JP4378380B2 - 人間、動物、又は植物のdnaを含んだインクで印刷した印刷物 - Google Patents

人間、動物、又は植物のdnaを含んだインクで印刷した印刷物 Download PDF

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本発明は、インクにより印刷された文庫本、雑誌、写真集、有価証券、紙幣、カード等の印刷物に関するものである。
文庫本、雑誌、写真集、有価証券、紙幣、カード等の通常の印刷物は、文字や図、絵、写真等の印刷物に印刷されている情報を読む、見るといった用途に使用される、情報伝達媒体である。
しかし、印刷物はその内容を印刷データとしてスキャナーによりスキャンすることにより、印刷データについて無権利の第三者に違法に複製されてしまう恐れがある。特に、スキャン技術が向上している現代社会では、印刷物の違法複製は、企業等の大規模な団体だけでなく、個人によっても容易に行えるようになってきている。
また、一般の個人の自伝を一冊の本にまとめた、いわゆる自分史を自費で出版することもよく行われているが、文章や絵を本に印刷しても、作成者本人の思いを読者に強く伝えることは困難であった。さらに、特定の著名な人物に関する人物史や、特定の著名な動物、例えば名馬に関する書籍が出版されることがよくあるが、単なる書籍に対しては特定の著名な人物や動物について強い思い入れを持つことが困難である。
一方、人間や動物の細胞に含まれるDNA(デオキシリボ核酸)に関し、DNAを抽出して長期保存することも行われている。しかし、DNAが保管されている容器等のラベルが剥がれたり、損傷した場合に、当該DNAがどの人間や動物のものであるかを確認することが困難である。
特に、DNAを長期保管するには専門機関に預託する等の措置が必要であり、個人が預託するには長期保管のコストが高いという問題があった。そのうえ、DNAを預託した専門機関が、自然災害や戦争等により被害を被った場合、預託していたDNAも失われてしまうという危険があり、分散して保管するのがより望ましい。絶滅が危惧される植物や動物の種の保存のために、特定の植物の種類や動物の種類のDNAの保存を行っておくことも考えられるが、この場合も不測の災害等を考慮すると分散して保管しておくことが望ましい。
なお、本出願人は、本願に係る発明に関する文献を特に知らない。
DNAの長期保管を容易にすると共に、当該保管されているDNAがどの人間や動物のものであるかを特定するための手段を提供することである。また、正当な権利者が印刷した印刷物であるか、それとも偽造された印刷物であるかの真贋を判断するための手段を提供することである。さらに、専門機関によるDNAの保管に比べ、安価かつ分散的にDNAを長期に保存する手段を提供することである。これに加え、著作物を印刷して印刷物とする際に、自分自身の思い入れをより強く印刷物に込めるための手段を提供することである。
1、 上記課題を解決するための第1の発明は、インクにより印刷された印刷物であって、当該印刷物の印刷に使用されるインクには、当該印刷物の内容として印刷される人名、動物名、人物の容姿、又は動物の容姿が表す特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNA(デオキシリボ核酸)が含まれていること、を特徴とする印刷物である。
当該発明により、例えば、著名人等の特定の人物の事が記載された伝記本を、当該特定の人物自身のDNAを含んだインクで印刷し、当該印刷された伝記本を読んだ読者がより伝記に記載されている特定の人物に思い入れを持つことができる。そして、読者だけではなく、著者にとっても、自己の著作物に自分自身の肉体の一部であるDNAを含ませることにより、世に出す印刷物について自分の分身であるとの強い思い入れを込めることができるため、自費出版物をする際の強い動機付けになりうる。また、インクによって印刷された伝記本としての価値も有し、かつ、伝記本に記載された特定の人物のDNAを長期に渡って保存することもできるのである。特に、著名人が亡くなってしまった後では、もはやDNAの採取が行えなくなるため、早世した歌手や俳優等の当該著名人を信仰するようなファンにとってはDNAを含んだ伝記本は著名人と一体感を感じえる何物にも変えがたい宝物となりうるのである。
他にも、当該発明により、例えば、著名な競走馬の出走歴や生前の事が記載された本に、当該著名な競走馬のDNAを含んだインクで印刷すれば、その競走馬に強い思い入れを持つ競馬ファンにとって、競走馬自身が身近に感じられる宝物となる。また、例えば、著名な俳優や女優の写真集を、当該著名な俳優や女優のDNAを含んだインクで印刷すれば、単に写真集を目で見て楽しむだけでなく、その俳優や女優をより身近に感じることができるという、更なる付加価値を生じうる。
DNAは肉眼や顕微鏡で誰のものであるか特定することは非常に困難であるが、当該発明に係る印刷物は、印刷物の内容として印刷される人名、動物名、人物の容姿、又は動物の容姿が表す特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAを含んだインクで印刷されており、誰のDNAが含まれているのかが容易に特定できる。
2、 上記課題を解決するための第2の発明は、前記印刷物に印刷されている特定の人物又は特定の動物を特定するための人名、動物名、人物の容姿、又は動物の容姿が印刷されている部分の印刷に、当該特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAが含まれたインクが使用されていること、を特徴とする前記印刷物である。
当該発明により、例えば、著名人等の特定の人物の事が記載された伝記本において、当該特定の人物の簡単なプロフィールがまとめてある著者紹介の欄の記載や、伝記本の本文中における当該特定の人物の人名の文字部分について、当該特定の人物自身のDNAを含んだインクで印刷されることになる。印刷物の全印刷部分についてDNAを含んだインクが必要になると、多量のDNAが必要になるため、特定の人物に関する具体的な記載(著者紹介、本文中の氏名の文字等)の部分に限ってDNAを含んだインクを採用するのである。
他にも、当該発明により、例えば、ある地方の川等によく現れて愛称によって呼ばれ人気者であった動物の生前の思い出が記載された本に、当該特定の動物の簡単なプロフィールがまとめてある紹介欄の記載や、本文中に当該特定の動物の愛称の文字部分について、当該特定の動物自身のDNAを含んだインクで印刷されることになる。DNAが含まれたインクであるかは肉眼や本願出願時における一般的な顕微鏡で特定することは非常に困難であるが、DNAを有効活用しつつ、印刷のどの部分にDNAが含まれているかを読者が容易に特定することができる。DNAの採取自体は有限であり、かつDNAの複製も一定のコストがかかるため、DNAを節約して活用することができる。
3、 上記課題を解決するための第3の発明は、前記印刷物に使用されるインクのうち、前記特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAを含んだインクのみを、前記印刷物に使用される他のインクとは異なる色として、当該DNAを含んだインクにより印刷された部分を特定できるようにしたこと、を特徴とする前記印刷物である。
当該発明により、例えば、著名人等の特定の人物の事が記載された伝記本において、当該特定の人物の簡単なプロフィールがまとめてある著者紹介の欄の記載や、伝記本の本文中における当該特定の人物の人名の文字部分について、当該印刷物の他の印刷部分とは異なる色とした特定の人物自身のDNAを含んだインクで印刷されることになる。これにより、印刷のどの部分にDNAが含まれているかを読者が容易に特定することができる。
4、 上記課題を解決するための第4の発明は、前記特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAを含んだインクを、他の物体と接する前記印刷物の外面ではなく、他の物体と接しない前記印刷物の内面の印刷に使用したこと、を特徴とする前記印刷物である。
ここで、「印刷物の外面」とは、物体である印刷物の外側の面であり、通常の保管状態において外側となる印刷物の表紙や裏表紙、などが該当する。これに対し、「印刷物の内面」とは、物体である印刷物の内側の面であり、通常の保管状態において内側となる印刷紙同士が接する部分である本文部分、などが該当する。当該発明により、例えば、他の物体と接する前記印刷物の外面(本であれば表紙や裏表紙等の外面に接する部分)にはDNAを含んだインクを使用せず、他の物体と接しない前記印刷物の内面(本であれば本文部分等の本の印刷紙同士が接する部分)の印刷にのみ使用することによって、印刷物と他の物体とが摩擦することによるDNAを含んだインクの磨耗を排除することができる。これにより、DNAを含んだインクの磨耗による劣化を防ぎ、DNAのより長期の保存が可能となる。
5、 上記課題を解決するための第5の発明は、前記特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAを含んだインクにより印刷された部分を、物理的な摩擦より保護するためのカバーで覆ったこと、を特徴とする前記印刷物である。
当該発明により、例えば、プラスチックフィルム等による物理的な摩擦より保護するためのカバーでDNAを含んだインクにより印刷された部分を覆うことにより、印刷物と他の物体、あるいは印刷物のページ同士が摩擦することによるDNAを含んだインクの磨耗を排除することができる。これにより、DNAを含んだインクの磨耗による劣化を防ぎ、DNAのより長期の保存が可能となる。
6、 上記課題を解決するための第6の発明は、前記印刷物が紙幣又は有価証券であることを特徴とする。
当該発明により、常に偽造に悩まされる紙幣又は有価証券の認証において、当該紙幣又は有価証券にDNAを含んだインクが使用されているか否かという観点で、真偽の判断が可能となる。特に、DNAを含んだインクが使用されている紙幣又は有価証券を偽造しようとした場合、本物と同様な高度な印刷技術を使用するだけでは足りず、特定の人物や動物のDNAまで複製してインクに使用する必要がある。本物の紙幣又は有価証券の印刷インクに使用されているDNAを抽出して複製するのは、非常な労力を伴うため、単に印刷技術を向上させることだけでは紙幣又は有価証券の偽造ができないという点で、特定の人物や動物のDNAを含んだインクで印刷することは有用である。
本物と偽者の判断をする際に、例えば、当該紙幣又は有価証券に使用されているインクの成分分析を詳細に成分分析することも可能である。また、成分分析までも行わなくとも、読取技術の進歩により当該紙幣又は有価証券に使用されているインクの成分を読み取れるようになれば、短時間で多くの紙幣又は有価証券のDNAによる認証ができる。そうすると、いくら印刷技術を精緻に真似したとしても、大量の紙幣又は有価証券の偽造が困難となる。
7、 上記課題を解決するための第7の発明は、前記特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAを含んだインクには、少なくとも特定の人物又は特定の動物における1つの細胞分のDNAが切断されずに含まれていること、を特徴とする前記印刷物である。
当該発明により、特定の人物又は特定の動物における1つの細胞分に含まれるDNAが、切断されない完全な状態で含まれており、将来、DNAを活用した再生医療等に利用することができる。また、法律上の問題はあるものの、クローンを作るためにDNAを保存する手段として印刷物を活用できる。例えば、有名な競走馬の遺体の細胞からDNAを抽出し、当該競走馬のDNAを印刷物により保管し、何年、何十年と経過した後に、当該DNAから競走馬のクローンを再生することも考えられる。これにより、時代を越えた名馬同士の競争も実現できる。特に、100年前の印刷物や、200年前の印刷物も、アンティークとして取引されている実態が社会に存在するように、印刷物の性質上、長期間の保存、保管に適している。
8、 上記課題を解決するための第8の発明は、前記印刷物には複数の人物名又は複数の動物名を含む人間の家系図又は動物の血統図が印刷されており、当該人間の家系図又は動物の血統図における特定の人物又は特定の動物を特定するための人名又は動物名が印刷されている部分の印刷に、前記特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAが含まれたインクが使用されていること、を特徴とする前記印刷物である。
当該発明により、単なる人間の家系図や動物の血統図という枠組みを越え、家系図や血統図に記載されている特定の人物又は特定の動物の物理的な肉体の一部が印刷物に含まれているため、家系図や血統図としての価値が高まる。例えば、先祖から代々の家系図に、各々の人物欄の印刷に各々の人物のDNAを含んだインクで印刷されている場合は、遺伝子による病気の遺伝についての調査を何代前にも遡ることができる。また、例えば、競走馬の血統図に、各々の競走馬欄の印刷に各々の競走馬のDNAを含んだインクで印刷されている場合は、遺伝子による脚力やスタミナの遺伝についての調査を何代前にも遡ることができる。望ましくは、当該人間の家系図や動物の血統図に記載されている全ての人物又は全ての動物について、個々の人物又は動物のDNAを含んだインクで印刷されているのがよい。
9、 上記課題を解決するための第9の発明は、インクにより印刷された印刷物であって、当該印刷物の印刷に使用されるインクには、当該印刷物の内容として印刷される動物名、植物名、植物の形態、又は動物の容姿が表す特定の種類の動物又は特定の種類の植物の細胞に存在するDNA(デオキシリボ核酸)が含まれていること、を特徴とする印刷物である。
当該発明により、ある動物種や植物種の、種の保存が可能となる。現在、人間社会の拡大によって、世界中で絶滅が危惧される動植物種が増加してきている。このような絶滅が危惧される動物の種のDNAをはく製などで保存することもできるが、はく製は大きいため、保存が簡単ではない。また、はく製にすると、DNAを分散して保存することも難しい。一方、絶滅が危惧される植物の種のDNAを押し花で保存することもできるが、やはり、DNAを分散して保存することが難しい。しかし、絶滅が危惧される動植物種のDNAを含んだインクによって印刷物を印刷することにより、長期かつ分散的で安価な種のDNA保存が可能となる。
DNAの遺伝子情報を単に情報として保存しておくことや、特定の人物や特定の動物のDNAを含んだ印刷物以外の各種商品も考えられるが、特定の人物や特定の動物のDNAを含んだインクで印刷物を印刷する主なメリットは以下の通りである。
(1)遺伝子情報と異なりDNAは情報ではなく物体であるため、有体物にしか保存できない。この点、印刷物は有体物であり、保存に利用できる。そして、印刷物は、他の商品に比べて非常に商品としての寿命が長いという特性がある。例えば、100年前の印刷物や、200年前の印刷物も、アンティークとして取引されている実態が社会に存在する。また、印刷物、特に書籍等は、内側にほとんどの印刷がなされているため、他の商品と比較して物理的接触によるDNAの損耗の危険性が少ない。
(2)印刷物は文字、図形、写真等の情報を記載できる情報伝達媒体であり、この文字や図形、写真等に特定の人物や特定の動物の情報を含ませることにより、当該印刷物に含まれているDNAが具体的にどの人物や動物のものであるかを容易に特定できる。印刷物以外の商品であった場合は、DNAを含ませたとしても、どの部分に含まれているかの特定が困難であり、また、具体的にどの人物や動物のDNAが含まれているかを特定することも理解しえない。
(3)通常の印刷物はスキャン等による複製が容易であるが、特定の人物や特定の動物のDNAを含んだインクで印刷された印刷物の複製は、複製する印刷物分のDNAを物理的に増やす必要がある。よって、偽造しようとしている者による、印刷物としての複製がかなり困難になる。一方、本物の印刷物を製造する正当な権利者は、インクに含めるDNAを十分に複製してから印刷物を印刷できるため、従来からの印刷物と同様大量生産をすることができる。印刷物以外の有体物に比べて印刷物が大量生産、大量複製に優れていることは、お金として紙幣という印刷物が採用されていることからも明らかである。
(4)DNAを専門機関等に預ける際には相応の代金を支払う必要があるが、DNAを含んだインクで印刷物を印刷した場合は、これに比べて安価にDNAを保存できる。これは、印刷物が大量生産、大量複製を前提としているからである。また、DNAを専門機関等に預ける際には、当該専門機関が自然災害等にあった際にDNAを消失したり、損耗したりする危険がある。これに対し、DNAを含んだインクで印刷した印刷物を大量に生産し、頒布した場合は、安価ながらもDNAの分散保存が可能となるのである。
(5)通常の印刷物、特に有価証券や紙幣は偽造の危険に常にさらされるが、特定の人物や特定の動物のDNAを含んだインクで印刷された印刷物は、いかに優れた印刷技術で偽造したとしても、DNAの有無により真贋を判断することができる。つまり、DNAの存在有無という印刷技術以外の物理的な制約が生じるため、偽造紙幣や偽造有価証券の製造コストを一層高めることができ、偽造の未然防止に繋がる。
1、 まず、人間、動物、植物の毛、爪、皮膚、口腔粘膜等の細胞よりDNAを抽出する。細胞からDNAを抽出する方法としては、フェノール/クロロホルム抽出法等があるが、本願出願時において他にも各種の方法が存在する。DNA抽出に関する各種方法のほとんどに共通するDNA抽出までの概略を簡単に説明すると、人間、動物、植物の細胞を分解、溶解等して細胞膜を破壊し、たんぱく質等のDNA以外の不要な物質を除去して、DNAを抽出する、という過程を経る。
各種のDNA抽出方法は、抽出量等に差異があるが、望ましくは、人間、動物、植物のDNAを欠損させずに、切断されていない完全な形で多量に抽出できる方法を採用するのがよい。また、DNA抽出量が微量である場合は、PCR法(Polymerase Chain Reaction・ポリメラーゼ連鎖反応)等により、抽出したDNAを複製して、DNAの量を増やすことも可能である。
2、 次に、DNAは水に溶ける水溶性であることから、印刷物に使用するためのインクとして水溶性インクを使用した場合は、何ら問題なくインクにDNAを混合させることができる。しかし、印刷物に印刷するためのインクに油性インクが使用されていることも多く、この場合、上記のようにDNAは水に溶ける水溶性であることから、乳化を容易にして、乳化状態を安定させる物質としての乳化剤が必要になる。この点、各種の界面活性剤を用いて、DNAをインクに混ぜることができる。望ましい界面活性剤としては、DNAを損傷させないものがよい。
3、 DNAをインクに混ぜた後は、印刷機により印刷物を印刷する。書籍を大量に印刷するような通常の印刷機では、DNAを混ぜたインクの量が少なすぎて適さないことも考えられる。書籍を大量に印刷する印刷機では、印刷機内の機具にインクが付着することによるインクロスが多いからである。そこで、オフィスや家庭で使用されているようなプリンタ機器を使用することもありうる。
印刷機やプリンタにより印刷する際に留意する点として、インクにDNA分解酵素が混入してしまわないように気をつけることや、あまりに高すぎる熱を伴う印刷方法は避けることである。但し、60度位までの温度は、上記PCR等のDNAを扱う実験で通常用いられる温度であり、特に問題ない。
4、 印刷物に印刷されている特定の人物又は特定の動物を特定するための人名、動物名、人物の容姿、又は動物の容姿が印刷されている部分の印刷に、当該特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAが含まれたインクを使用する点については、本願出願時に、印刷機に数種類のインクをセットして特定の文字や印刷部分を特定のインクで印刷する技術が一般的であり、技術的な実現は問題ない。特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAを含んだインクのみを、印刷物に使用される他のインクとは異なる色とすることも、同様である。
人間の家系図又は動物の血統図における特定の人物又は特定の動物を特定するための人名又は動物名が印刷されている部分の印刷に、特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAが含まれたインクが使用されていること、についても同様の理由から技術的な実現に問題はない。
また、特定の人物又は特定の動物の細胞に存在するDNAを含んだインクにより印刷された部分を、物理的な摩擦より保護するためのカバーで覆う際の当該保護カバーは、プラスチックフィルム等の、書籍のバーコード保護に使用されているようなものを採用することが考えられる。

Claims (2)

  1. インクにより印刷された印刷物であって、
    当該印刷物の印刷に使用されるインクには、当該印刷物の内容として印刷される人名、人物の容姿が表す特定の人物の細胞に存在するDNA(デオキシリボ核酸)が含まれていること、
    前記特定の人物の細胞に存在するDNAを含んだインクを、他の物体と接する前記印刷物の外面ではなく、他の物体と接しない前記印刷物の内面の印刷に使用したこと、
    前記特定の人物の細胞に存在するDNAを含んだインクにより印刷された部分を、物理的な摩擦より保護するためのカバーで覆ったこと、
    前記特定の人物の細胞に存在するDNAを含んだインクには、少なくとも特定の人物における1つの細胞分のDNAが切断されずに含まれていること、
    前記印刷物は、前記特定の人物の写真集又は伝記本であること、
    を特徴とする印刷物。
  2. インクにより印刷された印刷物であって、
    当該印刷物の印刷に使用されるインクには、当該印刷物の内容として印刷される動物名、又は動物の容姿が表す特定の動物の細胞に存在するDNA(デオキシリボ核酸)が含まれていること、
    前記特定の動物の細胞に存在するDNAを含んだインクを、他の物体と接する前記印刷物の外面ではなく、他の物体と接しない前記印刷物の内面の印刷に使用したこと、
    前記特定の動物の細胞に存在するDNAを含んだインクにより印刷された部分を、物理的な摩擦より保護するためのカバーで覆ったこと、
    前記特定の動物の細胞に存在するDNAを含んだインクには、少なくとも特定の動物における1つの細胞分のDNAが切断されずに含まれていること、
    前記印刷物には複数の動物名を含む動物の血統図が印刷されており、当該動物の血統図における特定の動物を特定するための動物名が印刷されている部分の印刷に、前記特定の動物の細胞に存在するDNAが含まれたインクが使用されていること、
    を特徴とする印刷物。
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