JP4383524B2 - 肥料製造方法 - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、廃棄物を処理して肥料を製造するにあたって、その処理時間の短縮が可能であり、廃棄物の有効利用が可能である肥料製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
畜産農家においては、家畜の糞尿が廃棄物として日々排出される。この家畜の糞尿をいかにして処理するかが畜産農家にとって大きな問題になっている。例えば、家畜の糞尿を堆肥化することによって、畜産農家は家畜の糞尿の処理と有効利用とを両立させることができる。
これまで、家畜の糞尿の堆肥化に関する数多くの技術が提唱されている。かかる技術の一例として、以下に説明する堆肥発酵処理装置がある(特許文献1を参照)。
【0003】
この堆肥発酵処理装置は、発酵槽、切り返し装置、粉砕機、悪臭吸収装置、汚水処理装置を備えている。発酵槽は、堆肥原料を投入する槽である。切り返し装置は、発酵槽の長手方向に沿って移動する架台に支持され、発酵槽の堆肥排出口側から堆肥原料投入口側に向けて移動しながら斜め上方に向けて回動するエンドレスの揚送手段によって堆肥原料を上方に揚送して落下させる。粉砕機は、切り返し装置の堆肥原料落下位置に取付けられ、落下してくる堆肥原料を破砕しながら飛散させる。
【0004】
悪臭吸収装置は、発酵槽の一部又は全部の上方を覆ったフードの内部から発酵槽の堆肥排出口側の所定範囲の床面間に配設され、フード内の悪臭空気を吸引して発酵の進んだ堆肥層に下方から長手方向の多数の排気孔群を介して吸収させる通気管路を備えている。汚水処理装置は、家畜等の汚水槽から圧送手段を介在させて発酵槽の堆肥排出口側床面の所定範囲に配設された汚水供給管と、この汚水供給管に所定間隔をもって形成された注出孔を有し、汚水供給管から送られる汚水を発酵の進んだ発酵槽の堆肥に下方床面から注入する。
【0005】
この堆肥発酵処理装置によって、家畜の糞尿の好気発酵が促進され、悪臭を発生することなく堆肥が製造される。
【特許文献1】
特許第3978293号公報
【発明の開示】
【0006】
[発明が解決しようとする課題]
家畜の糞尿を堆肥化するためには、家畜の糞尿の発酵が必要である。家畜の糞尿の発酵には、およそ一ヶ月以上の長い月日がかかる。すなわち、家畜の糞尿が堆肥となるまでの間、一ヶ月以上の期間にわたって発酵中の家畜の糞尿を貯蔵し管理しておく必要がある。多量の家畜の糞尿を堆肥化しようとするならば、発酵中の家畜の糞尿を多量に貯蔵しなくてはならない。発酵中の家畜の糞尿を多量に貯蔵するには、大型化した広大な設備が必要である。
【0007】
前記堆肥発酵処理装置においても同様の問題が存在する。すなわち、前記堆肥発酵処理装置よって多量の家畜の糞尿を堆肥化しようとする場合、処理中の多量の家畜の糞尿の貯蔵と管理が必要になり、少なくとも発酵槽の大型化を図らなければならない。
家畜の糞尿以外にも、たんぱく質を含有する様々な廃棄物が、発酵の過程を経て堆肥化されている。このような廃棄物の発酵においても、相当な期間の月日が必要である。したがって、このような廃棄物を多量に堆肥化しようとする場合にも、その処理量に応じて大型化した広大な設備が必要になってしまう。
【0008】
また、発酵の過程を経て廃棄物を堆肥化するに際して、廃棄物の中にナトリウム(Na)やアルミニウム(Al)が混入していることがある。発酵の過程を経てかかる廃棄物を堆肥化した場合、製造される肥料の中に、ナトリウムやアルミニウムが含まれることになってしまう。このような肥料を畑等に施肥すると、ナトリウムやアルミニウムが畑の作物の生長に障害を及ぼしてしまう。すなわち、ナトリウムは、いわゆる塩害の原因となる。また、アルミニウムは、土壌が酸性化する原因となる。
【0009】
本発明は、上記問題を解決するものであり、その目的とするところは、廃棄物を処理して肥料を製造するにあたって、その処理時間の短縮が可能であり、ナトリウムやアルミニウムを含有する廃棄物を処理して肥料とした場合においても、この肥料の中に含まれるナトリウムやアルミニウムが植物の生長の障害となることを防止することが可能であり、廃棄物の有効利用が可能である肥料製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、その課題を解決するために以下のような構成をとる。請求項1の発明に係る肥料製造方法は、アンモニア、尿素、及び、尿酸のうちの少なくともいずれかひとつの成分を含有する廃棄物から、アンモニアの気体、アンモニアが溶けこんだ液体、あるいは、アンモニウム塩のうちのいずれかを抽出物として取り出す第1の工程と、前記第1の工程で前記抽出物を取り出した後に残る残渣物を焼却して焼却灰をつくる第2の工程と、前記抽出物と前記焼却灰とを混合して混合物をつくり、当該混合物に、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、及び、セレンのすべてをミネラル成分として加える第3の工程と、前記第3の工程で前記ミネラル成分を加えた前記混合物に、ウォラストナイトと濃硫酸とを加えて固化物をつくる第4の工程と、を有している。
【0011】
第1の工程で処理される廃棄物は、窒素をアンモニア、尿素、あるいは、尿酸の形態で含有している。第1の工程において、廃棄物の中の窒素を、アンモニアの気体、アンモニアが溶けこんだ液体、あるいは、アンモニウム塩のうちのいずれかの形態の抽出物として取り出す。
廃棄物の中にアンモニアが含まれている場合、アンモニアをそのまま気体として取り出すことが可能であるし、アンモニアを水等の液体に溶かして取り出すことも可能であるし、アンモニアをアンモニウム塩として取り出すことも可能である。
【0012】
廃棄物の中に尿素や尿酸が含まれている場合、いったん、廃棄物から尿素や尿酸を取り出してから、この取り出した尿素や尿酸をアンモニアに変化させることが可能である。また、廃棄物の中に尿素や尿酸が含まれている場合、廃棄物を放置しておけば、廃棄物の中の尿素や尿酸は、時間の経過とともに、アンモニアに変化する。そして、変化してできたアンモニアを、アンモニアの気体、アンモニアが溶けこんだ液体、あるいは、アンモニウム塩として取り出すことが可能である。
【0013】
第1の工程で抽出物を取り出すと、後に残渣物が残る。この残渣物は、廃棄物に由来する様々な成分の元素を含有している。
第2の工程において、第1の工程で残った残渣物を焼却し、焼却灰をつくる。この焼却灰は、残渣物の中の様々な成分の元素、すなわち、廃棄物に由来する様々な成分の元素を含有している。
【0014】
残渣物の含水率が高い場合、残渣物を焼却する前に予め残渣物の含水率を低くしておくことが好ましい。残渣物の含水率を低くすることによって、残渣物を焼却する際の燃料効率が向上し、また、残渣物を焼却する設備にかかる負荷が小さくなる。残渣物の含水率を低下させることは、例えば、残渣物の水分を遠心分離することによって可能である。また、残渣物を加熱して、残渣物の水分をとばすことによっても可能である。
【0015】
第2の工程で残渣物から焼却灰がつくられたら、第3の工程にすすむ。
第3の工程において、まず、第1の工程で取り出した抽出物と、第2の工程でつくった焼却灰と、を混合し、混合物をつくる。そして、この混合物に、リン(P)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、ホウ素(B)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、及び、セレン(Se)のすべてをミネラル成分として加える。リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、及び、セレンは、植物の生長に不可欠の元素であり、必須元素といわれている。
【0016】
なお、第3の工程で加えるミネラル成分の種類及び量は、第1の工程で処理される廃棄物の組成に応じて決定すればよい。また、第4の工程でつくられる固化物の組成をフィードバックして、第3の工程で加えるミネラル成分の内容及び量を調節することも可能である。
第3の工程で混合物にミネラル成分が加えられたら、第4の工程にすすむ。
【0017】
第4の工程において、ミネラル成分を加えた混合物に、ウォラストナイト(Wallastonite:ケイ酸カルシウム:CaSiO3)と濃硫酸とを加える。混合物にウォラストナイトと濃硫酸とを加えると、混合物は固化して固化物になる。なお、ウォラストナイトは天然に産するものでもよいし、合成したものでもよい。
第4の工程でつくられた固化物は、抽出物に由来する窒素、残渣物に由来する様々な成分、第3の工程で加えたミネラル成分、第4の工程で加えたウォラストナイトに由来するケイ素とカルシウム、第4の工程で加えた濃硫酸に由来するイオウ(S)を含有している。固化物が含有するこれらの成分は、植物が生長していく上で有用な成分である。したがって、第4の工程でつくられる固化物は、植物が生育する土壌の肥料として好ましく、この固化物を畑等に施肥することが可能である。
【0018】
第1の工程から第4の工程までの各工程の中においては、発酵が必要とされない。また、第1の工程から第4の工程までの各工程の中には、発酵のように長い日数を必要とする処理が存在していない。廃棄物から固化物になるまでにかかる時間は、数時間という短い時間で足りる。すなわち、廃棄物を連続して多量に処理する場合であっても、第1の工程から第4の工程までの各工程の中において、処理中の物質を多量に貯蔵し管理する必要がない。
【0019】
廃棄物の中に発酵する成分が混入している場合、その発酵する成分は第2の工程において焼却されて分解し、焼却灰になってしまう。したがって、第4の工程でつくられる固化物の中に発酵する成分が混じることはなく、畑等に施肥した固化物が土壌中で発酵してしまうこともない。施肥した固化物が土壌中で発酵しないので、その土壌で生育する植物に根腐れが発生することもない。
【0020】
第1の工程で処理する廃棄物が、固形物を含んでいたり塊状をなしていたりする場合には、第1の工程の前に予め廃棄物を破砕しておくことが好ましい。
第2の工程において残渣物を焼却する際に、熱が発生する。この熱を、第1の工程で廃棄物から抽出物を取り出すためのエネルギー源として利用することが可能である。また、この熱によって、第1の工程から第4の工程で発生する排気に含まれる成分を分解してしまうことも可能である。
【0021】
請求項2の発明に係る肥料製造方法は、請求項1に記載の肥料製造方法であって、前記廃棄物が、ナトリウムとアルミニウムのうちの少なくともいずれかひとつを含有している。
廃棄物の中にナトリウム(Na)やアルミニウム(Al)が混入している場合、廃棄物の中のナトリウムやアルミニウムは、まず、第1の工程で抽出物を取り出した後に残る残渣物の中に入り、次いで、その残渣物の焼却灰の中に入る。そして、焼却灰の中のナトリウムやアルミニウムは、第3の工程でつくられる混合物の中に入る。混合物の中のナトリウムやアルミニウムは、第4の工程において、ウォラストナイト及び濃硫酸と反応し、ケイ酸ナトリウム(NaSiO)やケイ酸アルミニウム(AlSiO)となって固化物の中に入る。
【0022】
ケイ酸ナトリウムやケイ酸アルミニウムが入っている固化物を肥料として畑等に施肥する場合、固化物の中のケイ酸ナトリウムやケイ酸アルミニウムは、土壌の中においてゆっくりとしたスピードで徐々に分解していく。したがって、固化物を介して、一挙に多量のナトリウムやアルミニウムが、直接、土中に入ってしまうことがなく、固化物を施肥した土壌の中のナトリウムやアルミニウムの濃度が低く保たれる。畑等の土壌の中における微量のナトリウムやアルミニウムは、その畑等で生長する植物に対して好ましい影響を与える。なぜならば、微量のナトリウムやアルミニウムは、植物の生長に不可欠の元素だからである。
【0023】
請求項の発明に係る肥料製造方法は、請求項1又は請求項2に記載の肥料製造方法であって、前記廃棄物が、飲食物を製造する際に副次的に発生する産物の腐敗物、下水の汚泥、及び、糞尿、のうちの少なくともいずれかひとつを含有する。
飲食物を製造する際に副次的に発生する産物とは、例えば、焼酎、日本酒、泡盛、ぶどう酒、ウイスキー、ビールをはじめとする各種酒類を製造する過程で発生する残渣物であり、また、野菜飲料や果実飲料を製造する過程で発生する残渣物である。各種飲食業や家庭等から発生する生ゴミも、飲食物を製造する際に副次的に発生する産物に含まれる。
【0024】
飲食物を製造する際に副次的に発生する産物は、たんぱく質を含有している。たんぱく質はアミノ酸のポリマーであり、窒素はアミノ酸を形成する主要元素のひとつである。たんぱく質中の窒素は、微生物の働き等によってアンモニア、尿素、あるいは、尿酸の形態に変化する。ここで、微生物の働きとは、例えば、微生物によるたんぱく質の腐敗である。
【0025】
飲食物を製造する際に副次的に発生する産物の腐敗物は、アンモニア、尿素、及び、尿酸のうちのいずれかを含有しているので、第1の工程に供給される廃棄物になり得る。
下水の汚泥は様々な成分を含んでおり、糞尿や様々なたんぱく質に由来するアンモニア、尿素、及び、尿酸のうちのいずれかを含んでいる。したがって、下水の汚泥は、第1の工程に供給される廃棄物になり得る。
【0026】
ヒト、家畜、その他の動物の糞尿は、アンモニア、尿素、及び、尿酸のうちのいずれかを含有している。したがって、糞尿を含有しているものは、第1の工程に供給される廃棄物になり得る。
飲食物を製造する際に副次的に発生する産物の腐敗物、下水の汚泥、及び、糞尿は、様々な成分を含有しており、これらの成分を構成する元素は、肥料が含有する成分として好ましいものである。したがって、飲食物を製造する際に副次的に発生する産物の腐敗物、下水の汚泥、あるいは、糞尿に第1の工程から第4の工程を施してつくられた固化物は、好ましい肥料になる。
【0027】
請求項の発明に係る肥料製造方法は、請求項1から請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の肥料製造方法であって、前記抽出物がアンモニア水溶液である。
アンモニアは水に溶けやすく、アンモニア水溶液はその取り扱いが容易である。したがって、第1の工程においてアンモニア水溶液を容易に抽出物として取り出すことができる。抽出物がアンモニア水溶液であれば、第3の工程において混合物をつくることも容易な作業となり、混合物にミネラル成分を加えることも容易な作業になる。
【0028】
第1の工程で処理される廃棄物中にアンモニアが含まれている場合、例えば、この廃棄物を加熱し、アンモニアを気化させて、気化したアンモニアを捕集する。廃棄物の加熱を減圧環境下において行うと、アンモニアの気化を促進することができる。気化したアンモニアを水の中に通せば、アンモニアは水に溶けてアンモニア水溶液ができる。また、廃棄物からアンモニアとともに水が気化してくる場合、気化したアンモニアと水蒸気を冷却すればアンモニア水溶液ができる。
【0029】
[発明の効果]
上記のような肥料製造方法であるので、廃棄物を処理して肥料を製造するにあたってその処理時間を短縮することが可能であり、ナトリウムやアルミニウムを含有する廃棄物を処理して肥料とした場合においても、この肥料の中に含まれるナトリウムやアルミニウムが植物の生長の障害となることを防止することが可能であり、廃棄物の有効利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る肥料製造方法の工程の流れ図である。
【符号の説明】
【0031】
10 腐敗物
12 アンモニア水溶液
14 残渣物
16 焼却灰
18 混合物
20 ミネラル成分
22 混合物
24 濃硫酸
26 ウォラストナイト
28 固化物
S1 第1の工程
S2 第2の工程
S3 第3の工程
S4 第4の工程
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明を実施するための最良の形態を図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明に係る肥料製造方法の工程の流れ図である。
穀物から焼酎を製造すると、その製造過程で穀物残渣が発生する。この穀物残渣は、タンパク質、炭水化物、脂質をはじめとする様々な成分を含んでいる。穀物残渣が腐敗して腐敗物10になる。穀物残渣中のタンパク質に含まれていた窒素は、穀物残渣が腐敗するにつれて、アンモニアの形態をとる。
【0033】
まず、第1の工程S1において、腐敗物10を減圧環境下で加熱する。腐敗物10を減圧環境下で加熱すると、腐敗物10中の水分やアンモニアが気化する。そして、気化した水分やアンモニアを捕集して冷やすと、抽出物としてアンモニア水溶液12が取り出される。アンモニア水溶液12は、後述する第3の工程S3に送られる。
腐敗物10からアンモニア水溶液12を取り出すと、後に残渣物14が残る。残渣物14の含水率が高い場合、残渣物14を遠心分離機にかけて水をきり、残渣物14の含水率を低くする。残渣物14の含水率を例えば5%以下にすることが好ましい。残渣物14を加熱してその含水率を低くすることも可能である。残渣物14を遠心分離機にかけ、遠心分離機にかけた残渣物14をさらに加熱してその含水率を低くすることも可能である。
【0034】
含水率が5%以下になった残渣物14は、次に説明する第2の工程S2に送られる。
第2の工程S2において、第1の工程S1から送られてくる残渣物14が焼却される。残渣物14は燃えて焼却灰16になる。残渣物14に含まれていた様々な成分の元素、すなわち、腐敗物10に含まれていた様々な成分の元素は、焼却灰16中に残っている。その後、焼却灰16は第3の工程S3に送られる。
残渣物14中に、発酵する成分が含まれていたとしても、この発酵する成分は焼却によって分解されてしまう。したがって、焼却灰16中には、発酵する成分は含まれていない。
【0035】
第3の工程S3において、第1の工程S1から送られてくるアンモニア水溶液12と、第2の工程S2から送られてくる焼却灰16と、が、混合され、混合物18になる。そして、混合物18は、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、及び、セレンのうちの少なくともいずれかをミネラル成分20として加えられ、混合物22になる。混合物22は、次に説明する第4の工程S4に送られる。
【0036】
第4の工程S4において、第3の工程S3から送られてくる混合物22に、まずウォラストナイト26が加えられる。ウォラストナイト26を加えられた混合物22はよく撹拌される。そして、この撹拌された混合物22に、さらに濃硫酸24が加えられる。混合物22内において、ウォラストナイト26と濃硫酸24とが反応し、混合物22は固化して固化物28になる。
【0037】
そして、固化物28をペレットに成型し、ペレット化した固化物28を袋詰めして肥料として出荷する。
腐敗物10中のタンパク質、炭水化物、脂質を形成していた元素、アンモニア水溶液12に由来する窒素、第3の工程S3で加えたミネラル成分20、第4の工程S4で加えたウォラストナイト26に由来するケイ素とカルシウム、第4の工程S4で加えた濃硫酸24に由来するイオウが、固化物28に含まれている。固化物28に含まれるこれらの成分は植物が生長していく上で有用な成分である。
【0038】
すなわち、第4の工程S4からつくられる固化物28は、植物が生育する土壌の肥料として好ましい成分を含有しており、固化物28を畑等に施肥することが可能である。また、固化物28を他の肥料を製造する際の原料にすることも可能である。
固化物28の中には、微生物の作用によって発酵する成分が含まれていない。したがって、固化物28を畑等に施肥しても、施肥した畑の作物に根腐れが発生するようなことはない。
【0039】
第1の工程S1から第4の工程S4までの各工程の中において、発酵が行われていない。また、第1の工程S1から第4の工程S4までの各工程の中においては、発酵のように長い日数を必要とする処理が行われていない。したがって、腐敗物10が固化物28になるまでに要する時間は短くて足りる。このため、腐敗物10を連続して多量に処理する場合であっても、第1の工程S1から第4の工程S4までの各工程の中において、腐敗物10、アンモニア水溶液12、残渣物14、焼却灰16、混合物18、混合物22を多量に貯蔵し管理する必要がない。
【0040】
残渣物14の含水率を低くすることによって、第2の工程S2で残渣物14を焼却する設備にかかる負荷が小さくなる。そして、残渣物14を焼却する設備の燃料効率が向上し、残渣物14を焼却する設備の寿命が長くなる。
第2の工程S2において、残渣物14を焼却する際に発生する熱を、腐敗物10や残渣物14を加熱するための熱源として利用することができる。
【0041】
腐敗物10の中に、ナトリウムやアルミニウムが含まれている場合、これらのナトリウムやアルミニウムは、まず、残渣物14の中に入り、その後、焼却灰16の中に入る。そして、残渣物14の中のナトリウムやアルミニウムは、混合物18を介して混合物22の中に入る。混合物22の中のナトリウムやアルミニウムは、第4の工程で加えられるウォラストナイト26及び濃硫酸24と反応し、ケイ酸ナトリウムやケイ酸アルミニウムになり、固化物28の中に入る。
【0042】
固化物28を畑等に施肥した場合、固化物28の中のケイ酸ナトリウムやケイ酸アルミニウムは、土壌の中においてゆっくりとしたスピードで徐々に分解していく。したがって、固化物28を介して、一挙に多量のナトリウムやアルミニウムが、直接、土壌の中に入ってしまうことがなく、固化物28を施肥した土壌の中のナトリウムやアルミニウムの濃度が低く保たれる。このような畑で生長する植物にとって、土壌の中のナトリウムやアルミニウムが、植物の生長にとって不可欠の元素として作用する。
【産業上の利用の可能性】
【0043】
本発明に係る肥料製造方法は、廃棄物を処理して肥料を製造する肥料製造方法として有用である。

Claims (4)

  1. アンモニア、尿素、及び、尿酸のうちの少なくともいずれかひとつの成分を含有する廃棄物から、アンモニアの気体、アンモニアが溶けこんだ液体、あるいは、アンモニウム塩のうちのいずれかを抽出物として取り出す第1の工程と、
    前記第1の工程で前記抽出物を取り出した後に残る残渣物を焼却して焼却灰をつくる第2の工程と、
    前記抽出物と前記焼却灰とを混合して混合物をつくり、当該混合物に、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、及び、セレンのすべてをミネラル成分として加える第3の工程と、
    前記第3の工程で前記ミネラル成分を加えた前記混合物に、ウォラストナイトと濃硫酸とを加えて固化物をつくる第4の工程と、を有することを特徴とする肥料製造方法。
  2. 前記廃棄物が、ナトリウムとアルミニウムのうちの少なくともいずれかひとつを含有していることを特徴とする請求項1に記載の肥料製造方法。
  3. 前記廃棄物が、飲食物を製造する際に副次的に発生する産物の腐敗物、下水の汚泥、及び、糞尿、のうちの少なくともいずれかひとつを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の肥料製造方法。
  4. 前記抽出物がアンモニア水溶液であることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれかの請求項に記載の肥料製造方法。
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