JP4394894B2 - Rear floor structure - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、後面衝突に対応するリアフロア構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境問題等に配慮して自動車のボディ構造の軽量化が求められている。
一方、車両衝突時における乗員保護性能を維持・向上させるためには、一定以上の車体強度及び車体剛性を確保する必要がある。
【0003】
そこで、必要な部分の強度、剛性を確保するため、異なる特性を持つ複数の部材を溶接等により接合して、車体のボディ構造を形成している。
例えば、特許文献1では、異種材を平行に接合する技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−104749号公報([0005]−[0007])
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
後面衝突時に車両の衝突エネルギが増加すると、それに比例して車体の変形量も増加する。より大きな衝突エネルギに対処するためには、車体の強度アップ(リアフレームの断面、板厚の増加、材質の改善等)や後面衝突時の潰れ範囲(クラッシュストローク)の増加を行うことが考えられる。
しかしながら、自動車ボディの軽量化が求められる今日では、なるべく重量をかけずに、車体の衝突エネルギ吸収効率を上げることが重要となる。
【0006】
そこで、本発明は、重量の増加を抑えるとともに、後面衝突時におけるリアフロアの衝突エネルギ吸収効率を改善したリアフロア構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車体のリアフロアパネルと、車体前後方向に延び、このリアフロアパネルとともに閉断面を形成する左右のリアフレームとを備えるリアフロア構造であって、前記リアフロアパネルを軟鋼板により形成し、前記左右のリアフレームを前記軟鋼板よりも強度の高いハイテン材で形成するとともに、特定箇所で座屈を生じるべく、前記左右のリアフレームのうち客室とトランクの間の部分に湾曲部を設け、これら湾曲部を、客室側とトランク側とを区分するクロスメンバで接合したことを特徴とする。
【0008】
このような構成によると、左右のリアフレームを高強度鋼板等の高強度部材で形成し、中央のリアフロアパネルを軟鋼板等の強度の低い部材で形成したことにより、後面衝突時の車体の変形量を小さくしたまま、エネルギ吸収効率を増加させることができる。すなわち、左右のリアフレームの座屈荷重を増加したことによって、より大きな衝突エネルギに対しても車体変形量を減少させて客室を保護することが可能となる一方、座屈荷重を超えた変形が起きると、中央のリアフロアパネルとともに左右のリアフレームが潰れることにより、後面衝突時の衝撃吸収効率を改善することができる。
また、このような構成によると、例えば、客室とトランクの間にリアフレームの湾曲部を位置させ、後面衝突時には湾曲部でリアフレームの座屈を生じさせる。そして、衝突エネルギによる潰れ変形をクロスメンバの後方に位置するトランクのみで行わせ、客室側の潰れ変形は強度の高いクロスメンバによって防止することができる。
従って、客室の変形を最小限に抑える一方で、トランクの潰れ変形によって衝突エネルギを吸収し、乗員に加わる衝撃を緩和できる。
【0009】
また、前述したリアフロア構造においては、前記リアフレームは、前記リアフロアパネルの左右両端に突合せ溶接されたハイテン材からなるリアフレーム上面部と、このリアフレーム上面部に溶接されて閉断面を形成する断面コ字状のハイテン材からなるリアフレーム下部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
このような構成によると、例えば、客室とトランクの間にリアフレームの湾曲部を位置させ、後面衝突時には湾曲部でリアフレームの座屈を生じさせる。そして、衝突エネルギによる潰れ変形をクロスメンバの後方に位置するトランクのみで行わせ、客室側の潰れ変形は強度の高いクロスメンバによって防止することができる。
従って、客室の変形を最小限に抑える一方で、トランクの潰れ変形によって衝突エネルギを吸収し、乗員に加わる衝撃を緩和できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施形態に係るリアフロア構造を示す斜視図、図2は図1のI-I線に沿った断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すリアフロア構造1は、リアフロアパネル2及び左右のリアフレーム3を含み、乗用車のモノコックボディの一部を構成している。
リアフロア構造1を製造する際は、軟鋼板の両端に高強度鋼板を突合せて溶接した後、プレス加工を施してリアフロアパネル2と左右のリアフレーム上面部3Aを形成する。その後、コの字形断面の高強度部材からなるリアフレーム下部3Bを、リアフレーム上面部3Aと突合せ溶接することで、リアフロアパネル2と左右のリアフレーム3を一体とする。そして、車幅方向に亘ってリアフロア構造1にクロスメンバ4を溶接する。
【0014】
このようなリアフロア構造1では、強度の低いリアフロアパネル2の両端に、高強度の左右リアフレーム3が接合された構成となる。
なお、高強度鋼板としては、ハイテンと呼ばれる材料を用いている。
【0015】
図1に示すように、リアフロア構造1は、クロスメンバ4によって客室側とトランク側に区分され、クロスメンバ4の前方(客室側)には後部シートが配置される。
【0016】
次に、図3を参照して、後面衝突時のリアフロア構造1の変形について説明する。図3は、後面衝突により座屈荷重を超えてリアフレーム3が変形する状態を示す説明図であり、(a)は衝突力がリアフレーム3に伝達する状態を示すモデル図、(b)はリアフレーム3に座屈が生じる状態を示すモデル図である。
同図に示すように、後面衝突が起きると、リアフレーム3に座屈が生じて車体が潰れる。しかしながら、リアフレーム3を高強度として座屈荷重を増加させたことにより、従来のリアフロア構造に比較して、衝突初期の車体変形量を減少させることができる。
そして、リアフレーム3に座屈荷重を超えた変形が起きると、リアフレーム3はリアフロアパネル2とともに潰れ変形を開始する。その際、軟鋼板で形成されたリアフロアパネル2によって、クラッシュストロークを増加させ、衝突エネルギの吸収量を増加させている。
【0017】
図3に示すように、リアフレーム3は、後部シートが配置される部分が湾曲した形状であり、その湾曲部3Cにクロスメンバ4が固着されている。そのため、座屈荷重を超える衝突力が入力されると、リアフレーム3の湾曲部3Cにおいて座屈が発生する。
リアフレーム3の座屈発生後、リアフロア構造1には、トランク側において潰れ変形が生じる。しかしながら、軟鋼板で形成されたリアフロアパネル2によって衝突エネルギが吸収されるので、後部シートの乗員に強い衝撃が加わることを防ぐことができる。
また、強度の高いクロスメンバ4を客室側の後端部に配したことにより、後面衝突時の衝突力がクロスメンバ4に伝達された場合であっても、客室が潰れることを回避できる。
【0018】
以上に述べたリアフロア構造1においては、左右のリアフレーム3を高強度鋼板で形成したことによって、リアフレーム3の断面、板厚、重量を実質的に増加させることなく車体の強度アップを実現している。一方、中央のリアフロアパネル2を軟鋼板で形成したことによって、自動車ボディの軽量化も実現している。
また、特定箇所で座屈を生じるべく、左右のリアフレーム3に湾曲部3Cを設け、これらの湾曲部3Cをクロスメンバ4で接合しているので、後面衝突時に乗員の安全性を確保するように、車体の変形をコントロールできる。
【0019】
以上、本発明の好適な実施形態について述べたが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で様々に変形又は変更することができる。
例えば、リアフレーム3の特定箇所で座屈を生じさせることができれば、湾曲部3Cに限定されず、傾斜部や断面縮小部、その他構造的に脆弱な部分を設けることもできる。
【0020】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に係る発明によれば、左右のリアフレームを高強度部材で形成し、中央のリアフロアパネルを強度の低い部材で形成したことにより、後面衝突時の車体の変形量を小さくしたまま、エネルギ吸収効率を増加させることができる。すなわち、左右のリアフレームの座屈荷重を増加したことによって、より大きな衝突エネルギに対しても車体変形量を減少させて客室を保護することが可能となる一方、座屈荷重を超えた変形が起きると、中央のリアフロアパネルとともに左右のリアフレームが潰れることにより、後面衝突時の衝撃吸収効率を改善することができる。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、例えば、客室とトランクの間にリアフレームの湾曲部を位置させ、後面衝突時には湾曲部でリアフレームの座屈を生じさせる。そして、衝突エネルギによる潰れ変形をクロスメンバの後方に位置するトランクのみで行わせることができる。
従って、客室の変形を最小限に抑える一方で、トランクの潰れ変形によって衝突エネルギを吸収し、乗員に加わる衝撃を緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るリアフロア構造を示す斜視図である。
【図2】図1のI−I線に沿った断面図である。
【図3】後面衝突により座屈荷重を超えてリアフレームが変形する状態を示す説明図であり、(a)は衝突力がリアフレームに伝達する状態を示すモデル図、(b)はリアフレームに座屈が生じる状態を示すモデル図である。
【符号の説明】
1 リアフロア構造
2 リアフロアパネル
3 リアフレーム
3C 湾曲部
4 クロスメンバ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a rear floor structure corresponding to a rear collision.
[0002]
[Prior art]
In recent years, there has been a demand for lighter body structures of automobiles in consideration of environmental problems.
On the other hand, in order to maintain and improve the occupant protection performance in the event of a vehicle collision, it is necessary to ensure a certain level of vehicle body strength and vehicle body rigidity.
[0003]
Therefore, in order to ensure the strength and rigidity of necessary portions, a plurality of members having different characteristics are joined together by welding or the like to form the body structure of the vehicle body.
For example,
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-11-104749 ([0005]-[0007])
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
When the collision energy of the vehicle increases at the time of a rear collision, the deformation amount of the vehicle body also increases in proportion thereto. In order to deal with a larger collision energy, it is possible to increase the strength of the vehicle body (rear frame cross section, increase in plate thickness, material improvement, etc.) and increase the crush range (crash stroke) at the time of rear collision. .
However, nowadays, where the weight reduction of the automobile body is required, it is important to increase the collision energy absorption efficiency of the vehicle body without increasing the weight as much as possible.
[0006]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a rear floor structure that suppresses an increase in weight and improves the collision energy absorption efficiency of the rear floor at the time of a rear collision.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is a rear floor structure comprising a rear floor panel of a vehicle body and left and right rear frames extending in the longitudinal direction of the vehicle body and forming a closed section together with the rear floor panel , wherein the rear floor panel is formed of mild steel plate, The rear frame is made of a high strength material that is stronger than the mild steel plate , and in order to cause buckling at a specific location, a curved portion is provided in a portion between the cabin and the trunk of the left and right rear frames. The section is joined by a cross member that separates the cabin side and the trunk side.
[0008]
According to such a configuration, the left and right rear frames are formed of high-strength members such as high-strength steel plates, and the center rear floor panel is formed of low-strength members such as mild steel plates. Energy absorption efficiency can be increased while keeping the amount small. In other words, by increasing the buckling load of the left and right rear frames, it is possible to protect the passenger cabin by reducing the amount of vehicle body deformation even for larger collision energy, while deformation exceeding the buckling load occurs. When it happens, the left and right rear frames are crushed together with the central rear floor panel, so that the impact absorption efficiency at the time of rear collision can be improved.
Further, according to such a configuration, for example, the curved portion of the rear frame is positioned between the cabin and the trunk, and the rear frame is buckled at the curved portion at the time of a rear collision. Then, the deformation due to the collision energy can be performed only by the trunk located behind the cross member, and the deformation on the cabin side can be prevented by the cross member having high strength.
Therefore, while the deformation of the passenger cabin is minimized, the collision energy is absorbed by the collapsed deformation of the trunk, and the impact applied to the occupant can be mitigated.
[0009]
Further, in the above-described rear floor structure, the rear frame has a rear frame upper surface portion made of a high strength material butt welded to both right and left ends of the rear floor panel, and a cross section welded to the rear frame upper surface portion to form a closed cross section. And a rear frame lower portion made of a U-shaped high-tensile material .
[0010]
According to such a configuration, for example, the curved portion of the rear frame is positioned between the cabin and the trunk, and the rear frame is buckled at the curved portion at the time of a rear collision. Then, the deformation due to the collision energy can be performed only by the trunk located behind the cross member, and the deformation on the cabin side can be prevented by the cross member having high strength.
Therefore, while the deformation of the passenger cabin is minimized, the collision energy is absorbed by the collapsed deformation of the trunk, and the impact applied to the occupant can be mitigated.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below in detail with reference to the accompanying drawings.
[0012]
FIG. 1 is a perspective view showing a rear floor structure according to an embodiment of the present invention, and FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG.
[0013]
A
When the
[0014]
Such a
In addition, as a high strength steel plate, a material called “HITEN” is used.
[0015]
As shown in FIG. 1, the
[0016]
Next, with reference to FIG. 3, the deformation | transformation of the
As shown in the figure, when a rear collision occurs, the
When the
[0017]
As shown in FIG. 3, the
After the buckling of the
In addition, by arranging the high-
[0018]
In the
Further, in order to cause buckling at a specific location, the left and right rear frames 3 are provided with
[0019]
The preferred embodiments of the present invention have been described above, but the present invention is not limited to the above-described embodiments, and various modifications or changes can be made within the scope of the invention described in the claims. it can.
For example, as long as buckling can occur at a specific location on the
[0020]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, the left and right rear frames are formed of high-strength members, and the central rear floor panel is formed of low-strength members. Energy absorption efficiency can be increased while keeping the deformation amount small. In other words, by increasing the buckling load of the left and right rear frames, it is possible to protect the passenger cabin by reducing the amount of vehicle body deformation even for larger collision energy, while deformation exceeding the buckling load occurs. When it happens, the left and right rear frames are crushed together with the central rear floor panel, so that the impact absorption efficiency at the time of rear collision can be improved.
[0021]
According to the second aspect of the invention, for example, the curved portion of the rear frame is positioned between the cabin and the trunk, and the rear frame is buckled at the curved portion at the time of a rear collision. Then, the crushing deformation due to the collision energy can be performed only by the trunk located behind the cross member.
Therefore, while the deformation of the passenger cabin is minimized, the collision energy is absorbed by the collapsed deformation of the trunk, and the impact applied to the occupant can be mitigated.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a rear floor structure according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG.
FIGS. 3A and 3B are explanatory views showing a state in which the rear frame is deformed exceeding a buckling load due to a rear collision, FIG. 3A is a model diagram showing a state in which a collision force is transmitted to the rear frame, and FIG. It is a model figure which shows the state which buckle arises in.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記リアフロアパネルを軟鋼板により形成し、前記左右のリアフレームを前記軟鋼板よりも強度の高いハイテン材で形成するとともに、特定箇所で座屈を生じるべく、前記左右のリアフレームのうち客室とトランクの間の部分に湾曲部を設け、
これら湾曲部を、客室側とトランク側とを区分するクロスメンバで接合したことを特徴とするリアフロア構造。A rear floor structure comprising a rear floor panel of a vehicle body and left and right rear frames that extend in the longitudinal direction of the vehicle body and form a closed section together with the rear floor panel,
The rear floor panel is formed of a mild steel plate, the left and right rear frames are formed of a high-tensile material having a higher strength than the mild steel plate, and a cabin and a trunk of the left and right rear frames are formed so as to buckle at a specific location. Provide a curved part in the part between
A rear floor structure characterized in that these curved portions are joined by a cross member that separates the cabin side and the trunk side.
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