JP4398168B2

JP4398168B2 - Packing

Info

Publication number: JP4398168B2
Application number: JP2003077094A
Authority: JP
Inventors: 久美加藤; 亮久生駒
Original assignee: KYB Corp
Current assignee: KYB Corp
Priority date: 2003-03-20
Filing date: 2003-03-20
Publication date: 2010-01-13
Anticipated expiration: 2023-03-20
Also published as: JP2004286089A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、シリンダに設けられ、このシリンダに対して移動自在に挿入されたピストンロッドに摺接してピストンロッドとシリンダとの間の隙間をシールするロッドシール構造に用いるパッキンの改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、この種のパッキンとしては、特許文献１に示す油圧シリンダのロッドシール構造に用いるＵパッキンを例示することができる。
【０００３】
即ち、図３、４に示すように、シリンダ１におけるピストンロッド２の貫通孔３内周に環状の取付溝４が設けられ、この取付溝４内にＵパッキン５が挿着されている。
【０００４】
このＵパッキン５は、内周側に平坦状のヒール部６ａを有する環状の基部６と、基部６の外側に立設された外周リップ７と、同じく基部６の内周側に立設されたメインリップ８とから構成され、全体が天然ゴム又は合成ゴム等によって一体的に形成されている。
【０００５】
メインリップ８は、金属製ピストンロッド２の外周に摺接してピストンロッド２とシリンダ１との間の隙間、即ち上記摺接部分からシリンダ１内の作動油が外部（図４における下方を言う）に漏れるのを防止するとともに、ピストンロッド２の進退動作に伴いピストンロッド２の表面に付着して外部に残る油膜の膜厚を適切な値にコントロールするという相反する機能を有している。
【０００６】
このため、メインリップ８の内周側には傾斜面１０，１１が断面Ｖ型形状をなすリップ部９が突出形成され、反基部６側の傾斜面１０がメインリップ８の先端部に繋がり、基部６側の傾斜面１１が平坦状をなす前記ヒール部６ａに繋がっている。
【０００７】
そして、このリップ部９の反基部６側の傾斜面１０でピストンロッド２の表面に付着して外部に出る油膜の厚みを制御するとともに、基部６側の傾斜面１１でピストンロッド２に付着してシリンダ１内に引き込まれる油膜の膜厚を制御している。
【０００８】
尚、外周リップ７は、取付溝４内周面に当接し、これらの間から油室内の作動油が外部に漏れるのを防止している。
【０００９】
上記のように構成されたロッドシール構造では、ピストンロッド２の進退動作に伴って油室側の圧力が上がった場合、Ｕパッキン５におけるメインリップ８のリップ部９で作動油が外部に漏れるのを防止するとともに、ピストンロッド２の表面に付着して外部に残る油膜の膜厚をコントロールしている。
【００１０】
【特許文献１】
特開２００２−１２２２４１号公報（図４）
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した油圧シリンダのロッドシール構造にあっては、以下に示すような問題点が考えられる。
【００１２】
即ち、上記の油圧シリンダが高圧負荷で使用される場合には、Ｕパッキン５全体に大きな圧力が加わり、リップ部９が形成されたメインリップ８の内周面全体に加え、ヒール部６ａ全体もピストンロッド２表面に強く押し付けられる場合がある。
【００１３】
このとき、ヒール部６ａは、それ自体が平坦状となっているので、ピストンロッド２表面に対してぴったり密着して押し付けられた状態になる。
【００１４】
このため、ピストンロッド２が進退動作を繰り返すと、このヒール部６ａでピストンロッド２表面に付着した油膜を押しのけるか或いは掻き取り、ヒール部６ａと摺接するピストンロッド２表面の油膜の膜厚を極端に薄くする場合が想定される。
【００１５】
この状態では、ピストンロッド２表面に対してヒール部６ａが近接することになり、ヒール部６を構成するゴム材の影響を受けてピストンロッド２の表面はその油濡れ性（作動油拡がり性）を大きく低下させる。
【００１６】
これは、ゴム材のような有機物質はピストンロッド２が元々持っている金属特有の油濡れ性を大きく低下させる性質を持っているからである。
【００１７】
従って、この状態でピストンロッド２の進退動作が繰り返されると、ピストンロッド２表面では作動油の広がり状態が悪化し、油膜が油滴となって作動油がある部分と、ない部分（ドライ状態部分）とがピストンロッド２表面にランダムに出来る。
【００１８】
このため、例えば、縮み行程においては、油滴となった部分の作動油全てをシリンダ１内へ引き込むことが出来ないこと、即ち油膜引き込み性低下による油漏れを発生させ、ドライ状態部分においては潤滑不良によるヒール部６ａの磨耗を引き起こす可能性がある。
【００１９】
そこで、本発明の目的は、高圧負荷状態で使用されても油漏れや、潤滑不良によるヒール部の磨耗を引き起こすことのない構造を備えたパッキンを提供することである。
【００２０】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の一つの手段は、シリンダ内に移動自在に挿入されたピストンロッドと摺接して前記ピストンロッドと前記シリンダとの間の隙間をシールするよう前記シリンダに設けられるパッキンであって、内周側に平坦状のヒール部を有する環状の基部と、この基部の内側から立ち上がり、内周面で前記ピストンロッドに摺接して前記隙間を密封する同じく環状のメインリップと、このメインリップの内周側に内側に向って突出形成されたリップ部とを備えるとともに、前記ヒール部の一部、又は前記ヒール部の全体及びその基部側角部にピストンロッドの濡れ性を少なくとも維持できる材質で形成された油濡れ性維持層が設けられていることを特徴とするものである。
【００２１】
又、本発明の他の手段は、ピストンが移動自在に挿入されたシリンダと摺接して前記ピストンと前記シリンダとの間の隙間をシールするよう前記ピストンに設けられるパッキンであって、外周側に平坦状のヒール部を有する環状の基部と、この基部の外側から立ち上がり、外周面でシリンダに摺接して前記隙間を密封する同じく環状のメインリップと、このメインリップの外周側に外側に向って突出形成されたリップ部とを備えるとともに、前記ヒール部の一部、又は前記ヒール部の全体及びその基部側角部に前記シリンダの濡れ性を少なくとも維持できる材質で形成された油濡れ性維持層が設けられていることを特徴とするものである。
【００２２】
上記二つの手段の場合、油濡れ性維持層はヒール部全体及びその基部側角部のみを覆うチタンの薄肉筒体で形成されていることが好ましい。
【００２３】
又、油濡れ性維持層はＤＬＣで形成されていても良い。
【００２４】
さらには、油濡れ性維持層はヒール部を有する基部とリップ部を有するメインリップとを一体形成する際に形成されていても良い。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を高圧建機用シリンダのロッドシール構造に用いるＵパッキンに具体化した実施の形態を図に基づいて説明する。
【００２６】
このＵパッキンは前述した図３，４に示す従来構造のＵパッキン５において、金属製ピストンロッド２表面の油濡れ性を少なくとも維持できる材質よりなる油濡れ性維持層１２をヒール部６ａに形成した点に特徴を有する。
即ち、本発明の一つの実施の形態に係わるパッキン５は、シリンダ１内に移動自在に挿入されたピストンロッド２と摺接して前記ピストンロッド２と前記シリンダ１との間の隙間３をシールするよう前記シリンダ１に設けられるパッキンであって、内周側に平坦状のヒール部６ａを有する環状の基部６と、この基部６の内側から立ち上がり、内周面で前記ピストンロッド２に摺接して前記隙間３を密封する同じく環状のメインリップ８と、このメインリップ８の内周側に内側に向って突出形成されたリップ部９とを備えるとともに、前記ヒール部６ａの一部、又は前記ヒール部６ａの全体及びその基部側角部にピストンロッドの濡れ性を少なくとも維持できる材質で形成された油濡れ性維持層１２が設けられていることを特徴とする。
その他の構成は上記の従来構造と同様なので、図中に同一の符号を付すのみとし、その説明を省略する。
【００２７】
即ち、本発明の油濡れ性維持層１２は、ヒール部６ａ全体及びその基部側角部のみを覆う断面略Ｌ字状に形成され、本実施の形態では折曲形成されたチタン又はチタン合金からなる薄肉筒体を前記基部６、メインリップ８及び外周リップ７の一体成形時に一体化させている。
【００２８】
又、この油濡れ性維持層１２は、全体が一定厚みに形成されるとともに、その内周面は平坦状に形成されている。
【００２９】
従って、油圧シリンダの高圧負荷使用時にはヒール部６ａ全体が均一にピストンロッド１表面に押し付けられると共に、前記基部側角部が変形してシリンダ１の貫通孔３とピストンロッド２との隙間にはみ出さないようになっている。
【００３０】
上記のように構成された油圧シリンダにおいては、ピストンロッド２の進退動作に伴い油室側の圧力が高くなった場合には、Ｕパッキン５は、そのメインリップ８のリップ部９で作動油が外部に漏れるのを防止すると同時に、その両傾斜面１０、１１によってピストンロッド２の表面に付着して大気側に残る油膜の膜厚をコントロールする。
【００３１】
ところが、油圧シリンダが高圧負荷で使用される場合には、Ｕパッキン５全体に大きな圧力が加わり、リップ部９が形成されたメインリップ８の内周面全体に加え、ヒール部６ａ全体もピストンロッド１表面に強く押し付けられる。
【００３２】
この場合、ヒール部６ａは、それ自体が平坦面となっているので、ピストンロッド２表面に対してぴったり密着して押し付けられた状態になる。
【００３３】
従って、この状態でピストンロッド２が進退動作を繰り返すと、前記ヒール部６ａでピストンロッド２表面に付着した油膜を押しのけるか或いは掻き取り、ヒール部６ａと摺接するピストンロッド２表面の油膜の膜厚を極端に薄くする場合が想定される。
【００３４】
しかしながら、本実施の形態では、ピストンロッド２表面の油濡れ性を維持するための油濡れ性維持層１２が前記ヒール部６ａに形成されているので、上述したようにヒール部６ａがピストンロッ２ド表面に強く押しつけられて油膜の膜厚が極端に薄くなっても、従来技術で述べたような作動油の広がり状態が悪化し、油膜が油滴となって作動油がある部分と、ない部分（ドライ状態部分）とがピストンロッド２表面にランダムに出来ると言ったことを確実に防止できる。
【００３５】
従って、例えば、縮み行程において、油滴となった部分の作動油全てをシリンダ１内へ引き込むことが出来ないことによる油膜引き込み性低下に起因した油漏れや、ドライ状態部分において、潤滑不良によるヒール部６ａの磨耗を確実に防止することができる。
【００３６】
又、ヒール部に設けた油濡れ性維持層１２を金属であるチタンの薄肉筒体を用いて形成したので、その剛性ゆえに油濡れ性維持層１２がピストンロッド２表面に強く押しつけられにくくなることは勿論、上記の高圧負荷状態において、ヒール部６ａの基部側角部が変形し、シリンダ１の貫通孔３とピストンロッド２との隙間にはみ出してその部分を損傷させることも確実に防止できる。
【００３７】
又、基部６、メインリップ８、外周リップ７及び油濡れ性維持層１２を一体形成したので、部品点数、製造コストを削減できる。
【００３８】
尚、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように他の実施の形態に変更することも可能である。
【００３９】
第１に、図２に示すように、シリンダ１内壁と摺接し、ピストン１５と前記シリンダ１内壁との間の隙間をシールするよう前記ピストン１５に設けられるＵパッキン５に具体化しても良い。
この実施の形態に係わるパッキンは、ピストン１５が移動自在に挿入されたシリンダ１と摺接して前記ピストン１５と前記シリンダ１との間の隙間をシールするよう前記ピストン１５に設けられるパッキンであって、外周側に平坦状のヒール部１６ａを有する環状の基部１６と、この基部１６の外側から立ち上がり、外周面でシリンダ１に摺接して前記隙間を密封する同じく環状のメインリップ１７と、このメインリップ１７の外周側に外側に向って突出形成されたリップ部１８とを備えるとともに、前記ヒール部６ａの一部、又は前記ヒール部６ａの全体及びその基部側角部に前記シリンダ１の濡れ性を少なくとも維持できる材質で形成された油濡れ性維持層１２が設けられているものである。
【００４０】
即ち、このパッキンは、外周側に平坦状のヒール部１６ａを有する環状の基部１６と、この基部１６の外周側から立ち上がり、外周面でシリンダ１内周面に摺接して前記隙間を密封する同じく環状のメインリップ１７と、このメインリップ１７の外周面に外側に向って突出形成されたリップ部１８とを備えるとともに、前記ヒール部１６ａの全体及びその基部側角部のみに油濡れ性維持層１２が設けられている。
【００４１】
そして、この油圧シリンダはピストン１５を挟んだ上側が油室を形成し、ピストン１５を挟んだ下側が空気室を形成している。
【００４２】
この場合の作用・効果は上記実施の形態と同様である。
【００４３】
第２に、チタン以外の金属を用いて油濡れ性維持層１２を形成しても良い。
要するに、ピストンロッド表面の濡れ性を少なくとも維持できる金属であれば何でも良い。
【００４４】
又、金属以外でピストンロッドの濡れ性を少なくとも維持できるもの、例えば、ＤＬＣ（ＤｉａｍｏｎｄＬｉｋｅＣａｂｏｎ）を用いても良い。
【００４５】
第３に、メインリップ８の形成工程後の後工程で油濡れ性維持層１２を形成しても良い。
【００４６】
第４に、ヒール部にはけ塗り、デイッピング、吹付けその他のコーティング等によって油濡れ性維持層１２を形成しても良い。
【００４７】
こうすれば、簡単且つ安価に油濡れ性維持層１２を形成することができる。
【００４８】
第５に、油圧シリンダのロッドシール構造に用いるパッキン以外のパッキンに具体化することもできる。
【００４９】
第６に、Ｕパッキン以外のパッキンに具体化することもできる。
【００５０】
【発明の効果】
本発明によれば次の効果がある。
【００５１】
１）請求項１の発明によれば、ピストンロッド表面の油濡れ性を少なくとも維持するための油濡れ性維持層をヒール部の一部、又はヒール部の全体及びその基部側角部に形成したので、ヒール部がピストンロッド表面に強く押しつけられることによって油膜の膜厚が極端に薄くなることがあっても、ピストンロッド表面の油膜の広がり性を確実に維持することができる。従って、油濡れ性低下に起因した縮み工程における油膜引き込み性低下による油漏や、潤滑不良によるヒール部の磨耗を確実に防止することができる。
【００５２】
２）請求項２の発明によれば、シリンダ表面の油濡れ性を少なくとも維持するための油濡れ性維持層をヒール部の一部、又はヒール部の全体及びその基部側角部に形成したので、ヒール部がシリンダ表面に強く押し付けられることがあっても、シリンダ表面の油膜の広がり性を確実に維持することができる。従って、油濡れ性低下に起因した縮み工程における油膜引き込み性低下による油漏や、潤滑不良によるヒール部の磨耗を確実に防止することができる。
【００５３】
３）請求項３の発明によれば、ヒール部自体の剛性を上げることができるので、油圧シリンダの高圧負荷使用時におけるヒール部及びその基部側角部の変形を確実に防止することができる。
【００５４】
４）請求項４の発明によれば、油濡れ性繊維層をＤＬＣで形成するので、簡単且つ安価に油濡れ性維持層を形成することができる。
【００５５】
５）請求項５の発明によれば、基部、メインリップ、外周リップ及び油濡れ性維持層を一体形成したので、部品点数、製造コストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施の形態を示す油圧シリンダのロッドシール構造に用いるＵパッキンの一部破断斜視図である。
【図２】本発明のパッキンをピストンのシール構造に用いた場合を示す部分破断断面図である。
【図３】従来の油圧シリンダのロッドシール構造に用いるＵパッキンの一部破断斜視図である。
【図４】第３図のＵパッキンを油圧シリンダのロッドシール構造に用いた場合を示す一部破断断面図である。
【符号の説明】
１シリンダ
２ピストンロッド
５Ｕパッキン（パッキン）
６、１６基部
６ａ、１６ａヒール部
８、１７メインリップ
９、１８リップ部
１２油濡れ性維持層
１５ピストン [0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is, for example, provided in the cylinder, to an improvement of the packing used in the rod seal structure for sealing a gap between the sliding contact with the piston rod and the cylinder in the inserted piston rod movably relative to the cylinder.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as this type of packing, U packing used in the rod seal structure of a hydraulic cylinder shown in Patent Document 1 can be exemplified.
[0003]
That is, as shown in FIGS. 3 and 4, an annular mounting groove 4 is provided in the inner periphery of the through hole 3 of the piston rod 2 in the cylinder 1, and a U packing 5 is inserted into the mounting groove 4.
[0004]
The U-packing 5 is provided with an annular base portion 6 having a flat heel portion 6 a on the inner peripheral side, an outer peripheral lip 7 standing on the outer side of the base portion 6, and an inner peripheral side of the base portion 6. The main lip 8 is formed integrally with natural rubber or synthetic rubber.
[0005]
The main lip 8 is in sliding contact with the outer periphery of the metal piston rod 2, and the hydraulic oil in the cylinder 1 is outside (refers to the lower side in FIG. 4) from the clearance between the piston rod 2 and the cylinder 1. As well as controlling the film thickness of the oil film that adheres to the surface of the piston rod 2 and remains outside as the piston rod 2 moves forward and backward.
[0006]
For this reason, the lip portion 9 in which the inclined surfaces 10 and 11 have a V-shaped cross section is formed on the inner peripheral side of the main lip 8, and the inclined surface 10 on the side opposite to the base portion 6 is connected to the tip of the main lip 8. An inclined surface 11 on the base 6 side is connected to the heel portion 6a having a flat shape.
[0007]
Then, the thickness of the oil film that adheres to the surface of the piston rod 2 by the inclined surface 10 on the side opposite to the base 6 of the lip 9 and controls the thickness of the oil film that comes outside is attached to the piston rod 2 by the inclined surface 11 on the base 6 side. Thus, the film thickness of the oil film drawn into the cylinder 1 is controlled.
[0008]
The outer peripheral lip 7 is in contact with the inner peripheral surface of the mounting groove 4 to prevent the hydraulic oil in the oil chamber from leaking outside.
[0009]
In the rod seal structure configured as described above, when the pressure on the oil chamber side increases as the piston rod 2 moves back and forth, the hydraulic oil leaks to the outside at the lip portion 9 of the main lip 8 in the U packing 5. In addition, the film thickness of the oil film that adheres to the surface of the piston rod 2 and remains outside is controlled.
[0010]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 2002-122241 (FIG. 4)
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, the following problems can be considered in the rod seal structure of the hydraulic cylinder described above.
[0012]
That is, when the hydraulic cylinder is used with a high pressure load, a large pressure is applied to the entire U packing 5, and the entire heel portion 6 a is also added to the entire inner peripheral surface of the main lip 8 on which the lip portion 9 is formed. The piston rod 2 may be strongly pressed against the surface.
[0013]
At this time, since the heel portion 6a itself is flat, the heel portion 6a is pressed in close contact with the surface of the piston rod 2.
[0014]
For this reason, when the piston rod 2 repeatedly moves back and forth, the heel portion 6a pushes away or scrapes off the oil film adhering to the surface of the piston rod 2, and the film thickness of the oil film on the piston rod 2 surface slidingly contacting the heel portion 6a is extremely reduced. The case where it is made thinner is assumed.
[0015]
In this state, the heel portion 6a comes close to the surface of the piston rod 2, and the surface of the piston rod 2 is affected by the rubber material constituting the heel portion 6 so that the surface of the piston rod 2 is oil wettable (operating oil spreading property). Is greatly reduced.
[0016]
This is because an organic substance such as a rubber material has the property of greatly reducing the oil wettability inherent to the metal that the piston rod 2 originally has.
[0017]
Therefore, if the piston rod 2 is repeatedly advanced and retracted in this state, the spreading state of the working oil deteriorates on the surface of the piston rod 2, and the oil film becomes oil droplets and the portion where the working oil is present (the dry state portion). ) Can be randomly formed on the surface of the piston rod 2.
[0018]
For this reason, for example, in the contraction stroke, it is not possible to draw all the hydraulic oil in the portion that has become oil droplets into the cylinder 1, that is, oil leakage occurs due to a decrease in oil film pullability, and lubrication occurs in the dry state portion. There is a possibility that the heel portion 6a may be worn due to a defect.
[0019]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a packing having a structure that does not cause oil leakage or wear of a heel portion due to poor lubrication even when used in a high pressure load state.
[0020]
[Means for Solving the Problems]
To achieve the above object, one aspect of the present invention, provided in the cylinder to contact movably inserted piston rod sliding within the cylinder to seal the gap between the piston rod and the cylinder An annular base portion having a flat heel portion on the inner peripheral side, and an annular main lip that rises from the inside of the base portion and slides against the piston rod on the inner peripheral surface to seal the gap And a lip portion formed inwardly projecting on the inner peripheral side of the main lip, and the wettability of the piston rod at a part of the heel portion or the entire heel portion and its base side corner portion Is provided with an oil wettability maintaining layer formed of a material capable of maintaining at least.
[0021]
Further, another means of the present invention is a packing provided on the piston so as to seal a gap between the piston by slidingly contacting a cylinder in which the piston is movably inserted. An annular base portion having a flat heel portion, an annular main lip that rises from the outside of the base portion, slides against the cylinder on the outer peripheral surface and seals the gap, and outward toward the outer peripheral side of the main lip. And an oil wettability maintaining layer formed of a material capable of maintaining at least the wettability of the cylinder at a part of the heel part, or the entire heel part and a base side corner of the heel part. Is provided.
[0022]
In the case of the above two means, the oil wettability maintaining layer is preferably formed of a thin-walled titanium body covering the entire heel portion and only the base side corner portion.
[0023]
The oil wettability maintaining layer may be formed of DLC.
[0024]
Furthermore, the oil wettability maintaining layer may be formed when the base portion having the heel portion and the main lip having the lip portion are integrally formed.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment in which the present invention is embodied in a U-packing used for a rod seal structure of a cylinder for a high-pressure construction machine will be described with reference to the drawings.
[0026]
In this U packing, in the U packing 5 having the conventional structure shown in FIGS. 3 and 4, the heel portion 6a is formed with an oil wettability maintenance layer 12 made of a material capable of at least maintaining the oil wettability of the surface of the metal piston rod 2 . Characterized by points.
In other words, the packing 5 according to one embodiment of the present invention is in sliding contact with the piston rod 2 that is movably inserted into the cylinder 1 to seal the gap 3 between the piston rod 2 and the cylinder 1. A packing provided on the cylinder 1 and having an annular base 6 having a flat heel portion 6a on the inner peripheral side, rising from the inside of the base 6, and slidingly contacting the piston rod 2 on the inner peripheral surface. An annular main lip 8 that seals the gap 3 and a lip portion 9 that protrudes inwardly on the inner peripheral side of the main lip 8 and a part of the heel portion 6a or the heel An oil wettability maintaining layer 12 formed of a material capable of maintaining at least the wettability of the piston rod is provided on the entire portion 6a and the base side corner portion.
Since other configurations are the same as those of the above-described conventional structure, only the same reference numerals are given in the drawing, and description thereof is omitted.
[0027]
That is, the oil wettability maintaining layer 12 of the present invention is formed in a substantially L-shaped cross-section that covers the entire heel portion 6a and only the corners on the base side thereof, and in this embodiment is formed of bent titanium or titanium alloy. The thin cylindrical body is integrated when the base 6, the main lip 8 and the outer peripheral lip 7 are integrally formed.
[0028]
The oil wettability maintaining layer 12 is entirely formed with a constant thickness, and its inner peripheral surface is formed flat.
[0029]
Therefore, when the high-pressure load of the hydraulic cylinder is used, the entire heel portion 6a is uniformly pressed against the surface of the piston rod 1, and the base side corner portion is deformed to protrude into the gap between the through hole 3 of the cylinder 1 and the piston rod 2. There is no such thing.
[0030]
In the hydraulic cylinder configured as described above, when the pressure on the oil chamber side increases as the piston rod 2 moves back and forth, the U-packing 5 is supplied with hydraulic oil at the lip portion 9 of the main lip 8. While preventing leakage to the outside, the thickness of the oil film that adheres to the surface of the piston rod 2 and remains on the atmosphere side is controlled by the inclined surfaces 10 and 11.
[0031]
However, when the hydraulic cylinder is used under a high pressure load, a large pressure is applied to the entire U packing 5, and the entire heel portion 6 a is also a piston rod in addition to the entire inner peripheral surface of the main lip 8 formed with the lip portion 9. 1 Strongly pressed against the surface.
[0032]
In this case, since the heel portion 6a itself is a flat surface, the heel portion 6a is pressed in close contact with the surface of the piston rod 2.
[0033]
Accordingly, when the piston rod 2 repeats advancing and retreating operation in this state, the oil film adhered to the surface of the piston rod 2 is pushed or scraped off by the heel portion 6a, and the film thickness of the oil film on the surface of the piston rod 2 that is in sliding contact with the heel portion 6a. It is assumed that the thickness is extremely thin.
[0034]
However, in the present embodiment, the oil wettability maintaining layer 12 for maintaining the oil wettability of the surface of the piston rod 2 is formed on the heel portion 6a. Even if the film thickness of the oil film becomes extremely thin due to being strongly pressed against the surface, the state of spreading of the hydraulic oil as described in the prior art deteriorates, and the oil film becomes oil droplets and there are parts where there is hydraulic oil. (Dry state portion) can be reliably prevented from being randomly formed on the surface of the piston rod 2.
[0035]
Therefore, for example, in the contraction stroke, all the hydraulic oil in the portion that has become oil droplets cannot be drawn into the cylinder 1, resulting in oil leakage due to a drop in oil film drawability, or in a dry state portion due to poor lubrication. Wear of the part 6a can be reliably prevented.
[0036]
In addition, since the oil wettability maintaining layer 12 provided on the heel portion is formed using a thin cylindrical body of titanium, which is a metal, the oil wettability maintaining layer 12 is difficult to be strongly pressed against the surface of the piston rod 2 due to its rigidity. Of course, in the above-described high-pressure load state, it is also possible to reliably prevent the base side corner portion of the heel portion 6a from being deformed and protruding into the gap between the through hole 3 of the cylinder 1 and the piston rod 2 and damaging the portion.
[0037]
Further, since the base 6, the main lip 8, the outer peripheral lip 7 and the oil wettability maintaining layer 12 are integrally formed, the number of parts and the manufacturing cost can be reduced.
[0038]
In addition, this invention is not limited to the said embodiment, For example, it is also possible to change into other embodiment as follows.
[0039]
First, as shown in FIG. 2, the cylinder 1 inner wall and sliding contact, the piston 15 and may be embodied in U-packing 5 provided in the piston 15 so as to seal the gap between the cylinder 1 inside wall.
The packing according to this embodiment is a packing provided on the piston 15 so as to be in sliding contact with the cylinder 1 in which the piston 15 is movably inserted to seal a gap between the piston 15 and the cylinder 1. An annular base portion 16 having a flat heel portion 16a on the outer peripheral side, an annular main lip 17 rising from the outside of the base portion 16 and slidably contacting the cylinder 1 on the outer peripheral surface to seal the gap; A lip portion 18 projecting outward from the outer peripheral side of the lip 17, and wettability of the cylinder 1 at a part of the heel portion 6 a, or the entire heel portion 6 a and a base side corner portion thereof. Is provided with an oil wettability maintaining layer 12 formed of a material capable of maintaining at least.
[0040]
That is, the packing is formed in such a manner that an annular base portion 16 having a flat heel portion 16a on the outer peripheral side and a peripheral surface of the base portion 16 rise from the outer peripheral side, and slidably contact with the inner peripheral surface of the cylinder 1 at the outer peripheral surface. An annular main lip 17 and a lip portion 18 projecting outward from the outer peripheral surface of the main lip 17 are provided, and an oil wettability maintaining layer is provided only on the entire heel portion 16a and only its base side corner portion. 12 is provided.
[0041]
In this hydraulic cylinder , the upper side of the piston 15 forms an oil chamber, and the lower side of the piston 15 forms an air chamber.
[0042]
The actions and effects in this case are the same as in the above embodiment.
[0043]
Second, the oil wettability maintaining layer 12 may be formed using a metal other than titanium .
In short, any metal that can maintain at least the wettability of the piston rod surface may be used.
[0044]
Further, a material other than metal that can maintain at least the wettability of the piston rod, for example, DLC (Diamond Like Cabon) may be used.
[0045]
Third, the oil wettability maintaining layer 12 may be formed in a post process after the main lip 8 forming process .
[0046]
Fourth, the oil wettability maintaining layer 12 may be formed on the heel portion by brushing, dapping, spraying or other coating .
[0047]
In this way, the oil wettability maintaining layer 12 can be formed easily and inexpensively.
[0048]
Fifth, it can be embodied in a packing other than the packing used in the rod seal structure of the hydraulic cylinder .
[0049]
Sixth, it can be embodied in a packing other than the U packing .
[0050]
【The invention's effect】
The present invention has the following effects.
[0051]
1) According to the invention of claim 1, the oil wettability maintaining layer for at least maintaining the oil wettability of the piston rod surface is formed on a part of the heel part, or on the whole heel part and its base side corner part . because, even if the thickness of the oil film by the heel portion is strongly pressed against the piston rod surface is extremely thin, the spreading of the oil film of the piston rod surface can be reliably maintained. Therefore, it is possible to reliably prevent oil leakage due to a decrease in oil film drawability in the shrinking process due to a decrease in oil wettability and wear of the heel due to poor lubrication.
[0052]
2) According to the invention of claim 2, the oil wettability maintenance layer for maintaining at least the oil wettability of the cylinder surface is formed on a part of the heel part, or on the whole heel part and its base side corner part . , even if the heel portion is strongly pressed against the cylinder surface, it is possible to reliably maintain the spread of the oil film on the cylinder surface. Therefore, it is possible to reliably prevent oil leakage due to a decrease in oil film drawability in the shrinking process due to a decrease in oil wettability and wear of the heel due to poor lubrication.
[0053]
3) According to the invention of claim 3, since the rigidity of the heel portion itself can be increased, the deformation of the heel portion and its base side corner portion when using the high pressure load of the hydraulic cylinder can be reliably prevented.
[0054]
4) According to the invention of claim 4, since the oil wettable fiber layer is formed of DLC, the oil wettability maintaining layer can be formed easily and inexpensively.
[0055]
5) According to the invention of claim 5, since the base, the main lip, the outer peripheral lip and the oil wettability maintaining layer are integrally formed, the number of parts and the manufacturing cost can be reduced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially broken perspective view of a U packing used in a rod seal structure of a hydraulic cylinder showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partially cutaway sectional view showing a case where the packing of the present invention is used in a piston seal structure.
FIG. 3 is a partially broken perspective view of a U packing used in a rod seal structure of a conventional hydraulic cylinder.
FIG. 4 is a partially cutaway sectional view showing a case where the U-packing of FIG. 3 is used in a rod seal structure of a hydraulic cylinder.
[Explanation of symbols]
1 cylinder 2 piston rod 5 U packing (packing)
6, 16 Base 6a, 16a Heel portion 8, 17 Main lip 9, 18 Lip portion 12 Oil wettability maintenance layer 15 piston

Claims

A packing provided on the cylinder so as to seal a gap between the piston rod and the cylinder by sliding contact with a piston rod movably inserted into the cylinder, and having a flat heel portion on the inner peripheral side An annular base portion having an annular main portion that rises from the inner side of the base portion and slides against the piston rod on the inner peripheral surface to seal the gap, and is formed to project inward to the inner peripheral side of the main lip. And an oil wettability maintaining layer formed of a material capable of maintaining at least the wettability of the piston rod at a part of the heel portion, or the entire heel portion and its base side corner portion. Packing characterized by being made.

An annular base having a flat heel portion on the outer peripheral side, the packing provided on the piston so as to seal a gap between the piston by slidingly contacting a cylinder in which the piston is movably inserted And an annular main lip that rises from the outside of the base and slides against the cylinder on the outer peripheral surface to seal the gap, and a lip portion that protrudes outward on the outer peripheral side of the main lip. In addition, an oil wettability maintaining layer formed of a material capable of at least maintaining the wettability of the cylinder is provided on a part of the heel portion, or on the entire heel portion and a base side corner portion thereof. Packing.

The packing according to claim 1 or 2, wherein the oil wettability maintenance layer is formed of a thin-walled titanium body covering the entire heel portion and only the base side corner portion.

The packing according to claim 1 or 2, wherein the oil wettability maintaining layer is formed of DLC .

4. The packing according to claim 3, wherein the oil wettability maintaining layer is formed when the base portion having the heel portion and the main lip having the lip portion are integrally formed.