JP4371699B2 - バイタルサイン計測システム、バイタルサイン計測方法、バイタルサイン計測プログラム、及び記録媒体 - Google Patents

バイタルサイン計測システム、バイタルサイン計測方法、バイタルサイン計測プログラム、及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バイタルサイン計測システムに関し、さらに詳しくは、心電及び血流等のバイタルサイン情報をファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)により演算処理することにより、意思伝達が困難な対象者との意思疎通を可能としたバイタルサイン計測システム及びその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療・教育等の現場においては、会話や表情等による意思伝達が困難な対象者との間の意思疎通を十分に実現することが、治療、教育等の成果を高める上での非常に重要な課題となっている。例えば、医療現場においては、知的障害を持つ患者と医師との間での意思疎通が適切にできないことにより、患者に対する適切な処置が遅滞なくなされない事態が発生したり、或いは処置を間違えるといった重大な医療ミスが発生することがある。このように不十分な意思疎通に起因した不具合を未然に防止するためにも、患者と医師との間における正確な意思の疎通が医療現場においては必要不可欠である。しかし、このような不具合に対処するための適切な手法はこれまで開発されていない。意思疎通を促進するための機器の開発も一部見られるが、この機器を使用するための訓練や使用条件等に大きな制約を伴うのが現状である。
このような対象者のバイタルサインデータを利用した従来例として、特開2002−109068公報には、バイタルサイン記憶手段に記憶された対象者のバイタルサインデータに基づいて、正常、やや異常だが治療には至らない、治療すべき異常の3種類に振り分け、日常的な指導をおこなう構成について開示されている。
また特開平5−49626号公報には、心理的な評価だけでなく人間の生理データ(バイタルサインデータ)を利用して客観的にストレスを評価し、回復の方策を施すための方式について開示されている。それによると、評価作業の前後または最中に、生理データ連続変化計測、生理データ計測及び心理データ計測の各手段でデータを計測し、データを生理データ解析と心理データ解析で解析する。そしてストレス評価で生理的影響と心理的影響の両者からストレスを総合的に、かつ、定量的に評価し、評価結果を基に心理データ解析手段により評価対象者にストレス評価結果及び回復のための方策を与えるものである。
また、特開2002−291752公報には、生体の自律神経系と代謝の機能を的確かつ簡便に解析することができる生体の自律神経系と代謝の機能解析システム及びそのコンピュータプログラムについて開示されている。この公報には、被験者の交感神経系を刺激する負荷を加える前後で測定された生体の酸素消費量、循環系の状態を表わす指標等を入力する入力装置と、負荷を加える前後の酸素消費量の差と循環系の状態を表わす指標の算出値の差を算出する制御装置と、処理された結果を出力する出力装置とを備えた構成が開示されている。データファイルには、生体の肥満の原因を評価するためのデータ等が記憶されている。算出された酸素消費量の差と循環系の状態を表わす指標の算出値の差とを用いて、記憶された評価のためのデータを検索し、それを使用して判定された評価結果を出力装置に出力するものである。
【特許文献1】
特開2002−109068公報
【特許文献2】
特開平5−49626号公報
【特許文献3】
特開2002−291752公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、意思伝達が可能な健常者から取得したバイタルサインを利用して、その健常者の健康管理を行うものであり、これをそのまま意思伝達の困難な対象者に利用することは困難である。
また特許文献2に記載の発明は、バイタルサインを用いてストレスの度合いを評価するものであり、評価作業の前後または最中に、生理データ連続変化計測、生理データ計測及び心理データ計測の各手段でデータを計測し、そのデータを生理データ解析と心理データ解析で解析する点においてはデータの精度を高くすることができるが、あくまでも意思伝達が可能な健常者から取得したバイタルサインを利用してストレス評価を行うものであり、特許文献1の場合と同様に意思伝達の困難な対象者に利用することは困難である。
また特許文献3は、肥満患者の病理生理学的な状態を検査するものであり、被験者の交感神経系を刺激する負荷を加える前後で測定された生体の酸素消費量、循環系の状態を表わす指標等を入力することにより、算出された酸素消費量の差と循環系の状態を表わす指標の算出値の差とを用いて、記憶された評価のためのデータを検索し、それを使用して判定するものであるが、被験者の交感神経系を刺激する負荷が、意思伝達の困難な対象者に利用することができるか否かが不明である。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、心電・血流・血圧・筋電等のバイタルサイン情報と、脳波計・脳磁界等の情報を複合して取得できるセンサデバイスを使用し、意思伝達の手段にはファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)を用いることにより、意思伝達の困難な対象者とのコミュニケーションを可能としたバイタルサイン計測システム及び計測方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、被験者のバイタルサイン情報を検出する複数のセンサ部と、該複数のセンサ部から取得した各信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部により変換されたデジタル信号をサンプリングして演算処理する演算処理部と、該演算処理部の演算結果を表示する演算結果表示部とを備え、前記被験者のバイタルサイン情報の変化を前記演算処理部により分類整理することにより、前記被験者の潜在的若しくは顕在的な心理変化を読み取って、該被験者との意思の疎通を可能としたことを特徴とする。
従来の医療現場では、各専門医により患者のバイタルサインデータを計測器により測定して、その測定データから病名を特定していた。例えば、心臓外科医は心電図或いはX線造影から患部を特定するが、この過程で患者との問診により体調とか日常生活での行動等を聞き出し、更に細かいデータを得ることは医師と患者の意思の疎通を円滑にする点で必要不可欠である。しかし、この意思の疎通は知的障害を持つ患者の場合、直接本人から聞き出すことは困難である。そこで本発明では、被験者のバイタルサインデータに基づいて、被験者の潜在的若しくは顕在的な心理変化を読み取るために、複数のセンサから得られたデータを演算処理して被験者との意思の疎通を可能とするものである。
かかる発明によれば、被験者のバイタルサイン情報の変化を演算処理部により演算して分類整理するので、被験者の潜在的若しくは顕在的な心理変化を客観的に読み取ることができる。
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項は、被験者のバイタルサイン情報を検出する複数のセンサ部と、該複数のセンサ部から取得した各信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部により変換されたデジタル信号をサンプリングして演算処理する演算処理部と、該演算処理部の演算結果を表示する演算結果表示部と、を備え、前記演算処理部は、ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)により、複数の比較項目から得られた被験者のバイタルサイン情報と該被験者が学習後に前記バイタルサイン情報を元に認識した情報の類似度を演算し、該類似度の差を強調するために前記各比較項目の軸方向類似度の最小値を前記被験者の意思として認識することを特徴とする。
ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)は、学習ベクトル量子化法(LVQ)にファジー理論を導入したものである。つまり、入力ファジーベクトルと学習により得られた参照ベクトルとの類似度を演算し、その軸方向の類似度を定義し、この類似度の差を強調するために、各方向の類似度の最小値を被験者の意思として認識するものである。
かかる発明によれば、ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)により、類似度の差を強調するために、軸方向類似度の最小値を前記被験者の意思として認識するので、多くの次元から得た入力ファジーベクトルから1つの結論を導いてより正確な被験者の意思を認識することができる。
請求項は、前記ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)の基本単位をPEi、n次元の入力ファジーベクトルをx=(x1、x2、・・・xj、・・・、xn)と表し、前記xのj軸方向成分をファジー数とし、該ファジー数のメンバシップ関数をhxj(uj)とし、また、i番目の参照ベクトルをmi=(mi1、・・・、mij、・・・、min)(但し、i=1、2、・・・、k)と表し、該メンバシップ関数をhmij(uj)としたとき、前記PEiは前記n次元の全ての方向について、前記入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiとのj軸方向の類似度をμij=maxuj{hxj(uj)^hmij(uj)}(但し、^は実数a、bに対してa^b=min{a、b}を意味する演算子)として定義すると、前記入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiの類似度は、該類似度の差を強調するために、μi=minj{μij}にて表される各方向の類似度の最小値であることを特徴とする。
ファジー数のメンバシップ関数をhxj(uj)と表し、i番目の参照ベクトルのメンバシップ関数をhmij(uj)としたとき、入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiとのj軸方向の類似度をμij=maxuj{hxj(uj)^hmij(uj)}として定義すると、入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiの類似度は、μi=minj{μij}にて表される。
かかる発明によれば、ファジー数のメンバシップ関数とi番目の参照ベクトルのメンバシップ関数の論理積の最大値が、入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiとのj軸方向の類似度となるので、この類似度の差を強調するために、各軸方向の類似度の最小値を被験者の意思として認識することができる。
【0006】
請求項は、前記複数の比較項目は、前記被験者が複数の音源を聞く前、聞いている最中、聞いた後、聞く前の変動差、聞いている最中の変動差、聞いた後の変動差、聞く前と聞いている最中との差、及び聞く前と聞いた後との差による各心電データと、聞く前及び聞いている最中の血流データであり、前記複数の音源は、無意味な音、不快な音、及び心地よい音であることを特徴とする。
ここで、「聞く前の変動差」とは、人の心電の動きは一定ではなく、その動きを音を聞く前の所定の時間(例えば、10秒間)にどれ位変化したかをいう。以下、聞いている最中の変動差、聞いた後の変動差も同様とする。そして本発明では、これらの10項目を比較項目とし、且つ入力ファジーベクトルとして入力する。また、データを取得する場合、音源としては感情の差がはっきり出て、しかも普遍的に同じ感情を抱く音源を使用するのが好ましい。例えば、感覚的に無意味な音としてFMノイズ音、不快な音として高周波ノイズ、心地良い音として和音が適している。
かかる発明によれば、心電データとして8項目、血流データとして2項目の計10項目を比較項目とするので、比較的簡単なバイタルサインデータから類似度の演算を行うことができ、システムのコストを低減することができる。また、音源として無意味な音、不快な音、及び心地よい音を使用するので、データの信頼性が高くなり、被験者が代わっても同じ傾向の結果を引き出すことができる。
【0007】
請求項は、前記演算処理部は、前記無意味な音、不快な音、及び心地よい音を前記PEiのカテゴリーとし、前記心電データ及び血流データを前記参照ベクトルとし、且つ該参照ベクトルの次元数を前記複数の比較項目とし、前記カテゴリー、参照ベクトル及び比較項目に基づいて演算することを特徴とする。
本発明では、ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)の基本単位PEiのカテゴリーiを、i=1:無意味な音、i=2:不快な音、i=3:心地よい音とし、心電データ及び血流データが参照ベクトルmijとなり、10個の比較項目が10次元の次元数nとなる。そしてこれらのデータに基づいてファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)により演算を行うものである。
かかる発明によれば、カテゴリーiを3、参照ベクトルmij、次元数nを10により演算を行うので、各カテゴリーごとに各軸方向の類似度の最小値を被験者の意思として認識することができる。
請求項は、前記被験者のバイタルサイン情報の取得手順は、前記複数の音源の何れか1つの音源をセットし、前記音源を所定の時間聞かせない状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、続いて前記セットされた音源を所定の時間聞かせた状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、更に前記音源を所定の時間聞かせない状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、所定時間経過後、前記手順と同様の状態により前記カテゴリーの数だけ各バイタルサイン情報を取得することを特徴とする。
本発明による被験者のバイタルサイン情報の取得手順は、まず所定の時間(例えば10秒間)何も聞かせない状態で10項目の比較項目のデータを取得する。次に、例えば10秒間「無意味な音」を聞かせた状態で10項目の比較項目のデータを取得する。次に、例えば10秒間何も聞かせない状態で10項目の比較項目のデータを取得して、例えば10分間休憩する。これを1セットとし、次に音源を「不快な音」に変更して前記と同じように繰り返し、最後に「心地よい音」に変更して同じように繰り返す。つまり、音源を3種類に変えて3セット行うことにより、30種類のバイタルサインデータを取得することができる。
かかる発明によれば、3種類の音源による聞く前、聞いている最中、聞いた後のバイタルサインデータを同じ条件で取得するので、データの信頼性が高まると共に、再現性のある測定方法を確立することができる。
【0008】
請求項は、前記演算処理部は、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点があり且つ学習が正しい場合、正答学習を行い前記参照ベクトルのみをmcj(t+1)=β(t)*mcj(t)+α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}](但し、β(t)=0.99、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1)により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すことを特徴とする。
学習は、参照ベクトルの更新という形で行われる。いま、Cxを教師ベクトルデータxのカテゴリーとし、Ccを最大類似度ベクトルmcに属するカテゴリーとする。そのとき、学習回数tにおいて、教師ベクトルデータであるCxを用いてCx=Ccの場合(正答学習)、mcj(t+1)=β(t)*mcj(t)+α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}](但し、β(t)=0.99、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1)のように参照ベクトルの更新を行う。尚、α(t)は時間単調減少関数、β(t)は拡張原理に基づく演算による曖昧さの増加を防ぐ減少項である。
かかる発明によれば、正答学習の場合、mcj(t+1)=β(t)*mcj(t)+α(t)により参照ベクトルの更新を行うので、学習により正答した場合メンバシップ関数のグレードを高めることができる。
請求項は、前記演算処理部は、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点がない場合、全ての参照ベクトルをmij(t+1)=δ(t)*mij(t)(i=1、・・・、k)(但し、δ(t)=1.1)により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すことを特徴とする。
参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点がない場合、mij(t+1)=δ(t)*mij(t)(i=1、・・・、k)により全ての参照ベクトルの更新を行う。尚、δ(t)は曖昧さの増加項である。
かかる発明によれば、参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点がない場合、mij(t+1)=δ(t)*mij(t)(i=1、・・・、k)により全ての参照ベクトルの更新を行うので、学習が正しいか否かを判断する必要がなくなり、計算結果を速く出力することができる。
【0009】
請求項は、前記演算処理部は、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点があり且つ学習が正しくない場合、誤答学習を行い前記交点の値が最大であった参照ベクトルのみをmcj(t+1)=γ(t)*mcj(t)−α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}](但し、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1、γ(t)=1−α(t))により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すことを特徴とする。
学習は、参照ベクトルの更新という形で行われる。いま、Cxを教師ベクトルデータxのカテゴリーとし、Ccを最大類似度ベクトルmcに属するカテゴリーとする。そのとき、学習回数tにおいて、教師ベクトルデータであるCxを用いてCxとCcが等しくない場合(誤答学習)、mcj(t+1)=γ(t)*mcj(t)−α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}](但し、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1、γ(t)=1−α(t))のように参照ベクトルの更新を行う。尚、γ(t)は拡張原理に基づく演算による曖昧さの増加を防ぐ減少項である。
かかる発明によれば、誤答学習の場合、mcj(t+1)=γ(t)*mcj(t)−α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}]により参照ベクトルの更新を行うので、学習により誤答した場合メンバシップ関数のグレードを低くすることができる。
【0010】
請求項は、前記演算処理部は、前記学習を所定の回数繰り返した後、前記入力ファジーベクトルを入力し、前記各カテゴリーの参照ベクトルと入力ファジーベクトルとの交点を求め、該交点の最大値を認識結果として前記演算結果表示部に表示することを特徴とする。
学習を繰り返した後、入力ファジーベクトルを入力して学習後の参照ベクトルとの類似度の変化をみる。そして類似度が最大になる交点を認識結果として表示する。
かかる発明によれば、学習後の参照ベクトルと入力ファジーベクトルの類似度の交点の最大値を認識結果とするので、認識結果の精度を高めることができる。
請求項10は、複数のセンサ部と、A/D変換部と、演算処理部と、演算結果表示部と、を備えたバイタルサイン計測システムのバイタルサイン計測方法であって、前記複数のセンサ部が被験者のバイタルサイン情報を検出するステップと、前記A/D変換部が該複数のセンサ部から取得した各信号をデジタル信号に変換するステップと、前記演算処理部が該A/D変換部により変換されたデジタル信号をサンプリングして演算処理するステップと、前記演算結果表示部が該演算処理部の演算結果を表示するステップと、を備え、前記演算処理部が、ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)により、複数の比較項目から得られた被験者のバイタルサイン情報と該被験者が学習後に前記バイタルサイン情報を元に認識した情報の類似度を演算し、該類似度の差を強調するために前記各比較項目の軸方向類似度の最小値を前記被験者の意思として認識するステップを含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項と同様の作用効果を奏する。
【0011】
請求項11は、前記ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)の基本単位をPEi、n次元の入力ファジーベクトルをx=(x1、x2、・・・xj、・・・、xn)と表し、前記xのj軸方向成分をファジー数とし、該ファジー数のメンバシップ関数をhxj(uj)とし、また、i番目の参照ベクトルをmi=(mi1、・・・、mij、・・・、min)(但し、i=1、2、・・・、k)と表し、該メンバシップ関数をhmij(uj)としたとき、前記PEiは前記n次元の全ての方向について、前記入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiとのj軸方向の類似度をμij=maxuj{hxj(uj)^hmij(uj)}(但し、^は実数a、bに対してa^b=min{a、b}を意味する演算子)として定義すると、前記入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiの類似度は、該類似度の差を強調するために、μi=minij{μij}にて表される各方向の類似度の最小値であることを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項と同様の作用効果を奏する。
請求項12は、前記複数の比較項目は、前記被験者が複数の音源を聞く前、聞いている最中、聞いた後、聞く前の変動差、聞いている最中の変動差、聞いた後の変動差、聞く前と聞いている最中との差、及び聞く前と聞いた後との差による各心電データと、聞く前及び聞いている最中の血流データであり、前記複数の音源は、無意味な音、不快な音、及び心地よい音であることを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項と同様の作用効果を奏する。
請求項13は、前記演算処理部が、前記無意味な音、不快な音、及び心地よい音を前記PEiのカテゴリーとし、前記心電データ及び血流データを前記参照ベクトルとし、且つ該参照ベクトルの次元数を前記複数の比較項目とし、前記カテゴリー、参照ベクトル及び比較項目に基づいて演算するステップを含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項と同様の作用効果を奏する。
【0012】
請求項14は、前記被験者のバイタルサイン情報の取得手順は、前記複数の音源の何れか1つの音源をセットし、前記音源を所定の時間聞かせない状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、続いて前記セットされた音源を所定の時間聞かせた状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、更に前記音源を所定の時間聞かせない状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、所定時間経過後、前記手順と同様の状態により前記カテゴリーの数だけ各バイタルサイン情報を取得することを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項7と同様の作用効果を奏する。
請求項15は、前記演算処理部が、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点があり且つ学習が正しい場合、正答学習を行い前記参照ベクトルのみをmcj(t+1)=β(t)*mcj(t)+α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}](但し、β(t)=0.99、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1)により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すステップを含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項と同様の作用効果を奏する。
請求項16は、前記演算処理部が、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点がない場合、全ての参照ベクトルをmij(t+1)=δ(t)*mij(t)(i=1、・・・、k)(但し、δ(t)=1.1)により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すステップを含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項と同様の作用効果を奏する。
【0013】
請求項17は、前記演算処理部が、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点があり且つ学習が正しくない場合、誤答学習を行い前記交点の値が最大であった参照ベクトルのみをmcj(t+1)=γ(t)*mcj(t)−α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}](但し、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1、γ(t)=1−α(t))により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すステップを含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項と同様の作用効果を奏する。
請求項18は、 前記演算処理部が、前記学習回数を所定の数繰り返した後、前記入力ファジーベクトルを入力し、前記各カテゴリーの参照ベクトルと入力ファジーベクトルとの交点を求め、該交点の最大値を認識結果として前記演算結果表示ステップにより表示するステップを含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項と同様の作用効果を奏する。
請求項19は、請求項10乃至18の何れか一項に記載のバイタルサイン計測方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする。
かかる発明によれば、本発明のバイタルサイン計測方法をコンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることにより、そのOSを備えたコンピュータであれば同じ処理方法により制御することができる。
請求項20は、請求項19に記載のバイタルサイン計測プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
かかる発明によれば、バイタルサイン計測プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録媒体に記録することにより、この記録媒体を持ち運ぶことにより何処でもプログラムを稼動することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
本発明は、心電・血流・血圧等のバイタルサイン情報と、脳波計・脳磁界等の情報を複合して取得できるセンサデバイスにより、意思伝達の困難な対象者とのコミュニケーションを可能としたバイタルサイン計測システムに関するものである。そして意思伝達のための手段としては、ファジー学習ベクトル量子化法(以下、FLVQと記す)を用いる。そこで、先ずFLVQの概略の説明をしておくことが、本発明を理解する上で有用と考える。
【0015】
図1は、本発明のバイタルサインデータを演算するFLVQの基本概念を説明するための正規三角ファジー数の図である。縦軸に類似度μのグレードを表し、横軸にファジー数uを表す。図1(a)はメンバシップ関数の最大値が1となる正規三角ファジー数の図であり、図1(b)は2つのファジー数間の類似度を表す図である。FLVQは、公知の通りKohonenの提案した学習ベクトル量子化法(LVQ)にファジー理論を導入したものである。それにより、従来ニューラルネットワークでは困難な未知学習カテゴリーの判別を可能にしている。ここで用いるファジー数は、図1(a)に示すようなメンバシップ関数の最大値が1となる正規三角ファジー数であり、すそ野が広ければ曖昧さが大きくなることを表している。また、この方法においては、あいまい量を扱うためにファジー数で構成したベクトルを用い、これをFLVQの入力及び参照ベクトルとする。ファジーベクトルに用いるファジー数は、図1(b)に示すようなメンバシップ関数の最大値が1となる正規三角ファジー数であり、例えば、ファジー数が異なるメンバシップ関数A21とB22の正規三角ファジー数が、交点Pを持つように交差した場合、交差した三角形20がAとBの論理積となり、そのときの類似度はμとなる。そして三角形AとBの交点Pの位置が上に行くほど類似度が大きくなることを表している。
【0016】
図2は、FLVQの基本単位であるPE(Processing Element)を説明する図である。FLVQの基本単位PEは、n次元の入力ファジーベクトルxを、
x=(x1,2,・・・xj,・・・,x)・・・(1)
と表す。ここでxのj軸方向成分はファジー数とし、そのファジー数のメンバシップ関数をhxj(u)とする。また、i番目の参照ベクトルmを、
=(mi1,・・・,mij,・・・,min)・・・(2)
(但し、i=1、2、・・・、k)と表し、そのメンバシップ関数をhmij(u)とする。このときPEはn次元の全ての方向について、入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmとのj軸方向の類似度μijを、
μij=maxuj{hxj(u)^hmij(u)}・・・(3)
として定義できる。ここで、^は実数a,bに対して
a^b=min{a,b}・・・(4)
を意味する演算子である。そして入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmの類似度は、この類似度の差を強調するために、
μ=min{μij}・・・(5)
にて表される各方向の類似度の最小値とする。すなわち、式(3)はxのj軸方向成分のファジー数のメンバシップ関数hxj(u)と、i番目の参照ベクトルmのメンバシップ関数hmij(u)の論理積が最大値となるときの、入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmとのj軸方向の類似度を表している(図1(b)参照)。そして各軸方向(カテゴリー)の類似度を演算して、入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmの類似度を式(5)により導くものである。
【0017】
次に、本発明の学習アルゴリズムについて説明する。学習は、参照ベクトルmの更新という形で行われる。いま、Cxを教師ベクトルデータxのカテゴリーとし、Ccを最大類似度ベクトルmcに属するカテゴリーとする。そのとき、学習回数tにおいて、教師ベクトルデータであるCxを用いて、次のように参照ベクトルの更新を行う。まず、各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点があり且つ学習が正しい場合(Cx=Ccの場合)、正答学習を行い参照ベクトルのみを、以下の式(6)により更新し、この更新を各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返す。
cj(t+1)=β(t)*mcj(t)+α(t)[{1−μcj(t)}*{|x(t)−mcj(t)|}]・・・(6)
(但し、β(t)=0.99、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1)尚、α(t)は時間単調減少関数、β(t)は拡張原理に基づく演算による曖昧さの増加を防ぐ減少項である。
また、各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点があり且つ学習が正しくない場合、誤答学習を行い交点の値が最大であった音の参照ベクトルのみを、以下の式(7)により更新し、この更新を各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返す。
cj(t+1)=γ(t)*mcj(t)−α(t)[{1−μcj(t)}*{|x(t)−mcj(t)|}]・・・(7)
(但し、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1、γ(t)=1−α(t))尚、γ(t)は拡張原理に基づく演算による曖昧さの増加を防ぐ減少項である。
【0018】
また、各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点がない場合、全ての参照ベクトルをmij(t+1)=δ(t)*mij(t)(i=1,・・・,k)(但し、δ(t)=1.1)により更新し、この更新を各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返す。尚、δ(t)は曖昧さの増加項である。
また、F=(f,p,q)を中心から左右の幅がp,qである三角形のファジー数としたとき*印は次のような演算を表す。
a*F=(f,ap,pq)・・・(8)(但し、aはクリスプ値である)
そして学習回数を所定の数繰り返した後、入力ファジーベクトルを入力し、各カテゴリーの参照ベクトルと入力ファジーベクトルとの交点を求め、この交点の最大値を認識結果として表示する。
【0019】
図3は本発明の実施形態に係るバイタルサイン計測システムの概略構成図である。このバイタルサイン計測システムは、被験者1と、この被験者1の脳波(6チャネル)を測定するための脳波計2と、被験者1の血流(1チャネル)を測定する血流計3と、被験者1の心電(1チャネル)を測定する心電計4と、各チャネルの信号を纏めるコネクタ部5と、このコネクタ部5から出力された各信号(アナログ信号)6をデジタル信号に変換するA/D変換部7と、A/D変換部7により変換されたデジタル信号8を演算処理するパーソナルコンピュータPC9と、演算結果を表示する表示部10とを備えて構成される。尚、PC9は図示しない制御用のプログラムを格納するROMと、デジタル信号8をサンプリングしてそのデータを一時的に格納するRAMと、データを分析してFLVQによる演算処理を行う制御部等により構成され、全ての制御手順はROM内のプログラムにより処理される。また、表示部10は液晶、CRT、或いはプラズマディスプレイ等の表示装置であればどれでも構わない。
本実施形態では、図3のバイタルサイン計測システムにより、20代男性6人の被験者に無意味な音(FMノイズ)、不快な音(高周波数ノイズ)、心地よい音(和音)を聞かせたときの感情(感覚)の変化を認識する実験を行った。図4は、その測定手順を示すフローチャートである。この例では無意味な音を「音1」、不快な音を「音2」、心地よい音を「音3」とした。まず、「音1」をセットし(S1)、10秒間何も聞かせない状態で8チャネルのデータ(負荷前データ)をPC9のメモリに記憶する(S2)。次に、10秒間「音1」を聞かせた状態で8チャネルのデータ(負荷状態データ)をPC9のメモリに記憶する(S3)。次にステップS1と同様に10秒間何も聞かせない状態で8チャネルのデータ(負荷後データ)をPC9のメモリに記憶する(S4)。そして10分間休憩をとり(S5)、全ての音が終了したかを確認し(S6)、終了していなければ(S6でNOのルート)次の「音2」をセットして(S7)、ステップS2に戻って繰り返す。ステップS7で「音3」をセットして各データの取得が終了するとステップS6でYESとなり、1セットの実験が終了する(S8)。本実施形態ではこれを3セット繰り返した。そして全てのセットの実験が完了して(S9でYESのルート)実験を終了する。
尚、本実験では、音を聞いたときの被験者の心理状態は被験者本人に確認してみなければ分からないため、計測のインターバル10分間(ステップS5)のときに、今聞いた音が不快だったかどうかを直接被験者に聞いて、図5の「RSP実施試験記入用紙」に記入してもらい、その不快度を数値として表している。この方法は、ガン患者のその日の状態を今回と同じようなアンケートを使って数値で表し、鎮痛剤の量を決める指針として使われている。
【0020】
図6は、本実施形態の各チャネルの波形の一例を示す図である。この例では、チャネル1、2、5、6、9、10が脳波形の各部の波形であり、他のチャネルに心電計と血圧値の波形を示す。この図でA領域の波形は負荷前状態の波形であり、B領域は負荷を与えた状態の波形であり、C領域は負荷後状態の波形である。尚、本発明の実施形態では、図6の脳波のデータは使用せず、心電と血流データから後述する図7の比較項目を設けてデータを演算した。
図7は、本発明のFLVQ法と実際のバイタルサインデータとが、どのように関わっているかを表にしたものである。例えば、比較項目は、心電データとして「聞く前」j=1、「聞いている最中」j=2、「聞いた後」j=3、「聞く前の変動差」j=4、「聞いている最中の変動差」j=5、「聞いた後の変動差」j=6、「聞く前と聞いている最中との差」j=7、「聞く前と聞いた後との差」j=8とし、血流データとして「聞く前」j=9、「聞いている最中」j=10とした。また、カテゴリーとしては、i=1:「音1」、i=2:「音2」、i=3:「音3」とした。また、軸方向の次元はx=x,x,・・・,x10の10次元とした。そして前述したFLVQ法により各メンバシップ関数の交点の最大値を求め、入力ベクトルxと参照ベクトルmijの類似度μijを求める。その結果、例えばカテゴリーi=1:「音1」の場合、「聞く前」j=1ではx=x、参照ベクトルmijはm11、類似度μijはμ11となる。このように全ての次元とカテゴリーに各比較項目をあてはめると図7のようになり、入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmijの類似度は、この類似度の差を強調するために、式(5)にて表される各方向の類似度の最小値とする。この値が各カテゴリーに対する被験者の意思となる。
【0021】
図8〜10は本発明のFLVQ法によるデータ処理プログラムの手順を示すフローチャートである。先ず音1〜3の参照データmijを入力する(S11)。そして所定の学習回数tに到達したか否かをチエックし(S12)、到達していなければ(S12でNOのルート)、1つ目(音1)の教師(入力)データを入力する(S13)。次に入力した音1〜3の参照データmijと音1の教師(入力)データの交点を求め(S14)、音1〜3でその交点の最大値を求め(S15)、これらのデータを肯定学習関数(式6)に入力する(S16)。その結果、交点がない場合(S17でNOのルート)全ての参照ベクトルをmij(t+1)=γ(t)*mij(t)(i=1,・・・,k)(但し、γ(t)=1.1)により更新し(S18)、ステップS22に進む。ステップS17で交点がある場合(S17でYESのルート)、ステップS19に進みこの学習が正しいか否かを判断し(S19)、正しい場合は(S19でYESのルート)、正答学習を行い参照ベクトルのみをmcj(t+1)=β(t)*mcj(t)+α(t)[{1−μcj(t)}*{|x(t)−mcj(t)|}](但し、β(t)=0.99、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1)により更新し(S20)、ステップS22に進む。ステップS19で学習が正しくない場合(S19でNOのルート)、誤答学習を行い交点の値が最大であった音の参照ベクトルのみをmcj(t+1)=γ(t)*mcj(t)−α(t)[{1−μcj(t)}*{|x(t)−mcj(t)|}](但し、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1、γ(t)=1−α(t))により更新し(S21)、同じくステップS22に進む。ステップS22では上記の演算を音2、3の教師(入力)データについて同様に行い(S22)、クリプス関数値を更新して(S23)ステップS12から繰り返し、学習回数tが所定の回数に到達すると、ステップS24に進んで音1〜3の未知入力データを入力し(S24)、ステップS25で音1を選択すると音1参照データと未知音1入力データの交点を求め(S26)、求めた交点の最大値を求め(S31)、その認識結果を表示部に表示して(S32)終了する。また、ステップS27で音2を選択すると音2参照データと未知音2入力データの交点を求め(S28)、求めた交点の最大値を求め(S31)、その認識結果を表示部に表示して(S32)終了する。また、ステップS29で音3を選択すると音3参照データと未知音3入力データの交点を求め(S30)、求めた交点の最大値を求め(S31)、その認識結果を表示部に表示して(S32)終了する。
【0022】
図11(a)は、同一被験者のデータで学習をし、同一被験者で学習に用いなかったデータを未知データとして認識を行った結果である。図11(a)において、未知音1データは、音1を聞いたであろう可能性が60.39パーセント、他の音についてはその可能性が零パーセントなので、この未知音1は音1であろうと判断できる。同様に、未知音2データは、音2を聞いたであろう可能性が89.35パーセント、音3を聞いたであろう可能性が12.83パーセント、音1を聞いたであろう可能性は零パーセントである。したがって、未知音2データは、音2を聞いたであろうと判断できる。同様に、未知音3データは、音3を聞いたであろう可能性が75.28パーセント、音1を聞いたであろう可能性が7.24パーセント、音2を聞いたであろう可能性は零パーセントである。したがって、未知音3データは、音3を聞いたであろうと判断できる。
ここで、このデータは同じ被験者に日時を変えて同じ実験を行ってデータを採取しており、そのデータのうち1つを参照ベクトル、それ以外を入力ベクトルとして用いる。ただし、学習に用いたデータ(ベクトル)を未知のデータとして使うわけにはいかないので、日時を変えて行ったデータの中から、少なくとも1つは学習にも参照ベクトルにも用いないデータ(未知データ)として取っておき、それにより、同一人物ならいつでも同じような認識ができるかどうかの試験を行っている。また学習とは、図7で述べた各比較項目について、音1を聞いたら各比較項目がこんな変化(値)を持ちなさいという学習を前述の式(6)、(7)により行っている。つまり、図2のmijの三角形を変化させ、そして、学習終了後に未知データのxを入力し一番大きなμを求めている。
図11(b)は、同一被験者のデータにより学習をし、学習した被験者とは異なった被験者データを未知データとして認識を行った結果である。図11(a)の場合と比較して未知音2の可能性が多少悪いが、他の音の可能性パーセンテージと比較して75パーセント前後と高い可能性が得られているので、図11(a)と同様に高い認識結果が得られている。これらの結果から、同一被験者で同じ音源負荷を聞いたという識別が出来る可能性があることと、異なった被験者でも同じ音源負荷を聞いたという識別が出来る可能性があることが分かった。また、より安価なバイタルサイン(心電データと血流データ)での評価を用いて、高価な脳波データでの評価と同等に近い安定的な認識が出来る可能性があることも分かった。
【0023】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1、10では、ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)により、類似度の差を強調するために、軸方向類似度の最小値を前記被験者の意思として認識するので、多くの次元から得た入力ファジーベクトルから1つの結論を導いてより正確な被験者の意思を認識することができる。
また請求項2、11では、ファジー数のメンバシップ関数とi番目の参照ベクトルのメンバシップ関数の論理積の最大値が、入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiとのj軸方向の類似度となるので、この類似度の差を強調するために、各軸方向の類似度の最小値を被験者の意思として認識することができる。
また請求項3、12では、音源として無意味な音、不快な音、及び心地よい音を使用するので、データの信頼性が高くなり、被験者が代わっても同じ傾向の結果を引き出すことができる。
また請求項4、13では、カテゴリーiを3、参照ベクトルmij、次元数nを10により演算を行うので、各カテゴリーごとに各軸方向の類似度の最小値を被験者の意思として認識することができる。
また請求項5、14では、3種類の音源による聞く前、聞いている最中、聞いた後のバイタルサインデータを同じ条件で取得するので、データの信頼性が高まると共に、再現性のある測定方法を確立することができる。
また請求項6、15では、正答学習の場合、mcj(t+1)=β(t)*mcj(t)+α(t)により参照ベクトルの更新を行うので、学習により正答した場合メンバシップ関数のグレードを高めることができる。
【0024】
また請求項7、16では、参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点がない場合、mij(t+1)=δ(t)*mij(t)(i=1、・・・、k)により全ての参照ベクトルの更新を行うので、学習が正しいか否かを判断する必要がなくなり、計算結果を速く出力することができる。
また請求項8、17では、誤答学習の場合、mcj(t+1)=γ(t)*mcj(t)−α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}]により参照ベクトルの更新を行うので、学習により誤答した場合メンバシップ関数のグレードを低くすることができる。
また請求項9、18では、学習後の参照ベクトルと入力ファジーベクトルの類似度の交点の最大値を認識結果とするので、認識結果の精度を高めることができる。
また請求項19では、本発明のバイタルサイン計測方法をコンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることにより、そのOSを備えたコンピュータであれば同じ処理方法により制御することができる。
また請求項20では、バイタルサイン計測プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録媒体に記録することにより、この記録媒体を持ち運ぶことにより何処でもプログラムを稼動することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はメンバシップ関数の最大値が1となる正規三角ファジー数の図、(b)は2つのファジー数間の類似度を表す図。
【図2】FLVQの基本単位であるPE(Processing Element)を説明する図。
【図3】本発明の本発明の実施形態に係るバイタルサイン計測システムの概略構成図。
【図4】本発明の測定手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の「RSP実施試験記入用紙」の例を示す図。
【図6】本発明の実施形態の各チャネルの波形の一例を示す図。
【図7】本発明のFLVQ法と実際のバイタルサインデータとが、どのように関わっているかを表にした図。
【図8】本発明のFLVQ法によるデータ処理プログラムの手順を示すフローチャート(その1)。
【図9】本発明のFLVQ法によるデータ処理プログラムの手順を示すフローチャート(その2)。
【図10】本発明のFLVQ法によるデータ処理プログラムの手順を示すフローチャート(その3)。
【図11】(a)は、同一被験者のデータで学習をし、同一被験者で学習に用いなかったデータを未知データとして認識を行った結果の図、(b)は同一被験者のデータにより学習をし、学習した被験者とは異なった被験者データを未知データとして認識を行った結果の図。
【符号の説明】
1 被験者、2 脳波計、3 血流計、4 心電計、5 コネクタ部、6 アナログ信号、7 A/D変換部、8 デジタル信号、9 パーソナルコンピュータ(PC)、10 表示部

Claims (20)

  1. 被験者のバイタルサイン情報を検出する複数のセンサ部と、該複数のセンサ部から取得した各信号をデジタル信号に変換するA/D変換部と、該A/D変換部により変換されたデジタル信号をサンプリングして演算処理する演算処理部と、該演算処理部の演算結果を表示する演算結果表示部と、を備え、
    前記演算処理部は、ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)により、複数の比較項目から得られた被験者のバイタルサイン情報と該被験者が学習後に前記バイタルサイン情報を元に認識した情報の類似度を演算し、該類似度の差を強調するために前記各比較項目の軸方向類似度の最小値を前記被験者の意思として認識することを特徴とするバイタルサイン計測システム。
  2. 前記ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)の基本単位をPEi、n次元の入力ファジーベクトルをx=(x1 、、2 ・・・xj ・・、xn)と表し、前記xのj軸方向成分をファジー数とし、該ファジー数のメンバシップ関数をhxj(uj)とし、また、i番目の参照ベクトルをmi=(mi1 ・・・、mij ・・・、min)(但し、i=1、2、・・・、k)と表し、該メンバシップ関数をhmij(uj)としたとき、前記PEiは前記n次元の全ての方向について、前記入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiとのj軸方向の類似度をμij=maxuj{hxj(uj)^hmij(uj)}(但し、^は実数a、bに対してa^b=min{a、b}を意味する演算子)として定義すると、前記入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiの類似度は、該類似度の差を強調するために、μi=minj{μij}にて表される各方向の類似度の最小値であることを特徴とする請求項1に記載のバイタルサイン計測システム。
  3. 前記複数の比較項目は、前記被験者が複数の音源を聞く前、聞いている最中、聞いた後、聞く前の変動差、聞いている最中の変動差、聞いた後の変動差、聞く前と聞いている最中との差、及び聞く前と聞いた後との差による各心電データと、聞く前及び聞いている最中の血流データであり、前記複数の音源は、無意味な音、不快な音、及び心地よい音であることを特徴とする請求項に記載のバイタルサイン計測システム。
  4. 前記演算処理部は、前記無意味な音、不快な音、及び心地よい音を前記PEiのカテゴリーとし、前記心電データ及び血流データを前記参照ベクトルとし、且つ該参照ベクトルの次元数を前記複数の比較項目とし、前記カテゴリー、参照ベクトル及び比較項目に基づいて演算することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のバイタルサイン計測システム。
  5. 前記被験者のバイタルサイン情報の取得手順は、前記複数の音源の何れか1つの音源をセットし、前記音源を所定の時間聞かせない状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、続いて前記セットされた音源を所定の時間聞かせた状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、更に前記音源を所定の時間聞かせない状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、所定時間経過後、前記手順と同様の状態により前記カテゴリーの数だけ各バイタルサイン情報を取得することを特徴とする請求項1乃至の何れか一項に記載のバイタルサイン計測システム。
  6. 前記演算処理部は、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点があり且つ学習が正しい場合、正答学習を行い前記参照ベクトルのみをmcj(t+1)=β(t)*mcj(t)+α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}](但し、β(t)=0.99、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1)により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のバイタルサイン計測システム。
  7. 前記演算処理部は、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点がない場合、全ての参照ベクトルをmij(t+1)=δ(t)*mij(t)(i=1、・・・、k)(但し、δ(t)=1.1)により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のバイタルサイン計測システム。
  8. 前記演算処理部は、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点があり且つ学習が正しくない場合、誤答学習を行い前記交点の値が最大であった参照ベクトルのみをmcj(t+1)=γ(t)*mcj(t)−α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}](但し、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1、γ(t)=1−α(t))により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のバイタルサイン計測システム。
  9. 前記演算処理部は、前記学習を所定の回数繰り返した後、前記入力ファジーベクトルを入力し、前記各カテゴリーの参照ベクトルと入力ファジーベクトルとの交点を求め、該交点の最大値を認識結果として前記演算結果表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載のバイタルサイン計測システム。
  10. 複数のセンサ部と、A/D変換部と、演算処理部と、演算結果表示部と、を備えたバイタルサイン計測システムのバイタルサイン計測方法であって、
    前記複数のセンサ部が被験者のバイタルサイン情報を検出するステップと、前記A/D変換部が該複数のセンサ部から取得した各信号をデジタル信号に変換するステップと、前記演算処理部が該A/D変換部により変換されたデジタル信号をサンプリングして演算処理するステップと、前記演算結果表示部が該演算処理部の演算結果を表示するステップと、を備え、
    前記演算処理部が、ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)により、複数の比較項目から得られた被験者のバイタルサイン情報と該被験者が学習後に前記バイタルサイン情報を元に認識した情報の類似度を演算し、該類似度の差を強調するために前記各比較項目の軸方向類似度の最小値を前記被験者の意思として認識するステップを含むことを特徴とするバイタルサイン計測方法。
  11. 前記ファジー学習ベクトル量子化法(FLVQ)の基本単位をPEi、n次元の入力ファジーベクトルをx=(x1 2 ・・・xj ・・・、xn)と表し、前記xのj軸方向成分をファジー数とし、該ファジー数のメンバシップ関数をhxj(uj)とし、また、i番目の参照ベクトルをmi=(mi1 ・・・、mij ・・・、min)(但し、i=1、2、・・・、k)と表し、該メンバシップ関数をhmij(uj)としたとき、前記PEiは前記n次元の全ての方向について、前記入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiとのj軸方向の類似度をμij=maxuj{hxj(uj)^hmij(uj)}(但し、^は実数a、bに対してa^b=min{a、b}を意味する演算子)として定義すると、前記入力ファジーベクトルxと参照ベクトルmiの類似度は、該類似度の差を強調するために、μi=minj{μij}にて表される各方向の類似度の最小値であることを特徴とする請求項10に記載のバイタルサイン計測方法。
  12. 前記複数の比較項目は、前記被験者が複数の音源を聞く前、聞いている最中、聞いた後、聞く前の変動差、聞いている最中の変動差、聞いた後の変動差、聞く前と聞いている最中との差、及び聞く前と聞いた後との差による各心電データと、聞く前及び聞いている最中の血流データであり、前記複数の音源は、無意味な音、不快な音、及び心地よい音であることを特徴とする請求項10に記載のバイタルサイン計測方法。
  13. 前記演算処理部が、前記無意味な音、不快な音、及び心地よい音を前記PEiのカテゴリーとし、前記心電データ及び血流データを前記参照ベクトルとし、且つ該参照ベクトルの次元数を前記複数の比較項目とし、前記カテゴリー、参照ベクトル及び比較項目に基づいて演算するステップを含むことを特徴とする請求項10乃至12の何れか一項に記載のバイタルサイン計測方法。
  14. 前記被験者のバイタルサイン情報の取得手順は、前記複数の音源の何れか1つの音源をセットし、前記音源を所定の時間聞かせない状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、続いて前記セットされた音源を所定の時間聞かせた状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、更に前記音源を所定の時間聞かせない状態で前記各バイタルサイン情報を取得し、所定時間経過後、前記手順と同様の状態により前記カテゴリーの数だけ各バイタルサイン情報を取得することを特徴とする請求項10乃至13の何れか一項に記載のバイタルサイン計測方法。
  15. 前記演算処理部が、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点があり且つ学習が正しい場合、正答学習を行い前記参照ベクトルのみをmcj(t+1)=β(t)*mcj(t)+α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}](但し、β(t)=0.99、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1)により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のバイタルサイン計測方法。
  16. 前記演算処理部が、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点がない場合、全ての参照ベクトルをmij(t+1)=δ(t)*mij(t)(i=1、・・・、k)(但し、δ(t)=1.1)により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のバイタルサイン計測方法。
  17. 前記演算処理部が、前記各カテゴリーの参照ベクトルを入力後、1つ目の入力ファジーベクトルを入力し、前記参照ベクトルと入力ファジーベクトルの交点の最大値を求め、これらの最大値を肯定学習関数に入力した結果、交点があり且つ学習が正しくない場合、誤答学習を行い前記交点の値が最大であった参照ベクトルのみをmcj(t+1)=γ(t)*mcj(t)−α(t)[{1−μcj(t)}*{|xj(t)−mcj(t)|}](但し、α(t)=0.999*α(t−1)、α(0)=0.1、γ(t)=1−α(t))により更新し、該更新を前記各カテゴリーについて同様に行うと共に、クリプス関数値を更新して学習回数を繰り返すステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のバイタルサイン計測方法。
  18. 前記演算処理部が、前記学習回数を所定の数繰り返した後、前記入力ファジーベクトルを入力し、前記各カテゴリーの参照ベクトルと入力ファジーベクトルとの交点を求め、該交点の最大値を認識結果として前記演算結果表示ステップにより表示するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載のバイタルサイン計測方法。
  19. 請求項10乃至18の何れか一項に記載のバイタルサイン計測方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とするバイタルサイン計測プログラム。
  20. 請求項19に記載のバイタルサイン計測プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。
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