JP4398981B2 - 計測方法及び移動情報装置 - Google Patents

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Description

本発明は、計測方法及び移動情報装置に係り、より詳しくは、移動情報装置に搭載されたセンサを用いて、地磁気に由来する磁束密度を計測する計測方法、及び、当該計測方法を使用する移動情報装置に関するものである。
従来から、携帯電話装置を代表とする移動しつつ動作可能な移動情報装置が、広く普及している。かかる移動情報装置、特に携帯電話装置に関する技術の進歩は目覚しいものがあり、必須機能である移動通信網を介した通信機能に加えて、様々な種類のゲーム等のアプリケーションも実装されるようになっている。
こうした移動情報装置においては、地磁気に由来する磁束密度を移動情報装置に搭載されたセンサにより検出し、その検出結果を用いて、利用者にとって有用な情報を提供する技術が提案されている。例えば、3軸磁気センサにより磁束密度を検出し、検出された磁束密度に基づいて、現在位置における方位を求めて、利用者へ通知する携帯電話装置が提案されている(特許文献1参照;以下、「従来例1」と呼ぶ)。また、2軸磁気センサにより磁束密度を検出するとともに、2軸傾斜センサにより傾斜角を検出し、検出された磁束密度及び傾斜角に基づいて、現在位置における方位を求めて、利用者へ通知する携帯電話装置が提案されている(特許文献2参照;以下、「従来例2」と呼ぶ)。
特開2002−196055号公報 特開2003−90725号公報
上述した従来例1や従来例2の技術は、磁極点近傍を除く地球上の各位置における地磁気に由来する磁束密度の一意性を利用するものである。このため、磁気センサにおいては、地磁気に由来する磁束密度を許容精度で検出することが必要である。このため、地磁気に由来する磁束密度は、計測環境が良好な状態で行うことが必要であった。
すなわち、磁気センサによる磁束密度の検出の際に、移動情報装置の近辺に大きな磁力源が存在したり、地磁気が効率良く遮蔽された空間内に移動情報装置が存在したりしているような場合には、地磁気に由来する磁束密度を許容精度で検出することはできない。ここで、移動情報装置の近辺に大きな磁力源が存在する場合としては、例えば地下鉄における列車の発着時に大電流が生じた場合や、移動情報装置を強力な磁石等に近づけたことがあったために、磁気センサの近傍の部品が磁化してしまっている場合等がある。また、地磁気が効率良く遮蔽された空間としては、例えば、鉄板で覆われた部屋等がある。
こうした地磁気の計測環境の良否は、磁気が人間の五感では認識することができないものであるため、移動情報装置の利用者の知覚によっては判断することができない。このため、移動情報装置の利用者が、移動情報装置に搭載されたセンサを用いた地磁気に由来する磁束密度の計測結果を利用するアプリケーションを実行しようとした場合に、当該アプリケーションを有効に実行できる環境にあるか否かが判断できない。この結果、当該アプリケーションを実行してみたが、原因不明の異常値が発生するという事態を招くこととなっていた。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、移動情報装置に搭載された磁気センサを用い、地磁気計測環境を評価したうえで、地磁気計測を行うことができる計測方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、搭載された磁気センサを用いて、地磁気計測環境を評価したうえで、地磁気計測を行うことができる移動情報装置を提供することを目的とする。
本発明は、第1の観点からすると、移動情報装置に搭載されたセンサを用いて、地磁気に由来する磁束密度を計測する計測方法であって、前記センサの較正された特性値を利用して、前記センサによる検出結果に対応する磁束密度を算出する磁束密度算出工程と;前記センサによる複数の検出結果において、前記複数の検出結果の平均値からの差が所定範囲外となる検出結果の発生割合である範囲外発生割合を算出する範囲外発生割合算出工程と;前記磁束密度算出工程における算出結果及び前記範囲外発生割合に基づいて、地磁気計測環境の評価を行う計測環境評価工程と;を備える計測方法である。
この計測方法では、まず、磁束密度算出工程において、センサの較正された特性値を利用して、センサによる検出結果に対応する磁束密度が算出される。ここで、「センサの特性値」とは、センサ出力のオフセット値、センサのゲイン値等をいう。なお、ゲイン値は、センサの特性によって定まるものであり、センサの周囲の地磁気計測環境に依存せず、かつ、ゲイン値の設定には特別な磁界環境と標準磁界発生器を要する。このため、較正されたゲイン値としては、一般に、移動情報装置の工場出荷に際して行われたゲイン較正の結果が継続して使用される。これに対して、オフセット値は、移動情報装置の周囲の地磁気計測環境に依存する。このため、較正されたオフセット値としては、一般に、新たにオフセット較正が行われるまでは、移動情報装置の工場出荷に際して行われたオフセット較正の結果が使用され、その後における利用者によるオフセット値更新指令に応じたオフセット値更新のためのオフセット較正用計測の結果に基づいて更新されるようになっている。
また、範囲外発生割合算出工程において、センサによる複数の検出結果において、複数の検出結果の平均値からの差が所定範囲外となる検出結果の発生割合である範囲外発生割合を算出する。
そして、磁束密度算出工程において、その時点におけるセンサによる検出結果に対応する磁束密度が、較正された特性値を用いて算出されるとともに、範囲外発生割合算出工程において、範囲外発生割合が算出されると、これらの算出結果に基づいて、地磁気計測環境の評価が行われる。ここで、磁束密度算出工程における算出結果に基づく評価は、例えば、その時点において、地磁気に由来する磁束密度を許容精度で計測できると推定されるか否かの観点から行われる。
また、範囲外発生割合の算出結果を用いることにより、センサによる磁束密度の検出結果が、センサの計測可能範囲であり、かつ、この範囲外発生割合が小さい場合には、地磁気以外の強力なノイズ磁気が存在していても、そのノイズ磁気に由来する磁界は定常的な磁界であると推定される。この場合には、計測環境評価工程においては、センサ用のオフセット値を更新すれば、許容精度で地磁気に由来する磁束密度を計測できる可能性があると判定することができる。
一方、範囲外発生割合が大きな場合には、地磁気以外の強力なノイズ磁気が存在し、かつ、ノイズ磁気が非定常的であると推定される。この場合には、オフセット値を有効に更新することができないので、計測環境評価工程においては、有効な地磁気に由来する磁束密度の計測ができないと判定することができる。
したがって、本発明の計測方法によれば、移動情報装置に搭載された磁気センサを用い、地磁気計測環境を精度良く評価することができ、そのうえで、当該磁気センサを用いて地磁気計測を行うことができる。
本発明の計測方法では、前記計測環境評価工程における評価結果を前記移動情報装置の表示部に表示する評価結果表示工程を更に備えることとすることができる。この場合には、利用者が計測環境評価工程における評価結果を参照することができるので、利用者は、センサの利用に際して、(i)センサの利用を諦める、(ii)オフセット値を更新した上でセンサを利用する等の対処を適切に行うことができる。
また、本発明の計測方法では、前記移動情報装置で動作するアプリケーションからの前記センサによる検出結果に対応する計測データの要求に応答して、前記計測データ及び前記計測環境評価工程における評価結果を報告する計測データ報告工程を更に備えることとすることができる。この場合には、計測環境評価工程における評価結果が地磁気の計測データとともに報告されるので、アプリケーションが報告された計測データの信頼性を判断し、評価結果に応じた適切な処理をすることができる。
また、本発明の計測方法では、前記センサが、前記移動情報装置において固有に定義される互いに直交する3軸方向に沿った磁束密度を検出することとすることができる。この場合には、磁束密度の3次元的な検出ができるとともに、地磁気計測環境を精度良く行うことができる。
本発明は、第2の観点からすると、磁束密度を検出するセンサと;前記センサの較正された特性値を利用して、前記センサによる新たな検出結果に対応する磁束密度を算出する磁束密度算出手段と;前記センサによる複数の検出結果において、前記複数の検出結果の平均値からの差が所定範囲外となる検出結果の発生割合である範囲外発生割合を算出する範囲外発生割合算出手段と;前記磁束密度算出手段により得られた算出結果及び前記範囲外発生割合に基づいて、地磁気計測環境の評価を行う計測環境評価手段と;を備える移動情報装置である。
この移動情報装置では、磁束密度算出手段が、センサ用の較正された特性値を利用して、センサによる検出結果に対応する磁束密度を算出する。また、当該磁束密度算出手段の動作と並行して又は独立して、範囲外発生割合算出手段が、センサによる複数の検出結果において、複数の検出結果の平均値からの差が所定範囲外となる検出結果の発生割合である範囲外発生割合を算出する。引き続き、計測環境評価手段が、磁束密度算出手段により得られた算出結果及び範囲外発生割合に基づいて、地磁気計測環境の評価を行う。すなわち、本発明の移動情報装置では、上述した本発明の計測方法を使用して、地磁気に由来する磁束密度を計測することができる。
したがって、本発明の移動情報装置によれば、磁気センサを用いて地磁気計測環境を精度良く評価することができ、そのうえで、当該磁気センサを用いて地磁気計測を行うことができる。
本発明の移動情報装置では、利用者に情報を通知するための表示部と;前記計測環境評価手段による評価結果を前記表示部に表示させる評価結果表示手段を更に備えるようにすることができる。この場合には、評価結果表示手段が、計測環境評価手段による評価結果を表示部に表示するので、利用者が評価結果を参照する。このため、利用者は、センサの利用に際して、(i)センサの利用を諦める、(ii)オフセット値を更新した上でセンサを利用する等の対処を適切に行うことができる。

また、本発明の移動情報装置では、アプリケーションから発行された、前記センサによる検出結果に対応する計測データの要求に応答して、前記計測データ及び前記計測環境評価手段による評価結果を報告する計測データ報告手段を更に備えるようにすることができる。この場合には、計測データ報告手段が、計測環境評価手段による評価結果を地磁気の計測データとともにアプリケーションへ報告する。このため、アプリケーションが報告された計測データの信頼性を判断し、評価結果に応じた適切な処理をすることができる。
また、本発明の移動情報装置では、前記センサが、互いに直交する3軸方向に沿った磁束密度を検出するようにすることができる。この場合には、磁束密度の3次元的な検出ができるとともに、地磁気計測環境を精度良く行うことができる。
また、本発明の移動情報装置では、移動通信網の基地局と無線通信を行うための無線通信部を更に備えるようにすることができる。すなわち、本発明の移動情報装置を移動通信端末装置とすることができる。
以上説明したように、本発明の計測方法は、移動情報装置に搭載された磁気センサを用い、地磁気計測環境を評価したうえで、地磁気計測を行うことができるという効果を奏する。
また、本発明の移動情報装置は、搭載された磁気センサを用いて、地磁気計測環境を評価したうえで、地磁気計測を行うことができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の正面外観を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る携帯電話装置の背面外観を概略的に示す図である。 図1の携帯電話装置の構成を説明するための機能ブロック図である。 図2の制御部で実行されるソフトウエアの構成を説明するための図である。 図3の計測データ処理部の構成を説明するための機能ブロック図である。 図1の表示部における地磁気環境評価結果の表示を説明するための図である。 図5Aの評価結果シンボル図形を説明するための図である。 図2の一時記憶部の構成を説明するための図である。 図6Aの計測データ領域の構成を説明するための図である。 図4の計測環境評価部における地磁気計測環境の評価処理を説明するためのフローチャートである。 図4の較正部による較正用計測の結果を説明するための図である。
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図8を参照しつつ説明する。なお、これらの図においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1A及び図1Bには、移動情報装置である携帯電話装置10の外観構成が概略的に示されている。ここで、図1Aには、携帯電話装置10の外観の正面図が示され、図1Bには、携帯電話装置10の外観の背面図が示されている。
図1A及び図1Bに総合的に示されるように、携帯電話装置10は、(a)携帯電話本体11と、(b)電話番号を入力するためのテンキー、及び、動作モードの切替等の各種指令を、後述する制御部21(図2参照)に入力するためのファンクションキーを有する操作部12と、(c)操作案内、動作状況、受信メッセージ等を表示する液晶表示装置を有する表示部13とを備えている。また、携帯電話装置10は、(d)通話時に通信相手から送られてきた音声信号を再生する通話用スピーカ14と、(e)集音時に音を入力したり、通話時に音声を入力したりするためのマイクロフォン15と、(f)着信音や案内音を発生するための案内用スピーカ16と、(g)基地局との間で無線信号を授受するためのアンテナ17とを備えている。
携帯電話本体11の内部には、図2に示されるように、(i)携帯電話装置10全体の動作を統括制御する制御部21と、(ii)アンテナ17を介して、基地局との間で無線信号の送受信を行う送受信部22と、(iii)制御部21で実行されるプログラムや各種データを格納する、読出専用メモリ(ROM)素子やランダムアクセスメモリ(RAM)素子を有する記憶部23とを備えている。また、携帯電話本体11の内部には、(iv)携帯電話装置10の現在位置における磁束密度及び携帯電話装置10に作用する加速度を検出するためのセンサユニット25を備えている。
記憶部23は、その内部に、収集した計測データを一時的に記憶する一時記憶領域24を含んでいる。
センサユニット25は、携帯電話装置10の姿勢角及び携帯電話装置10に作用する加速度を検知し、アナログ電圧信号として出力するセンサ部26と、センサ部26から電圧信号の電圧値をデジタル値に変換するアナログデジタル(A/D)変換器27とを備えている。そして、A/D変換器27から出力されるデジタルデータが、検出結果として制御部21へ通知される。また、センサユニット25は、制御部21からの検出開始指令により動作を開始し、制御部21からの検出停止指令により動作を停止するようになっている。
ここで、センサ部26は、操作部12のマトリクス状のキー配列における行方向をX軸方向とし、列方向をY軸方向とし、キー配列面の垂直方向をZ軸方向として、X軸方向磁束密度(BXS)、Y軸方向磁束密度(BYS)及びZ軸方向磁束密度(BZS)を検出する。また、センサ部26は、X軸方向加速度(αXS)及びY軸方向加速度(αYS)を検出する。そして、センサ部26からは、磁束密度の検出結果である電圧値(V(p=X,Y,Z)及び加速度の検出結果である電圧値(Vα(q=X,Y)を1組にして、検出生データとして制御部21へ通知するようになっている。
なお、センサ部26から出力される電圧値(Vと磁束密度Bとの関係は、ゲイン値を(Gとし、オフセット値を(VB0として、次の(1)式で表されるようになっている。
=(G・[(V−(VB0] …(1)
この(1)式におけるゲイン値(Gは、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向において極力共通の値となるように、工場出荷時に調整される。ここで、ゲイン値(Gは、磁気計測の環境条件によって変化しにくいものであること、及び、調整のためには標準磁気発生器等の較正用機器が必要となることから、工場出荷時の較正値が、継続してゲイン値(Gの較正値して使用される。一方、オフセット値(VB0は、磁気計測の環境条件によって、様々に変化するものであることから、利用者が所望の時に、その時点における磁気計測の環境条件やセンサ部の経時変化に対応した新たなオフセット値をX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向のそれぞれについて、較正用の計測をして更新することができるようになっている。新たなオフセット値の較正用計測及びオフセット値の較正値の更新については後述する。
また、センサ部26から出力される電圧値(Vαと加速度αとの関係は、ゲイン値を(Gαとし、オフセット値を(Vα0として、次の(2)式で表されるようになっている。
α=(Gα・[(Vα−(Vα0] …(2)
この(2)式におけるゲイン値(Gα及びオフセット値(Vα0は、X軸方向及びY軸方向において共通の値となるように、工場出荷時に調整される。ここで、ゲイン値(Gα及びオフセット値(Vα0は、磁気計測の環境条件によって変化しにくいものであること、及び、調整のためには標準加速度発生器等の較正用機器が必要となることから、工場出荷時の較正値が、継続してゲイン値(Gα及びオフセット値(Vα0の較正値として使用される。
上記の磁束密度計測のためのゲイン値(G及びオフセット値(VB0、並びに加速度計測のためのゲイン値(Gα及びオフセット値(Vα0の較正値は、記憶部23に格納される。そして、ゲイン値(G、オフセット値(VB0、ゲイン値(Gα及びオフセット値(Vα0の較正値は、後述する計測物理量算出部41(図4参照)により参照可能となっている。
なお、以下の説明においては、記憶部23に格納されたゲイン値(G、オフセット値(VB0、ゲイン値(Gα及びオフセット値(Vα0の較正値のそれぞれを、単にゲイン値(G、オフセット値(VB0、ゲイン値(Gα及びオフセット値(Vα0と表記するものとする。
制御部21は、中央処理装置(CPU)、デジタル信号処理装置(DSP)等を備えており、一般的な携帯電話機能を実現するために、様々なデータ処理を行うとともに、上述した他の構成要素の動作制御を行うようになっている。この制御部21において実行されるプログラム等のソフトウエアの構成は、図3に示されるようになってぃる。
すなわち、制御部21におけるソフトウエアは、基本処理部31と、アプリケーション33とを備えている。ここで、基本処理部31は、携帯電話装置としての基本機能である通話機能、メール機能、文字入力機能を実現するとともに、上述した各種のハードウエア資源の制御を行う。なお、アプリケーション33は、センサユニット25にょる計測結果を利用するアプリケーションであるものとする。
基本処理部31は、計測データ処理部35を備えてぃる。この計測データ処理部35は、図4に示されるように、(i)アプリケーション33からのコマンドを処理するとともに、センサユニット25の計測動作の制御、並びに計測データ処理部35全体の制御を行う収集制御部49と、(ii)センサユニット25からの検出生データを受信し、記憶部23に格納されている較正値群を利用して、上述した(1)式及び(2)式により磁束密度及び加速度を算出する計測物理量算出部41とを備えている。
また、計測データ処理部35は、(iii)計測物理量算出部41から通知された磁束密度算出結果に基づいて、地磁気の計測環境を評価する計測環境評価部42と、(iv)計測環境評価部42における評価結果を表示部13へ表示する評価結果表示部43とを備えている。ここで、本実施形態においては、表示部13の表示領域は、図5Aに示されるように、基本処理部31のみが表示をすることができるシステム表示領域SR1,SR2と、基本処理部31及びアプリケーション33の双方が表示を行うことができる共通領域CRとを含んでいる。そして、評価結果表示部43は、評価結果をシステム表示領域SR1中に評価結果シンボル図形MCEとして表示させる。
評価結果シンボル図形MCEは、図5Bに示されるように、交通信号機と同様に、緑領域MCG、黄領域MCY及び赤領域MCRを有している。そして、許容精度で地磁気計測が可能であると計測環境評価部42によって推定された場合には、評価結果表示部43は、緑領域MCGを緑色で塗りつぶす表示指令を行う。また、新たに較正用計測を行って較正値を更新すれば、許容精度で地磁気計測ができる可能性があると、計測環境評価部42によって推定された場合には、評価結果表示部43は、黄領域MCYを黄色で塗りつぶす表示指令を行う。また、新たに較正用計測を行ったとしても、許容精度で地磁気計測をすることができるようにはならないと計測環境評価部42によって推定された場合には、評価結果表示部43は、赤領域MCRを赤色で塗りつぶす表示指令を行う。なお、センサユニット25が動作停止状態にある場合、及び、センサユニット25の動作開始後、計測環境評価部42により最初の評価結果が導出されるまでは、評価結果表示部43は、緑領域MCG、黄領域MCY及び赤領域MCRを消灯表示させるようになっている。
図4に戻り、計測データ処理部35は、(v)計測環境評価部42から計測物理量算出部41により算出された磁束密度成分及び加速度成分、並びに計測環境評価結果を受けて、アプリケーション33へ通知するための通知用データを算出する通知用データ算出部44と、(vi)通知用データをアプリケーション33へ送るデータ通知部45とを備えている。
なお、本実施形態では、通知用データ算出部44は、操作部12におけるキー配列面が水平であり、携帯電話装置10において固有に定義される上述のX座標系の+Y方向が真南方向である姿勢を基準姿勢としている。そして、基準姿勢時におけるX座標系を基準座標系(XYZ座標系)として、通知用データ算出部44は、当該基準姿勢からのX軸回りの回転角(ピッチ角θ)、Y軸回りの回転角(ロール角θ)及び鉛直方向に平行なZ軸回りの回転角(ヨー角θ)を算出する。また、通知用データ算出部44は、X方向の加速度(α)及びY方向の加速度(α)を算出検知する。そして、算出されたピッチ角θ、ロール角θ、ヨー角θ、X方向加速度α及びY方向加速度αを通知用データである計測データとして、その時点における計測環境評価結果とともに、一時記憶領域24に格納する。この一時記憶領域24は、図6Aに示されるように、計測データ領域MDR,MDR,…を有している。そして、それぞれの計測データ領域MDR(j=1,2,…)には、図6Bに示されるように、1組の計測環境評価結果、ピッチ角θ、ロール角θ、ヨー角θ、X方向加速度α及びY方向加速度αが格納されるようになっている。
図4に戻り、計測データ処理部35は、(vii)上述したオフセット値(VB0を較正する較正部46を備えている。この較正部46は、利用者による操作部12からの較正要求に応じて収集制御部49から発行された較正要求の較正指令を受けた場合に、オフセット値(VB0の較正動作行う。そして、較正部46は、較正結果を記憶部23へ格納する。
次に、以上のように構成された携帯電話装置10におけるセンサユニット25を利用した計測動作について説明する。
なお、前提として、センサユニット25は、検出動作を開始しており、デジタル形式で検出生データを定期的に(例えば、20msecごとに)出力しているものとする。こうしたセンサユニット25の検出動作は、利用者からの操作部12を介した要求等に応じて、収集制御部49が、検出動作開始指令をセンサユニットへ向けて送ることにより開始される。
<計測環境評価処理>
センサユニット25からの検出生データを受信すると、計測データ処理部35の計測物理量算出部41が、記憶部23内におけるセンサユニット25の較正された特性値であるゲイン値(G、オフセット値(VB0、ゲイン値(Gα及びオフセット値(Vα0を使用して、上述の(1)式及び(2)式により、検出生データに対応する磁束密度成分及び加速度成分を算出する。この結果、センサユニット25による検出結果に対応した磁束密度B(p=X,Y,Z)と加速度α(q=X,Y)とが算出される。計測物理量算出部41は、こうして算出された磁束密度B(p=X,Y,Z)と加速度α(q=X,Y)とを、計測環境評価部42へ送る。
なお、センサユニット25において5種の検出結果の1種ごとに、検出許容範囲を超えた(オーバーフローした)場合には、センサユニット25からは、その旨が通知される。このオーバーフローの通知を受けた場合には、計測物理量算出部41は、その旨をそのまま計測環境評価部42へ送る。以下、計測物理量算出部41による算出結果及びオーバーフロー発生の旨を総称して「通知結果」と呼ぶものとする。
計測物理量算出部41からの通知結果を受けた計測環境評価部42では、図7のステップS11において、最近の所定数(例えば、50個)の通知結果に、オーバーフローの旨が含まれているか否かを判定する。この判定結果が肯定的であった場合には、処理はステップS19へ移行する。このステップS19では、計測環境評価部42が、現在の計測環境は地磁気に由来する磁束密度を許容精度で計測できる環境にはない(以下、「赤レベル環境」ともいう)と、直ちに、評価する。そして、計測環境評価処理における計測環境評価部42の評価処理が終了する。
ステップS11における判定結果が否定的であった場合には、処理はステップS12へ移行する。このステップS12では、計測環境評価部42が、新たに受信した磁束密度成分の算出結果から、磁束密度B(p=X,Y,Z)から磁束密度の大きさBを、次の(3)式により算出する。
B=(BXS +BYS +BZS 1/2 …(3)
次に、ステップS13において、計測環境評価部42は、範囲外発生割合Rを算出する。この範囲外発生割合Rの算出に際しては、まず、計測環境評価部42は、最近に算出された所定個数(例えば、50個)の磁束密度の大きさの平均値Bを算出する。引き続き、計測環境評価部42は、平均値Bの算出に利用した所定個数の磁束密度の大きさにおいて、平均値Bとの差異が所定範囲にないものの比率である範囲外発生割合Rを求める。ここで、当該所定範囲は、センサユニット25の磁束密度の検出精度及び上述の地磁気に由来する磁束密度計測の許容精度を考慮して、予め定められている。
次いで、ステップS14において、計測環境評価部42は、範囲外発生割合Rが許容最大比率RMAX以下であるか否かを判定する。この判定結果が否定的であった場合には、すなわち、地磁気以外の大きく変動しているノイズ磁気が存在している計測環境にあると推定された場合には、処理はステップS19へ移行する。そして、ステップS19において、計測環境評価部42が、現在の計測環境は赤レベル環境であると評価する。そして、計測環境評価処理における計測環境評価部42の評価処理が終了する。
ステップS14における判定結果が肯定的であった場合、すなわち、ノイズ磁気が存在していても、当該ノイズ磁気は定常的であると推定される場合には、処理はステップS15へ移行する。このステップS15では、計測環境評価部42が、計測物理量算出部41により得られた磁束密度算出結果の平均値Bからの差異が、上述した所定範囲内にあるか否かを判定する。この判定結果が否定的であった場合には、処理はステップS18へ移行する。このステップS18では、訐測環境評価部42が、現在の計測環境は、現在の較正された特性値(ゲイン値及びオフセット値)を使用したのでは、地磁気に由来する磁束密度を許容精度で計測できないが、新たにオフセット値VB0p(p=X,Y,Z)の較正を行うことにより許容精度で計測できるようになる可能性がある環境(以下、「黄レベル環境」ともいう)であると評価する。そして、計測環境評価処理における計測環境評価部42の評価処理が終了する。
ステップS15における判定結果が肯定的であった場合には、処理はステップS16へ移行する。このステップS16では、計測環境評価部42が、算出された磁束密度の大きさBと、地磁気のみに由来する磁束密度の標準的な大きさBとの差異値ΔBを算出する。ここで、値Bは、携帯電話装置10の緯度に依存するが、携帯電話装置10に現在位置の測位機能がある場合には、その測位結果に基づいて、その時点において使用すべき値Bを決定する。また、携帯電話装置10に現在位置の測位機能がない場合には、先になされた利用者による大まかな現在位置の入力結果又は工場出荷時の設定に基づいて、その時点において使用すべき値Bを決定する。
引き続き、計測環境評価部42は、値ΔBと値Bと比の値(ΔB/B)を算出する。そして、比の値(ΔB/B)が許容範囲内にあるか否かが判定される。この判定が否定的であった場合には、処理はステップS18へ移行し、計測環境評価部42が、現在の計測環境は、黄レベル環境であると評価する。そして、計測環境評価処理における計測環境評価部42の評価処理が終了する。
ステップS16における判定結果が肯定的であった場合には、処理はステップS17へ移行する。このステップS17では、計測環境評価部42が、現在の計測環境は、許容精度で地磁気に由来する磁束密度を計測できる環境(以下、「緑レベル環境」)にあると評価する。そして、計測環境評価処理における計測環境評価部42の評価処理が終了する。
こうして、地磁気計測環境の評価を終了すると、計測環境評価部42は、評価結果を評価結果表示部43へ通知する。
評価結果を受けた評価結果表示部43は、その評価結果に対応する表示用データを表示部13へ送る。すなわち、受信した評価結果が緑レベル環境であった場合には、表示部13における評価結果シンボル図形MCEの緑領域MCGのみを点灯させる表示用データを表示部13へ送る。また、受信した評価結果が黄レベル環境であった場合には、評価結果シンボル図形MCEの黄領域MCGのみを点灯させる表示用データを表示部13へ送る。また、受信した評価結果が赤レベル環境であった場合には、評価結果シンボル図形MCEの赤領域MCRのみを点灯させる表示用データを表示部13へ送る。この結果、表示部13には、地磁気計測環境の評価結果に対応する表示がなされ、当該評価結果が利用者へ通知される。
以上の計測データ処理部35における地磁気計測環境の評価は、センサユニット25の動作開始とともに開始され、上述した所定個数の組の検出生データを受信した後に、最初の評価結果が得られる。以後、計測データ処理部35では、センサユニット25から検出生データを受信する度に、地磁気計測環境の評価を繰り返す。
<較正処理>
次に、オフセット値(VB0(p=X,Y,Z)の較正処理について説明する。かかる較正処理は、利用者が操作部12から較正指令を入力した場合等に実行される。
利用者が操作部12から較正指令を入力すると、計測データ処理部35の収集制御部49が、当該較正指令を受ける。較正指令を受けた収集制御部49は、計測物理量算出部41へ動作停止指令を送るとともに、較正部46へ較正処理の開始指令を送る。この指令を受けた較正部46では、較正用計測のための準備を行う。そして、較正部46は、計測準備が完了するとその旨を収集制御部49へ送る。
較正用計測の準備完了の旨を受けた収集制御部49は、利用者に対して、互いに交差する少なくとも2軸のそれぞれ回りでゆっくりと携帯電話装置10を360度回転させ、その後に較正用計測停止を操作部12から入力すべき旨を表示部13に表示させる。ここで、互いに交差する2軸としては、例えば、X軸、Y軸及びZ軸の内の2軸を選択することもできるし、X軸、Y軸及びZ軸の3軸を選択することもできる。なお、本実施形態では、X軸、Y軸及びZ軸の3軸のそれぞれ回りで360度回転させることとしている。
これに応じて、利用者が、較正用計測開始指令を入力すると、収集制御部49は較正用計測開始指令を受け、その旨を較正部46へ通知する。この通知を受けた較正部46は、センサユニット25からの検出生データの取り込みを開始する。この後、較正部46は、利用者の較正用計測停止指令がなされるまで、センサユニット25からの検出生データを収集する。
利用者が、較正用計測に際しての指示に従って携帯電話装置10を互いに交差する少なくとも2軸のそれぞれ回りでゆっくりと360度回転させると、較正部46が収集する検出生データの内のX軸方向磁束密度(BXS)、Y軸方向磁束密度(BYS)及びZ軸方向磁束密度(BZS)に対応する検出電圧値の組[(VXS,(VYS,(VZS]は、ノイズ磁気がない、又は、ノイズ磁気が定常的である場合には、図8に示されるように、(VXS(VYS(VZS座標系におけるゲイン値の組[(GXS,(GYS,(GZS、により定まる特定の楕円球SPHの表面に沿って分布する。なお、ゲイン値(GXS,(GYS,(GZSの全てが互いに同一の場合には、楕円球SPHは球となる。以下、ゲイン値(GXS,(GYS,(GZSが全て同一であるものとして説明する。
一方、ノイズ磁気がX軸方向、Y軸方向又はZ軸方向で時間的に大きく変動していると、検出電圧値の組[(VXS,(VYS,(VZS]は、(VXS(VYS(VZS座標系における特定の球SPHの表面に沿った分布とはならない。
そこで、較正部46は、較正用計測の開始から終了までの検出電圧値の組「(VXS,(VYS,(VZS]が特定の球SPHの周に沿った分布ではない場合には、ノイズ磁気として時間的に大きく変動するものがあるために、検出電圧値(VXS,(VYS,(VZSのオフセット値の較正ができないと判断する。そして、較正部46は、この判断結果を収集制御部49へ通知する。この通知を受けた収集制御部49は、通知内容を表示部13に表示し、利用者へ通知する。こうして、較正処理が終了する。
検出電圧値の組[(VXS,(VYS,(VZS]が特定の球SPHの周に沿った分布である場合には、較正部46は、まず、球SPHの中心座標[(VB0XS,(VB0YS,(VB0ZS]及び半径rを算出する。引き続き、較正部46は、半径rが、地磁気のみに由来する磁束密度の標準的な大きさBに対応する長さと、許容精度内で対応しているか否かを判定する。
なお、ゲイン値(GXS,(GYS,(GZSの全てが互いに同一ではない場合には、楕円球SPHのX軸、Y軸及びZ軸方向それぞれの径が、地磁気のみに由来する磁束密度の標準的な大きさBに対応する長さと、許容精度内で対応しているか否かを判定する。
この判定結果が否定的であった場合には、ノイズ磁気として、定常的ではあるが、地磁気計測を許容精度で計測するに際して妨げとなるものがあるために、検出電圧値(VXS,(VYS,(VZSのオフセット値の較正ができないと判断する。そして、較正部46は、この判断結果を収集制御部49へ通知する。この通知を受けた収集制御部49は、通知内容を表示部13に表示し、利用者へ通知する。こうして、較正処理が終了する。
一方、当該判定結果が肯定的であった場合には、較正部46は、検出電圧値(VXS,(VYS,(VZSの新たなオフセット値として値(VB0XS,(VB0YS,(VB0ZSを採用する。引き続き、較正部46は、値(VB0XS,(VB0YS,(VB0ZSを検出電圧値(VXS,(VYS,(VZSの較正されたオフセット値として、記憶部23に格納する。そして、較正部46は、検出電圧値(VXS,(VYS,(VZSのオフセット値が較正された旨を収集制御部49へ通知する。この通知を受けた収集制御部49は、通知内容を表示部13に表示し、利用者へ通知する。こうして、較正処理が終了する。
<計測データ収集処理及び計測データ通知処理>
次に、計測データ処理部35における計測データ収集処理について説明する。
計測環境評価部42は、上述した評価結果表示部43への評価結果の通知と並行して、当該評価結果、及び、当該評価の直前の計測物理量算出部41により算出された磁束密度成分及び加速度成分を通知用データ算出部44へ送る。これらを受けた通知用データ算出部44は、計測環境評価部42からの受信データに基づいて、ピッチ角θ、ロール角θ、ヨー角θ、X方向加速度α及びY方向加速度αを算出する。引き続き、通知用データ算出部44は、一時記憶領域24をリングバッファとして使用しながら、順次、計測環境評価結果、ピッチ角θ、ロール角θ、ヨー角θ、X方向加速度α及びY方向加速度αを計測データ領域MDRに格納する。そして、通知用データ算出部44は、計測データ領域MDRへの格納ごとに、格納した計測データ領域MDRのアドレス情報を収集制御部49へ通知する。
こうして、計測データ処理部35が計測データを収集している場合に、アプリケーション33が、計測データ要求を発行すると、計測データ処理部35では、収集制御部49が当該計測データ要求を受ける。計測データ要求を受けた収集制御部49は、通知すべき計測データが格納されている一時記憶領域24のアドレス及び通知すべき計測データの数をデータ通知部45へ通知する。この通知を受けたデータ通知部45は、一時記憶領域24の通知されたアドレスを参照して、通知用のデータである計測環境評価結果、ピッチ角θ、ロール角θ、ヨー角θ、X方向加速度α及びY方向加速度αを読み出して、アプリケーション33へ送る。
アプリケーション33は、データ通知部45から受信した計測環境評価結果及び計測データ利用して、所定の動作を行う。なお、本実施形態では、アプリケーション33は、計測環境評価結果を参照して、計測データが利用可能か否かを判断している。そして、計測データが利用可能ではないと判断した場合には、その旨を表示部13の共用領域CRに表示することとしている。
以上説明したように、本実施形態の携帯電話装置10では、計測物理量算出部41が、センサユニット25用の較正された特性値を利用して、センサユニット25による検出結果に対応した磁束密度を算出する。引き続き、計測環境評価部42が、計測物理量算出部41による算出結果に基づいて、地磁気計測環境の評価を行う。したがって、本実施形態の携帯電話装置10によれば、センサユニット25を用いて地磁気計測環境を評価することができ、そのうえで、センサユニット25を用いて地磁気計測を行うことができる。
また、本実施形態の携帯電話装置10では、計測環境評価部42が、センサユニット25による複数の検出結果において、複数の検出結果の平均値からの差が所定範囲外となる検出結果の発生割合である範囲外発生割合を算出する。そして、計測環境評価部42が、計測物理量算出部41により得られた算出結果及び範囲外発生割合に基づいて、地磁気計測環境の評価を行う。したがって、精度の良い地磁気計測環境の評価を行うことができる。
また、本実施形態の携帯電話装置10では、アプリケーション33からのセンサユニット25による検出結果に対応する計測データの要求に応答して、データ通知部45が、計測環境評価部42による評価結果を計測データとともにアプリケーション33へ報告する。このため、アプリケーション33が報告された計測データの信頼性を判断し、評価結果に応じた適切な処理をすることができる。
なお、本実施形態においては、地磁気計測環境を3段階で評価したが、2段階又は4段階以上で評価することもできる。ここで、2段階で評価する場合には、例えば、本実施形態の青レベル環境の評価と、それ以外という2段階の評価とすることができる。また、4段階以上で評価する場合には、例えば、多段階で許容計測精度を設定するとともに、本実施形態の緑レベル環境の評価を、許容計測精度の段階に応じて複数に分割することとすることができる。
また、較正部46による較正結果を記憶部23に登録する差異に、利用者の確認を得ることとすることができる。この場合の具体的な手順は、以下の通りとなる。新たな較正結果の算出を終了すると、その旨を較正部46が収集制御部49へ送ると、収集制御部49が、新たな較正結果の登録を行うか否かを確認する画面を表示部13に表示する。この表示を見た利用者が、操作部12のキーを操作して、登録指令を行うと、その旨を収集制御部49が較正部46へ通知する。この通知を受けた較正部46は、新たな較正結果を記憶部23に登録し、較正処理を終了する。一方、利用者が新たな較正結果を登録しない不登録指令が行われた場合には、その旨が、収集制御部49を経由して、較正部46へ通知されると、較正部46は、新たな較正結果を記憶部23に登録せずに、較正処理を終了する。
また、上記の実施形態では、センサユニット25を、磁束密度を3軸方向で検出するとともに、加速度を2軸方向で検出するいわゆる5軸センサとしたが、加速度も磁束密度と同様に3軸方向で検出するいわゆる6軸センサとすることができる。この場合にも、上記の実施形態の場合と同様にして、地磁気計測環境を3段階で評価することができる。
また、上記の実施形態では、センサユニット25を携帯電話装置10の内部に実装した。これに対して、センサユニット25を携帯電話装置10の外部に配置し、携帯電話装置10の不図示の外部機器接続用インタフェースポートを介して、センサユニット25と携帯電話装置10とを接続するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、キーが配列された操作部12と表示部13との位置関係が固定的ないわゆるストレート型の携帯電話装置とした。これに対して、いわゆるクラムシェル型やレボルバ型のように、操作部と表示部との位置関係が可変な携帯電話装置の場合には、センサユニット25を操作部側に配設してもよいし、表示部側に配設してもよい。また、センサユニット25における計測の基準となる軸方向は、センサユニット25の配設位置や、携帯電話の機種に対応して決めることができる。
また、上記の実施形態では、携帯電話装置に対して本発明を適用したが、携帯型ゲーム機、カーナビゲーション装置、PDA(Personal Digital Assistance)等の他の種類の移動情報装置に対しても本発明が適用できるのは、勿論である。
以上説明したように、本発明の計測方法は、移動情報装置に搭載された磁気センサを用いる地磁気計測に適用することができる。また、本発明の移動情報装置は、搭載された磁気センサを用いて地磁気計測を行う移動情報装置に適用することができる。

Claims (9)

  1. 移動情報装置に搭載されたセンサを用いて、地磁気に由来する磁束密度を計測する計測方法であって、
    前記センサの較正された特性値を利用して、前記センサによる検出結果に対応する磁束密度を算出する磁束密度算出工程と;
    前記センサによる複数の検出結果において、前記複数の検出結果の平均値からの差が所定範囲外となる検出結果の発生割合である範囲外発生割合を算出する範囲外発生割合算出工程と;
    前記磁束密度算出工程における算出結果及び前記範囲外発生割合に基づいて、地磁気計測環境の評価を行う計測環境評価工程と;を備える計測方法。
  2. 前記計測環境評価工程における評価結果を前記移動情報装置の表示部に表示する評価結果表示工程を更に備える、ことを特徴とする請求項1に記載の計測方法。
  3. 前記移動情報装置で動作するアプリケーションからの前記センサによる検出結果に対応する計測データの要求に応答して、前記計測データ及び前記計測環境評価工程における評価結果を報告する計測データ報告工程を更に備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計測方法。
  4. 前記センサでは、前記移動情報装置において固有に定義される互いに直交する3軸方向に沿った磁束密度を検出する、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の計測方法。
  5. 磁束密度を検出するセンサと;
    前記センサの較正された特性値を利用して、前記センサによる新たな検出結果に対応する磁束密度を算出する磁束密度算出手段と;
    前記センサによる複数の検出結果において、前記複数の検出結果の平均値からの差が所定範囲外となる検出結果の発生割合である範囲外発生割合を算出する範囲外発生割合算出手段と;
    前記磁束密度算出手段により得られた算出結果及び前記範囲外発生割合に基づいて、地磁気計測環境の評価を行う計測環境評価手段と;を備える移動情報装置。
  6. 利用者に情報を通知するための表示部と;
    前記計測環境評価手段による評価結果を前記表示部に表示させる評価結果表示手段を更に備える、ことを特徴とする請求項5に記載の移動情報装置。
  7. アプリケーションから発行された、前記センサによる検出結果に対応する計測データの要求に応答して、前記計測データ及び前記計測環境評価手段による評価結果を報告する計測データ報告手段を更に備える、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の移動情報装置。
  8. 前記センサは、互いに直交する3軸方向に沿った磁束密度を検出する、ことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の移動情報装置。
  9. 移動通信網の基地局と無線通信を行うための無線通信部を更に備える、ことを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の移動情報装置。
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