JP4389383B2 - Valve timing control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の動弁装置において吸排気弁の開閉時期を制御するために使用される弁開閉時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の弁開閉時期制御装置の1つとして、カムシャフトと共に回転する回転部材に所定範囲で相対回転可能に外装されクランクシャフトのクランクスプロケット又はプーリからの回転動力が伝達されると共に内周部に凹部を有する回転伝達部材と、回転部材に設けられた複数のベーンと、凹部と回転部材との間に形成されベーンによって進角用室と遅角用室とに二分される複数の流体圧室と、進角用室に流体を給排する第1流体通路と、遅角用室に流体を給排する第2流体通路と、回転部材と回転伝達部材の相対位相が所定の位相である時に回転部材と回転伝達部材の相対位相を規制する相対位相規制機構とを備えたものがあり、例えば特開平1−92504号公報や特開平9−250310号公報に開示されている。
【0003】
上記した各公報に開示されている弁開閉時期制御装置においては、第1流体通路を介して進角用室へ作動流体を供給すると共に第2流体通路を介して遅角用室から作動油を排出することにより、回転部材が回転伝達部材に対してベーンが凹部の進角側の周方向端面に当接する最大進角位置までの任意な位置に進角方向へ回転して弁開閉時期が進角され、第2流体通路を介して遅角用室へ作動流体を供給すると共に第1流体通路を介して進角用室から作動油を排出することにより、回転部材が回転伝達部材に対してベーンが凹部の遅角側の周方向端面に当接する最大遅角位置までの任意な位置に遅角方向へ回転して弁開閉時期が遅角される。
【0004】
また、上記した各公報に開示されている弁開閉時期制御装置においては、内燃機関の運転中、カムシャフトに作用する変動トルクにより回転部材には常に遅角方向への力が作用しており、内燃機関の停止時に流体圧室への作動油の供給が停止されると、流体圧室の油圧によってベーンを保持できなくなり、回転部材は回転伝達部材に対して遅角方向へ回転し(クランクシャフトが完全に停止するまでの間)、回転部材と回転伝達部材は停止直前の両者の相対位相に応じた相対位相で停止する。この状態にて内燃機関が始動されると、上記した遅角方向への力により回転部材は回転伝達部材に対して遅角方向へ回転し、ベーンが凹部の遅角側の周方向端面に当接する最大遅角位置での位相となる。この状態にて内燃機関が始動されると、流体圧室の油圧が上昇し該油圧によりベーンを保持することができるようになるまでは不安定な状態となり、カムシャフトに作用する変動トルクによってベーンが振動し、凹部の周方向端面と繰り返して衝突して打音が生じたりするので、これを回避するために、相対位相規制機構により回転部材と回転伝達部材との相対位相が最大遅角位置にて規制されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、内燃機関の高速回転域では、ピストンが上死点に向かい始めても、吸気が慣性により更にシリンダ内へ入り込もうとするため、吸気弁の閉時期を遅らせることにより体積効率が向上して内燃機関の出力向上を図ることができることが知られている。
【0006】
しかしながら、上記した各公報に開示される弁開閉時期制御装置を吸気弁の開閉時期を制御するために用いる場合には、最大遅角位置での弁開閉時期は、上記したように内燃機関の始動時に吸気が可能な時期に設定される必要があるため、高速回転域において吸気弁の閉時期を遅らせて吸気の慣性による体積効率の向上を図ることができない。これは、最大遅角位置での弁開閉時期を吸気の慣性による体積効率の向上が可能な時期に設定すると、最大遅角位置での内燃機関の始動時に、ピストンが下死点を過ぎ上死点に向かい始めても吸気弁が開いていて、また吸気に慣性がないため、一度吸入した吸気が逆流して排出してしまい、圧縮比が上がらずに、燃焼ができない状態が発生し、内燃機関の始動が困難となるからである。尚、この問題は、最大遅角位置での弁開閉時期を吸気の慣性による体積効率の向上が可能な時期に設定しなくても、上記した各公報に開示される弁開閉時期制御装置のように、最大遅角位置での弁開閉時期を始動時に吸気が可能な時期に設定した場合であっても、吸気弁の閉時期がピストンの下死点後に設定されていると、気圧の低い高所等では発生しやすい。
【0007】
また、上記した各公報に開示される弁開閉時期制御装置を排気弁の開閉時期を制御するために用いる場合にも、排気弁の閉時期を同様に遅らせると、吸気弁と排気弁のオーバーラップ期間が長くなり、内部EGR量(排気ガス再循環量)が増大して内燃機関の始動性の低下を招く。
【0008】
これら問題を解消すべく、回転部材と回転伝達部材との相対位相が吸気の慣性による体積効率の向上が可能な弁開閉時期に対応する最大遅角位置よりも所定角度だけ進角した中間位置にて相対位相規制機構により規制されるようにした装置が特開平9−324613号公報に提案されている。しかしながら、この装置においては、内燃機関の停止時に上記したように回転部材が回転伝達部材に対して遅角方向へ回転する際、回転部材と回転伝達部材の相対位相が所定の中間位置になるのは一瞬であるため、相対位相規制機構により所定の中間位置に回転部材と回転伝達部材の相対位相を規制することができない場合があり、内燃機関の始動不良及び内燃機関の始動時におけるベーンと回転伝達部材の凹部の周方向端面との衝突による打音の発生を確実に防止することはできない。
【0009】
それゆえ、本発明は、内燃機関の始動時におけるベーンによる打音の発生及び始動不良を確実に防止しつつ、その可変制御領域を拡大させることができる弁開閉時期制御装置を提供することを、その課題とする。
【0010】
上記課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、内燃機関のクランクシャフト又はカムシャフトの一方と共に回転する回転部材と、該回転部材に所定範囲で相対回転可能に外装され前記クランクシャフト又は前記カムシャフトの他方と共に回転する回転伝達部材と、前記回転部材に設けられたベーンと、前記回転部材と前記回転伝達部材との間に形成され前記ベーンによって進角用室と遅角用室とに二分される流体圧室とを備え、前記進角用室及び前記遅角用室へ印加される流体圧によって前記回転部材と前記回転伝達部材が相対回転し、前記クランクシャフトの回転位相に対する前記カムシャフトの回転位相が変更させられることによって前記カムシャフトにより駆動される弁の開閉時期を変更する弁開閉時期制御装置において、前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を、前記遅角用室の容積を最小とする最大進角位置と前記進角用室の容積を最小とする最大遅角位置との間の略中間に前記ベーンが位置する前記内燃機関の始動時対応位置から前記最大遅角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を規制する第1相対回転規制手段と、前記始動時対応位置から前記最大進角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を規制する第2相対回転規制手段とを設け、前記第1相対回転規制手段及び前記第2相対回転規制手段のうち一方が規制している状態で前記始動時対応位置に移動すると、前記最大遅角位置及び前記最大進角位置のうち一方への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を規制し、前記第1相対回転規制手段及び前記第2相対回転規制手段のうち他方が規制し、前記始動時対応位置に保持することである。
【0011】
上記した手段によれば、内燃機関の停止時に流体圧室への作動流体の供給が停止されると、流体圧室の流体圧によってベーンを保持できなくなり、回転部材は回転伝達部材に対して遅角方向へ回転するものの、内燃機関の始動時には第1及び第2相対回転規制手段により回転部材と回転伝達部材の相対位相がベーンが流体圧室の略中間に位置される始動時対応位置にあるときの相対位相に保持される。これにより、内燃機関の始動時にベーンが流体圧室の周方向端面に衝突して打音が発生するのが的確に防止される。
【0012】
また、内燃機関の始動時の弁開閉時期がベーンの始動時対応位置における回転部材と回転伝達部材の相対位相時に得られるので、最大遅角位置では始動時対応位置での相対位相時よりも更に弁の開閉時期を遅らせることができ、吸気の慣性を利用して体積効率の向上を図ることが可能となると共に、始動時の弁開閉時期を進角させることができ、圧縮比低下による内燃機関の始動不良を防止することが可能となる。
【0013】
また、上記した手段においては、前記第1相対回転規制手段は前記最大進角位置から前記最大遅角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を、前記流体圧室の略中間に前記ベーンが位置する前記内燃機関の始動時対応位置にて規制すると共に、前記遅角用室へ印加される流体圧によってその規制が解除され、第2相対回転規制手段は前記最大遅角位置から前記最大進角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を前記始動時対応位置にて規制すると共に、前記進角用室へ印加される流体圧によってその規制を解除するように構成することができる。
【0014】
また、上記した手段においては、前記第1相対回転規制手段は前記最大進角位置から前記最大遅角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を、前記流体圧室の略中間に前記ベーンが位置する前記内燃機関の始動時対応位置にて規制すると共に、前記遅角用室と前記進角室とに印加される流体圧によってその規制が解除され、第2相対回転規制手段は前記最大遅角位置から前記最大進角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を前記始動時対応位置にて規制すると共に、前記進角用室と前記遅角室とに印加される流体圧によってその規制を解除するように構成することもできる。
【0015】
また、上記した手段においては、前記第1相対回転規制手段は前記最大進角位置から前記最大遅角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を、前記流体圧室の略中間に前記ベーンが位置する前記内燃機関の始動時対応位置にて規制すると共に、前記遅角用室と前記進角室とに印加される流体圧によってその規制が解除され、第2相対回転規制手段は前記最大遅角位置から前記最大進角位置への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を前記始動時対応位置にて規制すると共に、前記進角用室と前記遅角室とに印加される流体圧によってその規制を解除されること、前記第1相対回転規制手段は、前記回転部材または前記回転伝達部材の一方にばね付勢されて収容される第1規制部材と、前記回転部材または前記回転伝達部材の他方に形成されて前記第1規制部材が嵌入することで前記回転部材と前記回転伝達部材の前記始動時対応位置から前記最大進角位置への相対回転を許容し、前記始動時対応位置から前記最大遅角位置への相対回転を規制する第1規制溝とを有し、前記第2相対回転規制手段は、前記回転部材または前記回転伝達部材の一方にばね付勢されて収容される第2規制部材と、前記回転部材または前記回転伝達部材の他方に形成されて前記第2規制部材が嵌入することで前記回転部材と前記回転伝達部材の前記始動時対応位置から前記最大進角位置への相対回転を規制し、前記始動時対応位置から前記最大遅角位置への相対回転を許容する第2規制溝とを有することが望ましい。
【0016】
更に、上記した手段においては、前記回転部材を前記回転伝達部材に対して進角側に所定の付勢力で常時付勢する付勢部材を更に備えることが望ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に従った弁開閉時期制御装置の第1実施形態を図面に基づき、説明する。
【0018】
図1乃至図4において、弁開閉時期制御装置は、内燃機関のシリンダヘッドに回転自在に支持されたカムシャフト10の先端部(図1の左端)に一体的に組付けた内部ロータ20からなる回転部材と、カムシャフト10及び内部ロータ20に所定範囲で相対回転可能に外装された外部ロータ30、フロントプレート40、リアプレート50及び外部ロータ30の外周に一体的に設けたタイミングスプロケット31から成る回転伝達部材と、内部ロータ20に組付けた4枚のベーン80と、フロントプレート40に組付られる第1ロックピン82等からなる第1相対回転規制手段と、フロントプレート40に組付けられる第2ロックピン80等からなる第2相対回転規制手段と、回転部材と回転伝達部材間に介装されて回転伝達部材に対して回転部材を進角側に付勢するトーションスプリング60(付勢部材)等によって構成されている。尚、タイミングスプロケット31には、周知のように、図示省略したクランクシャフトからクランクスプロケットとタイミングチェーンを介して図2の時計方向に回転動力が伝達されるように構成されている。
【0019】
カムシャフト10は、吸気弁を開閉する図示しない周知のカムを有していて、内部にはカムシャフト10の軸方向に延びる進角通路11及び遅角通路12が設けられている。進角通路11は、カムシャフト10に設けた取付ボルト91用の取付孔内に形成されていて、カムシャフト10に設けた径方向の通路及び環状溝14とシリンダヘッドに設けた接続通路16を通して制御弁100の接続ポート101に接続されている。遅角通路12は、カムシャフト10に設けた径方向の通路及び環状溝13とシリンダヘッドに設けた接続通路15を介して制御弁100の接続ポート102に接続されている。
【0020】
制御弁100は、ソレノイド103へ通電することによりハウジング内に軸方向に移動可能に嵌挿されたスプール104をスプリング105に抗して図1の左方向へ移動できるものであり、非通電時には当該内燃機関によって駆動されるオイルポンプ110に接続された供給ポート106が接続ポート102に連通すると共に、接続ポート101が排出ポート107に連通するように、また通電時には供給ポート106が接続ポート101に連通すると共に、接続ポート102が排出ポート107に連通するように構成されている。このため、制御弁100のソレノイド103の非通電時には遅角通路12に作動油が供給され、ソレノイド103の通電時には進角通路11に作動油が供給され、ソレノイド103への通電が図示しない制御装置によりデューティ制御される。
【0021】
内部ロータ20は、単一の取付ボルト91によってスペーサ90を介してカムシャフト10に一体的に固着されていて、4枚の各ベーン70を夫々径方向に移動可能に取り付けるためのベーン溝21を有すると共に、各ベーン70によって区画された進角用室R1(図2において左上のものを除く)に進角通路11から作動油を給排するように進角通路11と各進角用室R1を内部ロータ20の内孔とボルト91間に形成される通路を介して連通する通路24と、カムシャフト10の先端面に対向する側の一端面に形成され遅角通路12に連通する環状溝20aと、該環状溝20aから軸方向に他端面側に延びる4つの通路25と、各ベーン70によって区画された遅角用室R2に遅角通路12から作動油を環状溝20a及び通路25を通して給排するように各通路25と各遅角用室R2(図2において左下のものを除く)を連通する通路27とを有している。尚、各ベーン70は、ベーン溝21の底部に収容したベーンスプリング71によって径方向外方に付勢されている。
【0022】
また、内部ロータ20の他端面側には、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が後述する内燃機関の始動時に対応する相対位相から後述する最大進角位置に対応する相対位相の間にある時に第2ロックピン80の頭部が所定量嵌入されるように周方向に延びる第2規制溝23c(図3参照)と、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が内燃機関の始動時に対応する相対位相から後述する最大遅角位置に対応する相対位相の間にある時に第1ロックピン82の頭部が所定量嵌入されるように周方向に延びる第1規制溝26c(図7参照)とが形成されている。内部ロータ20の回転方向側(進角側)の第2規制溝23cの端部は、内部ロータ20の外周面に開口されており、また内部ロータ20の反回転方向側の端部は、内部ロータ20の外周面に開口されている。
【0023】
更に、内部ロータ20には、内部ロータ20の内孔とボルト91間に形成される通路から径方向外方に延び、内部ロータ20の外周面に開口する通路23aと、該通路23aと第2規制溝23cを連通する通路23bと、図2において左下の通路25から径方向外方に延び、内部ロータの外周面に開口する通路26aと、該通路26aと第1規制溝26cを連通する通路26bとが形成されている。尚、通路23bは、内部ロータ20の反回転方向側の第2規制溝23cの端部の底部に開口するように形成されており、通路26bは、内部ロータ20の回転方向側の第1規制溝26cの端部の底部に開口するように形成されている。また、第2規制溝23cの底部には、内部ロータ20の反回転方向側にて通路23bに連通され、周方向に延びる溝23dが形成されており、第1規制溝26cの底部には、内部ロータ20の回転方向側にて通路26bに連通され、周方向に延びる溝26dが形成されている。
【0024】
外部ロータ30は、内部ロータ20の外周に所定範囲で相対回転可能に組付けられていて、その両側にはフロントプレート40とリアプレート50が接合され、5本の連結ボルト92によって一体的に連結されている。また、外部ロータ30の内周には所定の周方向間隔で4個の突部32が径方向内方に向けて夫々突出形成されていて、これら突部32の内周面が内部ロータ20の外周面に摺接する構成で外部ロータ30が内部ロータ20に回転自在に支承されている。フロントプレート40には、第2ロックピン80と第2スプリング81を収容する第2退避孔42と、第1ロックピン82と第1スプリング83を収容する第1退避孔43とが、外部ロータ30の軸方向に形成されている。第2退避孔42は、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が後述する内燃機関の始動時に対応する相対位相から後述する最大遅角位置に対応する相対位相の間にある時に、内部ロータ20の第2規制溝23cに対向するように位置されており、第1退避孔43は、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が内燃機関の始動時に対応する相対位相から後述する最大進角位置に対応する相対位相の間にある時に、内部ロータ20の第1規制溝26cに対向するように位置されている。
【0025】
各ベーン70は、先端の断面形状が円弧形状であり、両プレート40、50間にて内部ロータ20のベーン溝21に径方向に移動可能に取り付けられていて、外部ロータ30と、外部ロータ30の各突部32と、内部ロータ20と、フロントプレート40と、リアプレート50との間に形成される流体圧室R0を進角用室R1と遅角用室R2とに二分しており、外部ロータ30に形成した突部32の周方向端面に1つのベーン70が当接することにより、当該弁開閉時期制御装置により調整される位相(内部ロータ20と外部ロータ30の所定の相対回転範囲)が制限されるようになっている。即ち、図11に示すように、図示左下のベーン70が突部32の遅角側の周方向端面に当接する(最大進角位置)ことで内部ロータ20の外部ロータ30に対する進角側への相対回転が制限され、図14に示すように図示左上のベーン70が突部32の進角側の周方向端面に当接する(最大遅角位置)ことで内部ロータ20の外部ロータ30に対する遅角側への相対回転が制限される。
【0026】
第2ロックピン80は、第2退避孔42内に軸方向へ摺動可能に組み付けられていて、第2ロックピン80と第2退避孔42の底部間に介装される第1スプリング81によって内部ロータ20の他側面に向けて付勢されている。また、第1ロックピン82は、第1退避孔43内に軸方向へ摺動可能に組み付けられていて、第1ロックピン82と第1退避孔43の底部間に介装される第2スプリング84によって内部ロータ20の他側面に向けて付勢されている。これにより、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が内燃機関の始動時に対応する相対位相から最大遅角位置にある時の相対位相の間になると、第2ロックピン80の頭部が第2規制溝23c内に嵌入し、始動時に対応する位置から最大遅角位置への内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転が許容されると共に、始動時に対応する位置から最大進角位置への内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転が規制される。また、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が内燃機関の始動時に対応する相対位相から最大進角位置にある時の相対位相の間になると、第1ロックピン82の頭部が第1規制溝26c内に嵌入し、始動時に対応する位置から最大進角位置への内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転が許容されると共に、始動時に対応する位置から最大遅角位置への内部ロータ20と外部ロータ30の相対回転が規制される。尚、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が内燃機関の始動時に対応する相対位相にある時には、第2ロックピン80が第2規制溝23cに嵌入すると共に、第1ロックピン82が第1規制溝26cに嵌入して、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が保持される。
【0027】
本実施形態においては、内部ロータ20からなる回転部材は、外部ロータ30、フロントプレート40及びリアプレート50からなる回転伝達部材に対して、トーションスプリング60により常時進角方向に付勢されている。尚、トーションスプリング60の付勢力は、内燃機関の運転中、カムシャフト10に作用する変動トルクの平均値(カムシャフト10を遅角側へ回転させるように作用する平均トルク)相当となるように設定されている。トーションスプリング60は、フロントプレート40の円筒部41と、該円筒部41に連続するように内部ロータ20の他側面に形成される環状溝内に収容されていて、一端を円筒部41の端部に形成されるフランジ部46に係止されると共に、他端を環状溝の底部に係止されている。
【0028】
また、本実施形態においては、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が内燃機関の始動時に対応する相対位相にあるときに、図示しない吸気弁の開閉時期が内燃機関の始動が可能な時期になるように設定されている。尚、本実施形態においては、この始動時に対応する相対位相の時、各ベーン70は、流体圧室R0の略中間に位置され、最大遅角位置(図14参照)から内部ロータ20が外部ロータ30に対して所定角度θだけ進角側に相対回転(図8参照)した状態にある。
【0029】
上記のように構成した本実施形態の弁開閉時期制御装置においては、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が図8乃至図10に示す内燃機関の始動時に対応する相対位相にある時に、内燃機関が始動されて内燃機関によって駆動されるオイルポンプ110から制御弁100を介して進角通路11及び遅角通路12に第1所定圧以上の作動流体が供給されるまでは、第2ロックピン80及び第1ロックピン82の各頭部が夫々第2規制溝23c及び第1規制溝26cに嵌入されている(図9及び図10参照)。
【0030】
したがって、図示しない吸気弁の駆動の際にカムシャフト10に作用する変動トルクによって内部ロータ20と外部ロータ30が相対回転することが第1及び第2ロックピン80、82によって規制されて、相対的な回転振動を発生することがなく、かかる回転振動に伴う打音(ベーン70と突部32との衝接音)の発生が防止される。
【0031】
制御弁100が非通電状態にあり、内燃機関が始動してから所定時間が経過してオイルポンプ110から制御弁100を介して遅角通路12に第1所定圧以上の作動流体が供給されると、通路25、通路26a及び通路26bを介して第1規制溝26cに作動油が供給され、第1ロックピン82がスプリング83の付勢力に抗して退避孔43内に移動し、頭部が第1規制溝26cから退避孔43内に退避する。一方、進角通路11は制御弁100を介してオイル溜め120に連通されているため、第2ロックピン80はスプリング81の付勢力により頭部が第2規制溝23cに嵌入した状態に維持される。したがって、内部ロータ20が外部ロータ30に対して始動時対応位置から最大遅角位置側に相対回転することが許容される。この状態にて、オイルポンプ110から制御弁100を介して遅角通路12に供給される作動流体の圧力が第2所定圧以上(第1所定圧<第2所定圧)になり、同作動流体が、遅角通路12から環状溝20a、通路25、27及び通路26a、26b、第1規制溝26cを通して各遅角用室R2に供給されると共に、各進角用室R1から各通路24及び第2規制溝23c、通路23b、23aと進角通路11と制御弁100等を通して作動油が排出されると、内部ロータ20と各ベーン70が外部ロータ30等に対して遅角側に相対回転し、この相対回転量(最大遅角量)は、図8に示す始動時対応位置から内部ロータ20が外部ロータ30に対して所定角度θだけ遅角側に相対回転して図14に示すように1つのベーン(図示左上のベーン)70が突部32の進角側周方向端面に当接することにより制限される。尚、この時には、図15及び図16に示すように、第2ロックピン80の頭部は第2規制溝23cに嵌入し、第1ロックピン82の頭部は第1規制溝26cに嵌入せず、内部ロータ20の他端面に摺接している。
【0032】
また、制御弁100の通電状態(ソレノイド103へ供給される電流のデューティ比を高くした)には、第2所定圧以上の作動流体が進角通路11と各通路24、23a、23b及び第2規制溝23cを通して各進角用室R1に供給されると共に、各遅角用室R2から各通路25、26a、26b、27と遅角通路12と制御弁100等を通して作動油が排出されると、内部ロータ20と各ベーン70が外部ロータ30等に対して進角側に相対回転する。この相対回転量(最大遅角量)は、図11に示すように、1つのベーン70(図示左下のベーン)が突部32の遅角側周方向端面に当接することにより制限される。尚、この時には、図12及び図13に示すように、第1退避孔43が第1規制溝26cに対向した時点でスプリング83により第1ロックピン82の頭部は第1規制溝26cに嵌入し、第2ロックピン80の頭部は第2規制溝23cに嵌入せず、内部ロータ20の他端面に摺接している。
【0033】
本実施形態においては、上記したように各ベーン70は、流体圧室R0の略中間に位置され、最大遅角位置(図14参照)から内部ロータ20が外部ロータ30に対して所定角度θだけ進角側に相対回転(図8参照)した状態にある、内部ロータ20と外部ロータ30の所定の相対位相の時に、図示しない吸気弁の開閉時期が内燃機関の始動が可能な時期になるように設定されている。そのため、この始動時対応位置からベーン70が突部32の進角側の周方向端面に当接する最大遅角位置までは内燃機関が始動可能な弁開閉時期よりも更に弁の開閉時期を遅らせることができ、内燃機関の高速回転時に、上記したように制御弁100を制御して始動時対応位置より遅角側へ位相変換し、内燃機関の始動が困難な時期まで図示しない吸気弁の閉時期を遅らせることで、吸気の慣性により体積効率が向上し、内燃機関の出力向上を図ることができる。
【0034】
内燃機関の停止時には、オイルポンプ100の駆動が停止されて流体圧室R0への作動油の供給が停止されると共に、制御弁100が非通電状態とされる。これにより、進角用室R1内の進角油圧による押圧力と遅角用室R2内の遅角油圧による押圧力がベーン70に作用しなくなり、内部ロータ20及びカムシャフト10には、カムシャフト10に作用する変動トルクによる上記した遅角方向への力(内燃機関のクランク軸が完全に停止するまでの間)のみが作用しており、停止直前の内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相に応じて停止時の内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が決まることになる。内燃機関の停止時の相対位相が、上記した始動時対応位置における相対位相となった場合には、スプリング82、84により第1及び第2ロックピン80、82の頭部が夫々第1及び第2規制溝23c、26cに嵌入し、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が保持(ロック)される。
【0035】
内燃機関の停止時の内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が、図5に示すように、始動時対応位置よりも進角側にある場合には、図6及び図7に示すように、第2ロックピン80の頭部は第2規制溝23cに嵌入せず、第1ロックピン82の頭部のみが第1規制溝26cに嵌入している。したがって、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転が、始動時対応位置と最大進角位置との間のみに規制された状態にある。この状態にて、内燃機関の始動の際に図示しないクランクシャフトがスタータに回転駆動されると、カムシャフト10に作用する変動トルクにより内部ロータ20は外部ロータ30に対して始動時対応位置と最大進角位置との間でのみ相対回転し、内部ロータ20と外部ロータ30との相対位相が始動時対応位置になった時に第2ロックピン80の頭部が第2規制溝23cに嵌入される。これにより、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が保持(ロック)される。
【0036】
また、内燃機関の停止時の内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が、図2に示すように、始動時対応位置よりも遅角側にある場合には、図3及び図4に示すように、第2ロックピン80の頭部が第2規制溝23cに嵌入し、第1ロックピン82の頭部は第1規制溝26cに嵌入していない。したがって、内部ロータ20と外部ロータ30との相対回転が、始動時対応位置と最大遅角位置との間のみに規制された状態にある。この状態にて、内燃機関の始動の際に図示しないクランクシャフトがスタータに回転駆動されると、カムシャフト10に作用する変動トルクにより内部ロータ20は外部ロータ30に対して始動時対応位置と最大遅角位置との間でのみ相対回転し、内部ロータ20と外部ロータ30との相対位相が始動時対応位置になった時に第1ロックピン82の頭部が第1規制溝26cに嵌入される。これにより、内部ロータ20と外部ロータ30の相対位相が保持(ロック)される。尚、オイルポンプ110より供給される作動流体の圧力が第1所定圧以上になるまでには内燃機関の始動後所定時間を要するため、上記したスタータによる回転駆動には第1及び第2ロックピンは各規制溝にスプリングにより嵌入される。
【0037】
よって、内燃機関の始動時には、大きな回転変動を伴うカムシャフト10、内部ロータ20及び各ベーン70等から成る回転部材と、外部ロータ30、フロントプレート40及びリアプレート50等から成る回転伝達部材の不必要な相対回転が確実に規制され、回転部材と回転伝達部材の不必要な相対回転に伴うベーン70による打音の発生を確実に防止することができる。
【0038】
次に、本発明に従った弁開閉時期制御装置の第2実施形態を図面に基づき、説明する。
【0039】
図17から図19は本発明の第2実施形態を示す図面である。本第2実施形態は、上記した第1実施形態に対して第1、第2ロックピンに供給する作動油の油圧経路が異なるだけでそれ以外の構成は同じであるため、第1実施形態と同じ構成、作用を有するものには第1実施形態の番号符号に200を付した番号符号を付し、説明を省略する。
【0040】
図17は、本発明の第2実施形態のフロントプレート240を取り除いた図面である。図17において内側ロータ220と外側ロータ230は始動時に対応する位置にそれぞれ位置しており、第1ロックピン282と、第2ロックピン280はそれぞれ第1規制溝226c、第2規制溝223cに嵌入して内側ロータ220と外側ロータ230の相対回転を規制している。
【0041】
図18は図17の18―18断面図である。
【0042】
図18において、第1退避孔243は第1ロックピン282の移動方向に大径部243aと小径部243bとを有する段付孔である。第1退避孔243の内径が変化する部分には段部が形成されている。第1退避孔243の大径部243aは第2ロックピン282の移動方向に対して段部の反インナーロータ220側に、小径部243bは第1ロックピン282の移動方向に対して段部のインナーロータ220側にそれぞれ形成されている。第1退避孔243のインナーロータ220側の底部は通路226aと通路226bとを介して通路25と連通する。
【0043】
第1ロックピン282は小径部と大径部とを有する段付形状を有する。第1ロックピンの小径部は第1退避孔243の小径部243b内を、第1ロックピン282の大径部は第1退避孔243の大径部243a内をそれぞれ摺動可能である。
【0044】
また、フロントプレート240には通路203、204が形成され、第1退避孔243の段部と連通している。
【0045】
図19は図17の19―19断面図である。
【0046】
図19において、第2退避孔242は第2ロックピン280の移動方向に大径部242aと小径部242bとを有する段付孔である。第2退避孔242の内径が変化する部分には段部が形成されている。大径部は第2ロックピン280の移動方向に対して段部の反インナーロータ220側に、小径部242bは第2ロックピン280の移動方向に対して段部のインナーロータ220側にそれぞれ形成されている。第2退避孔242のインナーロータ220側の底部は通路223aを介して通路223aと連通する。
【0047】
第2ロックピン280は小径部と大径部とを有する段付の円筒形状を有する。第2ロックピンの小径部は第2退避孔の小径部142b内を、第2ロックピンの大径部は第2退避孔の大径部142a内をそれぞれ摺動可能である。
【0048】
また、フロントプレート240には通路201、202が形成され、第2退避孔242の段部と連通している。これにより第2ロックピン280は通路23a,23bを介して第2ロックピン280の小径部に作動油が供給されるとき、遅角室R2、通路201、202を介して第2ロックピン280の段部に作動油が供給されるとき、あるいはその両方に作動油が供給されたときに第2ロックピン280はスプリングの付勢力に逆らって第2退避孔内に退避し、インナーロータ220とアウターロータ230の相対回転が許容される。
【0049】
これにより第1ロックピン282は通路25a、25bを介して第1ロックピン282の小径部に作動油が供給されるときと、遅角室R2、通路203、204を介して第1ロックピン282の段部に作動油が供給されるとき、あるいはその両方に作動油が供給されたときに第1ロックピン282はスプリングの付勢力に逆らって第1退避孔243内に退避し、インナーロータ220とアウターロータ230の相対回転を許容するように構成されている。
【0050】
以上のように、第1、第2実施形態によれば、内燃機関の始動時におけるベーン70、270と突部32、232の周方向端面との衝突による打音の発生及び内燃機関の始動不良を防止しつつ、内燃機関の高速回転域において体積効率の向上を図ることができる。
【0051】
上記実施形態においては、吸気用のカムシャフトに組付けられる弁開閉時期制御装置に本発明を実施したが、本発明は排気用のカムシャフトに組付けられる弁開閉時期制御装置にも同様に実施し得るものである。
【0052】
また、上記した第1実施形態においては、第2ロックピン80の規制解除を進角用室への作動流体で行ない、第1ロックピン82の規制解除を遅角用室への作動流体で行うようにしたが、両ロックピンの規制解除のための作動流体を進角用室及び遅角用室への通路とは異なる通路を介して供給するようにしても良い。
【0053】
【発明の効果】
以上の如く、本発明によれば、内燃機関の停止時に流体圧室への作動流体の供給が停止されると、流体圧室の流体圧によってベーンを保持できなくなり、回転部材は回転伝達部材に対して遅角方向へ回転するものの、内燃機関の始動時には第1及び第2相対回転規制手段により回転部材と回転伝達部材の相対位相がベーンが流体圧室の略中間に位置される始動時対応位置にあるときの相対位相に保持される。これにより、内燃機関の始動時にベーンが流体圧室の周方向端面に衝突して打音が発生するのを的確に防止することができる。
【0054】
また、内燃機関の始動時の弁開閉時期がベーンの始動時対応位置における回転部材と回転伝達部材の相対位相時に得られるので、最大遅角位置では始動時対応位置での相対位相時よりも更に弁の開閉時期を遅らせることができ、内燃機関の高速回転時に吸気の慣性を利用して体積効率の向上を図ることで内燃機関の出力を向上することができると共に、始動時の弁開閉時期を進角させることができ、圧縮比低下による内燃機関の始動不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従った弁開閉時期制御装置の第1実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】フロントプレート等を外した状態における図1に示す第1実施形態のロック位置よりも遅角側で内燃機関が停止した状態を示す正面図である。
【図3】図2の3−3断面図である。
【図4】図2の4−4断面図である。
【図5】フロントプレート等を外した状態における図1に示す第1実施形態のロック位置よりも進角側で内燃機関が停止した状態を示す正面図である。
【図6】図5の6−6断面図である。
【図7】図5の7−7断面図である。
【図8】フロントプレート等を外した状態における図1に示す第1実施形態のロック状態を示す正面図である。
【図9】図8の9−9断面図である。
【図10】図8の10−10断面図である。
【図11】フロントプレート等を外した状態における図1に示す第1実施形態の進角作動状態を示す正面図である。
【図12】図11の12−12断面図である。
【図13】図11の13−13断面図である。
【図14】フロントプレート等を外した状態における図1に示す第1実施形態の遅角作動状態を示す正面図である。
【図15】図14の15−15断面図である。
【図16】図14の16−16断面図である。
【図17】フロントプレート等を外した状態における第2実施形態のロック状態を示す正面図である。
【図18】図17の18−18断面図である。
【図19】図17の19−19断面図である。
【符号の説明】
10、210 カムシャフト
11、211進角通路
12、212遅角通路
20、220 内部ロータ(回転部材)
23c、223c 第2規制溝(第2相対回転規制手段)
26c、226c 第1規制溝(第1相対回転規制手段)
30、230 外部ロータ(回転伝達部材)
40、240 フロントプレート(回転伝達部材)
42、242 第2退避孔
43、243 第1退避孔
50、250 リアプレート(回転伝達部材)
70、270 ベーン
80、280 第2ロックピン(第2相対回転規制手段)
82、282 第1ロックピン(第1相対回転規制手段)
100 制御弁
110 オイルポンプ
R0 流体圧室
R1 進角用室
R2 遅角用室[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a valve opening / closing timing control device used for controlling the opening / closing timing of an intake / exhaust valve in a valve operating apparatus for an internal combustion engine.
[0002]
[Prior art]
As one of the valve opening / closing timing control devices of this type, a rotating member that rotates together with a camshaft is externally mounted so as to be relatively rotatable within a predetermined range, and rotational power from a crank sprocket or pulley of the crankshaft is transmitted to an inner peripheral portion. A rotation transmission member having a recess, a plurality of vanes provided in the rotation member, and a plurality of fluid pressure chambers formed between the recess and the rotation member and divided into an advance chamber and a retard chamber by the vane A first fluid passage for supplying and discharging fluid to the advance chamber, a second fluid passage for supplying and discharging fluid to the retard chamber, and a relative phase of the rotation member and the rotation transmission member is a predetermined phase Some include a relative phase regulating mechanism that regulates the relative phase between the rotating member and the rotation transmitting member, and are disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 1-92504 and 9-250310.
[0003]
In the valve opening / closing timing control device disclosed in each of the above publications, the working fluid is supplied to the advance chamber through the first fluid passage, and the working oil is supplied from the retard chamber through the second fluid passage. By discharging, the rotation member rotates in the advance direction to any position up to the maximum advance position where the vane contacts the circumferential end surface on the advance side of the recess with respect to the rotation transmission member, and the valve opening / closing timing advances. The rotating member is supplied to the retarding chamber through the second fluid passage and discharges the hydraulic oil from the advance chamber through the first fluid passage, so that the rotating member is moved relative to the rotation transmitting member. The valve opening / closing timing is retarded by rotating in the retarding direction to any position up to the maximum retarding position where the vane contacts the circumferential end surface on the retarding side of the recess.
[0004]
Further, in the valve opening / closing timing control device disclosed in each of the above-mentioned publications, during the operation of the internal combustion engine, a force in the retarding direction always acts on the rotating member due to the variable torque acting on the camshaft, If the supply of hydraulic oil to the fluid pressure chamber is stopped when the internal combustion engine is stopped, the vane cannot be held by the hydraulic pressure in the fluid pressure chamber, and the rotating member rotates in a retarded direction with respect to the rotation transmission member (crankshaft). Until the rotation is completely stopped), the rotation member and the rotation transmission member are stopped at a relative phase corresponding to the relative phase between the rotation member and the rotation transmission member. When the internal combustion engine is started in this state, the rotating member rotates in the retarding direction with respect to the rotation transmitting member by the force in the retarding direction, and the vane hits the circumferential end surface on the retarding side of the recess. It is the phase at the maximum retard angle position that touches. When the internal combustion engine is started in this state, the hydraulic pressure in the fluid pressure chamber rises and becomes unstable until the vane can be held by the hydraulic pressure, and the vane is caused by the fluctuation torque acting on the camshaft. In order to avoid this, the relative phase between the rotating member and the rotation transmitting member is set to the maximum retarded angle position by the relative phase restricting mechanism. Is now regulated.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the high-speed rotation region of the internal combustion engine, even if the piston starts to approach the top dead center, the intake air tends to further enter the cylinder due to inertia, so that the volume efficiency is improved by delaying the closing timing of the intake valve. It is known that the output can be improved.
[0006]
However, when the valve opening / closing timing control device disclosed in each of the above publications is used to control the opening / closing timing of the intake valve, the valve opening / closing timing at the maximum retard position is determined as described above. Since it is sometimes necessary to set the timing at which intake is possible, the volumetric efficiency cannot be improved due to the inertia of the intake by delaying the closing timing of the intake valve in the high-speed rotation range. This is because if the valve opening / closing timing at the maximum retarded position is set to a time when volumetric efficiency can be improved by the inertia of the intake air, the piston will pass the bottom dead center at the time of starting the internal combustion engine at the maximum retarded position and top dead. The intake valve is open even if it starts to reach the point, and since there is no inertia in the intake air, the intake air once sucked back flows out and is discharged, the compression ratio does not increase, and the combustion cannot be performed, and the internal combustion engine This is because it becomes difficult to start. Note that this problem is not caused by the valve opening / closing timing control device disclosed in each of the above publications, even if the valve opening / closing timing at the maximum retardation position is not set to a time at which volumetric efficiency can be improved by the inertia of intake air. Even when the valve opening / closing timing at the maximum retarded angle position is set to a timing at which intake is possible at start-up, if the closing timing of the intake valve is set after the bottom dead center of the piston, It is likely to occur in places.
[0007]
Further, when the valve opening / closing timing control device disclosed in each of the above publications is used to control the opening / closing timing of the exhaust valve, if the closing timing of the exhaust valve is similarly delayed, the overlap between the intake valve and the exhaust valve is also achieved. The period becomes longer, the internal EGR amount (exhaust gas recirculation amount) increases, and the startability of the internal combustion engine decreases.
[0008]
In order to solve these problems, the relative phase between the rotating member and the rotation transmitting member is set to an intermediate position advanced by a predetermined angle from the maximum retarded position corresponding to the valve opening / closing timing at which volumetric efficiency can be improved by inertia of intake air. Japanese Patent Laid-Open No. 9-324613 has proposed a device that is regulated by a relative phase regulating mechanism. However, in this apparatus, when the rotating member rotates in the retarding direction with respect to the rotation transmitting member as described above when the internal combustion engine is stopped, the relative phase between the rotating member and the rotation transmitting member becomes a predetermined intermediate position. Since the relative phase restriction mechanism may not be able to restrict the relative phase of the rotating member and the rotation transmitting member to a predetermined intermediate position, the internal phase engine may fail to start and the vane and the rotation at the start of the internal combustion engine may occur. It is not possible to reliably prevent the generation of hitting sound due to a collision with the circumferential end surface of the recess of the transmission member.
[0009]
Therefore, the present invention provides a valve opening / closing timing control device capable of expanding the variable control region while reliably preventing the occurrence of a hammering sound caused by a vane at the time of starting the internal combustion engine and starting failure. Let that be the issue.
[0010]
The technical means of the present invention taken in order to solve the above problems includes a rotating member that rotates together with either a crankshaft or a camshaft of an internal combustion engine, and the crankshaft that is mounted on the rotating member so as to be relatively rotatable within a predetermined range. Or a rotation transmission member that rotates together with the other of the camshaft, a vane provided in the rotation member, and an advance chamber and a retard chamber formed by the vane formed between the rotation member and the rotation transmission member. And the rotation member and the rotation transmission member are rotated relative to each other by the fluid pressure applied to the advance chamber and the retard chamber, and the rotation phase of the crankshaft is In the valve opening / closing timing control device for changing the opening / closing timing of the valve driven by the camshaft by changing the rotational phase of the camshaft, The relative rotation of the rotating member and the rotation transmitting member is approximately halfway between the maximum advance position that minimizes the volume of the retard chamber and the maximum retard position that minimizes the volume of the advance chamber. A first relative rotation restricting means for restricting relative rotation of the rotating member and the rotation transmitting member from the corresponding position at the start of the internal combustion engine where the vane is located to the maximum retarded angle position; There is provided second relative rotation restricting means for restricting relative rotation of the rotating member and the rotation transmitting member to the maximum advance position. Therefore, when one of the first relative rotation restricting means and the second relative rotation restricting means is restricted and moves to the start corresponding position, one of the maximum retard position and the maximum advance position. Restricting relative rotation of the rotating member and the rotation transmitting member to each other, and restricting the other of the first relative rotation restricting means and the second relative rotation restricting means, and holding the start relative position. It is.
[0011]
According to the above means, if the supply of the working fluid to the fluid pressure chamber is stopped when the internal combustion engine is stopped, the vane cannot be held by the fluid pressure in the fluid pressure chamber, and the rotating member is delayed with respect to the rotation transmitting member. Although rotating in the angular direction, when the internal combustion engine is started, the relative phase between the rotating member and the rotation transmitting member is at the starting corresponding position where the vane is positioned approximately in the middle of the fluid pressure chamber by the first and second relative rotation restricting means. Is held at the relative phase. As a result, it is possible to accurately prevent the vane from colliding with the circumferential end surface of the fluid pressure chamber and generating sound when starting the internal combustion engine.
[0012]
Further, since the valve opening / closing timing at the time of starting the internal combustion engine is obtained at the relative phase of the rotating member and the rotation transmitting member at the start corresponding position of the vane, the maximum retarded position is further than at the relative phase at the corresponding position at the start. The valve opening and closing timing can be delayed, and it is possible to improve the volumetric efficiency by utilizing the inertia of the intake air, and the valve opening and closing timing at the time of starting can be advanced, and the internal combustion engine due to a decrease in the compression ratio It is possible to prevent the starting failure.
[0013]
In the above-described means, the first relative rotation restricting means causes the relative rotation of the rotating member and the rotation transmitting member from the maximum advance angle position to the maximum retard angle position to be approximately in the middle of the fluid pressure chamber. The internal combustion engine where the vane is located is regulated at a start corresponding position, and the regulation is released by the fluid pressure applied to the retard chamber, and the second relative rotation regulating means is moved from the maximum retard position. The relative rotation of the rotation member and the rotation transmission member to the maximum advance angle position is restricted at the start time corresponding position, and the restriction is released by the fluid pressure applied to the advance angle chamber. can do.
[0014]
In the above-described means, the first relative rotation restricting means causes the relative rotation of the rotating member and the rotation transmitting member from the maximum advance angle position to the maximum retard angle position to be approximately in the middle of the fluid pressure chamber. The internal combustion engine where the vane is located is regulated at a start corresponding position, and the regulation is released by the fluid pressure applied to the retard chamber and the advance chamber, and the second relative rotation regulating means is The relative rotation of the rotation member and the rotation transmission member from the maximum retard angle position to the maximum advance angle position is restricted at the start corresponding position, and is applied to the advance angle chamber and the retard angle chamber. The restriction can also be released by the fluid pressure.
[0015]
In the above-described means, the first relative rotation restricting means causes the relative rotation of the rotating member and the rotation transmitting member from the maximum advance angle position to the maximum retard angle position to be approximately in the middle of the fluid pressure chamber. The internal combustion engine where the vane is located is regulated at a start corresponding position, and the regulation is released by the fluid pressure applied to the retard chamber and the advance chamber, and the second relative rotation regulating means is The relative rotation of the rotation member and the rotation transmission member from the maximum retard angle position to the maximum advance angle position is restricted at the start corresponding position, and is applied to the advance angle chamber and the retard angle chamber. The first relative rotation restricting means includes a first restricting member that is spring-biased and accommodated in one of the rotating member or the rotation transmitting member, and the rotating member or The rotation transmission member When the first restricting member is formed on the other side, the rotation member and the rotation transmission member are allowed to rotate relative to the maximum advance angle position from the start corresponding position, and the start position corresponds to the position. A first restriction groove for restricting relative rotation to the maximum retarded angle position, and the second relative rotation restriction means is accommodated by being biased by one of the rotation member and the rotation transmission member. The restriction member and the rotation member or the rotation transmission member are formed on the other and the second restriction member is fitted into the rotation member and the rotation transmission member from the start corresponding position to the maximum advance angle position. It is desirable to have a second restricting groove that restricts relative rotation and allows relative rotation from the start corresponding position to the maximum retard position.
[0016]
Furthermore, it is desirable that the above-described means further includes a biasing member that constantly biases the rotating member with a predetermined biasing force toward the advance side with respect to the rotation transmitting member.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a first embodiment of a valve timing control apparatus according to the present invention will be described with reference to the drawings.
[0018]
1 to 4, the valve opening / closing timing control device includes an
[0019]
The
[0020]
The
[0021]
The
[0022]
Further, on the other end surface side of the
[0023]
Further, the
[0024]
The
[0025]
Each
[0026]
The
[0027]
In the present embodiment, the rotating member composed of the
[0028]
In the present embodiment, when the relative phase between the
[0029]
In the valve timing control apparatus of the present embodiment configured as described above, when the relative phase between the
[0030]
Accordingly, the first and second lock pins 80 and 82 restrict relative rotation of the
[0031]
When the
[0032]
Further, when the
[0033]
In the present embodiment, as described above, each
[0034]
When the internal combustion engine is stopped, the drive of the
[0035]
As shown in FIGS. 6 and 7, when the relative phase between the
[0036]
Also, as shown in FIG. 2, when the relative phase between the
[0037]
Therefore, when the internal combustion engine is started, there is no rotation member composed of the
[0038]
Next, a second embodiment of the valve timing control device according to the present invention will be described with reference to the drawings.
[0039]
17 to 19 are drawings showing a second embodiment of the present invention. Since the second embodiment is the same as the first embodiment except for the hydraulic path of the hydraulic oil supplied to the first and second lock pins, the other configurations are the same as the first embodiment. Those having the same configuration and function are denoted by reference numerals with 200 added to the reference numerals of the first embodiment, and description thereof is omitted.
[0040]
FIG. 17 is a view in which the
[0041]
18 is a cross-sectional view taken along the line 18-18 in FIG.
[0042]
In FIG. 18, the first retraction hole 243 is a stepped hole having a large diameter part 243 a and a small diameter part 243 b in the moving direction of the first lock pin 282. A step portion is formed at a portion where the inner diameter of the first retraction hole 243 changes. The large diameter portion 243 a of the first retraction hole 243 is on the side opposite to the
[0043]
The first lock pin 282 has a stepped shape having a small diameter portion and a large diameter portion. The small diameter portion of the first lock pin can slide in the small diameter portion 243b of the first retraction hole 243, and the large diameter portion of the first lock pin 282 can slide in the large diameter portion 243a of the first retraction hole 243.
[0044]
In addition,
[0045]
19 is a cross-sectional view taken along line 19-19 in FIG.
[0046]
In FIG. 19, the second retraction hole 242 is a stepped hole having a
[0047]
The
[0048]
Further,
[0049]
As a result, when the hydraulic oil is supplied to the small diameter portion of the first lock pin 282 via the passages 25a and 25b, the first lock pin 282 passes through the retard chamber R2 and the
[0050]
As described above, according to the first and second embodiments, the generation of sound caused by the collision between the
[0051]
In the above embodiment, the present invention is applied to the valve opening / closing timing control device assembled to the intake camshaft. However, the present invention is similarly applied to the valve opening / closing timing control device assembled to the exhaust camshaft. It is possible.
[0052]
In the first embodiment described above, the restriction release of the
[0053]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when the supply of the working fluid to the fluid pressure chamber is stopped when the internal combustion engine is stopped, the vane cannot be held by the fluid pressure in the fluid pressure chamber, and the rotating member becomes the rotation transmitting member. However, when the internal combustion engine is started, the relative phase between the rotating member and the rotation transmitting member is positioned approximately in the middle of the fluid pressure chamber by the first and second relative rotation restricting means. The relative phase when in position is maintained. Thereby, it is possible to accurately prevent the vane from colliding with the circumferential end surface of the fluid pressure chamber and generating sound when starting the internal combustion engine.
[0054]
Further, since the valve opening / closing timing at the time of starting the internal combustion engine is obtained at the relative phase of the rotating member and the rotation transmitting member at the start corresponding position of the vane, the maximum retarded position is further than at the relative phase at the corresponding position at the start. The opening and closing timing of the valve can be delayed, and the output of the internal combustion engine can be improved by utilizing the inertia of the intake air at the time of high speed rotation of the internal combustion engine to improve the volume efficiency. It is possible to advance the angle, and to prevent starting failure of the internal combustion engine due to a decrease in the compression ratio.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal side view showing a first embodiment of a valve timing control apparatus according to the present invention.
2 is a front view showing a state in which the internal combustion engine has stopped on the retard side from the lock position of the first embodiment shown in FIG. 1 with the front plate and the like removed.
3 is a cross-sectional view taken along the line 3-3 in FIG.
4 is a cross-sectional view taken along line 4-4 of FIG.
5 is a front view showing a state in which the internal combustion engine has stopped on the advance side from the lock position of the first embodiment shown in FIG. 1 with the front plate and the like removed.
6 is a cross-sectional view taken along the line 6-6 in FIG.
7 is a cross-sectional view taken along the line 7-7 in FIG.
8 is a front view showing a locked state of the first embodiment shown in FIG. 1 with a front plate and the like removed. FIG.
9 is a cross-sectional view taken along line 9-9 in FIG.
10 is a cross-sectional view taken along the line 10-10 in FIG.
11 is a front view showing an advanced angle operating state of the first embodiment shown in FIG. 1 with a front plate and the like removed. FIG.
12 is a cross-sectional view taken along the line 12-12 of FIG.
13 is a cross-sectional view taken along line 13-13 of FIG.
14 is a front view showing a retarded operation state of the first embodiment shown in FIG. 1 with a front plate and the like removed. FIG.
15 is a cross-sectional view taken along the line 15-15 in FIG. 14;
16 is a cross-sectional view taken along the line 16-16 in FIG. 14;
FIG. 17 is a front view showing a locked state of the second embodiment with the front plate and the like removed.
18 is a cross-sectional view taken along line 18-18 in FIG. 17;
19 is a cross-sectional view taken along line 19-19 of FIG.
[Explanation of symbols]
10, 210 Camshaft
11, 211 advance passage
12, 212 retarded passage
20, 220 Internal rotor (rotary member)
23c, 223c second restriction groove (second relative rotation restriction means)
26c, 226c first restriction groove (first relative rotation restriction means)
30, 230 External rotor (rotation transmission member)
40, 240 Front plate (rotation transmission member)
42, 242 second retraction hole
43, 243 First retraction hole
50, 250 Rear plate (Rotation transmission member)
70, 270 Vane
80, 280 Second lock pin (second relative rotation restricting means)
82, 282 First lock pin (first relative rotation restricting means)
100 Control valve
110 Oil pump
R0 fluid pressure chamber
R1 advance angle chamber
R2 retarding chamber
Claims (5)
前記第1相対回転規制手段及び前記第2相対回転規制手段のうち一方が規制している状態で前記始動時対応位置に移動すると、前記最大遅角位置及び前記最大進角位置のうち一方への前記回転部材と前記回転伝達部材の相対回転を規制し、前記第1相対回転規制手段及び前記第2相対回転規制手段のうち他方が規制して前記始動時対応位置に保持することを特徴とする弁開閉時期制御装置。A rotating member that rotates together with one of a crankshaft or a camshaft of an internal combustion engine, a rotation transmission member that is mounted on the rotating member so as to be relatively rotatable within a predetermined range, and rotates with the other of the crankshaft or the camshaft; and the rotating member And a fluid pressure chamber formed between the rotating member and the rotation transmitting member and divided into an advance chamber and a retard chamber by the vane, and the advance chamber Further, the rotation member and the rotation transmission member are rotated relative to each other by the fluid pressure applied to the retardation chamber, and the camshaft is driven by the camshaft by changing the rotation phase of the camshaft with respect to the rotation phase of the crankshaft. In the valve opening / closing timing control device for changing the opening / closing timing of the valve, the relative rotation between the rotating member and the rotation transmitting member is set to the retard angle. A maximum advance angle position that minimizes the volume of the chamber and a maximum retard angle position that minimizes the volume of the advance angle chamber; A first relative rotation restricting means for restricting relative rotation of the rotating member and the rotation transmitting member to the retarded angle position; and a relative relationship between the rotating member and the rotation transmitting member from the start corresponding position to the maximum advanced angle position. setting a second relative rotation restricting means for restricting the rotation,
When one of the first relative rotation restricting means and the second relative rotation restricting means is regulated and moves to the corresponding position at the time of starting, it is moved to one of the maximum retard position and the maximum advance position. Relative rotation between the rotation member and the rotation transmission member is restricted, and the other of the first relative rotation restriction means and the second relative rotation restriction means is restricted and held at the start corresponding position. Valve opening / closing timing control device.
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