JP4369566B2 - 連続鋳造における鋳片切断方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に切り捨てロスの発生量が少なく、しかも切断長さが上限値側に均一化された、即ち単質が上限値側にほぼ均しいビレットを採取し得るようにした連続鋳造における鋳片切断方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上位の生産管理システムから発行されるチャージ単位のブルームの製造計画においては、連続鋳造設備で連続鋳造される鋳片の切断位置をブルーム切断計画のみによって決定して切断していた。より具体的には、連続鋳造段階で発生する湯余り量または湯不足量を調整するときには、各ブルームの切断許容範囲内だけで調整を行い、連続鋳造された鋳片から無駄なくブルームを採取し、ブルーム段階において如何に歩留りを向上させるかということに重点をおいて切断するのが一般的である。このような連続鋳造における鋳片切断方法としては、例えば特開平3−27853号公報に開示されてなるものが公知である。
【0003】
以下、上記従来例1に係る鋳片切断方法を、これを実施する装置の模式的構成説明図の図7を参照しながら同明細書に記載されている同一名称を以て、鋳片から3本のブルームを採取する場合を例として説明すると、タンディッシュ1から溶融金属をモールド2に注湯し、冷却されてモールド2から引き出された鋳片3上に長さLaの品質異常部10が発見されると、プロセス制御装置7の信号を受け取った切断制御装置8が鋳片3の良片部長さLを算出し、この良片部長さLがブルームS1 ,S2 ,S3 の計画切断長さの下限値L1 ,L2 ,L3 を合計した下限加算値aT 以上であるか否かを判定する。そして、L≧aT の場合には計画通りの本数のブルームを採取し、L<aT の場合には計画本数より1本削減した本数のブルームを採取するように切断装置6を制御するもので、このとき各ブルーム(鋳片S)の基準長さの合計値と鋳片3の良片部長さLとの差値ΔLを算出し、この差値ΔLを採取する各ブルームS1 ,S2 ,S3 に振り分けるようにしたものである。これにより、余材の発生を防止し、ブルームの採取率を向上させることができる。
【0004】
また、特開平9−94646号公報には連続鋳造における鋳片切断制御方法が開示されている。この従来例2に係る鋳片切断制御方法は、上記従来例1に係る問題点、つまりブルームの長さの許容範囲内での調節によるブルーム採取率あるいは歩留り損失の最小を評価するが、この評価項目が不十分であるという問題を解決するためになされたものである。即ち、この従来例2に係る鋳片切断制御方法は、ブルームを採取するために連続鋳造された鋳片を切断する際、未切断の鋳片の長さに対して、指定長、二次切断回数、切断残屑、指定長本数等の鋳造条件、鋼種に関する因子に重み付けをした評価関数を作成する。そして、この評価関数が最大となる鋳片長さを求める最適化手法として、指定長と指定長ではないが、これから注文が想定される幾つかの長さとを遺伝子情報とする遺伝アルゴリズムを用いるようにしたものである。これにより、鋳片屑の最小化を図ることができて歩留りが向上し、また遺伝アルゴリズムを用いることにより極めて短時間で最適解を演算することができ、切断効率の向上を図ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例1または2に係る鋳片切断方法または鋳片切断制御方法は何れもそれなりに有用であると考えられる。しかしながら、これら鋳片切断方法または鋳片切断制御方法では、ブルームの切断長さを許容範囲内で調整し、ブルームの採取率を向上させるか、あるいは鋼製品の歩留りを向上させるかであって、何れもブルーム切断指令情報がベースになっており、これらを線形計画法や遺伝アルゴリズム等、複雑な手法を用いて最適化計算するものであるため、切断に係る設備費に関して不利になるという解決すべき課題がある。
【0006】
また、湯余り量または湯不足量をブルーム単位で調整する手法であるため、湯余りまたは湯不足量が一部のブルームにしわ寄せされ、チャージ単位で見たときには必ずしも次工程の分塊工程における切断によりブルームから採取されるビレット(実際は、次工程の分塊工程で圧延されてビレットとなる。)が均一化されない状態となる。さらに、湯不足量があるときにブルームの採取率を重視した場合には、ブルームの切断本数は確保されるものの、次工程でのブルームの切断によって得られるビレットの切断長さが下限値側寄りとなるので、例えばビレットから線材を製造する場合において歩留りが低下するので必ずしも好ましくない。
【0007】
従って、本発明の目的は、従来例のように複雑な手法を用いるまでもなく、連続鋳造プロセスにおけるブルーム切断指令情報に、次工程の分塊工程で用いるビレット切断指令情報を加えることによって、湯余り量または湯不足量を吸収できない最終チャージであっても切り捨てロスの発生を少なくし、しかも上限値側に均一化された単質のビレット素材を採取することを可能ならしめる連続鋳造における鋳片の切断方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、従って上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る連続鋳造における鋳片切断方法が採用した手段の要旨は、連続鋳造された鋳片を、上位の生産管理システムから発行された各ブルームのブルーム切断指令情報に基づいて駆動される切断装置で切断して複数のブルームを採取する連続鋳造における鋳片切断方法において、前記ブルーム切断指令情報に、各ブルームから採取するビレット本数指令を含み、次工程の分塊工程で用いるビレット切断指令情報を追加した複合指令情報に基づいて、鋳片の良片部長さLと全ブルームの計画長さaとを比較して湯余り量または湯不足量を求め、L>aで湯余り量であるときにはブルームにビレット本数を追加し、またL<aで湯不足量であるときにはブルームのビレット本数を削減してビレット1本分未満の湯余り量に調整し、この湯余り量を未切断のブルームに均等配分して切断することを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る連続鋳造における鋳片切断方法が採用した手段の要旨は、請求項1に記載の連続鋳造における鋳片切断方法において、前記ブルームにビレット本数を追加するときにはブルームの上限値範囲内で追加し、またビレット本数を削減するときにはブルームの下限値範囲内で削減することを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に係る連続鋳造における鋳片切断方法が採用した手段の要旨は、請求項1または2に記載の連続鋳造における鋳片切断方法において、前記ブルームにビレット本数を追加するときには鋳片の下流側から上流側の順に未切断のブルームに1本ずつのビレットを追加し、またビレット本数を削減するときには鋳片の上流側から下流側の順に未切断のブルームからビレット本数を削減することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4に係る連続鋳造における鋳片切断方法が採用した手段の要旨は、請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の連続鋳造における鋳片切断方法において、前記未切断のブルームに均等配分される均等配分量は、各ブルームから採取されるビレットの切断長さが上限値側になるよう配慮されてなることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る連続鋳造における鋳片切断方法を、鋳片を鋳造している状態を示す連続鋳造設備の模式図の図1と、上位生産管理システムのブルーム切断指令情報に、次工程の分塊工程で用いるビレット切断指令情報を追加した複合指令情報を示す図の図2と、そのフローを示す図の図3と、湯余り量が発生した場合における調整を具体的に示す図の図4(a)〜(d)と、湯不足量が発生した場合における調整を具体的に示す図の図5(a)〜(d)と、ビレット採取時における歩留り説明図の図6とを順次参照しながら説明する。
【0014】
先ず、図1を参照しながら、鋳片を連続鋳造する連続鋳造設備の概要を説明すると、符号1は溶鋼鍋であって、この溶鋼鍋1の下方位置には、この溶鋼鍋1内の溶鋼が注湯されるタンディッシュ2が配設されている。このタンディッシュ2内の溶鋼がモールド3に注湯されると、注湯された溶鋼はモールド3内で一次冷却されて凝固を開始し、そしてモールド3から引き出された鋳片4は、図示しない二次冷却帯において強制冷却される。
【0015】
このようにして鋳造された鋳片4は、切断装置である切断トーチ5によって下流側から順次上流側に切断されて複数本のブルーム(この場合にはブルーム11〜15の5本のブルームが採取される。)が採取されるが、本発明では、特に、次工程の分塊工程において切捨てロスの発生量を少なくするために、適切な長さのビレットを採取することを可能ならしめる長さのブルームを採取することを狙いとし、連続鋳造された鋳片4からブルームを採取するに際しては、図2に示すように、ブルーム切断指令情報21に、各ブルームから採取するビレット本数指令を含み、次工程の分塊工程で用いるビレット切断指令情報22を追加した複合指令情報20を用いるようにしたものである。なお、図1に示されているように、連続鋳造された鋳片4の上流側とはモールド3側のことであり、鋳片4の下流側とは切断トーチ5側のことである。
【0016】
より詳しくは、連続鋳造された鋳片の良片部長さと全ブルームの計画長さとを比較した結果、湯余り量または湯不足量があるときには、各ブルーム11〜15のうちの一部のブルームの長さを調整するのではなく、前記ブルーム切断指令情報21とビレット切断指令情報22とからなる複合指令情報20に基づいて全ブルーム11,12,13,14,15の切断長さを変化させることにより、各ブルームを切断し、これら各ブルームを切断して得られる全ビレットA,B,B,B,Cの切断長さの均一化を図るものである。
【0017】
前記ブーム切断指令情報21は、例えば、最上流側のブルーム15の場合を例として説明すると、このブルーム15の「狙い長さ(計画長さ)」、長さの「上限値」および長さの「下限値」の3項目を含んでいる。また、ビレット切断指令情報22は、ビレットCの「狙い長さ」、長さの「上限値」、長さの「下限値」および「ビレット本数指令」の4項目を含んでいる。勿論、他のブルーム11〜14に対するブルーム切断指令情報とビレット切断指令情報とに含まれている項目内容も上記と同様のものである。なお、図2における各情報21,22の各数値は全くの一例を示すものであり、必要に応じて変更されるものである。
【0018】
これにより、湯余り量または湯不足量がある如何なる場合でも、上限値側の切断長さを有し、しかも切断長さの均一性に優れた単質のビレットを採取することを可能ならしめるブルームを得ることができる。そして、このようにして採取された各ブルームを次工程に移送するために、切断順、つまり最も下流側のブルーム11,その上流側のブルーム12‥‥15の順に図示しない台車に段積みされるが、少なくとも上段側に段積されたブルームは下段側のブルームよりも短く、段積みされたブルームは安定性に優れているので、ブルームの台車によるハンドリングの容易化に関して有利になるという効果が生じる。
【0019】
次に、図3を参照しながら、連続鋳造における鋳片切断方法のフローを説明すると、先ずステップ1において、ブルームの切断計算を行うための切断計算条件情報を読込んで、ステップ2に進む。なお、前記切断計算条件情報は、大きく分けると下記の2種類である。
・ 複合指令情報
上記のとおり、ブルーム切断指令情報(狙い長さ(計画長さ)、上限値、下限値)とビレット切断指令情報(狙い長さ、上限値、下限値、ビレット本数)とである。
(2)実績情報
連続鋳造された鋳片や設備に係るもので、鋳片の全長、鋳片の品質異常部、鋳片の良片部長さおよび設備制約長さ等の情報である。
【0020】
ステップ2において、実際に連続鋳造された鋳片から品質異常部の位置を抽出し、鋳片の良片部長さLを認識すると共に、この良片部長さLに対して、一旦全ブルームを計画長さa通りに振り当ててステップ3に進む。
【0021】
ステップ3において、Lとaとの大小を比較し、L>aである場合には湯余り量があると判断してステップ4に進み、またL<aである場合には湯不足量があると判断してステップ4′に進む。
【0022】
ステップ4において、湯余り量がビレット1本分以上の場合には、ブルームの上限値範囲内であって、かつ下流側の未切断のブルームから順に1本ずつビレット素材を追加していく。これは、ブルームを台車への積込み制約を考慮したものであって、長めのブルームから順に積み込みを行い、搬送時における段積みされたブルームの安定性の確保を狙いとしたものである。そして、ビレットを未切断のブルーム11,12の順に1本ずつ追加することにより、湯余り量がビレット1本分未満になるとステップ5に進む。
【0023】
一方、ステップ4′において、湯不足量がビレット1本分以上の場合には、台車への積込み制約を考慮しながら、上流側の未切断ブルームだけから、その下限値範囲内でビレット本数を削減し、湯余り量がビレット1本分未満になるとステップ5に進む。
【0024】
ステップ5において、それぞれのビレットの切断長さの上限値範囲内で、ビレット本数の追加または削減により確保された湯余り量を未切断のそれぞれのブルームに振り当てられているビレットの全てに対して均等配分する。
【0025】
このようにしてブルームの切断長さが設定されると共に、切断トーチ等の切断装置により切断されて連続鋳造された鋳片から複数本のブルームが採取される。そして、次工程の分塊工程における切断により、このようにして採取された各ブルームのそれぞれからビレットが採取されるが、ブルームを切断してビレットを採取するに際しては、鋳片を切断してブルームを採取するに際して用いた複合指令情報20のうちのビレット切断指令情報22が用いられる。
【0026】
次に、本発明の連続鋳造における鋳片切断方法の理解をより深めるために、湯余り量が生じた場合における本発明の鋳片切断方法を、図4(a)〜図4(d)を参照しながらより具体的に説明すると、図4(a)に示すように、実際に鋳造された鋳片4に対して、一旦全ブルームを計画長さ通りに振り当てたときに、湯余り量51が生じている。このように、湯余り量51が生じている場合には、図4(b)に示すように、ブルームの切断長さの上限値を考慮して最も下流側の未切断のブルーム11から順に1本ずつビレットを追加することによって、意図的にビレット1本分未満の湯余り量になるように調整する。この場合には、最も下流側の未切断のブルーム11に1本のビレットAを、またその上流側の未切断のブルーム12に1本のビレットBを追加した時点で、ビレットAまたはビレットBの1本分未満の湯余り量52になっている。
【0027】
ビレットの1本分未満の湯余り量52に調整されると、図4(c)に示すように、未切断のブルーム11〜15に振り当てられているビレットA,B,Cの全てに対して湯余り量52が均等配分されると共に、図4(d)に示すように、切断により上限値側の長さのブルーム11〜15が採取される。
【0028】
次いで、図示しない次工程の分塊工程において、所定寸法の断面形状になるように圧延された後に切断されたブルーム11および12のそれぞれから7本(計画本数は6本である。)ずつのビレットAおよびビレットBが採取されると共に、ブルーム13〜15から計画通りの本数のビレットB,BおよびビレットCが採取される。従って、複数のブルームのうち一部のブルームに対してしわ寄せられていた従来のブルームの切断許容範囲内における切断長さ調整とは異なり、湯余りであるにもかかわらず、次工程の分塊工程において各ブルームのそれぞれから切断長さが均一で、かつ上限値側の長さのビレットが採取される。
【0029】
次に、湯不足量が生じた場合における本発明の鋳片切断方法を、図5(a)〜図5(d)を参照しながらより具体的に説明すると、図5(a)に示すように、実際に鋳造された鋳片に対して、一旦全ブルームを計画長さ通りに振り当てたときに、湯不足量51′が生じている。このように、湯不足量51′が生じている場合には、図5(b)に示すように、最も上流側の未切断のブルーム15の長さの下限値を考慮して、この最も上流側の未切断のブルーム15からビレットCを1本ずつ削減することにより、意図的にビレットCの1本分未満の湯余り量に調整する。この場合には、最も上流側のブルーム15だけから2本のビレットCを削減した時点で、ビレットCの1本分未満の湯余り量52になっている。
【0030】
ビレットCの1本分未満の湯余り量52に調整されると、図5(c)に示すように、未切断のブルーム11〜15に振り当てられているビレットA,B,Cの全てに対して湯余り量52が均等配分されると共に、図5(d)に示すように、切断によりブルーム11〜15が採取される。
【0031】
次いで、図示しない次工程の分塊工程において、所定寸法の断面形状になるように圧延された後に切断されたブルーム11〜14からそれぞれ計画通りの本数のビレットが採取されると共に、ビレット本数2本分を削減した最も上流のブルーム15からは6本(計画本数は8本である。)のビレットCが採取される。
従って、複数のブルームのうち一部のブルームに対してしわ寄せられていた従来のブルームの切断許容範囲内における切断長さ調整とは異なり、湯不足であるにもかかわらず、次工程の分塊工程において各ブルームのそれぞれから切断長さが均一で、かつ上限値側の長さのビレットが採取される。
【0032】
つまり、ブルーム切断指令情報がベースになっていて、ブルームの切断長さを線形計画法や遺伝アルゴリズム等、複雑な手法を用いて最適化計算し、また湯余り量または湯不足量をブルーム単位で調整する従来例に係る鋳片切断方法や鋳片切断制御方法のように、湯余り量または湯不足量が一部のブルームにしわ寄せされるようなことがないので、チャージ単位で見たとき各ブルームから採取される全ビレットの切断長さが均一化されるという極めて優れた効果がある。
【0033】
因みに、本発明の技術的思想を適用して切断して得たブルームからビレットを採取した場合の歩留り(ブルームを分母とする。)は、上記のとおりビレットの長さが考慮されていて余材の発生がないので、図6に示すように、本発明の技術的思想を適用することなくブルーム切断指令情報のみを用いて切断して得たブルームからビレットを採取した場合の歩留りよりも、0.14%向上している。
【0034】
また、線材製造工程において、ビレットを加工して線材コイルを製造する場合には、線材加工をする前に、例えば寸法が40mm×40mmになるまで圧延して線素材とし、次いでこの線素材を加工して線材コイルを製造するという工程を経るが、線素材の両端部には圧延により欠陥が生じていて使用することができないので、所定長さずつ切断(スクラップとなる。)して欠陥部分を除去する。
ところが、本発明の技術的思想に基づいて切断されたブルームから採取されるビレットは上限値側であって切断長さが長いので、一部のブルームが下限値側にしわ寄せされることがある従来例に比較して、歩留りが向上(ビレット本数が同本数である場合)するという効果が生じる。
【0035】
即ち、本発明の技術的思想を適用して切断したブルームは後工程側における鋼製品の歩留りの向上に対して大いに寄与し得ることが判る。また、上記のようにブルームの切断長さを線形計画法や遺伝アルゴリズム等、複雑な手法を用いて最適化計算する必要がないので、従来例1または2よりも設備費に関して有利になるという優れた効果がある。
【0036】
なお、以上では、ビレット1本分以上の湯余り量または湯不足量がある場合を例として説明しが、湯余り量がビレット1本分未満のときにはビレットを追加することができないので、未切断のそれぞれのブルームに振り当てられているビレットの全てに対して湯余り量を均等配分すれば良く、また湯不足量がビレット1本分未満のときには、最も上流側のブルームのビレットの計画本数nを1本少なくすると共に、この最も上流側のブルームの長さが上限値側になるように湯余り量を調整し、これを未切断のそれぞれのブルームに振り当てられているビレットの全てに対して均等配分した後に、この最も上流側のブルームから(n−1)本のビレットを採取すれば良い。また,ブルームから採取されるビレットの本数は一具体例に過ぎないものである。
【0037】
【発明の効果】
本発明の請求項1に係る連続鋳造における鋳片切断方法によれば、ブルーム切断指令情報に、次工程の分塊工程で用いるビレット切断指令および各ブルームから採取されるビレット本数を追加した複合指令情報に基づいて、鋳片の良片部長さLと全ブルームの計画長さaとを比較して湯余り量または湯不足量を求め、L>aで湯余り量であるときにはブルームにビレット本数を追加し、またL<aで湯不足量であるときにはブルームのビレット本数を削減してビレット1本分未満の湯余り量に調整し、この湯余り量が未切断のブルームに均等配分された後に切断される。従って、従来例1や2のように、湯余り量が1本のブルームだけにしわ寄せされるようなことがなく、切断長さが揃った上限値側の長さのビレットが得られるので、次工程以降の鋼製品の歩留りの向上に大いに寄与することができるのに加えて、従来例1や2のようにブルームの切断長さを線形計画法や遺伝アルゴリズム等、複雑な手法を用いて最適化計算する必要がないので、従来例1または2よりもブルームの切断設備に係る設備費に関して有利になるという優れた効果がある。
【0038】
本発明の請求項2に係る鋳片切断方法によれば、ブルームにビレット本数を追加するときにはブルームの上限値範囲内で追加し、ビレット本数を削減するときにはブルームの下限値範囲内で削減する。従って、ブルームから切断長さが均一な上限値長さのビレットを採取することができるという効果がある。
【0039】
本発明の請求項3に係る鋳片切断方法によれば、ブルームにビレット本数を追加するときには鋳片の下流側から上流側の順に未切断のブルームに1本ずつのビレットを追加し、またビレット本数を削減するときには鋳片の上流側の未切断のブルームからビレット本数を削減する。従って、切断されたブルームを台車に段積みするに際して、上段側のブルームが下段側のブルームよりも長くなることがなく安定性が良いので、台車による搬送時におけるブルームのハンドリングが容易化されるという効果がある。
【0040】
例えば、ビレットからより細寸の鋼製品を製造する場合、圧延された鋼製品素材の長さの如何を問わず、両端から所定長さのスクラップ(クロップ)が生じるが、本発明の請求項4に係る鋳片切断方法によれば、未切断のブルームに均等配分される均等配分量は、各ブルームから採取されるビレットの切断長さが上限値側になるよう配慮されていて、ブルームから採取されるビレットの切断長さが計画された長さの上限値に近いので、下限値側にしわ寄せされることがある従来例の場合よりも鋼製品の歩留りが向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係り、鋳片を鋳造している状態を示す連続鋳造設備の模式図ある。
【図2】本発明の実施の形態に係り、上位生産管理システムのブルーム切断指令情報に、次工程の分塊工程で用いるビレット切断指令情報を追加した複合指令情報を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る連続鋳造における鋳片切断方法のフローを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係り、図4(a)乃至(d)は湯余り量が発生した場合における調整を具体的に示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係り、図5(a)乃至(d)は湯不足量が発生した場合における調整を具体的に示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係り、ビレット採取時における歩留り説明図である。
【図7】従来例1に係り、鋳片切断方法を実施する模式的構成説明図である。
【符号の説明】
1…溶鋼鍋,2…タンディッシュ,3…モールド,4…鋳片,5…切断トーチ,11〜15…ブルーム
20…複合指令情報,21…ブルーム切断指令情報,22…ビレット切断指令情報
51…ビレット1本分以上の湯余り量,51′…ビレット1本分以上の湯不足量,52…意図的に作りだされたビレット1本分未満の湯余り量
a…全ブルームの計画長さ,A,B,C…ビレット,L…連続鋳造された鋳片の良片部長さ

Claims (4)

  1. 連続鋳造された鋳片を、上位の生産管理システムから発行された各ブルームのブルーム切断指令情報に基づいて駆動される切断装置で切断して複数のブルームを採取する連続鋳造における鋳片切断方法において、前記ブルーム切断指令情報に、各ブルームから採取するビレット本数指令を含み、次工程の分塊工程で用いるビレット切断指令情報を追加した複合指令情報に基づいて、鋳片の良片部長さLと全ブルームの計画長さaとを比較して湯余り量または湯不足量を求め、L>aで湯余り量であるときにはブルームにビレット本数を追加し、またL<aで湯不足量であるときにはブルームのビレット本数を削減してビレット1本分未満の湯余り量に調整し、この湯余り量を未切断のブルームに均等配分して切断することを特徴とする連続鋳造における鋳片切断方法。
  2. 前記ブルームにビレット本数を追加するときにはブルームの上限値範囲内で追加し、またビレット本数を削除するときにはブルームの下限値範囲内で削減することを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造における鋳片切断方法。
  3. 前記ブルームにビレット本数を追加するときには鋳片の下流側から上流側の順に未切断のブルームに1本ずつのビレットを追加し、またビレット本数を削減するときには鋳片の上流側から下流側の順に未切断のブルームからビレット本数を削減することを特徴とする請求項1または2に記載の連続鋳造における鋳片切断方法
  4. 前記未切断のブルームに均等配分される均等配分量は、各ブルームから採取されるビレットの切断長さが上限値側になるよう配慮されてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一つの項に記載の連続鋳造における鋳片切断方法。
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