JP4398529B2 - Aerosol device with delay mechanism - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遅延機構を備えたエアゾール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
殺虫剤や消臭剤、芳香剤などの室内の空間に噴射するエアゾール製品においては、内容物を広範囲に噴射するためにエアゾール製品を床面に置き、上方に噴射させるものがある。このタイプの製品では、噴射孔の方向が操作者に近く、かつボタンの作動の途中で内容物の噴射が始まるので、操作者にかかるだけでなく、吸引する問題がある。
【0003】
そこでこのような製品には、噴射ボタンを押すなどの所定の操作を行った後、しばらく時間が経過した後に内容物の噴射が始まる、いわゆる遅延噴射機構を用いるのが好ましい。噴射遅延手段としては、エアゾール装置の内圧やバネをエネルギ源とし、そのエネルギによる動作を高粘度流体や摩擦部材などで緩慢にし、所定時間経過後に噴射が開始するようにした機構が用いられる。エアゾール装置の内圧および高粘度の液体を利用する装置としては、たとえば本出願人の出願に関わる特公平8−29792号公報がある。このものは内容物の噴出の途中に密閉状容器を介在させ、その内部に高粘度の液体を充填したものである。このものは開弁直後には高粘度液体が流出孔を塞いでいるので内容物が噴出せず、高粘度流体が流出した後に内容物が噴出される。したがって高粘度液体が流出するのに要する時間だけ、噴出開始までの時間を遅らせることができる。
【0004】
他方、本出願人は、噴出経路に介在させた圧力室(シリンダなど)と、その圧力室と摺動して噴出経路を開閉するスライド弁(ピストンなど)と、スライド弁の移動を緩慢にする抵抗要素とを備えた噴出遅延機構を提案している(特開平10−53287号公報参照)。そして抵抗要素の具体的な例として、ピストンにより加圧される流体、とくに高粘度の流体と、その流体が流出する流路抵抗としてのオリフィスとから構成したものをあげている。このものは、抵抗要素の流体が通過するオリフィスなどと内容物が噴出する噴射孔とが別個であるので、遅延させようとする時間を比較的自由に設定できる。
【0005】
前記スプリングを用いた噴射遅延手段としては、エアゾール装置の上部に設けたシリンダと、その内部に収容され、ステムを押圧するために上下に移動自在のピストンと、そのピストンの移動を妨げるようにシリンダの下部側の室に充填した液体と、ピストンを下方に付勢するバネと、ピストンを上部側に係止するためのストッパとを備えたものが知られている(特開平10−157782号公報参照)。このものはピストンに小孔を設けたり、ピストンとシリンダの間にわずかな隙間を設け、ピストンが下降するときに液体がそれらの小孔や隙間からシリンダの上側の室にゆっくりと移動することを利用して、ピストンの下降速度を緩慢にしている。そしてストッパを外すことにより、バネの付勢力でピストンを下降させ、ピストンが下端に達したときにステムを押し込んで噴射を開始する。
【0006】
なお、スプリングを利用したものとしては、他に、実開昭58−63064号公報、実公昭60−14513号公報、実公昭60−14514号公報が知られている。また、スプリングに代えてベローズを利用し、流体として空気を利用するものとしては、実公昭60−14522号の装置が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記特公平8−29792号公報の装置は、構成がシンプルである利点があるが、高粘度の液体と噴出させようとする内容物が同じオリフィスを通るので、遅延時間を自由に設定することができない。特開平10−53287号公報の装置では、その問題は基本的には解消されているが、実際に製造する場合、オリフィスなどの加工精度のバラツキにより遅延時間を正確に設定することが困難である。また、とくに流体が空気などの気体の場合は、オリフィスを容易に通過するので、遅延時間を長くすることが困難である。逆に流体として高粘度の液体を用いる場合は、温度の変化により粘性抵抗が変動するため、噴射するまでの時間が一定でない。さらに粘度変化が大きい流体の場合、粘度が高くなり過ぎたとき、内容物の圧力では流体を押し出すことができず、噴射されないおそれがある。
【0008】
また従来のバネやベローズを用いた遅延機構についても、遅延時間の設定が困難であり、気体や高粘度流体を用いる場合に上記と同じ問題がある。
【0009】
本発明は遅延時間の設定や変更が比較的容易で、遅延時間を長くすることができ、しかも遅延時間のバラツキが少ない遅延機構付きのエアゾール装置を提供することを技術課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の遅延機構付きのエアゾール装置は、バルブのステムと嵌合するステム嵌合穴と、内容物を噴射させる噴射孔と、そのステム嵌合穴と噴射孔とを連通する通路とを有する押しボタンを備えており、前記押しボタンを押し下げてバルブを開放させてから一定時間経過後に前記噴射孔から内容物が噴射されるエアゾール装置であって、前記押しボタンが、押し下げられたときに前記バルブと弾力的に係合し、バルブを開いた状態に維持する係合突起と、前記通路に介在され、前記通路を閉じる位置と開く位置との間で移動するピストンと、そのピストンを移動自在に収容するシリンダとを有し、前記シリンダは、前記ピストンにより、前記ステム嵌合孔と連通した第1室と、マイクロキャピラリーが挿入された抵抗通路を介して外部と連通した第2室とに隔離されており、前記ピストンが開く位置に移動することにより、前記第1室と前記噴射孔とが連通することを特徴としている。ここでマイクロキャピラリーとは、微小な内孔または溝を有する線材状のものを意味し、材質、硬軟の程度、孔の数、単一部材か複合部材かは問わない。さらにマイクロキャピラリーは、どの部分で切断しても断面は同じ形状であり、マイクロキャピラリーを通路などの孔に挿入したものを含む。
【0011】
本発明の遅延機構付きのエアゾール装置の第2の態様は、バルブのステムと嵌合するステム嵌合穴と、内容物を噴射させる噴射孔と、そのステム嵌合穴と噴射孔とを連通する通路とを有する押しボタンを備えており、前記押しボタンを押し下げてバルブを開放させてから一定時間経過後に前記噴射孔から内容物が噴射されるエアゾール装置であって、前記押しボタンが、押し下げられたときに前記バルブと弾力的に係合し、バルブを開いた状態に維持する係合突起と、前記通路に介在され、前記通路を閉じる位置と開く位置との間で移動するピストンと、そのピストンを移動自在に収容するシリンダとを有し、前記シリンダは、前記ピストンにより、前記ステム嵌合穴とマイクロキャピラリーを有するパイロット通路を介して連通した第1室と、外部と連通した第2室とに隔離されており、前記ピストンが開く位置に移動することにより、前記第1室と前記嵌合穴とがパイロット通路とは別の第1通路により連通し、かつ、前記第1室と前記噴射孔とが連通することを特徴としている。
【0013】
前記マイクロキャピラリーは、その内径が10〜200μmで、長さが3〜50mmであるのが好ましい。
【0016】
【作用および発明の効果】
本発明の遅延機構付きのエアゾール装置は、遅延機構の噴射制御部材に、低粘度の流体の通路抵抗となるマイクロキャピラリを用いているので、マイクロキャピラリーの孔径・長さを適宜選択することで抵抗の大きさを変更することができ、しかもその孔径・長さの変更は比較的自由にできる。とくに長さを短くする場合は、切断するだけでも可能である。したがって、遅延時間の設定や変更が容易である。さらに流体として低粘度の流体を用いるので、温度変化による抵抗の変動が少ない。そのため遅延時間のバラツキが少なく、動作不良のおそれも少ない。
【0017】
本発明は、前記押しボタンを押し下げてバルブを開放させているため、容器本体中の圧力を利用しており、遅延機構がシンプルである。
【0018】
遅延機構にシリンダおよびピストンを備えた前述のエアゾール装置においては、ステム孔を開放してもピストンが閉じる位置にあるので、内容物はただちには噴出孔から噴出しない。そして内容物がステム孔から噴出するにつれてピストンが次第に開く位置側に移動する。そのとき、シリンダの容積が次第に減少し、それに伴ってシリンダ内の流体がマイクロキャピラリーを通って流出する。したがってピストンの移動速度はシリンダ内の流体が流出する速度によって、すなわちマイクロキャピラリ内の抵抗に応じて規制される。そしてシリンダ内の流体が少なくなり、ピストンが開く位置に達したとき、初めて内容物が噴出孔から噴出する。それにより遅延噴出作用が達成される。
【0019】
前述のように遅延時間はシリンダ内の流体がマイクロキャピラリーを通る速度、流路抵抗に依存するので、マイクロキャピラリーの長さを変更すれば、抵抗の大きさが変化し、ひいては遅延時間が変更される。したがって遅延時間の設定および変更が容易である。
【0020】
マイクロキャピラリーの内径が10μm未満の場合は製造が比較的困難で、製造コストに見合う充分な効果が得られない。それ以上抵抗を大きくしたい場合は、むしろ長さを伸ばせばよい。また内径が200μmを超える場合は、充分な流路抵抗を得ようとすると長さが大きくなりすぎて取り扱いに不便になる。そのため10〜200μmの範囲が好ましく、とくに20〜150μmの範囲が好ましい。またマイクロキャピラリーの長さが3mm未満の場合は、充分な抵抗を得るためには孔を相当小さくする必要があり、マイクロキャピラリーの製造が困難になる。逆に50mmを超えると装置全体が大きくなりすぎて使い勝手がわるくなる。そのため3〜50mmの範囲が好ましく、とくに5〜30mmの範囲が好ましい。
【0021】
本発明のエアゾール装置は、第2室が大気と連通しており、その第2室内の気体が大気に流出させるだけであるため、周囲を汚すおそれがなく、都合がよい。また、別個にガスを準備する必要がないため、製造が容易である。
【0022】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の遅延機構付きのエアゾール装置の実施の形態を説明する。図1は本発明のエアゾール装置の一実施形態を示す要部断面図、図2はそのエアゾール装置の全体を示す断面図、図3はその作動状態を示す工程図、図4a〜dはそれぞれ本発明に関わるマイクロキャピラリーの実施形態を示す断面図、図5aおよび図5bは本発明のエアゾール装置の他の実施の形態を示す要部断面図、図6は本発明の範囲外のエアゾール装置を示す要部断面図、図7aおよび図7bはその操作状態を示す工程図である。
【0023】
図1に示すエアゾール装置Aは、容器本体1と、その上端に取り付けられるバルブ2と、そのバルブ2のステム3に取り付けられる押しボタン4とを備えており、その押しボタン4内に遅延機構5が組み込まれている。この実施形態ではさらに容器本体1の上部にカバー6が係合固定され、そのカバー6の内部に前記押しボタン4が上下に移動自在に配置されている。そのカバー6は押しボタン4の外周面の少なくとも一部と摺動してその上下動をガイドしている。
【0024】
前記容器本体1は図2に示すように、円筒状の胴部7と、その上端に取り付けたドーム8と、下端を閉じる底板9とからなるいわゆるスリーピース缶である。胴部7は一枚の金属板を円筒状に丸めてハゼ継ぎした従来公知のものである。ドーム8および底板9は巻き締めにより固着している。ドーム8の上端開口にはビード10が形成されている。容器本体1内には、噴出させようとする原液と、プロペラントとが充填されている。
【0025】
バルブ2は、そのビード10にバルブ2のマウンティングカップ11のフランジ部12を被せ、マウンティングカップ11の側壁をドーム8の内面側にクリンプすることにより、ドーム8に固着している。バルブ2の中心部には、従来公知のステム3が上向きに突出している。このバルブ2は従来公知のものであり、通常の状態ではステム3がバネにより上方に付勢されている。そしてステム3を下向きに押すと、ステム3のステム孔を塞いでいるバルブラバーとステム孔の係合が外れ、ステム孔を通じて容器本体12内の内容物がステム3を通って噴出するように構成されている。
【0026】
図1に戻って、前記カバー6は有底筒状の形態を備えており、下端部の内面には胴部7とドーム8の巻き締め部13に係合する係合溝14が設けられている。カバー6の天面には、開口15が形成されている。
【0027】
押しボタン4は、カバー6の内面と摺接する外周面を有する円柱状の形態を有し、下面にはバルブ2のマウンティングカップ11のフランジ部12を収容しうる円柱状の凹所16が形成されている。その凹所16の内周面には、押しボタン4を押し込んだときにフランジ部12の下縁と弾力的に係合する係合突起17が設けられている。係合突起17は環状に設けてもよく、また、複数個、放射状に配置してもよい。押しボタン4の上面には、カバー6の天面の開口15と摺接する指押し部18が設けられている。開口15および指押し部18の平面形状は円形であっても、角形であってもよい。指押し部18の上面は、押しボタン6を押し込んでいないときにはカバー6の天面より突出している。
【0028】
押しボタン6の下面の凹所16の中央には、ステム3と嵌合するステム嵌合穴20が形成されている。さらに押しボタン6の外周面から中央に向かって円柱状のシリンダ21が形成されており、その開口部はプラグ22で塞いでいる。プラグ22とシリンダ21の内壁との間はOリング23でシールしている。前記ステム嵌合穴20の上端とシリンダ21の底部近辺(図1の右端)とは第1通路24で連通している。シリンダ21内には、円柱状のピストン25が軸方向に移動自在に収容されている。ピストン25の両端近辺には、シリンダ21との間をシールするOリング26、26が取り付けられている。
【0029】
シリンダ21の中間部から指押し部18に向かって第2通路27が延びている。第2通路27のシリンダ内への開口端は、ピストン25が最奥部にあるとき、その側面で塞がれる位置である。第2通路27の指押し部18における開口端には、従来公知のノズル部材28が取り付けられている。さらにシリンダ21の開口部側の端部近辺から上方に向かって貫通孔29が形成され、その貫通孔29内にマイクロキャピラリー30が収容されている。この実施形態では貫通孔29の上端は、押しボタン6の肩部31に開口している。上記のシリンダ21、ピストン25、マイクロキャピラリー30は、前述の遅延機構5を構成している。
【0030】
この実施形態では、マイクロキャピラリー30は合成樹脂製の断面円形の線材で、中心に微少な孔が貫通しているものである。合成樹脂の種類としてはとくに限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ジュラコンなどの熱可塑性樹脂で、押し出し成形したものが好ましい。マイクロキャピラリー30の内径は10〜200μm程度であり、長さは3〜50mm程度である。
【0031】
シリンダ21内の空間は、ピストン25により、ステム嵌合穴20と連通する第1室R1と、マイクロキャピラリー30と連通する第2室R2とに隔離されている。第2室R2の容積は0.5〜50ml程度である。第1通路24および第2通路27の内径は0.3〜3.0mm程度である。第1通路24と第2通路27とは、図1の状態ではピストン25により遮られているが、ピストン25が左側に移動すると、シリンダ21内の第1室R1により連通する。その場合、第1通路24、第1室R1および第2通路27は、ステム3からノズル部材28の噴出孔へ至る内容物の通路となり、図1の状態ではその通路をピストン25が遮断している。この状態が通路を閉じている状態である。そしてピストン25が左側に行った状態が通路を開いた状態である。
【0032】
つぎに図3を参照して上記のごとく構成される遅延機構5の作用を説明する。押しボタン4を押していない状態では、ステム3が押し込まれていないので、バルブ2が閉じている。そのため容器本体1中の内容物はステム3から噴出しない(第1ステップS1参照)。またピストン25は右端の第1通路24を閉じる位置にあり、第1室R1の容積は実質的に0である。他方、第2室R2はマイクロキャピラリー30を介して外部と連通しているので、その内部には空気が入っている。ただし他の流体を充填してもよい。
【0033】
ついで第2ステップS2のように、押しボタン4を押し下げると、ステム3がバネの付勢力に抗して下がり、バルブ2が開く。そのとき押しボタン4の係合突起17がマウンティングカップ11のフランジ部12に係合するので、バルブ2が開いた状態が維持される。バルブ2が開くことにより、容器本体1内の内容物がステム孔からステム3内に継続的に噴出し、内容物が第1通路24を通ってシリンダ21内の第1室R1に入る。そして第1室R1の圧力が上昇すると、第3ステップS3のようにピストン25をいくらか左側に押す。ただしこの状態では、第2通路27のシリンダ21側の開口がまだピストン25によって塞がれているので、内容物は第1室R1に入るだけで、外部には噴出しない。
【0034】
ピストン25が左側に移動するとき、第2室R2内の空気が圧縮され、マイクロキャピラリー30を通じて外部に放出される。そのとき、マイクロキャピラリー30の孔の通路抵抗により、わずかずつしか空気が流出しない。そのためピストン25は、第1室R1に内容物が充填されるにつれて、かつ第2室R2の空気がマイクロキャピラリー30を通じて外部に放出されるにつれて、ゆっくりと左側に移動する。
【0035】
そして第1室R1内の内容物がピストン25を左端近辺まで押したとき、第4ステップS4に示すように、第2通路27のシリンダ側の開口端がピストン25の右端から外れ、第1室R1と連通する。したがって容器本体1内から内容物が第1通路24、シリンダの第1室R1および第2通路27を経て、ノズル部材28の噴出孔から外部に噴出する。
【0036】
押しボタン4を押したとき(第2ステップS2)から内容物が噴出孔から噴出するまでの時間は、ピストンが左端に移動した状態での第1室R1の大きさ、ピストンが右端にある状態での第2室R2の大きさ、マイクロキャピラリー30の内径および長さ、容器本体1の内圧、ステム孔の径などのバルブ2の流路抵抗などにより定まるが、通常は5秒以上に設定する。
【0037】
エアゾール製品の内容物によっては、遅延時間を短くしたり、早くしたい場合がある。その場合は同じ押しボタン4を用いて、その押しボタン4の貫通孔29内のマイクロキャピラリー30を、内径がより大きいものに変更したり、小さいものに変更すればよい。またマイクロキャピラリー30の長さを短くしたり、長くすることによっても対応することができる。
【0038】
図4aは本発明のエアゾール装置に用いるマイクロキャピラリー30の基本的な形態を示している。このものはたとえば外径0.8mmの円柱状の線材32で、中心に1本の10〜200μmの内孔33が中心に沿って貫通しているものである。内孔32の本数はとくに限定されず、2本以上であってもよい。
【0039】
図4bは図4aのマイクロキャピラリー30と実質的に同じで、内孔33の数が3本のものである。このものは内孔33の断面積が図4aの場合の3倍であるので、流路抵抗が少なく、したがって同じ条件では遅延時間が短くなる。
【0040】
図4cは貫通する内孔を設けず、円柱状の線材の表面に4本の溝34を形成したものである。溝34の断面形状は半円状である。溝の本数、断面形状はとくに限定されない。このものは単独ではマイクロキャピラリーとしての作用は奏しない。このものは図1の押しボタン4の貫通孔29に密に嵌合させると、その貫通孔29の内面が溝34の開口部を覆うので、閉じた孔が形成される。それによりその孔が空気などが通る微少な通路となる。線材32の材質や外径は図4aの場合と同じである。なお図4cの溝34と図4aまたは図4bの内孔33の両方を備えたマイクロキャピラリーを採用することもできる。
【0041】
図4dは、線材32に複雑な断面形状の内孔33を形成したマイクロキャピラリー30の実施形態を示している。このものは比較的径が大きい内孔33の内面から、6本の突条35を突出させ、それぞれの突条35の両側面からさらに横突条36、37を突出させている。横突条36、37は縦向きの突条35の1本置きに先端側と根元側に配置し、互いに干渉しないように、かつ、横突条36、37同士の隙間が狭くなるようにしている。また内向33の内面の突条35の間には、各3本ずつの小突条38を設けており、全体として残りの空間ができるだけ狭くなるようにしている。
【0042】
このものの内孔33の断面積は0.01〜0.3mm2 と比較的大きいが、内面の輪郭線の長さがきわめて大きい。そのため、表面積が大きく、流体抵抗も大きくなる。このような複雑な形状のマイクロキャピラリー30は、内孔の大きさが制限されている場合、あるいは同じ径でも大きい抵抗を得たい場合に用いられる。たとえば水やシリコーンなどの低粘度の液体の場合は、内孔をあまり小さくできないので、図4dのチューブ状のマイクロキャピラリー30が好ましい。
【0043】
図5aに示す遅延機構40は第1通路24からシリンダの第1室R1に至るパイロット通路41を設け、そのパイロット通路41にマイクロキャピラリー30を挿入している。パイロット通路41はU字状に形成している。ただしこれに限定されない。第2室R2は通孔43により外部と連通している。この実施形態では通孔43をプラグ22に形成している。またマイクロキャピラリー30は反対側に設けたプラグ44の貫通孔45に挿入し、その貫通孔45の開口端は小プラグ46で閉じている。貫通孔45はパイロット通路の一部となる。
【0044】
このものは押しボタン4を押してバルブを開放すると、ステム3からパイロット通路41を通って第1室R1に内容物が充填される。そのとき、マイクロキャピラリー30の流路抵抗で、内容物の流速が緩慢になる。第1通路24はピストン25で閉じられている。第1室R1に内容物が充填されるにつれて、その圧力で、ピストン25が図5bのように次第に左側に移動する。そして第1通路24と第2通路27がそれぞれ第1室R1と連通すると、内容物は第1通路24、第1室R1および第2通路27を通ってノズル部材28の噴出孔から外部に噴出する。
【0045】
図5aの実施形態では、気体だけでなく、液体もマイクロキャピラリー30を通る。そのため、比較的粘性抵抗が低い液体を用いているエアゾール装置に適している。このような内容物を通すマイクロキャピラリーの場合は、内孔の断面積が30〜300μm程度、長さが3〜50mm程度が好ましい。なお、この実施形態の遅延機構に、第2室R2から外部に通ずる通孔43に気体用のマイクロキャピラリーを収容して、図1の遅延機構5と併用することもできる。
【0046】
図6は押しボタンを押してからステムが作動するまでの時間を制御するタイプのエアゾール装置を示しており、図7aおよび図7bはその作動手順を示している。このエアゾール装置Bは、バルブ2の上部に設けられる有底筒状のホルダー50と、そのホルダーと組み合わされてピストン・シリンダ機構を構成する摺動部材51と、その摺動部材51をピストン・シリンダ機構の容積を小さくする方向に付勢するバネ53と、そのバネを弾性変形させるための押しボタン4とを備えている。
【0047】
ホルダー50は、中央にステム3と対向する孔54を備えた隔壁55と、その隔壁55の周囲から立ち上がる周壁56と、周壁の下方に延びて、バルブ2のマウンティングカップ11に取り付けられる脚部56aとを備えている。周壁56は通常は円筒状である。前記摺動部材51は、ホルダー50の周壁56の外周面と摺動自在に気密に嵌合する筒状の外周壁57と、その上端を塞ぐ端部壁58と、その端部壁58の中心を貫通して上下に延びる軸部59とを備えている。ホルダー50と摺動部材51とで構成されるピストン・シリンダ機構は、可動部材がピストンであると考えれば、摺動部材51がピストンとなり、ホルダー50がシリンダである。しかし見方を変えれば、内側に入るホルダー50がピストンで、外側になる摺動部材51がシリンダで、シリンダが上下に移動すると考えることもできる。
【0048】
摺動部材51の軸部59の中心には軸心に沿って貫通する通路60が設けられており、下端にステム3の上部と気密に嵌合するステム嵌合穴20を有する。軸部59の上端には、ノズル部材28が取り付けられている。さらに摺動部材51の外周壁57の外周面には、バネ53の下端と係合するフランジ63が設けられている。フランジ63は外周壁57の下端の外周に設けられる。軸部59の下部は、ホルダー50の孔54と気密に摺動自在に嵌合している。したがって摺動部材51の端部壁58および外周壁57と、ホルダー50の隔壁55および周壁56とで囲まれる空間Sは気密に保持される。この空間Sは図1の実施形態における第2室R2と実質的に同じ作用を奏する。また端部壁58には貫通孔29が形成され、その貫通孔29にマイクロキャピラリー30が嵌合されている。
【0049】
前記押しボタン4は有底筒状の形態を有し、摺動部材51のフランジ63の外周面と摺動する側面部64と、その上面を塞ぐ天面部65とを備えている。天面部65の中央には、摺動部材51の軸部59を貫通させる孔66が形成されている。側面部64の下端内面には、バルブ2のマウンティングカップ11のフランジ部12と係合する突起67が設けられている。突起67の下面側はテーパー状にしており、それによりフランジ部12に対して嵌合させやすく、かつ、一旦嵌合すると抜けにくいようにしている。摺動部材51のフランジ63と押しボタン4の天面部65との間には、前述のバネ53が介在されている。バネ53は圧縮コイルバネである。この実施形態では、摺動部材51の外周壁57をホルダー50の外側に嵌合させてその下端にバネ53と係合させるフランジ63を設けているので、長いバネ、すなわち蓄えられるエネルギが大きいバネを採用できる利点がある。また、摺動部材51の外面および押しボタン4の側面部64の内面をバネ53のガイドとして利用できる。また、摺動部材51のフランジ63を押しボタン4のガイドとして作用させることができる。
【0050】
上記のように構成されるエアゾール装置Bにおいて、使用者が、図7aに示すように押しボタン4を押し下げると、バネ53を介して摺動部材51を押し下げる力が働く。そのとき空間S内の空気がマイクロキャピラリー30を通して外部に抜けようとするが、マイクロキャピラリー30の通路抵抗により、ただちには抜けず、そのため摺動部材51はまだ下降しない。それにより押しボタン4だけがバネ53を圧縮させながら下降する。そして下降端で突起63がマウンティングカップ11のフランジ12と係合する。その状態では使用者が離れ、待避する。
【0051】
その状態では圧縮されているバネ53が摺動部材51を下方に付勢しており、そのため摺動部材51は、空間S内の空気がマイクロキャピラリー30を通して抜けていく速度に応じて緩慢に下降していく。そして摺動部材51の軸部59のステム嵌合穴61がステム3に嵌合する。その状態からさらに摺動部材51が下降を続けると、ステム3が押し込まれ、最終的に図7bに示すように、バルブ2が開放してステム孔が開き、ステム3および軸部59の通路60を通ってノズル部材28から内容物が噴射される。
【0052】
図6の形態では、摺動部材51の外周壁57をホルダー50の外周に嵌合させているが、ホルダー50の周壁56を上方に伸ばし、摺動部材51の端部壁58を通常のピストンのように、周壁56内に摺動自在に嵌合させることもできる。その場合は押しボタン4を軸部59でガイドさせるか、あるいはホルダー50でガイドさせればよい。また、あらかじめ図7aの状態のようにバネ53に圧縮変形を与えておき、想像線で示すような取り外し自在のストッパ68で摺動部材51の下降を停止させるようにしてもよい。その場合は、ストッパ68を外すことにより、摺動部材51が下降を始め、前述の場合と同様にして、所定の遅延時間経過後に噴射が開始する。
【0053】
【実施例】
つぎに具体的な実施例に基づいて本発明のエアゾール装置を説明する。
アルコールに薫蒸剤の有効成分を溶解させた原液を、図2に示すようなブリキ製の耐圧性金属容器に充填し、バルブを取り付け、噴射剤として液化石油ガスを充填した。製品圧力は0.3MPa (25℃)であった。このものに図1に示す遅延機構を取り付けた。シリンダ21の断面積1cm2 、容積3mlとした。
【0054】
[孔径による噴射遅延時間への影響] 上記のエアゾール製品について、図4aに示す内孔が1本のマイクロキャピラリーを用いた。キャピラリーチューブの外径は0.8mm、長さは10mmに固定し、内孔の径を40、100、150、300μmと変化させて遅延時間を測定した。その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
表1の結果によれば、内孔の径が小さいほど、噴射遅延時間が長いことが分かる。またマイクロキャピラリーの長さが比較的短い10mmの場合でも、ある程度孔径を小さくすることにより、使用者が待避するために充分な時間を遅延させることができることが分かる。
【0057】
[チューブ長さによる噴射遅延時間への影響]
つぎにキャピラリーチューブの外径は0.8mm、内孔の径は40μmに固定し、長さを5、10、20、30、50mmと変化させて遅延時間を測定した。その結果を表2に示す。
【0058】
【表2】
【0059】
表2の結果から明らかなように、チューブの長さが長いほど、遅延時間が長くなる。しかし5mm程度の短いチューブでも、待避に必要な時間を充分に遅延させることができることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエアゾール装置の一実施形態を示す要部断面図である。
【図2】 そのエアゾール装置の全体を示す断面図である。
【図3】 そのエアゾール装置の作動状態を示す工程図である。
【図4】 図4a〜dはそれぞれ本発明に関わるマイクロキャピラリーの実施形態を示す断面図である。
【図5】 図5aおよび図5bは本発明のエアゾール装置の他の実施の形態を示す要部断面図および作動状態の要部断面図である。
【図6】本発明の範囲外のエアゾール装置を示す要部断面図である。
【図7】 図7aおよび図7bはその操作状態を示す工程図である。
【符号の説明】
A エアゾール装置
1 容器本体
2 バルブ
3 ステム
4 押しボタン
5 遅延機構
6 カバー
11 マウンティングカップ
12 フランジ部
17 係合突起
21 シリンダ
24 第1通路
25 ピストン
27 第2通路
28 ノズル部材
29 貫通孔
30 マイクロキャピラリー
R1 第1室
R2 第2室
32 線材
33 内孔
34 溝
35 突条
40 遅延機構
41 パイロット通路
43 通孔
45 貫通孔
B エアゾール装置
50 ホルダー
51 摺動部材
53 バネ
55 隔壁
56 周壁
57 外周壁
58 端部壁
59 軸部
60 通路
S 空間
64 側面部
65 天面部
67 突起
68 ストッパ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aerosol apparatus having a delay mechanism.
[0002]
[Prior art]
Among aerosol products that are sprayed into indoor spaces such as insecticides, deodorants, and fragrances, in order to spray the contents over a wide range, the aerosol products are placed on the floor and sprayed upward. In this type of product, since the direction of the injection hole is close to the operator and the injection of the contents starts in the middle of the operation of the button, there is a problem that not only the operator but also the suction.
[0003]
Therefore, it is preferable to use a so-called delayed injection mechanism in such a product, in which after a predetermined operation such as pressing an injection button is performed, the content injection starts after a while. As the injection delay means, a mechanism is used in which the internal pressure or spring of the aerosol device is used as an energy source, the operation based on the energy is slowed down by a high-viscosity fluid or a friction member, and the injection starts after a predetermined time. Japanese Patent Publication No. 8-29792 relating to the application of the present applicant is an example of an apparatus that utilizes an internal pressure of an aerosol apparatus and a high-viscosity liquid. In this case, a sealed container is interposed in the middle of the ejection of the contents, and the inside is filled with a high-viscosity liquid. Since the high-viscosity liquid blocks the outflow hole immediately after the valve is opened, the content is not ejected, and the content is ejected after the high-viscosity fluid has flowed out. Therefore, the time until the start of ejection can be delayed by the time required for the high viscosity liquid to flow out.
[0004]
On the other hand, the present applicant makes a pressure chamber (such as a cylinder) interposed in the ejection path, a slide valve (such as a piston) that slides on and closes the ejection path, and slows the movement of the slide valve. An ejection delay mechanism including a resistance element has been proposed (see Japanese Patent Laid-Open No. 10-53287). As a specific example of the resistance element, a fluid composed of a fluid pressurized by a piston, particularly a highly viscous fluid, and an orifice serving as a flow path resistance through which the fluid flows out is given. In this case, since the orifice through which the fluid of the resistance element passes and the injection hole through which the contents are ejected are separate, the time for delaying can be set relatively freely.
[0005]
As the injection delay means using the spring, a cylinder provided in the upper part of the aerosol device, a piston accommodated in the inside thereof and movable up and down to press the stem, and a cylinder so as to prevent the movement of the piston Is provided with a liquid filled in the lower chamber, a spring for biasing the piston downward, and a stopper for locking the piston to the upper side (Japanese Patent Laid-Open No. 10-157782). reference). This one has a small hole in the piston or a slight gap between the piston and the cylinder, and when the piston descends, the liquid moves slowly from the small hole or gap to the upper chamber of the cylinder. Utilizing this, the lowering speed of the piston is made slow. Then, by removing the stopper, the piston is lowered by the biasing force of the spring, and when the piston reaches the lower end, the stem is pushed in and the injection is started.
[0006]
In addition, Japanese Utility Model Publication No. 58-63064, Japanese Utility Model Publication No. 60-14513, Japanese Utility Model Publication No. 60-14514 are known as those using springs. Further, as a device using a bellows instead of a spring and using air as a fluid, a device disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 60-14522 is known.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The apparatus of Japanese Patent Publication No. 8-29792 has the advantage of a simple structure, but the high viscosity liquid and the contents to be ejected pass through the same orifice, so the delay time can be set freely. Can not. In the apparatus disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 10-53287, the problem is basically solved. However, in actual production, it is difficult to set the delay time accurately due to variations in machining accuracy of the orifice and the like. . In particular, when the fluid is a gas such as air, it easily passes through the orifice, so it is difficult to increase the delay time. Conversely, when a high-viscosity liquid is used as the fluid, the viscous resistance fluctuates due to a change in temperature, so the time until ejection is not constant. Further, in the case of a fluid having a large viscosity change, when the viscosity becomes too high, the fluid cannot be pushed out by the pressure of the contents, and there is a possibility that the fluid may not be ejected.
[0008]
Also, the delay mechanism using a conventional spring or bellows is difficult to set the delay time, and has the same problem as described above when using a gas or a high-viscosity fluid.
[0009]
It is a technical object of the present invention to provide an aerosol device with a delay mechanism in which the delay time can be set and changed relatively easily, the delay time can be increased, and the delay time variation is small.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The aerosol device with a delay mechanism of the present invention,A push button having a stem fitting hole for fitting with a stem of the valve, an injection hole for injecting the contents, and a passage communicating with the stem fitting hole and the injection hole is provided, and the push button is depressed. After opening the valveAfter a certain amount of timeSaidThe contents are injected from the injection holeAn aerosol device, wherein the push button is elastically engaged with the valve when pressed down, and an engagement protrusion for maintaining the valve in an open state, and is interposed in the passage to close the passage A piston that moves between a position and an open position; and a cylinder that movably accommodates the piston, wherein the cylinder communicates with the stem fitting hole by the piston; a microcapillary; The first chamber and the injection hole communicate with each other by moving to a position where the piston opens.It is characterized by that. Here, the microcapillary means a wire-like one having minute inner holes or grooves, and it does not matter whether the material, the degree of hardness, the number of holes, a single member or a composite member. Furthermore, the microcapillary has the same cross section regardless of where it is cut.-Is inserted into a hole such as a passage.
[0011]
According to a second aspect of the aerosol device with a delay mechanism of the present invention, a stem fitting hole for fitting with a stem of a valve, an injection hole for injecting contents, and the stem fitting hole and the injection hole communicate with each other. An aerosol device in which contents are injected from the injection hole after a predetermined time has elapsed since the valve was opened by pressing down the push button, the push button being pressed down An engagement protrusion that elastically engages the valve and maintains the valve in an open state, a piston that is interposed in the passage and moves between a closing position and an opening position. A first chamber that communicates with the piston via a pilot passage having the stem fitting hole and a microcapillary. The first chamber and the fitting hole communicate with each other by a first passage different from the pilot passage by being moved to a position where the piston is opened. In addition, the first chamber communicates with the injection hole.
[0013]
The microcapillary preferably has an inner diameter of 10 to 200 μm and a length of 3 to 50 mm..
[0016]
[Operation and effect of the invention]
The aerosol device with a delay mechanism according to the present invention uses a microcapillary that serves as a passage resistance for a low-viscosity fluid as an injection control member of the delay mechanism. In addition, the hole diameter and length can be changed relatively freely. In particular, when the length is shortened, it is possible to cut only. Therefore, it is easy to set and change the delay time. Furthermore, since a low-viscosity fluid is used as the fluid, there is little resistance variation due to temperature changes. Therefore, there is little variation in delay time, and there is little risk of malfunction.
[0017]
Since the present invention opens the valve by pushing down the push button,Utilizes pressure in the container bodyHaveSimple delay mechanismIt is.
[0018]
In the above-described aerosol device in which the delay mechanism includes the cylinder and the piston, even if the stem hole is opened, the piston is in the closed position, so that the content is not immediately ejected from the ejection hole. Then, as the contents are ejected from the stem hole, the piston gradually moves to the position where it opens. At that time, the volume of the cylinder gradually decreases, and accordingly, the fluid in the cylinder flows out through the microcapillary. Therefore, the moving speed of the piston is regulated by the speed at which the fluid in the cylinder flows out, that is, according to the resistance in the microcapillary. When the fluid in the cylinder is reduced and the piston reaches a position where it opens, the contents are ejected from the ejection hole for the first time. Thereby, a delayed ejection action is achieved.
[0019]
As described above, the delay time depends on the speed at which the fluid in the cylinder passes through the microcapillary and the flow path resistance. Therefore, if the length of the microcapillary is changed, the magnitude of the resistance changes, and the delay time changes accordingly. The Therefore, it is easy to set and change the delay time.
[0020]
When the inner diameter of the microcapillary is less than 10 μm, the production is relatively difficult, and a sufficient effect corresponding to the production cost cannot be obtained. If you want to increase the resistance further, you can rather increase the length. On the other hand, when the inner diameter exceeds 200 μm, if an attempt is made to obtain sufficient flow path resistance, the length becomes too large, which is inconvenient to handle. Therefore, the range of 10-200 micrometers is preferable, and the range of 20-150 micrometers is especially preferable. If the length of the microcapillary is less than 3 mm, it is necessary to make the hole considerably small in order to obtain sufficient resistance, which makes it difficult to manufacture the microcapillary. On the other hand, if it exceeds 50 mm, the entire apparatus becomes too large and the usability becomes difficult. Therefore, the range of 3-50 mm is preferable, and the range of 5-30 mm is particularly preferable.
[0021]
In the aerosol device of the present invention, the second chamber is in communication with the atmosphere, and the gas in the second chamber only flows out to the atmosphere.There is a risk of getting dirtyThe cityGood match.Also,Easy to manufacture because there is no need to prepare gas separately.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, an embodiment of an aerosol apparatus with a delay mechanism according to the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a cross-sectional view of a main part showing an embodiment of an aerosol device of the present invention, FIG. 2 is a cross-sectional view showing the whole aerosol device, FIG. 3 is a process diagram showing its operating state, and FIGS. FIG. 5A and FIG. 5B are main part sectional views showing other embodiments of the aerosol device of the present invention, and FIG. 6 is a cross-sectional view showing an embodiment of the microcapillary according to the present invention.Out of rangeAerosolPlaceFIG. 7A and FIG. 7B are process diagrams showing the operation state.
[0023]
The aerosol apparatus A shown in FIG. 1 includes a
[0024]
As shown in FIG. 2, the
[0025]
The
[0026]
Returning to FIG. 1, the
[0027]
The
[0028]
A
[0029]
A
[0030]
In this embodiment, the
[0031]
The space in the
[0032]
Next, the operation of the delay mechanism 5 configured as described above will be described with reference to FIG. In a state where the
[0033]
Then, when the
[0034]
When the
[0035]
When the contents in the first chamber R1 push the
[0036]
The time from when the
[0037]
Depending on the contents of the aerosol product, you may want to shorten or speed up the delay time. In that case, the
[0038]
FIG. 4a shows a basic form of the
[0039]
FIG. 4b is substantially the same as the
[0040]
FIG. 4c shows an example in which four
[0041]
FIG. 4 d shows an embodiment of the
[0042]
The
[0043]
The
[0044]
When the
[0045]
In the embodiment of FIG. 5 a, not only gas but also liquid passes through the
[0046]
FIG. 6 shows an aerosol device of the type that controls the time from when the push button is pressed to when the stem is activated, and FIGS. 7a and 7b show the operating procedure. The aerosol device B includes a bottomed
[0047]
The
[0048]
A
[0049]
The
[0050]
In the aerosol device B configured as described above, when the user depresses the
[0051]
In this state, the
[0052]
FIG.Form ofIn this state, the outer
[0053]
【Example】
Next, the aerosol apparatus of the present invention will be described based on specific examples.
A stock solution in which the active ingredient of the fumigant was dissolved in alcohol was filled in a pressure-resistant metal container made of tin as shown in FIG. 2, a valve was attached, and liquefied petroleum gas was filled as a propellant. The product pressure was 0.3 MPa (25 ° C.). The delay mechanism shown in FIG. 1 was attached to this. Cross-sectional area of
[0054]
[Influence on injection delay time by hole diameter] For the above aerosol product, a microcapillary having one inner hole shown in FIG. 4a was used. The capillary tube was fixed to an outer diameter of 0.8 mm and a length of 10 mm, and the delay time was measured by changing the diameter of the inner hole to 40, 100, 150, and 300 μm. The results are shown in Table 1.
[0055]
[Table 1]
[0056]
According to the results in Table 1, it can be seen that the smaller the diameter of the inner hole, the longer the injection delay time. It can also be seen that even when the length of the microcapillary is 10 mm, which is relatively short, by reducing the hole diameter to some extent, a sufficient time can be delayed for the user to evacuate.
[0057]
[Effect of tube length on injection delay time]
Next, the outer diameter of the capillary tube was fixed to 0.8 mm, the diameter of the inner hole was fixed to 40 μm, and the length was changed to 5, 10, 20, 30, 50 mm, and the delay time was measured. The results are shown in Table 2.
[0058]
[Table 2]
[0059]
As is clear from the results in Table 2, the longer the tube, the longer the delay time. However, it can be seen that even a short tube of about 5 mm can sufficiently delay the time required for retreat.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an essential part showing an embodiment of an aerosol device of the present invention.
FIG. 2 is a sectional view showing the whole aerosol apparatus.
FIG. 3 is a process diagram showing an operating state of the aerosol device.
4a to 4d are cross-sectional views showing embodiments of the microcapillary according to the present invention.
FIGS. 5a and 5b are a cross-sectional view of a main part showing another embodiment of the aerosol device of the present invention and a cross-sectional view of a main part in an operating state.
FIG. 6 shows the present invention.Out of rangeAerosolPlaceIt is a principal part sectional view shown.
FIGS. 7a and 7b are process diagrams showing the operation state.
[Explanation of symbols]
A Aerosol device
1 Container body
2 Valve
3 stem
4 push buttons
5 Delay mechanism
6 Cover
11 Mounting cup
12 Flange
17 Engagement protrusion
21 cylinders
24 First passage
25 piston
27 Second passage
28 Nozzle member
29 Through hole
30 Microcapillary
32 Wire
33 Inner hole
34 groove
35 ridges
40 Delay mechanism
41 Pilot passage
43 through holes
45 Through hole
B Aerosol device
50 holder
51 Sliding member
53 Spring
55 Bulkhead
56 Perimeter wall
57 outer wall
58 end wall
59 Shaft
60 passage
S space
64 Sides
65 Top surface
67 projection
68 Stopper
Claims (3)
前記押しボタンを押し下げてバルブを開放させてから一定時間経過後に前記噴射孔から内容物が噴射されるエアゾール装置であって、
前記押しボタンが、押し下げられたときに前記バルブと弾力的に係合し、バルブを開いた状態に維持する係合突起と、前記通路に介在され、前記通路を閉じる位置と開く位置との間で移動するピストンと、そのピストンを移動自在に収容するシリンダとを有し、
前記シリンダは、前記ピストンにより、前記ステム嵌合孔と連通した第1室と、マイクロキャピラリーが挿入された抵抗通路を介して外部と連通した第2室とに隔離されており、
前記ピストンが開く位置に移動することにより、前記第1室と前記噴射孔とが連通する、エアゾール装置。 A push button having a stem fitting hole for fitting with the stem of the valve, an injection hole for injecting the contents, and a passage communicating with the stem fitting hole and the injection hole;
It said depressing the pushbutton contents from the injection hole after a predetermined time has elapsed since by opening the valve is injected a Rue azole device,
An engagement protrusion that elastically engages the valve when the push button is depressed and maintains the valve in an open state, and a position that is interposed in the passage and closes and opens the passage. A piston that moves in a cylinder and a cylinder that movably accommodates the piston,
The cylinder is isolated by the piston into a first chamber that communicates with the stem fitting hole and a second chamber that communicates with the outside through a resistance passage in which a microcapillary is inserted.
An aerosol device in which the first chamber communicates with the injection hole by moving to a position where the piston opens.
前記押しボタンを押し下げてバルブを開放させてから一定時間経過後に前記噴射孔から内容物が噴射されるエアゾール装置であって、
前記押しボタンが、押し下げられたときに前記バルブと弾力的に係合し、バルブを開いた状態に維持する係合突起と、前記通路に介在され、前記通路を閉じる位置と開く位置との間で移動するピストンと、そのピストンを移動自在に収容するシリンダとを有し、
前記シリンダは、前記ピストンにより、前記ステム嵌合穴とマイクロキャピラリーを有するパイロット通路を介して連通した第1室と、外部と連通した第2室とに隔離されており、
前記ピストンが開く位置に移動することにより、前記第1室と前記嵌合穴とがパイロット通路とは別の第1通路により連通し、かつ、前記第1室と前記噴射孔とが連通する、エアゾール装置。 A push button having a stem fitting hole for fitting with the stem of the valve, an injection hole for injecting the contents, and a passage communicating with the stem fitting hole and the injection hole;
It said depressing the pushbutton contents from the injection hole after a predetermined time has elapsed since by opening the valve is injected a Rue azole device,
An engagement protrusion that elastically engages the valve when the push button is depressed and maintains the valve in an open state, and a position that is interposed in the passage and closes and opens the passage. A piston that moves in a cylinder and a cylinder that movably accommodates the piston,
The cylinder is isolated by the piston into a first chamber communicating with the stem fitting hole and a pilot passage having a microcapillary and a second chamber communicating with the outside,
The first chamber and the fitting hole communicate with each other through a first passage different from the pilot passage, and the first chamber and the injection hole communicate with each other by moving to the position where the piston opens. Aerosol device.
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