JP4389698B2 - ノイズ除去回路 - Google Patents

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Description

本発明は、ノイズ除去回路に関し、詳しくは、回路基板上に形成された複数の信号配線を流れるノイズを有効に除去するためのノイズ除去回路に関する。
例えば、携帯電話における受信感度劣化を防止するためには、通常、ノイズを有効に除去することが必要になる。この場合、携帯電話の通信方式によって使用される周波数帯域が異なっており、どのような通信方式の携帯電話に対してもノイズを有効に除去するためには800MHz〜2GHz程度の広い帯域にわたってノイズを除去することが必要となる。また、一つの携帯電話でも2つの通信帯域を使用するものがあり、その場合にも広い帯域にわたってノイズを有効に除去することが必要となる。
このようなノイズ除去のために使用されるフィルタ素子として、従来より2端子型のチョークコイルやフェライトビーズを利用したものが知られている。
図10はチョークコイルの斜視図、図11はこのチョークコイルを回路基板に形成されている各信号配線に実装した状態の平面図、図12は図11のC−C線に沿う断面図である。
チョークコイル10は、例えば直方体の誘電体10a内に螺旋状のコイル導体(図示せず)を配設するとともに、誘電体10aの左右端に信号入出力用の外部電極10b,10cを配設することにより形成されている。一方、回路基板1上には信号配線2ごとに左右の電極パターン3a,3bが所定の間隔をおいて対向して形成されている。
そして、チョークコイル10の各外部電極10b,10cが、各信号配線2の左右の電極パターン3a,3b間を跨ぐようにして配置接続されており、このような構成により、各信号配線2を流れるノイズ電流がチョークコイル10によって除去される。
上述のように、図10に示すようなチョークコイル10をノイズフィルタとして使用する場合、図11および図12に示すように、チョークコイル10を各信号配線2に挿入するだけでノイズを除去することができるため、ノイズ対策は容易である。
しかしながら、チョークコイル10は、ノイズ除去できる帯域が比較的狭く、特定周波数のノイズしか有効に除去することができないという問題点があり、前述のような広い帯域でのノイズ除去を行うことは困難であるのが実情である。
また、フェライトビーズを用いる方法の場合、チョークコイルを用いる場合と同様にして、信号配線ごとにフェライトビーズを挿入することにより、各信号配線2を流れるノイズ電流が除去される。
上述のように、フェライトビーズを用いる方法の場合、チョークコイルの場合と同様に、フェライトビーズを各信号配線に単に挿入するだけでノイズを除去することができるためノイズ対策は容易であるが、フェライトビーズは、低周波域でもノイズを除去するため、必要な信号を減衰させるなど信号波形に及ぼす影響が大きく、また、高減衰が得られないためにノイズ除去効果が不十分になるという問題点がある。
また、上述のようなノイズ除去を目的とするフィルタ素子として、3端子型のLCフィルタを用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図13はLCフィルタの斜視図、図14はこのLCフィルタの等価回路図であり、ここではT型のLCフィルタを示している。図15はこのLCフィルタを回路基板に形成されている各信号配線に実装した状態の平面図、図16は図15のD−D線に沿う断面図である。
このT型のLCフィルタ20は、誘電体20a内に一対のインダクタLおよびコンデンサCを配設するとともに、誘電体20aの左右両端に信号入出力用の外部電極20b,20cを配設し、誘電体20aの中央両側面に接地用の外部電極20dを配設することにより形成されている。
一方、回路基板1上には、信号配線2ごとに、左右の電極パターン3a,3bが所定の間隔を存して対向して形成されているとともに、これらの電極パターン3a,3bの間には、電極パターン3a,3bと直交するように接地用電極パターン5aが形成されている(図16)。さらに、各接地用電極パターン5aは、スルーホール6を介して、回路基板1の内部に形成された広面積の接地用電極パターン5bと電気的に接続されている。
そして、上記のLCフィルタ20においては、信号入出力用の外部電極20b,20cが、回路基板1の各信号配線2の左右の電極パターン3a,3bにそれぞれ接続され、また、接地用の外部電極20dが接地用電極パターン5aに接続されている。これにより、各信号配線2に流れるノイズ電流は、LCフィルタ20を通り、その接地用の外部電極20dから回路基板1上の接地用電極パターン5aに流れ、さらにスルーホール6を介して回路基板1の内部の接地用電極パターン5bに流れて除去されることになる。
なお、ここではLCフィルタ20としてT型のものを示したが、その他、π型やL型のものが使用される場合もある。
ところで、図13および図14に示したようなLCフィルタ20を使用する場合には、インダクタンスとキャパシタンスとを適宜設定することにより広帯域のノイズ除去特性が得られるという利点がある。
しかしながら、LCフィルタ20は、外部電極20dを接地する必要があるため、LCフィルタ20が実装される回路基板1には、接地用電極パターン5a,5bを形成することが不可欠となる。このため、回路基板1の配線の自由度が制限されるという問題点がある。
すなわち、高密度実装を行う回路基板においては、複数の信号配線が形成されるが、部品レイアウトによってはこれらの信号配線と共に十分な線幅の接地用電極パターンを形成することが困難な場合がある。そのため、接地用電極パターンに寄生するインダクタンスの影響によりLCフィルタの周波数特性が変化してノイズを十分に除去できなくなるという問題点がある。
このような不都合を回避するため、従来技術では、図15および図16に示すような構成を有するLCフィルタ20を回路基板1上に実装することも考えられるが、図15および図16に示すような構成のLCフィルタ20を回路基板1上に実装した場合においても、機器内部の別の回路で発生したノイズが回り込み、接地用電極パターン5a,5bのノイズレベルが高くなった場合には、LCフィルタ20の減衰効果が不十分になったり、逆に接地用電極パターン5a,5bから信号配線2にノイズが逆流したりするというような不都合を生じる。しかも、回路基板1の内部に大面積の接地用電極パターン5aを形成したり、スルーホール6を形成したりすることは回路基板1の構成の複雑化やコストの増大を招くという問題点がある。
特開2002−100947号公報
本願発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、フィルタ素子を接地する必要がなく、しかも、急峻なカットオフ特性をもち、かつ広帯域にわたって大きなノイズ除去効果を得ることが可能なノイズ除去回路を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求項1)のノイズ除去回路は、
回路基板上に形成された複数の信号配線を流れるノイズを除去するためのノイズ除去回路であって、
2つのインダクタと1つのコンデンサとが誘電体内に一体的に配設されてなるT型LCフィルタを有し、このT型LCフィルタが前記各信号配線に対応して設けられており、
前記回路基板上には、前記各信号配線に対応して当該信号配線の一部を構成する左右の電極パターンが互いに所定の間隔を存して配設され、また、前記信号配線の形成面と同じ面上には、前記信号配線に接触せずに前記両電極パターン間の隙間を通過し、かつ、大地に対して非接続の状態で還流用電極パターンが形成される一方、
前記所定の間隔を存して配設された両電極パターン間を跨ぐように前記T型LCフィルタが実装され、
前記T型LCフィルタを構成する2つのインダクタ同士が互いに電気的に接続されるとともに、前記両インダクタ相互間の電気的接続点に前記コンデンサの一方の電極が接続され、該コンデンサの他方の電極が前記還流用電極パターンに共通に接続されていること
を特徴としている。
また、本願発明(請求項2)のノイズ除去回路は、請求項1記載の発明の構成において、
複数個の前記T型LCフィルタが一体化されてアレイタイプの一つのフィルタとして構成され、このアレイタイプのフィルタは、前記各T型LCフィルタに対応する前記各信号配線間全てをわたる長さを有し、かつ前記所定の間隔を存して配設された両電極パターン間をそれぞれ跨ぐように実装されていることを特徴としている。
また、本願発明(請求項3)のノイズ除去回路は、
回路基板上に形成された複数の信号配線を流れるノイズを除去するためのノイズ除去回路であって、
2つのチョークコイルと1つのコンデンサとが前記各信号配線に対応して設けられており、
前記回路基板上には、前記各信号配線に対応して当該信号配線の一部を構成する左右の電極パターンの間に、2つの電極パターンが、当該電極パターンおよび前記左右の電極パターンと互いに所定の間隔を存して配線方向に沿って順次配設され、また、前記信号配線の形成面と同じ面上には、前記信号配線に接触せずに前記2つの電極パターン間の隙間を通過し、かつ、大地に対して非接続の状態で還流用電極パターンが形成される一方、
前記2つのチョークコイル間に前記コンデンサが位置し、かつ前記コンデンサは前記2つの各電極パターン間を跨ぐように、また、前記各チョークコイルは前記2つの電極パターンの一方側の電極パターンと、これに隣接する前記左右の電極パターンの一方側の電極パターンとの間を跨ぐように、それぞれ実装され、
前記2つのチョークコイル同士が互いに電気的に接続されるとともに、前記両チョークコイル相互間の電気的接続点に前記コンデンサの一方の電極が接続され、該コンデンサの他方の電極が前記還流用電極パターンに共通に接続されていること
を特徴としている。
また、本願発明(請求項4)のノイズ除去回路は、請求項3記載の発明の構成において、
複数個の前記コンデンサが一体化されてアレイタイプの一つのコンデンサとして、また、これと同じ複数個のチョークコイルが一体化されてアレイタイプの一つのチョークコイルとして、それぞれ構成され、
前記アレイタイプのコンデンサは、前記複数個の各コンデンサに対応する前記各信号配線間全てをわたる長さを有し、かつ互いに隣接する前記2つの各電極パターン間を跨ぐように実装され、
前記アレイタイプのチョークコイルは、前記複数個の各チョークコイルに対応する前記各信号配線間全てをわたる長さを有し、かつ互いに隣接する2つの電極パターンの一方側の電極パターンと、これに隣接する前記左右の電極パターンの一方側の電極パターンとの間を跨ぐようにそれぞれ実装されていること
を特徴としている。
本願請求項1および請求項3のノイズ除去回路においては、一つの信号配線に流れるノイズ電流をコンデンサおよび還流用電極パターンを介して他の信号配線に還流させて、800MHz〜2GHz程度の広い帯域にわたってノイズを効率よく除去することが可能になる。
したがって、本願発明のノイズ除去回路を用いることにより、例えば携帯電話のノイズ対策を有効に行うことが可能になる。また、急峻なカットオフ特性をもつため、信号波形に及ぼす影響を小さく抑えることが可能になる。
しかも、回路基板には接地用電極パターンを形成する必要がないため、回路基板の配線の自由度を向上させることが可能になるとともに、回路基板の内部に大面積の接地用電極パターンを形成することが不要になるため、回路基板のコストダウンを図ることが可能になる。
さらに、従来は、接地用電極パターンのノイズレベルが高い場合には、機器内の別の回路で発生したノイズが回り込むことにより、LCフィルタの減衰効果が不十分になったり、逆に、接地用電極パターンから信号配線にノイズが逆流したりするという危険性があるが、本願発明のノイズ除去回路では、コンデンサは接地されていないため、そのような危険性も確実に回避することができる。
特に、請求項1のノイズ除去回路のように、信号配線の入力側と出力側とに配設されたインダクタと、コンデンサとが、誘電体内に一体的に配設されたT型LCフィルタを構成するようにした場合、信号配線ごとに一対のインダクタ部品とコンデンサ部品をそれぞれ個別に実装する場合に比べて、部品点数を大幅に削減することが可能になり、実装工程を簡略化することが可能になるとともに、回路基板上の実装スペースを削減することが可能になる。
また、請求項2のノイズ除去回路のように、T型LCフィルタを各信号配線間にわたって一体化されたアレイタイプのフィルタとして構成した場合、例えば、上記請求項のノイズ除去回路の場合のように、信号配線ごとにT型LCフィルタを実装する場合に比べて、さらに部品点数を削減することが可能になる。そのため、信号配線の数が多い程、実装工程の簡略化を図ることが可能になるとともに、回路基板上の実装スペースを削減することが可能になる。
また、請求項4のノイズ除去回路のように、チョークコイルを各信号配線間にわたって一体化されたアレイタイプのチョークコイルとし、コンデンサを各信号配線間にわたって一体化されたアレイタイプのコンデンサとしてそれぞれ構成するようにした場合、信号配線ごとにインダクタ部品とコンデンサ部品をそれぞれ個別に実装する場合に比較して、部品点数を削減することが可能になり、実装工程の簡略化を図ることが可能になるとともに、回路基板上の実装スペースの削減を図ることが可能になる。
以下、本願発明の実施例を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
図1は本願発明の一実施例(実施例1)にかかるノイズ除去回路の平面図、図2は図1のA−A線に沿う断面図、図3はこの実施例1のノイズ除去回路の等価回路図である。
この実施例1においては、回路基板1上に4本の信号配線2が設けられている。そして、各信号配線2の一部を構成する左右の電極パターン3a,3bどうしが所定の間隔をおいて配設されているとともに、各信号配線2と直交するように還流用電極パターン7が配設されている。この還流用電極パターン7は、各信号配線2の左右の電極パターン3a,3bと接触しないように電極パターン3a,3bの隙間を通過し、かつ、大地に対して非接続の状態となるように配設されている。
また、信号配線2ごとにLCフィルタ(T型LCフィルタ)20が実装されている。各LCフィルタ20は、図13に示した従来のものと同じ構成であって、誘電体20aの左右端に形成されている信号入出力用の外部電極20b,20cが、各信号配線2の左右の電極パターン3a,3b間を跨ぐように配置接続され、また、誘電体20aの中央両側において、従来は接地用として形成されている外部電極20dが還流用電極パターン7に共通に接続されている。
したがって、図1および図2に示したノイズ除去回路は、図3に示すような等価回路となる。すなわち、このノイズ除去回路においては、それぞれの信号配線2ごとに、その入力側と出力側に、それぞれインダクタLが接続されているとともに、両インダクタLの間にコンデンサCの一方の電極が接続され、このコンデンサCの他方の電極が還流用電極パターン7に共通に接続されている。すなわち、各コンデンサCの他方の電極は従来のように接地されておらず、その代わりに還流用電極パターン7に共通に接続されている。
この構成のノイズ除去回路においては、各信号配線2に実装されたLCフィルタ20を構成するコンデンサCの他方の電極を還流用電極パターン7に共通に接続することで、一つの信号配線2に流れるノイズはLCフィルタ20のコンデンサCおよび還流用電極パターン7を介して他の信号配線2に還流され、かつ、各インダクタLの損失によってノイズが大幅に低減される。
これにより、例えば携帯電話の数十MHzの信号を通過させるとともに、800MHz〜2GHz程度の広い帯域におけるノイズの除去を有効に行うことができる。また、急峻なカットオフ特性をもつため、信号波形に及ぼす影響を小さく抑えることができる。しかも、回路基板1には接地用電極パターン5a,5b(図16参照)を形成する必要がないため、回路基板1の配線の自由度が確保されるとともに、スルーホール6(図15,図16参照)を介して上下の接地用電極パターン5a,5b(図16参照)間を接続する必要がないため、回路基板1のコストダウンを図ることが可能になる。
さらに、コンデンサCは接地されていないため、従来のように、接地用電極パターン5a,5b(図16参照)のノイズレベルが高い場合にLCフィルタ20の減衰効果が不十分になったり、接地用電極パターン5a,5b(図16参照)から信号配線2にノイズが逆流したりすることを確実に回避することができる。
この実施例1のノイズ除去回路について、ノイズ除去効果を調べるために、以下の2つの評価実験を行った。
[評価実験1]
図1〜図3に示すノイズ除去回路について、4本の信号配線2のうち、1本の信号配線2についての挿入損失(IL)の周波数依存特性(以下、IL特性という)を調べた。この場合、クロストークの影響によりIL特性に差が生じることを防止するため、残り3本分の信号配線2については、その左右端を50Ωで終端して測定を行った。その際、特性比較のために、LCフィルタ20の外部電極20dを電気的に切り離している場合(すなわち、コンデンサCを還流用電極パターン7に接続せず、かつ接地もしない場合)、および、外部電極20dを接地した図15の従来構成のノイズ除去回路について、それぞれ1本の信号配線2についてのIL特性を調べた。その結果を図4に示す。
図4に示すように、各信号配線2に実装されたLCフィルタ20を構成するコンデンサCの電極を接地することなく、還流用電極パターン7に共通に接続した構成とすることにより、急峻なカットオフ特性を有し、かつ、広帯域でノイズ減衰作用を奏することが確認された。また、携帯電話のノイズ対策として必要な800MHz〜2GHz程度の広い帯域で約30dBの減衰が得られることが確認された。
一方、コンデンサCを還流用電極パターン7に接続せず、かつ接地もしない場合には、インダクタLの特性のみとなるので、高減衰の得られる周波数範囲は狭くなる。
[評価実験2]
信号配線2の本数によるIL特性の変化を調べるために、回路基板に1本〜4本までの信号配線2をそれぞれ形成した場合の各IL特性を測定した。その結果を図5に示す。
なお、複数の信号配線2を形成している場合には、クロストークの影響によりIL特性に差が生じることを防止するため、1つの信号配線についてのIL特性のみを調べ、残りの信号配線については各左右端を50Ωで終端して測定を行った。
図5に示すように、信号配線2の本数を多くすることにより、大きな減衰量を確保できることが確認された。特に、携帯電話のノイズ対策として必要な800MHz〜2GHz程度の広い帯域で約30dBの減衰を確保するには4本以上の信号配線2が必要となることが確認された。
図6は本願発明の他の実施例(実施例2)にかかるノイズ除去回路を示す平面図、図7は図6のB−B線に沿う断面図である。
上記の実施例1では、T型LCフィルタ20を各信号配線2ごとに実装しているが、この実施例2のノイズ除去回路では、信号配線2ごとに、一対のチョークコイル10と単一の貫通コンデンサ30とを実装している。
すなわち、この実施例2においては、回路基板1上に4本の信号配線2が設けられている。そして、各信号配線2に対応して4つの電極パターン3a、3b,3c,3dが所定の間隔をおいて順次配設されるとともに、各信号配線2と直交するように還流用電極パターン7が配設されている。この還流用電極パターン7は、中央左右の電極パターン3c,3dとは電気的に分離されるように、電極パターン3c,3dの隙間を通り、かつ、大地に対して非接続となるように配設されている。
そして、貫通コンデンサ30は、誘電体30aの左右端に形成されている信号入出力用の外部電極30b,30cが各信号配線2の電極パターン3c,3d間に接続され、また、誘電体30aの中央両側において従来は接地用として形成されている外部電極30dが還流用電極パターン7に共通に接続されている。
また、一対のチョークコイル10は、図10に示したものと同じ構成であって、図6,図7に示すように、各信号配線2において、貫通コンデンサ30の両側、すなわち、貫通コンデンサ30の入力側と出力側において、誘電体10aの左右端に形成されている外部電極10b,10cが各信号配線2の左右の電極パターン3a,3c、および3d,3b間をそれぞれ跨ぐように配置接続されている。
したがって、この実施例2のノイズ除去回路においても、図3に示した実施例1のノイズ除去回路と同じ等価回路になるので、実施例1のノイズ除去回路の場合と同様のノイズ低減効果を得ることができる。
なお、この実施例2では、コンデンサとして貫通コンデンサ30を使用しているが、貫通タイプでないものを使用することも可能である。
図8は本願発明のさらに他の実施例(実施例3)にかかるノイズ除去回路を示す平面図である。
この実施例3のノイズ除去回路では、回路基板1上に8本の信号配線2が設けられており、4本の信号配線2ごとにノイズ除去回路が設けられている。
この場合のノイズ除去回路は、4本の信号配線2間にわたって一体化されたアレイタイプのチョークコイル11と、4本の信号配線2間にわたって一体化されたアレイタイプの貫通コンデンサ31とを備えている。そして、貫通コンデンサ31の左右にそれぞれチョークコイル11が配置されており、上下の各貫通コンデンサ31の中央両側面において、従来は接地用として形成されている外部電極31dが還流用電極パターン7に共通に接続されている。
したがって、この実施例3のノイズ除去回路においても、図3に示した実施例1のノイズ除去回路と同じ等価回路になるので、実施例1および2のノイズ除去回路の場合と同様のノイズ低減効果を得ることができる。しかも、この実施例3のノイズ除去回路では、図6および図7に示した上記実施例2の場合のように、各信号配線2のそれぞれにチョークコイル10と貫通コンデンサ30とを個別に実装する場合と比較して、部品点数を削減することが可能になる。そのため、回路基板1上への実装工程を簡略化することが可能になるとともに、実装スペースを削減することが可能になる。
図9は本願発明のさらに他の実施例(実施例4)にかかるノイズ除去回路を示す平面図である。
この実施例4のノイズ除去回路では、回路基板1上に8本の信号配線2が設けられており、4本の信号配線2ごとにノイズ除去回路が設けられている。
この場合のノイズ除去回路は、4本の信号配線2間にわたって一体化されたアレイタイプのLCフィルタ(T型LCフィルタ)21として構成されている。そして、上下の各T型LCフィルタ21の中央両側面において、従来は接地用として形成されている外部電極21dが還流用電極パターン7に共通に接続されている。
したがって、この実施例4のノイズ除去回路においても、図3に示した実施例1のノイズ除去回路と同じ等価回路になるので、実施例1〜3のノイズ除去回路の場合と同様のノイズ低減効果を得ることができる。
しかも、この実施例4の除去回路では、図1および図2に示した実施例1の場合のように各信号配線2のそれぞれにLCフィルタ20を実装する場合と比較して、部品点数を削減することが可能になる。そのため、回路基板1上への実装工程を簡略化することが可能になるとともに、実装スペースを削減することが可能になる。
なお、上記の実施例1,2では、回路基板1上に4本の信号配線2が配設されている場合、また、実施例3,4では、回路基板1上に8本の信号配線2がそれぞれ配設されている場合を例にとって説明したが、本願発明において、信号配線の本数に特別の制約はなく、回路基板1上に信号配線2が2本以上配設されているものに広く適用することが可能である。
本願発明のノイズ除去回路は、回路基板上に、大地に対して非接続の状態で還流用電極パターンを形成し、信号配線ごとに、その入力側と出力側とにそれぞれインダクタを接続するとともに、両インダクタの間にコンデンサの一方の電極を接続し、かつ、該コンデンサの他方の電極を還流用電極パターンに共通に接続するようにしているので、例えば、800MHz〜2GHz程度の広い帯域にわたってノイズを有効に除去することが可能になる。
したがって、本願発明は、例えば携帯電話のノイズ除去などの用途に好適に用いることが可能であり、さらに、携帯電話のノイズ除去以外の、他の高周波回路のノイズ除去を行う際にも利用することが可能である。
本願発明の一実施例(実施例1)にかかるノイズ除去回路を示す平面図である。 図1のA−A線に沿う断面図である。 図1のノイズ除去回路の等価回路図である。 本願発明の実施例1にかかるノイズ除去回路について、1つの信号配線についての挿入損失の周波数依存特性を調べた結果を示す特性図である。 本願発明の実施例1にかかるノイズ除去回路について、信号配線の本数による挿入損失の周波数依存特性を調べた結果を示す特性図である。 本願発明の他の実施例(実施例2)にかかるノイズ除去回路を示す平面図である。 図6のB−B線に沿う断面図である。 本願発明のさらに他の実施例(実施例3)にかかるノイズ除去回路を示す平面図である。 本願発明のさらに他の実施例(実施例4)にかかるノイズ除去回路を示す平面図である。 チョークコイルを示す斜視図である。 回路基板に形成されている各信号配線にチョークコイルを実装した状態を示す平面図である。 図11のC−C線に沿う断面図である。 3端子型のLCフィルタを示す斜視図である。 図13に示すLCフィルタの等価回路図である。 図13に示すLCフィルタを、回路基板に形成されている各信号配線に実装した状態を示す平面図である。 図15のD−D線に沿う断面図である。
1 回路基板
2 信号配線
3a,3b,3c,3d 電極パターン
7 還流用電極パターン
10 チョークコイル
10a 誘電体
10b,10c 外部電極
11 アレイタイプのチョークコイル
20 LCフィルタ(T型LCフィルタ)
20a 誘電体
20b,20c,20d 外部電極
21 アレイタイプのT型LCフィルタ
21d 外部電極
30 貫通コンデンサ
30a 誘電体
30b,30c,30d 外部電極
31 アレイタイプの貫通コンデンサ
31d 外部電極
L インダクタ
C コンデンサ

Claims (4)

  1. 回路基板上に形成された複数の信号配線を流れるノイズを除去するためのノイズ除去回路であって、
    2つのインダクタと1つのコンデンサとが誘電体内に一体的に配設されてなるT型LCフィルタを有し、このT型LCフィルタが前記各信号配線に対応して設けられており、
    前記回路基板上には、前記各信号配線に対応して当該信号配線の一部を構成する左右の電極パターンが互いに所定の間隔を存して配設され、また、前記信号配線の形成面と同じ面上には、前記信号配線に接触せずに前記両電極パターン間の隙間を通過し、かつ、大地に対して非接続の状態で還流用電極パターンが形成される一方、
    前記所定の間隔を存して配設された両電極パターン間を跨ぐように前記T型LCフィルタが実装され、
    前記T型LCフィルタを構成する2つのインダクタ同士が互いに電気的に接続されるとともに、前記両インダクタ相互間の電気的接続点に前記コンデンサの一方の電極が接続され、該コンデンサの他方の電極が前記還流用電極パターンに共通に接続されていること
    を特徴とするノイズ除去回路。
  2. 複数個の前記T型LCフィルタが一体化されてアレイタイプの一つのフィルタとして構成され、このアレイタイプのフィルタは、前記各T型LCフィルタに対応する前記各信号配線間全てをわたる長さを有し、かつ前記所定の間隔を存して配設された両電極パターン間をそれぞれ跨ぐように実装されていること
    を特徴とする請求項1記載のノイズ除去回路。
  3. 回路基板上に形成された複数の信号配線を流れるノイズを除去するためのノイズ除去回路であって、
    2つのチョークコイルと1つのコンデンサとが前記各信号配線に対応して設けられており、
    前記回路基板上には、前記各信号配線に対応して当該信号配線の一部を構成する左右の電極パターンの間に、2つの電極パターンが、当該電極パターンおよび前記左右の電極パターンと互いに所定の間隔を存して配線方向に沿って順次配設され、また、前記信号配線の形成面と同じ面上には、前記信号配線に接触せずに前記2つの電極パターン間の隙間を通過し、かつ、大地に対して非接続の状態で還流用電極パターンが形成される一方、
    前記2つのチョークコイル間に前記コンデンサが位置し、かつ前記コンデンサは前記2つの各電極パターン間を跨ぐように、また、前記各チョークコイルは前記2つの電極パターンの一方側の電極パターンと、これに隣接する前記左右の電極パターンの一方側の電極パターンとの間を跨ぐように、それぞれ実装され、
    前記2つのチョークコイル同士が互いに電気的に接続されるとともに、前記両チョークコイル相互間の電気的接続点に前記コンデンサの一方の電極が接続され、該コンデンサの他方の電極が前記還流用電極パターンに共通に接続されていること
    を特徴とするノイズ除去回路。
  4. 複数個の前記コンデンサが一体化されてアレイタイプの一つのコンデンサとして、また、これと同じ複数個のチョークコイルが一体化されてアレイタイプの一つのチョークコイルとして、それぞれ構成され、
    前記アレイタイプのコンデンサは、前記複数個の各コンデンサに対応する前記各信号配線間全てをわたる長さを有し、かつ互いに隣接する前記2つの各電極パターン間を跨ぐように実装され、
    前記アレイタイプのチョークコイルは、前記複数個の各チョークコイルに対応する前記各信号配線間全てをわたる長さを有し、かつ互いに隣接する2つの電極パターンの一方側の電極パターンと、これに隣接する前記左右の電極パターンの一方側の電極パターンとの間を跨ぐようにそれぞれ実装されていること
    を特徴とする請求項3記載のノイズ除去回路。
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