JP4375888B2 - 車両用車輪の動特性測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用車輪の動特性測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両のショックアブソーバに、ショックアブソーバのストローク量を測定するためのダンパストロークセンサを取り付け、測定されたショックアブソーバのストローク量から車輪の動荷重を算出し、算出された動荷重から車輪の動特性を求めるようにした車両用車輪の動特性測定方法が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ショックアブソーバのストローク量から算出される車輪の動荷重は必ずしも正確でなく、従って車輪の動特性を正確に求めることは困難であるという問題点がある。
一方、受けた荷重を表す出力を発生するワッシャー型歪みセンサを用意し、ワッシャ型歪みセンサを車両本体と車輪との間に配置し、車両の走行中にワッシャ型歪みセンサを用いて車輪の動荷重を測定し、測定された動荷重と同じ荷重を、この動荷重の向きと逆向きに車輪に作用させることにより、車両振動を吸収するようにした車両の懸架装置が公知である(特開平6−227225号公報参照)。
【0004】
確かに、この懸架装置では車輪の動荷重を測定している。しかしながら、この動荷重測定は車両振動を吸収するためのものであり、車輪の動特性を測定するためのものではない。
そこで、本発明の目的は車両用車輪の動特性を正確に測定することができる車両用車輪の動特性測定方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために1番目の発明によれば、受けた荷重を表す出力を発生するワッシャ型歪みセンサを用意し、ワッシャ型歪みセンサを車両本体と車輪との間に配置し、車両の走行中にワッシャ型歪みセンサを用いてこの車輪に作用する動荷重を測定し、測定された動荷重からこの車輪の動特性を求める、各段階を具備した車両用車輪の動特性測定方法であって、測定された動荷重から車輪のコーナリング特性を求め、車両が前輪と後輪とを有しており、前輪のスリップ角と後輪のスリップ角とをそれぞれ求め、これらスリップ角からステア特性を求めている。即ち1番目の発明では、ワッシャ型歪みセンサを用いて測定された車輪の動荷重から車輪の動特性が求められ、車輪のコーナリング特性を表すステア特性が求められる。
【0006】
また、2番目の発明によれば1番目の発明において、測定された動荷重から車輪の横力係数を求めている。即ち2番目の発明では、車輪のコーナリング特性を表す横力係数が求められる。
【0007】
また、3番目の発明によれば2番目の発明において、車輪のスリップ角を求め、スリップ角と前記横力係数との関係を求めている。ここで、スリップ角と横力係数との関係は車輪のコーナリング特性を表している。
また、4番目の発明によれば3番目の発明において、前記スリップ角及び前記横力係数と、測定された動荷重との関係を求めている。ここで、スリップ角及び横力係数と、測定された動荷重との関係は車輪のコーナリング特性を表している。
【0008】
また、5番目の発明によれば1,3,4番目の発明のうちいずれか一つにおいて、車両重心と車軸との間の距離である重心車軸間距離を、測定された動荷重から求め、求められた重心車軸間距離から前記スリップ角を求めている。即ち5番目の発明では、重心車軸間距離が正確に求められるので、スリップ角が正確に求められる。
【0009】
また、6番目の発明によれば1番目の発明において、車両のショックアブソーバが前記ワッシャ型歪みセンサの内部空間を貫通して延びるようにワッシャ型歪みセンサが配置されている。即ち6番目の発明では、ワッシャ型歪みセンサを配置するのに必要な空間が低減される。
また、7番目の発明によれば6番目の発明において、前記ショックアブソーバと同心配置されたコイルスプリングの一端と、車両本体又は車輪との間に前記ワッシャ型歪みセンサが配置されている。即ち7番目の発明では、コイルスプリングに作用する動荷重がワッシャ型歪みセンサに入力されて測定される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明を四輪自動車に適用した場合を説明する。しかしながら、本発明を二輪車、三輪車などに適用することもできる。
図1を参照すると、1は自動車の懸架装置又は緩衝装置を構成するショックアブソーバを示している。このショックアブソーバ1は入れ子式になっている上側部分2及び下側部分3を具備する。上側部分2はその上端において自動車の本体フレームのクロスメンバ(図示しない)に接続され、下側部分3はその下端においてロアアーム(図示しない)に接続され、このロアアームは車軸(図示しない)を介して車輪即ちタイヤに接続されている。
【0011】
上側部分2及び下側部分3にはフランジ状をなす上側シート4及び下側シート5がそれぞれ固定される。これら上側シート4及び下側シート5間には、センサ組立体6と圧縮状態のコイルスプリング7とがショックアブソーバ1と同軸に、ショックアブソーバ1に対し移動可能に挿入される。
センサ組立体6は上側シート4側に位置する環状の第1のアタッチメント8と、コイルスプリング7の上端側に位置する環状の第2のアタッチメント9と、これら第1及び第2のアタッチメント8,9間に挿入された環状のワッシャ型歪みセンサ10とを有する。図1からわかるように、これらアタッチメント8,9及びワッシャ型歪みセンサ10の内部空間を貫通して延びるようにショックアブソーバ1が配置されるという見方もできる。
【0012】
図1及び図2を参照すると、第1のアタッチメント8の底面、即ちワッシャ型歪みセンサ10に対面する面には、その外周部に環状平坦凸面8aが形成され、残りの中央部に環状平坦凹面8bが形成される。同様に、ワッシャ型歪みセンサ10の頂面、即ち第1のアタッチメント8に対面する面にはその外周部に環状平坦凸面10aが形成され、残りの中央部に環状平坦凹面10bが形成される。その結果、第1のアタッチメント8とワッシャ型歪みセンサ10とはこれら環状平坦凸面8a,10aにおいて互いに接することになる。このようにすると、ワッシャ型歪みセンサ10自体が歪んだとしても第1のアタッチメント8がワッシャ型歪みセンサ10に干渉しなくなり、従って測定誤差を低減することができる。
【0013】
一方、ワッシャ型歪みセンサ10の底面、即ち第2のアタッチメント9に対面する面にはその中央部に環状平坦凸面10cが形成され、残りの外周部に環状平坦凹面10dが形成される。その結果、ワッシャ型歪みセンサ10は第2のアタッチメント9の平坦頂面と環状平坦凸面10cにおいて接することになる。
タイヤに荷重が作用するとその荷重に応じてショックアブソーバ1及びコイルスプリング7が伸縮する。この荷重は第2のアタッチメント9を介してワッシャ型歪みセンサ10に入力される。従って、センサ組立体6又はワッシャ型歪みセンサ10はタイヤに作用する荷重を受ける部位に配置されているということになる。この場合、ワッシャ型歪みセンサ10の環状平坦凸面10cは荷重入力面を構成する。なお、ワッシャ型歪みセンサ10の出力はケーブル10eを介し出力される。
【0014】
ところで、従来ではコイルスプリング7が上側シート4と下側シート5間に挿入されていることを考慮すると、本実施態様では上側シート4とコイルスプリング7間にセンサ組立体6が挿入されていることになる。これに代えて、コイルスプリング7と下側シート5間にセンサ組立体6を挿入することもできる。更に、上側シート4と下側シート5間にダンパストロークセンサを取り付け、ショックアブソーバ1又はコイルスプリング7の伸縮量を測定するようにすることもできる。
【0015】
図3は本実施態様による実車タイヤ動特性測定システム11を概略的に示している。図3を参照すると、実車タイヤ動特性測定システム11は入力されたデータを記憶するためのデータロガー12の他、ワッシャ型歪みセンサ10、車速センサ13、操舵角センサ14、横Gセンサ15、前後Gセンサ16、及びヨー角速度センサ17を具備する。各ワッシャ型歪みセンサ10はいわゆるロードセルからなり、ワッシャ型歪みセンサ10が受けた荷重を表す出力電圧を発生する。これらワッシャ型歪みセンサ10は上述したセンサ組立体6の形で、自動車のフロント左、フロント右、リア左、リア右の各ショックアブソーバ1に組み込まれる。車速センサ13は自動車の車速を表す出力電圧を発生し、自動車のブレーキキャリパ(図示しない)の内側に取り付けられる。操舵角センサ14は自動車の操舵角を表す出力電圧を発生し、自動車のステアリングストロークロッド(図示しない)に取り付けられる。横Gセンサ15は自動車の横方向の加速度(横G)を表す出力電圧を発生し、前後Gセンサ16は自動車の前後方向の加速度(前後G)を表す出力電圧を発生する。また、ヨー角速度センサ17は自動車のヨー角速度を表す出力電圧を発生する。これら横Gセンサ15、前後Gセンサ16、及びヨー角速度センサ17は自動車の中心軸線上でかつ自動車の重心にできるだけ近い位置に取り付けられる。これらセンサの出力電圧はそれぞれ対応するアンプ18を介してデータロガー12に入力され、例えば数十ms程度の時間間隔で記憶される。なお、この実車タイヤ動特性測定システム11は自動車に搭載されており、特にデータロガー12は自動車の熱発生のない部位に配置される。
【0016】
次に、図4に示す実車タイヤ動特性測定ルーチンを参照して本実施態様における実車タイヤ動特性測定方法を説明する。図4を参照すると、まず初めにステップ30では、ワッシャ型歪みセンサ10を自動車に取り付ける前にワッシャ型歪みセンサ10のキャリブレーションが行われる。即ち、ワッシャ型歪みセンサ10に既知の荷重を作用させ、このときのワッシャ型歪みセンサ10の出力電圧を記録する。これを複数種類例えば10種類の荷重について行い、荷重とワッシャ型歪みセンサ10の出力電圧との関係を例えば一次回帰式の形で求める。
【0017】
続くステップ31では、ワッシャ型歪みセンサ10を自動車に取り付けた後にワッシャ型歪みセンサ10のオフセットが行われる。即ち、各タイヤを荷重計に載せ、このときのワッシャ型歪みセンサ10の出力から求められる荷重が各荷重計の出力に一致するように上述の一次回帰式がオフセットされる。
続くステップ32では、データの測定が行われる。即ち、自動車は予め定められたコース、例えばサーキットを実際に走行し、このときの動荷重、車速、操舵角、横G、前後G、及びヨー角速度が測定される。ここで、これら測定データはサーキットの予め定められた開始位置からの走行距離、即ちサーキット上の自動車の走行位置と関連付けて記憶される。また、これら測定データは自動車がサーキットを一周する毎にまとめられる。
【0018】
続くステップ33では、このようにして獲得された測定データを用いてタイヤの実車動特性、例えば実車タイヤコーナリング特性が測定される。この実車タイヤコーナリング特性の測定は例えば外部コンピュータで行うことができ、この場合測定データはデータロガー12から取り出されて外部コンピュータに移される。
【0019】
図5は外部コンピュータで実行される実車タイヤコーナリング特性の測定ルーチンを示している。図5を参照すると、まず初めにステップ40では、記憶された測定データのなかから、実車タイヤコーナリング特性の測定に使用すべき測定データが選択される。本実施態様では、ラップタイムが最小の周回におけるサーキット1周分の測定データが選択され、これにより実車タイヤコーナリング特性が測定される。このようにすると、選択された全ての横Gを、コースの形状などにより定まる限界(最大)横Gであるとみなすことができる。
【0020】
続くステップ41では、横力が算出される。この横力は自動車が限界横Gで走行していると仮定したときに、タイヤの接地面においてタイヤの進行方向に対し直角の方向に発生している力であり、実車タイヤコーナリング特性を表す指標の一つである。横力は次式により算出される。
横力=横G・静荷重
続くステップ42では、タイヤと路面との間の横力係数(摩擦係数)が次式により算出される。
【0021】
ステップ41及びステップ42において、一つのタイヤについての横力及び横力係数を求めるべきときには、静荷重及び動荷重として対応するタイヤに作用する静荷重及び動荷重が用いられる。また、左右のフロントタイヤについての横力及び横力係数を求めるべきときには、静荷重及び動荷重としてフロント静荷重、即ち左右のフロントタイヤに作用する静荷重の合計、及びフロント動荷重、即ち左右のフロントタイヤに作用する動荷重の合計が用いられ、左右のリアタイヤについての横力及び横力係数を求めるべきときには、静荷重及び動荷重としてリア静荷重、即ち左右のリアタイヤに作用する静荷重の合計、及びリア動荷重、即ち左右のリアタイヤに作用する動荷重の合計が用いられる。更に、全てのタイヤについての横力及び横力係数を求めるべきときには、静荷重及び動荷重として総静荷重、即ち全てのタイヤに作用する静荷重の合計、及び総動荷重、即ち全てのタイヤに作用する動荷重が用いられる。なお、上述したようにこの場合の横Gは限界横Gとみなすことができるので、ステップ42で算出される横力係数は限界横力係数とみなすことができる。
【0022】
続くステップ43では、自動車の重心とフロント車軸との間の距離であるフロント重心車軸間距離Lf、及び自動車の重心とリア車軸との間の距離であるリア重心車軸間距離Lrが次式によりそれぞれ算出される。
Lf=(リア動荷重/総動荷重)・ホイールベース
Lr=(フロント動荷重/総動荷重)・ホイールベース
自動車の走行状態に応じて自動車の重心位置は変動するので、このように測定された動荷重を用いて重心車軸間距離を求めるようにすると、重心車軸間距離をより正確に算出することができる。
【0023】
続くステップ44では、自動車が定常円旋回していると仮定したときのフロントスリップ角βf及びリアスリップ角βrが次式によりそれぞれ算出される。
βf=−γ・Lf/V+θ/N
βr=γ・Lr/V
ここで、γはヨー角速度、Vは車速、θは操舵角、Nはステアリングギア比をそれぞれ表している。
【0024】
続くステップ45では、ステップ42で算出された限界横力係数と、ステップ44で算出されたフロントスリップ角又はリアスリップ角と、動荷重との関係が求められ、例えばグラフの形で出力される。この関係は実車タイヤコーナリング特性を表す指標の一つである。図6は限界横力係数とフロントスリップ角と動荷重との関係を示すグラフの一例である。この関係の求め方を簡単に説明すると、まず、ステップ40で選択された左フロントタイヤ又は右フロントタイヤの動荷重のなかから予め定められた動荷重範囲内にある動荷重が抽出され、この動荷重が得られたときの測定データにより求められた限界横力係数及びフロントスリップ角が抽出される。次いで、抽出された動荷重がいずれの動荷重範囲にあるかがわかるように、抽出された限界横力係数及びフロントスリップ角がプロットされる。
【0025】
即ち図6に示す例では、250±10kgf(2.45±0.10kN)、300±10kgf(2.94±0.10kN)、350±10kgf(3.43±0.10kN)、400±10kgf(3.92±0.10kN)、450±10kgf(4.41±0.10kN)、500±10kgf(4.90±0.10kN)の動荷重範囲が予め設定されており、これら動荷重範囲内にある動荷重と、これら動荷重が得られたときの限界横力係数及びフロントスリップ角とが抽出される。次いで、動荷重範囲毎に予め定められた符号(□,+,◇,△,×,○)を用いて限界横力係数及びフロントスリップ角がプロットされる。
【0026】
限界横力係数は動荷重で基準化(無次元化)された横力を表しており、従って限界横力係数、フロントスリップ角、及び動荷重(動荷重範囲)の関係は動荷重依存を包含した実車タイヤコーナリング特性を表す指標の一つである。このような関係を求めることにより、基準化された横力が発生したときの動荷重(動荷重範囲)及びスリップ角を容易に把握することができる。
【0027】
再び図5を参照すると、続くステップ46では、ステップ42で算出された限界横力係数と、ステップ44で算出されたフロントスリップ角又はリアスリップ角との関係が求められ、例えばグラフの形で出力される。この関係も実車タイヤコーナリング特性を表す指標の一つである。図7は限界横力係数とフロントスリップ角との関係を示すグラフの一例である。このグラフにおける曲線は図6のグラフの各プロットを近似して得られるものである。図7に示す例では、二種類のタイヤA,Bについて限界横力係数とフロントスリップ角との関係を表す曲線が示されている。
【0028】
このようにタイヤコーナリング特性を単一曲線で表すことにより、仕様が異なるタイヤのタイヤコーナリング特性を容易に比較することができる。例えば、フロントスリップ角がゼロ付近での曲線の傾きが大きいとき程、実車タイヤコーナリング特性が優れていることを考えると、図7に示す例ではタイヤAよりもタイヤBのほうが優れた実車タイヤコーナリング特性を有していることがわかる。
【0029】
このような限界横力係数とフロントスリップ角又はリアスリップ角との関係をさまざまなサーキットについて求め、これらを比較することができる。図8はその一例を示しており、図8に示す例では鈴鹿、富士、及び十勝の各サーキットについて限界横力係数とフロントスリップ角との関係が比較されている。その結果、限界横力係数についてのサーキットの序列化が可能になる。
【0030】
再び図5を参照すると、続くステップ47では、ステア特性Δβが次式により算出される。
Δβ=(|βf|−|βr|)(βf・βr)/|βf・βr|
ここで、Δβ>0であるとアンダステアであり、Δβ<0であるとオーバステアである。
【0031】
続くステップ48ではステア特性Δβが例えばグラフの形で出力される。このグラフの一例が図9に示される。図9において縦軸はステア特性Δβ、横軸は開始位置からの自動車の走行距離である。図9に示す例では、二種類のタイヤA,Bについてステア特性Δβが示されている。
このようにステア特性をグラフにより表すようにすると、仕様が異なるタイヤのステア特性を容易に比較することができる。例えば、ステア特性Δβが正値でありかつその絶対値が小さいとき程、操縦安定性がよくなることを考えると、図9に示す例ではタイヤAよりもタイヤBのほうが優れた操縦安定性を有していることがわかる。
【0032】
なお、図6から図9において、自動車としてトヨタ自動車製コロナエクシブが、ワッシャ型歪みセンサ10として株式会社共和電業製のワッシャ型ロードセルLCW−CS(2トン用)がそれぞれ用いられている。また、使用されたタイヤのサイズはフロント、リア共に210/650R18であり、各タイヤのリムサイズは8.2J×18であり、各タイヤの空気圧は160kPaである。
【0033】
このように本実施態様では、横力、限界横力係数とフロントスリップ角又はリアスリップ角と動荷重との関係、限界横力係数とフロントスリップ角又はリアスリップ角との関係、又はステア特性により、実車タイヤコーナリング特性が評価される。しかしながら、実車タイヤコーナリング特性を他のパラメータ又は関係により評価するようにしてもよい。
【0034】
なお、これまで述べてきた実施態様では、自動車の全てのタイヤに対しそれぞれワッシャ型歪みセンサ10を設けている。しかしながら、例えばフロントタイヤのみ又はリアタイヤのみに対しワッシャ型歪みセンサを設けるようにすることもできる。また、上述の実施態様ではサーキット1周分の測定データを用いて実車タイヤ動特性を測定するようにしている。しかしながら、サーキットの一部の測定データを用いて実車タイヤ動特性を測定することもできる。
【0035】
【発明の効果】
車両用車輪の動特性を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の懸架装置に組み込まれたセンサ組立体を示す図である。
【図2】ワッシャ型歪みセンサの側面図及び頂面図である。
【図3】実車タイヤ動特性測定システムの概略図である。
【図4】実車タイヤ動特性測定ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】実車タイヤコーナリング特性測定ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】限界横力係数と、フロントスリップ角と、動荷重との関係の一例を示すグラフである。
【図7】限界横力係数とフロントスリップ角との関係の一例を示すグラフである。
【図8】限界横力係数とフロントスリップ角との関係の一例を比較して示すグラフである。
【図9】ステア特性の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ショックアブソーバ
6…センサ組立体
7…コイルスプリング
10…ワッシャ型歪みセンサ
Claims (7)
- 受けた荷重を表す出力を発生するワッシャ型歪みセンサを用意し、該ワッシャ型歪みセンサを車両本体と車輪との間に配置し、車両の走行中に該ワッシャ型歪みセンサを用いて該車輪に作用する動荷重を測定し、該測定された動荷重から該車輪の動特性を求める、各段階を具備した車両用車輪の動特性測定方法であって、測定された動荷重から車輪のコーナリング特性を求め、車両が前輪と後輪とを有しており、前輪のスリップ角と後輪のスリップ角とをそれぞれ求め、これらスリップ角からステア特性を求める車両用車輪の動特性測定方法。
- 測定された動荷重から車輪の横力係数を求める請求項1に記載の車両用車輪の動特性測定方法。
- 車輪のスリップ角を求め、該スリップ角と前記横力係数との関係を求める請求項2に記載の車両用車輪の動特性測定方法。
- 前記スリップ角及び前記横力係数と、測定された動荷重との関係を求める請求項3に記載の車両用車輪の動特性測定方法。
- 車両重心と車軸との間の距離である重心車軸間距離を、測定された動荷重から求め、該求められた重心車軸間距離から前記スリップ角を求める請求項1,3,4のいずれか一項に記載の車両用車輪の動特性測定方法。
- 車両のショックアブソーバが前記ワッシャ型歪みセンサの内部空間を貫通して延びるように該ワッシャ型歪みセンサが配置されている請求項1に記載の車両用車輪の動特性測定方法。
- 前記ショックアブソーバと同心配置されたコイルスプリングの一端と、車両本体又は車輪との間に前記ワッシャ型歪みセンサが配置されている請求項6に記載の車両用車輪の動特性測定方法。
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