【0102】
また、比較例D3では、光ファイバ母材のアニール条件を850℃で60時間、線引炉での線引温度を2100℃、とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.99dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.195dB/kmとなっている。この比較例D3では、光ファイバ母材のアニールを行っているものの、そのアニール温度が850℃と低くなっている。このような条件では、母材のアニールを行っていない比較例D2と比べて、伝送損失の低減効果が得られないことがわかる。
【0103】
また、比較例D4では、光ファイバ母材のアニール条件を1250℃で60時間、とする製造条件を設定しているが、このような条件では、光ファイバ母材をアニールしている途中で母材が軟化して垂れてきてしまう。したがって、このアニール温度は、母材のアニールには適していない。
【0104】
以上より、950℃以上1150℃以下の範囲内における所定温度で光ファイバ母材のアニールを行うことにより、母材の段階でのガラスの構造緩和による光ファイバの伝送損失の低減効果が好適に得られることがわかる。
【0105】
図8は、光ファイバの実施例E1〜E3、及び比較例F1における製造条件、及びその損失特性について示す表である。ここでは、光ファイバとして、図4に示した構成を有する純シリカコア光ファイバを想定している。具体的には、純SiO2からなるコア領域300の外径を2r0=8μm、比屈折率差をΔn0=0%、Fが添加されたSiO2からなるクラッド層311の外径を2r1=125μm、比屈折率差をΔn1=−0.35%に設定している。
【0106】
また、この実施例E1〜E3、及び比較例F1では、主に、線引前の光ファイバ母材に対するアニールでのアニール時間を変えて、その効果について検討している。また、線引炉での線引温度については、いずれも低温線引の条件を満たす2100℃に設定している。また、熱処理炉での光ファイバのアニールによる徐冷については、いずれも1300℃で0.5秒のアニール条件を設定している。
【0107】
図8の表に示した本発明による光ファイバの実施例E1〜E3のうち、実施例E1では、光ファイバ母材のアニール条件について、1050℃で30時間とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.80dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.163dB/kmとなっている。
【0108】
また、実施例E2では、1050℃で60時間とする光ファイバ母材のアニール条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.79dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.161dB/kmとなっている。
【0109】
また、実施例E3では、1050℃で100時間とする光ファイバ母材のアニール条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.78dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.159dB/kmとなっている。
【0110】
一方、図8の表に示した光ファイバの比較例F1では、光ファイバ母材のアニールは行わないとする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=0.82dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.165dB/kmとなっている。
【0111】
これらの実施例E1〜E3、及び比較例F1より、アニール温度が一定の場合には、アニール時間を長くすることによって、母材の段階でのガラスの構造緩和による光ファイバの伝送損失の低減効果が大きくなっていることがわかる。したがって、光ファイバ母材のアニール条件については、上述したように950℃以上1150℃以下の温度で、30時間以上のアニール時間とすることが好ましいが、60時間以上のアニール時間、あるいはさらに100時間以上のアニール時間とすることがより好ましい。
【0112】
図9は、光ファイバの実施例G1〜G6、及び比較例H1における製造条件、及びその損失特性について示す表である。ここでは、光ファイバとして、図5に示した構成を有する分散補償ファイバ(DCF)を想定している。具体的には、Geが添加されたSiO2からなるコア領域400の外径を2r0=4μm、比屈折率差をΔn0=[Ge]=1.5%、Fが添加されたSiO2からなる第1クラッド層411の外径を2r1=8μm、比屈折率差をΔn1=−0.4%、純SiO2からなる第2クラッド層412の外径を2r2=125μm、比屈折率差をΔn2=0%に設定している。
【0113】
また、この実施例G1〜G6、及び比較例H1では、主に、線引後の光ファイバに対するアニールによる徐冷でのアニール温度を変えて、その効果について検討している。また、光ファイバ母材のアニールについては、比較例H1を除いて1050℃で60時間のアニール条件を設定している。また、線引炉での線引温度については、いずれも低温線引の条件を満たす2100℃に設定している。
【0114】
図9の表に示した本発明による光ファイバの実施例G1〜G6のうち、実施例G1では、熱処理炉での光ファイバのアニール条件について、1100℃で0.5秒とする製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=1.20dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.231dB/kmとなっている。
【0115】
また、実施例G2では、1300℃で0.5秒とする光ファイバのアニール条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=1.18dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.228dB/kmとなっている。
【0116】
また、実施例G3では、1550℃で0.5秒とする光ファイバのアニール条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=1.20dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.231dB/kmとなっている。
【0117】
これらの実施例G1〜G3では、いずれも、光ファイバ母材を線引前に構造緩和状態とするための母材のアニールを行っている。また、それぞれ、1100℃以上1600℃以下の温度で線引後の光ファイバをアニールする、との条件を満たす1100℃、1300℃、1550℃×0.5秒のアニール条件で、線引後の光ファイバに対してアニールを行っている。これにより、いずれの実施例においても、レイリー散乱係数A、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失α1.55が充分に低減されている。
【0118】
また、実施例G4では、900℃で0.5秒とする光ファイバのアニール条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=1.24dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.237dB/kmとなっている。
【0119】
また、実施例G5では、1650℃で0.5秒とする光ファイバのアニール条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=1.25dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.240dB/kmとなっている。
【0120】
また、実施例G6では、熱処理炉での光ファイバのアニールは行わないとの製造条件を設定している。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=1.25dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.240dB/kmとなっている。
【0121】
一方、比較例H1では、熱処理炉での光ファイバのアニールは行わないとの製造条件を設定している。さらに、本比較例では、光ファイバ母材のアニールについても行わないこととしている。また、得られた損失特性は、レイリー散乱係数がA=1.28dB/km・μm4、伝送損失がα1.55=0.245dB/kmとなっている。
【0122】
この比較例H1では、実施例G1〜G6に比べてレイリー散乱係数A、及びレイリー散乱損失を含む伝送損失α1.55が大きくなっており、その損失特性が劣化している。また、実施例G4〜G6は、実施例G1〜G3に比べると、ややレイリー散乱係数A及び伝送損失α1.55が大きくなっている。
【0123】
以上より、線引前の光ファイバ母材のアニールに加えて、線引後の光ファイバのアニールによる徐冷を行う場合には、1100℃以上1600℃以下の範囲内における所定温度で光ファイバのアニールを行うことにより、光ファイバの伝送損失の低減効果が好適に得られることがわかる。
【0124】
本発明による光ファイバの製造方法、及び光ファイバは、上述した実施形態及び実施例に限られるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、線引装置の具体的な構成については、図1はその一例を示すものであり、上述した製造方法を実現可能なものであれば、他の構成の線引装置を用いても良い。
【0125】
【発明の効果】
本発明による光ファイバの製造方法、及び光ファイバは、以上詳細に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、線引前の光ファイバ母材を950℃以上1150℃以下の温度で30時間以上アニールするとともに、得られた構造緩和状態が保持される線引条件によって光ファイバの線引を行う光ファイバの製造方法、及び光ファイバによれば、光ファイバでの伝送損失を低減し、かつ、その生産性を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光ファイバの製造方法、及び光ファイバの製造に用いられる線引装置の一実施形態を概略的に示す構成図である。
【図2】光ファイバの第1実施形態での屈折率プロファイルを示すグラフである。
【図3】光ファイバの第2実施形態での屈折率プロファイルを示すグラフである。
【図4】光ファイバの第3実施形態での屈折率プロファイルを示すグラフである。
【図5】光ファイバの第4実施形態での屈折率プロファイルを示すグラフである。
【図6】 光ファイバの実施例A1A3、参考例A2、及び比較例B1〜B3における製造条件及び損失特性について示す表である。
【図7】光ファイバの実施例C1〜C3、及び比較例D1〜D4における製造条件及び損失特性について示す表である。
【図8】光ファイバの実施例E1〜E3、及び比較例F1における製造条件及び損失特性について示す表である。
【図9】光ファイバの実施例G1〜G6、及び比較例H1における製造条件及び損失特性について示す表である。
【符号の説明】
1…線引装置、2…光ファイバ母材、3…ガラスファイバ、4…光ファイバ素線、11…線引炉、12…ヒータ、13…炉心管、14…不活性ガス供給部、15…ガス供給通路、21…熱処理炉、22…ヒータ、23…炉心管、24…N2ガス供給部、25…ガス供給通路、31…冷却手段、32…円筒管、33…ノズル、34…冷却ガス供給部、40…樹脂被覆部、41…コーティングダイス、42…UV樹脂、43…樹脂硬化部、44…UVランプ、46…コーティングダイス、47…UV樹脂、48…樹脂硬化部、49…UVランプ、51…外径測定器、52…ドラム、53…駆動モータ、54…制御ユニット、55…回転駆動軸、56…ガイドローラ。
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an optical fiber manufacturing method for transmitting light with low transmission loss, and an optical fiber.
[0002]
[Prior art]
In the transmission of light using an optical fiber, transmission loss such as Rayleigh scattering loss caused by Rayleigh scattering in the optical fiber and structural irregularity loss caused by structural disorder in the optical fiber becomes a problem. On the other hand, an optical fiber capable of reducing transmission loss or a manufacturing method thereof has been proposed.
[0003]
For example, in the document “Sakaguchi, IEICE Transactions 2000/1 Vol.J83-C No.1, pp.30-36”, the Rayleigh scattering loss in the optical fiber is caused by the slow cooling of the optical fiber after drawing. Is described. That is, the Rayleigh scattering intensity in the glass is not fixed depending on the material, but depends on a virtual temperature Tf (fictive temperature) which is a virtual temperature indicating disorder of the arrangement state of atoms in the glass. Specifically, when the fictive temperature Tf in the glass is high (randomness is large), the Rayleigh scattering intensity increases.
[0004]
In contrast, when the optical fiber preform is drawn by heating, a heat treatment furnace is installed after the drawing furnace, and the optical fiber after drawing passes within the predetermined temperature range when passing through the heat treatment furnace. Then, the optical fiber is annealed by heating. By such annealing of the optical fiber, rapid cooling of the optical fiber after drawing is prevented, and the optical fiber is gradually cooled. At this time, due to the structural relaxation of the glass due to the rearrangement of atoms, the virtual temperature Tf in the optical fiber is lowered, and the Rayleigh scattering intensity in the optical fiber is suppressed.
[0005]
The document “K. Tajima, NTT REVIEW Vol. 10 No. 6, pp. 109-113 (1998)” describes that Rayleigh scattering intensity is similarly suppressed by drawing at low temperature. .
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, conventional manufacturing methods such as the above-described manufacturing method of annealing an optical fiber after drawing using a heat treatment furnace can achieve both reduction in transmission loss of the optical fiber and improvement in productivity of the optical fiber. difficult.
[0007]
For example, when the transmission loss of an optical fiber is reduced by annealing in a heat treatment furnace provided at a subsequent stage of the drawing furnace, a considerable part of the drawing line needs to be used as a heat treatment line. For this reason, when a heat treatment line is added, the length of the line used for cooling the optical fiber is shortened accordingly, and the optical fiber speed during drawing cannot be increased.
[0008]
In addition, when reducing transmission loss of an optical fiber by drawing at a low temperature, in order to maintain the transmission characteristics of the optical fiber such as dispersion while keeping the tension constant, drawing must be performed at a low drawing speed. As in the case of annealing in a heat treatment furnace, there is a problem that the productivity of optical fibers does not increase.
[0009]
The present invention has been made to solve the above-described problems, and provides an optical fiber manufacturing method and an optical fiber in which the transmission loss in the optical fiber is reduced and the productivity is improved. For the purpose.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
  In order to achieve such an object, an optical fiber manufacturing method according to the present invention includes: (1) an optical fiber mother made by dehydration and sintering, and having a core region and a cladding region provided on the outer periphery of the core region. A heat treatment step of heat-treating the material at a temperature of 950 ° C. to 1150 ° C. for a predetermined time of 30 hours or more, and (2) a structure relaxation state obtained in the heat treatment step of the heat-treated optical fiber preform by a drawing furnace A drawing step of creating an optical fiber by drawing with heating under a drawing condition whereIn the drawing step, an optical fiber is produced while maintaining the structural relaxation state as a drawing condition in which the optical fiber preform is drawn by heating at a temperature of 2100 ° C. or less in a drawing furnace.It is characterized by that.
[0011]
In the above-described optical fiber manufacturing method, attention is paid not only to the drawing conditions when the optical fiber preform is heated and drawn, but also to the optical fiber preform manufacturing process. Then, before heating and drawing the optical fiber preform made by dehydration and sintering, the optical fiber preform is annealed at a furnace temperature of a predetermined temperature within a range of 950 ° C. to 1150 ° C. At this stage, the optical fiber is drawn by drawing the optical fiber preform so that the structural relaxation state is maintained and the obtained structural relaxation state is maintained.
[0012]
Thereby, an optical fiber with reduced transmission loss can be reliably manufactured. In addition, since the glass structure is relaxed before drawing, the optical fiber productivity can be improved, for example, the drawing speed of the optical fiber during drawing can be increased.
[0013]
Regarding specific drawing conditions for maintaining the structural relaxation state, in the drawing step, the structural relaxation state is set as a drawing condition for drawing the optical fiber preform at a temperature of 2100 ° C. or less by a drawing furnace. There is a method of making an optical fiber while holding it.
[0014]
Alternatively, in the drawing step, the optical fiber drawn in the drawing furnace is subjected to a structure relaxation state as a drawing condition in which heat treatment is performed at a temperature of 1100 ° C. or more and 1600 ° C. or less in a heat treatment furnace provided at a subsequent stage of the drawing furnace. There is a method of making an optical fiber while holding the optical fiber.
[0015]
Thus, by applying the drawing conditions for performing low temperature drawing of the optical fiber at a temperature of 2100 ° C. or lower, slow cooling of the optical fiber by annealing in a heat treatment furnace, or both, it is obtained at the base material stage. The optical fiber can be drawn while suitably maintaining the structured relaxation state. Moreover, you may use drawing conditions other than these.
[0016]
An optical fiber according to the present invention includes a core region and a cladding region provided on the outer periphery of the core region, and is manufactured by the above-described optical fiber manufacturing method. As a result, an optical fiber that can be manufactured with high productivity and has good characteristics with reduced transmission loss can be obtained.
[0017]
The core region is pure SiO2Ge is added in an addition amount in which the relative refractive index difference expressed in% with respect to [Ge] is added, and the Rayleigh scattering coefficient A (dB / km · μm).Four), And transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm1.00(DB / km) is a reference value A represented by the following equation0, And α0
A0= 0.85 + 0.29 [Ge]
α0= 0.86 + 0.29 [Ge]
It is characterized by being 97% or less.
[0018]
In the optical fiber described above, the optical fiber Rayleigh scattering coefficient A and the transmission loss α including the Rayleigh scattering loss.1.00Is a reference value A indicating a value in a normal optical fiber0, Α0The value is reduced by 3% or more to 97% or less. As a result, an optical fiber with a sufficiently reduced transmission loss can be obtained.
[0019]
The core region is pure SiO2And the Rayleigh scattering coefficient A (dB / km · μmFour), And transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm1.00(DB / km) is the reference value A0= 0.85, and α0= 96% or less with respect to 0.86.
[0020]
In the above-described pure silica core optical fiber, the optical fiber Rayleigh scattering coefficient A and the transmission loss α including the Rayleigh scattering loss.1.00Is a reference value A indicating a value in an ordinary pure silica core optical fiber.0, Α0The value is reduced by 4% or more to 96% or less. As a result, an optical fiber with a sufficiently reduced transmission loss can be obtained.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS Hereinafter, an optical fiber manufacturing method according to the present invention and a preferred embodiment of an optical fiber will be described in detail with reference to the drawings. In the description of the drawings, the same elements are denoted by the same reference numerals, and redundant description is omitted. Further, the dimensional ratios in the drawings do not necessarily match those described.
[0022]
First, an outline of an optical fiber manufacturing method will be described.
[0023]
In the method of manufacturing an optical fiber according to the present invention, first, an optical fiber preform configured to have a core region and a cladding region provided on the outer periphery of the core region is formed through a dehydration sintering process. Then, for the optical fiber preform obtained by dehydration and sintering, the virtual temperature Tf in the optical fiber preform is lowered by glass structural relaxation, so that the optical fiber preform is subjected to predetermined annealing conditions at the preform stage. The material is heat treated.
[0024]
Specifically, N2The prepared optical fiber preform is placed in a heat treatment furnace having a predetermined gas atmosphere such as a gas atmosphere. Then, the furnace temperature of the heat treatment furnace (the temperature of the heater provided in the heat treatment furnace) is set to a predetermined temperature in the range of 950 ° C. to 1150 ° C., and the optical fiber preform is annealed for a predetermined time of 30 hours or more. (Heat treatment step). The annealing process for the optical fiber preform is not performed in FIG. 1 because it is performed using, for example, a heat treatment furnace provided separately from the drawing apparatus.
[0025]
Subsequently, using the optical fiber preform that has been in a structurally relaxed state by heat treatment, the optical fiber preform is heated and drawn by a drawing furnace under a drawing condition in which the obtained structurally relaxed state is maintained. Create a fiber (drawing step). Thereby, an optical fiber with reduced transmission loss due to the relaxation of the glass structure can be obtained.
[0026]
As specific drawing conditions for maintaining the structural relaxation state, for example, drawing conditions for performing low temperature drawing of an optical fiber can be applied. In this case, the optical fiber preform is heated while maintaining the structural relaxation state as a drawing condition for setting the heater temperature, which is the furnace temperature of the drawing furnace, to a relatively low predetermined temperature within a range of 2100 ° C. or less. Draw.
[0027]
Alternatively, a drawing condition in which the optical fiber is gradually cooled by annealing in a heat treatment furnace can be applied. In this case, a heat treatment furnace for annealing the drawn optical fiber is provided after the drawing furnace. Then, with this heat treatment furnace, the optical fiber preform is maintained while maintaining the structural relaxation state as a drawing condition for annealing the optical fiber drawn in the drawing furnace at a temperature of 1100 ° C. or higher and 1600 ° C. or lower. Draw a heating line.
[0028]
A drawing apparatus 1 shown in FIG. 1 shows an example of a configuration of a drawing apparatus used in a drawing step in the above-described optical fiber manufacturing method.
[0029]
A drawing apparatus 1 shown in FIG. 1 is a drawing apparatus used for drawing a quartz glass-based optical fiber, and includes a drawing furnace 11, a annealing furnace 21 for slow cooling, and a cooling means 31. Configured. The drawing furnace 11, the heat treatment furnace 21, and the cooling means 31 are installed in this order in the direction in which the optical fiber preform 2 is drawn (the vertical direction in FIG. 1). Further, a resin coating portion 40 for coating the drawn glass fiber 3 with a resin is provided at the subsequent stage of the heat treatment furnace 21 and the cooling means 31.
[0030]
In the production of an optical fiber using the main drawing apparatus 1, first, the optical fiber preform 2 that has been subjected to the structural relaxation state by the heat treatment at the preform stage as described above is prepared, and the preform supply apparatus (shown) The optical fiber preform 2 held by the optical fiber preform 2 is supplied to the drawing furnace 11. Then, the lower end of the optical fiber preform 2 is heated and softened by the heater 12 in the drawing furnace 11, and drawn at a predetermined drawing speed to obtain the glass fiber 3.
[0031]
Here, when applying a drawing condition for performing low temperature drawing of the optical fiber, the temperature of the heater 12 serving as the furnace temperature of the drawing furnace 11 is set to a predetermined temperature within a range of 2100 ° C. or less, and the optical fiber mother is set. The material 2 is drawn. At this time, the temperature of the optical fiber preform 2 is about 2000 ° C. or lower. Further, a gas supply passage 15 from an inert gas supply unit 14 is connected to the core tube 13 of the drawing furnace 11 so that the inside of the core tube 13 is in an inert gas atmosphere.
[0032]
The heated glass fiber 3 is rapidly cooled in the furnace core tube 13 by, for example, an inert gas to about 1700 ° C. Thereafter, the glass fiber 3 is taken out of the drawing furnace 11 from the lower part of the furnace core tube 13 and is air-cooled between the drawing furnace 11 and the heat treatment furnace 21. As an inert gas, for example, N2Gas can be used. N2The thermal conductivity coefficient λ (T = 300K) of the gas is 26 mW / (m · K). The thermal conductivity coefficient λ (T = 300K) of air is 26 mW / (m · K).
[0033]
Next, the drawn and air-cooled glass fiber 3 is placed in a heat treatment furnace 21 for annealing provided between the drawing furnace 11 and the resin coating portion 40 and at a predetermined position after the drawing furnace 11. send. Then, the glass fiber 3 after annealing is annealed by annealing the glass fiber 3 at a predetermined temperature with the heater 22 in the heat treatment furnace 21. Here, annealing of the glass fiber 3 is performed with the temperature of the heater 22 serving as the furnace temperature of the heat treatment furnace 21 being set to a predetermined temperature in the range of 1100 ° C. to 1600 ° C.
[0034]
The heat treatment furnace 21 has a furnace core tube 23 through which the glass fiber 3 passes. The core tube 23 of the heat treatment furnace 21 has N2A gas supply passage 25 from the gas supply unit 24 is connected, and the inside of the core tube 23 is N.2It is comprised so that it may become a gas atmosphere. N2Instead of using a gas, a gas having a relatively large molecular weight such as air or Ar may be used. However, when the core tube is made of carbon, it is necessary to use a gas that does not contain oxygen. In addition, when the drawing condition which anneals an optical fiber by annealing after drawing is not applied, the heat treatment furnace 21 may be omitted.
[0035]
Subsequently, the annealed glass fiber 3 is cooled between the drawing furnace 11 and the resin coating portion 40 and the cooling means 31 for forced cooling of the glass fiber 3 provided at a predetermined position after the heat treatment furnace 21. Send to. Then, the glass fiber 3 is cooled to a predetermined temperature by the cooling means 31.
[0036]
The cooling means 31 has a cylindrical tube 32 through which the glass fiber 3 passes. A plurality of nozzles 33 connected to the cooling gas supply unit 34 are provided on the side wall of the cylindrical tube 32. Thereby, the cooling gas from the cooling gas supply part 34 is supplied with respect to the glass fiber 3 which passes the inside of the cylindrical tube 32, and the glass fiber 3 is forcedly cooled. As the cooling gas, He gas is preferably used. In addition, when the glass fiber 3 can be sufficiently cooled by normal air cooling, such a cooling unit 31 may not be used.
[0037]
The outer diameter of the glass fiber 3 exiting the cooling means 31 is measured online by the outer diameter measuring device 51. Then, the measured value is fed back to the drive motor 53 that rotationally drives the drum 52, and the rotation of the drum 52 is driven and controlled so that the outer diameter becomes constant. An output signal from the outer diameter measuring device 51 is sent to a control unit 54 as control means. The control unit 54 obtains the rotational speeds of the drum 52 and the drive motor 53 by calculation so that the outer diameter of the glass fiber 3 becomes a predetermined value set in advance.
[0038]
From the control unit 54, an output signal indicating the rotation speeds of the drum 52 and the drive motor 53 obtained by calculation is output to a drive motor driver (not shown). The drive motor driver controls the rotation speed of the drive motor 53 based on an output signal from the control unit 54.
[0039]
The glass fiber 3 whose outer diameter is measured by the outer diameter measuring device 51 is inserted into the resin coating portion 40 configured in two stages (tandem). First, the UV resin 42 is applied by the coating die 41 to the glass fiber 3 that has passed through the outer diameter measuring device 51 in the first-stage resin coating portion. The applied UV resin 42 is cured by ultraviolet light from the UV lamp 44 of the resin curing unit 43.
[0040]
Further, the UV resin 47 is applied to the glass fiber 3 from the resin curing portion 43 by the coating die 46 in the second-stage resin coating portion. The applied UV resin 47 is cured by ultraviolet light from the UV lamp 49 of the resin curing unit 48. Thereby, the optical fiber 4 in which the glass fiber 3 is coated with the resin is formed. Then, the optical fiber 4 is taken up by the drum 52 through the guide roller 56. The drum 52 is supported by a rotation drive shaft 55, and an end portion of the rotation drive shaft 55 is connected to a drive motor 53.
[0041]
As described above, the gas supply passage 15 from the inert gas supply unit 14 is connected to the core tube 13 of the drawing furnace 11 so that the inside of the core tube 13 has an inert gas atmosphere. ing. In contrast, N as the inert gas supply unit 142A gas supply unit is provided, and N in the core tube 132Supply gas N2You may comprise so that it may become a gas atmosphere. He gas supply unit and N2A gas supply unit is also provided, and He gas or N is provided in the core tube 13 according to the linear velocity.2It is good also as composition which supplies gas.
[0042]
The effect by the manufacturing method of the optical fiber of embodiment mentioned above is demonstrated.
[0043]
In the optical fiber manufacturing method according to the present embodiment, when the glass fiber 3 is manufactured by heating the optical fiber preform 2, not only the drawing conditions for the heating drawing but also the manufacturing of the optical fiber preform 2 is performed. Focus on the process. Then, before heating and drawing the optical fiber preform 2 produced by dehydration and sintering with the drawing apparatus 1, the optical fiber preform at a furnace temperature of a predetermined temperature within a range of 950 ° C. to 1150 ° C. The glass fiber 3 is produced by drawing the optical fiber preform 2 under the drawing conditions that maintain the obtained structure relaxed state.
[0044]
According to such a manufacturing method, by annealing the optical fiber preform, the fictive temperature Tf in the optical fiber preform is lowered due to the structural relaxation of the glass. Further, in the process of heating and drawing the optical fiber preform in the structure relaxed state to form an optical fiber, the glass of the optical fiber preform is not completely melted, and the optical fiber is drawn with the glass softened. Is done.
[0045]
For this reason, if the drawing condition is appropriately set when drawing the optical fiber preform, the optical fiber preform is drawn while maintaining the structural relaxation state of the glass obtained in the preform stage to some extent. It is possible to create an optical fiber. Thereby, the fictive temperature Tf in the obtained optical fiber can be lowered, and an optical fiber with reduced Rayleigh scattering loss and transmission loss including Rayleigh scattering loss can be manufactured.
[0046]
Further, according to this manufacturing method, since the glass structure is relaxed at the base material stage before drawing, the length of the heat treatment line in the drawing line is shortened, or the light at the time of drawing is reduced. The fiber speed of the fiber can be increased. Thereby, drawing of an optical fiber can be performed efficiently and it becomes possible to improve the productivity of an optical fiber. As described above, a method of manufacturing an optical fiber that can suitably achieve both reduction in transmission loss of the optical fiber and improvement in productivity of the optical fiber is realized.
[0047]
As for the specific drawing conditions for maintaining the structure relaxation state, as described above, the drawing conditions for drawing the optical fiber at a low temperature, or the optical fiber after drawing by annealing in a heat treatment furnace. It is possible to apply a drawing condition for performing slow cooling. In this way, by setting the drawing conditions for performing low temperature drawing, slow cooling, or both of the optical fiber, the optical fiber is drawn while suitably maintaining the structural relaxation state obtained at the base material stage. can do. Moreover, you may use drawing conditions other than these.
[0048]
Next, the optical fiber according to the present invention manufactured by the manufacturing method described above will be described. The optical fiber according to the present invention can be manufactured with high productivity as described above with respect to its manufacturing method, and has good characteristics with reduced transmission loss.
[0049]
FIG. 2 is a graph showing a refractive index profile of the first embodiment of the optical fiber according to the present invention. In this graph, the horizontal axis indicates the position viewed from the central axis of each part in the optical fiber. The vertical axis represents pure SiO at each site in the optical fiber.2Relative refractive index difference (%).
[0050]
The optical fiber of this embodiment includes a core region 100 and a cladding region 110 provided on the outer periphery of the core region 100. The core region 100 has a radius r including the central axis of the optical fiber.0It is formed as a layer. Further, the core region 100 is made of SiO to which Ge is added in a predetermined addition amount.2Consists of.
[0051]
Specifically, the core region 100 includes pure SiO.2When the addition amount of Ge is expressed by the relative refractive index difference [Ge] expressed in% with respect to the addition amount, the addition amount that satisfies the predetermined refractive index difference [Ge] satisfies a predetermined condition (for example, an addition amount that becomes 0.3% or more). Ge is added. Accordingly, the relative refractive index difference Δn of the core region 100 is obtained.0Is Δn0= [Ge]> 0.
[0052]
In addition, the clad region 110 is composed of a single clad layer 111 in the present embodiment. The cladding layer 111 has a radius r provided on the outer periphery of the core region 100.1It is formed as a layer. The cladding layer 111 is made of pure SiO.2Consists of. Thereby, the relative refractive index difference Δn of the cladding layer 1111Is Δn1= 0. The optical fiber having such a configuration can be suitably applied as, for example, a Ge-doped single mode fiber (Ge-SM).
[0053]
A suitable characteristic condition in the present optical fiber will be described. That is, in the optical fiber shown in FIG. 2, the Rayleigh scattering coefficient A (dB / km · μm) indicating the magnitude of the Rayleigh scattering loss in the optical fiber.Four), And transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm1.00(DB / km) is a reference value A represented by the following equation0, And α0
A0= 0.85 + 0.29 [Ge]
α0= 0.86 + 0.29 [Ge]
Is preferably 97% or less. Here, [Ge] is pure SiO indicating the amount of Ge added to the core region, as described above.2Relative refractive index difference in% relative to A0For example, if [Ge] = 0.35%, A0= 0.85 + 0.29 x 0.35 = 0.95.
[0054]
In this preferable characteristic condition, the transmission loss α including the Rayleigh scattering coefficient A of the optical fiber and the Rayleigh scattering loss is used.1.00Is a reference value A indicating a value in a normal optical fiber0, Α0The value is reduced by 3% or more to 97% or less. As a result, an optical fiber with a sufficiently reduced transmission loss can be obtained.
[0055]
The specific configuration of the optical fiber according to the present invention is not limited to the configuration of the first embodiment shown in FIG. 2, but various configurations, as shown in the second to fourth embodiments described later. May be used. For example, for the core region, pure SiO with no Ge added2It is good also as composition which consists of. The reference value A described above0, Α0The characteristic condition regarding can be similarly applied to the configuration of a pure silica core in which [Ge] = 0.
[0056]
Core is pure SiO2In the optical fiber made of, the Rayleigh scattering coefficient A (dB / km · μmFour), And transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm1.00(DB / km) is the reference value A0= 0.85, and α0= 96% or less with respect to 0.86 is preferable.
[0057]
In this preferable characteristic condition, the transmission loss α including the Rayleigh scattering coefficient A of the optical fiber and the Rayleigh scattering loss is used.1.00Is a reference value A indicating a value in an ordinary pure silica core optical fiber.0, Α0The value is reduced by 4% or more to 96% or less. As a result, an optical fiber with a sufficiently reduced transmission loss can be obtained.
[0058]
For the cladding region, pure SiO in the configuration shown in FIG.2In general, each of the clad layers is made of pure SiO.2SiO with Ge added2Or SiO with F added2It is preferable to have a configuration having one or more clad layers made of any of the above.
[0059]
According to such a configuration, various types of optical fibers such as a single mode fiber (SMF), a dispersion shift fiber (DSF), and a dispersion compensation fiber (DCF) can be used. Therefore, it can be produced with good productivity due to good characteristics.
[0060]
Each characteristic condition of the optical fiber described above will be further described. In the above-described preferable characteristic conditions in the optical fiber according to the present invention, the Rayleigh scattering coefficient A and the transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm are used as indices for evaluating the effect of reducing the Rayleigh scattering loss and the like.1.00These Rayleigh scattering coefficients A and transmission loss α1.00Is a reference value A indicating a normal value.0, Α0The value is reduced by 3% or more to 97% or less.
[0061]
The transmission loss αλ (dB / km) at the wavelength λ in an optical fiber is generally expressed by the following equation, due to transmission loss components such as Rayleigh scattering loss and other structural irregularities.
αλ = A / λFour+ B + C (λ)
It is represented by Of these, the first term A / λFour(DB / km) indicates the Rayleigh scattering loss, and the coefficient A is the Rayleigh scattering coefficient (dB / km · μm).Four). From the above equation, the Rayleigh scattering loss is proportional to the Rayleigh scattering coefficient A. Therefore, if the Rayleigh scattering coefficient A is reduced by 3% from the reference value, the Rayleigh scattering loss is reduced by 3%.
[0062]
Here, in an optical fiber obtained by a normal manufacturing method that does not perform annealing of the optical fiber preform before drawing, low temperature drawing of the optical fiber, or slow cooling of the optical fiber after drawing, When the addition amount of Ge is represented by [Ge] described above, the Rayleigh scattering coefficient A (dB / km · μmFour) Value is
A0= 0.85 + 0.29 [Ge]
It becomes. Therefore, this normal value A0Can be used as the reference value of the Rayleigh scattering coefficient A. At this time, the Rayleigh scattering coefficient A in the obtained optical fiber is a reference value A0It is sufficient that the amount is reduced by 3% or more.
[0063]
Further, in order to evaluate the overall transmission loss including the Rayleigh scattering loss, the transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm1.00May be used as an index. At a wavelength of 1.00 μm, B + C (λ) is approximately 0.01 in the above expression of the transmission loss αλ. Therefore, in an optical fiber obtained by a normal manufacturing method, the transmission loss α1.00The value of (dB / km) is
α0= A0+0.01
= 0.86 + 0.29 [Ge]
It becomes. Therefore, this normal value α0Transmission loss α1.00Can be used as a reference value. At this time, transmission loss α in the obtained optical fiber1.00Is the reference value α0Is preferably reduced by 3% or more.
[0064]
Thus, Rayleigh scattering coefficient A or transmission loss α1.00By using as an index, it is possible to reliably obtain the effect of reducing the Rayleigh scattering loss or the entire transmission loss including the Rayleigh scattering loss. In addition, the reference value A described above0, Α0According to the respective expressions, the variable [Ge] relating to the amount of Ge added to the core is included in the expressions. Therefore, it is possible to evaluate the transmission loss according to the added amount of Ge.
[0065]
For the Rayleigh scattering coefficient A, the data on the wavelength dependence of transmission loss (for example, 1 / λ)Four(Slope in the plot). Further, as an index for evaluating the overall transmission loss, the transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm1.00This is a comparatively short optical fiber sample of about 1 to 10 km in which the value of transmission loss at 1.00 μm is larger than the wavelength band of 1.55 μm used for optical transmission, etc. This is because the evaluation can be performed with sufficient accuracy.
[0066]
Also, the transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm of the optical fiber1.00And transmission loss α at a wavelength of 1.55 μm1.55With a certain relationship, and transmission loss α1.00Transmission loss α by evaluating the reduction effect at1.55Similarly, the reduction can be confirmed. As a specific correspondence, transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm1.00As mentioned above
α1.00= A + 0.01
The transmission loss α at a wavelength of 1.55 μm corresponding to this expression1.55The expression of
α1.55= A × 0.17325 + 0.025
It is.
[0067]
Another example of the specific configuration of the optical fiber according to the present invention will be described.
[0068]
FIG. 3 is a graph showing a refractive index profile of the second embodiment of the optical fiber. In this graph, the horizontal axis indicates the position viewed from the central axis of each part in the optical fiber. The vertical axis represents pure SiO at each site in the optical fiber.2Relative refractive index difference (%).
[0069]
The optical fiber of this embodiment includes a core region 200 and a cladding region 210 provided on the outer periphery of the core region 200. The core region 200 has a radius r including the central axis of the optical fiber.0It is formed as a layer. Further, the core region 200 is made of SiO to which Ge is added with a predetermined addition amount that is [Ge] in terms of relative refractive index difference.2Consists of. Accordingly, the relative refractive index difference Δn of the core region 2000Is Δn0= [Ge]> 0.
[0070]
In the present embodiment, the cladding region 210 includes two cladding layers 211 and 212. The inner first cladding layer 211 has a radius r provided on the outer periphery of the core region 200.1It is formed as a layer. The clad layer 211 is made of SiO with Ge added in a predetermined addition amount.2Consists of. Thereby, the relative refractive index difference Δn of the cladding layer 2111Is Δn1> 0.
[0071]
The outer second cladding layer 212 has a radius r provided on the outer periphery of the first cladding layer 211.2It is formed as a layer. The cladding layer 212 is made of pure SiO.2Consists of. Thereby, the relative refractive index difference Δn of the cladding layer 2122Is Δn2= 0. The optical fiber having such a configuration can be suitably applied as a dispersion shifted fiber (DSF), for example. The Rayleigh scattering coefficient A and the transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm1.00Suitable characteristic conditions for the above are the same as those described above for the optical fiber of the first embodiment shown in FIG.
[0072]
FIG. 4 is a graph showing the refractive index profile of the third embodiment of the optical fiber.
[0073]
The optical fiber of this embodiment includes a core region 300 and a cladding region 310 provided on the outer periphery of the core region 300. The core region 300 has a radius r including the central axis of the optical fiber.0It is formed as a layer. The core region 300 is made of pure SiO to which no Ge is added.2Consists of. Accordingly, the relative refractive index difference Δn of the core region 3000Is Δn0= 0.
[0074]
In addition, the clad region 310 is composed of a single clad layer 311 in this embodiment. The cladding layer 311 has a radius r provided on the outer periphery of the core region 300.1It is formed as a layer. In addition, this cladding layer 311 is made of SiO with F added in a predetermined addition amount.2Consists of. Thereby, the relative refractive index difference Δn of the cladding layer 3111Is Δn1<0. The optical fiber having such a configuration can be suitably applied as a pure silica core optical fiber, for example. The Rayleigh scattering coefficient A and the transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm1.00Suitable characteristic conditions for the above are as described above for the pure silica core optical fiber.
[0075]
FIG. 5 is a graph showing a refractive index profile of the fourth embodiment of the optical fiber.
[0076]
The optical fiber of the present embodiment includes a core region 400 and a cladding region 410 provided on the outer periphery of the core region 400. The core region 400 has a radius r including the central axis of the optical fiber.0It is formed as a layer. In addition, the core region 400 is made of SiO doped with Ge at a predetermined addition amount of [Ge] as a relative refractive index difference.2Consists of. Accordingly, the relative refractive index difference Δn of the core region 4000Is Δn0= [Ge]> 0.
[0077]
In the present embodiment, the cladding region 410 includes two cladding layers 411 and 412. The inner first cladding layer 411 has a radius r provided on the outer periphery of the core region 400.1It is formed as a layer. The clad layer 411 is made of SiO with F added in a predetermined addition amount.2Consists of. Thereby, the relative refractive index difference Δn of the cladding layer 4111Is Δn1<0.
[0078]
The outer second cladding layer 412 has a radius r provided on the outer periphery of the first cladding layer 411.2It is formed as a layer. The cladding layer 412 is made of pure SiO.2Consists of. Thereby, the relative refractive index difference Δn of the cladding layer 4122Is Δn2= 0. The optical fiber having such a configuration can be suitably applied as a dispersion compensating fiber (DCF), for example. The Rayleigh scattering coefficient A and the transmission loss α at a wavelength of 1.00 μm1.00Suitable characteristic conditions for the above are the same as those described above for the optical fiber of the first embodiment shown in FIG.
[0079]
The optical fiber manufacturing method according to the present invention and the transmission loss reduction effect of the optical fiber manufactured thereby will be described together with specific examples and comparative examples.
[0080]
  FIG. 6 shows an optical fiber embodiment A1.,A3,Reference Example A2,And it is a table | surface shown about the manufacturing conditions in Comparative Examples B1-B3, and its loss characteristic. Here, a Ge-doped single mode fiber (Ge-SM) having the configuration shown in FIG. 2 is assumed as the optical fiber. Specifically, SiO doped with Ge2The outer diameter of the core region 100 made of 2r is 2r0= 8 μm, the relative refractive index difference is Δn0= [Ge] = 0.35%, pure SiO2The outer diameter of the cladding layer 111 made of1= 125 μm, the relative refractive index difference is Δn1= 0%.
[0081]
  As for the manufacturing conditions, the drawing speed for drawing the optical fiber 3 is 500 m / min, and the drawing tension is about 0.88 N (90 gw). The conditions for annealing the optical fiber preform 2 before drawing, the drawing temperature in the drawing furnace 11, and the conditions for slow cooling by annealing the optical fiber 3 in the heat treatment furnace 21 subsequent to the drawing furnace 11 are as follows: Example, Reference examples,The comparative example is as shown in the table of FIG.
[0082]
  Also, the table of FIG., Reference examples,As a loss characteristic of the optical fiber in the comparative example, the Rayleigh scattering coefficient A (dB / km · μm4), And transmission loss α at a wavelength of 1.55 μm1.55(DB / km) is shown.
[0083]
  Example A1 of the optical fiber according to the invention shown in the table of FIG.,A3And Reference Example A2Among these, in Example A1, the annealing conditions for the optical fiber preform were 1050 ° C. for 60 hours, the drawing temperature in the drawing furnace was 2100 ° C., and the optical fiber was not annealed in the heat treatment furnace. Is set. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.90 dB / km · μm.4, Transmission loss is α1.55= 0.182 dB / km.
[0084]
  Also,Reference exampleIn A2, the annealing conditions for the optical fiber preform are 1050 ° C. for 60 hours, the drawing temperature in the drawing furnace is 2200 ° C., and the annealing conditions for the optical fiber in the heat treatment furnace are 1300 ° C. for 1 second. It is set. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.89 dB / km · μm.4, Transmission loss is α1.55= 0.182 dB / km.
[0085]
In Example A3, the annealing condition of the optical fiber preform was 1050 ° C. for 60 hours, the drawing temperature in the drawing furnace was 2100 ° C., and the annealing condition of the optical fiber in the heat treatment furnace was 1300 ° C. for 1 second. Manufacturing conditions are set. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.89 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.180 dB / km.
[0086]
  Example A1 described above,A3And Reference Example A2In either case, the optical fiber preform is annealed under the annealing condition of 1050 ° C. × 60 hours that satisfies the condition that the preform is annealed at a temperature of 950 ° C. to 1150 ° C. for 30 hours or more. Yes. In Example A1, in addition to annealing of the optical fiber preform, an example is shown in which low temperature drawing at 2100 ° C. is performed at the time of drawing. Also,Reference exampleIn A2, in addition to the annealing of the optical fiber preform, an example in which the optical fiber after drawing is gradually cooled is shown. In Example A3, in addition to annealing of the optical fiber preform, an example is shown in which low temperature drawing at the time of drawing and slow cooling after drawing are combined.
[0087]
  That is, these Examples A1,A3And Reference Example A2Then, the optical fiber preform is annealed before drawing to bring it into a structure relaxed state at the preform stage, and the structure relaxed state is maintained under the drawing conditions for performing low temperature drawing, slow cooling, or both. The optical fiber is drawn. This allows any embodimentAnd reference examples, Transmission loss α including Rayleigh scattering coefficient A and Rayleigh scattering loss1.55Is sufficiently reduced.
[0088]
On the other hand, among the optical fiber comparative examples B1 to B3 shown in the table of FIG. 6, in the comparative example B1, the optical fiber preform is not annealed, and the drawing temperature in the drawing furnace is 2100 ° C. The manufacturing conditions are set such that the optical fiber is not annealed. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.94 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.188 dB / km.
[0089]
In Comparative Example B2, the optical fiber preform is not annealed, the drawing temperature in the drawing furnace is 2200 ° C., and the annealing condition of the optical fiber in the heat treatment furnace is 1300 ° C. for 0.5 seconds. Conditions are set. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.94 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.188 dB / km.
[0090]
In Comparative Example B3, the manufacturing conditions are set such that the optical fiber preform is not annealed, the drawing temperature in the drawing furnace is 2200 ° C., and the optical fiber is not annealed in the heat treatment furnace. . Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.95 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.190 dB / km.
[0091]
  In these comparative examples B1 to B3, none of the preforms are annealed to bring the optical fiber preform into a structurally relaxed state before drawing. For this reason, the embodiment A1 regardless of whether or not low temperature drawing or slow cooling is performed in the drawing of the optical fiber.,A3And Reference Example A2Compared to the Rayleigh scattering coefficient A, and transmission loss α including Rayleigh scattering loss.1.55The loss characteristic is deteriorated.
[0092]
As described above, an optical fiber with sufficiently reduced transmission loss can be obtained by annealing the optical fiber preform before drawing under a predetermined annealing condition and drawing under a drawing condition in which the structural relaxation state is maintained. I understand that Further, in such a manufacturing method, as described above, the productivity of the optical fiber can be improved, for example, by increasing the drawing speed of the optical fiber at the time of drawing.
[0093]
FIG. 7 is a table showing manufacturing conditions and loss characteristics of optical fibers in Examples C1 to C3 and Comparative Examples D1 to D4. Here, a dispersion shifted fiber (DSF) having the configuration shown in FIG. 3 is assumed as the optical fiber. Specifically, SiO doped with Ge2The outer diameter of the core region 200 made of0= 6 μm, relative refractive index difference is Δn0= [Ge] = 0.6%, SiO doped with Ge2The outer diameter of the first cladding layer 211 made of1= 40 μm, relative refractive index difference is Δn1= 0.1%, pure SiO2The outer diameter of the second cladding layer 212 made of2= 125 μm, the relative refractive index difference is Δn2= 0%.
[0094]
Further, in Examples C1 to C3 and Comparative Examples D1 to D4, the effect is examined mainly by changing the annealing temperature in the annealing of the optical fiber preform before drawing. Further, slow cooling by annealing of the optical fiber in the heat treatment furnace is not performed in any case.
[0095]
Among Examples C1 to C3 of the optical fiber according to the present invention shown in the table of FIG. 7, in Example C1, the annealing condition of the optical fiber preform is 950 ° C. for 60 hours, and the drawing temperature in the drawing furnace is 2100. The manufacturing conditions are set to ℃. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.96 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.190 dB / km.
[0096]
In Example C2, the manufacturing conditions are set such that the annealing condition of the optical fiber preform is 1050 ° C. for 60 hours, and the drawing temperature in the drawing furnace is 2100 ° C. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.94 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.186 dB / km.
[0097]
In Example C3, manufacturing conditions are set such that the annealing condition of the optical fiber preform is 1150 ° C. for 60 hours, and the drawing temperature in the drawing furnace is 2100 ° C. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.96 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.190 dB / km.
[0098]
In these Examples C1 to C3, low temperature drawing at 2100 ° C. is performed during drawing. Each of the optical fiber preforms is drawn before drawing under the annealing conditions of 950 ° C., 1050 ° C., and 1150 ° C. × 60 hours that satisfy the condition that the base material is annealed at a temperature of 950 ° C. to 1150 ° C. for 30 hours or more. Annealing is performed on the material. Thereby, in any embodiment, the transmission loss α including the Rayleigh scattering coefficient A and the Rayleigh scattering loss1.55Is sufficiently reduced.
[0099]
On the other hand, among the optical fiber comparative examples D1 to D4 shown in the table of FIG. 7, in the comparative example D1, the optical fiber preform is not annealed, and the drawing temperature in the drawing furnace is 2200 ° C. Conditions are set. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 1.02 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.200 dB / km.
[0100]
In Comparative Example D2, the manufacturing conditions are set such that the drawing temperature in the drawing furnace is 2100 ° C. without annealing the optical fiber preform. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.99 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.195 dB / km.
[0101]
In these comparative examples D1 and D2, none of the preforms are annealed to bring the optical fiber preform into a structurally relaxed state before drawing. Therefore, regardless of whether or not the low temperature drawing at 2100 ° C. is performed in the drawing of the optical fiber, the transmission loss α including the Rayleigh scattering coefficient A and the Rayleigh scattering loss as compared with the examples C1 to C3.1.55The loss characteristic is deteriorated.
[0102]
In Comparative Example D3, manufacturing conditions are set such that the annealing condition of the optical fiber preform is 850 ° C. for 60 hours, and the drawing temperature in the drawing furnace is 2100 ° C. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.99 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.195 dB / km. In Comparative Example D3, although the optical fiber preform is annealed, the annealing temperature is as low as 850 ° C. It can be seen that under such conditions, the transmission loss reduction effect cannot be obtained as compared with Comparative Example D2 in which the base material is not annealed.
[0103]
In Comparative Example D4, the manufacturing condition is set such that the annealing condition of the optical fiber preform is 1250 ° C. for 60 hours. Under such conditions, the preform is in the middle of annealing the optical fiber preform. The material softens and hangs down. Therefore, this annealing temperature is not suitable for annealing the base material.
[0104]
As described above, by performing annealing of the optical fiber preform at a predetermined temperature in the range of 950 ° C. to 1150 ° C., the effect of reducing the transmission loss of the optical fiber due to the relaxation of the glass structure at the base material stage can be suitably obtained. I understand that
[0105]
FIG. 8 is a table showing manufacturing conditions and loss characteristics of optical fibers in Examples E1 to E3 and Comparative Example F1. Here, a pure silica core optical fiber having the configuration shown in FIG. 4 is assumed as the optical fiber. Specifically, pure SiO2The outer diameter of the core region 300 made of0= 8 μm, the relative refractive index difference is Δn0= 0% SiO with F added2The outer diameter of the cladding layer 311 made of1= 125 μm, the relative refractive index difference is Δn1= -0.35%.
[0106]
In Examples E1 to E3 and Comparative Example F1, the effect is examined mainly by changing the annealing time for annealing the optical fiber preform before drawing. Moreover, about the drawing temperature in a drawing furnace, all have set to 2100 degreeC which satisfy | fills the conditions of low temperature drawing. In addition, for annealing by annealing of the optical fiber in the heat treatment furnace, annealing conditions of 0.5 seconds at 1300 ° C. are all set.
[0107]
Among the optical fiber examples E1 to E3 of the optical fiber according to the present invention shown in the table of FIG. 8, in Example E1, a manufacturing condition of 30 hours at 1050 ° C. is set for the annealing condition of the optical fiber preform. The obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.80 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.163 dB / km.
[0108]
In Example E2, annealing conditions for the optical fiber preform at 1050 ° C. for 60 hours are set. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.79 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.161 dB / km.
[0109]
In Example E3, the annealing condition of the optical fiber preform is set at 1050 ° C. for 100 hours. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.78 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.159 dB / km.
[0110]
On the other hand, in the optical fiber comparative example F1 shown in the table of FIG. 8, the manufacturing conditions are set such that the optical fiber preform is not annealed. The obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 0.82 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.165 dB / km.
[0111]
From these Examples E1 to E3 and Comparative Example F1, when the annealing temperature is constant, by increasing the annealing time, the effect of reducing the transmission loss of the optical fiber due to the glass structure relaxation at the base material stage It can be seen that is increasing. Therefore, the annealing conditions for the optical fiber preform are preferably set at 950 ° C. to 1150 ° C. for 30 hours or more as described above, but 60 hours or more, or even 100 hours. More preferably, the above annealing time is used.
[0112]
FIG. 9 is a table showing manufacturing conditions and loss characteristics of optical fiber examples G1 to G6 and comparative example H1. Here, a dispersion compensating fiber (DCF) having the configuration shown in FIG. 5 is assumed as the optical fiber. Specifically, SiO doped with Ge2The outer diameter of the core region 400 made of0= 4 μm, relative refractive index difference is Δn0= [Ge] = 1.5%, SiO with F added2The outer diameter of the first cladding layer 411 made of1= 8 μm, the relative refractive index difference is Δn1= -0.4%, pure SiO2The outer diameter of the second cladding layer 412 made of2= 125 μm, the relative refractive index difference is Δn2= 0%.
[0113]
In Examples G1 to G6 and Comparative Example H1, the effect is examined mainly by changing the annealing temperature in annealing by annealing with respect to the optical fiber after drawing. For the annealing of the optical fiber preform, the annealing conditions for 60 hours at 1050 ° C. are set except for Comparative Example H1. Moreover, about the drawing temperature in a drawing furnace, all have set to 2100 degreeC which satisfy | fills the conditions of low temperature drawing.
[0114]
Among the optical fiber examples G1 to G6 of the optical fiber according to the present invention shown in the table of FIG. 9, in the example G1, a manufacturing condition is set such that the annealing condition of the optical fiber in the heat treatment furnace is 0.5 seconds at 1100 ° C. is doing. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 1.20 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.231 dB / km.
[0115]
In Example G2, annealing conditions for the optical fiber at 0.5 seconds at 1300 ° C. are set. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 1.18 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.228 dB / km.
[0116]
In Example G3, the annealing conditions for the optical fiber at 0.550 seconds at 1550 ° C. are set. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 1.20 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.231 dB / km.
[0117]
In these Examples G1 to G3, annealing of the base material is performed to bring the optical fiber base material into a structural relaxation state before drawing. Also, after the drawing under the annealing conditions of 1100 ° C., 1300 ° C., and 1550 ° C. × 0.5 seconds satisfying the conditions that the drawn optical fiber is annealed at a temperature of 1100 ° C. or more and 1600 ° C. or less, respectively. Annealing is performed on the optical fiber. Thereby, in any embodiment, the transmission loss α including the Rayleigh scattering coefficient A and the Rayleigh scattering loss1.55Is sufficiently reduced.
[0118]
In Example G4, annealing conditions for the optical fiber at 900 ° C. for 0.5 seconds are set. The obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 1.24 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.237 dB / km.
[0119]
Further, in Example G5, annealing conditions for the optical fiber are set to 0.5 seconds at 1650 ° C. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 1.25 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.240 dB / km.
[0120]
In Example G6, the manufacturing conditions are set such that the optical fiber is not annealed in the heat treatment furnace. Further, the obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 1.25 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.240 dB / km.
[0121]
On the other hand, in Comparative Example H1, a manufacturing condition is set such that the optical fiber is not annealed in the heat treatment furnace. Furthermore, in this comparative example, the optical fiber preform is not annealed. The obtained loss characteristic has a Rayleigh scattering coefficient of A = 1.28 dB / km · μm.Four, Transmission loss is α1.55= 0.245 dB / km.
[0122]
In this comparative example H1, the transmission loss α including the Rayleigh scattering coefficient A and the Rayleigh scattering loss compared to the examples G1 to G6.1.55The loss characteristic is deteriorated. Moreover, compared with Examples G1-G3, Example G4-G6 is somewhat Rayleigh scattering coefficient A and transmission loss (alpha).1.55Is getting bigger.
[0123]
As described above, in the case where annealing is performed by annealing the optical fiber after drawing in addition to the annealing of the optical fiber preform before drawing, the optical fiber is annealed at a predetermined temperature in the range of 1100 ° C. to 1600 ° C. It can be seen that the effect of reducing the transmission loss of the optical fiber can be suitably obtained by performing the above.
[0124]
The optical fiber manufacturing method and the optical fiber according to the present invention are not limited to the above-described embodiments and examples, and various modifications are possible. For example, FIG. 1 shows an example of a specific configuration of the drawing apparatus, and a drawing apparatus having another configuration may be used as long as the above-described manufacturing method can be realized.
[0125]
【The invention's effect】
As described in detail above, the optical fiber manufacturing method and the optical fiber according to the present invention have the following effects. That is, the optical fiber preform before drawing is annealed at a temperature of 950 ° C. or higher and 1150 ° C. or lower for 30 hours or more, and the optical fiber is drawn according to a drawing condition in which the obtained structural relaxation state is maintained. According to the manufacturing method and the optical fiber, it is possible to reduce the transmission loss in the optical fiber and improve the productivity.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram schematically showing an embodiment of an optical fiber manufacturing method and a drawing apparatus used for optical fiber manufacturing.
FIG. 2 is a graph showing a refractive index profile in the first embodiment of the optical fiber.
FIG. 3 is a graph showing a refractive index profile in the second embodiment of the optical fiber.
FIG. 4 is a graph showing a refractive index profile in the third embodiment of the optical fiber.
FIG. 5 is a graph showing a refractive index profile in the fourth embodiment of the optical fiber.
FIG. 6: Example A1 of an optical fiber,A3,Reference Example A2,It is a table | surface shown about the manufacturing conditions and loss characteristic in Comparative Examples B1-B3.
FIG. 7 is a table showing manufacturing conditions and loss characteristics in Examples C1 to C3 and Comparative Examples D1 to D4 of optical fibers.
FIG. 8 is a table showing manufacturing conditions and loss characteristics in Examples E1 to E3 of the optical fiber and Comparative Example F1.
FIG. 9 is a table showing manufacturing conditions and loss characteristics in Examples G1 to G6 of the optical fiber and Comparative Example H1.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Drawing apparatus, 2 ... Optical fiber preform, 3 ... Glass fiber, 4 ... Optical fiber strand, 11 ... Drawing furnace, 12 ... Heater, 13 ... Core tube, 14 ... Inert gas supply part, 15 ... Gas supply passage, 21 ... heat treatment furnace, 22 ... heater, 23 ... core tube, 24 ... N2Gas supply section, 25 ... Gas supply passage, 31 ... Cooling means, 32 ... Cylindrical tube, 33 ... Nozzle, 34 ... Cooling gas supply section, 40 ... Resin coating section, 41 ... Coating die, 42 ... UV resin, 43 ... Resin Curing unit, 44 ... UV lamp, 46 ... coating die, 47 ... UV resin, 48 ... resin curing unit, 49 ... UV lamp, 51 ... outer diameter measuring device, 52 ... drum, 53 ... drive motor, 54 ... control unit, 55 ... Rotation drive shaft, 56 ... Guide roller.

Claims (2)

脱水焼結して作成され、コア領域、及び前記コア領域の外周に設けられたクラッド領域を有する光ファイバ母材を、950℃以上1150℃以下の温度で30時間以上の所定時間にわたって熱処理する熱処理ステップと、
熱処理された前記光ファイバ母材を線引炉によって、前記熱処理ステップで得られた構造緩和状態が保持される線引条件で加熱線引して光ファイバを作成する線引ステップと
を備え
前記線引ステップにおいて、前記光ファイバ母材を前記線引炉によって2100℃以下の温度で加熱線引する線引条件として、前記構造緩和状態を保持しつつ前記光ファイバを作成することを特徴とする光ファイバの製造方法。
A heat treatment in which an optical fiber preform having a core region and a cladding region provided on the outer periphery of the core region is heat-treated at a temperature of 950 ° C. to 1150 ° C. for a predetermined time of 30 hours or more. Steps,
A drawing step of creating an optical fiber by drawing the heat-treated optical fiber preform with a drawing furnace under a drawing condition in which the structural relaxation state obtained in the heat treatment step is maintained ;
Wherein in the wire drawing step, the optical fiber preform as drawing conditions of heating wire drawing at 2100 ° C. or less of the temperature by the wire drawing furnace, that you create the optical fiber while maintaining the structural relaxation state An optical fiber manufacturing method.
前記線引ステップにおいて、前記線引炉で線引された前記光ファイバを、前記線引炉の後段に設けられた熱処理炉によって1100℃以上1600℃以下の温度で熱処理する線引条件として、前記構造緩和状態を保持しつつ前記光ファイバを作成することを特徴とする請求項1記載の光ファイバの製造方法。In the drawing step, as the drawing condition for heat-treating the optical fiber drawn in the drawing furnace at a temperature of 1100 ° C. or more and 1600 ° C. or less by a heat treatment furnace provided at a subsequent stage of the drawing furnace, the process according to claim 1 Symbol placement of the optical fiber, characterized in that to create the optical fiber while maintaining the structural relaxation state.
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