JP4377036B2 - 積層板及びこの積層板を用いた屋根構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層板及びこの積層板を用いた屋根構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板の一面或いは両面に金属箔が貼着された積層板が屋根材、天井板、内壁材、又は外壁材として用いられていた。この一面に金属箔が貼着された積層板に於いては、金属板が貼着された面が化粧面として優れるものの、裏面の剛性が不足し、補強材で補強しなければ使いにくいという問題があった。又、表裏に金属箔が貼着された積層板に於いては、剛性に優れるものの、曲げ加工が施しにくいという問題があった。特に積層板を屋根材として用いるに際して、屋根材を円弧状に撓めて、屋根を蒲鉾形に形成するには積層板をあらかじめ工場においてプレス加工などで曲げておく必要があり、半円筒形状に曲げた積層板を施工現場へ運送せねばならないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は従来の欠点に鑑み鋭意研究の結果、剛性に優れ、曲げ加工が容易に出来る積層板とこの積層板を用いた屋根構造を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明請求項1記載の積層板は、基板の一面にアルミニウム合金からなる金属箔が貼着され、他面にガラスクロスが貼着されてなり、該ガラスクロスはガラス繊維糸の束が経緯に交絡されたもので、経糸と緯糸とが交互に基板に貼着されて、経糸が基板と断続的に接着され、隣り合う経糸の接着箇所と接着箇所の間には緯糸が配設され、この緯糸の上に配設された経糸が基板と接着されておらず、そして緯糸は前記経糸と逆に経糸の下に配設された部分で基板に接着されているもので、金属箔が貼着された面は伸び、縮みとも規制されるが、ガラスクロスが貼着された面は伸びは規制されるものの、縮みが規制されないため、ガラスクロスを貼着した面を内側にすれば容易に撓められる。
【0005】
また本発明は、ガラスクロスを貼着した面の伸びが少ないので、剛性に優れる。本発明におけるガラスクロスとは、ガラス繊維からなる糸が経緯に交絡されたものであり、繊維の伸びが他の繊維に比べると少ない。
【0006】
本発明請求項2記載の屋根構造は、請求項1に記載の積層板を屋根材とする屋根構造であって、ガラスクロスを貼着した面を内側にして、アーチ状の屋根を形成するもので、屋根材の表面が金属箔に覆われているため、耐候性に優れ、難燃性に優れる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明に付いて説明する。
図1は本発明積層板の実施形態の一例を示す断面図である。図面において1は基板であり、この基板1の一面に金属箔2が貼着され、他面に布帛の一例としてのガラスクロス3が貼着されている。基板1はポリエチレンやポリプロピレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等の熱可塑性合成樹脂から一般には好適に作製されるが、これに限るものではなく、木質板やボール紙等可撓性を有する適宜材料から作製されればよい。ガラスクロス3はガラス繊維糸の束が経緯に交絡されたもので、経糸31と緯糸32とが交互に基板1に貼着されている。経糸31が基板1と断続的に接着され、隣り合う経糸31の接着箇所と接着箇所の間には緯糸32が配設され、この緯糸32の上に配設された経糸31が基板1と接着されていない。又緯糸32も前記経糸31と逆に経糸31の下に配設された部分で基板1に接着されている。
【0008】
金属箔2はアルミニウム合金からなる金属が圧延されて作製されたもので基材の一面に貼着されている。貼着手段としては、一般には接着剤による接着が用いられるが、合成樹脂シートを金属箔2と基板1の間に介在させ、これを加熱溶融させることによって金属箔2と基板1を貼着してもよい。接着剤としては、前記したように布帛の基板側の繊維の表面を接着しうるものが好適に用いられ、布帛の上面にまで浸透するような浸透性の高いものは好ましくない。
【0009】
本発明に於けるガラスクロス3とはガラス繊維製の布であってガラス糸を織って作製された織布が用いられる。織布としては平織りが一般に用いられるが、繻子織りや斜文織りが用いられてもよい。ガラスクロス3は伸縮性に乏しく可撓性に優れるので、ガラスクロス3の貼着された面を内側に。又、ガラスクロス3は不燃材料であり、基板1が合成樹脂などの可燃物から製せられても、積層板としては難燃性を有する。
【0010】
本発明積層板は屋根材や外壁材などの建材に主として用いられるが、布帛の貼着面を内側にすれば、容易に曲撓されるので、屋根面や壁面に容易に曲面が形成できる。
【0011】
次に本発明屋根構造の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。図はバス停や駐輪スペース等に用いられる屋根構造の組み立て方法を示す組み立て説明図である。
【0012】
この例においては、先ず地表に一対の支柱Bを立設し、この支柱Bの上端部に母屋Cを横架し、この母屋Cから前方に向けて、円弧状に曲撓された多数の垂木Dを延設し、この垂木Dの先端を軒桁Eが連結している。次に積層板の先端を母屋Cに当接しつつ積層材の金属箔貼着面を上に垂木Dに沿って円弧状に撓めながら積層板の基端を軒桁Eに取着する。最後に屋根材の四縁部をシールして組み立てが完了する。この例における屋根構造においては、屋根材の上面が金属箔2で構成されているため、屋根材が耐候性に優れるとともに、美麗で屋根材と他の構造材に外観的な違和感がない。又、屋根材の下面にガラスクロス3などの布帛が貼着されているので、施工現場で容易に屋根材を撓めることが出来る。
【0013】
【発明の効果】
本発明請求項1記載の積層板は、基板の一面にアルミニウム合金からなる金属箔が貼着され、他面にガラスクロスが貼着されてなり、該ガラスクロスはガラス繊維糸の束が経緯に交絡されたもので、経糸と緯糸とが交互に基板に貼着されて、経糸が基板と断続的に接着され、隣り合う経糸の接着箇所と接着箇所の間には緯糸が配設され、この緯糸の上に配設された経糸が基板と接着されておらず、そして緯糸は前記経糸と逆に経糸の下に配設された部分で基板に接着されているもので、金属箔が貼着された面は伸び、縮みとも規制されるが、ガラスクロスが貼着された面は伸びは規制されるものの、縮みが規制されないため、ガラスクロスを貼着した面を内側にすれば容易に撓められるとともに、金属箔を貼着した面への負荷にはよく対抗するので、アーチ状の屋根などを形成するのに好適である。又、基板に金属箔を貼着するときと常温での温度差により基板が金属箔に対して収縮したときも反対面に貼着したガラスクロスが収縮に対抗するので積層板が反りにくい。
【0014】
また本発明は、ガラスクロスを貼着した面の伸びが少ないので、剛性に優れる。又、金属箔、ガラスクロスが不燃であるため難燃性に優れる。
【0015】
本発明請求項2記載の屋根構造は、請求項1に記載の積層板を屋根材とする屋根構造であって、ガラスクロスを貼着した面を内側にして、アーチ状の屋根を形成するもので、屋根材の表面が金属箔に覆われているため、耐候性、遮光性に優れ、又、難燃性に優れる。又、ガラスクロスを貼着した面を内側にしているので容易に撓められるとともに、金属箔を貼着した面への負荷にはよく対抗する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明積層板の実施形態の一例を示す断面図である。
【図2】本発明屋根構造の組み立て方法の一例を示す組み立て説明図である。
【図3】本発明屋根構造の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 金属箔
3 ガラスクロス
31 経糸
32 緯糸
A 積層板
B 支柱
C 母屋
D 垂木
E 軒桁
Claims (2)
- 基板の一面にアルミニウム合金からなる金属箔が貼着され、他面にガラスクロスが貼着されてなり、該ガラスクロスはガラス繊維糸の束が経緯に交絡されたもので、経糸と緯糸とが交互に基板に貼着されて、経糸が基板と断続的に接着され、隣り合う経糸の接着箇所と接着箇所の間には緯糸が配設され、この緯糸の上に配設された経糸が基板と接着されておらず、そして緯糸は前記経糸と逆に経糸の下に配設された部分で基板に接着されていることを特徴とする積層板。
- 請求項1に記載の積層板を屋根材とする屋根構造であって、ガラスクロスを貼着した面を内側にして、アーチ状の屋根を形成することを特徴とする屋根構造。
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