JP4377818B2 - 二酸化炭素を回収することを備える湿り空気タービンサイクル - Google Patents

二酸化炭素を回収することを備える湿り空気タービンサイクル Download PDF

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Description

本発明の分野は二酸化炭素を回収することであり、特に湿り空気タービンサイクルからの二酸化炭素を回収することである。
燃焼ガス、特にガスタービンからの燃焼排ガスは、かなりの量の二酸化炭素を含み、その二酸化炭素は知られている温室効果ガスである。したがって、燃焼プロセスから二酸化炭素を分離し、および/または隔離することは、この10年間かなり大きな注目を得てきた。また当分野で知られた、燃焼排ガスから二酸化炭素を取り除く数多くの形態および方法がある。
例えば、二酸化炭素は、Cooley等の米国特許第4,130,403号明細書、Duckett等の米国特許第4,639,257号明細書、またはCallahanの米国特許第5,233,837号明細書に記載されたような1つまたは複数の膜を使って様々なガス流から取り除くことができる。膜プロセス(membrane process)は、一般に、特定のガス成分に対して比較的高い選択度を示す。さらに、膜プロセスは、一般にエネルギー消費の循環(例えば、溶媒を基にした二酸化炭素の除去にしばしば求められる加熱および/または冷却の必要条件)なしで動作できる。しかし、特に供給ガス成分に応じて、膜寿命は望ましい寿命より短く、あるいは供給ガスは、膜に接触する前に前処理を必要とする。さらに、膜システムは、一般に、比較的高い圧力差で動作し、それにより、低圧の供給ガスのためのブロワまたはその他の圧力上昇装置を必要とし、そうでなければ、こうした低圧供給ガスによって膜システムを不能にする。
あるいは、二酸化炭素ガスは、物理的または化学的溶媒を使用して除去でき、溶剤の数多くのプロセス形態が当分野で知られている。供給ガス内の酸性気体分圧が比較的高い場合、物理的溶媒プロセスが、特に有利である。したがって、全てのまたはほぼ全ての物理的溶媒は、燃焼排ガスから二酸化炭素を除去することに対し限られた有用性のみを示し、そのガスは、特に燃焼排ガスの二酸化炭素の含有量が比較的低い場合、一般にほぼ大気圧である。
物理的溶媒の使用に関連する循環問題に対して、化学溶媒が供給ガスを浄化するために用いられ、化学溶媒は、二酸化炭素を回収するために下流側で再生できる。化学溶媒を使用してガスを浄化することにより、一般に、比較的低い圧力で供給ガスから二酸化炭素を除去できる。しかし、こうした方法は、しばしばエネルギー集約型であり、同時にコストが高く、腐食および溶媒の劣化の問題が頻繁に生じる(例えば、米国特許第2,065,112号明細書、米国特許第2,399,142号明細書、米国特許第2,377,966号明細書、米国特許第4,477,419号明細書、米国特許第3,137,654号明細書を参照のこと)。さらに、供給ガス(例えば、比較的大量の過剰空気によって動作されるガスタービンからの排気ガス、および湿り空気タービン(HAT)サイクルからの排気ガス)内の二酸化炭素分圧が低下すると、回収装置の規模、およびブロワによって消費される動力は、一般に、回収装置内の圧力低下を克服するためにかなり増加する。
したがって、様々な二酸化炭素除去の形態およびプロセスが当分野で知られているが、それらの全てまたはほぼ全ては、特に、供給ガス内の二酸化炭素の分圧および/または濃度が比較的低い場合、1つまたは複数の不都合な点を抱えている。
したがって、様々なガス、特に比較的低い二酸化炭素分圧を有するガスから二酸化炭素を回収するための改善された形態および方法をさらに提供する必要がある。
本発明は、少なくとも一部分の燃焼排ガスがより高い圧力に圧縮され、それによって二酸化炭素除去の効率を改善する、燃焼排ガスからの二酸化炭素除去の方法および形態を対象とする。
本発明の主題の一態様では、プラントが、加熱された湿り空気の存在下で燃料を燃焼させ、膨張機で膨張された排気を生成する燃焼器を備える。(膨張機に動作可能に結合された)圧縮機が、空気と膨張機からの排気の少なくとも一部分とを圧縮して、圧縮混合ガスを作り出し、酸性ガス除去ユニット内でそのガスから二酸化炭素が除去され、そのように作り出された二酸化炭素を除去された圧縮混合ガスを加湿器が加湿して、加熱された湿り空気を生成する。
こうしたプラントでは、さらに、加熱された湿り空気は、熱源として排気を使用して加熱され、加湿器は、圧縮混合ガスおよび排気ガスの少なくとも1つによって加熱される水を使用することが特に好ましいことである。酸性ガス除去の様々な方法が企図されるが、好ましい酸性ガス除去ユニットは、膜ユニットを備え、あるいは溶媒(例えばアミン系溶媒)を使用する。別の実施形態では、圧縮混合ガスの一部分も燃焼器に供給することができ、冷却器は、膨張された排気に対して冷却をもたらし、それによって膨張された排気から水を凝縮することが企図される。
酸性ガス除去ユニットが自動冷却ユニット(autorefrigeration unit)を備える場合、自動冷却ユニットは、圧縮混合ガスの第1の部分から二酸化炭素を除去し、加湿器は、圧縮混合ガスの第2の部分を加湿して、加熱された湿り空気を作り出すことが企図される。
したがって、一般に、プラントは、タービン燃焼器、特に燃料および二酸化炭素が除去された湿り空気を受け取る湿り空気タービン燃焼器を備えることができ、回収のために二酸化炭素の一部が除去された後、二酸化炭素が除去された湿り空気の少なくとも一部分が、湿り空気タービン燃焼器の排気ガスから作り出されることが企図される。こうした形態での二酸化炭素は、膜ユニットまたは溶媒を使用して二酸化炭素含有空気(新鮮空気と二酸化炭素を含むリサイクル燃焼排ガスとの混合気)から有利に抽出される。他の見地から考察すると、二酸化炭素がタービン燃焼器の排気ガスから除去される企図されたプラントは、したがって、空気と排気ガス(リサイクルガス)の少なくとも一部分とを圧縮して圧縮混合ガスを作り出す圧縮機を備えることができ、二酸化炭素は、酸性ガス除去ユニット内で圧縮混合ガスから除去される。
本発明の様々な目的、特徴、態様および利点は、同じ番号が同じ構成要素を表す添付の図面と共に、以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明からさらに明らかになる。
発明者は、ガスタービンの排気ガス内に含まれる二酸化炭素が、排気ガスの少なくとも一部分をリサイクルして圧縮機に戻すことによる圧力で回収されて、圧縮ガス内の二酸化炭素の分圧を上昇させ、したがって、適切な酸性ガス除去技術を使用して(例えば、物理的または化学的溶媒、二酸化炭素の特定の膜、または自動冷却プロセスを使用して)二酸化炭素の除去を促進できることを発見した。
図1に表されるような特に好ましい一形態では、例示のプラント100が、動力の発生のための湿り空気タービンサイクルを備え、上昇された圧力で二酸化炭素を回収するために、膨張された排気の少なくとも一部分がリサイクルされ圧縮機に戻される。さらに具体的には、燃焼器110は、燃料112および加熱された湿り空気114’を受け取り、排気116を生成し、続いて、その排気は膨張機120内で膨張される。次いで、膨張された排気118内の熱は、伝熱式熱交換器(recuperator)170内で少なくとも部分的に回収され、それは、加湿器180からの湿り空気114を加熱し、蒸気発生器に対して熱を与え、さらに節減装置170’を介する加湿器180への水を加熱する。
膨張され冷却された排気の一部分118Aは排出され、膨張され冷却された排気の他の部分118Bは冷却器140内で冷却されて、(水のかなりの部分を凝縮し分離しながら)冷却され膨張された排気流118’を作り出し、その排気流は空気132と組み合わされて膨張機120に動作可能に結合された圧縮機130内で圧縮される。したがって、圧縮機130は、後部冷却器160内で冷却された圧縮混合ガス134を供給し、それによって、加湿器内で使用される水の少なくとも一部分を加熱する。次いで、そのように冷却された圧縮混合ガス134は、酸性ガス除去ユニット150(好ましくは溶媒に基づく酸性ガス除去ユニットまたは膜に基づく二酸化炭素除去ユニット)に供給される。二酸化炭素生産物の流れ152は(例えば商品として)プラントを離れ、二酸化炭素が除去された圧縮混合ガス136は加湿器180に供給される。加湿器180は、二酸化炭素が除去された圧縮混合ガス136から湿りガス流114を生成し、湿りガス流114は、伝熱式熱交換器170内で加熱されて、加熱された湿りガス流114’を作り出し、そのガス流は、燃焼器110内に供給される(用語「湿りガス流」および「湿り空気」は本明細書中で交換可能に使用される)。
したがって、プラントは、湿り空気の存在下で燃料を燃焼させ、膨張機内で膨張されて、膨張された排気を作り出す排気を生成する燃焼器と、膨張機に動作可能に結合され、空気と膨張された排気の少なくとも一部分とを圧縮して圧縮混合ガスを作り出す圧縮機と、圧縮混合ガスから二酸化炭素を除去して二酸化炭素が除去された圧縮混合ガスを作り出す酸性ガス除去ユニットと、二酸化炭素が除去された圧縮混合ガスを加湿して湿り空気を作り出す加湿器とを備えることができる。
別の方法としては、特に、二酸化炭素は、自動冷却ユニット内で除去され、図2に表されるような例示の形態を使用することができる。上記のように、プラント200は、動力を発生させる湿り空気タービンサイクルを備え、上昇した圧力で二酸化炭素が回収するために、膨張された排気の少なくとも一部分がリサイクルされて圧縮機に戻される。そのような形態では、燃焼器210は、燃料212および加熱された湿り空気214’を受け取り、排気216を生成し、次いで、その排気は膨張機220内で膨張される。次いで、膨張された排気218内の熱は、伝熱式熱交換器270内で少なくとも部分的に回収され、それは、加湿器280からの湿り空気214を加熱し、蒸気発生器(図示せず)に対して熱を与え、さらに節減装置270’を介する加湿器280への水を加熱する。膨張され冷却された排気218は、冷却器240内で冷却されて、(水のかなりの部分を凝縮し分離しながら)冷却され膨張された排気流218’を作り出し、その排気流は空気232と組み合わされて膨張機220に動作可能に結合された圧縮機230内で圧縮される。したがって、圧縮機230は、後部冷却器260内で冷却された圧縮混合ガス234を提供し、それによって加湿器内で使用される水の少なくとも一部分を加熱する。
次いで、そのように冷却された圧縮混合ガス234は、加湿器280に供給される第1の流れ234Aと、自動冷却ユニット250に供給される第2の流れ234Bとに分岐される。二酸化炭素生産物の流れ252は(例えば商品として)プラントを離れ、二酸化炭素を除去された排気ガス238は排気としてプラントを離れる。加湿器280は、第1の流れ234Aから湿りガス流214を生成し、湿りガス流214は、伝熱式熱交換器270内で加熱されて加熱された湿りガス流214’を作り出し、次いで、そのガス流は燃焼器210に供給される。
したがって、プラントは、湿り空気の存在下で燃料を燃焼させ、膨張機内で膨張されて、膨張された排気を作り出す排気を生成する燃焼器と、膨張機に動作可能に結合され、空気と膨張された排気の少なくとも一部分とを圧縮して圧縮混合ガスを作り出す圧縮機と、圧縮混合ガスの第1の部分から二酸化炭素を除去する自動冷却ユニットと、圧縮混合ガスの第2の部分を加湿して湿り空気を作り出す加湿器とを備えることができる。
図3に表したような別の企図された形態では、例示のプラント300が、動力を発生させる湿り空気タービンサイクル内で20%から30%までの空気抽出の能力を備えるガスタービン(例えば大規模のGeneral Electric社7FA+e)を備え、上昇された圧力で二酸化炭素を回収するために、膨張された排気の少なくとも一部分がリサイクルされて圧縮機に戻される。ここで、燃焼器310は、燃料312および加熱された湿り空気314’を受け取り、排気316を生成し、その排気は、膨張機320で膨張される。膨張された排気318内の熱は、熱回収蒸気発生器370内で少なくとも部分的に回収される。
膨張され冷却された排気の一部分318Aは排出され、膨張され冷却された排気の他の部分318Bは冷却器340内で冷却されて、(水のかなりの部分を凝縮し分離しながら)冷却され膨張された排気流318’を作り出し、その排気流は空気332と組み合わされて膨張器320に動作可能に結合された圧縮機330内で圧縮される。したがって、圧縮機330は圧縮混合ガス334を提供する。圧縮混合ガスの一部分334Aは(従来のガスタービン内で実行されたのと同様な方式で)燃焼器310に直接供給され、圧縮混合ガスの他の部分334Bは後部冷却器360内で冷却され、それによって加湿器内で使用される水の少なくとも一部分を加熱する。次いで、そのように冷却された圧縮混合ガス334Bは、酸性ガス除去ユニット350(好ましくは、溶媒に基づいた酸性ガス除去ユニットまたは膜に基づいた二酸化炭素除去ユニット)に供給される。二酸化炭素生産物の流れ352は(例えば商品として)プラントを離れ、二酸化炭素が除去された圧縮混合ガス336は加湿器380に供給される。加湿器380は、二酸化炭素が除去された圧縮混合ガス336から湿りガス流314を生成し、湿りガス流314は、後部冷却器360内で加熱されて、加熱された湿りガス流314’を作り出しその湿りガス流は燃焼器310に供給される。
したがって、企図された形態は、比較的低い二酸化炭素分圧を有する燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素の回収を大きく促進し、そのことは大量の過剰空気が使用されるガスタービンの場合に、特に望ましいことを理解されたい。したがって、二酸化炭素回収装置の規模、および二酸化炭素回収装置(例えば、直接接触型の(direct contact)冷却装置および吸収装置)の圧力低下を克服するためにブロワによって消費される動力は、数多くの知られた形態と比較すると、本発明の主題に従った形態で大きく低減できる。
排気ガスリサイクリングは、負荷(例えば、発電機または圧縮機)を駆動するタービンを含む数多くの形態で使用できるが、一般に、排気が少なくとも部分的にリサイクルされるプラント形態が湿り空気タービン(HAT)を備えるプラントであることが好まれ、HATを備える一例としてのプラントが、Raoの米国特許第4,829,763号明細書に記載され、本明細書に参照によって組み込まれる。企図された形態がHATサイクルを備える場合、以前から存在する、知られたHATサイクルの難点は、企図された二酸化炭素除去形態によって克服することができることを特に理解されたい。とりわけ、以前から知られるHATサイクル形態は、一般に、カスタマイズされたターボ機械を必要とし、その機械では、ガスタービンの圧縮機は、膨張機よりもかなり小さい必要があった。膨張機の上流側で、溶媒に基づいたプロセスの場合にシステムから二酸化炭素を除去することにより、あるいは膜または自動冷却に基づいたプロセスの場合に二酸化炭素およびその他のガス状成分を除去することにより、追加の水蒸気をエンジンの圧縮機および膨張機を通るガスの相対的な流れを大きく変えずに燃焼器および/または膨張機に供給することができる。したがって、企図された形態は、ガスタービンに基づいたプラントにおいて二酸化炭素回収の経済性を向上させるだけでなく、現行の再生ガスタービン(recuperated gas turbine)(例えば、Sulzer Turbo社またはMAN GHH Borsig社から市販されている再生ガスタービン)に対して二酸化炭素回収を実行することも期待される。
さらに、本発明の主題に従った形態および方法は、燃焼ガスから二酸化炭素を回収するのに10MW以下の能力を備える比較的小さな出力のプラントでも利用できることが企図される。あるいは、企図された形態および方法は、圧縮機または発電機を駆動するのにガスタービンが使用される全てのプラントに含むことができる。
そのように分離された二酸化炭素は、様々なプロセスで使用できることがその上さらに企図され、特に企図されたプロセスは、尿素プラントおよび原油の増進回収(enhanced oil recovery)を含む。あるいは、分離された二酸化炭素は、医療または栄養学上の使用のために販売され、冷凍処理に用いられ、または地下の空洞(mine)、海洋、または二酸化炭素が少なくとも一時的に隔離できるその他の場所に給送できる。企図された形態での加湿器への補給水は、排水(例えば、プラント内からの)、リサイクルされた水、または新鮮な水を含む様々な供給源によって供給できる。
企図された酸性ガス除去ユニットに関して、ガスから二酸化炭素を分離する全ての知られたプロセスが本明細書に示された教示に関連して適切であることを理解されたい。しかし、特に好まれる方法および形態は、物理的溶媒に基づいたプロセス(例えば、全てが本明細書に参照によって組み込まれる米国特許第2,863,527号明細書、米国特許第2,926,751号明細書、米国特許第3,505,784号明細書、米国特許第2,649,166号明細書、または米国特許第3,773,896号明細書を参照のこと。)、化学的溶媒に基づいたプロセス(例えば、両方が本明細書に参照によって組み込まれる米国特許第3,563,695号明細書、または米国特許第2,177,068号明細書を参照のこと。)、膜プロセス(例えば、両方が本明細書に参照によって組み込まれる米国特許第4,705,540号明細書、または米国特許第4,741,744号明細書を参照のこと。)、および自動冷却(例えば、本明細書に参照によって組み込まれる米国特許第6,301,927号明細書を参照のこと。)を含む。
二酸化炭素除去が、図1に示すような膜または溶媒に基づいたプロセスを含む場合、リサイクルされる膨張された排気118Bの量は、大幅に変えることができ、他の要因の中でも、特定の二酸化炭素除去ユニットおよび/または圧縮混合ガス内の二酸化炭素の分圧に依存することを理解されたい。したがって、一般に、リサイクルされる膨張された排気118Bの量は、全体の膨張排気118の0体積%と100体積%の範囲内であることができることが企図される。しかし、特に、排気ガスが比較的低い二酸化炭素分圧を有する場合、リサイクルされる膨張された排気118Bの量は、全体の膨張排気118の、約25体積%と約75体積%の間であることが好ましい。
同様に、図2に示すように自動冷却が使用される場合、特定の動作パラメータに応じて、自動冷却ユニットに供給される圧縮された混合ガス流234Bの量は、大幅に変えることができることを理解されたい。しかし、ほとんどの動作状態の下で、圧縮混合ガスの流れ234Bの適切な量は、約20体積%と80体積%の間の範囲になる。企図された形態が図3に示すように部分的なHAT形態を含む場合、燃焼器に直接送られる混合圧縮ガス334Aの量は、有利に、約5体積%から50体積%の間にすることができる。しかし、特定の形態に応じて、混合圧縮ガス334Aの量は、50体積%より高くなることもできる。リサイクルされて圧縮機に戻される、冷却され膨張された排気ガス流318Bに対して、適切な量が大幅に変わることが企図される。しかし、一般に、冷却され膨張された排気ガス流318Bの量は、約25体積%と約75体積%の間の範囲にあることが好ましい。
リサイクルされ冷却され膨張された排気ガス流の混合は、数多くの方式で行なうことができ、全ての知られた混合の方式は、本明細書内で適切に企図される。例えば、現行のプラントが本発明の主題に従った形態に後から取り付けられた場合、混合は、圧縮機入口の上流の混合容器内で行なうことができる。一方で、本発明の主題に従った形態が始めから構築される場合、混合は、リサイクルされたガスを新鮮な空気と共に圧縮機の入口に供給することにより行なうことができる。
したがって、発明者は、一般にプラントが、燃料と二酸化炭素を除去された湿りガス流とを受け取る湿り空気タービン燃焼器を備えることができることを企図し、二酸化炭素が除去された湿りガス流の少なくとも一部分が湿り空気タービン燃焼器の排気ガスから作り出される。こうしたプラントは、都合よく、さらに加湿器を備えることができ、加湿器内で使用される水は、圧縮混合ガスおよび排気ガスの少なくとも1つによって加熱される。本明細書内で使用される用語「二酸化炭素が除去されたガス流」は、二酸化炭素の少なくとも一部分が、あらかじめ除去されたガスを指す。
別の観点から見ると、タービン燃焼器の排気ガスから二酸化炭素が除去されたプラントは、空気と圧縮混合ガスを作り出す排気ガスの少なくとも一部分とを圧縮する圧縮機を備え、二酸化炭素は酸性ガス除去ユニット内で圧縮混合ガスから除去される。
このように、二酸化炭素を回収することを備える湿り空気タービンサイクルの特定の実施形態および適用例が開示された。しかし、当分野の技術者には、既に記載されたものに加えてさらに多くの変更形態が本明細書の本発明の概念から逸脱せずに可能であることが明らかであるとすべきである。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の精神にある以外は限定されない。さらに、明細書および特許請求の範囲の両方を解釈する際に、全ての用語は、文脈と一致して可能な限り最も広範囲に解釈すべきである。特に、用語「備える」および「備えている」は、要素、構成要素、またはステップを非排他的に指し、それによって、参照された要素、構成要素、またはステップが存在しあるいは利用されあるいは明確に参照されないその他の要素、構成要素、またはステップと結びつけることができることを示すと解釈されるべきである。
酸性ガス除去ユニット内で膜または溶媒を使用して排気ガスから二酸化炭素を回収するための例示の形態の概略図である。 酸性ガス除去ユニット内で自動冷却ユニットを使用して排気ガスから二酸化炭素を回収するための例示の形態の概略図である。 部分加湿を使用した排気ガスから二酸化炭素を回収するための別の例示の形態の概略図である。

Claims (16)

  1. 湿りガス流の存在下で燃料を燃焼させる燃焼器であって、燃焼器が排気を生成し、その排気は膨張機内で膨張されて、膨張された排気を作り出す燃焼器と、
    膨張機に動作可能に結合された圧縮機であって、圧縮機が、空気と膨張された排気の少なくとも一部分とを圧縮して、圧縮混合ガスを作り出す圧縮機と、
    圧縮混合ガスから二酸化炭素を除去して、二酸化炭素が除去された圧縮混合ガスを作り出す酸性ガス除去ユニットと、
    二酸化炭素が除去された圧縮混合ガスを加湿して、燃焼器に供給される湿りガス流を作り出す加湿器とを備えるプラント。
  2. 湿りガス流が、熱源として膨張された排気を使用して加熱され、加熱された湿りガス流が燃焼器に供給される請求項1に記載のプラント。
  3. 加湿器が、圧縮混合ガスおよび膨張された排気ガスの少なくとも1つによって加熱される水を使用する請求項1に記載のプラント。
  4. 酸性ガス除去ユニットが、二酸化炭素の少なくとも一部分を吸収する溶媒を含む請求項1に記載のプラント。
  5. 溶媒が化学的溶媒である請求項4に記載のプラント。
  6. 酸性ガス除去ユニットが、膜ユニットを備える請求項1に記載のプラント。
  7. 圧縮混合ガスの一部分が、燃焼器に供給される請求項1に記載のプラント。
  8. 膨張された排気を冷却し、それによって膨張された排気から水を凝縮する冷却器をさらに備える請求項1に記載のプラント。
  9. 湿りガス流の存在下で燃料を燃焼させる燃焼器であって、燃焼器が排気を生成し、その排気が膨張機で膨張されて、膨張された排気を作り出す燃焼器と、
    膨張機に動作可能に結合された圧縮機であって、圧縮機が、空気と膨張された排気の少なくとも一部分との混合気を圧縮して、圧縮混合ガスを作り出す圧縮機と、
    圧縮混合ガスの第1の部分から二酸化炭素を除去する自動冷却ユニットと、
    圧縮混合ガスの第2の部分を加湿して、燃焼器に供給される湿りガス流を作り出す加湿器とを備えるプラント。
  10. 湿りガス流が、熱源として膨張された排気を使用して加熱され、加熱された湿り空気が燃焼器に供給される請求項9に記載のプラント。
  11. 加湿器が、圧縮混合ガスおよび膨張された排気ガスの少なくとも1つによって加熱される水を使用する請求項9に記載のプラント。
  12. 膨張された排気を冷却し、それによって膨張された排気から水を凝縮する冷却器をさらに備える請求項9に記載のプラント。
  13. 燃料と二酸化炭素が除去された湿りガス流とを受け取る湿り空気タービン燃焼器を備えるプラントであって、二酸化炭素が除去された湿りガス流の少なくとも一部分が湿り空気タービン燃焼器の排気ガスから作り出されるプラント。
  14. 二酸化炭素が、膜ユニットを使用して膨張された排気ガスおよび空気の圧縮混合物から抽出される請求項13に記載のプラント。
  15. 二酸化炭素が、二酸化炭素の少なくとも一部分を吸収する溶媒を使用して膨張された排気ガスおよび空気の圧縮混合物から抽出される請求項13に記載のプラント。
  16. 加湿器をさらに備え、加湿器内で使用される水が(a)膨張された排気ガスおよび空気圧縮混合および(b)膨張された排気ガスの少なくとも1つによって加熱される請求項13に記載のプラント。
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