以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
まず、遊技機の一例である第1種パチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2乃至図4は遊技盤の前面を示す正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)と、を含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、後述する始動入賞口14への始動入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示装置9が設けられている。詳細は後述するが、この例では、可変表示装置9は、飾り図柄を可変表示する複数の表示装置を有し、各表示装置によって形成される複数種類の表示面を切り換える機能を有している。なお、表示面とは、飾り図柄の可変表示演出を遊技者に視認させるために表示枠9w内に形成された面である。可変表示装置9の上方には、それぞれが識別情報としての特別図柄を可変表示するための特別図柄可変表示器11が設けられている。
可変表示装置9の下方には、開閉動作を行う可変入賞球装置15を兼用する始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変表示装置6の下方には、特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド等を駆動することで開状態とされる大入賞口20が設けられている。大入賞口20は、大入賞口扉24を開閉することによって開状態あるいは閉状態とされる。
大入賞口20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、もう一方(10カウント入賞領域)に入った入賞球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口20内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄始動記憶が上限に達していなければ、所定の乱数値が抽出される。そして、普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10の可変表示が開始される。普通図柄表示器10において表示状態が変化する可変表示を開始できる状態でなければ、普通図柄始動記憶の値が1増やされる。可変表示装置9の下部には、普通図柄始動記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
この実施形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば29秒)継続する。そして、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。当りとするか否かは、ゲート32に遊技球が入賞したときに抽出された乱数の値が所定の当り判定値と一致したか否かによって決定される。普通図柄表示器10における可変表示の表示結果が当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になって遊技球が入賞しやすい状態になる。即ち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。
さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められると共に、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とのうちの一方又は双方が高められ、遊技者にとってさらに有利になる。また、確変状態等の所定の状態では、普通図柄表示器10における可変表示期間(変動時間)が短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利になるようにしてもよい。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28b及び右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口20等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b及び右枠ランプ28c及び装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。さらに、図1には示されていないが、パチンコ遊技機1に隣接して、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50が設置される。
打球発射装置から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。打球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄可変表示器11において特別図柄が可変表示(変動)を始めると共に、可変表示装置9において飾り図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動入賞記憶数を1増やす。
特別図柄可変表示器11における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは、ともに一定時間が経過したときに停止する。後述する事前決定手段が特別図柄表示器11の表示結果を予め定められた特定表示結果(大当り図柄)とすることを決定したときに特別図柄表示器11に大当り図柄を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行する。即ち、大入賞口20が、一定時間経過するまで、又は、所定個数(例えば10個)の打球が入賞するまで開放する。そして、大入賞口20の開放中に打球がV入賞領域に入賞しV入賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し大入賞口20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば15ラウンド)許容される。なお、この例では、停止時の特別図柄が大当り図柄である場合には、停止時の飾り図柄が大当りを示唆する図柄(例えば、左中右の図柄が同一図柄)となるように構成されている。なお、以下の説明において、飾り図柄の停止図柄について、大当りを示唆する図柄を「大当り図柄」ということがある。
停止時の特別図柄可変表示器11における特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。即ち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態となる。なお、この例では、停止時の特別図柄が確変図柄である場合には、停止時の飾り図柄が確変を示唆する図柄(例えば、左中右の図柄が特定の同一図柄)となるように構成されている。なお、以下の説明において、飾り図柄の停止図柄について、確変大当りを示唆する図柄を「確変図柄」ということがある。
可変表示装置9の上方には、始動入賞口14に入った有効入賞球数即ち始動入賞記憶数を表示する特別図柄始動記憶表示器18が設けられている。特別図柄始動記憶表示器18には、4つのLEDによる始動記憶表示部が設けられている。有効始動入賞がある毎に、始動記憶表示部の点灯数を1増やす。そして、特別図柄の可変表示が開始される毎に、始動記憶表示部の点灯数を1減らす。
可変表示装置9は、この例では3つの表示面を有する。図2には、表示枠9w内に形成され得る3つの表示面のうちの第1表示面9aが遊技者に正対している状態が示されている。第1表示面9aでは、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)を有する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)9Aと、例えば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部を構成する可変表示部材としての回転ドラム115A,115B,115Cを有するドラム表示装置9Bとによる図柄の可変表示が行われる。
また、図3には、表示枠9w内に形成され得る3つの表示面のうちの第2表示面9bが遊技者に正対している状態が示されている。第2表示面9bでは、ドラム表示装置9Bと、例えば1つの可変表示部を構成する可変表示部材としてのドラム116を有するドラム表示装置9Cとによる図柄の可変表示が行われる。第2表示面9bでは、ドラム表示装置9Cによって、円盤状の形状を成すドラム116が垂直方向を中心軸に回転することによる図柄の可変表示が行われる。即ち、各図柄が横方向に移動していく可変表示がなされる。
さらに、図4には、表示枠9w内に形成され得る3つの表示面のうちの第3表示面9cが遊技者に正対している状態が示されている。第3表示面9cでは、ドラム表示装置9Cによる図柄の可変表示が行われる。第3表示面9cでは、ドラム表示装置9Cによって、円盤状の形状を成すドラム116が遊技機の前後方向を中心軸に回転することによる図柄の可変表示が行われる。本例では、第3表示面9cでは、表示される各図柄の全てが視認される状態で可変表示が行われ、ドラム116の回転が停止したときに所定位置(例えば真上)で停止している図柄が停止図柄とされる。
図5乃至図7は、可変表示装置9の外観構成の例を示す外観斜視図である。図5は、表示枠9w内に第1表示面9aが表れている状態の可変表示装置9の外観構成の例を示す外観斜視図である。図6は、表示枠9w内に第2表示面9bが表れている状態の可変表示装置9の外観構成の例を示す外観斜視図である。図7は、表示枠9w内に第3表示面9cが表れている状態の可変表示装置9の外観構成の例を示す外観斜視図である。
図5に示す状態のときは第1表示面9aが遊技者に正対していることになり、図6に示す状態のときは第2表示面9bが遊技者に正対していることになり、図7に示す状態のときは第3表示面9cが遊技者に正対していることになる。
第1表示面9aに表れるLCD9Aと、第1表示面9a及び第2表示面9bに表れるドラム表示装置9Bは、それぞれ取付基板97の一方の面に取り付けられている。また、第2表示面9b及び第3表示面9cに表れるドラム表示装置9Cは、取付基板96の一方の面に取り付けられている。取付基板97と取付基板96とは、互いの他方の面が接触した状態で固定される。
可変表示装置9には、回動時の位置確認を行うためのセンサ用突起91,92,93が備えられている。センサ用突起91は取付基板97に設けられ、センサ用突起92はドラム表示装置9Cの外枠98に設けられ、センサ用突起93は取付基板96に設けられている。各センサ用突起91,92,93は、回転軸95を中心とした円の円周上近傍に位置するように配されている。また、各センサ用突起91,92,93は、第1表示面9aが表れている状態(図5の状態)でのセンサ用突起91の位置と、第2表示面9bが表れている状態(図6の状態)でのセンサ用突起92の位置と、第3表示面9cが表れている状態(図7の状態)でのセンサ用突起93(図7には表れていない)の位置とが一致するように配されている。
この例では、遊技機に、所定位置にセンサ用突起91,92,93のいずれかが位置しているか否かを感知するための第1及び第2の突起センサ(図示しない)が備えられている。第1の突起センサは、第2表示面9bが表れている状態(図6の状態)でのセンサ用突起91の位置に備えられ、第2の突起センサは、第2表示面9bが表れている状態(図6の状態)でのセンサ用突起92の位置に備えられている。第1及び第2の突起センサは、それぞれ、センサ用突起91,92,93のいずれかを感知すると、センサ用突起検出信号を演出制御基板に向けて出力する。第1表示面9aが遊技者に正対している状態(図5の状態)では、第2の突起センサのみがセンサ用突起検出信号の出力状態となる。第2表示面9bが遊技者に正対している状態(図6の状態)では、第1及び第2の突起センサがセンサ用突起検出信号の出力状態となる。第3表示面9cが遊技者に正対している状態(図7の状態)では、第1の突起センサのみがセンサ用突起検出信号の出力状態となる。演出制御基板では、第1及び第2の突起センサからのセンサ用突起検出信号の受信状態に基づいて、可変表示装置9の回動位置を把握することができる。
また、可変表示装置9には、バックライト(ドラム表示装置9Cのドラム116を背面側から照らすドラムランプ114D)の照射する光を透過させるためのバックライト透過穴94が各取付基板96,97を貫通した穴によって形成されている。このバックライト透過穴94によって、ドラム表示装置9Cのドラム116を背面側から照らすバックライトが照射する光が、ドラム表示装置9B側に透過される。従って、ドラム表示装置9Cのバックライトがドラム表示装置9Bのバックライトとしても機能することになる。よって、ドラム表示装置9B用のバックライトを別途備える必要がなくなり、部品点数を減らすことができる。
この例では、可変表示装置9が回転軸95を軸に正方向(表示枠9w内において表示面が上方に移動していく方向)に回転することによって、遊技者に正対する表示面が、第1表示面9aから第2表示面9b、第2表示面9bから第3表示面9cに切り換えられる。また、可変表示装置9が回転軸95を軸に逆方向(表示枠9w内において表示面が下方に移動していく方向)に回転することによって、遊技者に正対する表示面が、第3表示面9cから第2表示面9b、第2表示面9bから第1表示面9aに切り換えられる。
図8は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図8には、払出制御基板37、ランプドライバ基板35、音声出力基板70及び演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a及びクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口20を開閉するソレノイド21及び大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。クリアスイッチ921は、例えば遊技機に設置されている電源基板に搭載されている。
また、基本回路53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装置9及び特別図柄可変表示器11における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号を、遊技機裏面に設置されている情報端子盤を介してホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む。この実施形態では、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されている。即ち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54及びI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(又は、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。
また、RAM(CPU内蔵RAMであってもよい。)55の一部又は全部が、電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMである。即ち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM55の一部又は全部の内容は保存される。
この実施形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用CPU101)が、遊技盤に設けられている普通図柄始動記憶表示器41、特別図柄始動記憶表示器18及び装飾ランプ25等の表示制御を行うと共に、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51及び球切れランプ52の表示制御を行う。なお、ランプ・LEDを駆動するための駆動信号は、ランプドライバ基板35において作成される。また、遊技機に演出手段としての可動部材が設置されている場合には、可動部材を駆動するためのモータやソレノイド等の演出用駆動手段61を駆動するための駆動信号も、ランプドライバ基板35において作成される。
また、特別図柄を可変表示する特別図柄可変表示器11、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9、及び普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用CPU101)によって行われる。具体的に、演出制御用CPU101は、主基板31からのコマンド信号に基づいて、第1乃至第3の各表示面9a〜9cを切り換えるための表示面切換モータ(図示しない)の駆動制御、LCD9Aの表示制御、ドラム表示装置9Bを構成する回転ドラム115A,115B,115Cを回転駆動するドラムモータ(ステッピングモータ)113A,113B,113C(図5乃至図8参照)の駆動制御、回転ドラム115A,115B,115Cの内部に設置されているドラムランプ114A,114B,114C(図5及び図8参照)の発光制御、ドラム表示装置9Cを構成する回転ドラム116を回転駆動するドラムモータ(ステッピングモータ)113D(図7及び図8参照)の駆動制御、回転ドラム116の内部に設置されているドラムランプ(バックライト)114D(図5乃至図8参照)の発光制御を行うようになっている。
なお、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従って、ドラムモータ113A,113B,113C,113Dの駆動制御及びドラムランプ114A,114B,114C,114Dの発光制御を行う。具体的には、演出制御基板80に搭載されているモータ駆動回路及びライト駆動回路(共に図示しない)が、演出制御用CPU101からの信号に従って、ドラムモータ113A,113B,113C,113D及びドラムランプ114A,114B,114C,114Dを駆動する。
また、ドラム表示装置9Bには、回転ドラム115A,115B,115Cが所定の回転の基準位置に位置していることを検出するためのドラムセンサ(図示しない)が設けられ、ドラム表示装置9Cには、回転ドラム116が基準位置に位置していることを検出するドラムセンサ(図示しない)が設けられている。そして、これらのドラムセンサが検出する検出信号は演出制御用CPU101に送信され、演出制御用CPU101は、その検出信号に基づいて各回転ドラム115A,115B,115C,116(ドラムモータ113A,113B,113C,113D)の駆動制御を行うようになっている。
次に、遊技機の動作について説明する。図9は、主基板31における遊技制御手段(CPU56及びROM,RAM等の周辺回路)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。これらの処理は、主基板31の遊技制御手段が実行するメイン処理にて2ms毎に行われる割込処理内で実行される。CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理(ステップS310)を行い、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ14aがオンしていたら、即ち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300乃至S308のうちのいずれかの処理を行う。変動短縮タイマは、特別図柄の変動時間が短縮される場合に、変動時間を設定するためのタイマである。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、始動入賞記憶数を確認する。始動入賞記憶数が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に移行するように更新する。
特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示後の左中右図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に移行するように更新する。
変動パターン設定処理(ステップS302):特別図柄の可変表示の変動パターン(可変表示態様)を、ランダム4の値に応じて決定する。また、変動時間タイマをスタートさせる。このとき、演出制御基板80に対して、左中右最終停止図柄と変動態様(変動パターン)を指令する情報とが送信される。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
特別図柄変動処理(ステップS303):所定時間(ステップS302の変動時間タイマで示された時間)が経過すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
特別図柄停止処理(ステップS304):可変表示装置9において表示される全図柄が停止されるように制御する。具体的には、特別図柄停止を示す演出制御コマンドが送信される状態に設定する。そして、停止図柄が大当り図柄の組み合わせである場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
大入賞口開放開始処理(ステップS305):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタやフラグを初期化すると共に、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、大当り中フラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に移行するように更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):大入賞口ラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。最後の大入賞口の閉成条件が成立したら、内部状態をステップS307に移行するように更新する。
特定領域有効時間処理(ステップS307):V入賞スイッチ22の通過の有無を監視して、大当り遊技状態継続条件の成立を確認する処理を行う。大当り遊技状態継続の条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態をステップS305に移行するように更新する。また、所定の有効時間内に大当り遊技状態継続条件が成立しなかった場合、又は、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態をステップS308に移行するように更新する。
大当り終了処理(ステップS308):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御手段に行わせるための制御を行う。そして、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
図10は、各乱数を示す説明図である。各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りを発生させない場合にリーチとするか否かを決定する(リーチ判定用)
(3)ランダム3:大当り時における特別図柄の停止図柄を決定する(大当り図柄決定用=特別図柄判定用)。また、高確率状態(確変状態)を発生させるか否か決定する(確率変動判定用)。
(4)ランダム4:リーチ時の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)。
(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
ここで、リーチについて説明する。一般には、例えば左中右の3図柄で構成される特別図柄における最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、特定表示結果と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、又は、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。この例では、特別図柄が1図柄であるため、特別図柄だけではリーチ演出を行うことができない。従って、本例では、飾り図柄を用いてリーチ演出が行われることとし、特別図柄の変動に関連して変動表示される飾り図柄がリーチ状態であるかのような状態となっている場合についても「リーチ状態」ということにする。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。リーチ状態において、変動パターンを通常状態における変動パターンとは異なるパターンにすることによって、遊技の興趣が高められている。
図11(A)は、大当り判定モジュールで用いられる大当り判定テーブルの一例を示す説明図である。また、図11(B)は、停止図柄判定モジュールで用いられる停止図柄判定テーブルの一例を示す説明図である。さらに、図11(C)は、リーチ判定モジュールで用いられるリーチ判定テーブルの一例を示す説明図である。図11(A)に示すように、この実施形態では、低確率時(非確変時)では大当り判定値は「3」であり、高確率時(確変時)では大当り判定値は「3」、「7」、「79」、「103」、「107」である。また、図11(B)に示すように、停止図柄判定値(確変判定値)は、大当り図柄決定用乱数と同じ「0」乃至「11」の範囲の値であり、それぞれが所定の停止図柄と対応付けされている。各停止図柄判定値は、それぞれ「確変」あるいは「非確変」に対応付けされている。さらに、図11(C)に示すように、低確率時(非確変時)ではリーチ判定値は「0」、「1」、「11」であり、高確率時ではリーチ判定値は「0」、「1」、「9」、「11」、「12」である。
図12は、大当り判定モジュールを示すフローチャートである。大当り判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS141)、確変中であれば、図11(A)に示された大当り判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS142)。確変中でなければ、大当り判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS143)。
そして、抽出されているランダム1の値に一致する値が大当り判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS144,S145)、一致する値があれば大当りとすることにし(ステップS146)、一致する値がなければ大当りとしないことに決定する(ステップS147)。
図13は、停止図柄判定モジュールを示すフローチャートである。なお、停止図柄判定モジュールは確変判定モジュールでもある。停止図柄判定モジュールでは、大当り時の停止図柄と、確変大当りとするか否かが決定される。停止図柄判定処理において、CPU56は、大当り図柄決定用乱数を抽出し(ステップS148)、図11(B)に示された停止図柄判定テーブルを使用して、抽出されているランダム3の値に一致する停止図柄判定値が対応付けされている停止図柄及び確変/非確変の別を、停止図柄及び確変/非確変の別とすることに決定する(ステップS149)。例えば、ステップS148にて大当り乱数「1」が抽出された場合には、一致する停止図柄判定値が対応付けされている「3」を大当り図柄とすることに決定し、その停止図柄判定値が対応付けされている「確変大当り」とすることに決定する。
図14は、リーチ判定モジュールを示すフローチャートである。リーチ判定処理において、CPU56は、まず、そのときの状態が確変中であるか否か判定し(ステップS151)、確変中であれば、図11(C)に示されたリーチ判定テーブル中の高確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。確変中でなければ、リーチ判定テーブル中の低確率時のテーブルを使用することに決定する(ステップS152)。
そして、抽出されているランダム2の値に一致する値がリーチ判定テーブル中にあるか否か判定し(ステップS154,S155)、一致する値があればリーチすることにし(ステップS156)、一致する値がなければリーチしないことに決定する(ステップS157)。
図15は、変動開始時処理を示すフローチャートである。変動開始時処理は、特別図柄通常処理(ステップS300)と、特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)と、変動パターン設定処理(ステップS302)とを含む処理である。変動開始時処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数の値を確認する(ステップS52)。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS301を示す値となっている場合とは、可変表示装置9において図柄の変動がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出すと共に(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。即ち、始動入賞記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、大当り判定モジュールを実行する(ステップS55:事前決定手段)。ここでは、大当り判定モジュールにおいて、ステップS53で保存領域から読み出したランダム1の値に基づいて大当りとするか否かの判定が行われる。また、ステップS55で実行される大当り判定モジュールでは、確変中であるか否かが確認され、その確認結果に応じた処理が行われる。
大当りとすることに決定した場合には(ステップS56)、CPU56は、停止図柄判定モジュールを実行する(ステップS57)。ここでは、停止図柄判定モジュールにおいて、ステップS53で保存領域から読み出したランダム3の値に基づいて大当り図柄及び確変大当りとするか否かが決定される。また、ステップS57で実行される停止図柄判定モジュールでは、確変中であるか否かが確認され、その確認結果に応じた処理が行われる。また、変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS58)。
大当りとしないことに決定した場合には(ステップS56)、CPU56は、停止図柄を「C」とすることに決定し(ステップS59)、リーチ判定モジュールを実行する(ステップS60:事前決定手段)。ここでは、リーチ判定モジュールにおいて、ステップS53で保存領域から読み出したランダム2の値に基づいてリーチとするか否かの判定が行われる。また、ステップS60で実行されるリーチ判定モジュールは、ステップS56ではずれと決定された場合にのみ実行される。そして、変動パターン決定用乱数(ランダム4)の値に基づいて特別図柄の変動パターンを決定する(ステップS62)。
大当りとせずリーチにもしないことに決定した場合には、CPU56は、確変中か否かを確認する(ステップS63)。確変中あれば変動パターンをはずれ時短縮変動パターンとすることに決定する(ステップS64)。確変状態でなければランダム4の値に応じて変動パターンをはずれ時の通常変動パターンとすることに決定する(ステップS65)。なお、はずれ時短縮変動パターンは、特別図柄の変動時間が例えば1.0秒という通常変動パターンよりも変動期間が短い変動パターンである。
以上のようにして、特別図柄の変動開始が可能となったときに図柄変動の表示態様を大当りとするか、リーチ態様とするか、はずれとするか、確変とするか、演出に用いる変動パターンが決定されると共に特別図柄の停止図柄が決定される。その後、遊技制御手段は、決定結果にもとづく制御コマンド(変動パターンを特定可能な制御コマンドや、停止図柄を特定可能な特別図柄指定コマンド)を演出制御手段に送信する処理を行う。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図16は、演出制御用CPU101が実行するメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるための2msタイマの初期設定等を行うための初期化処理が行われる(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
この実施形態では、タイマ割込は2ms毎にかかる。即ち、演出制御処理は、2ms毎に起動される。また、この実施形態では、タイマ割込処理ではフラグセットのみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、各ドラムセンサがオンしたか否か判定するセンサ処理を行う(ステップS704)。さらに、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS705)。次いで、演出制御用CPU101は、各ドラムモータ113A,113B,113C,113Dに対して駆動信号を出力し、所定の回転数分ドラムモータ113A,113B,113C,113Dを回転させるモータ制御処理を行う(ステップS706)。
次いで、演出制御用CPU101は、各ドラムランプ114A,114B,114C,114Dの点灯/消灯を制御するドラムランプ処理を行う(ステップS707)。また、演出制御プロセス処理を行う(ステップS708)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応したプロセスを選択して実行する。そして、予告乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS709)。その後、ステップS702のタイマ割込フラグの確認を行う処理に戻る。
なお、本実施形態における演出制御用CPU101は、ステップS701及びステップS706のサブルーチンにおいて、第2の突起センサからのセンサ用突起検出信号のみが入力された状態にあるか否かを判定することによって遊技者の可視領域に臨む表示面が基準表示面(本実施形態では第1表示面9a)であるか否かを判定し、基準表示面が基準位置となるように表示面切換モータを駆動させる処理と、回転ドラム115A,115B,115C,116が基準位置にないときに回転ドラム115A,115B,115C,116を回転させて基準位置となるように駆動する処理と、を実行する機能を有している。
図17は、図16に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800乃至S806のうちのいずれかの処理が行われる。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS617)。
飾り図柄演出設定処理(ステップS801):飾り図柄の演出内容を決定する。具体的には、飾り図柄の停止図柄、飾り図柄の停止図柄を表示させる表示面、及び飾り図柄の変動パターンを決定する。飾り図柄の停止図柄は、特別図柄の停止図柄に合致した図柄組合せとされる。また、飾り図柄の変動パターンは、特別図柄の変動時間だけ、変動パターンコマンドが示す特別図柄の変動パターンに合致したものに決定される。
図柄変動開始処理(ステップS802):特別図柄の変動が開始されるように制御する。また、可変表示装置9による飾り図柄の表示演出が開始されるように制御する。
図柄変動中処理(ステップS803):特別図柄及び飾り図柄における変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御すると共に、変動時間の終了を監視する。
図柄停止待ち設定処理(ステップS804):変動時間の終了時に、特別図柄停止を指示する演出制御コマンド(特別図柄停止の演出制御コマンド)を受信していたら、特別図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行う。また、このとき、飾り図柄の変動も停止して停止図柄を表示する。
大当り表示処理(ステップS805):変動時間の終了後、確変大当り表示又は通常大当り表示の制御を行う。
大当たり遊技中処理(ステップS806):大当たり遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
図18は、演出制御基板80で使用される乱数を示す説明図である。この例では、飾り図柄の停止時に遊技者に正対している表示面の決定に用いられる飾り図柄停止時表示面決定用乱数(表示面決定用乱数)と、停止時に遊技者に正対している表示面での飾り図柄の停止図柄の決定に用いられる飾り図柄停止図柄決定用乱数と、飾り図柄の変動パターンの決定に用いられる飾り図柄変動パターン決定用乱数とが使用される。
この例では、飾り図柄停止図柄決定用乱数として、LCD9Aにおける飾り図柄の左右図柄の停止図柄の決定に用いられるLCD左右図柄決定用乱数と、LCD9Aにおける飾り図柄の中図柄の停止図柄の決定に用いられるLCD中図柄決定用乱数と、ドラム表示装置9Bにおける飾り図柄の左右図柄の停止図柄の決定に用いられるドラム左右図柄決定用乱数と、ドラム表示装置9Bにおける飾り図柄の中図柄の停止図柄の決定に用いられるドラム中図柄決定用乱数と、ドラム表示装置9Cにおける飾り図柄の停止図柄の決定に用いられるドラム停止図柄決定用乱数と、が使用される。なお、演出制御基板80では、遊技効果を高めるためなどのために、上記の乱数以外の乱数も用いられる。
図19は、停止時表示面決定用テーブルの例を示す説明図である。停止時表示面決定用テーブルには、表示面決定用乱数の抽出値と比較される比較値が予め設定されている。そして、表示面決定用乱数の抽出値と同値の比較値に対応付けされている表示面が、飾り図柄の停止時に遊技者に正対している表示面として決定される。
図19に示すように、リーチにもならないはずれ時には、100/150の確率で第1表示面9aに決定され、50/150の確率で第2表示面9bに決定される。また、大当りとならないリーチ時には、40/150の確率で第1表示面9aに決定され、100/150の確率で第2表示面9bに決定され、10/150の確率で第3表示面9cに決定される。さらに、大当り時には、70/150の確率で第2表示面9bに決定され、80/150の確率で第3表示面9cに決定される。
なお、図19に示す選択率は一例であり、他の割合で比較値を振り分けて、他の選択率で各表示面が選択されるようにしてもよい。例えば、大当り時は、第1表示面9aが選択されない構成とされているが、大当り時にも第1表示面9aが選択されえるようにしてもよい。ただし、この場合も、遊技の興趣を高めるため、第1表示面9aの選択率が、第2表示面9bや第3表示面9cよりも低くなるように停止時表示面決定用テーブルを設定しておくことが望ましい。
図20は、演出制御プロセス処理における飾り図柄演出設定処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄演出設定処理において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、停止表示面を第1表示面9a、第2表示面9b又は第3表示面9cのいずれにするか決定する(ステップS811)。ステップS811では、受信した変動パターンコマンドに基づいて大当り、リーチ、はずれの何れかを判定し、表示面決定用乱数を抽出し、停止時表示面決定用テーブル(図19参照)を用いて、飾り図柄の停止時に遊技者に正対させる表示面(停止表示面)を決定する処理が実行される。
次いで、ステップS811にて決定された飾り図柄の停止時に遊技者に正対させる表示面における飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS812)。ステップS812では、ステップS811にて決定された停止表示面に表される表示装置9A,9B,9Cでの飾り図柄の停止図柄の決定に用いられる飾り図柄停止図柄決定用乱数を抽出し、図示しない飾り図柄停止図柄決定用のテーブルを用いて飾り図柄の停止図柄が決定される。
そして、飾り図柄の変動パターン(可変表示装置9の表示面切換パターンを含む)を決定する(ステップS813)。即ち、飾り図柄変動パターンテーブルに設定されている飾り図柄変動パターンのうち、受信した変動パターンコマンドと、ステップS811にて決定した停止表示面との組合せに対応した飾り図柄変動パターンのいずれかを飾り図柄の変動パターンに決定する。従って、受信した変動パターンコマンドにもとづく特別図柄の変動パターンに対応した飾り図柄の変動パターンが決定される。なお、受信した変動パターンコマンドに対応する飾り図柄変動パターンが複数ある場合には、ステップS813にて、飾り図柄演出決定用乱数を抽出し、図示しない飾り図柄変動パターン決定用テーブルを用いて一の飾り図柄変動パターンを決定する。また、飾り図柄変動パターン決定用テーブルは、飾り図柄演出決定用乱数の抽出値と比較される比較値が予め設定されたテーブルである。この比較値は、それぞれ、選択され得るいずれかの飾り図柄変動パターンに対応付けされている。そして、演出制御プロセスフラグを図柄変動開始処理(ステップS802)に対応した値に更新する(ステップS814)。なお、飾り図柄変動パターンは、主基板31からの変動パターンコマンドの各種類と、最終停止表示面との組合せに対応して、それぞれ飾り図柄の変動パターンが予め設定されており、対応する変動パターンコマンドが示す変動時間の期間中、その変動パターンコマンドにもとづく特別図柄の変動に関連して飾り図柄を変動させるための変動パターンとされている。
飾り図柄変動パターンテーブルに設定されている変動パターンとしては、LCD9Aやドラム表示装置9Bにおける左中右図柄が回転して左、右、中の順番で停止する変動表示を行うものや、ドラム表示装置9Cにおける横回転図柄やルーレット回転図柄が回転したあと停止する変動表示を行うものの他、例えば、左中右図柄、横回転図柄、あるいはルーレット回転図柄の変動速度が速い変動パターンや、変動速度が遅い変動パターン、飾り図柄が停止位置を過ぎたあとに戻ってくる戻り演出を行う変動パターン、変動速度が突然速くなるすべり演出を行う変動パターンなどが考えられる。
次に、飾り図柄変動パターンに基づく具体的なリーチ演出について図21乃至図23を参照して説明する。なお、図21及び図22に示すリーチ演出は、表示面の切り換えにおいて切り換え前の表示面と切り換え後の表示面との両方の表示面において飾り図柄の視認が可能な両面表示手段となるドラム表示装置9Bの表示面切換処理に係るリーチ演出である。図23に示すリーチ演出は、可変表示装置9を一方向に回動させることによって複数の表示面のうち遊技者の可視領域に臨む表示面を何れか一つの表示面から他の表示面に切り換える処理が完了する前に、可変表示装置9を逆方向に回動させることによって遊技者の可視領域に臨む表示面を元の表示面に戻す逆回動処理に係るリーチ演出である。
先ず、図21に示すリーチ演出について説明する。図21(A)に示すように、第1表示面9aにて、LCD9A及びドラム表示装置9Bが可変表示を開始する。その後、図21(B)に示すように、LCD9Aの左図柄を停止表示すると共に、ドラム表示装置9Bの左図柄(左側の回転ドラム115A)を停止表示する。図21(B)中には、LCD9Aの左図柄として「6」図柄を停止表示し、ドラム表示装置9Bの左図柄として「7」図柄を停止表示した場合を例示。次に、図21(C)に示すように、LCD9Aの右図柄を停止表示すると共に、ドラム表示装置9Bの右図柄(右側の回転ドラム115C)を停止表示する。なお、このとき、ドラム表示装置9Bの右図柄は、ドラム表示装置9Bの左図柄と同一図柄が停止表示され、ドラム表示装置9Bにリーチ表示態様が表示される。図21(C)中には、LCD9Aの右図柄として「5」図柄を停止表示し、ドラム表示装置9Bの右図柄として「7」図柄を停止表示し、ドラム表示装置9Bに「7・7」のリーチ表示態様が表示された場合を例示。
その後、図21(D)に示すように、LCD9Aの中図柄を停止表示すると(図21(D)中には、LCD9Aの中図柄として「4」図柄を停止表示した場合を例示)、図21(E)(F)に示すように、現在遊技者に正対した位置に表示されている第1表示面9aから第2表示面9bが遊技者に正対した位置に表示されるように演出制御用CPU101が表示面の切り換え処理(通常回動処理)を行う。このとき、演出制御用CPU101は、リーチ表示態様を表示したドラム表示装置9Bの回転ドラム115A,115Cを可変表示装置9の回動方向(上方向)に対して逆方向(下方向)に回動させることで、切り換え前の表示面となる第1表示面9aに表示されたリーチ表示態様「7・7」を切り換え後の表示面となる第2表示面9bに継続的に表示させる制御を行う。
なお、図21中では、表示結果の当りはずれに関わらず、ドラム表示装置9Bの表示面切換処理に係るリーチ演出を実行する場合を例示しているが、これに限らず、例えば、表示結果が当りとなることを所定条件の成立として表示面切換処理に係るリーチ演出を実行するようにしてもよい。このような構成とした場合には、上記した図21(A)〜(F)の制御と同様に、切り換え前の表示面にリーチ表示態様を一旦停止表示した後、該リーチ表示態様を切り換え後の表示面に継続的に表示させ、最終的に切り換え後の表示面に大当り図柄を表示するようにすればよい(例えば、図21(F)の制御の後にドラム表示装置9Bの中図柄として「7」図柄を停止表示し、ドラム表示装置9Bに「777」の大当り図柄を表示する)。
また、表示面切換処理において、一旦停止表示する識別情報は、リーチ表示態様に限定するものではない。例えば、切り換え前の表示面に特定表示結果(大当り図柄)を一旦停止表示した後、該特定表示結果を切り換え後の表示面に継続的に表示させ、切り換え後の表示面で再抽選として特定表示結果を可変表示するようにしてもよい。なお、再抽選とは、大当り終了後に確率変動制御等の特別遊技状態に制御する所定の特定表示結果(例えば、確変大当り図柄)以外の特定表示結果で大当りした場合、一旦停止表示された特定表示結果を可変表示して、所定の特定表示結果となる機会を遊技者に与える遊技制御のことである。また、本実施形態では、切り換え前及び切り換え後の各表示面(例えば、第1表示面9aと第2表示面9b)において、識別情報の組合せで特定表示結果を構成し得る当りラインを2ラインとしているが、この構成に限定するものではない。例えば、切り換え前及び切り換え後の各表示面をそれぞれ縦3×横3の計9個のマトリクス状に配置された回転ドラムで構成し、切り換え前及び切り換え後の各表示面において当りラインを8ラインに設定してもよい。そして、このような構成において、切り換え前の表示面にはずれ図柄を一旦停止表示し、該はずれ図柄を構成する一部の識別情報を切り換え後の表示面に継続的に表示させ、切り換え後の表示面において継続的に表示させた識別情報を用いて特定表示結果を表示させるようにしてもよい。
次に、図22に示すリーチ演出について説明する。図22(A)に示すように、LCD9A及びドラム表示装置9Bを遊技者に正対した位置に表示した第1表示面9aにおいて、LCD9Aにリーチ表示態様を表示させる。図22(A)中には、LCD9Aの左右の図柄として共に「7」図柄を停止表示し、LCD9Aに「7・7」のリーチ表示態様が表示された場合を例示。その後、図22(B)(C)に示すように、演出制御用CPU101は、LCD9Aに表示されたリーチ表示態様「7・7」を構成する左右の図柄をドラム表示装置9Bの左右の図柄(回転ドラム115A,115C)に移動するように表示制御する。そして、このようなLCD9Aからドラム表示装置9Bへのリーチ表示態様の移動表示が終了すると、図22(D)(E)に示すように、現在遊技者に正対した位置に表示されている第1表示面9aから第2表示面9bが遊技者に正対した位置に表示されるように演出制御用CPU101が表示面の切り換え処理を行う。このとき、演出制御用CPU101は、前記図21(E)(F)に示した表示制御と同様に、リーチ表示態様を表示したドラム表示装置9Bの回転ドラム115A,115Cを可変表示装置9の回動方向(上方向)に対して逆方向(下方向)に回動させることで、切り換え前の表示面となる第1表示面9aに表示されたリーチ表示態様「7・7」を切り換え後の表示面となる第2表示面9bに継続的に表示させる制御を行う。
なお、図21に示す表示面切換処理では、両面表示手段(ドラム表示装置9B)における可変表示部材(回転ドラム115A,115C)を表示ユニット(可変表示装置9)の回動方向に対して逆方向に回動させることで、切り換え前の表示面に一旦停止表示されたリーチ表示態様を切り換え後の表示面に継続的に表示させる構成としてるが、これに限らず、このような表示面切換処理によって、切り換え前の表示面に一旦停止表示された単一の識別情報乃至複数の識別情報(例えば、リーチ表示態様や大当り表示態様(大当り図柄)となる識別情報)を切り換え後の表示面に継続的に表示させる構成であればよい。また、図22に示す表示面切換処理についても同様に、リーチ表示態様を移動表示する構成に限らず、単一の識別情報乃至複数の識別情報を移動表示する構成であればよい。
次に、図23に示すリーチ演出について説明する。図23(A)に示すように、第1表示面9aにて、LCD9A及びドラム表示装置9Bが可変表示を開始する。その後、図23(B)に示すように、LCD9Aにリーチ表示態様を表示させる。図22(A)中には、LCD9Aの左右の図柄として共に「7」図柄を停止表示し、LCD9Aに「7・7」のリーチ表示態様が表示された場合を例示。その後、演出制御用CPU101は、可変表示装置9を制御して、遊技者に正対する表示面を第1表示面9aから第2表示面9bに切り換える方向に移動させる処理を実行し(図23(C)参照)、第2表示面9bが遊技者に正対する位置まで移動する前に、可変表示装置9を逆回転させて、第1表示面9aが遊技者に正対する位置まで戻す制御(逆回動処理)を実行する(図23(D)参照)。
遊技者に正対する表示面を第1表示面9aに戻すと、演出制御用CPU101は、図23(E)に示すように、LCD9Aの中図柄を停止表示してLCD9Aの表示結果を導出すると共に、ドラム表示装置9Bの左右の図柄を停止表示する。図23(E)中には、LCD9Aの中図柄として「9」図柄を停止表示することでLCD9Aの表示結果として「797」のはずれ図柄が導出され、また、ドラム表示装置9Bの左右の図柄として共に「3」図柄を停止表示し、ドラム表示装置9Bに「3・3」のリーチ表示態様が表示された場合を例示。その後、図23(F)に示すように、ドラム表示装置9Bの中図柄を停止表示してドラム表示装置9Bの表示結果を導出する。図23(F)中には、ドラム表示装置9Bの中図柄として「5」図柄を停止表示することでドラム表示装置9Bの表示結果として「353」のはずれ図柄が導出された場合を例示。
なお、上述した実施形態では、可動式の表示装置として、ドラム表示装置9Bとドラム表示装置9Cを備える構成としたが、可動部材はドラムに限らず、ベルトやリールなどの他の部材であってもよい。また、上述した実施形態では、LCD9Aとドラム表示装置9B,9Cといった駆動方式の異なる表示手段を用いる構成としていたが、すべて可動式の表示手段により構成されていてもよい。この場合、上述した実施形態において、LCD9Aに変えて、ドラム表示装置9Bと同様の構成をなす可動式の表示手段を用いるようにすればよい。このように構成すれば、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。また、駆動方式を統一することができるため、簡単な構成で可変表示装置を構成することができるようになる。なお、駆動方式には、例えば、液晶駆動回路を駆動源とする駆動方式(LCD9Aの駆動方式)、モータを駆動源とする駆動方式(ドラム表示装置9B及びドラム表示装置9Cの駆動方式)、ソレノイドを駆動源とする駆動方式など、各種の駆動源によって表示手段を駆動する各種の方式がある。
また、上述した実施形態では、駆動方式の異なる複数種類の表示手段(LCD9A,ドラム表示装置9B,9C)によって異なる表示態様で識別情報(例えば、飾り図柄)の可変表示が実行される複数の表示面(例えば、第1表示面9a、第2表示面9b、第3表示面9c)のうち少なくとも1つの表示面を用いて可変表示を実行する可変表示装置9を備える構成としたが、駆動方式が同じ複数種類の表示手段によって異なる表示態様で識別情報の可変表示が実行される複数の表示面のうち少なくとも1つの表示面を用いて可変表示を実行する可変表示装置9を備える構成としてもよい。例えば、複数種類の識別情報(例えば、飾り図柄)を有する回転体(例えば、回転ドラム115A,115B,115C,116等)を駆動することにより当該識別情報を可変表示可能な複数種類の機械式の表示手段(例えば、ドラム表示装置9B、ドラム表示装置9C等)によって異なる表示態様で識別情報の可変表示が実行される複数の表示面のうち少なくとも1つの表示面を用いて可変表示を実行する可変表示装置9を備える構成としてもよい。