JP4371563B2 - Engine valve mechanism - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,クランク軸に連結される調時伝動装置と,この調時伝動装置の被動側に連結したカムを有し,このカムの回転力を開閉力として吸気及び排気弁に伝達するカム装置とからなる,エンジンの動弁機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝるエンジンの動弁機構は,例えば特開平8−177416号公報に開示されるように,既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のエンジンの動弁機構では,カムを,エンジン本体に固定した支軸によって回転自在に支承しているので,カムの支軸に対する回転速度が早く,両者の回転摺動部の耐久性を確保するために,素材の選択や回転摺動面の表面処理等に苦慮するところが多かった。
【0004】
本発明は,かゝる点に鑑みてなされたもので,特別な素材や表面処理を用いずとも,カムの支持部に高い耐久性を与え得る前記エンジンの動弁機構を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、冷却ファンを一端に固着したクランク軸に連結される調時伝動装置と、この調時伝動装置の被動側に連結したカムを有し、このカムの回転力を開閉力として吸気及び排気弁に伝達するカム装置とからなる、エンジンの動弁機構において、ンジン本体のシリンダヘッドが結合されるヘッドカバーの下端面に環状シール溝を形成すると共に、この環状シール溝に装着される環状パッキンを、エンジン本体に形成される支持壁の外側に設けた環状シールビード圧接させ、前記支持壁には、ヘッドカバーにより外側の開口端が覆われる貫通孔を形成し、ヘッドカバーのシリンダヘッドへの取付け前に前記貫通孔からエンジン本体内に挿入可能であって両端がエンジン本体の底付き孔及び前記貫通孔にそれぞれ回転自在に支承される支軸の中間部に前記カムを回転自在に支承すると共に、その支軸の抜け止めのために、シリンダヘッドに結合したヘッドカバーの内面を該支軸の外端に対向させたことを特徴とする。
【0006】
この特徴によれば、カム及び支軸は個別で回転が自由であるので、調時伝動装置によるカムの回転中は、摩擦により引きずられて支軸も回転することにより、カムと支軸との回転速度差が減少し、回転摺動部の摩耗の低減を図ることができ従って、特別な素材や表面処理を用いずとも、カム及び支軸の耐久性の向上に寄与し得る。また上記支軸の外端にヘッドカバーの内面を対向させたことで、支軸の抜け止めがヘッドカバーにより果たされる。
【0007】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記カムに,このカムと共に前記支軸に支承される,前記調時伝動装置の被動プーリを一体的に形成し,この調時伝動装置を,潤滑オイルを貯留すると共にそのオイルを飛散させるオイルスリンガを収容したオイルタンク内に臨ませたことを第2の特徴とする。
【0008】
この第2の特徴によれば,オイルタンク内でオイルスリンガにより飛散されたオイルが調時伝動装置の一部に振り掛かったり,これが調時伝動装置の作動に伴って該装置全体及びカムにまで運ばれ,それらを潤滑することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明のハンドヘルド型四サイクルエンジンの一使用例を示す斜視図,図2は上記四サイクルエンジンの縦断側面図,図3は図2の3−3線断面図,図4は図2の4−4線断面図,図5は図2の要部拡大断面図,図6は図5の要部分解図,図7は図4の7−7線断面図,図8は図4の8−8線断面図,図9は図8の9−9線断面図,図10は図5の10−10矢視図(ヘッドカバーの底面図),図11は図5の11−11線断面図,図12は上記エンジンの潤滑経路図,図13は上記エンジンの倒立状態を示す,図4との対応図,図14は同エンジンの横倒し状態を示す,図4との対応図である。
【0011】
図1に示すように,ハンドヘルド型四サイクルエンジンEは,例えば動力トリマTの動力源として,その駆動部に取付けられる。動力トリマTは,その作業状態によりカッタCを色々の方向に向けて使用されるので,その都度エンジンEも大きく傾けられ,あるいは逆さにされ,その運転姿勢は一定しない。
【0012】
先ず,このハンドヘルド型四サイクルエンジンEの外周りの構造について図2及び図3により説明する。
【0013】
ハンドヘルド型四サイクルエンジンEのエンジン本体1には,その前後に気化器2及び排気マフラ3がそれぞれ取付けられ,気化器2の吸気道入口にはエアクリーナ4が装着される。またエンジン本体1の下面には合成樹脂製の燃料タンク5が取付けられる。クランク軸13は,エンジン本体1と,このエンジン本体1の一側に隣接したオイルタンク40との両外側方に両端部を突出させており,その一端部に固着した被動部材84に伝動,連結可能なリコイル式スタータ42がオイルタンク40の外側面に取付けられる。
【0014】
クランク軸13の他端部にはフライホイールを兼ねる冷却ファン43が固着される。この冷却ファン43の外側面には,複数の取付けボス46(図2には,そのうちの1個を示す)が形成されており,この各取付けボス46に遠心シュー47が揺動自在に軸支される。この遠心シュー47は,後述する駆動軸50に固着されるクラッチドラム48と共に遠心クラッチ48を構成するもので,クランク軸13の回転数が所定値を超えると,遠心シュー47が,それ自体の遠心力によりクラッチドラム48の内周壁に圧接して,クランク軸13の出力トルクを駆動軸50に伝達するようになる。この遠心クラッチ48よりも,冷却ファン43は大径になっている。
【0015】
エンジン本体1及び,燃料タンク40を除く付属機器を覆うエンジンカバー51は,エンジン本体1の適所に固着され,このエンジンカバー51と燃料タンク5との間に冷却風取り入れ口19が設けられる。したがって,冷却ファン43の回転により,この冷却風取り入れ口19から外気が取り入れられ,エンジンE各部の冷却に供される。
【0016】
エンジンカバー51には,クランク軸6と同軸に並ぶ円錐台状の軸受ホルダ58が固着され,この軸受ホルダ58は,前記カッタCを回転駆動する駆動軸50をベアリング59を介して支持する。
【0017】
而して,エンジン本体1を間に置いて,一側にオイルタンク40及びスタータ42,他側に冷却ファン43及び遠心クラッチ49がそれぞれ配置されるので,エンジンEの左右の重量バランスが良好で,エンジンEの重心をエンジン本体1の中心部に近づけることができ,エンジンEの取り回し性が良好となる。
【0018】
またエンジン本体1と遠心シュー47との間において,遠心シュー47より大径の冷却ファン43がクランク軸13に固着されるので,冷却ファン43によるエンジンEの大型化を極力回避することができる。
【0019】
次に,エンジン本体1及びオイルタンク40の構造について図2〜図5,図6,図10,図11を参照しながら説明する。
【0020】
図2〜図5において,エンジン本体1は,クランク室6aを有するクランクケース6,一つのシリンダボア7aを有するシリンダブロック7,並びに燃焼室8a及び該室8に開口する吸,排気ポート9,10を有するシリンダヘッド8からなっており,シリンダブロック7及びシリンダヘッド8の外周には多数の冷却フィン38が形成される。
【0021】
クランク室6aに収容されるクランク軸13は,クランクケース6の左右両側壁にボールベアリング14,14′を介して回転自在に支承される。その際,左側のボールベアリング14はシール付きとされ,右側のボールベアリング14′の外側にはオイルシール17が隣接して配設される。クランク軸13には,従来普通のように,シリンダボア7aに嵌装されたピストン15がコンロッド16を介して連接される。
【0022】
クランクケース6の左側壁には,その外側に隣接するオイルタンク40が一体に連設され,このオイルタンク40をクランク軸13のシール付きボールベアリング14側の端部が貫通するように配置される。そして,クランク軸13に貫通される,オイルタンク40の外側壁にはオイルシール39が装着される。
【0023】
オイルタンク40の天井壁には,それを貫通するように上下に延びると共に上下両端を開放した偏平断面のベルト案内筒86が一体に連設される。このベルト案内筒86の下端は,オイルタンク40内のクランク軸13近傍まで延びており,また上端部は,シリンダヘッド8と隔壁85を共有するように,シリンダヘッド8に一体に連設される。シリンダヘッド8及びベルト案内筒86の上端周縁には,一連の環状シールビード87が形成され,隔壁85は,このシールビード87より上方に突出している。
【0024】
一方,図6,図10及び図11に示すように,ヘッドカバー36の下端面には,上記シールビード87に対応する環状シール溝88aが,また該カバー36の内面には,環状シール溝88aの両側部間を連通する線状シール溝88bがそれぞれ形成され,環状シール溝88aには環状パッキン89aが装着され,線状シール溝88bには,環状パッキン89aと一体成形された線状パッキン89bが装着される。そして,環状パッキン89aにはシールビード87が,線状パッキン89bには隔壁85がそれぞれ圧接するように,ヘッドカバー36はシリンダヘッド8にボルト37により結合される。
【0025】
而して,ベルト案内筒86とヘッドカバー36の一半部とで第1動弁室21aが,またシリンダヘッド8とヘッドカバー36の他半部とで第2動弁室21bがそれぞれ画成され,両動弁室21a,21bは前記隔壁85によって仕切られる。
【0026】
再び図2〜図5において,エンジン本体1及びオイルタンク40は,クランク軸13の軸線を通り且つシリンダボア7aの軸線と直交する平面で,上部ブロックBaと下部ブロックBbとに2分割される。即ち,上部ブロックBaは,クランクケース6の上半部,シリンダブロック7,シリンダヘッド8,オイルタンク40の上半部及びベルト案内筒86を一体に連ねて構成され,下部ブロックBbは,クランクケース6の下半部と,オイルタンク40の下半部とを一体に連ねて構成されるもので,これら上部及び下部ブロックBa,Bbは個別に鋳造され,各部を加工された後,複数のボルト12(図4参照)により相互に結合される。
【0027】
シリンダヘッド8には,吸気ポート9及び排気ポート10をそれぞれ開閉する吸気弁18i及び排気弁18eがシリンダボア7aの軸線と平行に設けられ,また点火栓20が,その電極を燃焼室8aの中心部に近接させて螺着される。
【0028】
次に,上記吸気弁18i及び排気弁18eを開閉駆動する動弁機構22について,図3〜図7により説明する。
【0029】
動弁機構22は,オイルタンク40内から前記第1動弁室21aにわたり配設される調時伝動装置22aと,前記第1動弁室21aから第2動弁室21bにわたり配設されるカム装置22bとで構成される。
【0030】
調時伝動装置22aは,オイルタンク40内のクランク軸13に固設した駆動プーリ23と,ベルト案内筒86の上部に回転自在に軸支される被動プーリ24と,これら駆動及び被動プーリ23,24間に巻き掛けたタイミングベルト25とからなっており,被動プーリ24の,隔壁85側の端面には,カム装置22bの一部をなすカム26が一体に結合されている。駆動及び被動プーリ23,24は歯付きであり,駆動プーリ23はベルト25を介して被動プーリ24を2分の1の減速比をもって駆動するようになっている。
【0031】
ベルト案内筒86の外側壁には,環状のシールビード87の内側で起立してヘッドカバー36の内面に当接もしくは近接する支持壁27が一体に形成されており,この支持壁27に設けた貫通孔28aと,隔壁85に設けた底付き孔28bにより支軸29の両端部が回転自在に支持され,この支軸29の中間部で前記被動プーリ24及びカム26が回転自在に支承される。支軸29は,ヘッドカバー36の取り付け前に,貫通孔28aから,被動プーリ24及びカム26の軸孔35,底付き孔28bへと挿入されるもので,その挿入後,ヘッドカバー36をシリンダヘッド8及びベルト案内筒86に接合すると,ヘッドカバー36の内面が支軸29の外端に対向して,その抜け止めを果たすようになっている。
【0032】
隔壁85には,第2動弁室21b側に支軸29と平行に突出する一対の軸受ボス30i,30eが一体に形成されており,カム装置22bは,前記カム26と,上記軸受ボス30i,30eにそれぞれ回転自在に支持される吸気ロッカ軸31i及び排気ロッカ軸31eと,第1動弁室21aでこれらロッカ軸31i,31eの一端にそれぞれ固着されてカム26の下面に先端を摺接させる吸気カムフォロワ22i及び排気カムフォロワ22eと,第2動弁室21bで吸気及び排気ロッカ軸31i,31eの他端にそれぞれ固着されて先端部を吸気弁18i及び排気弁18eの上端に当接させる吸気ロッカアーム33i及び排気ロッカアーム33eと,吸気弁18i及び排気弁18eにそれぞれ装着されて,それらを閉弁方向に付勢する吸気ばね34i及び排気ばね34eとからなっている。
【0033】
而して,クランク軸13の回転時,それと共に回転する駆動プーリ23がベルト25を介して被動プーリ24及びカム26を回転すると,そのカム26が吸気及び排気カムフォロワ32i,32eを適時揺動させ,それらの揺動は,各対応するロッカ軸31i,31eを介して吸気及び排気ロッカアーム33i,33eに伝達して,それらを揺動させるので,吸気及び排気ばね34i,34eとの協働により,吸気及び排気弁18i,18eを適時開閉することができる。
【0034】
調時伝動装置22aにおいて,被動プーリ24及びカム26は支軸29に回転自在に支承され,またその支軸29も第1動弁室21aの両側壁に回転自在に支承されるので,被動プーリ24及びカム26の回転中は,摩擦により引きずられて支軸29も回転することなり,被動プーリ24及びカム26と支軸29との回転速度差が減少し,回転摺動部の摩耗の低減を図ることができる。したがって,したがって,特別な素材や表面処理を用いずとも,カム26及び支軸29の耐久性の向上に寄与し得る。
【0035】
次に,図3〜図12によりエンジンEの潤滑系について説明する。
【0036】
図4及び図5において,オイルタンク40には,給油口40aから注入された規定量の潤滑用オイルOが貯留される。このオイルタンク40内において,クランク軸13には,前記駆動プーリ23を挟んで軸方向に並ぶ一対のオイルスリンガ56a,56bが圧入等により固着される。これらオイルスリンガ56a,56bは,互いに正反対の半径方向を向くと共に,互いに先端を軸方向に離反させるように屈曲しており,クランク軸13により回転駆動されると,エンジンEの如何なる運転姿勢でも,両オイルスリンガ56a,56bの少なくとも一方がオイルタンク40内に貯留オイルOを攪拌,飛散させ,オイルミストを生成するようになっている。このとき,発生したオイル飛沫は,第1動弁室21aからオイルタンク40内に露出した調時伝動装置22aの一部に振り掛かったり,第1動弁室21aに進入したりして,調時伝動装置22aを直接潤滑するようになっており,これが一つの潤滑系統である。
【0037】
もう一つの潤滑系統は,図3〜図5及び図12に示すように,オイルタンク40の内部とクランク室6aとの間を連通すべくクランク軸13に設けられた通孔55と,クランク室6aの下部を第2動弁室21bの下部に接続すべくエンジン本体1外側に配設されるオイル送り導管60と,第2動弁室21bに液化して溜まったオイルを吸い上げるべくシリンダヘッド8に設けられるオイル回収室74と,このオイル回収室74を第1動弁室21aを介してオイルタンク40に連通すべくシリンダヘッド8及びオイルタンク40間に形成されるオイル戻し通路78と,クランク室6aの下部に設置されてクランク室6aからオイル送り導管60への一方向のみオイルミストの流れを許容する一方向弁61とを備える。
【0038】
前記通孔55のオイルタンク40内への開口端55aは,をエンジンEの如何なる姿勢でも,常に,オイルタンク40内のオイルOの液面上に露出しているように,該タンク40内の中心部もしくはその近傍に配置される。クランク軸13の固着される駆動プーリ23と一方のオイルスリンガ56aは,上記開口端55aを塞がないように,開口端55aを間に置いて配置される。
【0039】
前記一方向弁61(図3参照)は,図示例ではリード弁から構成され,ピストン15の往復運動に伴いクランク室6aが負圧になったとき閉弁し,正圧になったとき開弁するようになっている。
【0040】
オイル送り導管60の下端部は,クランクケース6の外側面に突設された下部接続管62a(図3参照)に,また上端部は,シリンダヘッド8の外側面に突設された上部接続管62b(図4及び図8参照)にそれぞれ嵌め込まれて接続される。上部接続管62bの内部は,一方でシリンダヘッド8の形成された通路面積の大きい連通路63(図8及び図9参照)を介して第2動弁室21bの下部に連通し,他方で,オリフィス状のバイパス64(図8参照)を介してオイル戻し通路78に連通する。
【0041】
図5,図10及び図11に示すように,ヘッドカバー36の天井壁には,該カバー36内の上部にブリーザ室69を画成する仕切り板65が,該天井壁に突設された複数の支柱66と,それに係止されるクリップ67とで取り付けられ,そのブリーザ室69は,一方で仕切り板65に一体に形成された第2動弁室21b側に突出する流路面積が大きい連通管68と,仕切り板65のヘッドカバー36内面との間隙gとを介して第2動弁室21bと連通され,他方でブリーザパイプ70を介して前記エアクリーナ4内に連通される。このブリーザ室69は,混合状態のオイル及びブローバイガスの気液分離を行うところであり,その気液分離を促進するための迷路壁72がヘッドカバー36の天井壁内面に突設される。
【0042】
仕切り板65には,その上面との間に前記オイル回収室74を画成する平面視でT字形の,一面を開放した箱状仕切り体79が溶着されており,したがって,オイル回収室74もT字形となる。
【0043】
仕切り板65には,オイル回収室74のT字形の横棒の両端部に当たる2箇所にそれぞれ連通する2本の吸い上げ管75が一体に突設される。これら吸い上げ管75は,各先端を第2動弁室21bの底面近傍まで延ばしており,それらの各先端開口部がオリフィス75aとなっている。
【0044】
また仕切り体79の上壁には,オイル回収室74のT字形の横棒及び縦棒の各先端部に当たる3箇所にそれぞれ連通する3本の吸い上げ管76が一体に突設される。これら吸い上げ管76は,各先端をブリーザ室69の天井面近傍まで延ばしており,それらの先端開口部がオリフィス76aとなっている。
【0045】
さらに仕切り体79の上壁には,その上面の窪み部65aをオイル回収室74に連通するオリフィス80が穿設される。
【0046】
また仕切り板65には,オイル回収室74のT字形の縦棒の先端部に当たる部分に連通する1本の導管81が一体に突設され,この導管81の先端部は,第2動弁室21bの底面に開口する前記オイル戻し通路78の入口78aにグロメット82を介して嵌合される。こうしてオイル回収室74はオイル戻し通路78と接続される。上記導管81は,第2動弁室21bの一内側面に近接して配置され,上記内側面に近接した部分に,第2動弁室21bを該導管81内に連通するオイル吸い上げ用のオリフィス81aが穿設される。
【0047】
而して,ブリーザ室69は,ブリーザパイプ70を介してエアクリーナ4内に連通しているので,エンジンEの運転中でもブリーザ室69の圧力は,略大気圧に保たれ,このブリーザ室69に流路抵抗の小さい連通管68を介して連通する第2動弁室21bはブリーザ室69と略同圧である。
【0048】
クランク室6aは,エンジンEの運転中,ピストン15の昇降により生ずる圧力脈動の正圧成分のみを一方向弁61からオイル送り導管60に吐出することから,クランク室6aは平均的に負圧状態となり,上記正圧を受ける第2動弁室21bは,流路抵抗の小さい連通管68を介してブリーザ室69と連通しているから,ブリーザ室69と略同圧となる。クランク室6aの負圧は,クランク軸13の通孔55を経てオイルタンク40に伝達し,更にオイル戻し通路78を介してオイル回収室74に伝達するので,オイル回収室74は,第2動弁室21bやブリーザ室69よりも低圧,オイルタンク40及び第1動弁室21aはオイル回収室74よりも低圧となる。
【0049】
したがって,図12に示すように,クランク室6aの圧力をPc,オイルタンク40の圧力をPo,第1動弁室21aの圧力をPva,第2動弁室21bの圧力をPvb,オイル回収室74の圧力をPs,ブリーザ室69のPbとすると,その大小関係は次式で表すことができる。
【0050】
Pvb=Pb>Ps>Po=Pva>Pc
その結果,第2動弁室21b及びブリーザ室69の圧力は吸い上げ管75,76やオリフィス80を通してオイル回収室74へ,更にオイル戻し通路78を通してオイルタンク40へ,そしてクランク室6aへと移動する。
【0051】
エンジンEの運転中,オイルタンク40内において,クランク軸13に回転されるオイルスリンガ56a,56bが潤滑油Oを攪拌,飛散させることによりオイルミストが生成される。そのとき発生したオイルの飛沫は,ベルト案内筒86からオイルタンク40内に露出した調時伝動装置22aの一部,即ち駆動プーリ23及びタイミングベルト25の一部に振り掛かり,あるいは第1動弁室21aに進入して,調時伝動装置22aを直接潤滑することは既に述べた通りである。オイルの飛沫が調時伝動装置22aの一部にでも振り掛かると,そのオイルは,調時伝動装置22aの作動に伴い,該装置22a全体のみならず,カム26のも運ばれ,それらを効果的に潤滑することができる。
【0052】
オイルタンク40で生成されたオイルミストは,前述の圧力の流れに従って,クランク軸13の通孔55を通してクランク室6aに吸入され,クランク軸13ピストン15周りを潤滑する。次いでピストン15の下降によりクランク室6aが正圧になると,一方向弁61の開弁により上記オイルミストはクランク室6aで発生したブローバイガスと共にオイル送り導管60及び連通路63を昇って第2動弁室21bに供給され,該室21b内のカム装置22bの各部,即ち吸気及び排気ロッカアーム33i,33e等を潤滑する。
【0053】
この場合,上記連通路63を通るオイルミストの一部は,オリフィス状のバイパス64からオイル戻し通路78へ短絡する。したがって,バイパス64の流路抵抗を適当に設定することにより,オイルミストの第2動弁室21bへの供給量を調節することができる。
【0054】
第2動弁室21b内のオイルミスト及びブローバイガスは,連通管68及び仕切り板65周りの間隙gを通ってブリーザ室69に移ると,その際の膨張作用及び迷路壁72との衝突作用により気液分離され,ブローバイガスは,エンジンEの吸気行程時,ブリーザパイプ70及びエアクリーナ4を順次経由してエンジンEに吸入される。
【0055】
ブリーザ室69で液化したオイルは,エンジンEの正立状態では,仕切り体79上面の窪み部65aに溜まるか,連通管68や間隙gを流下して第2動弁室21bの底面に溜まるので,それらの場所に待機するオリフィス80や吸い上げ管75によってオイル回収室74へと吸い上げられる。またエンジンEの倒立状態では,上記液化オイルはヘッドカバー36の天井面に溜まることになるので,その場所に待機する吸い上げ管76によってオイル回収室74へと吸い上げられる。
【0056】
こうしてオイル回収室74に吸い上げられたオイルは,導管81からオイル戻し通路78を通ってオイルタンク40に還流する。この場合,図示例のように,オイル戻し通路78を第2動弁室21bを介してオイルタンク40に連通させると,オイル戻し通路78を出たオイルが調時伝動装置22aに振り掛かり,その潤滑にも寄与することになり,好都合である。
【0057】
ところで,前記ブリーザ69は,ヘッドカバー36の天井面と,ヘッドカバー36の内壁に取り付ける仕切り板65との間に画成され,また前記オイル回収室74は,上記仕切り板65の上面と,それに溶着される仕切り体79との間に画成されるので,ヘッドカバー36の天井壁を分割することなく,ヘッドカバー36にオイル回収室74及びブリーザ69を設けることができる。しかも,これらブリーザ69及びオイル回収室74は,共にヘッドカバー36内に存在することから,両室69,74から多少のオイル漏れがあったとしても,そのオイルは第2動弁室21bに戻るだけで何等の支障も生ぜず,両室69,74周りの油密検査は不要となり,製作コストの低減を図ることができる。
【0058】
しかも仕切り体79は,仕切り板65のヘッドカバー36への取り付け前に,仕切り板65への溶着が可能であり,したがって仕切り板65へのオイル回収室74の形成を簡単に行うことができる。
【0059】
さらにオイル吸い上げ管75,76を,仕切り板65及び仕切り体79にそれぞれ一体成形するので,オイル吸い上げ管75,76の形成を簡単に行うことができる。
【0060】
一方,オイルタンク40では,エンジンEが図13に示すように,倒立状態にされた場合,貯留オイルOが該タンク40の天井側,即ち第1動弁室21a側に移動するが,第1動弁室21aのオイルタンク40内への開口端は,ベルト案内筒86によって,貯留オイルOの液面より高い位置を占めるように設定されており,したがって,第2動弁室21bへの貯留オイルOの流入を許さず,調時伝動装置22aの過剰給油を防ぐことができると共に,オイルタンク40内に所定量のオイル量を確保して,オイルスリンガ56a,56bによるオイルミストの生成の継続が可能となる。
【0061】
またエンジンEが図14に示すように,横倒し状態にされた場合には,貯留オイルOは該タンク40の側面側に移動するが,第1動弁室21aのオイルタンク40内への開口端は,ベルト案内筒86によって,貯留オイルOの液面より高い位置を占めるように設定されており,したがって,この場合も第2動弁室21bへの貯留オイルOの流入を許さず,調時伝動装置22aの過剰給油を防ぐことができると共に,オイルタンク40内に所定量のオイル量を確保して,オイルスリンガ56a,56bによるオイルミストの生成の継続が可能となる。
【0062】
かくして,動弁機構22の潤滑系統は,オイルタンク40内の飛散オイルでオイルタンク40及び第1動弁室21a内の調時伝動装置22aとカム装置22bの一部を潤滑する系統と,第2動弁室21bに移送されたオイルミストにより第2動弁室21b内のカム装置22bの残りの部分を潤滑する系統との2系統に分けられるので,各潤滑系統の負担が軽減することになって,動弁機構22全体を万遍なく潤滑することができる。しかもオイルの飛沫やオイルミストの使用により,エンジンの如何なる運転姿勢においても,エンジンの各部を確実に潤滑することができる。
【0063】
またオイルタンク40内でミスト化されたオイルを,クランク室6aの圧力脈動と,一方向弁61の一方向移送機能を利用して循環させるようにしたので,オイルミストの循環のための専用のオイルポンプは不要であり,構造の簡素化を図ることができる。
【0064】
またオイルタンク40のみならず,クランク室6a及び第2動弁室21b間を結ぶオイル送り導管60は,エンジン本体1外側に配設されるので,エンジン本体1の薄肉化及びコンパクト化を何ら妨げず,エンジンEの軽量化に大いに寄与することができる。特に,外部配置のオイル送り導管60は,エンジン本体1から熱影響を受け難く,しかも放熱し易いので,これを通るオイルミストの冷却を促進することができる。
【0065】
またオイルタンク40はエンジン本体1の一外側に配設されるので,エンジンEの全高の大幅低下をもたらすことができ,しかも調時伝動装置22aの一部がオイルタンク40に収められるので,エンジンEの横幅の増加を極力抑えることができて,コンパクト化を図ることができる。
【0066】
本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨の範囲を逸脱することなく種々の設計変更が可能である。例えば,オイル吸い上げ管75,76や吸い上げ用オリフィス80,81aの個数及び設置場所は自由に選定されるものである。また仕切り板65の下面に仕切り体79を溶着して,オイル回収室74を仕切り板65の下側に形成することもできる。この場合は,仕切り体79にオイル吸い上げ管75を,仕切り板65にオイル吸い上げ管76を一体成形することになる。
【0067】
また一方向弁61に代えて,クランク軸13に連動して,オイル送り導管60をピストン15の下降時に導通し,その上昇時に遮断するように作動するロータリバルブを設けることもできる。
【0068】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ンジンの動弁機構において、ッドカバーの下端面に環状シール溝を形成すると共に、この環状シール溝に装着される環状パッキンを、エンジン本体に形成される支持壁の外側に設けた環状シールビード圧接させ、前記支持壁には、ヘッドカバーにより外側の開口端が覆われる貫通孔を形成し、ヘッドカバーのシリンダヘッドへの取付け前に前記貫通孔からエンジン本体内に挿入可能であって両端がエンジン本体の底付き孔及び前記貫通孔にそれぞれ回転自在に支承される支軸の中間部にカムを回転自在に支承すると共に、その支軸の抜け止めのために、シリンダヘッドに結合したヘッドカバーの内面を該支軸の外端に対向させたので、カム及び支軸は個別で回転が自由となり、調時伝動装置によるカムの回転中は、摩擦により引きずられて支軸も回転することで、カムと支軸との回転速度差が減少し、回転摺動部の摩耗の低減を図ることができ、従って、特別な素材や表面処理を用いずとも、カム及び支軸の耐久性の向上に寄与し得る。また上記支軸の外端にヘッドカバーの内面を対向させたことで、支軸の抜け止めがヘッドカバーにより果たされる。
【0069】
また本発明の第2の特徴によれば,前記カムに,このカムと共に前記支軸に支承される,前記調時伝動装置の被動プーリを一体的に形成し,この調時伝動装置を,潤滑オイルを貯留すると共にそのオイルを飛散させるオイルスリンガを収容したオイルタンク内に臨ませたので,オイルタンク内でオイルスリンガにより飛散されたオイルにより調時伝動装置のみならず,カムをも潤滑することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の四サイクルエンジンの一使用例を示す斜視図。
【図2】 上記四サイクルエンジンの縦断側面図。
【図3】 図2の3−3線断面図。
【図4】 図2の4−4線断面図。
【図5】 図2の要部拡大断面図
【図6】 図5の要部分解図。
【図7】 図4の7−7線断面図。
【図8】 図4の8−8線断面図。
【図9】 図8の9−9線断面図。
【図10】 図5の10−10矢視図(ヘッドカバーの底面図)。
【図11】 図5の11−11線断面図。
【図12】 上記エンジンの潤滑経路図。
【図13】 上記エンジンの倒立状態を示す,図4との対応図。
【図14】 同エンジンの横倒し状態を示す,図4との対応図。
【符号の説明】
E・・・・・エンジン
1・・・・・エンジン本体
8・・・・・シリンダヘッド
13・・・・クランク軸
18i・・・吸気弁
18e・・・排気弁
22・・・・動弁機構
22a・・・調時伝動装置
22b・・・カム装置
23・・・・駆動プーリ
24・・・・被動プーリ
26・・・・カム
27・・・・支持壁
28a・・・貫通孔
28b・・・底付き孔
29・・・・支軸
36・・・・ヘッドカバー
40・・・・オイルタンク
56a,56b・・オイルスリンガ
87・・・・環状シールビード
88a・・・環状シール溝
89a・・・環状パッキン
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present invention has a timing transmission device connected to a crankshaft and a cam device connected to the driven side of the timing transmission device, and transmits the rotational force of the cam to the intake and exhaust valves as an opening / closing force. It relates to the valve mechanism of the engine.
[0002]
[Prior art]
  Such a valve operating mechanism of an engine is already known as disclosed in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-177416.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
  In the conventional valve mechanism of the engine, the cam is rotatably supported by a support shaft fixed to the engine body, so that the rotational speed of the cam with respect to the support shaft is high, and the durability of both rotary sliding parts is ensured. For this reason, there were many places where it was difficult to select materials and surface treatment of rotating sliding surfaces.
[0004]
  The present invention has been made in view of the above points, and an object of the present invention is to provide a valve operating mechanism for an engine that can give high durability to a support portion of a cam without using a special material or surface treatment. And
[0005]
[Means for Solving the Problems]
  In order to achieve the above object, the present invention has a timing transmission device connected to a crankshaft having a cooling fan fixed to one end thereof, and a cam connected to a driven side of the timing transmission device. In a valve operating mechanism of an engine comprising a cam device that transmits a rotational force to an intake and exhaust valve as an opening / closing force,DAn annular seal groove is formed in the lower end surface of the head cover to which the cylinder head of the engine main body is coupled, and the annular packing attached to the annular seal grooveFormed in the engine bodyAnnular seal bead on the outside of the support wallInPressure weldingThe support wall is formed with a through hole whose outer opening end is covered by the head cover, and can be inserted into the engine body from the through hole before the head cover is attached to the cylinder head. The cam is rotatably supported at an intermediate portion of a support shaft that is rotatably supported by the bottomed hole and the through hole, and the inner surface of the head cover coupled to the cylinder head is provided to prevent the support shaft from coming off. Opposed to the outer end of the spindleIt is characterized by that.
[0006]
  According to this feature, since the cam and the support shaft are individually rotatable, the cam and the support shaft are rotated by being dragged by friction and rotating the support shaft while the cam is rotated by the timing transmission device. The rotational speed difference is reduced, and wear of the rotating sliding part can be reduced.,Therefore, it can contribute to the improvement of the durability of the cam and the spindle without using a special material or surface treatment.Further, since the inner surface of the head cover is opposed to the outer end of the support shaft, the support of the support shaft is prevented by the head cover.
[0007]
  According to the present invention, in addition to the first feature, a driven pulley of the timing transmission device, which is supported by the cam together with the cam, is integrally formed with the cam. A second feature is that the lubricating oil is stored in an oil tank that contains an oil slinger that scatters the oil.
[0008]
  According to this second feature, the oil splashed by the oil slinger in the oil tank is sprinkled on a part of the timing transmission device, and this reaches the entire device and cam as the timing transmission device operates. Can be carried and lubricated.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  Embodiments of the present invention will be described based on examples of the present invention shown in the accompanying drawings.
[0010]
  1 is a perspective view showing an example of use of the hand-held four-cycle engine of the present invention, FIG. 2 is a longitudinal side view of the four-cycle engine, FIG. 3 is a sectional view taken along line 3-3 in FIG. 2, and FIG. 4 is a cross-sectional view taken along line 4-4, FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of the main portion of FIG. 2, FIG. 6 is an exploded view of the main portion of FIG. 8 is a sectional view taken along line 9-9 of FIG. 8, FIG. 10 is a sectional view taken along arrow 10-10 of FIG. 5 (bottom view of the head cover), and FIG. 11 is a sectional view taken along line 11-11 of FIG. FIG. 12, FIG. 12 is a lubrication route diagram of the engine, FIG. 13 is a diagram corresponding to FIG. 4 showing the inverted state of the engine, and FIG. 14 is a diagram corresponding to FIG. 4 showing the engine lying sideways.
[0011]
  As shown in FIG. 1, the handheld four-cycle engine E is attached to the drive unit as a power source of a power trimmer T, for example. Since the power trimmer T is used with the cutter C directed in various directions depending on the working state, the engine E is also greatly inclined or inverted each time, and the driving posture is not constant.
[0012]
  First, the structure of the outer periphery of the handheld four-cycle engine E will be described with reference to FIGS.
[0013]
  A carburetor 2 and an exhaust muffler 3 are attached to the front and rear of the engine body 1 of the handheld four-cycle engine E, respectively, and an air cleaner 4 is attached to the inlet of the carburetor 2. A synthetic resin fuel tank 5 is attached to the lower surface of the engine body 1. Both ends of the crankshaft 13 project outward from both the engine body 1 and the oil tank 40 adjacent to one side of the engine body 1, and the crankshaft 13 is connected to a driven member 84 fixed to the one end. A possible recoil starter 42 is mounted on the outer surface of the oil tank 40.
[0014]
  A cooling fan 43 that also serves as a flywheel is fixed to the other end of the crankshaft 13. A plurality of mounting bosses 46 (one of which is shown in FIG. 2) are formed on the outer surface of the cooling fan 43, and a centrifugal shoe 47 is pivotally supported by each mounting boss 46 so as to be swingable. Is done. The centrifugal shoe 47 constitutes the centrifugal clutch 48 together with a clutch drum 48 fixed to the drive shaft 50, which will be described later. When the rotational speed of the crankshaft 13 exceeds a predetermined value, the centrifugal shoe 47 is subjected to its centrifugal operation. The output torque of the crankshaft 13 is transmitted to the drive shaft 50 by being pressed against the inner peripheral wall of the clutch drum 48 by force. The cooling fan 43 has a larger diameter than the centrifugal clutch 48.
[0015]
  An engine cover 51 that covers the engine main body 1 and attached devices other than the fuel tank 40 is fixed to an appropriate position of the engine main body 1, and a cooling air intake 19 is provided between the engine cover 51 and the fuel tank 5. Therefore, the outside air is taken in from the cooling air intake 19 by the rotation of the cooling fan 43 and is used for cooling each part of the engine E.
[0016]
  A frustum-shaped bearing holder 58 arranged coaxially with the crankshaft 6 is fixed to the engine cover 51, and the bearing holder 58 supports a drive shaft 50 that rotationally drives the cutter C via a bearing 59.
[0017]
  Thus, with the engine body 1 in between, the oil tank 40 and the starter 42 are arranged on one side, and the cooling fan 43 and the centrifugal clutch 49 are arranged on the other side, so that the right and left weight balance of the engine E is good. , The center of gravity of the engine E can be brought close to the center of the engine body 1, and the handling performance of the engine E is improved.
[0018]
  Further, since the cooling fan 43 having a larger diameter than the centrifugal shoe 47 is fixed to the crankshaft 13 between the engine body 1 and the centrifugal shoe 47, it is possible to avoid the engine E from being enlarged by the cooling fan 43 as much as possible.
[0019]
  Next, the structure of the engine body 1 and the oil tank 40 will be described with reference to FIGS. 2 to 5, 6, 10, and 11.
[0020]
  2 to 5, the engine body 1 includes a crankcase 6 having a crank chamber 6a, a cylinder block 7 having one cylinder bore 7a, and a combustion chamber 8a and suction and exhaust ports 9 and 10 opened to the chamber 8. A plurality of cooling fins 38 are formed on the outer periphery of the cylinder block 7 and the cylinder head 8.
[0021]
  The crankshaft 13 accommodated in the crank chamber 6a is rotatably supported on the left and right side walls of the crankcase 6 via ball bearings 14 and 14 '. At this time, the left ball bearing 14 is provided with a seal, and an oil seal 17 is provided adjacent to the outside of the right ball bearing 14 '. A piston 15 fitted to the cylinder bore 7a is connected to the crankshaft 13 via a connecting rod 16 as usual.
[0022]
  An oil tank 40 adjacent to the outside is integrally connected to the left side wall of the crankcase 6, and the oil tank 40 is disposed so that the end of the crankshaft 13 on the side of the ball bearing with seal 14 passes therethrough. . An oil seal 39 is attached to the outer wall of the oil tank 40 that passes through the crankshaft 13.
[0023]
  On the ceiling wall of the oil tank 40, a belt guide tube 86 having a flat cross-section that extends vertically and penetrates the top and bottom ends and is open at both ends is integrally provided. The lower end of the belt guide tube 86 extends to the vicinity of the crankshaft 13 in the oil tank 40, and the upper end portion is integrally connected to the cylinder head 8 so as to share the cylinder head 8 and the partition wall 85. . A series of annular seal beads 87 are formed at the upper peripheral edges of the cylinder head 8 and the belt guide tube 86, and the partition wall 85 projects upward from the seal beads 87.
[0024]
  On the other hand, as shown in FIGS. 6, 10, and 11, an annular seal groove 88 a corresponding to the seal bead 87 is formed on the lower end surface of the head cover 36, and an annular seal groove 88 a is formed on the inner surface of the cover 36. A linear seal groove 88b communicating between both sides is formed, an annular seal 89a is mounted on the annular seal groove 88a, and a linear seal 89b integrally formed with the annular seal 89a is installed in the linear seal groove 88b. Installed. The head cover 36 is coupled to the cylinder head 8 by bolts 37 so that the seal beads 87 are pressed against the annular packing 89a and the partition walls 85 are pressed against the linear packing 89b.
[0025]
  Thus, the first valve operating chamber 21a is defined by the belt guide tube 86 and one half of the head cover 36, and the second valve operating chamber 21b is defined by the cylinder head 8 and the other half of the head cover 36. The valve chambers 21 a and 21 b are partitioned by the partition wall 85.
[0026]
  2 to 5 again, the engine main body 1 and the oil tank 40 are divided into two, an upper block Ba and a lower block Bb, on a plane passing through the axis of the crankshaft 13 and orthogonal to the axis of the cylinder bore 7a. That is, the upper block Ba is formed by integrally connecting the upper half of the crankcase 6, the cylinder block 7, the cylinder head 8, the upper half of the oil tank 40, and the belt guide tube 86, and the lower block Bb 6 and the lower half of the oil tank 40 are integrally connected. The upper and lower blocks Ba and Bb are individually casted and processed into a plurality of bolts. 12 (see FIG. 4).
[0027]
  The cylinder head 8 is provided with an intake valve 18i and an exhaust valve 18e that open and close the intake port 9 and the exhaust port 10, respectively, in parallel with the axis of the cylinder bore 7a, and an ignition plug 20 is connected to the center of the combustion chamber 8a. It is screwed in close proximity to.
[0028]
  Next, the valve mechanism 22 for opening and closing the intake valve 18i and the exhaust valve 18e will be described with reference to FIGS.
[0029]
  The valve mechanism 22 includes a timing transmission device 22a disposed from the oil tank 40 to the first valve chamber 21a, and a cam disposed from the first valve chamber 21a to the second valve chamber 21b. It is comprised with the apparatus 22b.
[0030]
  The timing transmission device 22a includes a driving pulley 23 fixed to the crankshaft 13 in the oil tank 40, a driven pulley 24 rotatably supported on the upper portion of the belt guide tube 86, the driving and driven pulleys 23, The cam 26 forming a part of the cam device 22b is integrally coupled to the end face of the driven pulley 24 on the partition wall 85 side. The driving and driven pulleys 23 and 24 are toothed, and the driving pulley 23 drives the driven pulley 24 through the belt 25 with a reduction ratio of 1/2.
[0031]
  A support wall 27 is integrally formed on the outer wall of the belt guide tube 86 so as to stand up inside the annular seal bead 87 and come into contact with or close to the inner surface of the head cover 36. Both ends of the support shaft 29 are rotatably supported by the hole 28a and the bottomed hole 28b provided in the partition wall 85, and the driven pulley 24 and the cam 26 are rotatably supported by the intermediate portion of the support shaft 29. The support shaft 29 is inserted into the shaft hole 35 and the bottomed hole 28b of the driven pulley 24 and the cam 26 from the through hole 28a before the head cover 36 is attached. After the insertion, the head cover 36 is inserted into the cylinder head 8. When the head cover 36 is joined to the belt guide tube 86, the inner surface of the head cover 36 faces the outer end of the support shaft 29 to prevent it from coming off.
[0032]
  The partition wall 85 is integrally formed with a pair of bearing bosses 30i and 30e protruding in parallel with the support shaft 29 on the second valve chamber 21b side. The cam device 22b includes the cam 26 and the bearing boss 30i. , 30e are rotatably supported by an intake rocker shaft 31i and an exhaust rocker shaft 31e, respectively, and fixed to one end of these rocker shafts 31i, 31e in the first valve operating chamber 21a, and the tip is slidably contacted with the lower surface of the cam 26. The intake cam follower 22i and the exhaust cam follower 22e to be driven, and the second valve chamber 21b are fixed to the other ends of the intake and exhaust rocker shafts 31i and 31e, respectively, and the intake is brought into contact with the upper ends of the intake valve 18i and the exhaust valve 18e. An intake valve mounted on the rocker arm 33i and the exhaust rocker arm 33e, and the intake valve 18i and the exhaust valve 18e, respectively, and biases them in the valve closing direction. 34i and is made from an exhaust spring 34e.
[0033]
  Thus, when the crankshaft 13 rotates, the driving pulley 23 that rotates together with the crankshaft rotates the driven pulley 24 and the cam 26 via the belt 25, and the cam 26 swings the intake and exhaust cam followers 32i and 32e in a timely manner. These swings are transmitted to the intake and exhaust rocker arms 33i and 33e via the corresponding rocker shafts 31i and 31e to swing them, and in cooperation with the intake and exhaust springs 34i and 34e, The intake and exhaust valves 18i and 18e can be opened and closed at appropriate times.
[0034]
  In the timing transmission device 22a, the driven pulley 24 and the cam 26 are rotatably supported on a support shaft 29, and the support shaft 29 is also rotatably supported on both side walls of the first valve chamber 21a. During rotation of the cam 24 and the cam 26, the support shaft 29 is also rotated by friction and the rotational speed difference between the driven pulley 24 and the cam 26 and the support shaft 29 is reduced, and wear of the rotary sliding portion is reduced. Can be achieved. Accordingly, the cam 26 and the support shaft 29 can be improved in durability without using any special material or surface treatment.
[0035]
  Next, the lubrication system of the engine E will be described with reference to FIGS.
[0036]
  4 and 5, the oil tank 40 stores a predetermined amount of lubricating oil O injected from the oil supply port 40a. In the oil tank 40, a pair of oil slinger 56a, 56b arranged in the axial direction with the drive pulley 23 interposed therebetween is fixed to the crankshaft 13 by press fitting or the like. These oil slinger 56a, 56b are directed to opposite radial directions and bent so that their tips are separated from each other in the axial direction. When the oil slinger 56a, 56b is driven to rotate by the crankshaft 13, At least one of the both oil slinger 56a and 56b stirs and scatters the stored oil O in the oil tank 40 to generate oil mist. At this time, the generated oil splashes are sprinkled on the part of the timing transmission device 22a exposed in the oil tank 40 from the first valve operating chamber 21a or enter the first valve operating chamber 21a to adjust the oil. The hour transmission device 22a is directly lubricated, and this is one lubrication system.
[0037]
  As shown in FIGS. 3 to 5 and FIG. 12, the other lubrication system includes a through hole 55 provided in the crankshaft 13 to communicate between the inside of the oil tank 40 and the crank chamber 6a, and a crank chamber. An oil feed conduit 60 disposed outside the engine body 1 to connect the lower part of 6a to the lower part of the second valve chamber 21b, and a cylinder head 8 for sucking up the liquefied and accumulated oil in the second valve chamber 21b. An oil recovery chamber 74 provided in the cylinder head 8, an oil return passage 78 formed between the cylinder head 8 and the oil tank 40 to communicate the oil recovery chamber 74 with the oil tank 40 through the first valve chamber 21a, a crank And a one-way valve 61 that is installed in the lower portion of the chamber 6a and allows oil mist to flow from the crank chamber 6a to the oil feed conduit 60 in only one direction.
[0038]
  The opening end 55a of the through hole 55 into the oil tank 40 is always exposed on the liquid level of the oil O in the oil tank 40 in any posture of the engine E. Arranged at or near the center. The drive pulley 23 to which the crankshaft 13 is fixed and the one oil slinger 56a are arranged with the opening end 55a therebetween so as not to block the opening end 55a.
[0039]
  The one-way valve 61 (see FIG. 3) is constituted by a reed valve in the illustrated example, and closes when the crank chamber 6a becomes negative pressure due to the reciprocating motion of the piston 15, and opens when positive pressure is reached. It is supposed to be.
[0040]
  The lower end of the oil feed conduit 60 is a lower connecting pipe 62a (see FIG. 3) protruding from the outer surface of the crankcase 6, and the upper end is an upper connecting pipe protruding from the outer surface of the cylinder head 8. 62b (see FIGS. 4 and 8) are fitted and connected to each other. The inside of the upper connecting pipe 62b communicates with the lower part of the second valve chamber 21b via a communication path 63 (see FIGS. 8 and 9) having a large passage area formed on the cylinder head 8 on the one hand, The oil return passage 78 communicates with the orifice-shaped bypass 64 (see FIG. 8).
[0041]
  As shown in FIGS. 5, 10, and 11, the ceiling wall of the head cover 36 includes a plurality of partition plates 65 that project from the ceiling wall and define a breather chamber 69 in the upper part of the cover 36. The breather chamber 69 is attached by a column 66 and a clip 67 locked to the column 66, and the breather chamber 69 is a communication pipe having a large flow area protruding toward the second valve chamber 21b formed integrally with the partition plate 65. 68 and a gap g between the inner surface of the head cover 36 of the partition plate 65 and the second valve chamber 21b, and the air cleaner 4 is communicated with the air cleaner 4 via a breather pipe 70. The breather chamber 69 performs gas-liquid separation of mixed oil and blow-by gas, and a maze wall 72 for promoting the gas-liquid separation projects from the inner surface of the ceiling wall of the head cover 36.
[0042]
  The partition plate 65 is welded with a box-shaped partition body 79 having a T-shape in a plan view that defines the oil recovery chamber 74 between the upper surface thereof and an open surface. T-shaped.
[0043]
  The partition plate 65 is integrally provided with two suction pipes 75 communicating respectively with two locations corresponding to both ends of the T-shaped horizontal bar of the oil recovery chamber 74. These suction pipes 75 have their respective distal ends extending to the vicinity of the bottom surface of the second valve operating chamber 21b, and the respective distal end openings serve as orifices 75a.
[0044]
  In addition, three suction pipes 76 communicating with the three portions corresponding to the tip portions of the T-shaped horizontal bar and vertical bar of the oil recovery chamber 74 are integrally projected on the upper wall of the partition 79. These suction pipes 76 have their respective distal ends extending to the vicinity of the ceiling surface of the breather chamber 69, and their distal end openings serve as orifices 76a.
[0045]
  Further, the upper wall of the partition 79 is provided with an orifice 80 for communicating the recess 65a on the upper surface thereof with the oil recovery chamber 74.
[0046]
  The partition plate 65 is integrally provided with a single conduit 81 communicating with a portion of the oil recovery chamber 74 corresponding to the tip of the T-shaped vertical bar, and the tip of the conduit 81 is connected to the second valve chamber. A grommet 82 is fitted into the inlet 78a of the oil return passage 78 that opens to the bottom surface of 21b. Thus, the oil recovery chamber 74 is connected to the oil return passage 78. The conduit 81 is disposed in the vicinity of one inner side surface of the second valve operating chamber 21b, and an oil suction orifice that communicates the second valve operating chamber 21b in the conduit 81 with a portion close to the inner side surface. 81a is drilled.
[0047]
  Thus, since the breather chamber 69 communicates with the air cleaner 4 via the breather pipe 70, the pressure of the breather chamber 69 is maintained at substantially atmospheric pressure even when the engine E is in operation, and flows into the breather chamber 69. The second valve operating chamber 21 b communicating with the communication pipe 68 having a small path resistance has substantially the same pressure as the breather chamber 69.
[0048]
  Since the crank chamber 6a discharges only the positive pressure component of the pressure pulsation generated by the raising and lowering of the piston 15 during the operation of the engine E from the one-way valve 61 to the oil feed conduit 60, the crank chamber 6a is in an average negative pressure state. Thus, the second valve operating chamber 21b receiving the positive pressure communicates with the breather chamber 69 through the communication pipe 68 having a small flow path resistance, and therefore has substantially the same pressure as the breather chamber 69. The negative pressure in the crank chamber 6a is transmitted to the oil tank 40 through the through hole 55 of the crankshaft 13, and further transmitted to the oil recovery chamber 74 via the oil return passage 78. The pressure is lower than that of the valve chamber 21 b and the breather chamber 69, and the pressure of the oil tank 40 and the first valve operating chamber 21 a is lower than that of the oil recovery chamber 74.
[0049]
  Accordingly, as shown in FIG. 12, the pressure in the crank chamber 6a is Pc, the pressure in the oil tank 40 is Po, the pressure in the first valve chamber 21a is Pva, the pressure in the second valve chamber 21b is Pvb, and the oil recovery chamber. When the pressure of 74 is Ps and Pb of the breather chamber 69, the magnitude relationship can be expressed by the following equation.
[0050]
            Pvb = Pb> Ps> Po = Pva> Pc
  As a result, the pressure in the second valve chamber 21b and the breather chamber 69 moves to the oil recovery chamber 74 through the suction pipes 75 and 76 and the orifice 80, further to the oil tank 40 through the oil return passage 78, and to the crank chamber 6a. .
[0051]
  During operation of the engine E, oil mist is generated in the oil tank 40 by the oil slinger 56a, 56b rotated by the crankshaft 13 stirring and scattering the lubricating oil O. The splash of oil generated at that time is sprinkled on a part of the timing transmission device 22a exposed from the belt guide tube 86 into the oil tank 40, that is, a part of the drive pulley 23 and the timing belt 25, or the first valve valve. As described above, the timing transmission device 22a is directly lubricated by entering the chamber 21a. When the splash of oil is sprinkled on a part of the timing transmission device 22a, the oil is transported not only by the entire device 22a but also by the cam 26 as the timing transmission device 22a is operated. Can be lubricated.
[0052]
  The oil mist generated in the oil tank 40 is sucked into the crank chamber 6a through the through hole 55 of the crankshaft 13 according to the pressure flow described above, and lubricates the piston 15 around the crankshaft 13. Next, when the crank chamber 6a reaches a positive pressure due to the lowering of the piston 15, the one-way valve 61 opens, and the oil mist rises along with the blow-by gas generated in the crank chamber 6a along the oil feed conduit 60 and the communication passage 63 to the second motion. It is supplied to the valve chamber 21b and lubricates each part of the cam device 22b in the chamber 21b, that is, the intake and exhaust rocker arms 33i and 33e.
[0053]
  In this case, a part of the oil mist passing through the communication path 63 is short-circuited from the orifice-shaped bypass 64 to the oil return path 78. Therefore, the amount of oil mist supplied to the second valve chamber 21b can be adjusted by appropriately setting the flow path resistance of the bypass 64.
[0054]
  When oil mist and blow-by gas in the second valve chamber 21 b move to the breather chamber 69 through the gap g around the communication pipe 68 and the partition plate 65, the oil mist and blow-by gas are caused by the expansion action and the collision action with the maze wall 72 at that time. The gas-liquid separation is performed, and the blow-by gas is sucked into the engine E through the breather pipe 70 and the air cleaner 4 in order during the intake stroke of the engine E.
[0055]
  In the erecting state of the engine E, the oil liquefied in the breather chamber 69 is accumulated in the recessed portion 65a on the upper surface of the partition body 79, or flows down through the communication pipe 68 and the gap g and is accumulated on the bottom surface of the second valve chamber 21b. , The oil is sucked up to the oil recovery chamber 74 by the orifice 80 and the suction pipe 75 waiting in those places. In the inverted state of the engine E, the liquefied oil accumulates on the ceiling surface of the head cover 36 and is therefore sucked up into the oil recovery chamber 74 by the suction pipe 76 waiting at that location.
[0056]
  The oil sucked into the oil recovery chamber 74 in this way returns to the oil tank 40 from the conduit 81 through the oil return passage 78. In this case, as shown in the example, when the oil return passage 78 is communicated with the oil tank 40 via the second valve chamber 21b, the oil that has exited the oil return passage 78 is sprinkled on the timing transmission device 22a. It will contribute to lubrication and is convenient.
[0057]
  By the way, the breather 69 is defined between the ceiling surface of the head cover 36 and a partition plate 65 attached to the inner wall of the head cover 36, and the oil recovery chamber 74 is welded to the upper surface of the partition plate 65. The oil recovery chamber 74 and the breather 69 can be provided in the head cover 36 without dividing the ceiling wall of the head cover 36. In addition, since both the breather 69 and the oil recovery chamber 74 exist in the head cover 36, even if there is some oil leakage from both the chambers 69, 74, the oil only returns to the second valve chamber 21b. Thus, no trouble is caused, and oil tightness inspection around the two chambers 69 and 74 is not necessary, and the production cost can be reduced.
[0058]
  Moreover, the partition body 79 can be welded to the partition plate 65 before the partition plate 65 is attached to the head cover 36, and therefore the oil recovery chamber 74 can be easily formed on the partition plate 65.
[0059]
  Further, since the oil suction pipes 75 and 76 are integrally formed with the partition plate 65 and the partition body 79, respectively, the oil suction pipes 75 and 76 can be easily formed.
[0060]
  On the other hand, in the oil tank 40, when the engine E is turned upside down as shown in FIG. 13, the stored oil O moves to the ceiling side of the tank 40, that is, to the first valve operating chamber 21a side. The opening end of the valve operating chamber 21a into the oil tank 40 is set by the belt guide tube 86 so as to occupy a position higher than the liquid level of the stored oil O. Therefore, the valve valve chamber 21a is stored in the second valve operating chamber 21b. Inflow of oil O is not allowed, excessive oiling of the timing transmission 22a can be prevented, a predetermined amount of oil is secured in the oil tank 40, and oil mist is continuously generated by the oil slinger 56a, 56b. Is possible.
[0061]
  As shown in FIG. 14, when the engine E is placed on its side, the stored oil O moves to the side surface of the tank 40. However, the open end of the first valve chamber 21a into the oil tank 40 Is set so as to occupy a position higher than the liquid level of the stored oil O by the belt guide cylinder 86. Therefore, in this case as well, the inflow of the stored oil O into the second valve operating chamber 21b is not allowed and the timing is adjusted. Excess oiling of the transmission 22a can be prevented, and a predetermined amount of oil can be secured in the oil tank 40, and oil mist can be continuously generated by the oil slinger 56a, 56b.
[0062]
  Thus, the lubrication system of the valve mechanism 22 includes a system that lubricates part of the oil tank 40 and the timing transmission device 22a and the cam device 22b in the first valve chamber 21a with the scattered oil in the oil tank 40, and the first system. Since the oil mist transferred to the second valve chamber 21b is divided into two systems, the system that lubricates the remaining portion of the cam device 22b in the second valve chamber 21b, the burden on each lubrication system is reduced. Thus, the entire valve mechanism 22 can be lubricated uniformly. In addition, the use of oil splashes and oil mist can reliably lubricate each part of the engine in any operating position of the engine.
[0063]
  Also, since the oil mist in the oil tank 40 is circulated using the pressure pulsation of the crank chamber 6a and the one-way transfer function of the one-way valve 61, the oil mist is circulated. An oil pump is unnecessary, and the structure can be simplified.
[0064]
  In addition to the oil tank 40, the oil feed conduit 60 that connects between the crank chamber 6a and the second valve chamber 21b is disposed outside the engine body 1. Therefore, the engine body 1 is prevented from being thinned and made compact. Therefore, it can greatly contribute to the weight reduction of the engine E. In particular, the externally arranged oil feed conduit 60 is not easily affected by heat from the engine body 1 and easily dissipates heat, so that cooling of the oil mist passing therethrough can be promoted.
[0065]
  Further, since the oil tank 40 is disposed on the outer side of the engine body 1, the overall height of the engine E can be greatly reduced, and a part of the timing transmission device 22a is housed in the oil tank 40, so that the engine The increase in the lateral width of E can be suppressed as much as possible, and the size can be reduced.
[0066]
  The present invention is not limited to the above-described embodiments, and various design changes can be made without departing from the scope of the gist thereof. For example, the number and installation locations of the oil suction pipes 75 and 76 and the suction orifices 80 and 81a can be freely selected. Alternatively, the partition 79 can be welded to the lower surface of the partition plate 65 to form the oil recovery chamber 74 below the partition plate 65. In this case, the oil suction pipe 75 and the oil suction pipe 76 are integrally formed on the partition body 79 and the partition plate 65, respectively.
[0067]
  Instead of the one-way valve 61, a rotary valve that operates so as to be connected to the crankshaft 13 when the piston 15 is lowered and shut off when the piston 15 is raised may be provided.
[0068]
【The invention's effect】
  As described above, according to the present invention,DIn the engine valve mechanism,FAn annular seal groove is formed on the lower end surface of the lid cover, and the annular packing is attached to the annular seal grooveFormed in the engine bodyAnnular seal bead on the outside of the support wallInPressure weldingThe support wall is formed with a through hole whose outer opening end is covered by the head cover, and can be inserted into the engine body from the through hole before the head cover is attached to the cylinder head. A cam is rotatably supported at an intermediate portion of a support shaft that is rotatably supported by the bottomed hole and the through-hole, and an inner surface of a head cover coupled to the cylinder head is attached to the shaft to prevent the support shaft from coming off. Opposed to the outer end of the spindleTherefore, the cam and the support shaft can be rotated individually, and during rotation of the cam by the timing transmission device, the rotation speed difference between the cam and the support shaft is reduced by dragging by friction and rotating the support shaft. Therefore, it is possible to reduce the wear of the rotary sliding portion, and therefore, it is possible to contribute to the improvement of the durability of the cam and the support shaft without using a special material or surface treatment.Further, since the inner surface of the head cover is opposed to the outer end of the support shaft, the support of the support shaft is prevented by the head cover.
[0069]
  According to a second aspect of the present invention, a driven pulley of the timing transmission device, which is supported on the support shaft together with the cam, is integrally formed on the cam, and the timing transmission device is lubricated. Since oil was stored in an oil tank that contained oil slinger that stored the oil and scattered, the oil scattered by the oil slinger in the oil tank lubricated not only the timing transmission device but also the cam. Can do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an example of use of a four-cycle engine of the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal side view of the four-cycle engine.
3 is a cross-sectional view taken along line 3-3 in FIG.
4 is a cross-sectional view taken along line 4-4 of FIG.
FIG. 5 is an enlarged cross-sectional view of the main part of FIG.
6 is an exploded view of the main part of FIG.
7 is a cross-sectional view taken along line 7-7 in FIG.
8 is a cross-sectional view taken along line 8-8 in FIG.
9 is a cross-sectional view taken along line 9-9 in FIG.
10 is a view taken along arrow 10-10 in FIG. 5 (a bottom view of the head cover).
11 is a sectional view taken along line 11-11 in FIG.
FIG. 12 is a lubrication route diagram of the engine.
FIG. 13 is a view corresponding to FIG. 4, showing the engine in an inverted state.
14 is a view corresponding to FIG. 4, showing the engine on its side.
[Explanation of symbols]
E ... Engine
1 ... Engine body
8 ... Cylinder head
13 ... Crankshaft
18i ... Intake valve
18e ... Exhaust valve
22 .... Valve mechanism
22a ... Timing transmission device
22b... Cam device
23 ... Drive pulley
24 .. Driven pulley
26 .... Cam
27 ... Support wall
28a ... through hole
28b ... Bottom hole
29 .... Spindle
36... Head cover
40 ... Oil tank
56a, 56b ... Oil slinger
87... Annular seal bead
88a ... Annular seal groove
89a ... Ring packing

Claims (2)

クランク軸(13)に連結される調時伝動装置(22a)と、この調時伝動装置(22a)の被動側に連結したカム(26)を有し、このカム(26)の回転力を開閉力として吸気及び排気弁(18i,18e)に伝達するカム装置(22b)とからなる、エンジンの動弁機構において、
ンジン本体(1)のシリンダヘッド(8)が結合されるヘッドカバー(36)の下端面に環状シール溝(88a)を形成すると共に、この環状シール溝(88a)に装着される環状パッキン(89a)を、エンジン本体(1)に形成される支持壁(27)の外側に設けた環状シールビード(87)圧接させ、
前記支持壁(27)には、ヘッドカバー(36)により外側の開口端が覆われる貫通孔(28a)を形成し、
ヘッドカバー(36)のシリンダヘッド(8)への取付け前に前記貫通孔(28a)からエンジン本体(1)内に挿入可能であって両端がエンジン本体(1)の底付き孔(28b)及び前記貫通孔(28a)にそれぞれ回転自在に支承される支軸(29)の中間部に前記カム(26)を回転自在に支承すると共に、その支軸(29)の抜け止めのために、シリンダヘッド(8)に結合したヘッドカバー(36)の内面を該支軸(29)の外端に対向させたことを特徴とする、エンジンの動弁機構。
It has a timing transmission device (22a) connected to the crankshaft (13) and a cam (26) connected to the driven side of the timing transmission device (22a), and opens and closes the rotational force of the cam (26). In a valve operating mechanism of an engine comprising a cam device (22b) that transmits force to intake and exhaust valves (18i, 18e) as force,
The lower end face of the head cover (36) to engine cylinder head of the main body (1) (8) is coupled so as to form an annular seal groove (88a), an annular packing (89a to be mounted on the annular seal groove (88a) ) and is pressed against the annular seal bead (87) provided on the outside of the support wall formed in the engine body (1) (27),
The support wall (27) is formed with a through hole (28a) whose outer opening end is covered by the head cover (36),
Before attaching the head cover (36) to the cylinder head (8), the head cover (36) can be inserted into the engine body (1) from the through hole (28a), and both ends of the bottom cover hole (28b) of the engine body (1) and the above-mentioned The cam (26) is rotatably supported at an intermediate portion of a support shaft (29) that is rotatably supported in each of the through holes (28a), and a cylinder head is provided to prevent the support shaft (29) from coming off. A valve operating mechanism for an engine, characterized in that the inner surface of the head cover (36) coupled to (8) faces the outer end of the support shaft (29) .
請求項1記載のエンジンの動弁機構において、
前記カム(26)に、このカム(26)と共に前記支軸(29)に支承される、前記調時伝動装置(22a)の被動プーリ(24)を一体的に形成し、この調時伝動装置(22a)を、潤滑オイル(O)を貯留すると共にそのオイルを飛散させるオイルスリンガ(56a,56b)を収容したオイルタンク(40)内に臨ませたことを特徴とする、エンジンの動弁機構。
The valve operating mechanism for an engine according to claim 1,
A driven pulley (24) of the timing transmission device (22a), which is supported by the cam (26) and the support shaft (29), is integrally formed on the cam (26). (22a) is made to face the oil tank (40) which stored the oil slinger (56a, 56b) which stores lubricating oil (O) and disperses the oil, The valve operating mechanism of the engine characterized by the above-mentioned .
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