JP4386342B2 - アルカリ分を含有する廃油の脱アルカリ方法及び設備 - Google Patents

アルカリ分を含有する廃油の脱アルカリ方法及び設備 Download PDF

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Description

本発明は、鹸化及び付加反応の少なくとも一方が行われたことによってアルカリ分を含有するにいたった廃油の脱アルカリ方法及び設備に関するものである。
現在、エチレンプラント、スチレンプラント等の化学プロセスプラントなどにおいては、不純物を除去するためなどを目的として、苛性ソーダが使用されている。したがって、これらのプロセスから排出される廃油は、鹸化又は付加反応によって、アルカリ分を含有することになる。
一方、かかる廃油は、レンガ等の耐火物で造られた焼却炉で焼却処分され、あるいはエネルギーの有効利用という観点から、ボイラ燃料等として使用される。
しかしながら、かかる廃油は、前述したようにアルカリ分を含有しているため、かかるアルカリ分が、耐火物中のシリカやアルミナなどと反応して耐火物を浸食し、あるいは、ボイラチューブ内壁に塩として付着して浸食する。したがって、かかる廃油を焼却する焼却炉や燃料とするボイラは、数年に1回、あるいはアルカリ分の含有量などによっては1年、ないし半年に1回と、頻繁に補修が必要となる。
そこで、耐火物やボイラチューブの浸食を防止すべく、アルカリ分を含有する廃油を水によって洗浄して、アルカリ分を除去する作業がなされている。しかしながら、かかる水洗浄によっては、アルカリ分の含有される反応形態にもよるが、数百〜数万ppmのアルカリ分が残存してしまい、補修サイクルが若干長くなるものの、抜本的な解決にはならない。また、耐火物やボイラチューブ内壁の組成自体を改良・開発して解決を図ることも考えられるが(例えば、特許文献1参照。)、これは直ちに実現できるものではなく、より積極的な解決が望まれ、また、初期投資があまりに莫大な額になるとの問題がある。
特開2000−281455号公報
本発明の主たる課題は、アルカリ分を含有する廃油から、完全にアルカリ分を除去(脱アルカリ)することができる、効率的な方法及び設備を提供することにある。
前記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項記載の発明〕
鹸化及び付加反応の少なくとも一方が行われたことによってアルカリ分を含有した廃油に酸水溶液を接触させて脱アルカリする方法であり、
前記接触工程を、廃油と酸水溶液とを向流接触させる工程と、廃油と酸水溶液とを混合接触させる工程と、に分け、
前記廃油は、前記向流接触工程で処理した後、更に前記混合接触工程で処理し、前記酸水溶液は、濃度5〜50質量%として前記混合接触工程で利用した後、更に前記向流接触工程で利用する、ことを特徴とするアルカリ分を含有する廃油の脱アルカリ方法。
〔請求項記載の発明〕
鹸化及び付加反応の少なくとも一方が行われたことによってアルカリ分を含有した廃油に酸水溶液を接触させて脱アルカリする方法であり、
前記接触工程を、廃油と酸水溶液とを向流接触させる工程と、廃油と酸水溶液とを混合接触させる工程と、に分け、
前記廃油は、前記混合接触工程で処理した後、更に前記向流接触工程で処理し、前記酸水溶液は、濃度5〜50質量%として前記向流接触工程で利用した後、更に前記混合接触工程で利用する、ことを特徴とするアルカリ分を含有する廃油の脱アルカリ方法。
〔請求項記載の発明〕
鹸化及び付加反応の少なくとも一方が行われたことによってアルカリ分を含有した廃油に酸水溶液を接触させる手段を有する脱アルカリ設備であり、
前記接触手段として、塔内で廃油と酸水溶液とを向流的に多段接触させる装置と、槽内で廃油と濃度5〜50質量%の酸水溶液とを混合接触させる装置と、を有し、
前記向流接触装置で処理された廃油を、前記混合接触装置へ移送する手段と、前記混合接触装置で利用した酸水溶液を、前記向流接触装置へ移送する手段と、を有する、ことを特徴とするアルカリ分を含有する廃油の脱アルカリ設備。
〔請求項記載の発明〕
鹸化及び付加反応の少なくとも一方が行われたことによってアルカリ分を含有した廃油に酸水溶液を接触させる手段を有する脱アルカリ設備であり、
前記接触手段として、塔内で廃油と濃度5〜50質量%の酸水溶液とを向流的に多段接触させる装置と、槽内で廃油と酸水溶液とを混合接触させる装置と、を有し、
前記混合接触装置で処理された廃油を、前記向流接触装置へ移送する手段と、前記向流接触装置で利用した酸水溶液を、前記混合接触装置へ移送する手段と、を有する、ことを特徴とするアルカリ分を含有する廃油の脱アルカリ設備。
本発明の方法及び装置によると、アルカリ分を含有する廃油から、完全かつ効率的にアルカリ分を除去(脱アルカリ)することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
〔定義等〕
本発明において、処理の対象となるアルカリ分を含有する廃油は、鹸化及び付加反応の少なくとも一方が行われたことによってアルカリ分を含有するにいたったものであり、その発生場所は、特に限定されない。例えば、エチレンプラント、スチレンプラント等の化学プロセスプラントや、コークス炉タール、原油分解重質油の処理などにおいて発生する廃油が処理の対象となる。
また、本明細書において、アルカリ分には、アルカリ金属及びアルカリ土類金属それぞれの鹸化物及び塩を含む。
本発明において、使用することができる酸水溶液の種類は、特に限定されず、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、廃酸等の水溶液を使用することができる。
〔第1の実施の形態〕
本実施の形態においては、まず、廃油の温度を、60〜100℃にするのが好ましく、80〜90℃にするのがより好ましい(当然、廃油の温度が以上の範囲内であればそのまま使用することができ、以上の範囲よりも低ければ加熱を、高ければ冷却をすることになる。例えば、エチレンプラントの廃油等であれば、一般に、以上の範囲よりも低いので、加熱することになる。なお、廃油の温度調節の方法は、特に限定されず、公知の方法によることができる。)。廃油の温度を60℃以上にすると油の粘度が下がるので、アルカリ分と酸水溶液とが確実に接触するようになる。したがって、中和反応が迅速に進むので、脱アルカリ効果が向上する。他方、廃油の温度を100℃以下にすると酸水溶液の気化を原因とする濃度変化が生じにくくなるので、脱アルカリ反応が安定化する。また、酸水溶液の気化を避けると、部分濃縮も避けられ圧力容器等の高価な装置が必要にならなくなるので、設備コストの増加を抑えることができるとの利点もある。
このようにして、温度を所定範囲とした廃油は、濃度5〜50質量%の酸水溶液と、接触させる。これにより、アルカリ分と酸とが反応して、アルカリ分が塩として水相側に除去される(脱アルカリ)。酸水溶液の濃度が5質量%未満であると、たとえアルカリ分を含有する油の温度を60℃以上にして粘度を下げたとしても、脱アルカリ効果がほとんど得られなくなる。これは、酸水溶液の濃度が低いと脱アルカリ反応を強く進めることが出来なくなること、酸水溶液の比重が軽くなり、廃油の比重との差が小さくなり、アルカリ分と酸水溶液との接触が不確実になること、が原因であると考えられる。他方、酸水溶液の濃度が50質量%超であると、反応してできた塩が濃くなりすぎて水相側で、固体として析出してしまうとの問題がある。また、過剰に高級耐蝕材質が必要になるとの問題や、若干油と反応してしまい、例えば、スルホン化や塩素化を起こし、油に酸分が含まれてしまうとの問題もある。これに対し、廃油の温度が60〜100℃、酸水溶液の濃度が5〜50質量%である場合は、以上のような問題が生じず、廃油と酸水溶液との接触状態を、所定時間保つ(熟成)だけで、完全な脱アルカリ効果が得られる。廃油と酸水溶液との熟成は、例えば、十分懸濁している場合は単に放置し、そうでない場合は撹拌などの処理を適宜行うとよい。
廃油と酸水溶液との接触方法は、特に限定されず、例えば、油相と水相とをエマルジョン化(油滴懸濁状態)して接触表面積を広げ、静置して、比重差により2液層分離し、それぞれを向流に流すことにより、多段構成とする、等によることができる。
コスト低減という観点からは、接触させる酸水溶液を濃度5〜20質量%、廃油の0.05〜1.2容量倍とし、かつ、接触時間を1〜5時間とするのが好ましい。接触させる酸水溶液の濃度が5〜20質量%と低濃度で、接触させる酸水溶液の量が廃油の0.05〜1.2容量倍(つまり、酸が少量であり、安価となる。)であっても、熟成時間を1〜5時間とすれば、完全な脱アルカリ効果が得られる。他方、処理効率の向上という観点からは、接触させる酸溶液を濃度20〜50質量%、廃油の0.05〜1.2容量倍とし、かつ、接触時間を10〜60分間とするのが好ましい。接触させる酸溶液の濃度を20〜50質量%、接触させる酸水溶液の量を廃油の0.05〜1.2容量倍とすれば、10〜60分間の接触時間でも完全な脱アルカリ効果が得られる(つまり、脱アルカリ効率に優れる。)。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態を、図1を参照しながら、説明する。
本実施の形態の脱アルカリ設備1においては、まず、廃油Pを、管などからなる移送路10を通して、塔内で廃油と酸水溶液とを向流的に多段接触させる装置(向流接触装置)たる充填塔2に、その底部2bから供給する。この供給に際しては、廃油Pを、熱交換器などの加熱手段9によって、60〜100℃に加熱する。本形態の加熱手段9は、管などからなる移送路11を通して供給される蒸気を熱源とするものであり、加熱手段9を通った後の廃油Pの温度を、温度指示調節計(Temperature indicator controller)13によって計測し、この計測値に基づいて流量制御弁12を開閉することにより、蒸気の流量を調節して温度調節する。
充填塔2内に供給された廃油Pは、充填塔2内を上昇し、充填塔2内を下降する酸水溶液Cと向流接触する。これにより、脱アルカリが図られる。廃油P及び酸水溶液Cの流れる方向は、廃油P及び酸水溶液Cの比重差により決定され、逆となる場合もある。
充填塔2内には、充填物3が充填されている。これにより、廃油Pと酸水溶液Cとを単に向流接触させる場合に比して、より確実な廃油Pと酸水溶液Cとの接触を期待することができる。充填物3の材質や形状などは特に限定されず、公知の充填物を使用することができる。
充填塔2の天部2aまで上昇した廃油Pは、管などからなる(向流接触装置で処理された廃油を混合接触装置へ移送する手段たる)移送路28を通して、混合接触装置たる混合槽4に供給される。混合槽4は、その内部に、モーターなどの駆動源Mによって駆動する撹拌羽根などの撹拌手段5が備えられている。この撹拌手段5の撹拌によって、廃油Pと酸水溶液Cとの混合接触がなされ、脱アルカリが図られる。
本実施の形態のように、廃油Pに酸水溶液Cを接触させる工程を、廃油Pと酸水溶液Cとを向流接触させる工程と、廃油Pと酸水溶液Cとを混合接触させる工程と、に分け、廃油を向流接触工程で処理した後、更に混合接触工程で処理するようにすると、連続的に、かつ、効率的に脱アルカリが図られる。
すなわち、まず、アルカリ分濃度が高い段階においては、脱アルカリ反応速度が速いため、酸水溶液との接触時間が短くても十分に脱アルカリ反応が進み、むしろ処理効率の観点からは、(接触)処理時間を短くすることができるためこの方が好ましいともいえる。もっとも、単に(接触)処理時間を短くするだけでは、アルカリ分と酸水溶液とが確実に接触せず、期待するほど脱アルカリ反応が進まないおそれがある。したがって、アルカリ分濃度が高い段階においては、(接触)処理時間が短くともアルカリ分と酸水溶液とが確実に接触する接触方法により、しかも(接触)処理時間を短くするのが、最も効率的であるといえる。他方、アルカリ分濃度が低くなった段階においては、脱アルカリ反応速度も遅くなるため、アルカリ分濃度が高い段階に比して、接触時間を長くするのが、効率的であるといえる。
一方、一般に、向流接触装置に存在する廃油の量と、混合接触装置に存在する廃油の量とでは、混合接触装置に存在する廃油の量の方が多くなるため、単に廃油を連続的に通し続けたとしても、必然的に混合接触処理時間の方が、向流接触処理時間よりも長くなる。したがって、廃油を向流接触装置に通した後、混合接触装置に通すようにしたのみでも、接触時間が短くて足りるアルカリ濃度が高い段階においては接触処理時間が相対的に短くなり、長い接触時間が必要とされるアルカリ濃度が低くなった段階においては接触処理時間が相対的に長くなるというように、アルカリ濃度に応じた接触時間となる。しかも、向流接触は、両液の比重差などの影響を受けにくいため、接触が完全なものとなる。以上から、本方法によると、連続的に、かつ効率的に脱アルカリ化が図られることになる。
廃油Pと混合接触させる酸水溶液Cは、本混合槽4内に、管などからなる移送路29を通して供給される。供給される酸水溶液Cは、廃油Pよりも比重が大きい方が好ましい。これは、例えば、酸水溶液Cの濃度を5〜50質量%とすることで実現される。本実施の形態においては、酸水溶液Cの濃度を20質量%としている。
混合槽4において利用された酸水溶液Cは、その比重が廃油Pよりも大きいことから、脱アルカリに利用されつつ、徐々に混合槽4の底部に集まることになる。そして、混合槽4の底部に集まった酸水溶液Cは、その底部から、管などからなる(混合接触装置で利用した酸水溶液を向流接触装置へ移送する手段としての)移送路18を通して、充填塔2に送られ、再度脱アルカリに利用される。一般に、廃油のアルカリ濃度が高い段階においては、酸水溶液の濃度が低くても脱アルカリ反応が十分に進むが、廃油のアルカリ濃度が低くなった段階においては、脱アルカリ反応を効率的に進行させるには、酸水溶液の濃度が高い方が好ましいとされる。したがって、酸水溶液Cを、混合接触装置で利用した後、向流接触装置で利用するようにすると、混合接触装置では有効に利用することができなくなった酸水溶液が向流接触装置で有効利用されることになるので、結果として、酸水溶液の使用量が減少する。
移送路18は、後述する移送路15や移送路17に接続することもできるが、本実施の形態のように、充填塔2の底部2bに接続するのが好ましい。移送路15や移送路17に接続すると、酸水溶液Cが逆流して、円滑に充填塔2に送られなくなる可能性があるためである。
充填塔2に、その底部2bから供給された酸水溶液Cは、いったん底部2bから、管などからなる移送路15を通して排出された後、管などからなる移送路17を通して充填塔2に、その天部2aから供給される。天部2aから充填塔2内に供給された酸水溶液Cは、充填塔2内を下降しつつ、廃油Pを脱アルカリする。充填塔2の底部2bまで下降した酸水溶液Cは、再度塔外に排出され、移送路15及び移送路17を介して、充填塔2内に、その天部2aから供給され、以後、同様の循環を繰り返す。この酸水溶液Cの循環は、循環ポンプ16によってなされる。
ただし、移送路17を通る酸溶液Cの一部は、充填塔2に戻されず、管などからなる移送路24を通して抜き出されて中和槽7に供給される。この中和槽7には、管などからなる移送路14を通して、苛性ソーダが供給される。この苛性ソーダと酸水溶液Cとは、モーターなどの駆動源Mによって駆動する撹拌羽根などの撹拌手段8によって撹拌されて、中和が図られる。
酸水溶液Cの中和を確実に図るためには、種々の方法が考えられるが、本実施の形態では、以下のようにシステム化されている。
すなわち、まず、中和槽7にpH指示調節計(pH indicator controller)26を備えているとともに、移送路14に流量指示調節計(flow indicating controller)25を備えている。そして、pH指示調節計26及び流量指示調節計25で計測した計測値に基づいて、移送路14の途中に備わる流量制御弁27を開閉し、苛性ソーダの量を調節する。これにより、苛性ソーダの過不足が生じることがなくなり、酸水溶液Cの中和が確実に図られる。
中和された中和槽7内の液は、ポンプ23によって、管などからなる移送路22を通して抜き出され、河川や海などに放流される。
一方、前述した混合槽4内の、脱アルカリされた廃油P及び酸水溶液C(の一部)は、混合槽4の上側部側壁に接続された管などからなる移送路30を通して、分離手段たるセトラー6(静置分離槽)に送られる。
セトラー6に送られた脱アルカリ廃油P´は、セトラー6の上側部側壁に接続された管などからなる移送路21を通して、回収される。他方、セトラー6に送られ、その底部に集まった酸水溶液Cは、管などからなる移送路19を通して、前述した移送路18中の酸水溶液Cに混入される。なお、本実施形態においては、セトラー6の底部にバルブ20が備えられており、酸水溶液Cの抜き出しが、断続的に行われるようになっている。
〔第3の実施の形態〕
以上、第2の実施の形態では、「接触工程を、廃油と酸水溶液とを向流接触させる工程と、廃油と酸水溶液とを混合接触させる工程と、に分け、廃油は、向流接触工程で処理した後、更に前記混合接触工程で処理し、酸水溶液は、混合接触工程で利用した後、更に前記向流接触工程で利用する」ようにした。この形態によると、酸水溶液は、濃度が低くなりアルカリとの接触が生じにくくなった段階において、アルカリ濃度が高い廃油と、しかも向流接触することになるので、未反応のまま接触工程を通り抜けてしまうことがなくなる。したがって、酸の消費が確実になり、コストの点で優れたものとなる。
もっとも、コストよりも確実なアルカリ除去を重視したい場合は、「接触工程を、廃油と酸水溶液とを向流接触させる工程と、廃油と酸水溶液とを混合接触させる工程と、に分けつつも、廃油及び酸水溶液の流れを以上とは逆に、つまり、廃油は、混合接触工程で処理した後、向流接触工程で処理し、酸水溶液は、向流接触工程で利用した後、混合接触工程で利用するようにするのが好ましい。この第3の実施の形態によると、廃油は、濃度が低くなり酸との接触が生じにくくなった段階において、濃度が高い酸水溶液と、しかも向流接触することになるので、未反応のまま接触工程を通り抜けてしまうことや、逆混合することがなくなる。したがって、廃油中のアルカリ分が確実に除去される。
〔その他〕
廃油と酸水溶液とを接触する形態については、以上のほか、撹拌槽、セトラー、撹拌槽、セトラーの順に、接触が行われるようにすることもできる。この方法は、脱アルカリが確実になるとの利点を有するが、設備が過大になるとの難点も有する。
エチレンプラントで発生した廃油(アルカリ分を含有)100Lを、所定温度まで加熱した後、同容量の硫酸水溶液を混合接触させて、所定時間熟成させることにより、脱アルカリした。この際、廃油の温度、硫酸水溶液の濃度、熟成時間を変化させて、各条件が脱アルカリ効果に与える影響を調べた。結果を、表1及び図2〜4に示した。
Figure 0004386342
図2から、油を60℃以上に加熱すると、効果的に脱アルカリされることがわかる。また、図3から、酸溶液の濃度を5質量%以上にすると、急に脱アルカリ効果が大きくなること、濃度が高くなるに比例して脱アルカリ効果も大きくなること、がわかる。さらに、図4から、脱アルカリ反応速度は、最初は著しく速いものの途中からは遅くなること、酸溶液の濃度が5質量%であると完全な脱アルカリまで4〜5時間かかると推定されるのに対し、酸溶液の濃度が30質量%であると完全な脱アルカリまで30〜40分間で足りること、がわかる。
脱アルカリ設備の設備フロー図である。 アルカリ分を含有する油の温度と脱アルカリ効果(アルカリ残存率〔質量%〕)との関係を示すグラフである。 酸溶液の濃度と脱アルカリ効果(アルカリ残存率〔質量%〕)との関係を示すグラフである。 熟成時間と脱アルカリ効果(アルカリ残存率〔質量%〕)との関係を示すグラフである。
1…脱アルカリ設備、2…充填塔(向流接触装置)、4…混合槽(混合接触装置)、6…セトラー、7…中和槽、9…加熱手段、18,28…移送路(移送手段)、C…酸水溶液、P…廃油、P´…脱アルカリ廃油。

Claims (4)

  1. 鹸化及び付加反応の少なくとも一方が行われたことによってアルカリ分を含有した廃油に酸水溶液を接触させて脱アルカリする方法であり、
    前記接触工程を、廃油と酸水溶液とを向流接触させる工程と、廃油と酸水溶液とを混合接触させる工程と、に分け、
    前記廃油は、前記向流接触工程で処理した後、更に前記混合接触工程で処理し、前記酸水溶液は、濃度5〜50質量%として前記混合接触工程で利用した後、更に前記向流接触工程で利用する、ことを特徴とするアルカリ分を含有する廃油の脱アルカリ方法。
  2. 鹸化及び付加反応の少なくとも一方が行われたことによってアルカリ分を含有した廃油に酸水溶液を接触させて脱アルカリする方法であり、
    前記接触工程を、廃油と酸水溶液とを向流接触させる工程と、廃油と酸水溶液とを混合接触させる工程と、に分け、
    前記廃油は、前記混合接触工程で処理した後、更に前記向流接触工程で処理し、前記酸水溶液は、濃度5〜50質量%として前記向流接触工程で利用した後、更に前記混合接触工程で利用する、ことを特徴とするアルカリ分を含有する廃油の脱アルカリ方法。
  3. 鹸化及び付加反応の少なくとも一方が行われたことによってアルカリ分を含有した廃油に酸水溶液を接触させる手段を有する脱アルカリ設備であり、
    前記接触手段として、塔内で廃油と酸水溶液とを向流的に多段接触させる装置と、槽内で廃油と濃度5〜50質量%の酸水溶液とを混合接触させる装置と、を有し、
    前記向流接触装置で処理された廃油を、前記混合接触装置へ移送する手段と、前記混合接触装置で利用した酸水溶液を、前記向流接触装置へ移送する手段と、を有する、ことを特徴とするアルカリ分を含有する廃油の脱アルカリ設備。
  4. 鹸化及び付加反応の少なくとも一方が行われたことによってアルカリ分を含有した廃油に酸水溶液を接触させる手段を有する脱アルカリ設備であり、
    前記接触手段として、塔内で廃油と濃度5〜50質量%の酸水溶液とを向流的に多段接触させる装置と、槽内で廃油と酸水溶液とを混合接触させる装置と、を有し、
    前記混合接触装置で処理された廃油を、前記向流接触装置へ移送する手段と、前記向流接触装置で利用した酸水溶液を、前記混合接触装置へ移送する手段と、を有する、ことを特徴とするアルカリ分を含有する廃油の脱アルカリ設備。
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