JP4387587B2 - ドデシルモルホリンまたはその塩およびドデシルアミンまたはその塩を含有する相乗的抗微生物組成物 - Google Patents
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Description
発明の属する技術分野
本発明は一種以上の微生物の生長(growth)を抑制(control)し、種々の製品、材料または媒体中、特に工業製品、材料および媒体中の一種以上の微生物により引き起こされる腐敗を防止するのに有用なある組成物および方法に関する。これらの製品、材料または媒体は制限されるものではないが、木材パルプ、木材チップ、挽材、接着剤、コーティング剤、動物皮革、製紙工場溶液、プロセス用水、製薬処方、化粧用および洗面用処方、土地掘削潤滑剤、石油化学品、農薬組成物、塗料、革製品、木材、金属加工液、冷却水(例えば冷却塔水)、なめし液、でんぷん、タンパク質材料、アクリルラテックス塗料エマルジョン、織物、流入水、再生水(recreational water)、廃水、低温殺菌器、レトルト調理器、およびリトグラフ用インク溶液を含む。
【0002】
本発明の組成物を導入した新規組成物および方法は、細菌類、真菌類、藻類またはそれらの混合物を含む微生物に対して予期せぬ相乗的活性を示す方法または混合物である。具体的には、本発明はa)ドデシルモルホリンまたはそれらの塩類、およびb)ドデシルアミンまたはそれらの塩類を含有する組成物の使用を対象としている。
【0003】
発明の背景
上述の製品、材料または媒体の多くは湿潤または水中処理時に、そのような分解または劣化を防止する工程を採らない限り、劣化または細菌類、真菌類、藻類またはそれらの混合物による分解を含む分解を受けやすい。
微生物による劣化または分解を抑制(control)するために、多種類の産業用殺微生物剤が用いられているが、これらの殺生物剤のあるものは悪臭を有するため実用性に疑義があったり、高価格であったり、有効性が低かったり、または貯蔵、使用または取り扱いに関して困難を生じたりする。
例えば、有機水銀化合物、有機錫化合物、および塩素化フェノールのような、普及している産業用殺微生物剤の使用は、最近では、高毒性と環境に対する悪影響に対する懸念から厳しい規制圧力の下にある。従って、販売業者は低毒性でありかつ通常使用濃度で長期間の殺生物作用を奏する能力を持つ改善された殺生物剤を求め続けている。
【0004】
従って、本発明は上述し、かつ当業者により経験された問題点、制限および不利益の一つ以上を実質的に回避する殺微生物組成物および方法を対象としている。特に、本発明の組成物は少なくとも一種の微生物、特に真菌類、細菌類、藻類またはそれらの混合物の生長を、好ましくは長期間にわたって、抑制することができる。これら組成物はまた使用するのが安全かつ経済的であるのが好ましい。本発明は、また、少なくとも一種の微生物の生長を抑制する方法を対象とする。
【0005】
発明の要約
従って、本発明の目的は、少なくとも一種の微生物、特に真菌類、細菌類、藻類またはそれらの混合物の生長を、好ましくは長期間にわたって抑制(control)することができる殺微生物組成物を提供することである。
追加の目的は、経済的に使用される、そのような組成物を提供することである。少なくとも一種の微生物の生長を抑制する方法も本発明の目的である。
【0006】
本発明は、(a)ドデシルモルホリンまたはその塩および(b)ドデシルアミンまたはその塩の混合物を含み、これら成分が少なくとも一種の微生物の生長を抑制するのに相乗的に有効な合計量で存在する、少なくとも一種の微生物の生長を抑制する組成物を提供する。この組成物は低濃度で広範囲の微生物に対して優れた殺微生物活性を呈する。この組成物はまた少なくとも一種の微生物の生長を抑制する能力を有する界面活性剤であると考えることができる。
【0007】
本発明は、また、微生物による攻撃に感受性の材料または媒体中もしくは上の少なくとも一種の微生物の生長抑制(control)方法であって、微生物を本発明の組成物と接触させるか、または本発明の組成物を微生物の攻撃を受けやすい製品内に含ませる工程を備え、その際組成物成分はこの微生物の生長を抑制(control)するのに相乗的に有効な量で存在する方法を提供する。相乗的に有効な量は処理すべき製品、材料または媒体によって変わり、個々の用途についてはこの開示に鑑み、当業者は過度の実験をすることなくごく普通に決定することができる。
【0008】
本発明は、また、(a)ドデシルモルホリンまたはその塩および(b)ドデシルアミンまたはその塩の混合物を別々に添加することを実施形態として含む。この実施形態によると、成分は、使用時に系内に存在する、(a)ドデシルモルホリンまたはその塩および(b)ドデシルアミンまたはその塩の混合物の終量が少なくとも一種の微生物の生長を抑制(control)するのに相乗的に有効な量となるように、系に個別に添加される。
【0009】
本発明の組成物は微生物の攻撃を受けやすい種々のタイプの産業製品、媒体または材料の保存に有効である。そのような製品、媒体また材料としては、限定されるものではないが、染料、ペースト、挽材、なめし革、織物、パルプ、木材チップ、なめし液、製紙工場溶液、ポリマーエマルジョン、塗料、紙その他のコーティング剤およびサイズ剤、石油化学品、金属加工液、土地掘削潤滑剤、冷却水系、製薬処方、並びに化粧用および洗面用処方が挙げられる。
【0010】
本組成物はまた種子または農産物を微生物による腐敗から保護するための農薬処方にも有効である。
【0011】
本発明のさらなる利点は、一部は以下の詳細な説明において記載し、一部は詳細な説明から明らかであるか、または本発明を実施することで知ることができるであろう。本発明の利点は特許請求の範囲に特に指摘した要素および組み合わせにより実現されかつ得られるであろう。
前述の一般的説明および以下の詳細な説明は例示であり、説明のためのものにすぎず、特許請求の範囲に記載されているように、本発明を何ら限定するものではないと了解されるべきである。
【0012】
発明の詳細な説明
本発明の方法に従えば、少なくとも一種の微生物の生長を抑制(control)または阻害(inhibit)することはそのような生長の低減(reduction)および/または防止(prevention)を含む。
さらに了解されるべきことは、少なくとも一種の微生物の生長を「抑制(control)すること」は微生物の生長を阻害(inhibit)する(すなわち、微生物の生長がないか、または実質的に生長がない)ことを含んでいてもよい、ということである。少なくとも一種の微生物の生長を「抑制(control)すること」は微生物の個体数(population)を所望のレベルに維持するおよび/または所望のレベル(検出限界未満までも、例えば個体数ゼロ)に低減することを含んでいてもよい。従って、これらのタイプの微生物による攻撃を受けやすい製品、材料または媒体はこの攻撃から保護されることが可能であり、微生物により引き起こされる腐敗その他の有害な作用を最低限にするか除去することができる。さらに、了解されるべきことは、少なくとも一種の微生物の生長を「抑制(control)」することは微生物を生物靜力学的に(biostatically)低レベルに低減および/または維持して微生物による攻撃およびその結果の腐敗その他の有害な作用が軽減されるように、例えば微生物の生長速度または微生物の攻撃速度が遅くなるかまたはなくなるようにすることをも含んでいてもよい、ということである。
【0013】
二種類の化学的殺微生物剤を組み合わせまたは混合して一つの製品にしたり、あるいは別々に添加すると、3つの結果があり得る。
1)製品中の薬品が相加的(additive)(中立の)効果を生じる;
2)製品中の薬品が拮抗的(antagonistic)効果を生じる;
3)製品中の薬品が相乗的(synergistic)効果を生じる。
相加的効果は個々の成分に対して経済的利点がない。拮抗的効果は負の効果(negative effect)を生じる。相乗効果は、相加的または拮抗的効果のいずれよりも生じにくいが、この相乗効果のみが正の効果(positive effect)を生じるため経済的に有利であると考えられる。
殺微生物剤に関する文献で周知であるように、実際に試験をする前に、二種の殺微生物剤を混合して一つの処方を作るときに相加的、拮抗的または相乗的効果のいずれが得られるかを知る公算を与える理論的方法はない。
【0014】
本発明の殺微生物組成物は(a)ドデシルモルホリンまたはその塩および(b)ドデシルアミンまたはその塩の混合物であり、個々の成分単独に比べて予期しない相乗効果を示し、従って優れた、すなわち相加的よりも大きな殺微生物活性を、好ましくは低濃度で多くの種類の微生物に対して実現する。
【0015】
ドデシルモルホリンは次式を持つ。
【化1】
ドデシルアルキル基はドデシルモルホリンおよびドデシルアミンの双方について好ましくは直鎖状である。ドデシルアミンの好ましい塩は
【化2】
ここで、ドデシルモルホリンアセテートは最も好ましい塩である。塩類の他の好適な例としては、ドデシルモルホリンのラウリン酸塩とドデシルモルホリンのネオデカン酸塩が挙げられる。同様に、ドデシルアミンの好適な塩類としてはN+H2(C12H25)(CH3COO)−またはN+H2(C12H25)(CH3CH2COO)−があり、ドデシルアミンアセテートがドデシルアミンのもっとも好適な塩である。塩類の他の好適な例としてはドデシルアミンのラウリン酸塩とドデシルアミンのネオデカン酸塩が挙げられる。
【0016】
二種以上のドデシルモルホリンまたはその塩類および/または二種以上のドデシルアミンまたはその塩類を用いて本発明の混合物または組成物を形成することができる。
【0017】
本発明の組成物により抑制(control)可能な微生物の例としては真菌類、細菌類、藻類およびそれらの混合物、例えばPseudomonas aeruginosa、Enterobacter aerogenes、Chlorella sp.、Aspergillus nigerが挙げられる。これらの生物は製品、材料または媒体の腐敗に関係するもっとも一般的な生物のうちのいくつかである。これらの生物は抑制(control)がもっとも難しいもののいくつかであり得るので、本発明の組成物はほとんどの細菌類、真菌類、藻類、またはそれらの混合物に対して有効であると考えられる。本発明の組成物は低毒性であるのが好ましい。
【0018】
本発明の組成物は、微生物を増殖が実質的に防止されている状態に保留することができる界面活性剤であるとも考えられる。
【0019】
本発明の組成物の成分は市販されており、かつ市販の原材料から容易に合成することができる。また、ドデシルモルホリンおよびその塩類の製剤は米国特許第5,250,194号公報明細書に記載されており、その内容をすべて引用によりここに導入する。
【0020】
本発明の組成物の成分は、これらの成分の製品、材料または媒体との適合性に基づいて選択することができる。適合性は流体系における溶解度および/または問題としている流体、材料または媒体との反応性の欠如のような基準により決めることができる。適合性は当業者が本発明の組成物を使用する製品、材料または媒体に添加することにより容易に決めることができる。流体系において使用するときは、本組成物はその特定の流体に自由に溶解し得、均一の溶液または分散液を生じるものであることが好ましい。
【0021】
以下の好適な実施形態の説明において、成分(a)はドデシルモルホリンまたはその塩であり、成分(b)はドデシルアミンまたはその塩である。
上述のように、成分(a)および(b)は相乗的効果量で使用される。(a)の(b)に対する重量比は本組成物が適用される微生物、製品、材料または媒体によって変わる。当業者は過度の実験をすることなく、特定の用途に対して適した重量比を容易に決定することができる。成分(a)の成分(b)に対する比は、好ましくは約1:99〜約99:1、さらに好ましくは約1:30〜約30:1、もっとも好ましくは約1:5〜約5:1である。
【0022】
一般に、有効な殺真菌、殺細菌および殺藻応答が得られるのは、相乗的組み合わせとして約0.01〜約5,000ppm、好ましくは約0.1〜約2,000ppm、もっとも好ましくは約0.1〜約1,000ppmの範囲の濃度のドデシルモルホリンまたはその塩、および約0.01〜約5,000ppm、好ましくは約0.1〜約2,000ppm、もっとも好ましくは約0.1〜1,000ppmの範囲の濃度のドデシルアミンまたはその塩を用いるときである。
【0023】
本発明に従えば、本発明の組成物は個々の用途に応じて固体、分散物、エマルジョンまたは溶液であってもよい。さらに、本組成物の成分は個別に用いてもよいし、または最初に組み合わせてから製品、材料または媒体に添加してもよい。
【0024】
本発明は、また、微生物による攻撃を受けやすい製品、材料または媒体中もしくは上の少なくとも一種の微生物の生長を抑制(control)する方法であって、製品、材料または媒体に、当該組成物の成分が相乗的有効量で存在する、本発明の組成物を添加する工程を備える方法を提供する。さらに、本発明は、微生物によって引き起こされる製品、材料または媒体の腐敗を防止する方法であって、製品、材料または媒体に、当該組成物の成分が相乗的有効量で存在する、本発明の組成物を用いる工程を備える方法を提供する。例えば、本組成物を種子または農産物、例えば綿、大麦、米、トウモロコシ、たばこ等の腐敗を防止するのに使用してもよい。
【0025】
意図する用途に応じて、本発明の組成物の適用態様および割合を変えることがある。例えば、本組成物は材料または製品上に噴霧またはブラシ掛けする装置により適用することができる。問題としている材料または製品は本組成物の適当な処方中に浸漬することにより処理することもできる。液体または液体様媒体中では、本組成物は媒体に注入することによりまたは適当な装置で計量することにより添加して本組成物の溶液または分散液が生成し得るようにすることができる。液体防腐剤として使用するときは、例えば、本組成物を水性エマルジョンとして調製してもよい。必要または所望ならば、本組成物に界面活性剤を添加してもよい。
【0026】
この特定の用途に基づいて、本組成物を有機溶媒に溶解することにより液状に調製してもよい。本発明の組成物は本組成物を水中に乳濁させ、要すれば界面活性剤を添加することにより、エマルジョン状に調製してもよい。本発明に従えば、本組成物の相乗効果に影響しない限り、殺虫剤等のような追加成分を上述の製剤に添加してもよい。使用してもよい殺虫剤としては、限定されるものではないが、ピレスリン類(pyrethrins)、ニコチン、クロルダン(chlordane)、およびパラチオン類(parathions)が挙げられる。
【0027】
上述の組み合わせの相乗的活性は以下に説明する標準的な実験室的技法を用いて確認した。以下の例は説明を意図しており、本発明を限定するものではない。
【0028】
微生物学的評価
A.真菌の評価
無機塩類−グルコース培地を使用した。この培地を調製するために、以下の成分を脱イオン水1Lに添加した:KH2PO4 0.7g、MgSO4・7H2O 0.7g、NH4NO3 1.0g、NaCl 0.005g、FeSO4・7H2O 0.002g、ZnSO4・7H2O 0.002g、MnSO4・7H2O 0.001gおよびグルコース10g。本培地のpHは1N NaOHで6に調整した。本培地を試験管に5mlの量で分配し、121℃で20分間オートクレーブした。真菌、Aspergillus niger、をポテトデキストロース寒天スラント培地上で7〜10日間生長させ、このスラント培地から滅菌生理食塩水に胞子を洗い落とすことにより胞子サスペンジョンを調製した。所望濃度の殺生物剤を上述の滅菌無機塩類−グルコース培地に添加した後、真菌胞子サスペンジョンを添加した。胞子の終濃度は約106cfu/mLであった。この接種培地を28℃で14日間培養した。
【0029】
B.細菌の評価
栄養ブロス(2.5g/Lの脱イオン水)を調製した。これを試験管に5mLの量で分配し、20分間121℃でオートクレーブした。所望の濃度で殺微生物剤を栄養ブロスに添加した後、Pseudomonas aeruginosaまたはEnterobacter aerogenes細胞の約9.3×108cfc/mLサスペンジョン100μLを添加し、37℃で24時間または48時間培養した。
【0030】
C.藻類試験
以下の成分を脱イオン水1Lに溶解することにより藻類ブロスを調製した:NaNO3 1.0g、NH4Cl 50mg、CaCl2 58mg、MgSO4 0.513g、K2HPO4 0.25g、およびFeCl3・6H2O 3.0mg。この培地をフラスコ内に50mLの量で分配し、121℃で20分間オートクレーブした。オートクレーブ後、殺微生物剤をブロスに所望濃度で添加した。ついで、Chlorella sp.の2週間培養物を1mL添加し、25〜28℃の温度で180フィート−カンデラ(ft.−candle)強度(12時間明;12時間暗)の照明で14日間培養した。
【0031】
実施例1〜3において、成分Aとして示したドデシルモルホリンまたはドデシルモルホリンアセテートおよび成分Bとして示したドデシルアミンまたはドデシルアミンアセテートを一連の試験において種々の比率でかつ一定範囲の濃度で真菌Aspergillus niger、細菌Pseudomonas aeruginosaまたはEnterobacter aerogenes、および藻類Chlorella sp.に対して上述の方法を用いて試験することにより、相乗効果を別個の実験で実証した。
生長を完全に防止する、化合物の各混合物の最低濃度は、細菌では24時間または48時間、真菌または藻類では2週間を相乗効果計算の終点とした。ついで、種々の混合物の終点を同時に調製したフラスコまたは試験管における純粋な有効成分のみの終点と比較した。
【0032】
相乗効果の実証はKull,E.C.,Eisman,P.C.,Sylwestrwicz,H.D.,and Mayer,R.L.,1961,Applied Microbiology,9:538−541に記載の方法に従った。この場合、
QA/Qa+QB/Qbは1より小であり、
Qa=単独で作用し、終点を生じた化合物Aの濃度(ppm)
Qb=単独で作用し、終点を生じた化合物Bの濃度(ppm)
QA=混合物中の、終点を生じた化合物Aの濃度(ppm)
QB=混合物中の、終点を生じた化合物Bの濃度(ppm)
QA/QaとQB/Qbの合計が1より大のときは、拮抗性が示され、この合計が1に等しいときは相加性が示される。この値の合計が1より小のときは、相乗性が存在する。
【0033】
本発明の組成物の相乗性を実証する本手順は広く用いられ認められている手順である。さらに詳細な情報はKullらの論文に示されている。本手順に関するさらなる情報は米国特許第3,231,509号公報明細書に含まれており、その開示内容をこの引用により本出願の一部とする。
【0034】
上述の基準に基づいて、ドデシルモルホリンまたはドデシルモルホリンアセテートをドデシルアミンまたはドデシルアミンアセテートと組み合わせたときの細菌類、真菌類および藻類に対する相乗的活性を観察する。相乗的結果を示す例は実施例1〜4に見られる。
【0035】
当業者には明らかなように、必要とされる相乗効果量(濃度)は個々の生物および個々の用途によって変化するが、日常的な実験によって容易に決定することができる。相乗効果量を使用すると、単独使用した場合に各寄生生物に対して必要とされるよりも、またはこれら二種の殺微生物剤から単に相加的効果しか得られない場合に必要とされるよりも、実質的により少ない量の(a)ドデシルモルホリンまたはその塩または(b)ドデシルアミンまたはその塩を使用して、所与の効果を達成することが可能になる。
【0036】
当業者には明らかなように、本発明の組成物および方法に本発明の精神または範囲から逸脱することなく種々の変更および変形を加えることが可能である。従って、本発明は特許請求の範囲の内に含まれる、本発明のこれら変更および変形およびそれらの均等物を含むものである。
【0037】
実施例1
成分A=ドデシルモルホリン
成分B=ドデシルアミン
【表1】
【0038】
実施例2
成分A=ドデシルモルホリン
成分B=ドデシルアミン
【表2】
【0039】
実施例3
成分A=ドデシルモルホリン
成分B=ドデシルアミン
【表3】
【0040】
実施例4
成分A=ドデシルモルホリンアセテート
成分B=ドデシルアミンアセテート
【表4】
注:ドデシルモルホリンアセテートとドデシルアミンアセテートの組み合わせはAspergillus nigerに対しては相乗的ではなかった。
【0041】
本発明の他の実施形態は本明細書およびそこに開示されている本発明の実施を考察することにより当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は例示にすぎず、本発明の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲に示される。
Claims (15)
- 相乗的殺微生物有効量の(a)ドデシルモルホリンと、(b)ドデシルアミンとを含む、少なくとも一種の微生物の生長(growth)を抑制する(control)組成物。
- 微生物が、細菌類、真菌類、藻類またはそれらの混合物から選択される請求項1に記載の組成物。
- 微生物が、Pseudomonas aeruginosa、Enterobacter aerogenes、Aspergillus niger、またはChlorella sp.である請求項2に記載の組成物。
- (a)の(b)に対する重量比が、1:30〜30:1である請求項1〜3のいずれか1に記載の組成物。
- (a)の(b)に対する重量比が、1:5〜5:1である請求項1〜3のいずれか1に記載の組成物。
- 濃度比が、0.01〜5,000ppmのドデシルモルホリンに対して、0.01〜5,000ppmのドデシルアミンである請求項1〜3のいずれか1に記載の組成物。
- 濃度比が、0.1〜1,000ppmのドデシルモルホリンに対して、0.1〜1,000ppmのドデシルアミンである請求項1〜3のいずれか1に記載の組成物。
- (a)ドデシルモルホリンと、(b)ドデシルアミンとの混合物を含み、(a)および(b)が少なくとも一種の微生物の生長を抑制する相乗的組み合わせ量で存在する界面活性剤。
- 微生物による攻撃に感受性の製品、材料または媒体の中もしくは表面上の少なくとも一種の微生物の生長を抑制する方法であって、該製品、材料または媒体に、請求項1〜7のいずれか1に記載の組成物を添加する工程を備える方法。
- 製品、材料または媒体が、木材パルプ、木材チップ、挽材、接着剤、コーティング剤、動物皮革、製紙工場溶液、製薬処方、化粧用処方、洗面用処方、土地掘削潤滑剤、石油化学品、塗料、革製品、木材、金属加工液、冷却塔水、なめし液、でんぷん、タンパク質材料、アクリルラテックス塗料エマルジョン、織物、流入水、再生水、廃水、低温殺菌器、レトルト調理器、リトグラフ用インク溶液、または農産物もしくは種子である請求項9に記載の方法。
- 前記添加する組成物が、固体、分散物、エマルジョン、または溶液である請求項9または10に記載の方法。
- 微生物による攻撃に感受性の製品、材料または媒体の中もしくは表面上の少なくとも一種の微生物の生長を抑制する方法であって、該製品、材料または媒体に相乗的殺微生物有効量の(a)ドデシルモルホリンと、(b)ドデシルアミンとを含む組成物を添加する工程を備え、成分(a)および(b)を個別に製品、材料または媒体に添加する方法。
- 成分(a)および(b)を組み合わせた組成物を、製品、材料または媒体に添加する請求項9〜11のいずれか1に記載の方法。
- 細菌類、真菌類、藻類またはそれらの混合物により引き起こされる、製品、材料または媒体の腐敗防止方法であって、該製品、材料または媒体に請求項1〜7のいずれか1に記載の組成物を、該腐敗を防止する相乗的有効量で添加する工程を備える方法。
- 製品、材料または媒体が、種子または農産物である請求項14に記載の方法。
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