JP4384707B2 - 紙葉類搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、紙葉類を空気流で搬送する紙葉類の搬送技術に関する。
遊技場などで紙幣を搬送する場合、従来からベルトやローラを用いて搬送する搬送装置が用いられている。
しかし、このような搬送装置では、面積が広い遊技場などでは装置全体が大型化してしまい、またベルトやローラを駆動するためのランニングコストも非常に高額になってしまう。
そこで、本発明者は、空気流を用いて紙幣を搬送させる搬送装置を提案し、PCT出願をした(PCT/JP2007/064211)。
このような空気流を用いた搬送装置によれば、ベルトやローラを用いた搬送装置と比較して、装置の小型化を図ることができ、またランニングコストを低額に抑えることができる。
PCT/JP2007/064211
しかしながら、紙葉類を搬送する場合、ベルトやローラ、空気流等の搬送手段の如何にかかわらず、搬送経路内で紙葉類の詰まりが生じることが避け難い。この紙葉類の詰まりを速やかに、あるいは容易に解消できることが望ましい。
本発明は上記要望にこたえるものであり、その目的とするところは、紙葉類を空気流で搬送する場合に、紙葉類の詰まりを良好に解消しうる紙葉類の搬送方法を提供することにある。
本発明に係る紙葉類搬送装置は、送風管と、紙葉類の後端部に変形部を形成して前記送風管内に紙葉類を送り込む送り込み装置と、紙葉類の変形部に風圧を作用させて紙葉類を前記送風管内で搬送する空気流を生じさせる空気流発生装置と、前記送風管の終端部に配設され、前記送風管内を搬送されてくる紙葉類を回収する回収装置とを有する紙葉類搬送装置において、前記回収装置は、空気流の排出管を有して紙葉類を空気流から分離する紙葉類分離部と、紙葉類の前記変形部を反対方向に曲げて変形を矯正する紙葉類矯正部とを具備しており、前記紙葉類分離部内には、前記送風管内を搬送されてきた紙葉類を、前方の前記紙葉類矯正部に送り込む搬送ベルトが配置されており、前記搬送ベルトが掛けまわされるプーリに作用するワンウエイクラッチ機構を有することを特徴とする。
前記ワンウエイクラッチ機構は、前記搬送ベルトが掛けまわされるプーリを駆動する駆動軸側又は前記搬送ベルトが掛けまわされるプーリ軸側に介挿されている。
前記紙葉類矯正部は、紙葉類がジグザグ状に通過することによって前記変形部の変形を矯正する複数本の矯正ローラを具備する。
また、前記複数本の矯正ローラのそれぞれにおいて、外周面との間に一定の紙葉類搬送空間が形成されるように、各矯正ローラの外周を覆って断面円弧状のガイド板が配設されている。
また、前記回収装置は、前記複数本の矯正ローラを駆動する矯正部モータを具備しており、前記矯正部モータの回転軸および前記複数本の矯正ローラの各回転軸に固定されたギヤが順次噛合することによって、各隣接する矯正ローラが互いに逆方向に回転される。
本発明に係る紙葉類搬送装置では、紙葉類を空気流で搬送する場合に、紙葉類の詰まりを良好に解消することができる。
紙葉類搬送装置の概要図である。 送風管の断面図である。 曲げ装置の概要を示す説明図である。 曲折部の断面図である。 シール材の正面図である。 シール材の部分断面図である。 紙葉類の搬送原理を示す説明図である。 曲折部におけるリブ形状の他の実施の形態を示す説明図である。 曲折部の内壁面に隆起部を設けた実施の形態を示す説明図である。 曲げ装置の詳細を示す説明図である。 曲げ装置に紙葉類が入ってきた状態の説明図である。 曲げ装置における紙葉類の曲げ動作を示す説明図である。 曲げ装置の他の実施の形態を示す説明図である。 図13の曲げ装置における紙葉類の曲げ動作を示す説明図である。 曲げ装置のさらに他の実施の形態を示す説明図である。 送りロールの詳細を示す説明図である。 図15の曲げ装置における紙葉類の曲げ動作を示す説明図である。 回収装置の平面図である。 回収装置の側面図である。 回収装置の他の実施の形態を示す平面図である。 回収装置の他の実施の形態を示す正面図である。 紙葉類を幅方向端面が内側となる方向に曲げて搬送する状態の説明図である。 捩れ管の説明図である。 流路が直角方向に曲げられた曲折管の断面図である。 送風部とインバータの説明図である。 送風管内に開閉弁を配設した説明図である。 図26の開閉弁の弁羽根の説明図である。 送風管に設けた外気導入孔を開閉する弁機構の説明図である。 送風管に設けた外気導入孔を開閉する他の弁機構の説明図である。 送風管内の空気流の流れ方向を逆転させる機構の説明図である。 引掛片の説明図である。 引掛片の他の例を示す説明図である。 引掛片のさらに他の例を示す説明図である。 引掛片の投入、回収方法を示す説明図である。 受け部に溝を設けた説明図である。 受け部を閉じられてガイド通路が形成されている状態を示す説明図である。 送風管に蓋体により開閉可能な開口部を設けた状態の説明図である。 送風管内を自動走行するロボットの説明図である。
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
まず最初に、本発明者が開発し、PCT出願をした紙葉類の搬送装置(PCT/JP2007/064211)について説明し、その後で、この紙葉類の搬送装置で、紙葉類の詰まりが生じた場合の解消方法について説明する。
この紙葉類の搬送装置の説明は長文にわたるが、本件の出願時にはまだ公開されていない技術であるので、以下詳細に説明する。なお、本発明(紙葉類の詰まりの解消に係る)では、紙葉類の搬送装置そのものは、このPCT出願に係る搬送装置に限定されるものでないことをまず最初に指摘しておく。
図1は紙葉類搬送装置20の全体の概要を示す。
22は送風管であり、図1の例では、曲折部23でU字状に曲げられている。
24はブロワー等からなる送風部(空気流発生装置)であり、送出管25、連結管26を介して送風管22の入口部に接続され、送風管22内に送風することにより、送風管22内に空気流を生じさせる。なお、送風部(空気流発生装置)24は、送風管22内の空気を吸引する吸引ブロワーであってもよい。また、送風部24の送風口あるいは吸気口と送風管22との間に、図示しないエアクリーナー(フィルター、電気集塵機あるいはオゾン発生器など)を配置すると好適である。
28は紙幣等の紙葉類の送り込み装置であり、送風管22内に紙葉類を送り込む。送り込み装置28は、本実施の形態の場合、送り込み手前側に紙幣識別装置29が配設され、奥側に曲げ装置30が配設されてなる。
紙幣識別装置29は、投入された紙幣の種類および真贋を判別するもので、公知の機構のものを採用できるので詳細な説明は省略する。
なお、送風部(空気流発生装置)24の駆動モータ(図示せず)は、送り込み装置28に紙葉類が投入されたことが検知され、紙葉類の搬送が必要になったときに起動されるようにすると好適である。これにより電力消費を低減できる。
曲げ装置30の詳細は後記するが、例えば紙葉類32の搬送方向後部側に、図3に示すような、紙葉類32の平面部32aに対してL字状もしくはアール状に湾曲する一時的な変形部32bを形成する。
上記一時的な変形部32bに、後記するように送風管22内を流れる空気流からの風圧が作用し、紙葉類32は送風管22内を搬送されるのである。
なお、一時的とは、後に平坦に矯正できるという意味である。
送り込み装置28は、送風管22の適所に所要複数配置される。例えば、本実施の形態の紙葉類搬送装置20は、パチンコ店における紙幣回収装置に利用されるもので、この場合、送り込み装置28は、玉貸し機における紙幣投入部に相当し、通常1台のパチンコ機の横に1台の送り込み装置28が配設される。
送風管22内を空気流によって搬送される紙葉類32は、送風管22の終端において回収装置34によって回収される。回収装置34の詳細は後記する。
回収装置34で紙葉類32のみが回収され、回収装置34を通過した空気流は、戻り管36によって送風部24に戻される。なお、戻り管36には、外部空気の取り入れ口37が開口されていて、戻り空気と共に外部空気が取り入れられて、再度送風部24から送風管22内に送風されるようになっている。このように、戻り空気を循環させ、外部空気の取り入れ量を少なくすることによって、タバコの煙で汚染されやすいパチンコ店での空気を極力送風管22内に送り込まないようにすることができるので好適である。なお、送風管22は必ずしもこのような循環管でなくともよい。
次に、図2は送風管22の断面図である。
本実施の形態では、送風管22は断面矩形の角管に形成している。
送りこまれる紙葉類32の表面に対向する送風管22のそれぞれの壁面(一方の対向壁面22a、22a)に、該壁面22a、22aから所要高さで送風管22の内方に突出すると共に、送風方向に延びる複数本のリブ40が形成されている。この両壁面22a、22aに形成されたリブ40の先端部間の間隔が、紙葉類32の変形部32bが通過しうる間隔に形成されている。また他方の対向壁面22b、22b間の間隔が、紙葉類32が変形されることなく通過可能な間隔に形成されている。リブ40先端部と他方の対向壁面22b、22b間で形成される紙葉類通過空間の断面が長方形に形成されている。なお、送風管22は必ずしも角管でなく、断面円形等の管であってもよい。
図4は、曲折部23の詳細を示す断面図である。
曲折部23においては、紙葉類32はその一方の表面が内側となる方向に曲げられて搬送される部位となっている。
曲折部23の上流側から下流側にかけての、曲折部内側の壁面23aのリブ40は次のように形成されている。すなわち、曲折部23の所要上流側から曲折部23の入口部にかけて高さが徐々に低くなるように形成されている。曲折部23の入口部ではリブ40の高さはほとんどゼロとなっている。一方、曲折部23の入口部から所要下流側にかけて、リブ40はその高さがほとんどゼロから徐々に高くなるように形成されている。なお、高さがほとんどゼロといっても、完全にゼロではなく、いくらかでも高さがあるのが好ましい。
なお、曲折部23の外側の壁面23bのリブ40は、送風管22の直線部におけるリブ40の高さのままでもよいが、図4に示されるように、内側の壁面23aにおけるリブ40の先端部と外側の壁面23bにおけるリブ40の先端部との間隔が一定となるように、壁面23aのリブ40の高さの変化に追随させて壁面23bのリブ40の高さを変えるようにすると好適である。すなわち、壁面23bのリブ40の高さは、曲折部23の上流側から曲折部にかけて徐々に高さが高くなり、曲折部から下流側にかけて徐々に高さが低くなるように形成すると好適である。
送風管22の長い直管部分は適宜複数本の短い直管を接続して形成する。もちろん、曲折部23においては、直管に対して曲折管を接続して形成する。
これら直管や、曲折管を接続する場合、ずれが生じるとうまく接続できない状態が生じることがある。この場合には、可撓性を有する材料で形成した連結管(図示せず)を準備し、この連結管を介在させてずれを吸収して接続するようにするとよい。
また、これら送風管22同士の接続部位には、図5、図6に示すようなシール材160を被せるようにするとよい。シール材160は軟質の樹脂材またはゴム材で筒状に形成され、両側から送風管22の端部が密に挿入されるようになっている。シール材160の内壁面の、送風管22の端部を挟む両側位置に、リング状の突起162が形成されている。この突起162が送風管22の外壁に当接することで、気密にシールされる。特に送風管22内がブロワーにより吸引されて負圧になるときは、シール材160が送風管外壁にさらに密着されるので、シール性が一層向上する。また、シール材160の端部にはフランジ部164が設けられ、このフランジ部164を把持することによって、シール材160を簡単にめくれるようになっていて、接続端を露出させることができ、各種のメンテナンスを容易に行えるようになっている。
次に、送り込み装置28や回収装置34の詳細な説明は後記するとして、以下、本実施の形態における紙葉類32の搬送原理について説明する。
後記する送り込み装置28の曲げ装置30によって、搬送方向後部側が平面部に対して、L字状、アール(円弧)状、筒状あるいはジグザグ状に変形され、変形部32bが形成された紙葉類32が送風管22内に送り込まれる。
このように送風管22内に送り込まれた紙葉類32は、図7に示すように、変形部32b側のリブ40aとは空間Aが存在し、また、リブ40a間を空気が流れるから、リブ40a側に密着することはない。また、その反対側のリブ40bに対しては、変形部32bの外壁に沿って空気がリブ40bとの間に流れ込み、変形部32bをリブ40bから引き離そうとする力が作用し、また、リブ40b間にも空気が流れていることから、紙葉類32はリブ40b側にも密着しない。
このように、紙葉類32は、両リブ40a、40bからほとんど抵抗を受けず、結局のところ変形部32bに作用する風圧により、先端部にばたつきが生じることもなく、極めてスムーズに送風管22内を移動した。観察したところ、紙葉類32は風速に近いスピードで移動することから、当初、変形部32bに作用する風圧を受けて推進力を得た後は、空気流と共に送風管22内を流れていくような状態となり、送風管22内を実にスムーズに移動し、搬送されることが確認された。
なお、変形部32bを形成する場合、紙葉類全体をほぼ完全なU字状に折り曲げるものであってもよい。
しかしながら、紙葉類を安定して搬送するには、例えば紙幣であれば、紙幣の後半分の部分、特に好適には、紙幣の後端から5mm〜50mm(紙幣の長さが約16cmとすれば、紙幣の後端から紙幣の長さの約3〜35%)の部位に変形の起点が位置するように変形部32bを形成するとよい。なお、変形の起点とは、例えばR曲げであれば、円弧と直線部分との接点を言うものとする。
上記のように、送風管22の壁面22a、22aにリブ40を設けることによって、紙葉類32の接触面積をそれだけ少なくすることができ、接触抵抗を減らすことができ、紙葉類32の搬送をスムーズに行うことができる。
さらに、リブ40を設けることによって、送風管22の管路断面積を大きくすることができる。パチンコ店における紙幣回収装置などでは、長い管路が必要となるが、細い管であると管路抵抗が大きくなり、紙葉類を終端まで搬送しがたくなる。
リブ40を設けることによって、管路断面積を大きくでき、圧力損失を減じ、紙葉類をそれだけ遠くまで搬送できる利点がある。
図4に示す曲折部23では、特に内側の壁面23a側のリブ40の高さを前記のように形成したので、紙葉類32が曲折部23に近づくと、曲折部23の上流側のリブ40が曲折部23の入口部に向けて低くなっていることから、紙葉類32の先端部と壁面23aとの間の空気流の流速が大きくなって圧力が減じる。一方、紙葉類32の先端部と壁面23bとの間の流速が小さくなって圧力が高くなり、これにより紙葉類32の先端部側が曲折部23の内側の壁面23aに引き寄せられる。
その結果、図4の破線に示すように、紙葉類32の先端部側が曲折部23の内側の壁面23aに接触したような状態で小回りすることから、紙葉類32は、図4のような曲率半径の小さな曲折部23であっても、実にスムーズに抵抗なく搬送されるのである。
図8(a)、(b)は、曲折部23におけるリブ40の他の実施の形態を示す。
送り込み装置28において、古い紙幣等の紙葉類の場合には腰が弱くて送り込み装置28の投入口に挿入しにくいので、紙葉類32の幅方向中央で2つ折り、3つ折り等に折って、山状の折り目を形成して腰を強くし、そのような状態で紙葉類32が送り込み装置28に送り込まれる場合がある。
このような折り目が形成された紙葉類は、曲げ装置30においてカール状の曲げ変形は形成しうるものの、山状の折り目までは矯正できない状態が生じかねない。
上記のような腰の強い紙葉類32が送風管22内に送り込まれると、図4に示す場合、前記のように、紙葉類32の先端部側が曲折部23の内側の壁面23aに引き寄せられ、該壁面23aに沿って曲げられるような状態とはならず、先端部側がほとんど直線状体のまま、曲折部23の外側壁面のリブ40に衝突し、この部分で詰まりが生じてしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態では、図8(a)、(b)に示すように、曲折部23の内側の壁面23aに形成した4本のリブ40c、40d、40e、40fのうち、中央側の2本のリブ40d、40eの、曲折部23の入口の直前付近の上流側の部位に、送風管22の内方に突出する隆起部41を設けた。なお、曲折部入口から所要下流側にかけてのリブ40は、図4に示すのと同様に、高さがほとんどゼロから徐々に高くなるように形成されている。
上記のように、リブ40d、40eに隆起部41を形成することによって、曲折部23に進入してきた紙葉類32は、その先端部側が隆起部41に乗り上げる。
紙葉類32の両面側には、僅かな風速差が生じており、この風速差により紙葉類32の外側面に作用する風圧が内側面に作用する風圧よりも大きく、その結果、隆起部41に乗り上げた紙葉類32の先端部側の外側面に、隆起部41の頂部を支点とするシーソー状の力が作用すると考えられ、その結果、隆起部41上で、腰の強い紙葉類32であっても先端部側が内側壁面23a方向に折れ曲がり、これにより、図4の状態となって、紙葉類32は、この曲折部23を支障なく通過することが確認された。
なお、曲折部23における外側壁面に設けたリブ40には、内側のリブの隆起部41に対応する凹部は設ける必要がなく、図4の状態のままのリブ40の高さでよい。
また、上記では、4本のリブ40c〜40fを設けた場合を説明したが、これに限られることはない。また、内側の壁面23aの全てのリブ40に隆起部41を設けても良い。隆起部41の形状は、紙葉類32がスムーズに流れればよく、特に限定されない。
あるいは図9に示すように、曲折部23の入口側の送風管22の内側の内壁面に隆起部39を設けて送風管22の有効断面積を減少させて流速を上げるようにしてもよい。隆起部39は内側の内壁面全体を持ち上げるもので、リブに隆起部を設けるものではない。また、曲折部23における送風管22の内壁面(内側の内壁面、外側の内壁面)にはリブ40を設けない。
このようにすることで、紙葉類32の表裏に圧力差が生じ、腰の強い紙葉類32であってもやはりシーソー効果で折れ曲がり、曲折部23に詰まることなく通過する。リブの形態として、曲折部ではリブが存在しないことも、紙葉類32のスムーズな通過を助ける場合もある。
次に、送り込み装置28の曲げ装置30の詳細について図10〜図12により説明する。
図10において、33a、33aは前記一対の送り込みローラであり、紙葉類32を送風管22内に送風方向に対して直角に送り込むようになっている。この一対の送り込みローラ33a、33aそれぞれに同心に設けたギア(図示せず)同士が噛合していて、一方の駆動ローラ33aが図示しない正逆回転可能なモータによって回転駆動されることによって、他方のローラ33aも同期して回転される。また、この他方のローラ33aが一方のローラ33aに図示しないスプリングによって付勢、押圧されることによって、両ローラ33a、33a間で紙葉類32を挟圧し、紙葉類32を送り込むようになっている。なお、上記では、紙葉類32を送風管22に対して直角方向から送り込むようにしたが、送り込み装置28の設置場所のスペースや装置の都合により、紙葉類32を送り込む角度を任意に変更しても差し支えない。
この曲げ装置30の送り込みローラ33a、33aには、紙幣識別装置29側に位置する一対の送り出しローラ(図示せず)から、紙幣識別装置29により判別された紙幣が送り出されるのである。
この送り込みローラ33a、33aと送り出しローラとの間に、通路開閉手段42が配設されている。通路開閉手段42は、送り込みローラ33aと送り出しローラの両ローラ間の紙葉類通路43を開閉可能であるとともに、紙葉類通路43が閉じられた際(遮断された際)に、送り込みローラ33a、33aと対向する側に、紙葉類後端部を案内して変形させる傾斜案内部44が形成される。
具体的には、通路開閉手段42は、紙葉類通路43を挟んで設けられた一対の爪片45a、45bを有し、該一対の爪片45a、45bのうち少なくとも一方の爪片が可動爪片に形成されている。本実施の形態では爪片45aが固定爪片に形成され、爪片45bが、軸46を中心として回動する可動爪片に形成されている。可動爪片45bは、一端側がスプリング47に引っ張られることによって、他端側が固定爪片45a側にオーバーラップするように回動される。
すなわち、可動爪片45bの他端側と、これに対向する固定爪片45aとは、例えば櫛歯状に形成され、互いの櫛歯の間隔内に進入することによって、図10に示すようにオーバーラップし、その際に紙葉類通路43を遮断するのである。
このように、可動爪片45bの他端側と固定爪片45aとがオーバーラップする際、両爪片45a、45bの、送り込みローラ33a、33aと対向する側の面に、紙葉類後端部を案内して変形させる、前記傾斜案内部44が形成されるのである。
この傾斜案内部44は、図10に示すように、送風管22の空気流の下流側に向けて、両ローラ33a、33aのうち下流側に位置するローラ33aに対して次第に離反する方向に傾斜している。また、この傾斜案内部44の端部にストッパ50が形成されている。なお、傾斜案内部44の、図10における紙面に垂直な方向の幅は、紙葉類32の幅よりも若干広めとするのが好適である。
48は発光部、受光部からなるセンサであり、紙葉類32が通過しないときには、図10に示すように可動爪片45b側のレバー45cによって遮断されず、図11に示すように紙葉類32が、スプリング47の付勢力に抗して可動爪片45bを回動させた際には、レバー45cによって遮断される。このセンサのオンオフ信号は、紙葉類送り込み装置28の全体を制御する制御部120(図29)に入力される。
続いて曲げ装置30により、紙葉類32の後端部側に変形部32bを形成する動作を図12に基づいて説明する。
図12(a)は、紙葉類(紙幣)が紙幣識別装置29に投入されて紙幣識別動作がなされている状態で、このときはまだ送り込みローラ33a、33aは回転されていない。
紙幣識別動作がなされ、送り出しローラ(図示せず)によって紙葉類が送り込みローラ33a、33a方向に送り出されてくると、紙葉類32の先端部がスプリング47の付勢力に抗して可動爪片45bを回動し、レバー45cによりセンサ48を遮断(オフ)する。この遮断信号が図示しない制御部に入力されると制御部は両送り込みローラ33a、33aが紙葉類送り込み方向に回転するように図示しないモータを駆動する(図12(b))。
両送り込みローラ33a、33aによって紙葉類32が送り込まれ、図12(c)に示すように、紙葉類32の後端部が両爪片45a、45bを通過すると、可動爪片45bはスプリング47の付勢力によって元の位置に回動し、両爪片45a、45bによって紙葉類通路43を遮断すると共に、センサ48が再び受光状態(オン)となり、このオン信号が制御部に入力される。
上記オン信号が制御部に入力されると、制御部ではモータを一旦停止させると共に(図12(c))、所定角度、モータを逆方向に回転させる。これにより、紙葉類32は所定距離引き戻される(図12(d)〜図12(f))。
このように紙葉類32が引き戻されると、まず、図12(d)に示されるように、紙葉類32の後端が傾斜案内部44に当接し、次いで、図12(e)に示されるように、紙葉類32の後端部は傾斜案内部44に沿って引き戻され、後端がストッパ50に当接し、傾斜案内部44に沿っての移動が停止される。
両ローラ33a、33aがなおも逆方向に回転されることによって、図12(f)に示されるように、紙葉類32の後端部が上流側のローラ33a方向に若干送り込まれ、紙葉類32の後端部の変形が強調される。
傾斜案内部44が、上流側から下流側に向けて、下流側のローラ33aから離反する方向に傾斜しているので、紙葉類32の後端部は、下流のローラ33a側に凹となるように湾曲した状態に変形される。変形部32bの形状は、紙葉類32の引き戻し量や、傾斜案内部44の傾斜面の形状等によって、L字状もしくはアール状などに形成できる。
所定角度モータが逆回転された後、図12(g)、(h)に示されるように、制御部により、送り込みローラ33a、33aが正回転され、後端部に変形部32bが形成された紙葉類32が送風管22内に送り込まれるのである。
上記のように紙葉類32の後端部側が、送り込みローラのうち送風方向下流側に位置するローラ33a側に凹となるように湾曲された状態に変形部32bが形成されるので、変形部32bが形成された紙葉類32の後端部が両ローラ33a、33a間を通過しても、変形部32bの変形が元に戻されることがない。すなわち、紙葉類32の先端部は空気流によって図12(g)に示されるように、変形部32bの変形と同一方向である、空気流の流れ方向に曲げられ、したがって、紙葉類32の後端部は、下流側のローラ33aを巻き込むように通過するので、変形部32bが多少戻るようなことがあっても、変形状態を維持できるのである。
本実施の形態においては、紙葉類32の後端部を上記とは逆の、上流側のローラ33a側に凹となるように変形させると、両ローラ33a、33a間を紙葉類の後端部32bが通過する際、変形部32bが元に戻される状態となってしまうので好ましくない。
なお、図3に示すように、曲げ装置30から紙葉類32を送風管22内に送り込む際、紙葉類32の先端部や後端部がリブ40の端面に引っ掛らないように、曲げ装置30からの送り込み口におけるリブ40の端面を、空気流の流れ方向に次第に高くなる傾斜面40aに形成するようにするとよい。
また、曲げ装置30(従って送り込み装置28)が接続される送風管22の部位は、曲げ装置30側と一体に形成して、送風管22の直管部と接続して、組み込むようにするとよい。
なお、送り込み装置28には、必ずしも紙幣識別装置29を設けなくともよい。ただ単に、曲げ装置30の送り込みローラ33a、33aに向けて、ベルトやローラを利用して、あるいは手作業で直接紙葉類を供給するのであってもよい。
次に、図13、図14により曲げ装置30の他の実施の形態を説明する。
図10〜図12に示す実施の形態と同一の部材は同一符号をもって示し、その説明は省略する。
本実施の形態では、一対の送りこみローラ33a、33aのうち下流側に位置する送り込みローラ33aに当接して回転する押圧ローラ49が設けられている。押圧ローラ49はスプリング51によって付勢され、下流側の送り込みローラ33aに圧接している。また、この押圧ローラ49に隣接して、下流側の送り込みローラ33aの外周面との間に紙葉類が進入可能な僅かな隙間を形成する円弧面を有するガイド部53が設けられている。
この曲げ装置30の動作を図14により説明する。
図14(a)は、紙葉類(紙幣)が紙幣識別装置29に投入されて紙幣識別動作がなされている状態で、このときはまだ送り込みローラ33a、33aは回転されていない。
紙幣識別動作がなされ、送り出しローラ(図示せず)によって紙葉類が送り込みローラ33a、33a方向に送り出されてくると、紙葉類32の先端部がスプリング47の付勢力に抗して可動爪片45bを回動し、レバー45cによりセンサ48を遮断(オフ)する。この遮断信号が図示しない制御部に入力されると制御部は両送り込みローラ33a、33aが紙葉類送り込み方向に回転するように図示しないモータを駆動する(図14(b))。
両送り込みローラ33a、33aによって紙葉類32が送り込まれ、図14(c)に示すように、紙葉類32の後端部が両爪片45a、45bを通過すると、可動爪片45bはスプリング47の付勢力によって元の位置に回動し、両爪片45a、45bによって紙葉類通路43を遮断すると共に、センサ48が再び受光状態(オン)となり、このオン信号が制御部に入力される。
上記オン信号が制御部に入力されると、制御部ではモータを一旦停止させると共に、所定角度、モータを逆方向に回転させる。これにより、紙葉類32は所定距離引き戻される(図14(d))。
このように紙葉類32が引き戻されると、紙葉類32の後端が傾斜案内部44に当接し、紙葉類32の後端部は傾斜案内部44に沿って引き戻され、さらに押圧ローラ49と送り込みローラ33a間に進入して挟まれ、さらに引き戻されるとともに、送り込みローラ33aとガイド部53の間に進入し、円弧状に変形される。あるいは、さらに引き戻されると、紙葉類32の後端部は両送り込みローラ33a、33a間に進入し、筒状に変形される。
所定角度モータが逆回転された後、図14(e)に示されるように、制御部により、送り込みローラ33a、33aが正回転され、後端部に変形部32bが形成された紙葉類32が送風管22内に送り込まれるのである。
紙葉類32の後端部の引き戻し量を調節することによって、変形部32bの形状をL字状、J字状のほか、筒状等の種々の形状に形成できる。
次に、図15〜図17により曲げ装置30のさらに他の実施の形態を説明する。
図10〜図12に示す実施の形態と同一の部材は同一符号をもって示し、その説明は省略する。
本実施の形態では、一対の送り込みローラ33a、33aのうち上流側に位置する送り込みローラ33aを、軸81を中心に揺動するL字状の揺動アーム80の一端側に取り付け、揺動アーム80の他端側にスプリング82の一端を固定し、スプリング82により上流側の送り込みローラ33aを下流側の送り込みローラ33aに圧接するように付勢している。なお、図示しないがL字状の揺動アーム80は一対設けられ、上流側の送り込みローラ33aの他端側も回転自在に支持している。
この一対の送り込みローラ33a、33aの詳細をさらに図16により説明する。
84は駆動モータであり、変速ギヤ群85を介して上流側の送り込みローラ33aを回転駆動する。なお、86、87はシールドシャフトであり、それぞれ送り込みローラ33a、33aと平行に、かつ送り込みローラ33a、33aと微小間隔をおいて配置されている。一方のシールドシャフト86の長さ方向中央には突起88が形成され、この突起88が本体側の支持部に当接して受けられ、これによりシールドシャフト86および下流側の送り込みローラ33aがシーソーの動きが可能となって、他方の上流側の送り込みローラ33aとの平行を確保できるようになっている。これにより、両ローラ33a、33aで紙葉類32を挟みこんだとき、紙葉類32を確実に送ることができる。
次に、図15において、傾斜案内部44は、上流の送り込みローラ33a方向に伸びるとともに送風管22から次第に離反するように伸び、終端にストッパ50が形成されている。また、傾斜案内部44の下流側には、下流側の送り込みローラ33aの方向に伸びるとともに、送風管22から次第に急激に離反する袋状部90が形成されている。
この曲げ装置30の動作を図17により説明する。
図17(a)は、紙葉類(紙幣)が紙幣識別装置29に投入されて紙幣識別動作がなされている状態で、このときはまだ送り込みローラ33a、33aは回転されていない。
紙幣識別動作がなされ、送り出しローラ(図示せず)によって紙葉類が送り込みローラ33a、33a方向に送り出されてくると、紙葉類32の先端部がスプリング47の付勢力に抗して可動爪片45bを回動し、センサ48をオンする。
このオン信号が図示しない制御部に入力されると制御部は両送り込みローラ33a、33aが紙葉類送り込み方向に回転するように駆動モータ84を駆動する(図17(b))。
両送り込みローラ33a、33aによって紙葉類32が送り込まれ、図17(c)に示すように、紙葉類32の後端部が両爪片45a、45bを通過すると、可動爪片45bはスプリング47の付勢力によって元の位置に回動し、両爪片45a、45bによって紙葉類通路43を遮断すると共に、センサ48が再びオフ状態となり、このオフ信号が制御部に入力される。
上記オン信号が制御部に入力されると、制御部では駆動モータ84を一旦停止させると共に、所定角度、駆動モータ84を逆方向に回転させる。これにより、紙葉類32は所定距離引き戻される。このように紙葉類32が引き戻されると、紙葉類32の後端が傾斜案内部44に当接し、紙葉類32の後端部は傾斜案内部44に沿って引き戻され、後端がストッパ50に当接する(図17(d))。
さらに駆動モータ84が逆方向に回転されると、紙葉類32は後端部側が袋状部90内に次第に進入し、袋状部90の内壁に沿った2つ折り状に形成される(図17 (e)〜図17(g))。さらに継続して駆動モータ84が逆方向に回転されると、引き戻された紙葉類32は、図17(h)に示されるごとく紙葉類32の中途部分が湾曲することによってさらにもう1箇所の変形部が形成される。さらに継続して駆動モータ84が逆方向に回転されると、その変形が強調される。この状態となったら駆動モータ84が停止される。なお、駆動モータ84はステッピングモータによって形成され、所要角度逆回転したら停止するように設定されている。
次に、駆動モータ84が再び正回転される。これにより図17(i)、図17(j)に示されるように、2つ折り状となった紙葉類32の後端部は一対の送り込みローラ33a、33a間に進入する。さらに駆動モータ84が回転されると、紙葉類32のループ状の折り畳み端が両ローラ33a、33a間を通過しようとするが、その際に、紙葉類32からの抵抗力がスプリング82の付勢力に抗して上流側の送り込みローラ33aを下流側の送り込みローラ33aから離反する方向に回動する(図17(k))。
これにより、両ローラ33a、33a間を通過する際、紙葉類32のループ状の折り畳み端に適度の押圧力が加わり、紙葉類の後端部を、図17(l)に示すように、かなり強い状態に、送り込みローラ33a、33a側に凸となるように変形させる。しかし、ループ状の折り畳み端が通過する際、一方の送り込みローラ33aが逃げるので、該ループ端に完全なる折れ線を形成するものではない。紙葉類32が紙幣の場合、完全な折れ線を形成してしまうと、復元が困難となり好ましくないが、本実施の形態では、強い変形部は形成されるが完全なる折れ線が形成されてしまうことはない。
なお、図17(l)に示されるように、紙葉類32には、2箇所で変形して、全体としてジグザグ状をなす変形部が形成されていることがわかる。
なお、紙葉類32のループ状の折り畳み端が通過する際、上流側の送り込みローラ33aがスプリング82の付勢力に抗して、下流側の送り込みローラ33aから離反する方向に回動するように、スプリング82の付勢力や揺動アーム80のL字の角度等が設定されている。一方、図17(d)〜図17(g)までの、上流側の送り込みローラ33aが逆回転される際には、紙葉類32からの摩擦力が上流側の送り込みローラ33aを下流側の送り込みローラ33aに押し付けるような作用が働くように、揺動アーム80のL字の角度等が設定されている。
なお、上記実施の形態では上流側の送り込みローラ33aを揺動可能に設けたが、逆に下流側の送り込みローラ33aを揺動可能に設け、ストッパ50と袋状部90との位置関係を上記とは逆にし、また、傾斜案内部44の傾斜方向も上記と逆になるように形成して、紙葉類32の後端部を送り込みローラ33a、33a側に凹となるように変形させてもよい。
次に、紙葉類32の回収装置34の詳細を図18、図19により説明する。
回収装置34は送風管22の終端に着脱自在に取付けられ、送風管22内を搬送されてくる紙葉類(紙幣)32を回収する。
52は搬出ローラであり、回収装置34の中間部に設けられ、搬送されてくる紙葉類32の表面を両側から挟み、スリット通路54に向けて送り出す。搬出ローラ52は、紙葉類32の両側を紙葉類32の全幅に亙って挟みこむように、図19に示すように4対に分割されている。
搬出ローラ52の手前側には、1対の挟み込みローラ56が設けられている。この挟み込みローラ56は、送風管22内を様々な姿勢で搬送されてくる紙葉類32の先端部をまず挟み込むものであるため、一対のみ設けられている。
58はリブであり、送風管22内のリブ40と連続するものであるが、挟み込みローラ56に向けて徐々に高さが高くなるように形成され、挟み込みローラ56の手前側で、両側のリブ58先端間の間隔が紙葉類32を通過させるだけの狭い間隔となるようにされ、紙葉類32先端部を確実に挟み込みローラ56間に案内するようになっている。60は排出管であり、リブ58間の隙間から空気流のみを外部に排出するようにしている。排出管60は前記戻り管36に接続されて、空気流が送風部24に戻される。これによって、空気流の一部は循環して送風される。
なお、空気流は送風部24に戻すのでなく、排出管60から外部に排出するようにしてもよい。
搬出ローラ52の前方には回収箱55が設けられている。
回収箱55内には、スリット通路54の出口に位置して、搬出ローラ52によってスリット通路54に送り込まれてくる紙葉類32の先端部を挟みこむ第1のローラ62が配設されている。また、この第1のローラ62に近接して、第1のローラ62とは直交する方向に第2のローラ64が配設されている。さらに第2のローラ64の前方に位置して第3のローラ66が配設されている。また、第1のローラ62、第2のローラ64、第3のローラ66の両側方に位置して、第2のローラ64の部位で直角方向に曲がるガイド板67がそれぞれ配設されている。それぞれのガイド板67は2枚の平行な板によって構成され、この両板間に、紙葉類32の側縁部が通過可能にガイドされる。
第1、第2、第3のローラ62、64、66によって矯正ローラを構成する。
スリット通路54内を送られてきた紙葉類32は先端が第1のローラ62によって挟みこまれてさらに先送りされ、両縁部がガイド板67にガイドされることによって、第2のローラ64に挟みこまれる。紙葉類32はガイド板67によってさらにガイドされて第3のローラ66に挟みこまれ、回収箱55内にと送り込まれる。ガイド板67は、紙葉類32の変形部32bの変形方向とは逆の方向となる直角方向に曲がっている。したがって、紙葉類32は、第2のローラ64を通過する際、その変形部32bが変形方向とは逆の方向に屈曲され、その変形が矯正され、平らな紙葉類32となって回収箱55内に回収されるのである。
紙葉類32の変形部32bは、曲げ装置30によって一時的に変形されているだけであり、矯正ローラの第2のローラ64によって逆方向に強制的に曲げられることから容易に変形が矯正される。
図20および図21は紙葉類32の回収装置34の他の実施の形態を示し、図20は平面図、図21は正面図である。
図において、94は紙葉類分離部、96は紙葉類矯正部、98は紙葉類収納部である。
紙葉類分離部94は送風管22の終端部に設けられ、紙葉類32と空気流を分離する。紙葉類分離部94の入口には紙葉類検知センサ99が配置されている。紙葉類分離部94内には、一対の搬送ベルト100が配置されている。101はその駆動モータである。搬送ベルト100は、対向搬送面がV字状に次第に狭まるように配置されて、送風管22内を搬送されてきた紙葉類32を挟み込み、前方の紙葉類矯正部96に送り込むことが可能となっている。
なお、搬送ベルト100が掛けまわされるプーリ103にはワンウエイクラッチ機構(図示せず)が介挿され、分離部モータ101が停止されても、紙葉類32は紙葉類矯正部96方向に引き抜き可能となっている。
60は排出管であり、空気流のみを外部に排出するようにしている。排出管60は前記戻り管36に接続されて、空気流が送風部24に戻される。これによって、空気流の一部は循環して送風される。
なお、空気流は送風部24に戻すのでなく、排出管60から外部に排出するようにしてもよい。なお、106はガイド板である。
搬送ベルト100の前方には一対の平行に設けられたガイド板107が配され、紙葉類32を紙葉類矯正部96に導く。
紙葉類矯正部96の入口には入口センサ102が配設されている。紙葉類矯正部96内には、4本の矯正ローラが104が隣接するものとの間で紙葉類を通過させることができるだけの隙間を存して配置されている。この各矯正ローラ104の外周面との間に一定の紙葉類搬送空間が形成されるように、各矯正ローラ104の外周を覆って断面円弧状のガイド板108が配設されている。
105は矯正ローラ104駆動用の駆動モータである。矯正部モータ105の回転軸、および4本の矯正ローラ104の各回転軸に固定されたギヤが順次噛合するとによって、各隣接する矯正ローラ104が互いに逆方向に回転される。これにより、矯正ローラ104間に進入した紙葉類32はジグザグ状に搬送されて順次逆方向に屈曲され、曲げが矯正されて紙葉類収納部98の入口側に送り込まれる。
紙葉類収納部98の入口には、終端検出スイッチ110および一対の搬送ローラ111が配設されている。
紙葉類収納部98内はプレス板112により第1の室113および第2の室114の2室に仕切られている。プレス板112は、収納部モータ115により、紙葉類収納部98内で移動可能となっており、一方の位置(図20では手前側)に移動した際には、入口から第2の室114内に紙葉類32を送り込み可能になり、他方の側(奥側)に移動した際には紙葉類32を第1の室113内に送り込み可能となっている。
なお、116は第1および第2の室113、114内に配置された受板であり、スプリング117によって受けられている。
続いて、本実施の形態の動作について説明する。
紙葉類検知センサ99によって紙葉類32が到達したことが検知されると分離部モータ101が駆動され、搬送ベルト100が駆動されて紙葉類32は紙葉類矯正部96へ送り込まれる。入口センサ102によって紙葉類32が検出されると、分離部モータ101は停止され、一方矯正部モータ105が駆動されて4本の矯正ローラ104が回転され、紙葉類32は矯正ローラ104間を搬送され、その間に表裏方向に数度曲折され、これにより曲がりが矯正された状態で紙葉類収納部98内に送り込まれる。終端検出スイッチ110によって紙葉類32の終端が検出されると矯正部モータ105は停止される。なお、搬送ローラ111は矯正ローラ104とともに駆動、あるいは停止される。
紙葉類収納部98内では、プレス板112が一方の方向(図20では奥側)に移動しており、紙葉類32は、入口から第1の室113内に搬入される。終端検出スイッチ110によって紙葉類32の後端が通過したことが検出されると収納部モータ115が駆動され、プレス板112が第1の室113内方向に移動し、受板116に紙葉類32を押し付ける。この状態でプレス板112が停止し、入口から紙葉類32が第2の室114内に送り込み可能な状態となり、次に送られてくる紙葉類32は第2の室114内に送り込まれ、収容される。このようにして順次紙葉類32が第1の室113、第2の室114に取り込まれ、収容されるのである。
上記のように、プレス板112が移動して、紙葉類32が第1の室113、第2の室114内に交互に収容されるようにしたので、プレス板112をその都度往復動させる必要がなく、タクトタイムを短縮できる。なお、紙葉類収納部98を1室のみとし、プレス板をその都度往復動させて紙葉類を取り込む、通常の収容部であってもよい。
次に、紙葉類32を空気流によって搬送するときは、前後の紙葉類32が2枚重なって移動する事態が想定される。
先行する紙葉類32の先端が入口センサ102によって検出されると分離部モータ101は停止される。一方、矯正部モータ105が駆動され、これにより先行の紙葉類32は矯正ローラ104によって前方に送り込まれる。先行の紙葉類32の後部側が搬送ベルト100によって挟まれた状態であっても、プーリー103にはワンウエイクラッチが介挿されているので先行する紙葉類32は搬送ベルト100から支障なく抜け出せ、前方に後行する紙葉類32と共に送り込まれる。
先行する紙葉類32が搬送ベルト100を抜け出ると、先行する紙葉類32は後行する紙葉類32から分離された状態となる。後行する紙葉類32は、さらに後行する紙葉類32が紙幣検知センサ99により検出されることにより、分離部モータ101が駆動され、搬送ベルト100によって前方に送りこまれる。
なお、後行する紙葉類32が先行する紙葉類32と共に矯正ローラ104に到達している場合には、矯正ローラ104によって重なったままの状態で搬送され、紙葉類収納部98に収容される。
次に、図1に示す実施の形態では、送風管22に曲折部23を設けて、紙葉類32の一方の平面部が内側となるように、紙葉類32をUターンさせて搬送、回収する例を示した。この場合には曲折部23の曲率半径は小さい。
しかし、送風管22の配設空間によっては、紙葉類32の幅方向の端面側が内側となるように紙葉類32を方向転換させる必要がある場合がある。しかしながら、この場合には、図22に示すように、送風管22の曲折部の曲率半径が極めて大きくなってしまい、空間効率が非常に悪くなるという問題がある。
図23には、このような場合に対処できる手段を示している。
すなわち、本実施の形態では、送風管22の軸線に対して所要角度(図23の場合90度)捩って形成した捩れ管68に形成している。なお、捩れ管68の壁面にも送風管22の壁面に設けたリブ40と同一のリブが形成され、このリブそのものも同一の角度で捩られているが、図23での図示は省略した。この捩り管68を送風管22の直線部に接続すれば、紙葉類32を90度捩った方向に方向転換できる。
また、図24には、紙葉類32をその一方の表面が内側となるようにして90度曲げられた方向に搬送できる曲折管23が示されている。この曲折管23のリブ40は、図1の曲折部23と同様に、曲折部23の所要上流側から曲折部23の入口部にかけて高さが徐々に低くなるように形成され、曲折部23の入口部から所要下流側にかけて、リブ40はその高さが徐々に高くなるように形成されている。また、曲折部23の外側の壁面のリブ40は、曲折部23の上流側から曲折部にかけて徐々に高さが高くなり、曲折部から下流側にかけて徐々に高さが低くなるように形成すると好適である。
図23に示される捩れ管68および図24に示す曲折管23を送風管22の直管部に接続すれば、紙葉類32を、小さな曲率半径で、結果的に、直管部の紙葉類32に対して、紙葉類32の幅方向の端面側が内側となるように方向転換させうる送風管路を形成できる。捩れ管68の捩れ角、曲折管23の曲がり角度を任意に設定することで、任意の方向に曲率半径小さく曲折した送風管路に形成することができる。
次に、送風管22内に紙葉類32が詰まった場合に、本発明に従い、その詰まりを解消する方法について装置と共に詳細に説明する。
本発明では、送風管と、該送風管内に空気流を生じさせる空気流発生装置とを有する紙葉類搬送装置を用い、送風管内で紙葉類を搬送する方法において、前記送風管内で紙葉類に詰まりが生じた際に、紙葉類に物理的な力を作用させて紙葉類の移動を促し、紙葉類の詰まりを解消することを特徴とする。
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態では、空気流発生装置により送風管内に発生される空気流の風速を変化させて紙葉類に物理的な力を作用させることを特徴とする。
具体的には、空気流発生装置たる送風部(ブロワー)24の回転速度を変化させて空気流の風速を変化させる。すなわち、図25に示すように、送風部24の駆動モータ200をインバータ201を介してその回転数を変化させることによって、送風管22内を流れる単位時間当りの空気量を変化させることができ、したがってこれにより空気流の風速を変化させることができる。なお、202は制御部である。
上記のように、送風管22内を流れる空気流の風速を変化させることによって、送風管22内で詰まっている紙葉類32に作用する風圧を変化させることができ、例えば、送り込み装置28の送り込みローラ33a、33aの出口側やリブ40等に引掛って詰まりが生じている紙葉類32にバタツキを生じさせ、これにより引掛りが外れ、紙葉類32を送風管22内へ移動させることができる。
なお、風速を変化させるとは、紙葉類32の搬送時の風速よりも速くしたり、あるいは遅くしたりすることを意味する。あるいは風速を交互に速くしたり遅くしたりするのを繰り返すようにするとさらに好適である。紙葉類32が送風管22内で移動を開始したか否かは、送風管22内に適宜設けたセンサによって検知するようにする。紙葉類32が移動を開始したら、送風部24での送風を通常状態に戻すようにする。
送風管22内の空気流の風速を変化させる他の例としては、送風管22の管路を開閉する弁を設け、該弁により送風管の流路面積を変化させることにより空気流の風速を変化させるようにしてもよい。
図26、図27に、上記弁204の一例を示す。
弁204は、送風管22を貫通するシャフト205に取付けられた5枚の弁羽根206を有する。シャフト205は、送風管22外に設けられた駆動モータ207によって、正転方向、逆転方向に回動されるようになっている。各弁羽根206は、隣接リブ40の間隔内で回動する。
上記のように、送風管22内で弁羽根206を回動させることによって、送風管22の流路面積を変化させることができ、これにより空気流の風速を変化させることができる。紙葉類32の詰まりは、送り込み装置28の近傍や、送風管22の曲折部23等に生じやすいので、詰まりが生じ易い部位に弁204を配設すればよい。なお、弁204による風速の変化は、送風管22の一部に生じさせるものであるが、本発明ではこのような一部における風速の変化も含む。
次に、紙葉類に物理的な力を作用させる他の方法として、図28、図29に示すように、送風管22に設けられた外気導入孔208を弁により開閉することにより送風管22内に外気を流入させて空気流に乱流を生じさせることにより紙葉類に物理的な力を作用させるようにすることができる。
図28では軸209を中心に回動可能に設けられた回動片210の一方の突出片210aに弁体211を設け、この一方の突出片210aをスプリング212によって付勢して弁体211で外気導入孔208を閉塞するようにし、他方の突出片210bを電磁石213によりスプリング212の付勢力に抗して吸引することによって回動片210を回動させて外気導入孔208を開放できるようにしている。電磁石213を間欠的に駆動して、外気導入孔208を開閉し、外気を送風管22内に間欠的に導入することによって、送風管22内を流れる空気流に乱流を生じさせ、この空気流の乱れを詰まりが生じている紙葉類に物理的に作用させ、これにより詰まりを解消させることができる。
図29のものでは、電磁ソレノイド214の鉄心215の先端に弁体211を取り付け、常時は内蔵するスプリングによって弁体211を外気導入孔208に押圧して閉塞し、電磁ソレノイド214を駆動することによって鉄心215を吸引して外気導入孔108を開放できるようにしている。図29のものでも、電磁ソレノイド214を間欠的に駆動することによって外気導入孔208を開閉して外気を送風管22内に流入させ、空気流に乱流を生じさせ、この空気流の乱れを詰まりが生じている紙葉類に物理的に作用させ、これにより詰まりを解消させることができる。
次に、紙葉類に物理的な力を作用させる他の方法として、送風管内の空気流の流れ方向を逆にするようにしてもよい。
図30に、送風管22内の空気流の流れ方向を逆にできる装置の一例を示している。この装置では、送風部(ブロワー)24から出る往路管22aと送風部24に戻る復路管22bとの間に跨って、2つの短絡管218、219を交差するようにして接続している。
そして、両短路管218、219にそれぞれ弁220、221を配設している。また、両短路管218、219がそれぞれ接続される部位の中間となる位置の往路管22a、復路管22bの部位にも弁222、223を配設している。
弁220、221を閉じ、弁222、223を開けることによって、送風管22内に通常の方向に空気流を流すことができる。
一方、弁220、221を開き、弁222、223を閉じることによって、空気流の流れを逆転させることができる。
このように空気流の流れを逆転させることによって、詰まりが生じている紙葉類32に物理的な力を作用させることができ、詰まりを解消させることができる。
なお、上記では、図25、図26、図28(あるいは図29)、図30の方法をそれぞれ単独で説明したが、これらの方法を適宜組み合わせて用いてもよいことはもちろんである。
〔第2の実施の形態〕
上記では、空気流の流れを種々に変化させて、紙葉類に空気流から物理的な力を作用させるようにしたが、送風管22内に、引掛部を有し、送風管22内を流れる空気流により移動可能な引掛片230を流し、詰まりが生じている紙葉類32を引掛片230の引掛部に引掛けて移動させるようにして詰まりを解消するようにしてもよい。
図31は引掛片230の一例を示す説明図である。
引掛片230は、紙葉類32とほぼ同形の矩形状に形成されている。
引掛片230に設けられている引掛部231は、引掛片230の後部側に、送風管22の対向する一対の壁部22a、22a(図2)方向に向かって互いに反対方向に曲折する曲折片232に形成されている。また、引掛片230の先端部には前方に向けて突出する複数の凸部234が形成されている。なお凸部234は、1ヶ所以上有ればよく、好適には、対称位置に2〜3ヶ所設けるとよい。
図31に示す例では、曲折片232はそれぞれ複数(5本)に分割され、引掛片230を送風管22内に挿入した際に、各分割片(曲折片)232は、送風管22の隣接するリブ40とリブ40の間を通過可能に設けられている。
なお、曲折片232は5本でなくてもよく、場合によっては1つの曲折片であって、リブ40間を通過しうるものであればよい。
また、各曲折片232の端縁部は、鋸刃状に形成されている。また、各曲折片232は、曲折片232が壁部22a、22a方向に向かって曲折する曲折面が螺旋面となるように捩られている(曲折片232が自身の軸線回りに捩られている)。これにより、曲折片232の端縁部の鋸刃部が、紙葉類32の端縁部に引掛り易く、詰まっていた状態の紙葉類32が引掛片230と共に送風管22内を移動することになる。
なお、曲折片232の端縁部は必ずしも鋸刃状に形成しなくともよい。
図32、図33は曲折片232の他の例を示す。図32に示す例では、曲折片232は単にアール状に曲折させたものであり、図33に示すものは、曲折片232をフック状に曲折している。要は、曲折片232の形状は、曲折片232で、詰まり状態の紙葉類32を引掛けて移動できるような形状であればよい。
引掛片230は、樹脂材等の弾性を有するシート材を加工して形成するとよい。曲折片232は、互いに反対方向に曲折(湾曲)されていて、押圧されることによってほぼ平らなシート状に潰されるが、押圧力が解除されると弾性力によって再び湾曲するように復帰する。
続いて引掛片230による紙葉類32の詰まり状態を解消する方法について説明する。
紙葉類32の詰まり状態がセンサによって検出されたら、引掛片230を送風管22内に送り込む。この引掛片230を送風管22内に送り込む位置は、例えば、図34に示すように、投入口236から送風管22の最上流部に送り込む。投入口236は、回収部34内における送風管路に設けられ、例えば、図1における連結管26の適所に開口部(図示せず)を設け、この開口部を開閉する蓋体(図示せず)を設けて投入口236とする。この蓋体を開けて、開口部から送風管22内に手動により引掛片230を送り込み、再度蓋体により開口部を閉塞し、引掛片230を空気流により送風管22内を移動させるようにすればよい。
引掛片230は、紙葉類32と同様に、後部側に、外方に向かって曲折する曲折片232が形成されているから、空気流からの風圧を受けて送風管22内を移動するのである。そして、詰まりが生じている紙葉類32の位置に引掛片230が到着すると、その曲折片232の鋸刃部により紙葉類32が引掛けられ、これにより紙葉類32は引掛片230と共に送風管22内を下流に向けて移動する。
なお、引掛片230の曲折片232を、送風管22の一方の対向壁面22a、22aに設けたリブ40の、リブ40とリブ40との間およびリブ40と他方の対向壁面22b、22bとの間の全ての空間を通過可能に、図示の例でそれぞれ5本に分割して設けた場合には、曲折片232が、管断面空間全体を占め、管断面空間の密閉度を最大限に高め、風圧を受ける面積が大きくなるので、引掛片232自体、スムーズに送風管22内を移動できる。また、曲折片232が適度の弾性をもっているので、風圧で延びたり縮んだりしない(紙葉類32の弾性力よりもはるかに強い弾性力を持たせる)。これにより詰まった紙葉類を確実にキャッチし、紙葉類32からの抗力にも延びたり変形せず、風力を最大限受けて、力強く進み、詰まりを除去できる。
紙葉類32を引掛けた状態で送風管22内を移動する引掛片230の取り出しは例えば次のようにしてなされる。
すなわち、送風管22の終端に設けた回収装置34で引掛片230と紙葉類32とを分離し、紙葉類32を回収装置34に回収すると共に、引掛片230を別途回収するのである。
例えば、図34〜図36に示すように、回収装置34内で紙葉類32を案内するガイド部(ガイド板)107に、引掛片230の先端部に設けた凸部234が進入する溝239を有する受け部238を設ける(図35)。この受け部238は、ガイド部107が矯正ローラ104方向に曲折する曲折部242における外側ガイドを受け持ち、軸240を中心として回動自在に設けられ、この曲折部242に上記溝239が設けられている(図35)。
図34は、受け部238が軸240を中心として外側に回動し、ガイド部107が開いた状態を示し、図36は受け部238が閉じて紙葉類32を矯正ローラ104の方向に送り込むガイド通路が形成された状態を示す。受け部238は常時は図示しないスプリングに付勢されて、図36に示すガイド通路を形成している。
紙葉類32を引掛けた引掛片230が受け部238まで移動してくると、引掛片230の凸部234が溝239内に進入することによって引掛片230が受け部238に受けられて停止し、一方、紙葉類32は、その先端が矯正ローラ104(図20)で挟持されて前方に搬送されるので分離され、紙葉類収納部98に回収される。
なお、上記の場合、引掛片230が紙葉類32よりも長さが十分に短く、引掛片230が受け部で停止された際に、紙葉類32の先端が矯正ローラ104で挟持されるような長さ関係、位置関係になければならない。しかも、図34において、引掛片230が左側、紙葉類32が右側となる状態でガイド部(ガイド板)107間に進入してくる場合のみ分離できる。
図34で、引掛片230が右側、紙葉類32が左側の状態でガイド板107間に進入した場合には、紙葉類32の方が長いのであるから、受け部238の溝239が先に紙葉類32によって塞がれてしまい、したがって引掛片230は紙葉類32と共に矯正ローラ104を経て紙葉類収納部98に回収されてしまう。
このような事態が想定されるため、図34において、右方に曲折しているガイド板107の下流側に、ガイド板107とは反対側に曲折するガイド板(図示せず)を設けて、このガイド板にも引掛片230の凸部232が進入する溝を有する受け部(図示せず)を設けるようにしておくとよい。このようにすることで、引掛片230はいずれかの受け部で停止され、紙葉類32と分離することができる。
なお、受け部238の溝239に受け止められた引掛片230は、引掛片230がぶつかることによってスプリングの付勢力に抗して受け部238を外方に開き、自重により落下して回収される。あるいは、人手により受け部238を外方に開いて引掛片230を回収するようにしてもよい。
上記のようにすることで、引掛片230をほぼ自動的に回収できる。
なお、回収装置34内で、引掛片230と紙葉類32とを手動で回収するようにしてもよい。
この場合、逆に引掛片230の長さを紙葉類32の長さよりも長いものにしておく。そうすると、まず、引掛片230の凸部234がガイド板107の受け部238の溝239内に進入し、紙葉類32と共にその位置で停止する。したがって、受け部238を外方に開いて、人手により引掛片230と紙葉類32とを取り出せばよい。
上記では、引掛片230を投入口236から送風管22の最上流部内に送り込むようにしたが、紙葉類32を送り込む送り込み装置28から引掛片230を送風管22内に送り込むようにすることもできる。
送り込み装置28は、その手前側に紙幣識別装置29が奥側に曲げ装置30が配設されているが、この場合に、紙幣識別装置29は、紙幣を識別すると同時に、引掛片230をも識別できるようにしてあり、引掛片230であると認識した場合に、その送り出しローラ(図示せず)を駆動し、引掛片230を曲げ装置30に送り出す。
なお、紙幣識別装置29で引掛片230であると識別できるように、引掛片230には、所要の読み取りパターンをその表面に形成してあり、この読み取りパターンをあらかじめ紙幣識別装置29の記憶部に記憶させ、紙幣識別装置29で読み取ったパターンが記憶させてあるパターンと一致した場合に、紙幣識別装置29が引掛片230を曲げ装置30に送り出す。この識別システムは紙幣の場合と同じである。
ただし、引掛片230の場合には、曲げ装置30で送り込みローラ33a、33aを逆方向に回転させる、前記したような曲げ動作は行わず、送り込みローラ33a、33aにより直接送風管22内に引掛片230を送り込むのである。この一連の動作は制御部によって行われる。
引掛片230は、最上流の送り込み装置28から送風管22内に送り込んでもよいが、紙葉類32の詰まりが生じている部位の直近上流の送り込み装置28から引掛片230を送風管22内に送り込むようにしてもよい。
また、引掛片230を送風管22内に送り込むのは、送風管22の最上流部や送り込み装置28からでなく、送風管22の中途部からであってもよい。
この場合、例えば、図37に示すように、送風管22の最上流部に開口部を設け、この開口部を開閉可能な蓋体245を設け、この蓋体245を開けて、開口部から送風管22内に手動により引掛片230を送り込むようにしてもよい。
なお、蓋体245と開口部のシールは、図5、図6に示したシール材160を蓋体245、および送風管22を覆って装着するなどして容易に行える。
また、蓋体245により開閉される開口部は、送風管22の適所に複数個所設けてもよい。
また、紙葉類32を引掛けた状態で送風管22内を移動する引掛片230の取り出しは、回収装置34内でなく、例えば次のようにしてもよい。
すなわち、送風管22の壁面に、常時は適宜な栓体(図示せず)などで閉塞される透孔(図示せず)を形成し、引掛片230を回収する際に、透孔から送風管22内にストッパ部材(図示せず)を挿入して送風管22内を流れてくる引掛片230をストッパ部材に当接させて停止させる。そして、透孔の近傍に設けられ、図37に示すのとほぼ同様な蓋体により開閉される開口部(図示せず)を開けて送風管22を開放し、紙葉類32と共に引掛片230を回収するようにする。この回収位置も適宜な位置で行える。
〔第3の実施の形態〕
上記では、送風管22内に引掛片230を流し、この引掛片230に紙葉類32を引掛けて詰まりを解消するようにしたが、送風管22内に、引掛部を有する引掛片が固定されたロボットを自走させ、詰まりが生じている紙葉類32を引掛片の引掛部に引掛けて送風管22内を移動させるようにしてもよい。
図38は、ロボット250の説明図である。
ロボット250は、その上下部に無限軌道からなる走行部251が設けられ、この走行部251が送風管22の床面、あるいは天井面に当接して、図示しない駆動部に駆動されることによって、送風管22内で、前進動、あるいは後退動することができるようになっている。このような自動走行するロボットの機構自体は公知であるので、その詳細は省略する。
なお、ロボット250は、曲折する送風管22内を自動走行するのであるから、実際は、前後方向に複数のブロック体が自在継手を介して屈曲自在に連結された構造となっていて、このうち幾つかのブロック体が自走機構を備え、自身屈曲しながら送風管22内を自走できるようになっている。
また、無限軌道からなる走行部251が上下部に設けられているのは、送風管22が反転されて上下逆になることがあるからであり、基本的に下方となった無限軌道が重力によって壁面に接触するので、自動走行の駆動輪となる。
また、ロボット250の両側面にはガイド輪252が設けられ、このガイド輪252が送風管22のリブ40をレールとして、このリブ40上で転動することによってロボット250が安定的に支持される。254は制御部であり、電源やアンテナ255等が組み込まれている。このロボット250は、制御部に組み込まれたプログラムにしたがって自動走行するか、あるいは、遠隔操作により走行することが可能となっている。
ロボット250の後部には、図31に示すのと同じような曲折片232を備える引掛片230が、左右両側に固定されている(図38では一方のみ図示)。これにより、詰まり状態となっている紙葉類32を引掛けて移動可能となり、詰まり状態を解消できる。
また、ロボット250には、適宜1もしくは複数のカメラ装置(図では4台)256が搭載され、送風管22の内部の様子を監視し、外部モニター(図示せず)に映像を送信するようになっている。これにより、送風管22内の損傷等の不具合、継ぎ目部の不具合、送り込み装置28の状態等をチエックできるようになっている。
またこのカメラ装置256は、紙葉類32の詰まり状態もチエックできる。紙葉類32を引掛け損なった場合には、ロボット250が後退動し、次いで前進することによって紙葉類32を確実に引掛けることができるようになっている。
ロボット250は、紙葉類32を引掛けて移動した後、前記したような、送風管22に蓋体により開閉自在に設けた開口部から外部に回収可能である。
以上の実施の形態では、紙葉類32の後部側に変形部32bを形成して搬送する例を示したが、本発明ではこれに限定されず、紙葉類を変形させずに搬送したり、その他種々の方法により紙葉類を搬送する場合に適用できる。
20 紙葉類搬送装置
22 送風管
23 曲折部
24 送風部(ブロワー)
28 送り込み装置
29 紙幣識別装置
30 曲げ装置
32 紙葉類
32b 変形部
33a 送り込みローラ
34 回収装置
36 戻り管
40 リブ
41 隆起部
42 通路開閉手段
43 紙葉類通路
44 傾斜案内部
45a 固定爪片
45b 可動爪片
45c レバー
46 軸
47 スプリング
48 センサ
49 押圧ローラ
50 ストッパ
51 スプリング
52 搬出ローラ
53 ガイド部
54 スリット通路
55 回収箱
56 挟み込みローラ
58 リブ
60 排出管
200 駆動モータ
201 インバータ
202 制御部
204 弁
205 シャフト
206 弁羽根
207 駆動モータ
208 外気導入孔
209 軸
210 回動片
211 弁体
213 電磁石
214 電磁ソレノイド
215 鉄心
230 引掛片
231 引掛部
232 曲折片
234 凸部
238 受け部
239 溝
242 曲折部
245 蓋体
250 ロボット
251 無限軌道
252 ガイド輪
254 制御部
256 カメラ装置

Claims (5)

  1. 送風管と、紙葉類の後端部に変形部を形成して前記送風管内に紙葉類を送り込む送り込み装置と、紙葉類の変形部に風圧を作用させて紙葉類を前記送風管内で搬送する空気流を生じさせる空気流発生装置と、前記送風管の終端部に配設され、前記送風管内を搬送されてくる紙葉類を回収する回収装置とを有する紙葉類搬送装置において、
    前記回収装置は、空気流の排出管を有して紙葉類を空気流から分離する紙葉類分離部と、紙葉類の前記変形部を反対方向に曲げて変形を矯正する紙葉類矯正部とを具備しており、
    前記紙葉類分離部内には、前記送風管内を搬送されてきた紙葉類を、前方の前記紙葉類矯正部に送り込む搬送ベルトが配置されており、
    前記搬送ベルトが掛けまわされるプーリに作用するワンウエイクラッチ機構を有することを特徴とする紙葉類搬送装置。
  2. 前記ワンウエイクラッチ機構は、前記搬送ベルトが掛けまわされるプーリを駆動する駆動軸側又は前記搬送ベルトが掛けまわされるプーリ軸側に介挿されていることを特徴とする請求項1記載の紙葉類搬送装置。
  3. 前記紙葉類矯正部は、紙葉類がジグザグ状に通過することによって前記変形部の変形を矯正する複数本の矯正ローラを具備することを特徴とする請求項1または2記載の紙葉類搬送装置。
  4. 前記複数本の矯正ローラのそれぞれにおいて、外周面との間に一定の紙葉類搬送空間が形成されるように、各矯正ローラの外周を覆って断面円弧状のガイド板が配設されていることを特徴とする請求項3記載の紙葉類搬送装置。
  5. 前記回収装置は、前記複数本の矯正ローラを駆動する矯正部モータを具備しており、
    前記矯正部モータの回転軸および前記複数本の矯正ローラの各回転軸に固定されたギヤが順次噛合することによって、各隣接する矯正ローラが互いに逆方向に回転されることを特徴とする請求項3または4記載の紙葉類搬送装置。
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