JP4386319B2

JP4386319B2 - OCR paper

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Publication number: JP4386319B2
Application number: JP2000373603A
Authority: JP
Inventors: 芳弥塩崎; 達也中村; 健司田中
Original assignee: 紀州製紙株式会社
Priority date: 2000-12-07
Filing date: 2000-12-07
Publication date: 2009-12-16
Anticipated expiration: 2020-12-07
Also published as: JP2002172851A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば高速インクジェット方式のプリンタなどに好適なＯＣＲ用紙に係り、特に、耐水性が良好で、且つ、印字濃度が高いＯＣＲ用紙に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ＯＣＲ（ＯｐｔｉｃａｌＣｈａｒａｃｔｅｒＲｅａｄｅｒ）システムは、帳票（ＯＣＲ用紙）に印刷、手書き等で記された情報を、光を当てたときの反射光の差異によって読み取るというシステムである。帳票（ＯＣＲ用紙）に書き込まれた情報を人の手を介さずに直接入力できるＯＣＲシステムは、入力精度、速度、コスト等の面から、非常に優れた入力システムである。
【０００３】
このようなＯＣＲシステムに使用されるＯＣＲ用紙には、他の用途に使用される用紙と比べて高い品質が要求され、特に、読み取りに関する（ミスリードの起きない）適性、搬送適性、印刷・加工適性などが重要とされている。
【０００４】
具体的には、ミスリードを防ぐためには、高い白色度及び不透明度、紙面の光沢・凹凸の調整、夾雑物の排除、用紙の伸縮率の抑制などが必要である。また、装置内搬送時のトラブルを防ぐためには、適度な摩擦係数及び剛度、引裂強さ、カール及び静電気の防止などが必要である。さらに、印刷・加工時には、平滑度、表面強度、含有水分、電気抵抗値など、より多くの要素について規格値内であることが求められる。
【０００５】
従来、ＯＣＲ帳票（用紙）への印字は、一般的に乾式電子写真方式のプリンタなどが使用されてきたが、最近では乾式電子写真方式に代わる印字方式として、輪転式の高速インクジェットプリンタが注目されている。このような輪転式の高速インクジェットプリンタは、巻取紙に直接印字するため大量の情報処理が可能であり、また、ランニングコストも安いため、各種保険の申込用紙、公共料金等の通知用紙、各種通信販売の申し込み用紙などの印字に用いられる。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような高速インクジェット方式のプリンタに使用されるインクは非常に水分が多いため、従来のＯＣＲ用紙を用いると画像・印字が滲んでしまう上、インク（黒）の印字（発色）濃度が低く、ＯＣＲ読み取り機で文字を読み取るときに誤認識をする可能性があった。
【０００７】
また、これらの問題点を考慮してインクジェット専用紙のように塗工層を設けたＯＣＲ用紙を使用した場合、画像・印字の滲みは防ぐことができるが、印字濃度の問題は依然として解決されない。
仮に、これらを改良した塗工層を有するＯＣＲ用紙を用いようとすると、コスト高となり、高速インクジェット記録方式のプリンタを導入する長所に欠ける。
【０００８】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、インクジェット方式のプリンタで印字を行った場合にも、充分な印字濃度が得られ、且つ、印字後に印字部が濡れてもインクが滲んだり溶出したりせず、印字内容が損なわれないＯＣＲ用紙を提供するものである。
【０００９】
この発明の他の目的は、高速インクジェット方式のプリンタでバーコードなどの印刷を行った場合に、印字ドットが適度に拡がって鮮明なバーが得られることにより、誤認識が生じないＯＣＲ用紙を提供するものである。
【００１０】
この発明の他の目的は、ＯＣＲ用紙に一般的に求められる、ミスリードが起きないなどの読み取りに関する適性、搬送適性、印刷・加工適性などの適性を充たしたＯＣＲ用紙を提供するものである。
【００１１】
この発明のさらに他の目的乃至作用効果については、以下の明細書の記載に基づいて当業者であれば容易に理解されるであろう。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明のＯＣＲ用紙は、インクジェット方式のプリンタを用いた印字システムに供されるＯＣＲ用紙において、紙基材の両面に、多価金属塩類とカチオン性樹脂と水溶性バインダとを含む混合物を付着させたものである。
【００１３】
このような構成によれば、多価金属塩類によりインク染料が用紙表層部に定着され、且つ、カチオン性樹脂によりインク染料が耐水化されることにより、良好な印字濃度と耐水性を持った普通紙タイプのＯＣＲ用紙が得られる。また、水溶性バインダを使用することにより、より強い耐水性が得られ、更に、用紙の表面強度も向上する。本発明のＯＣＲ用紙は耐水性が非常に良好であり、印字後に多湿な環境下に置かれたり水に濡れるなどのトラブルが生じても、インクが滲んだり溶出したりせず、印字内容が損なわれない。
【００１４】
多価金属塩類を使用することにより用紙表層部へのインク定着性が向上することの理由については未だ明らかではないが、多価金属塩類とインキ染料が錯体を形成するからであろうと推定されている。
【００１５】
カチオン性樹脂を使用することにより耐水性が向上するのは、アニオン性であるインク染料がカチオン性樹脂に電荷的に捕捉されるためである。
【００１６】
本発明の好ましい実施の形態においては、ステキヒトサイズ度が、紙基材自体のステキヒトサイズ度よりも５乃至１０秒低いものであってもよい。
【００１７】
このような構成によれば、混合物が付着した用紙表層部が、紙基材自体よりもステキヒトサイズ度が低いため、インクが用紙表層部に留まることにより均一で発色濃度の高いドットが形成され、これにより良好な印字濃度が得られる。
【００１８】
ここで、ステキヒトサイズ度とは、ＪＩＳＰ８１２２による紙の耐水度を表す数値である。具体的には、温度２３℃、湿度５０％ＲＨの条件下で、４周を同一面側に折った試験片を２０℃の２％のチオシアン酸アンモニウム溶液上に浮かべ、同時に２０℃の１％の塩化第二鉄溶液を試験片に１滴滴下し、３個の赤点の斑点が現れるまでの秒数である。ステキヒトサイズ度は、使用するパルプの種類、紙の坪量、添加する薬品等により変動し、呈色までの時間が長い（ステキヒトサイズ度が高い）ほど、その紙の耐水性は高いことになる。
【００１９】
本発明の構成により、良好な印字濃度と耐水性が得られることについての定量的な実証は未だ行われていないが、以下の作用で良好なドットが得られると考えられる。
【００２０】
高速インクジェット記録方式のプリンタに使用される水溶性インクは、アニオン性の染料が５乃至６重量％含まれており、その他の構成成分の大部分が水分である。この水溶性インクは、単にステキヒトサイズ度が低いだけの紙の場合、紙の層方向に染料とともに吸収分散され、印字濃度が低下し、印字内容がぼやけてしまう。
【００２１】
一方、本発明の構成によれば、水溶性インクの染料部分のみをカチオン性樹脂と多価金属塩類で定着し、濃度を向上させると共に耐水性を付与することができ、ある程度の紙面方向の水分の浸透性を保持しつつ、残りの水分をＯＣＲ用紙の層方向に吸収させることができる。また、水溶性バインダを適当量配合することにより、カチオン性樹脂の作用を阻害せずに表面強度を向上することができ、インクの剥落を防止することができる。このようにそれぞれの要素の相互作用により、適度な拡がりを持った均一なドットが得られるものと考えられる。
【００２２】
本発明の好ましい実施の形態においては、坪量が８０ｇ／ｍ²乃至９０ｇ／ｍ²であり、且つＪＩＳＰ８１２２による紙基材のステキヒトサイズ度が１５乃至３０秒、混合物付着後の用紙のステキヒトサイズ度が１０秒乃至２５秒であってもよい。
【００２３】
このような構成によれば、用紙の坪量に対して適切なステキヒトサイズ度を規定することにより、用紙表層部と内部のインクの染み込み（ひいてはドットの拡がり）を調整することができ、印字濃度とドット再現性が良好なＯＣＲ用紙を得ることができる。
【００２４】
ここで、ドット再現性とは、プリンタごとに予め設定されているインク一滴当たりのドット径と、実際に用紙に印字されたときのインク一滴当たりのドット系との誤差を示しており、ドット再現性が良好であるということは、設計されたドット径と実際のドット径との誤差が少ないことである。
【００２５】
得られたドット径が設計値より小さいと、印字内容中のインクの占める割合（以下、印字面積という）が減少し、結果的に印字濃度が低くなる。特にバーコード印刷においては、印字面積が小さくなると一本の線を形成する二列のドットの間に隙間が生じてしまい、ＯＣＲ読み取り機による読み取り時に誤認識が生じることがある。逆に、得られたドット径が設計値より大きいと、ドットが滲み線の幅が正確に表現されず、これも読み取り時に誤認識が生じる原因となる。
【００２６】
本発明の他の好ましい実施の形態においては、坪量が１００ｇ／ｍ²乃至１１０ｇ／ｍ²であり、且つＪＩＳＰ８１２２による紙基材のステキヒトサイズ度が５０乃至７０秒、混合物付着後の用紙のステキヒトサイズ度が４０秒乃至６５秒であってもよい。
【００２７】
このような構成によれば、用紙の坪量に対して適切なステキヒトサイズ度を規定することにより、用紙表層部と内部のインクの染み込み（ひいてはドットの拡がり）を調整することができ、印字濃度とドット再現性が良好なＯＣＲ用紙を得ることができる。特に、バーコードなどの精度を要求されるものを印刷した際にも、設計通りの線幅で印字を行うことができ、誤認識を生じさせない良好な印刷ができる。
【００２８】
本発明の好ましい実施の形態においては、多価金属塩類が水溶性のアルカリ土類金属塩であってもよい。
【００２９】
このような構成によれば、水溶性のアルカリ土類金属塩はインク染料と錯体を形成しやすいため、用紙表層部へのインクの定着性が向上する。
【００３０】
本発明の好ましい実施の形態においては、カチオン性樹脂がポリアミンエピクロロヒドリン変性体であってもよい。
【００３１】
このような構成によれば、インク染料が用紙表層部により留まりやすくなるため印字濃度が更に向上し、また耐水性も向上する。
【００３２】
本発明の好ましい実施の形態においては、水溶性バインダがポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールであってもよい。
【００３３】
このような構成によれば、印字後にインクがより溶出しにくくなり、水濡れなどのトラブルが生じた場合でも、印字内容が損なわれず、また、少量の添加で充分な表面強度が得られる。
【００３４】
本発明の他の好ましい実施の形態においては、水溶性バインダが鹸化度９８％以上のポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールであってもよい。
【００３５】
このような構成によれば、印字後にインクが更に溶出しにくくなり、水濡れなどのトラブルが生じた場合でも、印字内容が損なわれず、また、少量の添加で充分な表面強度が得られる。
【００３６】
本発明の他の好ましい実施の形態においては、カチオン性樹脂が下記の構造式で表される化合物であってもよい。
【化１】

（ｌは５乃至１０００、好ましくは８乃至５０）
【００３７】
このような構成によれば、この化合物はカチオン性が高いため、用紙表層部に留まるインク染料の割合が増え、印字濃度が高くなり、耐水性も向上する。
【００３８】
本発明の他の好ましい実施の形態においては、カチオン性樹脂が下記の構造式で表される化合物であってもよい。
【化２】

（式中Ｒ１は炭素数１〜１８のアルキル基又はベンジル基、Ｒ３は、炭素数６〜１８のアルキル基又はベンジル基を示す。Ｘ⁻はハロゲンイオン、硫酸イオン、アルキルあるいはアリールスルホン酸イオン、酢酸イオン等の陰イオンを示す。ｍ及びｎは重合度を示す正数であり、ｍ：ｎ＝１：１〜１：５０である。）
【００３９】
このような構成によれば、この化合物はカチオン性が非常に高く、また、水溶性バインダとの相溶性もよいため、良好な印字濃度と耐水性が得られる。
【００４０】
本発明の好ましい実施の形態においては、多価金属塩類の紙表面への付着量が、両面で固形分で０．５ｇ／ｍ²乃至１．５ｇ／ｍ²であってもよい。
【００４１】
このような構成によれば、多価金属塩類の使用量が適切であるため、過剰や不足による悪影響を生じさせることなく、良好な耐水性、表面強度などの効果が得られる。
【００４２】
本発明の好ましい実施の形態においては、カチオン性樹脂の紙表面への付着量が、両面で固形分で２ｇ／ｍ²乃至４ｇ／ｍ²であってもよい。
【００４３】
このような構成によれば、カチオン性樹脂の使用量が適切であるため、過剰や不足による悪影響を生じさせることなく、良好な耐水性、印字濃度などの効果が得られる。
【００４４】
本発明の好ましい実施の形態においては、水溶性バインダの紙表面への付着量が、両面で固形分で１ｇ／ｍ²乃至２ｇ／ｍ²であってもよい。
【００４５】
このような構成によれば、水溶性バインダの使用量が適切であるため、過剰や不足による悪影響を生じさせることなく、良好な耐水性、インク乾燥性などの効果が得られる。
【００４６】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の一形態を、詳細に説明する。
【００４７】
先に述べたように、本発明のＯＣＲ用紙は、印字濃度、耐水性などの良好なものであり、特に、印字濃度に最も寄与するのは、ステキヒトサイズ度である。
【００４８】
紙基材のステキヒトサイズ度は、パルプの叩解度や内添サイズ剤、その他の添加物などによって調整することが可能であり、その調整方法については特に定めない。
【００４９】
ステキヒトサイズ度は、原料パルプの叩解度、用紙表面に付着させる化合物の種類と量、他の添加剤などによっても影響を受けるが、内添サイズ剤を適量加えることによって所定のステキヒトサイズ度が容易に調整することができる。
【００５０】
本発明において使用する内添サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、石油樹脂系サイズ剤など、公知のサイズ剤を一種または二種以上使用することができるが、好ましくは中性ロジン系エマルジョンまたはロジン系エマルジョンが使用される。
【００５１】
本発明においては、ＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度が紙基材自体のステキヒトサイズ度よりも５乃至１０秒低いことが好ましい。ステキヒトサイズ度の差が５秒より低いと、所定の効果が得られない。逆にステキヒトサイズ度の差が１０秒より高いと、得られるドットは均一であるが、滲んで拡がってしまう。
【００５２】
坪量８０ｇ／ｍ²乃至９０ｇ／ｍ²のＯＣＲ用紙では、紙基材自体のステキヒトサイズ度が１５乃至３０秒、混合物付着後のステキヒトサイズ度が１０乃至２５秒の範囲となるように調整する。より好ましくは、紙基材自体のステキヒトサイズ度が２０乃至２５秒、混合物付着後のステキヒトサイズ度が１５至２０秒である。
【００５３】
ＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度が１０秒より低いと、インクが用紙の層方向に吸収されすぎて印字濃度が低くなる上に、ドットが拡がりすぎるためバーコードなどの高い精度が要求される印刷には適さない。逆にステキヒトサイズ度が２５秒より高いと、記録用紙の層方向に水溶性インクが浸透しずらくなるために印字濃度が上がるが、記録用紙表面で水溶性インクの乾燥性が低下する上にドットが小さくなりすぎるため、こちらもバーコードなどの高い精度が要求される印刷には適さない。
【００５４】
坪量１００ｇ／ｍ²乃至１１０ｇ／ｍ²のＯＣＲ用紙では、紙基材自体のステキヒトサイズ度が５０乃至７０秒、混合物付着後のステキヒトサイズ度が４０乃至６５秒の範囲となるように調整する。より好ましくは、紙基材自体のステキヒトサイズ度が６５乃至７０秒、混合物付着後のステキヒトサイズ度が５５至６０秒である。
【００５５】
ＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度が４０秒より低いと、インクが用紙の層方向に吸収されすぎて印字濃度が低くなる上に、ドットが拡がりすぎるためバーコードなどの高い精度が要求される印刷には適さない。逆にステキヒトサイズ度が６５秒より高いと、記録用紙の層方向に水溶性インクが浸透しずらくなるために印字濃度が上がるが、記録用紙表面で水溶性インクの乾燥性が低下する上にドットが小さくなりすぎるため、こちらもバーコードなどの高い精度が要求される印刷には適さない。
【００５６】
本発明では、高速インクジェット記録方式のプリンタにおけるインクの紙表面への定着及び耐水性を向上させるため、多価金属塩類を使用する。本発明において多価金属塩類は、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の多価金属類の、塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩等を、一種または二種以上使用することができるが、好ましくは、塩化マグネシウム等の水溶性アルカリ土類金属塩である。
【００５７】
多価金属塩類は、水溶性インキ中の染料との錯体形成を促進しているものと考えられる。更に、導電性の高い多価金属塩類を使用すれば、乾式電子写真記録方式においてトナー定着性に大きな影響を及ぼす電気抵抗を調整することも可能となり、本発明によるＯＣＲ用紙の利用範囲がさらに拡がる。
【００５８】
多価金属塩類は、ＯＣＲ用紙の両面当たり固形分で、０．５ｇ／ｍ²乃至１．５ｇ／ｍ²付着することが望ましい。付着量が０．５ｇ／ｍ²より少ないと、充分な耐水性が得られず、印字部が水に濡れた場合にインクの溶出、滲み等が生じ印字内容が損なわれる。逆に、付着量が１．５ｇ／ｍ²より多いと、ＯＣＲ用紙自体の吸湿性が高くなり用紙の表面強度が低下し、印刷を行う際に用紙表面が剥ける等の問題が生じる。
【００５９】
本発明では、高速インクジェット記録方式におけるインクの耐水化剤としてカチオン性樹脂を使用する。本発明において使用するカチオン性樹脂としては、エピハロヒドリンと各種アミンとの反応により得られる、４級アンモニウム塩を含有したポリアミンが望ましい。好ましくはジメチルアミン、エチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、トリエタノールアミン等の一種または二種以上のアミンと、エピクロロヒドリンとの反応により得られるポリアミンが使用される。
【００６０】
カチオン性樹脂の好ましい一例として、エピクロロヒドリン、ジメチルアミン及びエチレンジアミンを共重合させて、末端基にジメチルアミン基を導入した共重合物の構造を以下に示す。
【００６１】
【化１】

（ｌは５乃至１０００、好ましくは８乃至５０）
上記構造式で示される化合物は、末端基にジメチルアミン基を導入したことによりカチオン性が上昇しており、良好な印字濃度と耐水性が得られる。
【００６２】
更に、上記に示されるカチオン性樹脂の耐水性の能力を更に向上させると共に、水溶性バインダとの相溶性を向上させた共重合物の構造を以下に示す。
【００６３】
【化２】

（式中Ｒ１は炭素数１〜１８のアルキル基又はベンジル基、Ｒ３は、炭素数６〜１８のアルキル基又はベンジル基を示す。Ｘ⁻はハロゲンイオン、硫酸イオン、アルキルあるいはアリールスルホン酸イオン、酢酸イオン等の陰イオンを示す。ｍ及びｎは重合度を示す正数であり、ｍ：ｎ＝１：１〜１：５０である。）
ここで、アルキル基は直鎖状又は分鎖状のいずれでもよい。
【００６４】
上記構造式で示される化合物は、導入基（Ｒ１、Ｒ２、Ｒ３）の立体的特性により水溶性バインダとの相溶性が向上しており、サイズプレス液の調整が簡易となる。相溶性が向上する理由としては、上記のような構造によるとカチオン分子が水溶性バインダに接近するのに時間がかかり、ショックを起こしがたいとからだと考えられる。また、この化合物は、カチオン密度を下げ疎水性の高分子にすることにより耐水性を向上させる上に、紙のべとつきの減少などにも効果を上げる。
【００６５】
カチオン性樹脂は、ＯＣＲ用紙の両面当たり固形分で、２ｇ／ｍ²乃至４ｇ／ｍ²付着させるように配合することが望ましい。付着量が２ｇ／ｍ²より少ないと、インク定着性や耐水性が悪くなり、印字部が水に濡れた場合にインクの溶出、滲み等が生じ印字内容が損なわれる。逆に、付着量が４ｇ／ｍ²より多いと、水溶性バインダとの相溶性が悪くなり、この場合もインク定着性及び耐水性が悪くなる。
【００６６】
本発明では、ＯＣＲ用紙の表面強度や耐水性の向上のため、水溶性バインダを紙表面に塗工する。本発明において水溶性バインダは、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、澱粉、酸化澱粉、カルボキシメチルセルロースなど、公知のものを一種または二種以上使用することができるが、耐水性や表面強度への寄与の点からポリビニルアルコール又は変性ポリビニルアルコールが好ましく、その中でも特に鹸化度が９８％以上の耐水性の高いものが最も好ましい。
【００６７】
水溶性バインダは、ＯＣＲ用紙両面当たり固形分で、１ｇ／ｍ²乃至２ｇ／ｍ²付着させることが望ましい。付着量が１ｇ／ｍ²より少ないと、インク耐水性が低下し、印字部が水に濡れた場合にインクの剥落が発生し印字内容が損なわれる上に、用紙の表面強度も低下し、罫線等をオフセット印刷で行う場合、紙粉が発生し印刷の際に使用される湿し水を汚す原因の一つになる。湿し水が汚れると、印刷機を停止して交換しなければならず、印刷効率の低下を引き起こす。また逆に、付着量が２ｇ／ｍ²より高くなると、インクの乾燥性が悪くなり、さらに、カチオン性樹脂の作用を阻害するためインク耐水性も悪くなる。
【００６８】
本発明においては、水溶性バインダと多価金属塩類とカチオン性樹脂とを含む混合物を紙基材表面に付着させることによって所定の効果が得られるものであり、これらの成分を単独で使用しても充分な効果は得られない。また、これらの物質を併用するときに、汚れを生じたり凝集したりしないように、個々の化合物やその組み合わせを十分に考慮する必要がある。
【００６９】
本発明で得られるＯＣＲ用紙は、紙基材表面に付着する混合物の種類及び配合量を調整することにより、高速インクジェット適性及びオフセット印刷適性ばかりでなく、従来のＮＩＰ（ＮｏｎＩｍｐａｃｔＰｒｉｎｔｅｒ）適性も付与することが可能である。
【００７０】
本発明においてＯＣＲ用紙の紙基材の原料となるパルプは、公知の木材パルプ及び非木材パルプを一種または二種以上使用することができる。木材パルプとしては、例えば、化学パルプのＮ−ＢＫＰ、Ｌ−ＢＫＰ、ＳＣＰ等、機械パルプのＧＰ、ＣＧＰ、ＲＧＰ、ＴＭＰ等、脱墨パルプ、再生パルプ、工程で発生する損紙を離解したパルプなどを使用することができる。また、非木材パルプとしては、例えば、ケナフ、竹パルプなどを使用することができる。
【００７１】
これらのパルプは、任意の組み合わせで使用することができるが、プリンタの搬送工程において用紙のカールの発生を抑制するためには、Ｌ−ＢＫＰの比率を上げることが望ましい。また、用紙に夾雑物が混入することにより読み取り工程で誤認識が生じないように、ゴミなどの夾雑物、異物等は十分に除去する必要がある。
【００７２】
本発明において填料は、公知のものを一種または二種以上使用することができるが、白色度の点から、クレー、タルク、けいそう土、焼成カオリン及び酸化チタン等の白色顔料が好ましく、水溶性インクの吸収性から、タルク、焼成カオリンがより好ましい。また、ＯＣＲ用紙の不透明度を向上させるために、酸化チタンを添加することも有効である。
【００７３】
この他に、必要に応じて一般の抄紙に使用される、歩留まり向上剤、消泡剤などの各種薬品、さらに、紙を任意の色に染色するための染料などを適宜使用してもよい。
【００７４】
本発明において、紙基材表面に混合物を付着させる方法としては、サイズプレス、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ゲートロールコーターなど、公知のあらゆる塗工方法を使用することが可能であるが、コスト面からオンマシンのサイズプレスで塗工することが望ましい。
【００７５】
本発明によるＯＣＲ用紙は、輪転式高速インクジェットプリンタにおける使用適性を考慮したものであるが、その他の公知のプリンタで印刷を行うことも、もちろん可能である。
【００７６】
【実施例】
以下、実施例をあげて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもちろんこれらに限定されるものではない。
【００７７】
〈実施例１〉
パルプ原料として、Ｌ−ＢＫＰ（フリーネス４７０ｍｌ）７０重量％、Ｎ−ＢＫＰ（フリーネス４５０ｍｌ）１５重量％、古紙パルプ１５重量％をゴミなどの夾雑物を充分に除去して使用する。このパルプ原料に、内添サイズ剤としてロジンエマルジョン（商品名：サイズパインＮ−７７１、荒川化学工業社製）０．１重量％、填料として焼成カオリン（商品名：アルファテックス、ＥＣＣインターナショナル社製）２．５重量％及びタルク（商品名：ＥＺタルク、勝光山工業社製）４．５重量％、黄色系染料、硫酸バンド、アルミン酸ソーダ、紙力増強剤としてカチオン化澱粉（商品名：アミロファックス００、ＡＶＥＢＥ社製）を混合して紙匹を形成する。尚、上記使用量は全て対パルプ重量％である。得られた紙基材のステキヒトサイズ度は２１秒であった。この紙基材に、サイズプレス工程で、カチオン性樹脂（商品名：ＷＳＣ−１７３、明成化学工業社製）、ポリビニルアルコール（商品名：ゴーセノールＮ−３００、日本合成化学社製）、塩化マグネシウムを所定の割合で混合した溶液を、各々固形分換算で両面当たり、３．０ｇ／ｍ²、１．５ｇ／ｍ²、１．０ｇ／ｍ²となるように塗工する。こうして得られたＯＣＲ用紙は、ステキヒトサイズ度１８秒、坪量８８ｇ／ｍ²であった。
【００７８】
〈実施例２〉
坪量を１０８ｇ／ｍ²とする以外は、実施例１と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は５４秒であった。
【００７９】
〈比較例１〉
ロジンエマルジョンの配合量を低下させる以外は、実施例１と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は３秒であった。
【００８０】
〈比較例２〉
ロジンエマルジョンの配合量を増加させる以外は、実施例１と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は４０秒であった。
【００８１】
〈比較例３〉
ロジンエマルジョンの配合量を低下させる以外は、実施例２と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は３０秒であった。
【００８２】
〈比較例４〉
ロジンエマルジョンの配合量を増加させる以外は、実施例２と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は７５秒であった。
【００８３】
〈比較例５〉
サイズプレス工程で塗工する溶液を酸化澱粉とし、固形分換算で両面当たり３．０ｇ／ｍ²付着するようにした以外は、実施例１と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は３９秒であった。
【００８４】
〈比較例６〉
サイズプレス工程で塗工する溶液を酸化澱粉とカチオン性樹脂の混合溶液とし、各々固形分換算で両面当たり３．０ｇ／ｍ²、１．０ｇ／ｍ²付着するようにした以外は、実施例１と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は３７秒であった。
【００８５】
〈比較例７〉
サイズプレス工程で塗工する溶液を酸化澱粉とカチオン性樹脂の混合溶液とし、各々固形分換算で両面当たり３．０ｇ／ｍ²、２．０ｇ／ｍ²付着するようにした以外は、実施例１と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は３２秒であった。
【００８６】
〈比較例８〉
サイズプレス工程で塗工する溶液を酸化澱粉とカチオン性樹脂の混合溶液とし、各々固形分換算で両面当たり３．０ｇ／ｍ²、３．０ｇ／ｍ²付着するようにした以外は、実施例１と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は３３秒であった。
【００８７】
〈比較例９〉
サイズプレス工程で塗工する溶液をポリビニルアルコールとカチオン性樹脂の混合溶液とし、各々固形分換算で両面当たり１．５ｇ／ｍ²、３．０ｇ／ｍ²付着するようにした以外は、実施例１と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は１７秒であった。
【００８８】
〈比較例１０〉
サイズプレス工程で塗工する溶液をポリビニルアルコールとカチオン性樹脂の混合溶液とし、各々固形分換算で両面当たり０．５ｇ／ｍ²、３．０ｇ／ｍ²付着するようにした以外は、実施例１と同様に実施した。得られたＯＣＲ用紙のステキヒトサイズ度は２２秒であった。
【００８９】
（１）高速インクジェット記録方式プリンタにおける適性評価
高速インクジェット記録方式における各種適性については、上記各実施例及び比較例で得られたＯＣＲ用紙に、高速インクジェット方式のプリンタで黒インクを使用して、１５０ｍ／ｍｉｎの処理速度で印字を行った場合の、［１］印字濃度（ＰＣＳ値）、［２］インク乾燥性、［３］インク耐水性、［４］インクの滲み、［５］インクの裏抜け、について以下の方法で試験・評価した。尚、プリンタはＳｃｉｔｅｘ６２４０プリンタ（サイテックス社製）、インクはサイテックス１００７黒インク、サイテックス１０４０黒インク、サイテックス１０３６黒インク（全てサイテックス社製）の３種のインクを使用した。
【００９０】
［１］印字濃度（ＰＣＳ値）
記録用紙に印字された文字の印字濃度は、ＰＣＭ−II（マクベス社製）を用いて測定した。測定波長はＡフィルタ５４０ｎｍ、Ｂフィルタ９５０ｎｍ、Ｃフィルタ８２０ｎｍ、Ｄフィルタ９１０ｎｍ、Ｅフィルタ６３３ｎｍである。測定により得られた値はＰＣＳ（ＰｒｉｎｔＣｏｎｔｒａｓｔＳｉｇｎａｌ）値であり、このＰＣＳ値は以下の式で表される。
ＰＣＳ値＝Ｒ_Ｌ−Ｒ_０／Ｒ_Ｌ
Ｒ_Ｌ：用紙自体の反射率、Ｒ_０：印字部の反射率
また、印字濃度の判定は目視で行い、相対比較して濃度の濃い順に○、△、×の３段階で評価した。
【００９１】
［２］インク乾燥性
インク乾燥性は、印字したＯＣＲ用紙の非印字部へのインクの転移汚れの有無を目視で観察して評価した。評価は、◎、○、△、×、の４段階で行い、それぞれ、◎：転移汚れなし、○：わずかに転移汚れあり（実用上問題なし）、△：多少の転移汚れあり、×：転移汚れあり、とした。
【００９２】
［３］インク耐水性
インク耐水性は、印字したＯＣＲ用紙を静水に１分間浸漬したときのインクの滲みだしの有無を、目視で観察して評価した。評価は、◎、○、△、×、の４段階で行い、それぞれ、◎：インクの滲み出しなし、○：わずかにインクの滲み出しあり（実用上問題なし）、△：多少のインクの滲み出しあり、×：インクの滲み出しあり、とした。
また、浸漬前後の印字部分のＰＣＳ値も測定した。
【００９３】
［４］インクの滲み
インクの滲みは、ＯＣＲ用紙に印字を行った直後の文字の状態について、文字太り、フェザーリングの有無を目視で観察することにより評価した。評価は、◎、○、△、×、の４段階で行い、それぞれ、◎：良好（フェザーリングなし）、○：わずかにある（実用上問題なし）、△：多少発生、×：不良、とした。
【００９４】
［５］インクの裏抜け
インクの裏抜けは、ＯＣＲ用紙のベタ印字部の裏側に、インクが滲み出しているか否かを目視で観察することにより評価した。評価は、○、×、の２段階で行い、それぞれ、○：良好、×：不良とした。
【００９５】
（２）オフセット印刷方式における適性評価
ＯＣＲ用紙を一般のフォーム印刷機において、通常の柄で１５０００ｍ印刷した後、目視で印刷機のロール汚れ及び湿し水の汚れを評価した。評価は、○、△、×、の３段階で行い、それぞれ、○：良好、△：多少汚れを発生、×：不良とした。
【００９６】
Ｓｃｉｔｅｘ６２４０プリンタでサイテックス１０４０黒インクを用いてバーコード印刷を行い、該用紙を静水に浸漬して耐水性評価を行ったときの、浸漬前後のドットの拡大写真が、図１に示されている。
【００９７】
図１（ａ）と図１（ｂ）には、印字部のドットの拡大写真が示されている。図１（ａ）に示された実施例１の用紙上のドットは均一で濃度が高いのに対して、図１（ｂ）に示された比較例５の用紙上のドットは、不均一でドット間の隙間が大きくなっている。
【００９８】
図１（ｄ）と図１（ｅ）には、用紙を静水に一分間浸漬した後の印字部のドットの拡大写真が示されている。図１（ｄ）に示された実施例１の用紙上のドットは、浸漬する前と比べてほとんど変化が見られないのに対して、図１（ｅ）に示された比較例５の用紙上のドットは、明らかに印字濃度が低くなっている。
【００９９】
尚、図１において、図１（ｃ）、及び、図１（ｆ）は、同図（ａ）、（ｂ）、（ｄ）、（ｅ）、のドットの大きさを示すためのフィルムゲージである。
【０１００】
Ｓｃｉｔｅｘ６２４０プリンタでサイテックス１０４０黒インクを用いてバーコード印刷を行い、該用紙上に水滴を滴下したときの、バーコード部の拡大写真が、図２に示されている。
【０１０１】
図２（ａ）と図２（ｂ）には、バーコード上に水滴を滴下したときの拡大写真が示されており、図２（ｃ）と図２（ｄ）には、バーコード部のみをさらに拡大した写真が示されている。実施例１の用紙では、多少の滲みは見られるものの、印字濃度の低下は実用上問題ない程度となっているのに対して、比較例５の用紙では、明らかにインクが溶出している。
【０１０２】
高速インクジェット方式のプリンタで印字を行った場合の印字濃度の試験結果を表１に示す。
【０１０３】
【表１】

【０１０４】
実施例１のＯＣＲ用紙は、インクによる差異はあるものの従来品とほぼ同じ組成の比較例５のＯＣＲ用紙と比べて、字濃度が高いことは、表１から明らかである。
【０１０５】
ＯＣＲ読み取り機でバーコードを読み取る場合には、６００乃至７００ｎｍの領域でＰＣＳ値が０．８５以上であることが要求されるが、この範囲内である６３３ｎｍでの測定において、実施例１のＯＣＲ用紙は３種のインク全てでこの基準を満たしている。
【０１０６】
高速インクジェットプリンタで印字後のＯＣＲ用紙について、静水に浸漬する前後の印字部分のＰＣＳ値を表２に示す。尚、使用インクはサイテックス１０４０黒インクである。
【０１０７】
【表２】

【０１０８】
実施例１のＯＣＲ用紙は水に浸漬した後もＰＣＳ値が高く、また、浸漬前後でＰＣＳ値がほとんど変わらず、比較例５のＯＣＲ用紙と比べてインク耐水性及びインク定着性が優れていることは、表２より明らかである。
【０１０９】
高速インクジェットプリンタで印字後のＯＣＲ用紙について、インク乾燥性、インクの滲み、インクの裏抜けについての試験結果を表３に示す。
【０１１０】
【表３】

【０１１１】
実施例１及び２のＯＣＲ用紙は、ステキヒトサイズ度が適切な値であるため、インク乾燥性、インクの滲み、インクの裏抜け全ての項目について、良好な結果が得られたことが表３より明らかである。
【０１１２】
高速インクジェット方式のプリンタで印字を行った場合の、印字濃度（目視評価）、インクの滲み、インクの耐水性、インクの乾燥性、及びこれらを総合的に評価したときの高速インクジェットプリンタでの印刷適性の総合評価、及びオフセット印刷適性の評価結果をについて、表４に示す。
【０１１３】
【表４】

表４より明らかなように、水溶性バインダとしてポリビニルアルコールを使用し、さらに多価金属塩類を加えた実施例１のＯＣＲ用紙は、比較例５乃至１０により得られたＯＣＲ用紙と比べて総合的に優れており、特に耐水性、乾燥性については顕著な差異が認められる。
【０１１４】
また、比較例１０の結果より、水溶性バインダであるポリビニルアルコールの使用量が１．０ｇ／ｍ²より少なくなると、インクの耐水性が低下してオフセット印刷適性が不良となることがわかる。
【０１１５】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明のＯＣＲ用紙によれば、高速インクジェット方式のプリンタで印字を行った場合でも良好な印字濃度が得られ、また、印字後に水濡れなどのトラブルが生じた場合でも、印字内容が滲んだり溶出したりせず印字内容が損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【図１】耐水性評価試験結果を示す図（その１）である。
【図２】耐水性評価試験結果を示す図（その２）である。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present invention relates to an OCR paper suitable for, for example, a high-speed ink jet printer, and more particularly to an OCR paper having good water resistance and high print density.
[0002]
[Prior art]
  The OCR (Optical Character Reader) system is a system that reads information printed on a form (OCR paper) by handwriting or the like based on a difference in reflected light when light is applied. An OCR system that can directly input information written on a form (OCR paper) without human intervention is an excellent input system in terms of input accuracy, speed, cost, and the like.
[0003]
  OCR paper used in such an OCR system is required to have higher quality than paper used for other purposes, and in particular, it is suitable for reading (no misreading), suitable for conveyance, and suitable for printing and processing. It is considered important.
[0004]
  Specifically, in order to prevent misleading, high whiteness and opacity, adjustment of gloss / concaveness on the paper surface, elimination of impurities, suppression of the expansion / contraction rate of the paper, and the like are necessary. In addition, in order to prevent troubles during conveyance in the apparatus, it is necessary to prevent moderate friction coefficient and stiffness, tear strength, curling and static electricity. Furthermore, at the time of printing / processing, it is required that more elements such as smoothness, surface strength, moisture content, and electrical resistance value are within the standard values.
[0005]
  Conventionally, a dry electrophotographic printer or the like has been generally used for printing on OCR forms (paper), but recently, a rotary high-speed inkjet printer has attracted attention as an alternative to the dry electrophotographic method. ing. These rotary high-speed ink jet printers can print a large amount of information directly on the web, and the running costs are low, so various insurance application forms, notification forms for utility charges, etc., and various mail-order sales Used for printing application forms.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
  However, since the ink used in such a high-speed ink jet printer is very moist, using conventional OCR paper blurs the image / print, and the ink (black) printing (coloring) density is high. Low, there was a possibility of erroneous recognition when reading characters with an OCR reader.
[0007]
  In consideration of these problems, when an OCR paper provided with a coating layer such as an ink jet special paper is used, bleeding of images and prints can be prevented, but the problem of print density still cannot be solved.
  If an OCR paper having an improved coating layer is used, the cost becomes high, and the advantages of introducing a high-speed inkjet recording printer are lacking.
[0008]
  The present invention has been made paying attention to the above-mentioned problems. The object of the present invention is to obtain a sufficient print density even when printing is performed with an ink jet printer, and after printing. It is an object of the present invention to provide an OCR paper that does not impair or elute ink even when the printing part is wet, and that does not impair the printed contents.
[0009]
  Another object of the present invention is to provide an OCR paper that does not cause misrecognition by printing a bar code or the like with a high-speed ink jet printer to obtain a clear bar by appropriately spreading print dots. To do.
[0010]
  Another object of the present invention is to provide an OCR paper satisfying aptitudes such as aptitude for reading, such as misreading, which is generally required for OCR paper, conveyance aptitude, printing / processing aptitude, and the like.
[0011]
  Still other objects and effects of the present invention will be easily understood by those skilled in the art based on the description of the following specification.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
  In order to achieve the above object, the OCR paper of the present invention is an OCR paper used in a printing system using an ink jet printer, and a polyvalent metal salt, a cationic resin, A mixture containing a binder is attached.
[0013]
  According to such a configuration, the ink dye is fixed on the surface layer of the paper by the polyvalent metal salt, and the ink dye is water-resistant by the cationic resin, so that the normal print having good print density and water resistance is obtained. Paper type OCR paper is obtained. Moreover, by using a water-soluble binder, stronger water resistance can be obtained, and the surface strength of the paper is also improved. The OCR paper of the present invention has very good water resistance, and even if troubles such as being placed in a humid environment or getting wet with water occur after printing, the ink does not bleed or elute, and the printed content is impaired. I can't.
[0014]
  The reason why the ink fixing property on the paper surface layer is improved by using the polyvalent metal salt is not yet clear, but it is estimated that the polyvalent metal salt and the ink dye form a complex. Yes.
[0015]
  The reason why the water resistance is improved by using a cationic resin is that an anionic ink dye is charged by the cationic resin in a chargeable manner.
[0016]
  In a preferred embodiment of the present invention, the Steecht sizing degree may be 5 to 10 seconds lower than that of the paper substrate itself.
[0017]
  According to such a configuration, the paper surface layer portion to which the mixture is adhered has a lower degree of steech sizing than the paper base material itself, so that the ink stays on the paper surface layer portion, thereby forming uniform and high color density dots. As a result, a good print density can be obtained.
[0018]
  Here, the Steecht sizing degree is a numerical value representing the water resistance of paper according to JIS P 8122. Specifically, under the conditions of a temperature of 23 ° C. and a humidity of 50% RH, a test piece that was folded four times on the same side was floated on a 2% ammonium thiocyanate solution at 20 ° C., and at the same time 1% at 20 ° C. This is the number of seconds until one drop of the ferric chloride solution is dropped on the test piece and three red spots appear. Steecht sizing varies depending on the type of pulp used, the basis weight of the paper, the chemicals added, etc., and the longer the time to color (the higher the steak sizing), the higher the water resistance of the paper. become.
[0019]
  Although quantitative verification has not yet been made that a good print density and water resistance can be obtained by the configuration of the present invention, it is considered that a good dot can be obtained by the following operation.
[0020]
  The water-soluble ink used in the high-speed ink jet recording type printer contains 5 to 6% by weight of an anionic dye, and most of the other components are moisture. When the water-soluble ink is a paper having a low degree of steecht size, the water-soluble ink is absorbed and dispersed together with the dye in the paper layer direction, the print density is lowered, and the print content is blurred.
[0021]
  On the other hand, according to the configuration of the present invention, only the dye portion of the water-soluble ink is fixed with the cationic resin and the polyvalent metal salt, the concentration can be improved and the water resistance can be imparted, and a certain amount of moisture in the paper direction can be obtained. The remaining moisture can be absorbed in the layer direction of the OCR paper while maintaining the permeability. Further, by blending an appropriate amount of a water-soluble binder, the surface strength can be improved without inhibiting the action of the cationic resin, and the ink can be prevented from peeling off. Thus, it is considered that uniform dots having an appropriate spread can be obtained by the interaction of the respective elements.
[0022]
  In a preferred embodiment of the present invention, the basis weight is 80 g / m.²~ 90g / m²Further, the sizing degree of the paper substrate according to JIS P 8122 may be 15 to 30 seconds, and the sizing degree of the paper after adhering the mixture may be 10 to 25 seconds.
[0023]
  According to such a configuration, it is possible to adjust the permeation of the ink on the surface of the paper and the inside of the paper (and the spread of the dots) by specifying an appropriate degree of sizing for the basis weight of the paper. An OCR paper having good density and dot reproducibility can be obtained.
[0024]
  Here, dot reproducibility indicates the error between the dot diameter per ink drop preset for each printer and the dot system per ink drop when actually printed on paper. The good property means that there is little error between the designed dot diameter and the actual dot diameter.
[0025]
  If the obtained dot diameter is smaller than the design value, the proportion of ink in the print content (hereinafter referred to as print area) decreases, resulting in a low print density. In particular, in bar code printing, when the printing area is reduced, a gap is generated between two rows of dots forming a single line, and erroneous recognition may occur during reading by an OCR reader. On the contrary, if the obtained dot diameter is larger than the design value, the width of the bleeding line is not accurately expressed in the dot, which also causes erroneous recognition at the time of reading.
[0026]
  In another preferred embodiment of the present invention, the basis weight is 100 g / m.²To 110 g / m²Further, the sizing degree of the paper base according to JIS P 8122 may be 50 to 70 seconds, and the sizing degree of the paper after adhering the mixture may be 40 to 65 seconds.
[0027]
  According to such a configuration, it is possible to adjust the permeation of the ink on the surface of the paper and the inside of the paper (and the spread of the dots) by specifying an appropriate degree of sizing for the basis weight of the paper. An OCR paper having good density and dot reproducibility can be obtained. In particular, even when a barcode or the like that requires high accuracy is printed, printing can be performed with a designed line width, and good printing that does not cause erroneous recognition can be performed.
[0028]
  In a preferred embodiment of the present invention, the polyvalent metal salt may be a water-soluble alkaline earth metal salt.
[0029]
  According to such a configuration, since the water-soluble alkaline earth metal salt easily forms a complex with the ink dye, the fixability of the ink on the paper surface layer is improved.
[0030]
  In a preferred embodiment of the present invention, the cationic resin may be a polyamine epichlorohydrin modified product.
[0031]
  According to such a configuration, the ink dye is more likely to stay on the paper surface layer portion, so that the print density is further improved and the water resistance is also improved.
[0032]
  In a preferred embodiment of the present invention, the water-soluble binder may be polyvinyl alcohol or modified polyvinyl alcohol.
[0033]
  According to such a configuration, the ink is less likely to elute after printing, and even when trouble such as water wetting occurs, the printed content is not impaired, and sufficient surface strength can be obtained with a small amount of addition.
[0034]
  In another preferred embodiment of the present invention, the water-soluble binder may be polyvinyl alcohol or modified polyvinyl alcohol having a saponification degree of 98% or more.
[0035]
  According to such a configuration, the ink is more difficult to elute after printing, and even when trouble such as water wetting occurs, the printed content is not impaired, and sufficient surface strength can be obtained with a small amount of addition.
[0036]
  In another preferred embodiment of the present invention, the cationic resin may be a compound represented by the following structural formula.
[Chemical 1]

(L is 5 to 1000, preferably 8 to 50)
[0037]
According to such a configuration, since this compound is highly cationic, the ratio of the ink dye remaining on the paper surface layer is increased, the printing density is increased, and the water resistance is improved.
[0038]
In another preferred embodiment of the present invention, the cationic resin may be a compound represented by the following structural formula.
[Chemical formula 2]

(Wherein R1 represents an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms or a benzyl group, and R3 represents an alkyl group having 6 to 18 carbon atoms or a benzyl group. X⁻Represents anions such as halogen ions, sulfate ions, alkyl or aryl sulfonate ions, acetate ions and the like. m and n are positive numbers indicating the degree of polymerization, and m: n = 1: 1 to 1:50. )
[0039]
  According to such a configuration, this compound has a very high cationic property and good compatibility with a water-soluble binder, so that good printing density and water resistance can be obtained.
[0040]
  In a preferred embodiment of the present invention, the amount of polyvalent metal salts attached to the paper surface is 0.5 g / m in terms of solid content on both sides.²To 1.5g / m²It may be.
[0041]
  According to such a configuration, since the amount of polyvalent metal salt used is appropriate, effects such as good water resistance and surface strength can be obtained without causing adverse effects due to excess or deficiency.
[0042]
  In a preferred embodiment of the present invention, the adhesion amount of the cationic resin to the paper surface is 2 g / m in terms of solid content on both sides.²To 4g / m²It may be.
[0043]
  According to such a configuration, since the amount of the cationic resin used is appropriate, effects such as good water resistance and printing density can be obtained without causing adverse effects due to excess or deficiency.
[0044]
  In a preferred embodiment of the present invention, the amount of water-soluble binder attached to the paper surface is 1 g / m in terms of solid content on both sides.²To 2g / m²It may be.
[0045]
  According to such a configuration, since the amount of the water-soluble binder used is appropriate, effects such as good water resistance and ink drying properties can be obtained without causing adverse effects due to excess or deficiency.
[0046]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  Hereinafter, a preferred embodiment of the present invention will be described in detail.
[0047]
  As described above, the OCR paper of the present invention has good print density, water resistance, and the like. In particular, the most significant contribution to the print density is the Steecht sizing degree.
[0048]
  The degree of sizing of the paper substrate can be adjusted by the beating degree of the pulp, the internally added sizing agent, other additives, etc., and the adjustment method is not particularly defined.
[0049]
  Steak human sizing is also affected by the beating degree of raw pulp, the type and amount of compounds attached to the paper surface, and other additives, but by adding an appropriate amount of internal sizing agent, Can be easily adjusted.
[0050]
  As the internal sizing agent used in the present invention, one or more known sizing agents such as rosin sizing agent, alkenyl succinic anhydride, alkyl ketene dimer, petroleum resin sizing agent can be used, A neutral rosin emulsion or a rosin emulsion is preferably used.
[0051]
  In the present invention, it is preferred that the OCR paper has a sizing degree that is 5 to 10 seconds lower than that of the paper substrate itself. If the difference in the degree of sizing is less than 5 seconds, the predetermined effect cannot be obtained. On the other hand, if the difference in the degree of squeecht size is higher than 10 seconds, the obtained dots are uniform, but spread and spread.
[0052]
  Basis weight 80g / m²~ 90g / m²In the OCR paper, the paper substrate itself is adjusted to have a sizing degree of 15 to 30 seconds and a sizing degree after adhering to the mixture in a range of 10 to 25 seconds. More preferably, the paper substrate itself has a sizing degree of 20 to 25 seconds, and the sizing degree after adhering the mixture is 15 to 20 seconds.
[0053]
  If the OCR paper's Steecht size is lower than 10 seconds, the ink is absorbed too much in the paper layer direction and the print density becomes low, and the dots are spread too much, so printing that requires high accuracy such as barcodes is required. Is not suitable. Conversely, if the Steecht sizing degree is higher than 25 seconds, the water-soluble ink does not easily permeate in the layer direction of the recording paper and the print density increases, but the drying property of the water-soluble ink on the surface of the recording paper decreases. Since the dots are too small, they are also not suitable for printing that requires high accuracy such as barcodes.
[0054]
  Basis weight 100g / m²To 110 g / m²In the case of the OCR paper, the paper substrate itself is adjusted so that the sizing degree is 50 to 70 seconds and the sizing degree after adhering the mixture is in the range of 40 to 65 seconds. More preferably, the paper substrate itself has a sizing degree of 65 to 70 seconds, and the sizing degree after adhering to the mixture is 55 to 60 seconds.
[0055]
  If the OCR paper's Steecht size is lower than 40 seconds, the ink will be absorbed too much in the paper layer direction and the print density will be low, and the dots will spread too much, so printing that requires high accuracy such as barcodes will be required. Is not suitable. Conversely, if the Steecht sizing degree is higher than 65 seconds, the water-soluble ink does not easily permeate in the layer direction of the recording paper and the print density increases. However, the drying property of the water-soluble ink on the surface of the recording paper decreases. Since the dots are too small, they are also not suitable for printing that requires high accuracy such as barcodes.
[0056]
  In the present invention, polyvalent metal salts are used in order to improve the fixing of the ink to the paper surface and the water resistance in the printer of the high-speed ink jet recording system. In the present invention, the polyvalent metal salt may be one or more of hydrochloride, sulfate, acetate, etc. of polyvalent metals such as aluminum, calcium, magnesium, barium, etc. Water-soluble alkaline earth metal salt such as magnesium chloride.
[0057]
  The polyvalent metal salts are considered to promote the complex formation with the dye in the water-soluble ink. Furthermore, if polyvalent metal salts having high conductivity are used, it is possible to adjust the electric resistance that has a great influence on the toner fixing property in the dry electrophotographic recording method, and the range of use of the OCR paper according to the present invention is further expanded. .
[0058]
  Multivalent metal salts are 0.5 g / m in solid content on both sides of OCR paper.²To 1.5g / m²It is desirable to adhere. Adhering amount is 0.5g / m²If it is less, sufficient water resistance cannot be obtained, and when the printing part gets wet with water, elution or bleeding of the ink occurs and the printed content is impaired. Conversely, the adhesion amount is 1.5 g / m²If it is more, the moisture absorption property of the OCR paper itself is increased, the surface strength of the paper is lowered, and problems such as peeling of the paper surface during printing occur.
[0059]
  In the present invention, a cationic resin is used as a water-proofing agent for ink in a high-speed ink jet recording system. The cationic resin used in the present invention is preferably a polyamine containing a quaternary ammonium salt obtained by reaction of epihalohydrin with various amines. Preferably, a polyamine obtained by reaction of one or more amines such as dimethylamine, ethylenediamine, tetraethylethylenediamine, triethanolamine and the like with epichlorohydrin is used.
[0060]
  As a preferred example of the cationic resin, the structure of a copolymer obtained by copolymerizing epichlorohydrin, dimethylamine and ethylenediamine and introducing a dimethylamine group at the terminal group is shown below.
[0061]
[Chemical 1]

(L is 5 to 1000, preferably 8 to 50)
The compound represented by the above structural formula has an increased cationic property due to the introduction of a dimethylamine group at the terminal group, and a good printing density and water resistance can be obtained.
[0062]
Furthermore, the structure of the copolymer which further improved the water resistance ability of the cationic resin shown above and improved the compatibility with the water-soluble binder is shown below.
[0063]
[Chemical formula 2]

(Wherein R1 represents an alkyl group having 1 to 18 carbon atoms or a benzyl group, and R3 represents an alkyl group having 6 to 18 carbon atoms or a benzyl group. X⁻Represents anions such as halogen ions, sulfate ions, alkyl or aryl sulfonate ions, acetate ions and the like. m and n are positive numbers indicating the degree of polymerization, and m: n = 1: 1 to 1:50. )
Here, the alkyl group may be linear or branched.
[0064]
  The compound represented by the above structural formula has improved compatibility with the water-soluble binder due to the steric characteristics of the introduced group (R1, R2, R3), and the size press liquid can be easily adjusted. The reason why the compatibility is improved is considered to be that, according to the structure as described above, it takes time for the cation molecule to approach the water-soluble binder and it is difficult to cause a shock. Moreover, this compound improves the water resistance by lowering the cation density to make a hydrophobic polymer, and also increases the effect of reducing paper stickiness.
[0065]
  Cationic resin is 2 g / m in solid content on both sides of OCR paper²To 4g / m²It is desirable to blend so that it adheres. Adhering amount is 2g / m²If the amount is less, the ink fixing property and water resistance deteriorate, and when the printing part gets wet with water, ink elution, bleeding, etc. occur and the printed content is impaired. Conversely, the adhesion amount is 4 g / m.²If it is more, the compatibility with the water-soluble binder is deteriorated, and in this case, the ink fixing property and water resistance are also deteriorated.
[0066]
  In the present invention, a water-soluble binder is applied to the paper surface in order to improve the surface strength and water resistance of the OCR paper. In the present invention, the water-soluble binder may be one or more known materials such as polyvinyl alcohol, modified polyvinyl alcohol, starch, oxidized starch, carboxymethyl cellulose, etc., but it contributes to water resistance and surface strength. To polyvinyl alcohol or modified polyvinyl alcohol are preferred, and among them, those having a high water resistance having a saponification degree of 98% or more are most preferred.
[0067]
  The water-soluble binder is 1 g / m in solid content on both sides of OCR paper.²To 2g / m²It is desirable to adhere. Adhering amount is 1g / m²If the amount is less, the water resistance of the ink will be reduced, and if the printed part gets wet with water, the ink will peel off and the printed content will be damaged. Paper dust is generated, which is one of the causes of damaging dampening water used during printing. If the fountain solution becomes dirty, the printing press must be stopped and replaced, causing a reduction in printing efficiency. Conversely, the adhesion amount is 2 g / m.²If it is higher, the drying property of the ink is deteriorated, and further, the water resistance of the ink is also deteriorated because the action of the cationic resin is inhibited.
[0068]
  In the present invention, a predetermined effect can be obtained by adhering a mixture containing a water-soluble binder, a polyvalent metal salt, and a cationic resin to the surface of a paper substrate, and these components are used alone. However, a sufficient effect cannot be obtained. In addition, when these substances are used in combination, it is necessary to sufficiently consider individual compounds and combinations thereof so as not to cause contamination or aggregation.
[0069]
  The OCR paper obtained by the present invention gives not only high-speed inkjet suitability and offset printing suitability but also conventional NIP (Non Impact Printer) suitability by adjusting the type and blending amount of the mixture adhering to the paper substrate surface. Is possible.
[0070]
  In the present invention, the pulp used as the raw material for the paper base of the OCR paper may be one or more known wood pulps and non-wood pulps. Wood pulp includes, for example, chemical pulp N-BKP, L-BKP, SCP, etc., mechanical pulp GP, CGP, RGP, TMP, etc., deinked pulp, recycled pulp, pulp that breaks up the waste paper generated in the process Etc. can be used. Moreover, as a non-wood pulp, kenaf, bamboo pulp, etc. can be used, for example.
[0071]
  These pulps can be used in any combination, but it is desirable to increase the L-BKP ratio in order to suppress the occurrence of paper curl in the printer transport process. Further, it is necessary to sufficiently remove foreign matters such as dust and foreign matters so that misrecognition does not occur in the reading process due to the contamination of the paper.
[0072]
  In the present invention, one or more known fillers can be used. From the viewpoint of whiteness, white pigments such as clay, talc, diatomaceous earth, calcined kaolin and titanium oxide are preferable, and water-soluble From the ink absorbability, talc and calcined kaolin are more preferred. It is also effective to add titanium oxide in order to improve the opacity of OCR paper.
[0073]
  In addition, various chemicals such as a yield improver and an antifoaming agent used for general papermaking, and dyes for dyeing paper in an arbitrary color may be used as necessary.
[0074]
  In the present invention, as a method for adhering the mixture to the paper substrate surface, any known coating method such as a size press, an air knife coater, a curtain coater, a gate roll coater, etc. can be used. It is desirable to apply with an on-machine size press.
[0075]
  The OCR paper according to the present invention is suitable for use in a rotary high-speed ink jet printer, but it is of course possible to perform printing with other known printers.
[0076]
【Example】
  EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0077]
<Example 1>
  As pulp raw materials, 70% by weight of L-BKP (freeness 470 ml), 15% by weight of N-BKP (freeness 450 ml), and 15% by weight of waste paper pulp are used after sufficiently removing impurities such as dust. To this pulp raw material, rosin emulsion (trade name: Size Pine N-771, manufactured by Arakawa Chemical Co., Ltd.) 0.1% by weight as an internal sizing agent, calcined kaolin as a filler (trade name: Alphatex, manufactured by ECC International) 2.5% by weight and talc (trade name: EZ talc, manufactured by Katsumiyama Kogyo Co., Ltd.) 4.5% by weight, yellow dye, sulfate band, sodium aluminate, cationized starch as a paper strength enhancer (trade name: Amilo) Fax 00, manufactured by AVEBE) is mixed to form a web. In addition, all the said usage-amounts are pulp weight%. The resulting paper substrate had a steecht degree of 21 seconds. To this paper base material, a cationic resin (trade name: WSC-173, manufactured by Meisei Chemical Co., Ltd.), polyvinyl alcohol (trade name: Gohsenol N-300, manufactured by Nippon Synthetic Chemical Co., Ltd.), and magnesium chloride are subjected to a size press process. A solution mixed at a predetermined ratio is 3.0 g / m on each side in terms of solid content.²1.5 g / m²1.0 g / m²Apply so that The OCR paper thus obtained has a Steecht size of 18 seconds and a basis weight of 88 g / m.²Met.
[0078]
<Example 2>
  The basis weight is 108g / m²The same procedure as in Example 1 was performed except that. The obtained OCR paper had a steecht degree of 54 seconds.
[0079]
<Comparative example 1>
  The same procedure as in Example 1 was performed except that the amount of rosin emulsion was reduced. The obtained OCR paper had a steecht size of 3 seconds.
[0080]
<Comparative example 2>
  The same procedure as in Example 1 was performed except that the amount of the rosin emulsion was increased. The obtained OCR paper had a Steecht size of 40 seconds.
[0081]
<Comparative Example 3>
  The same procedure as in Example 2 was performed except that the blending amount of the rosin emulsion was reduced. The obtained OCR paper had a sizing degree of 30 seconds.
[0082]
<Comparative example 4>
  The same procedure as in Example 2 was performed except that the amount of the rosin emulsion was increased. The obtained OCR paper had a sizing degree of 75 seconds.
[0083]
<Comparative Example 5>
  The solution to be applied in the size press process is oxidized starch and is 3.0 g / m on both sides in terms of solid content.²The same operation as in Example 1 was carried out except that it was adhered. The obtained OCR paper had a steecht degree of 39 seconds.
[0084]
<Comparative Example 6>
  The solution to be applied in the size press process is a mixed solution of oxidized starch and cationic resin, and each is 3.0 g / m on both sides in terms of solid content.²1.0 g / m²The same operation as in Example 1 was carried out except that it was adhered. The obtained OCR paper had a steecht degree of 37 seconds.
[0085]
<Comparative Example 7>
  The solution to be applied in the size press process is a mixed solution of oxidized starch and cationic resin, and each is 3.0 g / m on both sides in terms of solid content.²2.0 g / m²The same operation as in Example 1 was carried out except that it was adhered. The obtained OCR paper had a steecht degree of 32 seconds.
[0086]
<Comparative Example 8>
  The solution to be applied in the size press process is a mixed solution of oxidized starch and cationic resin, and each is 3.0 g / m on both sides in terms of solid content.²3.0 g / m²The same operation as in Example 1 was carried out except that it was adhered. The obtained OCR paper had a sizing degree of 33 seconds.
[0087]
<Comparative Example 9>
  The solution to be applied in the size press step is a mixed solution of polyvinyl alcohol and a cationic resin, and each is 1.5 g / m on both sides in terms of solid content.²3.0 g / m²The same operation as in Example 1 was carried out except that it was adhered. The obtained OCR paper had a steecht size of 17 seconds.
[0088]
<Comparative Example 10>
  The solution to be applied in the size press step is a mixed solution of polyvinyl alcohol and a cationic resin, each 0.5 g / m on both sides in terms of solid content²3.0 g / m²The same operation as in Example 1 was carried out except that it was adhered. The resulting OCR paper had a Steecht size of 22 seconds.
[0089]
(1) Appropriateness evaluation in high-speed inkjet printer
  As for various aptitudes in the high-speed ink jet recording method, when printing is performed on the OCR paper obtained in each of the above examples and comparative examples using black ink with a high-speed ink jet printer at a processing speed of 150 m / min. [1] Print density (PCS value), [2] Ink drying property, [3] Ink water resistance, [4] Ink bleeding, [5] Ink back-through were tested and evaluated by the following methods. . The printer used was a Scitex 6240 printer (manufactured by Cytex), and the ink used was three types of ink: Cytex 1007 black ink, Cytex 1040 black ink, and Cytex 1036 black ink (all manufactured by Cytex).
[0090]
[1] Print density (PCS value)
  The print density of characters printed on the recording paper was measured using PCM-II (manufactured by Macbeth). The measurement wavelengths are A filter 540 nm, B filter 950 nm, C filter 820 nm, D filter 910 nm, and E filter 633 nm. The value obtained by the measurement is a PCS (Print Contrast Signal) value, and this PCS value is represented by the following equation.
PCS value = R_L-R₀/ R_L
R_L: Reflectance of paper itself, R₀: Reflectance of printed part
  Further, the determination of the print density was performed by visual observation, and the evaluation was made in three stages of ◯, Δ, and X in the descending order of the density by relative comparison.
[0091]
[2] Ink drying
  The ink drying property was evaluated by visually observing the presence or absence of ink transfer stains on the non-printed portion of the printed OCR paper. Evaluation is performed in four stages: ◎, ○, △, ×, ◎: no transfer stain, ○: slight transfer stain (no problem in practical use), Δ: some transfer stain, ×: transfer There was dirt.
[0092]
[3] Ink water resistance
  Ink water resistance was evaluated by visually observing the presence or absence of ink oozing when the printed OCR paper was immersed in still water for 1 minute. The evaluation is performed in four stages, ◎, ○, △, ×, respectively, ◎: No ink oozing, ○: Slight ink oozing (no problem in practical use), △: Some ink oozing Exposed, x: Ink bleeding was observed.
Moreover, the PCS value of the printed part before and after immersion was also measured.
[0093]
[4] Ink bleeding
  Ink bleed was evaluated by visually observing the presence of character thickening and feathering for the state of characters immediately after printing on OCR paper. Evaluation is performed in four stages, ◎, ○, △, ×, ◎: good (no feathering), ○: slightly (no problem in practical use), △: somewhat generated, ×: poor did.
[0094]
[5] Back ink
  Ink breakthrough was evaluated by visually observing whether or not ink oozes out on the back side of the solid print portion of the OCR paper. The evaluation was performed in two stages of ◯ and ×, and ◯ was good and X was bad, respectively.
[0095]
(2) Appropriateness evaluation in offset printing system
  After printing 15,000 m of OCR paper on a general form printing machine with a normal pattern, the roll dirt and dampening water dirt of the printing machine were visually evaluated. The evaluation was performed in three stages of ◯, Δ, and ×, and each of them was indicated as ◯: good, Δ: some contamination was generated, and x: defective.
[0096]
  FIG. 1 shows enlarged photographs of dots before and after immersion when bar code printing was performed with a Scitex 6240 printer using Cytex 1040 black ink and the paper was immersed in still water. .
[0097]
  FIG. 1A and FIG. 1B show enlarged photographs of dots in the printing portion. The dots on the paper of Example 1 shown in FIG. 1A are uniform and high in density, whereas the dots on the paper of Comparative Example 5 shown in FIG. 1B are non-uniform. The gap between dots is large.
[0098]
  FIGS. 1 (d) and 1 (e) show enlarged photographs of dots on the printed part after the paper is immersed in still water for 1 minute. The dots on the paper of Example 1 shown in FIG. 1 (d) hardly change compared to those before immersion, whereas the paper of Comparative Example 5 shown in FIG. 1 (e). The upper dots clearly have a lower print density.
[0099]
  In FIG. 1, FIG. 1 (c) and FIG. 1 (f) are film gauges for indicating the size of the dots in FIGS. 1 (a), (b), (d) and (e). It is.
[0100]
  FIG. 2 shows an enlarged photograph of the barcode portion when barcode printing is performed with a Scitex 6240 printer using Cytex 1040 black ink and water droplets are dropped on the paper.
[0101]
  2 (a) and 2 (b) show enlarged photographs when water droplets are dropped on the barcode. FIGS. 2 (c) and 2 (d) show only the barcode portion. A further enlarged photograph is shown. In the paper of Example 1, although some bleeding is seen, the decrease in print density is of a practically no problem, whereas in the paper of Comparative Example 5, ink is clearly eluted.
[0102]
  Table 1 shows the test results of the print density when printing is performed with a high-speed ink jet printer.
[0103]
[Table 1]

[0104]
  It is clear from Table 1 that the OCR paper of Example 1 has a higher character density than the OCR paper of Comparative Example 5 having the same composition as that of the conventional product, although there are differences depending on the ink.
[0105]
  When reading a barcode with an OCR reader, the PCS value is required to be 0.85 or more in the region of 600 to 700 nm. In the measurement at 633 nm which is within this range, the OCR of Example 1 is required. The paper meets this standard with all three types of ink.
[0106]
  Table 2 shows PCS values of printed portions before and after being immersed in still water for OCR paper after printing with a high-speed inkjet printer. The ink used is Cytex 1040 black ink.
[0107]
[Table 2]

[0108]
The OCR paper of Example 1 has a high PCS value even after being immersed in water, and the PCS value hardly changes before and after the immersion, and is superior in ink water resistance and ink fixability as compared with the OCR paper of Comparative Example 5. This is clear from Table 2.
[0109]
Table 3 shows the test results on the ink drying property, ink bleeding, and ink back-through of the OCR paper after printing with the high-speed inkjet printer.
[0110]
[Table 3]

[0111]
Since the OCR papers of Examples 1 and 2 have an appropriate value for the Steecht sizing, Table 3 shows that good results were obtained for all items of ink drying properties, ink bleeding, and ink breakthrough. More obvious.
[0112]
Printing with a high-speed inkjet printer when printing is performed with a high-speed inkjet printer, the print density (visual evaluation), ink bleeding, ink water resistance, ink drying property, and overall evaluation Table 4 shows the overall evaluation of suitability and the evaluation results of suitability for offset printing.
[0113]
[Table 4]

  As is clear from Table 4, the OCR paper of Example 1 using polyvinyl alcohol as a water-soluble binder and further adding a polyvalent metal salt is more comprehensive than the OCR paper obtained in Comparative Examples 5 to 10. In particular, there are marked differences in water resistance and dryness.
[0114]
  Moreover, from the result of the comparative example 10, the usage-amount of polyvinyl alcohol which is a water-soluble binder is 1.0 g / m.²It can be seen that when the amount is smaller, the water resistance of the ink is lowered and the offset printability becomes poor.
[0115]
【The invention's effect】
  As is clear from the above, according to the OCR paper of the present invention, a good print density can be obtained even when printing is performed with a high-speed ink jet printer, and even when trouble such as water wetting occurs after printing. The printed content does not blur or elute, and the printed content is not impaired.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram (part 1) showing the results of a water resistance evaluation test.
FIG. 2 is a diagram (part 2) showing the results of a water resistance evaluation test.

Claims

In OCR paper to be used in a printing system using an ink jet printer, a mixture containing magnesium chloride , a cationic resin, and a water-soluble binder is attached to both sides of a paper base ,
The adhesion amount of magnesium chloride to the paper surface is 0.5 g / m ^{2 to} 1.5 g / m ² in terms of solid content on both sides, and the adhesion amount of the cationic resin to the paper surface is 2 g in terms of solid content on both sides. / M ^{2 to} 4 g / m ² , and the adhesion amount of the water-soluble binder to the paper surface is 1 g / m ^{2 to 2} g / m ² in terms of solid content on both sides ,
The basis weight is 80 g / m ^{2 to} 90 g / m ² , the paper substrate has a sizing degree of 15 to 30 seconds according to JIS P 8122, and the paper has a sizing degree of 10 to 25 seconds after adhering the mixture. A range of seconds,
An OCR paper characterized in that the sticky sizing degree of the paper after adhering the mixture is 5 to 10 seconds smaller than the sticky sizing degree of the paper base material .

The OCR paper according to claim 1, wherein the cationic resin is a modified polyamine epichlorohydrin.

The OCR paper according to claim 1 or 2 , wherein the water-soluble binder is polyvinyl alcohol or modified polyvinyl alcohol.

The OCR paper according to claim 1 or 2 , wherein the water-soluble binder is polyvinyl alcohol or modified polyvinyl alcohol having a saponification degree of 98% or more.

The OCR paper according to any one of claims 1 to 4 , wherein the cationic resin is a compound represented by the following chemical formula.

(L is 5 to 1000, preferably 8 to 50)

(Wherein R1 is an alkyl group or a benzyl group having 1 to 18 carbon atoms, R3 is, .X represents an alkyl group or a benzyl group having 6 to 18 carbon atoms ^- is a halogen ion, sulfate ion, alkyl or aryl sulfonate ion, Anion such as acetate ion, etc. m and n are positive numbers indicating the degree of polymerization, and m: n = 1: 1 to 1:50.