JP4370409B2 - がんの予後予測方法 - Google Patents
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特許文献2では、56種類の遺伝子の発現状態を測定することにより、乳癌の予後を高い精度で予測できることを示しているが、乳癌に対する予後に限定されている。また、特許文献3では、癌抑制遺伝子であるp53遺伝子により産生されるp53の状態を測定することにより、癌の診断を行うことを提案しているが、予後の予測に関する提案は行っていない。これまでp53遺伝子変異に関して多くの報告があるが、報告された変異には5〜10 %で検出の際のエラーや表記ミスがあるとされている(非特許文献5,6)。従って、p53遺伝子の変異の有無を予測する遺伝子発現ファイルを作成するためには、p53遺伝子変異の検出を最大限として、偽陰性と偽陽性を最小限に抑えることが必要である。
即ち、本発明の第一の態様として、以下の工程:
(1)腫瘍組織/腫瘍細胞における表1中の任意の遺伝子群(「表1中の番号、「Genbank」及び「Common name」で特定された70個から成る遺伝子群」を意味する。以下、同様)の発現量を測定し、
(2)該発現量から得られた遺伝子発現プロファイルと、予め求めたp53遺伝子の病的変異型及び野生型(以下、「非病的変異型」も含む)の遺伝子発現プロファイルとの間の相関係数を求め、
(3)相関係数のより大きい方の型の遺伝子発現プロファイルに得られた遺伝子発現プロファイルを帰属させることから成る、該腫瘍組織/腫瘍細胞におけるp53遺伝子の病的変異の有無の検出方法に係る。
(1)腫瘍組織/腫瘍細胞における表1中の任意の遺伝子群の発現量を測定し、
(2)該発現量から得られた遺伝子発現プロファイルと、予め求めたp53遺伝子の病的変異型及び野生型の遺伝子発現プロファイルとの間の相関係数を求め、
(3)相関係数のより大きい方の型の遺伝子発現プロファイルに得られた遺伝子発現プロファイルを帰属させ、
(4)病的変異型の遺伝子発現プロファイルの場合には予後が不良であり、野生型の遺伝子発現プロファイルの場合には予後が良好であると決定することから成る、癌の予後の予測方法に係る。
発現レベルの解析はそうしたシグナル強度の比較によって行う。これには「検査試料中の遺伝子の発現強度」対「対照試料中の遺伝子の発現強度」の比率行列を生成させるのが最善である。
本発明は既存の測定法により得られた発現量を統計的に処理することによって、高精度で癌患者の予後を予測が可能となる特定の遺伝子の発現プロファイルを見いだしたことに基くものである。
遺伝子発現プロファイルはまた、様々な方法で表示することができる。最も一般的な方法は、列が検査試料を、そして行が遺伝子をそれぞれ示すグラフィカル・デンドグラム(graphical dendogram)に、比率行列を配列させる方法である。データは、類似の発現プロファイルを示す遺伝子が互いに近接するように配列される。各遺伝子の発現比率は色で視覚化される。たとえば1未満の比率(下方調節を示す)はスペクトルの青色部分に、また1を超える(上方調節を示す)比率はスペクトルの赤色部分に、それぞれ現れるようにしてもよい。そうしたデータ表示には商業上利用可能なコンピュータソフトウェアたとえばSilicon Genetics, Inc.の“GENESPRING”、およびPartek, Inc.の“DISCOVERY”や“INFER”などを利用できる。
平成12年3月より平成14年11月までに東北大学医学部付属病院乳腺・内分泌外科で手術を行った浸潤性乳管癌40症例(医学系研究科倫理委員会の承認を受け、本人よりインフォームド・コンセントが得られたもの)を対象とした。患者の全40症例の背景を表2に示す。年齢は30〜78歳 (平均58.45歳) 、閉経前が17例、閉経後が23例であった。ERは陽性30例、陰性10例、プロゲステロンレセプター(PR)は陽性35例、陰性5例であった。陽性例のうちTotal scoreが5以上 (中等度以上の陽性)となるものはER、PRともに25例あった。また陰性例のうちTotal scoreが0となるものはERで8例、PRで4例あった。HER2は0+が7例、1+が16例、2+が11例、3+が6例であった。
乳癌腫瘍組織の採取・保存
使用した腫瘍組織は、手術にて摘出された腫瘍組織の一部であり、液体窒素にて急速凍結後、-80℃にて保存した。残りの腫瘍組織は病理組織検査用に10%ホルマリン固定し、パラフィンに包埋した。
-80℃にて保存された凍結組織をWhite Tissue-Coat (ユーアイ化成社)に包埋し、ドライアイスを入れて冷却したn-ヘキサン中で凍結させた。包埋した組織を凍結ミクロトームにて厚さ20μmに薄切し、Poly-L-Lysine液 (Sigma社)でコートしたフォイル付きスライドガラス (Leica社) に貼り付けた。氷冷したエタノール/酢酸= 19 : 1 溶液で3分間固定を行った後、氷冷したdiethylpyrocarbonate水 (以下、DEPC水)で1分間洗浄した。氷冷した0.1% Toluidine blue (Chroma社) で3分間染色の後、再び氷冷したDEPC水で2回洗浄し、ドライヤーの冷風にて乾燥させた。作成した凍結組織切片はマイクロダイセクションを行うまで-80℃にて保存した。
作成した凍結組織切片をレーザーマイクロダイセクションシステム (ライカAS LMDシステム: Leica社) にてマイクロダイセクションを行った。切片中で間質、炎症性細胞が少ない腫瘍細胞の集塊の部分をレーザーにて切り抜き、RNA抽出用はRNeasy Micro Kit (Qiagen社) のbuffer RLT (2-Melcaptoethanol 1%を含む) 50μlに、DNA抽出用はDNeasy Tissue Kit (Qiagen社) のBuffer ATL 50μlに回収した。
RNeasy Micro Kit (Qiagen社) を用いてマイクロダイセクションした腫瘍組織 (約2 x 104〜5細胞) よりtotal RNAを抽出した。抽出したRNAは、すべてバイオアナラザ (Agilent社) を用いて18s、28sのribosomal RNAのピークの面積比により分解のないことを確認した。
RNA同様に、マイクロダイセクションした腫瘍組織 (5 x 103〜4細胞) よりDNeasy Tissue Kit (Qiagen社) を用いて腫瘍細胞のgenomic DNAを抽出した。各検体20〜200ng程度のgenomic DNAを抽出した。
マイクロダイセクションにて抽出した腫瘍細胞のgenomic DNAを用いてp53遺伝子のエクソン4からエクソン8のシークエンス解析を行った。エクソン4内のコドン72の多型を評価後、それ以外の塩基配列変化がある場合は病的変異の種類によって次のように評価した。すなわち、ミスセンス病的変異が見つかった場合はその病的意義を既知の転写機能評価データベース(Kato, S., Han, S. Y., Liu, W., Otsuka, K., Shibata, H., Kanamaru, R., and Ishioka, C. Understanding the function-structure and function-mutation relationships of p53 tumor suppressor protein by high-resolution missense mutation analysis. Proc Natl Acad Sci U S A, 100: 8424-8429, 2003)に基づき評価し、転写活性が失われている場合は「病的変異」とした。タンパク切断型病的変異(ナンセンス病的変異、フレームシフト病的変異)とスプライシング部位の病的変異は翻訳された場合、p53がDNA結合ドメインやオリゴマー形成ドメインを欠くことが予測されるので、これらの変異も「病的変異」とした。
パラフィン固定した腫瘍組織に対して、Monoclonal Mouse Anti-Human p53 Protein (Biomeda社)を用いて p53の免疫組織染色を実施した。各標本から厚さ1.5μmの切片を作成し、キシレンにて脱パラフィン後、内因性ペルオキシダーゼ処理 (10%H2O2メタノール溶液)し、蒸留水にて洗浄後、p53は電子レンジで、その他はオートクレーブで前処理した。共にクエン酸buffer (10mMクエン酸、pH6.0) を用いて、電子レンジで15分、オートクレーブでは121℃で5分間加熱した。その後PBSにて洗浄、非特異的反応阻止の後、各1次抗体と4℃、over nightで反応した。1次抗体反応後、PBSにて洗浄 (5分を3回)し、2次抗体と30分の反応を行った。2次抗体はヒストファインキット (ニチレイ社) が使用したが、PR (Chenicon社)のみはENVISION+ (Dako社)を用いた後 (ヒストファインキットでは2次抗体に10%ヒト血清を加えて反応を行った後、PBSにて洗浄 (5分を3回) 後、ストレプトアビジンに30分間反応が行われた。)、再びPBSにて洗浄 (5分を3回)後、発色 (DAB 30mg + 10%アジ化ナトリウム 667μl + 50mM Tris Buffer (pH7.6))した。その後PBSで洗浄、ヘマトキシリン液にて核染色した。Hercep Testは付属のマニュアルに従って行った。
(1) 対照RNAプールの作成
各検体から抽出したtotal RNAを等量ずつ混合して対照RNAプールを作成した。
(2) 遺伝子プローブのラベリング
各遺伝子プローブはRediprime II DNA labeling system (Amersham Bioscience社) を用いて32P-dCTPにてラベリングを行った。
(3) ハイブリダイゼーション
対象RNAプールと各検体から抽出したtotal RNAを2.2Mホルムアルデヒド、50%ホルムアミド、1x MOPS buffer液にて65℃、15分加熱した後、1%アガロースゲル(2.2M ホルムアルデヒド、1x MOPS buffer)にて電気泳動を行った。50mM NaOH溶液中で25分間震盪し、200mM 酢酸ナトリウム液にて20分間震盪を2度繰り返した後、Hydrobond N+ (Amersham Bioscience社)に12時間転写を行った。50mM NaOH溶液を含ませた濾紙上に5分静置してアルカリ固定を行い、2x SSC溶液で洗浄を行った。その後、80℃で2時間乾燥させ、トランスイルミネーターを用いてUVクロスリンクを行った。
転写を行ったメンブランをプレハイブリダイゼーション溶液 (5x SSPE、50%ホルムアミド、5x Denhalt’solution、0.5% SDS、20μg/ml salmon sperm DNA) に浸し、60℃にて1時間プレハイブリダイゼーションを行った。その後、熱変性を行ったラベル化プローブを入れ、60℃で17時間ハイブリダイゼーションを行った。
ハイブリダイゼーションの後、一次洗浄液 (2x SSPE、0.1% SDS)にて10分間 (室温)、二次洗浄液 (1x SSPE、0.1% SDS) にて20分間 (60℃)の洗浄をそれぞれ2回ずつ行った。三次洗浄液 (0.1x SSPE、0.1% SDS) にて20分間 (60℃) 洗浄を行った後、-80℃にてオートラジオグラフィーを行った。オートラジオグラフィーの結果をデンシトメーターにて数値化した。
p53遺伝子変異の検出
p53遺伝子のエクソン4〜8でシークエンス解析を行った結果、全40例中20例 (50%) で病的変異が見つかった (表5)。病的変異の見つかった20例はミスセンス病的変異12種類、計13例(内2例はヘテロ接合性)、ナンセンス病的変異3例、フレームシフト病的変異 (2塩基欠失) 2例、スプライシング部位の病的変異2例であった。エクソン4〜8に病的変異の見つからなかった検体にはさらにエクソン2、3、9〜11のシークエンス解析を追加したが、新たに病的変異は見つからなかった。病的変異は全てDNA結合ドメインにマップされた。病的変異の見つかったエクソンと症例数は、エクソン4に1例、エクソン5に6例、エクソン6に5例、エクソン7に7例、エクソン8に1例であった。
免疫染色によりp53遺伝子における変異解析の結果をタンパクの発現レベルから確認する目的でp53の免疫染色を行った。切片中にある腫瘍全体の10%以上の核に染まるものを陽性として判定した結果、陽性14例、陰性25例であった (表6及び図1、計39例の結果。野生型の1例でデータ得られず。)。この中でミスセンス変異例ではすべて陽性、非ミスセンス変異例ではすべて陰性であった。
解析対象とした70遺伝子を表7に示した。
GAPDH(グリセルアルデヒドリン酸脱水素酵素)を内部標準として、各検体間の遺伝子発現量の標準化を行った。各遺伝子の発現は対照RNAプールの発現量を基準とし、各検体ごとに発現量の比として算出した。検体を遺伝子発現プロファイル作成のためのlearning set (26例) 検証のためのtest set (12例) の2群に分けた。なお、ヘテロ接合性ミスセンス変異の2例は癌細胞のp53の機能が残存している可能性があるので解析対象から除外した。leaning set(病的変異型症例12例、野生型症例14例)を用いて各型の発現値の平均を算出し、これを病的変異型、野生型それぞれの遺伝子発現プロファイルとした。leaning setにおける病的変異型発現プロファイルとして病的変異型群発現比を、野生型遺伝子発現プロファイルとして野生型群発現比を表7に示した。
全ての遺伝子セットについて、leaning setの予測的中率は100%であった。また全ての遺伝子セットについて、test setの予測的中率は75.0 %以上であった。特に(g)〜(h)以外の遺伝子セットの予測的中率は88.3%であった。
この結果より、表1中の70遺伝子中から選択した任意の遺伝子群の発現量を測定することにより、p53遺伝子における病的変異を75.0%以上の精度で検出(予測)できることが確認された(表8)。
(1)実施例1の症例について、本発明の予後予測の正確性を検討した。すなわち、表2の乳癌患者のうち、病期I〜IIBの早期乳癌患者29名(32名のうち、他病死した1名とヘテロ接合性変異の2名を除外した)を表8(b)の33遺伝子の発現パターンに基づき、野生型予測群(ローリスク群)15名と病的変異型予測群(ハイリスク群)14名に分け、経過観察をおこない、その無再発生存(Recuurence free survival)期間に関するカプランマイヤー曲線を作成した(図2)。これまでのところ、再発例は全てハイリスク群であり、ローリスク群からの再発例はない。また、ローリスク群とハイリスク群とにほぼ二等分されており、理想的に層別されている。さらに5年足らずの短期間にもかかわらず、P値として0.0322と非常に小さい値を示しており、予後予測の精度の高さを示している。
本予測方法の再現性を第三者のマイクロアレイデータを用いて検証することにした。即ち、Van’t Veerらは、78症例の早期乳癌患者を対象にしたマイクロアレイデータを公開している(非特許文献3)。公開されている約24,000遺伝子の発現データには、表2の70遺伝子のうち、46遺伝子(表9(a)で「○」付された遺伝子)が含まれている。
遺伝子セットには表9に示したようにそれぞれ(a)46個、(b)25個、(c)9個、(d)21個、(e)7個、(f)10個、(g)10個、(h)10個の8種類の遺伝子セットを用いた。この結果、(a)、(c)、(f)、(g)、(h)では予測されたp53遺伝子の病的変異の有無によって予後に統計学的に有意な差が認められた。また(b)、(d)、(e)でも統計学的には有意とは言えないものの、P値として0.0532〜0.0754と非常に小さい値となった。第三者のデータを用いているにもかかわらず、優れた再現性を示していると言える。
図3B:(e)mt 43 wt 35、(f)mt 36 wt 42、(g)mt 39 wt 39、(h)mt 42 wt 36
図3C:(a)mt 18 wt 29 np 31、(b)mt 15 wt 29 np 34、(c)mt 3 wt 6 np 69、(d)mt 12 wt 8 np 58
Claims (12)
- 以下の工程:
(1)乳癌組織/乳癌細胞における以下の70個の全ての遺伝子群:
CENPF(配列番号29)、ASPM(配列番号30)、PKMYT1(配列番号31)、BIRC5(配列番号32)、HSPC150(配列番号33)、CDCA8(配列番号34)、ANAPC7(配列番号35)、UBE2C(配列番号36)、PTTG1(配列番号37)、LOC51161(配列番号38)、TGS(配列番号39)、BCL11A(配列番号40)、PLK(配列番号41)、CDC45L(配列番号42)、CENPE(配列番号43)、PTP4A2(配列番号44)、C10orf3(配列番号45)、STMN1(配列番号46)、FLJ11280(配列番号47)、FLJ14399(配列番号48)、CCNB2(配列番号49)、FLJ10719(配列番号50)、PRC1(配列番号51)、KIF2C(配列番号52)、HIS1(配列番号53)、BF930764(配列番号54)、MUTYH(配列番号55)、MGC45866(配列番号56)、MGC7036(配列番号57)、SULF2(配列番号58)、MAPRE1(配列番号59)、MKNK2(配列番号60)、RPS27L(配列番号61)、TMSNB(配列番号62)、TTC12(配列番号63)、HCAP-G(配列番号64)、CEAL1(配列番号65)、FLJ33962(配列番号66)、GMNN(配列番号67)、ENST00000332343(配列番号68)、HEC(配列番号69)、GMPR2(配列番号70)、TncRNA(配列番号71)、SMOC2(配列番号72)、DNAJC9(配列番号73)、RAD54B(配列番号74)、CKS2(配列番号75)、I_960269(配列番号76)、BAG1(配列番号77)、AL137566(配列番号78)、BRRN1(配列番号79)、CDC2(配列番号80)、ZF(配列番号81)、THC1577090(配列番号82)、CDKN2C(配列番号83)、I_1842252(配列番号84)、SDOS(配列番号85)、SNAPC2(配列番号86)、EVI2A(配列番号87)、V4b(配列番号88)、BC007934(配列番号89)、ECT2(配列番号90)、RAD21(配列番号91)、MCM7(配列番号92)、AK097469(配列番号93)、MGC39900(配列番号94)、FLJ21439(配列番号95)、STATIP1(配列番号96)、DKFZp434L142(配列番号97)、及び、PLAT(配列番号98)、又は、
配列番号29〜34,36〜38,40〜47,49、51〜53,55,59〜62,64,67,69,70,72,74,75,77,78,80,81,83,86,87,90〜92,96〜98で示される46個の遺伝子群の中の任意の10個以上の遺伝子群、の発現量を測定し、
(2)該発現量から得られた遺伝子発現プロファイルと、予め求めたp53遺伝子の病的変異型及び野生型の遺伝子発現プロファイルとの間の相関係数(Peason's correlation coefficient)を求め、
(3)相関係数のより大きい方の型の遺伝子発現プロファイルに得られた遺伝子発現プロファイルを帰属させ、但し、相関係数におけるP値が0.05以上の場合にはp53遺伝子の病的変異の有無の検出不可能として除外する、ことから成る、該乳癌組織/乳癌細胞におけるp53遺伝子の病的変異の有無の検出方法。 - 配列番号29〜34,36〜38,40〜47,49、51〜53,55,59〜62,64,67,69,70,72,74,75,77,78,80,81,83,86,87,90〜92,96〜98で示される46個の遺伝子群中の任意の25個以上の遺伝子を使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 配列番号29〜34,36〜38,40〜47,49、51〜53,55,59〜62,64,67,69,70,72,74,75,77,78,80,81,83,86,87,90〜92,96〜98で示される46個の遺伝子群中の任意の33個以上の遺伝子を使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 使用する全ての遺伝子の病的変異型発現プロファイル及び野生型発現プロファイルにおける発現量の差の有意性を示すP値が0.05より小さいことを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
- 請求項1に記載された70個の遺伝子から選択された以下に示す遺伝子群(a), (c), (f), (g)及び (h)のいずれか一つ:
(a) 配列番号29〜34,36〜38,40〜47,49、51〜53,55,59〜62,64,67,69,70,72,74,75,77,78,80,81,83,86,87,90〜92,96〜98で示される46個の遺伝子群;
(c) 配列番号29〜34及び36〜38で示される9個の遺伝子群;
(f) 配列番号80,81,83,86,90〜92,96〜98で示される10個の遺伝子群;
(g) 配列番号29,34,41,46,53,62,72,80,90及び98で示される10個の遺伝子群; 並びに
(h) 配列番号32,41,51,53,55,62,64,77,80及び98で示される10個の遺伝子群、の発現量を測定し、
(2)該発現量から得られた遺伝子発現プロファイルと、予め求めたp53遺伝子の病的変異型及び野生型の遺伝子発現プロファイルとの間の相関係数(Peason's correlation coefficient)を求め、
(3)相関係数のより大きい方の型の遺伝子発現プロファイルに得られた遺伝子発現プロファイルを帰属させることから成る、該乳癌組織/乳癌細胞におけるp53遺伝子の病的変異の有無の検出方法。 - 以下の工程:
(1)乳癌組織/乳癌細胞における以下の70個の全ての遺伝子群:
CENPF(配列番号29)、ASPM(配列番号30)、PKMYT1(配列番号31)、BIRC5(配列番号32)、HSPC150(配列番号33)、CDCA8(配列番号34)、ANAPC7(配列番号35)、UBE2C(配列番号36)、PTTG1(配列番号37)、LOC51161(配列番号38)、TGS(配列番号39)、BCL11A(配列番号40)、PLK(配列番号41)、CDC45L(配列番号42)、CENPE(配列番号43)、PTP4A2(配列番号44)、C10orf3(配列番号45)、STMN1(配列番号46)、FLJ11280(配列番号47)、FLJ14399(配列番号48)、CCNB2(配列番号49)、FLJ10719(配列番号50)、PRC1(配列番号51)、KIF2C(配列番号52)、HIS1(配列番号53)、BF930764(配列番号54)、MUTYH(配列番号55)、MGC45866(配列番号56)、MGC7036(配列番号57)、SULF2(配列番号58)、MAPRE1(配列番号59)、MKNK2(配列番号60)、RPS27L(配列番号61)、TMSNB(配列番号62)、TTC12(配列番号63)、HCAP-G(配列番号64)、CEAL1(配列番号65)、FLJ33962(配列番号66)、GMNN(配列番号67)、ENST00000332343(配列番号68)、HEC(配列番号69)、GMPR2(配列番号70)、TncRNA(配列番号71)、SMOC2(配列番号72)、DNAJC9(配列番号73)、RAD54B(配列番号74)、CKS2(配列番号75)、I_960269(配列番号76)、BAG1(配列番号77)、AL137566(配列番号78)、BRRN1(配列番号79)、CDC2(配列番号80)、ZF(配列番号81)、THC1577090(配列番号82)、CDKN2C(配列番号83)、I_1842252(配列番号84)、SDOS(配列番号85)、SNAPC2(配列番号86)、EVI2A(配列番号87)、V4b(配列番号88)、BC007934(配列番号89)、ECT2(配列番号90)、RAD21(配列番号91)、MCM7(配列番号92)、AK097469(配列番号93)、MGC39900(配列番号94)、FLJ21439(配列番号95)、STATIP1(配列番号96)、DKFZp434L142(配列番号97)、及び、PLAT(配列番号98)、又は、
配列番号29〜34,36〜38,40〜47,49、51〜53,55,59〜62,64,67,69,70,72,74,75,77,78,80,81,83,86,87,90〜92,96〜98で示される46個の遺伝子群の中の任意の10個以上の遺伝子群、の発現量を測定し、
(2)該発現量から得られた遺伝子発現プロファイルと、予め求めたp53遺伝子の病的変異型及び野生型の遺伝子発現プロファイルとの間の相関係数(Peason's correlation coefficient)を求め、
(3)相関係数のより大きい方の型の遺伝子発現プロファイルに得られた遺伝子発現プロファイルを帰属させ、但し、相関係数におけるP値が0.05以上の場合には癌の予後の予測不可能として除外する、
(4)病的変異型の遺伝子発現プロファイルの場合には予後が不良であり、野生型の遺伝子発現プロファイルの場合には予後が良好であると決定することから成る、乳癌の予後の予測方法。 - 配列番号29〜34,36〜38,40〜47,49、51〜53,55,59〜62,64,67,69,70,72,74,75,77,78,80,81,83,86,87,90〜92,96〜98で示される46個の遺伝子群中の任意の25個以上の遺伝子を使用することを特徴とする、請求項6記載の方法。
- 配列番号29〜34,36〜38,40〜47,49、51〜53,55,59〜62,64,67,69,70,72,74,75,77,78,80,81,83,86,87,90〜92,96〜98で示される46個の遺伝子群中の任意の33個以上の遺伝子を使用することを特徴とする、請求項6記載の方法。
- 使用する全ての遺伝子の病的変異型発現プロファイル及び野生型発現プロファイルにおける発現量の差の有意性を示すP値が0.05より小さいことを特徴とする、請求項7又は8に記載の方法。
- 請求項6に記載された70個の遺伝子から選択された以下に示す遺伝子群(a), (c), (f), (g)及び (h)のいずれか一つ:
(a) 配列番号29〜34,36〜38,40〜47,49、51〜53,55,59〜62,64,67,69,70,72,74,75,77,78,80,81,83,86,87,90〜92,96〜98で示される46個の遺伝子群;
(c) 配列番号29〜34及び36〜38で示される9個の遺伝子群;
(f) 配列番号80,81,83,86,90〜92,96〜98で示される10個の遺伝子群;
(g) 配列番号29,34,41,46,53,62,72,80,90及び98で示される10個の遺伝子群; 並びに
(h) 配列番号32,41,51,53,55,62,64,77,80及び98で示される10個の遺伝子群、の発現量を測定し、
(2)該発現量から得られた遺伝子発現プロファイルと、予め求めたp53遺伝子の病的変異型及び野生型の遺伝子発現プロファイルとの間の相関係数(Peason's correlation coefficient)を求め、
(3)相関係数のより大きい方の型の遺伝子発現プロファイルに得られた遺伝子発現プロファイルを帰属させ、
(4)病的変異型の遺伝子発現プロファイルの場合には予後が不良であり、野生型の遺伝子発現プロファイルの場合には予後が良好であると決定することから成る、乳癌の予後の予測方法。 - 請求項1に記載の70個の遺伝子群から選択した各遺伝子の少なくとも一部の数十塩基対の塩基配列から成るポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法に用いることが出来るキット。
- ポリヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドが標識されていることを特徴とする、請求項11記載のキット。
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